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1951-11-09 第12回国会 衆議院 電気通信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月九日(金曜日)     午後一時五十分開議  出席委員    委員長代理理事 高塩 三郎君    理事 庄司 一郎君 理事 長谷川四郎君    理事 松井 政吉君       岡西 明貞君    關谷 勝利君       中村  清君   橋本登美三郎君       福永 一臣君    椎熊 三郎君       畠山 重勇君    石川金次郎君       田島 ひで君  出席政府委員         電波監理長官  長谷 愼一君         電気通信政務次         官       加藤隆太郎君  委員外出席者         議     員 上林榮吉君         議     員 吉田吉太郎君       議     員 早稻田柳右エ門君         電気通信監   山下知二郎君         電気通信事務官         (業務局長)  田邊  正君         電気通信技官         (施設局長)  吉田 五郎君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 十一月七日  室蘭電話局新築促進に関する請願篠田弘作君  紹介)(第七六二号)  七ヶ宿村に公衆電話増設等請願庄司一郎君  紹介)(第八一三号) の審査を本委員会に付託された。 同月八日  宝塚地区電話設備改善に関する陳情書  (第六一〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件   請願  一 七北田郵便局電話交換事務開始請願(    庄司一郎紹介)(第八〇号)  二 鹿児島市の電話施設改善に関する請願外一    件(上林榮吉紹介)(第二一〇号)  三 仙台山形間市外電話ケーブル架設請願    (志田義信紹介)(第二四六号)  四 山口菱野地区等電話普通区域に編入の請    願(早稻田柳右エ門紹介)(第二四七    号)  五 宝塚地区電話交換方式改善等に関する請    願(塩田賀四郎紹介)(第三七七号)  六 大見局電話交換事務開始等請願(福田    繁芳紹介)(第三七八号)  七 西脇、大阪間直通電話回線増設等に関する    請願川西清紹介)(第三七九号)  八 尼崎市の電話網拡充等請願吉田吉太郎    君紹介)(第四七四号)  九 ラジオ共同聴取料値下げに関する請願(椎    熊三郎君外一名紹介)(第四七五号) 一〇 六瀬村に電話架設請願塩田賀四郎君紹    介)(第四七六号) 一一 豊岡電報電話局新築並びに電話交換方式    改善請願有田喜一紹介)(第五八四    号) 一二 鳥取県下の電気通信施設整備拡充に関する    請願稻田直道紹介)(第六二二号) 一三 神岡、富山間直通電話回線新設等請願(    岡村利右衞門紹介)(第六六二号) 一四 室蘭電話局新築促進に関する請願篠田弘    作君紹介)(第七六二号) 一五 七ヶ宿村に公衆電話増設等請願庄司一    郎君紹介)(第八二二号)     ―――――――――――――
  2. 高塩三郎

    高塩委員長代理 これより電気通信委員会を開会いたします。  小委員会設置の件についてお諮りいたします。今国会におきましても、従前通り電気通信事業経営方式改善に関する小委員会を設置したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高塩三郎

    高塩委員長代理 御異議がなければさよう決定いたします。  なお本小委員並びに小委員長につきましては、従前通りといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 高塩三郎

    高塩委員長代理 御異議なければ、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 高塩三郎

  6. 庄司一郎

    庄司委員 日程第一の請願趣旨は、宮城宮城郡の七北田村の郵便局に新しく電話を特設いたし、電話交換事務を開始していただきたいという請願でございまして、同村村長電話架設期成同盟会というものを組織され、会員五十五名より相なつております。会員五十五名というのは、特設電話に早く加入したい、電話架設してほしいという念願のもとに、村長外五十五名がまとまりまして、昨年の四月以来毎月ある一定の貯蓄をやつております。この村は仙台市西北二里のところにございますかなり大きな村でございまして、この村の有志がさしあたり五十五名だけまとまりまして、ぜひ電話架設をお願いしたい、こういう請願でございます。  それから日程第三は、志田君が紹介議員なつておりますが、山形市と仙台市との間に電話ケーブルをすみやかに架設願いたい。これは裏日本と東日本電通関係の安全と整備促進をはかる目的で、仙台市長山形市長もともども多年願つております。ぜひこのケーブル架設の件をお取上げ願いたいという請願趣旨であります。  日程第一五は、宮城刈田七ヶ宿村に公衆電話あるいは共同加入電話増設していただきたい。これは同村村長及び村民一同請願にかかわるものであります。この七ヶ宿村というのは、七つ部落町村合併によつて併合され、七ヶ宿村になつたのでありまして、その七つ部落にはただいま郵便局が二つ開設されております。従つて郵便局だけには電話が一本ずつあるのでございますが、他の五つ部落には公衆電話共同加入電話も全然ないのであります。この村は面積が十七万里ございます。一年に何百万俵といろ驚くべきほどの木炭の生産の村でございます。また非常に酪農が盛んでございまして、そこでこの村の残りの五つ部落公衆電話ないし共同加入電話を御配慮願いたい、こういう請願でございます。  以上、ごく簡単に請願趣旨を述べさせていただきました。
  7. 高塩三郎

    高塩委員長代理 右三件に対する政府意見を求めます。
  8. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 御請願七北田郵便局電話交換事務開始につきましては、昭和二十七年度におきまして小自動交換局として実施できるかどうかにつきまして、目下調査検討中でございますので、その結果によりまして考慮いたすことといたします。  また仙台山形間のケーブル架設についての御請願につきましては、かねてから当省としても計画を進めておりましたが、拡張予算が少いために、本年度の実施は不可能となりましたので、来年度におきましては御要望に沿うよう努力いたします。  また七ヶ宿村に公衆電話増設の御請願につきましては、七ヶ宿村各部落公衆電話もしくは共同加入電話を当省の予算架設することは、現在の予算状況から困難でございます。また電話線架設に要する実費を負担してもらう多数共同加入方法による場合には、電話交換取扱局より各部落まではいずれも遠距離になりますので、相当厖大な経費を負担してもらうことになると思われるのであります。  次に湯ノ原から二井宿間の直通電信電話回線架設につきましては、当省といたしましては地域的な関係から、このような区間には直通線を設置しない方針でありまして、現在当区間通話白石仙台米沢を中継しております。仙台白石間は本年度において一回線増設するよう手続済みでございます。仙台米沢間は本年五月一回線増設いたしまして、さらに米沢二井宿間は来年度におきまして、米沢、高畠、二井宿の三局接続を米沢二井宿間直通に改めるよう計画中でありますから、これが完成いたしますれば、相当改善されると考えておる次第でございます。
  9. 庄司一郎

    庄司委員 第三の七ケ宿の方でございますが、東北本線宮城刈田白石町より七ヶ宿村を経て、山形県の二井宿村まで、ハスが数回通つております。そういう関係と、東北地方まれに見る木炭酪農品特産地でありますがゆえに、相当寄付などはまとまると思うのであります。現在非常な不便を招来しておるような次第でありますがゆえに、ある相当額寄付をまとめ得ました場合には、特に御考慮を願つておきたいと思うのであります。  なお二井宿までは現在直通が困難であるという話でございますが、地図をごらんになればわかる通り、この村より約一里半二井宿に達するのであります。それが白石を経、仙台を経、福島を経、米沢を経て、大円形をなしておりますが、目に見える二井宿には直通がないという今の状況でございますから、この村の担当の大河原電気通信管理所等にもお命じくださいまして、なお再調査を願つておきたいと思います。
  10. 高塩三郎

    高塩委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——では次に移ります。     —————————————
  11. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第二、鹿児島市の電話施設改善に関する請願外一件、上林榮吉紹介文書表第二一号、紹介議員説明を求めます。上林榮吉君。
  12. 上林山榮吉

