○仁田竹一君
請願及び
陳情につきまして御
報告いたします。十月十日までに
運輸委員会に付託になり、審査しましたものは
請願九十件、
陳情二十三件であります。このうち、小
委員会におきまして慎重審議の結果、願意を妥当と認めましたものは次の
通りであります。
請願第三五号
常磐線電化促進に関する
請願、
請願第一二九号
大宮、
白河両
駅間電化促進に関する
請願、
陳情第二九号
大宮、仙台両
駅間鉄道電化促進に関する
陳情、
請願第二七〇号
大宮、仙台両
駅間鉄道電化促進に関する
請願、
請願第三五六号東北、常磐両
線電化に関する
請願、以上の
請願四件、
陳情一件は、いずれも鉄道の電化に関するものでありまして、その主旨は、国鉄の電化は
日本再建の根幹であり、石炭の節約と経営の
合理化と相俟
つて国策上重要なる問題である。常磐線については、幹線五カ年
計画により上野、取手間がすでに電化せられ好成績をおさめており、沿線は京浜地区に対する主要物資の給源地帯でもあり、最近は更に本線の使命も重要性を加えてきたので、優先的に電化に着工して欲しいというのであります。又東北本線につきましては、沿線には、
トンネル及びこう配も多く、北海道と京浜地区との間の輸送の円滑を図る上からも、更に沿線の産業開発上、観光地に対する旅客の誘致上からも速かに電化して欲しいというのであります。
請願第七三九号、同七八〇号
福岡県
下国鉄電化促進に関する
請願、右
請願二件の要旨は、
福岡県、特に北九州五市、
福岡地区及び大牟田地区は、京浜阪神に次ぐ人口密度を有し、背後に筑豊炭田地帯をひかえ、
我が国三大工業地帯の一でありながら、旅客輸送
機関が甚だしく劣
つているため、住民の福祉と勤労意慾を阻害することが甚大であるから、速かに国鉄の電化を実現すると共に本年すでに着工されている小倉、博多附近の大改良と日豊本線小倉、行橋間の線路増設
計画を一日も早く完成せられたいというのであります。小
委員会におきましてはいずれも願意を妥当と認めました。
請願第三六号
紀伊木本、尾鷲両
駅間鉄道敷設に関する
請願、
請願の要旨は、紀勢東線中、木本、尾鷲間は、
昭和二十二年六月工事に着手したが、同二十三年三月に、予算その他の理由で工事が中止となり今日に及んでいるが、同区間の開通によ
つて地方産業の振興に偉大な貢献をなすばかりでなく、国際観光地としての発展にも寄与する点が大きいから、速かに本区間の鉄道工事を再開せられたいというのであります。
請願第三七号
国鉄既定計画線全通促進に関する
請願、
請願の要旨は、産業の発展は、交通の発達と密接な関連を有しているが、例えば湧網線(常呂−中佐呂間)、山東線(
久慈−宮古間)樽見線(大垣−宝球山間)等のように既定
計画線が未だに全通しないため、既設線が中断され、未開発資源の利用と地方産業の発展とを著しく阻害している例が少くないから、速かに国鉄既定
計画線の全通を図られたいというのであります。
請願第七三号
大糸線全通促進に関する
請願、
請願の要旨は、中、土、小滝間の十七粁余が未開通のまま放置されており、沿線の資源開発に支障を来すばかりでなく、表
日本と裏
日本とを結ぶ交通網完成の観点からも必要であるから、速かに本線の完成を期せられたいというのであります。
請願第一七一号岩内、黒松内両
駅間鉄道敷設の
請願、
請願の要旨は、函館本線の岩内駅より島津村、磯谷村、歌棄村及び樽岸村を経て、黒松内駅に至る国有鉄道後志西海岸鉄道敷設については、いまだに実現を見ず、地方産業復興上重大な障害とな
つているから、速かに本鉄道の敷設を実現せられたいというのであります。
請願第二二八号宮下駅、川口村
間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、奥会津は
我が国最大の電源地帯であり、又未開発の宝庫であるが、これらを開発するに要する人員資材等の輸送は、宮下駅よりトラツクによ
つて運搬している現状であるから、会津線宮下、川口間の鉄道工事の建設促進を計ると共に、更に同線を只見まで延長せられたいというのであります。
