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1951-10-31 第12回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月三十一日(水曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長代理 理事内海安吉君    理事 鈴木 仙八君 理事 村瀬 宣親君    理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       宇田  恒君    上林榮吉君       小平 久雄君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    内藤  隆君       西村 英一君    三池  信君       中島 茂喜君    増田 連也君       佐々木更三君    寺崎  覺君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野田 卯一君  出席政府委員         経済安定技官         (建設交通局         長)      小沢久太郎君  委員外出席者         主  計  官 佐竹  浩君         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君         建 設 技 官         (住宅局長)  大村巳代治君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 十月二十六日  委員高田弥市辞任につき、その補欠として坪  内八郎君が議長指名委員選任された。 同月二十七日  委員坪内八郎辞任につき、その補欠として高  木松吉君が議長指名委員選任された。 同月二十九日  委員高木松吉辞任につき、その補欠として高  田彌市君が議長指名委員選任された。     ――――――――――――― 十月十八日  福岡県下の災害復旧費国庫補助増額に関する請  願(平井義一紹介)(第四〇号)  県道岐阜富山線国道編入請願岡村利右  衞門紹介)(第四一号)  雫石町に住宅金融公庫資金融資請願淺利三  朗君外一名紹介)(第四二号)  災害住宅復旧費国庫補助請願淺利三朗君外  一名紹介)(第四三号)  連合軍による接収農地の借上料増額に関する請  願(池見茂隆紹介)(第六四号)  夷隅川下流に防波堤築設等の請願田中豊君紹  介)(第八一号)  一宮川河口改修工事施行請願田中豊君紹  介)(第八二号)  県道飯坂高畠線改修工事費国庫補助請願(松  井政吉紹介)(第八三号)  災害復旧費国庫補助増額等に関する請願辻寛  一君紹介)(第一一三号)  神戸、西脇間道路改修費国庫補助請願(川西  清君紹介)(第一一四号)  岩手県の災害復旧費国庫補助増額請願小澤  佐重喜紹介)(第一一五号)  災害復旧費増額等に関する請願辻寛一君紹  介)(第一一六号) 同月二十二日  区画整理委員改選に関する請願中島守利君外  一名紹介)(第一四一号)  新旧北上川下流改修工事施行請願内海安吉  君紹介)(第二一四号)  信濃川水系砂防工事促進請願降旗徳弥君紹  介)(第二一五号)  多聞橋下流地区魚野川改修工事施行請願(  田中角榮紹介)(第二一六号)  丹生川改修工事施行請願志田義信紹介)  (第二一八号)  墨田区域区画整理反対に関する請願中島守  利君外一名紹介)(第二一九号)  飛騨地方災害復旧費国庫補助等に関する請願  (岡村利右衞門紹介)(第二二〇号) 同月二十五日  国連軍射撃用地接収に伴う救済金交付に関する  請願圖司安正君外五名紹介)(第二二七号)  国道十六号線改修工事促進請願中島良一君  紹介)(第二四八号)  千座川砂防工事促進請願圖司安正紹介)  (第二四九号)  新北上川下流改修工事施行請願内海安吉君  紹介)(第二五〇号)  上江橋架替え促進請願清水逸平君外一名紹  介)(第三三六号)  下呂、飯田間の道路国道編入請願(平野  三郎君紹介)(第三三七号)  三陸沿岸道路改修工事促進請願小澤佐重喜  君紹介)(第三三八号)  村田川改修工事促進請願佐久間徹紹介)  (第三三九号) 同月二十六日  東名運河こう門復旧費国庫負担請願内海安  吉君紹介)(第三七五号)  須川支流小鶴沢川砂防工事促進請願松浦東  介君紹介)(第三八〇号)  県道長岡桂谷間改修工事費国庫補助請願(  田中角榮紹介)(第三八一号)  門川町地内五十鈴川堤防築設の請願佐藤車  遠君外三名紹介)(第三八二号)  公営国庫補助庶民住宅建築資金割当に関する請  願(小澤佐重喜紹介)(第三八三号)  吉田川水系改修工事促進等請願安部俊吾君  外一名紹介)(第三八四号)  木曽川下洗しゆんせつ工事施行等請願(江崎  真澄君紹介)(第四七八号)  古館村地内北上川堤防築設の請願山本猛夫  君紹介)(第四七九号)  岩村田、芦田聞自動車専用道路開設請願(降  旗徳彌君紹介)(第四八一号)  道路法の一部改正等に関する請願小澤佐重喜  君紹介)(第四八二号)  大阪、福住間自動車道路開設請願有田喜一  君紹介)(第四八三号)  県道松本高山線国道編入請願岡村利右  衞門紹介)(第四八六号)  大根占町の災害防止に関する請願前田郁君紹  介)(第四八七号) 同月三十日  根知村地内根知川に砂防工事施行請願田中  彰治紹介)(第五二二号)  地すべり砂防工事費国庫補助に関する請願(田  中彰治紹介)(第五二三号)  県道岐阜富山線国道編入請願内藤隆君  紹介)(第五二四号)  災害復旧費国庫補助請願逢澤寛君紹介)(  第五二五号)  上浦幌上川上、二股間道路開設請願伊藤郷  一君紹介)(第五二七号)  本別地内利別川改修工事施行等請願伊藤  郷一紹介)(第五二八号)  本別町に上水道敷設請願伊藤郷一君紹介)  (第五二九号)  県道千葉銚子線改修工事促進請願仲内憲治  君紹介)(第五八六号)  増田橋架替え請願田中豊紹介)(第五八  七号) の審査を本委員会に付託された。 同月十八日  庶民住宅用地買収費国庫補助増額に関する陳情  書(  第四号)  国道二十号線改修促進に関する陳情書  (第八号)  治水事業促進に関する陳情書  (第一〇号)  接収住宅補償料に関する陳情書  (第二六号)  治山治水に関する陳情書  (第二七号)  茶臼山の地すべり対策に関する陳情書  (第六九  号) 同月二十二日  東北地方開発に関する陳情書  (第一一三号)  宮崎県の災害復旧費国庫負担に関する陳情書  (第一一七号)  進駐軍要員失業対策確立に関する陳情書  (第一一八号)  治水事業促進に関する陳情書  (第一三〇号)  住宅金融公庫に対する融資増額陳情書外二件  (第一三二号)  瀬戸内海沿岸地区道路整備促進等に関する陳  情書(第一五九号)  接収ホテル解除に関する陳情書  (第一六八号)  占領軍による接収農地買上げ等に関する陳情  書外一件  (第一七六号) 同月二十四日  災害復旧工事に対する国庫補助増額等に関する  陳情書(第一九〇  号)  高岡、石動間国道第十一号線改修に関する陳情  書(第一九六  号)  千保川改修促進に関する陳情書  (第一九七号)  庄川小矢部川改修工事促進に関する陳情書  (第一九八号)  ケイト台風等による災害復旧費に関する陳情書  (第一九九号)  道路法改正に関する陳情書  (第二一〇号)  災害復興に関する陳情書  (第一二九号)  災害復旧に対する予算割当に関する陳情書  (第二二二号)  只見川開発に関する陳情書  (第二二七号)  只見川開発促進に関する陳情書  (第二二八  号)  国の委託業務たる渉外労務管理に対する経費増  額の陳情書  (第二二八号)  道路整備事業費国庫補助に関する陳情書  (第二四〇号)  災害復旧事業費国庫負担に関する陳情書  (第二四一号) 同月二十七日  名阪神自動車道路建設促進に関する陳情書  (第二五七号)  最上川中流河川改修工事促進に関する陳情  書  (第二七二号)  治山治水施策強化に関する陳情書  (第二九六号)  災害復旧費国庫補助に関する陳情書  (第三〇〇号)  北松地帯地すべり対策に関する陳情書  (第三〇六号) 同月二十九日  水災害復旧費全額国庫負担並びに急速実施に関  する陳情書(第三  二五号)  災害土木復旧費全額国庫負担に関する陳情書  (第三三四号)  災害復旧公営住宅国庫補助に関する陳情書  (第三五  二号)  庄川右岸堤防補強工事促進に関する陳情書  (第三五  三号)  越辺川、都幾川、高麗川の改修工事促進に関す  る陳情書  (第三六七  号)  海岸保全に関する陳情書  (第三八九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  ルース台風による被実状況に関する件
  2. 内海安吉

    内海委員長代理 これより会議を開きます。本日は委員長不在のため、私がかわつて委員長の職務を代行いたします。  この際小委員会設置の件についてお諮りいたします。第一は道路に関する小委員会、第二は河川に関する小委員会、この二つを設置し、審議を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内海安吉

    内海委員長代理 御異議なければさように決します。  次にただいま設置するに決しました各小委員会の小委員及び小委員長選任についてお諮りいたします。
  4. 小平久雄

    小平(久)委員 ただいま決定されました小委員会設置の件については、各小委員会はそれぞれその数を十五名とし、小委員及び小委員長委員長において指名せられんことを望みます。
  5. 内海安吉

    内海委員長代理 小平君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 内海安吉

    内海委員長代理 御異議なければさように決します。  道路に関する小委員といたしまして   逢澤  寛君  淺利 三朗君   宇田  恒君  内海 安吉君   上林榮吉君  鈴木 仙八君   瀬戸山三男君  田中 角榮君   内藤  隆君  中島 茂喜君   村瀬 宣親君  佐々木更喜君   前田榮之助君  寺崎  覺君   玉井 祐吉君  以上十五名を道路に関する小委員指名いたします。小委員長には田中角榮君を御指名いたします。  次に河川に関する小委員員といたしましては   今村 忠助君  内海 安吉君   小平 久雄君  瀬戸山三男君   高田 弥市君  田中 角榮君   西村 英一君  三池  信君  藥師神岩太郎君  福田 繁芳君   増田 連也君  村瀬 宣親君   前田榮之助君  池田 峯雄君   衞藤  速君  以上十五名を指名いたします。小委員長には内海安吉君を指名いたします。
  7. 内海安吉

    内海委員長代理 これより、ルース台風による被害状況に関する件について調査を進めます。  まず小澤安本建設交通局長より被害状況並びにその後の対策等について説明を願います。
  8. 小沢久太郎

    小沢政府委員 ルース台風につきまして、被害状況並びに対策について話せとのことでございまして、簡単ながらお話いたす次第でありますが、実は今日は電源開発の問題をやられるということで、災害の方の資料を全然持つて参りませんので、こまかい数字は実はわかりかねます。被害額が集まりましたのは約八百億でございます。それに対しまして、つなぎ融資といたしまして九億何がしを出すということでございます。それからあとは今各省査定をしておる次第でございまして、それが集まり次第どうするかという問題があるのでございますけれども、実は例の今年度の八十億の災害予備費のうち四十五億は前の七月の台風のために出しまして、あと約三十億しか残つておりませんので、今後補正予算をとるかどうかということはただいま検討中でございますが、われわれ事務当局といたしましては、ぜひ補正予算をとつていただきたいと考えておる次第であります。
  9. 内海安吉

