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1951-11-22 第12回国会 衆議院 水産委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十二日(木曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 冨永格五郎君    理事 二階堂 進君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君 理事 田中織之進君       小高 熹郎君    川端 佳夫君       川村善八郎君    田口長治郎君       田渕 光一君    福田 喜東君       小松 勇次君    水野彦治郎君       前田榮之助君  出席政府委員         農林事務官         (水産庁次長) 山本  豐君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局保険課         長)      長崎 正造君         農林事務官         (水産庁漁政部          長)    松任谷健太郎君         参  考  人         (損害保険料率         算定会海上及び         運送保険部積荷         運送課長)   櫻井 和男君         参  考  人         (貨物研究委員         会主査)    横尾登米雄君         専  門  員 杉浦 保吉君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 十一月二十一日  白糠漁港修築工事施行請願伊藤郷一君紹  介)(第一五〇〇号)  大船渡漁港修築費国庫補助請願鈴木善幸君  紹介)(第一五〇一号)  鮪立漁港修築工事施工請願角田幸吉君紹  介)(第一五九九号)  小泊漁港修築拡張工事施行請願山崎岩男君  紹介)(第一六二二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  漁港法の一部を改正する法律案冨永格五郎君  外十九名提出衆法第五号)漁船損害補償制度  に関する件     —————————————
  2. 冨永格五郎

    冨永委員長 これより水産委員会を開きます。  まず漁港法の一部を改正する法律案議題として、審査を進めます。  この際お諮りいたします。本案討論に付する段階と相なつておるのでありますが、別に討論の御要求もありませんから、討論を省略して、ただちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、ただちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  4. 冨永格五郎

    冨永委員長 起立総員。よつて本案は満場一致をもつて原案通り可決いたしました。  なお本案に対する委員会報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。  この際小松委員より発言を求められておりますので、これを許します。小松委員
  6. 小松勇次

    小松委員 ただいま可決されました漁港法の一部改正法案運用に際しまして、この際要望いたしたいと存ずるのであります。  この法案改正の要点の一つといたしまして、漁港管理会委員については、漁業者から互選するところの委員七名の互選方法を今回は改めまして、当該所在地市町村長関係水産業協同組合意見を徴して推薦した者から漁港管理者が指名することに相なつておるのであります。この改正は、一見して非民主的であつたかも現行法より後退いたしておるような感があるのでありますけれども現行の規定による互選方法では、互選手続等に多くの経費を要する実情でありまして、かかる経費を節約しつつ現行互選方法と同様な民主的性格を失わないことを期しておるのでありますから、本法の運営にあたりましては、行政官庁はその運用を誤らず、関係水産業協同組合推薦方法が努めて民主的に行われるよう指導せられますことを、この際特に御留意あらんことをお願いするのであります。  なおまた本法によりますると、漁港修築に対しまして、北海道北海道以外の地域における漁港施設に対する補助率が異なつております。この点は社会施策均等化の面より不合理の感を深くいたすのでありますが、今日まで北海道の未開発資源開発を促進するためにかような意が用いられ来たことと思うのでありますが、これらの点につきましては、漁港修築のごとき基本的施設であり、長期にわたる莫大な投資であり、かつ利用と国民の福祉に対する活用の見地よりいたしましても、公平に行わるべきものであると考えておるのであります。ゆえにやがてかような特恵的な取扱いは改むべき含みを持つて本案提出したものであるということを御了承賜りたいのであります。
  7. 冨永格五郎

  8. 冨永格五郎

    冨永委員長 この際お諮りいたします。昨日参考人として御選定を願いました損害保険料率算定会理事海上部長八十島滿晴君は、本日都合により出席不可能となりましたので、この際あらためて同損害保険料率算定会海上及び海上運送保険部積荷運送課長櫻井和男君及び貨物研究委員会主査横尾登米雄君を参考人に選定いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。  それではこれより漁船補償制度に関する件を議題として調査を進めます。まず参考人櫻共和男君より御意見を聴取いたしたいと思います。櫻共和男君。
  10. 櫻井和男

