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松任谷説明員 漁業法の一部を改声する
法律案につきまして、
提案いたしました
改正條文について、逐條御
説明申し上げたいと思います。
提案理由にもございましたように、現在の
小型機船底びき
網漁業なり、あるいは
旋網漁業なり、それから瀬戸品海の
機船舶びき
網漁業等については、
漁業許可の
権限自体につきまして、これを
知事に委任する必要がございますので、
法律の
改正によりましてその範囲を明確にいたし、その範囲において、
知事に
許可の権限を委任すると、う態勢をとるわけでございます。従いまして、
漁業法の六十六條の二といたしまして、「中型まき
網漁業、
小型機船底びき
網漁業又は
瀬戸内海機船船びき
網漁業は、船舶ごとに都道
府県知出の
許可を受けなければ、営んではならない。」どいうふうに、三者について
知事の
許可を受けさせるような態勢をと
つたのでございます。その三者の範囲はいかなるものかというのが二項にございまして、
中型旋網漁業というのは、総トン数五トン以上六十トン
未満の船舶によ
つて旋網を使用して行う
漁業、これは主務
大臣が
許可をする場合を除くわけでございますが、それを
知事の
許可に委任するということを規定し、さらに
小型機船底びき
網漁業につきましては、「総トン数十五トン
未満のスクリューを備える船舶によ
つて底びき網を使用して行う
漁業」という範囲で
知事に権限を委任し、それから
瀬戸内海の
機船船びき
網漁業の範囲は、「濫費内海において総トン数五トン以上のスクリューを備える船舶によ
つて船びき網を使用して行う
漁業」という範囲に限定したのでございます。そこで問題は、
提案理由にもございます通り、
小型機船底びき
網漁業につきましては、
減船整理の
処置を講ずるということ、それから
旋網漁業につきましては、現状をストップして
調整の
処置を講ずるということ、それから
瀬戸内海の船びき
網漁業につきましては、転換の方途を講ずるという実体的な
処置に即応して、
法律上その根拠を規定したのでございます。それが三項、四項、五項というのに現われて参
つておるのでございます。
まず第一に、三項は、主務
大臣は
漁業調整のため必要があると認めるときは、
都道府県別に第一項の
許可をすることのできる船舶の
隻数、それから合計総トン数もしくは合計馬力数の最高限度を定めたり、あるいは海域を指定してへその海域についてその
許可をすることのできる船舶の総トン数でありますとか、あるいは馬力数の最高限度を定めることができるというふうにしまして、
知事が行う
許可の
わくを與える根拠を規定したのでございます。その
わくを與える場合において、その最高限度をきめるという場合には、主務
大臣が中央
漁業調整審議会の
意見を聞いて、
愼重に実体に即応した
処置をとらなければいかぬということが四項でございます。そこでこの最高限度がきまりますると、それを越える船舶というものができて参りまするので、
都道府県知事が、その越える船舶について
許可をする権限は持つわけでございまするが、それを
許可してはならないというふうに、具体的に
わくで
実施させるような
処置をはかるという意味でございます。
それからその次の
漁業法の百三十八條に六号をつけ加えましたのは、罰則の規定を加えたのでございまして、すなわち六十六條の二の規定が加わりますと、それに対する罰則、すなわち
知事の
許可を受けないで、以上申し上げました三つの
漁業について
漁業をやるような場合につきましては、罰則を適用するということになるわけでございます。
以上が本文で、経過法といたしまして附則が書いてあるのでございます。
第一項は、現在のところ中型旋網、
小型底びき並びに船びき網につきましては別々に
実施して参る
予定で進んでいるのでございまして、まず
小型底びきにつきましては、できれば来年の一月から
実施して行きたいというふうに考えておりまするし、中型旋網につきましては、来年の三月一日を目途にオール・ストップの準備を進めているのでございます。それから
瀬戸内海の船びきの問題につきましては、
小型底びきと相前後してこれを
実施して参る
予定でございますので、この
法律の施行期日を、以上申し上げましたような準備の態勢に合せてきめて参るという意味合いから、公布の日から起算して三箇月を越えない
期間において、中型旋網の問題、
