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1951-11-13 第12回国会 衆議院 行政監察特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十三日(火曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 佐々木秀世君 理事 島田 末信君    理事 塚原 俊郎君 理事 内藤  隆君    理事 小松 勇次君 理事 猪俣 浩三君    理事 山口 武秀君       大泉 寛三君    岡西 明貞君       鍛冶 良作君    田渕 光一君       野村專太郎君    藤田 義光君       森山 欽司君    加藤  充君       松本六太郎君  委員外出席者         証     人         (協同殖産株式         会社取締役)  安藤 定文君         証     人         (日本専売公社         総務局長)   曽田  壯君         証     人         (会計検査院検         査第三局大蔵事         業検査課長)  新木 正義君     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  日本専売公社関係事件     —————————————
  2. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 これより会議を開きます。  日本専売公社関係事件について調査を進めます。ただちに安藤証人より証言を求めることといたします。安藤定文君ですね。
  3. 安藤定文

    安藤証人 はあ。
  4. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ただいまより日本専売公社関係について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書を朗読してください。     〔証人安藤定文君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 では宣誓書署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  安藤証人の略歴について簡単に述べていただきたいと思います
  7. 安藤定文

    安藤証人 協同殖産に入りましたのが二十三年の十月でございます。
  8. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 その前は
  9. 安藤定文

    安藤証人 その前は、日産火災海上保險株式会社におりました。上海支店長をしておりました。
  10. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 役所なんかに勤めたことはありませんか。
  11. 安藤定文

    安藤証人 役所に勤めたことはございません。
  12. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ずつと保險事業に……。
  13. 安藤定文

    安藤証人 大正十二年に大学を卒業して以来、民間会社ばかりです。
  14. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうですか、よろしゆうございます。二十三年に協同殖産株式会社に入つたのですが、その協同殖産会社設立の目的あるいは時期、資本金重役の氏名、業務内容等について御証言を願います。
  15. 安藤定文

    安藤証人 二十三年の八月三十日の創立で、公称資本金が三十万円、その当時の取締役中村建城松田令輔服部辰藏才川満雄、それと私です。発起人がそのまま取締役に就任しました。それから監査役田村秀吉濱口幸雄の二名でございます。その後濱口幸雄さんは退任されました。それから取締役では中村建城氏が退職いたしました。
  16. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 業務内容は……。
  17. 安藤定文

    安藤証人 業務内容は、火災保險代理業並びに不動産の取得売買となつておりますが、業務の実際はほとんど火災保險代理業であります。
  18. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 火災保險だけですか。
  19. 安藤定文

    安藤証人 そうでございます。
  20. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 何か国有財産関係仕事をして……。
  21. 安藤定文

    安藤証人 国有財産と申しますのは、御承知通り陸海軍造営物民間に一時使用許可、あるいは使用認可をされておりますのが大分あるのでございます。これの管理上、火災保險をつけさせております。それを私どもが独占ではございません、ほかの代理店もやつておりますが、私どもが大体財務局の承認を得て代理店として扱わさせていただいております。
  22. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 昭和二十四年に専売公社公共企業体として発足するにあたつて火災保險契約を結ぶことになつた経緯及びその予算の成立に至る経過について、知つている範囲で述べていただきたいと思います。
  23. 安藤定文

    安藤証人 あれは二十三年と思いますが、マツカーサー元帥からの書簡によりまして、専売公社鉄道公社ができることになりました当時から、われわれ業者から見ますと、火災保險契約されるものじやないかという見方をしていたわけです。そこで二十三年の暮れごろからと思いましたが、専売公社へお伺いしまして、今度はこちらも公社になつた関係上、多分火災保險契約をされると思うについて、ひとつ扱わさせていただきたいということをお願いしたのでございます。しかしその当時、専売公社にはまだ積立金制度火災損害をカバーするとか、あるいは自家保險をどうとかいうふうの御意見が大分ございましたので、自家保險火災保險会社への契約との得失利害を大分お話申し上げて、聞いていただいたわけでございます。
  24. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、マツカーサー元帥覚書の出たのは昭和二十三年七月ですが、保險契約をしたのは二十四年でしよう。
  25. 安藤定文

    安藤証人 契約したのは事実二十四年の八月になりましたが、私どもお願い上つたのは、あの書簡の直後でもありませんが、専売局専売公社となられたときから、お願い上つたわけでございます。
  26. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、大体一年近くも……。
  27. 安藤定文

    安藤証人 大体一年近くお願いに上りました。
  28. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、契約をするために約一年近くも専売公社運動というか、要するに契約運動ですね……。
  29. 安藤定文

    安藤証人 了解をいただくために相当骨が折れました。
  30. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それをやつたのですが、協同殖産がこれの契約にあたつて、一年間にどういう運動あるいは役割を演じたか、大体お話願います。
  31. 安藤定文

    安藤証人 これは今申し上げたように、ほかにも取締役がおりましたが、保險経験を持つていたのは私だけなのでございます。それで私が一番さきに実は、これに注目したのでございます。それでいろいろの人の御声援をいただきましたけれども、私はその時分経理部長のところにお伺いして、保險の実際問題についていろいろお話申し上げました。
  32. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 最初あなたがマツカーサー覚書が出て、専売公社に行きましたときの係は小島さんですか。
  33. 安藤定文

    安藤証人 あの時分は、伺いますと、経理部長が担当されるんじやないかというようなことを伺いましたので、経理部の方へお伺いしたのでございます。
  34. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 局長でなく部長に……。
  35. 安藤定文

    安藤証人 はあ。まだあの時分部制局制になつておりませんでした。
  36. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そのときの部長はだれでした。
  37. 安藤定文

    安藤証人 そのときの部長小島さんといいまして、今東京地方局長をしておられます。
  38. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そのときに、あなたはその人に、マツカーサー覚書に基いて保險契約されるであろうということで運動に行つた
  39. 安藤定文

    安藤証人 そうでございます。
  40. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 あなたのところの協同殖産というのは、大体顔ぶれを見ると、大蔵役人が大部分なのですが、これは大蔵省の方の関係専売公社とその契約を結ぼうというような考えが発足当時からあつたんじやないですか。
  41. 安藤定文

    安藤証人 そういう意味ではございません。実はその前に私外地におりまして、引揚げて参りますと、私の高等学校時分からの友人なのですが、松田という男が同胞援護会を引受けておりまして、その関係松田氏の方へ、私から保險の何か別途の機関をやつてみたいがという相談をしまして、それでつくつたわけなので、ございまして、別にその当時まだ専売公社の問題は全然考えておりませんでございました。
  42. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、協同殖産重役の陣容は、大部分大蔵省関係ですが、これを選定なさる場合には、あなたがなさつたのですか。それとも元の大蔵省総務局長をしておりました松田さんが、重役のその顔ぶれを集めたのでございますか。
  43. 安藤定文

    安藤証人 これは私は松田氏と友人関係で話した関係から、松田氏の満州関係の人が入るはずだつたのですが、いろいろな都合で入れなくなつたのであります。もう一人その当時私の同級で金山という男があつて、その人に入つてもらうはずだつたのが、金山氏が公団の方に入つて脱けられましたので、松田氏から中村建城氏を推薦していただいた、こういう関係はあるのでございます。
  44. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そういう関係はおありでしようが、昭和二十三年に協同殖産にあなたが入つた、そういうことで協同殖産ができた。たまたま二十三年の七月にマツカーサー覚書なるものが出た。これは保險専売公社契約されるものだ、それじや専売公社関係ならば、大蔵省関係役人をたくさん集めた方が仕事がしやすいと、われわれは常識から考える。各会社営利会社ですから、契約をたくさんとるためには、専売公社に顔のきく大蔵官僚を集めた方が、契約はたくさんとりやすい、こういうように常識的に考えるのですが、あなたはそう考えませんか。
  45. 安藤定文

    安藤証人 そうではありません。協同殖産設立当時には、まだ専売公社の問題は全然考えておりません。むしろ私の考えておりましたのは、私保險会社におりました経験から、国有財産財務局関係でございますが、こちらの方は従来から代理店を通さずに、会社が直接にこれをやつておりました。それで十五社で分担しておりましたのですが、たまたま私のおりました日産火災というのが幹事会社から落ちていた。それでひとつだれかにお願いして、日産火災を有利な立場に持つて行きたいというのが私の立場であつた
  46. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 何もそれが悪いというのでつつ込むのではないが、国有財産にしろ、専売公社にしろ、当然これは国家機関のものです。だからその契約を結ぶには——国有財産専売公社も、みな大蔵省関係であるから、大蔵省関係役人をしていた連中や何かを会社重役に備えておけば仕事がしやすいということは、悪いとか何とかいう考えでなく、会社営業成績を上げるという面からいつても当然考えられるのです。あなたはそうじやない、そうじやないと盛んに否定されるのですが、その点どうです。
  47. 安藤定文

    安藤証人 ただいまは専売公社という問題でなかつたということであります。
  48. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 専売公社関係だけでなく、国有財産全般に対してそういう考えは一応起きて来るだろうというのが私の考え方ですが……。
  49. 安藤定文

    安藤証人 私としては、その当時別に大蔵関係の人をお願いしなければ、国有財産の方をやらせていただけないとは考えておりませんでした。多少の便宜はあるとは思いましたが、財務局には私の知つている人もおりましたし、その当時の局長も私どもより学校が二級ばかり下の人で、ございました。ですから、必ずしも中村建城氏や松田氏をわずらわさぬでも話はできると思いましたが、ただ協同殖産というものの人的構成を、われわれの友人関係でつくろうとしたところにあつたのでございます。たまたま松田令輔学校時分の同級生であつたものですから、そういう関係で、だれかお願いするという場合に、中村建城氏をお願いしたようなわけで、その前に金山氏に社長として入つてもらうつもりであつたが、金山氏が入らなかつたので、中村建城氏を推薦していただいた、こういうわけであります。
  50. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 わかりました。そのパーセンテージの考え方ですが、多少という意味と、われわれはうんとあつたのではないかという違いだけであつて、その考え方議論してもしかたありませんから、その程度にしておきます。  保險契約について代理店割込運動が盛んにあつたということですが、その模様を御存じの範囲証言願いたいと思います。
  51. 安藤定文

    安藤証人 専売公社につきましてでございますか。
  52. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 専売公社です。
  53. 安藤定文

    安藤証人 最切はどこも知りませんでしたことと思います。保險会社の方は動いたかもしれませんが、そのうちにだんだん事務的に非常に煩瑣な問題がございまして、その前にとにかく保險をつけるかつけないかという問題については、ずいぶん議論がございましたし、それからいよいよつけるということがきまつたといううちに、保險料予算を立てたということもあつたのですが、その当時初めて多少代理店間に問題になつて動いた向きもあつたと存じますが、しかしこれは私どもの方への直接の話ではございませんで、むしろこれは当局への話であつたと思います。     〔佐々木(秀)委員長代理退席、委     員長着席
  54. 篠田弘作

    篠田委員長 代理店はどういういきさつできめましたか。
  55. 安藤定文

    安藤証人 代理店は、話に聞くところによりますと、三十社くらいの代理店が動いたそうですが、私の方へ直接来られましたのは五店ばかりだと思います。それで私の方に話がありましたものについては、こういう性質のものですから、そうやたらに競争するという立場をとらず、なるべく協調して行きたいという建前から、いろいろの事情をしんしやくして、最初代理店は四店かで扱うことになりました。
  56. 篠田弘作

    篠田委員長 あとは幾らですか。
  57. 安藤定文

    安藤証人 二回目の契約のときに一店、別に入りました。
  58. 篠田弘作

    篠田委員長 全部で五店ですか。
  59. 安藤定文

    安藤証人 最後に五店になりました。
  60. 篠田弘作

  61. 安藤定文

    安藤証人 いいえ、専売需品というのは最初契約のときに入つておりまして、その次の第二次の契約のときには入らずに、専友社が入つたのです。
  62. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると専売需品は拔けたのですか。
  63. 安藤定文

    安藤証人 第二次にはけたのです。
  64. 篠田弘作

    篠田委員長 このうち三協実業以外は、全部大蔵省出身者、もしくは専売局出身者会社の幹部及び実務担当者になつておるという話なんですが、その通りですか。
  65. 安藤定文

    安藤証人 私ども、来られました各代理店人的構成はあまり存じません。大体聞いてはおりますが……。
  66. 篠田弘作

    篠田委員長 選ぶ標準が会社保險業務に関する経歴とか、実力とかいうよりも、むしろ人的構成に重きを置いておられたのではないですか。
  67. 安藤定文

    安藤証人 人的構成は私にはよくわかりません。専売需品と申しますれば、専売公社との関係はあるだろうということはうすうす推定せられるのですが、しかし代表者がはたしてどういう方であつたか、それはよく存じません。ただその五店だけがわれわれのところに協調して来られたのです。そうすると、われわれは競争ということはなるべく避けたい。
  68. 篠田弘作

    篠田委員長 そうしますと、専売公社保險会社との契約、仮契約といいますか、それは二十四年八月の一日に成立したのですか。
  69. 安藤定文

    安藤証人 そうでございます。
  70. 篠田弘作

    篠田委員長 ところが代理店取扱いは十一月の八日から決定しておる。
  71. 安藤定文

    安藤証人 いいえそうではございません。代理店というものは、ただ契約が成立するまでの中間のあつせん機関でございますから、それまでは別に何にもございません。結局は契約のときに代理店というものは介在するものなんでございますから……。
  72. 篠田弘作

    篠田委員長 ところきのうあたりの専売公社経理部長証言に見てもわかる通り代理店というものは、実際問題として自分の方はいらないと言つておる。そこで自分の方では、専売公社保險会社と結局契約をすればよいのであつて代理店をだれを使うかということは会社側関係でしよう。
  73. 安藤定文

    安藤証人 それはそうでございます。代理店と申しますのは……。
  74. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは委員長許可を受けて発言してください。あなたとぼくと雑談しているんじやないですから……。そこでこちらの尋問が終つたら、委員長言つて許可を受けて発言するようにしてください。  そこでこちらの調査によると、実際は二十四年の八月の一日に仮契約ができておる、そこでそのあとで十一月の八日になつてから代理店が決定しておる。そうしますと、この保險契約というものそのものが大体非常におかしい。なぜであるかと申しますと、昭和、十一年から三十年間、専売局火災にかかつた損害は百九十万円ですが、そのほかに震災と戰災とを合せて千八百万円かそこらきりない。三十年間に関東大震災を合せて千八百万円きりない。そういう損害きりなかつたのに、あらためて公社になつたからといつて、七千数百万円もの保險金拂つてこれを付したということは、非常におかしいという議論があるわけです。なぜそういうことをしたかというと、専売公社手数料をとらせたいためにやつておる、こういう意見が世上流布されておる。このために保險料というものを今調べておるわけです。だからあなたが初めから、専売公社との保險代理店が加入して申込みを受取つたものであるか、専売公社代理店を通して契約したものであるか、あるいは経理局長の言うように、代理店というものは全然拔きにしてわれわれは契約しておる、代理店あと会社側が指定をしたのだ、こう言うのであるが、あなたは知らなければ知らないといつてよろしいし、知つているならば知つているで、はつきり言わないといけませんよ。
  75. 安藤定文

    安藤証人 その点は、公社の方の正式の手続はどういうふうになつておるか私にはわかりません。ですが、これは代理店として私どもの介在しておつたことは、保險会社側公社も認めてはおられたはずでございます。第一、私ども保險会社よりも先にこれをお願いしておるのでございます。但し代理店というものは、契約者代理店でなくて保險会社代理店でございますから、公社の方で、その見解をどういうふうにとられるかは存じません。
  76. 篠田弘作

    篠田委員長 それで、あなたの方は協同殖産ですね。
  77. 安藤定文

    安藤証人 そうです。
  78. 篠田弘作

    篠田委員長 実際の実務をあなたの方でやりましたか。
  79. 安藤定文

    安藤証人 実務は私どもの方で全部やつたとは申し上げかねるのです。保險会社でなければできない事務もございますから……。ですが私どもの方は、代理店として仲介をすることが希望でございますから、データをいただくとか何とかいうときには、私ども上つてデータをいただいております。この厖大データのために長い間事務的に時日を消費しております。
  80. 篠田弘作

    篠田委員長 ところがこの協同殖産以外の会社は、ほとんど実務に携わらなかつたということですね。
  81. 安藤定文

    安藤証人 これは最初から私どもの方は介在しておりました。ところがあとから協調を申込まれたのでございます。ですから事務も、中間代理店が四社も五位も入つたのでは事務が混乱するのでございます。というのは、この事務というのはデータがたくさんありますので、従来の記録が非常に少かつたために、私ども実地調査という面も非常に多かつたと同時に、書類の整理というものは実に厖大なものであつたのでございます。
  82. 篠田弘作

    篠田委員長 よけいなことを言わぬでもよろしい、こつちが聞いたことだけ答えればよろしい。協同殖産以外の代理店実務に携わつたかどうかということを聞いている、携わつたとしたならばどういう実務に携わつたか。
  83. 安藤定文

    安藤証人 ほかの代理店も携わらないとはいはないのでございますけれども、私ども最初から扱つた関係で、事務の方は私どもの方にまかせていただきたいという希望も申し述べまして、私どもの方で代理店というものは大体やつたつもりでございます。
  84. 篠田弘作

    篠田委員長 だから四社も五社も代理店は入つたけれども実務の方はあなたの方にまかせてもらいたいということで、あなたの方でやつたのでしよう。
  85. 安藤定文

    安藤証人 結局そういうことになります。
  86. 篠田弘作

    篠田委員長 手数料はみなでわけたのか。
  87. 安藤定文

    安藤証人 むろん代理店として入つて来れば、その扱い方によつて手数料も配分されます。
  88. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたの方が一番最初から保險契約に努力をし、実務も全部あなたの方でやつたけれども保險の掛金はそれぞれの会社にわけたのですね。それではそれに相応する手数料は各代理店拂つたのですね。
  89. 安藤定文

    安藤証人 保險料として配分しましたから、手数料もむろんその中に入つているはずでございます。
  90. 篠田弘作

    篠田委員長 なぜそういうことをする必要があつたのか。
  91. 安藤定文

    安藤証人 これは代理店が三社、四社の入る場合に、専売局契約に限らず、すべてそういう商習慣でやつております。
  92. 篠田弘作

    篠田委員長 あとから代理店を割込ませるという習慣がございますか。
  93. 安藤定文

    安藤証人 そういう場合もございます。
  94. 篠田弘作

    篠田委員長 この場合はそういう習慣に従つたものですか。
  95. 安藤定文

    安藤証人 われわれは習慣に従うとか何とかいうよりも、無意識にそういうふうにしておつたわけです。
  96. 篠田弘作

    篠田委員長 無意識にね。
  97. 安藤定文

    安藤証人 無意識というと変でございますけれども、別にそういう前例があるとか、どういうふうにしなければならぬとか考えたわけではなく、どういう契約でも、少し大きな契約でいろいろな関係があるところですと、一つの契約に四社、五社の代理店が介在するということもたくさん例がございますものですから、大体その慣例通りに……。
  98. 篠田弘作

    篠田委員長 それは初めから介在しているのではないですか。
  99. 安藤定文

    安藤証人 いいえ。それは初めから介在する場合もございますし、介在しない場合もございます。それからあと関係者が入つて来られる場合もないことはございません。
  100. 篠田弘作

    篠田委員長 タバコ工場契約につきまして、共同経費として代理店四社に対して、その取扱い率において百二十五万円を割当てておる。その使い道はどういうところに使つたか……。
  101. 安藤定文

