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1951-11-09 第12回国会 衆議院 行政監察特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月九日(金曜日)     午前十一時八分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 佐々木秀世君 理事 塚原 俊郎君    理事 内藤  隆君 理事 小松 勇次君    理事 猪俣 浩三君 理事 山口 武秀君       大泉 寛三君    岡西 明貞君       鍛冶 良作君    志田 義信君       田渕 光一君    野村專太郎君       福田 喜東君    大森 玉木君       藤田 義光君    久保田鶴松君       加藤  充君    松本六太郎君  委員外出席者         証     人         (日本專売公社         製造局長)   坂元 晃佑君         証     人         (日本裝器株式         会社取締役社         長)      成田 豊勝君         証     人         (株式会社專友         社常務取締役) 川崎榮三郎君         証     人         (專売需品株式         会社社長)   芝原隆太郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  日本專売公社関係事件     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 会議を開きます。  この際お諮りいたします。昨日は森田証人に対する尋問の中途におきまして休憩に入り、本会議との関係上、そのまま再開に至らなかつたのでありますが、昨日の証人中、坂元晃佑君は本日午前十一時に、森田作太郎君及び沼野英不二君は十五日午前十時に出頭を求める手続をとつておきましたが、さよう決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 篠田弘作

    篠田委員長 異議なきものと認め、さよう決定いたしました。  それではこれより前会に引続き、日本專売公社関係事件について調査を進めます。ただちに坂元証人より証言を求むることにいたします。  坂元晃佑君ですね。
  4. 坂元晃佑

    坂元証人 はい。
  5. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま日本專売公社関係事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。宣誓書の御朗読を願います。     〔証人坂元晃佑朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事も  かくさず、又、何事もつけ加えない  ことを誓います。
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは宣誓書署名捺印して下さい。     〔証人宣誓書署名捺印
  7. 篠田弘作

    篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人の略歴について述べてください。
  8. 坂元晃佑

    坂元証人 私は昭和三年專売局專売局技手として採用になりまして、昭和十九年に專売局作業課長を命ぜられました。それから昭和二十四年の六月に專売公社になりまして、專売公社製造局次長、それから昨年の九月に現在の製造局長になりました。
  9. 篠田弘作

    篠田委員長 製造局業務内容について概略述べてください。
  10. 坂元晃佑

    坂元証人 製造局には三課ございまして、一つ作業課、この課ではタバコ製造計画と、それから製造方法について、また工場の能率に関する事項、それからタバコの原料を葉組みする関係の仕事、これを担当いたしております。  それから施設課という一つの課がございまして、ここはタバコ製造用機械工場設備工場電気設備、そういうふうなことを担当いたしております。それからいま一つ資材課でありまして、これはタバコ製造関係、及び他のタバコ関係も含まれる場合がありますが、その資材購入ということを担当いたしております。
  11. 篠田弘作

    篠田委員長 タバコ製造用材料、あるいは運送用木箱、そういうものの購入方法、あるいはその年間金額、そういうものについて述べてください。
  12. 坂元晃佑

    坂元証人 ちよつと資料によつてお答えしたいと思いますが、資料を見させていただきます。
  13. 篠田弘作

    篠田委員長 いいです。
  14. 坂元晃佑

    坂元証人 タバコ製造用資料といたしましては、第一にタバコ巻紙がございます。これが年間金額が、昭和二十五年度の実績におきまして八億七百万円に上つております。それからタバコ包裏小箱その他の包装に使います紙類がございまして、これにはピースや光のようにかたい手のもありますし、またバツトや新生刻みタバコのように薄い手のもあります。それからさまざまの薄紙がありますが、それらを合計いたしまして、昭和二十五年度には十四億六千九百万円を購入いたしております。それからその次にはこれらの紙類印刷加工をいたしますが、これは專売公社におきましては京都に直営工場も持つておりますが、さらに不足する分につきましては民間に発注せざるを得ませんので、その印刷加工の経費といたしまして、二十五年度七億四千百万円を支出いたしております。それからタバコ包装用には、上級両切りタバコにはアルミ箔包裝をいたしておりますが、その金が一億五千二百万円、それから両切りタバコ新生にはアルミのかわりにパラフイン紙を使いますし、また上級両切りにはろう紙の上包みをいたしますが、その金額が一億九百万円。それから各種類の香料を両切りタバコに使いますが、その合計が一億四千八百万円に達しております。それから直営工場印刷用のインクがございまして、これを三千八百万円ほど購入いたしております。それから梱包材料といたしましては、製造タバコを梱包いたしますのに木箱使つておりますが、それが二種類あります。一つは普通の箱でありまして、これに一億八千七百万円、それから、いま一つ通い箱でありまして、これが七千四百万円。
  15. 篠田弘作

    篠田委員長 何箱。
  16. 坂元晃佑

    坂元証人 通い箱吉原式木箱と申しておりますが、それが七千四百万円、それからこの材料品を運搬いたしますのに、やはり通い箱使つておりますが、それが四千五百万円、これらのものが主要なものでありまして、ただいま申し上げました金額その他で三十九億三千七百万円が二十五年度の支出になつております。そのほかに、この工場におきましては様々な資材がいるのであります。これらのものはタバコについたものではありませんので、私どもの方では消耗品というふうにいたしておりますが、その中でも重要なものは、貯蔵品として別に整理をいたしております。支出金額ではなくて、原価計算の方に現われた二十五年度の金額を申上げますと、この貯蔵品に相当するものが二億四千百万円でございます。その中で一番大きいものは燃料でありまして、これは石炭がおもでありますが、これが一億四百万円、それから石油製品ですが、これは潤滑油がおもであります。これが五百万円。それから機械運転用品でありますが、これはベルトの類がおもでありますが、これが四百万円。それから……。
  17. 篠田弘作

    篠田委員長 その辺で大体けつこうです。石炭とか石油貯蔵品となつておるのはそういうわけですか。これは消耗品じやないのですか。
  18. 坂元晃佑

    坂元証人 消耗品でございますが、公社消耗品の中で、重要なものを貯蔵品というふうに区別をいたしまして、原価計算上特別な見方をしております。
  19. 篠田弘作

    篠田委員長 その購入はどういう方法でやつておりますか。
  20. 坂元晃佑

    坂元証人 これらの資材購入方法について申し上げます。專売公社におきましては、物を買います場合に、原則としましては競争入札によるということにいたしております。これは競争入札による方法が、供給者に対して最も機会を均等に與えることになるということと、それから公社といたしましても競争入札の方が、大体の場合において安い価格が期待されるというわけでありまして、当然のことと思います。しかしながら物によりましては、その方法ではやりにくい、あるいはその方法をやつても無意味であるというような場合には、随意契約方法をとることになつおります。もつとも随意契約をするにつきましては、内部といたしましては、いかなるものがやむを得ず随意契約をせざるを得ないかということで相当審議はいたします、そういうものについて随意契約をいたしております。
  21. 篠田弘作

    篠田委員長 たとえばどういうものですか。
  22. 坂元晃佑

    坂元証人 その内容を申し上げますと、ただいま申し上げました資材の中で、公社だけに使いまして他には用途がないというようなものがございまして、こういうものはやはり発注生産にならざるを得ないものもありまして、こういうものは大体随意契約をいたしております。
  23. 篠田弘作

    篠田委員長 どういうものですか。
  24. 坂元晃佑

    坂元証人 たとえばアルミ箔であるとか、ろう紙であるとか、あるいはほうちよう、あるいはといし、あるいは木箱というようなものであります。
  25. 篠田弘作

    篠田委員長 木箱はどういうわけで随意契約でなければいけないのですか。
  26. 坂元晃佑

    坂元証人 木箱につきましては、これは競争入札でもさしつかえないじやないかというふうな御意見が多いだろうと思いますが、これは私の方で品質についての要求もございます。タバコ木箱は、木材の中で赤身の板を使つてはならない。これは濕気を防ぐ関係でありますが、赤身の板をできるだけ避けなければならない。それから何回も回収して使います関係で、寸法もきちんと守られなければならないということももちろんありますけれども随意契約による方法の方が、私どもの方の必要なときに必要な数量を確実に求めることができる。競争入札では、木材事情によつて、あるいはその方法は安全に確保することが期待できないというふうなことから随意契約にいたしております。
  27. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると随意契約といつても、ほとんど契約者は固定されておつて契約者は年中自身の板を貯蔵し、あるいは準備しておる。だからいつでもあなたの方の要求に従える、こういうことなんですね。
  28. 坂元晃佑

    坂元証人 さようでございます。
  29. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると随意契約といつても、結局きまつておるということなんですね。
  30. 坂元晃佑

    坂元証人 そうでございます。
  31. 篠田弘作

    篠田委員長 箱は会社がきまつておるわけですね。
  32. 坂元晃佑

    坂元証人 そうでございます。
  33. 篠田弘作

    篠田委員長 それは全国で何軒くらいございますか。
  34. 坂元晃佑

    坂元証人 全国で五十二軒ございます。
  35. 篠田弘作

    篠田委員長 それでは逆に聞きますが、そのほかに競争入札しておるものもあるわけですね。
  36. 坂元晃佑

    坂元証人 ございます。
  37. 篠田弘作

    篠田委員長 どういうものを競争入札しておりますか。
  38. 坂元晃佑

    坂元証人 たとえば石炭であるとか、あるいはベルト類、あるいは修繕用材料、これは木材を買いましたり、鉄鋼を買いましたりいたしますが、そういうものは大体において競争入札になつております。
  39. 篠田弘作

    篠田委員長 紙類なんかはどうですか。
  40. 坂元晃佑

    坂元証人 紙類随意契約になつております。この紙類随意契約にいたしております理由を申し上げたいと思います。紙類の中で巻紙につきましては、御承知のように專売品でありまして、これはまた專売公社專用のものでもありますし、法律によつて專売になつておりまして、メーカー指定されております。その指定したメーカー生産命令を出しまして、それを買い入れろというふうな方法によつてつております。それからその他の普通の、他の方にも使える紙についてなぜ随意契約をするかということを申し上げたいと思いますが、これは公社要求する品質のものが潤沢でないということが、結論としまして言えるのであります。それの極端な例を一つ申し上げますと、ろう紙原紙としまして、グラシン紙使つておりますが、このグラシン紙はただいま本州製紙からだけ買つております。このグラシン紙は他にも生産者がございますけれども、私どもの使えるものとしましては本州製紙の紙が第一番である。そうしますと競争入札という余地もありませんし、一社と契約する以外にはしかたがないような事情随意契約にいたしております。それからタバコ包裝原紙として使いますAマニラでありますが、これは私どもの見通しといたしましては、相当優秀なメーカー生産は月産七百五十万ポンド程度はあると思つております。しかしながらAマニラと申しましても、その全部が公社用途に適するというわけではありませんで、もちろん公社として最高級のものを使うということではありませんけれども、現在の生産状況からして、それほど公社で使える品物がたくさんあるわけでは実際問題としてないと思います。従いまして私どもとしましては、大体公社に使えるものは五百万ポンドぐらいはあるのではなかろうかと考えております。ところがこれらのメーカー取引状況を見ますと、あるものについてはもうすでに予約生産をいたしておりまして、一般市場に出せる紙というものはたくさんはないのであります。大体どれほど一般市場に出せるか、これもまた推定ではありますけれども、二百三、四十万ポンドではなかろうか、そのうち公社の取り前というものは二百万ポンド程度でありまして、この状況では、現段階としましてはとても随意契約はできないと考えます。
  41. 篠田弘作

    篠田委員長 それはおもにどこから買つておりますか。
  42. 坂元晃佑

    坂元証人 本州製紙三菱製紙、大昭和製紙東京製紙興陽製紙、五條製紙共栄板紙、天間製紙白峯製紙、以上九社であります。それから上質印刷紙の方でありますが、これは最近におきまして大分生産者が多くなり、タバコ用紙Aマニラに比べますとやや供給が潤沢でありますけれども、大体私どもの考えておる生産の月額は八百万ポンドでありまして、それに対する公社向けの紙としましては五百五十万ポンドであります。ところがこれはなかなか契約生産が多いのでありまして、一般市場に出まわり得るものとしましては、百六十万ポンド、それに対する公社の需要は九十万ポンドくらいあるというふうに考えております。これはAマニラよりやや潤沢ではありますけれども、この紙の現在の生産状況につきましても、あるいは電力事情であるとか、あるいは石炭であるとか、隘路が相当多いし、また南アジアの方でヨーロツパ、アメリカの方から紙が来なくなれば、日本の紙はすぐ流れて行く。特に上質紙の方でそういうふうな傾向が多いのでありまして、現在の段階としましては、随意契約によるよりほかいたし方がないと考えております。
  43. 篠田弘作

    篠田委員長 ストツクはどのくらい持つておりますか。
  44. 坂元晃佑

    坂元証人 大体四箇月くらいであります。
  45. 篠田弘作

    篠田委員長 その場合、相手方選定はどういうふうにしてやつていますか。
  46. 坂元晃佑

    坂元証人 相手方選定につきまして、まず紙の点を申し上げますが、原則としまして、公社以外にも用途のあるものにつきましては、どちらのメーカーでも、公社に適するものが生産できれば取引をいたすようにいたしております。たとえば紙につきましても、昔は本州製紙三菱製紙共栄板紙というような、Aマニラについては三社しか取引をいたしておりませんでしたが、最近各社が私どもの方で使えるような紙を生産するようになりましたので、できれば範囲を拡張するというような方法でやつております。これは公社所要量も増したということもありますけれども、なるべく窓口を大きくしてこちらの依存度を少くする、やがては生産が多くなれば、競争入札に移りたいというふうな考えから、こういうことにいたしております。
  47. 篠田弘作

    篠田委員長 公社取引が、公社関係退職者、あるいは特殊な何か関係のあるものの会社に注文を非常に随意契約で発行して、いいものを持つて行つても、一般会社とか、あるいはそういう市場のものは買わないという非難が相当開かれるのですが、その点はどうですか。
  48. 坂元晃佑

    坂元証人 その点につきまして、公社取引先について御説明いたしたいと思います。アルミ箔でございますが、これは三社と現在契約をしまして取引をいたしていますが、これは三社とも、日本アルミ箔メーカーとしましては、最も優秀なメーカーでありまして、他にこれに及ぶものはないというふうに考えております。この中で日本製箔、これには前に公社中央研究所長をしました小玉という人が行つておりますけれども、大体これに対する取引量というものは三分の一くらいであります。これは戰前からその人が社長をいたしております。  それからろう紙につきましては四社供給先がありまして、そのうちの一社が、ただいま申し上げました日本製箔でありまして、他については公社との関係はありません。  それから印刷加工関係でありますが、これは現在取引をいたしておりますものが十四社ありまして、そのうちの一社が日進印刷工業株式会社というものでございますが、これは前に大蔵省の理財局長をいたしまして、それから後に凸版印刷の專務をいたしました久保文藏氏が社長をいたしております。その他におきましては、公社との関係が特に密接だという会社はございません。  それから紙でありますが、紙の取引社は、昭和二十五年度の実績におきましては二十三社ございまして、その中で公社との関係のありますのが四社ございます。つまり昔の專売局時代に勤めておりました者が退職いたしまして、それが現在関係しているというものが四社ございます。  木箱につきましては、全国五十二社の木箱会社がありますが、私の知つている範囲では、特に公社関係者がいるというふうには考えておりませんですが、タバコを入れるたるの方には十二社ありまして、そのうちの三社を公社関係者がやつております。
  49. 篠田弘作

    篠田委員長 この專友社というのは何を納めているのですか。
  50. 坂元晃佑

    坂元証人 專友社につきましては、私その内容は十分存じません。これは総務局長がよく存じておりますから……。
  51. 篠田弘作

    篠田委員長 これは取引していないのですね。
  52. 坂元晃佑

    坂元証人 取引はいたしております。專友社は、紙の方の取引関係が四社あると申しましたが、そのうちの一社であります。これは富士川製紙代理店をいたしております。
  53. 篠田弘作

    篠田委員長 專売需品株式会社というのは……。
  54. 坂元晃佑

    坂元証人 これも紙の関係取引をいたしております。
  55. 篠田弘作

  56. 坂元晃佑

    坂元証人 專売局時代の……。
  57. 篠田弘作

  58. 坂元晃佑

    坂元証人 はあ。これは吉原木箱をつくつております二社のうちの一社でございます。
  59. 篠田弘作

    篠田委員長 これはあなたの関係かどうかわからぬが、輸送関係だけれども塩回送株式会社というのがありますね。
  60. 坂元晃佑

    坂元証人 はあ。
  61. 篠田弘作

    篠田委員長 これはあなたの関係じやないのだな。きのうまで問題になつてつた……。
  62. 坂元晃佑

    坂元証人 私はそのことについて十分存じませんです。
  63. 篠田弘作

    篠田委員長 それから日本食塩製造株式会社というのがありますね。これは何をやつておりますか。
  64. 坂元晃佑

    坂元証人 それは食卓塩製造をいたしておると思いますが、これも私は十分存じておりません。
  65. 篠田弘作

    篠田委員長 これもあなたの関係じやない。
  66. 坂元晃佑

    坂元証人 はあ。
  67. 篠田弘作

    篠田委員長 それから材料購入ですが、こういうふうにして直接メーカーから取引していますか、それとも代理店を通じていますか、どつちですか。
  68. 坂元晃佑

    坂元証人 これは物によりましては直接メーカーとの取引でありますし、紙であるとか、あるいはグリセリンであるとかというものは代理店を通じております。
  69. 篠田弘作

    篠田委員長 それは販売組織の上でメーカー代理店使つておる場合ですね。
  70. 坂元晃佑

    坂元証人 さようであります。
  71. 篠田弘作

    篠田委員長 代理店の制度のないものは直接メーカーからとつていますか。
  72. 坂元晃佑

    坂元証人 はあ。
  73. 篠田弘作

    篠田委員長 購入価格の割高のものが多いというようなことはないのですか。
  74. 坂元晃佑

    坂元証人 私は割高というふうには考えておりません。具体的に御説明申し上げたいと思います。紙についてお話を申し上げますと、ただいまの契約価格は、上質紙がボンド八十円になつておりますが、これは八月一日に変更をいたしております。それ以前は八十一円二十銭であります。パルプの公定価格がはずれまして、紙が一斉に騰貴いたしましたが、その当時は八十一円二十銭にいたしておりました。その当時私ども市場価格として判定いたしたものは、八十八円ないし九十一円くらいに考えておりますので、その点で私の方で特に高く買つているというふうには考えておりません。それから八月一日に八十円に変更いたしましたのは、一時暴騰いたしましたけれども、だんだんと紙の値段がおちついて参つた。そういうことで、その機をねらつて八十円に変更いたしたのでありますが、その当時私どもの方で調べました取引価格といたしましては、八十円ないし八十六円になつております。これは最低八十円がありますから、私どもの方としましても、できるだけ安くしたいという意向はございますけれども、私どもの方で買つております紙は縦紙だけでありまして、横紙は買はないというふうなことがありますので、そういう点を考えて、私はこの値段は高くはないと考えております。
  75. 篠田弘作

    篠田委員長 縦紙というのは縦にすいた紙ですか。
  76. 坂元晃佑

    坂元証人 製紙をいたしますときに縦紙横紙が出て参ります。そのうちの縦紙だけを私どもの方では買つております。
  77. 篠田弘作

    篠田委員長 流れて来たものを縦に切つたやつ。
  78. 坂元晃佑

    坂元証人 そうです。
  79. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、同じ上質紙なら上質紙として買う場合に、ポンド八十円から九十一円、これは会社によつて違うという意味ですか。買つたときによつて違うという意味ですか。
  80. 坂元晃佑

    坂元証人 ただいま申し上げましたのは市価でありまして、公社の買つておる値段は、四月一日には八十一円二十銭という建値を購入価格にいたしました。これを八月には八十円に引下げました。
  81. 篠田弘作

    篠田委員長 公社が買つているものが八十一円二十銭であつて市場には八十八円で流れておる、こういう意味ですか。だから公社は安く買つておるという意味ですか。
  82. 坂元晃佑

    坂元証人 そうでございます。
  83. 篠田弘作

    篠田委員長 專友社というのは紙製造業者じやないですね。
  84. 坂元晃佑

    坂元証人 はい。
  85. 篠田弘作

    篠田委員長 紙製造手数料を大体三割くらい払つておるのだというのだけれども、これはどういう関係ですか。それは代理店としてメーカーからとつている手数料ですか。
  86. 坂元晃佑

    坂元証人 もちろんメーカー手数料でございます。
  87. 篠田弘作

    篠田委員長 三割なんてことはちよつと常識では考えられないのだが、ちよつと調べてみてください。——これはどこの代理店になつておりますか。
  88. 坂元晃佑

    坂元証人 富士川製紙代理店でありまして、昨年の七月からアルミ箔裏紙を買うことになりまして、富士川製紙から指定代理店として指定をされましてから、公社との取引が始まつたのであります。あの紙は私が記憶しておりますところによりますと、公社の買入れは百七十五円くらいだと思いますが、百七十五円で三割というと五十円であります。五十円でありますと一ポンド百二十一円になりますが、この紙であります。これは一平方メートル十九グラムの紙でありまして、十九グラムの紙がメーカー仕切り百二十一円ということはとても私は信じられない数字でございます。
  89. 篠田弘作

    篠田委員長 吉原式木箱というのはどういう木箱ですか。
  90. 坂元晃佑

    坂元証人 吉原式木箱は——木箱は普通釘でとめてございますが、それを蝶つがいとも違います金具を使いまして連結をいたしまして、折り疊みをすることができるようにいたしたものであります。特別の金具を使つておりまして、これは吉原式の実用新案になつております。
  91. 篠田弘作

    篠田委員長 この取引先はどこですか。
  92. 坂元晃佑

    坂元証人 これは吉原包裝という会社、それから日本裝器と二社ございます。
  93. 篠田弘作

    篠田委員長 吉原包裝というのは吉原氏の特許ですね。
  94. 坂元晃佑

    坂元証人 そうです。
  95. 篠田弘作

    篠田委員長 日本裝器というのは……。
  96. 坂元晃佑

    坂元証人 吉原氏の工場を借りまして製造いたしておるのであります。
  97. 篠田弘作

    篠田委員長 年間購入数量は幾らですか。
  98. 坂元晃佑

    坂元証人 総金額では七千四百万円でありますが、年間購入数量といたしましては、二十五年度は両社から八万箇ずつ購入いたしております。
  99. 篠田弘作

    篠田委員長 吉原式木箱というもののほかに、組立式な木箱でもつと新しいものをあなたのところへ持込んでも、絶対受付けないというような評判が立つておりますが、そういうことはないですか。
  100. 坂元晃佑

    坂元証人 吉原式木箱昭和七、八年ごろにできました木箱でありまして、その後公社では少しずつ継続いたして使つております。その当時から私どもの方で木箱を回收するという関係でさまざまな考案もございますし、いろいろな点で、最近でもそういうふうなものが出て参りますが、今日までのところそれをしのぐだけの考案が実はございませんので、採用になつておりません。
  101. 篠田弘作

    篠田委員長 吉原式木箱を採用するときに、公社の内部で非常に異論があつたということを聞いておりますが、そういうことはないですか。
  102. 坂元晃佑

    坂元証人 少し重いということと、それからその当時は現在のように鉄がございませんので、なわかけをするというようなことで、若干くぎづけの代りになわがけをしなければなりませんから、取扱いがしにくいという声は聞いたことがあります。
  103. 篠田弘作

