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1951-11-28 第12回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十八日(水曜日)     午前十一時二十一分開議  出席委員    委員長 前尾繁三郎君    理事 野村專太郎君 理事 龍野喜一郎君    理事 床次 徳二君 理事 門司  亮君       池見 茂隆君    大泉 寛三君       尾関 義一君    門脇勝太郎君       川本 末治君    佐藤 親弘君       吉田吉太郎君    藤田 義光君       大矢 省三君    久保田鶴松君       立花 敏男君    大石ヨシエ出席国務大臣         国 務 大 臣 岡野 清豪君 出席政府委員         国家地方警察本         部長官     齋藤  昇君         国家地方警察本         部警視長         (警務部長)  中川  淳君         国家消防庁長官 新井 茂司君         地方財政委員会         委員長     野村 秀雄君  委員外の出席者         総理府事務官         (国家消防庁管         理局長)    瀧野 好曉君         参  考  人         (警視庁警務部         長)      大園 清二君         参  考  人         (警視庁警ら部         長)      原 文兵衛君         参  考  人         (警視庁警ら部         警備課長)   富田 朝彦君         参  考  人         (読売新聞社地         方部外交主任) 天城  榮君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 十一月十五日  委員尾関義一君辞任につき、その補欠として渡  邊良夫君が議長の指名で委員に選任された。 同月十六日  委員田中豊君及び渡邊良夫君辞任につき、その  補欠として佐藤親弘君及び尾関義一君が議長の  指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 同月十七日  委員尾関義一君辞任につき、その補欠として星  島二郎君が議長の指名で委員に選任された。 同月十九日  委員星島二郎君及び門司亮君辞任につき、その  補欠として尾関義一君及びに選任された。 同月二十一日  委員大泉寛三君、角田幸吉君及び立花敏男君辞  任につき、その補欠として橋本龍伍君、今村長  太郎君及び加藤充君が議長の指名で委員に選任  された。 同月二十二日  委員橋本龍伍君辞任につき、その補欠として大  泉寛三君が議長の指名で委員に選任された。 同月二十八日  委員山口シヅエ君及び加藤充君辞任につき、そ  の補欠として門司亮君及び立花敏男君が議長の  指名で委員に選任された。 同日  門司亮君が理事に補欠当選した。     ――――――――――――― 十一月十五日  営業用トラックに対する自動車税軽減の請願(  田嶋好文君紹介)(第一二七八号)  同(小淵光平君紹介)(第二一七九号)  同外一件(關谷勝利君紹介)(第二二四三号)  同(青柳一郎君紹介)(第二二四四号)  同(田中不破三君紹介)(第二二四五号)  同(松木弘君紹介)(第二二四六号)  同(千賀康治君紹介)(第一三四七号)  同(山本猛夫君紹介)(第二西八号)  同(北川定務君紹介)(第二二四九号)  同(野原正勝君紹介)(第一三五〇号)  同(鹿野彦吉君紹介)(第一四二〇号)  自動車税引上げ等に関する請願(松井政吉君  紹介)(第一二八〇号)  久六岩礁の所属に関する請願(村上清治君外五  名紹介)(第一三三七号)  地方財政法の一部改正に関する請願(大泉寛三  君外一名紹介)(第一三五一号) 同月二十一日  営業用トラックに対する自動車税軽減の請願(  保利茂君紹介)(第一四五八号)  同(北村徳太郎君紹介)(第一四五九号)  同(守島伍郎君紹介)(第一四七三号)  同(船越弘君紹介)(第一四七四号)  同(野村專太郎君外一名紹介)(第一 四七五号)  同(中村幸八君紹介)(第一四七六号)  同(西村久之君外一名紹介)(第一四七七号)  同(小山長規君紹介)(第一四七八号)  同(高田弥市君紹介)(第一四七九号)  同(長野長廣君紹介)(第一五二二号)  同(大野伴睦君紹介)(第一五一四号)  同(青柳一郎君紹介)(第一五一五号)  同(神田博君紹介)(第一五四八号) 同外一件(河原伊三郎君紹介)(第一五四九号)  同外一件(平野三郎君紹介)(第一五五〇号)  同(瀬戸山三男君紹介)(第一五五一号)  同外一件(藤枝泉介君紹介)(第一五五二号)  同(小淵光李君紹介)(第一六〇九号)  同(岩本信行君紹介)(第一六一〇号)  公職選挙法の一部改正に関する請願(高木章君  紹介)(第一五五六号)  同(小平久雄君外一名紹介)(第一五五七号)  映画演劇に対する入場税減免に関する請願(北  川定務君外二名紹介)(第一五三九号)  地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡大に関  する請願(小峯柳多君紹介)(第一五五八号)  自転車登録に関する法律制定の請願(玉置實君  紹介)(第一五五九号) の審査を本委員会に付託された。 同月十五日  地方財政根本的確立に関する陳情書  (第七一九号)  平衡交付金算定規準の改正に関する陳情書  (第七二〇号)  地方議会制度縮小反対に関する陳情書  (第七二一号)  地方自治法中改正に関する陳情書  (第七二二号)  地方分権の確立に関する陳情書  (第七二三号)  行政事務再配分の早急実施に関する陳情書  (第七二五号)  平衡交付金の増額並びに地方起債のわくの拡大  に関する陳情書外四百二十五件  (第七二六  号)  公職選挙法中改正に関する陳情書  (第七二七号)  地方税制等に関する陳情書  (第七二八号)  地方財政確立強化に関する陳情書  (第七二九号)  自治体警察費財源措置に関する陳情書  (第七三〇号)  警察官待遇改善に関する陳情書  (第七二二号)  地方財政確保に関する陳情書  (第七三二一号)  人口五千以上の町村に自治体警察を設置する現  行法規存続に関する陳情書  (第七三三号)  地方行財政確立に関する陳情書外四十一件  (第七三四号)  地方財政に対する国庫補助金の交付に関する陳  情書(第七  三五号)  特別市設置反対に関する陳情書外一件  (第七三六号)  自家用自動車税引上げ反対に関する陳情書外二  件  (第七三七号)  町内会、隣組、部落会等の禁止継続に関する陳  情書(  第七三八号)  消防組織法及び消防法の一部改正等に関する陳  情書(第七三九  号)  地方自治法の一部改正に関する陳情書  (第七四〇号)  野球入場税新設に関する陳情書  (第七六三号) 同月二十二日  地方自治法の一部改正に関する陳情書  (第八八三号)  事業税改正に関する陳情書  (第八八四号)  平衡交付金の増額並びに起債のわくの拡大に関  する陳情書外千三百十八件  (第八八五  号)  府県単位自治体警察設置に関する陳情書  (第八八六号)  消防力強化に関する陳情書  (第八八七号)  殉職消防団員災害補償に対する平衡交付金支  出に関する陳情書  (第八八八号)  消防法の一部改正に関する陳情書  (第八八九号) を本委員会に送付された。 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員の補欠選任  閉会中審査に関する件  委員派遣に関する件  地方自治に関する件  地方財政に関する件  消防に関する件  警察に関する件     ―――――――――――――  請願  一 枕崎市の起債増額等に関する請願(上林山    榮吉君紹介)(第一八号)  二 地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡大    に関する請願(岩川與助君紹介)(第五三    号)  三 同(辻寛一君紹介)(第九四号)  四 地方税制度改革に関する請願(辻寛一君紹    介)(第九〇号)  五 県営丹生川防災ため池事業費起債認可に関    する請願(志田義信君紹介)(第九一号)  六 自治体警察強化に伴う経費国庫補助の請願    (辻寛一君紹介)(第九三号)  七 地方財政確立強化に関する請願(辻寛一君    紹介)(第九五号)  八 ボート営業に対する入場税免除の請願(鈴    木正文君外一名紹介)(第二二九号)  九 映画演劇に対する入場税減免に関する請願    (三宅則義君紹介)(第一四〇号) 一〇 公職選挙法の一部改正に関する請願(辻寛    二君紹介)(第一四二号) 一一 地方自治権の尊重に関する請願(辻寛一君    紹介)(第一四三号) 一二 消防吏員に対する行政整理 反対に関する請願(大石ヨシエ君紹介)(第一四    四号) 一三 武蔵野市八丁特飲街廃止に関する請願(三    木武夫君紹介)(第二二二号) 一四 地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡大    に関する請願(大内」郎君紹介)(第二二    三号) 一五 同(坂本實君外三名紹介)(第二二四号) 一六 同(吉武惠市君紹介)(第二七九号) 一七 旅館を対象とする遊興飲食税の撤廃に関す    る請願(野村專太郎君紹介)(第一一七五    号) 一八 電気ガス税免除に関する請願(河原伊三郎    君紹介)(第二七六号) 一九 入場税を市町村に移譲の請願(塩田賀四郎    君紹介)(第二八〇号) 二〇 映画演劇に対する入場税減免に関する請願    (河野金昇君紹介)(第二八一号) 二一 乳牛購入資金の起債に関する請願(佐々木    秀世君紹介)(第三四四号) 二二 都市計画用地買収起債認可等に関する請    願(田中伊三次君紹介)(第四〇九号) 二三 消防起債の増額に関する請願(山本猛夫君    紹介)(第四一〇号) 二四 狩猟者税の改正に関する請願(田嶋好文君    外一名紹介)(第五三八号) 二五 地方財政平衡交付金額びに起債額拡大に    関する請願(大石ヨシエ君紹介)(第六二    一号) 二六 同(山崎岩男君紹介)(第六二二号) 二七 ゴルフ場設置に伴う代地補償に関する請願    (千葉三郎君紹介)(第六四四号) 二八 附加価値税土石採取業を第二種に指定の    請願(宮原幸三郎君紹介)(第七〇一号) 二九 地方税法改正に関する請願(久野忠治君紹    介)(第七二八号) 三十 公職選挙法の一部改正に関する請願(久野    忠治君紹介)(第七八三号) 三一 自治体警察特別捜査費国庫負担の請願(    久野忠治君紹介)(第七八四号) 三二 野球入場税新設に関する請願(西村直己君    紹介)(第八七八号) 三三 地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡大    に関する請願(淺香忠雄君外一名紹介)(    第九三二号) 三四 同(野村專太郎君紹介)(第九八九号) 三五 町村議会事務局設置の請願(石原登君紹    介)(第九三三号) 三六 災害復旧費地元負担全額起債認可に関する    請願(石原登君紹介)(第九三四号) 三七 地方財政特別平衡交付金増額の請願(石原    登君紹介)(第九三五号) 三八 六三制整備費起債額拡大の請願(岡村利右    衛門君紹介)(第九九一号) 三九 合併町村特別平衡交付金配付の請願(高橋    権六君紹介)(第九九二号) 四〇 五大市に対する地方財政平衡交付金増額並    びに起債額拡大に関する請願(田中伊三次    君紹介)(第一〇三四号) 四一 宿坊に対する遊興飲食税撤廃の請願(志田    義信君紹介)(第一三五五号) 四二 営業用トラックに対する自動車税軽減の請    願(小淵光平君紹介)(第一二〇号) 四三 同(長野長廣君紹介)(第一一二号)四四 地方公務員給与改訂に伴う財源付与に関    する請願(久野忠治君紹介)(第一一四七    号) 四五 営業用トラックに対する自動車税軽減の請    願(飯塚定輔君紹介)(第二五三号) 四六 同(福田喜東君紹介)(第一一五四号) 四七 同(渡邊良夫君紹介)(第一一五五号) 四八 同(早稻田柳右エ門君紹介)(第二九三    号) 四九 同(大西正男君紹介)(第一一九四号) 五〇 同(畠山重勇君紹介)(第一一九五号) 五一 同(佐伯宗義君紹介)(第一一九六号) 五二 同(倉石忠雄君紹介)(第一一九七号) 五三 同(田中不破三君紹介)(第一一九八号) 五四 同(黒澤富次郎君紹介)(第一一九九号) 五五 同(小川平二君紹介)(第一二〇〇号) 五六 同(土倉宗明君紹介)(第一二五五号) 五七 同(田中重彌君紹介)(第一二五六号) 五八 同(中垣國男君紹介)(第一二五七号) 五九 同(佐瀬昌三君紹介)(第一二五八号) 六〇 六・三制整備起債額に関する請願(久野忠    治 君紹介)(第二五七号) 六一 地方財政特別平衡交付金増額の請願(上林    山榮吉君外九名紹介)(第二八〇号) 六二 地方財政平衡交付金の増額に関する請願外    二件(大石ヨシエ君紹介)(第一二四五    号) 六三 地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡大    に関する請願(大石ヨシエ君紹介)(第一    二四六号) 六四 売春取締に関する請願(井出一太郎君紹    介)(第一二四八号) 六五 営業用トラックに対する自動車税軽減の請    願(田嶋好文君紹介)(第一二七八号) 六六 同(小淵光平君紹介)(第一二七九号) 六七 同外一件(關谷勝利君紹介)(第二二四三    号) 六八 同(青柳一郎君紹介)(第一三四四号) 六九 同(田中不破三君紹介)(第一三四五号) 七〇 同(松木弘君紹介)(第二二四六号) 七一 同(千賀康治君紹介)(第一三四七号) 七二 同(山本猛夫君紹介)(第一三四八号) 七三 同(北川定務君紹介)(第一三四九号) 七四 同(野原正勝君紹介)(第一三五〇号) 七五 同(鹿野彦吉君紹介)(第一四二〇号) 七六 自動車税引上げ等に関する請願(松井政    吉君紹介)(第一二八〇号) 七七 久六岩礁の所属に関する請願(村上清澄君    外五名紹介)(第二二三七号) 七八 地方財政法の一部改正に関する請願(大泉    寛三君外一名紹介)(第二二五一号) 七九 営業用トラックに対する自動車税軽減の請    願(保利茂君紹介)(第一四五八号) 八〇 同(北村徳太郎君紹介)(第一四五九号) 八一 同(守島伍郎君紹介)(第一四七三号) 八二 同(船越弘君紹介)(第一四七四号) 八三 同(野村專太郎君外一名紹介)(第一四七    五号) 八四 同(中村幸八君紹介)(第一四七六号) 八五 (西村久之君外一名紹介)(第一四七七    号) 八六 同(小山長規君紹介)(第一四七八号) 八七 同(高田弥市君紹介)(第一四七九号) 八八 同(長野長廣君紹介)(第一五二二号) 八九 同(大野伴睦君紹介)(第一五一四号) 九〇 同(青柳一郎君紹介)(第一・五一五号) 九一 (同神田博君紹介)(第一五四八号) 九二 同外一件(河原伊三郎君紹介)(第一五四    九号) 九三 同外一件(平野三郎君紹介)(第一五五〇    号) 九四 同(瀬戸山一男君紹介)(第一五五一号) 九五 同外一件(藤枝泉介君紹介)(第一五五二    号) 九六 同(小淵光平君紹介)(第一六〇九号) 九七 同(岩本信行君紹介)(第一六一〇号) 九八 公職選挙法の一部改正に関する請願(高木    章君紹介)(第一五五六号) 九九 同(小平久雄君外一名紹介)(第一五五七    号) 一〇〇映画演劇に対する入場税減免に関する請願    (北川定務君外二名紹介)(第一五三九    号) 一〇一 地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡    大に関する請願(小峯柳多君紹介)(第一    五五八号) 一〇二 自転車登録に関する法律制定の請願(玉    置貴君紹介)(第一五五九号) 陳情書  一 消防に捜査権付与に関する陳情書    (第三七号) 二 平衡交付金配分の適正化に関する陳情書    (第五八    号) 三 地方行政調査委員会議勧告実現地方行政    の確立に関する陳情書    (第七九号) 四 地方財政確立に関する陳情書    (第九〇号) 五 地方自治の確立に関する陳情書外二件    (第九五号) 六 地方財政の確立に関する陳情書    (第九六号) 七 町村自治に関する陳情書    (第一〇二号) 八 自治体警察費財源措置に関する陳情書    (第一〇三号) 九 選挙制度改善に関する陳情書    (第一〇六号) 一〇 地方財政確立のため根本施策の実施促進の    陳情書    (第一〇    八号) 一一 行政事務配分勧告実施促進に関する陳    情書    (第一〇九    号) 一二 地方財政平衡交付金の増額及び配分に関す    る陳情書    (第二    一号) 一三 平衡交付金教育費基準財政需要額の増額    に関する陳情書    (第一二一号) 一四 地方財政確立に関する陳情書    (第一二〇号) 一五 公職選挙法中改正に関する陳情書    (第一二三号) 一六 市長会の法制化に関する陳情書    (第一二四号) 一七 公職選挙法中改正に関する陳情書    (第一二六号) 一八 平衡交付金並びに起債のわくの増額に関す    る陳情書(第二    六号) 一九 入場税及び遊興飲食税税率引下げの陳情    書(第一二九    号) 二〇 公職選挙法改正に関する陳情書    (第一三一号) 二一 平衡交付金並びに起債のわくの増額に関す    る陳情書(第    一三三号) 二二 平衡交付金並びに起債のわくの増額に関す    る陳情書    (第一三六号) 二三 公職選挙法の改正に関する陳情書    (    第一三七号) 二四 行政事務配分勧告実施促進に関する陳    情書    (第一三八号) 二五 平衡交付金の増額及び配分方法の改善に関    する陳情書外一件    (第一四三    号) 二六 公職選挙関係法令の改正に関する陳情書    (第一四七    号) 二七 行政事務再配分の早急実施に関する陳情書    (第一四八    号) 二八 地方税法改正に関する陳情書    (第一四九号) 二九 地方財政平衡交付金の増額と起債のわく拡    充に関する陳情書    (第一五二号) 三〇 自治体警察に対する平衡交付金増額等に関    する陳情書    (第一五七号) 三一 消防に捜査権付与に関する陳情書    (第一六    二号) 三二 地方財政確立に関すみ陳情書    (第一七二号) 三三 地方行政調査委員会議勧告実現と地方行    政の確立に関する陳情書    (第一八八号) 三四 地方税法改正に関する陳情書    (第一九二号) 三五 教育財政確立のため平衡交付金増額の陳情    書    (第二〇五号) 三六 災害復旧費起債容認に関する陳情書    (第二二〇号) 三七 地方財政強化に関する陳情書    (第二二〇号) 三八 行政事務再配分の早急実施に関する陳情書    (第二    二五号) 三九 地方財政確立に関する陳情書    (第二五二号) 四〇 地方財政確立のための緊急措置に関する陳    情書(第二五    三号) 四一 都道府県の部を任意に定め得るよう地方自    治法改正に関する陳情書    (第二五四号) 四二 地方公務員給与改訂財源措置に関する    陳情書(第二    六〇号) 四三 平衡交付金の増額並びに地方起債のわく拡    大に関する陳情書    (第二六二号) 四四 地方起債のわくの拡大に関する陳情書二件    (第二六三号) 四五 町村に対する税源拡充に関する陳情書    (第二八四号) 四六 行政事務再配分の急速実施とその財源確保    に関する陳情書    (第    二八五号) 四七 各種負担金寄附金等整理合理化に関す    る陳情書    (第二八六    号) 四八 地方財政平衡交付金に関する陳情書    (第二八七号) 四九 地方債のわく拡大に関する陳情書    (第二八八号) 五〇 首都建設委員会廃止反対に関する陳情書    (第三〇四号) 五一 特別平衡交付金増額に関する陳情書    (第二二七号) 五二平衡交付金増額並びに起債のわくの拡大に関    する陳情書    (第三二二号) 五三 地方財政平衡交付金の安定化と配分適正に    関する陳情書    (第三二七号) 五四 行政事務再配分の急速実施とこれに伴う地    方財政の確立に関する陳情書    (第三二八号) 五五 平衡交付金並びに起債のわくの拡大に関す    る陳情書    (第    三二九号) 五六 鳥取県の財政危機に対する応急措置に関す    る陳情書(第    三三八号) 五七 府県財政の改善に関する陳情書    (第三四七号) 五八 教育財政確立のため平衡交付金増額の陳情    書外二件    (第三六    一号) 五九 平衡交付金増額並びに起債のわくの拡大に    関する陳情書    (第三六五号) 六十福島県の衆議院議員選挙第二区区域変更に関    する陳情書)    (第三九五号) 六一 公職選挙法中一部改正に関する陳情書    (第三九六号) 六二 特別区の自治権確立に関する陳情書    (第四〇二号) 六三 特別区設置に関する陳情書    (第四〇三    号) 六四 地方税法中一部改正に関する陳情書    (第四二〇    号) 六五 合併町村平衡交付金減額措置反対の陳情    書(第四二二    号) 六六 地方財政確立に関する陳情書    (第四二四号) 六七 地方債に対する制限緩和に関する陳情書    (第四三一号) 六八 地方行政事務再配分に伴う財源付与に関す    る陳情書(第    四三四号) 六九 警察法の改正に伴う市費負担の増高に対す    る特別財源付与の陳情書    (第四三五号) 七〇 地方自治法第百二十三條第三項の改正に関    する陳情書(    第四三七号) 七一 平衡交付金の増額並びに起債のわくの拡大    に関する陳情書    (第四四五号) 七二 地方税財政制度の改正に関する陳情書    (第四四六号) 七三 地方財政委員会存続並びに強化に関する陳    情書    (第四    四十号) 七四 地方税改正に関する陳情書    (第四六二号) 七五 平衡交付金増額に関する陳情書    (第四    八三号) 七六 国家《安委員会の廃止反対に関する陳情書    (第四九一号) 七七 市町村職員給与改訂に対する財源措置に    関する陳情書    (第五一六号) 七八 平衡交付金の配分等に関する陳情書    (第五一九    号) 七九 特別市設置反対に関する陳情書外五件    (第五三〇号) 八〇 地方行政確に関する陳情書    (第五三    八号) 八一 地方議会議員定数減少反対に関する陳情書    外一件    (第六二二号) 八二 中央集権化反対に関する陳情書    (第六二三号) 八三 都道府県議会議員の表彰に関する陳情書    (第六二四号) 八四 各種負担金、寄附金の整理合理化に関する    陳情書    (第六二五号) 八五 自転車税及び荷車税の調定に関する陳情書    (    第六二六号) 八六 教育公務員給与改善のため平衡交付金増額    の陳情書外四件    (第六二七号) 八七 同    (第六二八号) 八八 行政機構改革並びに新地方自治確立に関す    る陳情書    (第六    二九号) 八九 地方行財政確立に関する陳情書外三十八件    (第六三〇号) 九〇 地方財政根本的確立に関する陳情書    (第七一九号) 九一 平衡交付金算定規準の改正に関する陳情書    (第七二〇    号) 九二 地方議会制度縮小反対に関する陳情書    (第七二一号) 九三 地方自治法申改正に関する陳情書    (第七二二号) 九四 地方分権の確立に関する陳情書    (第七二三号) 九五 行政事務再配分の早急実施に関する陳情書    (第七二五    号) 九六 本衡交付金の増額並びに地方起債のわくの    拡大に関する陳情書外四百二十五件    (第七二六号) 九七 公職選挙法中改正に関する陳情書    (第七二七号) 九八 地方税制等に関する陳情書    (第七二八号) 九九 地方財政確立強化に関する陳情書    (第七二九号) 一〇〇 自治体警察費財源措置に関する陳情書    (第七三    〇号) 一〇一 警察官待遇改善に関する陳情書    (第七二二    号) 一〇二 地方財政確保に関する陳情書    (第七三二号) 一〇三 人口五千以上の町村に自治体警察を設置    する現行法規存続に関する陳情書    (第七三三号) 一〇四 地方行財政確立に関する陳情書外四十一    件    (第七千四号) 一〇五 地方財政に対する国庫補助金の交付に関    する陳情書    (第七三五号) 一〇六 特別市設置反対に関する陳    情書外一件   (第七三六号) 一〇七 自家用自動車税引上げ反対に関する陳情    書外二件    (第七三七号) 一〇八 町内会、隣組、部落会等の禁止継続に関    する陳情書    (第七三八号) 一〇九 消防組織法及び消防法の一部改正等に関    する陳情書    (第七三九号) 一一〇 地方自治法の一部改正に関する陳情書    (第七四〇号) 一一一 野球入場税新設に関する陳情書    (第七六三号) 一一二 地方自治法の一部改正に関する陳情書    (第八八三    号) 一一三 事業税改正に関する陳情書    (第八八四    号) 一一四 平衡交付金の増額並びに起債のわくの拡    大に関する陳情書外千三百十八件    (第八八五号) 一一五 府県単位自治体警察設置に関する陳情書    (第八八六号) 一一六 消防力強化に関する陳情書    (第八八七号) 一一七 殉職消防団員災害補償に対する平衡交    付金支出に関する陳情書    (第八八八号) 一一八 消防法の一部改正に関する陳情書    (第八八九号)     ―――――――――――――
  2. 野村專太郎