    安藤証人 これは何分にも今お話申し上げました通り、十箇月間もこの折衝にあたつておりますのと、専務も相当煩瑣な事務がございました。人件費調査費事務費、そういうものを概算いたしまして、私どもとしましても、専売公社仕事ばかりが仕事でないものでございますから、これを判然とほかの仕事と区別することはできないのでございますけれども、大体百二十万くらいの経費がかかつておるものとして、私どもの方で事務を担当するかわりに、ひとつ共通経費というものを認めてもらいたいということを申し入れたわけでございます。
  102. 篠田弘作

    篠田委員長 事務費じやなくて、接待費じやないですか。
  103. 安藤定文

    安藤証人 接待費と申しますと何でございますが、会合費というものは相当になつております。
  104. 篠田弘作

    篠田委員長 会合費といつても、あなた方の仲間が会合したのじやなくて、専売公社役人を呼んで、飯を食うための会合費じやないのですか。
  105. 安藤定文

    安藤証人 それは確かに公社の方に出ていただいたこともしばしばございました。しかしわれわれのやつたことは別段問題になるような……。
  106. 篠田弘作

    篠田委員長 問題になるかならぬかは、あなた方が判断するのではない。あなた方だつて、問題になると思つたら初めからやりはしない。
  107. 安藤定文

    安藤証人 ほんとうの打合会です。
  108. 篠田弘作

    篠田委員長 ほんとうの打合会に百二十五万円も飯を食う必要がありますか。
  109. 安藤定文

    安藤証人 それは飲食費じやないのでございます。
  110. 篠田弘作

    篠田委員長 飲食費にどのくらい使つた
  111. 安藤定文

    安藤証人 飲食費と申しますが、何分にも一年間足らずのことですから、四十万ぐらいはかかつているのじやないかと思います。これは何分にも人数が多いのでございます。
  112. 篠田弘作

    篠田委員長 一年間かかつた
  113. 安藤定文

    安藤証人 十箇月ぐらいかかつております。
  114. 篠田弘作

    篠田委員長 きのう経理局長証言によると、つけるということがきまつてから、二箇月間契約までかかつたと言つた。  四十万円を飲食費に使つてあと事務費に使つたのか。
  115. 安藤定文

    安藤証人 それは、今お話の経理局長はよく御存じないこともあるのでございます。あれは以前は部制でございまして、先ほども申し上げたのでございますが、その当時の担当者が経理部長、それから主計課長といつたような方々、それから担当の事務官が二、三人かわられたと思つております。その後一時制度のかわつたために中断したことがあります。それから今の局長になつておられますから、少しその間に御存じない事情もあつたと思います。
  116. 篠田弘作

    篠田委員長 それではその百二十五万円の経費は全部集まりましたか。
  117. 安藤定文

    安藤証人 いいえ、その百二十五万円の経費と申しますのは、私どもで概算を各社に申し上げたのでございます。大体それでは分担額の按分でこの経費を負担しようということで、まあ多いところで四十万、少いところでは十万ぐらいだつたと思いますが、結局小さいところの三社からは幾分かの負担をしていただいたと考えております。
  118. 篠田弘作

    篠田委員長 三協実業というのは、一番最初は負担金を拂うと言つておいてそのあとになつてから、そんな負担金を拂う義務がないという理由で、代表取締役と福家顧問がやつて来て、三五%に当る四十三万七千五百円をとりもどして行つたというのはどういうことですか。
  119. 安藤定文

    安藤証人 私どもは一本の小切手でちようだいしたのであります。それを各社に即日わけたわけでございます。そして一応承認してもらついたてお共通経費というものを差引いて配分したのでございます。
  120. 篠田弘作

    篠田委員長 何も保險料を一本でもらつたか、もらつていないかということを聞いておるのじやない。代理店の百二十五万円の割当費というものが、全部徴収されたか、されていないかということを聞いておるのですから、それを答えなさい。
  121. 安藤定文

    安藤証人 それは私どもの方で一応差引いてお拂いしましたから、徴収した形ですけれども、それをあとで三協実業さんから否認されましたために、お返ししたわけです。
  122. 篠田弘作

    篠田委員長 それで実際は松尾商事の一五%と専売需品の一〇%、合計三十三万五千円だけがあなたの手に入つたので、あとは全部あなたのところで背負い込んだのじやないか。
  123. 安藤定文

    安藤証人 そういうことになります。
  124. 篠田弘作

    篠田委員長 早くそう言つたらいいじやないか。それから三十三万五千円きり経費を徴收しないで、さつきから聞いていると、百二十五万徴収して、そのうちの四十万円を会食費に使つたなんて言つているじやないか、そうじやないか。
  125. 安藤定文

    安藤証人 いや、そういうふうに申し上げままん。ただ私が申し上げたのは、会合費として四十万くらいは出ておるのではないかと思うということです。
  126. 篠田弘作

    篠田委員長 それは百二十五万のうちからでしよう。
  127. 安藤定文

    安藤証人 いや、それはどのうちからでもございません。今も申し上げた通り、その工作の最初からでございます。
  128. 篠田弘作

    篠田委員長 あなたは少ししやべり過ぎるから、人の話がわからないのだ。こちらで聞いたのは、共同経費として代理店四社に対して百二十五万円を割当てたかということを一番最初に聞いたのです。そうでしよう。割当てましたと言う。それから、それではその百二十五万円の使途は何であるかということを聞いたのです。百二十五万円が集まつたものとして、その使途が何であるかと聞いた。ところが一年近くもかかつたから事務費に使つた。その中に会食費はないか、接待費がないかと言つたら、あると言うから、何万円くらいあるかと言つたら、四十万円くらいだと言つた。そうすると、尋問をずつと聞いておると、百二十五万円を四社に割当てて、百二十五万円は大体徴収されたものとして、その使途を聞いておるわけです。ところが実際問題として四十三万七千五百円は三協実業が取返して行つたから、実際に集まつた金は三十三万五千円きりない。そこであなたの方でそのほかの経費というものは全部背負い込んだのだろう、そういうことになるのじやないかね。百二十五万円は最初つて、それを経費に充てようとしたけれども、実際集まつたのは三十三万五千きり集まらないのだから、あとはあなたの方で背負い込んだのでしよう。
  129. 安藤定文

    安藤証人 それは百二十五万を割当てたということは、既往の経費がこれくらいかかつているから、その負担を分担してもらいたい。こういう意味で割当てたのでございます。だから使用したのはその以前でございます。
  130. 篠田弘作

    篠田委員長 だから十箇月間の経費が百二十五万円大体かかつたと思つて割当てたのでしよう。
  131. 安藤定文

    安藤証人 そうです。
  132. 篠田弘作

    篠田委員長 それが集まらなかつたのでしよう。
  133. 安藤定文

    安藤証人 そうです。
  134. 篠田弘作

    篠田委員長 そうしたら、集まらなかつた分だけは、あなたの方で負担したのでしよう。
  135. 安藤定文

    安藤証人 結局背負い込んだことになります。
  136. 篠田弘作

    篠田委員長 それでいいじやないか。よけいなことを言うからわからなくなる。三協実業が四十三万七千五百円を、義務がないといつてとりもどして行つた、その理由はどういうわけですか。
  137. 安藤定文

    安藤証人 これは既往の経費で、一応分担してもらいたいという承認は得たのでございます。しかしこれは強制するということもできない性質のものと思います。経費は私どもの方の考えによつて使つたことでございますから、あとで否認されれば、これはどうしてもとるというわけにも参りませんので、返還を要求されてお返ししたわけです。
  138. 篠田弘作

    篠田委員長 しかしあなた方が過去において一箇年間努力したために、その契約が結ばれたのじやないですか。そこへあとで三協実業が割込んだのでしよう。
  139. 安藤定文

    安藤証人 私どもはそう考えております。
  140. 篠田弘作

    篠田委員長 しかも三協実業は、あなた方の努力したものの中に三五%も割込んでいるのじやないの。保險の掛金からいえば、そうじやないの。
  141. 安藤定文

    安藤証人 そういうことなんです。私どもも少し過大だと思つておりますが、しかしあの場合われわれとしては、せつかくここまで努力して契約のところまで持つて来たものを、今ここでもつてむだな競争をして混乱させるどいうことを忌避したわけです。そこで多少強要に負けたというようなきらいもありますけれども、その点で妥協いたしました。
  142. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは昭和二十五年度以来、専売公社との火災保險契約が中止になつた理由はどういうわけですか。
  143. 安藤定文

    安藤証人 その理由については私どもわかりません。と申しますのは、二十五年度は完全な契約をしたいと存じまして、二十五年の二月から三月、一箇月にわたつて全国の工場を実査いたしました。そうしてようやくその実査の報告書をまとめた三月三十日に、突然二十五年度はやめになつたからということを伺つたので、実は唖然ともし、大いに失望もしたわけです。
  144. 篠田弘作

    篠田委員長 どなたか御質問はございませんか。
  145. 山口武秀

    ○山口(武)委員 簡單に一、二点お伺いしたいと思います。あなたの方で、運動のために約十箇月間に経費が百二十万ばかりかかつたという話ですが、その内訳は飲食費が四十万である。この点は間違いはないのですね。いかがですか。
  146. 安藤定文

    安藤証人 その点はつきりした数字を申し上げかねるのでございます。と申しますのは、専売公社経費というものを特別にあれを立てておりません。ほかの仕事も一緒になつおてりますので、これは私どもの推定でございます。
  147. 山口武秀

    ○山口(武)委員 わからないのですか。——わからないわけはないでしよう。
  148. 安藤定文

    安藤証人 明確なことは申し上げかねるのでございます。
  149. 山口武秀

    ○山口(武)委員 それならあなたは先ほどなぜ四十万と言い切つたのですか。
  150. 安藤定文

    安藤証人 ですから大体それくらいじやないかと申し上げたのです。
  151. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、あなたの言われる会合費ですが、会合のときによそへ出向いて仕事をされたのは、あなたの会社だけなんですね。
  152. 安藤定文

    安藤証人 それは私ども会社が大部分でございます。会社が会合したこともございます。
  153. 山口武秀

    ○山口(武)委員 すでにこれは既往の経費ということを言つていて、あなたの会社で金がかかつたと言つているけれども、それはあなたの会社が大部分でしよう。ほかの会社が出るわけはないでしよう。どうですか。     〔委員長退席、佐々木(秀)委員長事   代理着席〕
  154. 安藤定文

    安藤証人 今申し上げた通り、大体私どもがほとんどでございます。
  155. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、この会合に出られたのはあなたの会社では何人くらい出られたのですか。それほど多くの人が、こそこそ行つたわけじやないでしよう。材木かつぎをやるわけでも何でもないでしよう。会社との折衝ですから、そんなに大勢詰めかけたわけじやないでしよう。
  156. 安藤定文

    安藤証人 たいてい私どもから出ますのは、三人ないし四人くらいだつたと存じます。
  157. 山口武秀

    ○山口(武)委員 公社の方からどれくらい来ましたか。
  158. 安藤定文

    安藤証人 公社からはたいてい課長と事務官が二人か三人くらいです。それからなおあと保險会社事務担当者が来られた場合もございます。
  159. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そういたしますと、いずれにしてもあなたが最初に言つたほど大人数でこの飲食費を使つた、あるいはあなたの言われる会合費を使つたということにもならないわけですね。
  160. 安藤定文

    安藤証人 その点どうもはつきりした数字を申し上げかねるのでございますが、われわれなるべく公社の方へお伺いして、公社の席を拝借するつもりでやつたのでございますけれども、話が非常に複雑になりましたり、事務が非常に煩瑣なものでございますから、大体は業務時間中を利用していただくつもりであつたのでございますけれども、土曜日の午後や何かを使つていた場合がずいぶんございます。
  161. 山口武秀

    ○山口(武)委員 公社の席を使うつもりであつたがよその席にした、そういうことを言われますが、そうするとこれはどこの席になるわけですか。どこで会合したということになるのですか。
  162. 安藤定文

    安藤証人 それは回数も非常に多いのでございますから……。
  163. 山口武秀

    ○山口(武)委員 席の問題です。場所を聞いているのです。
  164. 安藤定文

    安藤証人 場所も一箇所、二箇所ではなく、そのときによつて保險会社がよく会合する丸ノ内の常盤家、あるいはすし屋なんかを使つた場合が大分あります。
  165. 山口武秀

    ○山口(武)委員 丸ノ内の常盤家、あるいはすし屋というような程度のことですか。
  166. 安藤定文

    安藤証人 大体その程度でございます。
  167. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたは事務が大分煩雑だからということで、ほかの席を使つたと言われておりますが、少くともあなたの会社では、そういう事務を取扱うのはあなたの仕事である。特別に時間をさいて使うのではない。君の専門の仕事である。少くとも係の者である。それから公社側としても、当然こういう大きな保險契約を結ぶような場合には、それの担当者の仕事の中に入つておる。そういうことになれば、公社の席というのは当然使えるわけです。これが使えないといういわれはどこにもないでしよう。公社が忙しいということは成り立たぬわけでしよう。そういうような煩雑なことであるならば、むしろ公社の方がよかつたのではないか。まさかすし屋の立食いの場所で煩雑な事務がきめられるわけはないでしよう。常盤家というのはどれくらい静かなんですか。それは新橋か芳町へ行つて静かな場所でやつたというなら別ですが、あなたの言われる常盤家、すし屋を使つたということで納得ができますか。
  168. 安藤定文

    安藤証人 あの場所は保險会社の会合には始終使つております。
  169. 山口武秀

    ○山口(武)委員 始終使つているいないじやないんです。あなたは仕事が煩雑だから使つたということを理由にしておる。煩雑な仕事を解決して行く場所というものは、きわめて特殊な場所に制限されるだろう。今まで使つてつたからといつて、煩雑な仕事ができないようなことじや困るだろう。そういうことから考えてもおかしいじやないですか。こう見たわけです。まあそれはそれでよろしいですが、さらに聞きますが、公社側ではそういうような席へ出て来ることに対して、何の躊躇もしなかつたのですか。それが公の仕事であるから、公の公社の場所で話したいと思いますというような申入れがあなたになかつたのですか、いかがですか。
  170. 安藤定文

    安藤証人 事実公社で会談した場合もずいぶんございます。ただこれは話が具体的になりますが、あのときの料率の決定ということが非常にむずかしかつたわけです。ある場合においては、実際問題として公社のあの多勢の中でごしやごしややつておるということは、ちよつと困難だつた実情もあつたのです。
  171. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたは何を困難というのかわかりませんが、公社というのは、あなたの言われるように煩雑なところかもしれません。しかしそこでもつと煩雑な日常の事務を処理しておるのです。あなたの言われる煩雑というのが、相手の気持を解きほぐして、あなたの言うところにおちつかせる、こういうような政治的な意味を持つたのならば、煩雑な場所として公社は適さないでしよう。しかしながらその場合における煩雑さというのは、これは普通の意味の煩雑さではなくなつておるはずですそのためにほかの場所を選んだということになりますと、これは饗応をして相手をあなたの言うところになびかせよう、そういう意味では公社というのは煩雑であり、仕事がやりにくい場所である。従つて待合にでも連れて行つて、飲みながら相手を歓待して、気持を解かして相手をあなたの意になびかせられるところで話を進めるならば、これは問題が解決できる、あなたの意になびく。こういう意味であなたが煩雑さということを言われたとすれば、これはもちろん問題はない。問題はきわめてはつきりしていると思うのです。それはそれでいいと思うのですが、最後にお聞きしておきたいのは、あなたは公社の人が出ておると言いますが、公社からだれが出て来ました。
  172. 安藤定文

    安藤証人 最初に折衝されたのは——四月に今の制度になつたと思いますが、四月以前の……。
  173. 山口武秀

    ○山口(武)委員 だれが出て来たかということを聞いておる、人を聞いておるのです。
  174. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ちよつと御注意申し上げますさつきあなたは課長と係官が出て来た、二、三人出て来たと言つておる。その名前を……。
  175. 安藤定文

    安藤証人 その時分の課長さんは小林さん、中山さん……。
  176. 山口武秀

    ○山口(武)委員 名前はいいから、何係長か言つてください。何の課長か……。
  177. 安藤定文

    安藤証人 大体担当は主計課長です。
  178. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたはあなたの会社手数料を実際に使いながらも、ほかの会社では割当にかかわらず手数料を出してくれなかつた。しかしこれは強制できるものではないとしてあきらめたのだというような話をしておりましたときに、当然あなたの会社が先に努力をして、そこまで話を持ち込んだのだから、既往の経費であつても出してもらうのが当然ではないか、これはやはり要求し得る立場ではないかという質問があつたわけですが、そのときあなたは、むだな競争を避けるためにとこう言つておる。そうすると、ここでお聞きしたいと思いますのは、一体むだな競争というのは何であるのか、たとえばほかの代理店があなたの会社よりもより有利な條件を出して行つて契約をほかの方へとられてしまうのですか。あるいはほかの会社の方が公社に対する饗応というような手段を盡すおそれがある、そのためにあなたと同じ條件であるにもかかわらず、あなたの会社からほかの方へそれが移されてしまう。どういう場合が想定されて、むだな競争をしたくないということを言われたのか、この点をお聞きしたいのです。
  179. 安藤定文

    安藤証人 むだな競争と申し上げましたのは、むだという言葉がどうも妥当ではなかつたかも存じません。
  180. 山口武秀

    ○山口(武)委員 どういう意味で言われたのですか。
  181. 安藤定文

    安藤証人 ……。
  182. 山口武秀

    ○山口(武)委員 答えられないのですか、答えられないなら中止してもよろしいです。
  183. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 どうですか、今の山口君の御質問……。
  184. 安藤定文

    安藤証人 それほどはつきりした気持はそのときございませんでした。
  185. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 いやむだという言葉が適切でなかつたとあなたが今おつしやつたが、それにかわる何か言葉があれば……。
  186. 安藤定文

    安藤証人 なるべく早くとりまとめたいと思つたのでございます。
  187. 岡西明貞

    ○岡西委員 あなたの協同殖産株式会社は、昭和二十三年の八月に設立されましたね。しかしこの設立の計画をされたのは大体いつでございますか。
  188. 安藤定文

    安藤証人 二十三年の二月から三月ごろと存じます。
  189. 岡西明貞

    ○岡西委員 そうしますと、二十三年の七月にマッカーサー元帥の覚書によりまして、専売公社の財産が保險の対象になることを知らない前から会社計画を進められておつたのですか。
  190. 安藤定文

    安藤証人 先ほども申し上げましたが、私ども会社をこしらえたのは、専売公社のためではなかつたのであります。
  191. 岡西明貞

    ○岡西委員 しかし専売公社を対象とするための会社設立ではないというお話でございますけれども、たまたま時期というものが、指令が発せられた翌月にあなたのところが設立されることになつておりますね。
  192. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それは違う。二十三年の七月に覚書が出ておりますから、二十三年の二月でしよう。
  193. 安藤定文

    安藤証人 二月か三月ごろに私計画いたしました。
  194. 岡西明貞

    ○岡西委員 そうしますと、あなたのところの役員の方はほとんど大省出身の人でございますが、事務員その他外交員は何名ほどおられましたか。
  195. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ちよつとその前に……、設立は二十三年の二月ですか。
  196. 安藤定文

    安藤証人 いいえ設立は八月です。
  197. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 今の二月ごろというのは計画ですか。
  198. 安藤定文