    篠田委員長 そういう意味で異論があつたわけですね。
  104. 坂元晃佑

    坂元証人 さようでございます。
  105. 篠田弘作

    篠田委員長 吉原式木箱というのは、金具を使つていれば少し高くなると思いますが、一般の市価と比べて価格の点で特に高いということはないですか。
  106. 坂元晃佑

    坂元証人 その点では、特に高いというふうには私は考えておりません。ただいま五百八十円でこの箱の契約をいたしております。その原価の内容を申し上げたいと思います。素材一石当りの値段——吉原包裝会社の基準で私どもの方が値段を立てておりますので、その点を申し上げますが、東京一石当り千三百円、栃木千百五十円、宮崎八百五十円というふうに見ております。
  107. 篠田弘作

    篠田委員長 材質は何ですか。
  108. 坂元晃佑

    坂元証人 杉でございます。
  109. 篠田弘作

    篠田委員長 千三百円というのは製材の値段ですか。
  110. 坂元晃佑

    坂元証人 素材です。東京千三百円、栃木千百五十円、宮崎八百五十円。それから製材の歩合につきましては六五%、自身歩合を八〇%見てございます。それで結局吉原のやつております三箇所の平均値段が、木箱一箇当り材木の値段は二百三十三円二銭というふうに考えました。それからくぎが入用でありまして、それに十円三十八銭、金具工賃が百八十六円四十八銭、組立てと金具のとりつけ工賃としまして二十八円三十三銭、納入運賃といたしまして二十三円二十四銭、なわ代とか付属としまして五円三十六銭、合計が四百八十六円八十一銭でありますが、それに対するオーバー・ヘツドとしまして、約一九%を見まして五百八十円に決定しておりますので、私としましては高くはないというふうに考えております。
  111. 篠田弘作

    篠田委員長 專友社関係專売需品株式会社関係、これは大体わかりましたが、有機合成株式会社というのがありますね。
  112. 坂元晃佑

    坂元証人  はい。
  113. 篠田弘作

    篠田委員長 それはどういう会社ですか。
  114. 坂元晃佑

    坂元証人 これからは現在ペルラルチンを買つております。ペルラルチンはタバコの香料でありまして、タバコに甘味をつけるために製品によりまして使つておりますが、それはもと天然産の北海道でできました青じその葉つば、それからとつておりましたものですが、戰争後それの入手が一時できなくなつてしまつた。そういうときにたまたま合成法でその物をつくつていた会社がありまして、それをその当時の專売局に売り込みに参りまして、現在もその会社から買つておるものであります。
  115. 篠田弘作

    篠田委員長 このペルラルチンというものをタバコの香料に使うことについて、專売公社内に何か非常に異論があるということはないですか。
  116. 坂元晃佑

    坂元証人 私はそういうことはないと思つております。
  117. 篠田弘作

    篠田委員長 一ぺんも聞いたことはないですか。
  118. 坂元晃佑

    坂元証人 はあ。
  119. 篠田弘作

    篠田委員長 これはどういうタバコに使うのですか。
  120. 坂元晃佑

    坂元証人 現在使つているのはピースと新生、バツトに使つております。
  121. 篠田弘作

    篠田委員長 どのくらい使いますか。
  122. 坂元晃佑

    坂元証人 大体月に百三、四十キロと思いますけれども……。使い方でありますが、ピースには原料十キロについて〇・五グラム、それから新生には〇・四グラム、バツトには〇・二グラム使つております。
  123. 篠田弘作

    篠田委員長 そうすると、高級タバコほどよけい使つておるということですか。
  124. 坂元晃佑

    坂元証人 さようでございます。
  125. 篠田弘作

    篠田委員長 この価格はどのくらいになりますか。
  126. 坂元晃佑

    坂元証人 価格は一キロ三万七千五百円で買つております。グラム三十七円五十銭です。
  127. 篠田弘作

    篠田委員長 これは北海道にも植物性のペルラルチンというものが生産されるということを聞いているのですが、公社でやつぱり使つておりますか。
  128. 坂元晃佑

    坂元証人 これも北海道の物を買つてくれという話がありまして、昨年度も買いましたし、今年度も買いました。
  129. 篠田弘作

    篠田委員長 品質とか値段関係はどうなつておりますか。
  130. 坂元晃佑

    坂元証人 人工産と天然産と、当切のときから比較いたしましたのですが、青じそのにおいがかおるということで、合成法によつたものより劣ります。そういう関係で合成法の方がよろしいと思いますが、値段は天然産の方を、現在のところ私の方では安く買つております。
  131. 篠田弘作

    篠田委員長 このペルラルチンというものを、外国でタバコ使つておる例はないのですか。
  132. 坂元晃佑

    坂元証人 これは日本の学者が発見いたしたもので、外国に対する紹介はまだ十分でないように思いますが、昨年私がアメリカに参りましたときに、アメリカのタバコ屋がこの物を日本的なやり方で研究している話は聞いております。
  133. 篠田弘作

    篠田委員長 今外国では使つておらぬのですか。
  134. 坂元晃佑

    坂元証人 現在のところはないようです。
  135. 篠田弘作

    篠田委員長 外国タバコの方が日本人にももてるように思いますが、あなた方專売公社で取締られても外国タバコをのむ者があとを絶たぬのは、外国タバコの方がうまいから、少くぐらい高くても買つてのむ。それは別問題だけれども、それはどうなんですか、外国で全然使つていないものを、日本だけでただ香料として使うというのは、何か特殊な意味であるのですか。あるいは日本人の嗜好が特にこのペルラルチンを使つた方がいいというようなことがあるのですか。
  136. 坂元晃佑

    坂元証人 これはタバコの香料についての問題になりますが、大体アメリカでは非常にタバコに対する香料に費用をかけまして、だいぶぜいたくな使い方をいたしております。それからたとえばクマリンを使うにいたしましても、私どもの方は合成のクマリンを使う。先方は合成を使わない。ワニリンにいたしましても天然に近いものを使うというようにいたしております。
  137. 篠田弘作

    篠田委員長 すると、ペルラルチンは使わないが、ほかのものは使つておるわけですね。
  138. 坂元晃佑

    坂元証人 ほかのものは十分使つております。ところが私の方といたしましては、そういう高いものを買うよりは、こういう国産でできるものでやつた方がよいというような考え方から、将来はとにかく、現在といたしましては、どうしてもこういうものは使わなければいけないというふうに考えております。
  139. 篠田弘作

    篠田委員長 どなたか御質問はありませんか。
  140. 山口武秀

    ○山口(武)委員 最初伺いたいと思いますのは、公社材料購入するのに、随意契約の分と一般競争入札の場合と、割合は金額でどのくらいになつておりますか。
  141. 坂元晃佑

    坂元証人 現在競争入札によるものは、石炭その他資材でありまして、昭和二十五年度の実績によりますと、約四十五億の資材を買ううち、競争入札のものが一億四、五千万円という程度ではなかろうかと考えております。つまり三%くらいは競争入札でやつており、あとは随意契約でやつております。
  142. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、これは專売公社の内部において、あるいは特にあなた方たちの係の中で、製造局の内部において問題になりやしないかと思うのですが、日本專売公社の会計規定というものに異論が出たということはないのですか。
  143. 坂元晃佑

    坂元証人 お話のように、競争入札を根本にしながら随意契約が非常に多い、それではこの会計規定ではやれないではないかということになりますけれども、やはり公社の公的立場からいたしますれば、できるものはなるべく競争入札にして、窓口を開くという方がよろしいとみな考えておりますので、こういうことに対する議論は、ただいままでのところ出ておりません。なお私どもといたしましても、先ほど御説明申し上げましたように、市中で一般に買えるもの、たとえば紙のごとき商品につきましては、なるべく新しいメーカーにおいて、われわれの使うことができる製品ができましたならば、進んでそれを採用して、多くの会社から買うようにいたしまして、だんだん競争入札の方に持つて行くということに努力いたしておる次第であります。
  144. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、專売公社の会計規定というのはいつできたんですか。
  145. 坂元晃佑

    坂元証人 これは昭和二十三年度の通常国会だと思つております。
  146. 山口武秀

    ○山口(武)委員 その当時から、大体一般競争入札随意契約の割合というものはかわらずに今日まで至つておるわけですか。
  147. 坂元晃佑

    坂元証人 その当時といたしましては、割当配給がほとんど全部でありまして、競争入札で買うというようなことは、事実上不可能であつたと思います。
  148. 山口武秀

    ○山口(武)委員 こういうような会計規定は、現に実際につくられておりますが、これは單に專売公社の公正なあり方を示すというような看板だけであつて、実際にはそのような実情にない。ただ随意契約をやつておるので、表面上一般競争入札ということを建前にしないと、專売公社の公正な建前というものがおかしく見られるかもしれない、そういうわけでこういう規定ができている、こうとられてもちよつと困るのじやないかと思いますが、その点いかがでしよう。
  149. 坂元晃佑

    坂元証人 私の考えといたしましては、公社である限りにおきましては、供給希望者が大勢あるということを予想して、建前としてはやはり競争入札を建前にしなければならぬ。またそれに向うように努力いたさなければならぬというふうに考えております。
  150. 山口武秀

    ○山口(武)委員 それに向うように努力すると今おつしやいましたが、どういう努力をこれまでとつて来ましたか。
  151. 坂元晃佑

    坂元証人 重ねて紙類につきまして御説明申し上げたいと思いますが、先ほどはAマニラについて、タバコ用の原紙について御説明いたしましたが、上質印刷紙につきましても、従前私ども取引いたしましたのは王子系統が絶対多数でありまして、現在の本州、十條、三菱というふうになつてつたのでありますが、現在は北越、巴川、神崎、高千穂というような製紙会社が加わりますし、なお今年の春ごろから各パルプ・メーカー上質印刷紙製造をするという気運になりましたので、公社におきましても遅滯なくそういうふうなものを買うということにいたしまして、新しくても、われわれの使えるものはなるべく取引するということで現在でも実行しております。
  152. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そういうそうな傾向や少々の例をもつて、弁解とまでは言いませんが、そういう言い方もあるとは思うのですが、先ほどのあなたのお話を聞いていますと、木箱の場合においては、随意契約というよりも、むしろメーカー指定されているのだというようなことまで言つておられまして、その理由として品質の点があるんだ、それから寸法の点があるんだ、それから第三番目には必要なとき必要な数量を入れる関係があるんだ。こういうことを言つておりますが、大体品質の問題で赤身を入れてはいけないのだということが、なぜ一般にできないのだろう。赤身を入れて悪いなら、赤身を入れないで箱をつくる。きわめて簡單でしよう。だれが見てもむずかしい話ではない。それから寸法がきちんとしなければならない。寸法をきちんとするくらいのことは、今の業者でそれほど著しく困難な事業だとも考えられないと思う。必要なときに必要な量を入れる。これは業者の建前もあろうと思うのです。そうしますと、あなたのさつき言われた木箱随意契約にするというような根拠というものがわれわれには納得いたしかねる、こういうことなんですが、いかがなんです。
  153. 坂元晃佑

    坂元証人 先ほど御説明申しました場合に、木箱業者を指定しているということをお話申し上げましたが、それは多少の言い過ぎがございますけれども、現実の問題としまして、專売公社になつてから木箱の業者を変更したことがないというのが事実なのでありまして、ほとんど指定に近いような状況であつたので、そのことを申し上げたのでありまして、これは指定ということではございません。それから現在の木箱のようなものについて、競争入札をなぜできないかというお話なのでありますが、現在木箱業者が全国三十九の工場に五十二軒付属して仕事をしておりますが、こういうものは一工場に多いものは二軒くらい、少いものは一軒くらいというふうなことでありまして、一箇年の取引金額としましては一億八千七百万円でありまして、それに日本裝器の下請を加えますと二億一千万円くらい、一軒当りになりますと、新しい木箱契約高としましては四百万円程度と見ております。それが今年度になりましてはやや多くなると思いますが、木箱取引というものは一軒当りの金としてはそう多きい金ではありません。ただそれがどうやつてども木箱製造しているかと申しますと、大体木箱業者は製材業者でありまして、製材業と製凾とを一緒にやつております。製材をするかたわら、われわれの方の規格に合うような材質のものをとりのけておきまして、それをかわかして準備をする。そして私どもの方では一箇年大体これくらいほしいのだということをあらかじめ示してありますから、それを準備をして待つている。そして毎月次の月の数量を示されて、それに応じてその数量を持つて来る。そんなふうなことでありまして、これが競争入札になつて、それが注文が出たら、かわいた材があるかないか、またそういう材を一体整えられるかどうかというようなことを考えますと、どうしてもこれは随意契約の方がまさるというふうに考えまして随意契約にやつております。
  154. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたは一般入札という場合に、業者が何らの準備がなくて大混乱が起るというような考え方で今言われたのだろうと思いますが、業者というものはそういうものではないと思う。事業家というものはそういうあり方をしていないと思う。一般競争入札の場合でも、そんな業者というものはないだろうと思う。  そから先ほどあなたは專売公社であるから、競争入札原則とすると言われたが、わずか三%の競争入札しかやつていない現状でありながら、このことを臆面もなく言つておられる。きわめて理想主義的な経営方式をあなたは示している。もしそうだとして、その原則をあくまで通そうとすれば、当然この場合にも競争入札というような方法を考えらるべきではなかつただろうか。ところが今の言葉では何らそれを考えているようなところが見えなかつた。あくまですでにきまつたものとして認めている。競争入札方法や努力が考えられていない。私は競争入札が絶対にいいのだということを断定的に言つているわけではないのですが、先ほどのあなたの答弁、それから公社というものが公正なあり方をするためにそういう原則を採用しているとあなたが強調している点から見て、少々受取りがたい、こう思うのですが、いかがですか。
  155. 篠田弘作

    篠田委員長 坂本君にちよつと御注意しますが、物を購入する公社の会計規程の五十一條に「公社の結ぶ契約は、すべて公告に付し、一般競争によることを原則とする。但し事業の経営上一般競争に付することが不利又は困難であると認める場合、その他必要がある場合においては指名競争に付し又は随意契約によることができる。」ということになつている。今山口委員の聞いていることは——原則はたつた三%きり行われておらないのだが、ただ仕事の便宜上、また長い間習慣的にそういうことをやつて来たので、その方が便利であるとあなたが言われることはわれわれもわかる。しかし便利であるからといつて原則を無視することは許されない。原則が三%きり行われていないということによつて、今までのいきさつであくまでもそういうふうにしていると言われても、委員は納得しません。だから、そこであなたは今後どういうふうにするつもりかという注文を発してもいいわけだ。そうでしよう。今まで五十何社のほかに一般入札をする意思のある者にやらせるということであれば、そういうこともやれるのか、そういうことを山口委員が聞いておる。そとをよく考えて返答してください。原則が三%きり行われていないということは、こういう法律をつくる国会では通用しない。
  156. 坂元晃佑

    坂元証人 ただいまの木箱関係でありますが、規格に合つた材木は用意できる人がたくさんある。しかし材木だけでは相なりませんで、やはり木組みのために常時木組工をかかえておかなければならないということと、あわせて……。
  157. 篠田弘作

    篠田委員長 木組工とは何ですか。
  158. 坂元晃佑

    坂元証人 仕組工です。熟練工です。そういうものを常時かかえておかなければならないということまで考えますと、私は木箱については、やはり随意契約の方がわれわれの希望するときに希望するものが入る方法としてはよろしいというふうに考えております。もつともこれにつきましては、公社がみずから木箱の仕組みをやつて、材木でもつて随意契約にする方がよろしいのではないかというふうなことも考えられます。これは外国人の例でありますけれども、たとえば英米タバコ会社のごときは、会社の專用品につきましてはなるべく自分でつくる、素材を買うというふうな方法でやつております。従いまして公社におきまして、木材あるいはたるを自分で仕込むなどして、素材を買うことにして、それを競争入札にするというような方法も考えられるわけでありますけれども、私の考えとしましては、やはり公社タバコ製造に関する部分をなるべく一生懸命にやつて、こういうふうなものについては民間に移す方がよろしい。仕組みと木材を合せて申し上げますと、現在の随意契約の方がよろしい。これで行かなければならぬ、私はそう考えております。
  159. 山口武秀

    ○山口(武)委員 今のあなたのおつしやることはおつしやることとして聞いておきましよう。それから先ほどあなたは吉原式木箱購入価格は高いとは思わない、このように言つておられますが、吉原木箱というものをつくつている日本裝器株式会社というものは、木箱製造木箱業者に下請けさせて、現在はたるだけ自分でつくつている。そうして下請と元請のさやをかせいでおる。こういう実情にありはしないかということを聞いたのですが、この点はいかがですか。
  160. 坂元晃佑

    坂元証人 ただいまの御質問に対して、日本裝器ができた当時の状況を御説明申し上げたいと存じます。その当時は私は作業課長をいたしておりましたので、直接の担任者ではありませんけれども、当時の事情につきましては、当時の係官の方からよく連絡を受けておりますので、記憶をたどつて申し上げたいと思います。  昭和二十三年の春ごろでありますけれども、その当時の專売局状況といたしましては、製品の数をふやす、ちようど新生を四十円で売りまして失敗をしたあとでありますから、憩、ハツピー、ききようというふうに、製品の数をふやして、そうしてサービスの改善をしながら益金をたくさん上げて行かなければならないが、さて木箱はどうしようか、と申しますのは、戰争前には大体製品の規格ごとに別な木箱使つておりましたが、戰時中は統一した木箱でありまして、これをどうしようかというふうな問題がありました。その当時議論しました結論としましては、やはり各製品に共通の木箱を使わなければならぬ。共通にすれば回收がしやすいからである。回收の問題を十分考えますと、吉原式の方が回收に適するし、結局安くなるからこれを主体にして使つて行くことがよろしかろう。その当時吉原包裝会社の実情と申しますのは、たくさんの木箱を自分でつくることができない。ところがちようど実用新案を持つていて、その関係で他にそれをさせるわけに行かないということから、当時の担任者が吉原佳月氏に対しまして、その実用新案権の公開というか、譲渡というか、そういうことについて第一に申入れをしておるはずであります。これは当時連絡を受けて聞いております。それに対しまして吉原佳月氏は、その当時その会社の嘱託をしておりました成田豊勝氏に、この実用新案権を貸すから、成田氏にもつくるようにさせてもらいたいという返事であつた。成田氏に聞いたところが、成田氏もそれでよろしいということになつて、二軒から供給することができるようになつたわけであります。それからまた別のその当時の考え方としましては、こちらは專用品をただ一社から供給を受けておるということでは、戰災等の例から申しまして危険でもあるし、また競争がなくなつては困るというようなことで、さまざまなものについて二社以上にやらせるというようなこともよかろう、そういう思想も加わりまして、とにかく二社になつておる。それからが成田氏のやり方になるわけであります。これもその当時連絡を受けておりますが……。
  161. 篠田弘作

    篠田委員長 成田君のことは成田君に聞きますから、言わなくてもよろしいです。
  162. 坂元晃佑

    坂元証人 その場合に従前の木箱業者に請負わせることを考えたわけであります。当時の技術としては、木箱の仕組みが容易ではありませんので、公社としても従前の木箱業者と協同してもらつて、そこで一生懸命木箱を入れてもらう方がよろしいと考えて、その下請を賛成したわけであります。
  163. 山口武秀

    ○山口(武)委員 今のあなたの話を聞いておると、日本裝器株式会社が下請する、この事実はお認めになつたようですね。その日本裝器会社の設立についてはいろいろな説明がありましたが、これは逆にとれば、むしろ成田という社長が前に專売局関係があるので、吉原式の箱についていろいろのいきさつがあつた。そういうような関係で、逆にこの人柄を認めたというような考え方も成り立つわけでありますが、それはさておきまして、そういうことのために元請と下請のさやをかせいでおる。こういう事実がある以上、前の行きがかりがどうあろうと、このさやというものも含めて価格が成り立つておるのだ。そういうことになつて来ますと、それをあなたはなお価格が高いとは思わない——こういう事情であるから高くなるというならわかりますが、価格が高いと思わないというのはどういうわけなのか。
  164. 坂元晃佑

    坂元証人 この高いとは思わぬということは、先ほど原価の方からも申し上げましたが、吉原包裝の考課状を見てみましても、二十五年五月一日から二十六年四月三十日までの收支計算でありますけれども、利益が二百二十二万六千円になつておりまして、商品の売上代金に対しまして五分四毛そんな程度になつておりますので、資本金に対してなるほど利益が高いというようなふうにも思われますけれども、どうも私はこの程度から見て高いとは思いません。
  165. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あとの質問者があるというので、私打切りますが、今の説明は納得いたしません。あとの関係者でこの事実を明かにします。
  166. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、要するに日本裝器というものが木箱の下請をやつておるという事実はあなたはお認めですな。
  167. 坂元晃佑

    坂元証人 はい。
  168. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 この日本裝器の職員は多く專売局関係のやめた人がなつておることもお認めですな。
  169. 坂元晃佑

    坂元証人 はい。
  170. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そこで従来は、この吉原包裝会社がひとりでやつてつたこともこれは事実です。二十三年からこの日本裝器というものが割込んで来た。この事情をもう少し詳しく聞きたい。
  171. 坂元晃佑

    坂元証人 その当時吉原包裝の製造能力がなくて、われわれの期待するほど十分ではございませんで、どうしても他の方からこれをつくつてもらわねばならぬということで、先ほどの御質問に対する答弁のような交渉をいたしたわけです。その場合に日本裝器が実用新案を借りたいというふうなことでございました。
  172. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、吉原包裝では能力がなかつた日本裝器は能力があつたのですか。
  173. 坂元晃佑

    坂元証人 日本裝器は新しく木箱をつくるという方法もあつたかもわかりませんけれども、また従前の木箱屋に下請させるという方法もありましたわけです。
  174. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、あなたの今おつしやつたこの吉原包裝というものが能力がなかつたからやめたという理由は、そこでは成り立ちませんな、ちつとも……。
  175. 篠田弘作

    篠田委員長 坂元君、どうですか、その吉原包裝だけでは間に合わなかつたという事情は、委員にもよくわかつております。新しくだれかを入れなければならぬということもわかつておる。日本裝器が新案特許をもらつたということも、あなたの説明でよくわかつておる。そういうふうにして日本裝器に——今まで木箱製造していなかつたものにやらせなければならなかつた。他の業者でもよかつたにもかかわらず、そうした理由の中には、いわゆる成田君以下の專売局、あるいは專売公社の人がたくさん入つてつたということが、そこの中にあるかないかということを委員が聞いておる。そういう考え方がないとは私はいえないと思う。そこを率直にあなたが言いさえすればいい。あなたの責任じやないのだから、これはあなたははつきり言えばいいのであつて、特にそういう專売局関係を何か隠そうという考えが底に見えるから、かえつて追究されるので、簡單に終るべきものが終らないということになる。隠す必要はちつともありません。
  176. 坂元晃佑

    坂元証人 この点を率直に申し上げます。話合いはそういうところでありますけれども、成田氏のそのときの考え方としては、一つには下請をさせる。これはその当時の木箱屋が一生懸命こちらに木箱供給している場合に、志気を沮喪させないためにその方がいいと考えましたし、もう一つは人間の点でありますけれども、成田氏は自分で個人会社をつくるというかわりに、友人が相集まつて株式会社をつくる。そうしてそのメンバーとしまして、その当時支那あるいは南方の方から引揚げました元の專売局関係者が相集まつて会社をつくるというようなことにいたしましたわけであります。
  177. 篠田弘作