    櫻井参考人 私櫻井であります。最初に機帆船の今の料率のごく概要を御説明いたします。  今の機帆船料率は、保険会社の立場から見まして、全国の地域を割合に危険程度の少いもの、多いものという見地から五つの区域にわけまして、それに対してある程度差別をつけた料率を適用いたすことになつております。北海道の方は、津軽海峡一帯区域とそれ以外の区域によつてある程度料率区別をしております。津軽海峡とその他との区別は、津軽海峡の方の料率を基準にすれば三割程度区別がついていると思います。その他の地域の方が高目にとつてあるわけであります。これが大体基本料率の面における差別でありまして、あと季節割増しとか特殊な割増しがつきますが、その他の地域によつて差別している面は、さしあたり季節割増しがございます。季節割増しというのは冬などのように海が荒れる季節に対して課せる割増しでありまして、北海道方面を申しますと、津軽海峡方面区域冬——どもの冬というのは十一月一日から三月の末日までに貨物を積んで元地を出帆する船を言うておりまして、その冬季割増しとして津軽海峡方面は二割、それ以外の北海道の各地は五割を加重しております。  それから北海道関係の受けその他を今度ある程度改訂いたしましたが、どういう理由に基いてやつたかということを御説明いたしますと、機帆船的な貨物全般成績をまず第一に申し上げますと、私の方で調査いたしました最近の数字として、二十五年度は——二十五年度と申しますと昭和二十五年四月一日から二十六年三月末日までの出帆の船に積んでいるもの、この一箇年間の成績とつたものでありまして、それによると北海道発着貨物成績は、一箇年を通じて見ましても一一七%に達しております。その中で私の方の損害率を申し上げますと、収入した保険料に対してお支払いした保険金の額の比率を見るわけでありますが、百円で百十円お支払いしておりますと損害率が一一〇%、要するに一〇〇%以上になりますと保険会社経費をゼロと見ましても赤字になるということであります。一箇年を通じましても二十五年度の成績は一一七%に達しております。一箇年のうちの内容をよく検討いたしますと、一箇年のうちでも二十五年の八月二十一日以後は基本率はほんのわずかしか下げていないと思いますけれども、いろいろな貨物割増しからある程度実際には引下げが行われております。特に一箇年のうちでも最も手近な二十五年の八月二十一日以後二十六年三月三十一日までの大体七箇月間ばかりの成績を見ますと、一箇年の一一七%のうちでは特に悪くて、一七一%にも達しております。これが海産物以外の全貨物北海道発着機帆船成績であります。実はこれで数字が少しずれるのですが、二十五年度の、同じ年度における一箇年の品物別の統計がまだ私どもの方ででき上つておりませんので、一年ずれますが、二十四年度の貨物別成績をもつてこれを類推したわけです。時間的なずれがちよつとあるのでまずいことはまずいと思うのですが、少くとも二十四年度の態勢が二十五年度に至つて急に変化したというように考える根拠がございませんので、一応二十四年度をもつて推定したわけです。そうしますと、二十四年度における北海道発着機帆船貨物成績は、昨年のこんな悪いことはなくて、五二・四%にすぎなかつた。その以後に料率引下げが行われておりますが、北海道発着貨物全体の成績が五二・四%、このときにおいてすら、海産物成績は八七・六%にも達しておつたのです。ですから、全体の成績が悪いと、おそらく海産物も同様に悪くなつて来るだろうと思いますから、この海産物成績はおそらくもつと悪化しておるだろうと思われます。海産物成績自体が非常に悪い中で、特にWA関係部分損害、分損担保條件引受けました場合の貨物成績だけを調査しますと、同じ二十四年度をとりまして一五三%にも達しておるわけです。こういう諸般の成績にかんがみまして、今般WAをやつておつた一部の貨物分損でないものでなければお引受けいたしかねるというふうにお断わりする面ができたのです。これははなはだ遺憾でありますが、保険会社の従来の経験から言いましても、これで最大のサービスではないか。この当時二十五年度の成績にかんがみまして、とかく最近の半箇年では一七一%にも達しておるので、基本料率その他を全般的に北海道は上げるべきではないかという論も相当行われたわけですが、さらにもう少し情勢を見ようという程度のことで、一応基本料率その他の改訂はやめまして、特に北海道貨物の中でも一番悪いと認められる海産物に対しては、特殊貨物割増しとして一割を加重する。そうして分損担保引受けは一部のものに限定する、こういうことにしたような事情でございます。私の方から申し上げることはこの程度でございます。
  11. 冨永格五郎

  12. 横尾登米雄

    横尾参考人 今櫻井参考人から機帆船積み貨物料率の体系、それから地域差季節差等について御説明しましたので、私は多くつけ加える必要はないのですが、北海道発着貨物保険成績がよくないにもかかわらず、これの全般的な引上げを見送つたゆえんの逆選択ということがあるのでありまして、つまり天候の不良な時期に積み出すものについては保険をつけるが、そうでない場合にはつけないというような逆選択があるものと思われるのであつて、これを料率引上げれば、その逆選択程度がさらに強化されるということが考えられる。従つて料率引上げてみてもいたずらに混乱を来すばかりで、保険成績改善する効果をあげ得ないのではないかということで全般的な引上げを見送つて、そのかわりに海産物について分損担保引受けを見合せるということで、成行きを見ようというような考え方から今回の措置とつたわけであります。それで北海道発着貨物の全部に保険がつけられておれば、もう少し成績がいいはずではないか。つまりこの逆選択の問題があるために、分損担保引受けについて十分なる見通しが立たないというのが今回の措置とつ一つ理由であります。
  13. 冨永格五郎

    冨永委員長 この場合、委員各位にお知らせ申し上げます。水産庁次長山本豐君水産庁漁政部長松任谷健太郎君、大蔵省保険課長長崎正造君が出席せられております。この際御質問があれば、これを許します。川村委員
  14. 川村善八郎

