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1951-11-13 第12回国会 参議院 運輸委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十三日(火曜日)    午後二時三十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            前田  穰君    委員            仁田 竹一君            内村 清次君            小酒井義男君            高木 正夫君            村上 義一君   政府委員    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  石井 昭正君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       岡本 忠雄君   説明員    運輸事務次官  秋山  龍君    中央気象台長  和達 清夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般運輸事情に関する調査の件  (第七次造船後期建造計画に関する  件)  (運輸省国有鉄道関係補正予算及び  定員に関する件) ○連合委員会開会の件 ○小委員長報告常磐線電化促進に関する請願(第三  五号) ○大宮白河駅間電化促進に関する  請願(第一二九号) ○大宮白河駅間鉄道電化促進に関  する陳情(第二九号) ○大宮、仙台両駅間鉄道電化促進に関  する請願(第二七〇号) ○東北、常磐両線電化に関する請願  (第三五六号) ○福岡下国鉄電化促進に関する請願  (第七三九号) ○福岡下国鉄電化促進に関する請願  (第七八〇号) ○紀伊木本、尾鷲両駅間鉄道敷設に関  する請願(第三六号) ○国鉄既定計画線全通促進に関する請  願(第三七号) ○大糸線全通促進に関する請願(第七  三号) ○岩内、黒松内両駅間鉄道敷設に関す  る請願(第一七一号) ○宮下駅、川口村間鉄道敷設促進に関  する請願(第二二八号) ○荒海駅、滝原間鉄道敷設に関する請  願(第二二九号) ○荒海駅、滝原間鉄道敷設促進に関す  る請願(第三九四号) ○米沢、熱塩両駅間および荒海、今市  両駅間鉄道敷設促進に関する請願  (第二三〇号) ○相生、西大寺両駅間鉄道敷設促進に  関する請願(第二七一号) ○小本線延長工事促進に関する請願  (第三九七号) ○朱鞠内、羽幌両駅間鉄道敷設促進に  関する請願(第四三五号) ○三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する  請願(第四三七号) ○三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する  請願(第四九五号) ○三陸沿岸縦貫鉄道完成促進に関する  陳情(第九号) ○交通総合開発促進に関する陳情(第  一四号) ○大隈半島縦貫鉄道敷設に関する請願  (第四六九号) ○山川、枕崎両駅間鉄道敷設促進に関  する請願(第四七〇号) ○隼人、古江両駅間鉄道敷設促進に関  する請願(第六〇一号) ○宮古、久慈駅間鉄道敷設に関する  請願(第六五〇号) ○茨城県長倉村、大子駅間鉄道敷設促  進に関する請願(第五二四号) ○関金、勝山両駅間鉄道敷設促進に関  する請願(第五四一号) ○雫石、生保内両駅間鉄道敷設促進に  関する請願(第六三〇号) ○若桜、八鹿両駅間鉄道敷設促進に関  する陳情(第一三三号) ○浜原、備後十日市両駅間鉄道敷設促  進に関する請願(第七〇五号) ○只見鉄道全通促進に関する請願(第  七五四号) ○白棚鉄道復活に関する請願(第七七  八号) ○二俣、佐久間両駅間鉄道敷設促進に  関する請願(第八五〇号) ○四国循環鉄道全通促進に関する請願  (第八五一号) ○銭函、軽川両駅間に簡易乗降場設置  等の請願(第七二号) ○愛知県矢作町西牧内地内に停車場設  置の請願(第四九〇号) ○階上、種市両駅間に簡易停留場設置  の請願(第六五二号) ○磐越東線および水郡線に二等客車連  結の請願(第三五八号) ○唐津港石炭積出引込線高架桟橋急設  に関する請願(第四七九号) ○八戸、八木両駅間にガソリンカー運  行開始請願(第六四八号) ○釧路地区鉄道改良計画実施促進に  に関する陳情(第一号) ○昭和二十六年度貨車増備に関する陳  情書(第三号) ○いかおよびいか製品の輸送貨車増車  等に関する陳情(第七号) ○京都市内国有鉄道高架式改築等促  進に関する陳情(第四一号) ○自動車運送事業免許制廃止反対に関  する請願(第八四号)(第一一六  号)(第二三一号)(第二三二号)  (第二三三号)(第三六〇号)(第  三六一号)(第三九五号)(第三九  六号)(第四三八号)(第四三九  号)(第四六二号)(第五二五号)  (第五七〇号)(第六六九号)(第  六七〇号)(第七〇二号)(第七三  八号)(第七四九号) ○自動車運送事業免許制廃止反対に関  する陳情(第一〇九号)(第一三四  号) ○石灰石の鉄道運賃軽減に関する請願  (第三五九号) ○木材の貨物運賃軽減に関する請願  (第五六九号) ○農業関係貨物運賃軽減に関する請願  (第五七七号) ○大衆魚貨物運賃軽減に関する請願  (第六八六号) ○果実の鉄道運賃軽減に関する請願  (第七五六号) ○水産食料品貨物運賃引上げ反対に  関する請願(第七九二号) ○するめおよびいか塩辛の貨物運賃等  級改正に関する陳情(第八号) ○しよう油鉄道運賃引下げに関する  陳情(第六〇号) ○福島県郡山市、浪江町間に国営バス  運輸開始請願(第二九一号) ○岩手県大川目村、夏井駅間の国営バ  ス運輸延長に関する請願(第六五一  号) ○元傷い軍人鉄道無賃乗車証復活に関  する請願(第四三六号) ○浜名港修築工事促進に関する請願  (第二三四号) ○小樽港第三号ふ頭工事施行等に関す  る請願(第二三五号) ○小樽港しゆんせつ施行に関する請願  (第八四九号) ○門司港田野浦地区修築工事緊急施行  に関する請願(第四四四号) ○館山港修築工事施行に関する請願  (第五三〇号) ○岩船港築設工事施行に関する請願  (第五五九号) ○東京港晴海ふ頭緊急整備に関する陳  情(第二二号) ○名洗避難港築設に関する請願(第五  九三号) ○名洗避難港築設に関する請願(第六  五九号) ○久慈避難港築設促進に関する請願  (第六六〇号) ○青森県深浦避難修築工事施工に関  する陳情(第五号) ○北海道船泊金田みさき航路標識  設置請願(第四三四号) ○兵庫県家島町大碇および尾崎鼻に燈  台設置請願(第五九七号) ○第七次船後期建造促進に関する請願  (第六〇二号)(第六四二号)(第  七二八号) ○日本海浮遊機雷に関する請願(第六  八三号) ○釧路測候所の昇格に関する陳情(第  一〇号) ○主要港湾荷役力緊急増強に関する陳  情(第二三号) ○清水港を特定重要港湾に指定の陳情  (第三〇号)   —————————————
  2. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今より運輸委員会開会いたします。  先ず一般運輸事情に関する調査中、第七次造船後期建造計画に関する件を議題といたします。
  3. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私先般本会議海運政策並びに造船の第七次建造計画に対する政府の御所信を運輸大臣にお伺いをしたのでありますが、その当時運輸大臣は御都合があつて出席になられなかつた、そうして丁度その日の午前の閣議相当はつきりしたものがおきまりになつたやに聞き及んでおりますし、又その後の新聞等に見ますると、大体政府閣議に副うた発表があつたように心得ておりまするが、この際特に私は当委員会におきましてあの第七次造船後期の二十万トンに対するお手当並びにそれに関連するすでに御決定になつておる事項に対して詳細に運輸当局の御発表を願いたいと思つております。
  4. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 第七次後期造船につきましては、当委員会よりもいろいろと御指導、御鞭撻を賜わりまして、誠に事務当局といたしまして感謝いたす次第でございます。私どもといたしましては、いろいろと理想に描くものもあつたのでございまするが、いろいろ時期的の関係もございまして、去る八日の閣議におきまして最後の御決定をお願いして、およそはつきりいたしたものを出して頂いたわけでございます。そこでその大綱につきまして御報告申上げたいと存じます。  閣議決定は三つの項目からなつておりまして、一つは七次後期の見返資金から出す金は三十五億円とするということであります。それから次にこの三十五億円の出し方でありますが、これにつきましては、大型貨物船としましては一総トン当り五万円、油槽船につきましては一総トン当り四万円を、基準として貸付けました。そうして十五万総トン建造を図るようにするということでございます。それから第三項は本年度内のうちにおいても成るべく政府資金の様子を見まして、若し事情が許すならばなおこれに追加して新造船ができるように財政資金を按配するということでございます。この二項目閣議決定に対しまして四項目閣議了解事項が付いておるわけでございまするが、その第一の項目では、造船業合理化というものはまだまだこれを図る余地があるから、運輸省はその指導を強化して、合理化の実現を図つてもらいたいということでございます。それから第二項では、この第七次後期一の船種募集いたしましてそれが予定を超過いたしました場合に、その船種決定いたしまする方法につきましては、学識経験者海運業者造船業者或いは金融業者代表者に諮問いたしまして、その御意見を尊重して船種決定をしてもらいたいということであります。それからその次には、現在の世界海運界情勢に鑑みまして、貨物船につきましては大型優秀船タンカーにつきましては主として大型の船というふうなものの建造を重点的にやるようにということでございます。それから第四番目の点におきましては、今後できるだけ財政資金支出を機動的にいたしまして、成るべく随時造船ができるというような体制にしたい、ついては従来言われておりましたような第何次造船というような呼び方をこの際やめるんだ、こういうような了解事項が付いておるわけでございます。こういうふうになりました背景でございますが、世界海運界情勢を見まするのに、船腹新造船の需要と申しますか、そういうものは各国とも非常に熾烈でございまして、アメリカ、イギリス、北欧諸国を初めといたしまして、いずれも優秀なる新造船建造に邁進されておるような状況でございます。鋼鉄の輸出、これは従来は薄板或いは線材といつたようなものが主であつたのでありまするが、最近の引合は、造船用厚板或いは棒鋼というふうなものが主体になつてつておるのでありまするが、これに対する引合状況を見ましても、相当の高値でなお且つ日本輸出能力があるならば鋼材を買いたい、こういうような引合が非常に多いのであります。また油槽船のごときは日本造船所におきまする竣工引渡期日が非常に早いために、日本に対する注文というものが非常に殖えて参つておるのであります。そういうような状況でございまするし、又貨物船にいたしましても、やはり優秀な、或いは高速な船というほうへ世界の大勢が集中いたしておりまして、我が国におきましても昨年末から今年の初めにかけまして、いろいろと非常に船が不足で困りましたものですから、その関係古船の輸入ということもいたして見たのでありまして、この輸入しました量は予期より越えまして、四十六隻、二十六万総トンというような契約を見て、その大部分はすでに我が国に入りましてサービスについておるわけでございますが、この船の実績を見まするのに、石炭焚きでありまする点、或いはスピードの遅い点、その他からいたしまして、我々の最も期待いたしまする太平洋の向う側にありまする荷物の積取りに従事いたしておるものは極めて僅かでございまして、大部分極東地域にかたまつておるというような次第でございます。結局買船では本当に我々の期待しておる船腹は得られないというような状態なのでございます。従いまして私どももこの際成るべくいい船を成るべく多く造りたい、かように考える次第でございます。そのために、原案におきましてはトン当り七万円程度の金を財政資金から、いわゆる見返資金から出すという方針の下にいういろいろ折衝をいたしておつたのでございまするが、財政都合上見返資金支出を増加するということは到底この際不可能であるということがわかりましたので、この七万円を五万円といたしまして、又タンカーにつきましては、その採算が非常によろしい点その他を考え併せまして、四万円といたしまして、それで市中からの協力を期待いたしまして、十五万トンの船をこの際として建造に着手する。なお当初考えておりました二十万トンからは五万トンの差がございますが、これは五万トン、又五万トン以上になりましても、この情勢に鑑みまして若し財政資金可能性がありまするならば、来年になりまして本年度内にもこれを追加することといたしました。こういうような方針決定されたわけでございます。で、金融が果してこれに対してついて行くことができるかどうかということでございまするが、まあ私どもの見ましたところでは、非常に困難があると思います。船主のかたも造船するほうも非常な苦労をいたすことと思うのでありまするが、併し結局十五万トン程度はつくのではないかという見通しをいたしております。これに対しましては見方があまいとか或いは楽観的に過ぎるとかというような御批判もあると思いまするが、これはまあ結果を見ませんというとはつきり甲か乙かわからん次第でございます。併しながら建前といたしまして了解事項の四にありまするように、成るべく随時に船が造れるような体制にする。第何次造船という呼称も廃止するというような精神からいたしますると、一応取りあえずのこの際の募集締切日を設定いたしますけれども、若しどうしても金融界に力がなくてこれを埋め得られません場合には、これは又何ともいたし方がない次第でございまするので、その場合には募集いたしまして割当てました見返資金残りがありまするならば、この残りに対しましては随時申込順に更に追加して扱つて行くということにいたしたい、かように考えておる次第でございます。なお来年になりまして本年度内に追加されまするものに対しましても、できるだけ随時造船ができるという建前にするという精神からいたしまするならば、今回の申込が若し予定を超過いたしまして残りましたものの中に充当し得るものがありますれば、今回の申込になりましたものを来年の追加されました場合に優先的に充当する、こういうふうに考えて行くべきではないかというふうに考えておるわけでございます。第二項の成るべく優秀船を重点的に造りたいという方針に対しましては、私どもといたしましては今回の募集大型船貨物船とそれからタンカーに限りまして、大体タンカーは三隻、一隻当りを一万二千総トン、計三万六千総トンと考えまして、これを差引きました残り大型貨物船に充当いたしたいのでございます。大型貨物船のほうは八千五百重量トン機関のほうが、軸馬力軸馬力と申しますのはタービンの場合、デイーゼルの場合は制動馬力で四千八百馬力又はこれと相当以上、こういうふうなことで成るべく優秀船の出現を期待いたしたいと思うのであります。タンカーのほうは一万二千総トンというのは少し小さ過ぎるまうに言われております。実際の建造計画は一万三千五百トン或いは一万五千トンというようなタンカーが考えられておるように思われるのであります。又一面貨物船におきましては四千八百馬力というのはまだ小さいのでありまして、六千馬力、八千馬力、場合によりますと一万馬力というような船が考えられておるようにも思うのでございますが、その場合にも見返資金にはその計画に追随いたしましてその金融援助をするというだけの余裕がありません。従いまして貨物船におきましては、馬力におきまして恐らく当初考えておりまするもの以上のものが船主各位努力によりまして出て来ると考えられるのであります。タンカーにおきましては、大きさにおきまして当方の考えておりますよりも大きなものが自分努力によりまして金融をつけて出て参ると思われるのであります。この情報は、標準から見ますると、いずれの場合にも自分努力によつてつて頂くという場合におきまして、貨物船の場合とタンカーの場合とが丁度権衡がとれているように考えるのであります。それで本日募集の広告をいたしました。二十六日を締切りといたしております。つまり二十六日までに申込まれましたものは第一優先順位として一つのグループとして扱うということでございまして、二十六日に予定通りに行きません場合には、二十七日以後申込まれましたものを優先的に取扱うと、こういうことに相成る次第でございます。そういたしまして成るべく事務の処理はできるだけ急ぎまして、去年に比べますというと約一週間以上取扱が、事務が遅れているように思いまするが、年末には是非契約施行の段取りになりまして、金が造船界に廻るということになりまするように是非間違いなく努力いたしたい、かように考えておるような次第でございます。  重ねて当委員会の我々に与えられました御指導鞭撻に対しまして厚く御礼を申上げまして御報告を終ります。
  5. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつと一、二御質問申上げておきたいと思いますが、よろしゆうございますか。今の秋山次官お話のいわゆる第四項の機動的に随時将来は建造するということでありますが、一面先刻もお話がありましたが、大体タンカーその他の外国引合が二十七万トン日本造船界に対してあるというようなお話なので、つい先だつてまでは日本鋼材が非常に高い、日本造船船価は到底外国に追従できないから日本の船は造りかねるのだというようなことであつたけれども、もう最近はそれが逆に行くようなふうにも見えるわけなんです。従いましてそれは国際情勢その他の立場からいろいろ各国においても思惑とか見通しとかいう相違や何かでそういうことに来ているのじやないかと私は思うのでありますけれども従つて只今言う十五万トンは確定する、船主が希望すれば、その他にも五万トンに対してはこの二十六年度内に成るたけ建造をするようなふうにしたい、従つて若し二十万トン、それで大型船建造ができるとしましても、私は数字は覚えておりませんが、相当多数な船台が空くようになるのじやないか。その後いわゆる随時申込み、或いは政府のほうでも建造を許可するような用意があるならこれは別だけれども、今の段階では漸く二十万トンの船にしてもまだ船台が空いているというふうに思うのですが、その空いた船台外国船注文に応じてどんどん塞げてしまうというようことがあれば、多々ますます弁ずるというような見方もありましようが、そういうふうにして日本で本当に船が欲しいというようなことがないとも限らないと思うのですが、そういうことに対する御方針と申しますか、見通し等に対して何か承わることができればお伺いしたい。
  6. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 只今の御質問でございますが、誠に御尤もの御心配と思うのであります。但し造船台と申しますのは非常にたくさんございまして、現在の造船所に雇われておりまする労働力、或いはその他船台にパラレルにあります設備、或いは原図室でありますとか、そういつたようなものを考えました場合に、ちよつと今直ちに全船台を使うというところまでは到底行けないと思つております。従つてますます、若し世界注文が非常に強くなりまして、まあ十五万トン取りあえず日本の側の造船をきめる、そのほかに注文が殺倒いたしまして、この次になつて五万トンなり何なり造りたいというときには、もはや船台がないという状態が来るのじやないかという御心配でございますが、世界情勢によりましては或いはそういう事態が来んとも限らないのでありますが、私どもも漠然として、日本側造船を進め得る確たる根拠がないのに、折角の注文を断るということもできない次第でございますが、併し私どものほうで或る程度確実に予見できまする範囲におきましては、やはり国内造船外国注文に優先するべきであるということは、私ども事務的にそういうふうに考えている次第でございます。そこのところは予見される将来の注文の確実さと外国注文との兼ね合せでございまして、予見される国内造船量が非常にはつきりします場合には、その確実度に応じまして適当に外国注文者に対しまして相談をしなければならない、かように考えている次第でございます。
  7. 高木正夫