    篠田委員長 それをはつきり言えばいい。
  178. 坂元晃佑

    坂元証人 そうしてその点につきましては、その当時の專売局の、これは私もそうでありますが、考え方としては、支那あるいは南方の方から引揚げて非常に困つていた人が多かつたのであります。そういうことでみんなで仕事をして。……
  179. 塚原俊郎

    ○塚原委員 次にたるの問題を簡單にお聞きしますが、各地に再乾燥工場ができて、たるが必要になつて来たと思うのですが、たるについてはどういう契約をとつておられますか。
  180. 坂元晃佑

    坂元証人 たるにつきましては、これまた随意契約によつてつておりますが、契約は年度予算が成立いたしましてからでないとできないことではありますけれども、実際問題としましては、大体その年の一月ころに来年度の新しいたるの所要量を調べまして、あらかじめたる屋さんに来年度これくらい——確約ではございませんけれども、およそこれくらいたるが入用だという話をいたします。
  181. 塚原俊郎

    ○塚原委員 随意契約をとつておられるといいますが、それは特殊な経験を必要とするから随意契約をとつておられるのですね。たるについてはどういうわけで随意契約をとつておられるのですか。
  182. 坂元晃佑

    坂元証人 これは木箱よりもたるの方が特殊な経験を必要といたします。
  183. 塚原俊郎

    ○塚原委員 大阪管内の共栄社というのをあなたは御存じですね。
  184. 坂元晃佑

    坂元証人 はい。
  185. 塚原俊郎

    ○塚原委員 これの社長はどなたですか。
  186. 坂元晃佑

    坂元証人 前の專売局の大阪地方局長小林末夫氏であります。
  187. 塚原俊郎

    ○塚原委員 株主はどういう方ですか。
  188. 坂元晃佑

    坂元証人 株主につきましては私存じません。
  189. 塚原俊郎

    ○塚原委員 私の聞いておるところでは、このたるについて特殊な技術者、特殊な経験を持つておる人ばかりの集まりとは思えないのですが、あなたの先ほどの証言を聞いておると、特殊な経験を必要とするから随意契約をとつておる。ことに社長の小林さんという方は、前の專売局の大阪の地方局長ですね。これはわれわれちよつとふに落ちないのですが、やはり何らかのからくりでこういうところに契約しておるのじやないですか、どうですか、ちつともこれは経験者とは見られないじやないですか。
  190. 坂元晃佑

    坂元証人 この共栄社は土木建築の方の会社が先でありまして、その後にたるをやることになつたのでありますが、大久保の乾燥場というのは、元神戸の鷹取に工場がありましたのが戰災を受けて、鷹取に復旧することができなくて、大久保の方に復旧することになつたのでありますが……。
  191. 塚原俊郎

    ○塚原委員 経験があるかどうかのあなたの認定を聞いておる。
  192. 坂元晃佑

    坂元証人 ところが鷹取の乾燥場でたるをつくつた人はこれをやらないということになりまして、その当時鷹取でたるを仕組んだり何かした経験のある者が小林氏の方に参りまして、そうしてやつておりました。その点では仕組みの方については経験を持つております。
  193. 塚原俊郎

    ○塚原委員 われわれはそういつた特殊な経験者がおるとは思えないのですが、あなたはあくまでそういうふうに認められておるのですね。今鷹取云々からあなたの御説明を聞きましたが、この会社が一番特殊な経験を持つておるというふうにあなたはお考えになつておりますね。
  194. 坂元晃佑

    坂元証人 これは内部事情でございますけれども、その当時たる業者をどうやつて公社が選んでおるかという点であります。大体大阪のたる屋であれば大阪の地方局長が選定をいたしまして、その当時競願があれば、この中これが一番よろしいということをつけ加えまして、本局の方へ了解を求めに参ります。その当時、これも私は記憶でありますけれども、競願がなかつたと思います。
  195. 篠田弘作

    篠田委員長 專売公社関係の者が一人でも二人でも入つていない会社にはやらせないという空気があるのじやないか。だから新しい会社をつくつても、專売公社の者が入つておればやらせる、そういうことじやないですか。
  196. 塚原俊郎

    ○塚原委員 私が聞くのは情実でもつてすべてこういうことをやつているのじやないかということを、あなたはどういうふうにお認めになりますか。ほかの者が入ろうと思つても入れない。專売公社関係のものはわがままにいくらでもやれるという、非常にわれわれにふに落ちない、情実関係だけですべて動かされているように思うのですが、局長として率直に御意見を承りたい。
  197. 坂元晃佑

    坂元証人 私個人といたしましては、できるだけ情実を排するというような気持でやつております。
  198. 塚原俊郎

    ○塚原委員 そうすると、今までは全部情実だつたということですか。
  199. 坂元晃佑

    坂元証人 過去においてもそうであつたと考えております。たとえばたる屋にいたしましても……。
  200. 塚原俊郎

    ○塚原委員 もうよい。
  201. 田渕光一

    ○田渕委員 ちよつと委員長に伺いたいのでありますが、証人を喚問いたしまして、一応呼び出しますときの証人の待合室の設備ですね、これはどういうぐあいになつておりますか。一室にまとめて待たせておりますか。それとも部屋は別になつておりますか。
  202. 篠田弘作

    篠田委員長 大体時間別になつておりまして、証人は一緒に呼んでおりません。たとえば最初に尋問する証人を十時に呼んでおれば、次の証人は一時に呼ぶというふうにしております。
  203. 田渕光一

    ○田渕委員 それで部屋は一緒になるということはありませんか。
  204. 篠田弘作

    篠田委員長 大体部屋の点検はしませんからわかりませんが、控室には大体守衞が立つておりまして、打合せをするようなことはありません。
  205. 田渕光一

    ○田渕委員 同じ人を同じ部屋に入れることはありませんか。
  206. 篠田弘作

    篠田委員長 あるかもしれぬ。それまでは私にはわからない。
  207. 田渕光一

    ○田渕委員 それをはつきり伺つておかないと、先ほど証人から成田証人の言葉を聞くと——これは一例ですが、かつて当委員会で海外同胞引揚げ問題で判事を調べたときに、その次に出て来た証人いわく、さつき何とかいう判事に、実にえらいところだと言われた。こういうことを現に海外同胞のあれでしやべつておる。十分打合せとか連絡がありはしないかというので伺つたのです。その点において御注意を願いましよう。  そこで伺いたいのでありますが、製造局の中の資材購入課も、あなたの全部管轄下ですか、どうですか。
  208. 坂元晃佑

    坂元証人 そうであります。
  209. 田渕光一

    ○田渕委員 そういたしますと、先ほどから各委員から尋ねました木箱とか紙とか、あるいはそのほかのものを購入しておるというお話でありましたが、鉄鋼類も資材の中に入りますか。
  210. 坂元晃佑

    坂元証人 鉄鋼類も資材の中に入ります。但しそのすべてのものが製造関係資材ではございませんので、物によりましては……。
  211. 田渕光一

    ○田渕委員 むずかしいことはいらぬ。聞いたこと、簡單なことでいい。時間を急ぐ。そこで公社の二十五年度の予算において消耗資材費として七億二千万円が計上されているが、このうち約一億円という金が年度末に余つた。そこで公社の新築をする予算が二十六年度の予算に組まれておりますが、その目当てとして約一億円の鋼材一千六百二十トン、セメント三千俵、合計約一億百五十九万円というものを買つているのですが、これは御存じでありますか。
  212. 坂元晃佑

    坂元証人 これについては存じておりませんでした。
  213. 田渕光一

    ○田渕委員 少くとも一億円からの資材購入するのに、製造局長が知らぬというようなことがあるわけはありません。こういうことは権威にかかわりませんか。
  214. 坂元晃佑

    坂元証人 その資材は、私ども関係資材ではなかつたからであります。私ども関係資材は、タバコ製造用と、それからタバコ事業に関連する程度資材だけであります。
  215. 田渕光一

    ○田渕委員 そうすると專売公社には、製造局のほかに何局ありますか。
  216. 坂元晃佑

    坂元証人 総務局、経理局、販売局、生産局、塩脳局、それに製造局とあります。
  217. 田渕光一

    ○田渕委員 そうすると今の鉄鋼資材の一億円の予算を流用して使つたということは、製造局長の管轄化の責任じやありませんか。
  218. 坂元晃佑

    坂元証人 私の管轄には属しません。
  219. 田渕光一

    ○田渕委員 どなたの局にかかりますか。
  220. 坂元晃佑

    坂元証人 経理局の関係であります。
  221. 田渕光一

    ○田渕委員 それから有機合成の問題でありますが、ペルラルチンの購入が天然産と合成とにおいて一キロ五千円違うのであります。この点について伺いたいのでありますが、年間ペルラルチンの購入総額というものは幾らであますか。
  222. 坂元晃佑

    坂元証人 昭和二十五年は五千九百六十六万五千円であります。
  223. 田渕光一

    ○田渕委員 これは天然産と合成品をまぜた総額でありますか。
  224. 坂元晃佑

    坂元証人 天然産三十五キロをまぜた数量であります。
  225. 田渕光一

    ○田渕委員 その天然産の三十五キロというのがある、パーセンテージからいうと合成と天然産との割合はどのくらいになつておりますか。
  226. 坂元晃佑

    坂元証人 合成が二十五年度に千三百八十キロ買つておりますから、三%弱、二%程度であります。
  227. 田渕光一

    ○田渕委員 一キロ五千円も違うのでありまして、六千万円からのものを買うのに、天然産の北海道産のものが内地に出て来るのに、このしそくさいちよつとした香味ですが、この合成品を使われないで五千円も安い天然産を使うというような方策をなぜ研究されなかつたか、それを伺いたい。
  228. 坂元晃佑

    坂元証人 この点につきましては、合成品を使うようになつた当事の事情を申し上げてみたいと思います。これまた当時担当者でございます……。
  229. 田渕光一

    ○田渕委員 簡單でよろしい、聞いたことに率直に答えてもらいたい。説明を聞くと、君らの方が頭がよく、知つているのだから、聞いたことだけ答えたらよろしい。
  230. 坂元晃佑

    坂元証人 これは天然産が一時生産がなかつたのであります。
  231. 田渕光一

    ○田渕委員 局長は專売局時代から二十三年の経歴を持つている。たとえば今のペルラルチンにしろ木箱にしろ、紙にしろ、ずつと各委員の言われた通りで、私も納得しません。情実と因縁と結局官僚のうば捨山ということは昔からいわれている。ことに專売局ははなはだしい。そこでもちろん木箱に対しても納得いたしておりません。またこのペルラルチンに対しても内地の生産がどのくらいあつて生産能力に対してどのくらいのパーセンテージを見ているか、ことに企業の合理化、経営の合理化ということを考えておりませんか。
  232. 坂元晃佑

    坂元証人 私といたしましては、できるだけ考えているつもりであります。
  233. 田渕光一

    ○田渕委員 それは企業の合理化をやつておりませんということはいえないでしよう。あなたはやつているつもりかしらぬが、現実の面においてこういうようなぐあいにやつておらぬじやないか。二十三年もずつと專売局におるのだから、相当その道の大家なのだから、われわれ議員の專門家でないものから言われるまでもなく、あなたが知つているわけだ。われわれに言わせると、情実と因縁だらけですべて来ているじやないか。ずつとここに当委員会が取上げて、この制度機構をどういうようにするかということを早く知りたいから伺つておるのだ。ところがずつと前から上役や古い連中がおり、そこへやらなければやつて行けない。專売公社製造局長として自分がやつて行けないんだということを率直にわれわれは聞きたいんです。どうですか、それをひとつ率直に聞かしてもらいたい。
  234. 坂元晃佑

    坂元証人 そういう事実はございません。
  235. 田渕光一

    ○田渕委員 ないといつても、出ておる事実がはつきり現われておるじやないですか。ずつと古い連中が会社行つて、みなそのトンネル会社にやらしておる。この現実に現われておる事実がないとあなたは言い切れるか、よく考えてごらんなさい。あるでしよう。われわれは時間がないからこまかい点までずつと言うて行かぬけれども、情実と因縁だらけじやないですか。それならば例をあげて言いましよう。たとえば紙の場合でも、服部紙店、大同洋紙店、中井商店、武蔵紙業、菱三商会、小峰洋紙店、岡本商店、こういう大きな紙の扱い店はみな一〇%ぐらいしかマージンをとつておらぬ。しかるにトンネル会社のものに対して、あなたの方では相当なマージンを出しておるということは、経営の合理化もやつていなければ、これは情実、因縁以外にないじやないですか。この点はどうですか。
  236. 坂元晃佑

    坂元証人 トンネル会社ということでありますけれども、特にマージンを出しているというようなことは私はないと考えております。
  237. 田渕光一

    ○田渕委員 官僚の、何といおうか、ずうずうしさ、良心のなさ、ほんとうに率直に言つて、せつちん虫はくその中に入つておるから臭いのを知らぬということがあるが、そこまで良心が麻痺しておる。これだけの事実を持つて来て情実、因縁の事実がないとどうして言い切れるのですか。ここは別に裁判所でもなんでもないから言いませんけれども、そんな連中が局長にすわつてつて、どうして安いタバコを国民がのめるか。いくらでもタバコ値段を上げればそれがふところに入つて、それで予算を組んでやる。独立採算制で、こういうような方面において企業の合理化を考えてやるならば、箱一つでも安いものを買うのが君らの責任じやないか。八千万の国民大衆が税金をとられて、それで一年中高いタバコを吸うておるのは、企業の合理化ができておらぬからである。ぼくらは言いたいことがたくさんあるけれども、君らにぼくらの何は通じまい。現在の專売公社には、精神、骨の髄まで官僚のど根情が抜けない。
  238. 篠田弘作

    篠田委員長 田淵君に注意申し上げますが、用語に少し御注意を願いたいと思います。
  239. 田渕光一

    ○田渕委員 どうも私は率直でございまして、口は悪いけれども心はいい。証人の応答ぶりがまじめを欠いておられなければ、われわれはほんとうにりつぱな局長として迎え、人格に対する人格の質問をいたしますけれども、事実これだけの具体的つものがあるのに、何ら良心の一片を私は伺えないから、そういう人にはこういう席上で——われわれは国民大衆の代表として来ておる。この国会が、当委員会が、そういう官僚になめられては困る。悪質なる官僚に対して、われわれがそういう官僚のど根性をたたき直してやるのが、国民に対する代表としての何である。だから質問に対して、人格的に十分なるまじめな答弁をされれば、こういう言葉は出ない。憂国愛国の精神から私は言うのだから、あなたはずうずうしい官僚の代表的としての言葉を受けるとして聞いてもらわなければ困る。けしからぬ。この鉄鋼資材の一億円の横流しに対しては、経理局の責任だ言いますから、私はこれは経理局長に何することにいたします。午前中の委員の質問に対する答弁に、ことごとく納得いたしませんということを申し上げて、私はまだまだ聞きたいこともありますけれども、この点保留いたしておきます。
  240. 篠田弘作

    篠田委員長 他に御発言がなければ、坂元証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人には御苦労さまでした。  引続き成田証人から証言を求むることにいたします。  成田豊勝君ですね。——ただいまより日本專売公社関係事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人成田豊勝君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  241. 篠田弘作

    篠田委員長 では宣誓書署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  242. 篠田弘作

    篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。     〔委員長退席、内藤(隆)委員長代理着席〕
  243. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 成田証人の略歴について述べてください。
  244. 成田豊勝

    ○成田証人 明治二十七年九月一日生れ。大正八年東大を出まして、ただちに專売局に就職いたしました。その後大正十年十二月に任官いたしまして、それから高崎の製造課長、それから郡山地方局の製造課長を経て、また東京の東京地方局に転勤して参りました。それから福岡地方局に製造課長として参りました。その次は專売局の本局におりました。それから品川工場の今の東京地方局ができます創立の際にそこの工場長になりました。それから本局の作業課長になりまして、それから勅任になりまして、中央研究所の所長として在職いたしましたが、この大戰勃発によつて軍が英米トラスト・タバコ工場を接收したものですから、そこで特殊英米トラストの首席顧問として出張して参りました。なおあれが軍管理工場に編入されて、首席管理官となりまして、終戰後東京に帰りました。その後二、三の会社に勤務しておりましたが、この日本裝器の……。
  245. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そこはあとで聞きましよう。そうすると、今お伺いしますと、人生をほんどタバコとともに暮したような経歴ですね。
  246. 成田豊勝

    ○成田証人 さようです。
  247. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そこで現在は日本裝器株式会社の取締役社長をしておられるのですね。その日本裝器株式会社の設立の経緯、あるいは資本金、あるいは従業員の数等について述べてください。
  248. 成田豊勝

    ○成田証人 この日本裝器の仕事のことについてお話しますには、第一この折疊み式の吉原木箱についてお話しなければならないと思います。私が東京の在勤中に、ちようど従来のタバコ販売の元売りが廃止になることになりまして、それで專売局の直営の販売店ということになつたのです。その際に私が趣味としていろいろ構想をねりまして、折疊みの箱を考究しておつた。といいますのは、従来のタバコ工場におきましては、新木箱を各地の工場の所在地の業者に新しくつくらせて、それを元売りさばきに無償で配付して、それきりで回收しない状態だつたのですが、これが直営の販売所になりますと、この箱をまた工場に運び返さなければならない。その場合に運賃の非常なむだ、それからタバコの葉というものはかわいてないことには困る。要するにから箱を輸送するには非常な浪費がいるという関係で、運搬費あるいは運送の浪費を省くために折疊み式の木箱にかえました。なお、くぎも節約になります。その折疊み式の箱の構想を持つてつたときに、福岡に転勤になりました。そうして福岡の元売りさばきである吉原佳月氏が私の考えていたとまた違う、まあ大体同じようなものを持つてつたのです。それで私も忙しくありますが、片手間にいろいろ私の構想を話しまして、その構想をもつてつくりました。それからこれを專売局の方で用いてくれというような話でしたが、これは地方局きりではできませんから、本局の許可を得まして、そうして專売局で試験してみようということで、これを遠距離、中距離いろいろな方法で試験しましたところが、従来の木箱よりも非常に生産費も安くなる、それから運賃も適当であるということで、專売局もだんだんこれに変更して行くという考えになりました。そしてこれを福岡だけでなく、全国にだんだんふやして行く方針であつたのです。ただ予算とかその他の関係上急にこれができないというわけで、だんだんにふやすということになりまして、朝鮮の專売局におきましては内地よりもあとから始めたのですが、この折疊み式に全部変更になつた。そういうふうな状態だつたのです。それで私が北支から帰つて参りましたときに、吉原氏が私に相談役になつてくれというので、私は吉原氏の相談役になつてつた。そうしていると、二十三年ですか、吉原氏が專売局の要望がどんどんふえている、自分のところの工場だけではとてもつくりかねるから、何とか別会社をつくつてはどうだろうという話、それからまた吉原氏は独禁法なんかを心配されまして、心配しなくてもいいんだろうが、何か独禁法なんかを心配されて、結局別会社をつくつてくれという話が私にあつた。その当時私はほかの会社の重役なんかに関係していたものですから、その方をやめてそれを專門にやらなくちやならぬので、考慮の結果、それではやつてみようというので專売局の当局に話しましたところが、当局としましては、吉原一箇所にやらしておくということは独占の弊に陷るだろうから、それではおやりになるなら会社を立てたらどうですということで、そこで別会社をつくることになつた。それから別会社をつくることになりましたが、この木箱の生命とするところは金具にあるのです。それで打立てもやりたいのですが、さしあたり二十万の資本でありますからして、金具の製造——この金具は一箱に六種類、三十二個というようになつております。規格試験によつて木箱の生命が持つとか、いろいろなことの良否をきめることになりますので、金具の製造を第一にやろう、工場をつくるまでに、短期間ですが、金具の下請工場にやかましい規格を示して、私が検査をしてつくらした。それから各地方の普通木箱業者にその金具を、私の方でつくつたものを送りまして、その木箱業者が金具を用いて今の折疊み式の木箱をつくるということに最初はいたしましたが、その直後百万円に増資いたしまして、直轄工場をつくらしまして、そこで主として規格の正しいしつかりしたものをつくることにいたしまして、それを各地の業者に送りまして、各地の業者は私の方からの計画によつてつたものによつて木箱をつくり、それを專売局に納めたということになつております。
  249. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 大体わかりました。裝器会社の設立の経緯等は大体了解できましたが、現在の資本金は……。
  250. 成田豊勝

    ○成田証人 現在は二百万円であります。
  251. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうして従業員はどれほどおりますか。
  252. 成田豊勝

    ○成田証人 工場の労務者は十一名でございます。それから……。
  253. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 職員は。
  254. 成田豊勝

    ○成田証人 職員は、もちろん私もまぜまして、重役が五名です。取締役四名、監査役一名、合計五名です。
  255. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その裝器会社の営業成績はどうです。
  256. 成田豊勝

    ○成田証人 現在においては、各期ごとに專売公社契約をいたします。その前に工場の方で、大体の年度数量を公社からもらつておりますから、それによつていろいろ銅とか鉄板とか、あるいはその他のものを準備しておりまして、計画的につくりまして、月別計画を立てて、本社との契前前にその金具を業者に送つて、その期のうちに品物が完成して公社に納まるようにやつております。それからなおこの工場の中の能率をよくするために、普通のパワー・プレスその他のものに対して、私の考案によりまして、流動式のものをつくるとか何とか、いろいろ能率を上げるようなことを現在しております。
  257. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 現在二百万円の資本に対してどれほどの利益を上げておりますか。最近の損益計算書は。
  258. 成田豊勝

    ○成田証人 大体二百万円くらいです。
  259. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 二百万円の資本に対して二百万くらいの利益を……。
  260. 成田豊勝

    ○成田証人 半期がそのくらいです。半期で百八十万くらい。
  261. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 半期で約二百万ほどの利益を上げておるわけですね。
  262. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  263. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたの会社の役職員はほとんど全部が專売局退職者でおるというが、そういう事実はありますか。
  264. 成田豊勝

    ○成田証人 元專売局におつた人です。
  265. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 役職員全部がですか。
  266. 成田豊勝

    ○成田証人 役員は、私ども三十年から專売局におつたものですから、私の信用のおける人といえば、昔專売局をやめた人とか、あるいはその後にやめた專売局の人というように、みなタバコ事業に経験のある人です。
  267. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたと吉原という人の考案した折疊み式ですが、それに対して別に経験があるわけではないですね。
  268. 成田豊勝

    ○成田証人 やはり專売局で使うものですから、タバコ製造に経験のある人の方が、品物に対する理解があるのじやないかと私は考えております。
  269. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そういう意味で、要するに專売局をやめたものが、ほとんど全部を占めている、こういうわけですね。それからあなたの会社の設立当時のいきさつはほぼわかつたのでありますが、あなたが福岡地方專売局製造課長時代に、いわゆる吉原式木箱を納入させることにしたわけですね。
  270. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。本社の許可を得まして、最初は二百個試験的に購入して、全国的にやつたのであります。
  271. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 さいぜんのあなたのお話の中に、吉原式木箱というものの大体の構想と申しますか、考案というものの大半は自分の考えておつたことが織り込んであつたというように聞きましたが……。
  272. 成田豊勝