    川村委員 まず伺いたい第一点は、大蔵省保険課長にお聞きしたいのであります。保険は大体社会政策一端となつておりまして、たいていの保険については、政府がそれぞれ国庫負担をして助成しておるというのが今日の姿であります。直接保険料負担しておらぬでも、何らかの形において国家が助成をしておるということは事実であります。先ほど来、横尾櫻井君からいろいろ御説明を受けたのでありますが、結局保険会社が損をするから分損保険も認めない、地域差保険も高くしなければならぬ、季節保険料も高くしなければならぬ、こういうふうなことでやはり御説明しておるようであります。そこで私は、保険というものが社会政策一端であるとするならば、被保険者に対しましては負担を軽減してやるということと、従つて保険者にある程度まで保護を加えてやるといたしましたならば、国庫負担でそれぞれ分に応じて援助しなければならぬでないか、かように考えておるのでありますが、大蔵省当局といたしましては、もちろん国家の財政も考えなければならぬ、その他諸種の事情等を勘案しなければならぬので、容易でないとは思いますけれども、ひとりこの貨物保険のみならず、漁船保険についても、あるいは一般に今日行われておりまする生命保険とかその他いろいろな保険があるのでありますが、こうしたような保険、特に水産物海上輸送保険についてはどういうお考えであるか、この点をまずお伺いしておきます。
  15. 長崎正造

    長崎説明員 ただいま御意見のありました保険会社について、公共性のある機関であるから、何らかの形で政府保護を加えておるという点でございますが、これは保険業法に基きまして損害保険会社及び生命保険会社免許のもとに設立が許されて、そうしてその後監督しておるという意味ではまさにその通りであります。保険会社公共性にかんがみまして、保険契約者保護するために免許にもかけますし、また常時監督をいたしておるというわけでございますが、普通の民営保険会社につきましては、どこまでも独立採算ということで、国庫補助はいたさない建前になつております。しかしただいまお話がありましたように、どうしても民営保険会社ではやつて行けないもの、たとえば漁船保険あるいは農業保険といつたようなものについては、御承知のように国庫補助をしてやつておるというわけでございます。  そこでただいま問題になりました水産物海上保険というようなものでございますが、これはどちらかといいますと、海上保険の一環として商業的な保険というふうに考えられまして、保険会社において現在行つておる。従いましてこれは一般海上保険その他の火災保険と同様に、保険会社採算のとれるようにということが根本になつております。しかし保険監督行政というものは、保険契約者保護をはかるというのが第一の眼目でありますので、保険料率が不当に高くなつたような場合には、保険会社あるいはただいまの料率算定会というようなものに注意を与え、また常時事業成績というものをとりまして、引下げを行わせるということにいたしております。今の機帆船料率でございますが、戦後非常に成績が悪かつたので保険料率引上げたことがございます。その後状態がだんだん改善されておりますので引下げて参り、そうして十一月一日からは、機帆船積み積荷海上保険料率につきまして、全体として一三%くらい引下げてもよろしいという結論が出ましたので、これを実行いたしました。ただその場合に、瀬戸内海相互間輸送のものが非常に成績がいい。そして北海道発着のものは、ただいま算定会からも説明がありましたように、あまり成績がよろしくなかつたのであります。しかしこの際これを引上げるということはどうかということで、これは大体すえ置き、全体としては多少低くなつておると思います。海産物についてはあるいは多少上つておる面があるかとも思いますが、特殊な例外を除き、全般的に料率引下げを実行いたしたわけであります。その場合私どもとして問題にいたしました点は、分損を従来担保にしておりました海産物は、分損を不担保にするという説があつたのですが、これは全部分損を不担保にすることはどうかと思いまして、木箱積みの物は分損担保にしておいたらどうかということを私の方から申しまして、改めさしたという経緯があるのであります。しかしその場合の改め方が、木箱積み乾燥海産物ということになつておりました関係から多少問題が残つておるように実は聞いておるのであります。これらの点については、なお御意見も伺い、また契約者方面の御意見をも伺いまして、さらに再検討をいたしたいというふうに考えております。
  16. 川村善八郎