    高木正夫君 極く簡単に御質問いたします。先ほどの御説明でよくわかりましたが、この見返資金で出す分が一トン大体五万円乃至何万円ということであるようでありますが、そうすると大体三分の一、四分の一というくらいのことになるだろうと思うのであります。相当負担が大きいと思いますが、開発銀行あたりとどの程度まで手を打つておられるか、お差支えなかつたらおつしやつて頂きたい。
  8. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 高木さんの御心配の点御尤もでございまして、先ず貨物船で五万円と申しますと、辛うじて標準に入ります船の場合は約三分の一、三割三分五厘でございますか、三割三分ちよつとで三割四分……、油槽船の場合にもやはり四万円で三割三分でございます。ところが先ほどもちよつと触れましたように、貨物船につきましては、恐らくもう少し高馬力というものが出て来ると思います。油槽船の場合には一万二千トンより大きいものが出て参りますので、結局三割三分というのはそれ以下に下るという構想が極めて大きいのでございまして、そのために金融はちよつと困難だろうと思うのであります。併しながらそれがために他の金融、例えば開発銀行というふうなものに特にどうするというふうなことは今回遺憾ながらきめることができません。そこのところは一に海運業者並びに造船業者努力と、金融機関協力とに待つという以外には今のところきまつたものがないのでありますが、先日も造船業合理化審議会から、成るべくこの際金融難を緩和するように善処せよといつたような建議がございまして、この御建議趣旨は、全く高木委員の御心配と同じでございます。その点につきましては、改めて何とか研究いたしまして、そういう御趣旨に副うことができるような方法を講じたい、かように考えておるわけでございます。
  9. 岡田信次

    岡田信次君 秋山次官お話で、貨物船トン当り五万円、油槽船トン当り四万円、大体これが船価の三分の一ぐらいだと、大体船主も、或いは運輸省も、見返資金船価の五割なり或いはそれ以上が出してもらえるのじやないかという御期待の下に今日まで七次の後期造船が延びておつたのだろうと思うのですが、この程度、三分の一ぐらいしか出せないというのならば、将来見返資金を当にしないで、自力その他の方法でやつて、一刻も早く船を造つたほうが日本全体の産業のためにいいのじやないか、かように考えるのでございますが、如何でございますか。
  10. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 自力で船が作ることができるようになりますれば、それに越したことはないと私どもも思います。今回も少くとも五割程度政府資金の、財政資金援助をいたしたいと思つて努力をいたしたのでありますが、どうも財政資金都合上そういうふうになりません。そこで五割というプリンシプルを骨子といたしまして、建造料を償つて頂く、或いはそこのところは少し関係者に奮発して頂いて、そうして建造料を殖やすということになつたのでございますが、いろいろ世界情勢等も考え併せまして、又海運業における現在の採算状況というようなものも考え併せまして、どうにかこれで行けるのではないかというふうに考えましたので、トン数を成るべく殖やすという方向をとつた次第でございます。方向といたしましては自力造船が望ましいのでありますけれども、併し私どもは五割を三割に下げまして、今回の成績を見なければ何とも言えないわけでございますが、これをこの割合でどんどん減らして行つていいかと言いますと、それではやはり造船が進まないのではないかというふうに考えております。若し将来におきまして、又財政資金事情が許し、又事実金融が困難であります場合には、又これを元のように五割に戻すということもあり得ると考えておるわけでございまして、併し又将来金融状況が非常によろしうございまして、十分財政資金の率を下げても造船ができるということが明らかな場合には、又限られた財政資金の範囲内で造船量を殖やすということもしなければならない場合もあり得るかと思います。将来のことにつきましては、根本方針は一応岡田委員のおつしやつた通りだと思いますが、今後その次、その次にどうするかというようなことにつきましては、まだはつきりとそのときの事情に応じてきめるべきでありまして、今概括的に、抽象的にきめるべきものでない、かように考えております。
  11. 村上義一