    ○成田証人 そうではないのです。吉原氏が持つて参りましたものは吉原氏の特長があり、私のものも入れまして何回も試作した結果できたものです。
  273. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうすると、吉原氏が主体となつてつくつたものにあなたの考えを織り込んだというわけですか。
  274. 成田豊勝

    ○成田証人 そういうわけです。
  275. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その木箱專売公社に納入するに至りました事情をもう少し述べてください。
  276. 成田豊勝

    ○成田証人 すでに十数回の試作の結果木箱ができまして、その木箱專売公社で使うと、普通の木箱の数倍の利益があるということを感じましたので、これを本社に承認を求めましたところが本社から、さしあたりそれでは二百全国的に試用してみよう、試験してみよう、こういうような話になつたのです。
  277. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そのとき直接あなたの交渉にあたつた相手方はだれです。
  278. 成田豊勝

    ○成田証人 本社の方ですか。本社の方はあの当時は監査課というものがありまして、監査課じやなかつたかと思います。
  279. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 監査課のだれです。
  280. 成田豊勝

    ○成田証人 あの当時の光山という監査課長。
  281. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 光山監査課長に直接交渉されたわけですか。
  282. 成田豊勝

    ○成田証人 本局に対して書面を出しまして、主務課は監査課でした。
  283. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ところが木箱は、事実はあなたの会社で自家製作をしないで、すべてを他の木箱製作業者に下請させておるということを聞いておるのですが、そういう事実はありませんか。
  284. 成田豊勝

    ○成田証人 すべてじやないのです。一般木箱製造——金具の工場は私の方でやつておりまして、その金具を各地の普通木箱業者、これがかわいた板をみな持つておりますから、そこへ送りましてつくらしておつたのです。
  285. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは要するに下請工場じやないのですか。
  286. 成田豊勝

    ○成田証人 下請といえば下請ですが、私の方が金具を送りまして、大体金具と木箱の価値というものが二対三くらいになりますか……。二対四くらいですね。
  287. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 金具のできたものを下請工場に渡してやるのですね。
  288. 成田豊勝

    ○成田証人 送るのです。
  289. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そういう工場はどれほどありますか
  290. 成田豊勝

    ○成田証人 最初は五箇所くらいです。
  291. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 下請を請けたものが、さらに下請をさせておるというような事実はありませんか。
  292. 成田豊勝

    ○成田証人 こういうのがあるのです。どこの本箱業者でも、仕組板を自分のところで製作しているのは半分くらいしかありません。たいていは仕組板を木箱業者がとりまして、そして私どもの金具で打立てをやつているのが大部分です。
  293. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その下請を請けたものが、さらに下請をさせておるというような事実はないわけですか。
  294. 成田豊勝

    ○成田証人 同一会社一つだけですが……。あれがそういうふうなかつこうになりますか。同一会社だからそういうことはないかと思いますが……。
  295. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 しつかりやつてください。
  296. 成田豊勝

    ○成田証人 上田に納入している会社、これが下請の形ですが、同一資本の会社ですから、同じといえば同じだけれども、下請といえばあれだけです。
  297. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 議事の進め方についてちよつと……。証人は何を言つているかさつぱりわからぬ。ひとり言を言つているようなので、これがしかるかしからずか、はつきり答弁してもらうように……。
  298. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 今福田君の御注意もありますが、あなたは下請したものがさらにまた下請をさしておるという事実は一箇所しかない、こう言うのですね。
  299. 成田豊勝

    ○成田証人 そういうわけです。
  300. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それからこの本箱を專売公社に納入しておるのは年間どれほどですか。
  301. 成田豊勝

    ○成田証人 最初は年間二万でしたが、二万、四万、六万、八万……。昨年は八万、今年は十万になります。
  302. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その価格は幾らくらいですか。
  303. 成田豊勝

    ○成田証人 その価格は現在は五百八十円です。
  304. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その五百八十円というのはどういうことで決定されるのです。
  305. 成田豊勝

    ○成田証人 私の方で今年度の価格は六百二十円くらいでした。私の方の生産費は六百二十円くらい、吉原の方は幾らでしたか、要するに私の方の見積り価格公社の方へ出しまして、そして公社でそれを査定して、吉原と同一価格において私の方へ支払いをいたす……。
  306. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうするとあなたの方の最初の見積り価格は七百二十円であつた。しかるに公社がこれを査定したときに五百八十円になつた、こういうわけですか。
  307. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  308. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そうしてその五百八十円のうち、下請業者にどれほど支払つておりますか。
  309. 成田豊勝

    ○成田証人 下請業者には平均三百四十円くらいで支払いました。
  310. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それから日本裝器会社の決算書には偽りがあるようにうわさされておりますが、その点はどうですか。
  311. 成田豊勝

    ○成田証人 決算書にですか。
  312. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 要するに実際の純利益は、決算書面の数字よりかまだまだ大きいものだということを聞いておりますが、どうですか。
  313. 成田豊勝

    ○成田証人 ……。
  314. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その点はどうです。すこぶる大きな問題ですが。
  315. 成田豊勝

    ○成田証人 私はそれはないと思います。
  316. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 そういう事実はないですな。
  317. 成田豊勝

    ○成田証人 ありません。
  318. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 下請業者から受けておる払下げ代金の領収書に記載してある金額と、実際に下請業者に送金した金額との間に、箱一個について十円ないし二十円の相違があるということを聞いておりますが、その点はどうでしよう。
  319. 成田豊勝

    ○成田証人 それも絶対にないと思います。
  320. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは絶対という言葉を使つていいのですか。
  321. 成田豊勝

    ○成田証人 絶対ないと思います。
  322. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 絶対ないならないと言つてください。ないと思いますでは少し……。
  323. 成田豊勝

    ○成田証人 それは私は技術出身なものですから、技術の方を主体にして、経理の方は経理担任の常務にすべてまかしてあるわけです。
  324. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたは社長だからそういうことは知らない。経理担任の重役にまかしてあるから、明言はできないというわけですね。
  325. 成田豊勝

    ○成田証人 はい。
  326. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その経理担任の重役を調べればわかることでありますが、われわれはそういうことを聞いておる。その経理担任の重役の名前は何といいますか。
  327. 成田豊勝

    ○成田証人 香田金一といいます。
  328. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたは会社社長だから、経理担当の重役でなければ知らぬと言うが、どうも專売公社関係の人が来られると、下へ下へと責任を負わして行つて、上の方は根つから無責任な態度をとるが、社長としてわからぬはずはないでしよう。
  329. 成田豊勝

    ○成田証人 私は技術の出で……。(「技術出だから経理がわからぬというばかな話があるか」と呼ぶ者あり)
  330. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 どうです、一体……。
  331. 成田豊勝

    ○成田証人 ……。
  332. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 日本裝器会社では営業利益が非常に大きい。そこで、その一部をとつて專売公社の幹部並びに一部職員に饗応をしておるといううわさがしきりに伝わつておるが……。
  333. 成田豊勝

    ○成田証人 絶対にそれはありません。
  334. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたは絶対にという言葉を使うが、われわれは相当根拠を持つてお尋ねしておるのですよ。
  335. 成田豊勝

    ○成田証人 それは贈賄的のことは私は絶対にありません。明言できます。
  336. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 われわれとしてはここに数字を持つておりますが、他に証人も参りますので、あなたの絶対にそういうことがないと言つたことを速記にとめますから、その点をよくお考え願いたい。他に……。
  337. 田渕光一

    ○田渕委員 最初が二万個、それから四万、六万、八万、十万となつておりますが、最初の二万というのは会社を設立した年でありまして、今日まで六年の間にやつた、こういうふうに伺つてよろしいのですか。
  338. 成田豊勝

    ○成田証人 私の記憶違いかもしれませんが、二万、四万、八万、九万です。六万が拔けています。
  339. 田渕光一

    ○田渕委員 絶対にやらないとりつぱに言い切られましたので、私がそこを伺うようになつたのですが、この日本裝器の昭和二十六年三月三十一日、すなわち昭和二十五年の十月一日からの決算を見ますと、半期に二百万円の利益しか出ておらぬのであります。考課状によると百九十三万四千何ぼとある。ところがかりに一箱百円の利益をとるなら十万箱で一千万円の利益がとれるのであります。もしこれを半箇年に五万個入れたとしますならば、五百万円もうかる。それのみか、下請会社に不正な領収書を書かすようなことを因縁、情実をつけてやつて、十円ないし二十円ずつ拔いておる。そうすると、これが昨年度において八万個として二、八の百六十万円を下請の下請からとる。われわれは先ほどの製造局長の数字を全部とつておるが、どういたしましても八万箱くらいつくつております。その八万箱は全部日本裝器がこれをとつておる。そうしてネツト六十円から九十五円で、かりに今日百円と仮定いたしましても一千万の利益を得ている会社が、考課状に百九十三万なんということになつて来ると、この利益の行方というものは、わいろもやつておらぬ、饗応もしておらぬと言うが、何の交際費に使つているか、これをはつきり聞きたい。一千万円の利益が上つているが、その一千万円の利益が考課状では百九十三万しかもうかつておりませんとなつている。これは脱税をやつておる。どこにその金を使つたのですか。
  340. 成田豊勝

    ○成田証人 そういう事実は絶対ありません。
  341. 田渕光一

    ○田渕委員 五百八十円で受けて、下請に三百四十円でやらしたらすでにここでもつて二百四十円もうかる。金具の値段が幾らかわれわれしろうとでないからわかつておる。
  342. 成田豊勝

    ○成田証人 金具の値段をお考えにならずに計算するとそうなります。金具の値段は今二百三十円です。
  343. 田渕光一

    ○田渕委員 それじやあ伺いますが、一体五百八十円で箱を受けて、あなたの方ではマージンをどのくらいに見ておるのですか。
  344. 成田豊勝

    ○成田証人 マージンは経費を引いて大体五分から一割くらいです。——下請のマージンですか。下請のマージンは今ほとんどありません。わずかなものです。五分くらいなものであります。
  345. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 今ほとんどありませんと言つたのに、五分くらいというのはどういうことですか。やはり五分あるじやないですか。
  346. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。やはりあります。
  347. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ほとんどありませんと、五分くらいでは、大分違うから……。
  348. 田渕光一

    ○田渕委員 今五分だと証人が言われましたが、かりに五百八十円で納入するといたしますと、箱代が五千八百万円です。これを一割とすれば五百八十万円です。これを今言うている五分に見ましても二百九十万円という利益が出ているのです。そのほかに下請から手数をとつている。われわれもこの技術の経験があるのだ。あなたばかりがエンジニアじやないのだということをはつきり言つておく。そこで二百三十円金具の価格がかかると言つたが、かかつていやせぬ。この金具は百六十円でできているのだ。しかもわれわれがやれば百二、三十円でできる。われわれも技術者なんですよ。代議士をしておつても技術者なんだ、あなた方にごまかされるものじやないのですよ。何でも知つているのだから正直に言つてもらいたい。
  349. 成田豊勝

    ○成田証人 二百三十円は予定価格です。指定価格です。公社からの指定価格です。
  350. 田渕光一

    ○田渕委員 指定価格より安くできるならば安くしたらいいではないか。
  351. 成田豊勝

    ○成田証人 だからこの指定価格を……。
  352. 田渕光一

    ○田渕委員 わかつた。そうすると、公社指定しておる値段だということは、大体ものをつくるのに幾らかかると言わなければならぬのに、公社から指定して来て幾らでつくれということになつて来ると、先ほどの証人と食い違いが出ております。これに対して絶対利益はないと言つた証人の発言に対して私は偽証だと思う。はつきりここに偽証が現われて来た。
  353. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 成田君、その点はどうですか。
  354. 成田豊勝

    ○成田証人 金具の価格ですか。金具だけの価格は、昨年度末に公社の方で修繕用の備蓄用として購入されたことがありますが、そのときの値段が二百三十円です。その二百三十円というのは、もちろんその中に材料費、工賃、運賃、そういうものを全部含めて——それは利潤ももちろん見ておる計算です。それが二百三十円です。
  355. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 どうです田淵君、わかりますか。
  356. 田渕光一

    ○田渕委員 いやわかりません。私にはまだ納得できません。ずつと前の公社資料を見てもそうだ。二十幾つか工場があるが、專売局におつた、あるいは公社におつた、この一連の連中が全部第二会社をつくつておるというようなものです。そうしてさきの証人坂元製造局長が言つたが、決して吉原式が完全なものとは思いません。なわもかけなければならぬ、手数もかかる、今日わら工品も非常に高い、なわは細いものでも一貫匁五十円から六十円するのであります。そのなわをこういうふうにかけなければならぬ、この金具がついておつて重い、運搬に非常に不便だ。そういうことも認めておるのです。そういう不便なものをことさらに八万箇製造さしておる。八万箇みな受けておるのです。八万箇みな納入さしておりますということは、八万箇の注文を全部日本製器でとつておるのです。あなたはここへ来て、情実因縁というような関係で特にとつておるというようなことは自分で思いませんか。
  357. 成田豊勝

    ○成田証人 なわをかけておるということですが、現在は全部普通木箱も鉄帶で締めてやつております。
  358. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 今田淵君が言つたのは、そういうような、現在の箱になわがかかつているという意味ではないのです。聞き違えてはいけない。
  359. 田渕光一

    ○田渕委員 から箱をつかねてなわをかけて回送するということです。からになりますとみな疊むことができる。その疊んだものをなわがけにして工場に回送する……。
  360. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 要するに、製造局長であつた坂元君がさいぜん、吉原式というものは完全なものではないということを言つたのを田渕委員が述べておるのであります。
  361. 成田豊勝

    ○成田証人 まだ完全とはいえますまいが、私も非常に研究中で、現在工場でもいろいろ研究しております。使用するゴムをスプリングにかえてパテントをとり、また金具の規格なども、なるべく安く堅牢なものをつくろうという研究は現在やつております。
  362. 田渕光一

    ○田渕委員 あなたが隠してもわれわれはわかつているのだ。專売公社におつた古手のうば捨て山に行くような連中がみな第二会社をつくつて、そこで今度は局長だの何だの、そこらの係に食い入つてごちそうする。これはどこに行つてもあることで常識であるが、銀座裏がにぎわつているのは諸君らがもうけるからだ。そこで、結局あなたがそういうふうに隠したところでわれわれはわかつている。高島易断へ来たようなものだ、めがねをかけて見ておれば、君がどんなことをしておるか、どう思つているかちやんとわかつている。隠したつてだめだ。結局專売局長をしておつたような古手の連中が新規の会社をつくり、そして公社のやつにごちそうして一ぱい飲ませる、情実因縁ができて来る。そこで公社の、あるいは総裁とまで行かなくとも、相当なやつのけつを握つて、断ればこれを暴露するぞというような、一つの脅迫手段はやらないまでも、そういうことをやつている。ほかから来れば排撃をする。そういうとは專売公社ばかりではない。官僚の悪質のやつがみな第二会社をつくつて——たとえば日本銀行の官僚が永楽土地株式会社という第二会社をつくつて昭和二年のモラトリアム時代の渡辺銀行の破産したときみたいに——それは全部処分した。百円で買つた物を一万円で売らしたのとみな同様のやり方だ。その手口はみなきまつておる。千八百万円かもうけていて、そんなことで行政監察委員会が通せるか。なめるのもいいかげんにしなさい。
  363. 成田豊勝

    ○成田証人 そういう、公社に対して饗応するとか贈りものをするとかいうようなことは、何の必要もないと思いますし、また私は、役人時代から現在までの性格上、そういうことは絶対にいたしません。これは明言いたします。
  364. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 しかし成田君、私から御注意申しておきますが、絶対にという言葉をあなたはよく用いるが、この裝器会社も営利会社でしよう。その場合に、営利会社公社なら公社行つて多少のことをやつておるということは、これは常識ですよ。絶対ということをここで使うのは。
  365. 成田豊勝

    ○成田証人 多少贈るとか……。
  366. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 飲んだり食つたりすることは……。
  367. 成田豊勝

    ○成田証人 何か、歓送迎会というような場合に……。
  368. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 その歓送迎会だつて、あなたの言う絶対ならば……。
  369. 成田豊勝

    ○成田証人 歓送迎会というたものをほかの会社と合同でやるというような場合はあります。それはあり得るということです。
  370. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 だから私は、絶対という言葉はあまり使わない方がいいということを言つている。
  371. 成田豊勝

    ○成田証人 それでは取消します。
  372. 田渕光一

    ○田渕委員 それでは証人は、絶対にありませんというりつぱな、高言をはくことは取消しますか、取消しませんか。
  373. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは今証人は取消しました。
  374. 田渕光一

    ○田渕委員 そこで証人に伺います。日本裝器の下請に株式会社大和商店、これは昭和十五年に設立して、資本金百万円であります。その営業種目は、登記面から見ると洋服生地その他を売つておる。これに下請さしておる。第二のマージンはちよつとわからないが、さらに第三に、泉梱包株式会社にやらしている。そうしてこのマージンは、第一トンネルで二十三円、第二トンネルで二十三円、第三トンネルで六十五円というものをとつている。これは特許権だとか金具とかでごまかしている。こういつたものが專売公社に巣食つてつた。私はほんとうを言うならば、一日二百円か三百円の賃金しかもらわない労働者、バツト一つのめないような人たちも、今日税金を出している、いわゆる所得税を出しておる、これらの人にほんとうに安いタバコをのましてやりたいというのが、われわれ国民代表、大衆代表としての念願である。それを、これらの虫どもが、企業の独占性を持つた專売公社に食い入つて、巣食つているがゆえにタバコが高いものになるということになれば、われわれは日本裝器なんて、ほんとうの大衆の公敵だと思う。ほとんど一千万円からのものがぬれ手にあわのつかみどりではないか。これに対して、專売公社坂元局長などは、完全なものでないということを証言をしている。それで絶対なんという高言をはいて、この行政監察委員会が通ると思うか。じようだんも休み休み言いなさい。君たちの方ではりつぱに見えるかもしれぬが、われわれの方から見れば、労働者のタバコの寄生虫じやないか。  私はまだまだたくさんありますが、午前はこれに全部納得せぬことと、今取消したから偽証の告訴はやめますから、こういう大言壯語は言つてもらわぬことに、特に委員長から注意してもらいたい。
  375. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 成田君、ここに聞えぬ場合は困りますから、重ねてもう一ぺんあなたの口から言つてください。
  376. 成田豊勝

    ○成田証人 絶対という言葉は取消します。
  377. 山口武秀

    ○山口(武)委員 公社との木箱納入の契約は毎年やつておりますか。
  378. 成田豊勝

    ○成田証人 毎四半期ごとです。
  379. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、吉原氏の会社ですか、これと大体同数にわけ合つて納入する契約を結んでいるわけですか。
  380. 成田豊勝

    ○成田証人 吉原氏のと数量は必ずしも同じではありません。
  381. 山口武秀

    ○山口(武)委員 数量は同じでないと言うのですが、数量のきめ方はどういうふうになさつておりますか。
  382. 成田豊勝

    ○成田証人 それは公社において需給関係を調査の上、吉原はどこどこ、私の方はどこどこ、総数幾ら、こういうふうに指定をされるわけであります。
  383. 山口武秀

    ○山口(武)委員 地域的な納入関係で、その数量がきまるのですか。
  384. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  385. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、そのときにあなたたちの方の意向を公社の方に述べるということがあるのですか。
  386. 成田豊勝

    ○成田証人 ありません。公社だけです。
  387. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうすると、あなたの方で目算が立たないで、会社の経営に支障を来すというようなことは生じませんか。
  388. 成田豊勝

    ○成田証人 もう一ぺんちよつと……。
  389. 山口武秀

    ○山口(武)委員 公社の方だけで数量を天くだり的にきめて来るとしますと、あなたは会社を営業としてやつておるわけですが、数量がどう来るかわからないので、会社の経営に困るということは生じませんか。
  390. 成田豊勝

    ○成田証人 それは、年度のかわり目はどうなるかという不安はあります。
  391. 山口武秀

    ○山口(武)委員 不安があるというのはほんとうですか。
  392. 成田豊勝

    ○成田証人 年度の切りかえの場合には不安があります。
  393. 山口武秀

    ○山口(武)委員 その不安というのは、吉原氏の会社の方に多く行つて、あなたの方にあまり来なくなれば困るという意味の不安ですか。
  394. 成田豊勝

    ○成田証人 そうではないのです。吉原氏の方との不安ではありません。私の方の年度の、つまり製造がどうなるかという不安はあります。というのは、金具の準備をしなければなりません。金具の購入を完了するまではどうしても三月ありますから、金具とか、あるいは鉄板などをたくさん買つておいて、そうしてその数量かなかつた場合には非常に困ります。
  395. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうすると、あなたの言われる不安というのは、これまでは六万であつたのが、今度は八万になり、それが十万になるというように、数量がふえて来た場合に、金具がストツクが間に合わないと困るという意味の不安ですね。
  396. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  397. 山口武秀

    ○山口(武)委員 大分不安の質が違うようですが、あなたの方では、今言つたように数量が多く注文された場合に、少いストツクで困るということになるが、そうしますと、この納入について、大分特権的な立場にあつて仕事をして来ておられるようですが、こういう特権的な立場、ほかの会社が来てもこれ以外には割込めないというような事情もありまして、特権を持つておられるようですが、こういう特権というものは、どういう事情であなたの方で生じたのですか。
  398. 成田豊勝

    ○成田証人 特権と申しますと……。何か数量の多いとか少いとかいう問題ですか。あるいはふえて行くという前提の特権ですか。
  399. 山口武秀

    ○山口(武)委員 ふえて行くというような事情も加えられるわけですが、吉原氏の会社とあなたの会社だけで、何というんですか、きわめて安心してこの納入を独占せられておつた……。
  400. 成田豊勝

    ○成田証人 それは特許品でして、ほかでは製造できないものですから、この二会社指定を現在受けております。
  401. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、あなたの会社をつくるとき、公社の方からもつくつたらいいだろうという話があつたということを言つておりましたね。
  402. 成田豊勝

    ○成田証人 ええ、それは吉原だけにさしておくと、独占の弊がある。つまり吉原だけのあれになるからして、二箇所にやらせておけばお互いに一生懸命に働いて、それから品物のあれに対しても、二箇所にやらせておけばいいだろう、こういうことで二箇所になつたのです。
  403. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、念入りに聞きますが、それだけの理由ですか。
  404. 成田豊勝

    ○成田証人 それだけの理由だと思います。
  405. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたたちが專売局出身の人であり、この会社というものが專売局出身の人によつてつくられているので、その人たちに仕事を與えなくちやならない、こういう人たちに特権的に仕事を持たせる、利益をあげさせてやる。こういう意味でつくられたというような事情はないのですか。
  406. 成田豊勝

    ○成田証人 そういうことはありません。
  407. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私それをお聞きいたしましたのは、先ほど製造局長はそういう意味を持つていますと言つたのです。どうしても專売局関係の人が仕事がなくなつてしまつて、あるいは南方からも人が来て、そういう人たちに仕事を與えなくちやならない、そういうので公社の方で、あるいは專売局の方でいろいろ考えて、こういうことも考慮したのだ、こう言つておりましたが、そうしますと製造局長の言葉はうそだつたのでしようか。
  408. 成田豊勝

    ○成田証人 私の方は、ほかの関係会社もそうでありましようが、特殊な会社なんです。というのは、これは特許のあれですから、吉原の特許権の使用を許されなくてはできない仕事なんです。それで人を救うとか人を何とかいうことの前提のもとではなくて、仕事そのものが前提でもつてできた会社なんです。
  409. 山口武秀