    川村委員 ただいま漁船保険とかその他社会政策的なものは国家が補償する、機帆船貨物保険については商業意識を持つておるというようなことをおつしやられましたが、機帆船に積むものにしても、一体何を積んでおるかといえば、決して商業的意識のものばかりでない。かりにあつたとしても、その一つ一つ日本国民生活物資である、私はかように見るのであります。特にこの水産物食糧であります。米麦同様、むしろ日本におきましては、獣類の肉の蛋白質給源が少いために、四面環海日本水産物蛋白質食糧を求める以外にないのであります。かような意味から行きますと、人の生命を保つ上から行きましても、また将来日本国民の養成をするといたしましても、また十分なる活動を進めるといたしましても、蛋白質給源ほど重要な栄養になるものはない、私はかように考えるのであります。従つてこれを輸送するにおいて、それが保険に現われて来るという場合においては、やはり国家相当保護すべき政策をとるべきではないか、私はかように判断するのであります。これをさかのぼつて申し上げますと、かつて戦争中あるいは戦後にわたりまして、この蛋白質給源が非常に窮迫した際に、統制までして、好むと好まざるとを問わず価格を押えて、日本国民生命をつなぐためにはどうしても出せといつて国家が強いた時代があつた。これは何ゆえかというと、日本国民栄養を十分に保持しなければならぬ、国家の再建をはからなければならぬということで統制を強いた、私はかように考えるのであります。しかも統制撤廃の場合にも、一番躊躇したのは水産物であります。こうした観点から考えますと、どうしてもなくてはならない栄養の素質を持つておる水産物には、やはり社会政策的な保険をもつて当るべきだ、私はかように考えるのであります。こうした意味からいたしまして、民間で水産物等に十分なる保険をつけることができないとするならば、これは改めさして、国が負担をして公共性を十分持たせるべきではないか、かように考えておりますが、その点において私と意見の食い違いがあるのであります。すなわち国民の直接の衣食住になくてはならないものの輸送に当るものは、国家補償において保険会社なりあるいは制度なりを設けるべきである、私はかように考えるのでありますが、その点は将来十分に検討して、あとであなたの考えを修正していただけばけつこうであります。  次に機帆船貨物の積出しに対する海上保険料基本算定であります。この表を見ますると、基本料金にすでに非常な地域差がついておる。たとえて申し上げるならば、北海道東京近海とは違うという点、さらに同じ湾内で東京湾等を見ますると、これは特別扱いをしておる。伊勢湾等もその通り。ところでいわゆる青森の方は、これは青森湾と申しますか、あの辺も相当に届出が多いところで、何ら災害の心配がないというようなことは、地図の上でもはつきり現われております。それから北海道におきます噴火湾のごとき、これらもちようど琵琶湖と同じくらいな面積であつて、これらも絶対安全地帯である。こうしたようなところは安全地帯として何ら特別の扱いをしていない。こういう点を見ますと、いわゆる特別保険料金引下げなければならないという区域に入れておらないというようなことの理由が那辺にあるか。あまりに不公平じやないか、かように考えるのであります。この点はどういうふうな見解を持つておるか、まずこの点をお答えを願います。  それから次にもう一つは、函館青森の間の地域差であります。これらは北の海であるから、危険であるとばかり解釈しておるようでありますが、最近は北の海の災害よりもむしろ南の方の災害が多いのではなかろうか。例を申し上げますならば、この間のルース台風キティ台風ジエーン台風、いずれも南の方の災害であります。そして船が沈んでおる。あるいは函館青森の間の航海という問題に対して、私は最近災害を受けたという船は聞いておりません。しかるに北海道のみをとつて、特に北海道損害が多いとか、海産物保険は非常に損をしておるとかいつたようなことを言つておりますが、これはもう少しあなたの方の研究が足りないのじやないか。この地域災害がどのくらいの差になつておるか、先ほど申し上げましたジエーン台風キティ台風ルース台風、これらの台風で受けた損害というものは莫大なものである。北海道の最近三箇年なり、五箇年の青森函館間の災害は、どれくらいになつておるか、この点をおわかりになつたらお答えを願いたいのであります。  それからもう一つは、地域差保険でありますが、北緯三十四度以北の航海番号(二)、(三)は二割増しで、もちろん十一月一日から翌年三月末まで、(五)の地域は十一月一日から三月末まで五割増し、こうなつております。表を見ますと、大体北の方が全部五割増しになつてつて、南の方は二割増しになつておる、この点はもちろん保険会社の方では、冬に損害が多いというようなことで、おそらくこうした差をつけたと思いますけれども、これらのことは、われわれから申し上げますと、先ほど例をとつて申し上げましたと同様に、決して北の方ばかりが災害が多いのでなくて、南も多いのであるから、もう少しこれも検討する余地があるのでなかろうか。極端に言うならば、二割に一割を増して三割増しとするぐらいならまだいいが、二割増しと五割増しだというと、二倍半以上の増額になつておる。かようなことも言えるのであります。この点はどうでありますか。  それから次は危険貨物等については、割増しをするのは鉄道でもあることでありますから、この点はいいが、分損を認めないという理由であります。先ほど説明されたところによると、海産物分損を認めないという貨物が多いようであります。分損を認めないとするならば、将来われわれが積み出す場合において、航海する以上は、しけになりますと、必ずぬれ荷が出るのははつきりしております。これはだれもすき好んでぬれ荷をするものはありません。ぬれ荷になりますと、価格というものは半額になります。保険料をもらつただけではとうてい引合いません。ですから、だれもぬれ荷を好んでいないが、事実出るのであります。そこで実際にそういう損害があるものを保険しないということは、単に保険会社が利益のみに汲々としているから、そういう分損を認めないのだと判断するより方法がありません。私が考えますには、分損損害の率が多いとしたならば、保険料率を上げるがよろしい。決して保険料をそのままにしておけというのではありません。また保険金を支払うときには、いわゆる保険料とにらみ合せて損害がありとするならば、これは引下げてもよろしい。極端に言ならば、分損を認めるかわり、その分損の場合の保険金を下げてもさしつかえないのであります。こういつたようなことを私は考えておりますが、どこまでも分損保険を認めないのか、またそうしたいろいろな改善をいたしまして保険料をきめた方がいいと思いますが、あなた方はどう考えるか伺いたいのであります。  それから次にお伺いいたしたいのは、全然保険のつかない水産物もあるということを聞いております。これらは何々であるかわかりませんが、北海道相当に漁獲し、また水産物として輸出もされ、また国内消費相当ありますところのいか製品のごとき、いわゆる俵積みのごときものは、保険がつかないということでありますが、これらについてもほんとうにつかないのかどうか。また何らかの方法で今後改善をする。それには輸送改善もありましよう、あるいは積荷の場合に何トンの船にどのくらい積んだ場合には保険をしないとかいつたようなこともありましよう。いろいろありましようけれども、そうしたような改善をして、全部が保険の対象になることにした方がいいのではないかと考えますが、以上の点についてお伺いいたします。
  17. 櫻井和男