    野村委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の都合によりまして、その指名により、私が委員長の職務を行います。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。すなわち理事でありました門司亮君が、去る十九日一度委員辞任いたしましたので、理事が一名欠員となつております。つきましては理事補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略いたしまして、委員長より指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なしと認め、門司亮君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 野村專太郎

    野村委員長代理 次に小委員補欠選任についてお諮りをいたします。すなわち地方財政に関する小委員及び消防に関する小委員大泉寛三君、尾関義「君、門司亮君及び立花敏男君が、それぞれ委員を一度辞任されましたので欠員となつております。つきましてはその補欠選任を行いたいと思いますが、これは委員長より指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なしと認めまして、両小委員大泉寛三君、尾関義一君、門司亮君及び立花敏男君をそれぞれ指名いたします。     —————————————
  6. 野村專太郎

    野村委員長代理 次に閉会中審査に関する件についてお諮りをいたします。本委員会におきましては、会期中に地方税法の一部を改正する法律案、及び地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の両案を審査いたしますとともに、地方自治地方財政警察及び消防に関する国政調査等地方自治の伸暢、地方行政の円滑なる運営を期するために、努力いたしたのでありますが、第十二国会も本日あるいは近日中に閉会をすることとなりますので、本委員会の重大なる使命にかんがみまして、閉会中も継続して審査できるようにいたしたいと考えます。しかして国会法第四十七條第二項の規定によりまして、議院の議決を要しますので、内容、手続等につきましては、委員長に御一任願うこととしまして、議長に閉会中も継続して審査をいたしたき旨申し入れたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決します。     —————————————
  8. 野村專太郎

    野村委員長代理 次にお諮りをいたしますが、閉会中も継続して審査することになりますれば、地方財政の状況について、委員を各地に派遣して、その実情を調査いたしまして本委員会審査に遺憾なからしめたいと思いますので、委員派遣に関しましては、すべて委員長に御一任願うことといたしまして、議長に承認を求めることといたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決定します。  なお引続きお諮りをいたしますが、今国会におきまして設置いたしました消防に関する小委員会、及び地方財政に関する小委員会は、引続き閉会中も継続して審査することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決します。     —————————————
  11. 野村專太郎

    野村委員長代理 これより請願日程第一、枕崎市の起債増額等に関する請願より、日程第一〇二、自転車登録に関する法律制定請願に至る各請願について審査することにいたします。これら各請願審査のために、小委員会設置いたしたのでありますが、請願に関する小委員長より報告を聴取することにいたします。
  12. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 請願に関する小委員会における審査の経過並びに結果について、簡単に御報告申し上げます。  本委員会において審査いたしました請願は、全部で百二件でありまして、その内訳について申しますと、第一に地方財政に関する請願九十件であります。その小内訳は、地方税法関係のもの六十一件、地方財政平衡交付金関係のもの二十五件、その他四件となつております。第二に地方自治に関する請願七件、第三に公職選挙法に関する請願四件、最後に消防に関する請願一件、合計百二件であります。  小委員会は一昨二十六日開会いたしまして、慎重審議いたしたのでありますが、その審査方針といたしましては、これらの請願はいずれも真に率直なる国民の声でありますので、その趣旨妥当なるものは採択することといたし、疑義のある請願につきましては、さらに愼重に審査することといたしたのであります。  百二件の請願中、地方財政関係のものが大多数であることは、先ほど申し上げた通りでありますが、その趣旨のおもなるものについて、この際簡単に申し上げますと……。     〔野村委員長代理退席、委員長着席〕地方財政平衡交付金及び起債関係の請願の趣旨といたしましては、地方財政確立は、地方自治の根幹をなすものであるが、最近における地方財政の逼迫は著しい状態であるので、地方財政困窮打開のため、平衡交付金増額するとともに、起債わく拡大されたいというのであり、地方税法関係の請願におきましては、営業用トラツクに対する自動車税軽減に関するものを初め、入場税、電気ガス税、狩猟者税遊興飲食税をそれぞれ減免してほしいという趣旨でありますが、いずれもこれらは趣旨妥当と認められるのであります。その他の請願につきましても、すなわち地方自治に関する請願公職選挙法に関する請願消防に関する請願、いずれもその趣旨妥当と認め、また政府においてその処置及び研究調査することを適当と認めたのであります。従いましてこれら各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと委員会において議決すべきものであると、本小委員会は満場一致決定したような次第であります。  以上簡単でありますが、請願に関する小委員会審査の経過並びに結果について御報告いたす次第であります。
  13. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 ただいま小委員長より報告を聴取いたしたのでありますが、小委員長の報告は、これらの請願はいずれも採択の上、内閣に送付すべきものであるという報告であります。小委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  なおこれら請願に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決します。     —————————————
  16. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 次に陳情書審査に入ります。本委員会に送付されました陳情書は、全部で百十八件でありますが、これらはすでに文書表によつて、内容はおわかりのことと存じますので、本日の陳情書日程第一より日程第二八に至る各陳情書は、委員会において了承することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
  18. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 次に地方自治に関する件及び地方財政に関する件を一括して調査を進めることといたします。質疑なり、御意見があれば、これを許します。
  19. 立花敏男

    立花委員 岡野さんにお尋ねしたいのですが、十一月の二十一日に参議院の予算委員会で、岡野さんが来年度の平衡交付金は減額しないということをお答えになつたと承つておりますが軌それはどういう意味でございますか、お答え願いたいと思います。
  20. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 あれは参議院で、ある委員の方から来年度の平衡交付金を減すといううわさがあるが、それはほんとうかどうか、また岡野の考えはどうかという御質問でございまして、私は来年度平衡交付金を減す意思は持つておりません。こういうようなお答えをした次第でございます。
  21. 立花敏男

    立花委員 減す意思はないとおつしやいますと、本年度の平衡交付金は千二百億でございますが、大体それよりは下まわらないという御意見かどうか、さらにその千二百億に対しまして、国会の決議といたしまして、地方財政委員会の意見を尊重して、再増額すべきであるという決定がなされておるわけでございますが、この千二百億との関係、さらに国会の決議との関係、平衡交付金に対する国会の両院の決議があるわけなのですが、これとにらみ合せまして、「ただいまの岡野さんの御答弁、すなわち来年度の平衡交付金は減らさないということを、もう少し具体的にお聞きしておきたいと思います。
  22. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。一応その前提としてむろん十分地方行政委員会委員たる立花さんは御存じだと思いますが、前提を申し上げます。平衡交付金法は、御承知の通りに地方財政の収入額と需要額とを差引きしまして、それで出て来たところの金額を補充するのが、これが平衡交付金法でございますから、減さないとか減すとかいうことは、これは私自身の考えで言うべき筋合いのものではないと思います。と申しますことは、地方財政委員会において、地方の財政の収入額と需要額をはじき出して、そしてその過不足によつて平衡交付金の額がきまるわけでございますから、増すこともありましようし、減らすこともあることは、これは理論的にほんとうなんであります。だがしかし、今もおつしやつたように、地方財政は昨今非常に窮乏しております。もしいろいろな條件を考えまして、前提としまして地方税法もかえないし、またいろいろの事情もかわつていないし、そして現状においては平衡交付金が足りない。足りないから来年も平衡交付金を課したらいいんじやないか。こういうような御決議までなすつておる現状にかんがみまして、今年度相当額くらいな平衡交付金は、当然出さなければならぬことになておる。こういうようないろいろな情勢からして、私は来年度平衡交付金は減さないと言うたわけでございますから、これを手放しにお受取りくださることは、はなはだ迷惑といたします。
  23. 立花敏男

    立花委員 迷惑か迷惑でないかは別といたしまして、どういう意味か、どういう意味を含んで言われたのかということをお聞きいたしておりますので、別段その意味を言つていただくことは、私は御迷惑にならないと思う。減らさないとおつしやつたのだから、ことしの具体的な数字である千二百億とどういう関係で言われたのか。さらに国会の決議、さらに増額すべきであるという国会の決議と、どういう関係の意味を含んでお言いになつたのか。これをお聞かせ願いさえすればいいので、決して御迷惑になることをお聞きしておりませんので、ご迷惑なことをお尋ねするというふうにおとりにならないで、率直にひとつ御答弁を願いたいと思う。こういう疑問が出ますのは、実は私ども新聞紙上で承知しております来年度予算に対する大蔵省の試案、これを見ますと、本年度よりも少い平衡交付金が計上されておりますので、岡野さんの減らさないということが、非常に関心の的にならざるを得ないわけであります。自治庁とされましては、大蔵省の試案にどういう御意見をお持ちであるか。減らさないということは、また大蔵省の試案の中における数字とどういう関係があるのか。これをひとつ御答弁願いたいと思います。
  24. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 大蔵省の試案は私は存じません。新聞にあるいは出たかもしれませんが、大蔵省そのものが考えておることに対しては、ただいまのところ何ら私関知しておりませんから、そこで今特に減らさないと参議院で言つたから、それを確保しておきたい。こうおぼしめす考えは、もしも来年度予算において平衡交付金が千二百億より減つたときは、お前はこの前この委員会でこう言つたじやないか、こうおつしやりたいために確言を得ておきたいと思つてのおぼしめしだと思います。しかし立花さんよく御存じの通り、平衡交付金は先ほども申し上げました通り、財政収入額と財政需要額とを差引いたしまして、そして足りない分を平衡交付金で補充するという原則になつておるのです。そこでその原則を明らかにしましたが、過去一年半の間、国家財政の立場から十分はじき出した当時の平衡交付金がもらえていないから、減ることが非常におそれられるのでありますけれども、しかし地方財政が非常に困つておるということは、私以上にあなた方がよく御存じであると思います。私もあなた方におとらぬだけ地方の実情はよく知つております。でございますから、この今年度内における平衡交付金というもの、あれを減らして行つたならば、地方財政はどうなるかということも、賢明なるあなたは私以上によく御存じだろうと思います。私はその意味において減らさないという信念を持つておるのでございますが、しかしこれは私の今自分自身で率両に、ざつくばらんに申し上げますれば、もしこの平衡交付金というものが、こういうふうに幾度も幾度も、いくら地方財政が窮乏しておつても、国家財政が苦しいからというので、十分なる補いがつかぬというならば、私は平衡交付金そのものに相当な変更を加え、そして地方財政が立ち行くようにして行きたい。こういう考えを持つております。また地方税法も相当に考えて、そして地方に有力なる弾力性のある財源を与えて、地方財政をその方につくつて行きたいとも考えております。あるいはまた、これは私の考えの一つとして申し上げておきますが、もしできるならば、平衡交付金というものは国税にスライドして、国税が多くなつたときには、平衡交付金も多くなつて行くようにしたらどうかということも考えてみておりました。また酒とかタバコの消費税とかいうようなものを、地方に割振るようなことを考えてみたり、いろいろなことを考えております。そういたしましてもし地方財政というものが、全体的にバランスのとれたようなことになれば、その場合はあるいは平衡交付金もそれにかわつてそして減す場合が出て来るとは限りません。でございますから、現状においては千二百億程度の情勢は、決して来年度減すわけではありません。しかしながら地方財政というものを、もつと強化して行けるということになれば、これは名前のいかんにかかわらず、地方財政というものがしつかりと充実して行けばいいのでありますから、ほかの方面であるいは平衡交付金を減して片方で非常な大きな財源を与え、そして地方を裕福——裕福とも行きますまいけれども、あまり困らないようにして行きたい。こういうことも考えております。これは将来の考えでありますが、そういう考えをもつて臨んでおりますから御了承願いたいと思います。
  25. 立花敏男

    立花委員 岡野さんのお言葉は、今の御返事と最初の御返事と、大分違つて来たように思うのですが、平衡交付金を減らさないという最初の確言と今のお言葉では、地方財政さえ確立されればいいので、名前は何であろうと、あるいは酒タバコ消費税を減らして平衡交付金を減らす場合も、あるいは平衡交付金を減らさないということと同じだというようにおつしやるのですが、それだとまつたく内容のつかみようがありません。一体平衡交付金を減らさないということは、減らすということを含んで減らさないということなのか、これはちよつとわからない。
  26. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 それはどうもおかしいじやありませんか。現段階において何らの変更がなければ減らさない。しかしながらもし地方財政の将来というものに対して非常に御心配になつて、これを充実強化しなければならぬということで、いろいろな方策をとれば、あるいはそのときに平衡交付金法も改正するかもしれぬという意味において私は申し上げておる。何ら前言と違つておりません。
  27. 立花敏男

    立花委員 さいぜんも言つておりますように、十一月も終りなんで、もう十二月になるのですが、通常ですと、十二月には来年度の予算をお出しにならなければいけない。しかも大蔵省の方では本年度よりは減らした来年度予算の試案をお出しになつておる。ところが自治庁の方では何ら方針がなくて、平衡交付金を減らさないという考えではおるのだが、しかし税法をかえ、あるいは平衡交付金法をかえて減らすかもわからない。これでは予算の編成期に入つておりますのに、すでにはつきり御方針がないということで私どもは納得参りません。だからそういう意味で、参議院で言われた平衡交付金を減らさないという言葉は、一体具体的にはどういうことをさしておるのか。そうして税法の改正とにらみ合せての平衡交付金の問題は、今お考えになつていないなれば、参議院で言われましたお言葉をもつと具体的にすでに大蔵省から試案が出、はつきりした数字が出ておりますので、これとの関連においてはつきり言つていただきたい。あなたは大蔵省の試案は関知しないとおつしやいますが、閣僚として来年度の予算に関する試案を関知しないと言われるのは、少しお言葉が過ぎるのじやないか。特に来年度の試案には、あなたが重大なる関心を持つておられる平衡交付金の予算が出ておりますので、これを全然関知しないということは、私ども納得が行かない。そう意味で、あなたが平衡交付金を減額しないという言葉は、非常に重大な意味を持つておりますので、ひとつ明確にしていただきたい。
  28. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 これはいくら議論してもおわかりにならないから答弁をよしましよう。
  29. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 床次徳二君。
  30. 床次徳二

