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1951-10-31 第12回国会 衆議院 厚生委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月三十一日(水曜日)     午後二時五分開議  出席委員    委員長 松永 佛骨君    理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君    理事 亘  四郎君 理事 金子與重郎君    理事 岡  良一君       大石 武一君    高橋  等君       橘  直治君    田中  元君       寺島隆太郎君    福田 昌子君       苅田アサノ君    松谷天光光君  出席政府委員         厚生政務次官  平澤 長吉君  委員外出席者         参議院議員   井上なつゑ君         主  計  官 岩動 道行君         厚生事務官         (大臣官房広報         渉外課長)   斎田  晃君         厚生事務官         (医務局次長) 久下 勝次君         厚生技官         (医務局看護課         長)      金子  光君         参議院参事         (法制局第一部         第一課長)   中原 武夫君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ――――――――――――― 十月二十九日  保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律  案(藤原道子君外八名提出参法第一号)(  予) 同月三十日  診療所における同一患者収容時間の制限に関  する医療法特例に関する法律案大石武一君  外七名提出衆法第一号)  保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律  案(参議院提出参法第一号) 同日  戦ぼつ者遺族援護法制定等に関する請願(逢澤  寛君紹介)(第五〇九号)  助産婦特殊物資配給請願菊池義郎君紹  介)(第五一〇号)  助産婦に対する保健指導費確保請願菊池義  郎君紹介)(第五一一号)  優生保護法による補導員制度確立に関する請願  (菊池義郎紹介)(第五一二号)  出産届等医師等証明書添附請願菊池義  郎君紹介)(第五二六号)  国民健康保険に対する給付費国庫負担等に関す  る請願東井三代次君紹介)(第五六九号)  保健婦助産婦看護婦法の一部改正に関する請願  (青柳一郎紹介)(第五七〇号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十七日  国民健康保険事業強化に関する陳情書外一件  (第二八二号)  戦争犠牲者救済に関する陳情書  (第二九五号)  児童保護関係経費国庫補助に関する陳情書外  三件  (第三〇七号)  国民健康保険事業に対する国庫補助増額に関す  る陳情書  (第三一二号)  同(第三一三号) 同月二十九日  国民健康保険事業強化に関する陳情書  (第三三三号)  遺家族及び戦傷者生活援護に関する陳情書  (第三三六号)  児童保護関係費国庫補助に関する陳情書外八件  (第三六〇号)  国立公園施設整備に対する国庫補助陳情書  (第三七六号)  戦ぼつ者遺族に対する補償に関する陳情書  (第三九〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  診療所における同一患者収容時間の制限に関  する医療法特例に関する法律案大石武一君  外七名提出衆法第一号)  保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律  案(参議院提出参法第一号)  公衆衛生国際事務局に関する議定書について説  明聴取  社会保障制度に関する件     ―――――――――――――
  2. 松永佛骨

    松永委員長 これより会議を開きます。  参議院より提出されました保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律案議題とし、審査に入るのでございますが、この際看護婦制度に関する小委員長青柳一郎君より発言を求められておりますので、これを許します。青柳一郎君。
  3. 青柳一郎

    青柳委員 看護婦保健婦助産婦制度につきましては、さきに第十国会におきまして、本厚生委員会全員一致の協力によりまして、一つりつぱな制度ができたのであります。その記憶がまだまざまざと残つているときではございますが、何分にも当時の状況から申しまして、早々の間にあの法律をきめたというような点もありましたがゆえをもちまして、小委員会を開会いたしまして、慎重にその後の状況などを照し合せまして、さらに看護婦保健婦助産婦制度につきまして、検討をいたしたのでございます。その結果を御報告申し上げたいと存じます。  第一の点は、旧保健婦規則、旧看護婦規則、または旧助産婦規則によりまして、免許または登録を受けておりました保健婦看護婦、または助産婦、これらの方々は、現行法附則によりまする厚生大臣の定める講習を受けた看護婦を除きましては、いずれも現行法本則による国家試験を受けなければ、現行法による保健婦助産婦、または看護婦と同様の身分を、それぞれ取得することができなかつたのであります。この附則の問題は、先般の第十国会委員会におきまして、大問題になりまして、学歴職歴を通じまして、十三年以上の看護婦は、認定講習を受けることによりまして、国家免許を受ける、こういうことに相なつたのでございます。ところでただいま申しましたように、その例外を除きましては、いずれも国家試験を受けなければ、国家よりそれぞれの身分を取得することができないのでありまするが、いわゆる旧看護婦規則による既得権者につきましては、それぞれ国家試験を今後は免除して、現行法による免許を与えることができることといたしたいと存ずるのでございます。すなわち国家試験を免除すると同時に、先ほど申しました十三年の学歴職歴を有し、さらに認定講習を受けるという条件をこの際なくしてしまつたわけであります。そういう点につきましては、十分な審査をいたしたのでございますが、最近の情勢にかんがみまして、すべて従来の看護婦保健婦助産婦につきましては、国家試験を免除するのが適当である、こういう結論に達しました点が、第一点でございます。  第二点は、外地におきまして保健婦養成所もしくは助産婦講習所を卒業した者、助産婦免許状を受けていた者、看護婦免許を受けていた者などに対しまして、内地においてもなお就業のできるように、都道府県知事がその履歴審査いたしまして、適当と認めるときは、それぞれの旧規則による免許を与え、または登録する道を開くという問題でございます。この問題につきましても、そういうふうに改正することが適当であるという結論に達しました。  そのほか学校指定養成所に関する事項につきまして、省令委任根拠規定を整備いたすとともに、改正に伴う条文整理を行うなど、必要な改正につきましても論議を闘わしまして、それぞれしかるべく改正を行おうということに結論ができた次第でございます。  以上御報告を申し上げます。     ―――――――――――――
  4. 松永佛骨

    松永委員長 次に保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律案について、提案者より趣旨の説明をお聞きしたいと存じます。井上参議院議員
  5. 井上なつゑ

    井上参議院議員 ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  この法律案内容につきまして御説明申し上げますと、主要な改正点は二点でございます。  第一に、旧保健婦規則、旧看護婦規則または旧助産婦規則によりまして、免許または登録を受けておりました保健婦看護婦または助産婦すなわちいわゆる旧規則による既得権者国家試験及び身分の問題につきましては、現行法本則による国家試験を受けて合格しなければ、現行法による保健婦助産婦または看護婦と同様の身分をそれぞれ取得することができなかつたのでありますが、これは既得権を保護する点で多少欠けるところがあつたと存じますので、いわゆる旧規則による既得権者につきましては、それぞれ国家試験を免除して現行法による免許を与えることのできる道を開いて業務の点からいつても、身分の点からいつても新旧の間に差別をつけないで取扱うことができるようにいたしました次第でございます。  第二に、旧規則におきましては、内地以外の地において、保健婦養成所もしくは助産婦講習所を卒業した者、助産婦免許を得ていた者、看護婦免許を受けていた者等に対しまして、それぞれ都道府県知事がその履歴審査して適当と認めたときは、内地においてもなお就業のできるように、それぞれの規則による免許を与え、または登録する道が開かれておりましたが、なお当分のうち、外地からの引揚者等のうちこれに該当する者も予想いたされますので、同様の扱いのできる道を開く必要があるのでございます。  以上が改正の主要な点でありますが、その他学校指定養成所に関する事項につきまして省令委任根拠規定を整備し、また右の改正に伴いまして条文整理を行う等必要な改正を行うことといたした次第でございます。  何とぞすみやかに御審議の上御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
  6. 松永佛骨

    松永委員長 次に本案についての質疑の通告がありますので、これを許します。青柳委員
  7. 青柳一郎

    青柳委員 質問ではないのでございますが、先ほど小委員長として報告いたしましたが、大事な点を実は漏らしました。それは何かと申しますと、従来看護婦につきまして十三年の学歴職歴を持つておる者については、現在の制度におきましては、いわゆる認定講習を受けることによつて国家免許を受けることに相なつておるのでございます。これが先ほど御報告いたしましたように、認定講習もなくして、ただちに国家免許を受け得るということに相なるわけでございまして、かくいたしますると、われわれが大いに希望いたしておりまする看護婦質的向上に欠くることに相なるおそれがあるのでございます。その点につきましては小委員会において、最も慎重な検討がなされたのでございます。これに関しましては、いわゆる看護婦の再教育を十分に国家において行うべきである。そのためには十分なる予算を計上すべきであるということが、大いに主張せられたのであります。この席にも大蔵省当局に来てもらいまして、その点を強くわれわれから要望いたそうとしておつた点でございますが、大蔵省当局質問することは、大蔵省当局が来られてからにいたしまするが、そういう強い条件を付しまして、われわれ意思を一致せしめたものであるということを御報告しておきます。
  8. 松永佛骨