    櫻井参考人 今の御質問の点について私から御答えいたします。  最初の御質問の点でありますが、津軽海峡とか噴火湾が非常に平穏ではないかという点でありますが、その点は先ほども申し上げましたように、北海道のその他の区域から見ますれば、これは非常に優遇しております。津軽海峡噴火湾をそれではそれ以外の、たとえば本州の方の沿岸の諸地域なんかと比較すれば、先ほど申しました表によつてもおわかりの通り、内地とか、瀬戸内に比べれば非常に悪いのでございます。  それから次の問題でありますが、瀬戸内海の方でも、たとえばルース台風とか、ジエーン台風とか、いろいろの被害があるではないかというお話でございますが、これは保険会社の立場から申しますと、たといルース台風とか、ジエーン台風とかが参りましたとしても、その損害を支払うに足りるだけの保険料が平常から収入しておれば、大きな損害が来ても、ちつともさしつかえはないのでございます。瀬戸内方面は、機帆船全体の保険料から見ますれば、七割以上もこの地域で占めておりますので、夏季に台風一つや二つ来ましても、平生の蓄積でその損害は十分填補できるのでございます。二十五年度の保険料を見ましても、瀬戸内関係で四十四億七千万からの保険料が上つておりますから、これを全部台風損害だけに充てるわけに行きませんが、台風で一億くらいのずれが出ましても、保険会社としての経営に少しもさしつかえない。これに対しまして北海道の方の保険料は、二十五年度で二千万円くらいしかございませんので、ちよつと冬場に海が荒れまして二、三ぱい機帆船がごそつと沈めばそのままです。これは絶対的に台風とか、暴風があるとかいうことでなくて、先刻横尾参考人から申し上げましたように、平生から保険をどの程度つけておるかというその程度いかんの面と、保険会社の立場から言つて平生どのくらい険保料をいただいておるかという面と相互関係になるのであります。絶対的に台風とか、何とかいう数だけではないのでございます。幾ら動いておつても、保険がついていなければ、保険の方では無関係なのでございます。  それから次には割増しの点が問題になつておつたようでございます。北の方の海で、津軽海峡とか、津軽海峡方面の二割に比較して、それ以外の北海道の五割は高いではないかというお話がございましたが、今これを証明するだけの資料を持つておりませんが、北海道全般としても悪うございまして、やはり津軽海峡とか、噴火湾とか、その近辺の海に比べますと、釧路方面、小樽方面、稚内方面の海が悪いというのは、これは遭難の事故の統計によつてもすぐ立証できるようになつておりますから、必要があればいつでもこちらから御返事申し上げます。  それからWA禁止の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、海産物全般としても非常に成績が悪い。特に海産物の中でもWA引受けの冬における成績が非常に悪い。これを料率面の引受け面だけでアジヤストするか、お引受けできないことにするか、非常にいろいろな考え方があるかと思います。たとえば料率面をあげまして、分損担保引受ける場合の割増しを十割増しにするというようなことは、少くとも今までの保険会社の常識では非常におかしな話でございます。大体現在の常識としましては、分損担保割増しができる貨物で出すのは、せいぜい五割ぐらいがその常識であろうと思います。万一十割なんか出しておつけになる向きがあるから出せとおつしやられましても、私の方の従来の経験からしますれば、一応お出ししましても、一般の契約者全般から考えますれば、やはり分損担保の條件で保険をつけるという利用者は非常に少くなるだろうと思います。また数字が二十四年度になりますが、北海道海産物全般のうちで、分損担保の條件で保険をおつけになつておるのは、私の方の二十四年度の統計によると、わずかに四%しかございません。最近ふえたかどうかこちらの方の予想はできかねますが、大体この数字を基準にして申し上げますと、五割増しのときにすらわずかに実際的には四%程度のものしか分損担保の條件はお申込みになつておらなかつた。これはたとえば十割増しとかいうようなことで一応出せば、特殊な意図のある方以外は御利用にならないのではないかということは、結局私の方では、非常に悪い意味の逆選択に利用されるにすぎないのではないかと予想します。  それから最後に保険引受けられない貨物があるというお話は、私の方ではそういうことは全然ありません。ただいま申し上げましたように、分損担保ができない貨物が一部ございますが、分損担保でなくてもつけられないという貨物は現在全然ないはずでありますから、それは何かお間違いではないかと思います。
  18. 川村善八郎

