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1951-10-19 第12回国会 参議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月十九日(金曜日)    午後一時二十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩男 仁藏君    理事            仁田 竹一君            長谷山行毅君            カニエ邦彦君            溝口 三郎君    委員            大矢半次郎君            楠瀬 常猪君            西山 龜七君            廣瀬與兵衞君            栗山 良夫君            小林 亦治君            小林 孝平君            田中  一君            加藤 正人君            有馬 英二君            菊田 七平君            竹中 七郎君            石川 清一君            森 八三一君   政府委員    大蔵省主計局長 河野 一之君   事務局側    常任委員会専    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院院長 佐藤  基君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十四年度政府関係機関収入支  出決算内閣提出)   —————————————
  2. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 只今より決算委員会開会いたします。  先ず理事辞任の件をお諮りいたします。岩沢忠恭君より理由を付して理事辞任したい旨の申出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。
  4. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) つきましては、この際後任理事互選を行いたいと思います。
  5. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今後任理事互選につきましては、成規手続を省略いたしまして、委員長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  6. 森八三一

    ○森八三一君 只今カニエ委員動議に賛成いたします。
  7. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 只今カニエ君の動議通り決しまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。よつて委員長高橋進太郎君を理事に指名いたします。
  9. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 次に、昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算を議題に供します。  先ず政府より御説明を願います。
  10. 河野一之

    政府委員河野一之君) 昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算並びに同政府関係機関決算報告書会計検査院検査報告と共に前々国会に提出いたしたのでありますが、今回その大要を御説明申上げます。  昭和二十四年度決算は、本予算昭和三十四年十二月一日成立いたしました補正予算とでありますが、本予算の成立が遅れました関係上、昭和二十四年四月二十日までは暫定予算によつたのであります。  昭和二十四年度予算は、御承知のように経済基盤を安定させることを目標として、総合収支の均衡、債務償還財政消費の圧縮、行政整理、米国対日援助活用等一連の画期的な構想の下に編成せられたのでありますが、この財政政策は予期以上の効果を収め、インフレーシヨンの収束と自立経済の推進とに極めて著しい貢献をしたのでありまして、終戦後の我が国経済に対して誠に重要な意義を持つものと存じておる次第であります。なお、予算執行につきましては、財政法その他会計法令を改正いたしまして、その適正化を期したのであります。  以下決算内容を数字をあげて御説明申上げます。一般会計歳入決算額は七千五百八十六億余円、歳出決算額は六千九百九十四億余円でありまして、歳入歳出を差引いたしますと五百九十一億余円の剰余を生ずる計算であります。この剰余金額から、昭和二十五年度に繰越しました歳出財源に充てなければならない額百八十九億余円及び昭和二十三年度剰余金使用残額二百六億余円を差引きますと、百九十五億余円が本年度新たに生じた純剰余金となるのであります。