    安藤証人 そういう御質問だと思いまして、そう申し上げました。
  199. 岡西明貞

    ○岡西委員 二十三年八月は登記所に登記されたときですね。
  200. 安藤定文

    安藤証人 登記が八月の三十日です。
  201. 岡西明貞

    ○岡西委員 ただいま私がお尋ね申し上げました事務員とか外交員は、当時何名くらいおりましたか。
  202. 安藤定文

    安藤証人 多少の出入りはございましたけれども、五名ないし六名であります。
  203. 岡西明貞

    ○岡西委員 あなたの方で業務を開始されましてから、他社が割込み運動をやつた。先ほどの証言によりますと、割込みを許された理由というのは、長い間商習慣によつてであるということをおつしやいましたけれども、他社が割込みをして来る時分に、何か、たとえば専売公社保險対象の当事者から、ほかの会社も許したらどうかというようなお話がありませんでしたか。
  204. 安藤定文

    安藤証人 その点ほかの人にどういうふうな話がございましたか、私としては存じませんが、公社のどなたかから私あてにあとから添書を持つて来られたということは記憶にございません。ただ私どもは多少、こういう代理店から申込まれているというふうなことは、確かに聞いたことはございます。その程度でございます。
  205. 岡西明貞

    ○岡西委員 そうしますと、大体あなたの方では割込みを許されまして、他の四社と協調してこの専売公社保險を取扱うことにされたわけですか。これは先ほどの委員長の質問と重なるようですけれども保險料の料率の認定等にあたりましては、それは他社と十分合議の上なされたのですね。
  206. 安藤定文

    安藤証人 この問題は非常に重大な問題でございまして、普通なら保險金額から保險料というものが出るのでございますが、あの場合は予算がございましたために、保險料から保險金額を逆算するというめんどうな事実があつたわけであります。しかも従来タバコ工場に対する料率というものが、ほかのものと違つて日本で初めてのために、初めて正当なものをつくるという意味で、初めてタバコ工場の料率というものを決定するという意味で、保險料率算定会というものが非常に折衝に困難があつた火災保險の料率というものを決定しておつて、タバコの料率も一応出ておるのでありますが、これは外国の例なんかをとつていいかげんにできているもので、今度専売公社契約で、初めてタバコ料率というものが日本でできたわけであります。     〔佐々木(秀)委員長代理退席、委     員長着席
  207. 岡西明貞

    ○岡西委員 そうしますと、料率とか、そのほか代理店の拂いもどし金とかいうものについてもし談合されたとすれば、四社話合いの上でされたわけですか。
  208. 安藤定文

    安藤証人 この料率の決定ということは、保險協会の中に料率算定会というものがございまして、そこで決定するわけであります。それに各社がこれくらいにしてもらいたいという申請をしますと、十分調査した上で決定しております。
  209. 岡西明貞

    ○岡西委員 先ほどのあなたの話によると、百二十五万の事務費その他の接待費を前もつてあなたの方で出しておられて、あとからその割当を配分して要求したところが、くれなかつた。実際問題としては保險料を徴収して、それから、あなたの方が強制的に取つてつた、取つてつたけれどもあとから異議を申し立てられまして、この三協実業あたりには四十三万七千五百円も返した、結局あなたの方でその金額を背負い込みになつたということですが、ただ簡単に、しようがないという意味であなたの方で負担されたものが、それとも営利会社としてこれだけの莫大な金額をあなたの方が背負い込んだというのは、それ相当の理由がなければならないと思いますが、その点について伺いたい。
  210. 安藤定文

    安藤証人 その点は私どもでも、全部そう強く要求するわけにも行かないものでありますし、それも既往にさかのぼつても何でありますから、新たにそれだけの必要があるというならばどうしても出してもらわなければならぬのですが、一応済んだことでもありますので、そういう義務がないと申されれば、私どもの方ではどうもそこまで何するわけには行かないのであります。そういうことでお拂いしたわけであります。
  211. 岡西明貞

    ○岡西委員 その専売公社との保險契約につきまして、三協実業だけは大蔵省関係の人ではなく、民間の人がこれをやつておる。けれどもこの三協実業が特にあとから割込み運動を猛烈にされまして、半分の割込みを要求した。しかし三五%だけ割込んだということにつきましては、何か特に三筋実業の方からかように強引に割込んで来られた理由ないしあなた方がこれを承認された理由というものがございますか。
  212. 安藤定文

    安藤証人 その点、私一人できめたのでもないし、みんな会議の上でその辺で妥協したので、その点はあまりはつきりもできないのですけれども、向うはかなり強硬に来まして、もし何ならひとつ競争しようかと、こう出られたわけであります。そうなりますとちよつと……。
  213. 岡西明貞

    ○岡西委員 そうしますと、三協実業の事実上の社長の福家俊一、それから監査役の馬場元治という人がどういう人か、あなた御存じでありましたか。
  214. 安藤定文

    安藤証人 福家さんという方は、私しばらく上海におりましたが、その時分に大陸新報の社長か何かしておられましたので、非常に恐縮しております。(笑声)
  215. 岡西明貞

    ○岡西委員 何か以前知つておられたから、恐縮をして、この三五%の割込みを許したわけですか。まあそれはそれでいいでしよう。  それからそのほかに、この三協実業の方からあなた方がしつぽをつかまれたというようなことはなかつたのですね。
  216. 安藤定文

    安藤証人 私は何もしつぽをつかまれておりません。しかしうわさでいろいろのことは聞いておりましたけれども、うわさとは申し上げるわけには参りませんから……。
  217. 岡西明貞

    ○岡西委員 よろしゆうございます。
  218. 田渕光一

    ○田渕委員 証人は、専売公社火災保險をつけることは、自分最初の創始者であるという証言をされたのであります。経歴を見ましても、日産火災保險の上海の駐在員として、ずいぶん業界に名が売れておるようでありますが、日産火災というのは、日本動産火災の略称ですか、日本産業の火災ですか、どつちですか。
  219. 安藤定文

    安藤証人 それは鮎川義介氏が主宰しておりました日産コンツエルンの一つの機関としてできたもので、日本動産とは違います。
  220. 田渕光一

    ○田渕委員 日産関係におつた方である。しかも保險の方をされたのですが、専売公社に目をつけられた動機は一体どういうところから——先ほど委員長も聞かれておりましたが、もつと大きな根拠があつたのではありませんか。たとえば福家君がやつて来てうるさいから四十三万円返してしまつた、むだな経費は使いたくない——数回の証言でわかつて来たのですが、結局あなたがこれをやり出した当時は、昭和二十三年のマツカーサー司令官の書簡によつて、独占禁止法あるいは集中排除法というようなことで、とにかく独占的なことをとめておるにもかかわらず、もつばら専売公社の中に食い込んで独占的なことをやろうとしたことをもうはつきり裏書きしてしまつた。このマ書簡と相反する、つまり独占的な企業をするについて、大蔵省の元主計局長財務局長あるいはまた専売局長官というものを連れて来て重役にして、民間人はあなた一人。あなたは保險相当のエキスパートである。あなたが官僚のあま下りであつたらこういうことは聞かないのだが、少くとも大正十二年の大震火災から昭和二十二年まで、戦争とか不可抗力の天変地変による損害を除いては、三十年間でわずかに百九十万円の損害である。一年に平均して六万円、月にすれば五千円である。それに対して問題になるのは、二十四年に七千六百万円という保險料を拂わした。この保險料が国民の血税だからわれわれは言うのだ。これが民間のものならここまで問題は起きない。しかし年に平均してわずか六万円しか火災の危險率もないものから、業界のエキスパートであり、日産コンツエルンにおつてすべてを知つておるあなたが、こういうものを編み出して、これを専売局に持ち込んで、大蔵省の官僚ども重役の中に抱き込んで、しかもマツカーサー指令による集中排除法、独占禁止法の最もやかましいときに、いわゆるコーポレーシヨン・システムの虚につけ行つて、これをやつておるのであります。そうして六社でやつて、なおかつ入れてしまつたけれども、最後は福家君とか馬場君がやつて来て、それにおどかされて、その金を出してしまつた。そのときになぜ競争しなかつたのか、そこにあなたの最初のスタートと、今言われた証言との食い違いがそこに出て来る。これはどういうわけだ。少くともあなたがエキスパートとして、三十年間に百九十万円しか拂つていない。専売公社はとんでもないところに倉庫があり、従業員もほとんど女しか使つていないので、タバコものめないし、またのませもしない。そういう絶対火災の危險のないところに国民の血税からの七千五百万円も拂わせている。ここに国会が取上げた重点がある。この点に対して、あなたがそれだけの経験者であるのに、それを知つていてなぜこういうものを編み出したかというその動機をひとつ聞かしてもらいたい。
  221. 安藤定文

    安藤証人 今のように申されると、はなはだ私どもが申訳ないようでありますけれども保險料率の点につきましては、負担をなるべく軽減するがために、保險料率の低減ということについては私どもはずいぶん努力したつもりでございます。これは公社の方にわかつていただいているわけでありますが、通常出ている保險料率の約三分の一まで引下げたのであります。これについては、私どもは料率算定会との間に、ずいぶん長い間いろいろな資料をもつて要求してここまで下げた。この点については、専売公社の方からも、よくここまでやつていただけた。ここまでやつていただければ満足というところまで私どもつてつているわけであります。この点についての努力は、ほかの会社から伺つていただいてもよくわかると思います。  それからただいま従来の統計上罹災が少いものを、というお話でしたが、われわれの商売意識かもしれませんが、保險会社から見ますと、ロスの多少低いものほど私ども実は営業上からいえばほしいものなんであります。ですから、これはひとつわれわれの方の商売意識を買つていただきたいと思います。
  222. 田渕光一

    ○田渕委員 そこで私は言うのです。商売意識で、民間人のお互いの私的の会社で腕でやるようなものなら、いかなる手段でやつてもこの国会は取上げない。それを七千五百万円という国民の血税をあなたが使わせているから、あなたは罪万死に値する元凶だ。そこを私はつく。そして私は専売局の率を下げるのに努力したと言うが、そうでない証拠に、二十四年だけやつてあと二十五、二十六年はやつておらぬ。証人が想像するごとく、どうしてもやらなければならぬものなら、二十五年、二十六年も続いてやらなければならぬ。たつた一年だけ、しかも二十二、二十三年の敗戰直後におけるいわゆるマツカーサー司令官のコーポレーシヨン・システムというものの虚に食い入つた。これだけは事実だ。そこであなたが業界の知識があるから、大蔵省のやつらを引込んでおけばいい——とんでもないことだ。それと、あなたが関係したもう一つの生命保險がそれと同じだ。タバコをつくる方の弱い者、営業する方の小売人から生命保險をとつちやつた。要するに、大蔵官僚を引込んで来た。これを私は聞きたい。ことに日産におつたらそういうことはないはずじやありませんか。官僚じやあるまいし、なぜ民間人だけでやらなかつたか。こういう大蔵省の前主税局長財務局長、専売局長官という会社重役メンバーを見て、民間人はあなた一人じやないですか。それをひとつはつきり聞きたい。参考になるから、私は伺うのです。
  223. 安藤定文

    安藤証人 私実は大蔵省の偉い方をお願いする考えは初めからあつたわけじやございません。それから専売公社のために協同殖産という会社を計画したのでもないのであります。この点は私どもの計画と、専売公社契約の時日のずれを見ていただければわかるのであります。
  224. 田渕光一

    ○田渕委員 それならば証人に伺いますが、大体専売公社の一年の歳入はざつと千七百億円、支出が大体五百億円で、大体千二百億円というものを国家予算に入れているわけだ。よろしゆうございますか。少くともこの専売公社の予算というものは国民の血税である。結局専売公社国有財産火災保險をつければ、この火災保險から手数料をとつて来る。これは国民の血税から上つて来た千二百億の税金から当然来るものだ。こういうようなことをあなたは気づかなかつたかどうか。ただ日産におつたから、民間系統におつたから、民間人の腕でとつて来るというだけの知識しかなかつたのか。それをうまく行けば、相手は日の丸だというような古い意識であなたはやつたのかどうか、それをはつきり伺いたい。
  225. 安藤定文

    安藤証人 どうもただいまのように申されますと、私どもはなはだ非国民的な考えでやつたようでありますけれども、私どもはそういう考えは毛頭持ちませんでした。ただわれわれは仕事の上で、商売の上からぜひつけていただきたい。それからまた今日の保險制度がある以上は、新しい分野も開拓して行きたいというわれわれ業界の立場もあるのですが、その点はもう少し保險業界という立場からもひとつごしんしやくいただきたいと思います。
  226. 篠田弘作

    篠田委員長 特に御発言がなければ、安藤証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人には御苦労さまでした。  午後一時半まで休憩いたします。     午後零時二十七分休憩      ————◇—————     午後二時三分開議
  227. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。  この際お諮りいたします。十五日木曜日に専売公社営繕資材係長會川俊雄君に証人として出頭を求めたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  228. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 御異議なければさように決しました。  そう決定いたしますと、十五日には五名の証人の出頭を求めていることに相なりますので、十五日の証人中、会計検査院長及び日本専売公社総裁の両名は、十九日に出頭期日を変更いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 御異議なければさように決定いたしました。     —————————————
  230. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それでは日本専売公社関係事件について調査を進めます。ただちに曽田証人より証言を求むることにいたします。  曽田壯君ですね。
  231. 曽田壯

    ○曽田証人 さようでございます。
  232. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ただいまより日本専売公社関係事件について証言を求めることになりまするが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつておりますしかして、証人が正当の理由がなくて、宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。なお証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するときは、その旨をお申出願いたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人曽田壯君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  233. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それでは宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  234. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 これより証言を求めることになりますが証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人曽田壯君は現在日本専売公社総務局長でありますね。
  235. 曽田壯

    ○曽田証人 さようでございます。
  236. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 現在の地位に至るまでのいわける簡單な略歴というものをちよつと述べてください。
  237. 曽田壯

    ○曽田証人 私は昭和八年に当時の専売局に入りました。昭和二十三年の四月に高崎地方専売局長を命ぜられました。一昨年の昭和二十四年六月に公社になりますと同時に総務局長を命ぜられまして、今日に至つております。
  238. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたの局長であるその総務局の機構とその主管事務の概要を述べてください。
  239. 曽田壯

    ○曽田証人 現在総務局は人事課、総務課、管理課、厚生課、渉外課、この五課にわかれておりまして、人事課におきましては職員の人事、それから職員の教育関係といつたようなことを所管いたしております。総務課におきましては、各般の調査、企画、立案こういつたような、他の各部課の連絡調整といつたような仕事を所管いたしております。管理課におきましては……。
  240. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 各課の説明でございますからその点はよろしゆうございます。  専売公社会議費あるいは接待費というものはどういう予算の費目から出ておりますか。
  241. 曽田壯

    ○曽田証人 お答いたします。ただいまのお話のことにつきましては、専売公社の場合の予算は、一般の行政官庁とは若干立て方が違つておりまして、一般行政官庁におきましては、ただいまお尋ねの会議費といつたようなものは、食糧費という予算科目があるように承知いたしておるのでありますが、専売公社の場合におきましては、さような予算支出科目はございませんで、消耗器械費という支出科目から支出することに相なつております。
  242. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それでは二十四年度及び二十五年度の支出の実績はどうでした。
  243. 曽田壯

    ○曽田証人 二十四年度におきましては、さような会議費に支出いたしました金額は、約三千五百万円程度だと承知いたしております。むろん私どもの方の全国の職場が五百幾つかあるのでありますが、全国的の金額とトータルが三千五百万円程度あると承知いたしております。二十五年度におきましては、それが四千二百万円程度に相なつております。
  244. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 二十六年度の支出予定額は幾らになつておりますか。
  245. 曽田壯

    ○曽田証人 本二十六年度におきましては、ただいまのところ約三千万円程度を予定いたしております。
  246. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうすると二十四年度は三千五百万円、二十五度は四千二百万円、かような額が会議費あるいは接待費という名目で使われておることは間違いないのですね。
  247. 曽田壯

    ○曽田証人 お話の通り会議に伴いまする経費、打合せ、あるいは懇談会といつたようなものに伴いまする経費でございます。
  248. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ところが予算を見ますると、やはり予算の中に交際費というものを組んでありまして、その額は四十五万円程度ですが、しかるにあなたの今証言されました会議あるいはまた接待に実際に必要なものならば、なぜ予算の上に交際費として堂々とこれを計上しないのでしようか、その点の事情を御説明願いたい。
  249. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまお尋ねの交際費と申しますると、これは専売局当時のお話でありますが、かつては予算支出科目におきまして、長官機密費といつたような名目で設定されておつたのであります。今日におきましては、ただいまのお話のように、これが交際費という名前にかわつておるものと私は承知しております。従いましてこの交際費は現在は総裁一人の交際費、かように私ども承知をいたしておるのであります。さきに私が申し上げました消耗器材費より支出いたします会議費は、さようなものではなくて、公社が事業を運営いたして参ります上におきまして、いろいろの会議を開く必要があるわけでありまするが、さような会議に伴う経費といたしまして、先ほど申し上げましたような金額を支出いたしておる次第でございます。
  250. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 今証人証言で実情はわかりましたが、もつとつつ込んでみると、交際費として一箇年三千万円あるいは五千万円に近いものを計上しては、世間の疑惑もあろうからというので、いわば一種の予算面をごまかすために、さようなことをしているのではないのですか。
  251. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたように、交際費は総裁一人のいわばつき合い費だと私は考えております。お尋ねのような考え方から、会議に伴う経費につきましては、交際費として計上すべきものであろうというようなことにはなつて参らぬと思うのであります。事業経営に伴います各般の会議、打合せ、懇談会といつたようなものにつきまして、ただいま申し上げました消耗器材費という支出科目から支出いたすということに、予算がなつておるのであります。
  252. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 だから、そのなつている予算がわれわれはどうも理解ができない。要するにそれほど会議費あるいは接待費として当然いるものならば、ことさらに消耗器材費の中からとらなくても、そういう費目を設けてもいいじやありませんか。
  253. 曽田壯

    ○曽田証人 これは先ほど来申し上げましたように、専売公社の場合には予算の立て方が違つておりまして、ここ数年来さような予算費目から支出いたすことに相なつておるのであります。
  254. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうするとそういう慣例になつておるから、こうおつしやるのですな。
  255. 曽田壯

    ○曽田証人 私直接予算を担当いたしておりませんので、詳細な理由につきましてはよく承知をいたしておりませんが、おそらくさようなことであろうと存じております。
  256. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうすると消耗器材費を会議費やあるいは接待費に支出することは、予算の流用になりませんか。
  257. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻申し上げましたように、公社の場合におきましては、一般官庁に支出科目として設定されております食糧費といつたような支出科目も合せて消耗器材費という支出科目と相なつておるのでありまして、当然消耗器材費という科目から、さような会議に伴う経費を支出いたすことができることに相なつておりますので、お尋ねのような予算の流用ということではないと承知しておるのであります。
  258. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そういう処置と申しますか、慣例と申しますか、そういうものはいつ時分からあるのですか。
  259. 曽田壯

    ○曽田証人 古いことにつきましては私よく承知をいたしておりませんが、これは専売局当時からあつたように記憶いたしております。おそらく終戰後のことであろうと存じております。
  260. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その消耗器材費の費目の中には食費は入つておりませんか。
  261. 曽田壯

