○川島
委員 そのことはわか
つております。わか
つておりますが、やはりこの問題について国民の中には若干の危惧を持
つておるものがあるのであります。役務、加工に要する国内的
財政的支出は必要であることは、われわれは言われるまでもなくわか
つておる。しかしそのほかの事情によ
つては、相手国の
要求によ
つては、あるいは交渉のいかんによ
つては、現実に金銭的の賠償を
要求されるのじやないか。またそれに応じなければならぬような事情に当面するようなこともあるのじやないか。こういう危惧が事実上国民の中にはあるので、一応念を押して国民にかわ
つてお尋ねしたのでありますが、そういうことが実際上はないということでありますれば、それで了承いたしました。
次に
農林大臣にお伺いいたします。食糧統制の撤廃の問題については、ここ数日来国民の当面の重大なる関心事として、いろいろと国民の間にも話題の焦点にな
つており、注目の的ともな
つております。この問題の成否いかんは、
政府の面目の上にも大きな影響があるものとして、一層の注目が払われておるわけであります。そこでこの間も
早川君から若干の
質問があり、同時にさかのぼ
つては竹山君からも若干
質問がありましたので、これ以上蛇足を加える必要はないと思うのでありますが、大分事情も現実においてはかわ
つて来たようでありますので、一、二点
農林大臣にお伺いをしておきたいと思
つております。
主食の統制撤廃問題は、一時何か暗礁に乗り上
つたような感じがする報道が世間にされておりましたが、今朝あたりの
新聞の報道によりますと、
池田大蔵大臣の必死の努力もあ
つたのでございましよう、大分その事情がかわ
つて来たやに報道される向きの
新聞もわれわれは拝見いたしておるのでありますが、ただこの記事に私
どもは非常に奇怪と思う点があるのであります。と申しますのは、さきに
農林大臣は統制撤廃後における米の自由価格というものは、実効価格によ
つておそらく百円内外であろう、こういうような比較的に
一般が予想しておるよりも、低目の価格を示しておられたのでありますが、本日の
新聞の報ずるところによりますと、これは
安本当局の発表のようでありますが、統制撤廃後において
——しかも條件がついておる。
政府が今後統制撤廃はしないで、四月以降から一日一人に対して一合程度の配給を続けて
行つても、おそらく米の値段は一升百二十五円大十四銭になるであろう、とこういうふうに
新聞は報じておるのであります。しかるに
農林大臣は、先般の同僚の
質問に対して、配給量というものを全然抜きにして一切合財が、統制をやめまして、輸入米は別としますが、そういうものを別としてや
つた場合でも、百円内外でとどまるんではないかというふうに言明されたと私は記憶をいたしておるのですが、今日の
新聞によりますと、一合配給をかりに続けるといたしましても百二十五円六十四銭になるであろう、こういう重大な記事が出ておるのであります。この記事の真偽は別といたしまして、一体われわれの
承知いたしますところによれば、根本
農林大臣は明年の四月一日から既定方針として主食の統制のいわゆる撤廃を行う。しかるにきようの
新聞の報道によりますと、一合配給をやるんだというようなことが出ておる。値段も計算をいたしますと大分違
つておる。こういう間のいきさつはどういうふうにな
つておるか。また今でも一合配給というものを考えていないのか。急に一合配給というものを考えに入れて統制問題をひとつ
処理したいということにな
つて来たのか。あわせて今申し上げました統制撤廃をかりにいたしました場合に、一体米の値段というものは、どれくらいの
目途へおちついて来るんだという、この間の
大臣のいわゆる百円程度の値段に対して確信を持
つておるのかどうか。
安本で発表しました値段というものは、これは
農林大臣と大いに確信が違うのかどうか。その点についての明快な所信をひとつお尋ねしておきたいと思う。