  9. 金子與重郎

    金子委員 去る国会におきまして、たいへんな騒ぎを経て、看護婦法改正があつたのでございまするが、それがまたたく間にこういうふうに一躍して、何といいますか、急転直下にかわつて来たことが、ちよつと私には了解しかねる点もあるのでありますけれども、まず第一に政府当局質問したいことは、一体こういうふうにこの前は資質向上、要するに看護婦資質というものを当局意見としても非常に重きを置くということで重大視しておりまして、私どもも一応もつともと考えましたがゆえに、非常に苦慮いたしまして、十三年の経歴だとか、あるいはそれでもいけないならば、ある一定度講習会を設けたらどうかというようなことで、改正法律ができ上つたわけでありますが、今度こういう経歴年数もいらないし、いわゆる旧看護婦規則看護婦の免状をもらつた者ならば、全部今の国家登録看護婦に切りかえて行くのだということに法律でいたしまして、ただいま青柳委員がおつしやつたように、再教育をするというようなお話がありまして、なるほど私どもも同様それを要望しておりまするけれども、実質上の問題としてこれはおそらくできない、もうほとんど再教育を満足にするようなことは、これはどう言つてみたところで、あの講習さえもできないものが、国費でこの再教育のためにやると政府は一応答弁はするかもしれぬけれども、私はもうできないと思う。ほとんど見るべき成果の予算はどうせ組んでもらえない、こういう見通しをわれわれとしてはつけておるわけです。そういう場合に、現行看護婦とそれから旧看護婦と、あまりに極端な開きが出ておるように考える。むしろこれは私どもは去年のこの問題の言葉と今回の言葉とまるで逆になつてつて政府が去年言つたようなことを、私が申し上げるようなわけになつておりますが、一体政府としてこういうふうに飛躍しても一向にさしつかえないというふうに、御意見がおかわりになりましたかどうか、その点をひとつ確めておきたいと思います。
  10. 久下勝次

    久下説明員 私からお答え申し上げます。御質疑の点はその通りごもつともでございます。ただ一面から考えますると、旧規則によりまして免許を得ておりましたいわゆる既得権者につきましては、その業務を行います上におきましては、現行法律によりましても何ら新制度保健婦助産婦看護婦かわりのない扱いをすることになつてつたわけでございます。ただ形式だけが従来の免許そのままというようなことになつてつたと思うのであります。そういうような意味合いにおきまして、もちろんお話通りに従来の既得権者につきまして、新しい制度に比較いたしますると、教育程度、素養の程度におきまして、格段の差があることはお話通りでございます。さりとて実質的にこれに対して既得権があります以上、実質的な制限を加えるということも、制度の建前としてはできないことであり、それがすでに現行法のとつているところであつたと思うのであります。そこで実質的には既得権者であるがゆえに新制度保健婦助産婦看護婦と同じような扱いをするのでありますれば、制度の上におきましてもそうして差上げてもさしつかえないのではないか。特にこの問題は今年の春改正がございまして以来、それぞれ保健婦助産婦看護婦既得権者の方の向きから、非常に熱心な御要望のありましたことを、私ども承知しておるのでありまして、同じような実質的な扱いをしてくれるとはいいながら、籍が依然として都道府県にあつて、本質的にやはりどうしても違うじやないか、何とかその辺を考えてもらえないかというような御要望が、相当にあつたわけでございます。そういう意味合いにおきまして、この御要望に応じて、参議院の方からこうした改正案が出ましたことにつきましては、以上申し上げたような理由からも、またやむを得ない筋があるのではないかというふうに考えておるものでございます。  なおまた再教育の点でございますが、実は従来御承知通り、決して十分とは申せませんけれども、大体四種類ほどにわけまして、すなわち看護婦助産婦養成所專任教員講習会、それから各地区ごとに行つております幹部看護婦講習会、さらに各府県補助金を出ししやつておりました一般看護婦講習会、本年からさらに結核対策の問題に呼応いたしますために、結核看護に従事しております幹部看護婦講習会というようなものを、現在まで行つておるわけでございますが、この点は、今まで数年この仕事を続けて参りまして、補助金あるいは国家の直接の費用等がこれに出されますならば、ほとんど全部の関係者の方方が、積極的にこの講習会参加をしていただいておる実情でございまして、先ほど小委員長お話にございましたように、こういうふうな制度にいたす反面におきまして、従来の再教育制度をさらに徹底して行うというような措置がとられまするならば、私どもは必ずや従来の実績から見ましても、既得権者の多数の方々の御参加を得まして、結果におきまして現在の法律の目ざしております看護婦全体の資質向上という問題も、達せられる十分な希望があるというふうに考えておるものでございます。さような点も考え合せまして、この種の改正法律案は、直接既得権者の多数の方々の御要望に答えるゆえんでもありまするし、また全体として要請されますところの資質向上という面も、十分な期待を持つことができるというような意味合いで、政府といたしましても、実はこの改正案には賛成をいたすものでございます。
  11. 金子與重郎

    金子委員 終つたことでありますから、繰返してくどくど申し上げるのはやめておきますが、ただこの際御注意申したいことは、この春の法律改正のときに、政府は当時現行試験制度というものの重要性を非常に強調されまして、そして私どもは、この法律がいかに議員提出立法であるというものの、これを施行するその專門立場にあるところの政府方々意見を、十分に尊重しなければいけない、立法の府がかつてきままな法律をつくるということは穏当ではない、結局行政專門立場にある者と、私ども国民を代表する立場の者とよく話合つて、そして実質的にりつぱな法律をつくつてあげなければいけない、こういう気持を持ちましたがゆえに、相当長い期間をかけて、政府当事者意見を十分聞き、また私ども国民要望も聞きまして、そして最後の段階として、それならこの程度でどうかという点できまつたのが、この前の法律であります。さればといつて私はこの前の法律に何も固執する意味で言うのではなくて、今後もあることだと思いますが、どうぞこういうふうに半年かそこらに急転直下意見がかわるのであつたならば、おそらくこの前そういう意見が出ないはずはないと思います。ところがこの前はあれだけ私どもが強調いたしましても、あなた方政府当局といたしまして、試験制度必要性を十分説いて、それだけ資質向上要望するならば、少くともこれくらいの条件をつけなければ、無理だろうということでおさまつたのが、この前の案であります。でありますから、こういうふうにして法律がものの一年もたたぬうちに、しかもこの法律がまだ軌道に乗らぬうちに、また改正というようなことは――それは悪いものを改めるにやぶさかであつてはならないけれども、また一面から言うならば、法の威信といたしましても、そんなに簡単に考えられるものなら、なぜあんなばかなことをしたのだというそしりを当然受ける。結局法の威信にもかかわるということになります。私ども今後この法律審議にあたりましても、あくまで行政の面に当つておる当局の諸君の実際の意見というものを十分にしんしやくし、そして実情というものを勉強いたしまして、法律をきめたいと考えております。従つてこの前の春のような態度ときようのような態度と、こういうふうにかわるような態度であることは、非常に私どもは遺憾であります。でありますから、私は過去のことは申しませんし、本法律も、それでさしつかえないというような政府当局意見でありますから、これは多数の要望でもあるししますから、本案には賛成いたしたいと思いますけれども、こういうことは、今後の問題としては相当慎重に考えてもらいたい。わずか三月か四月前と、その後におけるわれわれの質問に対して、まつたく昼間と夜の相違のような御意見を出されると、私ども專門家ではありませんから、一つの常識的な立場から法律審議しているのです。それに対して專門家や呼び、また政府当局のそれにかかわつている人達の意見を尊重して法律審議したい、こういうことを考えておりますがゆえに、再びこういうことを繰返すようなことがあつてはならない、こういうことを私は考えておりますので、この点についてもう少し政府当局として責任を持つて、慎重に考えていただきたい、こういうことをこの法律審議にあたつて要望するものであります。
  12. 松永佛骨