    上林榮吉君 通信当局が御承知の通り鹿児島戦災都市でありまするが、鹿児島市の電話普及率全国的に見て、あるいは九州都市比較いたしまして、相当低位にあるのであります。これは電話希望者が低調であるためではなくして、現在の加入申込み積滞数は、実に二千四百八十四件になつておるのであります。こういうような状況であるにもかかわらず、局内及び路線の設備が伴わないために、年次の電話架設数が僅少であるのであります。そこで私どもといたしましては、この状況を打開するために、現任の方式であるいわゆる共電式による方法自動父換式にぜひとも改めてもらいたい、こういう意味請願であります。ことに全国的あるいは九州都市比較を一部申し上げでみますならば、まず九州の分について申し上げますと、二十五年鹿十月の調べでありますが、児島市は一加入当り人口は六四・一、門司市は三四・九、福岡市は四一・二、熊本市は四四・四、長崎市は四七・八、ころいう状況であり、全国平均を見ますと、一加入者当り人口全国で七三・二、九州は一一六・六、鹿児島県は一九九・二、こういうふうになつておるのであります。こういう事情から申し上げまして、どうしても姑息的な改良ではだめでありますから、この際鹿児島特殊事情を認められまして——今後の加入数考えてみましても、五年後には七千二百名にも達する。十五箇年後には一万二千七百名にも達するというような状況であり、二十九年度になりますと、この事情は消化できないというように非常に行き詰まつた状況にありますので、二十七年度には私どもはぜひともこれが実現当局にお願いしたい、こういう意味陳情趣旨であります。
  13. 高塩三郎

    高塩委員長代理 右に対する政府意見を求めます。
  14. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 請願の御趣旨まことにごもつともでありまして、当局といたしましてももちろん上林山さんの御意見に対して、これに即応する施設の充実を急速に実施したい意向でありますが、現在の経理の内容等をにらみ合せますときに、まことにその御要請におこたえできない実情にあることを御理解いただきまして、なお一層われわれはこの電通の積極的な施策の運用に御協力をいただいて、その責任を果したいと考えておる次第でございます。特に鹿児島局舎の現状から見ますと、実は鹿児島局交換台が現在三台程度増設の余裕がありますので、加入者といたしましては約一千五百名増設収容することが可能な状況にあるのであります。このような局にいたしましては、でき得るだけ交換台増設によりまして、積滞需要の緩和をはかる方針でありまして、さしむき本年度におきまして交換台一台の増設方を取運び中でありますが、引続き来年度以降におきまして、予算の許す限りにおいて逐次増設をはかるようにいたしたいと考えている次第でございます。従いまして自動改式につきましては、その後の局舎の行き詰り等を勘案いたしました上で、計画を進めたいと考えている次第でございまして、その苦衷を御理解いただきまして、ぜひ御納得をいただきたいと思う次第でございます。
  15. 上林山榮吉

    上林榮吉君 鹿児島市の特殊事情電通当局が認められて、間に合せの改良方針として交換台増設された、あるいはしつつあるということについては、われわれも敬意を表しているのでありますが、そういう姑息な手段ではどうしてもこの需要を満たすことができない、だからせめて、待ちに待つたのであるから、二十七年度予算にこれをぜひとも入れてもらいたいという考えを持つているのであります。  そこで私は加入電話利用状況について一言申し上げておきます。共電式にする場合、順位はどういうふうに勘案しているのか、予算がないと言えばこれはわかります。わかるが、その順位についてわれわれ相当に疑問を持つている。そこで一例を申し上げますが、加入電話利用状況を申し上げてみますと、一日一回線当り全国平均が一二・八度、九州は一六度となつている。しかも鹿児島は二〇・五度、門司は一三・四度、福岡一〇・三度、熊本ははなはだしく緩和されまして、一一・七度、長崎一九・四度となつておるのでありますが、電通省考えている共電式自動式に改める場合の基礎をどこに置いておられるのか、われわれ巷間いろいろなことを聞くので、この点を一応承つておきたいと考えるわけであります。その利用度が非常に緩和されているところと、非常に緩和されていないのに順位が遅れているという事実について、もう少し承つておきたいのであります。
  16. 田邊正

    田邊説明員 お答え申し上げます。ただいまお話の一回線当り通話度数の問題でございますが、これは度数制をやつておりますところと、度数制でなく均一制をやつておるところとでは非常に違いまして、どうしても均一制の方が度数制の方より多いのであります。鹿児島はまだ度数制を施行しておりませんので、お話のような数字を示しているのであります。門司のような度数制を施行している所におきましては、その度数は少いわけであります。  なお私の方で共電自動に改式する基準といたしましては、まず第一に局舎が一ぱいになつて、これ以上交換台がふやせないということを、一番大きい要素と考えているのであります。と申しますのは、これは予算相当豊富にございますれば、よほど前から計画いたしまして、そしてだんだんそういうような局舎行き詰まりの局を生じないようにやつて参るわけであります。とにかく局舎が一ぱいになつてしまつて交換台もふやせないというところを実行するだけでも、今の予算では足りないというふうな状況なつているわけであります。そういうような関係から、局舎をふやしまして交換台増設して、ある程度加入者をふやして行くということは、しばらくあとにまわしているわけであります。しかし鹿児島の場合におきましても、今積滞需要相当ございますし、いずれ近い将来におきまして局舎もふやしますので、むろんわれわれの方でも考えてないわけではないのであります。ただ来年度というふうになりますと、ただいま申しましたようにもう局舎が一ぱいになつてしまいまして、どうしても交換台がふやせないで、今の加入者をふやせないという、ほんとうにぎりぎりなところまで来ているところを実行するだけでも、相当むずかしいというよろな状況なつているわけであります。そういうようなわけでありまして、鹿児島につきましてもむろんわれわれとしても、これは近い将来には必ず増設いたしますし、今からそれについていろいろ考えて行くということはむろんいたしているわけであります。
  17. 上林山榮吉

    上林榮吉君 どうも私どもは単なる請願説明するという程度のものでは意味をなさないと思いますので、もら少しその必要性を申し上げ、疑いをただしておきたいと思います。度数制であるから少くなる、あるいは均一であるから度数が多いのだ、こういう御意見であるが、これは水かけ問答になると思いますのでこれ以上申し上げません。それは幾らか度数制になりますと少くはなると思いますが、何かこれに対して抽象論でなしに、ここ数年間における統計の基礎的な数字があるかどうか、均一制にした場合と度数制にした場合の何か基礎があるか、ここ五年くらいの間の基礎があるか。かりにそういう基礎があつたとしても、これは私どもとして需要が非常に多いということは、何といつても否定できないのだと考えているが、その点はどうか。それから二十八年度くらいまでは、姑息な手段交換台をふやすと何とかやつて行けるかもしれませんけれども、二十九年度にはこれは全然だめだと思つている。だから少くとも二十七年度からそういう計画を進めてもらわないと、われわれは二十九年度のに間に合わないのだ、こういうふうに考えているが、この点はどうか。  それからもう一つ、鹿児島としては都市計画をやらなければなりません。あるいは二十八年度くらいになつて局舎敷地を何とかしてくれろ、こういう場合に、これは都市計画を進める上からこのままにしておくと、これが非常に不可能になつて参ります。だから戦災都市の復興並びに都市計画という点から、局舎をこの程度くらいは考えておかなければならぬということもあるわけであります。だから予算関係相当制約も受けるのでありますけれども、努力のいかんによつて相当の獲得もできるわけでありますから、こういう必要度の高い、しかも客観情勢から、どうしてもやらなければならぬようなところを優先的にやることで、予算の困難も解決し得ると思つている。ほかの都市を見て鹿児島より小さい都市が、しかもその必要性のないと認められていいような都市が優先されている。これは専門的議論になれば私どもはもつといたしたいと思いますが、今日は請願の話でありますのでこの程度申し上げますが、私はもう少し電通当局がこういう点を考えて、実現に努力してもらいたいと思う。二十七年度予算計上ができないということはないと思うのだが、ぜひとも二十七年度予算計上をやつていただきたいと思います。今予算の編成中であります。
  18. 吉田五郎