    ○曽田証人 さような食費としての経費も入つておると思います。
  262. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それから専売公社職員宿舎というものがありますね。現在の戸数、またそれを利用しておる概要、家賃等についてひとつお述べを願います。
  263. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻も申し上げましたように、専売公社の職場は、全国で約五百数十箇所の職場を持つておるわけであります。さような箇所に必要なる宿舎を設けておりまして、全国で大体千八百程度ございます。宿舎の使用につきましては、人事を管理しております私たちの立場から申し上げまして、人事の適正配置ということが中心になつて参るのでありまするが、何としても厖大なる事業を動かして参ります上におきましては、適正なる人事の配置をいたして、能率をこの上とも上げて行く、かような考え方からいたしまして、宿舎の建設をいたし使用をさせておるわけであります。従いまして主として人事の移動が比較的多い職種、かような職員にただいま申し上げました千八百の宿舎を使用いたさせております。お尋ねの順序に従いまして、家賃の問題でありまするが、ただいま申し上げましたような事情から、宿舎を職員に使用いたさせておるのでありまして、いわばある意味におきましては、職員に強制的にこれを使用さすという面もございまして、従来この使用料につきましては、比較的安い使用料を徴收しておつたのであります。先般来、当委員会の事務局の御調査をいただきました際にも、使用料が低廉であるという御意見をも、私、課長の方からも承つたのでありまして、さようなことについて、さつそく考えてはどうかということで、とりあえず従来の使用料に対しまして三倍程度の引上げをいたされまして、現在一坪当りが十円ないし十五円、土地の状況なり経過年数によつてつておりまするが、従来の使用料を約三倍に引上げておるような状況であります。
  264. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうすると、業務本位にこれを利用させておるということなんですな。
  265. 曽田壯

    ○曽田証人 お話の通りでございます。
  266. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そこで、あなたの社員間には、その割当が業務本位にあるので、公正な割当をしていないというので相当不平が起つているというが、そういう事実はありませんか。
  267. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたような、事業経営上の必要な立場から宿舎の建設をいたしておるのでありまして、従いましてさような運営方針をもちまして今日に至つておるのであります。お話のように、職員間にあるいは不権衡というようなことがあつては相ならぬと存じまして、ときには職員団体との話合いによりまして使用をさせておる面もございます。従つて現在のところ、お話のような職員間に不権衡があるといつたような例は、私承知をいたしておりません。
  268. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それから、ただいま当委員会の調査員が参つてから、従来の坪当りの家賃を三倍程度に引上げた、三倍程度にいたしますと、十五円くらいになつた、こういうのですな。ところが他の官庁は、われわれの調査では坪当り六十円程度になつておる。そこにまた大きな開きがありまするが、これはどうですか。
  269. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたのは、とりあえずさような措置をとらしたのでありまするが、今後におきまして、各地の状況にもかなりの差異がありまするし、また経過年数等の点につきましても、いろいろ違つておる面がありまするので、全国的に調査をいたさせまして、なお他の方面との権衡等からいたしまして、低きに失するということでありますならば、これを改訂して参りたいと存じております。
  270. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 将来、漸次他の官庁並に行こうという気持があるというわけですな。
  271. 曽田壯

    ○曽田証人 はい。
  272. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それから昭和二十四年度の予算中業平工場の復旧工事費として積算された一億四千万円のうち、その大部分を職員宿舎の新築、同じくその敷地の購入費等に支出をしておつたので、会計検査院から批難を受けたという事実はありませんか。
  273. 曽田壯

    ○曽田証人 お話の点は、業平工場の復旧に伴う宿舎のお尋ねのようでありますが、実は私どもの各工場が、戰災によつて全国的に相当やられたわけでありまして、この復旧が終戰以来焦眉の問題と相なつておりましたので、今日までその復旧に努めて参つておるのであります。たまたま業平工場も戰災を受けたのでありますが、当時職員間におきましても罹災者がかなりございまして、さような罹災者の收容場所といたしまして、業平工場の焼け残つた部分の建物を補修いたしまして、そこへ約百世帶あまりの職員を收容いたしておつたわけであります。ただいま申し上げましたように、順次工場の復旧をいたして参らなければならぬことに相なりまして、業平工場も復旧しなくてはならぬ時期に際会いたしたわけでありますが、私の立場からいたしまして、職員管理といつたような点を重視するとすれば、工場復旧に伴いまして、現在收容いたしております職員の行き場所につきましては、実に頭痛の種であつたわけであります。それで私ども立場といたしましては、約百世帶の行き場所についてぜひ何とかしてやらなければならぬという考え方からいたしまして、公社の経理当局にもさような話合いをこれまでいたして参つたわけであります。お話のように昭和二十四年でありましたか、さような百世帶の收容場所といたしまして、別にさような職員宿舎を建設することができたということは承知をいたしておりますが、ただいまの検査院のこれに対する批難事項ということにつきまして、最近に至りましてさような問題があつたということを聞いたのでありますけれども、私、直接その予算を担当はいたしておりませんものですから、詳細のことは承知をいたしておらぬのであります。
  274. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 会計検査院の批難があつたということは聞いておるが、その詳細は知らない、こういうわけですね。
  275. 曽田壯

    ○曽田証人 はい。
  276. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 これはわれわれもしよつちゆう聞くことでありまするが、専売公社社員の不正事件というものが非常に多いように私たちは聞いております。おそらくあなたの耳にもさようなことが頻繁に入つておると私は信じております。最近に起つたそういう不正事件というようなものの、あなたの記憶にあるものの概要、及びその状況、あるいはこれが予防対策等もありましたら、ひとつお述べ願いたい。
  277. 曽田壯

    ○曽田証人 資料を見たいと思いますが、よろしゆうございますか。
  278. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 どうぞ。
  279. 曽田壯

    ○曽田証人 お答えをいたします。専売公社におきましてはタバコであるとかあるいは塩であるとかいうように、財産的な価値のある物品を取扱う仕事がかなり多いわけであります。またこれらに伴いまして現金を取扱う仕事もかなり多いというようなことからいたしまして、物品、現金の窃取と申しまするか、あるいはまたさような物品、現金の横領と申しますか、かようないわゆる不正事件というものがときに発生をいたしておるのであります。なおまた専売取締りと申しまするか、専売法違反事件の取締りをも担当いたしておりまする関係からいたしまして、さような場合の反則者に対する加罰金と申しまするか、さようなことの量定の問題、あるいはまた小売人の指定の申請に対しまする許可仕事とかいつたようなものがございまして、それらのいわゆる意思の薄弱なところにつけ込みまして起つて参りまする收賄の罪といつたようなものが、ままでございます。終戰以後の一般社会の道義の弛緩と申しまするか、かような面ともある程度符牒が合つたのではないかと存ずるのでありますが、従前はかなりございましたが、最近におきましては、それでもずつと減少いたして参つておるのであります。それにいたしましても、最近の事件といたしましても数件の発生を見ておるのでありまして、私どもできる限りの努力はいたしておりますけれども、絶無を期し得ないことについては、たいへん遺憾に存じております。数件不正事件が発生をいたしておるようでございます。お話の順序に従いまして、おもなる事件の概要的なものを申し上げますると……。
  280. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 代表的なものを二、三件でけつこうです。
  281. 曽田壯

    ○曽田証人 これは昨年から今年にかけましての不正事実でありますが、広島の地方局がございますが、そこの宇部の出張所に属しております伊佐というところの販売所がございます。そこの販売業務員でありますが、年齢二十四歳の梅田勝正という男が最近タバコの売上げ代金を横領いたしまして、これをみずからの遊興費あるいは他のいかがわしい使途に流用しておる、こういう事実がございます。金額にいたしましても最近にない金額でありまして、六百万円程度の横領ということになつております。これにつきましては、確かにさような事実が、公社の調べによりましても確認できましたので、即刻懲戒免職をしておりますが、事件そのものは刑事事件といたしまして、現在裁判所に係属中であるものでございます。それからおもなるものとして申し上げますると、これは大阪の地方局の神戸の支局長みずからの犯罪にかかる事件でありまして、昨年の三月にタバコの値段の改訂をいたしまして値下げをいたしたのでありますが、その値下げの機会を悪用いたしまして、従前の価格と改訂いたしました引下げ価格との差額におきまして、七十六万円を横領いたしております。それから値下げに伴いまして、公社といたしましては、小売人の手持ちタバコに対しましても、その差額を補給いたすわけでありますが、その間隙を悪用いたしまして、小売人の手持ち数量をいわゆる水増しするという方法によりまして、公社から交付いたします差損金を詐取いたしておる事件がございます。金額にいたしまして四百四十万円に上つたのであります。しかしながらこれはすべて現金そのものを何ら使用することなく、たまたま保管をいたしておりました関係上、全額回収はいたしております。大体おもなものといたしましては、さうな事件がございます。
  282. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 今聞きますと、まあ局長もあり、また下級の職員の事例も一つありましたが、われわれの耳に入つているのは、もつと上級の、いわゆる幹部職員といわれる者の中にさような不正事件が非常に多いようにも聞きますが、そういうのはどうですか、ありませんか。
  283. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたように、神戸の支局長事件がございまして、最近にない一つの大きな事件だと存じております。
  284. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 本社にございませんか。
  285. 曽田壯

    ○曽田証人 本社におきましては、さような事件はございません。
  286. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それで大体二十五年度に、そういう事件の件数はどれほどありましたか。
  287. 曽田壯

    ○曽田証人 二十五年度におきまして申し上げますると、全国で十九件に上つております。
  288. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その金額は……。
  289. 曽田壯

    ○曽田証人 二千万円程度に相なつております。
  290. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 一箇年十九件二千万円というと、相当な数でありまするが、それに対する予防対策はどうですか、簡單にひとつ述べてください。
  291. 曽田壯

    ○曽田証人 もちろん私どもといたしまして、きわめて遺憾この上ない、決して健全な公社のあり方ではないと思います。第一、国家に対しましても相当な損失をかけております。それからまた私ども善良な職員に対してまことに肩身の狭い思いをさせるということからしまして、かような不正、不祥事実の発生につきましては、私ども立場といたしましては、実は肝膽を砕いておるところでありまして、従前からできるだけの努力をいたして参りましたが、何と申しましても、これは言い古されたことではありますけれども、これに対処しまする私ども考えといたしましては、いわゆる一罰百戒ということで、いやしくも不正が何らかの形において確認される限りにおきましては、それぞれの事実に相照応いたしまして、法律なり規則の定めるところによりまして、公社の組織外に追放をする、かようなことに重点を置いてやつておるのであります。かようなことこそ、一罰百戒の効果といたしまして、一般を警戒させるという結果に相なろうかと存じております。
  292. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 さような犯罪の予防をつかさどつておる特殊な課でもあるのですか。
  293. 曽田壯

    ○曽田証人 さようないわゆる監察的な任務を持つておりますところは、人事課系統でありまして、地方局にもそれぞれ地方局長のほかに、さような人事系統の課がございまして、そこでさような措置を講じておるわけでございます。
  294. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 専売公社内に、専売協会という団体がありますね。
  295. 曽田壯

    ○曽田証人 はあ。
  296. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その専売協会は、どこの所管ですか。
  297. 曽田壯

    ○曽田証人 これは総務局の厚生課の所管となつております。
  298. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その専売協会というものの構成、目的、事業等について、概要を述べてください。
  299. 曽田壯

    ○曽田証人 専売協会は、公社の全職員をもつて組織いたしておりまする一つの福祉団体でございます。事業といたしましては、さような意味からいたしまして、職員の慶弔資金の給付であるとか、あるいはまた生活用品の購入、あつせん、現在かような事業を行つておるものであります。
  300. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 福利厚生を目的としておるわけですね。
  301. 曽田壯

    ○曽田証人 さようでございます。
  302. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 専売公社が株式会社専友社を中央生命保險相互会社の総代理店に推薦したのはどういうわけでありましたか。
  303. 曽田壯

    ○曽田証人 お話の点につきましては、一昨年でございましたが、中央生命ではかねがね東北地方におきまして、保險の勧誘募集をいたしたのであります。たまたま専売公社関係の葉タバコ耕作者といつたような層に、非常にいい成績をもたらしたということでありまして、さような意図からしまして、中央生命は、これを全国的に押し広めて行きたいというような話が公社にあつたのであります。それで了解をしてもらいたいということのようでありましたが、その際に代理店の話があつたのであります。公社といたしましては、さような代理店というようなことはできかねるものでありますので、たまたま当時お話のありました専友社というものが従来の営業をかえまして、一般の物品、資材の販売のほかに、さような保險業務もやつて行こうというようなことで、定款も改正をしたというようなことも私ども聞いておりましたので、もし代理店の問題というようなことでありまするならば、ひとつ専友社に行つて話をされてはどうかということで、中央生命を専友社に紹介いたしたことがございます。
  304. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その紹介はあなたがおやりになつたのですか。
  305. 曽田壯

    ○曽田証人 私直接はいたしませんで、これは私の方の厚生課長のところへ、中央生命のたしか誤長だと思いますが、参りまして、厚生課長から私のところに、そのようなお話があつたのであります。厚生課長から専友社の方に紹介をしたということを私報告を受けております。
  306. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたはその株式会社専友社重役陣を御存じですか。
  307. 曽田壯

    ○曽田証人 承知をいたしております。
  308. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 中央生命保險がこれを全国的にしたいと言つたのですか、それとも専売公社が全国的にすればいいと言つたのですか。
  309. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたように、中央生命がかねがね東北地方におきましての成績が非常によいものですから、これを全国的にひとつかような勧誘募集をやつてみたい、かような話がございまして、専売公社としましては、さようなことにつきまして何ら関係はございません。
  310. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 中央生命の呼びかけによつて専売公社の課長がそこへ紹介した、こういうわけですな。
  311. 曽田壯

    ○曽田証人 さようでございます。
  312. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そこでこの専友社重役陣を見ますと、平野社長を初め元の専売局長がずらりと顔を並べている、あるいはまた専売局関係の人のみで独占されている会社であります。そういう場合に、一体この重役陣から見ても、あなた方は専売公社としてさような便宜をはかつたのじやないですか、圧力か何かによつて……。そんなことはありませんか。
  313. 曽田壯

    ○曽田証人 さような事実はございません。
  314. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そこでこの専友社は一体保險業務を定款変更をして始めたのは何年何月です。
  315. 曽田壯

    ○曽田証人 たしか一昨年の十一月ころでなかつたかと存じます。
  316. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 二十四年十一月ですね、
  317. 曽田壯

    ○曽田証人 そうです。
  318. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その前は紙あるいは自転車あるいは鋼鉄というようなものをやつてつたのですね。
  319. 曽田壯

    ○曽田証人 はあ。
  320. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 まつたく性質のかわつた特殊なこういう生命保險業の代理店をやるということは、ちよつとわれわれには合点が参らない。何かその間中央生命あるいは専友社の間において、こういうような重役陣、たとえば平野亮平、あるいは花田政春、杉山昌作、野田卯一というような堂々たる前専売局の長官の名を並べておる関係上、いわゆる専売公社としては、この会社を特別に推薦したというようなことはありませんか。
  321. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまお答えをいたしましたようなことでございまして、紹介をいたしたことは事実でございますが、中央生命の代理店専友社が行うことになつたということにつきましては、さような紹介に基きまして、その後お話が進行したものと存じております。公社といたしましては、その間に立ち入つた事実はございません。
  322. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 中央生命社員が保險を募集するに際しまして、専売公社の命令であるというような強い強制的な言葉で全国に募集をしておつたということを私たちは聞いておる。そういうことに対しまして専売公社は何か対策をとりましたか。
  323. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまおの尋ねにつきましては、これもたしか一昨年の十一月ころであつたかと存じまするが、中央生命の勧誘の中で、たまたま質の悪い者がありまして、公社をかさに着たような勧誘の仕方をするきらいがあるというようなうわさを私承知いたしたのであります。これは東京附近であつたかと思いまするが、私の方の生産局長が出張いたした際に、さようなうわさがあるということを耳にしたということで、帰つて参りまして私どもにも報告があつたのであります。さようなことになつては相ならぬと思いまして、私どもといたしましてはただちに会社を呼び出しまして、嚴重なる注意を喚起いたしたのであります。それにつきまして会社はただちに所要の措置もとらせました。このことは私も現実に確認をいたしておるのであります。
  324. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは口頭で会社を呼び出して言つたのですか、または文書で……。
  325. 曽田壯

    ○曽田証人 口頭で会社に来てもらいまして、かようなことを聞いたのだが、これは聞き捨てならぬように思うということで、嚴重に抗議を申し込んだわけであります。それに基きまして、会社は現地の第一線に対しまして、それぞれ適切な措置をいたしておるのであります。さようなことがございましたのを記憶いたしております。
  326. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたとしては適切な処置だと、こうお思いになるだろうが、しかしだれが見たつて、この専友社重役陣で元の専売局長あるいは専売局経理部長専売局塩脳部技術課長、専売局煙草部長というような人々の名前を並べたものを押しつけて行けば、そこにいわゆる専売公社の背景があるということは、これは加入者としては考えざるを得ない。大体こういうメンバーの重役陣であるこういう会社代理店などをさせるということは、一体いいことか悪いことか、どうお考えになりますか。いいか悪いかというよりも、弊害がないと思いますか、あると思いますか。
  327. 曽田壯

    ○曽田証人 さようなことが必ずしもない——さようなことが予想されるようなことも考えられましたので、私どもといたしましては、専友社公社ということに混同があつてはならいと思いまして、また先ほどのお話のように、中央生命の勧誘員が公社なりあるいは専友社をかさに着る、かようなことであつては相ならぬと存じまして、今日までいろいろのことで当該会社に対しても嚴重なる注意をして来ております。私ども第一線にありまする各機関に対しまして嚴重な注意をたびたび与えて参つておるのでありますが、ただいまお話がありましたようなことにつきまして、その後さような事実があるということは承知していないのであります。
  328. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 しかも先日来ここで調べて行きますると、この専友社というのは、ほんとうは保險業なんかをやつていないのです。いわばトンネル会社みたいなものなんだ。そうしてこういう顔ぶれを並べておるということは、そこにだれが考えつて一つの何と言いますか、悪弊が生ずるということは、常識で考えられるのです。いずれ委員の方からもそういう質問が出ると思いまするから、私はこの程度にしておきます。それから専売協会は専友社から毎年寄付金をもらつておるようですが、これはどういう性質のものでありますか。
  329. 曽田壯

    ○曽田証人 専売協会は先ほど申し上げました私ども職員でもつて構成しておりまする協会でありまするが、専友社が中央生命と代理店契約をいたしましてから専友社仕事の一部を専売協会でいたしておるのでありまして、それに伴いまする事務費といたしまして、専友桂から専売協会が受け入れておるものでございます。
  330. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 事務費ですね。
  331. 曽田壯

    ○曽田証人 さようでございます。
  332. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは何か根拠があるのですか。その事務費をもらう何か法律的な根拠とか、契約とかあるのですか。
  333. 曽田壯

    ○曽田証人 これは一定の率によりまして専売協会の評議員会と専友社との間で協議をいたしまして、その年度受入れる事務費につきまして概算額を決定いたしておるようなことに相なつております。
  334. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたの承知しておる程度で、二十四年度、二十五年度はどれほどの寄付金をもらいましたか。
  335. 曽田壯

    ○曽田証人 二十四年度はたしか九十万円程度の事務費を受取つております。二十五年度はもう少し多うございまして、約倍の百七、八十万円の事務費を受入れておると思います。
  336. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 事務局の調べでは、それは別に契約書があるわけでも何でもない、單にそういう口約に過ぎないというのですが、どうです。
  337. 曽田壯