    内海委員長代理 次に目黒河川局長よりその後の経過並びに対策等について御説明願います。
  10. 目黒清雄

    目黒説明員 私は先週一ぱい現地におりまして、こちらの方はお留守いたしましたので、対策の方はまだよく伺つておりませんが、今度見ました災害の激甚さは今までにないひどいものでございます。災害の原因を類別して考えますと、大体九州、鹿児島に上陸した場合の被害は、風と高潮に上るものが多かつたのであります。でありますから、強風により家屋を破壊されたものが相当ありますし、また波による護岸の決壊がひどいのであります。従つて海岸線を唯一の交通路といたしております鹿児島県におきましては、交通杜絶の箇所が相当あります。これに対して応急復旧をやつておりますが、とうてい短期間には交通復旧の見込みが立つておらないというのが現状であります。従つてわれわれとしては、どうしても早く交通路を回復して、救援物資その他の輸送に万全を期せなければならないという感じがいたして参つたのであります。  次に宮崎も、やはり海岸線になりますが、これは鹿児島に比較して幾らか軽微であります。といいますのは、上陸いたしましたのが鹿児島西南端でありますので、宮崎方面は風の被害はそれほどではありませんが、それにしましても中心に近いものでありまするから、この地方も相当やられておるのであります。しかし宮崎には多少降雨があつたために、河川被害が多いのであります。  次に大分高潮による被害、これは海岸干拓堤あるいは大分別府市内護岸がさんざんにやられておる。やはり大分にも海岸道路交通確保の問題が起きております。  被害の額として多いのは山口でありまするが、山口の被実は海岸線もさることながら、錦川の氾濫による被害が相当あるのであります。これは山口台風の当りました関係で、最高三百二十ミリの雨が錦川の上流に集中して降つたのであります。こういう関係で錦川にはかつて記録にないほど水位が上昇したのと、水位ばかりでなしに、錦川に入ります渓流が、急激の雨で土砂が崩壊した。この土砂のために家屋が埋まつたという結果になり、ここに相当の死傷者を出しております。  それに類似しておりますのは、広島県でありますが、広島県は山口県との県境に近い方が同様な姿であつたのであります。  こういうわけで非常に大きな災害を受けておりますので、われわれとしては海岸道路あるいは災害地道路交通確保のためには応急的な措置を講じ、次には海岸堤防——これは御承知通りに、破壊いたしますると、潮のために毎日のように水が入つて参りますので、早く応急的な処置を講じ、来年の植付までに終らせるようにしなければならないというのが大きい仕事だと思うのであります。  被害総額は私のところだけでも二百八十億という厖大なものになつておりますが、これはまだ現地査定をやつておりませんで、報告のみでありますから、この数字が全部とは言われないのでありますが、おそらくジエーンの被害よりも局地的には大きなものがあるかとわれわれは考えております。
  11. 内海安吉

    内海委員長代理 上林山君より御希望がありました野田建設大臣並びに周東安本長官は、ただいま太平洋市長会議に招かれて行つておりまして、もうわずかたちましたら来られるということでありますから、しばらくお待ちを願いたいと思います。  次に住宅災害につきまして大村住宅局長より一括説明及び対策をお聞きしたいと思います。
  12. 大村巳代治

    大村説明員 住宅災害は今回の台風では非常に大きなものでございまして、先般安定本部で集計された数字を見ますと、総額八百億の中で、住宅に関する災害が二百二十八億で、約四分の一でございます。これは近来経験のない現象でございます。住宅局といたしましては、建築労災課長災害地へ派遣いたしまして、状況調査させますと同時に、とりあえず二十年現在の災害状況を基礎といたしまして、公営住宅法によりまして災害の大体三割、六千戸を第二種公営住宅といたしまして、総事業費が十一億七千六百万円、補助率が三分の二でございます。この方のつなぎ資金として、総事業費の半額を要求する。それから公営住宅災害につきまして約四百戸分、その総事業費が一億八千万円ばかりでございます。合計総事業費が十三億六千万円のものにつきまして半額のつなぎ融資要求したわけであります。それからなお厚生省といしたまして災害救助法関係から四千三百五十九戸分の建設費要求しておるようでございます。それから農林省関係といたしまして、入植者開拓住宅改修補助として約一万一千戸分の二割五分の約三千戸余りにつきまして、約二億円の要求を出しておるようでございます。  なお今回の災害で特に報告を聞いてみますと、終戦後資材のない時分につくりましたバラツク建築が非常に災害がひどかつたようでございます。この災害のために、建築基準法関係の手続の緩和の要求が府県から参つておるのでありますが、その点は今度の災害を防除するような指導を十分にして行くことをつけ加えまして、承認しております。
  13. 内海安吉

    内海委員長代理 両大臣がお見えになりますまで、ちようど目黒河川局長大村住宅局長小澤建設交通局長が見えておりますから、大臣以外の質問をひとつ行いたいと思います。
  14. 上林山榮吉

    上林委員 今度の災害は、御承知のように今まで一番大きいと言われておつたキジア台風の場合などよりも非常に被害が甚大であるということで、国会開会中にもかかわらず各省政務次官を初め事務当局の方が現地にさつそく参りまして、真剣な調査をしていただいたということは、災害地復旧対策はもちろんのこと、志気の上に非常なる好影響があつたと、私ども被害地を代表する議員として、当委員会の席上をかりて私謝意を述べると同時に、今後の対策について多くの期待を持つものであります。  そこで委員長を初め委員諸君要望したいことは、今までの災害でさえも衆議院内に特別委員会をつくつて、これが善後処置についていろいろ努力をして来た事実にかんがみて、できるならば私は議会特別委員会を設置したいという熱心なる希望を持つております。けれども屋上屋を重ねてもいけないということもありますので、当委員会全部が特別委員になつたような気持で、今後災害復旧その他の問題について御善処が願いたい、こういうような希望を持つものでありますから、その意味合いにおいて今後諸般処置について積極的な御協力要望したいと考える次第であります。  そこで私は、予算委員会において大蔵大臣建設大臣文部大臣等に対して、ルース台風中心とする諸般法律的処置ないしは予算処置についていろいろと強く要望して来たのでありますが、ここで安本長官並びに建設大臣が見えないけれども、私はまず政府及び委員会に対して、私どもが一番希望しておる問題あるいは明らかになつた問題を御報告申し上げまして、これが対策に十二分の御協力を願いたいと思うのであります。今までの政府との質疑応答のうちで明確になつたことは、間に合えば今度の議会、間に合わない場合でも、おそくとも通常国会勢頭補正予算を組むという財政当局及び建設大臣等の明確なる答弁を得たのでありますから、委員会においても事務当局においてもその意味合いにおいての急速なる準備を願いたいということが第一点、第二点は、今までの災害復旧を見てみますと、大体五箇年計画でやつてつたようでありますが、御承知通り昭和二十三年度の災害復旧もいまだ完結をしていないという状態であつたわけであります。それでは今度のルース台風のごとき被害の甚大なるものの復旧はあまりにも長くかかる。しかも結果において国費を濫費するだけに終つて何ら効果がない。こういう観点から、少くとも二年もしくは三年間にこれが完結を願いたい、こういう要望をしたところ、政府当局はこれに対しまして、第一年度に全災害の三割、第二年度に五割、第三年度にあとの二割を予算に計上して、今までよりもスピードを早めて、三箇年間でこれが工事を終るように話も進めておるのである、こういう明確な答弁建設大臣その他からされたのであります。  れは従来の災実復旧状態から考えまして、一歩前進した、時宜に適したし処置であると考えられますので、当委員会及び事務当局あるいは政府当局においても、ぜひともこの最小限度の線は確保してもらいたいと要望するものであります。  さらに災害復旧基本的態度として、第三点を申し上げますならば、心ある事務当局あるいは良心的な技術を榮える技術当局においても、実地を視察し、あるいは今までのやり方を反省されまして、今までのようなやり方では、それこそ復旧はさいの川原式結果になつてだめである、この際根本的な方針を検討しなければならぬということで、今までは単なる復旧のみの予算であつたけれども、これからは改良を含む災害予算処置をすべきであるという意見を相当持つておられるようであるし、われわれもこれが絶対必要であるという観点から、予算委員会において政府質疑を試みたところ、その線に沿つて努力するという明確な御意見であつたのであります。但し財政当局においては、その必要を認めるし、ある程度は考慮するけれども、そういうことに便乗していろいろなことをやられては困るという見地から、最後的明確な答弁大蔵大臣はしていない。そこで私ども要望したいことは、委員会あるいは国会の総意によつて、あるいはまた良心的な事務当局の真剣な協力によつて財政当局をしてこれが了解を得る処置を今後とつてもらいたい、こういうことを私考えるのであります。  次に今までの法案上つて最高度の活用をするという一面、そういうような法案では時宜に適しないというものもあるわけでありますから、たとえば災害特別助成法というような特別立法を試みて、この際拔本的な処置をとるということが、過去の災害対策にかんがみて絶対に必要である、私はこういうふうに考えますので、この線をさらに一歩突き進んで各方面協力を得たいものだと考える次第であります。ことに海岸堤防のごときは、これは市町村の負担になつているものが多い。それでは工事予算その他の関係で十分に行かない、こういうわけでありますから、これなども国庫補助の対象にするような特別の処置を講ずる必要がある、こういうふうに、私ども考えるのであります。その他基本的な態度としてはほかに多々あります。あるいはまた所管事務以外についても多々ありますけれども、私は以上基本的な問題を申し上げまして、先ほどから要請しております通り、この線に沿つて今後の委員会の運営をぜひともお願いをしたい、こういうふうに考えますので、まず前提として要望事項を申し上げておきます。  次に小澤建設交通局長に私は事務的な問題について少しくただしてみたいのであります。私ども国会としては、予算のぶんどりをやるべきものではないということは十二分に承知をいたしております。しかし今度の災害で最も急を要する問題は、つなぎ資金の問題である。このつなぎ資金の問題についての第一回目の十億二千五百万円を配分する処置が私は妥当を欠いていると思うのであります。この問題については予算委員会においても、私は当局意見を求めたのでありまするが、これに対して当局は是正をするということを確約いたしたので、私はあえて追究するのではありませんが、これは今後のすべての予算処置その他にこういう感覚でいると影響があるから、私はこの際事務当局の考え方を是正したいという意味で申し上げるわけであります。これは建設大臣ほか各省政務次官諸君現地を見られたので、どこがどの程度の被害を受けたということは十分認識していることと思うのでありますから、單に私の危惧にすぎないかもしれませんけれども、このつなぎ資金の配分の状態を見てここに気になりますので一言申し上げるわけであります。  まず今まで集まつたところの最近の情報によりますと、鹿児島県が三百三十二億何千万円、宮崎県が百三十九億何千万円、大分県が八十六億何千万円、福岡県が三十七億何千万円、熊本県が三十二億何千万円、長崎県が二十三億何千万円、佐賀県が二十一億何千万円、これに山口広島、愛媛等を加えますと、補助の対象にならないものを含めておそらく一千億円を超過するであろう、こういうふうな被害額でありますが、私どもがふしぎに思いますのは、ある県のごときがわずか二日間のうちに莫大な累増を見せまして、三百何十億円というような厖大な被害額の申告をしている。今まで調査ができなかつたものが、わずか二日間くらいにしてそんなにも累増をするものであろうかというふうに、私ども国政を担当するものとして一つの疑問を持つております。そういうようなことを基礎にいたしましてこのつなぎ資金の配分を行つたのでありますが、それから考えて私どもはまことにどういう基礎に基いたかわかりませんけれどもふしぎでならない。場合によつては当委員会現地に行つてさらに比較検討することも一方法ではなかろうかと同僚議員諸君とわれわれは協議をしているところであります。こういう意味合いにおいてこれが将来の問題と関係があるのでありますから、これらの配分について完全を期することはできないとしても、目安としてでもわかる程度の問題でありますので、私はこれが急速なる是正を予算委員会において提唱したのでありますが、政府においてもこれはすみやかに是正をするということでありましたので、あえてこれは先ほどから申し上げた通り追究するのではありません。その意味合いにおいてどういう基礎でやつたか、あるいはどういうふうに今後処置をせられる方針であるか、この点を伺つておきたいのであります。
  15. 小沢久太郎