    ○床次委員 ただいま大臣から地方の財源を確保する、また地方財政確立するということに対していろいろ御抱負を承つて、ぜひそのように努力していただきたいのでありますが、特にこの機会に要望しておきますることは、今日まで地方財政の一番大きながんであつたことは、かねがね言われておりますところの地方財政委員会の意見というものと、大蔵省の意見が相当差がありまして、この基礎の上に予算が編成されているということでありまして、来るべき新予算の編成の際におきましては、ぜひともこれを何とか調整していただきたい。われわれ国会といたしましても、当然この点は解決すべきでありますが、予算編成の基礎になりまする政府当局において、この点は調整せられることがいいと思うのであります。従来の例でありますれば、地方財政委員会の数字をそのまま提案されておりますが、結局これが大蔵省によつて査定されておる。最後におきましては、結局政府は大蔵省の査定をそのまま了承した。むしろ政府が大蔵省の意見と同じ見解をとつておるという形になつておるのであります。われわれが常に地方財政のことを論じまする場合に、いつもこの基礎問題がはつきりいたさない。すなわち地方財政の現状がいかようになつておるかということを一定の基礎のもとに把握いたしまして、その上で論じたいのでありますが、その基礎がいつもぐらついております関係上、非常に地方財政の問題を取扱うのに困難を感じておる。この点は自治庁長官という立場もありましようが、国務大臣という立場において、ひとつお取扱いをいただきたい。  そこでお尋ねいたしたいのでありますが、今後の予算編成におきましても、地方財政委員会の意見というものを、そのまま採用して行かれまするか。さらに政府としましては別途の地方財政に対する見解を表示されて、その見解のもとに予算編成に当つて行かれるかどうか、この点をひとつ大臣にお伺いいたしたい。
  31. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私はむろん地方財政を担当しておりますので、地方財政の数字を十分尊重して行くわけでありますが、これはいつも申し上げます通りに国家財政の方もなかなかきゆうくつでございますから、十分その要望にこたえるわけに行かないで今日まで来て、そのようなお言葉をいただいたわけであります。しかしながら、これだけは御了承願いたいと存じますことは、大蔵省の出しております主計局のあの数字であります。あの数字をごらんになればおわかりになるように、地方財政は今年度七十七億余つておるというような計数が出ておりますにもかかわらず、平衡交付金百億、起債わく百億を、少額ではございますけれども、とにかく計上しておるわけでございます。これは、とりもなおさず大蔵省の査定は一応それであるけれども、地方財政が非常に困つておる。それで幾らでもいいから、できるだけ中央財政の方からまわしてもらいたいという要望を入れまして、そうして二百億を、とにかく少額ではございますけれども、出したというような立場でございます。でございますから、将来といたしましても、十分地方財政委員会の数字を尊重いたしまして、できるだけこれを国家財政の方から補給させるようにしたいとは思い事けれども、国家財政がいろいろの都合によりまして、どうしてもこれ以上出さぬという場合には、あるいは地方財政委員会の御要求に十分おこたえすることができないような数字にならぬとも限りませんが、将来できるだけ地方財政のためにふんばつて努力いたしたいと考えておりますから御了承願います。
  32. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの御答弁はまことに理解が進んで参られたことを私どもは見受けまして、まことにけつこうだと思うのでありまするが、もう一歩理解を進めていただきたい。地方財政百が窮乏しているので、特に起債なりあるいは交付金のわくを増していただいた、その気持はよくわかるのでありますが、しかしながら政府におきましては、依然として大蔵省で採用しましたような基礎数字を、地方財政の現状として把握しているように見えるのであります。あるいは苦しいから百億増してやらなければならぬ。それで地方財政はちようどとんとんとなつていると見るか、あるいはさらに不足がある、しかしこの際政府が苦しいのだから、がまんしてもらいたいという見解で見ておられるのか、実際の地方財政の現状に対する把握の仕方が、政府としてはいまだはつきりしていないと思う。百億出したから、これでもつて地方財政は一応つじつまが合つたのだと認定なさるのか。百億出してもまだ足らない。むしろただいまの御答弁から申しまするならば、百億の交付増額をいたしましても、地財委の意見とは大分差がありますので、不足があると大臣も認めておられるようでありまするが、この点が実は大事なのであります。いつも予算の計上の基礎になります既定年度の歳出において、今までのようなことになりますと、毎年々々赤字を繰越して参ることになる。その開きが毎年々々大きくなつて来る状態でありまして、過去の赤字というものは、今日相当蓄積しておりまするが、実際は適当なところで打切る、それに対して足らないものは補う、どつちか意見をはつきりしておくことがいいと思うのです。地財委と大蔵省の意見の対立のままで、赤字を毎年々々繰越すことは、地方財政に対する大きな根本的な欠陷であると私は思う。ただいま大臣の御答弁になりました趣旨を、もう一歩大臣は深く考えていただいて、政府の地方財政に対する認識というものはどの程度なのか、地方財政というむのは大体どれくらいあればはつきりするのか。ただいまの御答弁によりますれば、地財委の数字をそのまま御採用になつておるように伺うのでありますが、実際においては気持だけでもつて数字上では現在採用しておられないところに大きな矛盾がある。どうかこの点は特別な考え方をもちまして、解決に乗り出していただきたい、これをお願いする次第であります。  それから第二に、この機会にお尋ねいたしておきたいのは、青森県と秋田県におきまして、今日それぞれ問題にしておりますところの久大島の所属の問題であります。当委員会にも陳情がありまして、なおわれわれ委員のところにも両方から参られまして事情を述べておられまするが、一応私どもの知り得ました範囲内においては、これは単なる行政手続であつて、この行政手続を普通に進行せられないところに現在の紛擾を大きくしているのじやないかと思うのであります。過般青森県では、すでに久六島なるものは西津軽郡深浦区域に編入する手続きをいたしました。同日付をもつて内閣総理大臣に届出をしておるのでございますが、この手続はすぐにその旨を告示する処置をなすべきだ。これは行政上の手続でありますが、これが遅れておりますために、ことさら両県の間に疑惑を生じ、また関係者もいろいろと奔走しておるということに解せられるのでありますが、この点はきわめて事務的な地方の行政手続としておやりになるのが適当だ。何ゆえにこの手続がこう遅れておるか。告示等の手続をすみやかになざれるということによつて解決するのではないかと思うのでありますが、この点に対してその告示の遅れておる理由を伺い、また大臣の今後のこの問題の解決に対する何か御意見がありますならば、あわせてお伺いしたいと思います。
  33. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。第一段の御要望と申しますか、閣内においてあまり地方財政に対して好意を持つていないのではないかということでありますが、私自身はむしろ地方財政委員会の数字を尊重いたしまして、またこうでなければならぬと思つております。閣内においてもみな意見は一致して、何とかしなければならぬということになつております。私と同じ意見でございます。ただ問題は、国家財政の方が、どうしてもそれ以上出ぬからというような立場で、十分な折合いがついていないということでございますから、将来十分これに沿うように私も導いて行きますし、努力したいと思います。もしそれでいけなければ地方税法を大幅に改正して、もう少し地方に弾力性のあるしつかりした財源を与えたい、こう考えておりますから、将来のことはひとつごらんくだされば、おわかりになると思います。  第二の久六島の問題でございますが、なるほどこれはお説のように行政手続といたしまして、どつちかに帰属させればそれで問題は解決するわけでございます。ところがこの問題を解決することが非常に困るのです。と申しますのは、明治二十四年の九月二十二日に一応青森県があの岩礁を島と認めまして、自分の地籍に入れたのであります。入れましたところが、秋田県と青森県の両方の漁業権の錯綜がありまして、そうして両県民の経済活動に非常な影響を与えました。それでこれはいけないというので、結局島でなくて岩礁であるということにして地籍に入れるべきものでないという解釈のもとに、二十五年の八月一日にこれを地籍からはずしまして、そうしてその後は両方とも入会漁業で仲よく漁業権を実行して行つたらいいじやないかということになつて、過去六十年の間、両方に帰属せずに来たのであります。これが突如としまして先月二十八日に青森県は自分の方に帰属すべきものであるという届を出して来、同時に今月の十二日になりまして、秋田県の方でも、やはり所属が自分の方にあるというような決議をして持つて来ておるので、両方競願の形になつております。しかしこれは私の考えといたしましては、この行政処分によりまして、今まで六十年の間慣行されたところの漁業権の利益を、両県民のどちらかが失うというような結果を、もたらすことになるわけでございますから、これは相当に考えなければならぬところでございます。今農林大臣を督促しまして、十分両県民の間に、今までの漁業権を両方とも失わないように協定をつけさせまして、その協定をした上で帰属をきめる、こういうことにいたしたいと思つて遅れておるわけでございます。それで農林大臣といたしましては、両県に呼びかけまして、今せつかくこの協定をしつつある次第でございますから、その協定がつきましたと同時に、帰属を決定したい、こう考えております。これは六十年の間何ら帰属の問題が問題にならないで、今度帰属が問題になつて、ああいう届が出て来たことは、来年一月一日から漁業権が新しく改正されますものですから、そうしますと、自分の県に属しておるものなら、自分の県で独占できるということになりますから、これを即座にどちらかの所属にするということは、結局片方の県の漁業権を非常に無視する。六十年間の慣行を無視するということになつて、利害の及ぼす影響が非常に大きいと思いまして、十分検討しつつ、農林省の両県民に対する協定を促進させつつある次第であります。
  34. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの御答弁でありますが、漁業権を主体として解決されるような御答弁でありますが、元来あそこの問題は、明治時代における解決方法は、漁業権の慣行に即した方法において解決する、すなわちこれを単なる岩礁と認めて漁業権という立場において了解されて、今日までやつて来たのであります。ところが基礎になつております漁業権が、新しい法律施行によつて、手続上これを改めなければならぬ形になつて来た以後において、ここに今までの岩礁として処理するわけに行かないから、県の所属をきめなければならぬ立場に追い込められたと思う。従つて県の所属ということが決定して、そうしてその後において、漁業権はそれぞれの関係地において決定すべきものだ。しかもこの際において、知事が悪いことをするかもしれないから、漁業権を先に協定させて、しかも行政手続をあとでやるという御意見のようにとれるのであります。これは手続上から申しまして前後を転倒しておるのではないか。行政手続はあくまでも行政手続であり、しかも漁業権の解決は漁業権の解決として、過去六十年の両者の権益というものを尊重されて、結論を出すべきであると考えておる。従つて順序が逆なのじやないか。往々にして大臣のごとき御処置をされますと、結果においてうまく行けばいいのでありますが、反面におきまして、漁業権におきまして行政措置を牽制しておるということを言われるおそれがあると思う。またそういう状態にあるのじやないか。手続上から申しますならば、正道から当然県の所属をきめて、しかもその上に立つてそれぞれの処置をなすところの知事というものが、やはりそれぞれの立場において漁業権を協定し、これを農林省も是認するということでなくちやならぬもの、じやないか。どうもそれが逆になつたために、あるいは逆に扱おうとしておられるために、紛糾が増しておるのではないかと思うのでありますが、この点はひとつ十分お考えを願いたいと思います。
  35. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。漁業権の問題が根幹をなしておるのではございますけれども、しかしこの所属をきめますにつきましても、まだ相当問題があるのでございます。たとえて申しますと、これがもし領海内になるものなら、すぐこれを決定し得るところの基準が出て来るのでありますが、御承知の通り青森から十七海里、秋田から二十一海里、しかもこれは公海にあるのです。公海にあるものを一つの県に所属させるということに対しては、相当国際法上の問題もありますし——こまかいことを申し上げることは恐縮ですから申し上げませんけれども、いろいろな方法が出て来て、どつちにもつかぬようなことになつて来た。でありますから、これの所属をきめるにつきましても、秋田県から競願していなければいいのでありますが、両方が競願しておれば、両方とも国内法上、国際法上りつぱにりくつのつくように何とかしなければいけません。久六という人が青森県出身の人であつて、いろいろ系図なんか持つて来て見せられたようです。私は拝見しませんでしたが……。ですから青森県のものだとおつしやる。しかしその人が占有権を持つておるかと申しますと、そうではないので、同時に所有権を持つておりましても、私が青森の土地を持つておつたならば、その青森県の土地は岡山県の所属だということは言えない。こういうことになります。両方からいろいろな資料を持ち出して来ておられますから、この資料を私はできるだけ納得の行くように御検討申し上げるのが、両県に対する義務だと思いまして、この資料をしらみ殺しに研究して、そうして国内法上、国際法上どちらから突かれても間違いありませんというまでの決断がまだつかないのであります。漁業権の問題は先ほど申し上げましたが、大体から申しますと、そういうことで帰属をきめなかつたという歴史もございますので、そう簡単に片づかぬ問題だ、こう考えております。
  36. 床次徳二

    ○床次委員 岡野さんのただいまの御答弁によつて、十分愼重にやられるということについては、よく了解いたしました。ただお話がありましたように、公海内であるために、なかなかむずかしいということは、私は俗論だと思う。これはもう明治時代にすでに問題になつておりますので、これは当然わが領海内にある。これが公海でありましたならば、むしろ今日は国際情勢上、非常に微妙な問題を逆に生ずる。さようなことは当然考えるべきものではない。これが一つの根拠になつて、お取扱いについていろいろ考慮しておられるとすれば、これはたいへんなあやまちであると、私は考えるのであります。それからなおいろいろの過去の問題につきましては、十分お調べいただきまして、なるべく早くこの処置をやづていただきたいと思うのですが、大臣のお見通しによつたら、いつごろこの結論が出るか、おわかりであればお答え願います。
  37. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 実は今月中にきめたいと思つておりました。ところが二、三日前になりまして両県からいろいろ材料をまた持ち込んで来ましたものですから、けさも朝早く、八時ごろから検討しておるような次第でございます。できるだけ早くきめたいと思つておりますが、しかし六十年間帰属がきまらなかつた問題でありますから、これはよほどこの際愼重にやつた方が、私は将来のためと思いまして、検討を続けております。
  38. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 それでは門司君。簡単に……。
  39. 門司亮

    門司委員 私もごく簡単に聞いておきたいと思いますが、今の帰属の問題は、今床次君からお話がありましたので、これ以上聞きませんが、ただお聞きしたいのは、さつきの大臣の答弁の中に国際法上という言葉が出ておりますが、もしこれが公海というような関係で、国際法の問題になつて来ますと、大体それが島であるかないかというような考え方で、そこで島でないということに解釈がされておつた。最近また島だということになると、所有権を持たないのは国の帰属になるのは当然でありまして、従つて国が一応所有権を持つておるということが、明確になつておるかどうかということが、国際法上の問題になつて来ると私は思う、こういう処置が私は当然とられていいものだ、こう考えておつたのでありますが、今の大臣の答弁の内容からいいますと、必ずしもそうではなかつた。とにかく日本のものであれば、あとの帰属の問題はそうむずかしい問題ではない。公海の中にある島だから、日本のものかどうかわからぬという問題になつて来ると、これは非常に大きな問題が起ると思いますので、なおひとつ善処しておいていただきたいと思います。  私が聞いておきたいと思いますことは、地方財政の関係で、地財委からでもどちらからでもよろしゆうございますが、税制の改革が行われるということに、大体われわれ承つて書ますが、これの範囲が現在どの程度に考えられておるか、これがもしおわかりでしたらアウト・ラインだけでもよろしゆうございますから、ひとつ御発表願いたいと思います。
  40. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。税制の改正は、実は根本的に大きく改正しようと思いまして、この前ちよつと地方税法の一部の改正案はその前触れだということを申し上げておきました。ところがいろいろ関係しておるところの方面もありますので、徐々に交渉しなければならぬ、その交渉の最終案でもつくろうと思つて、実は事務当局の方で練つておりますけれども、まだきまつておりません。実はできるならば、この国会あたりで大体のアウト・ラインでも皆さんに申し上げたいようなことを私考えておつたのであります。コンクリートにきまつておりませんから、申し上げられませんが、私自身といたしましては、先ほど立花君の御質問があつたときに考えだけを申し上げまして、酒とかタバコの消費税をどうするとか、またほかに財源があれば、その財源をどうするとか、それからまた都道府県と、それから市町村の間の財源のわけ合いをどうするとかいうことを、いろいろ考えておる次第でございます。まだ固まつた案はできておりません。いずれ来国会の初頭には出せる上思いますが、中間ぐらいまでの間に関係方面とよく連絡しまして、そうしてコンクリートの案をつくろう、こう考えております。
  41. 門司亮

    門司委員 どうもはなはだ心細いのでありまして、大蔵省の方ではぐんぐん進めておる、こちらではまだできておらぬ、こういうことでは来年度の地方財政も私はかなり憂慮すべきものがあると考えております。  次に聞いておきたいと思いますことは、今度の地方公務員の給与ペースの関係でありますが、これは私の聞いておることが間違いであるかどうかわかりませんが、御承知のように職員の給料は、府県の連中は大体五、六百円高い、市町村は七百円ぐらい、それから教員の給料は三百五十円ばかり高い。これだけを差引いた給与ベースのアップをしたい、こういうようなことが大蔵省から何か指示あるいは通達があつたというようなことを聞いたのでありますが、こういう事実があつたかどうか。
  42. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 大蔵省からは何もないはずであります。
  43. 門司亮

    門司委員 大蔵省からそういう指示をしていないということになりますと、今地方の各公共団体で給与ペースの問題が、非常に大きな問題になつておりまして、しかも政府の方針がさつき申し上げましたような数字で、大体中央の国家公務員よりも高いということで、これだけを減らしたベース・アーツプをするということで問題を起しておるようでありますが、こういうものがどこからか出て来なければ、地方の官庁は今のようなことは私はないと思う。国の方針が千五百円のベース・アップをするという方針であれば、地方もそのままベース・アップをしてもよいと考えております。ところがどうしてもさつき申し上げましたような概略の数字を差引いた残りだけのベース・アップをするということが、今日の地方の公共団体の公務員諸君の問題になつておりますので、大蔵省がもし指示もしなければ通達もしなかつたということになりますと、これは一体どこからそういうものが、地方に流れておるのか。地方の公共団体の理事者が何か新聞かあるいは政府の発表だけを見て、こつちはこれだけ高いから節約するのだと、かつてにりくつをつけておるのかどうかということを、私はもう一度念を押して聞いておきたいと思ます。こういうことを私が聞きますのは要するに大蔵省の今度の補正予算の中で、地方財政委員会が要求いたしました四百億幾らという不足額を、さつきのお話のように七十七億も黒字だというような間違つた勘定をしておきながら、しかもその内容の中には、地財委から要求しない予備費というものを百億見ておるというような、あいまいな態度をとつておつて、そうして自分の方の計算では七十七億余るが、しかしさつきお話のように地方も困るであろうから、起債の百億と財政平衡交付金の百億だけをふやしてやろうというような物の考え方から来ておる。これではどうしても地方は給与ペースのアップはできない。従つてさつき申し上げましたような数字だけ差引こう、こういうことを地方は言つておるようであります。従つて大蔵省は指示をしなくても、通達をしなくても、予算措置の上においてそういうことが、はつきり数字の上に出て来ておる。これに基いて地方がそういう態度をとつておるとするなら、これは自治庁としては地方に対しても何らかのお考えがなければならないと私は思う。これが大蔵省の財政措置の上でそういうものを差引いたベース・アップをして、これだけの金しかいらないのだ、こういう財源でよいのだというような考え方だとすると、これは将来非常に大きな問題を起して来ると思う。というのは地方自治庁がありましても、地財委がありましても、地方の財政というものが、まつたく大蔵省の一方的の見解で左右されるような形になつて日本の地方行政は破壊されるおそれが多分に出て来ると私は思いますので、地方自治庁は、大蔵省の予算措置の上で、こういう数字は出て来ておるが、しかしそれには拘泥しないのだ、こういう態度をとられたのか。それからさらに地財委の方は、もし地方の公共団体が原級のままの上に千五百円の給与ベースを、国と同じように増して行くということになつた場合に、その地方の公共団体に対して財政平衡交付金交付の際に、これを考慮するというようなお気持があるかどうか、この二つを両方からお聞きしておきたいと思います。
  44. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。大体話はわかりました。と申しますのは、今度ベース・アップしますときにいろいろ問題がありまして、これは大蔵省と地方財政委員会とで、話がほぼ一致したのでございますが、一般都道府県の公務員は、中央の公務員より、四百六十二円上まわつて、おるとか、教員が三百七十五円上まわつておるとか、また市町村の吏員が五百七十六円上まわつておるとかいうことでございますが、これは自治団体の情勢情勢によつて、一万数千あるのですから、情勢が違うのでしようが、これに対していろいろ研究しました結果、最近の数字としまして、これが確かなものだとは私考えません、この七十万人のうち七万五千への人、それは履歴書も何も全部大蔵省で調べまして、地方と中央の公務員のペースを比べてみたのです。大量観察したらそういう結果になつたということがあるのです。ところが自治庁といたしましては、昨年の十月に実態調査をいたしましたばかりで、その後最近の詳しい数字がございませんから、大蔵省の出しましたほんとうの新しい数字を、地方財政委員会あたりと協議しまして、また文部省とも協議しまして、大体こんなところじやないかという大量観察から、ただいまのような差が出て来たのです。そして冨く地方財源措置をしますにつきましては、同じように国家の公務員である。同時に、公務員のベースというものは、中央政府の国家公務員と地方の公務員とは、大体基準を一にしてもらつた方がいいじやないかというのが、立法の精神でございますから、あまり差があるならば、中央を上げるので、地方財源措置をする場合に、それ以上のものを差出すことは、ぐあいが悪いというわけで、結局財源措置といたしましては、中央で千五百円上げれば地方は千三百円上げて、ほぼレベルが同じようになる、それが法の精神に合うから、そのくらいの財源措置をしておこうということで、ただいまの平衡交付金の算出の基礎にしたわけであります。
  45. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 それでは地財委の委員長がお見えになつておりますから、地財委員長に対する御質問を願います。
  46. 野村專太郎