    ○村上義君 ちよつと一点秋山次官にお尋ねいたしたいのですが、この三十五億の見返資金ということは前から話があつたんですが、それが十万トンということが十五万トンになつた。併し見返資金を貸出すのは、依然として三十五億だ、一種の数字の魔術だと実は最初は考えていたのですが、只今の御説明トン当り単価に対して、見返資金の貸出がトン当り減つたということで了解したのですが、お説の通り金融が非常にこれは困難だと思います。これは当局もお認めになつて折角御努力をお願いしたいと思いまするが、なおこの資材ですね、特に鋼材につきましては、一時二重価格の主張もありまして、然るに最近高いというておる日本鋼材価格よりも、更に一層飛躍した引合外国から来るというようなことで、相当大口の引合もすでにできたようにも仄かに聞くのでありまするが、日本の今の製鉄の状況と睨み合せて、この資材につきましては別に心配はないものか、不足を告げるようなことはないものか、その辺について一応伺つておきたいと思います。それからもう一点、何次造船という呼称を今後用いないようになつたというのが閣議決定の附帯事項一つにありまするが、特にこういうことを閣議で申合せになつたという理由なり、利益といいますか、どうも理解しにくいのですが、一応伺つておきたいと思うのであります。
  12. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 鋼材の需給の点につきましては、今日のような引合がますます殺到するようでございますというと、或いは御心配のような点が来るかとも思うのでございますが、併し今回の造船に関する分につきましては、この海運業と鉄鋼業、鉄鋼業と造船業造船業海運業、こういうものの相関性といいますか、相互依存性と申しますか、そういつたような面からつねづね非常な関心が関係者間に払われております関係上、当然今回の造船というものは鉄鋼業のほうでも勘定に入れて将来の引合をいたしております関係で、私は今回の造船、いわゆる七次後期と称せられる造船につきまして、鋼材が不足をするということはないものと確信いたしております。  なお第何次造船という呼称を廃止することはどうかというお問合せでございますが、この点はどうも閣議でおきめになりましたことでございまするので、私も十分にはそのお気持なり、御方針なりを説明いたすことは困難かと思いますのでございますが、ただその現われておりまする精神は、まあ年に一回とか二回とかというふうに限つて、そうしてそこに大きな数字を持出して、いわゆる政治的問題といいますか、英語でよく言いますイシユーというような状態にならんように、船は現在のところでは幾らあつてもいいという言葉は少し強過ぎますけれども相当に幾らあつてもよろしいというような情勢でありますので、できるだけ頻繁に、又財政資金都合を見ましてどしどし造りたいと、こういうようなお気持から第何次造船というような言い方は廃止するのだというような、何といいますか、多少心理的な点にまで議論が発展いたしまして、さように御決定になつたのではないかというふうに拝察しておるような次第であります。
  13. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質問ございませんか。
  14. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今の村上さんの御質問に関連しておるのですが、今の御説明だと、従つて第何次ということは廃止をしたということは、言い直すと造船業者並びに海運業者が船を造りたいという相当な明確な意思がきまれば、それに応じてできるだけの政府金融の処置も助成をしながら、それで話が合えばどんどん許可をするという御方針と了解していいのでございましようか。
  15. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 今のお話のように、話が合いますれば随時許可ができるようになりますことが理想でございまして、閣議の御方針も恐らくここにあると私は拝察いたしますのでありますが、併し実際問題といたしましては、造船に関する造船資金援助財政資金に期待いたしておりまする限りは、財政資金というものがやはり一種の計画というものに従つて配当されておりまする関係から見ますというと、なかなかそこまでは一挙には実現いたしがたいと思うのでありまして、どうしてそういう状態に到達し得るかということは今後の研究問題だと思います。併しながら今回とりました措置のように、若し二十六日までの締切に三十五億に充ちません場合、その残りについては順番、受付順に処理するというようなことはその一つ精神の適用かと思いまするし、又閣議決定第三項にありまするように、年度内にも財政資金都合が許すならば新規建造を追加する、こういうように言われておりますが、その追加分は今度の申込が若し超過しました場合に残りでそれに充て得る、つまり融資確約書その他の有効なものがあります場合には、優先的に割当てるというような事柄もこの閣議決定になりました精神一つの適用かと見ております。
  16. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 委員長よりお聞きしたいのですが、只今村上先生、小泉先生からお話があつた機動的に随時に造るというのですが、今次官の御答弁によれば、今回申込みしたものが若しも超過した場合においては、一応的確である限りは来年度においてはそれに優先性を持たすということでありましたが、事実その通りであるかどうか、これは本年度内で一応打切つて、来年度の見返資金その他の財政資金が出た場合において改めてこれは考慮或いは募集すべきものか、或いは今回の申込があつた場合においては、これは来年度に亘つても優先するのかどうか。
  17. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 私は来年と申上げまして、来年度とは申上げなかつたと思います。銀行との融資契約を、今銀行から融資の確約をいたしましたものが、六カ月、七カ月後においてもなお有効であるということはちよつと考えられないことでございます。従いまして、若し船主造船所と銀行の間にこのうちの追加財政資金がありました場合に有効というふうな契約ができるといたしましても、それは年度内じやないかと考えておりますので、今回の処置は年度内に追加がありました場合ということに明確にされておるような次第であります。
  18. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 先ほど来いろいろ御質問がありましたが、今回三十五億円で十五万トンを賄うことについては、相当市中金融が、市中銀行の負担が過重でありますが、これは今非常にデリケートなことでありますから、政府の折衝、いろいろこの委員会で御発表になりかねる点もあるかと思いますが、場合によつては速記をとめてもいいのでありますが、何か先ほど高木委員からのお話の各省の折衝等の問題については、この際聞きがたいこともありましようが、恐らくそういうことを予想しての御質問だと思いますが、若しも折衝に支障があれば、委員会では御質問しませんが、秘密会にでもして若しも御公表ができるようなれば、恐らく高木委員はその点をお聞きになつて、次官の答弁はちよつとそれに離れておつたと思いますが、ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  19. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて、七次造船の問題について他に御質問等ございませんか。それでは次に運輸省国有鉄道関係補正予算及び定員に関する件を議題にいたします。
  20. 前田穰

    ○前田穰君 私は運輸省の行政整理に基く定員の改正のことについて先ず以てお伺いしたいと思います。これは無論内閣委員会にかかる問題でありまするが、これは予算にも大いに関係いたしまするし、それから場合によつて運輸委員会として内閣委員会へ連合審査を申込むようなことも考え得られまするので、それでお伺いしたいのでありますが、先ず以て定員法の一部を改正する法律案の附則の四号、附則の四号は、これは具体的にどういうことを意味するのでありましようか。
  21. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) これは定員法に載つております定員は、人員整理の完結したときにおける数字を掲載しておるわけでございまして、従つてそういうことになりますと、附則の一項によりまして二十七年の一月一日から施行するということになつておりますから、一月一日に定員法上の数に落してしまわなければならん、こういうことになりますので、六カ月間の猶予をおくということで、即ち六月三十日までに定員を整理する、こういう趣旨のことを謳つてある規定であります。
  22. 前田穰

    ○前田穰君 どうもそういうふうに想像するのですが、もう少し具体的に実際にどういうふうにしてやつて行くかということを伺いたいのであります。
  23. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 実際に言いますと、予算の裏付けでございますが、予算の面から申しますと、補正予算におきましてきまつておりますのは、減員されるべき数の半数を一応今年度内において減員する、そうして後の半数を四月一日から三カ月間即ち六月三十日までに減員する、減員を半分に分けて今年度内に半分、来年度の第一四半期において半分減らす、こういうことになつておるわけであります。
  24. 前田穰

    ○前田穰君 もう少し具体的のことをお伺いしたいのですけれども、例えば今のお話は三月三十一日までに半分ですね、半分の人員について三月三十一日までの予算をお持ちになることになるのか、どういうことなんでしようか。
  25. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) それは半分を、ちよつと言葉が悪かつたのでございますが、半分を三月三十一日に整理するということになりますと、今度の補正予算では足りませんで、組んであります予算は、そう減らされる数をエックスとしますと、エックスの二分の一を今年度内に減らすわけでございますが、二分の一の予算が三月三十一日まで組んであるのでありませんで、エックスの二分の一の、その三分の一、即ち六分の一の予算が組んであるわけでございます。従つて大体のめどといたしまして一月に六分の一、二月に六分の一、三月に六分の一、六分の一より少し減るわけでございますが、大体そういう見当でございます。
  26. 前田穰

    ○前田穰君 それから次にもう一つ、私はこういうように解釈するのですけれども、それで間違いないか伺つておきたいのは、定員法の案を見ますと運輸省の定員を二万六千四百三人とする、それからこの予算の説明書を見ますと、二万八千何がしと、こう書いてあるわけなんですが、これは結局六月一日の定員は二万六千何がしであつて、そうして本年度末においては二万八千幾らになると、こういうふうに解釈していいのでございますか。
  27. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) これは定員法の定員とちよつと違つておるわけでございますが、御承知のように陸運事務所に勤務しております者が千六百幾らおるわけでございますけれども、これは運輸省の予算には計上されております。地方技官、地方事務官でございますが、その俸給費は運輸省の所管の予算には計上してあるわけでございます。そうして定員法の関係は、それを除きまして陸運事務所に勤務しております者は、地方自治法の附則第八条に基きまして、政令で別に出ておりますので、数字の食い違いができて来るわけでございます。
  28. 前田穰

    ○前田穰君 ところが数字がそれでは少し違うように思うのですが、この予算の説明によりますと、年度末の人員が二万八千九百三十六人になつておる、そうして定員法は二万六千四百三となつておるから、従つてその差は二千五百三十三人のはずなんです。ところが陸運事務所の定員は千六百十一人で……。
  29. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 恐縮でございますが、予算の説明というのはどの分でございましようか。
  30. 前田穰

    ○前田穰君 この大蔵省のこれの三十三頁、運輸省二万八千九百三十六……。
  31. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) あとでよく調べて……。
  32. 前田穰

    ○前田穰君 それでは次に移りまして、今回の行政整理は私直接政府説明を聞いたことはないのでありますが、何という言葉でありましたか、講和後の事情に適応した機構に改めるとか、或いは事務を簡素化するというような意味でしたか、何かそういう趣旨に基いてやるのだ、こういうふうな理由だと承知いたしておるのでありますが、今日頂きました資料を見まするというと、本省、内部部局、これが大体二割、それから中央気象台が五分三厘、それから海運局が二割五分、それからまあ細かいところは省きまして、大きいところは港湾建設部が五分九厘、六分足らず、それから陸運局が二割五分、それから今の陸運事務所が二割八分、こういうことになつて非常にまあいびつになつているように思うのでありますが、その中で石油製品とそれから主食の割当の者は、これは何と言いますか、はつきりと事務の内容が修正せられるのでありますから、これを引いて考えて見ますと、本省内部は一割六分余りである、それから気象台はやはり五分何厘、それから海運局は石油なんかを引きますと一割二分ばかりになる、それから陸運局は二割、それから陸運事務所はこれは六分五厘か七分足らずになるのでありますが、かように非常にでこぼこがあるのでありますが、このでこぼこは無論事務の内容を勘案せられた結果だと想うのでありますが、果してこのでこぼこが適当なのかどうかということについて、私はお伺いしたいのでありますが、いろいろありますが、その中で最も顕著なことを一つ先ず以て取上げてお伺いしたいのでありますが、この気象台の五分三厘減というのは、これはどういう基礎に基いてお考えになつたか、二百七十八人の減員でありますが、これは申すまでもなく、なお政府委員等の諸君の御記憶になつておると思うのですが、この前の国会におきまして気象台の施設が非常に貧弱であると、だからこれは日本のしばしば見舞われる台風に対する防備ということが甚だ手抜かりになつておる、これは何とかして強化すべきだということで運輸委員会においてもいろいろ問題になりましたし、そうして運輸省自身においても相当御研究になつたはずなんです。その時の増員の要求というのは、ちよつとはつきりした数字を覚えておりませんけれども、五百何十人の増員要求を運輸省はされておつたと思うのです。而もその時には全く別の方面に六十人でありましたか、八十人でありましたか、いわゆるエキスパートがとられておると、そういう状態において非常に困つておる状態で、五百何十人増員要求をされておる。それであるにかかわらず、その点については何にも触れられないで、ここに二百七十八人の整理をせられる、これはどういうわけか、これは前々国会でも運輸委員会の決議の趣旨を尊重するという意味においても、又気象台は実際これだけの人間を減らされてやつて行けるかどうか、現に本年ルース台風の被害の状況を視察しました我々の同僚の視察報告を見ましても、この気象通報の欠点というものがどこへ行つた議員の報告にも強調せられておるのであります。そういう例を目前に見ながら、なお且つ二百七十八人の減員をやつて、中央気象台の仕事がやつて行けるというふうにお考えになつておるのか、この点を先ず以てお伺いしたいと思います。
  33. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 只今御指摘の通りに各個所によりまして減員率が異なつておるのでございますが、行政簡素化の本部において考えられました今度の整理の方針は、先ず事務の全廃し得るものはこれを全廃するということで、その全廃された事務に従事した人員は全員定員法上減員すると、それからその他の事務につきましては原則として三〇%を減員すると、但し事項によつては三〇%の減員率を適用しがたきものがあるから、ここに拾い上げてそれを折衝しまして三〇%の適用を緩和をして頂いたと、その結果各項目を集計いたしました結果が、その減員が出まして、その率を掛けて見ますると、只今おつしやつたような数字になるわけであります。従つて或いは減員をしない特殊の部面がございます。或いは検査事務等、いわゆる外部から依頼されておるものを減員するということによつて、結局一般に対する行政事務のサービスの低下を来たす、一般の人が困る。却つて不便を来たすというようなものについては五%というような減員にとどめたわけでございます。なお、今最後に御指摘になりました気象台に関しましては、気象台の減員は非常に困難な事柄でございます。我々としましても、極力これの減員を減少することを交渉したのでございまするが、閣議においてかようにきまつたわけでございます。但しこの減員率は他の部局に比べますと非常に少いわけでございまして、ただ運輸省全体としますと、海上保安庁のような特殊な事務につきましては減員率が非常に少いために海上保安庁の減員率とは比較になりませんけれども運輸省を通じて見ますと、極めて減員率の少い部分になつているのでございます。その内訳を申上げますと、現行定員五千百九十三名でございまして、現業に従事している者が四千五百二十一人でございます。これに対しましては五%をかける、その他の管理事務に対しては一〇%をかけました数の総計が二百七十八、こういうことに相成るわけでございます。そこでこれだけ減員して、さなきだに手薄でいろいろと問題が起ているのに、これだけ減員すればますます困つて、気象通報上支障を来たすではないかという御懸念でございますが、その点に対しましては我々も一抹の不安なきにあらずでございますけれども政府として閣議においてきめられました以上は、十分に差繰りをいたしまして、支障を来たさない、能率の低下を来たさないように十分の努力をする方法はないかと考えているのでございます。ただ今回の行政整理に当りまして、長期欠勤者を定員外にいたしまして、それに対して八割の給与を支給する、こういうことに相成つておりますが、気象台におきましては約百三十三人がこれに該当いたしますので、実際の減員は二百七十八マイナス百三十三という数が現実の減員、こういうことに相成るわけでございます。
  34. 内村清次