この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一応翌年度歳入に繰入れるものでありますが、その二分の一相当額は、同法第六条の規定によりまして、公債又は借入金償還財源に充てることとなつております。以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入におきましては、七千四百十三億余円の予算額に対して百七十二億余円の増加と相成りますが、このうちには前年度剰余金の受入が予算額に比べて二百二十三億余円増加しておりますので、これを差引きますと、純歳入におきましては、五十億余円の減少と相成ります。その内訳租税及び印紙収入における増加額二十二億余円、官業及び官有財産収入における増加額三十四億余円、雑収入及び特別収入における減少額百六億余円となつております。  一方歳出におきましては、予算額七千四百十億余円に、前年度からの繰越額十六億余円を加えました予算現額七千四百二十七億余円から支出済額を差引きますと、差額は四百三十二億余円でありまして、そのうち翌年度に繰越しました額は、前に申上げました通り百八十九億余円、不用額は二百四十三億余円となつております。右の翌年度への繰越額のうち、財政法第四十二条但書前段規定によつて国会の承認を得て翌年度へ繰越した金額は五十三億余円でありまして、その内訳は、価格調整補給金におきまして、出荷数量等確認年度内にできなかつたもの及び終戦処理工事費におきまして、工事調達要求書発出の時期の関係等によつて年度内支出を終らなかつたものであります。又財政法第四十二条但書後段規定によつて避けがたい事故のため翌年度へ繰越した金額は百三十六億余円でありまして、その主なものは終戦処理費価格調整補給金、物資及び物価調整事務取扱費職員宿舎施設費及び一般公共事業等に関する経費であります。又不用額のうち主なものは、終戦処理費におきまして百二十六億余円、価格調整補給金におきまして四十五億余円等でありまして、終戦処理費につきましては、主として事業費におきまして、連合国軍調達要求が少かつたこと等によるものであり、又価格調整補給金につきましては、主として輸入価格が当初の予算額に達しなかつたこと等によるものであります。  次に、一般会計国庫債務負担行為について申上げます。財政法第十五条第一項の規定に基く国庫債務負担行為限度額は三十一億円でありましたが、実際に債務を負担いたしました額は三十億余円でありまして、これに既往年度からの繰越額を加え、昭和二十四年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きまして翌年度以降へ繰越した額は五十四億余円であります。又財政法第十五条第二項の規定に基く国庫債務負担行為限度額は一億円でありましたが、同年度中に実際に負担いたしました債務はございませんので、既往年度からの繰越額から昭和二十四年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差し引きまして、翌年度以降へ繰越した額は二千三百万余円であります。  以上、昭和二十四年度一般会計決算に関して、極めて概略を申上げた次第であります。  次に、昭和二十四年度特別会計決算につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと存じますが、概略を申上げますと、同年度における特別会計の数は三十四でありまして、これら各特別会計歳入決算総額は一兆八千三百九十四億余円、歳出決算総額は一兆七千五百七十二億余円であります。これを一般会計決算額と合せ、相互の重複額を控除調整いたしました決算の純計額は、歳入において一兆七千百八十七億余円、歳出において一兆五千七百三十九億余円となる計算であります。  次は、昭和二十四年度政府関係機関決算でありますが、同年度における政府関係機関の数は二十一でありまして、その収入支出決算内容につきましては、それぞれの決算書によつて御覧を願うことにいたしたいと存じます。  最後に、昭和二十四年度財政の特色である政府関係債務減少につきまして、その実績を申上げます。年度当初における政府及び政府関係機関債務総額国債二千八百五億余円、政府借入金及び一時借入金千二百三十二億余円、食糧証券その他の短期証券千二百八億余円、復興金融債券千九十一億円、政府関係機関借入金六百六十一億余円、計六千九百九十七億余円でありましたが、このうち政府及び政府関係機関部内で保有しております分を控除いたしました対民間債務額は五千五百十三億余円でありました。然るに年度中におきまして、復興金融債券全額償還を初めとする各種債務償還措置が講ぜられました結果、年度中における対民間債務減少は千四百七十六億余円に上り、債務増加百六十九億余円を差引きまして、結局千三百六億余円の減少と相成つたのであります。なお、年度末における国債の現在高は二千九百十七億余円、政府借入金及び一時借入金の現在高は千百六十一億余円と相成つております。  以上昭和二十四年度一般会計及び特別会計並びに政府関係機関決算に関しまして、極めて概略を申上げたのでありますが、更に御質問の都度、詳細を御説明申上げたいと存じます。実は大臣及び政務次官は余儀ないお差支えがありまして、私が代つて説明申上げた次第であります。詳細の点につきましては、更に御質問によりまして御説明申上げることとして、何とぞ御審議のほどをお願い申上げる次第であります。