    野村政府委員 地方財政委員会としては、地方公務員の給与の中には、ところによつて、人によつて高いものもありましようけれども、全体から見て必ずしもそう高いとは思つておりません。従つて、教職員は幾ら、都道府県職員は幾ら、市町村職員は幾らという大蔵省で出しておるあの基準というものを私どもとしては全部承服しておるわけではありません。しかし、財源措置としてこれだけしか出せぬということである以上、地方財政委員会としては、その財源措置に応じて、地方においても適当なる給与をなすようにしなければならぬ、かように考えておりますから、はたして地方において教職員が三百七十五円高いのか、あるいは二百円くらい高いのか、府県が四百六十幾らのうちでまだ二百円くらい高いということになると、その差額だけはどうしても国において考えてもらわなければならぬ。私どもは、今度の給与の改訂については実際懸念を持つております。もし大蔵省が考えておるような数字でなかつたならば、また平衡交付金増額を要求しなければならぬのじやないかと思つております。
  47. 門司亮

    門司委員 地財委の委員長に希望しておきたいと思いますことは、今財源措置として大蔵省が考えておりますようなことでなく、もし地方が実情に即した実態の上に、千五百円のベース・アップをした場合に、地方財政委員会平衡交付金配分の際に、それを考慮されるかどうかということであります。地方の公共団体は、御存じのように、中央の権力官庁とは違いまして、サービス官庁であり、特に現業庁と言う方が正しいと思われるような役所でありますので、当然この給料の差というものがあるのであります。もう一つ具体的に実態を言いますと、この間私はお話したと思いますが、たとえば横浜で、港湾が横浜市の管理に移りまして、同時に運輸省の役人を横浜市が引取らなければならないことになつた。こういう場合に二号俸上げているのであります。なぜ一体市はそれを上げなければならないかというと、実質賃金が違つて来るからであります。運輸省の役人でありましたときは公舎を持ち、さらに定額旅費というようなものが相当出ておつた。市の方に引継いで参りますと、そういうものを出すわけに行かなくなつて参る。そこで実質賃金が減つて参りますので、号俸を上げなければならないということが起つて来るわけであります。こういうことは、地方が中央の公務員よりも、それだけよけいやつたという帳面づらだけの、ただ履歴書を見たり、人の勤めた年限を換算してやるというようなことでは地方が納まらぬので、中央官庁の支給の方法と地方とは、おのずから違つておりますので、実質賃金においては、先ほど申しましたように、権力官庁とサービス官庁との開きで、地方の方がどうしてもよけい仕事をしなければならぬ。本庁のようにただ企画立案するだけではありません。多少時間外勤務も出て参りますし、仕事も非常に複雑なことをして行かなければならないから、勢い優秀な人を得ようとすれば、給料の高い人を入れて、財政的に何らかの方法で補つて行かなければならぬと思います。そういうりくつは一応抜きにいたしましても、そういうものの上に立つた地方の公務員諸君の給料でありますから、これをさつき申し上げましたように、ただ机の上だけの物の考え方で、それだけ高いから、今度の給与ベースを低くアップして行く、それにもし応じないで、現給のまま千五百円のベース・アップをした場合は、地方財政委員会平衡交付金をこの次には削るであろうと、地方の大部分の都市では考えておるのであります。それの実例は、たとえば東京あるいは大阪のように、平衡交付金を当てにしない都市におきましては、他の五大都市よりもはるかに上まわつた給料が支給されていることは事実であります。従つて地方平衡交付金を受けるところは、こういうことで縛られて来るということになつて参りますと、中央では、中央地方を通じ公務員の給料を同じようにしなければならないというお考えのもとに、こういう無理なことをされるが、しかし実際地方においては、地方同士給料に差がついて来るという政府の考えていることと逆な結果が現われて来ることになると思います。従つて地財委としては、給与ベースに関することについて、平衡交付金交付の際に、考慮されるかどうかということ、これは非常にむずかしいと思いますが、ひとつ委員長からお答えを願つておきたいと思います。
  48. 野村專太郎

    野村政府委員 先ほどお話の横浜港の役人を運輸省から引継いだとき——また神戸でも同じようなことがあつたのでありますが、それは、私横浜、神戸両市当局から直接承りましたが、実際驚いたわけであります。何か定額旅費として、年五万円出ておるそうであります。そうなると横浜の市の役人、神戸の市の役人とすると、ずいぶん高い給料を出さなければならぬようなことになる。こういうことは、あるいはほかにもあるのではないかと思いまして、そういう実情をひとつ調べてみたいと思います。私先ほど申したように、国の公務員に比べて、地方の公務員は必ずしも高くはない。従つて今度の給与ベースのアップについては、大体において上るのじやないか。平衡交付金増額を、当然要求しなければならぬと思います。今後の平衡交付金配分の問題については、そういう意味においてあるいは適正でないところについては、平衡交付金の配付に影響があるかもしれませんが、適正化したものならば、平衡交付金の上において減るようなことはないだろう、かように今のところ見ております。
  49. 門司亮

    門司委員 それではこう解釈すればよろしゆうございますか。現給に千五百円のベース・アップをしても、それが適正であると認めるならば、平衡交付金交付の際には、これを考慮しないというふうに解釈してよろしゆうございますか。
  50. 野村專太郎

    野村政府委員 適正化したものならば考慮しないと解釈していいと思います。
  51. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 次に消防に関する件について、審議を進めることにいたします。御質疑なり御意見があれば、これを許します。
  52. 川本末治

    ○川本委員 消防に関する件につきまして、長官にお尋ねしたいと思います。最近、例年の火災季節とはいいながら、各都市におきましてひんぴんとして大火が起きております。特に新潟医大の附属病院の火災、千葉県の勝浦における火災、または今朝小田原市におきまする大火のごとく、まことに憂うべき現象でありまするが、こうした火災が常に繰返されておりまする点については、その原因は二様に考えられると思いますが、まず人的方面における不備な面、いま一つは物的方面における不備な点の二つにわけて考えられると思います。現在の消防におきましての、国家消防庁の方で調査しておられまする点につきまして、また最近の二、三の実例につきましていかなる点に、こうした問題の原因があるかということを、まず御説明いただきたいと思います。
  53. 新井茂司

    ○新井政府委員 お答えいたします。火災季節に入りまして、今朝の小田原市の大火、また先般二十四日の勝浦町の大火がありまして、まことに遺憾に存ずる次第でありまするが、毎年いわゆる火災季節、強風下におきまして、都市に相当数の大火を繰返しておりまする原因は、いろいろございまするけれども、その最も大きなものは、消防力と申しますとなんですが、人員並びに機械、そういうものの消防力の不備なる点と、それから水利が不十分であるという点にあると考えられるのであります。今朝起りました小田原市の事例につきまして申し上げますると、本日午前二時に発火いたしまして、五百世帯、三百五十余戸を焼いております。そしてその焼失坪数は四千三百坪、そのときの気象状況は、発火いたしましたときに六メートル八、濃度は五五%というような、火災につきましては非常に気候も悪かつたのでありまするが、大火を起しました小田原市の消防の状況を申し上げますると、まずあの都市を守りまするために、まつたく安心のできる消防の力はどの程度でなければならぬかということを、純粋に消防的な立場から申しますると、約十台の消防ポンプが必要だと考えられるのであります。ところが小田原市に現在ありまするポンプは、五台でございます。また人員につきましては、約百七十名程度の消防員を必要とするのでございますが、現在おりまする消防員は五十三名、もちろんこれらのポンプにいたしましても、消防員にいたしましても、新しき消防制度の発足いたしました以後におきましては、逐次充実をいたして参つたのでありまするけれども、現在はこの程度でありまして、消防の責任を十分に果すという点からいたしますると、まだ相当の逕庭がある状況にあるということに相なつておるのであります。それから水利の方から見ますると、水道に非常に欠点があるのであります。年々約二箇月は断水せざるを得ないというような状況でございまする上に、その水道管も、消防に使うのには細過ぎるという欠点がございまする上に、その分布の状況が一部に限られておるのでありまして、人工水利の方もきわめて悪い。一番悪い状況を点数にいたしまして千八百点を与えられるものといたしますると、小田原市の状況は千四百五十五点を与えなければならぬというような状況でありまして、水利が非常に悪い。他の日本の都市を平均してみますると、水利は一般に悪いわけでありまするが、それより以上に悪い。大体日本を平均いたしますと、千八百点を最下点といたしまして、一千点程度のものに相なる状況でありますが、小田原市におきましては千四百五十五点というような、それよりも非常に下まわつておる状況に相なつておるのであります。かような消防力が劣弱でありまする上に水利が悪く、しかも天候が燃焼を非常に早からしめた、風速が強いというような状況にありましたために、本日も小田原市において大火を発生いたしまして、まことに残念に思う次第でございます。なおこれは小田原市において起つたのでありまするが、わが国の都市の消防は、消防新制度の発足によりまして、逐年向上いたしましたとはいいながらも、まだかような状況にある都市が非常に多いのであります。われわれといたしましては、各都市につきまして、消防の充実程度というものを、各具体的に検討をいたしまして、等級によつてそれを表示し、これを関係方面にお話をいたしまして、その至らざるところを改善するようにはかつておるのであります。しかし逐年向上の道をたどつておりまするが、現在まだ相当にぐあいの悪い都市が多いわけでありまして、小田原市は第一級の都市を一番いいといたしますると、第七級にくらいしておりまして、消防的な見地からも非常に欠点がありまするので、この改善をお勧めいたします。また先般は特にこの水利の状況も悪いという点にかんがみまして防火貯水槽の設置助成をいたしまして、これが改善をはかつた矢先でございましたが、かようなことに相なつてしまいました。今後消防の点から特にこの憂慮すべき都市の消防につきましては、まず消防の力を強からしめ、また水利をできる限り充実して参る、さような方向に持つて行かなければならぬ、さように考えて努力しておる次第でございます。
  54. 川本末治

    ○川本委員 今単に今朝の小田原の問題だけの御説明を承つたのでありまして、勝浦または新潟医大の問題についてもお尋ねしたいと思いますけれども、すでに時間も相当経過しておりまするので、この問題は一応小田原の問題だけで、他は割愛したいと思います。そこでこの際国家消防庁に特に私ども希望いたしたいことは、今日まで三箇年間に生れ出た消防に対して、育成に努力せられました点は、私ども多といたしますが、なおいささか国家消防庁として手ぬるい感じがあるのではないかと考えられるのは、火災の被害というものも甚大でありますることは申し上げるまでもなく、年々同じことを繰返しておる。しかるに今の御説明を承ると、どうも微温的な勧告にすぎないような状態にありまするので、現在わが国の自治体の理事者は、比較的消防というものに対して関心が薄い。はなはだしいところに参りますると、火事がないから消防がいらないというような感じを持つております。消防があるから火事がないのだというところへ、国家消防庁でこれを誘導して行く責任がありはしないか、かように思うのであります。現在わが国におきまして、常設消防の定員はきまつていないと思いまするが、国家消防庁から見て、常設消防の定員は、どのくらいあつたら、まず人的方面では十分であるかという点について、数字がおわかりでありましたら、お示しをいただきたいと思います。
  55. 新井茂司

    ○新井政府委員 お答えいたします。新制度の発足以来、消防職員も逐年充実して参りましたけれども、まだこの消防の責任を十分に果すという観点からいたしますると、相当に足らない状況でございます。われわれの見るところをもつていたしますれば、都市におきまして約五万九千人の消防職員の充実を見ましたならば、かようなる大火は防ぎ得るというふうに思うのでございますが、現在おりまする者は約三万一千人でございまして、その間二万八千人が不足しておる、かように見ておるのでございます。
  56. 川本末治

    ○川本委員 いま一つお尋ねしたいと思います。人間はすでに二万人ほど足らないということでありますが、国家消防庁が直接すべてを見ておられる点におきまして、町村はもちろんでありまするが、特に消防の予算を各自治体で組んでおりまする面からいつて、国家消防庁は、現在の予算の組み方で、どの程度に不足しておるかというような点が一つと、それから水利の設備が、全国を私どもが調査いたしましてもきわめて悪いのであります。これに対しまして、国家消防庁としては、どういう方法を講じつつあるか、その点を簡単に承りたいと思います。
  57. 新井茂司

    ○新井政府委員 お答えいたします。わが国の消防は、現在もそのような状態にあるのでありますが、何しろ以前が非常に悪かつたと申すほかはないのであります。従前におきましては、いわゆる精神面のみが強調をせられまして、設備、人員等の整備というものが、ややどうも十分に強調せられておらなかつたというふうに思うのでございまして、これを科学的に合理的に見ますると、先ほど申し上げましたように、人員におきましても、五万九千人に整備しなければならない。また現在は整備しつつある段階にありまするが、三万一千人にすぎないというわけでありまして、相当に開きがあるのであります。しかし一面におきまして、これは地方自治という点をも十分に尊重しつつ、この向上をはからなければ相なりませんので、市町村の自主性ということを尊重をいたしつつ、すなわちわれわれの考えるところをも勧告をいたしまして、そして逐年これをやつてもらう、そういう考えをもつて現在進んでおるわけでございます。なお特に水利の点も非常に不備がございまするし、なおわが国の都市の場合におきましては、平常の場合のほかに地震のことをも考えなければならない。水道の水は地震の際におそらく役に立たないということも、考慮に入れなければなりませんので、防火貯水槽の設置ということを今後充実して参りたいと思つておるのでございます。それで本年から都市には防火貯水槽の設置を勧奨してわずかではありまするが、国庫補助金をも充当いたしまして、これが設置を勧奨しておる状況でございます。なお本年は初年度のことでもありましたので、また財政の都合がございまして、五千万円という少額でありましたけれども、これは今後でき得る限り増額をしてそうして完成をはかりたい、かように考えておるわけでございます。
  58. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 ただいま小田原の火災について事情を承りますれば、まつたく小田原の消防力の現状は大火にならざるを得ぬような事情にあるように承つたのでありますが、火災が起りましてからいろいろその事情を究明いたしましても、小田原は救われぬわけでありまして、火災になる前に的確なる方策を立て、火災の防遏の万遺憾なきを期せなければならないと思うのでございます。従いまして小田原市に対して消防庁としてはいかなる勧告をなされたか、またその勧告をした際に、小田原市当局はこれに対していかなる熱意を示したか、その辺のことを承りたい。もしも消防庁の勧告を無視して、小田原といたしまして、ほとんど消防力の強化について努力していないということになりますれば、これは小田原市当局の重大なる怠慢になる。その責任は免かれることができないことであろうと存ずるのであります。私は消防の問題は目下懸案になつております消防の捜査権の確保ということよりも、都市消防について具体的にこういうような地点、こういうような人口、こういうような産業状態の都市においては、こういうふうな消防力を持つべきであるというような計画を具体的に立てて、そうしてそれを各都市ごとに勧告し、その勧告の状況を常に見てこれを推進して行く。もちろんこれをやるやらぬは、その都市の財政力にも関係がありまするから、勧告したからといつてただちに実現を期することは困難であるかもしれませんけれども、少くとも馬耳東風に聞き流すとか何とかいうことはなかろうと存ずるのであります。話は一般論にしないで、特に小田原について消防庁としては、いかなる計画を示し、また市当局としていかなる態度を示したか、そのことを承りたいと存じます。
  59. 新井茂司

    ○新井政府委員 一般的に申しましてただいまお話がありましたように、各具体的な都市につきまして、消防についてはいかなる欠点があるかということを指摘して、その向上を勧告するということは、きわめて大切だと思うのであります。従いまして目下消防庁におきましても、全国の市以上の所につきましては、その消防力の増強を検討実査いたしまして、その欠点を指摘して、その向上をはかつておる次第でございます。小田原市に対しましても、そのことをやつております。これは都市等級という名称を用いてそのことをやつております。
  60. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 いつやつたのですか。話を一般論にしないで、小田原だけにして伺いましよう。
  61. 新井茂司

    ○新井政府委員 日にちはちよつと確実なところを持ち合わしておりませんが、約一年半ほど前にやつたのでございます。それによりますると、先ほども申し上げましたように、水利の点が非常に悪い。一番悪い所を千八百と見ますと、千四百五十五というふうになつて非常に悪い。また消防署につきましても、一番悪い所を千六百というふうに見ますると、千百八十七という状況になりまして、まだまだ改善をしなければならぬということ、それから火災の警報施設につきましては、一番悪い所を六百五十と見ますと、三百五十という状況になつておる。警察との関係では、一番悪い所を五十と見ますると、十五、これは比較的よろしいのであります。それから火災の予防に対する処置状況は、一番悪い所を四百と見ますると三百三十九でありまして、これも非常に欠点がある。それからこれらの事柄につきましては、各欠点の具体的なものにつきましては、それぞれ指示いたしましてその改善をはかるように勧告をいたした次第であります。もちろんこれによりまして、小田原といたしましては全然無視したというようなことでなく、できる限りのことはやつておるというわけでございましようが、われわれといたしましては、相当小田原の力の入れ方というものにつきましては、まだ十分でないというふうに見ておるわけでございます。
  62. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 勧告されたという話を聞きまして、その点は了承いたしましたが、その後勧告し放しで、勧告の実現について消防庁としては何か努力されたか。市長並びに市の係官を呼んで、これが実現にさらに強力に推進されたかどうか、その点をもう一度お伺いしたいと思います。
  63. 新井茂司

    ○新井政府委員 小田原につきましては、特別にさようなことはいたしておらないのであります。しかしこの都市等級ということは、われわれの方針といたしましては、全国の都市をやるのでございますので、平生気をつけてはおりますけれども、二年ごとに必ずまた繰返してその改善の跡を見まして推進をしたい。一度見つぱなしでやるのではなくて、二年目にはその都市に参りまして、前の状況と今の状況というものを常に具体的に検討し直して、その市のやり口についても推進をし、きような方法をもつて向上を期したいというふうにいたしておるわけでございます。
  64. 門司亮