    吉田説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。  第一の、均一制度数制使用度数比較の問題でございますが、私どもの方では従来の実績調査したところによりますと、全国平均しまして均一制の局から度数制にかわりますと、大体度数は七割に減るのであります。すなわち三割減るわけであります。ですから二十回のものは大体十四回くらい、これが従来の実績でございます。料金法の改訂その他も、すべてそれを基準にして算定いたしております。  第二の点につきまして、将来の行き詰まりの問題につきましては、ただいま加藤政務次官からお答え申し上げましたように、とりあえずここ一両年三台の交換機増設することによりまして、ある程度要請にはこたえ得るというつもりでありまして、その程度の問題でございますが、これは日本の他の都市における局の場合と比べまして、そう鹿児島が特に少く見積つているということはないつもりであります。  第三の点につきましては、実は今の局舎で大体将来自動式ができるのではないかというつもりでいるのであります。先ほど来御質問自動式に変更いたしますときに、ただ局舎行き詰まりだけではありませんで、局舎腐朽度老朽度、それから今の設備拡張する場合の行き詰まり度、その他将来の需要に対する見通し等、いろいろな点を考えまして、各通信局から詳細なる資料を取上げて、実は検討いたしておりまして、単に局の加入者大小だけでは実はきめておらないものですから、今の特に鹿児島が多くて、もつと小さい局で自動改式なつているという例の比較お話のように出ているのかと存じますが、局の加入者の数の大小だけではきめておらないわけでございます。ただ長期計画といたしまして、共電式自動式とは、将来の加入者の数が幾らまでの見通しの場合に共電式にし、それ以上のときに自動式にするという基準はございますが、その基準の幅に入りますときに、自動式の中にも非常に幅がありまして二千名以上の場合は将来自動式にやり得るという基準は持つているのでありますが、すでに共電式でその加入者にやつている場合があるわけであります。それも共電式であり、大きいの共電式であるという御論議があるのではないかと思うのですが、実はそういう基準はあるわけでございます。それに従いまして腐朽度老朽度その他各般の情勢を検討いたしまして、大体順位考えておる、こういう次第でございます。
  19. 上林山榮吉

    上林榮吉君 どうも説明がふに落ちないのですが、たとえば度数制均一制にした場合は三割減になる、そういう点から見ても明らかに鹿児島は一六余りで、門司は一二、福岡は一〇、熊本は二だ、こうなつて来ますと、三割減と見ても、これらよりも電話利用率がずつと上位にある、こういう状況にある。要は利用率の問題が重点にならなければならぬのじやないかと思う。これは予算とかその他の問題もありますけれども、効果的に利用率を上げているかどうかということが、今あなたの言われた加入申込者関係もありますけれども、ここに私は重点があると思う。そういう関係からいつて、各都市比較してみて、利用度が低いということは言えない。  それから第二の、局舎は今のままでよろしい、新たな土地は要しない、都市計画鹿児島市としては、どしどし都市計画を既定方針通り進めてよい、自動式なつた場合の局舎拡張ということは全然考慮しないでも、今の局舎敷地だけで十分なのだという御意見のように承つてよろしいのでありますか。私どもの聞いている情勢と少し違うようでございますので、さらにお尋ねいたします。
  20. 吉田五郎

    吉田説明員 先ほど御説明申し上げました点で、実は自動式に切りかえる場合に、今の利用度考えないということは申し上げているわけではございませんが、利用度だけで実は判定しておらないのでございます。その点少し私の説明が足りなかつたかもしれませんが、利用度だけでやつているわけではございません。なお門司の局もまだ共電式のままになつております。  第二の点については、実は私が鹿児島の場合にそのままでよろしいと申し上げましたのは、私の答弁の行き過ぎでありまして、十分調査してお答えしたいと思います。
  21. 上林山榮吉

    上林榮吉君 請願の問題でこんなに熱心に問答したことはきようが初めてですが、われわれはもうその必要性を十二分に認識して、当局のできる限りの協力を得たいという意味で申し上げているわけです。私が利用度というものが一番重点になるのではないかと言うと、そうであるかのごとく言つておつたあなたが、それだけではない、ほかの方面を勘案してやるのだ、また一方加入申込者があつて共電式ではもう間に合わないのだ、ここ一両年したらもう全然やつて行けないのだから自動式にしたらどうか、こう言うと、それだけをもつて切りかえを考えるのではないのだ、こう言つておる。そういうことはあまりに人を迷わす答弁としか受取れない。この問題はこれ以上事務当局を責める考えはありませんが、もう少し調査して、あるいは大臣、政務次官等とよく打合せをして、再答弁を願います。同時に今私が申し上げた以外の九州の今年予定せられておる自動式への切りかえの局との比較、これも私は相当に矛盾していると思つておる。そういる点から考えまして、もら少し責任ある答弁を求めまして、ほかの方々も大分発言を求めておられるように見受けますので、これで打切ります。  最後の点はちよつと聞き取れなかつたのですが、都市計画鹿児島市が局舎のことを勘案しないで遂行してもよいかどうか、この点はどうでしたか。
  22. 吉田五郎

    吉田説明員 最後の点は、実は今の計画といたしまして、交換台増設してやるといす建前から、しばらくそのままでやりだい、そういう計画をしておりましたので、今の土地のままで将来とも自動化して十分であるかといろ点につきましては、まだ調査が不十分でございます。十分調査の上、先ほど御注意のありましたようなことを勘案しまして、あらためて御答弁申し上げたいと思います。     —————————————
  23. 高塩三郎

    高塩委員長代理 次に便宜上日程第九に飛びます。日程第九、ラジオ共同聴取料値下げに関する請願椎熊三郎君外一名紹介、第四七五号について、紹介議員説明を求めます。
  24. 椎熊三郎