    松永委員長 ただいま大蔵事務官岩動氏がお見えになりましたので、先に留保されました青柳一郎氏の発言を許します。
  13. 青柳一郎

    青柳委員 大蔵省当局質問をいたそうと存ずるのでございます。ただいま看護婦助産婦保健婦制度改正が論議せられておるのであります。ところで去る第十国会におきまして、ことに看護婦制度につきましては、本委員会におきまして非常なる慎重審議の結果、一つ結論を得まして、それが現行制度と相なつております。それはすでに御存じのように、看護婦におきましては、学歴職歴を通じまして、十三年以上の経歴を持つております人、その人々がいわゆる認定講習を経ました際に、国家より免許される、こういうことに相なつたのであります。現在ここでもつて審議しております法律案によりますと、その認定が、従来看護婦であつたものは、認定講習なくして、ただちに国家免許を得られるということに相なるのでございます。われわれが認定書の必要を認めましたのは、一にかかつて看護婦さんの、人間の貴重な生命を取扱う看護婦さんの質の向上を目ざしておるのでございます。この認定講習がなくなるといたしますと、今度は国家免許を得た看護婦さんに対して、大いに再教育を行わなければ、その質的向上を目ざすことができなくなるのであります。幸いにいたしまして、ただいま国会提出されております補正予算を見ますのに、看護婦さんの認定講習につきましての予算が計上せられておるのでございます。今度は認定講習かわりにその質的向上をはかるために、再教育費用を十分に盛つていただきまして、貴重なる看護婦さんの使命を完全に果させるようにいたさなければ、どうしても相ならぬと思うのでございます。これらの点につきまして、大蔵省当局におきまして御善処をお願いしておきたいと思うのでございます。御意見を承りたいのであります。
  14. 岩動道行

    岩動説明員 ただいま保健婦助産婦看護婦法の一部改正法律案について、特に看護婦の再教育について、予算的にも十分な措置をとるべきである、こういうような御意見であつたと思うのでありますが、二十六年度の補正予算におきましても、この四月に法律改正になりまして、厚生大臣指定する認定講習を開くことが国の義務となりましたので、その点につきまして新たに補正予算として予算を計上いたしたわけであります。しかし今度提案になりました法律によりますと、法律上の義務として国がこの認定講習を行う必要はなくなつたと思うのでありますが、しかしただいま青柳委員からお話がありましたように、看護婦資質向上ということは、わが国の保健衛生向上の上においても、非常に重要な問題でありますので、その本来の使命を十分に発揮させるためには、できるだけその資質向上のためのいろいろな手段を講ずべきであるというふうに考えておるわけであります。この法律通りました上は、厚生省とよく相談の上で、できるだけの予算上の措置も講じたい、かように考えておるわけであります。
  15. 松永佛骨

  16. 松谷天光光

    松谷委員 先ほど金子委員の御発言になりました点について、私もまつたく同感でございますので、重複を避けて省略いたしますが、ただいま大蔵当局からの御説明によりまして、二十六年の補正予算にも、その点を見積つてあるというお話でございますが、資料をお持ちでございましたら、数字的に伺わせていただきたいと思います。
  17. 岩動道行

    岩動説明員 あいにく私、資料を持たないで、よその会議からこちらへ参りましたので、たいへん恐縮でございますが、一応私が今記憶いたしておりますところで申し上げますと、六百四十四万九千円が計上されております。これは一府県五十人ずつ講習いたしまして、本年度内に二回これを行うという計画になつております。
  18. 松谷天光光

    松谷委員 ただいま大蔵当局の御発言によりますと、この法律改正によつて義務としての責任はなくなるが、一応そういう点になお考慮するというお話でございますが、その点について特にお願いを申し上げたいと存じますが、御承知のように、今回の改正によりまして、十三年間の経験年数も必要とせず、検定をもつてその既得権を獲得された方々にも、即時その切りかえがなされるというふうになりますので、看護を与えられる立場から考えまするならば、その内容について相当考慮されるものがあると思うのでございます。ことにそうした内容をもつて改正されます今後の問題として特に重要な問題は、これからその認定講習相当内容をもつて行われるのでなければ、今後新規に国家試験を受けて出て来られる看護婦さん方、あるいは既得権を切りかえて行かれる方々との、その内容の中に、相当の差が実質的に出て来ざるを得ないと思います。そうしたギヤツプを是正いたしますためにも、当局が十二分な力を注がれて、本案の趣旨を完全に実施していただかなければならないと思うのでございます。そうしたやさき、当局がすでに義務ではなくなるかもしれませんけれども、しかしその内容においては、従来の義務づけ以上の責任を、ことに大蔵当局がお感じくださつて、そうしてより多くの予算をこの面に充てていただかなければ、私どもがこの法律改正するその内容において、大きな欠陥がむしろ出て来るのではないかと心配する一人でございます。大蔵当局が具体的にこの法律改正につれて予算を組まれる、その場合の予算額も、きよう資料をお持ちでないとおつしやいましたが、次の機会にでもひとつ数字をお示しいただきたいと思うのでございます。なおただいま申し述べました点について、大蔵当局の御意見がいかがであるか、伺わせていただきたいと思います。
  19. 岩動道行

    岩動説明員 先ほど申し上げましたように、看護婦の素質の向上ということは非常に大事なことでありますので、従来ともそういつた素質の向上という面におきまして、指導者の講習会を開き、また幹部の看護婦につきましては再教育を行つて、そうしてその質の向上をはかり、しかもその幹部の連中がそれぞれの職場に帰つて、そうして自分の同僚の質の向上に指導的な立場を演じて行く、こういうような予算は従来とも計上しております。今御質問の趣旨は、むしろ来年度の予算において、これをどう取上げるかというような御趣旨であつたように承るのでありますが、来年の予算につきましては、ただいまいろいろと厚生省からの要求につきまして検討をいたしている最中であります。従いまして、ただいまここで具体的な数字をもつてお示しすることはできない状態にあるのは遺憾でありますが、御趣旨の点は十分に考慮いたしまして、厚生省とも、新しい法律のもとにおいて看護婦資質向上について、どういう方法をとるべきかという点については、十分な検討をいたしたいと考えております。
  20. 松谷天光光

    松谷委員 具体的な数字と申し上げましたのは、お話のようにまだ具体化いたしておりませんので、その決定的な数字をお示しいただくことは、相当無理な相談だと考えます。ただ大体において厚生省から要求されておりますその額に対する大蔵当局の御意見なり、あるいは大蔵省としての大体の腹を示していただければ幸いだと考えたのでございます。また機会を得まして、具体的にその問題については質疑をさせていただきたいと思います。
  21. 松永佛骨

    松永委員長 福田委員。
  22. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 ちよつとお尋ね申上げたいのですが、六百四十四万九千円というのは、二十六年度の補正予算なんでございますか。
  23. 岩動道行

    岩動説明員 私の記憶に誤りなければ、ただいまの数字は、ただいま国会提出しております二十六年度補正予算の一部と承知いたしております。
  24. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 この数字は、認定講習の何人分の費用としての御計算でございますか。
  25. 岩動道行

    岩動説明員 一府県五十人ずつの計算で、二回やることになつておりますので、それを積算すれば出て参るわけであります。
  26. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 この前、認定講習の問題が起りましたときに、できるだけ短期間に、既得権者認定講習を終えて、厚生大臣免許に切りかえるということが論議されまして、その認定講習を可及的広い人数において受けることができるようにするために、相当この費用大蔵当局にお願いするというようなお話があつたのでございますが、そのお話内容から考えますと、既得権者認定講習費用にいたしましても、一府県単位五十人ずつで年二回ということになりますと、私どもといたしましては牛の歩みのような、非常にのんびりした感じを持ちまして、既得権者の人たちに非常にお気の毒な感じを持つのであります。こういうしかも保健婦さん、看護婦さん――助産婦さんは別ですが、保健婦さん、看護婦さんというのは需要が非常に多くて、供給が足らないというような状態でありますから、そういうような観点からいたしましても、認定講習補正予算にいたしましても、もつと大幅な予算をおとり願えることだと、私たちは期待いたしておつたのでございますが、ただいまのお言葉を承りまして、非常に悲観をいたしたのでございます。問題は法律改正になりまして、認定講習ではなく、教育内容を高めますために、補習教育が必要だということになつて参りますと、その費用にそつくりお切りかえ願えるのでございましようかどうか、承りたいと思います。
  27. 岩動道行

