○苫米地(英)
委員 ちよつと簡單な質問をいたしたいと思います。
現在の
日本は物価高で非常に困
つておる。これが国際水準を抜いておるというようなところから、輸出貿易も行き詰ま
つておる。国内の物価高のために生活が圧迫されて、ストライキが各方面に起
つておる。しからばその物価高の原因は一体どこにあるのかと考えてみますと、それは
中小企業の
金融の逼迫であると私は考えておるのであります。そこでこの
中小企業の
金融を緩和しなければ
日本の物価を押えることができず、輸出の振興もできないで、インフレ傾向をますます増して行くと考えるのであります。この
中小企業の
金融難を打開する道は、私はまず重要なものが二つあると思うのであります。その
一つは、
国民金融公庫のようなところで
資金をできるだけ今後も継続して増額して、これを
中小企業にまわす。またこのまわす
金額を現在よりもう少し広げて行くということが、必要ではないかと思うのであります。この物価高と抽象的に言いましてもわかりにくいので、著しい例をと
つてみれば、造船であると思うのであります。この造船の船の値段が非常に高いという原因はどこにあるかというと、この下請工場等の
中小企業が三百以上もある。これが
金融難のために、やみの金を使う。高金利のものを使う。そのために下請工場の生産品が非常に値が高くな
つて、これが結局でき上つた船のコストを非常に高めておるのか事実であります。
政府でこの増産奨励のために各方面で
金融を考えておりますが、これが大体四期にわかれて船会社に渡される。船会社から造船会社へ四期にわけて支払う。ところがこの造船会社が
金融難であり過去の負債があるために、この金をあたためてしま
つて、三箇月、場合によ
つては六箇月の手形で
中小企業者の下請人にや
つておる。そこで最末端の
中小企業者は、その手形をもら
つておるけれ
ども金融はできない。できないから高い金利のものを使
つて、コストを上げて、造船会社に物を納めるということにな
つておるのでありますが、こういうことを打開するためには、
政府が四期に
出しているものをまとめて一期に出す。三十億なら三十億を一期に出すというようなことが非常に有効でありますが、同時にそういうことをすると、インフレをあおるという結果にもなるのでありますから、その辺の調節は相当むずかしいと思いますが、少くともこれを四期にわけないで、二期くらいにわけて、ゆたかに船会社が造船会社に支払い、造船会社がこれをあたためないで、末端に流すということにな
つて行けばいいのでありますが、この
方法については造船会社から、それでは過去の負債が返せないから困るというような、苦情も出るかもしれませんけれ
ども、この辺を
政府が取締りをし、また調節をして行くことがいいのであると思います。ただいま申しました二つの案、
一つは
国民金融公庫に対して、将来
政府はまだ
増資する
——先ほども
増資したいという
お話はありましたけれ
ども、そういうような
計画を持
つておられるかどうか、これが
一つ。もう
一つは、
先ほど申しましたように、大
企業から小
企業に流れて行く
金融を、もう少しくふうする意図を持
つておられるかどうか。これを
銀行局長からお伺いしたいと思います。