    ○内村清次君 今回の定員法の改正におきまして、行政簡素化本部が先ず原案を作つた、それから閣議決定した、今少し無理ではあるが、閣議決定した以上はどうにか迷惑のかからないようにやつて行きましよう、こういう荒筋ですな、ところが問題は運輸省関係のかたがたがこの行政簡素化本部に行つて、内容の点、これは指名通知で来たのか、或いは又個人で代表してその折衝に当つて、内容の点につきまして無理は無理だというようなことを答申をされて、検討の上でこの現在の整理人員というものが生まれたものであるかどうか、この点を先ずお聞きしたいと思います。
  35. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) この点に関しましては私から御説明申上げるより或いは次官からお話を頂いたほうが結構かと思うのでありますが、一応私から申上げて見たいと思います。これにつきましては、この減員をされるということは我々が責任を負つておりまする事務の遂行に非常に影響を及ぼしますので、我々がその仕事をして行く責任の持てない数を引受けるということは非常に困りますので、局長課長挙げてこの三〇%適用の困難なるゆえんを説明いたしまして、その緩和をして頂いたわけで、ございまして、勿論次官も数次に亘り、又我々も数次に亘りまして夜となく昼となく折衝を重ねてここに落着いたわけであります。非常に運輸省腰が弱いではないかというお叱りを受けるかも知れませんが、我々といたしましては、政府の強い役人の数を減らすという方針も尤もなことであります、それに対して協力しないというわけではございません、我々も国民といたしまして官吏の数が減るということは何よりも望ましいことでございますから、その方針を十分了承しながら、なお且つ我々が責任を負つております事務が支障なく何とかやつて行ける程度に漕ぎつけるために絶大の努力をいたしたつもりでございます。
  36. 内村清次

    ○内村清次君 そういたしますと、この整理人員というものは、あなたのほうでは相当努力はしたのだが、決定せられたこの数にはもう決して不服はない、無理はないという諦めがついたこれは数字ですか、どうですか。
  37. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 非常に痛い御質問でございまして、我々事務当局としては、デリケートな問題でございますので、はつきりした御答弁はできかねると思いますけれども、我々といたしましては、きまりました以上は事務官といたしましては、これを以て最大の努力をいたしまして、我々が負つております責任を遂行し得るようにする覚悟をしておるということを御答弁申上げるほかにないと思います。
  38. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕
  39. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記開始。
  40. 内村清次

    ○内村清次君 私たちが杞憂いたしますことは、問題はこの後に発展する業務上からするその人員整理の適合性という問題に移つて来ると思う。それであなたのほうでは業務を何とかやつて行こうということで、これは至上命令だ、閣議命令だ、これを忠実にとつておられるところに、それは実際業務に直接当つておる人たちのほうに不平がないかどうか、何とかしてこの定員を返してもらいたいというような気持が起らないかというとそうではないのですね。相当陳情が私たちの所には来ておるのです。そうしますとおのずからこの問題というものは、やはり整理人員のまあ局部或いは又は海運、陸運、こういうような関係の細目に亘つてこれは一応相当緻密な操作をしなくてはならない、審議をしなくてはならない、こういう立場になつて来ておるわけであります。そうして見ますると、私たちもこれは部分的にどんどん質疑をしてやつて行きますが、先ず政府が今回言つております、直接政府から私は今の予算委員会でも聞いたのですが、政府は決して仕事には迷惑はかかりません、とにかく将来、まあ例えばガソリンの統制関係においてもこれも外して行く関係だ、食糧の問題も外して行く関係だ、又当然今の機構自体においても人員が過剰な所があるし、又仕事をしてもらわなくてもいい所があるのだからして、それをただ天引で今回は絶対やらない、前のような非常な不評を買うような、又苛酷のようなことはやらない、これは本当に合理的にやつたのでありまするからして、この点は一つ御了承願いたいというのが、政府の今回の定員法に対する態度です。そうして見ますると、あなたの御答弁を聞いただけでさえも、まだ何かこれは無理が残つておる、同時に又あなたがたの、即ち監督、管理をしているところのほうからも熾烈な要望が出て来ておる、こうなつて来ますると、私たちは責任上相当重要な今後の審議をしなくてはならない立場にあるわけですが、この点に対しまして政府の考え方とあなたのほうの即ち考え方と、ここに少し食い違つておるようなことを私は考えますが、どうですか、その点……。
  41. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 只今官房長官からお答えいたしました通り、私どもといたしましては、この数字に到達いたしまする前に、一応十分なる機会を与えられまして、個々の項目について慎重に私どもも研究いたし、又私どもの考えはこれを立案に当つておりました行政官理庁にも持出しまして、そして全く官房長の言いましたように、夜となく昼となく熱心に議論をいたしました結果、或るものについては、成るほどという程度まで到達したものもございますし、或るものについては、どうも事務当局の立場からとりますので、一致せぬこともあると思いますので、そういつた部分につきましては、それぞれ意見を上司に申述べまして、それを閣議において諸般の情勢その他一切のことを睨み合わされて、他の役所、横縦の連絡と睨み合わせてこうというふうに御決定になつた次第であります。勿論事務当局間におきましても、立場立場によつて意見が異なり、或いは上と下においてもこういうことに対する気持が異なるということもあり得るとは思うのでありますけれども、併し一旦御決定になりました以上は、私どもはこの定められました範囲において最大の努力をいたしまして、国民に対する迷惑の及ばないように努力をいたすということは、これは当然のことと思うのであります。その中で共通と考えられますることは、少くとも五%ぐらいはみんな努力して能率を上げたらよかろう、どんなところでも少くとも五%は能率増加をしてやつてもらうということが、一応共通の方針になつておるわけであります。なお非現業につきましては、これを三〇%、こういうことでやつておるのでありまするが、全般につきまして三〇%の能率を増進せしめることは、これは不可能でございますので、それぞれ項目を分けまして、いろいろと折衝をし、その結果結論を出す、こういうことでございまして、私どもといたしましては、与えられました範囲でできるだけ国民に御迷惑をかけないように努力いたしたい、かような考えでおるということを申上げたいと思います。
  42. 前田穰

    ○前田穰君 大体内村議員の御質問と同じようなことになるのでありますが、私の質問は少し観点を変えまして、只今次官並びに官房長の御説明を伺つていると、我々、事務官では一抹の不安がなきにしもあらずであります。併しながら五%も能率を上げるのは一生懸命努めたらよろしい、きまつたことだから仕方なしにやるのだということで、つまり経過の説明を承わつた感じがするのであります。なぜ五%減らして気象台の仕事がうまく行くかということの御説明がなつていないように私は思う。だから若し政府委員がそういつた経過の説明しかおできにならんならば、一々大臣に伺わなければならんということだと思う。私どもの伺いたいと思つているのは、五%減らして気象台の仕事がうまく行くか行かんかということをお伺いしているので、上できまつたのだから我々はそれに向つて努力するのだという御説明では、私の質問の趣旨に対するお答えではないわけなんです。それでもう一つ伺いたいことは、政府の今回の行政整理は事務のほうが先決でそれに伴つて定員を減らすのであると言われるのでありますけれども、果してそれは事実なのか、どうも天引をやつてそれに事務の色を少し付けたに過ぎないと、こういつた感じを持たざるを得ないようなふうに思うのであります。その点はどうか。無論講和後の国務の状況は簡素化するとか、或いは機構を改正するとかして人員の当然減る部分もあることは無論でありますが、同時に情勢の変化に応じて仕事が殖えるべき部分があるはずなんです。それを殆んど一律に減らしてしまう、そうして僅か事務の模様によつて色を付けるという程度ではおかしいじやないか、こういう感じがするわけであります。そこで私の具体的にお伺いしたいのは気象台の仕事は先般要求された五百何人の増員を放棄して、そうして二百七十何人の減員をするということで、こういう意味でこれをお削りになつているのか、或いは減員は減員、増員は増員だと言われるのか、若し後者だと言われるならば如何にも天引式の色彩が濃厚なんじやないか、そういう面倒なことをするよりは国務の当然新らしい時勢に応じて、膨脹すべきものは引かずに置くべきじやないか、かように考えるのであります。一体事務の変更ということが主眼なのか、天引ということが主眼なのかどつちが主眼なのかということと、それから増員と減員との気象台に関する具体的な点についてお伺いしたい。
  43. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 前田委員に申上げますが、中央気象台長が見えているので、できれば中央気象台長に気象台としての見地から御質問の点を説明を受けて、更に政府委員その他から受けてもいいかとも思うのですが、如何ですか。
  44. 前田穰