    小沢政府委員 この問題は率直に申し上げた方がよろしいと思いまして、事務的にいろいろしておりますことを率直に申し上げたいと思います。つなぎ資金の件でございますけれども、これを出します責任は大蔵省の方の責任で出すわけでありますが、われわれの方としては災害被害がどのくらいあるかということ、それからこれまでは私の方で大体どのくらいの本年度の補助が行くかというようなことを算定いたしまして、それを基礎としてつなぎ融資をいたしたというわけであります。それから今度のことにつきましては、私の方で被害の額を集めまして、大蔵省の方に持つて行きまして、大蔵省の方で案をつくつてわれわれの方に持つて来た案であります。実際われわれが事務的に考えまして少し少いのであります。それでわれわれの方で少いからもう少し何とかしてくれということは事務的に申し上げたのでありますけれども、実は急ぐので、これは一応暫定として出すからということを言われまして、それではおつつけ第二次としていろいろの是正もございましようし、また追加もありましようから、なるべく早く出していただきたいということ條件として、われわれの方は了承したのであります。実は事務的にいいと思つていないのであります。われわれとしてはなるべく早い機会に是正いたしまして、もう少しお出しいたしたいというふうに思つつておる次第でございます。  それから各県から出ます資料にいろいろ精疎の差があるというお話でありましたが、これは実はわれわれの方もそういう感じがするのでございますけれども、その精疎をいろいろはつきりやつておりますと、時間的に遅れて参りますので、一応各地から集まりましたものをとりまして、それによつてつております。あまり時間をかしますと工事が遅くなるのでそういうふうにやりたいという次第でございます。
  16. 上林山榮吉

    上林委員 事務当局が遺憾の意を表せられまして、急速にこれを是正するというふうに私了解したのでありますが、それであればけつこうでありますが、それでないならば私ども先ほど申し上げた通り、積極的な意見を持つておるのでありますから、そういう意味合いで私お答えを願いたいと思うのであります。そこで従来このつなぎ資金の問題は大蔵省と安本とが会議の上で決定をする、こういうふうになつておつたと思うのでありますが、ただいまのお話によると、大蔵省だけでこれが簡單にやれるのだ、こういうふうに受取れたのであります。その点はどういうふうになつておりますか、明らかにしていただきたいのであります。
  17. 小沢久太郎

    小沢政府委員 これは大蔵省と安本と協議してきめたことであります。
  18. 上林山榮吉

    上林委員 ところが今回のつなぎ資金の決定については、大蔵省が決定をして、安本はあとから事後承認をしたのだというふうに私聞いておるのでありますが、その点はどうなつておるか聞きたいのであります。
  19. 小沢久太郎

    小沢政府委員 これは大蔵省の方で案をつくりまして、それをわれわれの方と協議して決定したのでありまして、大蔵省の方で決定したものに対して、われわれが事後承認をしたということではないのであります。
  20. 上林山榮吉

    上林委員 私ども災害の問題について、あるいは公共事業の問題については、安本が相当の発言権を持つておるのだと従来了解しておつたのでありますが、ただいまの答弁によりますと、つなぎ資金のごときは大蔵省に決定権があるかのような印象を受けるのでありますが、この点は今後の審議の参考としてはつきりしておかないと困るのであります。ことにいろいろと急ぐという点もあつたと思いますけれども、私はあえてこの点をここで明確にしておきたいと思つて質問するのでありますから、それをお含みの上で、明確な答弁を願いたいと思います。
  21. 小沢久太郎

    小沢政府委員 これは結局大蔵省とわれわれの方と協議してやつておるような次第でありまして、大蔵省だけできめることではないと思います。ただ金を出すということは大蔵省の責任でございますけれども、案としてきめるということは両方で協議してやるということでございます。
  22. 上林山榮吉

    上林委員 両方で協議してやつて、金を出すということだけが大蔵省のやり方であるのだという点の答弁でございましたが、それであれば、今度の処置は両当局とももう少しく緊密なる連絡をとつて処置するのが当然だと考えます。  その問題はその程度にしておきますが、つなぎ資金の問題は、第一回分として十億二千五百万円出したのでありまするが、これはまことに僅少に過ぎる額であります。私どもの見るところでは、六十億円ぐらいのつなぎ資金がいるものと推定をいたしております。きようの予算委員会における建設大臣答弁にしても、約五十億円程度のつなぎ資金がいるものと自分は考える、こういうような答弁がありました。これは大臣意見も聞かなければなりませんが、安本の事務当局として考えられておる点は、あとからもつと出したいということを言つておられましたが、どれくらいの額を予想しておられるか、これは緊急な問題でありますのでお尋ねしておきたいのであります。
  23. 小沢久太郎

    小沢政府委員 この点につきましては事務的にはいろいろ案を練つておりますけれども、まだ大臣に御相談しておりませんので、今ここでちよつと申し上げかねるのでございますが、急いで事務当局の案を練りまして、大臣にも早く申し上げたい、かように考えます。
  24. 上林山榮吉

    上林委員 事務当局としてはその数については答弁しにくいだろうと考えますが、今準備されておる額は、この十億二千五百万円の三倍ぐらいになるかもしれぬとか、あるいは五倍ぐらいになるようには努力したいと思つておるとか、何かその辺の事務当局としての意見を持つておるかどうか。これは責任ある答弁でなくてけつうこであります。
  25. 小沢久太郎

    小沢政府委員 いろいろ個人的には持つておりますけれども、そこまで申し上げますと、いろいろ誤解を生じますので、後日に讓つていただきたいと存じます。
  26. 内海安吉

    内海委員長代理 お諮りいたします。大臣が見えましたから、その後の経過について報告を聽取したいと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  27. 内海安吉

    内海委員長代理 それではルース台風災実その後の対策についで、現在までとられた予算的措置並びにその他の対策について、野田建設大臣の御報告をお聞きしたいと思います。
  28. 野田卯一

    野田国務大臣 ルース台風が発生いたしまして、当初の報告では、ルース台風被害はさほど甚大でないように思われたのでありますが、その後追々参ります報告に上りまして、この台風が予想外に大きな被害を與えたということがわかつたのであります。そこでわれわれといたしましては、すぐにこの対策を講ずる必要があると考えまして、閣議にその対策を諮つたのであります。御承知のように本年度の予算におきましては、当年度の災害復旧費といたしまして八十億計上されております。この金の問題につきましては、この前この会議でも問題になりましたが、結論から申しますと、八十億の中からルース台風発生以前、すなわち九月末までの災害に対しまして四十五億出す。それから過年度の災害復旧に関連いたしまして、予算に三分の二の補助率で計上し、法律におきまして大体四分の三程度の補助率に相成つたという間の食い違いをどうするかという問題につきましては、これが大体二十億で、八十億の中から出すということにいたしておつたのでありますが、それが司会部との交渉におきまして十五億に削られた。そうするとあとつているのが二十億になるのでありますが、この二十億はルース台風災害に充当し得る金であります。ところが当時得ておりました情報のみによりましても、この二十億では今回の災害に対処することが困難であるということが認められましたので、足らぬ部分は、補正予算をこの臨時国会または次の通常国会に提出することにしたい、こういうことを諮つたのであります。なおそれに関連いたしまして、補正予算が出るまでの間、つなぎ資金を、例によつて資金運用部の金から出すということも閣議で決定いたしたのであります。  ただ問題は、この補正予算を出すことにつきまして、なお被害の金額がよくわかりませんので、大蔵大臣は留保いたしたのであります。しかしながら、つなぎ資金を出すという点におきましては、閣議で決定された次第であります。その後、私は閣僚諸公の意思及び総理等の御意見によりまして、内閣諸公が国会中で出かけられませんので、代表する意味におきまして、現地に出向きまして、親しく現地の知事諸君といろいろ問題を打合せるというわけで、西下した次第であります。すでに御承知のことと思いますが、二十五日には鹿児島におきまして、二十七日には山口におきまして、中夫と現地の打合せ連絡の会議を開催したのであります。中夫からは閣僚としては私だけでありますが、そのほかに、関係各省の政務次官が六名でありましたか出席されまして、また関係官が相当多数出席されました。現地側といたしましては、県知事並びに県の各部長、あるいは県議会議長等が出席されて、会議はきわめて真剣に、かつ盛会に行われました。なおこの会議には、自由党からも代表といたしまして、衆議院の松井豊吉代議士、参議院の宮本君が出席されまして、党と政府と一体としての会議が開かれたのであります。そこでいろいろな御要求がたくさん出まして、その席で応答のできることはただちに結論を申し上げ、なお解決のつかぬ問題は、東京に帰りまして、すみやかに政府なりあるいは党の内部でとりまとめて、強力に対策を講じようということに相なつたのであります。私は二十九日に帰京いたしまして、それから閣内及び党と連絡をとりまして、目下その対策を講ずるよう準備をいたしておる最中であります。  われわれが西の方に行つておる間におきまして、つなぎ資金が出されることになりました。これは先ほど申しましたように、閣議決定でつなぎ資金を出すということになつておりましたので、それに従つて行われたと思うのでありますが、何と申しましても、被害の金額等がはつきりつかみ得ないため、暫定的に十億程度のつなぎ資金が出されるものと私は考えております。またこのつなぎ資金の十億円の分配につきまして、いろいろ御意見もあるようでありますが、これは当時各県から集まりました報告をそのままただ見まして、大体それに従つて按分をいたしまして出したのみでありまして、精査された材料に基いておりません。従つて関係の向きにおきましても御不満な点もあるだろうと思いますが、これは單に第一次の——急いで出したつなぎ資金にすぎない。従つて今後出さるべきつなぎ資金によつて、その間のアン・バランスは是正されるものと御了承願いたいのであります。なお政府部内の災害対策といたしましては、昨日内閣におきまして、官房次長が主催いたしまして、各省関係官が集まつて災害状況並びに対策に対する意見等をいろいろと連絡いたしたのであります。私もその席に列席いたしまして、現地会議におきまして幾多の問題が提起されておる、それに対する中央の態度いかん、これからどう措置をとるかということを至急決定いたして、それを二、三日中にとりまとめてもらいたいということを内閣に申し入れておきました。内閣の方でも、できるだけ早くとりまとめて、これを政府の決定といたしたい、こういうふうに申しておる実情であります。大体今までの経過は以上のようでございます。
  29. 上林山榮吉