    川村委員 今櫻井君の御説明で、北の方保険の支払いが多くて入るものが不定だということでしたが、これはそうなるかもしれません。これはなぜかというと、貨物輸送、すなわち鉄道輸送にほとんど依存しておつて北海道から直接船で来るということは、万やむを得ざる場合だけに積出しをする、これが大体の常識になつております。鉄道輸送は、春から夏の間、大体八、九月ごろまでは比較的順調に行くが、それ以後になりますと、吹雪だとか、海ばかりでなく陸上のいろいろな支障のために、鉄道では十分に輸送できない。こういう点から、内地の方にはどんどん物資を送らなければならないというような急がれる場合に、初めて機帆船輸送をやるんだというのが常識になつております。今でもその鉄道輸送が十分にできませんので、運輸省と相談して、船団を組んで毎月函館青森間の大体五百トンの輸送をしております。こうした場合は、国家輸送機関である鉄道では十分に輸送できないから、まつたくその船団が国家的使命を帯びてやつておるのであつて、何もすき好んでやつておるのではありません。これらが損害を受けた場合においても、この分損保険もなければ、また保険料を船自体が高く払わなければならないということで今問題となつておるのであります。このことについて運輸省当局の大臣初め次官、局長、課長等には折衝したのでありますが、何らか考えようということにはなつているけれども、いかんせん保険については運輸省の所管でありませんので、あなた方に今日来ていただいて、説明も受け、あるいはここで懇談的にお伺いもして、その緩和でもしなければならぬのではないかということになつて、きよう委員会へ出ておられるようなことになつておるのであります。でありますから、今大蔵省の方が言われたように、単に商業意識的なことでやつているというものであれば、一方にはもうかるということもあるが、国家輸送機関たる鉄道が十分に輸送できないために機帆船で計画輸送をやつているものに対して、分損損害保険もなければ、さらに今度は保険料が高いということになりますと、その物自体も非常に高く皆さんに供給をしなければならぬことに相なると思う。先ほど私は、大蔵省の方も、何らか政府補助する方法がないかどうか、さらに地域差保険料についても方法考える余地はないかということで伺つておりますが、これらを十分に検討をしていただきたい。商業意識的のものであるならば、これは何も本委員会で取上げてどうこう申しません。ただ現在計画輸送をしている方々に多額の保険料を払わせて、せつかく国家に協力をして輸送しておるものに、運賃にもならないといつたようなことで、実際に困つておる姿を見ておるのである。それで何とかここでこの処置を講じなければならぬというので、今委員会で取上げて参つたわけであります。でありますから、ここで議論をしておるよりも、十分に懇談をして、その打開策を講じようと思うのであります。私は現在の保険料金の問題その他季節差、地域差の問題等について、何らかの差をつけて保護してやるべきだと考えますが、これ以上質問はいたしません。皆さん方におかれてもその点を十分御考慮願いたいと思います。  最後に、北海道では保険の加入者が不足であるということは、今聞いて初めてわかつたのであります。しかしそれは保険会社そのものの宣伝が悪いのではなかろうかという点も考えられます。その点において保険会社等が十分骨を折るべきである。第二の問題は、北海道一円の保険会社が組合とかいつたようなことでやりますと、相当保険加入の勧誘ができるのではないか。であるから北海道を一本の地域にしてそうしたような運動をした方がいいのではないかと考えます。もう一つは、大蔵省の方に先ほど申し上げましたようなことでありますので、十分に御調査をなさつて、今後運輸省とも御相談して、計画輸送に対しては何らかの処置を講じてやるという頭になつていただきたい。運輸省からもさらにそういうことを持つて来られるはずでありますし、私らもいろいろお願いいたしたいと思いますので、その点御了承を願いたいと思います。
  19. 冨永格五郎