請願第二二九号
荒海駅、
滝原間鉄道敷設に関する
請願、
請願第三九四号
荒海駅、
滝原間鉄道敷設促進に関する
請願、右二件の
請願の要旨は、国鉄会津線
荒海駅、滝原間の鉄道敷設工事は、奥会津の森林及び地下資源の開発上緊急を要するものである。特に最近同線の沿線にある別子鉱業株式会社所属の鉱区は、良質の銅、鉛、亜鉛等が豊富に埋蔵されていることが確認されているから、
我が国鉱業の振興と奥会津開発のため、すでに
予定工事の半を終了している本区間の鉄道敷設工事の速かな完成を図られたいというのであります。
請願第二三〇号米沢、熱塩両駅間および
荒海、今市両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、野岩羽線中の
荒海、今市間六十三粁及び米沢、熱塩間三十粁が完成すれば東京、青森間の鉄道距離が著しく短縮され、栃木、山形、福島三県の林産並びに地下資源の開発にも寄与し、国家再建の基盤となるから、右区間の鉄道敷設を速かに促進せられたいというのであります。
請願第二七一号相生、西大寺両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願(三通)、
請願の要旨は、本年度中に相生、赤穂間は開通の運びになるが、岡山県香登以西の線路が未だに
決定を見ないままにな
つているので、国鉄の独立
採算上、又地方産業開発上の両面から検討して、岡山県邑久郡を経て上道郡西大寺町を経由するようにする方が最も有利であるから、即刻
決定の上、上道郡西大寺町方面からも工事に着手せられたいというのであります。
請願第三九七号
小本線延長工事促進に関する
請願、
請願の要旨は、国鉄小本線の宇津野駅から大川村、落合岩泉町を経て小本港に至る区間は、豊富な地下資源を埋蔵しているが、特に最近の鉄鋼増産の要望と耐火粘土、シヤモツト輸送の必要性に鑑み、国鉄小本線宇津野、落合岩原間の延長敷設工事を速かに実現せられたいというのであります。
請願第四三五号朱鞠内、羽幌両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、名寄町、朱鞠内間はすでに開通しているが、朱鞠内、羽幌間は未だに開通していないため、沿線の林、鉱産物の資源開発は
計画の一端を実行しているのみであるから、速かに本区間の鉄道を敷設せられたいというのであります。
請願第四三七号、同第四九五号、
陳情第九号
三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する
請願、
陳情第一四号
交通総合開発促進に関する
請願、右の
請願二件及び
陳情二件の要旨は、宮城県岩手県及び青森県を結ぶ三陸沿岸縦貫鉄道の貫通については、しばしば
請願したが未だに実施せられないのは甚だ遺憾であり、鉄道未開通のため、産業の発展はもとより文化の向上等が著しく妨げられているから、沿線物資の輸送と、東北産業開発の重要性に鑑み、速かに本鉄道の敷設を実施せられたいというのであります。
請願第四六九号大隅半島縦貫鉄道敷設に関する
請願、
請願の要旨は、大隅半島縦貫鉄道は、国土総合開発法に基く、特定地としての中心をなす大隅半島を縦貫する線で、同地方の豊富な農林産資源の開発と、同地域の経済文化の向上に極めて重大な役割を持
つているばかりでなく、青島、霧島を結ぶ観光ルートとしても重要な価値を有するものであるから、本鉄道の敷設を速かに実現せられたいというのであります。
請願第四七〇号山川枕崎両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、鹿児島県山川、枕崎を結ぶ線は、かつお漁業の根拠地として知られている山川、枕崎両港を結び、しかも沿線の頴娃、知覧、開聞の三カ町村の豊富な農産物及び林産物の搬出、輸送に果す役割は大きく、沿線町村民の受ける恩恵は計り知れないものがあるから、速かに本鉄道の敷設を実施せられたいというのであります。
