○川村
委員 小型機船底びき網
漁業は、御承知の
通り資源の
関係と他種
漁業に非常な妨害があるので、何としてもこれは
整理しなければならぬのであります。もちろん業者お互いも、このままに放置しておくならば営業が成り立たないというようなことで、今
水産庁ではこれを立案して本
委員会に
提出されておるようなわけであります。だがただいま小松
委員からの
質問に対して二、三私は疑義が生じましたので、その点をお伺い申し上げたいと思います。
第一に、
小型機船底びき網の漁船には無許可船と許可船があるが、減船
整理にあた
つてはもちろん無許可船を先にする、そればかりではない、現在許可を持
つてお
つても許可
通りや
つておらない、すなわち違反をしておるものもやはり
整理をして行かなければならないと言われた。それはもちろんでありますけれ
ども、私が考えますに、許可船がもし違反をしてお
つたとするならば、これを是正せしめて軌道に乗せて行くことがほんとうではなかろうか、無許可船はまずも
つて許可船より先に順次
整理をして行くということでなければならない、私はかように思うのであります。許可のあるものがわずかの違反をしたからとい
つて取消すとか
整理をする、そうなるとこれまで見のがしてや
つたものを許可船同一とみなして、それもある場合には残るのだというような感じが部長の
発言に対してするのです。というのは、
先ほどから許可船と無許可船があるのだ、建前としては許可船は残したいが、しかしながら許可船といえ
ども正しくやらない船がある、だから許可船を
整理しないということはできないというふうなことを言
つているが、そうでなく、まず許可船を正しい操業の仕方に持
つて行く、あるいは船舶のトン数がふえておるとするならば、これは正しい方向に向けてやるような指導をする。それから軌道に乗
つた正しい船であろうと、現在
水産庁が考えておる
小型機船底びき網
漁業の要綱等に合致するものであ
つても、まずも
つて無許可船は第一に
整理の対象にすべきものだと思う。そうでない限り今後の違反は防止できません。すなわち許可船が十隻あ
つた、そこに二十隻の無許可船が出た、極端に言えば、何百、何千、何万という無許可船が出たとするならば、許可船も無許可船も同じ対象にな
つて整理されるという矛盾が出て来るだろうと思います。だから許可船は正しい船にして残すという建前で、まず無許可船から順次
整理をして、
昭和三十一年までには
水産庁の考えている隻数に減船をしてしまう。そうでなくて、無許可船も許可船も一律に対等ということはおかしい。私
どもは対等ではないと思う。片方はどろぼう、片方はちよつと間違
つてや
つているのだ。こういうことを同じにしては、今後の
漁業の秩序は立ちません。
従つて部長の考え方を直していただきたいが、その
意思があるかどうかということが第一点。
第二の問題は、総トン数、総馬力のわくをやる、だからこれは
都道府県知事その他調整
委員会あるいは
漁業協同組合で按配してやるだろうという
お話であります。しかし私はそうではないと思う。按配することは事実でありますけれ
ども、一応要綱とか政令、省令で小型底びき網とは何トン、何馬力以下ということが明らかに提示されております。
従つていかなる場合においても、総トン数のわく外であ
つても、その一隻のトン数と馬力は
制限されるものと私は考えているが、この点はどうか。
第三点は、ここに異議の申立てができるようにな
つております。この第七條に「前條一項の規定による通知を受けた者は、当該通知に係る指定に不服があるときは、
都道府県知事に対して異議を申し立てることができる。但し、同項の規定により公示した日から二十日を経過したときは、この限りでない。」こうな
つております。無許可船、極端に言うならばどろぼうしておるものが異議申立てをすることにな
つたならば、これも将来
漁業秩序は保たれない。であるから許可船が
整理される場合には異議の申立てができるかもしれない、これは常識であると思いますが、無許可船すなわちどろぼうが異議の申立てをして、こういう
漁業をやらせるということになりましたならば、それこそもう何でもかんでもむちやをや
つて違反を起して、あるいは密漁をや
つて、異議を言わせなければならないというふうな習慣をつけるのではないか。これがやはり将来
漁業経営の上に無秩序操業をさせる原因となると私は考えるのであるが、この三つの点を一体部長はどう考えておるか、その点をここで明らかにしていただきたいのであります。