○横田
委員 自由々々と言われますが、自由を言われるその前に、もう
一つのことがあ
つたでしよう。統制ということがあ
つて配給があ
つた。その統制と配給ということで、あなたが農林
委員会において社会党の井上君と討議されたときに、
一つの問題が出て来た。その問題は一体何であ
つたか。とにかく今の配給の日割、
日本米を十日分食わして、外国米を五日分食わす。あとクーポン券でわけのわからないような、化物のような食糧を食わす。これは大体
一つの基準でや
つていると言われる。これはいかに自由であろうとも守らなければならないところの鉄則なんです。しかも
日本の国民が要求しているのは、十日と五日と、あと残
つた十五日のわけのわからない雑穀を食わされる、このやり方をやめてもらいたい。少くとも一箇月のうち、一日一食の米食を二食にしてもらいたい、できるなら毎日食えるようにしてもらいたい、こう
言つているのだと私は思うのです。
大臣がこちらの質問がわからぬというのは、
日本のいわゆる
一般勤労階級の感覚を失
つているから、そんなばかなことを言うのです。そんな
大臣が米をあずか
つているから、米の配給は実にでたらめしごくです。こういうことを
言つてお
つては時間がないのでやめますが、大体自由党の言う中間経費の問題におきましても、非常に狂いがあります。大体自由党の案によりますと、統制
経済では中間経費が約三割かかり、自由
経済では一割だとこんなことを
言つている。しかし十月三日号の「時の法令」というのに出ておりますが、その中に稻葉秀三さんの論文があります。それによりますと、統制米の流通費用は消費者価格の一四・五%であります。これに対して戰前の流通費用は、
日本学術振興会の支援のもとになされた木村和三郎、大阪商大の教授です。この人の研究によりますと二一・三%、こういうことにな
つている。中間経費というものは、自由党が言うように、何も統制
経済のもとにおいて、よけいにいるわけではないのです。これはきのうの内閣
委員会においても論議されましたが、しかもこの中間経費は、あなたたちが首切ろうとしている
人たちに拂うものではないのでありまして、何もこれによ
つて金が浮いて来るわけではない。先にも申し上げましたように、金が米を食うのであ
つて、人が米を食うのではなくなるところのこのやり方によ
つて、非常に恐るべき結果が現われると思うのです。これも事実なんです。大
会社は農家に今から手付金を打
つて、統制撤廃と同時に大手を振
つて現物の受渡しをしようと、青田売り的な予約買付がそろそろ行われている。また全糧連や総評や全販連など地方末端から集ま
つた報告によると、外国資本によ
つて買占めの動きもあるそうで、そのための倉庫の予約もうわさされている、こう言われているのです。われわれの胃袋の口を他国人によ
つて握られるとしたならば、それは容易ならざることである。これは十月二十一日付の朝日新聞に報道されたところの事実でありますが、外国映画を
日本に今たくさん入れております。その映画のほとんどはアメリカの妙な人殺しばかりであります。ピストルを持
つて人を殺す映画によ
つて日本の民心を惑乱し、パチンコをやらし、ばくちをやらしてたくさんの金をもうけて、その
会社が金を持
つております。この持
つておる金というものは、しよつちゆう物をもうけたいという欲があり、利潤をあくなく追求する性質のものであります。従いまして、この映画社が
日本によ
つて獲得いたしましたこの金で、
日本の農村からたくさんの米を買い込んで、そうしてこれで大もうけしようとや
つている。こう
なつたら
日本は、先にも申しましたように、新聞記事にもあるように、胃袋の口を他国の資本に押えつけられる結果になるのです。こういうような場合におきまして、こんな外資の貧欲をどういうふうに押えられるおつもりか承
つておきたい。いかに自由党の内閣といえども、こういうことを御自由にや
つてくださいというようなことは言えないと思うです。だから外資がこういうようなことをやる
——資本というものはもうけたらいいんですから、もうけるがためには国民がたくさん食いたいところの米を買い占めて、騒動が起きる寸前まで持ち込んだら、これはもうかるのですから、そういうようにやられたときはどういうふうにされるのか、この点を
はつきり伺いたい。農林
大臣の今まで答えられたところによりますと、安く買い入れた米を高いときに放出すると言われた。しかし外資の跳梁に対しては、自由党は腰が弱い。特にアメリカのドルに対しては腰がむちやくちやに弱い、この跳梁に対して、どうされるかということを
はつきり承
つておきたい。