    椎熊委員 これは前国会でも同一趣旨のもとに論議もされ、請願もしたような記憶もございますが、あらためて請願申し上げます。  北海道のラジオ共同聴取施設は、日本におけるこの種の事業の先がけをしたものでありまして、文化の非常に遅れている僻陬の地において、便宜上こういう簡便なことをやりまして、いなかの土地に非常に便宜を与え、文化の向上を来し、一般利用者は非常に喜んでいる。そしてこのことはひとり北海道のみならず、本州方面にも波及しまして、全国的に非常に流行している傾向にあると私は思います。これの施設につきましては、前国会で非常に問題になりましたように、特別の法律までつくつて相当完備した施設にして、他の電気通信に妨害のないようにしようということまで、深く研究された問題であります。しかしながらこの僻陬の地における、文化の程度の低い農産漁村の、しかも経済的には非常に逼迫している人々が、辛うじてこれを利用しているのに対しまして、もとより完備したる設備も必要でございましようが、それには相当の金額がいるのであります。他の鉄道あるいは電気通信等に迷惑をかけても相なりませんので、これらの障害を除去するためにも、加入者一同には今日非常に重い負担がかけられているという状況であります。よつてこれら利用者の切実なる念願として、もら少し聴取料を安くしていただきたいということでありまして、問題は至つて簡単であります。それが電気通信省の全体の運営上にどう影響するか、金額としては微々たるものであろうと思いますけれども、及ぼすところの影響は非常に甚大であります。どうかそれらの事情をとくと御勘案くださいまして、できるだけ料金の逓減をお願いしたい、こういうことであります。  この際特に私は、本件には直接関係ございませんけれども、ほかの委員会があつて、長くこの委員会におられませんし、請願全体の問題において同僚諸君の注意を喚起し、役所の方々にも聞いていただきたいことがございます。日本の国会では毎国会ごとに請願というものが多数出て参ります。前国会におきましてはその数実に三千数百に上つておる。請願は憲法上における国民の権利であります。これを受理しこれを審議すること、これまたわれわれ議員の義務で承ります。しかるに日本における請願の効果を考えると、実に形式的に流れております。けれどもこの一片の請願を出すための請願者にとつての心組みあるいは費用の問題は、実に莫大なものです。たとえば農村から出て参ります請願でも、ただいま私が申し上げた請願でも、この一片の請願を出すまでには、あるいは組合員多数の実印を徴集し、これを持つて来るために組合の代表者あるいは村では村会議員、村長等、多数の人が僻陬の地から上京して来る。今日の経済状況から見ますると、もし一週間の旅行を東京にすると、一人数万金を要するのであります。それですから国会においては、一片の請願文書として片づけられてしまうものではあるけれども、この一片の請願文書の蔭ににじむところの国民の負担は、血の出るような莫大の金額がかかつておる。そうして三千数百の請願が一国会ごとに採択せられても、それが行政官庁においていかにまじめに取上げられるか。官庁の諸君は来年度予算を組み、来年度計画を立てるときにおいて、これだけの切実なる国民の声を聞きつつ計画を立てておるのかどうか。おそらくは立てておるのではございましようけれども、一般国民にもわれわれ議員にも、請願趣旨を尊重せられて事業計画を立てておると思われる点が、はなはだ貧弱なのであります。これは制度の上から本考えなければならぬ。一つには議員のおみやげ案とも称されるのであつて、自分の選挙区に対する義理合い上、できないものであつてもこれはひとつ通してやろう、紹介議員なつてやろうと、わざわざ紹介議員にみずから進んでなる人もある。これを宣伝の材料に使つておる人さえもある。これは国会議員たるわれわれも大いに反省しなければならぬところである。私は先年アメリカに参りまして、この問題について本研究して参りました。アメリカにはこういう制度はない。アメリカでは国会は請願を受付けるの義務を持つております。けれどもこういうふしだらなことはやらずに、ロビイストなる制度をもつて、国会が承認したるロビイストの手を経ずしてはこれを受理しない。しかも請願はただ単なる請願で出て来るのではない。ロビイストは相当の専門家でありまして、国会の事務総長並びに議長の認承を得たる非常に高級の職業であります。従つて請願に裏づけられるところの法案を用意して持つて来る。そうして議員はそれをほんとうにまじめに深刻に検討いたしまして、法案として通過せしめる。法律で縛つてしまうものですから、役所はどうしてもそれを実現せざるを得ない。従つてそれには予算の裏づけが必要だ。一片の請願を受付けるのにも、国家の財政、経済、役所の都合、法律の状態、あらゆる方面に関係が深いので、これが完備して初めて請願が受理せられるのでなければ、国民の意思がほんとうに国会を通じて行政官庁に到達しない、そうして希望が実現しないということになる。今のような形式的な請願の受理、採択をやつておつたのでは、国民はみだりに莫大の費用を使つて、官庁もまた忙しいから、来年度予算を組むにあたつて、何千の請願を一々体検して可否をきめて行くということには、なかなか困難があるのでございましよう。そこで最近衆議院の運営委員会では、このことが重大なる問題になりまして、不日請願に対する研究の小委員会が設置せらるることと相なりました。従つて将来は、私どもの理想といたしましては、忙しい仕事をしておる行政官庁にぞろぞろそろつてつて陳情をして、事務の妨害をするような状態の出現しないようにする。アメリカでは政府や行政官庁に陳情というものはしない、行つてもむだなのです。そんなものを受付けても実現できない。こまかく法律の規定と予算の裏づけをもつてすべてを決定して行くから、役人の自由採量によつて予算の勘案ができない。とつた予算であちこち埋め合せて行くということができないような制度になつておりますから、役所には請願陳情というものはしない。陳情請願はことごとく国会を通じてなされる。その国会を通じてなされるものが、ことごとく予算と法律の裏づけを必要とする。そこで国民の意思がほんとうに実現して行く。私どもはこういう制度にしたい。このことはわれわれのアメリカに行きました視察旅行の報告のうちの、非常な重要部分を占めております。そのことは多くの同僚諸君も痛感してはおりますけれども、制度を改善しない以上、今まで通り一国会に何千という、無意味に見えるような請願の受理、採択があるということは、国民にとつてはなはだ迷惑なことです。そこでわれわれも大いに研究します。役所の方々も、請願を採択するに当つては、真剣にこれに取組んでいただかなければならない。これはあなた方の経営上の施策以外に、国民の声としてこういう要望がある。それをまじめに取上げる。それだけの親切がなければ、民主国家ではない。官僚国家に堕する。私は実はただいまの上林山君の御議論のごときことが、まじめに論議されていいと思う。きようこの請願に関連して、私の選挙区たる北海道室蘭と小樽の電話改良工事の順位についても同じ意見を持つており、これを申し上げようと思いましたが、趣旨においては同一でありますから、上林山君の専門的な、非常に貴重な調査に基くところの議論があつたから、私は遠慮いたしますが、どうか技官も小樽の状態等は御存じでありますから、私は上林山君と同じような感覚を持つて、あなた方の小樽に対するやり方は、決して適切なものでなかつたということも指摘しつつ御反省を願いたい。よけいなことを言うようですけれども、そういうことをやつていては、わずかな金でやる膏薬張りでは、電気通信事業はさらにさらに明朗性を欠いて参ります。政務次官もおいでになりますから、どうか来年度予算等におきましては、大臣を督励して大いに閣議でがんばつて、厖大な予算を、一挙に解決はできなくても、解決の基礎をつくるような一つの予算を獲得して、画期的な革命的な通信事業の建設を私は期待したいのであります。本日は私はラジオの共同聴取料値下げの請願をお願いするに関連いたしまして、請願全般において、国会が今いかなる動きをしておるかということを、行政官庁においても御考慮願いたい。われわれ同僚もこのことについては、十分検討するつもりでございます。  最後に一言、ただいま私ども請願申し上げました北海道におけるラジオ共同聴取料値下げ実現せられんことを期待いたします。従つてこの請願は満場一致採択せられんことを期待するものでございます。
  25. 高塩三郎

    高塩委員長代理 右に対する政府意見を求めます。
  26. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 ただいま請願全般にわたりまして、私どもの心構えるべきことについていろいろ御意見をいただきました。われわれといたしましても、具体的に処理する場合に、御趣旨を十分くんで行きたいと思います。  この共同聴取施設に対しまして、一般の利用者と大分受信の状態の違うというようなこと、また特別な御説明がございましたような事情から、受信料金を特に減額されたいという御趣旨でございます。この問題はお話もございましたように、前にも一度御請願がございまして、当時私どももいろいろ検討した問題でございますが、御承知の通り日本放送協会のラジオの受信料金は、国会におきまして同協会の収支予算を承認する場合に、自動的に定まるかつこうになつておるのでございます。現在は御承知のように単一料金制になつておりまして、たとえば第一放送だけが聞えて第二放送が聞えない地域のものは、半額にするというようなことになつておりませんで、全部単一料金制になつておるのでございます。従いましてラジオ共同聴取施設を持つておられる方々の料金につきましても、いろいろそういう点本検討いたしておるのでございます。できるだけ請願の御趣旨に沿いたいということで研究いたしておりますが、表から料金を半額にするとかいうことは、今申し上げたようなことで、さしむきなかなか困難な状態にございます。しかしながらいろいろ料金の徴収を協会が直接やつたり、あるいは現在は郵便局にお願いをしておるという状態でございますが、受信料金を施設者の方に集めていただいて、ちようど集金の手数料のようなかつこうで、受信料の一部を払いもどし申し上げるという方法もあり得るではないかということで、その具体的なやり方について、放送協会にいろいろ研究をしてもらつております。ただいままでの経過を申し上げますと、そういうことでございますが、ただいまの御請願の御趣旨も十分放送協会に通知いたしまして、できるだけ早い機会に具体策を得るように希望いたしておきましたから、御了承願いたいと思います。     —————————————
  27. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程を変更いたしまして、日程第八、尼崎市の電話網拡充等請願吉田吉太郎紹介文書表第四七四号について紹介議員説明を求めます。
  28. 吉田吉太郎

    吉田吉太郎君 尼崎市の電話網拡充の請願でございますが、非常に貴重な時間でありますので、ごく簡単に請願の要旨だけを御説明申し上げまして、事務当局並びに委員各位の御協力をお願いする次第であります。  尼崎市は、御承知の通り三十万の人口を擁しまして、しかも扶桑金属、大同製鋼、神戸製鋼、その他大小工場が枚挙にいとまがない状態であります。その工場数を算定いたしますると、おそらく八百に近い工場を擁しております全国有数の生産都市であるということは、何人もいなめない事実であります。この生産大都市の尼崎市が、最も劣悪なる電話機構である現在の状態は、もう私が説明するまでもなく、事務当局は十分御了承いただいておると思うのであります。ただいまも同僚議員から、自動式だろうというお話であります。もうすでに尼崎市は自動式なつているのだという一般常識を、皆さんがお持ちになつておるのであります。しかるに尼崎市の現在の実情は、いまだに共電式でありまして、しかも二千五、六百程度しかないという状態で、非常に困窮しておる。この事実は、どうしてもこの際国家的生産の面から申しましても、一日も早く自動式にやつてもらわなければならぬということであります。これにつきましては、地元からも再三再四事務当局陳情いたしておるのであります。尼崎市が急速に工場が稼動いたしまして、今日では電話の問題によつて生産が非常に阻害せられておる。一例を申し上げまするならば、大阪との通話なんかにいたしましても、どうしても長時間かかりますので、電話に依存できない。従つて各工場は人をもつて連絡に当らしめておるという事情であります。これは市外通話のことでありますが、市内通話におきましてもその通りであります。いろいろ実情を調査してみますと、市内通話でも非常に長時間かかりますので、市内相互に人をもつて交通機関などを利用して、その用を足しておるような実情でありまして、非常に困つておるわけであります。従つてこの問題は近畿電気通信局においても、早晩やらなければならぬというので、市当局にもその話を持ち込みまして、もうすでに市当局土地を買収いたしまして、いつでも局舎を建ててもらえるという程度にまで、準備はできておるのであります。そういうふうな建前から見ますと、来年度予算には何としても局舎をまず建ててもらつて、二十八年度には機械設備をやつてもらう。二十九年度には開通できるという線にまで、考慮を願わねばならぬという建前をとつておるわけであります。かてて加えて尼崎港が重要港湾の指定にもなり、かつまた先般関西労災病院の設置む尼崎市に決定いたしました。非常に急速度の発展に伴いまして、電話需要を痛切に感じておるわけであります。いろいろ実例を申し上げますれば、枚挙にいとまがないのでありますけれども請願のことでありますので、内容は請願にも十分載つており、事務当局の方は十分この点を御了承のことでありますから、この辺でとどめておきます。どうか委員各位におかせられましても、この請願趣旨を十分御了承いただきまして、満場一致で御採択いただきますことを、紹介議員としてお願い申し上げる次第であります。
  29. 高塩三郎