    門司委員 ちよつとこの機会に聞いておきたいのですが、小田原の火事は、ただいまの説明だけでは一消防庁の火災に対する御意見の全般とは受取りにくいのであります。特に小田原のことだけを申しますと、小田原の万年町でありまして、戰災を受けておりません旧市街地でありまして、小さい民家のたくさん密集したところであつて、これは都市計画を直さなければ、消防ポンプが行つても実際には活動のできないような状況であつたと思うのですから、それは別としまして、今一番問題になつておりますことを、二つほど聞いておきたいと思います。先に伺いたいことは、消防法改正についての関係でありますが、消防職員の身分保障——消防職員といいましても、例の常設でありません者の身分の保障をいたしたのでありますが、地方に参りますと、もし火災があつて一人の死人をこしらえた場合には、大体今の六級俸ぐらいで補償されるということになると、四十万円を超える金がいる。従つて現在の地方自治体の状態では非常に大きな問題だ。もう一つは、御存じのように、地方自治体では消防の機具が十分そろつておりませんので、依然として腕用ポンプその他を使つておるところがある。従つて人手をもつて火を消すことになつておりまして、非常にたくさんの人手を要するので、補償をするとなると、これは容易なものでないと思う。従つて、火事があつてはならないことではあるが、これもいつ、どこでできるかわからぬのであつて、そういう場合に、この問題について実は町村当局は悩んでおる。もしちよつとした大きな火事でもあつた日には、財政的にも村が破産するようなことになりはせぬかという懸念を持つのであるが、これに対して身分保障をすることはその通りだと私は思いますが、従つて財政的の何らかの裏づけをするようなお考えはないかどうか、この点を先にひとつお聞きしておきたいと思います。  もう一つは、従つてそれから出て来る問題でありますが、日本の町村には、ききに申しましたような腕用ポンプ程度のものはたくさんありますが、これは実際の火事になりますと、あまり役に立たぬのでありまして、胆にいなかの一軒家が焼けているという程度なら、これでもよろしゆうございますが、少し大きな火事になりますと、腕用ポンプを持つて行つてもしようがない。最近の神奈川県の例を申し上げますと、火事があつて、腕用ポンプを押して行つたところが、そのポンプはほとんど使いものにならなかつた。ほかの都市から大きな消防自動車が来、ガソリンの三輪車を持つて来てやられるので、腕用ポンプを持つて行つた村の者は、こういうポンプは使いものにならないからというので、帰りに道端に捨てて帰つて来てしまつた。村の諸君はそれでは困るからというので、これはほんとうの実例でありますが、今年はいもの不作ということも考えて、各自いもを五俵なり十俵出し合つて、八十戸ばかりの部落でありますが、これでガソリンポンプを購入したという実例が実はあるわけであります。こういう実例は、單に実例としてそういうものだといつて見逃すわけには行かぬと思う。従つて国家消防庁としては、こういう具体的な問題が出て来ておりますので、これを全国に、そういう能力の面と、それから財政の面と両方から考えて、かりに三輪車のガソリンポンプを置くとしても、一体どのくらい地方の財政に費用がかさんで来るかというようなことを御検討されたことがあるかどうか。
  65. 新井茂司

    ○新井政府委員 先国会におきまして消防法改正をされまして、消防団の公務災害の場合における補償制度が確立されたのであります。それによりますると、市町村の負担において公務災害の補償をするということに相なつております。お話のように特に財政力の弱い町あるいは村におきまして、さような事故が起りましたときには、補償をしようといたしましても、財政力がないのでできにくいというようなことがあるものでございますので、われわれといたしましては、かようなものは相互扶助的な施設をつくりまして、事故の起つたときに、平生各町村から積み立てておきました金を各町村交付しまして、それによつて町村が公務災害を受けた者あるいはその遺家族に渡し得るような措置を講じたいと考えまして、これを勧告いたしておるわけであります。この組織は広ければ広いほどよろしいのでありますが、また実行上の利便の点をも考えまして、府県單位にさような組織をまずつくりまして、府県単位だけでやつてみて、ぐあいが悪いというような状況があれば、さらに第二段として、全国的な組織をも附加するというような考え方をもつて、まず府県単位の相互扶助的な団体を構成して、それによつてまかなつて行きたいというふうに考えておるわけであります。この関係者が、町村、場合によりましては市も加わりまして、市町村、それから消防団というものになりますので、これらの関係者をもつて、さような組織をつくつてやりたいと考えておる次第でございます。なお腕用ポンプは現在まだ町村等における消防の機具としては相当重要な地位を占めておる次第でございまするが、その能力はお言葉のごとくきわめて劣弱であります。しかも人力を相当必要といたしまして、現在の社会情勢から見て、必ずしもこれはいいものとは考えません。従いましてこれにかわるものとして、すなわち従来一般にありまする大型の消防ポンプというような高価なものでなく、小さなものでしかも便利なものというものを研究をいたしまして、近ごろ相当数小型動力ポンプができるようになりました。これは腕用ポンプに比較いたしますと相場当に力がございます。腕用ポンプは一生懸命押しましても、一馬力くらいの力しか出ませんが、現在一般に市販されておりまする小型動力ポンプになりますと、七、八馬力が出るようになつております。これをさらに二十馬力程度にいたしますれば相当強力になる。また値段にいたしましても、七、八馬力のものでホースその他を入れましても十六万円ぐらいで購入することができますから、自動車ポンプの百五十万円あるいは二百万円というようなものに比較いたしますと、非常に購入しやすいような状況になつて参りましたので、農村方面の消防機関に進めておる次第でございます、
  66. 門司亮

    門司委員 私の聞いておるのはそういうことを聞いておるのではない、私はそういうことはよく知つております。ただそれを全国にやるとすると、どのくらいの金がいるかということであります。これは地方財政法の中にもはつきり書いてありますように、消防警察の設備等については、起債を許してもいいということになつておるのでございます。従つて町村がこういうものを設備したい、さつき言いましたように村中が今年はいもの豊作というようなことを考えて、そうして十俵ずついもを出し合つて消防ポンプを買つたというような実例が、神奈川県にあるのであります。ここまで日本の町村は来ているのだが、しかし各町村にそういうところまで負担をかけるということは、なかなか困難だと思いますし、またかけるにしても大体全国で一体どのくらいの費用がいるのか、これは一応調査されたことがあるかどうか。わかりやすく言いますと、現在の腕用ポンプを、小型にいたしましても、三輪車にいたしましても、機械設備に直す費用が、全国でどのくらいいるかというような査定を、国家でされたことがあるかどうかということであります。もし査定されたとすれば、どのくらいの金がいるかということを御説明願いたい。それだけであります。
  67. 新井茂司

    ○新井政府委員 この腕用ポンプは消防団では現在約一万台使つておるのであります。しかし一万台というものが、速急に置きかえられるというようなことができますれば、これはもちろんけつこうでございますが、一面生産能力ということもありますし、また財政の関係もありますので、結局できるだけ早く、逐次買いかえるという方法をとらざるを得ないんじやないかと思  います。
  68. 大矢省三

    ○大矢委員 こういうことを聞いておるが、事実かどうかお伺いしたい。先だつて東京都が都営の保険事業をやる、火災保険の各会社がこれはたいへんだというので、大蔵省がこれをなかなか認可しないように、保険会社から十台、約三千万円ばかりのポンプを東京都に寄付したということを聞いておりますが、そういう事実があるかどうか、それが一つと、それから保險会社をいろいろ調査してみますと、これは場所によつても違いますが、大体掛金の保険支払金の約七〇%が利益金になつておる。もちろんこのうちから事務費を負担しなければならぬが、これは厖大な利益だと思う。そこで私どもたえず主張するのですが、それほど利益があるならば、保険金を三分の一ぐらいに下げて——ほんとうに火災によつて保険金の必要な人が入つていない。たとえば今度の小田原の火、災にしても、ほとんど九割まではほんとうに必要な罹災者が掛金をしていないと思う。これは高いからです。三分の一に下げて、そうして全般に多く入るということになりますれば、非常に利用価値があるが、ほとんどそれがされていない。非常に高い率です。しかも七割からの利益というものを、一会社が壟断しているということは、事業形態からいつて、こういうふうな莫大な金をかけて、消防の設備を完備すればするほど火災が少くなる。むしろそれに向つて出せばよい。それを完備すれば火事が少くなるし、会社の負担も少くなる。これは両々相まつのでありますから、こういうふうな厖大な利益がある場合には何らかの形で—これは政治問題かもしれませんが、あなた方は専門家として、一体何ぼ掛金にしたら、たいてい行けるものだという会社利益の統計、それからこういうような利益からして、われわれがもし消防に交渉したら、どれだけ得られるか、あるいは得られるならば—現に大都市では自家保険を共通してかけておりますが、先ほどのお話のように、地方々々は地域的に総合的な何かをつくる、これがまた金がいる。それはそこらの保険業者がやつているうちからの利益で、設備はどんどんやつていける。これは金融業者にとつては命とりかもしれませんが、少くともそれぐらいのことは計画し、何か財源を考えなければならない。水利がない、消防の設備が不完全だから、ああいう火事になつたのはいたし方ない、不可抗力だと言つておりますが、それを金があればできる。現に東京都でそういうことがあつたのは、金がなければ大いに保険会社に要求してやる。もつと苦しくなつたならば、大都市のごときは都市で経営することを、どんどん政府で許すようなことをして一体どういう弊害があるのか。専門家の立場から研究されておるならば、この機会にお聞きしておきたいと思います。
  69. 新井茂司

    ○新井政府委員 保険会社から東京都に十台の消防ポンプを寄付したというお話は私聞いておりません、存じません。それから消防と保険との関係、これはお話まことにごもつともだと思うのであります。私どもも同感であります。アメリカの例に見ましても、消防のよいところにつきましては保険料金を安くする。そういう制度をとつておるのでありまして、われわれもそういう方法をとるならば、消防の発展を促進し、また保険の事業の方面から見ましても、結局そういう方法がいいのじやないかという意見を持つておるのであります。それで損害保険の関係者、特に料率算定会の方とも連絡をとりまして、消防改善をはかつたところにつきましては、料率を適当に下げるようにということを交渉をいたしておりまして、新しいものには損害保険の方の料率算定を組み入れるように、だんだんといたして参ることになります。ただ日本におきましてはこういう方法を意識的に取入れることを従来やつておつた経験がなかつたので、まだこれを大胆に取入れるというところまで参つておりませんけれども、そういう線で取扱うようになりつつあるのであります。現在保険に入つておりまするものは、日本の場合約二割でありまして、国家全体として見ますと、わずかなものでありますが、結局それを阻むものは一方におきましては料率が非常に高いということも、大きな原因であるようでございます。料率が高いというのは料率が一面不合理であるということが、原因であるように思うのであります。従いまして消防の施設等を改善した場合には、それに相当するだけのその料率を下げて、そして消防施設の改善を促進いたしまするとともに、そういう都市の住民につきましては、保険に入りいいような方法を講じまして、これは消防と保険の方、相ともにそういう利益がありまするから、そういう提携した方法で進むように折衝を今後も重ねて参りたいと考えております。
  70. 床次徳二

    ○床次委員 先ほど門司委員の質問に対する御答弁は、私ふに落ちないのであります。それは、消防団員の公務傷害の際の身分保障の問題でありますが、これ対していろいろ組合と団体等をつくつて確保したいという御答弁がありましたが、実はこの問題に対しましては、過般私の行いました質問に対して自治庁長官からも、これは特別平衡交付金から見るということを、はつきり答弁しておられまして、消防庁等におかれましても、まず特別平衡交付金を確保する。なおそれ以上に今のような方法によつて弔慰金を確保されるというのは、まことにけつこうだと思うのでありますが、努力の最初は、まず特別平衡交付金をとつて来て——過般の該当の実例といたしましては、一箇村で消防団員が二十名ばかり殉職した、これに対して四百五十万円ばかり足りない、これを特別平衡交付金から交付するという問題でありますが、従つて現在のところは特別平衡交付金をもつて、これを確保するということが第一段。さらに足りないものは次の方法をとる。あるいは平衡交付金から出しましたものそれ以上に手厚く殉難、殉職者に対して弔慰されるというならなおけつこうです。どうかその点、これは自治庁の方でもすつかり承知しているところでありますから、お忘れないようにしていただきたいと思います。
  71. 新井茂司

    ○新井政府委員 それはそういうふうにいたします。
  72. 立花敏男

    立花委員 ただいまいただきました資料の御説明をいただきたいのですが、総事業費二十四億円で防火水槽の設置をおやりになつているらしいのですが、これは国家から八億補助が出ることになつております。これは私こういう莫大な金を使うのであれば、全国一率におやりになればいいと思うのですが、町村では百一箇町村が、新しくこの事業をやつているというふうに出ているのですが、どういう基準で町村をお選びになつているのか。またこの二十四億の金で六千個をおつくりになると言つておられますが、六千個は全国でどういうふうな配分になつているのか。これをお聞かせ願いたいと思うのです。一個当り四十万円の費用で、これに対して大体三分の一出るのですから十二、三万円の金が一個当り出ますので、これはやはり相当大きな問題じやないかと思うのですが、これがどういう基準で選択されているのか、これをひとつお聞かせを願いたい。火災というようなものに対しましては、やはり一率に国家として見なければいけませんので、選び方が非常に問題だと思うのです。私どもこの間B二九の落ちました横田の附近に参りますと、進駐軍の火薬庫があつたり、石油貯蔵所があつたりいたしまして、特にその附近の町村は防火施設をやれ、東京のようなみごとな消防ポンプがいなかにありまして、そのために非常な莫大な費用が町村にかかつているという実情を見ておりますが、そういう附近にのみ集中的にこれが使われているかどうか。これをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。防火水槽というようなものを、こういう金でおやりになることは、かつての水槽をつくりました時を思い出します。この使い方を非常に私ども明瞭にしていただきたいと思うのです。
  73. 瀧野好曉

    瀧野説明員 立花委員に対しまして私がお答えいたします。まことにおそくなつたのですが、お手元にお配りしました資料の中に、昭和二十七年度公共事業計画概要というものをお配りいたしておりますが、これは文字通り計画でございまして長官から先ほどお話のありましたように、本年度わずかでございますけれども、五千万円の公共事業費による補助金を計上いたしまして三分の一補助でございますけれども、一個大体二十五万円の予算、ここに書いてございます四十立米の地下式貯水槽、これを最も火災危険のあるところ、それから水利のきわめて不便なところ、それから最も熱望している市町村というような観点からいたしまして、本年度はわずかでございますけれども、六百個ほど——五千万円では六百個ほどしかできないのでございますが、これを補助することに決定いたしたのでありますが、これはさらに来年度五千万円程度の金では、どうもならぬというわけで八億、八億を補助いたしますれば三倍の二十四億の事業ができますので、これをいたしましてもなお五箇年計画でございます。私たちが見ましたわが国の消防用の貯水槽というものを絶対確保するためには、五箇年計画でもつて大体毎年この程度のものをやれば、満足し得るというわけでございます。もちろん国家財政の都合もありますので、八億というふうなものが、ただちに来年度予算化されることはむずかしいかと思いますけれども、消防の立場からいたしまして、目下公共事業費による貯水槽補助ということを、来年度分として関係当局と折衝中なんでございます。先ほど来御説明いたしましたように、火災の最も盲点は水利なのでございまして、その水利を確保するためには非常に莫大な金がいるのであります。とても今の地方財政でもつては確保できないのでありまして、この臨時費というものはとても起債で——現在起債が三億程度のものしか認められておりませんけれども、これとてもポンプあるいは車庫その他の施設に必要なのでございまして、とても貯水槽にはまわりません。ぜひともこの公共事業費による貯水槽補助ということを念願しているのであります。そういう意味におきましてこれは計画なんでございまして、配分計画といたしましては、よく各市町村の水利の状況と、それから火災の危険率とそれから地元の熱望している度合を参酌いたしまして決定いたす方針であります。
  74. 立花敏男

    立花委員 ちよつと関連しまして……。熱望している町村にお出しになると言われましたが、現在では申込みさえあればどこでも大体お許しになる見通しなんですか。その点ちよつとわからないのですが……。
  75. 瀧野好曉

    瀧野説明員 お答えいたします。とても要望しているところがたくさんの市町村でございまして、現在六百個程度ではものの数にならないのであります。先ほどお話の出ました小田原市に対しましては、本年度五個の貯水槽を計画いたしまして、その三分の一の補助をいたすことになつております。そうして現在築造中だと思いますけれども、不幸にしてけさ焼けました地区には、三個の配当をしているようでございますが、三個の貯水槽がまだでき上らないうちに焼けたように思われます。決してこの程度の数ではものの数ではないのでありますけれども、将来この点について非常な努力を傾倒したいと思つております。
  76. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 暫時休憩いたしまして二時から再開いたします。     午後一時二十分休憩      —————・—————     午後二時三十五分開議
  77. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 それでは再開いたします。  警察に関する件について調査を進めることにいたします。つきましてはこの際お諮りいたしますが、警察官及び警察吏員の服務紀律につきまして警視庁より警ら部長、警務部長警備課長並びに読売新聞社天城榮君に、それぞれ参考人として説明を聴取することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決します。つきましては床次徳二君より発言を求められておりますので、これを許します。
  79. 床次徳二

    ○床次委員 国警関係の方が来られてから伺いたいと思うのですが、今おられませんものですから、順序が逆になりますが、質問申し上げたいと思います。近時警察官が非常に民主化いたして参りました。この点は私も非常に喜ぶのでありますが、なお一部におきましては、まだ何と申しますか、むしろ従来のいわゆる官僚的な警察へ帰らんとするものもあるやに思うのであります。この点は関係当局の非常な努力を要望いたしたいと思つておるのであります。たまたま最近の警察界の様子を見ておりますと、過般自治体警察が多く国家警察に吸収せられたのでありますが、このことたるや事務的なものでありますが、しかし自治体警察が非常に少くなつて来たということによりまして、反面において国家警察が増大する。同時に官僚的な警察と申しますか、国家権力を背後にしました警察の気風が、どうもふえつつあるのではないかということを恐れておるのであります。同時にこの空気が自治体警察の中にも浸透して参りつつあるということも恐れるのでありますが、これに対して、国家警察あるいは自治体警察におかれましていかように警察官の訓育と申しますか、養成において考慮をしておられるかということを、この機会に承りたいと思うのであります。  なおこの機会に承りたいのは、過般われわれの委員会委員であります大石君が、国会の附近において警察官によりまして不当なる取扱いを受けられたという事実があるのであります。この問題は、国会といたしましては、運営委員会といたしまして取上げまして、それぞれ調査をすることになつておりますが、この機会にちようど本人も来ておりますので、その事情についてよく当委員会として承り、またこれに対する処置等に対しましても適正を期したい。そうしてもつて今後の警察界の刷新にも資したいと思うのですが、関係者の御答弁、並びに当委員も来ておりますから、ひとつ当時の事情の説明を要求するものであります。
  80. 立花敏男

    立花委員 ちよつとその前に聞きたいのですが、関係当局の御出席が少いようですが、警視総監はなぜ御出席にならぬのですか。
  81. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 警視総監は隊長会議で、今大阪に御出張になつております。
  82. 立花敏男

    立花委員 大石さんの問題が、非常に問題になつておりますが、これはきのう、きよう起つた問題ではありません。ずつと前から手配はしてあつたと思うのですが、どういうふうになつておりますか。
  83. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 その要求は聞いていないですから……。
  84. 立花敏男