請願第六〇一号隼人、古江両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、日豊線隼人駅から古江駅に至る鉄道の敷設は、南九州大隅地方の豊富な林、農、畜、水産物等の各種重要資源の開発上緊急を要するものであり、又、観光的見地からも没却することができないものであるから、速かに本鉄道を敷設せられたいというのであります。
請願第六五〇号宮古、
久慈両
駅間鉄道敷設に関する
請願、
請願の要旨は、宮古、
久慈両駅間は、太平洋に面し、多くの景観地を控えているばかりでなく古来
世界三大漁場の一といわれ且つ沿線には広大な大森林及び金銀、銅鉄、マンガン等の各種資源を埋蔵する地帯を控えておりこれらの資源の開発は一にかか
つて本区間の鉄道の敷設にかか
つているから、これが実現について善処せられたいというのであります。
請願第五二四号茨城県長倉村、大子
駅間鉄道敷設促進に関する
請願(二通)、
請願の要旨は、戦争のため工事が中止せられて今日に及んでいるが、鉄道敷設については二十余年にわたる宿願であり、今日に至るも実現を見ないのは地方経済発展のために遺憾であるから本鉄道の敷設を促進して欲しいというのであります。
請願第五四一号関金、勝山両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、鳥取県倉吉町と岡山県勝山町をつなぐ
予定線は関金まで開通したがその後工事が中止せられて今日に及んでいるが本線は陰陽を結ぶ最短線であり、沿線の資源開発と地方産業の発展のためにも速かに本区間の鉄道敷設を実施せられたいというのであります。
請願第六三〇号雫石、生保内両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、盛岡駅を起点とする橋場線は戦時中
政府において橋場駅、雫石駅間の線路を撤収したまま今日に及んでいるが、この線路の復旧と共にこれを生保内駅まで延長して、今次の国土綜合開発法に基く特定地域指定開発に即応できるよう速かに本鉄道の敷設工事を実施せられたいというのであります。
陳情第一三三号若桜、八鹿両
駅間鉄道敷設促進に関する
陳情、
陳情の要旨は、山陰線八鹿駅と鳥取県の若桜駅を結ぶ鉄道の敷設は、戦争のため、立消えとな
つているが、本線の開通によ
つて沿線の山林資源を開発し、旅客及び物資の輸送に多大の便宜を与え且つ産業の開発に寄与するところが大きいから、速かに本区間に鉄道の敷設を実現せられたいというのであります。
請願第七〇五号浜原、備後十日市両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、山陰線石見江津駅より芸備線備後十日市駅に至る三江線は、浜原、敷式間三十五粁が未着工のままにな
つているが、本鉄道は現在山陰、山陽を結ぶ既設線に比して最短距離にあり、地勢、観光等より観るも優位な立地条件を具備しており且つ江川水系の電源開発に要する資材、人員の輸送等にも重要な意義を有するものであるから、速かに本区間の敷設を図られたいというのであります。
請願第七五四号
只見鉄道全通促進に関する
請願、
請願の要旨は、只見鉄道の全通は、沿線の豊富な林産、鉱産資源の開発と奥只見電源開発上重要なものであり、かつ緊急を要するものであるから、本鉄道の全通を促進せられたいというのであります。
請願第七七八号
白棚鉄道復活に関する
請願、
請願の要旨は、白棚鉄道の復活工事は、沿線の豊富な各種資源を開発するために、極めて重要であるが、工事が中止となつたままにな
つているから、速かに再工事に着工せられたいというのであります。
請願第八五〇号二俣、佐久間両
駅間鉄道敷設促進に関する
請願、
請願の要旨は、静岡県二俣町より、佐久間村に至る鉄道の敷設は、戦争のため工事が中止されたまま今日に及んでいるが、本鉄道は表裏
日本を結ぶ最短要路であり、沿線には豊富な林鉱産物並びに電力等の資源を持
つており、重要な鉄道であるから速かに敷設工事に着手せられたいというのであります。
請願第八五一号
四国循環鉄道全通促進に関する
請願、