    ○曽田証人 これは先ほど申し上げましたように、保險契約に伴いまする掛金のうち、第一回の分につきましては二%、第二回の分につきましては掛金の一%、こういう基準で受入れることに専友社と話合いをいたしておるのであります。
  338. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 要するにそういう口約をいたしてある。
  339. 曽田壯

    ○曽田証人 さようでございます。
  340. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 書類的にはないですね。
  341. 曽田壯

    ○曽田証人 特に書類を作成いたしておる面はございませんが、先ほど申し上げましたように、私どもの評議員会と専友社との協議によりまして、われわれの専売協会の事業計画の中にはそれを載せてあるわけであります。
  342. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 専売協会は今でもありますか。
  343. 曽田壯

    ○曽田証人 現在におきましても専売協会は存続いたしております。
  344. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 本年の五月に解散を決議したと聞いておりますが、そういう事実はないですか。
  345. 曽田壯

    ○曽田証人 それはおそらく専売公社労働組合の決議であろうと思うのでありますが、これは先刻も申し上げましたように、専売会はいろいろの福祉事業をいたしておるわけでありますが、そのうち最も大きなものといたしましては結婚資金の給付ということをいたしておるのであります。そのほかに慶弔の給付もいたしますが、中で使用した金額の一番多いのは結婚資金の給付でございます。実はこれは労働組合多年の要望でありまして、私どもといたしましても、専売協会が順次収入がふえるに従いまして、さような給付をすることに持つてつたわけでありまするが、当初の予定と実績とがかなり食い違つて参りました。おそらくさように結婚件数は多くないであろうと思つておりましたのが、実施してみますと、大体見込みの倍以上の件数に達しました。専売協会としましても、現状のような結婚資金の給付は、かなりむずかしい問題に相なつたわけであります。従いましてこれを今後続けますためには、結婚資金の給付金額の引下げをやらなくてはならぬことになつておるわけであります。さようなことにつきましてあるいは引下げをやらないといたしまするならば、他の收入、たとえば組合員の会費をもう少しふやすというような問題か、どちらかがありませんと、これまできめたような給付は、今後継続して行く上におきまして、非常に困難だという問題にぶつかつたわけでありまして、さようなことについて労働組合としてはどう考えるかということで、話はしたことがございます。さようなことにつきまして、労働組合としましてもいろいろと甲論乙駁があつたようでありまするが、この際給付金額を下げるということも、これまで実施いたしました者との権衡から言つてもおもしろくないし、さればといつて、臨時に会費を増徴するということも、今日の組合の給与の状況においては、決して楽なものではない。かような意味からいたしましてこの際専売協会というものを解散してはどうだろうかという、労働組合の決議をいたしておるだけであります。専売協会は、申すまでもなく労働組合とは全然別でありまして、別に評議員会というものを持つておるわけでありまして、さような機関でさようなことに相なりまするならば、解散ということにも相なりまするけれども、ただいまのところは、いまだそこまでの決議には至つておらないのであります。
  346. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 労働組合からさような決議をつきつけられておるわけですな。
  347. 曽田壯

    ○曽田証人 専売協会の評議員会にも、むろん労働組合の代表が参加いたしまして、われわれいわゆる管理者側の者と労働組合の者と半々になつておるわけであります。さようなところで、今後審議をされるのであるならばされる、こういう状態に相なつておるわけであります。
  348. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 二、三お伺いいたしますが、この専売公社の予算のいわゆる編成でありますが、先ほど委員長からも質問がありましたように、消耗器材費というものから、いわゆる交際費、あるいは会合費、こういうものが出されておる。これは予算編成の上でありますから、まああなたがつくつたものじやないでしようけれども、こういう世間に非常な疑惑を持たれるような項目でありますが、これはたとえば官庁あたりにおいては交際費は県の予算を見ましても、知事の交際費、そのほかに食料費ということに、はつきり区別されているのですが、この消耗器材費というのは、やはり今まで習慣としてやつて来たということでありますけれども、こういう名目では世間の疑惑を招くというようなことで改正するというような意思はございませんですか。
  349. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻も申し上げましたようなことで、公社の予算は、ただいまのお話の消耗器材費という科目だけでなく、やはり事業を経営いたしておりまする関係上、一般の行政官庁とは、他の面においても、若干立て方が違つておる面があるように、私承知をいたしております。さような予算科目といつたような点からいたしまして、これは大蔵省の方針といたしましても、公社の場合は消耗器材費をもつてこの支出科目とするのだというようなことを、私直接ではございませんけれども承知をいたしておるのであります。
  350. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 これは大蔵省関係のことにもなるでしようから、今あなたに個人的に聞いてもいかぬかと思うのですが、その運用のことであります。たとえば二十五年度において大体五千万円農い消耗器材費があるのですが、それが全国五百の営業所を持つている。五百にわけますと、一箇所十万円になりますか、そういうようなものを各地方の事業場に年々割当てるのですか。それとも本社において必要と認めたものについて伝票や何かで支拂うのか。その予算の運用について御説明願いたい。
  351. 曽田壯

    ○曽田証人 これは従前はさようではなかつたと思いまするけれども、昨年来各地方のブランチごとに一定の限度を設けまして、消耗器材費のうちから会議に伴う経費の使う限度を示して、予算の執行をさせておるような状況でございます。
  352. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 この消耗器材費という科目を見ますと、種類がこれは百以上あるでしようか……。
  353. 曽田壯

    ○曽田証人 もう少しあると思います。
  354. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 二百くらいあるでしようか。これは何ページとありまして、これがみな消耗器材費になつておりますが、そのうちほんとうに、いわゆる官庁でいう食料費に使うような金額は、大体どのくらいになつておりますか。それは計算してみないとわからないでしようけれども、大体のことはわかりませんか。
  355. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまのお尋ねにつきましては、ちよつと私理解しかねたのでございますが。
  356. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 この品目は二百以上もあるだろうと思いますが、そのうちインクとか、用紙とか、クリツプとか、こんなものじやなく、ほんとうのそういう接待費とか会合費なんかに使う金額がどのくらいあるか、おわかりになりませんか。
  357. 曽田壯

    ○曽田証人 おそらくそれは予算の積算の金額ということであろうと思いまするが、その点につきましては、私積算がどういうふうになつて来たかという二とを、直接担当いたしておりませんものですからよく承知をしておりませんが、ただいま申しましたように、二十五年度におきましては、四千二百万円程度を支出いたしておるのであります。
  358. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 この積算の項目の中にも、そういうような費目がないのですが、そうしたら会合費なんかに使う場合には、どこの所管においてどういう決裁をなさるか御存じですか。
  359. 曽田壯

    ○曽田証人 先ほど申し上げましたように、消耗器材費の予算といたしまして、全国の各織場に予算の配付をいたしてあるわけであります。そのうち会議に伴う経費はこれこれだ、ここまでをもつて限度として、それ以内において節約に努力をして行く、かような方向でやつておるのでございまして、一般の、ただいまお話がありましたような品目の消耗器材費のほかに、会議に伴う経費としてそれだけよけいに配付をする、かようなことに相なつていないと承知をいたしております。
  360. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 本社においてこの会議費とか交際費とかいうものがどのくらい使われますか。本社だけで。
  361. 曽田壯

    ○曽田証人 本社におきましては、昨年度は八百万円程度使用いたしております。
  362. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 その八百万円は、やはりこの品目を入れて八百万円ですか。それとも事実上の会議費だけが八百万円ですか。
  363. 曽田壯

    ○曽田証人 そのただいまの品目と申しますると何ですか。
  364. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 たとえばここに紙類とか事務用品とか……。
  365. 曽田壯

    ○曽田証人 いや、さようなもののための支出は、別に会議に伴う経費といたしまして、今申し上げました八百万円……。
  366. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 別に八百万円ですか。
  367. 曽田壯

    ○曽田証人 そういうことです。
  368. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それからもう一つ、保險のことが非常に地方で問題になるのですが、もうあなたのお耳にも入つているというようなことで、やはりこの専売公社の総代理店、そうして中央生命の総代理店で、専売公社の職員あるいはタバコ耕作者あるいは小売業者を目当として保險募集をやつているのですが、われわれ直接募集をしている状況も見たことがあるのですが、地方の専売公社のいわゆる公社員が外交員と一緒に歩いているということも私らは見ているわけです。そうすると全国に勧誘する人がたくさんおるので、しかもその勧誘する人で、中央生命なり、ほかの生命保險会社の直接の社員であるならば、これは先ほどあなたがいろいろな処置をとられたというので、その指令に従つて改正される点もあるでしようが、地方に行くと代理店の勧誘員なというものは保險会社の直接の社員でもなければ、單なる顔役とか何とかで頼まれているのか多いのです。そうするといくら生命保險、あるいはあなた方の専売公社において自粛自戒を指令したところで、もう勧誘する方は契約をしたいという一点張りでやるのですから、いろいろな問題は絶えないと思うのですが、こういう煩わしい世間の疑惑を生むような生命保險のいわゆる契約のやり方をやめるという意思はございませんですか。生命保險などというものは、これは自発的に入るべきものであるとわれわれは考えておるのですが、やはり一つの強圧をやらないようにしろとか、あるいは専売公社の名前を使うなと言つても、それはとりたい一点張りでどうしてもやるのであります。そうすると弊害が起きて来るわけであります。そういうものを今後やめるという意思はございませんですか。
  369. 曽田壯

    ○曽田証人 お話の点につきましては、仰せのごとく保險の勧誘ということにつきましては、私どももさような経験があるものでありまするが、忙しいさ中に勧誘員に入り込まれましてほとほと手を焼く場合があつたのであります。むろんそれがためにこちらの自由意思を拘束されては相ならぬと思うのでありまするが、私ども立場といたしまして、中央生命の勧誘員が私ども関係いたしまする耕作者なり、公務員に勧誘をいたしまする場合におきましても、さようなことであつては相ならぬと存じまして、先ほど申し上げましたように、これまでもいろいろと嚴重な注意を喚起いたして参つておるのであります。公社の職員という今のお話もございましたが公社の職員、いわゆる専売協会支部の職員でございますが、これらの連中につきましては勧誘は一切やらしておらないのでありまして、さような意味からしまして世間の疑惑が起つては、これまた相ならぬと思いますので、私どもの職員に対しましては、これまでも混同されては相ならぬぞ。中央生命の勧誘員と公社の専売協会の職員とが混同されては相ならぬ、最初から勧誘自体はやらない、保險業務の掛金の集金といつたようなことの一部はいたしておりまするけれども、耕作者なり小売人につきまして勧誘するということは一切禁止をいたしてあるような状況であります。さようなしかし誤解あるいは世評というようなことを耳にいたします限りにおきまして、その都度嚴重に私どもといたしましては通達を出して注意を喚起いたすというようなことをもつて今日まで努力をいたして来ておるような、状況でございます。
  370. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 私の言うのは、それはあなたは努力いたしているでしよう。けれども、やはり地方のいわゆる社員は直接勧誘していないのですが、ただ勧誘する人と地方の代理店の人たちと一緒に来るのです。そうして名刺を出して——それは保險のことは言いませんが、私立ち会つたことがあるのですが、言わないけれども、一緒に来られますと、タバコ小売人や何かはどうしてもその人たちの言うことは聞かなければならぬ。あなたの言うように直接勧誘はしていないが、勧誘する人たちとお茶飲みに来ても、やはり受ける方の態度は違うわけです。そういう点であなたはいろいろ努力しても、もつと私ははつきり言うなら、福利厚生施訪に使うなら全国五百くらいの営業所があるのだから、うんと金をもらえばまだいいのですよ。百七十万円くらいは全国の営業所の何万という従業員を対象として見れば、これは目くされ金です。そんなものを専友社からもらつてつて誤解を受けるということになれば、私はやめた方がよいと思います。私はいろいろな事情を聞くのじやないが、これに対していろいろな風評があれば、これをやめるとか、検討するとかいうようなあなた方の意思がないか。それだけをお聞きすればよいのです。
  371. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻来申し上げましたようなことで、さような誤解があつては相ならぬと存じまして、今日まで私といたしましてはできる限りの努力をやつてつたのでございます。従いまして公社考えておることと、一般世間がこれを認識することが、いかに今後公社が努力いたしましても、さような事実は消えないのだということに相なりますれば、私ども立場といたしましては考慮をいたしたい、かように存じます。
  372. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ただいま佐々木委員のおつしやつたごとく、目くされ金しかもらつていないじやありませんか。たとえば専売協会は寄付金としてこれを処理している。しかし調べによると、専友社は営業費としてこれを支出しておる。そうして二十五年度末でも、専友社から専売協会へ支拂うべき未拂いが約百三十万円からある。二十六年も九月までにわずかに九十万円しか入つていない。そうしてあとの金は専友社なるものが留保してこれを運転資金にまわしておる。これは間違いのない事実。さような目くされ金を頂戴して、いわゆる専友社の手先となり、保險会社の手先となつておるということは、そこに非常に大きな疑惑を持たざるを得ない。どういう態度に出ようと思うか、今の証言では少し物足りない。もう少しはつきりつてください。
  373. 曽田壯

    ○曽田証人 さような考え方からいたしまして、目くされ金であるからというようなことからいたしまして、私はとやかく申すわけではございませんが、公社考えておること、公社の当初意図いたしておりまするところ、従つてさような意図が実現いたしまするようにこれまでも努力いたして参つたわけであります。今後におきましても、さようなことになつては相ならぬと存じまして、極力努力いたすような考えも持つてつたわけでありますが、いかに公社が、われわれがさようなことを努力いたしましても、一般世間はさようなことにはとらないのだということでありまするならば、私ども立場といたしまして、御説につきましても十分反省をいたしてみたい、かように存ずる次第でございます。
  374. 島田末信

    ○島田委員 消耗器材費が昭和二十五年度で四千二百万円程度使われていますが、消耗器材の予算額は約五千万円と記憶しておるのです。そうなつて参ると八割以上が会議費とか、あるいは接待費に使われておる結果になりますが、そうしますと消耗器材費は数百種類費目が上つておるけれども、その大部分会議費であり、接待費であるというふうなことになりますが、それに間違いありませんか。
  375. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまのお尋ねは、消耗器材費総額が五千万円というようなことでありまするが、私はさように承知していないのでございます。消耗器材費総額は約七億円近いものがあろうかと存じております。さようなものの中で四千万円程度が会議費に出ておる、かようなことでございます。
  376. 島田末信

    ○島田委員 次に、専売公社の宿舎の数が、全国事業場が五百数十箇所あるのに対して、千八百戸ばかりあるようですが、現在宿舎を必要とする戸数とその千八百戸との割合はどんな程度ですか。
  377. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまのお尋ねに対しましては、私的確なる数字をここで申し上げかねるのでありまするが、先刻来申し上げましたように、人事の適正配置という点につきまして、私ども担当者の一人といたしまして日常肝膽を砕くような次第でありまして、人事が適正に配置されなければ公社の能率もなかなか上り得ない面があるということは深く痛感をいたしておる次第でありまして、現状におきましてもなお宿舎の数は十分ではございませんので、今後さような宿舎を建て得ることに相なりまするならば、今後ともまだ宿舎を建設して参りたい。私の立場からさように存じております。
  378. 島田末信

    ○島田委員 この宿舎に住える資格というのは、職員だけですか。
  379. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻申し上げましたように、この使用の方針といたしましては、比較的異動の多い職種の職員を優先使用せしめておるのでありますが、たまたま専売公社の工場復旧に伴いまして、既設の建物を買収いたしまして、今日公社の工場といたしておるところがございまするが、さようなところにおきましては、りつぱな宿舎がくつついておるところもあります、数から申しましても相当の宿舎が附属しておるところもございます。さようなところにおきましては、一般の、私が先ほど申し上げましたような職員のほかに、工場で現実に工場作業に従事いたしておりまする職員にも使用させておるのが実情でございます。
  380. 島田末信

    ○島田委員 最後に、先ほど問題になりました専友社と中央生命との関係について、一応御意見を伺つておきたいと思うのです。先ほど公社専友社と混同されてはいけないと思つていろいろ苦心をされ、努力されておるということは聞きましたが、これは専友社公社を対象とする総代理店として、保險の加入を取扱つておる代理店であるというふうな関係に置かれ、しかもその総代理店から上つて来る手数料の一部をさいて、公社に寄付しておるというふうな関係から、これは利害関係が密接不可分の間にあることは間違いないのであります。そうなつて参ると、混同されにくい立場をとろうと思いましても、自然活動の上に混同されるのが当然であり、また強制加入めいたことは避けたいと思つても、実際にそれが利害関係がつながつておる以上、他の保險会社よりも中央生命に加入させるということが、幾分なりとも利害関係上一致する場合が当然でありまして、そうなつて参りますと、勧誘者もまた、それにつながる利害関係を持つた専友社並びに専売協会というものが、実際上表面に現われるような提携した形を加入者側に示さなくとも、その間あらゆる手段方法をもつてそういつた方向に努力するということは間違いない事実であろうと考えるのであります。そこで生命保險会社の社員が加入を勧誘する場合に、専売公社の命令のごとく活動しておるというふうな弊害がたまたまあつたといいますが、これはむしろたまたまでなくして、実際上活動する上においては、そういうことが不断にありがちであり、またなければならぬとわれわれ想像されるのであります。そこでこういう特定の会社と一つの公社が利害関係を持つような立場で総代理店としてここにつながりをもつておるということ自体、この根本の解決がつかない以上は、この弊害というものは幾ら総務局長が努力されましても断ち切れるものではない。要は、加入をする側からいいますれば、有力な生命保險会社というものは数多くあるのであります。それを自由に選定できるところに、お互いに加入者の納得のできる点がなければならぬと考えるのであります。そこでたまたまこういうつながりを持つた代理店というものが、専友社によつて行われておるということは、いずれ他の会社からもいろいろな非難が起きるでありましようし、また内部的にも一応弊害が起きやすい素因を持つておるとわれわれは考えるものであります。この点最初どういうふうなお考えでここまで強くつながりを持つたかは別として、実際やつてみた結果としては、特定の会社を選んでそういつた関係に置いたということ自体が、そもそも弊害ぬぐうべからざる結果をもたら出したと私どもは想像するのであります。この点につきましては、総務局長はただ單に強制的な加入に対する弊害を除きたいとか、また公社専友社との混同されないような立場をとりたいとかいうような希望的な意見や、それだけの努力だけでは、私は根本の解決はできるものではないとかたく信じておるのであります。そこでいま一応根本にさかのぼつて認識をさらに新たにしていただきたいと同時に、これに対する再検討をしていただきたい、その点ひとつ証人の決意を伺つておきたいと思います。
  381. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまのお話でありまするが、先刻も申し上げました通り専売公社と密接なる利害関係を持ちたい、かような意味から申しまして、専売協会に専友社代理店仕事の一部をやらした。私どもといたしましてはかようなことではないのであります。單に事務的に保險事務の一部をやる、かようなことから出発いたしましたことでございます。従いまして、さような線でこれまでも努力をいたし、今後もさようなことをやつて参りたい、かように考えておつたのでありますけれども、ただいまの委員の御説明のように、動機はさようなところにあり、公社の意図はさようなところであつても、一般的にはさような受取か方は不可能なんだということでありますれば、私としましても、御指摘の点は十分反省いたして参りたい。先ほど申し上げました通りであります。
  382. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 田淵君。
  383. 田渕光一

