○田渕
委員 要は企業体の中へ入
つて、たとえば元いたところの大蔵省あたりで資料をとるために、スパイ的なことをやるという
意味においていい場合があるというふうにと
つておられるのか、それはいろいろあなたの解釈もありましようが、私はこういう場合には悪い場合の方が多いと思うのです。今までの当
委員会で調べて来た
経験から見まして、悪い場合はたくさん例がありますが、よい場合は非常に少い。あなたは悪い場合が多いというようなことにお気づきでないか、あるいはか
つての
経験からそう思わぬかというような点を率直にお答え願いたい。われわれの聞かんとするところは、何回も
委員長も申し、また各
委員も述べられておりますが、ここは検察庁ではないのであります。どこに制度の欠陥があるかということを聞くためにわれわれはただしておる。それを見出して国民の血税を有効に、またなるたけ少くするように持
つて行かなければならぬ。こういうような精神から私個人としても発言しておるのでありますから、そのおつもりでお答え願いたい。か
つての
自分の検査が穏便であ
つたか、あるいはその衝にあなたの上役が天くだりに入
つて来て、その人の引立てやある、いは抜擢によ
つて地方から中央にひつぱられたとか、あるいはいろいろな圧力が加わ
つたとか、とにかく官庁の中でもことに大蔵省においてはそういう悪い例はわれわれは多々見ておるのであります。現に銀行の方に入
つて行
つた。あるいは、農林中金に入
つた、あるいは配炭公団に入
つたとか、いろいろありますが、大蔵省の後人でま
つたく完全に調べたのはあの加藤清算人くらいしかないと見ておる。こういう点からわれわれは悪い場合が多いと思いますが、こういうような点についてどうも
公社の上役に悪いとか、あるいは現在の
自分の地位というものが保たれないというような
意味から発言されないならばしかたありませんが、そうでありません限りは、われわれこの
委員会で取上げて熱心にや
つておるのでありますから、どういうふうに制度機構を改善して行
つたらいいか、われわれにヒントを与えるように御答弁願いたいのであります。この点についてよい場合は今おつしや
つたようなこともありましようけれども、あなたの言うことを聞くと、まるでスパイを入れるようなもので、監督する上からはいいと思いますけれども、同時にその逆手を
使つて、たとえば税務署の役人が首になるとすぐ
関係していた
会社に入り、
会社ではこれを脱税の方面に使われておる。企業体が多くそれをや
つておる。またそれに便乗しておる。これは
現実の問題です。かような
意味から悪い場合が多いと思います。よい場合は少いと思うのでありますが、この制度機構を改革する上において、どういうぐあいにして行
つたらいいか、あなたの今までの御
経験から、ひとつ率直にあなたの気持を伺いたいと思います。