    上林委員 建設大臣の良心的な熱意のある答弁を得て、私ども災害地を代表する者としては大いに期待をしておるものであります。その線に沿つて緊急適切なる処置要望するのでありますが、当委員会大臣が出席していないところにおいて、私は災害対策に対する予算委員会での意見並びにそれにつけ加えた意見要望いたしておきましたから、事務当局ないしは速記録を見た上で、ぜひともその線に沿つて積極的なる対策を講じてもらいたいと考えるわけであります。  それからただいまのつなぎ資金の問題でありますが、不公平であるということはだれが見てもわかるでありますから、この点は第一次の分として是正を急速に願いたい。さらにまた総額においてもわずか十億円ではだめであるから、できるならば五、六十億円のつなぎ資金を出してもらうように、ぜひとも要望したい。こういうふうに申し上げて、本日は大臣に対してはこれ以上の質疑は試みません。  次に住宅局長から住宅問題に対する説明がありましたので、これについて私少しく要望を加えて質疑を試みたいのであります。今度の台風は風が強く、場所によつて高潮がひどく、また場所によつては雨量が多といいうわけで、非常に住宅災害は今までにない災害であります。これをキジヤ台風で大阪府がどのくらいの被害を受けたかということと、わが鹿児島県だけの被害を比べてみますと、大阪府は全壊流失合せて九千七百戸程度であります。鹿児島県は一県だけでも一万三千数百戸の全壊と流失、こういうようになつておりますので、いかに住宅問題に対しては、今度の災害がひどかつたか、ルース台風の一性格を表わすものだと考える意味において、住宅対策は今までのわく、あるいは考えにとらわれずして相当思い切つた処置を講じてもらわなければ間に合わないと考えるので、厚生省所管の仮設住宅に対しても今まで一割程度であつたものを、われわれは三、四割の要望をしておるのでありますが、現段階できまつたのは大体二割程度であるようであります。これなどもせめて三割程度以上に仮設住宅の点を考えてもらう。これは直接には建設省の所管ではないが、安本の事務当局もおられるので、この席上でこの問題をまず要望申し上げます。  さらに建設省の所管として申し上げたいことは、公営住宅法による第二種の公営住宅、これは法律の義務は災害住宅の三割までは予算を勘案してやらなければならぬことになつているようでありますが、今ただちにできる処置としては、三割はぜひともこれを実施してもらわなければ、被害の大きいところは間に合わぬ。場合によつては私どもは当委員会及び国会の承認を得まして、第二種の公営住宅を五割程度くらいまではこの際建てることができるような処置要望したいと考えておるのでありますが、これらに対する関係省の意見を伺つておきたいのであります。  さらに住宅問題を一括する意味において次に申し上げたいことは、住宅金融公庫のわくの活用であります。これは聞くところによると、住協会ができ上つておれば特別の扱いができる、こういうことになつておるようでありますが、これらの問題についても、住宅政策の大局的な立場に立てば、大都会とか、あるいは戦災都市とかいうような方面に振り向けられなければならぬのでありますけれども、今度の災害は、戦災を受けた上に災害を受けておるという地方もあるしかも非常に流失、全壊の家屋が多いという点からかんがみて、これらの活用をある程度修正を加える、こういう気持でやつてもらわなければならぬというふうに考えておりまするが、これは直接には住宅公庫の責任でありますけれども、並行して政府の責任もあるわけでありますので、この際住宅政策に対する一歩前進した、従来の考え方にとらわれないところのやり方をしてもらいたいという意味において、関係当局答弁を求めたいのであります。
  30. 大村巳代治

    大村説明員 ただいま上林委員の御質問、まことに私ども住宅行政を担当する者といたしまして、啓発されるものがあると思います。この住宅災害河川その他の災害と比べまして、個人所有の被害が多いわけであります。それだけに国の補助の手がなかなか行き届かないわけでございます。抜本的の対策といたしましては、何か災害保険制度の確立というような問題もあると思いますが、これはまだ局内で研究中でございまして、今私見を述べるまでに参つておらないのでございます。  仮設住宅につきましては、厚生省と十分連絡をとつておりますので、御意見通りなるべく大きな数字にして、地方が潤うようにいたしたいと考えておる次第であります。  公営住宅につきましては、ただいまお話もありましたが、対象が賃貸になつておりまする関係から、建設費の問題などで府県、町村の当局が相当に手間取りまして、先般の七月の台風の場合の分も、最近にようやくきまつたのであります。現在の法律としては相当に研究の余地があるように思われますので。今後十分研究を続けて行きたいと思います。  それから金融公庫の個人融資の問題でございますが、これは大臣災害地にお出かけになる前に、金融公庫と連絡をおとりになりまして、積極的に出せる線をお打合せになつておられたので、公庫の当局もその覚悟でおります。今の賃貸住宅を、公益法人の府県の別働隊にやらせる方法は、かつて山口県の方で実施しておりました。現在災害地でそれがございますのは、山口県と広島県と福岡県の三県にしかございませんので、なるべく各府県にそういう法人をつくりまして、この線を強く進めて行きたいと考えております。
  31. 上林山榮吉

    上林委員 住宅局長時宜に適した思いやりのある対策を熱心に考え、しかも実施しつつあることに対しまして、われわれ大いに期待をしておるところでありますが、先ほどから申し上げる通り、あまりにも流失家屋や全壊家屋がはなはだしく多いために、現在学校等にこれらの罹災者を収容しておる。あるいは住むに家なくして、單なるさしかけをして雨露をしのいでおるというような災害地のみじめさを見ておりますると、事務当局には事務当局の責任があるので、いろいろ順序をふんでやらなければならぬ点も了承できますけれども、それではあまりにも対策が生きていないような感を私ども受けるので、この上とも今までの行きがかりにとらわれないで、急速にこれらの問題を解決せられるように、特に私は要望いたしておきたいのであります。  第二点といたしましては、住宅公庫の特別処置についても、立法をするなり、立法をしないでもできる今までの便法があるならば、それを急速に慫慂いたしまして、これが善処をしていただきたい、こういうふうに私要望をいたしまして、住宅の問題についてはこれ以上質問をいたしませんが、少くとも緊急なる処置をひとつ願いたいと考えるわけであります。  次に、この際住宅の問題について建設当局が御指導にならなければならない点は、わが日本は台風が多い。あるいは地震が多い。こういう点から考えまして、私はせめて公営住宅とか、あるいは住宅公庫の扱う住宅とか、あるいは学校建築とか、その他の公共建物の建築とかいうようなものは、まず建築の技術的指導をしてもらわなければならぬのではないかと考えます。ある程度はやつておられるようでありますが、なかなか不徹底であります。そういう場合に、改良した住宅をつくらせる場合は、不燃住宅の補助と同じような意味で、部分的な改良、たとえば單に柱とかそういう部分的な改良の点だけでも、省令住宅というような意味で、堅牢なる住宅をつくつて行くような省令をあわせて考えて行かないと、これも結局国費の濫費に終つてしまうということになりはしないかと思いますので、これを希望として申し上げておきたいのであります。  住宅の問題はこの程度にいたしておきまして、関連質問があるそうでありますから、しばらく中座したいと思い  ます。
  32. 淺利三朗

    淺利委員 今の災害住宅の問題でありますが、先刻仮設住宅について政府において相当の計画があるように伺つたのであります。ここに私は伺つてみたいことは、先刻住宅局長の御意見のうちに、住宅は個人に対する利益の補助であるからというような意見がちよつとあつたように思います。しかしながら、なるほど個人に対する補助にはなりまするけれども災害というものは、これは個人の予期しないところのものでありますから、従つてこういうものは国家が救済するということは当然に考えていいはずと思うのであります。農地の崩壊の場合におきましても、やはり個人の利益に関するものでありますけれども、これを国家の力をもつて回復させてやらなければ、日本の食糧の増産なり、農業生産の増強はできないということは当然であります。でありますから、災害におけるところの住宅の問題は、一時的の仮設住宅だけでは満足ではないのであります。現に先年の関東及び東北の災害の場合における仮設住宅の実例を見ましても、例を一関にとりますれば、あのとき千何百戸の仮設在宅をつくつてもらつたのでありますけれども、しかしながらこれは商店街の流失、崩壊に対して山手に仮設在宅をつくつたのでありますから、とうていそこに長く住んで商業を営み、元の生活に復することはできないのであります。従つて自然にやはり商店地にもどつて来なければ生業の基礎ができない、こういう実情にあるのでありますから、そういう場合においては、どうしても個人の基礎の住宅を建てるということに対して政府が援助をしなければ、目的は達せられぬのであります。そうでなければ、国費をただいたずらに濫費するという結果になるのであります。でありますからむしろ災害住宅の補助というものは政府は別個にお考えになつていいじやないか。ことに今の公営住宅のごときは、現在における全国の住宅の不足に対応して、これを基準として計画を立てた、しかるに今回の災害のごときは、さらにこれにプラスしたものであろ、このプラスしたものを既設の公営住宅費のうちからとりさいてそちらにまわすということになれば、既設の計画が達成できない。また住宅公庫の建築にいたしましても、既定の計画では現在の需要に応ずるということが主でありまするから、新たに加わつたところの災害の問題をこのうちからさくということであつては、何年たつてもその計画は達せられないということになると思うのであります。でありまするから、政府においては、災害の場合における住宅に対しては、特殊の補助、特殊の支出をするというところの根本的の計画をお立てになるお考えがあるかないか、その点について大臣なり主務局長から御意見を承つておきたいと存じます。
  33. 大村巳代治

    大村説明員 先ほどの上林委員の御質問から御答弁いたしたいと存じます。災害の実情を建築労災課長から聞きますと、終戦後二十一、二十二年ごろに応急的に建てた建物が一番被害がひどいようであります。最近に建ちましたものほど被害率は減少しております。特に住宅金融公庫の融資でもつて建ちましたのは、府県でその検査に参つております関係でございますか、非常に災害率が少うございまして、わずかに一件しかないというようなことであります。この面から行きましても、建築基準法を地方にまじめに実施して行くということが、今後の災害防止上に非常に効果があるものと思われるのでございまして、先ほども申し上げましたように、ただいま鹿児島県並びに熊本県から、建築基準法の緩和につきまして、仮設物に対しての緩和規定を施行したいという電報がございましたものですから、大臣に御相談いたしまして、反面防災対策を十分指導するようにという電報を打つて現地の係官に特に注意を與えたような次第であります。次に淺利委員の御質問でございますが、先ほど申し上げましたのと多少御意見が違つたようでございますが、過去の実情としまして、個人住宅災害は、私有財産なるがゆえになかなか国がめんどうを見られなかつたということをあわせて申し上げたつもりでございました。公営住宅法に関しまして、個人の住宅の面まで強く見て行くかどうかということにつきましては、また十分に研究して、私ども意見をまとめたいと存じておりますが、お力によりまして、昨年から金融公庫ができておりまして、特に災実の場合には、従来の抽籤などのことをせずに、優先的に貸付をやる道を開いておりますので、極力この線で指導して行きたいと現在は考えておるわけでございます。
  34. 淺利三朗

    淺利委員 現在の線で考えて行くということでは不十分であるから、今のようなことを申し上げておるのであります。今のようなことであつたならば、現在の日本の住宅の不足はどれだけある。これを基準として、何箇年かの計画によつて公営住宅なり、あるいは住宅金融公庫法によつて幾らかでも回復して行こう。こういう計画に、今回のごときあるいは大火災のごときで、突如としてたくさんの住宅が滅失するという場合を考えれば、その都度都度、その増加したものに対して対策を考えて行くということでなければ、いつまでたつても所期の目的は達しないではないか。であるから、今のような災害の場合には、特にその特殊の災害復旧のために、農地の回復を補助すると同様に、住宅の回復についても考慮すべきではないか。個人の財産であるけれども、個人の財産が全部滅失した場合においては、国家が共助的の考えから見て、これに対して何らかの補助を與えて、その回復をはかるということが、国家的に必要ではないか、これに対して政府は何らかの対策を考える意思がないか、こういうことを伺つたのであります。局長で御答弁がむずかしければ、大臣からこれに対して御意見を伺いたい。
  35. 野田卯一