    ○山口(武)委員 その点を言うならば、それはあなたが前に述べられたような事情で、この木箱を入れるについて紹介した、そういうような情実因縁といいますか、そういうものがあるので、吉原氏もいやいやながらも、あるいは別な会社の設立を認めなければならなかつたのではないかというようなことも当然考えられるわけですし、そういう際に、公社の方として仕事を與える、あるいは利益を與えてやる、そういうような考慮からこういうような会社をつくつたというふうにも考えられるわけですが、あなたが今のような答弁ならそれでよろしいです。  次にお伺いいたしたいと思いますのは……。
  410. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 山口君、まだあと二人ほどおりますから、ひとつ……。
  411. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あと一問。あなたはこの会社社長なんですね。そうでございましよう。
  412. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  413. 山口武秀

    ○山口(武)委員 社長は何をやつておるのです。
  414. 成田豊勝

    ○成田証人 私は出が技術の方の出ですから、今年になつてからも、たるの方の研究その他の研究で特許権を七つとつております。それで工場の能率を上げるとか、あるいはその他の考案、そういう方面を主体にしてやつております。
  415. 山口武秀

    ○山口(武)委員 社長の手当はもらつてないのですか。
  416. 成田豊勝

    ○成田証人 今手当としては、社長は報酬を月四万円もらつております。
  417. 山口武秀

    ○山口(武)委員 資本金から見れば少い社長の手当でもないですね。特別少くなつているわけでもないのですね。そうしますと、あなたは何か特許のことを云々言つていましたが、そういう手当をもらつているところから考えても、ここの社長の任にないということ、あるいは名目だけの社長ということにはならないでしよう。
  418. 成田豊勝

    ○成田証人 名目の社長じやありません。
  419. 山口武秀

    ○山口(武)委員 実際上の社長ですね。
  420. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  421. 山口武秀

    ○山口(武)委員 その実際上の社長がしかも重役が四人くらいしかいないというような会社で、先ほど委員長の質問にお答えになつていたようですが、この下請業者が送金した金額を、実際より十円ないし二十円高いことにして、領収書を出しているというようなことについては、これは私は技術屋だから知らない、こういつておりましたね。
  422. 成田豊勝

    ○成田証人 ええ。
  423. 山口武秀

    ○山口(武)委員 しかし実際上の社長になつていると、技術者だから知らないというようなことにはならないのじやないですか。
  424. 成田豊勝

    ○成田証人 私は技術出身であつて、そうして経理上のことはその経理の担任重役にまかせてあるので、それで知らないというのです。
  425. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、もしもあなたの言う通りだとしますると、あなたが社長であつて、ほかの重役に対しても、これを動かして行く立場にあるにもかかわらず、ことによるとその経理の担当の重役というのが、何かかつてに不正をやれるようなゆるみのある組織になつているのか、あなたはそういう意味で十分目を通していないのか、そういうようなこともあり得るのですか。
  426. 成田豊勝

    ○成田証人 それは社長としての責任はもちろん感じております。
  427. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたの会社で、責任を感ずるか感じないかということでなくて、あなたが社長になつておりながら、経理担当の重役がかつてに重大な金銭の支出について手かげんを加えているというようなことがあり得るのですか。あなたはそういうようなゆるやかな目の通し方をしているのか、あるいは会社の運営に当つておられるのか、こう聞いているのです。
  428. 成田豊勝

    ○成田証人 私は担当者を信じて、そうしてすべてをまかしてあるわけです。
  429. 山口武秀

    ○山口(武)委員 信じるとか信じないとかいうことを聞いているのしやないのです。そういうすきのあるような仕事のしぶりをあなたは社長としてしておるのかどうかということを聞いておるのです。すきがあるならあるでいい。すきがないならないでいいわけです。
  430. 成田豊勝

    ○成田証人 すきを與えるというのは。
  431. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 要するに、あなたは経理担当の重役を信じているというのでしよう。信じておればすきがない、こうお認めになれば、すきがないとおつしやれば、それでいいのです。
  432. 成田豊勝

    ○成田証人 その通りです。
  433. 山口武秀

    ○山口(武)委員 それは、信じているからすきがないというだけの問題では、ちよつと済まないと思うのです。仕事の目の通し方、仕事の運営の仕方に問題がありはしないか。なぜそういうことを私は聞くかといいますと、そういうような下請業者からの下払い代金の領収書、これにインチキをやつている、こういうことについてあなたはそういうことはないと思いますが、といつて、はつきりしなかつた。その理由として、それは経理担当の重役がやつているからなんだ、こういうような説明の仕方をされたのです。私はこういうような説明の仕方は普通ないと思うのです。普通の答弁だと、それはありません、私は社長ですから、それがはつきりわかります、こう言われるはずだと思うのです。
  434. 成田豊勝

    ○成田証人 先ほど私が、そう思いますというようなことを申し上げたとすれど——取消してよろしゆうございますか。
  435. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それはいいです。
  436. 成田豊勝

    ○成田証人 それでは取消します。そういうことはありません。
  437. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そうしますと、取消されるのは自由ですが、そういうふうにあなたの言葉にしばしば取消さなくてはならないものが生じはしないかというような疑念が、私たちの方では多多あるわけです。それから先ほどの決算書の問題についても、決算書の利益を隠していはしないかということについてのあなたのお言葉についても、何か釈然としないものを私たちは持つている。しかし今日は時間がありませんから、あらためて調査して、これはさらに專売局関係者の喚問がありますから、そのときでもこれを聞きたいと思います。そういう意味で、やむを得ず時間の関係で、納得できないまま打切つておきます。
  438. 小松勇次

    ○小松委員 お尋ねいたしますが、あなたの方で公社へ納入する方法は、四半期にわけて、そして注文をとつて納入なさるのですね。そうすると、第一回にどのくらいの個数を注文を受けて納入なさつておりますか。
  439. 成田豊勝

    ○成田証人 第一回と申しますと、第一期ですか。
  440. 小松勇次

    ○小松委員 第一期です。
  441. 成田豊勝

    ○成田証人 四半期ごとに、大体年の四分の一……。
  442. 小松勇次

    ○小松委員 二万個ですか。
  443. 成田豊勝

    ○成田証人 そうしますと、十万でしたらことしの例は第一・四半期は二万五千、第二・四半期も二万五千、第三・四半期が三万です。そうすると、その残りは契約しませんが、結局第四・四半期に残るわけです。
  444. 小松勇次

    ○小松委員 こういう納入した品物の代金を受取るのには、納入と同時に代金をあなたの方ではお受取りになるのですか。
  445. 成田豊勝

    ○成田証人 工場に品物が入りますと、その工場から品物が入つたということを公社間において通知があるわけです。そして初めて今度本社においてその支払いを、私の方から要求を出しまして金をとるのです。
  446. 小松勇次

    ○小松委員 こういうお仕事をなさつておるのに、運転資金というようなものは相当いるのだと思いますが、どのくらい運転資金というものはいるものですか。
  447. 成田豊勝

    ○成田証人 運転資金は現在銀行から借りているのと、それから資本と、そういうもので月に四百万ぐらいいります。
  448. 小松勇次

    ○小松委員 銀行から借りておるのですか。
  449. 成田豊勝

    ○成田証人 銀行からも……。
  450. 小松勇次

    ○小松委員 銀行からはやはり最近にお借りになつたことがありますか。
  451. 成田豊勝

    ○成田証人 現在百万円借りまして、五十万円ばかり払つて、五十万残つておると思います。
  452. 小松勇次

    ○小松委員 その利息はどのくらいお支払いになりましたか。
  453. 成田豊勝

    ○成田証人 その利息は今ちよつと記憶がありませんが……。
  454. 小松勇次

    ○小松委員 払うには払つておりますね。
  455. 成田豊勝

    ○成田証人 払うには払つてあります。
  456. 小松勇次

    ○小松委員 あなたの方の損益勘定を拜見いたしますと、そういう利息なんというものはさらにこの考課状に載つておりませんね。どういうわけですか。
  457. 成田豊勝

    ○成田証人 東京殖産銀行、元の東京殖産無盡から借りた金です。
  458. 小松勇次

    ○小松委員 利息は払つておるでしよう。
  459. 成田豊勝

    ○成田証人 利息は払つております。
  460. 小松勇次

    ○小松委員 そうすると、それは損失の部で計上されなければならないはずでしよう。
  461. 成田豊勝

    ○成田証人 利息ではない、元利でもつて月掛に返して行くのです。
  462. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 掛金なんですね。
  463. 成田豊勝

    ○成田証人 そうです。
  464. 小松勇次

    ○小松委員 それはどういう科目に入つておりますか、あなたの方の経理では。
  465. 成田豊勝

    ○成田証人 経理の方はあまり詳しくないのだけれども、現在の決算書を持つておりませんからちよつとわかりませんが、必ず入つております。
  466. 小松勇次

    ○小松委員 一般損益の計算書の中に、一般管理及び販売間接費というものがありますが、この中にでも入つておるのですか。まさかこういう項目ではないでしようね。そういう項目は一つも見当らないのです、あなたの方の決算書類には……。
  467. 成田豊勝

    ○成田証人 そこにお持ちになつておりますのは二十四年の……。
  468. 小松勇次

    ○小松委員 いや二十五年から二十六年の三月までのものを持つております。
  469. 成田豊勝

    ○成田証人 たしか昨年は銀行から借りた金は……。
  470. 小松勇次

    ○小松委員 わからぬですか。わからぬければ、それはわれわれとしては重大な問題ですから……。
  471. 成田豊勝

    ○成田証人 殖産無盡から借りたのはことしです。この十月で終るわけですから……。
  472. 小松勇次

    ○小松委員 もし十月で終るとしても、それは借入金なんでしよう。借りたんですね。
  473. 成田豊勝

    ○成田証人 借りたんです。
  474. 小松勇次

    ○小松委員 借りてあるとすれば、それはいつ借りたんです。
  475. 成田豊勝

    ○成田証人 あれは二月か三月です。
  476. 小松勇次

    ○小松委員 今年の二月……。
  477. 成田豊勝

    ○成田証人 はあ。
  478. 小松勇次

    ○小松委員 そうすれば、やはり借入金というものが貸借対照の面に現われて来なければならぬですね。これもないです。
  479. 成田豊勝

    ○成田証人 それは必ずあるわけです。
  480. 小松勇次

    ○小松委員 それは私の方の調べが違つておるかどうか知らぬが……。
  481. 成田豊勝

    ○成田証人 財産目録のところにあります。定期預金、東京殖産無盡株式会社十六万四千円……。
  482. 小松勇次

    ○小松委員 それはあなた資産ですよ。預け金ですよ。
  483. 成田豊勝

    ○成田証人 借りたのは殖産無盡からたしか百十万円の契約……。
  484. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ちよつと待つてください、これは無盡からですね。
  485. 小松勇次

    ○小松委員 これは預金になつておりますよ。定期預金と普通預金にちやんとわけて書いてありますよ。こういう点で、あなたの方の経理にわれわれははたして正確であるかどうかという非常な凝念を持つて来るわけです。この一つだけでも……。だから私どもはあなたに特に伺いたい。
  486. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 成田君、どうです。
  487. 成田豊勝

    ○成田証人 東京殖産無盡から二月に百二十万円と記憶しておりますが、百二十万円の契約をいたしまして、あと三月後に九十万円借りたのです。そうして毎月々々十万円ずつですか、六万円ですか、返して行つておるのです。そうするとその三十万円のギヤツプはあとでまた戻つて来るわけになるのです。
  488. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 要するに財産目録の表現の仕方がわれわれにはわからない。
  489. 小松勇次

    ○小松委員 財産目録だけではないですよ。そういう借入金なら利息をつけて返還するものは返還するで、利息というものは一応計上されなければならない。こういう経理の方法というものは珍しいと思う。だからいよいよもつてわからない。不可解きわまるのです。
  490. 成田豊勝

    ○成田証人 無盡会社の金でありますから、それでこういうふうな……。
  491. 小松勇次

    ○小松委員 無盡会社はよく知つておりますけれども、こういう経理の方法はないですよ。東京冨士銀行の新橋支店に九十四万幾ら預けてある。あなたの方の借りたそのなしくずしの金ではないですよ。これはあなたの方でよくお調べになつたらどうです。こういうことで、私どもはあなたのお話を伺つて、なるほどそうかということは決して納得できない。
  492. 成田豊勝

    ○成田証人 百二十万円の契約で、そうして九十万借りまして、その九十万の月賦償還をやつておる。それから月賦償還は百二十万円の月賦償還をやつておる。
  493. 小松勇次

    ○小松委員 それはあなたはよくわれわれにわかるように、お帰りになつたならばちやんと表を出してください。委員長、ひとつそういうふうにお願いいたします。これではわれわれはわかりません。もつとはつきりわかるように……。
  494. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それでは成田証人に言いまするが、もつと明瞭にわかるように、ひとつ経理担当の重役と相談をして当委員会に出してください。
  495. 小松勇次

    ○小松委員 あなたには非常に疑いを持つている。正直な話を申し上げる……。しかもこういうものが決算書、損益計算書として出ているからさつぱりわからないです。あなたの方は、一般管理及び販売間接費というのは百四十五万から出ておるが、これはどういう費用です。
  496. 成田豊勝

    ○成田証人 一般管理及び販売間接費——これは諸給與それから賞與、支払い利息、それから借室料、それから諸税公課、旅費、交通費、通信費、消耗品費、燃料、新聞図書費、会議打合費、それから電燈料、それからガス、水道、それから修理、厚生……。
  497. 小松勇次

    ○小松委員 それではこれには給料もみな入つておるのですね。
  498. 成田豊勝

    ○成田証人 これには入つております。
  499. 小松勇次

    ○小松委員 借入金というものは載つていない。これはまた調べて出してください。  それでは伺いますが、あなたの方はもとから百万円の会社つたのですか。
  500. 成田豊勝

    ○成田証人 最初二十万円です。
  501. 小松勇次

    ○小松委員 最近二百万円。いつ二百万円になつたのです。
  502. 成田豊勝

    ○成田証人 今年の四月です。
  503. 小松勇次

    ○小松委員 大株主さんはどなたです。あなたは何株持つていらつしやる——変なことを聞くようだけれども
  504. 成田豊勝

    ○成田証人 私は五千株——二十五万円というと、五十円株ですから、五千株持つています。
  505. 小松勇次

    ○小松委員 あなたが大株主さんですか。
  506. 成田豊勝

    ○成田証人 一番多いのは私でございます。その次に多いのは吉原氏が多いのです。吉原氏が四千株になつています。
  507. 小松勇次

    ○小松委員 最近重役に御就任になつた方がありますか。
  508. 成田豊勝

    ○成田証人 最近、重役にはありません。
  509. 小松勇次

    ○小松委員 最近、一年以内か二年以内に……。
  510. 成田豊勝

    ○成田証人 重役にはありません。
  511. 小松勇次

    ○小松委員 ないですか。
  512. 成田豊勝

    ○成田証人 はい。
  513. 小松勇次

    ○小松委員 最近なつた人はない。
  514. 成田豊勝

    ○成田証人 はあ。
  515. 小松勇次

    ○小松委員 それでは最初からみな、この方とかわりないわけですな。
  516. 成田豊勝

    ○成田証人 はあ。
  517. 小松勇次

    ○小松委員 今後あなたの方の会社の重役さんは、やはり專売公社の人を重役にしようというようなあなたの御方針でいらつしやるですか。
  518. 成田豊勝

    ○成田証人 今後はそういうふうにみなするとは私は考えておりません。必ずしも專売局のものだけでやろうとは考えていない。
  519. 小松勇次

    ○小松委員 委員長、この程度です。
  520. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 ちよつとお聞きいたしますが、專売公社の方から何か圧力で、かえるような場合はありませんか。
  521. 成田豊勝

    ○成田証人 それは絶対にありません。
  522. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 入れるような場合はありませんか。
  523. 成田豊勝