    立花委員 そうしたら、警視総監は知らないで行つたわけですか。
  85. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 そうです。
  86. 立花敏男

    立花委員 いつ連絡をなさつたのですか。
  87. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 お帰りになつたら連絡します。
  88. 立花敏男

    立花委員 では今後警視総監の出る機会をおつくりになるのですか。
  89. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 御要求があれば、そうして出られるような状態になりましたら、連絡して出てもらいます。
  90. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 私はその当時の状態を皆さんに申し上げたいと思いますが、今月八日私は第一議員会館から読売の天城さんと、参議院の青山正一先生の秘書と、私の秘書と私と、それから舞鶴から来ておりました私の友人と五人が、赤坂の議員宿舎に帰ろうとしてずつと渡つて来ましたら、向うの方でスクラムを組んでおる人がある。だから私たちは何をしておるのかと思つて立つて見ておつたのです。ところが早く通らぬか、そこを通れ、いくら通れとおつしやいましても、交通が遮断されておるのです。そうしてそのとき私はちようど衆議院のあの裏の通用門のところにおりました。そうしたら警官が私をこずきまわすのです。そうしたら読売の天城さんが、この人は代議士である、代議士が国会の通用門のところに立つてこれを見ておつたつて何であるか、またここを通らなかつたら、この人は赤坂の議員宿舎へ帰ることができないのである。ここに待つておつたつてこれが何であるか、こう言つたら、鉄かぶとをかぶつた警官が多数前へ現われて来まして、そうして私をさらうようにして前へ連れて行つて、そうして何、代議士が何だ、ふふん、代議士みたいなもの何じや、何、代議士が、こう言つてはる。大勢が異口同音にそう言いました。そうしてその次にいばるな、こう言つて梶棒で私の右のしりをぽんとぶつ突きました。それから私はこれから先どうなるかわからぬから、青山正一先生の秘書さんと言つて呼んでも聞えが悪いので、それで私は天城さんと言つて悲鳴をあげました。ところがその次にかれら警官は何と言つたか、かれら警官は、何だ権力にこびるな、何だ代議士たる者が、こう言いました。一体それでよいでしようか。もし私みずからが代議士であるということを標榜したのなら、そういう言葉を警官から聞かなくちやならないですが、私はみずから代議士であるということを言うておらぬ。天城さんがこの人は代議士である、そう言つたら、私を十五、六人の警官がひつさらうようにして、無理やりにどんと横へ押したので、私はよろよろしました。その次に右のしりを梶棒でぐんとなぐつて、そうしてそのおまけに今度はいばるな、権力にこびるな、これがあらましでございます。そこで警視総監の代理の人はだれですか、そんな横の方にすわつていないで、ちよつとまん中にすわつてちようだい。一体国会の附近に国会議員が自分の家へ帰らんとして、そうして歩道に立つておつたのをこずきまわして、おまけにしりをなぐつた。それでよいでしようか。そのことについて私は警視総監に聞きたかつたが、警視総監が来てませんから、その代理の人に聞きたいと思う。
  91. 大園清二

    ○大園参考人 私は警視庁の警務部長の大園と申します。本日から三日間大阪市におきまして自治体警察長の全国大会が開催されることになりまして、田中警視総監には昨晩の汽車で出発され、お留守であります。私代理として参つた次第であります。御了承を願います。  すでに皆さん御承知であろうと思うのでありますが、今月の初旬に官公労組の人たちが総理官邸に陳情に参りました。時刻は夕方の五時半ごろから逐次集まりまして、九時半、十時ごろまでかかつたと思いますが、その間ちようど記者会館のあの前の広場に集合しておりまして、だんだん時刻がたつにつれて、あそこへすわり込み、スクラムを組む、こういう状況でありました。私の方としても警戒、警備に従事しておつたのでありますが、あそこの管理者である衆議院の人より、このスクラム組んだ集団に対して退去命令が発せられまして、警察に解散方の要請があつた次第であります。問題はそこから始まるのでありますが、スクラム組んでおる人たちを一人々々スクラムをはずしてその地域から退去させる、こういう事態でありまして、しかも暗夜であります。だんだん混雑して参りまして、しまいにはいろいろトラブルも起つたのであります。その際に、あとでわかつたのでありますが、大石議員が警察官になぐられたとか、突き飛ばされたとかいうお話を伺つたのであります。私どもの方としましてもさつそく調査したわけでありますが、何しろまつ暗のやみのことでありますし、警察側にも当時二、三時間のトラブルに、十六名の警察官の負傷者が出るといつたような、あの狭い地域でそういう程度のトラブルでありまして、非常に現場が混乱しておつたわけであります。こういう状況でありますので、私の方でも一応当時の状況を調べてみたのでありますが、何しろ的確な調査はつかないのであります。従つてただいま大石議員のおつしやつたことも、あるいはあつたのじやないか。私どもその点はかねがね第一線の、そういう警戒警備に当る警察官に対しては、繰返し繰返し教養をやつておる次第であります。なかなかそういう混乱に際しましては徹底しませんし、そういう遺憾な事態が発生することも間々ありがちでありまして、私どもははなはだ遺憾に思つておる次第であります。状況は大体そういう状況でございます。
  92. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 ただいまおつしやいましたことは大分うそがありますね。私たち五人連れはずつと向うで見ておつたのです。そうしたところがどの労組か私は知りませんが、労組の入は、今三人の代表者が岡崎官房長官のところに話をつけに行つておるのであるから、それが帰るまでここに待たしてくださいと言つて、警察官に一つも何も相手になつていませんでしたよ。私たち事実を見ておつたのです。そうしたところが警察官はその労組の人をこずきまわす。それを見てそこにおられる天城さんが、ああ、これで日本もおしまいだ、ああ、もとの日本になつて来た、ああ、困つたことになつて来た、ああ、また昔のあの警察官に舞いもどつたと言つて、非常に悲憤慷慨しておつたのです。私たちも、ああ、また元の警察になつて来たと悲憤慷慨しておつた。そのときに、私は労組の人をひいきするわけじやありません、公平な立場からいつて、労組の人は何もしなかつた、ただ岡崎官房長官のところへ三人の者が今交渉に行つておるから、交渉に行つておる間ここに置いてくれと懇願しておつた。そうしたら鉄かぶとをかぶつた者が、それはだめだとこずきまわしておつたじやないか、そういううそ言つたらだめだよ、うそ言うな。
  93. 大園清二

    ○大園参考人 今おつしやつたことは、代表者が陳情に行つておつた事情はそうだろうと思いますが、私の方もそうことさらに労組に対して別に実力行使をする建前でもありません。またスクラム組んであの広場に集団しておつたわけでありまして、これに対してこちらの方から積極的に実力行使をしたわけじやないのであります。たまたまあそこの広場の管理者の方からこの集団に対して、夜おそくにもなるし、そういうところにスクラム組んで、すわり込みをやられては困るという見解だろうと思いますが、そういう観点から退去命令が出まして、そうして警察に対して解散の要請がありましたので、そこでスクラムをはずして外に連れ出す、こういう形になりまして、その間混雑が起つて参つた、こう申し上げた次第であります。
  94. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それならそれで、もつど納得の行くように、今こういうふうに解散命令が出たから、皆さん相済みませんけれども、この場所を退去してくれと親切に言えばいいじやありませんか。親切に言わないで労組の人をこずきまわした。私たちは憤然としてじつとそれを見ておつた。なぜもつと親切に取扱わないのですか。それでまず第一に私はお聞きしたいのですが、日ごろあんたは警察官に、どういうふうな教育方針をとつていらつしやいますか。それをまずお聞きしたい。
  95. 大園清二

    ○大園参考人 前段のことにつきましては、退去させる前に、責任者から労組員に対して、ただいまこれこれの退去命令が出たから、ひとつ退去してもらいたいという警告を、三回にわたつて発しておるのでありますが、この警告が実施されないので、やむを得ず実力行使をしたという事情に相なつております。  それから警察官の教養の問題ですが、ただいま国警長官、国警の警務部長もお見えになりましたが、警察官の教養につきましては、国警の警察官と同様に、いまさら申し上げるまでもなく、かつての国家警察的な警察官でなしに、真の民主主義を体得した警察官になるように、また一面事態に処しては強い執行力を持つた警察官になるようにという観点から、いろいろの方策を講じて教養を実施しておる次第であります。
  96. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それではお尋ねしますが、民主主義とはいかなるものでございますか。人をなぐつてもいいのですか。人をこずいてもいいのですか。どういうふうな教育の方法をしておられるのですか。そうして代議士であるということがわかつたら、何がゆえに武器を持たぬ、しかも弱い女性である私を、けつたりこずきまわしたりするような教育を、あんた方はしておられるのですか。あんた方が教育をしておられるから、そういうふうに、何ら武器を持たぬ、ぞして何ら抵抗もしない、じつと黙つて見ておる婦人をつかまえてこずきまわして何、代議士みたいなものがどうした、ふふんと言うて笑つておる者がいたし、またいばるないと言うて、私のしりをぽんとたたいた。そして権力にこびるなと言うが、どつちが権力にこびているのですか。あんた方こそ権力にこびているじやないですか。あんたは何と教育しているのですか。あんた方の教育の方針が悪いのかどうか。それに対してあんたは何と答えるか。
  97. 大園清二

    ○大園参考人 そういうことがあつたとすれば、はなはだ遺憾に思つております。もちろん言うまでもなく、そういうことがあつたとすれば……。
  98. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 あつたとすればじやない、あつた。ばかにするな。あつたじやないか。
  99. 大園清二

    ○大園参考人 こずきまわしたり、そういうような教育をしていないことは、これはもう申し上げるまでもないことであります。私どもの警察官に対する教養がまだ徹底していないことは、はなはだ遺憾に存ずるのであります。今後一段と教養、訓練を重ねて行きたい、かように考えております。
  100. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それからちよつと前尾先生、富田課長をその前にすえてちようだい。  あんたは富田さんですか。
  101. 富田朝彦

    ○富田参考人 富田でございます。
  102. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 あんたはきようはたいへんおとなしいですね。先と違いますね。きようはなぜそんなにおとなしいのでしよう。先日あんたが私と石田博英さんと対決したときに、どうです、あの傲慢不遜な態度は、そうしてきようはどうなんですか。きようは非常におとなしいじやないか。あのときあんたはどういう態度をしましたか。石田博英さんの方へはこうして名刺を出してへつと直立不動をして、私がそばにいるのにしりの方を向けて、あんた、それで高文だと言つて常にいばつているそうですが、そんな資格があるのですか、私は三回当選した代議士でしよう。それにしりを向けて何をしているのですか。
  103. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 参考人ですから、いろいろ呼んで……。
  104. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それはあたりまえですよ。こういうような封建性そのものの課長が教育をしておるから、ああいう人をなぐつたり、けつたりする警官もできるのだ。(「その通り」)何だ富田、あのときどういうような態度をとつた。時間は一体何時であるかと私に尋ねた一から、私は夜の七時ごろであると言うた。そうしたらあんたは、それは違う、それは八時半ころだつた。——そういう時間の問題ではないじやありませんか。石田博英さんと私とあんたと対決したときは、時間の問題を云々しているのじやない。代議士なるがゆえに私をこずきまわして、おしりをたたいた。そうしたらあんたはどう言うた。そのときあんたは証拠人があると言うたが、暗やみに証拠人がありますか。十五、六人の者が私を包囲したじやないか。代議士を小ばかにし、そうして権力にこびるな、いばるなと言つてしりをなぐつた。その思想を私は云云しておる。時間の問題を言つたのじやない。そのときのことをあんたはおつしやい。どつちが権力にこびているのだ。なまいきな。この若僧。はつきりしろ。高文だつていばるな。高文が何だ。高文々々といばりやがつて上の者にこびて下の者をいじめて、何だなまいきな。青二才、はつきり答弁しろ。
  105. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 答弁ないそうです。床次徳二君。
  106. 床次徳二

    ○床次委員 先ほどお尋ねいたしましたが、ちよつと御不在だつたものですから、あらためてお伺いいたします。警察の民主化ということに対しましては、すでに関係当局は非常に御努力せられておられると思うのですが、世間の様子を見ますると、かなり改善を見た点もありまするが、往々にしていまだに昔の警察に帰ろうとするような悪い傾向もないではないように思うのであります。特に私どもが心配しておりますのは、かなり自治体警察が相当多数国家警察に吸収せられました。これは制度上の変革ではありまするが、かかる変革と同時に、今まで民主的に親しみのあつた警察官が、往々にして国家権力を背景とする警察かのような誤解もあるのではないか。住民の方にもそういう誤解がありますと同時に、あるいは警察官の中にも、あるいは漠然とそういうような心得になる者もないわけではなかろうと思う。この点に関しましては、国警当局において、自治体警察が合併せられました後において、地方民衆との結びつきというものに対しまして、いろいろと考慮せられると思うのです。今までの自治体警察の制度から、国家警察にかわりました後において、いろいろと考慮せられておることと思うのでありますが、どういう点について、その方法を講じておられるかどうか、承りたいわけであります。今までは公安委員というものがありまして、かなり地元とは密接な関係を持つておりましたが、国家警察になりました関係上、そういう結びつきが薄くなつたのではないか。それによつていろいろと精神上にも差ができたのではないかということを恐れるのでありますが、この点長官としての御意見を承りたいと思います。  なお最近新聞紙上等によりますると、さらに自治体警察を縮小してこれを国家警察に改めるというような説も、だんだんと見えておるのであります。過般自治体警察が大多数国家警察に入りましたのは、これは主として財政上の問題が多かつたと思う。しかし今後やはり同じく財政上の問題から、そういう問題が取扱われるということになりますると、これは本来の警察の立場から申しましても、まことに遺憾だと思う。いずれ来年度の予算におきましても、この問題が考慮せられると思うのでありますが、国警長官の方におかれましては、自治体警察の費用の問題、交付金その他に対しまして、でき得る限りこれを確保して、自治体警察が円満なる発展をするように配慮しておられるかどうか、この点もあわせて伺いたいと思う次第であります。  なお一般警察官に対しまして、国家警察におきましても、警察の民主化ということについては、常々御配慮になつておると思うのですが、その教養、訓練等に関しまして、この機会に御所信を表明していただきたいと思う次第であります。
  107. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 床次委員のお尋ねの点は、一々ごもつともの次第だと存じます。私は警察のほんとうの民主化こそは、日本の民主化に欠くべからざる一つの大きな要素である、かように確信しております。さような意味からいたしまして、及ばずながら民主的な警察官に、教養を高めるということを、一番大きな仕事の一つとして考えて参つた次第であります。先般、自治体警察のうちの町村自治体警察が、相当廃止をせられまして、国家地方警察警察官に切りかえられたのでありまするが、この際におきまして最も重点を置きましたのは、自治体警察国家地方警察に編入せられまして、このために、いわゆる民主警察が逆行するというようなことにでもなるならばもこれはまことに重大な事柄である、かように考えましたので、切りかえ日の十月一日の日をもちまして、全国の警察官に訓示を発した次第であります。その要点の最も大事にいたしておりましたのは、今床次委員のお述べになりました点を重視いたしたのであります。警察の民主化は、何と申しましても、警察官自身の民主化が一番肝要であると考えておるのであります。制度がいかに民主的の制度のようにありましても、これを運営しまする警察官自身が、ほんとうに民主化されなければ、その制度はかえつて非民主的に運営されるおそれもあるのであります。かような見地からいたしまして、国家警察に移管をされましても、従前の自治体警察におつて、住民と親しんでおつたより以上に住民から敬愛をせられ、ほんとうに公衆のための警察官であるという念を堅持させるように、特に強調をいたした次第でございます。民主警察のための教養と申しますることは、なかなか一言をもつて盡しがたいのであります。民主警察の原理、民主主義の原理をただ教えましたところで、これがほんとうに身についたものにならなければ、頭の上で理解をするだけでは問題に相なりません。従いまして、日常の警察業務を通じまして絶えずその精神に合致するように指導をいたしまするとともに、賞罰を明らかにするというように努めておる次第でございます。  なお今後の警察法改正におきまして、あるいは中小の市の警察まで廃止して、国家地方警察に持つて来るような考えがあるかどうかというお尋ねであつたと考えますが、私といたしましては、先般臨時国会に提案をいたしまして御成立を願いました警察法改正の際に、政府委員として申し上げました通り、あれ以上の警察法の根本的な改正というものは、ただいま考えてはおりません。もつとも私自身のただいまの考えといたしまして、これは一つの大きな政治問題でありまするから、従つて事務執行のわれわれの考えというものは、どういうように政治に反映されますか、政治はまたわれわれとも離れて行われてもいることは、あらかじめお考えをいただきたいと存じますが、私のただいまの考えといたしましては、少くともここしばらくの間、この制度で自警と国警が真に協力し、一体的になつて、そうして治安の責任も果し、国民から警察制度はこれで十分なりというように運営をしてみたい、そのためにはここ若干の日時をかしていただきまして、警察の民主化と自警、国警の連絡協調一体化を促進して参る、そうしてこの制度に、ややもすれば陥るであろう自警、国警の連絡の悪い点とか、そのために起る治安の不安心な点というようなことのないように、また経費の面におきましても、自警国警の人的、物的両面における設備を、お互いに十分共用し合うことによつて、経費もできるだけ節減をし、自警、国警それぞれ同じ設備あるいはそれぞれの面において必要と考える人員を持つのではなくて、両方一体的に考えて、それらを互いに共用し合い、利用し合うようにやつて参る、そうしてできるだけ少い経費で能率の上る一体的の運営のできるように持つて行くならば、この制度で十分効果を上げ得るのではないだろうか、その努力をいま一段とやつてみたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  108. 床次徳二

    ○床次委員 なお一言重ねてお聞きいたします。自治体警察の当時におきましては、いわゆる公安委員というものがあつて、警察幹部とは相当接触があつたと思いますが、自治体警察が吸収せられますと、そういう地元との結びつきが結局なくなつたわけです。国家警察の実施とともに、今まであつた機構がなくなつたというところに対して、何かそれを補う方法を講ぜられておるかどうか、あるいは自治体警察がそのまま国家警察にかわつて、そうしてその点が従来と何らかわりなく実施できるかどうか、あるいは住民との結びつきというものに対して、特別な考慮を要しないかどうかという点について、一点お答え願います。
  109. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 国家地方警察におきましても、府県に公安委員はおられまして、この公安委員を通じまして、いろいろ住民の方々の御意思の反映をしていただくことは御承知の通りでありますが、今までの町村の公安委員がなくなりました関係におきましては、その点は若干距離が遠くなるという点は、お話の通りだと思います。従いまして従前の公安委員の方々あるいはこれにかわるような方々、あるいは府県の国家地方警察の助言者、あるいは懇談会の委員の方々というような方たちの御指導と御鞭撻を願うようにする方がよかろう、これは各府県それぞれいろいろな状況がありますから、各管区あるいは府県の実情に応じて、そういうようなことで考えてみるようにしたらいいだろうということで、ただいまはいたしております。本部といたしまして、こういう形でこうするようにというはつきりしたものは流しておりませんが、精神はそういうところに置くようにというふうにいたしております。
  110. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 総務部長に質問いたします。もしそのとき私が警官に手をかけておつたら、あなたの方は公務執行妨害で私を拘引するでしよう。じや、私はいくら何ぼなぐられたつていいのですか、どうでございますか。それについて私は説明を求めたいと思います。
  111. 大園清二