    野田国務大臣 淺利委員の御意見ごもつともと思います。私はこの間から災害というものにつきまして、災害と、それに対する復旧あるいは備えということをいろいろ検討してみたのであります。家屋の場合は、工場でありましても、個人の住宅でありましても火災という災害に対して、火災保険が発達して、ほとんどそれでカバーされたおるようであります。風水害というものに対して、どういう措置がとられておるかということを調べてみたのでありますが、風水害につきましては東京海上、安田火災という二つの会社で風水害保険というものをつやておる。これは保険料は、保険金額に対して一・五%かと記憶しておりますが、そういう制度がある。私はその制度のあることを知らなかつたので、そういう制度のあることを知りまして、けつこうなことだと思つたのであります。しからばどれだけやつておるかということを調べましたところ、件数は五百件くらいで、金額としては五、六億という程度です。どうしてそんなに少いかということを調べてみますと、会社といたしましては、あまり歓迎しないのじやないか、特に災害の多いような土地、たとえば鹿児島県、宮崎県、高知県というようなところで、建物を風水害保険にかけるということになりますと、百分の一・五という保険料で引受けるかどうか、引受けにくいんじやないかというような点もあつて、ともかく実際上の問題として、制度があつても活用されていないような状況になつておるのであります。これにつきまして、私はほんとうに真剣に考えなければならぬと思つております。  同様なことは漁船にもあるのでありまして、漁船保険というものがあつて、漁船はそれによつてカバーされるはずになつておる。ところが、この間も四国、九州に行きまして、各県で聞いてみますと、漁船に、漁船保険という制度がありながら、それに入つておるものは五%、多いところで七%くらいしか入つていない。あとの漁民の九割何ぼというものは裸でおる。従つて今度のような風の激しい場合には、船をとられてしまつてあと何にもないという状況になつておる。でありますから、やや似ておるようなケースでありまして、個人の住宅の場合漁師の漁船のような場合、保険制度がありながら実際は利用されていない、こういう場合にどう対処して行くかということにつきましては、いろいろ検討して何とか対策を講じなければならないと思つておりますが、まだこうしたらいいというところまで行つておりません。御趣旨の点は私よくわかつておりますので、至急研究を進めて何とか考えたいと思つているのであります。
  36. 淺利三朗

    淺利委員 今大臣のおつしやる通り、保険の制度はこれはごもつともですが、実はこれは私ども前に研究したのですが、この水害保険は水害の危険のあるところだけは入るけれども、危険のない人は入らない、そうするととうてい多数の協同の力に上つて助け合うというような保険制度が成り立たぬというのが今日までの現況なのですから、そういう場合においてはどうしても国家的に考慮をめぐらさなければ現実の窮状は救えないということになりますから、もう少し政府においてもこれに対して御検討を願いたいと思います。
  37. 上林山榮吉

    上林委員 ただいまの住宅問題と関連しまして、住宅の保険あるいは漁船の保険等の問題が出ましたが、これも一つの方法であるので、これが活用できるような制度に改めて、善処してもらうという意味で私は了としますが、とりあえず現在の公営住宅予算あるいは住宅公庫の予算を活用する、そうしなければ間に合わない、これが一点。  さらに第二点としましては、これは大臣等の意見も、あるいは安本の意見も徴さなければならないのでありますが、近く出される補正予算の中にそういうような予算を組むように努力をしてもらいたい。これが第二次的の最善の処置である、実際的なやり方だと考えますので、これに対する意見を伺つておきたいのであります。
  38. 野田卯一

    野田国務大臣 公営住宅の第二種公営住宅はぜひやりたい、またやらなければならぬ性質のものでありますが、これに対する予算補正予算の中に入れたいと思つております。  なお住宅金融公庫の融資でありますが、これはただいま御審議を願つております補正予算の中に六十億資金をけやしまして、昨年は百五十億でありましたが、今年百六十億になつたのでありますが、そのうちの十億をとりあえず今回のルース台風のために向けたい、この点につきましては淺利委員あたりからおしかりをこうむるかもしれませんが、緊急な措置としては、今すぐそれに手を打つておりますから、それでしのぎたいと考えております。
  39. 上林山榮吉

    上林委員 住宅等の問題についてはこの程度にいたします。  次に私は、補助の対象にならない一般的な金融の処置についていろいろ政府要望しておるのでありますが、安本として補助の対象にならない一般の災害に対する金融の処置をどういうふうにしつつあるか。さらにまた建設省所管の同種の問題に対していかなる手を打ちつつあるか、この点も補助の事業と同様、それ以上に真剣な問題でありますので、この際伺つておきたいと考えます。
  40. 小沢久太郎

    小沢政府委員 実は安本で取扱つておりますのは公共事業の対象になるものでありまして、そのほかの、公共事業の対象になつておりませんものは大蔵省その他各省の問題ではないか、そういうふうに思つております。
  41. 内海安吉

    内海委員長代理 上林山さん、この際大蔵省主計局の主計官佐竹さんが来ておられますが……。
  42. 上林山榮吉

    上林委員 私は安本ないし建設大臣にただいまの金融の問題について質問をしたのでありますが、これは政府を代表するような意味で答えてもらいたいという意味もあつたのであります。幸いにして大蔵当局が見えておられるそうでありますので、その計画なり構想なりをこの際伺つておきたいと思います。
  43. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 ただいまの上林委員の御質問は、財政補助以外のもろもろの家屋その他施設に対する金融措置がどうなつておるかという御質問であつたと思いますが、私は今委員長からお話がございましたように、主計局の予算を担当いたしておりまして、金融問題は実は私の方の関係でないのであります。もし御必要がございましたら、銀行局その他それぞれ係を呼んでお答え申し上げたいと思います。
  44. 上林山榮吉

    上林委員 どうもどの方も答弁を回避されるようでありますが、またこれは一面無理もないと思いますので、この問題は、たとえば国民金融公庫の問題をどうするとか、あるいは農林中金の問題をどうするとか、あるいは商工中金の問題をどうするとか、あるいは資金部の預金をどうするとかいうように、つなぎ資金と同様相当重大な関心を持つておりますので、その他の主管局長なりあるいは次官なりからこれらの問題について適当の機会に答弁をしてもらうという意味において、これを留保しておきたいと思います。その点を大蔵省の事務当局で連絡をおとりくださるようお願いいたしておきます。  そこで私が建設大臣及び目黒河川局長要望を兼ねて質疑をしたい点は、劈頭にも申し上げました通り、今までの災害復旧を見ると、かねがね建設当局も漏らしておられたように單なる復旧であつた、これでは復旧にならないのだ、だから改良を含んだ程度の復旧をやらなければ、ほんとうの復旧にならずして、結局は国費の濫費になるのだ、この点政当局はなかなかわかりにくい問題であります。でありますから、この問題については、どうしても現業庁なり現業省から財政当局に熱心に要望してもらわなければならぬのでありますが、この点に対してどういう見解を持つておられるか、幸い委員会の席上でこれを承つておきたいという点が一点。  第二点は、劈頭に私が要望した一項目で、少し大きな問題になりますが、災害特別助成法というような、名前はどうでもよろしいが、思い切つた法的処置を講ずる必要がこの際ありはしないか、こういう問題について建設省その他で研究されておるならば、その構想の一端を参考に承つておきたい。われわれもこういう線に向つて国会として研究を進めたいと思つておりますので、そういう構想があるならばひとつつておきたいと思いをす。
  45. 目黒清雄

    目黒説明員 災実を原形復旧のみにとどめて、また災害がありますとさいの川原になるというのは、われわれもたびたび経験しておりますので、これに対して改良を加味しなければならぬという考え方は持つております。ただ現益の法律におきましては、原形復旧と超過した工事との間には、補助率に差があるのであります。そこでこの手数が——計算が非常にやつかいなために、往々にして現地の方ではその取扱いをとらないということのために、こういうことでやつておる場合が多いのであります。従つてわれわれとしては、多少煩雑な手数でありますが、極力それを勧めて参りたいと考えておるのであります。ただもう一つ考えていただかなければならぬのは、災害と申しましてもピンからキリまであるのであります。そこでどうしても改良を施さなければならぬという工事は、やはり全体から見てその皆後地が、相当経済的にも価値があるという認定がなければ、そこにむだな金を使う、あるいは国費の濫費というそしりを受けないとも限らないのでありまして、われわれはできるだけそういう線に沿つて厳選しました河川につきまして思い切つた仕事をして、再び災害は起さぬということをやらなければならぬと考えております。そういたしませんと、ただ災害費が増大するのみでありまして、結局それに予算が伴わない、すべてが不満是な姿に持つて行かれるというような形になりますので、そういうふうにして参る。たとえば今度の災害におきまして、海岸堤防が相当やられております。しかもこれが幹線道路の保護というような場合におきましては、こういうものは少くとも再びこわれぬものをつくらなければならぬと考えておりますが、山村僻地の原始河川の一部でありましたら、その一部を直したところでその河川全体としては効果をなさない場合があります。この場合、そこがこわれたら再びこわれぬような思い切つた仕事をすることが、はたして国費を正当に使つておるかどうかという心配がありますので、この辺のところをわれわれは見きわめをつけて行かなければならぬと思います。
  46. 内海安吉

    内海委員長代理 上林町君にちよつとお聞きしたいの九が、先ほど、予算委員会における質問応答の中に、災害復旧は従来建設省において五箇年計画をもつて対策を講じておられたものを、今度二年ないし三年の間にやりたいということを言明された、というお言葉がありましたが、その通りですか。
  47. 上林山榮吉

    上林委員 予算委員会において、われわれは過去の経験にかんがみて、災害復旧を急速にやらなければ意味をなさない、だから二年くらいの程度でこれを完了するようにということを強く政府要望した。その結果、今までの五年はあまり長いから、せめて三年程度でこれが完了するように努力をする、それがまた最も必要な方法であるという意味において確約を得た、こう申し上げたわけであります。
  48. 内海安吉

    内海委員長代理 それは建設大臣ですか。
  49. 上林山榮吉

    上林委員 建設大臣です。
  50. 内海安吉

    内海委員 代理 この問題は、建設委員会としても最も重要な問題でありますので、予算委員会と重複してもさしつかえありませんから、ちようどいい機会でありますから、この問題に対する大臣のお考えをこの際承りたいと思います。
  51. 野田卯一

    野田国務大臣 私は災害が起るたびに、災害を防止する抜本的な方法を講ずる必要があるということを皆様方から承るのでありまして、私まつたく同感であります。この災害を防除するという点につきましては、技術的な面と財政的な面とあると思うのであります。技術的な面と申しますのは、たとえば防災のダムをつくるとか、あるいは砂防工事をするとか、あるいは山林を強化するとか、あるいは必要箇所の河川改修か、いろいろな問題がある。また海岸堤防等ももちろんでありますが、そういうこともいたさなければならぬということであります。財政的な問題といたしましては、最近の実情を見ますと、災害復旧費というものが長年にわたつて、五年とか六年とかにわたりまして少しずつちびりちびりと出されるわけであります。これでは災害復旧ということは、本格的にすることができません。過去の例を見ますと、戰前におきましては、災害復旧費というものはその年かあるいは翌年には全部出して、そうして災害復旧をいたしておる。従つて災害の頻発ということもある程度防げましたし、また起りましでもその災害を小規模にとどめることができた。ところが最近におきましては、予算がそういうふうに区切られて出されますのでその年にはごく一部分しかできない、あるいは非常に暫定的な、脆弱な措置しかとれない。そこに持つて来て、またあくる年に災害が起る。そうしますと前の年の災害の手当が非常に不完全、あるいはやつてないということで、またそこに災害が起るということを繰返している。でありますから私は、今後の抜本的な財政上の対策としては、できるだけ早、く、昔のように災実が起りましたなればその復旧を当年か翌年にわたつてつてしまうようにしなければならぬ、こう思うのであります。しかしながらただいまの財政事情では、それをただちに実行することは困難であろうと思われるから、少くとも三年ぐらいの間にはこの災害復旧するようにいたさなければならぬ、こういうふうに考える。その割合も、前からいろいろな方面で研究された割合でありますが、災害の起りましに当年におきましては約三割、第二年におきましては五割、その次の年におきましては二割、この三、五、二の割合によりまして災害復旧するように極力努力したい。これは私のみならず建設省全体、あるいは自由党の方々もまつたく御同感であろうと思いまして、この線に沿つて強力に災害復旧予算を確立するという方向に向いたいということを申し上げたのであります。
  52. 内海安吉

