○
井上(良)
委員 私はこの際当面しております
食糧統制撤廃問題について
質問をいたしたいのです。
私は
政府の
考えております
食糧統制撤廃というものが
国民生活の安定、さらに
日本経済の再建、または将来の
日本の独立という大きな見地から、この問題が非常に大きな影響を持
つておるのであります。そういう
考え方から、私ども日ごろ
自由党の
政策、その
政策を実行に移しておりまする吉田内閣の、最近の基礎産業を
中心にする、また
国民生活に重大な
関係のありまする諸物資の
統制解除の跡を見まして、われわれが重いたします
日本の安定と
日本の将来の独立を達成して行くという大きなこととま
つたく食い違
つた結果が現われて来ている。ますます
国民生活は不安動揺し、産業経済はま
つたく破綻に瀕する実情に当面しておる。このことは、私ども個人的には
根本農林大臣を尊敬いたし、また熱心に現在の政治にとつ組んで、問題を解決しようとするその努力には敬意を表します。しかもあなたが政調会長時代からこの方打ち立てましたところの自由経済への切りかえの結果が、今日わが国に一体どういう影響を
考えておるかということを、あなたみずからひしひしとお
考えにな
つておるのじやないかと
考えます。たとえば石炭の問題を取り上げてみましても、電力の問題を取上げてみましても、
肥料の問題を取上げてみましても、また鉄鉱の問題を取上げてみましても、ことごとくがわが国の基礎産業としての総合的な大きな力を発揮しなければならぬのにかかわらず、どれもこれもがま
つたくどうにもならぬ現状に追い込められておるという、この事実を否定することはできません。この一環としてあります
食糧も、またこれと同列に巻き込まれる危険を持
つておるのであります。と言いますのは、御
承知の
通りわが国の
食糧は絶対不足を告げております。将来国土は狭くなり、人口はふえて行き、耕地は滅
つて行くという現状において、絶対不足はますます大きくな
つて行くという
見通しが立てられるときに、この
統制をはずすという
考え方が、私どもは何としても
納得できません。ただここでお断わりしておきますけれども、現在のような
食糧管理方式というものは、これは大いに改善を要しますが、また
政府みずから野放しに
統制をはずすのではない、一部管理をするのだ、こういうことが言われておりますけれども、しかし一部管理することによ
つて全体を食いとめることができ得ないということは、
食糧完全
統制以前の
需給調整によ
つて、よくその経験をわれわれはして来おるのであります。一部管理することによる
需給調整ということが、全体を管理しなければならぬという結論を生んでおるのであります。このことを忘れて、一部管理するから不安がないのだということは、今日
国内食糧不足の経験をして来ております
日本国民としては、
納得ができないのであります。そういう面から、
政府の年間所要量約五千六百万石、
国内生産約四千五百万石、これは
消費面の供給量でありますけれども、この食い違
つております絶対不足という問題を、外国
食糧の
輸入によ
つて補うて行こう、こういうのが
政府の
考え方であります。このことから
考えられますことは、外国
食糧の
輸入というものは、相手国の意思いかんによ
つて絶対的なものではないということであります。相手国の意思いかんによ
つて、こつちが買おうとしても売らんと言うならば、どうすることもできません。この事実はすでに現われております。
日本が
統制をはずして
国内保有量をできるだけよけい持とうといたしましたことから、買いあおりをいたしました結果、いかに国際の米の相場を引上げ、また
食糧の相場をつりあげておるかという事実を、一体
大臣はどう見ますか、この事実をどうお
考えになりますか。このことがまた地面
食糧不足を告げて、米を買おうとする国々に対して、どういう悪影響を与えておりますか。この事実を
大臣はどうお
考えになりますか。これをまず伺いたい。