請願の要旨は、四国循環鉄道は余すところ吉野生、影野間の九十粁となつたが同地方は豊富な水産、農産、林産、鉱産に恵まれているので、鉄道全通の暁には、
我が国の自立経済に大いなる貢献をなすから、速かに本鉄道の敷設を実施せられたいというのであります。
以上の
請願二十五件及び
陳情三件はいずれも鉄道の敷設に関するものでありまして、小
委員会におきましては審議の結果、いずれも地方の文化の向上、産業の開発、民生の安定並びに交通網の完成の面より見て願意を妥当と認めました。
請願第七二号銭函、軽川両駅間に
簡易乗降場設置等の
請願、
請願の要旨は、地方産業の開発に資し、併せて住民の利便を図るため、函館本線銭函駅と軽川駅との中間である札幌郡手稲村字星置八十四番地に簡易乗降場を
設置し、更に岩見沢、
小樽両駅間にガソリンカーを運行せられたいというのであります。
請願第四九〇号愛知県矢作町
西牧内地内に
停車場設置の
請願、
請願の要旨は、矢作町は矢作川に沿うて人口が密集しており、都市への通勤者が多いにもかかわらず、適当な停車場がないため遠隔の安城、岡崎の両駅を利用しておるので、不便不利が甚だしいから、近く行われる東海線の電化を機会に、矢作町本町大字
西牧内地内に停車場を
設置して欲しいというのであります。
請願第六五二号階上、種市両駅間に
簡易停留場設置の
請願、
請願の要旨は、八戸線階上、種市西駅間は、約八粁あり、その間に約三千人の居住者があるが、いずれの駅にも四粁以上あり、又同線種市、八木両駅間は、距離七粁あり、その間に玉川、戸類家、宿戸の三部落があ
つて人口は、約三千人に達しているが、いずれの駅にも約四粁以上あるため同地方民は非常に難渋しているから、階上、種市両駅間並びに種市、八木両駅間にそれぞれ簡易駅を
設置せられたいというのであります。
以上の
請願三件はいずれも駅及び
簡易乗降場設置の
請願でありまして、小
委員会におきましては現地の
事情をも考慮し願意を妥当と認めました。
請願第三五八号磐越東線及び水郡線に二等
客車連結の
請願、
請願の要旨は、磐越東線及び水郡線は、福島県の文化、経済、交通上極めて重要な線路であり、戦後急速なる経済の復興、産業の発展に伴い、旅客は増加し、特に両沿線各地は、県下有数の観光地に恵まれているが、旧態依然たる三等客車が運転されていることは、旅客サービス上からも、観光
日本の外客誘致上にも遺憾であるから、両線に二等客車を連結せられたいというのであります。
請願第四七九号唐津港
石炭積出引込線高架桟橋急設に関する
請願、
請願の要旨は、佐賀県唐津港は、九州地方における石炭積出し港として、重要な役割を果しているが、現在の鉄道引込線の古い底桟橋は、明治二十一年の建設になるものであるから、能率が低く、鉄道桟橋と船復が直結していないため、荷役費が蒿み、著しく非経済、非能率であるから、同港石炭積出し施設
関係工事中引込線の高架桟橋を速かに
設置せられたいというのであります。
請願第六四八号八戸、八木両駅間に
ガソリンカー運行開始の
請願、
請願の要旨は、岩手県種市町は、経済的及び文化的に八戸市と密接しているため、両地区間の交通は日と共に頻繁の度を加えているが、一日五往復の列車があるのみであり、しかも運行間隔が適当でないから常に困難している、この交通難を緩和するため、尻内、鮫両駅間に運行されているガソリンカーを最低二往復八木駅まで延長運行せられたいというのであります。
陳情第一号
釧路地区鉄道改良計画実施促進に関する
陳情、
陳情の要旨は、
釧路市地区鉄道改良工事五カ年
計画によ
つて実地
調査も完了しているのであるが、
釧路地区に存在する諸施設はいずれも、創業以来のものが多く、腐朽荒廃し、その上戦災を受けた後応急復旧がなされたのみで、すでに寿命が来ており、早急に改築拡張の必要がありながら最早拡張の余地もない現状であるから市と併行して速かに改良
計画を実施して欲しいというのであります。
陳情第三号
昭和二十六年度
貨車増備に関する
陳情、
陳情の要旨は、鉄道当局においては、国内物資交流の円滑化につき、多大の
努力を傾倒しているにもかかわらず、最近の輸送要請は極めて多く、鉄道の輸送能力をはるかに上回