    岩動説明員 本年度の補正予算につきまして、一県当り五十人で年度内に二回ということは、非常に少いというお話がありましたが、必ずしも十分な回数あるいは人数になつていないかと思うのであります。しかし補正予算の通過の時期を考え、また現在各病院等におきまする看護婦の配置等を見ましても、非常にきゆうくつな状態になつておるわけでございまして、一度に大勢の看護婦講習のために職場を離れるということも、実際の立場からいたしますと相当問題も起るので、できるだけそういう摩擦を少くし、また時期的な観点も考慮して、一応本年度内は年二回ということにいたしたわけであります。それから法律改正になりまして、認定講習が一応法律上の建前としてはなくなるわけでありますが、そのかわり新たに行政上の措置として、厚生省がこの補正予算に計上してある予算が、かりに法律がなくなつても通るといたしますれば、それについて新しい計画で講習をやりたいという御希望でもあれば、それに従つて十分に御相談の上、この予算を使うということも、一応ただいまのところは考えられると思つております。
  28. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 非常に大蔵当局からありがたいお言葉を聞きまして、安心いたしたのでございますが、どうかこの費目が変更になつたからといつて、この予算を削減することがないように、ぜひお願い申し上げたいと思うのであります。さらに二十七年度の予算におきましても、既得権者保健婦助産婦看護婦さんの程度を高めるためには、ぜひとも補習教育が必要でございますから、そういう御観点に立たれまして、ぜひこの方面の費用を、従来の認定講習にとられた費用より、もつとオーバーする費用をこの方面に御配慮いただくことを、ぜひお願い申し上げたいのでございます。  それから厚生当局にお尋ね申し上げたいのでございますが、無条件既得権者厚生大臣免許に切りかえますと、一体どれくらいのうちに全部厚生大臣免許に切りかえられるとお考えになつておられるのでございましようか、また人数も大体どれぐらいの人数の切りかえが可能だと御計算になつておられるのでしようか。
  29. 久下勝次

    久下説明員 お尋ねの点につきましては、私どもとしては、ただいま次に申し上げるような考え方で講習をいたしております。まず前提として申し上げたいのでございますが、既得権者で今まで二回の看護婦国家試験に合格いたしました者が、約二万名近くございます。実際に免許を申請して参りましたのに対しまして、ただいままで免許を出しましたのは四千名足らずでございます。この試験は、御承知通り、昨年の秋とこの春実施いたしましたものでございます。そういうことでありまして、この制度が出ましても、免許を持つております人全部が、ただちにどつと申請をして来るというふうにも考えておらないのであります。もちろん先のことでございますから、予想が違いますかもしれませんけれども、さしあたり私どもとしては、保健婦助産婦看護婦、全部の免許を持つております数が二十五万ございます、そのうち実際に業務に従事しております人が十五万と推定いたしております。免許所有者の約半数、すなわち言葉をかえて申しますと、実際に業務に従事しております人たちとほぼ同数の人が、免許を申請して来るのではないかというふうに考えまして、そういうことを基礎にいたしまして、大蔵当局予算の流用等につきまして、お話合いを進めておるところであります。一方におきまして、私どもの方の事務能率の問題もあるのであります。特に既得権者国家試験がなくなりますと、今後その面の仕事も若干ひまになつて参る事情がありますので、それらを勘案いたしまして、現在持つております職員が、できるだけひまをさいて全能力をあげて、この新しい制度による免許申請を処理して参るようにいたしたいと思います。いろいろと検討しておるのでありますが、ただいまのところでは、今申したような現在あります職員の数なり能力等から考えまして、またほかの仕事の振合い等も考え合せまして、一日三百名くらいは処理できるのではないかというふうに考えております。そういたしますと、全部の免許登録が済み、免許状が出されるまでには約二年くらいを必要としないであろうかというふうに考えております。
  30. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 三百名くらいできるというお話でございますが、何人くらいでこの仕事をなさるのでしようか。
  31. 久下勝次

    久下説明員 看護婦国家試験並びにその免許の事務のためにおりまする專任の職員は事務官二名、雇員三名、合計五名であります。本官の事務官は免許に関して申しますれば、免許申請書の審査をいたすのであります。審査としますのは、まず第一に法律保健婦看護婦助産婦になりますのには欠格条項がございます。この欠格条項に該当するかしないかということを、医師の診断書を基礎として審査をいたします。同時にまた戸籍謄本、または戸籍抄本をとりまして免許状との氏名、本籍等のつき合せなどもいたします。さようなことで、間違いのないものという認定がつきました場合に、それぞれの籍に登録をいたすわけでありまして、問題はこの免許登録の籍に登録いたしますために、申請書の審査をいたしますことが、実は一番問題になるわけでありまして、ただいま申し上げました五人の職員は、試験あるいはすでに新しい制度による免許が、何人かこれから出て参りますが、これらの仕事の合間々々は、全部このことに没頭させるつもりであります。同時にまた、単に機械的に帳簿に登録し、あるいは免許状を書くというような仕事は、予算上日雇いの人でも雇いまして、そして処理をして行くようにして参りたいと思つておるのでありますが、さらにまたそれ以外に、看護業務に従来しておりまする職員もありますので、これらの職員につきましても、そうした臨時的な仕事でもありまするので、手の明く限りはこの方面に協力させまして、そうした今持つておりまする職員の能力と、現在やつております仕事とにらみ合いをいたしまして、先ほど申し上げたような数は、大体処理できるのであろうというふうに考えております。
  32. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 その申請書類にいろいろなものが必要である、戸籍抄本や、欠格条項に関する医師の診断書、その他のものが必要である、こういうことはよくわかりますが、これは一応都道府県の衛生部を通して、御申請になるのではないのですか。
  33. 久下勝次

    久下説明員 お話通りであります。
  34. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 そういたしますと、そういうような条件というものは、都道府県の衛生部ないしは保健所あたりで、十分お調べになつていただけばいいものであると私は考えるのであります。そういう診断書や戸籍謄本を材料にして、厚生当局がいろいろ御勘案いただくということは、おかしな話だと思うのであります。しかも免許というものは、こういつた看護婦たちは都道府県にこそ登録してあるのでありまして、それを厚生当局がお調べになるということは、ちよつと解せない感じがいたすのでありますが、その間の事情を御説明願いたいと思います。
  35. 久下勝次

    久下説明員 医師、歯科医師の登録なり免許なりの仕事も、実はまたやつておるのであります。看護婦につきましても、実は同様に扱うつもりでありまするが、実は都道府県は単なる経由の官庁と考えております。これにそうした責任を負わせることにいたしますると、いろいろとまたその仕事をいたしますための経費等について注文が出て参りまするし、登録に必要な経費をこれに充てますために、御承知のように登録税法による登録税を国家で徴収いたしております。そういうふうな関係もありまするし、また一面におきまして、私ども国家の公務でありまするところの、籍に登録いたしますために、無批判、無審査でやるというわけにも参らないと思うのであります。府県がもちろん簡単に見ることは、事実上はいたしましようけれども、私どもとしては私ども責任におきまして、やはり一応審査をしなければならないというふうに考えております。ただその審査も、先ほど申し上げました戸籍抄本または戸籍謄本、医師の診断書、それから既得権者でありますれば免許状の写し、これらを照合すればいいだけの仕事でありまするから、そうめんどうなことではないと思つております。大体におきましてすらすらと右、左に処理できるとは思いますが、ときどき問題になるものも出て参りまするので、その点はやはり一応責任を持つて、私どもの方で審査をする必要があると考えておる次第であります。
  36. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 そういたしますと、都道府県の衛生部を通して申請いたしますと、厚生省の登録許可の免許が来ますまでには、一体期間的にどれくらいかかるような御予定でございましようか。
  37. 久下勝次