    高塩委員長代理 これに対する政府意見を求めます。
  30. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 尼崎市の申請並びに地元の皆様の再度の熾烈な御要請にこたえて、当省といたしましてもまじめに検討いたしておるのであります。当省といたしまして、交換方式自動式に改める件につきましては、線路あるいは局内施設等に厖大な資材と、これに伴う経費が必要でありますので、局舎の容量から見まして、交換機増設がまつたく不可能であるか、あるいは設備の老朽はなはだしく、サービスが低下いたしまして、かつ加入申込みの積滞が著しいか等、あらゆる面から見まして、真に改式を必要と認められるものを対象といたして、計画いたしておるのであります。尼崎局はいまだ交換機三台程度増設余裕はあるのでありますが、線路の事情から見まして、改式することが必要と考えておるのでありまして、来年度拡張予算の額等ともにらみ合せまして、できるだけ二十七年慶にすみやかに局舎の建設をはかりたいと、目下検討いたしておるのであります。  なお障害の防止につきましては、十分努力はしておりますが、機械の老朽化もありますので、改式の促進によりまして、これが根本的改善をはかりたいと存じます。  次に、市外電話回線につきましては、対大阪線の増設は、本年度実施は困難ではございますが、来年度におきまして、大阪、神戸間のケーブル増設するよう計画しておりますので、これが実施の運びに至りますれば、対大阪の通話相当改善されるものと考えておる次第であります。また対池田回線は、すでに本年の九月一日に開通済みでございます。対神戸回線は、本年度一回線を増設するようすでに手配済みでございます。対宝塚回線につきましては、通話量並びに予算関係から、さしむき実施は困難と考えられるのであります。     —————————————
  31. 高塩三郎

    高塩委員長代理 他に御質疑がないようでありますから、日程第四、山口菱野地区等電話普通区域に編入の請願早稻田柳右エ門紹介文書表番号第二四七号、紹介議員説明を求めます。早稻田柳右エ門君。
  32. 早稻田柳右エ門

    早稻田柳右エ門君 ただいま上程せられました愛知橋愛知郡幡山村地内の山口、菱野地区等を電話普通区域に編入せられたいという請願でありまするが、この請願は愛知県愛知郡幡山村長丹羽重泰並びに同村の農業協同組合長伊藤一郎及び同村の村会議長伊藤國三郎、この主君が中心となつ請願をいたしたものでございます。  請願事由は、前記愛知県愛知郡の山口、菱野地区は、瀬戸物で有名な瀬戸市に接続をいたしておりまして、瀬戸物産業が戦後急速に発達をしつつあることは、すでに御承知の通りでありまするが、特に最近欧米を初めインド、東南アジア等からの注文が陸続と入つております。瀬戸物産業は、国内資源をもつて外貨を獲得するという意味において、全国に類例のない地方産業であると存じます。この瀬戸物産業の発達は、瀬戸市に隣接をしておりまする幡山村地内にいやが上にも工場、住宅等の増設が行われまして、この幡山村は最近形態を一新するような、異常な発展ぶりを見せておる所であります。しかしながらこの地域が電話の特別区域でございます関係上、工場を設置いたしましても、あるいは役所をつくりましても、学校をつくつても、非常に不便な点が多いのでございます。最近この地区からは瀬戸物の原材料を発掘いたします工場、あるいは外国向きの陶磁器の工場が、約三百ほどできております。さらに住宅が非常にふえて参りまして、小学校を二校と中学校を一校、この区域に設置するような状況になり、さらに農産物資の集荷にあたりましても、この地区に農業協同組合の支所を三箇所もつくるという状況にあるわけでございます。ところがここに電話を設置することはなかなか困難でございまして、産業上にも、教育上にも、あるいは行政の面につきましても、支障が少くない関係で、何とかこの特別区域をすみやかに普通区域に御編入をいただきまして、この地方の産業、教育その他の発達に対応していただくような施設をお願いしたい、こういう意味で本請願をいたした次第でございます。何とぞ十分御検討をちようだいいたしまして、本請願を満場一致御採択賜わらんことをお願いする次第であります。
  33. 高塩三郎

    高塩委員長代理 右に対する政府意見を求めます。
  34. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 お話まことにごもつともでございまして、当省といたしましても、お話通り対処いたすよう努力はいたしておりますが、山口、菱野地区は、瀬戸局から実は相当距離がございますのと、現在加入申込がまだ少いのでありまして、普通加入区域に編入することは、ただいまのところちよつと困難でありますが、電話増設につきましては、電話線設備に要する費用を負担してもらう例の多数共同加入等の方法によりまして、でき得るだけ御要望に沿うよう努力いたしたいと考えております。
  35. 早稻田柳右エ門

    早稻田柳右エ門君 ただいま当局お話を聞いて、実は驚いたわけであります。本地区から電話架設の申込みがないという御説明でありましたが、これは大きな誤りであると存じます。この地区はすでに電話架設を願いたいというので、相当数申込んだと思いまするが、しかし特別地区であるため、非常に経費がかかる、従つてこの申込み申請は一応留保してもらいたいということで、受付けておられないというふうにわれわれは承つております。もししかりといたしますならば、むしろこれは当局の怠慢でありまして、申請申込みがないなどとは、驚き入つたる答弁と存じます。従つてこの点とくと御調査を願いたいと存じますが、この管下の局から、そういうような申込みはないという伝達があるかないかという点を、この際一応承つておきたいのであります。
  36. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 お話ごもつともでございまして、当省といたしましてただいま調査しておるところによりますと、申込みは山口地区で九口、菱野地区で六口でございます。この程度ですと、ちよつと困難であります。
  37. 早稻田柳右エ門

    早稻田柳右エ門君 今の御報告は、おそらく古い報告であると存じます。最近においては集団的に申込んでおるやにも聞いておりますので、一応その点は再調の上、特に好意ある御配慮をちようだいいたしたいと存じます。  由来当局は、請願を軽視せられる向きが少くないと存じます。請願はいわゆる一片の請願であつて、単に委員会でいいかげんに答弁をしておけば済むというようなお考えがあるのではないかということをわれわれは思う。しかし新しい憲法下における政治は、あくまでも民意の発露である請願を重視してもらわなければならぬと存じます。単に請願請願で、その場限りで終るというようなことがあつては相ならぬわけでございます。本請願のごときは、切実なる地元民の要望によつて、ここに請願されたものでございまして、今御説のような点と大いなる相違があることを、私は現地でよく承知いたしておりますので、ぜひとも部局を督励していただきまして、ケーブルであるとかあるいは資材の関係で、いろいろむずかしい点もあると思いますが、しかしこれは大した距離でもございませんし、簡単にできるところであつて、すでに昨年もその一部はできております。ただ少し延長すればよいというところでありますので、ぜひとも本請願委員会で御採択に相なると同時に、当局においても、誠意をもつて対処せられるように、強く要望をいたす次第であります。
  38. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 早稲田さんのお話はごもつともでありまして、先ほどはまた椎熊さんからも御高説がありまして、私どももまことに傾聴いたしたのであります。もちろん当局といたしましても、この請願陳情につきましては、これは地元の切実なお訴えと認識いたしておりまして、できるだけ御請願趣旨をくみ入れることに誠意をもつて対処いたしている次第でありますが、何分にも予算とのにらみ合せがありまして、御要請におこたえできないようなことを、御理解いただきたいと思います。ただ、ただいまの御請願の内容につきまして、当省の調べました資料とお話の点と食い違いもあるように承りましたから、さらにその実情につきましては精査の上、これに対処するようにとりはからいをいたしたいと存じますので、御了承願います。
  39. 早稻田柳右エ門