    ○成田証人 ありません。
  524. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 他に御発言がなければ、成田証人に対する尋問はこれで終了いたしました。証人には御苦労さまでした。  次は、川崎証人より二時半から証言を求めることといたします。  暫時休憩いたします。     午後二時四分休憩      ————◇—————     午後三時八分開議
  525. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。  この際お諮りいたします。先日当委員会におきまして、曽田壯君については十二日に、谷口三郎君については十三日に出頭を求めておりましたが、都合により、曽田壯君を十三日に、谷口三郎君を十二日に出頭を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  526. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 御異議なきものと認め、さように決します。     —————————————
  527. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 引続き日本專売公社関係事件について、川崎証人より証言を求めることにいたします。  川崎榮三郎君ですね。——ただいまより日本專売公社関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書を手に持つて朗読を願います。     〔証人川崎榮三郎朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  528. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 では宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  529. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  川崎榮三郎君は現在株式会社專友社常務取締役ですか。
  530. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 さようであります。
  531. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたの今日までの略歴を述べてください、簡單でよろしゆうございます。
  532. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 大正元年に專売局の池田製造所に就職いたしまして……。
  533. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 池田というのは何県ですか。
  534. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 徳島県です。爾来徳島地方專売局、專売本局経理部、仙台地方專売局盛岡出張所長、次に東京地方局の業平工場の庶務係長、さらに專売本局の経理部の主計課の副参事として二十一年三月まで勤務いたしておりました。次に二十一年の四月に塩業組合中央会に就職いたしまして、二十三年の三月に退職いたしました。同年四月に製塩興業株式会社の常務取締役に就任いたしまして、同社が株式会社專友社と改称いたしまして、爾来常務として今日まで就職をいたしております。
  535. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 元大蔵省の主計官であつたのですな。
  536. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 專売局の副参事でした。
  537. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 專売局経理部副部長という地位にあつたのではなかつたのでしようか。
  538. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 最後に経理部の主計課の課長補佐ということであります。
  539. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 株式会社專友社設立のいきさつ、それから資本金及び従業員の数等について述べてください。
  540. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 お答えいたします。專友社は元私どもが二十三年の四月でございましたが製塩興業株式会社と申す会社を設立いたしまして、塩製造資材その他の物品の販売を主たる業務といたしまして営業を続けて来たのであります。ところが一面專売局退職の有志によりまして、保険業務を営業課目とする新しい会社を設立するという議が起きたわけでございます。そういたしまして、新しく公社を起すよりか既設の会社を利用する方が便利だというふうなことになりまして、私どもの経営いたしておりました製塩興業株式会社へ合流したらどうかという話合いがありまして、いろいろ折衝の結果その話がまとまりまして、すなわち今日の株式会社專友社と社名を改称いたしましたる後、資本金を百万円に増加いたしましたし、営業課目もただいま申し上げましたような生命保険というような事業を加えまして、今日に至つたわけでございます。
  541. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それは昭和二十四年十一月でしたね。
  542. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 さようでございます。
  543. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 従業員は現在どれほどおります。
  544. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 本社には従業員はただいま六名でございます。
  545. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 六名。
  546. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 はい。それから福岡に作業所がございます。これに四名ほど従事いたしております。
  547. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 福岡の作業所と加えて十名いるわけでありますね。
  548. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 従業員といたしましてはそうであります。
  549. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたの会社の事業内容及び最も近い営業成績について述べてください。
  550. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 営業内容は、油脂製品、鉄鋼二次製品、繊維製品、紙類その他雑貨の販売、損害保険、生命保険の代理、それからくずタバコの処理、塩の加工というようなものを営業課目といたしております。
  551. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 あなたの会社の役員の氏名及びその簡單な略歴を述べてください。
  552. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 取締役社長平野亮平氏が元專売局長官、それから次には常務取締役として私、取締役といたしまして花田政春、元專売局長官、同じく取締役としまして杉山昌作、元專売局長官、それから菅野是夫、元專売局の塩技術課長、それから本年の六月に野田卯一氏……。
  553. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 現在の建設大臣ですか。
  554. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうです。ところが建設大臣に御就任になりまして辞任のお申出がございましたが、まだ事務的の処置は済んでおりません。それから監査役として相馬敏夫氏という各位であります。
  555. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 なかなか堂々たる重役陣でですね。
  556. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 陣容だけは……。
  557. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 專友社の定款によりますと、株式の譲渡には、取締役会の承諾を要することになつておりますが、その事情はどういうことでありますか。
  558. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 これは旧商法によりましたものでございまして、当時他の会社にもいろいろそういう譲渡禁止の條項もありましたようなわけで、特別な意義もございません。今日の商法ではいずれ改正になりますのですが、当時としましては特別に深い考慮からでなく、他にもそういう定款例があるから、それを見習つたというにすぎないのであります。
  559. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 しかしわれわれの考えによると、株式の譲渡は取締役会の承諾を得なければならぬという、そういうはつきりした一項を設けるということは、そこに何か目的がなければならぬと思う。ただ單純にさようなことをしたとは受取れないのですが、どうですか。
  560. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 別に深い考慮はございません。ただいま申します通り、他にもそういう例がありますし、また当時はわずかに十九万八千円の、われわれ同志が寄つて設立した会社でありまして、株式が特に市場性があるわけでもありません。別に深い考えを持つてそういう條項を設けたのでもございません。
  561. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 近くこの定款を変更する意思はあるのですか。
  562. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 御承知のように商法改正に伴いますのは、追つて研究の上改正を要すると思います。従いましてそういう條項はもちろんなくなるわけでございます。
  563. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員長代理 それから富士川製紙株式会社代理店なつ事情はどういうことなのです。     〔内藤(隆)委員長代理退席、佐々木(秀)委員長代理着席〕
  564. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 お答えいたします。昭和二十四年ごろは物資が統制でございまして、私どもは多く統制物資を扱つておりましたものでございますが、爾来統制というものが漸次はずされて行きまして、われわれの仕事というものが減少いたしましたので、何かいい仕事を見つけねばいけないという考えから、いろいろ考慮いたしまして、幸い冨士川製紙社長も存じておりますので、紙の代理店などは大いにいいという考えのもとに、同社と交渉いたしまして、販売代理店を引受けることに相なつたのであります。
  565. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それから專売公社に物品を納入する場合に、その価格はどういうようにしてきめられているか。
  566. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 お答えいたします。御承知の通り競争入札随意契約とがございまして、競争入札に参加して落札の上契約をいたしまする場合と、随意契約でいたす場合とございますが、ただいまのお話にありました富士川製紙と販売特約をいたしておりまする紙は、随意契約でございます。その他くぎ等も納めておりますが、これは入札によつて契約を結んでおります。
  567. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 入札の場合はそう問題は起らぬだろうと思いますが、随意契約の場合の価格はどのようにしてきめておりますか。
  568. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 随意契約価格は、いろいろ私どもが見積りを提出しまして、そうして公社の方にもいろいろな資料のものとに価格を折衝いたしまして、決定することになつております。
  569. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 いろいろな折衝といいますが、具体的にどういうようなぐあいにして価格がきめられるかということ、それとどういう人たちが立ち会つて価格をきめるものか、そこをひとつ……。
  570. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 随意契約の場合はただいま申すように、まず見積書によりまして担当官と事務折衝をし、最後には課長のところに持つて行つて決定をするということになつております。
  571. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 その担当官というのは、おもにどなたが今まで折衝に当つておられましたか。
  572. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 紙の方でありますと紙の係長大繩事務官であります。
  573. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 その人が最近ずつと当つておりますか。
  574. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 その方が担当官でございます。第一次的にはそういう方に見積りを差上げます。
  575. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 昭和二十五年度に專売公社へ納めた物品の価格はどのくらいになつておりますか。総額と種類がわかりましたら……。こまかくはいりません。
  576. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 総額は大体二十四年度が四百六十二万六千円、二十五年度は四千二百三万円程度であります。これは專売公社関係総額でございます。本社と地方局がございますが、その総額でございます。
  577. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 アルミの裏紙その他物品のマージン——これはいろいろあなた方の都合もあるでしようが、普通どのくらいのマージンによつて納入しておるか。
  578. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 御承知の通り最近は物価の変動が非常に多うございまして、なかなか一定はいたしておりませんが、大体において七、八分から一割四、五分という程度になつております。ただいまの裏紙は大体一割程度になつております。
  579. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 最初は六分から七分程度になつていたが、二、三月ころにはおのおの三〇%くらいのマージンがとられておるということを聞いておるのですが、それはほんとうですか。
  580. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 五分とか七分の月もございます。年を通じまして一割程度にしてもらうという交渉ができまして、年度の末の二箇月におきまして一割程度に調節をいたしてもらつたわけであります。年度の平均が一割程度になるように、年度の最後において調節してもらつたわけであります。従いまして総額といたしましては一割程度ということに相なつておるわけであります。
  581. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 ある月によつては三〇%マージンをとつたこともあるのですね。
  582. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいま申し上げました通り、年度を通じて平均するために、最後の二月におきまして高率のマージンをもらいまして平均をしたわけであります。
  583. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これは金額にして四千二百万円ですね。それは製造工場とか何とかいうならいいのですが、ただ普通、專売公社に納めるだけでマージンが一割などということは、われわれは相当多額のように考えられるのですが、一般市場においてもそういうようなマージン価格になつておるのでありますか。
  584. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 大体メーカーから消費者までの間には、一割から一割二、三分ということに相なつております。私の方も一割程度にならますが、そのうちから運賃等も私の方で負担をいたしておりまして、一般から見まして、あまり高率とは考えておりません。普通であろうと思つております。
  585. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これはほかの商売とは私は比較にならないと思うのです。ほかの商売なら、金が入つて来なかつたり、いろいろ掛金とか何かがあるが、專売公社という大きな公社事業形態からいうと、金の支払いも間違いないし、扱う金額も大きいし、一般の問屋や商社と違つて、間違いなく金は入る。しかも金額は多い。それに一割というマージンは——どういう点からその一割というものができたのかわかりませんが、私らは非常に多いと思う。多いとか少いとかをあなたと議論してもしかたがありませんが、一割程度に調節するということは、專売公社のどういう立場の人とそういう話をするのですか。
  586. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私ども手数料につきましては、專売公社は一切御存じのないはずでございます。これは売渡しの価格でございます。お納めする価格は折衝いたしますが、私どもメーカーから幾らで買つて、幾ら利益をとつてということまでは説明をいたしておりません。また公社へお納めいたします価格も、市場価格から見まして、決して高いものを納めてないと私どもは信じております。この手数料問題については、メーカーが多くとれば私どもは少くなる、折衝の結果私どもが多くとれば、メーカーが多少勉強するということになるのでありまして、公社の方へはお知らせをいたしてない、これはもう私どもの営業の秘密になつております。
  587. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 先ほど三〇%のときもあるが、ときによつては七、八分のときもある、それを調節するために年間を通じ一割ぐらいのマージンに話をきめた、こうおつしやつた。そうすると、マージンをきめるのは公社との話合いできめるのではなくて、ただメーカーときめるのですか。
  588. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうでございます。公社は一切御存じないわけでありまして、私どもメーカーとの間の折衝によつて決定するわけであります。
  589. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 私らとしては多額なマージンだと思うのです。販売価格の問題ですが、公社に納入する価格は、公社の方で市価と比較して高くないということになれば、相当なマージンがあつても、そのマージンには関保しないということになるのですか。
  590. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 公社内部のことはどうもわかりませんが、要するに購買なさる方は、その物が品質かよくて廉価なればいいということで、その内容は私どもが多くとればメーカーが利益を少くとるというようなことまでは、私ども説明も申し上げず、公社の方もそこまでお調べになつたかどうか存じません。
  591. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これが一般入札になれば市価と比較してということになるが、随意契約になればやはりそこに公社との話合いがあつて、仕入れ価格がどれくらい、販売価格がどれくらいということは、当然お互いに折衝されるものだと思うのです。メーカーから入つて来る仕入れ価格などに対しては、今まで公社は何ら聞いたことはないのですか。
  592. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私の折衝の場合には、メーカーから幾らということは折衝したことはございません。ただ公社資料といたしましてはなさつておるかもしれませんが、私どもはその内容までは存じません。総額において折衝をいたしておるものでございまして、公社の持たれておる内容ということは承知いたしておりません。
  593. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 われわれから考えると、ずいぶんルーズな考え方だと思う。随意契約であれば、他の商社と競争させない立場に置くのでしよう。とにかくあなたの專友社というものと随意契約を結んでおる。そうすると当然需要する面の專売公社は、仕入れ価格から全部調べなくちやならないと思うのですが、そういうことを話合わないということになれば、これ以上つつ込んでもしようありませんが、その点においてはわれわれは非常に疑問に感じておる。  次に移りますが、アルミ、裏紙を專売公社に納入する場合には、專友社代理店としてどういう実務をやるのですか。
  594. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 納付の撤回とか、不良品の引きかえとか、代金などもどもの方は現金でメーカーに支払つております。公社の方から代金が遅れましても、ただちに私の方は金融をつけまして現金で支払つております。そういう点も多少私どもの利益が多く出たという点になるのであります。私の方で金融を心配しで現金でただちに支払つておるという点も、私どもとしては非常に有利な條件の一つになつておると思います。
  595. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 現金をただちに引きかえで払えるくらいの金の融通のつく会社は、今ごろ珍しいのですが、あなた方の金融関係は、どういう方面から金融を受けておるのですか。
  596. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 第一銀行の麻布支店から金融を受けております。預金も向うへやりますし、私の方は第一銀行麻布支店のみを取引銀行といたしております。そういう関係で一層便宜が受けられるわけであります。
  597. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それは專売公社と直接の取引をするということが、おもな銀行の信用の裏づけになるのではないですか。
  598. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 銀行といたしましては、そういうことも大いに裏づけになつておると思います。要するに公社取引があるということが一つの保証になつておると思います。それが大部分だと思います。それは銀行の内輪でございますからわかりませんが、おそらくそういうことが私どもの金融が割合に楽に行くのではないかと考えております。
  599. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 昭和二十四年度專売公社の火災保險のうち、二十五年一月開始のタバコ乾燥場契約について、代理店として一〇%の割当を受けておるのですが、その事情を説明願いたい。
  600. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私どもの営業はただいま御説明申しました通りに、損害保險、生命保險も事業といたしますので、公社の火災保險にもぜひ一口入れたい、こういう考えで従来の代理店と交渉をいたしまして、わずかでございますが、一〇%だけ私の方でも代理いたすということに相なつたのであります。
  601. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 一〇%というのは金額は幾らくらいですか。
  602. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 保険料としまして八万六千円ぐらいであります。手数料でございます。
  603. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 契約金は。
  604. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 契約ちよつと記憶をいたしておりません。保險総額が八十何万……。
  605. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 要するに保險金が八十何万円として八万六千円の手数料をもらつた、こういうことですか。
  606. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 さようでございます。
  607. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 火災保險について專友社はどんな実務を担当しておりますか。
  608. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 大体火災保險につきましては、代理店の幹事会社をわれわれの中でつくりまして、そして実際の保險会社の折衝とかいうものは、幹事会社がやることになつておりまして、私の方はときどきその幹事会社と会合をいたしまして、いろいろなことを話します。こういう程度でやつております。
  609. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 協同殖産というのは、その幹事会社のことをさしておりますか。
  610. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 さようでございます。
  611. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これは聞いてみますと、協同殖産に全部仕事をやらして、ただあなた方は口をきいただけの、ほんとうの口きき料のようなことで、八万円も手数料をよけいもらつているように聞いているのですが、あなた方代理店の実務というのは実際やらないのでしよう。
  612. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 実際の実務と申しましても、保險の契約は向うでやりまして、それから保險料の受入れとか、払込みを私の方でやつております。その他一切を幹事会社にまかしまして、必要な場合に会合して協議をするという程度であります。
  613. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 代理店というのは、契約と、それから保險料を徴收すれば、それで代理店の役は勤まるのです。それをやつていれば、何も協同殖産にまかせる必要はないじやないですか。それ以上の代理店という仕事がありますか。代理店というのは、契約をして契約の保險料を徴收すれば、代理店の仕事は終るじやないか。それを実際にあなた方はやつていないで、協同殖産にやらしているのじやないですか。
  614. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 保險会社も八社ほどになつておりますし、それの代理店も五社ほどになつておりますので、各自が一一折衝するということはできませんので、幹事会社をつくつてそういう折衝に当つておる、こういうわけであります。
  615. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 上手にやつているようですが……。それでは專友社が中央生命保險相互会社の総代理店を引受けるに至つたところの事情を述べてもらいたい。
  616. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私ども会社の改称をいたしましたのは、保險の代理をやるということが、先刻申しました通り重大なる仕事になつておりますので、かねて生命保險もやりたいと考えておりました。そこへ中央生命が二十三年ごろから專売公社関係の保險を始めたようでございます。それが非常に成績がいいので、これを全国的に広げて行きたい、こういう意図がございまして、これを專売公社の厚生課の方へ援助をしてくれぬかということを願い出ましたようでございます。そこで專売公社としては、直接そういうことはやれませんので、厚生課の方から私の方へ紹介を受けまして、爾来中央生命といろいろ折衝をいたしまして、中央生命の総代理店を引受けることに相なつたのでございます。
  617. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これは要するに專売公社があなたのところの会社を推薦したというかつこうですね。
  618. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 最初はそういうわけであります。要するに中央生命が厚生課の方へお願に行つたらしいのでございます。このために紹介を受けまして、私の方に代理店を引受けるということになりました。
  619. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 中央生命の代理店も、先ほどの火災保險と同じように、だれかにやらしておるのですか。あなたのところで直接やつておりますか。
  620. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私どもの方は総代理店を引受けておりますので、総代理店の事務は私どもの方でやつております。ただ一部の事務を專売協会の方へお願いをいたしておりますが、先刻の火災保險とは趣が違いまして、総代理店の仕事は私の方で全部いたしております。
  621. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 この中央生命の手数料の中から、專売協会という互助会のような、公社の職員をもつて組織しておるものがありますね、それに対してあなたの方から何がしかの寄付をやつておるようなことを聞かされておりますが、そういう事実がありますか。
  622. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 寄付はいたしておりません。ただ私の方は総代理店を引受ましたが、地方には手足を持つておりませんし、幸い公社の方の專売協会は地方に手足をお持ちになつておるので、これに総代理店の事務の一部をお願いをしておるわけでございます。それに対しまして事務費といたしまして、新規契約に対しましては手数料の二%、二年目からは手数料の一%というものを算出いたしまして、適当の時期に手数料といたしてお支払いをいたしております。
  623. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 その二%、一%という手数料を払つておるようですが、それはどのくらいの金額になりますか。またあなた方の方が中央生命からもらうところの手数料と、この互助会の方へ一%、二%と出しておる金がわかりましたら、ひとつ……。
  624. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 中央生命から私の方の総代理店としての手数料といたしまして、初年度に手数料の三%、二年度以降は收入手数料の二%を受けることになつております。この中からただいま申す総代理店のお手伝いをお願いした協会に対して、二%、一%をお支払いいたしておるわけでございます。その金額は、総代理店として中央生命から受けましたのが、二十四年度が二百五十万七千円、それから二十五年度が三百六十万二千円ほどと相なつております。その中からただいま申したような割合で、協会の方には二十四年度は八十九万一千七十円、それから二十五年度は百七十五万六千円というものを手数料として現実にお支払いしました。なお二十五年度の決算におきまして、まだ支払い未済額が百二十八万円ほど残つておるような状態でございます。
  625. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これは対象とするところは、もちろん生命保險や何かですから、だれでも構わないで入れるのですか。ことにあなたの方の総代理店の目標は、耕作者とかタバコ小売人というものが大部分の加入者じやないのですか。
  626. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 大体お説の通りでありまして、專売関係者、要するに專売局の職員、あるいはタバコの耕作者、塩の製造人、樟脳の製造人、あるいは塩、タバコの小売人というふうに、大体專売関係者を目標といたしております。
  627. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それでそういう保險の取扱いは、タバコの耕作者、小売人、あるいは塩の製造業、あるいは販売業、こういう協会、いろいろ地方にあります。そういうところの支部に、中央生命から別途に手数料が支払われているといわれているのでございますが、それを証人は御存じですか。
  628. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 それは実際の第一線の方の手数料として中央生命は支払われておる。私の方は総代理店としまして、要するにそういう四囲のいろいろの関係の連絡とか、あるいは推薦、援助、紹介というようなものと、もう一つは私どもの傘下にそういう紹介によりましてできたものに対しましては、連帶保証という、私の方が重大なる責任を負担いたしております。そういう点で手数料をもらつておるわけでございます。
  629. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それで紹介、あつせん、集金、そういうことをやつておるという、そういう事務はどこでやつておりますか。あなた方の会社の中にそういう部門がありますか。
  630. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 特別の部とか課とかはつくつておりませんが、私の方は、さきに申しましたように、非常に従業員が少いものでございますから、営業部でやつておるようなわけで、特別の課は設けておりません。
  631. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 営業部で、だれがやつておりますか。
  632. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 営業部は三人ほどおります。
  633. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 三人ぐらいで営業部をやり、これほどの三百万からの手数料をもらう。紹介からあつせん、集金ということになると、事実はほんとうのただトンネル式な代理店じやないのですか。地方の塩の小売業者とか、タバコの小売業、そういう組合や協会が一生懸命にやつて、そしてあなた方はただ專売局と中央生命を結んだというだけの、手数料のトンネルじやないかと私らは考えられるのです。それを紹介するならば、三百万という手数料の保險契約なんというものは、莫大なものだと思うのです。それを二人や三人の営業の者が、しかもそれを專属にやつていないというならば、常識的に考えても仕事はやつていないということははつきりするのですが、その点はどうなんですか。
  634. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいま申し上げましたように、総代理店の業務と申しますのは、紹介とかあつせん、それから代理店に対する連帶保証、こういう連帶保証というものには、相当責任上いただかないと、事故が起きました場合には、御承知の通り相当の負担を受けるわけでございますから、こういう点で保險会社としても出されておるはずと思います。
  635. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これも議論になりますから、私はやめますが、ただ最近私なんか地方を歩くと、各小売業者に保險を勧誘に来るのです。現にあつたのです。私はだれがどこへ来たかも知つているのですが、そうすると地方の公社の昔の專売局員が、その保險勧誘者と一緒にやつて来るのですが、そういうことはあなた聞いたことはありませんか。
  636. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そういうことは聞いておりませんが。保險の勧誘は全部中央生命がやる、紹介は私どもがいたしますが、保險の実際の勧誘は、中央生命がやるということに相なつておりまして、公社の方がそういうことに携わつておるということは私も聞いておりませんが、実際にそういうことはないと思います。
  637. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それがないと言つても、私は現に見たのですがね。公社の人が名刺を出して、そのあとに三、四人ぞろぞろとついて、医者までついて歩いております。だからタバコの小売人、塩の小売人は、公社の人が来ると断われないというので、これに対する加入もしぶしぶやつているという状況を、私は現に見て来たから言うのです。それをたくさん扱つて来て、あなた方の耳に入らないのですか。入らないということなればやむを得ませんが、そういうことであると、強制的な生命保險加入ということになつて、われわれも重大視せなくてはならぬから、お聞きしているのです。
  638. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私はそういうことを聞いておりませんのですが、ただただいま申しました通り、公社ということだけで勧誘をしてはいけない、そういうことがあるいは今日の第一線の保險勧誘員というものにはなきにしもあらずと考えまして、常に中央生命に対しても嚴重なる警告を発しております。しかしてそういう事故が起きたならば、必ずただちに解職せい、こういうことで中央生命からも他方へそういう通牒も出しておるはずでございます。
  639. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 われわれの見ておるのは大部分それなのです。大部分が公社の人と一緒に来ておる、公社の人がそれだけ一生懸命になるということは、それに対する何らかの報酬がなければ一生懸命にならない。そこであなた方が中央生命から受けた手数料の一部を、先ほどの專売協会への寄付じやない、事務の手数料だと言つておるが、その中央生命から受けたところの手数料のうち互助会に今どのくらい一年に出しておりますか。手数料としてもいいし、事務費としてもいい、われわれから見れば寄付と見てもさしつかえないと思いますが、寄付でないといえば寄付とは取扱わないで、手数料か事務費か、そういうものはどのくらい出しておりますか。昭和二十四年、五年、六年くらいの記憶がありましたら大体言つてください。
  640. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 事務費といたしましては、昭和二十四年は八十九万一千七十円、それから二十五年度が百七十五万六千円それから支払未済が百二十八万円かございません。そういう状態になつております。
  641. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 專売協会では、今言つたような八十九万円とか、昭和二十五年には百七十万円とかいうような、この受入れ金をどう処理しているか、あなた知つておりますか。
  642. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 受入れ後の処置は、私どもは一切承知をしておりません。事務費として差しげましたその後は、どういうふうに御使用になつたかということは私ども別に伺つておりません。
  643. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そうするとあなたの方では、どういう名目でこの金を出しておりますか、要するに総代理店として、一つの生命保險に対する金の出入の処理をする会計処理があると思うのですが、どういう名目で出しておるのです。
  644. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 受けますのはやはり保險の契約高、手数料に対しまして、パーセントをかけまして三%と二%、こういうことで算出して、中央生命から私の方へ送つて来るわけです。受ける方はそれです。払出しも同じくそれを基礎としまして月別の保險額、それから手数料というものを算出いたします。それに対しましてただいまのパーセントをかけまして、手数料を算出して支払いする、こういうことに相なつております。
  645. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これはちよつとおかしいのですが、あなたの方の決算報告に專売協会へ支払うべき保險取扱諸費という項目がありますね、その中に未払い分として昭和二十四年度に七十七万八千円ですか、二十五年に百二十八万九千二百八十七円というのがあるのですが、これはどういうふうになつておるのですか。
  646. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいま御説明申しましたように、保險料から二%と一%という割合で計算をいたすのでございますが、私ども、年度に打切りますれば、そういうもので計算をいたしました手数料というものが未払いになるわけであります。従いまして二十五年度に実際支出いたしました百七十万円には前年度の未払いも含んでおります。それから二十五年度もただいまのような算法で算出いたしました未払いというものが、百二十八万円ほど残るわけであります。これが要するに手数料として計算をいたしましたもので、私どもの方の決算の締切り関係でこういうふうに相なるわけでございます。
  647. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 未払金とか要するに保險金の手数料というものが、総体的に、ことにこれはあなた方の方の利益金に計上しなくちやならぬと思うのですが、それはちやんとできておりますか。
  648. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 できております。全部この通り、要するに受ければ利益として受け入れております。それから事務費は営業費として支出をいたしております。
  649. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それは税務署の方にもちやんと報告は出ておりますか。
  650. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 税務署の方へも全部報告が出ておりますし、税務署の実地調査の場合にも御説明をいたしまして了解を得ております。この通りでいいという御了解を得ております。
  651. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 互助会に渡した金も未払金もみな報告してあるわけですね。
  652. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうです。決算報告がありますから……。
  653. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 いや、その決算報告が正しい報告であるなれば、何もわれわれは疑問を抱かぬのですよ。決算報告というのは各会社でいろいろなテクニツクをやつておることはよく承知しますが、そのテクニツクのやり方が多過ぎることにおいても疑問を生ずるのですが、そういうことは間違いなく……。またそういうことがあれば当然脱税ですが、あなたに脱税しているかといつて、していますということは、聞いてもお答えにならぬことは当然なのだが、そういうことをみんな記載しているのですか。
  654. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 これは税務署の方に、御調査になりまして全部正当ということを御認定をいただいております。
  655. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 この保險の募集に当つておる中央生命の社員が——專売公社の公務員がすぐに行くということもあるが、そのほかに專売公社の命令であるというようなことを言つて保險契約をとつている。專売公社の公務員が行かなくても、あなたの方の人たちが、総代理店の下の代理店、そういう人たちが契約をとりに行くときに、專売公社の名前をバツクにして強制的に契約をとつているというようなうわさがあるのですが、そういうことは聞いておりませんか。
  656. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そういう非難もあるのではないかと思いまして、先刻申しましたように、絶対に公社の方をかさに着て保險の募集をしてはいけないということを嚴重に保險会社に申し渡してあります。これはときどき注意を喚起いたして、絶対にそういうことはないようにいたしております。最近私の方はそういうことを一切耳にいたしません。
  657. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そういうことはあつてはならないと思うのですが、もしそういう事実があつたとすれば、あなた方はどういう処置に出ますか。
  658. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 それは公社関係は私どもどうということを申し上げるわけに行きませんですが、私どもの方のそういうことをやる勧誘員はただちに解職する、こういうふうな方針をきめております。公社をかさに着て募集をするような人間はただちに解職するという根本方針をきめて、これを嚴重に地方の支部へも——保險会社の支部でございますが、支部にも通達いたしまして、勧誘員なんかに十分申し渡し、またそういうものを未然に防ぐためには、勧誘員の人選に非常に意を用いて、だれでも勧誘員にするな、勧誘員の人選には相当注意をしてやれということで、ただいま第一線の勧誘負の人選につきましても、相当にそういうことを考慮して採用いたしておるわけであります。
  659. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたの会社の重役陣をずらつとながめると、歴代の專売局長官が並んでおります。第一、平野亮平、花田政春、杉山昌作、野田卯一というような歴代の堂々たる役人が、退職後あなたの会社へ入つております。そこであなたの会社では、重役となるのに何か持株の制限でもありますか。
  660. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 持株の制限は一切ございません。
  661. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 重役となる持株の制限というと語弊があるが、何株以上でなければ……。
  662. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 定款には持株を持たなくても重役になれるということに相なつております。それによりまして……。
  663. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたの会社の定款の二十六條に、取締役は本会社の株二百株以上、監査役は五十株以上有する株主中より株主総会においてこれを選任す、その但書に書いてありますね。
  664. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうです。
  665. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、この歴代の專売局長官は、みなこの但書適用の事案ですか。
  666. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 株を持たれておらないのは、野田取締役のみでございます。ほかはみな持つております。
  667. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、野田取締役に限り、この但書を適用したというわけですね。
  668. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 先刻も御説明いたしました通り、野田重役は本年の五月の総会において選任されたのであります。まだ株は持つておりません。御説の通り野田重役のみが株を持つておらないということになります。
  669. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、この平野、花田、杉山の三氏は、創立当時からの重役ですな。
  670. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 先刻御説明を申しました通り、製塩興業株式会社というのを改組いたしまして、改組以前には花田、杉山という方はみな入つておりません。
  671. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 改組と同時に入つて来た……。
  672. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうでございます。
  673. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうして十九万何千円の会社が始まつたときに、重役になつたというわけですね。
  674. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうでございます。
  675. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたの会社の株主総数はどれくらいありますか。
  676. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 今百万円でございますから、二万株でございます。
  677. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その二万株はわかつておるが、株主の総数はどうですか。
  678. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 株主は十七人です。
  679. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 二万株を十七名の株主でお持ちになつておるわけですね。
  680. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうです。
  681. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 中小商工業あるいはもつと大きな工場でも、今日は非常に苦心さんたん、粒々営々して、なおその経営が困難だという実情にある。しかるに十数名の株主の会社が、ことにただいまの証人の御説明によりますと、一年間に少くとも四百二十万からの物品の価額をあげ、あるいは保險業だけでも、二十五年度においては三百六十万からの收入をあげておる。これはもちろん合法的な会社でありましよう。しかしながら、その組織において、われわれは納得のできないものが多く含まれておる。ことにあなたの会社、聞けば重役の数と社員の数を比べると、むしろ重役の数が多いくらいな会社であります。六名ないし、出張所から何もかもまぜても十名程度のものである。しかし重役は七人もおいでになる、そうしてかような多くの利益を上げておるという会社であります。これはまことに惠まれた、そうして時勢がどうたつても、財界がどうなつても、ここに一つの経営上の基礎を持つている。またく特殊なものであります。われわれから見れば、これは完全なトンネル会社だと思わざるを得ない。ことにあなたのさいぜんの御説明の中に、たとえばアルミの裏紙の問題など、メーカーに代金を支払う場合に金額をして立てかえをして払つておる。公社から支払いがないうちに立てかえをしておるとおつしやつたが、そうですが。
  682. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そういう場合もあります。
  683. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 場合もあるのですね。けれども多くは公社の支払いを待つてメーカーの方に払つているわけでしよう。
  684. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 多くはそうなつております。
  685. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうするとこれは何と考えましてもトンネル会社ではないでしようか。私はこの民主主義の時代、しかも経済機構においても、会社経営の規模においても民主化して行かねばならぬというこの時代に、前の顯官であつた專売局長官の古手がここヘ入つて来て、しかも十何人の株主の名義に隠れてかような暴利をむさぼつていることは、私は法律上はどうか知りませんが、これは許すべからざることである。不幸にして自由党に属しておられる野田卯一君の名前がこの中にあつたということは遺憾千万だと思う。これは党人であるために言うのではない。今聞けばまだ手続中であるというが、これはいつ野田君の解職があるのですか。
  686. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私が申し上げるのもおかしいのでございますが、今日の取引のようにメーカーが販売店を使うということは一般取引の常識になつておるわけでございます。
  687. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その問題は聞いてない。それはそれでよろしい。ここで私は同僚のわが党員の、しかも今重要なポストにある野田君が辞表を出しておるというが、それはいつ正式に解任の手続をするのか、これを聞いておる。
  688. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 これは私の方の手続が遅れておりますので、御承知の商法改正の登記もいたさなければなりませんので、これと同時にいたすべく準備を進めております。
  689. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 こういうトンネル会社の通弊を見ると、何か役員についた場合には、便法的にやめてまた会社に入るというのが通例なんです。これはよく考えてもらわなければならぬと私は思う。思想の悪化などということはここから来るのです。共産党なんかがつつ込んで来るのはこういうところから来るのです。あなたは常務としてあなた一人で切りまわしておられるのか、あとの重役諸君なんか一体常勤するのですか。
  690. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 他の重役は常勤はいたしません。従つて報酬も出しておりません。それからトンネル会社という御説明がございましたが、私としてはトンネル会社とは考えておりません。ただいま申しました通り、今日の経済界の情勢は、メーカーが直接販売はいたしませんで、多く販売会社を使用しておるわけであります。私の方は販売会社であります。
  691. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それはあなたの主観としてさように承つておきましよう。あなたが、申訳がない、トンネル会社ですといえばへんなものができ上る。私が主観的にさように認めても弁明の辞がないくらいだろう。そのくらいにこの会社はふかしぎなんだ。そうすると今の——これはあまり大きな声を出さなくてもいいが、あなたは重役手当を出していないからいいのだ——あなたの証言を聞いておると、重役手当を出さない重役ならだれでもいいでしよう。重役というものは、その会社へ出て、会社のために盡して、そうしてそれが会社の利益になるというところに重役の重役たるべき意義がある。俸給はやらないからどうでもいいというなら、だれでもいいでしよう。しかも会社へ常勤しなくてもいいというなら、権兵衞でも太郎兵衞でもいいわけです。ことさらに前專売局長官の名前を載せなければならぬという理由を説明していただきたい。
  692. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいま報酬も出していないからだれでもいいという。そういう御説明は私は申し上げないわけでございます。ただ大官の名前が出ておりますが、報酬は出しておりません。それだからだれでもいいと言われますが、御承知の通り、重役会議々開きましで、重要なる営業方針というものはそこから生れて来まして、私どもはそれに従つて手足となつて働いておるのでございますから、重役陣というものは、会社経営の上には重大なるものであると私は信じております。
  693. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、そういう重要なる重役であるがためにこういう人たちの名前を借りておるのでしよう。そうじやないですか。
  694. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいまも申す通り、会社経営の中心は重役にあるのでございますから、重役に一流の人物を集めるということが会社経営の一番いい方法と信じまして、株主総会においてそういう人を選定したわけであります。
  695. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうでしよう。株主はたつた十七人でしよう。これが三百も五百もおる会社なら、株主総会の意思を尊重するという議論も成り立つ。しかるに十七人か十八人、おそらく私はこれを調べて行けば、その株も親族が何かで持つておるのでしようが、今のあなたの証言によると、重役というものは会社経営の上にまことに大切であるから、かような大官の名前を株主総会においてあげた、こうおつしやるのでしよう。
  696. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 さようでございます。
  697. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 さうすれば、今のあなたの会社の業務上において、いわゆる圧力をかけたり、それを利用したりするためにやつておるのでしよう。
  698. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 それはちよつと——そういう意図ではございません。要するにそういう経歴を持つ方を集めまして、そうして会社の全般的な経営をやつて行こう、こういうりつぱな方のいろいろの意見を聞いて、そうして会社を運営して行こうという意図に出たものでありまして、これを威力をもつてどうこうというような考えで選定しておるわけではないのであります。
  699. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 もちろんそうでしよう。それ以上にあなたの答弁を聞こうとは私は期待していない。あなたと私と議論するんじやないのですよ。私の言うのは、わずか十七、八名の株主が、三万株をお互いにわけ合つてつておる。そして前の專売局長官というような人ばかりを集めて、そうして六人くらいでやれるような社務をやつて、莫大なもうけをしておるというところに、国民の疑惑が起るということを私はあなたに申し上げたいのです。  それからもう一つ、だんだん話が飛んで行きましたが、今聞いてみると、それはほんの小部分であつた。大部分はやはり公社から受取つた金によつてメーカーに支払つてつたということをあなたは認められましたね。そうすると、大体あなたの会社の仕事は、私たちの調べたところによると、まずこうなんです。メーカーの倉庫から專売公社の倉庫までの輸送手続はメーカーがやつております。この点どうです。
  700. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 メーカーはもよりの駅までやります。(「着駅か発駅か」と呼ぶ者あり)着駅であります。
  701. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたの会社は着駅から公社の倉庫までの小運送運賃を負担しておるのみなんだ、あとは何もやつていないのです。いいですか、何ら事務もやらなければ煩雑なこともない、それだけの仕事であなた方はたいへんな手数料をおとりになつておる。われわれはこれを称してトンネル会社といつておる。この点どうですか。
  702. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私の方はそういう納付と事故の処理、それから代金の状態、こういうものが大体販売会社の仕事だ、こう考えております。ただお説の見り、あまりにも人が少くてうまいじやないかということは、これは見方によりましていろいろあると思う。私どもはできるだけ能率を上げて経費を少く、少数の人間で事務をやつて行くのが会社経営の一番いいところだと信じます。
  703. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それはまじめな会社経営の話で、トンネル会社の経営にそんなことは……。それは私とあなたのりくつになる、りくつなら一晩でもやりますよ、いいですか、そういうことをあなたがおつしやるんなら一晩中やりますよ。ただ私のあなたに申し上げておきたいことは、定款で株の公開をやる、そうして重役陣においては但書でだれでも入れるという一項を加えて、そうして入つて来る者はことごとく專売局関係の長官初め首になつた——同僚田淵議員をして言わしむると、いわゆる姥捨山のような、そうしてわずか六人か七人の者でそのようなえらいもうけをしておる。それでわれわれ一体今日のこの逼迫した、この悪化した世相、そういうことを考えてみたとき、あなた方は良心的にどうお思いになるかということを最後にお聞きしたい。
  704. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 お答えいたします。ただいま御説明申しました見り、私は少人数で利益を上げておるということは、会社経営上の最もうま味のあるところだと思います。特に悪いとは信じておりません。
  705. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 先ほど会社経営は重役会というものが重大である、それに基いてあなた方が働いておる、その通りであります。非常に会社経営の重要なポストにあるそういう重役の人たちに、あなたの方の会社は相当の利益を上げているにもかかわらず、報酬をやつていないというのですが、どういうわけで報酬をやつていないのですか。
  706. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 他の重役は他に職をお持ちでございますから、私どものようにそれに專業しておる者のみに俸給をやりまして、他の方に職をお持ちになつておる方には報酬は出さない、こういうことです。
  707. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そうすると、その他の重役の人たちはあなたの会社に対する社会奉仕ですね。銀行預金を見ても三百万以上の銀行預金をしているのですが、この財産目録あるいは損益計算を見ると、私らの貧弱な頭から見ても、これはずさんなごまかしであることははつきりしているんですよ。これを見れば保險の手数料がどこに加わつているんだか全然見当らない、そういうことを、私は営利会社につつ込むわけではないが、こと專売公社と取組んでの営利であるからなおさらわれわれは問題にしなくちやならないのです。他に職業を持つているからやらぬ、社会奉仕的な重役だという御答弁のようですが、相当の有力な方々が重要な会社の運営をやるのに、何らの報酬もやつていないというのですが、一定した給料ということになれば税金や何かの関係もあるから出さないで、別な方途で出すという会社もあるのです。だから固定した給料は出していないが、何かほかの名目で出しているんじやないですか、全然出さないのですか。
  708. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 他の名目では全然出しておりません。ただ決算の場合には賞與を幾分出しております。重役の方々も奉仕的には私ども会社を助けてくれておるわけでございまして、賞與を出しておる以外には何も出しておりません。
  709. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 賞與というのはあなた方の方の利益処分の決算書を見ると二十万円となつておりますが、その二十万円をこの重役にどういう分配をしておりますか。
  710. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 二十万円の賞與の内訳を申し上げます。平野社長四万円、私が四万円、花田重役が三万円、杉山重役が三万円、菅野重役が三万円、相馬監査役が三万円、かようになつております。
  711. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 この賞與のほかに職員に対してボーナスがあると思うのですが、職員に対する年末手当あるいは他の賞與はどのくらい出ておりますか。
  712. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 職員に対しましては大体年額三箇月程度出しております。決算期、六月、十二月と一箇年に三箇月程度の賞與を出しております。
  713. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 あなたの俸給はお幾らですか。
  714. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいま三万五千円でございます。
  715. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 あなたはこの二十万円のうち四万円を賞與としてもらつたのですが、その三万円の俸給の三箇月分をまたもらいますか、もらいませんか。
  716. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 秋はもらいません。
  717. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そうすると、一般の職員よりもあなたの賞與は少いということになりますが、そうですか。
  718. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 しかし基本給が、私の方は平常が多うございますから、賞與が多いということにはなりません。
  719. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 今私の言うのは、あなたの賞與が少な過ぎるというのです。四万円では少な過ぎる。そうすると重役でない他の社員で、一番給料をとつておるのは幾らですか。
  720. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 そうですね、一万二千円程度だと思います……。
  721. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 一万二千円が職員で最高ですか。
  722. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 はあ、俸給としましては……。
  723. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それは幾つぐらいな方で、家族が何人ぐらいいるのですか。
  724. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 家族は二人で、四十五、六と五十ぐらいです。
  725. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 ばかにあなたの会社は待遇が悪いですね。公務員でも四十五、六になつて家族がいて、本給が六千三百円ベースにしても、八千七百円ベースにしても、その人たちの給料というものは、いろいろなものを含めると、一万五、六千円から一万七、八千円になつていなくてはならないのです。
  726. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいまのは本給です、その他に家族手当とか地域手当がありまして、総額としては一万九千円くらいになつております。
  727. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それでも足りないと思います。それはあとで見せてもらえばわかりますが……。
  728. 田渕光一