    久下説明員 先ほど申し上げております一日三百通は処理できると申しますのは、申請を受けて審査をして免許状を書いて発送するまでの仕事を言うております。ただしこれはもちろん平均的な考え方でありますから、おそらくは二日くらいはかかるのではないかと思います。いつも問題になります日数がかかりますのは、実はそうした能力を越えまして、一時に殺到いたします場合に問題になるのであります。今度もこの点を実は懸念いたしておりますが、過去の例、医師、歯科医師等の例を申し上げますと、国家試験が済んだあとに、どつと申請が参ります。さような場合には、この持つております事務能力と、参ります申請書の数によりまして、ある場合には二月くらい、ある場合には最後のものは三月くらいかかる場合もあります。今度の場合におきましても、私どもがやります能力を越えて、毎日々々たくさんの申請が出て参りますと、早いものは早く参りますけれども、おそい人は若干かかるということにならざるを得ないと思います。
  38. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 厚生省のお仕事は、非常に念をお入れになることだろうと思うのでございますが、五人もおかかりになつて一日にたつた三百名の登録の書きかえしかできないということになりますと、どれだけ念を入れて書類をごらんになるのかと感心したのでございます。お役人の方は国家のこういつた法律改正にあたつては、しかも末梢の保健婦助産婦看護婦さんというものは、登録の切りかえを一日千秋の思いで待つているに違いないのでありますから、そういつた四囲の事情をお考えになりまして、もう少しスピーデイーにおやり願いたいと思うのであります。こういうような姿でありますから、民間でお役人仕事というような悪口も、必然的に出て来るのでありまして、そういうところを十分お考え願いたいと思うのであります。今のお話によりますと、登録の申請をいたしましても、手がすいていたら早いというようなお話を承つたのでありますが、私どもは、当然手がすいているだろうと思うような、時ならぬ、時期はずれに登録の申請をいたしましても、厚生当局から早くスピーデイーに返事が受取れたというようなことは、あまり聞かないのであります。普通のときで一月や二月は当然かかるのでありまして、それがおそくなるというと一体どれくらいかかるのか、その間のことをはつきりおつしやつていただきたいと思います。
  39. 久下勝次

    久下説明員 御注意の点は十分気をつけまして、御趣旨に沿うようにスピーデイーに取運ぶようにいたすつもりでございます。必ず何日で出すというようなお約束をしろというお話でありますが、先ほど来申し上げておりますように、能力と出て参ります数との関係もありますので、ただいまのところとしては、御趣旨に沿うように、スピーデイーに、御迷惑のかからないように処理する覚悟であるということで、御了承願いたいと思います。
  40. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 たいへんくどいようで恐縮でございますが、そういう抽象的な言葉では私ども了解できないのでありまして、たとえば申請があつて十日間とか、一月くらいとかいうような、概略のところの期間を、お示し願いたいと思うのでございます。そうしませんと将来、申請をいたしました既得権保健婦助産婦看護婦さんといたしましては、もう二月も待つけれども、まだだというようなことが出て来るときに、みんな不安に思うと思うのであります。そういう意味合いにおいて厚生当局においても、どうか概略の期間というものを、この際お示し願いたいと思うのであります。
  41. 久下勝次

    久下説明員 お話のように申請者の立場になつて考えますれば、確かにごもつともでありますが、ちよつと今ここでお答え申し上げかねまするのは、申請者が申請書を御発送になつてから途中の経過がありますので、この辺が実ははつきりしておらないので、見当がつきかねる事情にあります。と申しますのは、一応県に参りまして、県で今までの例ですと、四、五日から一週間くらいは、また送り出すのに何のかんのとかかつておるような例も多いようであります。これらも極力県の方を督励いたしまして、すぐ即日発送するようにさしたいと思つております。まず郵便に往復少くとも四、五日は見なければならないと思います。県にとまります期間がやはり三、四日、幾らスピーデイーにやりましても二、三日くらいは見なければならないと思います。私どもの方に受取りましてからのことでありますが、私どもの能力の範囲、全能力をあげて処理できる範囲内に参りますれば、その日に受付けまして、審査をしまして、次々と登録をして行く。係の者にまわし、さらに次いで免許状を書きます者の手に渡るわけであります。その間私どもは多くの場合は、免許につきましては課長に委任をしてもらつておりまして、課長限りの決裁で、原則として処理ができるような建前にしております。決裁にはそう多くの時間を要しないはずであります。それにいたしましても、一日のうちの何時間かそうした決裁のための時間も必要であります。私どもとしては、さような意味合いにおきまして、能率をあげて参りますれば、受付から発送まで二日もありますれば済むのではないかというふうに思つております。これは一にかかつて途中の経過の問題もあります。それからくどく申し上げているように、私どもの能力を越えた申請の出た場合のこともありますので、その辺のところは十分御考慮願つて条件に入れておいていただきたい。
  42. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 そういたしますと、ごく大ざつぱな解釈になりますが、都道府県でひまがかからない限りにおいては、厚生省内の操作では課長限りで御決定いただき、免許状を墨で書いていただきますまでに、そしてそれを発送するまでに一週間くらいあればできるというように解釈してよろしゆうございましようか。
  43. 久下勝次

    久下説明員 原則としてさように御了承願います。
  44. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 そういたしましたら、県庁で長らく遊んでいないように、各都道府県を御督励願うことを、ぜひお願い申し上げたいのでございますが、さようにいたしまして、都道府県へ早く出していただくということになりましたら、結局申請してから二週間、十五日くらいたつたら、厚生省ら返事が来る、こういうふうに解釈してよろしゆうございましようか。
  45. 久下勝次

    久下説明員 厚生省の処置を一週間と見ていただきましたならばたいへんありがたいですが、そのあとの一週間で、往復の郵便なり、あるいは府県庁の――これは来ます場合にも経由をいたしますし、免許状もやはり県を通して送ります。さような関係であと往復の関係を一週間で済みますかどうか、この辺は若干懸念があります。できるだけそれに近い期間でやるようにいたしたいと思います。
  46. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 たいへんこんなこまかなことをくどくどお尋ねして恐縮なんですが、看護婦さんやその他の方が待つておると思いますので、くどいお尋ねをするのですが、ともかくも登録の書きかえの申請をお願いいたしましたら、少くとも二十日から一箇月くらいの間には、ぜひ登録の御返事がいただけるようにお願い申し上げたいものでございます。そういうことを厳にお約束申し上げておきませんと、非常に申請者がかわいそうでございますから、その点よくお含みの上御配慮願いたいと思うのであります。  それから私どもといたしましては、本来肉筆の免許状をもらう前に、でき得べくんばはがきで――これは当然申請者の負担でけつこうでございますが、厚生省の免許登録番号何番ということを、前もつて御通知いただけるような措置でもおとり願えますれば、非常にありがたいと思うのでございますが、そういうことを御配慮願いたいと思うのでございます。この点もぜひお願いいたしたいと思います。それで申請書類と一緒に、はがき代は当然申請者が負担するという形においてでも、早く登録番号を知らせていただけるようにしていただきたいと思います。  それからお尋ね申し上げたいのでありますが、こういう厚生省の登録に切りかえられますところの、いわゆる古い看護婦さんというものは、官公立の病院の待遇におきましては、中途半端な待遇を受けるわけになりまして、業務上は看護婦業務ができますが、待遇は必ずしも新しい制度看護婦さんと同じ待遇でない状態でございます。その待遇の切りかえというようなことは、厚生大臣免許が来たと同時に、御配慮願えるものでございましようか。
  47. 久下勝次