    冨永委員長 今川村委員から、保険料率と運送保険に関する御意見の開陳があり、それぞれ答弁がありましたが、この場合委員長より要望しておきたいと思います。  機帆船貨物海上保険料率の一部を改正することに対しましては、第一点として、北海道航路の冬季間、すなわち十一月一日より翌年三月末日までを危険期間として、東北海区及び津軽海区は二割、北海道海区の東及び西岸は五割の季節増となつており、第二点として海産物の厚むしろ、俵詰、たる詰の輸送については五割となつておるのであります。以上二点は本年十二月二十五日より実施されております。水産業の現状をよく認識せられ、しかも今述べた事情等を考慮に入れまして、急速に中止せられるよう善処されたいことを希望いたします。  また北海道産物の太宗にして、本邦の栄養食料品である海産物の特殊性、特に塩干物、するめ及び塩辛類似品の輸送に対しては、現在分損を認めないという御説でございましたが、青森函館間の従来の事故を見ましても、三年に一度五年に一度という程度のものであり、そういう事故のないものであれば、保険がいらないではないかという説もあるようでございますが、これらはやはり保険をつけることによつて金融等の信用の裏づけどもなると思います。しかも分損制度の確立は、こうした水産物輸送の絶対條件になつているのであります。十月二十五日から木箱詰に対しては認められておりますが、長崎保険課長説明によつてみましても、損害保険料率を改訂し、その内容が示された際に、乾燥海産物、木箱詰というものの注意があつた経緯もお述べになりましたが、先ほどの課長の御説明では、監督指導の任にある大蔵省として、水産関係に対する認識不足か、あるいは熱意ある御調査が不足であつたか、結果としては私どもの非常に不満な状況に置かれておるのであります。従つて私的に御会談申し上げたときも、私御要望思し上げておきましたが、俵詰、厚むしろ及びたる詰もさらに追加せられまして、早急に分損制度を確立せられるよう強く要望いたしておく次第であります。
  20. 松田鐵藏

    ○松田委員 大蔵省保険課長に私要望するのでありますが、現在漁船には漁船保険は会社で保険会社に対する保険料率また事務的ないろいろのサービス、こういうものが漁民の意に満たない点がたくさんあるために、漁民みずからがいろいろと考案しまして、漁船保険組合をつくつて、相互によるところの保険をやつておるのであります。これは大蔵省においてもよく御承知のことと思います。また漁船保険組合に対して、水産庁においてもあらゆる方法を講じなければならぬという観点から、この行政を行つておるのでありますが、今日九州における台風によつて、鹿児島県などにおいては四千そうからの漁船が壊滅しておることは、大蔵省でもよくおわかりのことと思います。また九州全体、中国においても同様な惨害を来しておるのであります。そこでどうしても漁船保険制度を確立しなかつたならば、漁民としてまじめな生業に立つて行くのに非常な不安を感ずるということが一つ、また漁船保険が徹底していないために、不備なために、こうした大きな災害を放つて置いたならば、大きな社会問題になる。国はこれに対して救済しなければならない。保険課長もこの問題は十分研究されておることと思いますが、救済するにしても、どこにどういう基準があるか、どのような方法でやつて行つたらいいかということが、実際において政府としての非常な悩みの種だと私は考えております。大蔵大臣もこれがため、われわれと数度にわたつて会見いたしまして、あらゆる方法研究中であります。こうした大きな災害が出て、漁船が壊滅に瀕し、政治問題化しておる今日において、そのとるべき方法がないという現在の段階になつているがために、私どもといたしましては、漁船損害補償制度を確立せんとしてあらゆる努力をしておるのであります。しかしこれに対して大蔵省でも今日の段階をよく察知して、主計局においても明年の予算の中において何とか研究しなければならない、考究しなければならないという観点から、多少の制度を確立する段階にまでなつておるのであります。いずれ通常国会においてはこの法案が成立することと私は確信いたしておるのであります。ところでここにおいて私どもの一番考えられることは、既設の漁船保険会社に対して圧迫する意思は毛頭ないのであります。またこれも両立して行かなければならない。しかしここにおいて私どもの成案は二十トン未満の漁船ということでなく、百トンなり五十トンなりという船は、任意にそこに加入することができ得る制度にしようと思つておるのでありますが、この点が聞くところによると、日本の社会保障制度が確立していないために、GHQにおいても、百トン以内の船をこの制度の恩典に浴せしめようというわれわれの考え方に対して、とかくの議論があるということを聞いておる。     〔冨永委員長退席、二階堂委員長代理着席〕 またあなたの立場として、既設の保険会社に対してもこれを育成して行かなければならないという角度から、また別な観点においてお考えになつておることもあるだろうとわれわれは察するのであります。しかし現在の漁民の段階として、普通にある損害の場合においては、これは損害保険会社をたよつてつてもかまわないだろうけれどもいつ来るかわからない台風において、大型漁船損害を受けるような場合において、われわれはもつともつと日本の国の社会保障制度の安定を来すために考えておかなかつたならば、だめではないかという考え方を持つておるのであります。イギリスの例を引いても、あの通り戦勝国であるイギリスはりつぱな社会保障制度の確立を見ておる。ただ役所の建前から両者を育成して行くことも非常によいが、漁民大衆がそういう災害の場合に産業を失い路頭に迷わなければならないということと、この点をよく対照して行つたならば、この場合、漁船としても大資本を擁しておる百五十トンなり、二百トンなり三百トンという船に対してまでもやれとは、われわれは要求いたしませんが、せめて五十トン、百トン以内の漁船であつたならば、この恩典に浴させるよう、政府の援助によつて、社会保障制度の確立をして行くことが、最も今日の日本の産業を助成する問題になるのではないかという考え方を持つておるのであります。そこでわれわれは百トン以内の漁船に対して、この漁船損害補償制度のわくの中に入れたいと考えておりますけれども、仄聞するところによると、大蔵省当局、しかも保険課においてもそういうような会社との関係ということも考慮されておるようにも聞くし、また日本の実情のしつかりわからぬGHQにおいてこれに反対の空気があるということも聞くので、今実は躊躇しておるところであります。あなたが事務的に日本の社会的に日本の社会保障制度をどう考えて行かなければならないかという御決心によつて、われわれが希望する、漁民が希望する百トン以内の漁船に対してこの要綱の恩典を適用するようにでき得ることにもなるのであります。あなたはまだこの法案の要綱を読んでおられないかもしりませんけれども、どうか要綱をひとつ研究してくださつて、漁民全体の利益のために、でき得ることならば百トン以内の漁船にもこの法案を適用するように、特段の御高配を願いたいと思うものでありまして、私は今日は要望にすぎないのでありますが、申し上げておきます。     〔二階堂委員長代理退席、松田委員長代理着席〕
  21. 二階堂進