つて、日々膨大な滞貨を生じている現状であり、今後の鉄道貨物の輸送難が国家の自立経済に及ぼす影響甚大なものがあるから、これが打開策として速かに
貨車増備の諸施策を講ぜられたいというのであります。
陳情第七号いか及びいか製品の
輸送貨車増車等に関する
陳情、
陳情の要旨は、北海道南漁獲のいかは年間七千余万貫に達しており、本漁業の振、不振は、道南地方の経済界に影響するばかりでなく、全国のたんぱく供給資源として重要な役割を果しているから、鮮いか、いか製品輸送につき本年度の輸送
計画を樹て定量の配車を行われたいというのであります。
陳情第四一号
京都市内国有鉄道の
高架式改築等促進に関する
陳情、
陳情の要旨は、国有鉄道が、京都市の中央部を縦貫しているため、市の交通、産業、経済上こうむる有形無形の損失は莫大であるから将来の発展を図り交通、産業、経済上の不利不便を除くため六大都市中只
一つ残されている市内鉄道の高架化を図ると共に米原、姫路両駅間の電化を速かに実現せられたいというのであります。
以上
請願三件、
陳情四件はいずれもサービスに関するものでありまして小
委員会におきましてはいずれも願意を妥当と認めました。
請願第八四号、第一一六号、第二三一号、第二三二号、第二三三号(十通)、第三六〇号(二通)、第三六一号(五通)、第三九五号、第三九六号(二通)、第四三八号、第四三九号(三通)、第四六二号、第五二五号、第五七〇号、第六六九号、第六七〇号(十通)、第七〇二号、第七三八号(二通)、第七四九号、
陳情第一〇九号、第一三四号、
自動車運送事業免許制廃止反対に関する
請願及
陳情、右の
請願十九件、
陳情二件の要旨は、今般
政府においては、行政機構の改革並びに人員整理を企図し、これに関連して自動車運送事業のうち、区域運送事業の免許制を撤廃せんとしているが、これは講和条約発効後における
我が国自立経済上絶対不可欠な陸上輸送力確保上憂慮にたえない策であり、
我が国運輸交通を無秩序
状態に置かんとするもので、各運送事業の不当競争によ
つて、共倒れ及び交通事故の頻発等重大なる事態を招来する慮れがあるから自動車運送事業免許制廃止には反対であるとの主旨であります。小
委員会におきましては慎重審議の結果、運賃の安定性の確保、事業の基礎不確実なるための財務責任の問題、信頼できるサービスの提供、不当競争の防止、交通調整等の理由によりまして願意を妥当と認めました。
請願第三五九号石灰石の
鉄道運賃軽減に関する
請願、
請願の要旨は、石灰石は、
我が国唯一の国内重要自給資源であるが、極めて価格が低廉であるため、運賃の負担力は至
つて少なく、現行運賃率でさえ、すでに負担力の限界点以上に達している現状であるが、更に三割五分の大幅引上げが実施されると石灰石鉱業はもとより石灰石を主原料とする各産業に甚大なる影響を来たす結果となるから、石灰石の運賃軽減を図られたいというのであります。
請願第五六九号木材の
貨物運賃軽減に関する
請願、
請願の要旨は、今国会において国有鉄道運賃の改正法案が審議されるが、現下の経済
情勢下では貨物運賃の値上げは、全物資の価格を引上げ、特に運賃負担力の低い木材をはじめ林産
関係に極めて深刻な影響を与えるからこれがため林業経営の安定、森林資源の保続に著しい障害を来す木材に対しては、貨物等級の不合理是正、遠距離輸送の運賃割引率の採用、将来施策として貨物等級の根本的改訂等の措置を講ぜられたいというのであります。
請願第五七七号
農業関係貨物運賃軽減に関する
請願、
請願の要旨は、生産材及び一般消費材の物価上昇に比較し、農業畜産物の騰貴は極めて低く、著しい経済の不均衡が明らかにな
つている。しかるに今回の運賃値上げが一律に行われると農業部面に大きな影響を与え、ひいては
日本経済を再びインフレの悪循環に押し進めるものであるから農業
関係貨物の政策割引制を強化し、等級の引下げ是正及び減
トン制を実施する等特別の措置を講ぜられたいというのであります。
請願第六八六号
大衆魚の
貨物運賃軽減に関する
請願、