    ○前田穰君 それは気象台長に伺つてもいいのですが、今の点は私は経過なんですよ。
  45. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 只今の例えば業務増進に充てるようなものについて、それと減員との関係はどうかという御質問でございますと思いますが、いわゆる現業と称しまするものの中には、業務の取扱量が増加いたしまするために自然に増員を要しまするものもございますし、又現業のサービスを改善いたしますために、新らしい考え方、新らしいサービスをこさえて行くというような意味における増員の要求等も勿論あるわけでございます。この関係をどう扱うかにつきましては、私どもも実は事務当局としては、いろいろ考え方があつたわけでございまするけれども、将来の問題と現在の問題とを混合いたしますると、どうにも議論の果しがございませんので、一応今回の行政整理は、業務増進の要求というものは一応全部目をつりまして、現在の状況において、如何なる事務を廃止し得るか、如何なる事務は能率を増加し得るか、或いはどの事務は予算の成立当時と今日とにどういうような基本的な状況が違つて来て、減員なら減員の余地があるかというようなことを如何に見て行くかという方針でやつたのでございます。従いまして例えば中央気象台のサービス改善のために、五百数十名を要するということから事態を規定いたしておるわけでございませんのでして、現在程度の、現在のサービスをいたしますためにはこの程度、五分程度の能率増進をしてもらいたい、こういうことでございますが、又その上に立ちまして、例えば台風予報事務につきまして、或いは高層気象の観測につきまして等々、新らしい技術の要求、或いは新らし小サービスの要求に伴いまして、増員を要しますものにつきましては、新らしく来年度の予算で考えて行くという考え方でございます。従いまして、陸運局の車両の検査の事務のごときものも、車の台数が殖えまするというと、当然人を殖やさなければサービスがついて行けないわけです。そういうものは全部新らしく考える、こういう建前でおるわけでございます。御了承願います。
  46. 前田穰

    ○前田穰君 只今の御答弁は非常に巧妙に言われておるようでありますけれども、私は承服しかねる。これは決して省内のことではない。予算の増員を要求されるなら来年度のことを当然考えておられるに相違ない。そうしてこれは六月までにこれだけの減員をするというのだから、将来のことでは決してないのであります。時は同じ時の増員と減員なのであります。ですから今の、将来の増員は暫らく別問題にして言われることは私には理解できない。そうして而も気象台の技術者というものは、そう新米を雇入れて直ちに役に立つものではないので、相当の経験を積んだ人が現におるにかかわらず、それをやめさして新らしい人をわざわざ入れるということは甚だ人事管理としておかしい話で、今のように言われることは畢竟天引なんだ。政府は仕事の模様によつてというけれども、実は天引なんだということを裏から言われているのじやないか、かように考えるのでありますが、どうでしよう。
  47. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 私どもは繰返し御説明いたしております通り、経過から考えまして一応天引ではないのだというふうに考えておるわけでございます。
  48. 仁田竹一

    ○仁田竹一君 気象台長がお見えになつておりますので、確信のほどをお伺いしたいのですが、我が国の領土が狭くなりましたために、縮小し得るものもあると思いますが、逆に狭くなつたために拡充しなければならない部面もあると思います。気象台がその一つの例だと思いますが、朝鮮問題があのようなふうでありますし、或いは沖繩方面の気象等の方面から、或いは中国にいたしましても、気象のニュースが頗る困難な事態になつておると思います。或いは千島にいたしましても、樺太にいたしましても、こういうような方面からの気象事情の聴取が困難な時代には、むしろそういうような方面は独自な立場から拡充して行くことが非常に必要だと思つておるのでございますが、その上に定員を減らすことによりまして、領土が狭くなつた日本の気象についての相当の確信がおありになりまするかどうか、気象台長に一つ伺いたいと思います。
  49. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 私中央気象台長であります。只今は気象事業に関して、いろいろ御理解あるお話を伺いまして、非常に有難く存じております。御承知のように中央気象台は一昨年千三百という行政整理を受けたのであります。然るに仕事におきましては外は世界の気象事業の分担業務と、又内においては相次ぐ気象災害のために非常に困難をして仕事をして来たのであります。それが今回再び行政整理を受けることは、我々にとつて誠に忍びがたいことであつたのであります。いろいろ事情説明いたしまして、二百七十何がしという数にやつと落着きました。勿論これは気象台の絶対量から見ますればさほどの数でないかも知れませんが、申上げて参りましたように、我々が手一ぱいで非常に苦労して仕事をしている矢先に、今後につきましても困難が非常に倍加して参つたのであります。気象事業というものはどこまでが自分の仕事であるかということは、なかなか言いがたいものでありまして、我々としてはこれだけはしなければならんという仕事を考えておるのであります。私の考えから申しますと、ここで行政整理を受けるということは、私の考えの仕事はまあできがたいということであります。気象事業というものは幅のあるもりであります。いろいろ御説明申上げたあげく、どうしても閣議でこうきまりましたからは、能率を上げますことと、重点主義を極力に強化することによつて、国民に御迷惑をかけないように極力努力する以外に私が申上げることはないと思います。
  50. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつと関連して伺いますが、中央気象台の表を見ますと、五千百九十三人のところに、ここのお話で百三十三人の欠勤者と言いますか、何か仕事につけない人があるので、その百三十三人を含めて二百七十八人を減員するのだ、こういうことなんですが、五千百九十三人のうちから百三十三人の仕事につけない人がある。そのことがすでに私は気象台の業務の性質から言つて非常にいわばオーバー・ワークと言いますか、ハード・ワーク、そういうことを物語つている現実の姿じやないかと思うわけなんです。そういうところで二百七十八人、百三十三人を含めてですかどうですか、減員をするというと、今の気象台長は大体できるだけやるということですが、できるだけやるうちに本当に病人ばかりできて来て、大体仕事ができなくなつてしまうというようなことを私は相当これは懸念するわけなんですけれども、先刻官房長の説明だと、いろいろ人のやりくりをして全体のところを十分やるというお話もあつたが、少くとも気象台の仕事は人のやりくりのできるような仕事でなしに、末端まで大体技術的に或る種の専門的な堪能者でないと仕事の関連ができないと私は思う。そういうことに関しての気象台長の確信をもう一遍伺いたいと思います。
  51. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 気象台がたくさんの病人を出しておることは事実であります。只今お話のように二十四時間勤務で非常に過労を願つたということも私は事実であると思つております。こういうふうにいたしましたことは、私の業務管理の至らなかつたことと非常に責任を痛感しております。今後業務をとりますときに、このことは十分気をつけたいと思いますけれども、何分に目下の情勢では、少しでも災害防止その他に寄与したいと思いますので、できるだけこの能率を、こういう不公平のないような方法においてやりたいと考える次第であります。
  52. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 一つ観点を変えてほかのことを伺いたいのですけれども、このいわゆる減員の中に、本省内部の海運局関係で石油の統制の事務を取扱つておる人を相当多量に整理をなされるようなことになつておるのでありますけれども、これは何か石油の統制は廃止をするのだという前提に立つて、こういう提案がなされたようにも承わつておりますが、石油の統制というものが廃止されれば、それに携つておる人員はなくて済むことはこれは自明の理でありますが、石油の統制が果して廃止し得る情勢にあるかどうかということについて、多大の疑問を私は持つておるのですが、その点に対する明快な御答弁を、どなたでもいいから政府のかたから……。
  53. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記をとめて……。    〔速記中止〕
  54. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて。
  55. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 一体その根本原因は、運輸省の見解によるとどういうふうになつておりますか。
  56. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 私ども建前は、石油の配給事務、統制を必要としない事態が来ますれば、石油製品割当に従事いたしておりまする人間は当然落すべきものと、かように考えておるわけでございます。石油製品の割当が必要があるかないかということにつきましては、閣議のほうではそういうことで意見を答申いたしておるわけでございますが、一応石油製品の割当を廃止する方針の下に諸般の施策を進めるというわけで、それだけの人間は要らなくなるから落す、そういうことにきまつておるわけであります。
  57. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつとそれに関連することでありますが、船に、いわゆる船員の加配米なり、或いは船員の必需米と言いますか、そういうようなものの配給がやはり運輸省の管轄で、地方の海運局、本省にもそういう係があると思いますが、そういうところの人も大体今のような意味で減員をするということになつたと思いますが、近頃の雲行だと、いわゆる統制を撤廃しないということに決定したらしいのですが、米のほうはもうはつきりやらないことになつたのですか。その点に対しての事実はどうなつておりますか。
  58. 秋山龍

    説明員秋山龍君) 主食につきましてはやはり石油製品と同じ建前でございまして、主食の統制を廃止する方針であるから、それがために必要な人数は、必要がないからこれを落すという建前であるわけでございます。然るにその後種々検討されました結果、主食の統制廃止を行わないことになりましたので、従いまして海運局でやつておりました船員用米の配給に関する事務職員は、一般整理率による能率増進といいますか、それを除きまして、あとは復活することに衆議院の修正で、この原案が修正されておるわけでございます。
  59. 前田穰

    ○前田穰君 今質問のありました石油製品の統制を撤廃するという前提で、何がしかの減員をしたということに関連してでありますが、一番最初にお伺いしたところによりますと、本年の予算はすべての定員減に対しまして半分の三分の一の給与をするように換算して補正予算が組んである、平たく言うと一カ月に六分の一ずつ減らして行くのだということが今度の法律案の附則四条であつたと思いますが、そうすると、四月一日から石油の統制を撤廃する、そうしてその石油統制の仕事をしておる人間は一月一日から六分の一ずつ減つて行く、こういうことになるのでありますが、それはどういうふうにして仕事を処理して行かれるおつもりでしようか。私がいろいろ考えて見ると、この石油統制以外の仕事の人間に、この石油統制の減員分をしわ寄せて行くということ以外には考えられないのですが、石油統制を外すことによつてする減員というものは、大体運輸省の減員の二割くらいに当ると思うのですが、それだけの給料を石油統制以外の減員にしわ寄せして行くことができる、その方法によつてつて行こう、こういつたようなお考えなのか。又現実にこの割当てられておる通りに、六分の一ずつ人間を減らして行かれるお考えなのか。
  60. 秋山龍

    説明員秋山龍君) その点は前田委員の御指摘の通りでございます。予算通りやるとすれば、他のほうへしわ寄せて行かなければできないのでございます。私どもは予算は多少移用、流用等の方法もございまするので、できるだけきめられました予算には合せるようには努力するつもりでございますけれども、絶対に辻褄が合いません場合には、又それぞれの移用、流用その他政府に許されております措置によつてその事態に当面しなければならんのではないかと思つております。
  61. 前田穰

    ○前田穰君 非常に長くなりましたので何ですが、気象台に関してはもう少し伺いたいことがあるのですが、只今一定員法改正のことを伺つておるので、この程度に一応やめます。定員法改正の点を伺うのですが、先刻申上げましたように、減員の率を見ますると、本省は一割六分何がし、海運局は一割二分何がし、陸運局は二割、これは石油だとか或いは主食を通じての話でありますが、かように非常に率が違つておるということは、それぞれ事務都合を見られて変えられたということで、政府の本行政整理の理由としてそれぞれこうなつた、こう言われるおつもりでありましようが、その率を変えられた基礎を一応伺つておきたい。私は陸運局が二割で海運局が一割二分で、一方が多いのはけしからんという意味ではないのであります。その理由を伺えば結構なんで、むしろ私がそういうことを伺う肚の中には、本省の中にもつと行政整理を少くしてもいい所があるのじやないかというような気持を以てお尋ねしておるほどなのであります。ここのところを一つ成るべく具体的に、何故こう率が変つておるのか、その内容はどういう事務上の都合によるのかということの大体をお伺いしたい。
  62. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) この率が非常にでこぼこになつておりますその一番大きな原因をなしておりますのは、零になる事務只今本局と内部局によつて違うわけでございまして、即ち物調関係でありますところの米と石油類に原因するわけでございますが、その米のほうは解決いたしましたから、残るのは石油に起因するわけでございます。そこで今先ほど率の点をお話になりましたが、若干計算が違うかとも思いますが、その率の違つて行きましたゆえんは、先ほど申上げましたように、各事務を海運局なら海運局、船舶局なら船舶局、本省内の各局、地方の海運局、陸運局が扱つております事務項目別に拾い上げまして、それについて減員率を違えて来ました。その結果を集計しまして出た数でございまして、あらかじめ何局は何%、何局は何%ということでスタートしたのではないのでございまして、例えば、全部申上げますと長くなりますから、一例を申上げて見ますというと、本省の海運局について申しますと、物資需給調整法関係、即ち石油の関係でございますが、これは一〇〇%落してある。それから外航関係事務は一〇〇%落してある。それから統計集計事務は一五%、特殊財産処理関係は減員をいたしておりません。定期航路の監査につきましては二〇%、国内運送事業の管理に関しましては一五%、木船事業の管理につきましては一五%、その他のものにつきましては、政府方針でありました三〇%を緩和してくれという理由が相立ちませんので、三〇%を適用いたしましたというふうなものに相成つておるわけでございます。なお官房について申しますれば、渉外関係事務は、講和条約が効力を発生いたしますと、いわゆる渉外関係事務はなくなるという建前によりまして、官房渉外課は十四人おりますが、これは全部落しております。又運転手でありますとか、守衛でありますとかというようなものにつきましては、これも甚だ困難な、能率を上げるにつきましても非常に困難なことでございますけれども、五%を減員するというふうに、一々御説明申上げますと非常に長くなりますが、大体の例を申上げますと、そういうことで集計いたしました結果が、お手許に配つた数字になつておるわけでございます。
  63. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 秋山次官ちよつとお伺いしたいのですが、少しさつきの減員と触れますが、而も石油の統制を外すという前提で人のほうは削減するようなお話がありましたが、石油の統制を外しても、一体機帆船や何かのほうの油の配給はうまく行くお見込であるかどうか。これは全国機帆船組合総連合会からの陳情といいますか、そういうところの申し分によるというと、どうも今の国際情勢並びにその他の関係から統制を外されるというと、殆んど油のほうの出廻りが機帆船のほうには廻つて来ないようなことで、機帆船では運航の立場から非常に重大なる危機が招来するのじやないかという懸念を持つておるようなんですが、そういうことに対しての運輸省見通しはどういうふうになりますでしようか。
  64. 秋山龍