  11. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 次に会計検査院より決算の結果について御説明をお願いいたします。
  12. 佐藤基

    説明員佐藤基君) 昭和二十四年度決算検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和二十四年度決算検査報告には、国の収入支出決算確認検査上不当と認めた事項のほか、出納職員に対する弁償責任の検定、主務官庁に対する改善意見の表示、検察庁への通告事項政府関係機関に関する検査事項等を記述いたしてあります。昭和二十四年度一般会計決算額歳入七千五百八十六億余万円、歳出六千九百九十四億余万円、各特別会計決算額合計歳入一兆八千三百九十四億余万円、歳出一兆七千五百七十二億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計決算額を総計いたしますと、歳入二兆五千九百八十億余万円、歳出二兆四千五百六十七億余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入一兆六千二百六十九億円、歳出一兆五千六百四十七億円となり、前年度に比べ歳入において五千九百十六億円、歳出において五千八百六十五億円の増加となつております。  以上申上げました一般会計及び各特別会計決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないもの、即ち検査確認といたしました金額は、一般会計におきましては歳入一億五百余万円、歳出百八十億七千二百余万円、又、特別会計におきましては歳入十九億六千余万円、歳出二十五億百余万円でありまして、未確認額は総計二百二十六億四千余万円に上ります。  右の未確認金額のうち主なものは、経済安定本部価格調整費で概算払したもののうち、まだ精算を終つていないものが百五十八億千二百余万円あるのと、貿易特別会計支出のうち、まだ本院で調査中のものが十八億六百余万円あるなどであります。  次に会計検査の結果、経理上不当と認めた事項として昭和二十四年度決算検査報告に掲げました事項の件数は、合計七五〇件の多数に上つております。その内訳は、租税に関するもの二六八件、未収金に関するもの四四件、予算経理に関するもの六三件、工事に関するもの四九件、物件に関するもの二一八件、資金管理に関するもの一三件、財務諸表に関するもの一二件、不正行為に関するもの一四七件、その他二六件であります。このように不当な事項の多いことは、国家財政が国民の租税などを主な財源としておりますことに鑑みまして、甚だ遺憾に堪えないところであります。これらは主として法令若しくは予算の軽視又は責任観念稀薄等職員資質低下によるものと認められますので、昨年七月内閣総理大臣及び大蔵大臣に対しまして、会計職員資質向上のため専門的な研修制度を確立して、これに応ずる待遇の改善をなすべきことについて意見を表示したような次第であります。なお不当と認めた事項のうち、この検査報告に掲記しなかつたものも多数に上るのでありますが、これらについては別途にそれぞれ関係機関に対し厳重な注意書を発しておきました。前に申上げました七五〇件の不当事項につきましては、この検査報告の第五章に詳しく記述してありますから、これによつて承知を願いたいのでありますが、ここに全体を通覧してその概要説明いたします。  第一は歳入収納未済についてであります。一般会計の二十四年度収納未済額は千百九億余万円であり、これに特別会計収納未済額二百五十八億余万円を合せると、収納未済額は千三百六十七億余万円の多額に上り、そのうち主なものは租税収入の千四十億余万円、食糧売払代の百二十七億余万円であります。これら収納未済額のほかまだ徴収決定をしていないものが貿易特別会計で三百七十三億余万円あることなどを考慮すれば、事実上の収納未済額はなお巨額に上るものと認められます。これらの収納未済額については、国の財政の現状に鑑み、その徴収の促進について、なお一段の努力の要があると認められます。  第三は法令に基かない特別資金経理についてであります。歳入徴収に関し、国有物件売渡代金を仮受領金名義買受人から受領したり、或いは歳入金を国に納付しないで出納職員でない者が保管したり、又は法令に基かないで資金借入行なつたりして資金々保有し、これを予算外使用して歳出金などの立替使用に充てた事例があります。他方経費使用に関して支出の原因である事実がないのに、その事実があつたように不正に関係書類を作製して支出を行い、又は正当支出額付掛をして支出を行い、このようにして捻出した資金予算外経理している事例もあります。