    内海委員長代理 ぜひとも大臣に御努力を願います。  次に村瀬君。
  53. 村瀬宣親

    村瀬委員 建設大臣に前回の委員会でいろいろお尋ねをして未解決の問題があつたわけでありますが、先ほどの御答弁の中に、前会にいろいろ論議の闘わされた予算編成の技術関係から食い違いを生じておつた分は、すでに司令部の方からも認められて処置がついたという御説明であつたが、もう一応八十億円のいわゆる予備費の内訳をはつきり伺つておきませんと、これは来年度予算にもたちまち影響のあることであります。また本年度の災害復旧にもすぐこれが響いて行くのでありますから、もう一度はつきり伺いたい。
  54. 野田卯一

    野田国務大臣 あの点につきましては、政府としても愼重に考慮いたしまして、当初われわれといたしましては、補正予算においてあの金額を出したいと考えておつたのでありますが、大蔵当局希望もあつたりいたしまして、九月までは大きな災害ルース台風などというものは予想されておらなかつたわけでありますから、あの八十億のうちに多少余裕が生ずるであろうということで、あの中から十八億ないし二十億程度の金を出そうということにいたしまして、そうして閣議でこれを決定いたしました。それを司令部に持つて行きましたところ、司令部におきましてはそれに対し多少いろいろな意見が出ました。その交渉には直接私は当つておりません。直接には安本長官が当られたのでありますが、安本長官のお話を聞きますと、二十億についていろいろ論議があつた結果、遂に最後には、五億だけは相当の災害が起るかもしれぬから残せ、十五億だけは認めるが、五億は年末までに災害が起るかもしれぬからそのために留保すべしということで、十五億だけに押えられて認められたというふうに私は聞いておるのであります。
  55. 村瀬宣親

    村瀬委員 これは来年度の予算も、どうせ五百億になりますか、大百億になりますか、そのうち来年度に起るべき災害に対して、予備費的な名のもとに百億置いておくか、七十億置いておくか、そういうことが行われると思う。そのときにまた今年度のようなことが繰返されると思うので、念のためはつきりいたしておきたいのでありますが、結局そういうことに決定になりました根拠は、野田さんは絶対量が、本年度実際起りましたルース台風も含めて八十億で余るという結論のもとに、あるいは結論というよりもそういうお考えのもとに、ただいま申された十五億を八十億の中からあの予算編成の技術上の食い違いの方に充当して参るということになつたのでありますか。その点をお伺いしたいのであります。
  56. 野田卯一

    野田国務大臣 その点につきまして、この予算の取扱い、支出の方法を政府部内において相談いたしましたときには、本年度は災害が十月以降起らぬだろうという気持に立つてやつたわけであります。
  57. 村瀬宣親

    村瀬委員 結局今年八十億では絶対値が不足する、その不足する中から十五億をともかくもとるということになつたといたしますと、こういうことはよくないのであつて、来年度からそういうことをしてもらうと、予算をせつかくつくつておいても、またその中から今年はないだろうというので見込みをとつておいて、またそれがふえると補正予算を当然しなければならぬ。これは最後に補正予算がたくさんできるならばどつるでもよいわけでありますが、せつかくそういう約束のもとに予算ができ上つた場合にそういう運用の方法は非常に困ると思うのであります。  そこで、先ほど第一回に十億二千五百万円のつなぎ資金が出されたというのでありますが、これは毎年のことでにあるし、今年も、すでに前回もやつたことなのであります。この金額の算出の基礎は、災害額にかかわりなく、單に預金部資金の都合だけで十五億円出そう、十七億円出そうということがきまるのでありますか、あるいは建設省の方からこれこれはほしいという災害額に応じた何パーセントかを出すというのでありますか。先例と今回のきめ方の基準を承りたい。
  58. 野田卯一

    野田国務大臣 私はこう解釈しておるのであります。今回の十億円のつなぎ資金を出したのは、私が不在中でございました。政府を代表して現地視察に行つておる間に起つた事柄でありまして、これは普通の考え方からするなれば、閣僚代表の野田が行つおおるのだから、野田が帰つて来てから話を聞いてつなぎ資金を出すというのが、従来の態度だつたと思います。ところが今度は政府はそういうなまぬるい態度をとらないで、一億でも二億でも早く出せば現地がそれだけ助かるのではないか、こういう災害に対する熱意によつて、われわれ代表が帰つて来る前に、とにかく少しでも出そうという意図から出されたものでありまして、数字の根拠は、積み上げたり、あるいはをとつておいて、またそれがふえると科学的に研究したというほどのもので補正予算を当然しなければならぬ。これは最後に補正予算がたくさんできるならばどつちでもよいわけでありますが、せつかくそういう約束のもとに予算ができ上つた場合に、そういう運用の方法は非常に困ると思うのであります。  そこで、先ほど第一回に十億二千五百万円のつなぎ資金が出されたというのでありますが、これは毎年のことでもあるし、今年も、すでに前回もやつたことなのであります。この金額の算出の基礎は、災害額にかかわりなく、單に預金部資金の都合だけで十五億円出そう、十七億円出そうということがきまるのでありますか、あるいは建設はなく、まずとりあえず出そう——この前のつなぎ資金は全体で二回にわたつて十二億ほど出ておりますが、今回は第一次として一応十億ばかり出そうということになつたのだと思います。そんなに深い数字的な根拠とか何とかいうものではないだろうと思つております。この点は御了承願いたいと思います。
  59. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は早く出していただいたのは非常にけつこうと思つておるのでありまして、またこれは次々に出してもらえると思いますから、この額が少いとか多いとかいうことは申しません。ただしかしここに十億二千五百万円と小刻みに五百万円まで刻んでありますので、これは何らかの基準によつて出したのであるか。またただ急いで大づかみで預金部資金の帳じりにこれだけ余つておるから、これを出そう、その御都合で出したのか。先例もあるし、今後の基準もあるし、どういう基準であるか承りたいのであります。
  60. 野田卯一

    野田国務大臣 これは單に各県からその当時まで集まつた災害の額を見まして、割りかけて出したのだと思います。それで端数が出たのだろうと思います。預金部資金はふところが大きうございますから、二千五百万円というものは、どちらにふんだつて影響がないのではないかと思います。
  61. 村瀬宣親

    村瀬委員 そういうことになりますと、第二回のつなぎ資金は大体いつごろ出るようになるのでありましようか。また各府県の査定は大体いつごろ終るお見込みであり、それらの額もどういうふうに決定になる御予定でありますか。
  62. 野田卯一

    野田国務大臣 つなぎ資金は今政府の方でも急いでおりまするし、自由党の方でも非常にお急ぎになつておる。今各省数字をまとめておりまして、できるだけ早い機会に出したいと思つております。それから予算の支出の基礎になります査定はやや精密に調べなければなりません。従つて従来災害が起りましてから二箇月ぐらいかかつておるのが例になつております。これは今回特に各省限りの損害査定を出さないで、大蔵省の係官と共同して調査をする。これはここだけの話でありますが、今まで各省で調べますと、大蔵省の目から見るととかく甘いとか、あるいは便乗だとかいうことを言いたくなるのが人情のようでありますから、今度はかんじんの大蔵省も入つて共同して調べて、これだけ損害が出たと言えばそう文句もないと思いますから、それを基礎にして考えて行く、こういう態勢を閣議決定で打立てたわけであります。それによつてやりますから、今までよりは多少時間がよけいかかるかもしれませんが、そのかわりあとの紛議は少くて済むのじやないかと考えております。
  63. 村瀬宣親

    村瀬委員 第一回の十億二千五百万円はある計数にかけたものであろうというお話でありまするが、そういたしますと第二回のものでも、出そうと思えばすぐに出してもらえるわけであります。これが査定がやや目鼻がついてから、その査定額にある程度基準を置いてということになりますと、第二回のつなぎ資金は相当遅れるはずであります。第一回の方式で出されるならば、いつでも査定後に訂正ができるのでまりますからすぐに出せると思うのでありますがすぐに、出していただけると了解してよろしゆうございますか。
  64. 野田卯一

    野田国務大臣 今数字をまとめておりますので、まとまり次第出したい。それからつなぎ資金を出すのは査定とは違うのでありまして、査定が一箇月ぐらいかかるとうのは、予算を出す基礎になる査定でありまして、つなぎ資金を出す査定というわけじやない。つなぎ資金は大体大まかなところで出すわけであります。この間出しましたのは大まかに出しておるのでありまして、今これから普通のつなぎ資金の出し方で、第二次を急いでおる、こういうふうに御了承願いたいのであります。なお出します際には、大づかみと申しましても、先ほどもお話があつたように、各県と県との間のことも考えなければならぬのでありまして、われわれとしては決して遅らす意思はありません。今でも晝夜兼行でその準備を進めておつて、一日も早く出したいと考えております。
  65. 村瀬宣親

    村瀬委員 先ほど上林委員の御質問に対して、重ねてここで災害復旧については三、五、二という比率で、三年以内にやりたいという御答弁を聞きましたので、建設大臣も私たちの持論でありまするその方針で進まれるということは非常に心強く感じたわけであります。そういたしますと二箇月かかつてルース台風の災実額の査定が終りますれば、その三割は補正予算に、きつちりとはいかぬでありましようが、大体おきめになると了解してよろしゆうございましようか。
  66. 野田卯一

    野田国務大臣 私は建設大臣として三割程度予算に計上するように、閣内において極力努力する考えであるということを申し上げておきます。
  67. 村瀬宣親

    村瀬委員 繰越災害が雪だるまのようにふえて行くということは、国土保全上から申しましても、自立経済の上から申しましても重大な問題でありまして、昭和二十三年の末に二百六十一億であつた繰越災害が、本年の一月には一千二十七億という厖大な数字で残つておるということはゆゆしき問題だと思うのであります。この点は極力努力するのはもちろんでありますが、実現いたしまするように、この繰越災害が年々少しでも減つて行くように、ぜひともこのルース台風補正予算から御努力が願いたいと思うのであります。  そこでこの災実額を減す方法は、むろん国費を多く投入するにあるのでありますが、いろいろな制約を受けましてとうてい思うようには行かないでありましよう。しかし地元といたしましては、だからといつて放任をしておくわけには行かないのでありまするが、この場合やむを得ず地元がとる方法に起債の問題があります。今度の補正予算に平衡交付金百億と、起債を百億とで二百億だけのものが出ておるのでありますが、先般地方財政委員会から、これでは足らぬ。もう百億の平衡交付金と、五十億の起債を許さねば、地方財政は保てないという勧告が出ておるのでありまするが、この起債に関する問題は、これは大蔵大臣の仕事だからといつて捨てておきまするならば、この災害はますますあとへ残るのでありまするが、これに対しまして野田建設大臣はどういうふうな働きかけをなさつておりまするか、安心の行くような答弁を承ることができれば仕合せだと思います。
  68. 野田卯一

    野田国務大臣 政府の方で、特に私の主管しております建設面におきましては、御承知の公共土木施設災実復旧事業費国庫負担法によつて全額まで行けるのでありまして、今度のルース台風によりまする山口県の今回の損害の大部分というものがおそらく国庫負担になるんじやないかと考えております。災害の多いところほど全額国庫負担になる率が多いということになります。しかしながらそれにいたしましても、地方負担も相当あるわけでありまして、それはやはり今日の財政状況では起債にまたねばならない部分が多いのであります。従来も災害復旧費地方団体負担分の起債というものは、優先的に認められておるのでありまして、大体大樹程度は、今まで認められておつたかと思います。今回のように災害を非常にたくさんこうむつた地方、たとえば山口県あるいは鹿児島県のようなところにおきましては、その起債の率といいますか、起債を認める率をもつと高率にして、全額認めるとか、あるいは九割認めるとかいうような配意が必要ではないか、かように考うえております。
  69. 村瀬宣親