    説明員秋山龍君) その点は誠に、どれだけの一体石油製品が輸入できるかということの一点にかかつておると思うのであります。御承知のように国産の油は全需要の一割に満たないわけでございまして、大部分が輸入に頼つておるわけでございまして、従つて幾ばくを輸入し得るかということできまると思います。若し輸入量が十分でありません場合に配給を外すということに相成りますると、特に心配いたしまするのは、石炭の不足その他のために、その他の需要に、仮に大量の重油が転用されるというような事態が起るといたしまするというと、機帆船業者というものは非常に経済的に弱いものでありますからして、自由に値段次第で油が買えるということにいたしました場合に、資力が少なければ非常に困難が起るのじやないかというふうに心配をいたすわけでございますが、その点は十分関係方面に私どものほうとしても意見を申上げ、それで石油統制は大体廃止し得る見込である、こういうことで、この定員法はできておるわけでございます。
  65. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 本件に関しては、行政管理庁及び安本の政府委員は本日出席を求めましたが、先ほど申しました通り、衆議院の定員法に関する本会議或いは参議院における予算総会に出席いたして、当委員会出席が本日困難なようでありますから、皆さんにお諮りをいたしますが、本件に関しては、明日行政管理庁或いは安本の政府委員出席を求めて質疑を続行されたほうが如何かと考えますが、如何でございますか。
  66. 内村清次

    ○内村清次君 これはこの行政関係の、而も又そういう安本、通産省というようなかたがたのこれは御意見も聞くのが当然なことでございますが、問題はやはりこの定員法というのは、今回の定員法の主管の、内閣委員会というものが主管しておるのでありますから、勿論、一応その問題に対する大元をこの委員会で調べて、そうして内閣委員会に行くというお考えならば別でございますが、私はそういう手数も、もうすでに会期も余りないことでありまするからして、できれば内閣委員会として一つ連合で、只今のような政府委員の御答弁では大分大臣の答弁と食い違つておる。現に今の予算委員会での大蔵大臣の答弁とは食い違つておるのです。例えばこの気象台の問題でも、大蔵大臣の考え方と非常に食い違いがあるのです。そういうようなこともやはりこれは一連としてこの委員会はやはり調査をする、審議をするところの必要がありはせんかと思いますからして、私はできれば内閣委員会と連合委員会の下において審議をするように、委員長のほうで取計つて頂きたい、これを動議として出します。
  67. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今内村委員から御発議がありましたが、如何がでありますか。明日もう一度只今申した行政管理庁或いは安本の政府委員の答弁を求めた上で、只今内村委員の御発言のようなふうな連合委員会をいたすほうがいいかどうか。或いは内閣委員会との連合委員会にいたしたほうがいいとお考えになれば、さようなふうに委員長において御手配をいたしますけれども、明日もう一度当委員会において関係当局に答弁を求めた上で、さように決定したいと思います。その点皆さんにお諮りをいたします。
  68. 高木正夫

    高木正夫君 明日安本その他の御意見を承わつてからのほうがいいと思います。
  69. 前田穰

    ○前田穰君 私もそれで結構だと思いますが、若し連合審査を要求するということになれば、私の只今御質問を申上げました本省海運局、陸運局、これの内容をもう少し詳しく具体的に伺つて見たいと思います。若し連合委員会を開くことになりますならば、その前にその質問をする余裕を一つお与え願いたい。
  70. 内村清次

    ○内村清次君 これはやはり従来もすでに経験済でありまして、やはり主管の委員会委員のかたがたから、やはり連合の上においてよく実情を知つて頂くということにも、この連合委員会の狙いがあるわけでありまして、やはりまあ政府委員のかたがお忙しいならば、これはまあ一回こちらのほうでやつてもよろしいのですが、できれば最後にはやはり、主管の委員会が取扱う問題でありますからして、この委員会といたしまして、最後の要求事項をやりましても、決議をやつてこれをやりましても、その委員会委員のかたがたの御判断によりましては、その決議が通らないという事態も実はできるわけです。そういう点を勘案いたしますと、私はもう一緒に連合委員会のほうの手続をとられたほうが、いいのじやないか、こういうふうにまあ考えるわけでございますが。
  71. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  72. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて。それでは改めて本件に関して内閣委員会と連合委員会を開催いたすことについての御意見を求めたいと思うのですが。
  73. 内村清次

    ○内村清次君 私はこの定員法は、相当運輸省関係におきましても重大な問題でありまして、今後のまあ業務の運行上研究を要する点もあるのでありまするからして、その主管の委員会でありまする内閣委員会と連合によりまして、この案の内容を審査をするために、運輸委員会は内閣委員会との連合審査を開きまするように、委員長におきまして取計らつて頂きまするように私は動機を提出いたします。
  74. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 本件に関して他に御意見ございませんか。
  75. 村上義一

    ○村上義一君 内村委員の動議に賛成いたします。
  76. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今内村委員、村上委員の御発言に対して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御異議がないようでありますから、定員法に関する内閣委員会との連合委員会を開催することにいたしまするが、その日時その他に関しましては、委員長に御一任を願うということにして如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御異議がないようでありまするから、さように取計らいます。   —————————————
  79. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは次に請願及び陳情に関する小委員会の審査の経過について小委員長報告をお願いいたします。
  80. 仁田竹一