請願の要旨は、近く鉄道運賃が更に引上げられるように聞いているが、いわし、にしん、さんま、いか、さば、たら等の
大衆魚類は中間経費増高のため、応々にして産地手取が赤字になることがあるから、この際特に大衆向になる魚類で価格の割引に低いものについては鉄道運賃の引下げを図られたいというのであります。
請願第七五六号果実の
鉄道運賃軽減に関する
請願、
請願の要旨は、今回国鉄運賃の引上げが行われるようであるが、果実等の青果物については取引の性質上運賃の値上りはすべて生産者負担の実情であるから、果実等青果物の鉄道運賃引上率を緩和せられると共に等級引下げ、実
トン扱い、遠距離輸送に対する割引等を実施せられたいというのであります。
請願第七九二号
水産食料品の
貨物運賃引上げ反対に関する
請願、
請願の要旨は、国鉄の運賃改正は十一月一日から実施されるよしであるが、これによ
つて漁業経営に悪影響を及ぼすことは必至であるから、水産業の育成発展のため、運賃料率の引上げを
水産食料品に適用しないこと、鮮魚等級分類の単一化を図ると共に、主食を九級又たは野菜並の十級に引下げること、長距離割引制度の存続等の措置を講ぜられたいというのであります。
陳情第八号するめおよびいか塩辛の
貨物運賃等級改正に関する
陳情、
陳情の要旨は、戦前、戦時を通じて、するめ及びいか塩辛の等級は主用食糧に次ぐ最下位であつたが、戦後は一般貨物中の上位等級とな
つて、
昭和十一年当時の百三十倍に達し、他に比してその上昇率は格段の差異が生じておる、いか製品は全国民のたん白供給資源であると共に道南地方漁業生活者の唯一の生活資源とな
つており、運賃の過重は、生産、消費両者共重大な脅威となるから、するめ、及びいか塩辛の運賃等級をそれぞれ十級、八級に改正して、速かに実施せられたいというのであります。
陳情第六〇号
しよう油の
鉄道運賃引下げに関する
陳情、
陳情の要旨は、近く実施を
予定されている国鉄運賃平均三割五分の大幅値上げは
しよう油の価格にと
つてはとうてい負担することができない値段であるから、
しよう油の中味運賃を味そ同様に九級に引下げること並びに
しよう油用故たる、及び故びんの運賃を五割引にして全国各駅とも同一規定とあること等の処置を講ぜられたいというのであります。
以上の
請願六件及び
陳情の二件は、いずれも運賃及び等級の引下げに関するものでありまして、今回の国鉄運賃値上げ前に提出されたものであり、その願意は妥当なものであると認めました。
請願第二九一号福島県郡山市、浪江町間に
国営バス運輸開始の
請願、
請願の要旨は、東北本線郡山駅より常磐線浪江駅を経て請戸港に通ずる郡山市、浪江間路線は、福島県の浜
通りと郡山会津地区を結ぶ重要路線であるから、同地方の文化、経済観光、教育等の進展を図るため、
関係地方民多年の念願である同路線に
国営バスの運行を速かに実現せられたいというのであります。
請願第六五一号岩手県大川目村、夏井駅間の
国営バス運輸延長に関する
請願、
請願の要旨は、岩手県夏井村は、交通に恵まれず、県道が本村の東北部を通
つているのみで、
昭和十八年省営バスが開通して以来交通上の不便は幾分緩和されたが役場、学校、診療所、組合
事務所等が所在する村の中心部と離れているため、非常に不便であるから村の中心である夏井村までバスの路線を延長して欲しいというのであります。
右の
請願二件は審議の結果願意を妥当と認めました。
請願第四三六号元傷い
軍人鉄道無賃乗車証復活に関する
請願、
請願の要旨は、元傷い軍人は無賃乗車証の交付を受けていたが、
昭和二十三年八月以降廃止となつたが、これら傷い者は、温泉その他転地療養、専門医院への通院、義手義足等の補助器の修理等のため、鉄道の利用を必要とするので、鉄道無賃乗車証の交付を復活して欲しいというのであります。
小
委員会におきましては、慎重審議の結果、困窮せる傷い者の実情を考え願意は妥当と認むるも目下の
情勢では無賃乗車証の交付は困難な実情にあるので、傷い者に対しては特に鉄道運賃の割引率を拡大することが必要であると
決定いたしました。
次は海運
関係であります。