    早稻田柳右エ門君 もう一言だけ申し上げておきたいと思いますが、資材あるいは予算との関係等をおもんぱかつてお話であると思います。この点は、御当局としては一応もつともなんですが、しかしこれはとにかく特別区域を普通区域に編入するということだけでありまして、予算措置その他には何ら関係のないことであります。もしこれが普通区域になつて設置になれば、地元寄付等の熱意も持つているわけであります。だからこれは別に金もいらなければ、ひまもいらない。ただ普通区域に編入してもらう。地形的に見ても、愛知郡という郡は愛知県の中心なんですが、小学校に電話のないところは一箇所もありません。中学校に電話のないところもありません。その他の官公署に電話を持つていないところは、愛知郡内には一箇所もないのであります。図面を見ればおわかりと思いますが、愛知県の中心部であります。こんなところが特別区域であるということ自体が間違つている。今日まで等閑に付しておつたということは、地元が農村地帯であつたからそうなのでありますが、今や先ほど申し上げましたように隆々伸びんとしている所であります。しかもこれは予算に本関係がない。従つて請願に対しては、当局においてもこれはよろしい、すみやかに普通区域に繰入れるという、明快にしてしかも地元の熱望にこたえる御答弁をちようだいいたしたいと存じます。
  40. 田邊正

    田邊説明員 ただいま特別加入区域を普通加入区域に編入するだけでありますから、予算に全然関係ないじやないかというお話でありましたが、現在普通加入区域と特別加入区域をわけておりますのは、普通加入区域と申しますのは、交換局の大体近所でありまして、もしそれが一つの固まつた町でありますれば、その町の範囲というふうであります。その趣旨は、普通加入区域内におきましては、線路を設備いたします場合に、普通の場合においては経費を頂戴しないという建前、むろん交換局から百メートルの人と、交換局から五百メートルの人では経費が違いますけれども、しかしそれは均一の料金をもらつて、そしていわば共同負担と申しますか、そういうような考え方を適用してもさしつかえがないという地域を、われわれの方では普通加入区域といたしているわけであります。それに対しまして特別加入区域というのは、交換局から相当距離がありまして、均一の料金をもらうのには非常に不公平がある、そういうふうな地域は特別加入区域、さらにまたそのほかにおきましては、加入区域外ということにいたしております。従つて特別加入区域ないしは加入区域外におきましては、線路の設備に要する経費は、電話に入る人の一人々々から頂戴するという建前にいたしてあるわけであります。従いまして今お話の地区を、特別加入区域から普通加入区域に移すということは、その地域におきまして、今度私の方で電話線設備に要する経費を頂戴するに、基礎的なケーブルなり、線路なりを建設して参つて、そして加入者から頂戴します金は装置料でございますが、それだけにとどまるというふうになるのでありまして、そういう意味から申しますと、やはり予算にも関連いたしておるわけでございます。ただ今お話がありましたように、われわれの方の調査と現地の実情に食い違いがございますので、その点はなお関係の地方部局に連絡いたしまして十分に調査し、そうしてただいまも申し上げましたような普通加入区域、特別加入区域をわける趣旨から申しまして、お話の地区をわける必要がない、あるいはわけるのが不合理だということになりますれば、さようにいたしたいと考えているわけであります。  それから特別加入区域と普通加入区域をわける根拠は、今大体申し上げたようなことでありますが、この場合、特別加入区域を普通加入区域に編入いたしますには、距離と面積、それからある一定面積当り加入者の密度と申しますか、そういうものも関連して来るわけでございまして、そういう特別加入区域を普通加入区域にいたしますには、面積と距離、それから加入者の密度というような要素を勘案して決定いたして行くわけでございます。従いまして私の方でなおもう一ぺん調査いたしまして、私の方で現在とつております標準に対しまして、問題のところを特別加入区域にいたしておきますことが妥当でないというふうなことになりましたならば、そういうふうな措置はいたしたいと思つております。
  41. 早稻田柳右エ門

    早稻田柳右エ門君 るる御説明いただいてその点は了解いたしましたが、こういうことを私は思うが、いかがでございましよう。新興地区は普通のところと違つて、新しく発展せんとするところは地価の関係その他で、たとえて申しますと工場をつくる場合は、人口密度のないところへ持つてつて工場をつくる。学校の場合にもそうです。学校は村の中央であるとか、あるいは町の中央であるとか、従つて比較人口の密度という面は度外視されたところに持つて行く、そうしてこそ初めてそこが発展して行くのです。ただ人間のよけいいるところへ工場などを持つて行くことはできません。そういうことから勘案いたしまして、今申し上げている山口とか菱野とかいう地区は、まさに伸びんとしておるところであります。こういうところを人口の密度がないからいけないとか、あるいは距離が長過ぎるからというような御説によつて電話区域を指定されるということは、古い考え方ではないかと思う。私はむしろ、電気通信省などというものは、新しい役職を持つていらつしやるところですから、そういうところへは当局の方から、おれの方で電話を引いてやるから、そこへ工場を持つて来いというふうに指導されることが、やがては国の収入をふやすことになる。伸びるのを伸ばさぬようにするという古い内規などがあれば、これはこの際払拭され、改変さるべきだと私は思う。今申し上げておるこの請願地区は、決してそんな辺鄙な地区でもありません。普通区域からすぐ川ひとえであります。非常に近い距離であり、しかも人口の密度も相当にある地区であります。かような観点から、御調査いただくこともけつこうでありますが、本省の方から強く地方の部局へ、これはこういうところだそうだからやつてやつたらどうか、やつてやろうじやないかというふうに御慫慂いただきたい。何となれば、由来日本の国は、いまなお下僚は上司に、よくても悪くても迎合するという空気が濃厚であります。地方にはまだ官尊民卑の風習がかなり残つている。それでまた上司にしかられるといけない、あるいはこう言われると心配だからというような考え方から、はつきりしたことを言つて来ない場合が多い。だからこれはひとつ本省から、こういうのは国会でも問題になつたけれども、ぜひやつてやれ、しかも産業発展興隆の途上にあるところだから、やつてやつたらどうだというようなふうに、御慫慂賜わることができれば、これは実に時代に適した民主政治のあり方と私は思うのであります。どうかひとつそういう意味合いからいたしまして、格段の御配慮あらんことを重ねて要望いたしまして、この請願に対する私の説明やら、お尋ねを終りたいと思います。
  42. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 関連してちよつと………。同僚早稻田さんの請願に対しての御答弁ですが、私たちも常に考えていることなんですが、特別区域、普通区域というものがあり、これに関連して人口の密度というものは常に固定していないのだ、これはおそらく何十年前かのときに、大体普通区域、特別区域というものがきめられてあるのであつて人口の密度と関連して電話の利用が多くなつて行くということは当然なことなんで、ただいまの御説明を聞けば、あたかも鎖国的な、特別区域だから料金がよけいとれるというような考え方、まずそういう考え方から抜け出てもらわなければならないと私は思う。ただいま日本の現状において、電話事業というものは政府事業である。しかしその半面、公共的なものが相当その中にあるのだということを御認識していただかなければならない。従つてこれらの施設一切においても、国民の税金をもつてまかなわれている点が十分あると考えられます。それらを考えましても、まず私はぜひともそういう考え方を、本省として一変していただかなければならぬ。従つてこのような点については、十分調査をする。これはなるほどこれだけの人口の密度になれば、これを特別区域でなく普通区域としなければならぬというようなことが、当然に生れて来なければならぬ。従つて今後、今のお話のような鎖国的な考え方でなぐ、ほんとうに全般の大衆、国民大衆のために、この公共施設をもつとよりよく生かし、もつと能率的に使つていただくようにお考えを進めて行つてもらわなければ、とうてい日本電話事業の発展性はないのではないかと考えられます。その点におきましても、お考えを直してもらうのと同時に、また各部局に対しても御注意をしていただきたいということを御要望申し上げます。
  43. 田邊正