    ○田渕委員 ちよつと本会議に行つておりましたので、経歴のときに離席をいたしておりまして……。局長はいつから専売局に入られたか。
  384. 曽田壯

    ○曽田証人 私昭和八年の四月に専売局に入つたのでありますが、その後若干の期間は外に出ておりまして、全部今日まで引続き専売局関係公社に在勤をしたというわけではありません。
  385. 田渕光一

    ○田渕委員 昭和八年から入社されて、関係を断たれて、さらに入つて、現在の入る前は……。現在の総務局長になられる前ですが、最近入つたもつとも近い……。
  386. 曽田壯

    ○曽田証人 一昨年公社になりまして、二十四年の六月に総務局長を命ぜられまして今日に至つております。
  387. 田渕光一

    ○田渕委員 総務局長になられてから長官は幾人かわられましたか。
  388. 曽田壯

    ○曽田証人 先ほど申しましたように、公社になつてから総務局長を命ぜられたのでありまして、公社になると同時に長官制は廃止になりまして、現在の総裁に相なつておるのであります。初代の秋山総裁が総裁を勤められまして今日に至つております。
  389. 田渕光一

    ○田渕委員 昭和八年から一旦中退するまでの間の専売局長官はどなたでありますか。
  390. 曽田壯

    ○曽田証人 たいへん古いことでありまして、あるいは記憶間違いがあるかも存じませんが、私が入りましたときには佐々木長官がおられました。その後中島長官、佐野長官、このお三方が当時私が専売局におりました間に更迭をされた長官かと記憶いたしております。
  391. 田渕光一

    ○田渕委員 平野亮平長官、それから花田政春、杉山昌作、野田卯一、この長官の時代には専売局との関係はありませんでしたか。
  392. 曽田壯

    ○曽田証人 もう一度お伺いしたいと思います。
  393. 田渕光一

    ○田渕委員 専友社重役であります社長の平野長官時代、あるいは花田長官時代、杉山長官時代、野田長官時代に専売局関係におられませんでしたか。
  394. 曽田壯

    ○曽田証人 平野長官は、私が専売局へ入ります以前の長官でございまして、私直接接したことはございません。花田長官も私直接おつたときの長官ではございません。杉山長官は、私が課長をいたしておりますときに、ごく短かい期間長官をされておつたと思います。
  395. 田渕光一

    ○田渕委員 野田長官の関係はいかがですか。
  396. 曽田壯

    ○曽田証人 野田長官も、次官になる直前のようでしたが、私もその間にごく短かい期間であつたかと思いますが、課長をいたしておつた期間と重つておる点があるかと思います。
  397. 田渕光一

    ○田渕委員 私は保險部分から簡單にお聞きいたしたいと思います。そこでこの昭和二十四年の九月一日に株式会社専友社取締役社長平野亮平から各組合へ出されている挨拶状があります。これはあなたは関係はない、混同されては困るというが、こういうことがはつきりあるので、これを速記に残しておきたいから読みますが、  拜啓  時下愈々御清祥の段大慶に存じ上げます  陳れば株式会社専友社設立に関しましては公社並に社員御一同様の絶大なる御後援を賜り有難く厚く御礼申上げます  お蔭様にて着々活動しつつありますが専友社発足第一歩として中央生命保險相互会社の総代理店を引受ける事に決定いたしました同社に就ては既に大方御承知と存じますが、旧三井生命を改称したもので信用ある会社であり、殊に専売公社とはこれまでに於ても各地に於て職員団体契約を結んでおり、更に労働組合、耕作者、小売人組合等とも提携して関係方面に相当多額の契約がありますので、此の際更に提携を強化することによつて必らずや一属の成果を期し得ると信ずる次第であります。  何れ近日中に同社より社員参上詳細御説明申上ぐることになつておりますから専友社を御援助願う意味に於て御聴取賜り度御願申上げます。   昭和二十四年九月一日     株式会社専友社      取締役社長 平野 亮平という挨拶状を出しております。これでりつぱに公社と相関連しておるということがはつきりして参ります。そこでつけぬでもいい保險をつけて七千何百万円からの保險料昭和二十四年に拂つておる。そうしてこれをあみ出した者が午前中の証人であつたということになつて来ると思うのでありますが、そこで伺いたいのは、これでも総務局長は……。
  398. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 発言中ですが、午前中の分は火災保險で、専友社のただいまお述べになつたのは生命保險です。
  399. 田渕光一

    ○田渕委員 結局関連しておりますが、これは生命保險と含むのでありますが、結局こういうようなぐあいに、公社の圧力を加えて行くということ、たとえば昨年の選挙でも、タバコ技術員がこういうことを言つておる。お前の方では杉山昌作に入れなければ、次のときに一級品を三級品に下げてやるというようなことを言つて選挙をやつておる。これは某議員もそういうことを言つておる。これは現実の問題で、われわれも聞いておる。選挙においてしかりでありますから、生命保險なんかに対しても、よそへ入りたくても、これに入らなければ、小売店を許可してもらえぬ。あるいはタバコの一級品を二級品に落されるおそれがある。こういうような意味で、これは市井で言えば、まるで暴力団のごときものだ。すわつただけでりつぱに恐喝だ。この挨拶状を出すだけで金をとつてしまつておる。これは二十四年九月でありますから、あなたは二十四年の六月に総務局長になつておられるとするならば、あなたはこれを知つておられなければならぬはずです。少くとも前専売局長官ともあろう者が、その末端のか弱い者に対して、いわゆる生殺与奪の権を握つておるといつてもよろしい。実際握つておるのだ。タバコの耕作者にしても、タバコの小売人にしてもそうだ。あるいは塩にしても何にしてもみなそうだ。こういうような方面にとりに行くということは、あなたは知らぬわけはないと思うが、これはどうですか。
  400. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまの平野社長からの挨拶状ということでございますが、私はその挨拶状そのものにつきまして承知をいたしておりません。今中央生命が公社関係のいろいろの団体保險契約をしてやつておるというようなお話でございましたようですが、かようなことにつきましては、これまでにおきましても、私どもの職員の団体保險といつたようなものにつきましては、ひとり中央生命に限らず、他の社もいろいろと各職場にはございますので、お話のように従前から中央生命だけが公社の職員関係保險に携わつておるのだというようなことではないと承知をいたします。
  401. 田渕光一

    ○田渕委員 証人に伺いますが、専売公社の総裁の次が総務局長の席次になつておりますか。
  402. 曽田壯

    ○曽田証人 総裁の次に副総裁がおります。
  403. 田渕光一

    ○田渕委員 副総裁の次は総務局長でありますか。
  404. 曽田壯

    ○曽田証人 さようなことには相なつていないと存じております。
  405. 田渕光一

    ○田渕委員 そうすると、局長会議などを開くときにはこれを総務局長が主宰するのではありませんか。
  406. 曽田壯

    ○曽田証人 各局の担当事項につきまして各局が主宰をいたすのでありまして、すべて総務局が主宰をするということではございません。
  407. 田渕光一

    ○田渕委員 そこで伺いたいんですが、二十五年の十一月二十日付の通達によつて綱紀振粛に関する依命通達をやつております。それであなたが就任されたのが二十四年の六月と伺つておりますが、本年四月二十一日に経理局長とあなたの二人の連名で「昭和二十六年度支部局会議、打合及び懇談会等経費使用限度額についてという通達を出されておるのですが、これは出した御記憶ありますか。
  408. 曽田壯

    ○曽田証人 お話のように承知をいたしております。
  409. 田渕光一

    ○田渕委員 そこで伺いますが、昨日経理局からいろいろ証言をいただいたのでありまするが、これは経理局長の権限でもあろうが、またあなたの権限でもあろうと思いますが、大体どのくらいの金額を拂う場合には局長会議にかけるとか、あるいは総務局長の判がいるとか、あらゆる金が全部経理局長一本で行かれるのかということを聞きたい。
  410. 曽田壯

    ○曽田証人 予算の執行につきましては経理局長がこれを担当しております。先ほどお話がありましたように、連名の通達ということにつきましては、これは従来のやり方、ただいま私の申し上げましたようなことからしましては異例のやり方でございまして、予算問題につきまして総務局長が一枚加わるというようなことは異例の措置ございます。ただ先ほど申しましたような会議費というようなことにつきましては、各事業を円滑に運営をいたして参るというな立場からいたしまして、各職場の権衡を一応とる必要があるのではなかろうかと存じまして、さような形で通達をいたしたような次第でございます。
  411. 田渕光一

    ○田渕委員 異例の措置だと証言されますが、もし異例の措置であるならば、経理局長のみならず、製造局長総務局長もみな連名で出せばいいのが何がゆえに経理局長総務局長の連名で出されたのか。要するに経理局長の上に総務局長が席次として上ではないか、こういうふうなことを思うのでありますが、その辺を納得の行くように説明してもらいたい。
  412. 曽田壯

    ○曽田証人 先ほども申し上げましたように、決して総務局長経理局長の上になつてはいないのであります。予算につきましては経理局長が専担をいたしておりますが、ただいま申しましたような理由からいたしまして、総務局長との連名になつたということだけでございます。
  413. 田渕光一

    ○田渕委員 そうするといわゆる官紀の粛正、綱紀の粛正、要するに官紀の振粛その他に向つて、費用の濫費をしないようにということで、特に異例で総務局長も連名された。いわゆる官紀の振粛、綱紀の粛正というような意味から、これは現内閣の根本基本政策の一つに入つておる。少くともこの綱紀の粛正をやつて行かなければ国家は持つもんじやないということから、これがわが党の政策の根本にあるのであります。また大眼目になつているのですが、こういうような意味から出すのについて、局長の名前を出した方がいいというので一緒に連名で出したのでありますか。
  414. 曽田壯

    ○曽田証人 お話のように、かような会議に伴う経費というものは、公社の性質からいたしましてこれは極力節約いたし、しかも適切なる使い方、事業経営上の効果の上るような使い方をやつてもらいたいというようなこと、またこれが濫に流れてお話のように綱紀維持上おもしろくない結果が生じては相ならぬと存じまして、総務局長経理局長の連名になつただけでございます。
  415. 田渕光一

    ○田渕委員 契約を締結してそれを決済するのは一切経理局長の権限でありますか。あなたの方のやはり共同協議事項か何かになつておりますか。
  416. 曽田壯

    ○曽田証人 経理局関係の専担事項に相なつております。
  417. 田渕光一

    ○田渕委員 あなたが二十四年の四月の二十一日に異例の通達を出して、その直後に、その当時この通達が出るか出ないうちに、昨日も経理局長証言をいただいたのでありますが、少くともこの一億円近い年度末の予算の余つたのを鉄鋼材に流しているのであります。私はこの問題について経理局長も話し合つたと存じまするが、この問題について総務局長として、権限外であつても、総裁にこれは聞いても、結局総務局長や下の局長どもがやつたのだというように言うだろうから、私伺うのでありますが、総務局長として昨日証言いただいたような事件のあつたということをまず知つておられますかどうか。
  418. 曽田壯

    ○曽田証人 当時におきましては、もちろん私はさような所管を担当いたしておりませんので、承知をいたしておりませんでしたが、お尋ねのように今回当委員会におきましてお取上げになつている問題であるということにつきましては承知をいたしております。
  419. 田渕光一

    ○田渕委員 そこで少くとも総務局長が異例の綱紀粛正に関する通達を出して、その後においてかような問題が続続として起つている。ことに最も近い例は、十日でございましたが、品川の倉庫でしたかどこかで、巡視がパトロールの警官と結託して相当タバコを出した。これは最も近い例、これは新聞紙上に出ておつたのでありますからごらんになつたと存じますが、一向綱紀の粛正が徹底せぬというところに、この委員会としてはどこかに欠点があるじやないかと考える。たとえばあなたは他に出ておられたので、総務局長としては歴代の長官には御関係がないかしらぬが、あるいは経理局長、製造局長というような方々が、課長時代に親分である、つまり時の長官に使われておつた。こういう長官の下に使われておつた方々がだんだん栄転をして行く、長官は下つて会社をつくつている。そうしてこれにいろいろなものをやるというのが、この塩、タバコの運賃の問題であり、塩においては十一億円も運賃の仮拂いをした。しかも需給課長は重大なる過失だというようなことを言つている。本員が神戸の千代田銀行あるいは富士銀行に調査に参りまして、当時担当した銀行の支店長代理に会つて聞いてみると、まるつきりむちやくちやなことをやつている。これは次の証人に対して言うことでありますが、非常に綱紀が乱れている。どこまで腐敗し切つているのかということもつぶさに資料を集めて来たのでありますが、ともあれ総務局長に就任された二十四年六月から五年、六年—本年にかけて、少くともあなたは総務局長であるから知つていなければならぬのでありますが、大体専売公社を取巻くところのこのタバコ、塩の運送を請負うところのトンネル会社、あるいは木箱をつくるトンネル会社、あるいはたるをつくるトンネル会社、あるいは生命保險火災保險を扱うところのトンネル会社、こういうものが十七社できているのであります。いわゆるコーポレーシヨン・システムが幸いできてしまつて、十七のこういう因縁情実の、前長官を肩書きに持つ連中がわずか三人か四人しか職員を置かないで、長官の名前をずらりと並べた、特に専友社などは現参議院議員である杉山昌作氏、現建設大臣野田卯一氏までが会社重役になつている。これは先般の証人には、辞任書を出しているのだから一日も早く登記を抹消するようにと言つておきましたが、こういうような十七社の会社で、歴代の専売局長とか煙草部長、あるいは何部長というような者が四十九人も関係しておる。専売公社を取巻いて歴代の古い長官からずつとこれが巣くうてしまつて専売公社と耕作人あるいは小売人—塩、樟脳の方にしてもそうであつて、この間に一つの断層のような悪層の会社がずつとできておる。ちようどサンドウイツチの一番まん中にこれができておる。一番うまいサンドウイツチの肉のようなところに十七社四十九人が巣くうておる。かような専売公社との悪縁を断つために何とか改革をしなくちやならぬというようなことを総務局長としてお考えにならなかつたのですか。私たちがわずかな期間ですが、当委員会で調べてみてすら——本委員会に取上げて、われわれ委員として調査し出したのは六日からでありまするが、かかるわずか一週間、十日足らずの間にわれわれが直観するところは、これは粛正しなければならぬ、こう思うのでありまするが、総務局長に就任されてすでに三年もたつておるのですが、この点についてはら無関心でおられましたか、その点を伺いたいのであります。
  420. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまお話の一々の会社の問題につきましては、私の所掌事務といたしまして日常さようなものにタツチいたしておりませんので承知をいたしておりません。たださような人人がさような会社におるということにつきましては、これは年もお若くいたしまして公社を退職いたすのが従来の実情でありまして、さような点から申し上げますならば、いわば働き盛りの人々ばかりが退職されて行くのがこれまでの実情であつたのであります。さような人は決して能力がなくて退職するのでなく、それぞれみずからの能力に応じていろいろな方に出て参ることと思います。たまたま専売公社との取引のある会社にも参つておるのでありますが、さようなことは必ずしもこれがいけないということではなかろうと思うのであります。御指摘の点もそこでなくて、さような関係からいたしまして公社との関係がルーズになつておる、情実関係が入つて来るのではないか、かような御心配の趣旨が指摘されたものと存ずるのであります。さようなことはもちろん私どもといたしましても、決して国民の負託にこたえるゆえんではないと存じておりまして、さような関係は一日たりともあつてはならないと存じております。さようなことで私どもは常に配意いたしておるのでありまするが、御指摘に相なりまするようなルーズな事実は、今日までないと承知をいたしております。
  421. 田渕光一

    ○田渕委員 総務局長が就任されてからでありますが、塩の回送に対して塩回送会社が十一億円近いへそ繰りをしておる。もちろんこれは経理局長の管轄だと言えば管轄でありますが、あなたも総務局長としてこういう問題に対しては責任の一端を、いわゆる精神的に感じられませんかどうですか。つまり管轄外であるからわれ関せずというのではなく、独立採算制の特殊な専売公社なり国鉄公社なり、かような公社のシステムの中におけるところの総務局長というものは、少くとも私は各省の総務局長というようなぐあいに思うのですが、この専売公社だけは総務局長でも何らそういう方面に責任がないとか、あるいは管轄権がないとかいうような特殊なものになつておるのでありますか。
  422. 曽田壯

    ○曽田証人 お尋ねの点につきましては、私先刻総務局の所管事務で申し上げたのでありまするが、お話になりましたようなものとは、公社の総務局の所管と申しますると、少しく違つておる点があると存ずるのでありますが、しかしながらさようなことがあるからと申しまして、今回委員会がお取上げになつたような問題につきまして、そのままでいいというようなことは、公社の者といたしましても考えでおるわけではないのでありまして、十分謙虚な気持で、改善すべき点は改善をいたし、改めなければならぬ点は改めて行くべきものであると、私はさように思います。
  423. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 田淵さんに申し上げますが、まだ一人残つておるのですが、いかがでございますか。
  424. 田渕光一

    ○田渕委員 ではこのくらいにしておきましよう。
  425. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 山口さん、もう一人残つておるのですが、ひとつ簡潔に要領よく願います。
  426. 山口武秀

    ○山口(武)委員 一番初めにお伺いいたしたいと思いますのは、あなたは経理局長と連名で、本年の四月二十一日に通達を出していますね。——内容はわかりますね。——これを出されたのはどういうお気持で出されたのですか。
  427. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻申し上げましたように、消耗器材費から会議費の経費が出る予算に相なつておりまするので、申し上げるまでもなく、かような会議費は極力節約して参るのが理想だと考えますのみならず、さような使い方につきましては、各職場におきましても適当なる権衡がとられることが望ましい、かような意味からいたしまして通達をいたしたのであります。
  428. 山口武秀

    ○山口(武)委員 なぜなるべく節約した方がいいのですか。
  429. 曽田壯

    ○曽田証人 こういうものにつきましては、できる限り節約いたす方がいいと思いますので、さような通達をいたしたのであります。
  430. 山口武秀

    ○山口(武)委員 できる限りなるべく節約した方がいい、そのくらいのお考えつたのですか。それは情ない。私はもう少し公社に勤めている幹部係員として責任ある立場でこれは出したんじやないか、あるいは国民に対しての責任感から出したのではないか、こう考えていたのです。あなたの答弁は、あまり簡單過ぎる。あなたの腹のうち噂は、それで答えておるかもしれませんが、これはたまたま今あなたが失言したとはとれないのです。なぜかといいますと、あなたの先ほどからの委員の質問に対する答弁を見てみますと、専売公社が悪いことをしたというような考えはちつともないのです。どこにもそういうところがない。保險の問題で聞かれても、決してやめるとは言わぬ。誤解が解けなければ考慮するというような、誤解が解けねば、というような逃げ口上ばかり使つている。それだから一応聞いてみたのです。なお私はお聞きいたしますが、一体これまで使われていた日本の言葉の解釈によりますと、器材というのはどういう意味ですか。器具器材の……。
  431. 曽田壯

