○河野(通)
政府委員 お尋ねの点は、
日本銀行の支店あるいは事務所等の整理の問題と、人員の整理の問題についてのお話であろうと思います。
第一点の支店の問題につきましては、現在御承知の通り
日本銀行は二十九の支店と二十二の事務所を持
つております。こういうふうに非常に厖大な数に上る地方機構を持
つておりますのは、実は沿革的な
理由が大部分であります。戦争中いろいろ地方分権と申しますか、地方に
中心を置いて、地方限りで片づけるような仕組みをとらねばならなか
つたという事情、また戦時中から
敗戦後にかけまして、金融調整のいわば国家の仕事を、
相当日本銀行をして取扱わしめて参りました
関係上、これらの手足を各地に
相当数置く必要があ
つたのであります。しかしながら最近に至りまして、事情はこれらの点につきまして
相当な変化を来しております。かたがた
日本銀行自体としての機構を簡素にし、また合理化して行く必要のありますことは、今御指摘の通り私どももま
つたく同感に
考えておる次第であります。
日本銀行当局におきましても、この点については従来から真剣に検討を加えて参
つておりますが、近く数箇所の事務所の廃止を実行いたす予定でございまして、これは第一次としてとりあえず
行つて参るわけであります。その他支店の廃止あるいは支店の事務所への格下げ、それらの点につきましても、今後一層真剣に検討が加えられて参る予定であります。御指摘の具体的な問題として北海道のお話があ
つたのでありますが、北海道はお話のように今三支店で、近く釧路に支店ができることにな
つております。この釧路の問題は、少し話がそれますけれども、地理的な
関係でどうしてもあの
地域に設ける必要が、実は起
つたわけであります。しかしながらこの釧路の問題を抜きにいたしましても、あの札幌、小樽、函館の三つの支店は必要でないじやないかという御意見であります。ごもつともな点が非常に多いと思います。具体的に今申し上げました全国的な
日本銀行の店舗の整理の一環として、この問題を至急検討させて参りたいと
考えております。ただいま具体的にどことどこの支店を整理するということまで、申し上げる段階には至
つておりませんが、御
趣旨の点はごもつともな点が非常に多いと思いますので、十分御
趣旨に沿
つて検討を加えて参りたい、かように
考えております。
次に人員の問題であります。人員の問題も、今お話のように戦争前と申しますか、平常のときにおきましては、大体三千人前後であ
つたかと思うのでありますが、現存ではお話のように九千人を越えております。こういうふうに厖大な人員を要するようになりましたのは、先ほど申し上げましたように、
日本銀行の店が非常にふえましたことと相関連いたしまして、その大きな
原因の
一つは、やはり国家事務を
相当大量に
日本銀行をして取扱わしめて参
つたことによるのであります。この点は今後においても国家事務は
相当残りますけれども、たとえば金融調整の事務、具体的な
資金調整等につきましては事情がかわ
つて参りまして、これらの方の仕事は
相当減
つて参
つております。また
日本銀行自体が特別銀行として、また納付金という制度を通じて国家の財政に直和いたしておると申しますか、国家財政と非常に緊密に結びついているという観点からいたしますならば、今お話のように、財政上の見地に影響するところが非常に大きいのであります。この点からも、普通の市中の金融機関に対しても、私どもは極力経費の節減をはか
つて、サービスの向上に充てるようにということを申しておるのであります。この点におきましては、
日本銀行についてさらに一段とその必要性が強いというふうに私も
考えます。人員の簡素合理化、機構の簡素合理化等につきましては、お示しのような線で今後も具体的に検討を進めて参りたい、かように
考えております。