    久下説明員 この点は従来と同様に扱わざるを得ないと思つております。従つて具体的に申しますと、免評状が出ましても、ただちに待遇には影響がないというふうになるわけであります。と申しますのは、人事院の規則もありまして待遇の問題は、一に従来のその人の教育程度と実務の経験年数というものに応じてきめられておりますので、形式的に免許をもらつたというだけでは、待遇改善の理由にならない。これは従来ともそうでございましたが、今後におきましてもさような扱いをせざるを得ないと思います。
  48. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 私どもは前の古い看護婦と申しますか、二十三年の保健婦助産婦看護婦法の成立にあたりまして、古い看護婦さんも国家試験を受けまして、新しい制度の人たちと同等の厚生大臣免許になると、待遇も同等の待遇を受けるということを、厚生省のお約束のもとにおいて伺つたと考えるのであります。それが今の御答弁によりますと、いつの間にか雲隠れいたしまして、免許厚生大臣免許になつても、待遇は一向おかまいなしだということになりますと、おかしな話ですが、どうもお約束が違うような気がいたしますが、いつからそういうふうにおかわりになつたのでございますか。
  49. 久下勝次

    久下説明員 私が承知いたしております限りでは、そういうふうに申し上げたことはないと思いまするし、最初からそういう方針で扱つて来ておるのであります。あるいはだれかがそういうようなことを申したといたしますれば、その点はたいへん申訳ないのですが、その後人事院あたりとも、待遇問題については具体的にいろいろ折衝してみたのでありますが、先ほどから申し上げたようなことで、新しい制度看護婦につきましては、従来の看護婦に比較して、初任給もよほどよい待遇を與えられるようになりました。既得権者が試験を受けて、合格して、新しい免許をもらいましても、それだけでは待遇の改善をすることができないというような扱いに、最初からなつておるのでございます。
  50. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 医務局次長お話を承つておりますと、私の記憶に間違いがあるようなことになるのでありますが、これは速記録をごらんになればはつきりしていると思いますので、途中から待遇の差別をつけるというようなことに厚生当局が解釈――初めからそうだとおつしやれば、法律の制定当時に答弁なすつた厚生省の御答弁そのものが詭弁であつたといわなければならないと思うのでありまして、そういうような豹変なさることがないように、お願い申し上げたいのであります。看護婦さんには、これから補習教育もございましようし、勉強をするでありましようから、そういつた点におきまして、あまり差別をつけるというようなことをお考えにならないように、でき得べくんば新しい制度看護婦さんと、厚生大臣免許をとられた古い看護婦さんとは――保健婦助産婦さんも同じでありますが、同等な待遇をするというような、人道的な立場に立つて、この給与の問題は御配慮願いたいと思うのであります。厚生当局がそういうように途中から豹変――あるいは最初から詭弁であつたのかもしれませんが、そういう態度をとられることは、私非常に残念しごくに思うのでございます。  そういうことがないために、もう一つくどいようですが、お尋ね申し上げておきたいのは、登録申請をいたしまして、一月もたつて来ない場合は、一体厚生当局ではどういうふうな処置をしてくださるか、この点はつきりお伺いしておきたいと思います。
  51. 久下勝次

    久下説明員 一月もたつて来ないということは、実は絶無ではないと思うのであります。と申しますのは、先ほど来くどく申し上げておりますように、一度に何万という申請が殺到いたしますと、その処理には私どもの事務能率に、おのずから限度がございますので、予定以上の能率をもちろん上げてやるつもりではおりますけれども、そのために、先ほどお話の二週間なり、あるいは二十日なりということで処理できない事態が起る可能性も、相当考えられるわけであります。さような場合におきましては、御了承いただく外以にはないのでありますが、ただ従来とも、先ほどのいろいろお話がありましたが、就職その他のために登録が必要である、早くほしいというような方につきましては、私どもとしては特に便宜なはからいを従来いたしております。特に医師、歯科医師の免許につきましては、免許状を出します前に、取急ぎそういうものにつきましては決裁を得て登録いたしまして、医師籍登録写し、あるいは歯科医師籍登録写しというものをつくつて、ペン書きで簡単な証明書を差上げております。お急ぎの方につきましては、さような措置をすることによりまして、できるだけ支障のないようにいたしております。
  52. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 一月以内に発送できないということが、はつきりいたしましたその該当件数に対しては、ぜひそういうような登録番号の写しを、便法として一月以内に申請者に届くように御発送願いたいと思うのであります。その点をこの保健婦助産婦看護婦既得権者に対しましては、そのような特別な措置をぜひおとりはからい願いたい、このことはお約束願いたいと思います。  それからもう一つお尋ねいたしたいのでありますが、この登録税はどれくらいなのでございましようか。
  53. 久下勝次

    久下説明員 現行登録税法によりますと、保健婦助産婦看護婦登録税は一件当り一千円でございます。
  54. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 新しい人も古い人も同じでございますね。
  55. 久下勝次

    久下説明員 同じでございます。
  56. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 それは大蔵省の収入になるのでございますか。
  57. 久下勝次

    久下説明員 国庫の一般歳入になると思います。
  58. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 たしか申請いたしますときの書類に、収入印紙を張ると思つたのですが、あの収入印紙はどこの収入になるのでございますか。――国庫の財源がふえて、大蔵当局から見ればいいことかと思いますが、看護婦から見れば、これははなはだお気の毒なわけでありまして、そういうような観点からいたしまして、再登録のようなものですが、これに対して特別の御配慮を払つていただくようなお考えはないものでございますか。
  59. 久下勝次

    久下説明員 その点につきましては、実は私ども考えてみたのであります。しかしよく考えてみますと、今お話になりました再登録ではないのでありまして、やはり厚生省の看護婦籍、保健婦籍、助産婦籍に登録いたす限りにつきましては、新しい制度によつて免許を得る人と、手続上添付書類の点につきましても、また審査内容から言いましても、何もかわりはございませんので、これを区別して扱うという理由を見出し得ないのでございます。従いまして、全般として登録税が高いとか低いとかいうようなことを論議すれば格別でありますが、新旧の人によつて差等をつけるという理由を主張するだけの筋が立たないと考えておる次第であります。
  60. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 手数が同じということは、ごもつともでございます。医者とか薬剤師とか、歯科医師もございますが、登録する手数ということになると、医者も看護婦も同じじやないかと思いますが、登録税というものがそれぞれ違つておるようでございます。登録というものは、何も手数が主体になつておるものではなかろうと私ども考えます。そういう意味で、登録の料金も多少御配慮をでき得べくんば願いたいと思うのでございます。それも御配慮を願うと同時に、少くとも申請いたしましてできるだけ早く申請者の手元に、その登録番号を御発送願いたいという意味におきまして、私は先ほど次長さんの御亀弁にございましたような特別なとりはからいの、番号だけをペン書きにして申請者に届けるその方法を、全部の申請者に実行していただきたい、その点をちよつとお考えおき願いたいのであります。
  61. 久下勝次

    久下説明員 その点は実は最初から申し上げる問題にひつかかつてつて、全面的なお約束をいたしかねるのであります。と申しますのは、看護婦籍、保健婦籍、助産婦籍に登録をします前に、書類の審査をいたす必要があるのであります。審査をいたしまして間違いないということになりまして、簡単ではありますが、決済を済まして、登録をするということになるのであります。それが済みませんと、登録番号を打つことはならないということになります。そこでおのずから審査をいたします者の事務能力に影響をして参りますので、全部に差上げるということは、結局免許状を差上げるのと大して違いないことになつてしまいます。免許状の方は今の予算でも考えておるのであります。これは賃金の関係で、定員法にも触れて参りません予算をとるつもりでありまして、これは何人でも臨時に人を雇えばできるような予算上の措置をしてもらうつもりでおります。問題は、従つて責任のある者が申請書類を審査して、審査の結果捺印をし、課長の決済を得て、籍に登録するまでの手続に問題があるのであります。全部の者の籍の写しを出せということは、期間的な関係では、ちよつとお約束いたしかねるのであります。先ほど来申し上げております通り、特に急ぎます事情のあります方につきましては、特別なはからいをいたして差上げる以外には、ちよつとお約束いたしかねるのであります。
  62. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 そういたしますと、いろいろな審査が通つて、正式に墨で書くところまで持つて行くのに時間がかかる。墨で書くようなところまで行けば、大体二、三日でできるというようなお話でございますが、二、三日で墨書の免許状ができ上らないで、墨書のところがストツプしておるような状態であつた場合には、ぜひ特別な御配慮をお願い申し上げたいのでありますが、この点だけはお約束願えるかと思いますが、厚生当局の御答弁を願いたいと思います。
  63. 久下勝次