    ○曽田証人 消耗器材費ということで……。
  432. 山口武秀

    ○山口(武)委員 消耗器材というのを言つておるのじやない、器具器材の器材という意味を聞いておるのです。
  433. 曽田壯

    ○曽田証人 それは特別にどういう意味があるかということは承知いたしておりません。
  434. 山口武秀

    ○山口(武)委員 いやしくも日本専売公社総務局長ともあろう者が、器材の意味を知らない。こういう言葉の解釈を知らない。おそらくこのことは尋常六年生か五年生程度の学問を持つた人たちのことである。こういうような言葉の意味すら知らないで言つておるとすれば、専売局総務局長などというのはおこがましい話だ。もしもふてくされてそういうような言い方をしたとするならば、これは当委員会を侮辱するものである。そういうような態度というものがあらゆる場面に現われて来て、今回ここで日本専売公社の問題を取上げなければならないことになつた大きな素因をなしておるものである、と私はこう考えざるを得ないわけなんです。なぜ専売公社では会議費あるいは接待費というようなものを消耗器材費としてあげなければならないのか、予算の審議の面から見ても、通常であれば最もわかりやすい言葉を使うのが当然なはずである。しかもできる限り経費を節約した方がいいということは、それに関する限りわれわれは認めていた。そういうことになれば、予算の審議の際にも、その予算の内容というものが明瞭にわかつた方がいいはずである。それを消耗器材費というようなあいまいなことでごまかしておる。ところが一方、これに比べてみればきわめて額の少いものですが、別に交際費というものがある。そういうものをあげておるにもかかわらず、この消耗器材費ということで会議費、接待費というのを入れておられる理由がわからないのです。あなたは、それは他の官庁とは違う、こういうことを言つております。そうすると、専売公社というのはなるべくわけのわからない言葉を使つて、予算審議の際つつ込まれることを逃げようとするためにやつているのか、この他の官庁と違うという意味を聞かしてもらいたい。
  435. 曽田壯

    ○曽田証人 さような意図がございまして消耗器械費という科目を公社が用いおるということではさらさらございません。
  436. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたは私の問いに答えなかつたのです。先ほど一番初めに、あなたは宣誓せられる前に、証言の拒否はできないと念を押されているはずです。私がなぜ他の官庁とは違うような予算の組み方をするのかと聞いておるのに、これに対してお答えがないとすれば、あなたは証言の拒否ということを、言葉で言つたのではないのですが、事実上証言の拒否をしたと見てさしつかえありませんか。
  437. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまのお答をしておるつもりでございます。
  438. 山口武秀

    ○山口(武)委員 どろぼうをしても、おれはどろぼうしたのじやないというような弁明も口先だけではできる。しかし事実どろぼうしていれば犯罪にひつかかるのです。この総務局長は、少くとも今までのところ証言の拒否を明らかにしておる。私はあらためてこれを別な席で問題にすることにして先の問題を質問します。  あなたは、先ほど職員の住宅ですか、これについて家賃の三倍の値上げをした、こういうことを言つておりますが、これはいつ値上げされたのですか。
  439. 曽田壯

    ○曽田証人 先月から引上げております。
  440. 山口武秀

    ○山口(武)委員 一体どういうわけで三倍の値上げをやつたのか。先ほどの言葉によりますと、とりあえずそういう措置をとつたというのですが、とりあえずそういう措置をとつたというのは、何か特別の事態が起つて、それをとりつくろうためにとるというのがとりあえずの措置です。さらにあなたは、この言葉の説明をいたしまして、なお他の方面も調査してからほんとうの改訂をいたしたいと思う、こう言つております。そうすると、なぜあなたはとりあえずそういう措置をとつたのですか、その理由をお聞かせ願いたい。
  441. 曽田壯

    ○曽田証人 お尋ねの点につきましては、従前の使用料は、一昨年ごろから引続いて定めておりました使用料でございますし、かつまた当委員会事務局の方々に御調査願いました際におきましても、さような御意見を伺つたのでありまして、さような意味におきまして、とりあえずただいま申し上げましたような措置をとらした次第でこいます。
  442. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、当委員会の調査員が行つて調査をしてから、それが他と比べてはなはだしく安いものである、それでは他との均衡がとれないというようなことを初めてお気づきになつたのですか。もしそうでないとすれば、その前に方法をとつているはずなんです。どうなんでしよう。
  443. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたように、一両年前にきまりました使用料でありまして、むろん当時使用料をきめます際におきましては、各般の状況を調査いたしまして適正にきめたつもりでありますが、その後若干月日もたつておるわけでありますし、私どもといたしましても、これを他の方面との比較におきましても改訂をする必要があろう、こう考えておつたやさきでございまして、さようなとりあえずの措置を講じさしたのでございます。
  444. 山口武秀

    ○山口(武)委員 また私の質問に答えていない。答えないなら答えないでいい。しかし一両年前にはこの家賃というものは、他に比べて均衡がとれたものでしたか。
  445. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻申し上げましたように、私どもの寄宿舎の使用の方法といたしましては、移動の多い職種に優先的に使用さしております。従いまして、ある意味におきましては義務的に使用させなくてはならぬというような場合もございますので、一般に民間の賃貸借が行われる家屋とそつくりそのままの使用料で貸すということには相なつていないのでございます。
  446. 山口武秀

    ○山口(武)委員 移動する人に対して貸す家屋は、大体日本の慣例からすれば家賃が安くなつているのですか。私はまだそういうことを特に聞いたことはありません。これは専売公社内の常識ですか。
  447. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 この家賃を出している職員は、高級職員ですかあるいはまた下級の職員ですか。
  448. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいま申し上げましたように、移動の多い職種といことになつておりまして、むろん幹部もございますし、そうでないものも、全国の人のやりくりで、あちらへ転勤こちらへ転勤ということに相なりまして、幹部だけということでは絶対にございませんです。
  449. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私の質問に答えてください。
  450. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 山口委員の質問に答えてください。
  451. 曽田壯

    ○曽田証人 はなはだ恐縮でありますが、ただいまの御質問ちよつと理解いたしかねましたので、もう一度お願いいたしたいと思います。
  452. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私の聞いたのは、一両年前までの家賃というものは、他の官庁その他と比べて均衡がとれたものであつたかどうか、こう聞いたのです。そうしたらあなたは、そこに入つている人は移動が多いということを答えられた。それなので、移動の多い人が借りる家の家賃というものは、大体日本の慣例では安くなつているのか、こう聞いたのです。
  453. 曽田壯

    ○曽田証人 さようなつもりで申し上げたのではないのでありまして、移動の多いものを半ば強制的にその家屋を使用させるというような意味もございますので、ただいまのようなお答えをいたした次第でございます。
  454. 山口武秀

    ○山口(武)委員 おそらく異動されるのは困るでしよう。しかしながら、その人が困るのは、家賃を安くしてくれないというようなことで困るのでないのが普通でしよう。学校に行くのが困る、あるいはおちつかないから困るということであつて、異動のときは手当が出るわけです。家賃の点でその問題を補償するというようなことは関係ないはずです。どうも私によくわからないですが、もつとわかるような説明はできませんか。
  455. 曽田壯

    ○曽田証人 お話のように、異動に伴いまして移動費がむろん出されるのでございまするが、それとは別個にさような人に事業運営上その場所に行つていただくというような関係からいたしまして、ただいま申し上げましたようなお答えをいたしたのであります。
  456. 山口武秀

    ○山口(武)委員 大体きのうの経理局長にしてもそうでしたが、専売公社局長というのは、普通の常識でわれわれがはかられないものがあるようです。決して言葉すなおに答えない。りくつで詰つても、なお黒を白と言いきれる、こういう連中がそろつてるようです。この家賃の問題を聞きましても、あとで速記録を調べれば明瞭に証拠に残りますが、やはり依然として何を言つてるのかわからない。その点はその程度でやめておきましよう。  最後にひとつお聞きしておきたいと思いますのは、専売協会が専友会から毎年寄付金を受取つているが、これは保險事務をやつてるので、その事務費としてというような意味でもらつてるのだ、こういうことを言つておりましたが、どういうような事務をやつてるんですか。
  457. 曽田壯

    ○曽田証人 現在専友社は総代理店となつておるのでありまするが、総代理店としてのいろいろの責任を持つておるわけでありますので、従いまして、それに伴う事故発生の連絡、調査あるいは保險料の集金というような末端の、第一線の代理店との連絡調整の仕事というものが中心に相なつて参ろうかと存じております。
  458. 山口武秀

    ○山口(武)委員 専売協会というものが、そういうふうな専友社の手伝いをやつてるわけなんですね。
  459. 曽田壯

    ○曽田証人 専友社保險代理店事務の一部をいたしておるわけであります。
  460. 山口武秀

    ○山口(武)委員 その事務をやることに対して、タバコ耕作者あるいは小売人などという人は、それを公社あるいは元の専売局役人がやつてるというような受取り方がかなり出て来るのも無理はないですね。
  461. 曽田壯

    ○曽田証人 ただいまのお話は、小売人なり耕作者のことようでありましたが、さような保險の勧誘、募集というようなことは、専売協会はさらさらやつていないのでありまして、中央生命の社員の勧誘が行われておるということであります。
  462. 山口武秀

    ○山口(武)委員 今言われました保險事務というのは、専売協会に入つておるところの公社の職員を対象としたものですか。
  463. 曽田壯

    ○曽田証人 先ほど申し上げましたように、専友社が中央生命と保險の総代理店契約をやつておるわけであります。その総代理店契約の條項に基きまして、いろいろと専友社のやるべき仕事があるわけであります。その中の一部を専売協会の方でこれをもらつておる、こういうことでございます。
  464. 山口武秀

    ○山口(武)委員 それはいつ行うんですか。勤務時間が終つた後の、夜間であるとか、あるいは日曜祭日を利用して行つてるわけですか。
  465. 曽田壯

    ○曽田証人 現在専売協会は厚生関係職員がこれを所管いたしておりますので、厚生関係の職員がさような事務をいたしております。
  466. 山口武秀

    ○山口(武)委員 すると、正常の事務としてその事務を行つてるわけですね。
  467. 曽田壯

    ○曽田証人 厚生関係の職員は、公社職員の厚生関係につきましていろいろの仕事をいたしておるわけでありまするが、その一つとして、ただいま申しました保險のこともやつておるということでございます。
  468. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、実際上は専売公社から給料をもらいながら、専売公社内の一部では、専友社仕事をしてるというような実情があるわけですね。
  469. 曽田壯

    ○曽田証人 専友社の総代理店仕事の一部をやつておるのでありまして、ただいま申し上げましたように、厚生関係の職員が現在やつておるようなやり方でさようなことを行いましても、公社の運営上は支障がない、かような考え方からいたしまして、一部をやつておるわけであります。
  470. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうすると、あなたの考えでは、公社の人は事務にさしつかえがない限り、ほかの商売をやつてる、あるいは内職をやつてる、あるいはほかの会社の手伝いをやつてるということは、さしつかえないということになるのですね。
  471. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ちよつと伺いますが、生命保險関係は、やはり厚生課の一つの仕事じやないですか。
  472. 曽田壯

    ○曽田証人 申し上げます。さような生命参保險のことにつきましては、これは公社の厚生課の仕事の一つと相なつておるということでございます。
  473. 山口武秀

    ○山口(武)委員 しかし厚生課の仕事の一つだとしましても、専友社というような、これは全然営利会社公社と別個のものである、ここの事務まで代行してやるというようなことは、あつてもよろしいのですか。
  474. 曽田壯

    ○曽田証人 その点につきましては、ひとり専友社だけでなく、いろいろな保險会社との間におきまして、団体保險契約というようなことにつきましては、厚生課においてさような契約をやります場合には、これを所掌いたすわけでございます。
  475. 山口武秀

    ○山口(武)委員 厚生課の仕事としてやる限度というもの、それから専友社仕事の代行というものは、明瞭に別のはずです。それを混同しておるということが、公社がよその会社仕事までやつておるということになるわけです。
  476. 曽田壯

    ○曽田証人 申し上げましたように、専売協会といたしましてさような仕事の一部をやつておるのでありまして、この専売協会を所掌いたしますところは厚生課である、かような意味合いでございます。
  477. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それでは、やや関連性を持つておりますことをちよつとお伺いしますが、専売需品会社というのは御存じですか。
  478. 曽田壯

    ○曽田証人 はあ。
  479. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その会社公社内に事務所を持つてつたという事実はありますか。
  480. 曽田壯

    ○曽田証人 あります。
  481. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうして、その事務所なり、あるいは電話その他の料金は、どうなつておりますか。
  482. 曽田壯

    ○曽田証人 需品会社というものにつきましては、私、日常の接触がないものでございますから、詳細は存じておりませんですが、これはかつて終戰後、いろいろの専売関係の資材等につきましての調達組合というものであつたことを承知いたしております。それがその後さような需品会社というものになつたということも承知いたしております。
  483. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その点はわかつておるが、ただここでお伺いしておきたいと思うのは、そういう営利会社公社の一室を貸して、すべての什器を使わして、電話まで使用さしておつたという事実があるかどうかということであります。
  484. 曽田壯

    ○曽田証人 公社の一部を需品会社が使用しておつたということは、承知いたしております。そして今のお話のようなこともあつたかと思いますが、需品会社はお話のように一つの商事会社であります。かようなものを公社の一部にいたしましても使用さすということは、適当でないと私ども考えておりました。至急にこのような会社には出ていただきたいということを、かねがね申してあつたわけでございます。さようなことで、もう公社の一部は使用することなく、他に事務所が移転されたということを聞いております。
  485. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは当委員会が調査にかかつたので、あわてふためいてそういうことになつたのですか。またその前にしたのですか。
  486. 曽田壯

    ○曽田証人 これはただいま申し上げましたように、調達組合自体は確かに営利会社でもなんでもないのです。むしろ公社としましては近くにおつてもらはなくてはならぬ。いわば付属機関といつたようなものであつたのであります。今申し上げましたようなことで、商事会社にかわりますと同時に、至急出てもらいたいということで強力に話をしておつたことを聞いております。
  487. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その程度ですね。
  488. 曽田壯

    ○曽田証人 はい。
  489. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうするとあなたはその専友社仕事をやつたのではなくて、厚生課としての仕事をしていたのだ、こう言われるのですね。
  490. 曽田壯

    ○曽田証人 専友社保險代理業務の一部を専売協会がいたしておるのでありまして、専売協会の所管が、先ほども公社の厚生課であるということを申し上げたのであります。     〔内藤(隆)委員長代理退席、佐々     木(秀)委員長代理着席〕
  491. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたはごまかしばかり言つてだめだ。時間がないからがまんしてあげましようが、タバコ耕作者や小売人組合、それから製塩業者の生命保險獲得のために、中央生命保險相互会社あるいは専友社というものと、専売協会ないしは公社というものが、話合をしたことがあるのですか。
  492. 曽田壯

    ○曽田証人 先刻申し上げたようなことでありまして、小売人組合、耕作組合ですか、さようなものと直接話をいたしたことはございません。
  493. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたは私が尋ねたことに対して、とんでもない答えをしている。これは不謹慎きわまる。ここらで私はやめておきますが、やめておくというのは、きのうの経理局長にしても総務局長にしても、態度がきわめて不謹慎であつた。間違いを犯しておいて、やつたことに対して責任感というものは全然持つておらないということです。これが専売公社の実情である。少くとも幹部職員の間における実情であるということ、こういうことだけを明瞭にして、これ自体が、私は行政監察の上にきわめて重大な問題を含んでおるということを指摘して、あいまいなままの答弁を、そのままあいまいにしておいて質問を打切ります。
  494. 田渕光一

    ○田渕委員 私先ほど、山口君の方の質問があるだろうと思つて、実は早くやめたのですが、一点だけ伺います。予算委員会の分科会でもよろしいが専売公社に関する速記録を見て、曽田証人の発言に対して調べたいと思うのは、この消耗器材費を交際費に使うというようなことは、おそらく日本の字引の中にないと思う。そこで予算委員会の分科会その他において、その消耗器材費というものは、これこれこういうものに使うのだということを答弁されているに違いない。かりに総務局長が知らなければ、その前の……。
  495. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 これは大蔵省専売公社法にあるだろうと思いますから、それを研究して……。
  496. 田渕光一

    ○田渕委員 あると思いますから、私はそれを調べてからにいたしますが、ともあれわれわれの聞かんとするところは、この予算の流用であります。予算の流用というものは、ずつと終戰直後の専売局時代からやつておるのだという一つの悪習慣があるのですが、これは今からでもおそくない、こういうことはいけないのだということに気づかれたならば、今後こういう方面の消耗器材費の中から、交際費を三千万円も使うというようなことをするかしないか、それだけひとつ聞いておきたい。そして今まで聞いた証言に食い違いがあつて、もし総務局長が知つてつて白ばくれているならばこれについてはまた別に追究しようと思います。
  497. 曽田壯

    ○曽田証人 お話の点は、消耗器材費から会議費なりの経費に使うということは、予算の流用であるというような御意見のように伺いましたのですが、それは先刻来申し上げましたように、公社におきまして、さような会議のあるときには、その経費は消耗器材費という科目から支出することに相なつておるのでありまして、さような科目から出すことは、いわゆる予算の流用ではないということを申し上げた次第であります。
  498. 田渕光一

    ○田渕委員 きのうも経理局長がそういう答弁をいたして逃げておるのでありますが、それは予算委員会の分科会なり、あるいは大蔵委員会の速記録を調べて……。そういうことにいたしましよう。
  499. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ぼくは弁護するわけじやないが、それがどういうように流用になつておるかなつていないか、こつちを調べて見ましよう。総務局長は流用になつていないと確信しておるのだから、だからなつておるかなつていないかこつちで調べて見たらわかるのだから……。いいですね。他に御発言がなければ曽田証人に対する尋問はこれにて終了いたします。証人には御苦労さまでした。
  500. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 引続き新木証人証言を求めることにいたします。  新木正義君ですね。
  501. 新木正義

    ○新木証人 はい。
  502. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ただいまより、日本専売公社関係について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知つておいていただきたいと思います。  なお証人が公務員として知り得た事実が、職務上の秘密に関するものであるときは、その旨を申出願いたいと存じます。  では、法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人新木正義君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  503. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それでは宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  504. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  新木正義証人は、会計検査院大蔵業検査課長をせられているようでありますが、証人の今日までの簡單な略歴を申し述べていただきます。
  505. 新木正義

    ○新木証人 略歴を申し上げます。昭和十二年の一月に会計検査院に入りまして、二十二年七月第三局第一課の副長になり、二十五年八月二十三日大蔵事業検査誤長を命ぜられまして、今日に至つております。
  506. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 会計検査院の行う検査事務について、その結果を国会に報告するまでの過程について述べていただきます。
  507. 新木正義

    ○新木証人 会計検査院で国会に報告するまでの経過は、大体その年度の検査を四月から九月ごろまでいたしておりまして、検査の結果、相手官庁に違法もしくは不当事項があります場合には、帰庁してこれをとりまとめまして、局長の名前において、受検官庁の所属長官あてに照会を発するのであります。この照会が返りましたあと、その事案を見まして、違法なるか、あるいは不当であるか、これを国会に報告すべき問題であるか、あるいはまた経理上改善を要すると認められる事項であるか等種々審議をいたしまして、もし国会に報告すべきような重要な事項であると認めました場合は、課長がこれを立案し、局長の決裁を経て事務総長に提出することになつております。事務総長に提出いたしましたあと、各局と、院内全体とに、二つの検査報告委員会が設けられております。第一番に局の委員会において審議をいたしまして、審議します場合には、局長委員長となり、各課長もしくは副長が委員となつて、これを審議いたしております。この場合におきましては、調査幹事及び覆審幹事なる制度を設けておりまして、この案について十分審議をいたしております。局の委員会を通過いたしました分は、院内全体の委員会の方へ回付されまして、ここでまた十分審議され、院内全体の委員会は、次長を委員長として、官房各課長及び副長が委員に任命されております。そういたしまして、院内全体の委員会を通過いたしました分については、総長から検査官会議にその案を提出することになつておりまして、検査官会議で審議された結果可決されたものが、いわゆる国会の報告となつております。
  508. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、証人の検査課というのは、会計検査院の第何局で、局長はどなたですか。
  509. 新木正義