このような経理予算又は会計法規に違反するばかりでなく、公金の横領などの誘因ともなるので、厳に戒めるべきことであります。  第三は公共事業費についてであります。本事業実施状況について見ますと、予算を重点的に使用しないで分散的に使用したため十分な効果を期し得なかつたり、後年度継続施行の見込が十分でない工事行なつたり、又は他の関連工事と相待つて効果を発揮するのに、その関連工事の計画及び実施時期等についての検討が十分でなかつたため、工事実施してもその効率が十分でないと認められる事例があります。又事業実施についての予算示達四半期ごとに行われるため、工事実施部局年度当初に一括して契約することができないで、四半期ごとに分割して契約することとなり、或いは寒地で第三・四半期以降に予算示達を受けたような場合、年度内工事の遂行が困難なため経費年度区分をみだつた事例が見受けられます。なお事業実施に当り、認証外工事実施しているものがあつたり、災害復旧の程度を越えた改良工事災害復旧工事に対すると同様の高率を補助をしているものがあつたり、予算示達前に法令に認められない資金借入行なつたものがあつたり、或いは正当工事費付掛を行うなどの方法により認証手続を経ない工事経費などに資金を充てたりしている事例などがあります。このようなことは会計経理上誠に遺憾に堪えないところであります。  第四は終戦処理費についてであります。労務費の支給に当り、給与方針の不徹底経理職員の不注意などにより過払を生じたものがあり、又工事施行及び役務の提供に関し契約又は経費精算処置等が適切でなかつたため諸経費の積算が過大であつたり、物品調達に当り材料の使用数量又は納入経費を過大に積算した事例が多いのであります。なお工事費等支払については従来遅延が甚だしく、検査に際しその処理迅速化注意して来たところでありますが、二十四年度においては終戦処理既定調達費百四十五億余万円を支出し、二十三年度以前に施行済工事等に対する支払を了しております。  第五は公団経理についてであります。各公団を通じて見ますと、資金市中銀行に滞留させ、その資金を他に融資したり、商品売渡代金回収努力が十分でなく、多額の売掛金を存しておつたり、架空の名義などにより予算目的外支払をいたしておつたり、保管商品管理が十分でなかつたり、職員売渡代金等をほしいままに領得するものがあつたり、経理上妥当でないと認められるものが多く、甚だ遺憾にたえません。  第六は職員不正行為についてであります。会計事務処理する職員等不正行為により国又は政府関係機関損害を与える事例累年増加の傾向にあり、この検査報告に掲記したものの不正行為金額総額六億七千余万円に上る状況でありまして、そのうち二十五年十月末現在補てんされた額は三億八千余万円であります。不正行為の態様としては出納職員又はその補助者である関係職員債権者に対する支払金額付掛してその差額を領得し、小切手用紙及び官印を盗用して偽造小切手を振り出し、あるいは出納職員、その補助者等が収納した租税物品売渡代金等収入金又は現品を領得したものが多いのでありますが、会計帳簿等の整備及び記帳整理の迅速的確を期し、会計職員責任観念を引き締め、内部のけん制組織監査組織充実徹底を図ることが特に必要であると認められます。  以上その概要説明いたしましたような不当事項については、会計検査院といたしましても、善後処置注意しますと共に、極力その再発防止について努力を尽しております。なお検査報告説明を終るに当りまして、会計検査院検査方針について一言附加えたいと思います。国及び政府関係機関会計処理に対しては、会計検査院は、特に収入の確保及び支出の節約を図り、経費効果的に使用し、又事業を能率的に運営し、物件を経済的に管理処分すると共に、債務支払遅延などにより一般民間に不当な損害を及ぼすことのないよう関係機関注意を喚起し、一般的に当務者経理の適正を期し、且つ不当事項の是正及び発生の防止を図るなど、適正な経理事務執行を確保するよう検査徹底を期したいと存じている次第であります。
  13. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 以上で大蔵当局及び会計検査院から一般的の説明を聞いたのでありますが、ここで暫時休憩いたしたいと思いますが、如何でしようか    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) では暫時休憩いたします。    午後一時五十五分休憩    ——————————    午後三時一分開会
  15. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 休憩前に引続いて只今より再会いたします。速記を止めて…。    午後三時二分速記中正    ——————————    午後三時四十六分速記開始
  16. 岩男仁藏

    委員長岩男仁藏君) 速記を始めて……。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時四十七分散会