小型機船底びき網の問題、
瀬戸内海機船船びき網の問題といつたような区分を考えつつ、政令できめて参るという
処置を考えているのでございます。
それから附則の第二項につきましては、中型旋網につきまして、現在
知事の
許可を受けているものを、
許可事務を省略する意味で、施行後一年以内に
許可期間の切れるものにつきましては、その期日までということでございますが、それをつないだ経過規定にな
つているのでございます。すなわち
漁業法第六十五條第一項の規定による都道
府県規則に基いて、
知事が
許可いたしました五トン以上六十トン
未満の船舶でやる
旋網漁業というものであ
つて、この
改正法規によりまする六十六條の二の規定のうちの
中型旋網漁業の規定が施行されるときに、まだ
知事の
許可が効力を持
つている場合につきましては、以上申しましたような
処置でつないでおくということでございます。
第三項につきましては、ただいま旋網について申し上げましたと同
趣旨のもとに、
小型底びきについて規定しているのでございます。すなわち、
機船底曳
網漁業取締規則第二十六條の二の規定に基きまして、
知事が
許可いたしました総トン数十五トン
未満のスクリユーを備える船舶をもちまして
機船底びき
網漁業をや
つておるというようなもので、その
許可の
関係が、
漁業法の本件の
改正の
小型機船底びき
網漁業の規定が施行になる際に、現に効力を有するものは、施行後一年の間は継続してできるというふうにつないでおるのでございます。括弧内は、先ほど申しましたような一年以内で
許可が切れてしまうというようなものについては、その切れる日までということでございます。
それから四項でございますが、これは現在いわゆる
以東底びきとして
大臣の
許可を受けております磯船底びきの中に、十五トンに満たない
漁船が相当あるわけでございます。この数は大よそ六百隻といわれておるのでございますが、そういつた数の
漁船があるわけでございます。この
大臣許可は、本
改正案が施行になりますると、この
改正案によりまして
小型底びきという範疇に入るのでございます。しかしながらこれをすべて
小型底びきとして処理するということにいたしますと、実質的には
以東底びきが、より沿岸を操業することを認める結果にもなるわけでございますし、
各地におきまして底びき船が沿岸
漁業を圧迫するという行為が起
つておりまする現在におきまして、いろいろと問題を起すことになりますので、
法律施行後一年間は、かかる十五トンに満たない
以東底びき船というものにつきましては、本
改正法を適用しないでおいて、依然として
以東底びき船として、
小型底びきより沖合いで操業させる、従来の操業区域によ
つて操業させるというようなことを考えておるのでございます。従いましてこの一年間に極力増トンを
実施しまして、十五トン以上の船として正式に
以東底びき船としての資格を備えるように指導いたしまして、
小型底びきの範疇に入
つて参るというようなことを防止できる
期間をつくつたらどうかという考えでございます。万やむを得ずに十五トン以上のトン数に増加上得ない、
従つて小型に落ちるというようなものにつきましては、現在いろいろ準備いたしておるのでございまするが、いわゆる
小型底びき
整理減船に関する基本的な
法律を
用意しておるのでございますが、そういつた
法律に基きまして、
整理減船されるようなことがあるわけでございます。この場合におきましても、本来の
小型底びき船と、それから
以東底びき船から落ちて参つた底びき船と取扱いをどうするかというようなことは、
愼重に検討して考えて参りたいと思
つておるのでございます。なお御
参考までに申し上げますと、
小型底びきに関するこの
法律が施行せられると同時に、現在の
機船底曳
網漁業取締規則を
改正いたしまして中型
機船底びき
網漁業取締規則といつたような規則に改めて、十五トン以上の船を規制する
対象にするというように準備をはか
つておる次第でございます。
それから五項につきましては、
瀬戸内海の
機船船びき
網漁業の経過
処置でありまして、先ほど申し述べました二項の旋網の場合、三項の
小型底びきの場合と同様の経過
処置をとりまして、
知事が
許可したものにつきまして、本法
改正案に該当するようなものにつきましては、施行後一年を限
つてその
許可のつなぎをいたすというような建前にな
つておるのでございます。
以上が大体この
改正の逐條の御
説明でございます。