    田邊説明員 先ほど私申し上げましたことで、大分不備な点があり、誤解を招くおそれがあると思いますので、敷衍して申し上げます。私申し上げましたのは、加入者の密度ということを申し上げました。たとえば一平方キロに加入者が何名かという意味で申し上げたのでありまして、ただ人口がどうかということを申し上げたのではありません。それからなおその加入者の密度と申しますのは、現在入つている加入者のほかに、近い将来に加入者がどれくらいふえるであろうということも考えに入れまして、その密度を計算することにしております。  それからもう一つ、私どもの方で考えておるところを申し上げますと、これはやはり一定の基準を用いまして、そうしてその基準に合致するものはすべてこういうふうに取扱うという、公平と申しますか、そういう取扱いが、われわれこの事業を預かつている者として、至当であると考えるわけであります。従つてそのためには、やはり今申し上げましたような基準というものが、どうしても必要になつて来るのではないか。それからまたその基準は今申し上げましたように、決して今の状態だけに着目したような、いわば静止的なものではありませんので、やはり近い将来に加入者がどれくらいふえるであろうということも加味して、そうして問題をきめて参るというふうにいたしておるのでございます。  それからもら一つは、どうしても普通加入区域と特別加入区域というものは、これはやはりそういう区別をいたしませんと、料金の負担の公平という点から申しまして、制度としてはやはり認めてもらはなければならぬと考えておるわけであります。ただお話もございましたので、今の標準というものについては、お話のような点も加味いたしまして、これをなお検討するということは、むろん必要だろうと思うのでありまして、これはこの問題ばかりでなしに、あらゆる問題につきまして、いろいろ皆様方の御高見により、われわれもなお勉強して参りたいと考えます。
  44. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 制度とか基準とかいうものは、一つのものを構成する段階において必要であつて、それは固定しているものではないということなのであります。固定しているものてはないから、政府としてもこのような点についてただこだわらずに、よく調査をして満足感を与えるようにするという考え方で行つてもらいたいと思います。お役人式な考え方で進んで行つてもらいたくないということを申し上げておきます。     —————————————
  45. 高塩三郎

    高塩委員長代理 次に日程第五、宝塚地区電話交換方式改善等に関する請願塩田賀四郎紹介、第三七七号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんから、専門員より説明をいたさせます。
  46. 中村寅市

    中村専門員 本請願の要旨は、終戦後における兵庫県川辺郡宝塚地区は、観光宝塚都邑とする内外人の観光客増加し、宝塚歌劇団を初め官公署、旅館、商店等激増し、異常な躍進に伴い逐日電話加入利用者多く、今後ますます電話交換事務の頻繁を予想されるが、現在のごとき狭隘な局舎において、また最旧式磁石交換機をもつては、敏速なる通話は期しがたいため、多大の不利不便を来している。ついては当地区の電話交換方式自動式に改めるとともに、電話局交換事務を昭和十二年逓信省が宝塚電話局舎として新築した当町所在の鉄筋コンクリート三階建に移転されたいというのであります。
  47. 高塩三郎

  48. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 宝塚地区の交換方式改善につきましては、予算その他の制約によりまして、さしむき困難でございますが、昭和二十七年度以降におきまして、局舎の移転並びに改式工事をできるだけすみやかに実施するよろ努力いたしたいと思います。
  49. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質疑はございませんか——それでは次に移ります。     —————————————
  50. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第六、大見局電話交換事務開始等請願、福田繁芳紹介、第三七八号を議題といたします。中村専門員。
  51. 中村寅市

    中村専門員 本請願の要旨は、香川県三豊郡大見村は、近時農産加工その他商業方面の発展により、阪神方面を初め隣接市町村との通信は漸次増加の傾向にあるが、現在の通信に関する施設では村民の需要を満たし得ない現状である。ついては当村所在の大見局に交換事務開始及び電報配達事務を開始されたいというのであります。
  52. 高塩三郎

    高塩委員長代理 政府意見を求めます。
  53. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 本請願に対しまして、当省といたしましては、電話交換事務開始につきましては、現在加入希望者が三十名以上、またもより局間の距離が四キロ以上、かついずれの交換区域にも所属しないこと等の事項並に既設交換局に多数共同加入者によつて収容でき得ないこと等を條件といたしておるのでありますが、大見村の大半は上高瀬局の特別加入区域内にありますので、実現は困難であります。しかし加入希望に対しましては、上高瀬局の加入希望者として、電話線設備に要する実費を負担してもらうところの多数共同加入制度等によりまして、できるだけ御要望の御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。なお電信事業の経営上著しく収支償わない事務開始は、実施することを差控えております関係から、相当の赤字を生ずる本件のような配達事務の開始は、当分困難でございます。しかし着信電報が僅少な場合は、最近では従来の配達員による電報配達制度にかえるに、窓口交付の例による配達制度を実施することにいたしておりますので、本局に対する配達事務は、所轄通信局と連絡いたしまして、この方法によることができれば実施いたしたいと考えておる次第でございます。
  54. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質疑はありませんか。——ないものと認めます。     —————————————
  55. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第七、西脇、大阪間直通電話回線増設等に関する請願川西清紹介文書表第三七九号を議題といたします。
  56. 中村寅市

    中村専門員 請願者兵庫県多可郡西脇町西脇通信協力会長来住梅吉外二十一名、紹介議員川西清君、本請願の要旨は、兵庫県多可郡西脇電報電話局の電話回線のうち、大阪、西脇回線は現在四回線であるが、特急通話でも普通通話以上長時間待たねば役に立たぬ現状である。これは西脇町の特殊産業である播州織が近年急激に発展し、各種商社及び生産者の大阪紡績商社や本社との連絡が増加したためであつて、このような電話の悪條件は事業の発展を阻害する重要な原因となつている。ついては大阪、西脇間電話回線を四回線に増加し、中共電式もしくは大共電式改善するとともに、これに伴う庁舎を建設されたいというのである。
  57. 高塩三郎

    高塩委員長代理 政府意見を求めます。
  58. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 西脇、大阪間の直通電話回線の増設につきましては、本年度の当初の計画ではその対象とならなかつたのでありますが、最近の通話量の増高にかんがみまして、本年度中に一回線増設を実施いたしたいと考えまして、目下検討中でございます。なお二十七年度におきましても、予算等の範囲内におきまして、できるだけ増設をはかりまして、御要望に沿いたいと考えておる次第でございます。
  59. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質疑はありませんか。——ないものと認めます。     —————————————
  60. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第一〇、六瀬村に電話架設請願塩田賀四郎紹介文書表第四七六号を議題といたします。
  61. 中村寅市

    中村専門員 請願者兵庫県川辺郡六瀬村長大西義隆、紹介議員塩田賀四郎君。本請願の要旨は、兵庫県川辺郡六瀬郵便局における電話交換事務は、昨年度より開始されたのであるが、村内の電話は、その大部分が未架設の状態であるから、地元経済文化向上のため、すみやかに電話架設されたというのである。
  62. 高塩三郎

    高塩委員長代理 政府意見を求めます。
  63. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 六瀬局は、現在特殊三十回線、交換機一台、加入者は十八名を収容しておりますので、なお収容余力はありますが、現在全国電話架設要望数が三十万を越えておるような次第でありまして、現在の予算状況でありましてはちよつと困難であります。従つて与えられた予算でできるだけ多くの電話架設するために、交換局の普通加入区域外の場所においては、電話線設備に要する実費を負担してもらつて電話架設する方法をとることにいたしておるのであります。この方法によつてできるだけ御要望に沿いたいと考えておるわけであります。
  64. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質疑はありませんか。——ないものと認めます。     —————————————
  65. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第一一、豊岡電報電話局新築並びに電話交換方式改善請願有田喜一紹介文書表第五八四号を議題といたします。
  66. 中村寅市

