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カニエ邦彦君 今
長官は森君の
質問で、現在の人員で十二分にや
つて行けると思うというようなことを言われておるのですが、私は十二分でないという考えを持
つておるのです。これは議論はいたしませんが、二十四年度の会計
検査院が国会に
報告しておりますところの税金の取り足らぬところの一億八千余万円と未
徴收分の一億一千六百万円余のものを合計いたしますと、三億余万円になるのでありますが、この三億余万円というものが一体どういうような然らば
調査によ
つて出たのであるかと言いますと、全国に
税務署が、間違
つておれば
是正して頂きたいと思うのですが、たしか五百三
税務署があるが、その五百三
税務署のうち、会計
検査院が
調査に行きました箇所は二百三十七カ所にな
つております。そういたしますると、三分の一強だけしか行
つていない、実際は……。そうすると、あとの半数以上というものは全然
調査にも行
つておらねば、さわ
つて見てもいないという
実情なんですね。そこでそういうような
調査で出て参つたものが三億なんです。だから
本当に全部の五百三の
税務署の
調査をすれば、この三億の三倍なるところの九億というものになるか、ならないかは別としまして、とにかくそういうような大きな
数字がまだ出て来るのではなかろうかと思われる。それから今度、それはそれといたしまして、二百三十七の
税務署を今度一体
調査をしておる
実情を見ますると、
一つの
税務署に二人ほどの
検査員が行きまして、そうして三日から多いところで一週間ぐらい
調査をしておるのですね、これはまあ極く簡單に書の間だけや
つているので、夜も寝ずにやつたというわけではないのであります。ところが僅か三日かそこら、
一つの
税務署に三日かそこら行
つてや
つたのが三億余万円という
数字が出て来ておる。だから
本当に
一つの
税務署にがつちりと腰を下して、そうしてもつと詳細に調べたなれば、一体どれだけの額が出て来るのであるかというと、これは恐らく私は
厖大な
数字にな
つて来るのではなかろうかと思われるのです。ところが今度
調査の
やり方ですね、
やり方を見て見ますると、
税務官吏がやつた
仕事を会計
検査院が
本当に拔打的な、拔打
検査的な恰好で調べているのです。そういう調べ方で出て来たのがこういう
数字なんですね、だから結局今言われるように間單に
検査の人員を減らしてでも行けるというようなことは、どうも了解に苦しむと思うのですが、この点については一体どうなのかという点、それからもう
一つは、会計
検査院が簡單に三日ほどお
つて、これだけ
一つの
税務署で調べ上げて
是正さしている。それをなぜ本職の
税務官吏がわからないのか、それほどむずかしいことじやないと思うのです。調べた経過なり、実体を我々が
調査して見ますと……。何でもないところから、これはどうだということを言われて、これは当然そういうことですということにな
つて直しているのですね、だからこういつた会計
検査院が僅かの日にち行
つて、而も拔打的にぱつぽつと見た
程度でこれだけあるというのですから、而もそういうことでわかる事柄がなぜわからないかということですね。この点については一体どうにも……。私は行きましておかしく思うのです、了解に苦しむのですよ。それが金然税務に明るくない者が、素人がやつたというのならば、これは全然素人だから、さような手落ちもありますということは肯けるのです。ところが本職がやられてお
つて、そうしてそういうことがなぜ起きるのか、而もこういつた
厖大な
徴收不足なり、或いは
是正される
金額が出て来るかという点です。で、この点について
長官としてなぜそんなことになるかということについて
一つお話を願いたいと思うのであります。