○松田
委員 まず先ほどの永田
委員に対しての、マツカーサー・ラインが今日の場合やむを得ないではないかという長官の発言は取消していただきたいと思います。さもなければ、われわれはここに重大なる決意をしてかからなければならないものと考えるのであります。
次に、大洋
漁業というものは、日本の水産の面からいつたならば最も重要なる、代表すべき
漁業会社である。この会社は、もし日本にして大洋
漁業がなかつたならば、日本の水産というものは、どのような立場になるかということをわれわれが考えてみるとき、最も重要であり、有力な会社であると考えております。ゆえにこの会社はあらゆる点から
言つて——新しき
漁業法がわれわれ自由党の手によ
つて成立をし、新しき制度ができ上
つて、あらゆる面に対して民主化された
漁業を営まなければならぬ、また一日も早く
漁業協定を結ばなければならない立場にな
つておる日本として、いま少しく大洋
漁業というものは自粛自戒をして、沿岸漁民との摩擦をなくし、しかして沿岸漁民のでき得ない
漁業を大洋
漁業が行い、日本の
漁業の進展を考えて行
つていただかなければならないという観点から、今までわれわれは大洋
漁業の非をついておるのであります。これを反省させようと考えておるものであります。この点に対して
水産当局として、あなた方の手が及ばないのであつたならば、潔く永田
委員の言われるように、総退陣をしていただきたいと思うのであります。
次に、先ほど永田
委員から申された
北海道のさんまの問題でありますが、これは私の選挙区でありまして、最も緊密なる状況にあり、よくこの
事情を
承知しておるのであります。また私が八月において
川村委員、田渕
委員とここに調査に行つたときにも、さんまの問題こそは
北海道漁民として真に自粛自戒をして行かなければならないものである。内地とのいろいろな
関係もあり、今までの
水産委員会において幾たびか論議された問題であり、真に
北海道の漁民として自粛自戒をして行かなければならないということを力説し、指導をして参つたものであります。ところが先ほど永田
委員から発言のあつたように、わずかに四そうの船の摘発により権利を返還したことによ
つて、これが解決を見たという現在の段階にな
つておるのであります。ところが九月でありましたか、
農林大臣を私が御案内を申し上げて根室、釧路地区に入つたときにおいて、坂本
北海道会議員がお出迎えに
なつたのであります。時たまたま根室の坂本与平審議という名刺を出した。それから漁民が二十人ほど
農林大臣を迎えたのであります。このときにあた
つて開口一番、根室の漁民は何のためにぼくを迎えに来たか、今や日本の国は
漁業協定を結ばんとするときである、君らは国の
法律を破
つてさんまの自由出漁などをしたということはも
つてのほかのことである、かような漁民は日本の水
産業を冒涜するものであり、日本の信頼を裏切るものである、こうした強い意味において、そこで罵倒されたのであります。ところで坂本道議が、私どもはさようなよのでない、りつぱに法を守
つて出漁しておるものである、一部の者がこうした煽動をしたものであ
つて、それらは
漁業協同組合長であり、
理事であり、専務である、かようなものと、ここへ来ておるわれわれ漁民とを一緒にされては困る、われわれはどこまでも自粛自戒しておる、国の
法律を守
つて出漁しようとして準備をしておつたものである、かように答えられたのであります。すべてそうした
漁業協同組合長や
理事などに対しては、嚴重なる
措置をとらなければいけないじやないか、君らは漁民の手によ
つてこれを葬り去
つてしまわなければいけないじやないかということを、その当時
農林大臣から私の面前できつく
指摘されたのであります。ところが坂本道議が日本の
漁業を守るためにあらゆる勧告をしたということを聞かされております。しかし組合長である川端氏は、七月二十五日に試験船と称して出漁させて七千五百貫の漁獲をした。それを夜間別な船に積み込んで冷蔵庫へ保管して販売したということです。それを漁民が騒いだので、その火を消すために、
高橋課長が行つたときにおいて、漁民を煽動して遂に十二日か十三日に出漁をあえてしたということを聞かされておるのであります。しかも坂本道議は、根室の漁民全体のために彼らを告発しておるのであります。りつぱな漁民としてこの首謀者に対して告発をしておるのであります。これは
農林大臣から先ほど申したように、非常なる激昂をされてしかられて、新しい日本の漁民として立
つて行く立場において坂本道議はこれを告発しておる、かような段階にまで進んでおるのであります。それこそは
水産庁のその
措置があまりにも微弱なるために、何らその
内容を調査しないために、か
つてにごまかされてしまつたという段階にな
つておるのであります。しかもその一人の中村一という者は、今回坂本から告発されたさんま密漁問題は、告発状にあるごとく