    ○大園参考人 先ほどから申しますように、私の方でもあの当夜の状況をただちに調査してみたのでありますが、何しろ非常に混乱しておりまして暗夜のことでもありますし、私の方の状況ではまだはつきりしたことはわからぬのであります。ただいまのような御質問に対しては、大石議員の方から手を出されたから、ただちに公務執行妨害になるのかどうか、これをここで申し上げることはできまいと思います。
  112. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 私はそういうことを尋ねておらぬですよ。もしそれじやあなたは、私がなぐられたということを否認されるんですか、どうなんですか。それを聞きたいんです。お前は代議士か、代議士が何じや、ふふん、いばるな、と言つたやつが私をなぐつた。その際において権力にこびるな、権力は一体どつちに向いているのだ、あなたの方へ向いている。——私を殴打したことをあなた方が認めておるのであるかどうか。そこでもし私があなたの方の部下に手をかけると、あなた方は私を公務執行妨害で訴えるでしよう。そうすると、結局弱いものいじめということになる。それではその当時私がなぐられたという事実をあなたは否認するんですか、どうであるか。それを尋ねておる。ほかの方へ話を持つて行つちやだめだよ。しつかりやれ。
  113. 大園清二

    ○大園参考人 私先ほどから、それで遺憾の意を表しておるのであります。
  114. 立花敏男

    立花委員 さいぜんの警視庁の方の答弁は、根本的なこの事実を認めていないような答弁だと思うのです。遺憾の意を表されておるのは、どういう点に対して遺憾の意を表されておるのか、ひとつ御説明願いたいと思います。第一課長が何ら答弁をしないということは、これは一体どうしたのか。事件は数日前に起つたことなんで、警視庁に誠意があり、遺憾の意を表されておるというのであれば、ここではつきり御答弁があるはずだし、徹底的な調査が行われていなければならぬと思う。それが何らやられていない。しかもさいぜんから警官に対する民主的な教育というようなことを言つておられますが、こういう事実を放擲しておいて、自分たちがやつたことを明らかにしないようなこの事実を通じての教育そのものがなつていないと思う。だから、弱いものいじめになつても、あなたは責任をおとりならないで、暗かつたとか、混乱しているとか言つている。そういう調子だからこそ、そういう現実の教育を通じて、警官が人民を愚弄する、強圧するという形が、公然と行われるようになりまして、遂に今回の事実を引起したと思うのですが、なぜこの事実を糾明されないのか。これを私ははつきり警視総監代理にお尋ねいたしたい。また課長にもなぜ答弁しなかつたのかお尋ねいたしたい。それから今回のこの大石代議士をめぐつての殴打事件をどういうふうに調査なさり、その結論は一体どうなつているか、これもはつきり御答弁願いたい。それと関連いたしまして、私どもは今ま場では警察官証人の意見しかまだ聞いていないわけですが、当時大石代議士と一緒におられました読売新聞社の記者も来ておられますので、実情は最も公平に把握されておると思いますので、この参考人から当時の模様を詳細に承りたい。
  115. 大園清二

    ○大園参考人 私の方でも先ほど申しましたように、あの当時出動した警察官について責任者から調査をしたのでありますが、私どもの調査では、何しろ先ほどから申しますように“暗いときでありますし、私の方も十六名負傷者が出たというような混乱しておる際でありますので、一々わからないのであります。それできよう大石議員がおつしやつたようなことに対しましては、私の方の調査ではまだ的確に出ておりませんけれども、今大石議員がおつしやつたようなことが事実でありますれば、私は遺憾の意を表すると、先ほどから申したような次第であります。
  116. 富田朝彦

    ○富田参考人 先ほど大石議員から石田代議士のところでお話したときの私の態度の問題についてお話がありましたが、非常に私としては申訳ないと思一つております。     〔大石委員、「そんなわびようがあるか、もつとわびろ」と呼ぶ〕
  117. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 静かにしてください。
  118. 富田朝彦

    ○富田参考人 ただそのときは石田代議士に、ちようど状況を調査中でありましたので、その状況をお話に参つたのであります。それでいろいろ言葉等については失礼な点が非常にあつたと思いますが、こういう点はどうかというようなこともお聞きしてさらに調査をより具体的にしたい、こういうことでお尋ねをいたしたのであります。請いろいろな態度その他についてただいまお話のありましたような点については、先ほども申し上げました通り、申訳ないとおわびいたしたいと思います。
  119. 立花敏男

    立花委員 ちよつと関連してもう一度課長と警務部長にお尋ねいたしますが、調査はなさつておられるのですね。——じやどの程度かおわかりだろうと思う。白晝ではありませんが、とにかく公然と国会議員を十数名の警官が包囲して、少くとも罵詈雑言をやつて殴打したという事件が、何らわからないというはずはありませんので——これはわからなかつたらたいへんだと思うのですが、調査されている以上は、ある程度はおわかりだろうと思うのですが、どういう程度なさつて、どの程度わかつているのかということを、お二人から御答弁願いたいと思います。
  120. 大園清二

    ○大園参考人 当時あの直後現場の指揮官に命じまして、実は大石議員の談話が新聞に出ましたので、ただちに調査さしたのであります。その結果について、先ほど来申し上げているのであります。自分は代議士の大石だという声を聞いた。これは巡査でなしに、後方にいました人ですが、君はどうだつた、そういう大石代議士だという声を聞いたかということを調査しましたら、そういう声は聞いたようだということは言つております。しかし現地で実際にあの混乱の中に入つて、スクラムを組んでおる労組員を、一人々々スクラムを解いて広場につれ出したその警察官については、はつきりした事実が出ていないのであります。
  121. 立花敏男

    立花委員 それは課長もお調べになつておる、じやないですか。
  122. 富田朝彦

    ○富田参考人 ただいま警務部長からお話のありました通りでありますが、何分にも先ほど警務部長もお話がございましたように、衆議院の警務部の責任者の方から、退場要求が出ましたのが八時過ぎであります。それで実際にその間に警告を繰返しまして、さらに衆議院と御相談をいたして、そのスクラムを解くという行動に移りましたのが、報告によりますと、八時三十分ごろであります。そういう関係でありますので、非常にこの間警察官もあつちへ行つたり、こつちへ行つたりして、相当労組の方と興奮した状況にあつたようであります。従いまして、あるいはその間におきまして、非常に不謹愼な言葉等が出たのではないか。これは私どもの方の調査でだれかということは、当時警察官も興奮いたしておりまして、確認はできないのでありますが、そういうことがあつた。その点につきましては、私といたしましてもまことに遺憾であつたとおわびいたしたいと思います。
  123. 大泉寛三

    大泉委員 当委員会は一般警察行政に関して何か不都合の点があらば、それに対して大いに究明するというような立場で、きようは委員会もこうして開かれていると思いますが、たまたま同僚の大石議員が先般暴行を受けたという問題でありますが、私どもも国会議員であるから、同僚が警官から暴行あるいは暴言を受けたということは、まことにどうも心外にたえない、また遺憾にたえないけれども、さりとて国会議員だからといつて、一般国民から特権扱いを要求するものでも何でもない。たまたま国会の付近に起つた問題であるから、これはわれわれ大いに重視しなければなりませんが、この暴行に対して私お伺いしたいのは、当事者から告訴とか告発とかいう手続をとられておるのですか、どうなんですか。
  124. 大園清二

    ○大園参考人 告発とか何とかいうことはまだ私承知しておりません。
  125. 大泉寛三

    大泉委員 当委員会として、一般警察行政に関することは、審議も質疑も大いにけつこうですけれども、たまたまこの問題は大石議員の方から、いろいろ当時の模様の説明を聞いて取締り官憲の不都合の点は、とにかく陳謝をさせるという程度に私は承つておつた。たまたまあまり発展するということは、当委員会の希望でもないと私は思います。この点委員長においてよろしく取扱いの措置をお願いしたいと思います。
  126. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 きようは大体警察官の官吏服務紀律等の議題についてやつておるのでありますから、その範囲を逸脱せぬようにしていただきたいと思います。では天城榮吉君の証言を求めます。
  127. 天城榮

    ○天城参考人 私あの晩大石さんのところへ七時ごろ社用で行きまして大石さんのところに同席した方三、四人と一緒に八時過ぎだと思いますが、会館を出たのであります。それで会館から記者会館へ帰ろうと思つて記者会館の方の歩道を大石さんど大石さんのおつれの方と三人一緒に通つて来たのであります。たまたま記者会館の前へ来ますと、労働組合のデモ隊と警官が非常に小ぜり合いをやつていたのに会つたのであります。それで大石さんは議員宿舎へ帰られるので、私は記者会館へ帰る途中でありましたが、記者会館の玄関の前でちよつと立ちどまつてみたのであります。大石さんは何げなく向うへ通過しようと思つていたわけですが、現場は非常に殺気立つておつたので、とてもあそこを通過することは困難のようでありました。それで大石さんに、女のことではあるし、デモ隊と間違われては危険だと思つたので、大石さん、向うの方が警官があまりいないようだし、議会の向うの裏門の方から通過したら通れると思うから、向うへ行つたらどうです、そう言つて、私は大石さんと一緒に向うへ横切つたのであります。向うへ横切つて裏門の方から大石さんを通過させようといたしましたが、何か非常に殺気立つているので、大石さんがたたかれたら気の毒だと思つて、代議士の大石さんだから、別にデモ隊じやない、あなた方間違つちや困る、今宿舎へ帰られる途中だから、決して別にデモもやらず、煽動演説をやつているのでも何でもない。そう言つたところが、通つちやいかぬ、立つているやつがあるか、ということだつた。いや、今すぐ通つて帰るのだ、こう言つたところが、帰るならすぐ帰れ、何をそこにぶらぶらしているのだ、と言うなり、いきなり大石さんを七、八人くらいの警官だつたと思いますが、道路の中央へつれ去つたのであります。私はもし間違いがあるといけないと思つたので、ついて行こうと思つたら、警官のこん棒で私は前進を阻止されたので私は行けなかつたのであります。大石さんが道路のまん中のところで私の名を呼ぶ声がしたのでありますが、そのとき警官の方から非常な怒号、罵声らしき言葉を私は耳にしたのであります。とにかく六、七人の警官が大石さんを囲んで、道路の中央で大石さんが突き倒されるようにしてふらふらと行かれたのを見ました。しかしそのときたたかれたかどうかということは、どうも暗いのと、警官が包囲しておつたので、ちよつとわかりませんでした、そして大石さんがたたかれたのか、それともあそこで突き倒されたのかと思つておりましたけれども、たくさんの人がいたので、つい見きわめることができませんでしたが、それから私もさらに霞ケ関の方から向うへ横切つて官邸のわきの方へ行つたら、大石さんが来られたので、どうでしたと言つたら。いや、私なぐられた。実にひどい。私は何も抵抗したこともないのになぐられた。どつかけがしましたか。いや、とにかく腰が痛くて、ひどい目にあつたと言つておりました。私も、そりやたいへんだつたと言つたら、あなたもずいぶんひどい人だ。私が呼んだのに来てくれなかつたじやないかと言われました。しかし私はそのとき警官が六、七人私の前進を阻止しておつたので、私はそこへ行けなかつたのであります。大石さんも興奮しておつたので、そのとき説明してもおわかりにならぬと思つたので、私はお別れして、記者会館へ引返して来たのであります。私の見たところはそれだけであります。
  128. 大矢省三

    ○大矢委員 今聞いておりますと、四、五人の人がいられたそうです。大石さんは名前まであげて、これこれの人もおられたと言う。それに対していろいろ調べたけれども、どうもはつきりしたことがわからない。もしありとすれば、はなはだ遺憾なことである、こういう答弁のようであります。私はその当時において責任者が何というお方であつたかということがまず一つと、それからもし調べた際に、警官の中からそういうことがなかつたように聞いておる人もあるようですが、そういう人も調べ、また大石さんが言われた五人の人も調べられた結果が、そういう今の答弁になつて出たのかどうも明かでない。特にそういう大勢の人に取囲まれた現状であつたから明らかでなかつたと、うやむやにしたような傾向があるのです。この点をひとつはつきりあつたのか、なかつたのか、今まで答弁を聞いておりますが、明瞭でないのです。それからその当時の責任者を調べられ、今言つた五人を調べられた結果であるかどうか、その結果はつきりしないが、大体そういうことがあつたように思うと、もう一人の方が言われておりますが、そこで一般に向つてそういうことが起きたということについて今後ないようなことを警告されたかということです。まず第一にそのことだけお伺いしておきます。
  129. 大園清二

    ○大園参考人 あの直後ただちにこれは第一方面予備隊と麹町署員が出動したのでありますが、これらの責任者を通じて将来かようなことのないように嚴重な警告を発しておりますし、さらにまたこれらの責任者に対してああいう際の警察官の教養、訓練について重ねて注意するように指示しておるような次第でございます。
  130. 大矢省三

    ○大矢委員 それから最近どうも警察官の態度というものは、特に大衆運動を取締る上に、はなはだ遺憾な点が多いと思うのであります。それでここ自治体警察国家警察が改組された後における警察の状態というものは、私は逆行しておると思います。先ほど質問の中にもありましたが、最近の警察官というものはどうもいわゆる自治体警察国家警察の民主主義警察に反するような行為がしばしば行なわれている。そこで一体これに対する教育なり、そういうことのないように努めている、こう言つておりますが、私どもだけでなしに、およそ国民の大半がそういうふうに考えております。よくなつていると思うのか、むしろ逆行しておるような傾向があると思われるのか、これは大きな問題ですから、特に上にある人たちの考え方というものが、私は今後の警察のあり方について影響があると思いますので、この点もお聞きしたいのであります。
  131. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 全般を通じてみきて、われわれの目からまた十分というところにはほど遠いと考えております。しかしながら従前に比べましてよくなりつつあるというように、私は確信をいたしております。ただ中にはときどき問題を起す部面もありますが、しかしわれわれとしては万全を期したいと考えております。しかしこういう警察官の非民主的な行為が、方々で取上げられますということは、これは国民の方々が特にこういう事柄について関心を持たれて来た証左でもあり、同時にさらにまくして行く一つの鞭撻のむちだと考えております。こういう声が多いということは、警察官が非民主化の傾向をたどつておるというようには考えておりません。私自身といたしましては、全体的には以前よりも民主化された傾向になつたというふうに確信をいたしております。
  132. 大矢省三

    ○大矢委員 私はむしろ逆に考えておるのです。そこはまあ見方でありますから私は多く申しませんが、こういう事件は平時ざらにある。私もよく知つております。それから今後しばしば行われるであろうところの大衆運動に対する取締りについて私の私見を述べて御意見をお伺いしたいと思います。  昔の警察は拳銃は持つていなかつた。もちろんこん棒も持つていなかつた。大衆運動を取締る場合には、あのサーベルをみなひもでくくつたものです。自分も抜いてはいかぬし、抜かれてはいかぬということで、必ず大衆運動取締りの場合には警察を出る前にちやんとひもでくくつて出したものです。今日サーベルがなくて、こん棒、さらに拳銃を持つておる。そこで拳銃のためにみずからが傷つき、あるいは友人の間でしばしば傷つけ、また傷つけられている。そしてまた盗難にあう。自分を守る拳銃、そのために殺されている警官、尊い命をなくしている警官がたくさんあるのです。これは少くとも大衆運動を取締る場合には拳銃を持たせないということの方針をとる意思があるかないか。いろいろな法律で認められた大衆のデモンストレーシヨンというものがしばしば行なわれておるが、このことのために大きな災いが来るのではないかということを、私ども長い間の経験でよく知つている。言うまでもなく、今答弁にもありましたように、取締りの身になつたときは、おそくもなればあるいは多少興奮もして来る。私どもの目から見ると、大衆の心理にいろいろな問題が起きて来まして、取締る方がより一そう興奮している。もつと冷静でありたいと思う者が、逆に警官の方が興奮していつも問題を起している。私は従つてこういう場合にはよほど幹部が責任を持つて、いつでも、だれが行つても、その責任者が出て、その当時の模様がちやんとわかり、取締る場合でもちやんとわかるような責任を平素から感じて取締る。私は民主警察のあり方というものは、そうなければならぬと思いますが、そういうふうにいわゆる責任並びに拳銃というものを持たせないということ、これがどういう考えかということが一つ。  いま一つは自治体警察は九万と申されておりますが、特に大都市の警察官が数が多いのです。これは特に東京都は帝都という特別のあれもありますが、大阪だとか、その他六大都市の方は前の戰前当時よりか、はるかに大きな数字を持つておる。大阪のごとき四千から五千足らずの警察官が今七千以上になつておる。これは一人当り装備費その他合せて三十万円以上かかるということでありますが、莫大なる費用です。そこでこれは大都市としての治安の関係上、警察が軍隊なきあとの治安の市大責任になりますから、これは暫定的にはやむを得ないかもしれませんが、今度は七戸五千という、しかも装備の完備した予備隊——私はこれは軍隊と思つておりますが、警察というならそれでよろしいが、警察予備隊ができまして、万一の場合の治安維持、そういうためにあるのですから、外国に対して戰争をするというようなことはない。これは憲法で明らかなことです。でありますから、いわゆる大都市の警察官というものを、私はもつともつと減す必要があると思う。おそらく私は半分でいいのじやないかと思う。よけいあるとちよつとのことまでも取締つて、自分ところの成績を上げようとしている。何かたくさんあれば、給料をもらつているから何かしなければならないというので取締る。民衆は迷惑しごくなのです。この点は特に大都市に対して警官を半分くらいに減す御意思があるのかどうか、減した場合に警察予備隊が出て行つてどんな支障があるのか。これは私どもいろいろその他の方面で審議はいたしますけれども、日常携つている人たちはただ多いというだけでなしに、予備隊警察ができた後における自治体、国家警察の数の上において、もつと考慮が払われる必要がある。またそうしても治安に決してさしつかえない。かえつて多くあるために民衆は非常に迷惑している。こういうことを経験上平素考えておりますので、この機会にそれぞれ国警並びに自治体警察の方々から、警察予備隊ができたから、もう少し減してよろしいというのか、もつとふやせというのか、あるいはピストルを持たせた方がいいのだ、今まで実際にあるように、警察官が尊い命をなくしてもやむを得ぬというのか、この点を私はこの機会にはつきりした御答弁をお願いしたいと思います。
  133. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 大衆運動取締りの際の現地指揮者の責任と、拳銃携帯の可否の問題でございますが、仰せの通り、大衆運動取締りの際の現地指揮者及び現地にいるその指揮者の下の幹部というものの責任は非常に大事だと思つております。自分の傘下にいる警察官の行動は、一にかかつてその指揮官の指揮いかんにあるわけであります。るから、その指揮能力、またこれの統制というものは、御承知の通り非常に大事なものであります。従つてそういうような意味から、指揮者にもふだんから特別に訓練をいたしておるのであります。なお拳銃の携帯の可否は、私の方におきましても、今おつしやるような議論もあります。どちらがいいか、いろいろ研究をいたしておるのであります。しかしながら拳銃は警察官自身を守る武器でもありまするので、大衆運動の際に、その拳銃を用うべからざるにかかわらず、用うるというような警察官であつては困るのであります。しかし困りましても、おつしやるように激してこれを使うというようなことで、どうしてもこれは教育をしてもうまく行かぬということになれば、考え直さなければなるまいと考えておりますけれども、アメリカにおきましては、かような際はやはり平常通りの装備でやつております。拳銃の扱い方に十分訓練を得させてまた警察官の訓練を積むことによりまして、こういう際は特に拳銃をはずさなければならぬというようなことでないように教育をして参りたい。さように考えております。今後の推移を待ちましてなお研究も進めなければならぬと考えておりますが、現在のところではさように考えておる次第であります。  大都市の警察官の数でございまするが、これは御承知のようにおつしやるような面もあろうと考えます。ただ大都市は御承知のように、自治体警察に入りまして自治体が必要とする限度において、その数を定めるというように先般の法律で改正を願つたわけであります。従いまして自治体当局が必要と考えられるかどうかというところにかかつておる、かように考えておるのであります。治安の情勢もよくないという場合に、十分警察予備隊の方も出動ができるというような見地からいたしまして、治安の情勢とにらみ合せまして、各自治体においては適当なときに適当な数字をおきめになるであろう、かように考えております。
  134. 門司亮

