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小笠政府委員 お答えいたします。第一点の問題につきましては、午前中に
河野政府委員からお答えいたしようでありますが、私
ども中小企業の
立場を
考えているものといたしましては、ぜひ早急に
商工中金の
割引商工債券を
資金運用部で
引受けてもらうということを要求いたしているのであります。これは私率直に申し上げますと、三十億といわなくても、十億でも二十億でも早く
引受けてもらう、しかも
現実に現なまを早くつかむということを実は念願して、いろいろ
お願いをしているわけであります。そういう事情でありまするが、事務的な
状況が
けさ河野銀行局長の
お話のような
状況でありますので、私
どもといたしましては、できるだけこれの
実現に努力を続けて参りたいと
考えております。
それから第二点の問題であります
中小企業対策の
考え方でありまするが、
金融だけで片づかぬじやないかということですが、私もその
通りだと思うのであります。
中小企業の問題の
一つの問題は、
中小企業が弱いがゆえに
経済的に遅れている、あるいは社会的に弱いというところがありますので、それを補強してやるというようなことを
考えなければならぬと思うのであります。たとえば御指摘の
電気のような問題が起
つて参りましたときに、私
どもが今でもと
つております
措置を申し上ますと、
一つは
電気全体の増量をはか
つて行く。これは当然
考えなければいかぬし、それに対しまして
石炭の
優先的確保の問題であるとか、あるいはいわゆる
自家発の動員とかいうような一連の全体
増強の問題があると思うのでありますが、それと並行して、
中小企業部面の問題といたしましては、どうしても、全体の量が少くても効率的な
電気を送
つてもらう、いわゆるほたる
送電でなしに、
計画送電をしてもらう。すなわち大
企業では二日
停電であるが、
中小企業はところによれば三日
停電というようなことが行われてお
つたのであります。これらの点につきましては、私
どもといたしましては
公益事業委員会の
委員長あてに、われわれの主張を強く正式に申し出ているのであります。そうして
公益事業委員会といたしましても、できるだけその趣旨に
沿つてや
つていただくことにな
つております。そういうような点で
公益事業委員会の力を借りてわれわれ
中小企業の
立場を
はつきりさせて行く、あるいは要望を
はつきりさせて行くという手は打
つているのであります。つきましては、全体的な
電気の量が御
承知のような
状況にあり、しかもこの期間が少し続きそうだというようなことで私
どもが今や
つております
一つの点は、これは量的に見ますると小さいのでありますが、
中小企業向けの
電気の大体一割
見当を
増強する予定をもちまして、いわゆる
石油発動機の活用ということをいたしているのであります。
石油発動機は、現在
生産能力が非常に少いのでありますが、これの遊休のものを活用する。それから農村の
脱穀調製が済んだ場合にこれを借りるという手を打
つて、農林省の
農政局長と私
どもの方との
連名通牒で各
府県に
お願いをしております。これに対しましてガソリンの配給をやらなければならぬので、これは特別の
わくを実は安本とも相談してもら
つているのであります。そういうふうな形で、少しでも
中小企業の
電力の、いわゆる消極的な
増強ということになるかと思いますが、や
つているわけであります。大体私
どもの方では、今のところ十六万バーレルぐらいそれによ
つて増強をや
つて行きたいと
考えております。ただ問題になりますのは、その際に値段が少し高くなる。大体七円五十銭から八円
見当になるのであります。これも水力よりは高いが、
火力料金を払うとすればあまり違わないという採算に立ちまして、や
つているのであります。同時に新しく自分のところで
石油発動機を買うとすれば、その
資金をできるだけ援助する、いわゆるあつせんをするというな手を各都道
府県に
お願いして、そ占ういう線で進めているわけであります。
以上申し上げましたのは
電気の例でありまするが、そのほかの
物資の
問題場につきましても、できるだけ私
どもといたしましては
——この前
鋳物屋に対する銑鉄の場合に、できるだけわれわれが大きな
製鉄会社と約束をして特別の
わくをもら
つている。これは技術上の問題で、
行政的措置でありますが、
品わくをもらう、あるいは手すきの紙に対して、わずかながらもパルプをと
つてやるというような手を打
つているのであります。まだや
つていることは小さいのでありますが、できるだけ
中小企業対策としては、
現実に困
つて、るところをできるだけ
政府の力で世話してやる、こういうような
考え方で進めているわけであります。
経済全体をどう持
つて行くかというような問題につきましては、私の答弁の限りではありませんから、ひ
とつそういことでお許しを願いたいと思います
それから
中小企業の
金融体系をどうするかという問題が第三点の
お話のようでありましたが、
中小企業金融の
体系を
はつきりつけて行くということは、私も必要だと実は
考えているのであります。
中小企業金融をできるだけ円滑にして行くという
意味におきまして、いろいろな
パイプをつくることも必要でありますが、そこに
中心的な
体系というものを持
つて行かなければならぬ、こういうようなことを
考えているのであります。その
体系の
中心をどこに置くかという問題になりますと、いろいろな御議論があると思います。
政府部内におきましてもあるのでありますが、
一つの
考え方といたしましては、
商工組合中央金庫というものを
体系の
中心にして、この
性格を、現在のような民間的な
組織の
考え方というものをもう少し
政府機関的な
考え方に切りかえて行くという問題が、
一つの
考え方であると思います。それからもう」つの問題は、別の
考え方、別の
組織をつく
つてわれわれが一時
考えておりましたような中場小
企業金融金庫という
——仮称でありますが、そういう
制度をつく
つて、それを根拠にして下部の各種のハイプを総合指導して行く、こういう行き方も
考えられると思うのであります。いずれにいたしましても、そういうような形におきまして何らかの基本的な
体系を樹立して行く時期に今来ているというふうに
考えておるわけであります。