    村瀬委員 起債は今優先的に認めておるという御答弁でありましたけれども、実際地方府県あるいは市町村へ行つて見ますと、そうなつておりません。各地方ともいろいろやりまするけれども、なかなか安易に認められないのであります。今八、九割認めねばならぬという御信念を承つたのでありまするが、どうかそれの実現いたしまするように、強力に、建設大臣としても御盡力が願いたいのであります。その次にこれは一般論でありまして、前にも私建設大臣に御質問申し上げたこともあつたのでありますが、簡單な御答弁しか得られなかつたのでありますが、こういうふうにルース台風通りましたあとをながめてみますると、ほとんど毎年同じところが台風にやられておるのであります。シヤウプ博士が全額国庫負担にせねば、この災害は收まらないという勧告をなさいましたのも、実はこれらの点を考慮になつたからであろうと思うのでありまするが、こういうことから考えてみまして、何らか特別の処置をこれらの地方、特に毎年々々災害に襲われる地方については、お考えになつておるかどうかという点であります。これに対しまして、私は災害基金制度というようなものをつくつて復旧資金の支出を円滑に、かつ早急にする必要はないのかということをお尋ねしたことがあるのでありまするが、これに対してきわめて簡單な御答弁しかなされておりません。むろん金さえあればやつてよろしいというのでありましようが、しかしこの今回の補正予算を調べてみましても、外国為替資金に三百億円とか、あるいはいつ参加できるか未決定の国際通貨基金や、国際復興開発銀行の資金を、二百億円も出しておるような状態であります。いわゆるインヴエントリー・フアナインスで五百億、六百億と出ておるのでありまするから、その気になれば、この災害基金制度というものは熱意と努力があれば必ずしも実現困難なものではないと思うのでありまするが、こういう問題について野田建設大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  70. 野田卯一

    野田国務大臣 実際上の問題といたしましては、当面われわれが努力すべきことは、災害復旧費をただいま申しましたように、今みたいに五年、六年とかからないで、三、五、二で三箇年くらいで出してしまう、こういうことが当面の問題としては一番必要ではないかと思います。しかしながら私は、財政処理の方針としては、それよりもう一歩将来は前進する必要があると思うのでありまして、災害が起りましたならば、その年といいましても、その途中に起ればその年にやるわけには行かないのでありますが、その年と次の年で片づけてしまわなければならないと思います。それから災害は御承知のように毎年来るといつても、来ないときもあるし、その分量がきまつているわけではないし、今お話のあつたような機関を設けまして、財政的にはコンスタントにこの機関に金を繰入れて行く。そうしてその機関からあるときは大きく出て行くこともありましよう。またあるときは出て行かないときもありましよう。災害が同じように毎年来ない。年によつて違うということを考慮して財政処理というものが相当コンスタントに行つた方がいいという調節のために、災実基金制度というものを将来の問題としては財政的にこしらえなければならない。こういう意味においてシヤウプ博士の災害基金というものは将来財政上の問題としては大いに考えなければならないと思います。
  71. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は大臣とは違つた意味で必要だと思うのであります。今の建設大臣の御答弁は不規則に災害が起つて来るから、平均化さすために基金を置く必要があるというお考えでありますが、むろんそういう点も必要だと思います。しかし私の申しますのは、同じ額のものが同じ地域へ来るというのではありません。災害額は異なりますが、地域的に見ると、ほとんど同じ府県に毎年々々災害が起つている。これは非常に大きくなれば、いわゆる規定の二倍を越えれば全額国庫で負担するのであるから、それでよいといえばそれまででありますが、その二倍を越えるまでの分はスライド制で地方負担をするのでありますから、その地方としてはたまつたものではないのであります。またその方法も現に今度の災害に対してもまだ十億二千五百万円しかつなぎ資金が出ていないという状態であります。理想として三、五、二でスムースに行けるようになるかどうかわかりません。行けたとしてもまだ七割というものがその年度には残るわけであります。そういう観点からいたしまして、その災害を受けた方の身になつて、早急に必要とする資金を出してもらつて、その災害復旧するという意味から、災害基金制度を必要とすると私は言うのでありますが、そういう点について国務大臣はどういうふうにお考えになつているか承りたいと思います。
  72. 野田卯一

    野田国務大臣 お話によりまして、御趣旨はわかりましたが、その御趣旨によりますと、災害を頻繁に受ける地方に対する対策という問題になると思いますが、それにつきましては今御指摘になりましたように、公共土木施設の災害復旧費の国庫負担におきましては、財政力と見合つて、その災害が非常に大きい場合には全額国庫負担にしていただけるようになつております。ところが、その他の施設、たとえば農業施設であるとか、教育施設その他のものにつきましては、こういう制度がまだできておらないのであります。いわゆる二分の一であるとか、あるいは三分の二というわけで、その災害の多寡いかん、あるいは財政力との見合いというものが全然とれておらない制度が残つております。私は他の制度につきましても、こういうふうに災実の頻発する地域におきましては、やはり経常的な態度を持たなければ、財政上困難じやないか、こういうふうに考えます。なお私はそのほかに平衡交付金を交付する場合におきまして、各県の割振りをきめる場合に、災害を頻繁に受けて財政上困窮しているという地域につきましては、平衡交付金の額をきめる上におきまして、十分これを参酌すべきである。そういたしますれば、そういう制度を併用することによつて、災実頻発県に対する財政的な相当の手当ができるのではないか、こういうふうに考えておるわけでありまして、お話の、あなたがお考えの災害基金というものはどういうふうに働いて、どういうふうに積み立てられるか私よくわかりませんが、災害の頻発する県に対する対策は、ただいま申し上げたようなところでまず行くべきではなかろうかと考えております。
  73. 内海安吉

    内海委員長代理 ちよつと村瀬さん先ほどの上林山君の大臣に対する質問は、あなたの御質問の本旨とひとしいような質問応答をかわされてある。それに対して災実特別助成法というようなものをつくつて、根本対策を講じようという答弁大臣がされているわけでありますから、その辺でどうでしようか。
  74. 村瀬宣親

    村瀬委員 それでは委員長のお話もありましたので、最後に一点だけ、全然災害と別の問題でありますが、今後の当委員会の運営に関する問題について伺つてみたいと思います。今度のルース台風が起りまして、われわれは非常に心配をいたしまして、当委員会といたしましても現地調査のために委員の派遣を決定したのでありますが、議院運営委員会でこれが中止と相なつたのであります。ところが政府の方ではあまり先例がないと思うのでありますが、今度は大臣みずからがその災害地まで行くことになり、山口福岡とへお出かけいただきまして、関係知事を招集されていろいろ事情を聽取された。ところが先ほど大臣の最初の御説明の中に、ちようど自由党からも行つたので、党と政府と一体となつて会議が開かれたというふうな御説明があつたわけであります。これは他の党も行つたのでありますか。そのときに各党が行つておれば、一緒の会議大臣はお開きになるおつもりでありますか。今度はたまたま自由党が行つておつたから、一体となつて会議が開かれたのでありますが、関係の県会議員とか知事とかは心配やらいろいろなことがあると思うのでありまして、一応これは先例にもなることでありますから、ひとつ承りたい。
  75. 野田卯一

    野田国務大臣 私は現在衆議院において絶対多数を占めておる自由党が災害対策に対して非常に熱意を持つておることを示すことは、民心に対していい影響を與えるというふうに考えておつて、将来もこの形を継続した方が、人心の安定並びに復興促進のために有益であると考えております。
  76. 村瀬宣親

    村瀬委員 私は一緒になつてつていただいてけつこうなんですが、つまりその場合に何党が行つても一緒に会議をお開きになるのか、あるいは各党が現地を心配して代表者を送つてつても、野田大臣としては自由党の代議士とだけ一体の会議をお開きになるのであるか。これは先例がないから、一応その御方針を承りたい。
  77. 野田卯一

    野田国務大臣 非常に御心配でございますので、申し上げますが、ほかの党の方も出席しておりましたということを申し上げておきます。
  78. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 もう一つ。もうほとんど他の委員が申し盡されたところでありますが、建設大臣は、先ほど、いわゆる三、五、二のやり方でやつて行きたいと言われた。これは従来から建設当局は考えておられて、それをやりたいという気持で今日まで進んで参つたのであります。ところが建設大臣が特にそれを強調されましたので、私ども建設大臣の熱意のほどに対しては敬意を表しております。ただしかし実際問題として、すでに補正予算、来年度の予算が組まれるときでありますから、建設大臣はただそういう気持で努力をしたいというふうに、私どもあとでおしりをとられないような御答弁でありましたけれども、実際問題としては私どもはでかしていただきたい。できるかどうか、この際さらに建設大臣のお気持を聞いておきたいと思うのであります。  先ほど安本の事務当局から現在一応報告されておる公共事業関係の大よその額が八百億、これはあるいは上まわるかもしれない。かりに八百億と査定し、二〇%減りましても六百四十億。その三〇%を二十六年度でやるということになると、百九十二億の補正予算をしていただくことになります。もちろんそれは公共事業費だけではなくてその他のものも入れておりますから、一概にこの数字が正確だとは申し上げません。概算で私は申し上げるのでありますが、百九十二億を復旧するとして、かりに国が三分の二を負担すると約百三十億であります。これだけの補正予算をされるお覚悟があるかどうか、かりにもし財政状態からやむを得ないとして五〇%といたしましても八十六億、約百億の補正予算を今年度においてやつていただかなければならぬ。これはただルース台風だけであります。その前に八月までに相当の災害復旧費がかさんでいる。これを今年度だけの災害復旧費を来年度、つまり二十七年度において五〇%やられるということになると、概算四百億の災害復旧費は二十六年災害の五〇%ということになります。さらに二十三年度災害が残つている。二十四年度、二十五年度の災害は来年度においては少くとも五〇%はやつていただかなければならぬ。そうすると、これは正確ではありませんけれども、約八百億の災害復旧費を二十七年度の予算に組んでいただく。それでなければ、皆さんは大臣の言うことを喜んで聞いておられますけれども、実現されない。聞くところによると、来年度の予算は八千四、五百億で押えたいというのが大蔵大臣のお考えのようであります。講和後の各種の経費がいるので、大体公共事業費は二十六年度の据置ができればけつこうである。場合によつては下まわるのではないかというのが現在の話である。その際に大臣は初年度三〇%、翌年度五〇%と簡單に言われましたけれども、私は大臣の考えを実行されることが日本の国のためになると思つております。でありますから今言われました言葉は私ども真剣に聞いておるのでありますが、そのくらいにやられる御決意があるのかどうか。ことしも四百億で日本の重大な災害を防ぐなどという兒戯にひとしいくらい簡單に予算を組んでおられる。自然増収が千八百億くらいあると喜んでおられますけれども、大体国庫補助の対象にならない農作物その他の被害を合せて千八百億くらいあると思います。その自然増収は、災害対策が不御底であつたがゆえに、全然御破算になつておるのがことしの現状であります。私はこまかいことは申し上げませんが、財政がきわめて苦しいのは間違いありません。すでに公共事業関係だけでも八百億の損害を日本は出しておる。そんなことで日本の経済自立などはとうてい考えられないと私は思います。災害を起さないようにすることが先決でありますけれども、すでに起つている災害でさえも防ぎきれない状態である。生産を増強しながら、それを上まわる損害を防いで行くということは、大臣に申し上げるまでもなく、大臣も自由党も全部そういう御意見であろうと思います。これは国民全体の意見であるということは、私は確信を持つておるけれども、それだけの政治が今日行われておらない。そこで大臣が先ほど言われましたことは、私は敬意を表して聞いております。私ほど言われたことは計数的に申し上げるとそういうふうになりますが、大臣はそれをやられる御決意があつてのことであるかどうかということを承つておきたいと思います。
  79. 野田卯一