    門司委員 先ほど大石さんからも意見がございましたが、きようここで発言されておる大石さんの発言に対する当局の答弁というものが、まつたく要領を得ておりません。もしこういうことであるなら、今われわれがここで審議をいたして心配いたしておりまするように、警察の民主化というようなことはほど遠いと思いまするし、また治安に対しますることも、私は完全に行われない。むしろ国民は恐怖の観念に追い込まれて、民主警察でなくして、警察自身を非常にこわがるような形が出て来はしないか、こうなつて参りますると民衆の協力は得られない。いやがおうでも権力で治安を確保する以外にないのでありましていわゆる権力による治安の確保というものは、私は必ずしも当を得た策ではないと考えるのであります。従つてこの際はつきり私はこの機会に、当局の威信にも関係いたしまするし、それから同時に民衆がほんとうに警察をたよることのできるように、警察の自主的の行動について、もう少しつつ込んではつきりした御答弁をお伺いしたい、こう考えるのであります。  次にお伺いしておきたいと思いますることは、部長の御意見を承つておりますると、そういう事件が明確にあつたか、なかつたかというようなことを、私は部長の口から明確に聞いていないのであります。先ほどの新聞記者の方の御証言にありましたように、事件があつたということは私は事実だと思います。そういたしますると、この事実に基いて先ほどの部長の答弁の中に、そういうことのないように十分注意をするように指示をしたというお話でありまするが、この指示をされたのは、そういうことがあつてはならないという仮想のもとに指示をされたのか、あるいはそういう事件があつたということを確認されてそういう指示をされたのか、その辺をひとつはつきりお伺いしておきたいと思います。
  135. 大園清二

    ○大園参考人 先ほど申しましたように、私どもは初めそういうことがあつたともなかつたとも、全然わからなかつたのでありますが、あの当夜から二、三日たちましてから大石委員の談話が新聞に出ましたので、私どもそういうことがあつては相ならぬという観点から、ただちに責任者に警告を発しまして、こういうことが出ておるがひとつ当夜出動した隊員について調べて見ろ、同時にこういうことは正しいことじやないので、ひとつ将来十分こういうことのないようにやつてもらいたい、こういう指示をしたのであります。
  136. 門司亮

    門司委員 まだはつきりいたしません。そういたしますと、その指示されたのは、今の御答弁から聞きますると、調査をすると同時にそういう指示がされたということでありますが、その部長の指示されたということは、そういう事実を確認上ないで、仮定の上で指示をされたものと私は解釈してきしつかえないと思いますが、その通りでございますか。
  137. 大園清二

    ○大園参考人 調査を命ずると同時にそういう指示をしまして、さらに一応責任者において調査した結果、先ほど申し上げましたような報告を得まして重ねて指示をしたような次第であります。
  138. 門司亮

    門司委員 調査の結果大体事実がほぼ確定した、まあ程度の問題は別といたしますが、とにかくそういう事件があつたということだけは、一応私は確認されたものとして、さらに質問を続けたいと考えております。そういたしますると、その結果がどういうことになるかということの問題が、必然的に起つて来るのでありますが、事実が確認されました以上は、それに対しては何らかの行政的の処置が当然講じらるべきである。この行政的の処置を一体当局は講じられておるかどうか、この点をもう一つお伺いしておきたいと思います。
  139. 大園清二

    ○大園参考人 先ほどから申しますように、暗がりの際でありますし、混乱の際でありますので、どの巡査がどういうことをしたということは、明確にできないわけであります。そこで先ほど申しましたように、全般的な警告を発すると同時に、指揮官に対しても厳重な注意を与えた次第であります。
  140. 門司亮

    門司委員 そうなるとますます奇怪でわからないのですが、事件が起つておるということが事実であるといたしまするならば、これが確認されておるとするならば、それはだれがしたかわからぬから、そういうことがあつてはならないということを單に指示したというだけでは、事件は解決しないと私は思います。そういうことで解決するのなら、何も世の中ちつとも苦労はいたしません。心配はないのでありますが、それでは民衆は不安であります。これは單に警察官が民衆をなぐつたという事件ではありません。民衆同士のけんかであつても、暗かつたからどうもいかんともしがたい、それだけになつて、その犯人を追究もしなければ、それの捜査もしないで、こういうことにならないように注意してもらいたいと、市長さんや都知事あたりから、公報くらい出してみたところで、それでは納まらぬ、安心ができぬと思う。従つて私はほんとうに警察警察行政というものを民主化するといたしまするならば——やはり統制のある警察官であります。單にそこらのぐれん隊がやつたわけではない。歴然たる統制のもとにすべての指揮系統が行われておりまする警察官の行動でありまする以上は、少くともそれに直接手を下した人がだれであろうと、彼であろうと私は行政上の責任というものはのがれるわけに行かぬと思う。私の聞きたいのは、その犯人がわからぬからといつて、さつきのようなことで、ただ漫然とこういうことのないようにお前たち気をつけろということだけでは済まされません。犯人はだれであるかということを確認することができなくても、組織行動あるいは命令系統が、はつきりいたしております以上は、当然これは行政庁として何らかの処置が講じられなければ、この問題は納まりませんし、またそうでなければどんなに示達をいたしましても、それは効果がないのであります。暗いところでなぐつてしまえばなぐり得だ、あとから警視総監から何とか言つて来るだけだ。しかもそれは全体の警察官に対して、こういうことのないように気をつけろということだけでは、中の綱紀の粛正もできませんし、そういうことでは民衆は警察を信頼して協力しないし、新日本の民主化の警察行政というものは私は行われないと思う。従つてもしそういう行政が今日まで行われていないといたしますならば、そういう観点に立つて、将来こういう問題の解決のために行政的何らかの処置をおとりになる御意思は今おありになるかどうか、この点をひとつお聞きしておきたい。
  141. 大園清二

    ○大園参考人 先ほどから繰返して申しましたような状況でありまして、私の方の調査では、先ほど読売の方のお話もありますように、ああいう混乱に際して数名が周囲をとりかこんだということはあつたかもしれませんが、なぐつたとかなんとかいう事実は出ておりません。繰返し申しますように、非常に混乱しておつた際でありますのであるいはあつたじやないかというふうにも考えておるのであります。そこで先ほど来申しますように、その事案については衷心から遺憾の意を表しておりますと同時に、この隊員に対しましては責任者以下厳重な注意をし、将来こういうことを繰返さないように警告しておいたのであります。
  142. 門司亮

    門司委員 私はわからぬのです。前段の答弁はあるいはあつたかもしれなということで、これは確認されてないと思う。ああいう事態であつたからあるいはあつたかもしれない、なかつたかもしれないというような確認されないものの基礎の上に立つていたのでは、いくらこの問題を解決しようと思つても解決しないと思う。私は決してあなた方を責めるわけではありませんが、たまたまこれが国会議員であつたから問題になつたというように解釈されては迷惑いたします。これは私はたれでも同じだと思う。しかもこの事件の発端というものが、たとえば労組の諸君と警察との間、いわゆる相対峙いたしております当面の責任者という言葉はどうかと思いますが、当事者同士の間におけるいざこざというものは私は必ずあると思います。これはあることが当然だと思います。その場合になぐつたりなぐられたりすることもあるいはあるかもしれない。しかし全然第三者であつて、そうしてその第三者が身分を明かして、自分はこういう者だと言つているにもかかわらず、なおこれに対して多少の暴行行為があつたということになつて参りますと、私は警察の行き過ぎだと思う。この警察の行き過ぎに対してそれをお認めになれば、さつきから申しておりますように、秩序と段階的に命令系統のはつきりいたしております警察当局に対しては、私は少くとも警察官がそういうことをやつたということ自身についての教養の不備であるということを、はつきり言い得ると思う。もし教養の不備からこういう事態を引起したとすれば、その当面の責任者は自己の責任が全きでなかつたということが、また言い得ると思う。そうなつて参りまするならば、当然これには何らかのやはり行政上の処置が考えられなければならない。私はただ單に首を切れとか、こうしろというわけではございません。行政上の処置の中にはいろいろあるでありましよう。しかしそれらの面が明確になつて、もし警察官の中で間違つてそういう行動をしては、こういう迷惑をするということがはつきりなつて来ることによつて、初めて下級の警察官諸君も自粛すると考えております。この点は今のような御答弁では私は非常に不満であります。警察は権力警察にならないで、もう少し民主警察になつていただきたい。今事実をはつきり確認するわけには行かないから、行政処分というものは考えていないというお考えなら、それでけつこうでございますから、もう一度明確に御答弁願いたい。
  143. 大園清二

    ○大園参考人 ただいまの御質問の趣旨は、今日は総監も御不在のことでありますので、あとで総監にも十分お伝えしておきます。
  144. 門司亮

    門司委員 総監がおいでにならないからというお話でありますが、私はさきに申し上げましたように、必ずしもこういう行政処分をせよというわけではないのでありまして、こういう事件をただ漫然として済まされたのでは困る。こういうことのないように気をつけろということは、これは当然でありまして、こういう事件が起らなくても、それは日常の教養の中で毎日繰返されておる。それでもなおかつこういう事件が起つておる。こういう事件が起つて来るのは教養の不備からだと思う。教養の不備の責任は一体どこにあるか、これが明確にならなければならない。警視総監はおいでにならなくとも、これについて警察側は十分責任を負うということくらいのことは、私はなさるべきだと考えております。ただ私はこの機会にもう一つつつ込んで言つておかなければならない。それはこういう問題に対して、本人の告訴かあるいは傷害なりのはつきりした事実が出て来る。たとえば非常に大きなけがをしておるとか、たれが見ても傷害の事実があるという場合でも、暗がりであつたからたれがやつたかわからぬといつて調査をそのままにされておくつもりであるかどうか。私はそういうことでは事件は片づけられないと思う。あるいは間違つて拳銃の暴発から人を殺すかもしれない。その場合でもたれがピストルを撃つたかわからない。おれの方は間違いがないように訓示してあるからということでは済まされないと思う。事件が大きいから小さいからということで、その事件を処理すべきものでなく、警察官の心構えの問題だ。事は民主警察になるか権力警察になるかという、きわめて重大な問題であるので、警視総監がいないから答弁ができないということでなく、部長としてあなたの私見だけでもこの際お伺いしておきませんと、このままそれでいいと済ますわけに行かないと思います。そうなりますと、われわれの意見をつけ加えなければならないことになりますから、ひとつ私見だけでも伺わせていただきたいと思います。
  145. 原文兵衛

    ○原参考人 当時の警ら関係並びに出動しました予備隊は警ら部に属します、ので、主管部長といたしましてお答えしたいと思います。私実は当時出張中で、そのときにはこちらにはおりませんでしたが、帰つて参りましてすぐこの事件を承りました。十分調査をして将来そういうことがないようにしなければならぬ。もしあつたとすれば、ただいま門司委員の言われたように、教養の欠陷で、主管部長としての欠陷である。十分調査をしてもらいまして、調査の結果は、大園警務部長、また先ほど警備課長から話がありましたように、ガヤガヤ相当罵声を発したというような集団的な事実はあつたのでしようし、また大石代議士が押されたり、また大石代議士がたたかれたとおつしやつていますが、たたく意思はなくても、結果としてはたたいたようになつているかもしれませんが、とにかくそういうことはあつたかと思います。しかしそれを十分調査いたさせましたが、だれがどういう罵声を発し、どういう行動をとつたかということは——これは私どもとしてもできるだけ調査しますし、こういう事件だけでなくて一般の事件につきましてもそういう場合もあるので、大勢でやつているときには調査してもどうしてもわからないときもあります。しかしできるだけ誠意を盡して調査したつもりですが、どの巡査がどうしたということははつきりわかりません。しかしだからと言つて一般的に注意しただけで済むという問題でもありませんし、また将来の問題もありまするから、私から主管部長といたしまして、第一方面の予備隊長並びに出動しました中隊長には十分私の訓告は発しました。私自身の責任と申しますのは、これは教養の主管部長としての責任が十分あると思いますので、自分自身としては責任を痛感して、将来も大いに努力をするつもりです。この間大石代議士にも私はその点は申し上げました。また私の行政上の責任という点につきましては、総監なりがお考えくださると思つていますが、私は責任を感じるし、また私の部下に対しては、その点を十分私から訓告を発しておきました。その点を主管部長としてお答えいたします。
  146. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それから原さんにちよつとお伺いしますがね。私十八日に京都からこちらに帰つて来たのです。そうしたら十九日に衆議院の宿舎に電話がありました。その電話は警視総監が私におわび申し上げたい、それでいつごろお伺いしたらよろしいでしようかという電話でございました。それで私お目にかかつてもよろしいと申し上げたのです。そうしたところがその使いの方のおつしやるには、大石先生ということを存じ上げませんので、そういうふうな失礼な殴打をいたしました、まことにどうも相済みませんでしたと言う。それで私がそれではちよつと質問いたします。代議士とか高位高官、そういつた者はなぐりませんが、大衆はなぐつてもよろしいというような感じを私は受けました。それであなた方は常に高位高官の前では頭を下げて、そうして弱い者の前では非常にいじめていらつしやいます。先日自動車の運転手がこれを聞いて何と言いましたか。私たちは常に警官に罵詈雑言を浴びせられておる、けれども私たちは非常に弱い、妻子眷属を養いたい、それでもし警官に反感を持たれたら、私たちはきよう食うことができないんです、それで彼らに罵詈雑言されても、はいはいと言うておらなかつたら、運転手の免状を取上げられる、そうすると、私たちはもう妻子眷属を養うことができない、どうぞ声なき声を議会を通じて大いに大衆のために闘つてほしいということを言うておりましたが、一体あなた方はどういうふうな教育をしておるのですか。また国会議員というものを非常に小ばかにした。それも私自身が、私は大石代議士である。国会議員であるということを明言したのではございません。そこにいらつしやいます天城さんが、この人は代議士だ、代議士であるから自分の宿舎に帰ろうとしているんだよ、今交通をこうして遮断しているから帰ることができないんだよ、だからここに待つているんだと、そう言うたら、私を七、八人か、十五、六人の人が包囲して、そうして、なに代議士が何じや、そう言うて罵詈雑言。その次に今度は先ほど言いましたように、いばるない、と私のしりをなぐつた。そして、権力にこびるな、こう言う。そういうふうな教育をあなたが日常されている。すなわちあなた方は官僚である。官僚というものは代議士をばかにしている。そういうふうなことが潜在意識の中にある。常にわれわれ代議士を小ばかにしている。代議士の中にも悪い人もいる。よい人もいる。あなた方おまわりさんの中にも悪い人もいる。いい人もいる。一概に私をひつぱたいたからそのおまわりさん全部が悪いとは私は申しません。しかしあなた方は、国会は最高の機関であるということを御存じでございますか。憲法の何條にございますか。それをお教えいただきたい。
  147. 原文兵衛

    ○原参考人 大石代議士のただいまの御質問でございますが、私も実は十八日に出張から帰りましたので、その電話のことは私よく存じません。しかしながら国会議員、国会の尊厳というようなものにつきましても、これは十分教育をしているつもりであります。しかしながら代議士でない者、あるいは普通の公の職にない民間の者は乱暴にしていいとか何とかいうことは、絶対ないのでありまして、だれにでも親切に、また誠心誠意対するというのは、先ほど来国警長官あるいは大園警務部長も言つておられますように、当然民主警察のしかあるべきことだと思います。私らも及ばずながらその点について十分教育もしておりますし、また私の部下は比較的若い人が多いので、元気もあるものでございますから、特にその点については十分気をつけて教育をしているつもりでありますが、しかしこれは私の力の足りない点もうんとあると思いますけれども、まだもちろん十分というところまで行つていません。それにはむしろほど遠い点があるというふうにも考えます。そこで私としましては、この間も申し上げましたように、その点につきまして、当面の責任者には主管部長として訓告は発しておきましたが、全体の警察官、特に私の直接の部下である警察官には、今後も絶えずその点について微力ながら及ぶ限りの教育をして行きたい。教養をして行きたいというふうに考える次第でございます。
  148. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 それから富田課長に……。石田博英さんとの面談のときに、石田博英さんに直立不動で名刺をやつて、私にしりをくれた。そういうような封建性そのもの、人類の半数である婦人を小ばかにした、それでよろしいでしようか。石田博英さんでも代議士です。人間です。なるほどあの人は男です。私は婦人です。けれども明らかに男女は同権なんです。しかも私も博英さんと同じように代議士です。それなのに私に名刺を出さぬ。しりの方を向けている。そうして博英さんにだけ直立不動で名刺を渡している。一体あれはどうなんですか。そうして自分は高文をとつた。高文が何ですか。何をいばつているのですか。そしてあのときあなたは何と言いましたか。あの八日の日、時間は何時ですかとあなたがおつしやつたから、私は多分七時でしようと言つた。そうしたらあなたは、いや八時四十分だ、八時四十分だとあなたは固執した。時間のことを私は言うているのではありません。そうしてだれがなぐつた、だれが罵詈雑言した、そういうことを私は言うているのではない。そうした代議士を小ばかにする思想が私はいやである。その思想に対してあなたに質問した。ところがあなたは何とおつしやいましたか。人類の半数である婦人をばかにするにもほどがある。そういうような封建的な思想を持つた課長が部下を常に指揮しているから、こういう失態があるのです。あなたはどう返事しますか。女と思つてばかにしたらだめだ。女でもこうして代議士になつているのじやないか。それほどあなたが女をばかにするなら、立候補してごらん。どれだけ票数であなたが代議士に当選することができるか。まず私はあなたにそれを聞きたい。
  149. 富田朝彦

    ○富田参考人 まことに申訳ありませんでした。おわび申し上げます。
  150. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 そんな断わりではだめだ。
  151. 藤田義光

    ○藤田委員 この問題の本質が、まだはつきりしない点もありますし、先ほど来大園部長が言つております通り、総監も旅行中のようでございます。本日出られております参考人その他に対する質問は大体盡きたようでございますが、一部には当夜の現場の最高責任者の証言も聞きたいという御意見もあるようでございますので、最近の機会に、総監も帰られると思いますから、ひとつあらためてこの問題——実は大石代議士に対する問題そのものを、当委員会で取上げておるわけではございません。この裏に流れるいろいろな問題がございます。偶然自治警管内にこの問題が起きましたが、われわれも去る四月の地方市長の選挙に際しまして、国警の警察官に尾行された。これは私の郡でありますが、五十三年ぶりに出ました代議士というので、郡民はすべて顏を見知つておるにもかかわらず、私のまくら元まで立ち入つて身元の調査をするという非常識なる警察官が、まだ全国に多数介在しておるという事実を私も体験いたしております。教養の問題とか、先ほど大矢君が質問しました警察定員の全国的な修正の問題等、いろいろな問題が、大石代議士の問題に関連して考えられて参ります。しかも国会内という完全な治外法権の区域内に起きました事件だけに、われわれ立法の機関内の問題として、この点は非常に重視しておるわけでございます。そういう意味におきまして、総監のお帰りを待ちまして、あらためて委員会を開いていただくということで、本日はこの程度にお願いしたらどうかというふうに考えております。皆さんの御賛成をいただきたいと思います。
  152. 前尾繁三郎

    ○前尾委員長 御質疑もありませんので、本日はこれにて散会いたします。     午後四時十三分散会