    久下説明員 それはお約束を申し上げてもよろしゆうございますけれども、おそらくは私どもの今の考えでは、わずかの期間の差だけで、二、三日か数日くらいの程度の差で、始末がついて行くと思いますので、特にこのために二重にやると、かえつて手間取つて参りますので、その辺のところはもしもお話通り、必要なそうした免状を書きます職員が得られなくて、手間取るようなことがありましたら、御要望通りにいたすつもりであります。
  64. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 そうすると二重に手間がかかるわけでございますが、しかしこの手間はペン書きでいいわけでありますし、厚生当局が親心をもつてなされば、何なくできることだと思うのでございますから、その点事務的にどうこうというような大きな問題でもないと思いますので、この点はぜひお取上げ願いたいと思います。本物の免許状が来ない場合には、一月以内においてペン書のナムバーの通知があるというような姿において、ぜひこの免許状の切りかえが行われるよう、厚生当局にお願いを申し上げたいのであります。あまりくどくなりますので、こういつたことは一応質問を打切りますが、ともかくも私としては、既得権者保健婦看護婦というものの免許を切りかえても、相かわらず待遇の面において、新制度の人たちと非常な差別を受けるということは、どうも納得の行かないことでありますから、ぜひ待遇の上におきましても、早急に御配慮いただくようお願い申し上げたいのであります。
  65. 松永佛骨

    松永委員長 他に本案について御質問はありませんか。
  66. 金子與重郎

    金子委員 一、二点採決に入る前にあたりまして、厚生省にただしておきたいことがありますので、申し上げたいと思います。先ほど申し上げましたように、この法律が非常な飛躍というか、変化いたしまして、厚生当局の考え方もかわつたのでありますが、同じ法律が半年ごとにかわるというようなことでは、法の権威にもかかわりますので、念のためにお聞きしておきますが、今の二点を、いわゆる登録の問題、内地の旧看護婦並びに保健婦助産婦、それから外地から引揚げた方々登録の問題を、参議院から提案にたりました改正案は取上げておるのでありますが、そのほかに現行国家試験の問題にいたしましても、あるいは学科課程あるいは科目というふうな問題につきましても、いろいろ私どもはまだ考えさせられる点も、実情からいつて改正すべきではないかと思うような点も、ないではないかのように考えておりますが、厚生省は今の法律を施行するにあたりまして、これは立法機関が法律ををつくつたのだから、われわれはその通りやるのだという、そういうふうな意味でなく、実際によりいい看護婦保健婦助産婦をつくつて行うう、こういう意味からいたしまして、現行法に対して一つの希望なり、あるいは改正をした方がいいのではないかというような点がありましたら、この際御意見を述べていただきたい、こういうことを考えております。
  67. 久下勝次

    久下説明員 私どもといたしましては、今回御提案になつております改正点を除きましては、将来再び改正をしなければならないというふうな点は考えておりません。もちろんお話の点にありました学科課程その他の省令以下に譲られております問題につきましては、あるいはいろいろな御意見があり、改正すべき点があるかとも思いますけれども、これはまた各方面の御意見によりまして、十分研究して参りたいと思います。ただこの際ちよつとつけ加えて申し上げておきたいのでありますが、私ども耳にいたしておりますところでは、現行法による助産婦制度につきまして、その方面の関係の方に若干御意見があるということを漏れ聞いておりますが、まだ具体的なところまでは至つておらないようでございますから、従つてども意見を、こういうところでお述べをする段階には至つておらないのでありますが、さような意見が出ておりますことだけは承知いたしておりますので、ちよつとつけ加えて申し上げておきたいと思います。
  68. 金子與重郎

    金子委員 本法が改正になりました後における国家試験立場と、それから国家試験の規模というものが、どういうふうに変化して来るか、その見通しをひとつお聞きしておきたい。
  69. 久下勝次

    久下説明員 今後の国家試験は、新しい制度による成規の過程を経た者だけになりますので、そういう意味合において、実質的には若干の変化は考えられると思いますが、但し一般的な方針としましては、私どもは特段に試験問題の内容程度等を、今まで看護婦につきまして二回行いましたが、これとかえて行くような考え方は持つておりません。しかし漸次それらの数がふえて来、回を重ねて参りますにつれまして、若干の変化はあるのではないかと思つております。一般方針としては、変更は考えておりません。それともう一つは、国家試験につきまして、既得権者の受験がなくなりますので、新しい卒業者は漸次ふえて参りますものの、従来のような一万を越える受験者が出て来るというようなことは、ここ数年は考えなくてもいいじやないかというふうに思つております。
  70. 金子與重郎

    金子委員 この改正案に対して、採決に入る前に、最後に一点お聞きしておきますが、これは率直に述べていただきたいと思います。旧法を改正する場合の認定講習の条項の、いわゆる附則をつくりますときにおきましても、あるいはそれまでの過程に行くまでにも、旧規則による看護婦のレベルが非常に低い、そのためにとうてい無条件に切りかえられるものじやない。また認定講習そのものでさえも、政府当局は私ども意見相当食い違つて難色を持つてつたのが、こういうふうに非常に飛躍したわけであります。そこであの附則による過程を経まして認定しました場合と、こうして無条件で、正規の学校を出ないで看護婦なつた人たちもおるのですが、そういう人もひつくるめて、無条件でこの際国家登録にする。しかもその再教育たるや、先ほどお聞きしておりますと、一府県五十人で二回程度だということになると、これはまたほど遠い話で、私が先ほど申し上げました通りの結果が出るのであります。私はこういつた二つの点の法律改正によつて、確かに相違が出て来ると思いますが、この相違がありましても、看護婦資質の上に変化があるとか、あるいは低下するとかあるいは好ましいとか、好ましくないとか、要するに看護婦資質というものにおいて、現行認定講習を受ける場合と、今度の経歴、年数で国家登録する場合と、どちらが看護婦自体の資質という点からいつてとるべきかということに対して、最後に厚生当局意見を聞きたいと思います。
  71. 久下勝次

    久下説明員 お尋ねの点について、先ほどちよつと触れたと思うのですが、認定講習制度を廃しまして、こういうような改正が行われるだけで放置しておきますれば、私は一般的な看護婦資質向上という面からいうと、マイナスの結果になると思うのであります。しかしながら、これにつきましては、私ども自身も実は強く熱望しておるのでございますが、従来やつて参りました再教育制度と、この認定講習と実質的には同じような考え方で、今後大いに力を入れてやつて参りたい。そういうことによりまして、従来の制度かわりない結果を得たいというふうに熱望しておる次第であります。この熱望は、先ほど来の大蔵当局に対する当委員会発言もございまして、私ども非常に感謝をいたしておるのでございます。これらと相まちまして、これから来年度の予算折衝も近くあるようでありますから、十分ひとつ力を入れて主張いたしまして、御懸念の点のないようにいたして参りたいというふうに考えております。
  72. 金子與重郎