    中村専門員 請願者兵庫県豊岡市長佐川辰夫外十名、紹介議員有田喜一君、本請願の要旨は、豊岡市所在の豊岡電報電話局は、郵便局局舎を共用している関係上、室内きわめて狭隘で、交換台増設が不可能であるため、多数の新規電話加入の希望に応せられないのみか、諸官庁の連絡、商業取引、遊覧客の用向き等繁雑なる通話を処理できず、京阪神との通話は普通申込みで五、六時間を要する状態であつて、そのためこうむる利用者の不利不便はきおめて大きく、当市の経済的発展に大なる影響を与えている。ついては該電話局舎新築し、あわせて職員能率増進のため設備を整えるとともに、この際電話交換方式自動式改善されたいといというのである。
  67. 高塩三郎

    高塩委員長代理 政府意見を求めます。
  68. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 自動改式につきましては、莫大な経費と資材が必要でありまして、終局加入二千以下程度の見込みのところは、目下共電式に改めて行きたいと考えておる次第でありまして、豊岡局は共電改式を適当と考えておるのであります。しかし現在全国には早急に共電改式を要するものが約百局に達しておりまして、これが実現には予算等の制約によりまして、年々わずかにその一割程度しか実施できない実情でございます。  豊岡局は、局内設備は現在行き詰つてはおりますが、現在の局舎においても最終約一千加入収容できますので、本年度一部交換台のジヤツクの増設方取運び中でありますから、改式は二十八年度以降の計画において考えるつもりでございます。局舎新築につきましては、幸い敷地もすでに買収済みでありますので、改式年次とにらみ合せまして新築計画を進めることといたします。  なお京阪神地方に対する市外通話改善につきましては、現在相当輻湊はしておりますが、市外回線の建設には相当の経費を要しまして、予算等の関係で、対京阪神回線の建設はさしむき困難でありますから、二十八年度以降におきまして、できるだけ早い時期に実施するように努力いたしたいと存じます。
  69. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質疑はありませんか。——ないものと認めます。     —————————————
  70. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第一二、鳥取県下の電気通信施設整備拡充に関する請願稻田直道紹介文書表第六一三号を議題といたします。
  71. 中村寅市

    中村専門員 請願者鳥取県知事西尾愛治外十名、紹介議員稻田直道君、本請願の要旨は、鳥取県は地勢及び風土等の関係で、従来産業、経済あるいは文化の面において、他府県に比し劣つていたのであるが、最近日本パルプ工場及び紡績工場の新設、大会社の誘致、また大山総合開発等その面目を一新しつつあるが、これが基礎的條件である通信施設がいまだ完備していないため、これら増大する需要に応ずることができず、本県の政治、経済、文化の進展に多大の支障を来している。ついては一、鳥取電話局の改式、二、山陽山陰間ケーブルの新設、三、鳥取、米子間ケーブル敷設、四、米子局と皆生局の電話交換区域の合併等の施設改善に、特別の措置を講せられたいというのであります。
  72. 高塩三郎

    高塩委員長代理 政府意見を求めます。
  73. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 鳥取県下の電気通信施設拡充につきましては、現在次のような事情にあることを御了承願います。  一、鳥取電話局の改式につきましては、昭和二十七年度におきまして実現をはかるように、予算を要求中でございます。  二、岡山、米子間ケーブル新設につきましては、二十七年度に実施するよう予算を要求中であります。  三、鳥取、米子間ケーブル敷設につきましては、予算等の関係でさしむき実現は困難でありますが、二十八年度以降において実現に努力いたします。  四、米子局と皆主局の交換区域の合併につきましては、本年度予算が許せば、二十六年度において実現をはかりたいと思います。  五、境電報電話局の局舎新築共電改式につきましては、事情ごもつともでございますが、現在全国には共電改式を要するものは約百局に達しております。これが実現についてはあらゆる努力を尽しておりますが、予算等の制約によりまして、年々わずかに十分の一程度実現し得るにすぎない状況であります。境局に対しましては、昭和二十六年度において、まず局舎新築、現在方式のまま移転して、加入者増設を可能ならしめ、しかる後、将来なるべく早い機会に共電改式の御要望に沿うよう努力いたしたいと存じます。  六、米子、松江間ケーブル敷設につきましては、昭和二十七年度に実施するよう予算要求中でありますが、準即時通話方式の採用につきましては、予算その他の関係上、さしむき実施は困難であります。  七、米子電気通信管理所の新築につきましては、昭和二十七年度以降の計画において実現に努力いたします。  八、鳥取電報局の新築につきましては、現在工事中の電話局完成移転後におきまして、現在の電話局舎に移転するよう計画中でございます。  九、米子電話局の自動改式につきましては、現在全国には三十余の緊急を要する候補局があるにもかかおらず、予算等の制約で、わずかに数局を実施し得るにすぎない事情でありますので、さしむき実現は困難であります。同局はまだ相当加入者を収容できますので、将来の発展の状況とにらみ合せまして、考慮のことといたします。  以上要約して申し上げた次第でございます。
  74. 高塩三郎

    高塩委員長代理 御質疑はありませんか。——ないものと認めます。     —————————————
  75. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第一三、神岡、富山間直通電話回線新設等請願岡村利右衞門紹介文書表第六六二号を議題といたします。中村専門員の説明を求めます。
  76. 中村寅市

    中村専門員 請願者岐卓県神岡町長奥村義雄外二名、紹介議員岡村利右衞門君、本請願の要旨は、岐阜県吉城郡神岡町は富山県に隣接し、富山県との商取引は従来より活発で、これらの取引を初め日常用務はほとんど電話をもつて果し得るにもかかわらず、現在既設の電話回線は富山、神岡、古川の三局接続共同線がわずか一回線使用されているため、特急報をもつてしてもほとんどが通じない実情で、夜間の閑散時にはわずかに利用される程度であり、商工業のこうむる不便は大なるものがある。また高山市は飛騨の中心地で、行政、経済諸機関の所在地であるが、わずか二本の電話回線を使用しているため、輻湊著しく、日常用務はもちろん、神岡町の官公庁の連絡にも事欠く状態である。ついては富山、神岡間に直通電話回線を新設するとともに、神岡、高山間に電話回線を増設されたいというのであります。
  77. 高塩三郎

    高塩委員長代理 政府意見を求めます。
  78. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 本請願の御趣旨を体しまして、すでに神岡、富山市間及び神岡、高山間の電話回線増設につきましては、本年の十月二十日にそれぞれ一回線ずつ開通いたしておりますから、御了承をいただきたいと思います。
  79. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質疑はございませんか。——質疑ないものと認めます。     —————————————
  80. 高塩三郎

    高塩委員長代理 日程第一四、室蘭電話局新築促進に関する請願篠田弘作紹介文書表第七六二号を議題といたします。中村専門員の説明を求めます。
  81. 中村寅市

    中村専門員 請願者室蘭市長熊谷綾雄外一名、紹介議員篠田弘作君、本請願の要旨は、室蘭市は国際貿易港として、また重工業都市として目ざましい躍進を示し、電話の加入申込み積滞数は六百を越え、潜在千個に達する状況であるが、受入れ設備は旧式の磁石式であるため、収容力二千百個であり、本年度中に二千五十を越える見込みである。もし自動式の改式が二十七年度中に完成しないならば、二十八年度以降は一個の新増設も不可能になり、市の発展に重大なる支障を来すことになるから、昭和二十七年度中に改式実施されたいというのであります。
  82. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 室蘭局の自動改式につきましては、すでに第十国会において御回答申し上げておりますが、予算その他の制約のために、早急に所期の通り実現できないことをはなはだ遺憾に存じております。当省といたしましては、全国において自動改式をせねばならない局が非常に多いので、その局の設備状態、局舎状況、あるいは将来の発展予想等、あらゆる面から検討を加えまして、必要度の高いものから逐次実現をはかるよう計画を進めておりますが、年々わずかに数局しか実施できないような状況でございます。室蘭局は現在加入者約千七百余名でありまして、最終収容限度は二千百でありましで、若干の余裕がありますので、早急に実施することは困難とは考えておりますが、局舎建設につきましては、でき得るだけ二十七年度に、また自動改式につきましては二十八年度以降の計画において、御要望に沿うよろ努力いたしたいと考えております。
  83. 高塩三郎

    高塩委員長代理 質問はございませんか。——質問ないものと認めます。次会は来る十二日午後一時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十八分散会