    ○新木証人 私が属しておりますのは大蔵事業検査課と申しまして、検査第三局に属しております。局長は山名酒喜男氏でございます。
  510. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 大蔵事業検査課の担当事務の概要について述べていただきます。
  511. 新木正義

    ○新木証人 大蔵事業検査課は、印刷庁、造幣庁、日本専売公社、この三部局の検査を担任いたしておりまして、検査箇所が上へ百二十九箇所、職員は課長以下事務官二十六名、雇員八名、計三十四名をもつてこれが検査に当つております。
  512. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 証人日本専売公社昭和二十四年度の決算検査を行つた。そのときの担当人員、及び検査の結果においてあなたが不当と認められたそのおもな事項について述べていただきたい。
  513. 新木正義

    ○新木証人 昭和二十四年度の検査は、昨年の九月十一日から九月二十一日まで十日間にわたりまして、私が主任官として、そのほかに池田事務官、佐藤事務官、新井事務官、古川事務官、この四名を連れて検査いたしました。検査いたしました結果、先ほど申し上げましたように、不当と認めた事項は一応全部立案いたしまして、検査報告委員会の方に御審議を願つておる次第であります。
  514. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 不当と認めた箇所はたくさんあるのですか。
  515. 新木正義

    ○新木証人 不当と認めた箇所は最初に提案します場合にかなりあります。そのうちでおもなものを申し上げますと——資料について申し上げてよろしゆうございますか。
  516. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 ちよつと資料を見て、おもなものだけでいいです。
  517. 新木正義

    ○新木証人 昨年度の検査報告に十一件は掲載してあります。
  518. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それは国会に送つたのですね。
  519. 新木正義

    ○新木証人 送りました。このほかになお委員会に行つて否決されたのが四件あります。
  520. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 証人は、専売公社が日本塩回送会社から約十五億円の過当利益金を回収した事実について調査したか、またこれについて当時担当課長としてどういう見解をとり、またどう処置したかを証言願います。
  521. 新木正義

    ○新木証人 昨年実地検査をいたしました場合に、塩回送会社から十五億円余りの回収金をとつたことは、検査の上において知りました。いかなる過程においてこういう結果が生じたかということを十分検討いたしました結果、結局本件は専売公社が調整する條項を置きながら、その調整が遅れたために、かかる過当な益金を会社に留保させた結果だという結論に達しましたので、一応検査報告案といたしまして、担当課長の責任上提案いたしました。本件は一つの事項といたしましては、昨年度の検査報告には掲載されておりませんが、本件のごとき事業経営の全般的なものは、むしろ個々の問題よりも全般的な問題という観点から、総括事項として検査報告に、「塩の回送」という題を設けて報告いたしております。
  522. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 その会計検査院の国会に対する決算検査報告書中に、單に「留意が望ましい事項」として「回送賃率の調整の処置の遅延した点もあつて相当改善の要があると認められる」というのがあるのみで、不当事項として指摘されていないのはどういうわけですか。
  523. 新木正義

    ○新木証人 本件は検査院から検査に行つて摘発した事項ではないのでありまして、最初は国税庁によつて摘発されまして、国税庁は、本件は日本専売公社において調整すべきものだという認定のもとに、これを専売公社へ委讓いたしました。専売公社で十分調べました結果、これを回収いたしております。私たちが行きましたときには、すでに回収済みで、すつかり整理を済ましておりました。私たちが地方に検査に行きまして、相手方が自分であやまちを気づいた場合に、自分でそれを直しておるというような問題も取上げてかれこれ批難をするということは、まことに男らしくないと私は考えます。しかし事態が事態だけに、一応そういうものでありましても、検査報告に掲載すべきじやないかという担当課長の立場から私は本件を出しましたが、会議の結果は、すでに是正された事項でもあり、むしろそういう個々の批難をするよりも、総括的にこれをやつた方が効果的じやないかという意向のもとに具体的に——具体的にと申しますか、一項目としてはあげずに、総論的に掲載されたような次第であります。
  524. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それでこの当時、この十五億というもののうち一億七千万円という金が回収されていなかつたのではなかつたかと思いますが、それはどういうわけだつたか、ちよつとお尋ねいたします。
  525. 新木正義

    ○新木証人 証人が検査に行きましたときには、二十四年十二月に九億二千万円、それから二十五年三月に三億八千万円、都合十三億の金が回収されておりました。その後私は九月に参りましたが、あとの残りの金は年度末までに必ず回収するという公社の言明もありましたので、公社の言明を信頼しまして私はそのままにしておきました。
  526. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、この専売公社と塩回送会社の間に、全額は返すが、そのうちの一億七千万円は十二月までに返すという約束ができておる……。
  527. 新木正義

    ○新木証人 三月の年度末までに必ず回收するという言明がありましたので、それを信用しました。
  528. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 言明されたのは専売公社のどなたですか。
  529. 新木正義

    ○新木証人 輸送部の担当官と心得ております。
  530. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 証人は本委員会事務局の基礎調査に際して、専売公社が日本塩回送会社から過当利益金を回収した事実はないと言われたそうですが、一方においては回送会社に対しての報告をしたということになれば、この委員会の事務局にどういうわけでそういうことを言われたのですか。
  531. 新木正義

    ○新木証人 ことしの七月、事務局の方が来られまして、その問題を聞かれました。私は公務員でありますがゆえに、本件を一応説明いたしませんでした。公務員は公務員法によつて束縛されております関係上、職務上知り得たことはみだりにしやべるべき筋合いのものではないと心得ております。ことに職を会計検査院のような官庁に奉じております者は、一層その節度が必要ではないかと考えまして、いたずらにしやべるべからざることはしやべつていけないという観点から、ただ公務員法を守つただけでありまして、他意はありません。
  532. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると、あなたは公の場合以外は他の者にはそういうことを発表すべきじやないという公務員の考え方からやつた……。
  533. 新木正義

    ○新木証人 はい。
  534. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 専売公社昭和二十四年度中に東京海上火災保險株式会社外七社と火災保險契約を結び、保險料として約七千万円を支拂つた事実に対し、証人は当時いかなる見解をとられていたか、またそれをどう処理されましたか、お答え願います。
  535. 新木正義

    ○新木証人 日本専売公社が約七千万円の保險をかけましたことにつきましては、私は担当課長として当時検査をいたしまして、はなはだ不都合だと考えました。いやしくも多額の国費を保險のごときものにかくべき筋合いじやないという結論に達しました。本件ははなはだ不必要な保險じやないか、今でもそういう観念を私は持つております。当時担当課長といたしまして、本件も国会に報告すべき事項だと考えましたので、一応検査報告案は立案して提案いたしました。すべて私たちが出します問題は委員会あるいは検査官会議、すべて会議の結果決せられるものでありますので、検査報告としては掲載されておりませんが、私自身の考えとしては、今でもはなはだ不都合な不当なもの、だつた考えております。
  536. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 右の事項はこの会計検査院の国会に対する決算報告書中に全然記載されていないのですが、それはどういうわけですか。
  537. 新木正義

    ○新木証人 私自身は不当な支出だと考えておりましたが、会議の結果は、国会においてすでに予算も承認されていることだし、かつまた二十五年度からは保險をやめている、その他保險の料率等においてもはなはだむずかしいところがあるし、再びこういうあやまちを繰返すおそれもないので、あえて批難することもないのじやないかというような意見が強くて、検査報告には載らなかつたと私は察しております。
  538. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 あなたは不当だと思つて出したけれども、結果においては国会に行つてなかつたということなんですか。
  539. 新木正義

    ○新木証人 そうです。
  540. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 専売公社では懇談会費とか会合費とかいうような経費が、まあその年によつても違いますが、一年間に四、五千万円くらい消耗器材費という名目から出ているのです。これは他の官庁ですと食費とか交際費というのは、これは別個の総裁とか、あるいは知事とかいう個人の使う分ですが、よその会社の予算編成を見ると、食費なら食費とはつきりしているのですが、消耗器材費という中から専売局ではこれを使つているのですか。これは先ほどここで証言した総務局長あたりに、予算の流用じやないかということを言つているのですが、あなたとしてはどうお考えになりますか。
  541. 新木正義

    ○新木証人 消耗器材費と中から懇談会の経費を支出するということは、ただいま委員長から予算の流用ではないかという御質問でありますが、私は、本件は予算の流用ではないと考えます。大蔵当局に予算を要求します場合にも、一応そういうものは消耗器材費に積算されることを大蔵当局でも認めているように聞いておりますので、ただこういう不経済的支出をすることは、私たちといたしましても努めて節減を注意いたしている次第でございます。
  542. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 そうすると流用にはならないというのですね。
  543. 新木正義

    ○新木証人 流用とは考えません。
  544. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 他に委員からありますか。
  545. 田渕光一

    ○田渕委員 これはこの事務に直接当つた担当官が起案をして、これを課長会議でよろしいといい、次長が議長をする全体会議で否決するというような場合には、往々どういう採決の方法をとつておりますか。
  546. 新木正義

    ○新木証人 ただいまの御質問にお答えいたします。  局で審議します場合には一つの案を出します。この案に対しましてこちらが言うことが正当であるか、相手方の答弁が正当であるか、そのほかあらゆる資料から検討いたしまして、こちらが主張することに不審な点が多い場合にはこれが否決されるのであります。
  547. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほどの証言で、公務員法を守るために言わなかつた、こういうのでありますが、それならばそれで当委員会の事務局員が行つたときに、はつきりと公務員法によつて縛られておるから、そういう点は公式な国会にでも召喚されれば言うけれども証人として尋問を受けぬ限りは言わぬとでも言えばいいが、はつりそのことを弁護しておるところにおかしい、納得のいかぬところがあるのであります。つまりあなたが事務局の調査員に対してこう言つている。日本塩回送会社資本金三百万円の貧弱な会社で、事業不振のため赤字を出し、気息えんえんとしているので、常識上さようなことはあり得ないじやないか、こういうようなことを、公務員法を守るために言うたかどうかということが問題である。これは公務員法によつて自分の知つている範囲を言わずに守つた、いわゆる公務員法に規定されているところの秘密を守つたとはとれない、と思います。なぜそういう言葉を多くつけ加えられたのであるか。その点をひとつ納得の行くようにお聞かせ願いたいと思います。
  548. 新木正義

    ○新木証人 ただいまの御質問にお答えいたします。あとの何はあるいはよけいなことだつたかもしれませんが職務上知り得たことを、ことに検査院のような官庁にいる者がいたずらにしやべるということは、大いに慎むべきことだと私は考えております。先ほども申しましたように、公務員法に規定されたところを守つたにほかなりません。
  549. 田渕光一

    ○田渕委員 この国会に報告されました昭和二十四年度の決算報告書の百八十ページの(2)項の中にあるのであります。先ほど証言がありました通り「塩の回送」という見出しで出してある。これにはこう書いてあるのであります。「塩の回送については、操作が不手際であつたり、運賃率の適用を誤つたりした事例もあり、又、回送賃率の調整の処置が遅延した点もあつて相当改善の要があると認められる。なお、公社もこれに留意し、二十五年七月末あらたに輸送部を設け、回送経費の使用について鋭意改善に努力中である。」こうあつて、まつた証言は先ほどおつしやられた通り総括的なものであります。少くともこの問題が大阪国税局によつて摘発されて、大体十一億というへそくりが出て来た。ここで私があなたに伺いたいのは、なぜもつと具体的なことを国会に報告しなかつたか。国会に報告する印刷の資料に行く前に、何がゆえに局長が議長をするところの局全体会議でこれを抹殺してしまつたか。あなたの起案というものを三件否決されている。その三件の否決は保險と塩の十一億のへそくり、保險の七千万円の不当支出、こういうようなもので検査報告されている。ことに第三局の大蔵事業を受持つているあなたとしてなぜありのままを信念で通さなかつたか。証言台に立つている態度といい、その信念といい、私はそれだけ貫くなら、何かそこに会議において専売公社の方、あるいは大蔵省から魔手がまわつて、この会議をこういうような龍頭蛇尾に終らしたのではないか、こう思うのでありますが、その会議の模様からひとつ聞いて、それからだんだんとこの問題に対する納得の行くような説明が願いたい。
  550. 新木正義

    ○新木証人 保險の問題にいたしましても、塩の回送の問題にいたしましても、先ほど申し上げた通りでありまして、ほかに申し上げる点はないと私は考えます。
  551. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それで結局はあなたの持つて来たのを上の方で否決したのでしよう。その会議の模様をあなたは知つているのでしようか。上の方の三人の委員会で否決されたその模様を話してくれというのです。
  552. 新木正義

    ○新木証人 保險の問題については、先ほども申し上げましたように国会で予算は承認されておりますし、かつまた二十五年度はすでにもうやめております。そこで再びこういう危險は発生しないものであるという見地から、それといわゆる検査院の立場からしまして、こういう危險を防止するという立場からああいう不当事項は出しますが、本件のごときはすでに二十五年度からはやめておりますし、再びこういうことはないのだ、国会が予算は承認を与えておる問題ではあるし、あえて批難することはないじやないかという結論であります。
  553. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それはあなたが結論を出したのではなくて、それをきめる委員会があるのでしよう。
  554. 新木正義

    ○新木証人 これは委員会の方でそういう話をきめるのです。
  555. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 委員会というのはどういう構成で、どう人たちがやるのですか。
  556. 新木正義

    ○新木証人 先ほども申し上げました通りに、局の委員会は局長委員長となりまして、各課長及び副長がその委員になつております。院内全体の委員会といたしましては、次長が委員長となつて官房各課長及び副長が委員になつております。局の委員会を通過した分は全体の委員会に参りまして、院内全体の委員会を、いわゆる検査報告委員会を通過した分が検査官会議にまわるというような形になつております。
  557. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 検査官会議というのは、それは最高の会議ですね。
  558. 新木正義

    ○新木証人 現在の最高意思決定機関であります。
  559. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 最高意思決定機関はどうなつておりますか。
  560. 新木正義

    ○新木証人 院長を議長としまして、検査官は三人になつております。
  561. 田渕光一

    ○田渕委員 会計検査院長をこの十五日に証人に呼んでおりまするから——その審理は院長の審理でありますが、少くとも院長を議長とするこの三人会議で否決されれば、担当課長の出した議案はそのままやみからやみに葬り去られてしまうのでありますか。
  562. 新木正義

    ○新木証人 担当課長としての立場と検査院としての立場は、おのずから異なるものがあると考えております。私はこの担当の議長の立場から申しますならば、保險の問題でも今なお納得できないのでありますが、すでに検査院の最高意思決定機関である検査官会議で否決されました以上は、これに従うことは何らはばかることはなかろうと考えております。
  563. 田渕光一

    ○田渕委員 三人の会議というものが横暴をやつたということはわかつてつたのでありますが、この十一億円からのいわばへそ繰りです。これは本員が神戸で調べて参りましたことをあなたに御参考までに申し上げたら納得が行くと思うのだが、当時の塩会社の経理というものはなつていない。何百万円、何千万円という金を毎日小切手で送金して来るが、ごまかすつもりだから帳面をつけない。そこで銀行の連中が行つて、私にも預金をください、私にも預金をくださいと言う。富士銀行支店長代理あるいは神戸西支店長代理などが行つても、——そんなわけで記録しているかというと記録していない。銀行に預金帳を預けておるのでありまして、そのうちの一千万円でも五百万円でも紛失してもわからぬほど金があがつてしまつてつた。それくらいもうかつてつた。とにかくもうあがつてつたということで、矢頭という会計がこういう不当をやらした。すなわちその責任者の専売公社の上級課長は、重大な過失だと思いますけれども、これはどうも悪意があつてつたものではないと思うと言つておる。ここをなぜ会計検査院はつつ込まなかつたかというのである。こんなことでとうとう十一億円というへそ繰りが、大阪の国税局から千代田銀行さんまで広がつて来た。神戸の千代田銀行の西支店を国税局がやつておるうちに、この問題の預金帳が出て来て、そこから発覚した。それで先ほども言う通り、善意にも解釈されておるから、これ以上追究する必要はない、これを国会に報告する必要はないと言つておるが、そもそもこの塩会社というものの成り来りはどういうものであるかというと、前専売長官とか何とか、そんなような連中を連れて来て重役にしておるが、あなたが当時そこへ検査に行つたときに、なぜそこまで追究しなかつたか。一体会計検査院はどこまで検査するのか。私は立ち会つたことがないからわからぬけれども、少くともこの十一億なんというものはへそ繰りなんだ。こういうような不当な金を、専売局がいかに予算してとつてつても、これにメスを入れて行くのが会計検査院の職務ではないかと思うのです。回収しておるからいいということだが、回収しておりはせぬ。十一億何千万円の中の十億は回収したが、まだ一億何千万円というものは未回収だ。こういうような事項を国会に報告せず、第二の塩の回送というところへ三行だけでここに持つて来たということは、まことに私は会計検査院として信ずることはできぬ。
  564. 新木正義

    ○新木証人 ただいまの御質問についてお答えいたします。私たちが従来検査報告を書きますときには、この検査報告は決算委員会において十分審議されるものと心得ておりました。二十四年度の検査報告が決算委員会において早く審議なされたならば、おそらく今度の問題も局長なり、あるいは私どもの方におきまして十分審議されたことと考えておるのであります。決算委員会では十分説明する予定のもとに、この報告案を総括的に書いてありますが、いずれ決算委員会が開かれた場合には、なお詳しく説明するつもりであります。
  565. 田渕光一

    ○田渕委員 証人は責任を国会に転嫁しております。しかしながら私は、証人のこの所属しておる会計検査院というものの独立性というもの、旧帝国憲法時代から民主憲法になつて以来、この制度が嚴然としておる点に、証人は一つの誇りを持つていなければならぬと思う。たとえば国会の開会式においても、その式場の前列にすわるものは内閣総理大臣であり、その次は最高裁判所長官、その次は会計検査院長じやないか。そうして両院副議長がこれに連なるというような特殊なるところの地位にあるものが、何も国会に責任を転嫁する必要はない。やるべきことは堂々とやらせるために置いておるのだと思うが、この点はどうですか。
  566. 新木正義

    ○新木証人 私が御説明申し上げましたことは、ただ、簡單に書いてあるという田淵委員の質問に対して、決算委員会において御審議なさるときには十分詳しく申し上げますという意味のことを申し上げたつもりであります。
  567. 田渕光一

    ○田渕委員 私はあえて証人を追究するのでありませんが、当委員会の調査委員会が行つたときに、今証言台では公務員の規定によつて言わなかつたというが、そんなことはありつこない。十五億というものは報告したということを言うだけ言うておつて、ここに出て来た結論が、重大な十一億のへそ繰りの問題をただ三行にまとめてしまつたというところに私が納得できないところがある。なぜかといえば、大蔵省の管内であるところの専売公社だ。その専売公社役人どもが、前にも私が言つた通り、塩回送会社だから一連の関連があつてこれをやつたのではないのか。意識的にやつたものだとは言わないが、何か課長としてやりたいのだけれどもやれないという政治的の圧力が加わつたのか、あるいは他の権力が加わつて来てあなたの信念を曲げたのかということを聞きたい。こういうことが改革すべき点だと思うから言うのです。
  568. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 田淵君、今のは希望ですか。
  569. 田渕光一

    ○田渕委員 ええ。
  570. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員長代理 それでは他に御発言がなければ、新木証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人には御苦労さまでした。  次会は明後十五日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時九分散会