    ○二階堂委員 時間もございませんので、私簡単に委員長意見を申し述べまして善処していただきたいことがあるのであります。申し上げるまでもなく、水産が日本経済に持つ役割はきわめて重要なものであります。特に国際経済の観点からいたしまして、外貨獲得の面から申しましても、戦前あるいは戦後におきまして非常に大きな役割を果しておることは御承知の通りであります。なおまた食糧資源確保の点から申しましてもこれまた申し上げるまでもないのであります。水産がいかにわが国の経済再建の上にも重要であるかということは、万人これを認めるところであります。そこで私どもは、この重要なる産業を育成強化するために、先々の国会より水産省設置の問題を取上げて、いろいろ論議いたしたのでありますが、第十一回国会におきましてはこれが審議未了となつたので、はなはだ遺憾に考えたのであります。しかし水産の重要性にかんがみまして、農林省の中に水産庁が設置され、また衆参両院におきましては水産委員会も設置されまして、この重要な水産に関する諸問題の解決に努力いたすことになつたのであります。私どもはこの重要な産業をバツクに持つ水産省の設置を、政府に今後とも強力に要望して行きたいと思つておるのでありますが、現在においてはまだその段階に至つていないので、はなはだ遺憾に考えておるのであります。しかし私どもは、水産庁ができまして、一つの独立官庁として機能を発揮しておる今日、でき得べくんば先ほどから申し上げますように、大臣をもつて予算の問題等につき、あるいはいろいろな水産に関する問題の解決等につきまして、大きな発言権を持ち、威力を持つていただきたい。かように思つておるわけであります。今日まだそこまで至つておりませんが、少くとも私は、先ほど申し上げましたような意味合いにおきまして、水産庁の長官が次官会議くらいには当然出席して、そうして大きな発言をいたしていただきたい。今日地方自治庁におきましても、あるいは海上保安庁におきましても、賠償庁におきましても、それぞれの立場から次官会議にも責任者が出席いたしまして、いろいろな問題について強力なる発言をいたしておるのであります。私は地方自治庁あるいは海上保安庁、賠償庁以上に、水産庁そのものは大きな発言力を持つべき地位にあるものと強く考えるのであります。そこで今後水産庁の長官が、少くとも次官会議には列席されまして、水産の問題に対する予算獲得の面であるとか、あるいはいろいろな水産に関連しての問題の解決に強い発言をしていただくことが、大きな産業の育成強化に役立つゆえんではないか、かように考えるものであります。もちろん先ほど来申し上げまするごとく、水産省を設置して大臣を置き、大臣が閣議において大きな発言力を持つようになさなければならないのでありまするが、その第一前提として、私は少くとも水産庁長官次官会議に出席されることができるように、委員長において早急に党の総務会あるいは農林大臣、官房長官に申入れをしていただきまして、この私の要求をぜひ実現させていただくように、強くお願いを申し上げるのであります。おそらくこれにつきましては、各委員すべて同意見であると私は考えておりますので、早急にこの要望を、以上申し上げました党総務会あるいは農林大臣、官房長官等に申入れをしていただきたいのであります。
  22. 松田鐵藏

    ○松田委員長代理 この場合各委員にお諮りいたします。ただいまの二階堂委員の御趣旨はもつともな、適切なる事柄であると考えますが、皆さんの御意見はいかがでありましようか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  23. 松田鐵藏

    ○松田委員長代理 皆さんも同意見であるがゆえに、急速に党の機関及び農林大臣、官房長官に対し、それぞれ二階堂委員の趣旨を伝達し、実現を期したいと存じます。その運動をいたします。  本日はこの程度で散会いたします。     午後零時十三分散会