請願第二三四号浜名港
修築工事促進に関する
請願、
請願第二三五号
小樽港第三
号ふ頭工事施行等に関する
請願、
請願第八四九号
小樽港しゆんせつ
施行に関する
請願、
請願第四四四号、門司港田野浦地区修築木工事緊急
施行に関する
請願、
請願第五三〇号館山港
修築工事施行に関する
請願、
請願第五五九号岩船港築
設工事施行に関する
請願、
陳情第二二号東京港
晴海ふ頭緊急整備に関する
陳情、右の七件はいずれも港湾施設の整備を図られたいというのであります。
請願第五九三号、
請願第六五九号
名洗避難港築設に関する
請願、
請願第六六〇号
久慈避難港築設促進に関する
請願、
陳情第五号青森県
深浦避難港
修築工事施行に関する
陳情、右の四件はいずれも海難事故を防ぐための避難港築設工事の要望であります。
請願第四三四号
北海道船泊村
金田みさきに
航路標識設置の
請願、
請願第五九七号兵庫県家島町大碇および尾崎鼻燈
台設置の
請願、北海道船舶港及び兵庫県家島港は天然の良港湾であるが、附近に暗礁があるため海難事故が多く速かに
航路標識を
設置せられたいというのであります。
以上の港湾施設、避難港、
航路標識に関する
請願及び
陳情はいずれもその必要性を充分認め
政府当局においても予算の許す限り実現を図るべく
努力したいということでありまして願意は妥当であると認めました。
請願第六〇二号、
請願第六四二号、
請願第七二八号、第七次
船後期建造促進に関する
請願、
請願の要旨は当初
予定計画通り二〇万総
トンの
建造を早急に実現されたいというのであります。
政府当局では第七次
後期造船計画については今般
財政上の理由により、十五万総
トンの
決定を見たのでありますが、最近の
世界情勢に鑑み、
政府は今次の
建造計画を遂行するに当りまして極力
大型優秀
貨物船と
大型油槽船の
建造に努め、
世界海運の進展に則応する所存であるということで尚本年度中になるべく早い機会に
財政資金の追加融資を行い、出来得る限り
船腹拡充の促進を図るということであります。本
請願の願意は妥当であると認めました。
請願第六八三号
日本海浮遊機雷に関する
請願、
請願の要旨は今冬の
日本海における機雷漂流の危険防止対策として、(一)掃海船の重点的配船及び巡視船の動員、(二)
日本海航路の明示及び安全確保、(三)航行船舶の誘導、(四)戦時保険の国家保証等、の施策を講ぜられたいというのであります。
政府当局においてもこの地域には特に優秀なる掃海船を配船し、主として船舶の常用航路の掃海に力を注いでおり、機雷保険については
運輸省においても研究中であるとのことでありまして、願意は妥当であると認めました。
陳情第一〇号
釧路測候所の昇格に関する
陳情、
釧路測候所は現在府県区測候所であ
つて、水産界の発展に伴
つて、当地方は重要性を帯び、現機構では不充分なため早急に地方気象台に昇格せられたいというのでありまして、願意は妥当であると認めました。
陳情第二三号
主要港湾荷役力緊急増強に関する
陳情、
陳情の要旨は内外貨物輸送量の急激な増加にもかかわらず、主要港湾の港湾施設が連合軍に接収せられ、更に戦災その他の原因によ
つて輸送確保に障害をきたしているため、
昭和二十六年三月二日「
主要港湾荷役力緊急増強について」の
閣議決定を速かに実施されたいというのであります。
政府当局においても今後
決定事項を推進し港湾の整備を図りたいということでありまして、願意は妥当であると認めました。
陳情第三〇号清水港を
特定重要港湾に指定の
陳情、本港は入港船舶
トン数全国第六位、
輸出入額第七位、貨物
トン数第八位であり、本港の実績と将来性に鑑みて重要港湾に指定されたいというのであります。
政府当局においては、本港は
特定重要港湾に次ぐ実績を示しており、実情検討の上、近い機会に指定すべく考慮中とのことで願意は妥当であると認めました。
以上
請願八〇件及び
陳情一七件につき審査の結果、小
委員会におきましてはいずれも議院の
会議に付し、内閣に送付するを適当と認めました。
以上御
報告申し上げます