    金子委員 それは言葉として努力したいとか言うておりますが、これは二年なり三年なりの結果を見れば、私は断じて私の方が勝つと思います。あなたの今言うことは詭弁です。必ずそれだけの結果が出ない、それだけの予算措置はとれないと私は政治的に見ております。従つてこの問題は、今御答弁のようなことに対しまして、そういうふうに、ここはたくさんの人の法律をきめる元でありまするからして、そのときどきの場当り的な一つの考え方で申されることを、私は非常に遺憾に思うのであります。私どもはこの法律を施行することによつて確かに低下すると思う。しかもこれの再教育に対しては相当至難だ、しかしながら要望があるのだからやむを得ぬという御答弁の方が、率直でよろしいのでありまするけれども、あえて私はそれ以上追究いたしませんが、とにもかくにもこの問題は率直に言えば、一般の輿論ができて来たところへつけ込んで、厚生省が投げたのである。問題は投げたのでなければ、この前の法律改正のときに、あれだけ固執するはずがないのであります。でありまするからして、この問題はこれといたしまして、今後法律の問題をそのときの場当りで答弁されることのないよう、私どもは真剣に專門のあなた方の言うことを信頼いたしまして、それに実情を合すべく骨を折つておるのでありまするから、(「議員提出だ」と呼ぶ者あり)それはいかに議員提出であろうが、政府提出であろうが、それを立法行政と区別して言うべきでない。立法行政の面は法律をつくるときにともどもに研究し合つて、そうして一方国民実情に沿うように、一方これを行政的な專門立場からいつても、万金を期するように私どもはつくりたい、こういうことを繰返して申し上げます。  なお最後に登録の問題も先ほどから福田委員等非常に問題にしておるようでありますが、私はそれほどまでにやつて、しかも旧看護婦を、ただ一片の履歴書と診断書なりを出さして、それと照し合せるためだけに、しかも千円の登録料をとつて、一月かかつても出るか出ないかわからないという苦労までして、一体国家そのものが事務をとらなければならぬ理由がどこにあるか、それくらいのことなら、県に一部事務を委任してもできるはずだということを、私は政治的には考えておりまするけれども質問時間が長くなりますから、討議することはやめまして、この問題については追つて十分研究していただきたい。国家登録すれば、どこに一体どれだけの結果が出て来るか、この登録事務を地方と分担してやつたとき、はたしてどれだけの結果が出て来るかということに対しても、もう少し現行法にとらわれないで、こんなに大きな百八十度の飛躍でさえできるのですから、そういうふうな考え方だつたら、この問題も一応考える余地が十分あると思いますので、その点も今後の問題として残して考えていただきたい、こういうことを要望いたします。以上をもちまして私の質問を打切ります。
  73. 松永佛骨

    松永委員長 他に本案について御質疑もないようですから、お諮りいたします。本案質疑を終了することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なしと認め、本案質疑は終了したものと認めます。  次に本案の討論に入るのでございますが、本案の討論に関しましては、別に通告もございませんので、これを省略するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 松永佛骨

    松永委員長 御異議がなければ本案の討論は省略いたします。  これより保健婦助産婦看護婦法等の一部を改正する法律案を表決に付します。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  76. 松永佛骨

    松永委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお本案に関する報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     ―――――――――――――
  78. 松永佛骨

    松永委員長 次に診療所における同一患者収容時間の制限に関する医療法特例に関する法律案議題とし、審査に入ります。まず提案者より趣旨の説明をお聞きいたしたいと存じます。提案者大石武一君。
  79. 大石武一

    大石(武)委員 ただいま議題になりました診療所における同一患者収容時間の制限に関する医療法特例に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  今から三年前の第二回国会におきまして、画期的な医療法国会を通過いたしたのでありまするが、この内容につきましては、皆さんも十分に御承知のことと思いますが、その重要な点につきまして申しますと、いわゆる病院と診療所の基準というものを、はつきりしたわけであります。つまり患者二十人以上を収容し得るものを病院とし、それ以下のものを診療所として、この診療所におきましては、同一の患者を四十八時間を越えて収容することができないということに相なつたのであります。ところが当時のいろいろな経済事情、あるいはいろいろな医療制度の実態よりいたしまして、それをただちに実施しますことは、日本国民の医療方面に重大なる支障を生ずるという見解のもとに、この法律施行の一部、ことに第十三条の施行を三年間延期いたすことにしまして、それまで開設いたしておりました診療所においては、やはり四十八時間を越えても同一患者収容することができるようにしてあつたわけでございます。それが今度本年の十月二十六日に、その期間が切れるのでありますが、それまでの三年間におきましては、各診療所はその素質あるいは設備の向上改善に鋭意努力して参つたのであります。そうして相当の数の診療所向上が見られたわけでございます。しかしながらこの診療所の設備の改善向上につきましては、今まで何ら政府から一切の融資あるいは資材のあつせんというものがございませんでした。さらに御承知のようなわが国の経済の事情でありますし、また最近特に社会保障制度的な思想が、わが国に瀰漫して参りましたために、三年間において診療所が自分自身の力において、これを病院にまで向上改善することは、容易でなかつたのでございます。従つて現在におきましても、ただちにこの新医療法第十三条を適用しますことは、どうしてもわが国の国民の診療上に、重大な支障を及ぼすことは明らかであります。さらに今までの、この前の延期の法律によりますると、三年前までに開設した診療所は、十分に四十八時間以上同一患者収容することができ得るわけでございますが、それ以後に開設いたしました診療所においては、一切四十八時間以上同一患者収容することができないのでございまして、ここにやはり重大な診療上の欠陥があるわけでございます。このような欠陥を除去し、さらにわれわれの理想である四十八時間制度の目的に、一歩でも近づこうという二つの理由のもとに、本案提案したわけでございます。  何とぞ十分に御審議の上、通過をいたすことができますように、御審議をお願いいたす次第でございます。
  80. 松永佛骨

    松永委員長 お諮りいたします。本案に関しましては質疑、討論の通告もございませんので、質疑、討論を省略するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なければ本案質疑、討論は省略いたします。  これより診療所における同一患者収容時間の制限に関する医療法特例に関する法律案を表決に付します。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  82. 松永佛骨

    松永委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお本案に関する報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なしと認めそのように決します。     ―――――――――――――
  84. 松永佛骨

    松永委員長 次に公衆衛生国際事務局に関する議定書について、厚生省の海外課長より発言を求められておりますので、これを許します。厚生省渉外課長
  85. 斎田晃

    ○斎田説明員 さきごろ政府より国会に対しまして、公衆衛生国際事務局に関する議定書を受諾することについて承認を求むるの件という件名の原案を御提出を申し上げまして、御承認をいただきたいという手続をとつたのであります。これは事務的に申しますると、外務省が扱つておりまして、不日外務委員会において、御審議をいただく手続になつておると聞いておるのでありまするが、内容に関しましては、私ども厚生省の所掌いたしておりまする事務に関することでございまするので、この機会を拝借いたしまして御報告申し上げ、御了承をいただきたいと考えておるのであります。  この公衆衛生国際事務局に関する議定書と申しまするのは、一口に申しまするならば、一九〇七年に締結いたされましたパリにおける公衆衛生国際事務局設置に関するローマ協定という協定に署名をいたしておりまする国々が、戦後新しくできまして、わが国も御承知のごとく皆さんの御承認をいただきまして、この春加入いたしました世界保健機関WHOに加入する場合に、そのローマ協定の事務を新しいWHOの事務局に扱わしめるということを承認する事務的手続を取扱つた議定書なのであります。従いまして、前のローマ協定の加盟国でありました国々が、戦後の世界保健機関WHOに加入いたしましたものにつきましては、すべてこの議定書を受諾するということが、不文律のごとくになつておるのであります。従いましてこの春、日本政府外務大臣が、世界保健機関WHOに加入申請の申込みをいたしました手紙の一節にも、このようなことが書かれております。日本政府はこの機構に加盟を許された上は、一九四六年七月二十二日締結せられた国際公衆衛生事務局に関する議定書を承認し、また適当な時期に一九〇七年十二月九日署名せられたローマ協定により設立せられた国際公衆衛生事務局より脱退すべき必要なる措置を行う用意がある。こういうふうに約束をいたしておるのであります。この脱退措置につきましては、本年八月閣議決定によりまして、その措置をとり終つたのであります。  今回のこの承認を求めておりまする案件は、残されましたところの議定書に加わりまして、もとのローマ協定による事務を、われわれが新しく加入したWHOに引継がしめることに異議がございませんということを表明いたすことになるので、まつたく事務的な取扱いでございます。以上のようなことでございまするので、一言皆様方に御報告申し上げて、御了承をいただきたいと思つた次第でございます。
  86. 松永佛骨

    松永委員長 何かただいまの発言に関連して、御発言ございませんか。     ―――――――――――――
  87. 松永佛骨

    松永委員長 それでは次に参考人選定の件についてお諮りいたします。  社会保障制度に関して、内閣に第二次勧告をいたしました社会保障制度審議会の会長を、当委員会にお呼びして、その意見を聴取いたしたいと存じますが、会長の前田多門君を社会保障制度に関する件についての参考人に選定し、次回の委員会に出席していただくことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なければ、そのように決します。  なお次回の日時の決定並びに参考人に御出席を願うための所要の手続に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時四十五分散会