漁業法違反となるかどうかはすべて取締りの結果にまつとして、この問題について次のように
説明したと新聞に出しておるのであります。「立山丸を出漁させたことは道の依嘱を受けたさんま協会がやつたことで、川端氏の
関係したことではない、」などということを
言つております。「私はさんま協会会長として川端氏に試験船として立山丸の提供を受けただけだ、周知の
通り、試験船は国家の試験船でありながら費用は全部地元が負担することにな
つておる、
従つて漁があればよし、ないときは大欠損となるわけだ、二十五日から出漁したのは
水産庁、道水産部、さんま協会の
会議で二十五日と決定しながら出漁させたので、その後一日からと
変更にな
つても通知が遅れたため二十九日まで出漁したので、しいてその
責任を追究するなら、さんま協会が負わねばなるまい、試験船として船を提供した川端氏を攻撃したり告発するなどは筋違いの話だ、さんまの自由出漁の問題を内浦丸初め四隻の自粛休業の形で解決したのは」ここが重要であります。「
水産庁、道庁と話合いの上きめたことで、あれほど騒いだ内地
業者も了解したほどだ、坂本氏はトロールに
転換したのは
当局をあざむいていると
言つてるそうだが、自粛休業すると称してさんまに出漁したなら
当局をあざむく行為と言われてもやむを得ないが、他に
転換したのは忠実に
責任をとつたからだ。」かように彼は
言つておるのであります。ところでいつの日に
水産庁道水産部、さんま協会が二十五日からの出漁を協議したとか調査をさせようとか、かようなことは私は一向にないことだと思
つておる。しかも私どもが尾中事務官を一緒に同道したときにおいて、二十五日からの解禁であるから十五日ごろから道と
水産庁に連絡をと
つて沖合いの調査を
北海道の水産試験場でやることはいいとしても、君らが
漁業を対象としてやるようなことは絶対しては困るということを言うて来たのであります。
水産庁は、道水産部とさんま協会とこういう問題を協議したことはないだろう。私は聞いていない。またこの問題が出てからも漁政部長、
高橋課長とも話し合
つてみたが、さようなことは一向にないと言う。世の中は目明き千人、盲千人、ばか八千人といいますが、これがほんとうのものと思うのであります。小さな新聞でもこれがほんとうのことだと思うのであります。ところがあにはからんや、一方においては
農林大臣から叱責されるし、
水産庁はかようなことはしたことはないと言うし、また四隻の船は川端氏に
関係のある船ばかりだ。
漁業協同組合長であり
理事であり専務である、かような者が漁民を煽動して、あのいまわしき戰争以前に侵略
漁業の日魯
漁業がカムチャツカに自由出漁したと同様な行動をとつたのである。これに対して松任谷部長はまんまと、ごまかされてしかもその船がさんまを切りかえたときは底びきに出ておる。幸か不幸か二隻はソ連に拿捕された。これもマツカーサー・ラインを
通り越したことでないと私は信じておるが、その付近においてこれがマッカーサー・ラインを
通り越して拿捕されたとしたならば、先ほど言われた太洋
漁業と同じことになると私は考える。そのほかにもかにの密漁をやり、これを常習手段としておる。こうした悪徳
漁業者に
水産庁はどのような考え方を持
つてかような微温的な行動に出たか。話を聞けば、先日の
委員会ではつきりと、
瀬戸内海の零細漁民が海区を侵して出漁したというので、十八才の少年までも牢獄につながれておると
報告されたのである。
北海道は自分の選挙区である。肉親とは言わないが、自分の会社の者がやつたとしても、
漁業違反をやつた者に対してはあえて断をも
つて進まなければならないと私は信じておるのであります。しかるに一方においては十八才の少年も牢獄につながれ、一方においては
漁業協同組合長なるがゆえに、また
理事なるがゆえに、専務なるがゆえに、しかも公安
委員をしておるがゆえに、かような者がこのいまわしい自由出漁をあえてした首謀者としたならば、どういうような
方法に進まなければならないかということぐらいは、よく
水産当局としてもおわかりのことと思う。しかしこれによ
つて処罰をして来たのだから、鑑札を取上げたのだからそれでよいなどということであつたならば、まじめに日本の水産を樹立しなければならぬと考えておる坂本という
北海道道
会議員の面目は丸つぶれになり、日本の
漁業法というものは根底からくつがえされることになると私は考えておる。しかも現在
北海道の道会においてもこの問題が論議されて、大きな見出しでも
つて北海道新聞にも出ておるのであります。われわれは新しい
漁業法を守るために、あえて当
水産委員会においてこの問題を取上げておる。しこうして
水産庁の誤まれる処罰
方法に対しては断固たる態度をも
つて臨まなければならないと考えておるものであります。これは告発状も出ておるのでありますが、この実態を調査して、あなた方
水産当局においてこれをどのように処罰する御
意見があるか、この点に対して承りたいと考えるものであります。