○柄澤
委員 仕事を減らしてというお話でございましたが、仕事を減らすことによりまして、当然全体の行政の立場からお
考えになりますならば、そのことが
国民の利益にならなければ、これは結果においてはマイナスになると思うのでございます。統制のことも、今度は定員法について修正案をお出しに
なつたように承
つておりますが、しかし今までの実績から見ますと、たとえば石炭の統制を解きました場合にも、これは何ら
国民にはプラスにな
つていないという実績があるわけでございます。現にまた鉄道の場合でもそうでございます。定員が減らされて、はたして
運賃が安く
なつたか、あるいは輸送量が実際に
国民の経済生活を円滑に推し進めているかと申しますと、それはまつたく別な立場に立
つて、逆にな
つているということは事実が証明しておるわけでございます。ただいまのような御
説明では、この重大な
人事院の
勧告も無視するごとき
給與法、あるいは定員法というものは納得できないのでございます。もつと別なところに深い根があ
つて、大きな立場からおやりになるのだという御
説明がなければ、納得できないのでございます。石炭なんかは統制を解きますと、どんどん上る、そうして暖房用炭もたけない、民需産業にはほとんどまわらないというような状態、鉄道にいたしましても定員法で首を切り、また資材費を下げましてから、どう
なつたかといえば、三鷹事件のようなものが起きておる。三鷹事件だけではございません。せんだ
つての桜木町事件なんかも起きております。これも
政府ははつきりこうおつしや
つておる。旅客輸送なんかはあとまわしにいたしまして、貨物輸送に全力をあげます。ということを言われました運輸
委員会の直後に、桜木町事件というものが起きておるのでございます。そういたしますると、
国民の損害を少くするという
理由で、
給與あるいは人員の問題をおきめになりましても、私どもはそれだけでは納得いかないのでございます。ですから具体的に、今、
政府がどんな大方針のもとに
給與をこれだけ押えるのだ、あるいは人員をこれだけ減らすのだというようなことが出されませんと、私どもは
国民のため、
国民のためという美名でやられておりますことが、どうも
一つ一つ返されておりますので、納得がいかないのでございます。なぜ私どもがこういうことを申し上げますかというと、普通の労働者と違いまして、
公務員には御存じのように争議権というものがございません、やれなくな
つております。そういう状態で
人事院の
勧告というものがそれを保障するのだということにな
つているわけでございます。私が申すまでもなく、このことは十分御承知だと思うのでございますけれども、その
人事院の
勧告からはるかに下まわつたものが、今すでに予算に組まれまして、
人事委員会の開かれる前に、もう開始されておるのでございます。ですからただいまこうしていたしますことは、衆議院としてはまるでただ便宜的と申しますか、形式的に開いたというような、実に遺憾千万な形で
人事委員会が開かれ、皆様の御
説明を承
つているわけでございますが、これに対して一体
国会が責任を持つのか、
人事院勧告をほんとうに実施するのが、
公務員に対する
政府のきめた
法律的な身分保障であるのか、閣議できまつたものが、
国会のすべてを無規して、どんどん通されて行くのが
政府の方針なのか、その点につきまして、はつきりした御答弁がいただきたいと思います。