    ○田渕委員 証人に伺いますが、專売局から專売公社になられたときに、あなたは專売局の経理部副部長から入られたのですが、いつ專売局なり專売公社を退職されましたか。
  729. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私が退職いたしましたのは、二十一年三月でありまして、公社になる以前でございます。
  730. 田渕光一

    ○田渕委員 そのときの退職金はお幾らでしたか。
  731. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 退職金はちよつと記憶しませんですが、その当時はまだ少うございまして、たしか四万円くらいと思つております。
  732. 田渕光一

    ○田渕委員 あなたは恩給がついていますか。
  733. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ついております。
  734. 田渕光一

    ○田渕委員 お幾ら。
  735. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 年額五万二千円だと思います。多少違つておるかもしれません。
  736. 田渕光一

    ○田渕委員 株は幾株持つておられますか。
  737. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 お答えいたします。千三百七十株。
  738. 田渕光一

    ○田渕委員 決算報告から見ると、株主配当、特別配当金年一割となつているが、一割の配当金は幾らになるのですか。
  739. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 一割と申しますのは特別配当でありまして、そのほかに普通配当が二割ございます。
  740. 田渕光一

    ○田渕委員 そうすると三割……。
  741. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 はい。
  742. 田渕光一

    ○田渕委員 そうすると幾らになります。よろしゆうございます、こちらの計算で出ますから。まことにあなたは惠まれた、この世に珍しいお方だ、そこでお伺いいたします。まことに遺憾に思うのでありますが、建設大臣をこういう会社にひつぱり込まれたということは、今あなたは野田建設大臣は手続はしておらぬ、賞與はもらつておらぬということを伺つていささか意を強うしたのでありますが、野田卯一現建設大臣をあなたの方の会社へ引き入れるという動機は、だれが頼んで、どういう條件で入つたのでございますか、それを聞きたい。
  743. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 野田重役は、私の方へは大臣に御就任以前でございまして、やはり大臣御就任後先刻申しましたように辞任をせられ、それから重役にだれが推薦したかということは、私どもの方の重役の仲間で推薦を申し上げたわけであります。
  744. 田渕光一

    ○田渕委員 重役とおつしやると、五人のうちのどの重役ですか。
  745. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私初め杉山重役、菅野重役、それから花田重役であります。
  746. 田渕光一

    ○田渕委員 そこであなたの方の第三回決算報告を見ますと、当期利益金が二百二十万八千円と出ておりますが、先ほどからいろいろ同僚議員が伺いました点で、この生命保險の二十五年度の收入が三百六十万円、火災保險の八万円、富士川製紙からの手数料といいましようか、これが四百二十万円、合計七百八十八万円入つておる。そこで百七十五万円をこの協会に出したと言つておりますが、実際は四十万円か五十万円しか出しておらぬ。百二十八万九千円というのがまだ残つておる。結局七百四十八万円の利益を上げているのであります。これは決算報告と非常に違つて来たのでありますが、この点の御説明を願いたいと思います。
  747. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 百七十五万円というものには支払い未済の百二十八万円というものは含んでおりません。それからもう一つ、ただいま申しました利益の概算でございます。あれは利益総額でありまして、そのうちからここにあげましたような営業費というものを差引いて、その利益が残つた、こういうことに相なるわけであります。
  748. 田渕光一

    ○田渕委員 重役の報酬もわかり、職員の手当等も大体伺いましたが、二百二十万とすれば、少くとも五百万近いものが営業費に使われておりますが、トンネル会社の営業費というものは一体交際費でありますか。少くとも專売公社の職員に対する、何らかの名義をもつてしても饗応としかわれわれには見られないのでありますが、こういうようなものは主として営業費でありますか。
  749. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 お答えします。営業費には、人件費とかあるいは私の方は運送、保管というようなもの一切を含んでおります。そういたしまして、饗応とかそういう経費は別に使つておりません。
  750. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほど同僚内藤委員の質問に対して、その中には運賃も含んでおります——一〇%から三〇%までのマージンを、トンネル手数料をとつてつて、それをだんだん調べて行くと、もより着駅、たとえば東京なら東京へ富士川製紙がつけてしまつて、汐留から、たとえば工場まで持つて行くトラツク賃しか含んでおらないのであります。それをば運賃も含んでいると言つているのでありますが、この営業費も、メーカーに頼んで、メーカーカーから、たとえば專友社へ何月何日にワムとかあるいはトラの何トン貨車に何ぼ送りました、こういう通知が来ればそこへ行つてマル通で受取つて来る。それを運ぶだけなのにどこに保管料がいるか解せないのであります。どこの倉庫へどのくらい保管料を払つたかということが明確になれば、われわれも保管料について納得するのであります。
  751. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 ただいま申すのは官のみではございません。私の方は他の方も扱つておりますからそういうものの経費で、官のみでありますれば保管料はありません。
  752. 田渕光一

    ○田渕委員 他のものとはどういうものですか。
  753. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 製塩業者の資材、あるいは部品とか麻糸、そういうような專売公社以外のものも扱つております。その総額の利益でございまして、営業費もそうであります。
  754. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほど証人は、第一銀行に非常に信用がある、それで金を立てかえてメーカーに先にやる、これはたいへん信用のあることでけつこうなことでありますが、そうすると、第一銀行へ利息を払つていなければならぬ。その立てかえた利息というものは、年年どのくらい第一銀行に払つておりますか。
  755. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 明細はちよつと持つておりませんが、大体七、八万円でないかと思つております。信用があるというのは、私どもが信用があると信じているだけでございまして、はたして向うが信用しているかどうかということはわかりません。私どもが信用してくれていると思つているだけでございまして、第一銀行へ聞きますれば信用しないと言うかもしれませんが、私どもは信用してくれておる、それがために割合に金融がうまく行つている、こう考えているわけであります。
  756. 田渕光一

    ○田渕委員 そこで、八万円くらいの利息を払つている、こういう話でありますが、どうもあまりもうかつているというのを隠すがために、專売公社の金が来ないうちにメーカーに立てかえる、こういうように証言されておりますが、それにしては銀行預金というのが三百二十六万四千何ぼと決算に出ておりますが、莫大な預金を持つているのに銀行から借りなければいけませんか。
  757. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 川崎君に注意申し上げますが、速記の方を向いて答弁していただかないと速記が困るそうですから、御注意願います。
  758. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 それは御承知の通り、決算はある時期を区切りますから、預金がある場合もありましようし、ない場合もあるわけであります。これにもあります通り預金もありますが、支払い未済もあるというような表になつておるのであります。ある決算期というものを区切りますれば、預金があつても借金もしておる、こういうことに相なるのでございます。
  759. 田渕光一

    ○田渕委員 それからこの決算報告と同時にまた百七十何万の何をまだ払つておらぬ。この協会の方に寄付しておらぬ。これに対して税務署は利益と見ずに了解を得たと言いまするが、この税務署はどこの税務署でありますか。
  760. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私の方の管轄は麻布税務署であります。但し二十四年度でございまして、二十五年度はまだ検査に参つておりません。上半期だけは終つておりますけれども、下半期の方はまだ参つておりません。二十四年度におきましては検査も完了して御了解を得ております。
  761. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほど同僚内藤委員の伺つたのは二十四年度ではない。二十五年度の決算に基いていろいろあなたに伺つたところが、税務署の了解を得ているという話であつたのですが、二十四年度でもよろしい。二十四年度に対して了解を得たその税務署の担当官は何と言いますか。
  762. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 担当官はどうも……。
  763. 田渕光一

    ○田渕委員 覚えておりませんか。
  764. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 覚えておりません。麻布の税務署から調べに参つたのでございます。
  765. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほどこれもまた同僚内藤君が、良心的にどう思つているかということを伺いましたときに、少人数で利益を上げる、いわゆる少数精鋭で企業の能率を上げることが要するに手腕である、それがうまみだと思うということを言われた。うまみだということを言われたので私は思いついたのですが、どうもこの專友社はあたかも金平糖をつくるような会社で、金平糖をつくるのには小さいけし粒に砂糖を加えて行く。これはトンネル会社というよりもむしろ金平糖会社と言いたいくらいに思つておるのです。非常にかわつておる。しかも前專売局長官を四人もずらつと並べて、現職の建設大臣までも入れてしまつて、そして保險の勧誘をして重圧を加えたということに対していささかも精神的な慙愧の念がない。そういうことに対して、この官僚のあばずれの憎々しさをほんとうに憤慨するものであります。良心的に、どうも少しぬれ手にあわのつかみどりでえらいことをしました、こういうことをかえようと思う、そういうようなことでも少しは考えているのならばよいが、要するにぬすつとたけだけしいというやつで、はなはだしきに至つてはうまみだ、手腕だといつて、いかなる手腕でも手段を選ばずにやるというようなことでは、今日の社会情勢からやつていけない。ことに敗戰日本としてこれから立たなければならぬときに、賠償問題、外債問題などですべての国民が塗炭の苦しみにあえいでおる。その塗炭の苦しみの中から血税を出して来た專売公社の金をばこういうトンネル会社で搾取しておつて、なおかつこれを少人数でやることが手腕だのうまみだというような錯覚した精神を持つておるならば、この精神を根本からたたき直さなければならない。この世の中には働けども働けども食えない人間がある。地方山村へ行けば麥茶がゆにいもがらでがまんしておる者があるのに、退職金は二十一年度に四万円、四万円といえば二十一年度の物価から行くならば、今日四百万円の値打のあるものである。退職金に四万円とり、しかも恩給を五万二千円はみ、なおかつ重役として三万五千円の月給をとり、重役報酬四万円とり、持株一千三百七十株というような、專友社というものは、思うに、この創設者というか、いわゆる官僚を取入れてうまくあやつるところの者があなたである。そこがうまみがあるというが、世の中はそれほど甘いものではない。少くともここは国民大衆を代表するところの国会の委員会である。一体何と心得ておるのか。良心が抜け、恥を知らぬというのはほんとうにあなたのことを言うのだ。そういうやからが專売局に巣食うているから、タバコ一つも安くならぬということはさつきも言つたのだが、この專売公社の問題を取上げて以来ろくな証人が一人も出て来ない。まことに骨の髓まで腐つたやつがいるということを私は憤激にたえない。良心に恥じないで、少人数で利欲をむさぼることがうまみだなんということは、赤子の手をねじるようなことだ。前專売長官の四人も五人も入れて、そうして強制的におどしつけて搾取して、定款をかえようという意思もないし、これを何とかしようというような良心が一分だに見えないということは、私は代議士でなければなくりつけてやりたいくらいに思う。何たる腐つた精神か、ほんとうに精神が腐つている。そういうふうな精神の者が指導的地位に立つてつて、これからの日本の再建ができると思うか。われわれ議員ですら四万円の俸給をもらつていないではないか。それをうまみだなんて金平糖よりひどい。それがうまみだの手腕だのと、それほど世の中が甘いと思つているのか。この考課状が偽造の考課状であるということと同時に、こういう会社に引きずられたということを知つて辞任登記を即刻しないならば、この会社に存在する野田建設大臣に不信任状をたたきつけるがどうだ。野田建設大臣不信任の討議をただちにあすにでもやるがどうか。それをはつきり言つてくれ。傲慢だ貴様は。ぬすつとたけだけしい。
  766. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 田淵君に御注意申し上げます。あなたの御気持はよくわかりますが、言動はなるべく穏健な言動を用いられんことを望みます。
  767. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 野田重役に対しましては、先刻申しました通り手続も進めておりますから、近く何とかいたしたいと思つております。  それから定款の変更でございますが、これは先刻申し上げました通り、商法も改正になりましたので、讓渡禁止とか旧條項はもちろんいらぬことになりますし、それから重役は株主でなければいけないというような條項ももちろんいらないことになりますので、これも改正をするという考えは持つております。
  768. 田渕光一