    ○仁田竹一君 請願及び陳情につきまして御報告いたします。十月十日までに運輸委員会に付託になり、審査しましたものは請願九十件、陳情二十三件であります。このうち、小委員会におきまして慎重審議の結果、願意を妥当と認めましたものは次の通りであります。  請願第三五号常磐線電化促進に関する請願請願第一二九号大宮白河駅間電化促進に関する請願陳情第二九号大宮、仙台両駅間鉄道電化促進に関する陳情請願第二七〇号大宮、仙台両駅間鉄道電化促進に関する請願請願第三五六号東北、常磐両線電化に関する請願、以上の請願四件、陳情一件は、いずれも鉄道の電化に関するものでありまして、その主旨は、国鉄の電化は日本再建の根幹であり、石炭の節約と経営の合理化と相俟つて国策上重要なる問題である。常磐線については、幹線五カ年計画により上野、取手間がすでに電化せられ好成績をおさめており、沿線は京浜地区に対する主要物資の給源地帯でもあり、最近は更に本線の使命も重要性を加えてきたので、優先的に電化に着工して欲しいというのであります。又東北本線につきましては、沿線には、トンネル及びこう配も多く、北海道と京浜地区との間の輸送の円滑を図る上からも、更に沿線の産業開発上、観光地に対する旅客の誘致上からも速かに電化して欲しいというのであります。  請願第七三九号、同七八〇号福岡下国鉄電化促進に関する請願、右請願二件の要旨は、福岡県、特に北九州五市、福岡地区及び大牟田地区は、京浜阪神に次ぐ人口密度を有し、背後に筑豊炭田地帯をひかえ、我が国三大工業地帯の一でありながら、旅客輸送機関が甚だしく劣つているため、住民の福祉と勤労意慾を阻害することが甚大であるから、速かに国鉄の電化を実現すると共に本年すでに着工されている小倉、博多附近の大改良と日豊本線小倉、行橋間の線路増設計画を一日も早く完成せられたいというのであります。小委員会におきましてはいずれも願意を妥当と認めました。  請願第三六号紀伊木本、尾鷲両駅間鉄道敷設に関する請願請願の要旨は、紀勢東線中、木本、尾鷲間は、昭和二十二年六月工事に着手したが、同二十三年三月に、予算その他の理由で工事が中止となり今日に及んでいるが、同区間の開通によつて地方産業の振興に偉大な貢献をなすばかりでなく、国際観光地としての発展にも寄与する点が大きいから、速かに本区間の鉄道工事を再開せられたいというのであります。  請願第三七号国鉄既定計画線全通促進に関する請願請願の要旨は、産業の発展は、交通の発達と密接な関連を有しているが、例えば湧網線(常呂−中佐呂間)、山東線(久慈−宮古間)樽見線(大垣−宝球山間)等のように既定計画線が未だに全通しないため、既設線が中断され、未開発資源の利用と地方産業の発展とを著しく阻害している例が少くないから、速かに国鉄既定計画線の全通を図られたいというのであります。  請願第七三号大糸線全通促進に関する請願請願の要旨は、中、土、小滝間の十七粁余が未開通のまま放置されており、沿線の資源開発に支障を来すばかりでなく、表日本と裏日本とを結ぶ交通網完成の観点からも必要であるから、速かに本線の完成を期せられたいというのであります。  請願第一七一号岩内、黒松内両駅間鉄道敷設請願請願の要旨は、函館本線の岩内駅より島津村、磯谷村、歌棄村及び樽岸村を経て、黒松内駅に至る国有鉄道後志西海岸鉄道敷設については、いまだに実現を見ず、地方産業復興上重大な障害となつているから、速かに本鉄道の敷設を実現せられたいというのであります。  請願第二二八号宮下駅、川口村間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、奥会津は我が国最大の電源地帯であり、又未開発の宝庫であるが、これらを開発するに要する人員資材等の輸送は、宮下駅よりトラツクによつて運搬している現状であるから、会津線宮下、川口間の鉄道工事の建設促進を計ると共に、更に同線を只見まで延長せられたいというのであります。  請願第二二九号荒海駅、滝原間鉄道敷設に関する請願請願第三九四号荒海駅、滝原間鉄道敷設促進に関する請願、右二件の請願の要旨は、国鉄会津線荒海駅、滝原間の鉄道敷設工事は、奥会津の森林及び地下資源の開発上緊急を要するものである。特に最近同線の沿線にある別子鉱業株式会社所属の鉱区は、良質の銅、鉛、亜鉛等が豊富に埋蔵されていることが確認されているから、我が国鉱業の振興と奥会津開発のため、すでに予定工事の半を終了している本区間の鉄道敷設工事の速かな完成を図られたいというのであります。  請願第二三〇号米沢、熱塩両駅間および荒海、今市両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、野岩羽線中の荒海、今市間六十三粁及び米沢、熱塩間三十粁が完成すれば東京、青森間の鉄道距離が著しく短縮され、栃木、山形、福島三県の林産並びに地下資源の開発にも寄与し、国家再建の基盤となるから、右区間の鉄道敷設を速かに促進せられたいというのであります。  請願第二七一号相生、西大寺両駅間鉄道敷設促進に関する請願(三通)、請願の要旨は、本年度中に相生、赤穂間は開通の運びになるが、岡山県香登以西の線路が未だに決定を見ないままになつているので、国鉄の独立採算上、又地方産業開発上の両面から検討して、岡山県邑久郡を経て上道郡西大寺町を経由するようにする方が最も有利であるから、即刻決定の上、上道郡西大寺町方面からも工事に着手せられたいというのであります。  請願第三九七号小本線延長工事促進に関する請願請願の要旨は、国鉄小本線の宇津野駅から大川村、落合岩泉町を経て小本港に至る区間は、豊富な地下資源を埋蔵しているが、特に最近の鉄鋼増産の要望と耐火粘土、シヤモツト輸送の必要性に鑑み、国鉄小本線宇津野、落合岩原間の延長敷設工事を速かに実現せられたいというのであります。  請願第四三五号朱鞠内、羽幌両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、名寄町、朱鞠内間はすでに開通しているが、朱鞠内、羽幌間は未だに開通していないため、沿線の林、鉱産物の資源開発は計画の一端を実行しているのみであるから、速かに本区間の鉄道を敷設せられたいというのであります。  請願第四三七号、同第四九五号、陳情第九号三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する請願陳情第一四号交通総合開発促進に関する請願、右の請願二件及び陳情二件の要旨は、宮城県岩手県及び青森県を結ぶ三陸沿岸縦貫鉄道の貫通については、しばしば請願したが未だに実施せられないのは甚だ遺憾であり、鉄道未開通のため、産業の発展はもとより文化の向上等が著しく妨げられているから、沿線物資の輸送と、東北産業開発の重要性に鑑み、速かに本鉄道の敷設を実施せられたいというのであります。  請願第四六九号大隅半島縦貫鉄道敷設に関する請願請願の要旨は、大隅半島縦貫鉄道は、国土総合開発法に基く、特定地としての中心をなす大隅半島を縦貫する線で、同地方の豊富な農林産資源の開発と、同地域の経済文化の向上に極めて重大な役割を持つているばかりでなく、青島、霧島を結ぶ観光ルートとしても重要な価値を有するものであるから、本鉄道の敷設を速かに実現せられたいというのであります。  請願第四七〇号山川枕崎両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、鹿児島県山川、枕崎を結ぶ線は、かつお漁業の根拠地として知られている山川、枕崎両港を結び、しかも沿線の頴娃、知覧、開聞の三カ町村の豊富な農産物及び林産物の搬出、輸送に果す役割は大きく、沿線町村民の受ける恩恵は計り知れないものがあるから、速かに本鉄道の敷設を実施せられたいというのであります。  請願第六〇一号隼人、古江両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、日豊線隼人駅から古江駅に至る鉄道の敷設は、南九州大隅地方の豊富な林、農、畜、水産物等の各種重要資源の開発上緊急を要するものであり、又、観光的見地からも没却することができないものであるから、速かに本鉄道を敷設せられたいというのであります。  請願第六五〇号宮古、久慈駅間鉄道敷設に関する請願請願の要旨は、宮古、久慈両駅間は、太平洋に面し、多くの景観地を控えているばかりでなく古来世界三大漁場の一といわれ且つ沿線には広大な大森林及び金銀、銅鉄、マンガン等の各種資源を埋蔵する地帯を控えておりこれらの資源の開発は一にかかつて本区間の鉄道の敷設にかかつているから、これが実現について善処せられたいというのであります。  請願第五二四号茨城県長倉村、大子駅間鉄道敷設促進に関する請願(二通)、請願の要旨は、戦争のため工事が中止せられて今日に及んでいるが、鉄道敷設については二十余年にわたる宿願であり、今日に至るも実現を見ないのは地方経済発展のために遺憾であるから本鉄道の敷設を促進して欲しいというのであります。  請願第五四一号関金、勝山両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、鳥取県倉吉町と岡山県勝山町をつなぐ予定線は関金まで開通したがその後工事が中止せられて今日に及んでいるが本線は陰陽を結ぶ最短線であり、沿線の資源開発と地方産業の発展のためにも速かに本区間の鉄道敷設を実施せられたいというのであります。  請願第六三〇号雫石、生保内両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、盛岡駅を起点とする橋場線は戦時中政府において橋場駅、雫石駅間の線路を撤収したまま今日に及んでいるが、この線路の復旧と共にこれを生保内駅まで延長して、今次の国土綜合開発法に基く特定地域指定開発に即応できるよう速かに本鉄道の敷設工事を実施せられたいというのであります。  陳情第一三三号若桜、八鹿両駅間鉄道敷設促進に関する陳情陳情の要旨は、山陰線八鹿駅と鳥取県の若桜駅を結ぶ鉄道の敷設は、戦争のため、立消えとなつているが、本線の開通によつて沿線の山林資源を開発し、旅客及び物資の輸送に多大の便宜を与え且つ産業の開発に寄与するところが大きいから、速かに本区間に鉄道の敷設を実現せられたいというのであります。  請願第七〇五号浜原、備後十日市両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、山陰線石見江津駅より芸備線備後十日市駅に至る三江線は、浜原、敷式間三十五粁が未着工のままになつているが、本鉄道は現在山陰、山陽を結ぶ既設線に比して最短距離にあり、地勢、観光等より観るも優位な立地条件を具備しており且つ江川水系の電源開発に要する資材、人員の輸送等にも重要な意義を有するものであるから、速かに本区間の敷設を図られたいというのであります。  請願第七五四号只見鉄道全通促進に関する請願請願の要旨は、只見鉄道の全通は、沿線の豊富な林産、鉱産資源の開発と奥只見電源開発上重要なものであり、かつ緊急を要するものであるから、本鉄道の全通を促進せられたいというのであります。  請願第七七八号白棚鉄道復活に関する請願請願の要旨は、白棚鉄道の復活工事は、沿線の豊富な各種資源を開発するために、極めて重要であるが、工事が中止となつたままになつているから、速かに再工事に着工せられたいというのであります。  請願第八五〇号二俣、佐久間両駅間鉄道敷設促進に関する請願請願の要旨は、静岡県二俣町より、佐久間村に至る鉄道の敷設は、戦争のため工事が中止されたまま今日に及んでいるが、本鉄道は表裏日本を結ぶ最短要路であり、沿線には豊富な林鉱産物並びに電力等の資源を持つており、重要な鉄道であるから速かに敷設工事に着手せられたいというのであります。  請願第八五一号四国循環鉄道全通促進に関する請願請願の要旨は、四国循環鉄道は余すところ吉野生、影野間の九十粁となつたが同地方は豊富な水産、農産、林産、鉱産に恵まれているので、鉄道全通の暁には、我が国の自立経済に大いなる貢献をなすから、速かに本鉄道の敷設を実施せられたいというのであります。  以上の請願二十五件及び陳情三件はいずれも鉄道の敷設に関するものでありまして、小委員会におきましては審議の結果、いずれも地方の文化の向上、産業の開発、民生の安定並びに交通網の完成の面より見て願意を妥当と認めました。  請願第七二号銭函、軽川両駅間に簡易乗降場設置等の請願請願の要旨は、地方産業の開発に資し、併せて住民の利便を図るため、函館本線銭函駅と軽川駅との中間である札幌郡手稲村字星置八十四番地に簡易乗降場を設置し、更に岩見沢、小樽両駅間にガソリンカーを運行せられたいというのであります。  請願第四九〇号愛知県矢作町西牧内地内に停車場設置の請願請願の要旨は、矢作町は矢作川に沿うて人口が密集しており、都市への通勤者が多いにもかかわらず、適当な停車場がないため遠隔の安城、岡崎の両駅を利用しておるので、不便不利が甚だしいから、近く行われる東海線の電化を機会に、矢作町本町大字西牧内地内に停車場を設置して欲しいというのであります。  請願第六五二号階上、種市両駅間に簡易停留場設置請願請願の要旨は、八戸線階上、種市西駅間は、約八粁あり、その間に約三千人の居住者があるが、いずれの駅にも四粁以上あり、又同線種市、八木両駅間は、距離七粁あり、その間に玉川、戸類家、宿戸の三部落があつて人口は、約三千人に達しているが、いずれの駅にも約四粁以上あるため同地方民は非常に難渋しているから、階上、種市両駅間並びに種市、八木両駅間にそれぞれ簡易駅を設置せられたいというのであります。  以上の請願三件はいずれも駅及び簡易乗降場設置請願でありまして、小委員会におきましては現地の事情をも考慮し願意を妥当と認めました。  請願第三五八号磐越東線及び水郡線に二等客車連結の請願請願の要旨は、磐越東線及び水郡線は、福島県の文化、経済、交通上極めて重要な線路であり、戦後急速なる経済の復興、産業の発展に伴い、旅客は増加し、特に両沿線各地は、県下有数の観光地に恵まれているが、旧態依然たる三等客車が運転されていることは、旅客サービス上からも、観光日本の外客誘致上にも遺憾であるから、両線に二等客車を連結せられたいというのであります。  