    野田国務大臣 私は三、五、二ということを申し上げて、それの実現に閣内でもつて極力努力したいということをはつきり申し上げたのであります。数字の点についてはまだこれはいろいろ問題がありまして、私は今あなたのお示しの数字の内容についても多小疑問はあるのでありますが、計数のことは私申し上げません。申し上げませんが、ルース台風につきましては今申しました方針で進みたい。これにつきましては自由党の皆さんにおいても非常に熱烈にこれを支持して、是が非でも通したいという御意思でありまして、私は建設大臣として、その自由党の方方の気持と一致してこれを推進したいと考えております。建設委員会の諸公は政治力の多い方がそろつておられるのでありますから、自分でこれはどうだろうというような疑問を持つということでなしに、一致結束して火の玉のようになつて推し進めて行つていただきたいということを特にお願いしておきます。
  80. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 大臣の御決意を承つてどもも喜んでおります。大臣にはこれ以上何もお尋ねすることはありません。  次に小さなことのようでありますけれども、せつかく建設当局の方が見えておりますのでちよつと伺いたい。今度の台風は、先ほどからほかの委員諸公より論議の的となりましたように、特殊の台風でありまして、住宅その他の建築物の被害がきわめて厖大であります。この対策は先ほど論じられましたから、私はその点については触れませんが、今日まで私どもは建築物の不燃化ということを叫んで来たのであります。この不燃化というのは、ただ火事の災害中心に考えておつたのでありますけれども、火事よりも台風によつて受ける建物の損害の方が範囲が広いだけに厖大であります。不燃化ということは一つの言葉になつておりましたけれども、言いかえると永久工事の建物を建てなければ、台風の、また火災の、水害の、地震の損害を防ぐことができないということは言うまでもない。そこで先ほど毎年台風災害を受けるような所には特殊の方策を構じなければならないじやないかというりつぱな議論を承つて、ありがたいと思いますけれども、今日まで微々たるものでありますが、建設省が主となつて努力され、相当のいわゆる不燃建築、永久工事の建物が建つております。ところがこれはいわゆる不燃構造、不燃化ということだけでなしに、都市における住宅不足を考えてやつておられることは間違いないのでありますが、特にこういう台風が来る所は、いわゆる地方であります。私どもが経験するような台風は、東京ではほとんど経験されないというのが実情でありますが、今日までの実例では、永久構造のアパートなどは、地方には建たぬことが大体原則になつております。今度またマッチ箱みたいな応急住宅が建つといいますが、来年は必ずこれは飛ばされるにきまつている。でありますから、建設当局の方ではそういうことも考えてもらつて、将来台風による建築物の損害を防ぐという意味合いにおいて、今日までとられた方法と違つて台風が常に来るような所には不燃構造のアパートその他のものを建てるように方針をかえられるお考えがあるかどうか、この一点だけをお伺いしたい。
  81. 大村巳代治

    大村説明員 ただいまの瀬戸山委員の御質問でございますが、今回視察して参つた防災課長の話によりますと、災害状況は普通の土壁塗りの建物よりは防火構造にしたモルタル塗りの外壁の構造が非常に災害が少かつたというように聞いております。それから高潮の部分にもし耐火構造のアパートでもあつたならば、それから中側には災害が及ばなかつただろうというようなお話も聞いております。私ども現在やつております公営住宅は、本年は三割分だけ耐火構造の予算を認められたわけでございますが、来年はこの率を四割まで持ち上げたいという努力をしております。と同時に、一般建築物につきましても、路線的に防火帶を考慮しまして、耐火建築の助成をいたしたいというわけで、目下大蔵当局と折衝中でございまして、先ほども申しましたように、防災の点について今後一段と努力いたしたいと存じておるわけでございます。特に九州方面は風に対する被害という点で、普通の木造につきましてももう少し積極的に補強工作をいたしまして被害が大きくならないように努力いたしたいと思つております。
  82. 西村英一

    西村(英)委員 私はたつた一点だけ伺つておきたいのです。先ほど上林委員から海岸堤防の話が出たのですが、海岸堤防については前国会から法律案が出るというようなことでいろいろ問題があつたが成立しなかつた。しかしただいまも河川局長から今度の台風で非常に海岸堤防が荒れたというお話があつたのですが、海岸堤防については管理の点で非常にあやふやなところがあることは御承知通りです。おそらく今後海岸堤防復旧はどうなるか、またその所管がどうなつておるかということで査定官も非常に苦しみ、また実際直してもらわなければならぬ所あるいは直さぬでもいい所というものの区別が非常にあいまいになると思う。何とかこれについて法的な基準をつくつておかないと、その被害というものも見方によつて非常に大きな違いが出て来るし、また国費の非常な濫費にもなる。また実際直してもらわなければならぬ所は、これが農林省の所管であるとか建設省の所管であるとか、あるいは港湾局の所管であるとかいう奪い合いによつて容易にきまらぬという点もありますので、私は要望を兼ねて政府に海洋堤防の基準について御研究を願うとともに、何か成案を得たい、こう考えておるのです。河川局長等相当お考えがあると思いますが、今どういうお考えで進んでおられるか、その点をちよつと伺つておきたい。
  83. 目黒清雄

    目黒説明員 海岸堤防の法的基礎がありませんので、われわれの方では海岸堤防法を出してまとめて行きたいというつもりで、一応案をつくつて各省と相談したわけでありますが、結局主張が非常にまちまちでありまして、妥協の点まで参らなかつたのであります。そのために海岸堤防法がお流れになつたというのが実情であります。そこでわれわれとしては、建設省が今まで手をかけておつた、あるいは古い海岸堤防がありまして、その管理が個人の管理から国あるいは他の公共団体の管理に移つたようなものは建設省でやるべきだ、という主張をしておりますが、一方農林省では農林省として農地の保護をすべき海岸堤防はわれわれの方でやるというような主張がある。そこへもう一枚港湾が加わりまして、港湾区域内の海岸堤防は——港湾区域と申しましても非常に広いものでありまして、たとえば東京でいえば東京から横浜までは港湾区域に入るのでまりますが、港湾機能とは別問題の海岸堤防が存在することになるというわけで、なかなかまちまちであります。おそらく今度の災害におきましても、おのおの県の考え方としてこれは建設省の予算でとるべしと知事が考えたものは建設省になり、これは農林省の方がいいというものは農林省のものになるという結果になると思うのであります。ただ現在でははつきり建設省が責任をもつてやるという海岸堤防は、県費で支弁するというふうに知事がはつきりいたしたものは明らかに建設省がやつております。海岸堤防の過去の成立を見ますと、大体において個人がつくつたものが多いのであります。たとえば今度災害の起きました大分海岸堤防、これは過去において個人のつくつたものが多いと思うのであります。そういうものを国でなく、知事が重要なものであるからその管理に移すということに相なりますれば取上げることができると思いますが、その場合にこれを将来個人のものとして置く場合には非常に所管がむずかしくなつて来ると思うのであります。農地においてもしかりであります。農地の干拓の問題は、昔は大地主がおりまして、その地主自身の海岸堤防でありましたので、対象が地主の責任においてやつてつたのでありますが、農地解放とともに多くの小作人に土地が分割されて多くの人の利害関係に相なるということになりますと、その中で非常に面積の少いものは組合なり何なりの手でやつて、農林省が海岸堤防の保護をして行くという場合もあります。それから大きいものになりますと、県がその管理をするということになつて、建設省になるというようなことで現在やつておりますが、先ほど申し上げました通り、まだなかなか画然といたさないところがあります。この間の区域のわけ方におきましては、なおわれわれは折衝をしなければならぬと思うのでありますが、現在は知事の管理の責任において知事の力の入れ方においてきまつて来るというふうな状態であります。
  84. 西村英一

    西村(英)委員 これ以上河川局長にいろいろ詳しいことのお話をする必要はありませんが、大臣にお願いしておきたいのです。これは私は建設省の所管にしろ、農林大臣の所管にしろと言うのではありません。やはりある一定の基準をつくつて、ものによつては建設省の方のものもございましようし、農林省の方のものもございましようが、今度も海岸堤防が非常な災害を受けている。それのやり方によつてまた災害費が非常に違う。従いまして国全体として建設大臣建設大臣でありますが、国務大臣でもありますからとの調整をとつて、われわれ議員といたしましても何とか適切な基準を見つけて行きたい、かように思つておりますから、特に大臣にも御留意あつて立法その他の点につきましても、われわれも考えますが、これは前国会からも問題になつておりましたが成立いたさないのです。これには今言つた通り、深い各省々々の割拠主義があつたり何かするものですからうまく行かない。しかしそれは末端のことでありまして、やはり困るのは国民であります。従いまして何とかまとめたい、かように私は考えておりますから、大臣は特にこの点を御留意あらんことを要望いたしておきます。
  85. 内海安吉

    内海委員長代理 最後に建設大臣に承つておきたいのです。それは最近新聞やあるいはいろいろな報道機関によつて伝えられておるのですが、建設省の直轄工事に何か不正事件でもあるかのごとく報道され、さらに衆議院の行監委員会においてもこれを取上げ、そしてしきりと横、縦あらゆる方面から証人を尋問されておるというありさまで、それがまたただちに報道機関によつて、あるいはラジオ等によつてまでも放送されるということは、われわれ建設委員としてはなはだ遺憾に思うのであります。この機会においてそういう誤解を一掃するために、建設大臣の御所感をこの際承つておきたいと思います。
  86. 野田卯一

    野田国務大臣 建設省の出先におきまして、建設に関連いたしまして経費の不当支出があつたということにつきまして、新聞紙上いろいろ伝えられております。私の方で取調べましたところによりますと、出先におきまして経費の支出が会計法的に、あるいは予算関係の法規から見まして不適当であると思われるような事態があつたことは事実であります。しかしながらその動機、何がゆえにそうなつたかということをつぶさに検討いたしますと、係員が自分の私腹を肥やすとか、あるいは自分がぜいたくをするというような、私的な意味にその金が使われた例はほどんどないということは不幸中の仕合せだと思つております。どうして不当支出になるかということをよく調べますと、やはり現在の予算制度なり、あるいは予算執行上の取運び方、その他あるいは中央官庁のこれを担当する人人の仕事のやり方にも相当の責任があるのではないかと考えておるのでありまして、この点につきましては今後できるだけ実情に即するように取扱い等を改めまして、こういう事件の起ることを極力少くいたしたいと思うのであります。第一線に立つて事務を担当しております者は、災害を目の前に見ておりますので、できるだけ工事のやりやすい期間に、また再び台風が来ない先にやりたいという責任観念に燃えておるわけでありまして、その責任観念に燃えた結果、予算上は一応不当になることをやる、あるいは惡い言葉ですけれども一種のごまかしをするというようなことになるのでありますが、この点は情状において非常に了とすべきものがあるのでありまして、こういう人が検察当局に検挙されましても、大体において不起訴になつてしまつておる。これはその本人に惡意があるとか、あるいは私的なたくらみが全然ないということに帰属するのでありまして、私はこれを会計法上、あるいは予算の執行の面において改善を加えて、その絶滅をはかりたいと考えております。もちろん正しくないことをした者につきましては、官吏としては不正なことでありますから、嚴重にそれぞれ責任をとるような手段をとつておるのでありますが、事実はそういうようなことであります。
  87. 内海安吉

    内海委員長代理 建設大臣に最善の努力を要望いたします。  本日の会議はこの程度といたします。なお来る二日午後一時より会議を開きまして、河川総合開発に関する件を議題とし、建設大臣並びに河川局長より御説明を聽取したいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時九分散会