    ○田渕委員 証人の心境を聞きたい。あなたのようなやり方で世の中が渡つて行けると思つているかどうか。今までは国会の行政監察特別委員会が出ないから、たとえば大蔵省と結託して大蔵省の外郭団体とし、税務署をだまし、あるいは税務署と結託して、そこへ長官を連れて来て、おれらが行かなければ、おれらがちよつとでも顔を出さなければ釘も紙も入らないと言つておられたかもしれない。しかしこれは決して手腕ではない。要するに君らは、制度機構の弱点につけ込んで官僚の腐敗を増加させておる。こんなことばかりやつてつて日本生産をしなかつたならば、日本の国家というものはどこに生産の増強があるか。どうして日本人がこれから世界の国際連合へ食い入つて行けるか。こういうようなことはほんとうに牛乳を搾取するよりもはなはだしい。人道上あるいはまた社会道徳の上からも考えなければならぬ。国民大衆の血税から持つて来たところの專売公社の金である。それを搾取してトンネル会社でもうけておる。これが專売公社の金、要するに国民大衆の金、つまり国家予算でやつたものでなければわれわれはこんなことを言わない。われわれは言うところの権利を持つているのだ、それがために大衆を代表して国会に出て来ておるのだ。民間の一営利会社やそこらでやつているものとは違うぞ。專売公社だ。この專売公社に対してどういう態度で臨むかということの心境を伺いたい。
  769. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私は良心的にやつておると信じておりますので、私どもの方としては今後も良品を廉価に供給するという方針で行きたいと思います。
  770. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 大森玉木君。
  771. 大森玉木

    ○大森委員 私はあとから参つたのでありまして、重複するかもしれませんが、二、三点お尋ねいたしておきたい。  先ほどからお聞きいたしておりますと、この保險の問題でありますが、保險に対しましては何ら高圧的に、またいろいろな機関を利用して募集したものじやないというようなお話であつたのでありますが、しからばこの加入者はいかなる方面の人が多いのでありましようか、專売公社関係の人たちだけでありまするか、この点を伺いたいと思います。
  772. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 加入者は主として專売関係の者でございますが、タバコ耕作者、塩の製造者、樟脳の製造者、塩の購入者、タバコ購入者、それから公社の職員、こういう関係者を目標にいたしております。
  773. 大森玉木

    ○大森委員 そういたしますると、その加入者は喜んで加入しておるものと考えておられますかどうか。あなた方の機関からいわれるのであるから入ろうということで入つておるものといたしまするならば、その加入者は非常に迷惑をいたしておるというようなことを考えないかどうか。
  774. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 御承知の通り生命保險ということが一般的にまだ理解がありませんので、生命保險の勧誘については、私も受けたことはございまするが、勧誘員は相当いろいろな話を持つて行くのでありまして、全部が全部理解をして加入したとも私は考えておりません。ただ今日では、相当保險の支払いもございますので、漸次一般的に保險というものの理解ができていて、積極的にでも申込みがあるというふうにやつて行けるのではないか、さように考えております。
  775. 大森玉木

    ○大森委員 あなた方のようなすべてを理解しておられる方々、しかもその地位の最高の人たちがお集まりになられた仕事といたしまして、その権力とそれによつて利益を得ようというようなことに対しましては、あなた方は今日でもそれはいいことだと考えておられますかどうか。そういうことは加入者といたしましても、非常に迷惑をいたしておると思う。私は善悪は申しません。そういうことにつけ込んで、その名も專友社ですか、そういう会社の名前でありますので、あるいは專売公社とも間違えられる名前だと思う。そういうものによつて純なる耕作者を加入いたさせることはどうかと思うのでありまするが、この点はいかがでありましよう。
  776. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私どもは、生命保險もやはり貯蓄の一種でございますことと、生活の安定をはかるというような面から行きまして、事業としては悪い事業でないという考えで進んでおるのでございます。
  777. 大森玉木

    ○大森委員 それだと私もはなはだ遺憾に思うのであります。これは保險の募集員が申されることでありまするならば、私はなるほどとこれをうなずくのであります。しかしながら、あなたもやはり迷惑するとさつき仰せられた。私どももそういうことを頼まれると、非常に迷惑いたすのであります。あなた方のような位置におられる方が、貯蓄に名をかつて権力によつて加入させることが悪いものでないというお考えであるというならば、私は重ねてこれをお尋ねします。
  778. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私の会社の事業としてそういう性質のものであるからして、こういうことも扱つておる。お説の通り勧誘については相当愼重な態度をとらにやあいかんということは、先にも御説明を申しました通りでございまして、ただ大体にそういう仕事であるからして、私どもの方も代理店を引受けてやつておる、こういうふうな私の気持でございます。
  779. 大森玉木

    ○大森委員 そこであまりくどくどはお尋ねいたしませんが、昔なら警察署であるとか、今の專売公社というものは、営業者に対しましては相当の権力を持つておる。その権力を持つたものと同一のようなものの名前でもつて勧誘するということは、やはり権力をもつておどかすとか、威圧することになると私は思う。この点に対してはあまり追究いたしませんが、さらにお尋ねいたしたいのは、保險会社との契約であります。一体三百何十万円という手数料が入るということでありまするならば、何人ほどの募集員をあなたの方で使つておられるのでありましようか。ただ名前だけを貸して、保險会社から手数料をもらつておられるのでしようか。この点をお伺いいたします。
  780. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 私のほうは総代理店でございまして、実際の募集事務は一切やつておりません。保險団体契約あるいは代理店契約に対しまして連帶保証をいたしております。そういう事務と代理店なり、団体契約者との間の連絡というようなことでありまして、実際の勧誘事務は私の方は一切やつておりません。
  781. 大森玉木

    ○大森委員 そうであるために総轄代理店としてやつておられるということはわかりまするが、その総轄をするためには権力が必要である。でありまするから、これはあまり追究いたしたくないと思うのですが、今の野田建設大臣という人たちも、そういう意味からあなたの会社に入つていただいたのではないか、さらにまた重役報酬はあなたは出しておらないと言われる。しかしながらこれは選挙以前から入つておられたというのでありますが、一銭も出していないのであるかどうか、この点をお伺いいたします。
  782. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 野田重役は選挙後でございます。本年の五月の総会で推薦いたしまして、六月から御就任になつたわけでございます。
  783. 大森玉木

    ○大森委員 そうすると私の聞き違えであつたかもしれませんが、しからばその後重役として、他の重役にも一銭も報酬を出しておりませんか、何らかの形で出しているのでありますか。重役報酬を出しておらないとするならば、ますます怪しい。ここが私ども非常に疑念を持つところであります。重役が責任を持つておるということは、私から申し上げるまでもない、その重役が何の報酬もとらずに、ただ專友株式会社というものは何か一つの公共事業のような形で考えておられるのでありますかどうか。重役報酬を出していない会社が今日の日本にあるということがふしぎなんです。それには何かそれにからんでおるものがあるということを言わざるを得ないのでありますが、この点はどうでありますか。
  784. 川崎榮三郎

    ○川崎証人 重役報酬を出しておりませんことは、今申しました通り、重役の方々は他に職業をお持ちでございますから、重役賞與を出していない。ただ決算期におきましては、賞與を差上げております。こういうことにただいまのところはなつておるわけでございます。
  785. 大森玉木

    ○大森委員 これはいつまで尋ねましてもあなたのような経理に非常に明るい方を、私どもしろうとがお尋ねいたしましても、この決は出ないのである。しかしながらこれはいろいろな方法によつてよく調査する必要がある。今申し上げましたように、ただ決算期の年末賞與だけによつて、重役が何年間も勤めておられるということに対しましては、どうしても私ども受取ることのできないところがあるのでありまするが、ひとつ委員長、それらに対しまするあるいはそれぞれの支払い等に対するところの明細書を全部取寄せる必要があると私は思いますから、それは証拠書類として要求いたします。
  786. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 いずれ大森玉木委員の御要望に対しましては、理事会においてさよう決定いたしたいと思います。
  787. 田渕光一

    ○田渕委員 ただいま大森委員の、保險料の手数料の問題に対して、やはりこれも逃げ口上だ。このことは言いたくなかつた、まだ精神が改まらぬから申し上げるのでありますが、保險手数料を三百七十万円取つておる。保証の必要があるというが、なるほど一般保險会社が金を集めるならば、集めた金を使い込まれる危險があるが、どこにそういう危險があるか。いな前大臣を四、五人も入れ、現建設大臣さへ入れておる。これは業者に対する大恐喝です。りつぱな恐喝だ。專売局におせじを使わなければならぬ連中に、これだけの名前を言つてしかも今いう專友社の名前で勧誘して来て、どこに保險の使い込みの心配があるか。絶対に保險の使い込みの補償をするような心配はありません。そんな甘い商人じやありません。濡れ手にあわのつかみ取りである。本日は時間が迫つておりますが、私はもつと聞きたいことがあるので、これで証人尋問を終らずに、本日で終らずに留保していただいて、今言われた大森委員の資料を提出させ、そうして最終日にでもさらに反省を促してもらいたい。しからざれば、第三回決算報告など偽裝だ。こんなことで世の中が通るものではない。国会の名においても、本委員会の名においても徹底的に糾明するという態度をきめなければならない。ぜひ本日終らずに、留保するということに願いたいと思います。
  788. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 ただいまの田渕委員の御要望に対しましては、御承知の通り、正式には川崎証人は本日だけとなつておりますので、あらためて理事会を開きまして、あなたの御要望に対する協議をいたしましてから決定いたしたいと思います。一応本日は終つたということにしておかないと、ここできめても今のような状態で、多数の人がそれに賛成ですといいが、一委員によつてきめられたということでは運営上あとで支障が来るといけませんから、そういうとりはからいをいたします。  他に川崎証人に対する尋問がなければ、川崎証人に対する尋問はこれで終了いたしました。証人には御苦労さまでございました。     —————————————
  789. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 引続きまして、芝原証人より証言を求めることにいたします。  ただいまより日本專売公社関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせたければならないことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人芝原隆太郎朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  790. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それでは宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  791. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  芝原隆太郎君の略歴を簡單に述べていただきます。
  792. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 私は大正八年の七月にその当時の東京帝国大学の農学部の農芸化学科を卒業いたしまして、その月に專売局技手を拜命いたしまして、大正十年七月專売局技師を拜命いたしました。それから最終は昭和十八年の三月專売局中央研究所長を拜命いたしました。同二十年三月に專売局中央研究所長を退職いたしました。これが專売局における経歴でございます。  それから十九年ごろから満州国でタバコ会社は主として奉天から以北にあるものですから、その当時南満でのタバコが非常に不足しておりまして、満州国の興農部と経済部でタバコ会社を南満に設立したいからたれか適当な人をよこしてもらいたいというようなことで、大蔵省から話がありました。それで私がそれに行つたらどうかと言われまして、そのために昭和二十年の三月に專売局を退職いたしました。満州国へ参りまして、興農部と経済部の設立要綱に従いまして、あちらでタバコ会社の設立にかかつたのであります。それで大体機構その他全部でき上りまして、もう登記を済ますばかりになりましたので、こちらから技術官を連れて行くとかいろいろ用件がありまして、私は昭和二十年七月の二十六、七日ごろだつたと思いますが、内地に帰つて参りました。しばらくする間に終戰になりまして、その会社もそのまま消滅したのでございます。それから二十二年の六月まで別に職もなくぶらぶらいたしておりました。ところがその当時時折專売局へも、古巣でありまするから顔出しをいたしておりましたが、当時は御承知のようにすべてが統制の時代でありまして、專売局が使いまする製造用の木箱もくぎも、現物が入るのが非常にむずかしい。くぎはその当時は一括しまして、專売局が通産省に要求いたしまして、一括発券されることになつたのであります。それを各地方局の業者あてにさらに專売公社が分配して券を出すことになつておりました。各地方で、たとえばそれに使いますのは丸くぎのインチ半でありますが、非常に入手が困難であるというので、何とかこれは中央でそれの現物化をはかつてもらわなければいかぬということを、東京の木箱屋さんの人々が主唱しておるのを私も聞いたものでございますから、ちようど私もぶらぶらしておりましたし、それじやひとつそんな仕事を私にもやらしてもらえないかと話しましたら、うんそんならよかろうということで、昭和二十二年の六月に專売用品調達組合というものをつくりまして、その組長には西谷安之助、これは東京の木箱屋でございますが、それが組長になりました。東京の吉川、荒木、それから私、それから四国で一人、中国で一人、これらが理事になりまして、私が常任理事で調達組合の仕事をやるということを二十二年六月から始めたのでございます。そして專売局の一隅に机を二つ借りまして、そして專売局で発券するものは最終需要者の名あてになつておりますから、それを一括しまして東京で組合が折衝して順次それを木箱屋に発送する、そういうのをつくつたのであります。会員は大体四十何名で、大体これは希望によつたのでありますから、中には自分のつてで現物化できるところは加入せぬところもありましたが、大体大部分の木箱屋が一口千円ずつ出資をいたしまして、六月に專売用品調達組合をつくつたのであります。そういうふうにしてくぎの現物化を二十二年六月から二十三年の六月までやつておりましたが、そのとき事業者団体法が出まして、そういう団体で物の購買、あつせん、発送、集金その他一切が禁止されたものでありますから、やむを得ず二十三年六月末で一応仕事は全部打切つたのであります。しかしそのあと集金とかいろいろ解散の残務があつたので、引続き公社の中でその残務整理をやつてつたのであります。またその当時やはりくぎは切符制でありまして、地方によりましてはインチ半というのが最も需要が多いものでありますからなかなか現物化がむずかしい。組合でできなかつたら何かひとつ会社ででもやつてくれると便利だ、こういう話があつたものですから、それならひとつどうせ私も別に仕事がないのだから、それじやその会社をやろうというので、それに似たような名で、專売需品株式会社という準備をやりながら解散事務をやつてつたのであります。明けまして昭和二十四年一月六日にようやく登記も済みまして、私の現在やつております会社が設立されたわけであります。しかしやはりくぎは公社から需要者あてに発券されたのを利用して現物化をやつてつたのであります。たしか二十四年の第二・四半期まで会社でくぎの現物化をやつておりました。ところが統制がはずれましたので、はずれると同時に生産もふえたものですから、切符制がやめになりました。その後も地方によつてはくぎが困るから東京からひとつあつせんして送つてくれというので、会社といたしましてはまだ二十四年一ぱいくらいは注文があるとこしらえておりました。特にあいくぎといいまして、木箱木箱の間に打つくぎは一般市場にないものですから、あいくぎだけはおそくまで注文があつて、このあつせんをよくやつておりました。しかしその当時からもうそろそろくぎは生産が過剰になる傾向になつたものでありますから、会社をつくつた以上は何かやはり扱う品物がなければいけません。ちようど私は長年の專売局時代の半分は印刷の方に適したものですから、創立当時から、くぎだけではとうてい会社も成り立たないから、他に日用雑貨というようなものを営業項目の中にも入れておつたわけです。その当時から、紙類もやりたい、ことに将来やるならば、自分が経験が深い紙を扱うのが一等よいのではないかというので、その当時から、金物と紙というものを目的にしてやろう、定款にもそういうふうに書いております。そういたしまして二十四年の夏ごろからぼつぼつ紙をお願いして、ことにそのときは製造力がだんだん回復しておつたときでありますが、製造力の回復と機械の整備と一緒に、将来小箱の一本入りがどうしても増加するだろう、こういう趨勢に……。
  793. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 証言中ですが、時間が非常に遅くなつておりますので——大体それであなたの略歴はわかりました。そうして現在の社長になつておるのですね。
  794. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 そうです。
  795. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それから扱い商品は、最初は金属であつたものが、紙になり、あるいは保險等の代理店もやるようになつたというのが、今日のあなたの立場ですね。
  796. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 そうです。
  797. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 その会社の資本金は幾らですか。
  798. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 資本金は百十万円。
  799. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 従業員は何名です。
  800. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 役員六名、社員八名、合計十四名であります。
  801. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 役員の中には、前に專売局関係とか、あるいは大蔵省関係とか、いわゆる今の公務員ですね、そういう立場にあつた人が何人おりますか。
  802. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 私と合せて二名おります。
  803. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 もう一人は何と申しますか。
  804. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 花田政春。
  805. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 あなたの会社の業務の内容は今の話で大体わかつたのですが、営業成績をごく簡單に説明願いたい。
  806. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 営業成績は、昭和二十四年の一月……。
  807. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 二十五年の分を言つてくれませんか。
  808. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 二十五年度の品目別の大体の販売高を申します。
  809. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 総額でよろしゆうございます。
  810. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 総額は八千九百八十二万八千百三十五円でございます。
  811. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そのうち利益金は幾らですか。
  812. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 五百五十一万七千百三十七円。この中から経費は別にとります。
  813. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それで八千万円からの会社としていろいろ事業を取扱つて、五百万円の利益を一応上げておる。それに対する営業費なんか、それからかかるでしようが、あなたの報酬とか、重役にどれくらい手当を出しているとか、それをひとつ……。
  814. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 私は俸給三万円でございます。それから花田政春氏が月額一万円。あとは報酬は出しません。無給になつております。それから全部で二十五年度は役員賞與金が十五万円であります。
  815. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 大体あなた方の專売局関係会社というのはみなそういうのかしりませんが、賞與も大体二十万とか十五万とか、相談し合つたように一緒であり、また重役にはみな報酬を出していないというのですが、何かの名目でも全然出していないのですか。
  816. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 報酬は、大体みな專門の業を持つているものですから、こちらの方に專属にかかるわけに行かず、大体役員会のときに出てもらうことにしております。それで大体決算期に役員賞與という意味で本年は一人二万円ずつ出しました。
  817. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 決算書には十五万とかあるのですけれども、聞きますと、六人が重役でしよう。あとの八人が従業員、どれくらいの給料を出しているか知りませんが、五百万円くらいの黒字を出せば相当純益が出て来るとわれわれは想像するのです。それは議論にたりますからその点は聞きませんが、そうすると、営業経費が非常に少くて、相当な利潤を上げておる、こういうふうに考えるのですが、一般従業員の俸給やその他のことはよいのですが、重役には全然出していないというあなたの証言は、間違いありませんか。
  818. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 間違いありません。
  819. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 專売公社の分室を借用するに至つた経緯を先ほど聞いたのですが、これは今でも借りているのですか。
  820. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 実は調達組合のときは、現物化で当時の專売局の補助機関でありますから、当然おつたわけであります。会社になると実はどうかと思つたのでありますが、引続き專売局の補助機関として現物化をやつておるという意味で、そのままおつたわけでありますが、先刻申しました昭和二十四年の九月限りで現物化ということはなくなつたものですから、実はどうも出ないわけにも行くまいと思うし、公社の方からも、会社が役所に居候しているのはどうもおかしい。どこか適当なところを見つけて出てくれといわれたのです。それでその当時から実はあの近辺の土地の周旋屋にずいぶん依頼しておりましたが、ことに專売需品というのも、そういう役所の補助的使命がなくなりますとおかしいと思いまして、実は昨年の五月の総会で、專売需品会社を大東需品会社に改めるという総会の決議をとつてあるのであります。そういうような……。
  821. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 証人に申し上げますが、聞かされた範囲だけ答えていただきたい。部屋を借用しているかどうか……。
  822. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 借用しております。
  823. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 それで專売公社の仕事をしているというが、あなたのところはいわゆる專売公社を相手としての営利会社です。その営利会社專売公社の分室を借りて会社をつくり、しかも今もなおそれに入つているということについては、今得々とあなた説明されたようですが、事情はいかようあろうとも、こういうことはわれわれとしては承服できない。できないといつても現在借りているのですから、それは議論してもいたしかたがございませんが、部屋代とか電話料、電燈料、こういうものは專売公社に払つておりますかどうか。
  824. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 払つておりません。
  825. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 全然払つてない……。
  826. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 はあ。
  827. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そうすると営業費というものはほんとうの俸給だけですね。
  828. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 それはやはり一般会社も同じで、会社として営業費というものは、普通の会社通りいろいろかかりますが、部屋代などは、私の会社としては経費が助かつておるわけであります。
  829. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そうすると部屋代とか電燈料というのは、見積りによつてはごくわずかでしようが、これだけの仕事をするには、相当電話、通信料などというものは、ほかの会社では相当あるものです。地方へかけるとかなんとかで……。これも專売公社の電話を使い放しで料金を払つていないのですか。
  830. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 電話は準市内電話だけは使えますが、それ以外は使えないので、実は非常に不便なのですが、よそへはかけられないからかけません。
  831. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 そうすると、よそにかけるときには、よそへ借りに行つてかけるのですか。
  832. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 そうです。
  833. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 委員諸君に申し上げますが、大体さつきのと同じような会社ですが、違つていたのはここですから、ここだけを私から聞きましたが、委員に何か……。
  834. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 これはさいぜん調べました專友社とまつたく同様です。その間違つておるのは、ずうずうしくも專売公社の中に営利会社かすわり込んでおるということなんです。これを一一芝原証人について調べておると、三時間も四時間もかかる。これではとうては本日はできないと思うのですから、この証人に関しましても前証人と同様、ひとつ委員長におかれては理事会をお開きになつて理事会の協議によつて、もう一ぺん再喚問をしていただきたいと私は思うのであります。そうしなければ、簡單にこれを見ただけでも、非常な疑惑ときつかいしごくな事案をのみわれわれは発見するのであります。そういうおとりはからいをお願いして、本日はこの程度でひとつつていただきたいと思います。
  835. 田渕光一

    ○田渕委員 証人は、大蔵省の出身者が役員になつておる会社に多くの割当を與えて、証人の方はどつちかというと專売局出であるから、非常に少いということに不満を持つているとうわさされておりますが、実際この專売公社のやり方が、大蔵省から入つて来た天くだりの会社に多くとられて、そして火災保險などの割当が非常に少いというので、不満を持つておるということを聞いておりますが、事実ですか。
  836. 芝原隆太郎

    ○芝原証人 火災保險は実は私らが加入を申し出たのはあとからですから、やむを得ませんけれども、私は最初は平等にもらえると実は思つてつたのでありますが、代理店の幹事会社からの通知で一割いただいたのであります。これは実は大体平等くらいにもらえると思つていたのが虫がよかつたのかもわかりませんが、これもあとから割込んだのだからしかたがないと思つて、そのままで一割を私どものところのわけ前としていただいたのであります。
  837. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員長代理 証人に申し上げますが、御承知のように時間も大分たつておりますし、また先ほどの專友社と大体同様な会社のように見受けられますので、本日は芝原証人に対する証言を求めることはこれをもつて打切りますが、内藤委員の御要望によりまして、再喚問のことにつきましては、理事会を聞きまして、決定の上で、またお願いするかとも存じますので、御了承願いたいと思います。芝原証人には御苦労様でした。それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後五時三十六分散会