請願第四七九号唐津港石炭積出引込線高架桟橋急設に関する請願請願の要旨は、佐賀県唐津港は、九州地方における石炭積出し港として、重要な役割を果しているが、現在の鉄道引込線の古い底桟橋は、明治二十一年の建設になるものであるから、能率が低く、鉄道桟橋と船復が直結していないため、荷役費が蒿み、著しく非経済、非能率であるから、同港石炭積出し施設関係工事中引込線の高架桟橋を速かに設置せられたいというのであります。  請願第六四八号八戸、八木両駅間にガソリンカー運行開始請願請願の要旨は、岩手県種市町は、経済的及び文化的に八戸市と密接しているため、両地区間の交通は日と共に頻繁の度を加えているが、一日五往復の列車があるのみであり、しかも運行間隔が適当でないから常に困難している、この交通難を緩和するため、尻内、鮫両駅間に運行されているガソリンカーを最低二往復八木駅まで延長運行せられたいというのであります。  陳情第一号釧路地区鉄道改良計画実施促進に関する陳情陳情の要旨は、釧路市地区鉄道改良工事五カ年計画によつて実地調査も完了しているのであるが、釧路地区に存在する諸施設はいずれも、創業以来のものが多く、腐朽荒廃し、その上戦災を受けた後応急復旧がなされたのみで、すでに寿命が来ており、早急に改築拡張の必要がありながら最早拡張の余地もない現状であるから市と併行して速かに改良計画を実施して欲しいというのであります。  陳情第三号昭和二十六年度貨車増備に関する陳情陳情の要旨は、鉄道当局においては、国内物資交流の円滑化につき、多大の努力を傾倒しているにもかかわらず、最近の輸送要請は極めて多く、鉄道の輸送能力をはるかに上回つて、日々膨大な滞貨を生じている現状であり、今後の鉄道貨物の輸送難が国家の自立経済に及ぼす影響甚大なものがあるから、これが打開策として速かに貨車増備の諸施策を講ぜられたいというのであります。  陳情第七号いか及びいか製品の輸送貨車増車等に関する陳情陳情の要旨は、北海道南漁獲のいかは年間七千余万貫に達しており、本漁業の振、不振は、道南地方の経済界に影響するばかりでなく、全国のたんぱく供給資源として重要な役割を果しているから、鮮いか、いか製品輸送につき本年度の輸送計画を樹て定量の配車を行われたいというのであります。  陳情第四一号京都市内国有鉄道高架式改築等促進に関する陳情陳情の要旨は、国有鉄道が、京都市の中央部を縦貫しているため、市の交通、産業、経済上こうむる有形無形の損失は莫大であるから将来の発展を図り交通、産業、経済上の不利不便を除くため六大都市中只一つ残されている市内鉄道の高架化を図ると共に米原、姫路両駅間の電化を速かに実現せられたいというのであります。  以上請願三件、陳情四件はいずれもサービスに関するものでありまして小委員会におきましてはいずれも願意を妥当と認めました。  請願第八四号、第一一六号、第二三一号、第二三二号、第二三三号(十通)、第三六〇号(二通)、第三六一号(五通)、第三九五号、第三九六号(二通)、第四三八号、第四三九号(三通)、第四六二号、第五二五号、第五七〇号、第六六九号、第六七〇号(十通)、第七〇二号、第七三八号(二通)、第七四九号、陳情第一〇九号、第一三四号、自動車運送事業免許制廃止反対に関する請願陳情、右の請願十九件、陳情二件の要旨は、今般政府においては、行政機構の改革並びに人員整理を企図し、これに関連して自動車運送事業のうち、区域運送事業の免許制を撤廃せんとしているが、これは講和条約発効後における我が国自立経済上絶対不可欠な陸上輸送力確保上憂慮にたえない策であり、我が国運輸交通を無秩序状態に置かんとするもので、各運送事業の不当競争によつて、共倒れ及び交通事故の頻発等重大なる事態を招来する慮れがあるから自動車運送事業免許制廃止には反対であるとの主旨であります。小委員会におきましては慎重審議の結果、運賃の安定性の確保、事業の基礎不確実なるための財務責任の問題、信頼できるサービスの提供、不当競争の防止、交通調整等の理由によりまして願意を妥当と認めました。  請願第三五九号石灰石の鉄道運賃軽減に関する請願請願の要旨は、石灰石は、我が国唯一の国内重要自給資源であるが、極めて価格が低廉であるため、運賃の負担力は至つて少なく、現行運賃率でさえ、すでに負担力の限界点以上に達している現状であるが、更に三割五分の大幅引上げが実施されると石灰石鉱業はもとより石灰石を主原料とする各産業に甚大なる影響を来たす結果となるから、石灰石の運賃軽減を図られたいというのであります。  請願第五六九号木材の貨物運賃軽減に関する請願請願の要旨は、今国会において国有鉄道運賃の改正法案が審議されるが、現下の経済情勢下では貨物運賃の値上げは、全物資の価格を引上げ、特に運賃負担力の低い木材をはじめ林産関係に極めて深刻な影響を与えるからこれがため林業経営の安定、森林資源の保続に著しい障害を来す木材に対しては、貨物等級の不合理是正、遠距離輸送の運賃割引率の採用、将来施策として貨物等級の根本的改訂等の措置を講ぜられたいというのであります。  請願第五七七号農業関係貨物運賃軽減に関する請願請願の要旨は、生産材及び一般消費材の物価上昇に比較し、農業畜産物の騰貴は極めて低く、著しい経済の不均衡が明らかになつている。しかるに今回の運賃値上げが一律に行われると農業部面に大きな影響を与え、ひいては日本経済を再びインフレの悪循環に押し進めるものであるから農業関係貨物の政策割引制を強化し、等級の引下げ是正及び減トン制を実施する等特別の措置を講ぜられたいというのであります。  請願第六八六号大衆魚貨物運賃軽減に関する請願請願の要旨は、近く鉄道運賃が更に引上げられるように聞いているが、いわし、にしん、さんま、いか、さば、たら等の大衆魚類は中間経費増高のため、応々にして産地手取が赤字になることがあるから、この際特に大衆向になる魚類で価格の割引に低いものについては鉄道運賃の引下げを図られたいというのであります。  請願第七五六号果実の鉄道運賃軽減に関する請願請願の要旨は、今回国鉄運賃の引上げが行われるようであるが、果実等の青果物については取引の性質上運賃の値上りはすべて生産者負担の実情であるから、果実等青果物の鉄道運賃引上率を緩和せられると共に等級引下げ、実トン扱い、遠距離輸送に対する割引等を実施せられたいというのであります。  請願第七九二号水産食料品貨物運賃引上げ反対に関する請願請願の要旨は、国鉄の運賃改正は十一月一日から実施されるよしであるが、これによつて漁業経営に悪影響を及ぼすことは必至であるから、水産業の育成発展のため、運賃料率の引上げを水産食料品に適用しないこと、鮮魚等級分類の単一化を図ると共に、主食を九級又たは野菜並の十級に引下げること、長距離割引制度の存続等の措置を講ぜられたいというのであります。  陳情第八号するめおよびいか塩辛の貨物運賃等級改正に関する陳情陳情の要旨は、戦前、戦時を通じて、するめ及びいか塩辛の等級は主用食糧に次ぐ最下位であつたが、戦後は一般貨物中の上位等級となつて昭和十一年当時の百三十倍に達し、他に比してその上昇率は格段の差異が生じておる、いか製品は全国民のたん白供給資源であると共に道南地方漁業生活者の唯一の生活資源となつており、運賃の過重は、生産、消費両者共重大な脅威となるから、するめ、及びいか塩辛の運賃等級をそれぞれ十級、八級に改正して、速かに実施せられたいというのであります。  陳情第六〇号しよう油鉄道運賃引下げに関する陳情陳情の要旨は、近く実施を予定されている国鉄運賃平均三割五分の大幅値上げはしよう油の価格にとつてはとうてい負担することができない値段であるから、しよう油の中味運賃を味そ同様に九級に引下げること並びにしよう油用故たる、及び故びんの運賃を五割引にして全国各駅とも同一規定とあること等の処置を講ぜられたいというのであります。  以上の請願六件及び陳情の二件は、いずれも運賃及び等級の引下げに関するものでありまして、今回の国鉄運賃値上げ前に提出されたものであり、その願意は妥当なものであると認めました。  請願第二九一号福島県郡山市、浪江町間に国営バス運輸開始請願請願の要旨は、東北本線郡山駅より常磐線浪江駅を経て請戸港に通ずる郡山市、浪江間路線は、福島県の浜通りと郡山会津地区を結ぶ重要路線であるから、同地方の文化、経済観光、教育等の進展を図るため、関係地方民多年の念願である同路線に国営バスの運行を速かに実現せられたいというのであります。  請願第六五一号岩手県大川目村、夏井駅間の国営バス運輸延長に関する請願請願の要旨は、岩手県夏井村は、交通に恵まれず、県道が本村の東北部を通つているのみで、昭和十八年省営バスが開通して以来交通上の不便は幾分緩和されたが役場、学校、診療所、組合事務所等が所在する村の中心部と離れているため、非常に不便であるから村の中心である夏井村までバスの路線を延長して欲しいというのであります。  右の請願二件は審議の結果願意を妥当と認めました。  請願第四三六号元傷い軍人鉄道無賃乗車証復活に関する請願請願の要旨は、元傷い軍人は無賃乗車証の交付を受けていたが、昭和二十三年八月以降廃止となつたが、これら傷い者は、温泉その他転地療養、専門医院への通院、義手義足等の補助器の修理等のため、鉄道の利用を必要とするので、鉄道無賃乗車証の交付を復活して欲しいというのであります。  小委員会におきましては、慎重審議の結果、困窮せる傷い者の実情を考え願意は妥当と認むるも目下の情勢では無賃乗車証の交付は困難な実情にあるので、傷い者に対しては特に鉄道運賃の割引率を拡大することが必要であると決定いたしました。  次は海運関係であります。  請願第二三四号浜名港修築工事促進に関する請願請願第二三五号小樽港第三号ふ頭工事施行等に関する請願請願第八四九号小樽港しゆんせつ施行に関する請願請願第四四四号、門司港田野浦地区修築木工事緊急施行に関する請願請願第五三〇号館山港修築工事施行に関する請願請願第五五九号岩船港築設工事施行に関する請願陳情第二二号東京港晴海ふ頭緊急整備に関する陳情、右の七件はいずれも港湾施設の整備を図られたいというのであります。  請願第五九三号、請願第六五九号名洗避難港築設に関する請願請願第六六〇号久慈避難港築設促進に関する請願陳情第五号青森県深浦避難修築工事施行に関する陳情、右の四件はいずれも海難事故を防ぐための避難港築設工事の要望であります。  請願第四三四号北海道船泊金田みさき航路標識設置請願請願第五九七号兵庫県家島町大碇および尾崎鼻燈台設置請願、北海道船舶港及び兵庫県家島港は天然の良港湾であるが、附近に暗礁があるため海難事故が多く速かに航路標識設置せられたいというのであります。  以上の港湾施設、避難港、航路標識に関する請願及び陳情はいずれもその必要性を充分認め政府当局においても予算の許す限り実現を図るべく努力したいということでありまして願意は妥当であると認めました。  請願第六〇二号、請願第六四二号、請願第七二八号、第七次船後期建造促進に関する請願請願の要旨は当初予定計画通り二〇万総トン建造を早急に実現されたいというのであります。政府当局では第七次後期造船計画については今般財政上の理由により、十五万総トン決定を見たのでありますが、最近の世界情勢に鑑み、政府は今次の建造計画を遂行するに当りまして極力大型優秀貨物船大型油槽船建造に努め、世界海運の進展に則応する所存であるということで尚本年度中になるべく早い機会に財政資金の追加融資を行い、出来得る限り船腹拡充の促進を図るということであります。本請願の願意は妥当であると認めました。  請願第六八三号日本海浮遊機雷に関する請願請願の要旨は今冬の日本海における機雷漂流の危険防止対策として、(一)掃海船の重点的配船及び巡視船の動員、(二)日本海航路の明示及び安全確保、(三)航行船舶の誘導、(四)戦時保険の国家保証等、の施策を講ぜられたいというのであります。政府当局においてもこの地域には特に優秀なる掃海船を配船し、主として船舶の常用航路の掃海に力を注いでおり、機雷保険については運輸省においても研究中であるとのことでありまして、願意は妥当であると認めました。  陳情第一〇号釧路測候所の昇格に関する陳情釧路測候所は現在府県区測候所であつて、水産界の発展に伴つて、当地方は重要性を帯び、現機構では不充分なため早急に地方気象台に昇格せられたいというのでありまして、願意は妥当であると認めました。  陳情第二三号主要港湾荷役力緊急増強に関する陳情陳情の要旨は内外貨物輸送量の急激な増加にもかかわらず、主要港湾の港湾施設が連合軍に接収せられ、更に戦災その他の原因によつて輸送確保に障害をきたしているため、昭和二十六年三月二日「主要港湾荷役力緊急増強について」の閣議決定を速かに実施されたいというのであります。政府当局においても今後決定事項を推進し港湾の整備を図りたいということでありまして、願意は妥当であると認めました。  陳情第三〇号清水港を特定重要港湾に指定の陳情、本港は入港船舶トン数全国第六位、輸出入額第七位、貨物トン数第八位であり、本港の実績と将来性に鑑みて重要港湾に指定されたいというのであります。政府当局においては、本港は特定重要港湾に次ぐ実績を示しており、実情検討の上、近い機会に指定すべく考慮中とのことで願意は妥当であると認めました。  以上請願八〇件及び陳情一七件につき審査の結果、小委員会におきましてはいずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを適当と認めました。  以上御報告申し上げます
  81. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 本件に関して御質問ございませんか。それでは小委員長報告通り決定いたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御異議がないと認めさように決定いたします。  本日はこれを以て委員会を閉じまするが、速記をとめてちよつと待つてつて下さい。    〔速記中止〕
  83. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を開始して下さい。連合委員会に関しましては追つて公報で御通知いたしますからさよう御了承を願いたいと思います。  本日はこれを以て委員会を閉じます。    午後四時三十三分散会