○
上林山
委員 今度の
災害は、御
承知のように今まで一番大きいと言われてお
つたキジア台風の場合などよりも非常に
被害が甚大であるということで、
国会開会中にもかかわらず
各省政務次官を初め
事務当局の方が
現地にさつそく参りまして、真剣な
調査をしていただいたということは、
災害地の
復旧対策はもちろんのこと、志気の上に非常なる好影響があつたと、私
ども被害地を代表する議員として、当
委員会の席上をかりて私謝意を述べると同時に、今後の
対策について多くの期待を持つものであります。
そこで
委員長を初め
委員諸君に
要望したいことは、今までの
災害でさえも衆議院内に
特別委員会をつく
つて、これが
善後処置についていろいろ努力をして来た事実にかんがみて、できるならば私は
議会に
特別委員会を設置したいという熱心なる
希望を持
つております。けれ
ども屋上屋を重ねてもいけないということもありますので、当
委員会全部が
特別委員にな
つたような気持で、今後
災害の
復旧その他の問題について御善処が願いたい、こういうような
希望を持つものでありますから、その
意味合いにおいて今後
諸般の
処置について積極的な御
協力を
要望したいと考える次第であります。
そこで私は、
予算委員会において
大蔵大臣、
建設大臣、
文部大臣等に対して、
ルース台風を
中心とする
諸般の
法律的処置ないしは
予算の
処置についていろいろと強く
要望して来たのでありますが、ここで
安本長官並びに
建設大臣が見えないけれ
ども、私はまず
政府及び
委員会に対して、私
どもが一番
希望しておる問題あるいは明らかに
なつた問題を御
報告申し上げまして、これが
対策に十二分の御
協力を願いたいと思うのであります。今までの
政府との
質疑応答のうちで明確に
なつたことは、間に合えば今度の
議会、間に合わない場合でも、おそくとも
通常国会の
勢頭に
補正予算を組むという
財政当局及び
建設大臣等の明確なる
答弁を得たのでありますから、
委員会においても
事務当局においてもその
意味合いにおいての急速なる準備を願いたいということが第一点、第二点は、今までの
災害復旧を見てみますと、大体五箇年計画でや
つてお
つたようでありますが、御
承知の
通り昭和二十三年度の
災害復旧もいまだ
完結をしていないという
状態であつたわけであります。それでは今度の
ルース台風のごとき
被害の甚大なるものの
復旧はあまりにも長くかかる。しかも結果において国費を濫費するだけに
終つて何ら効果がない。こういう
観点から、少くとも二年もしくは三年間にこれが
完結を願いたい、こういう
要望をしたところ、
政府当局はこれに対しまして、第一年度に全
災害の三割、第二年度に五割、第三年度に
あとの二割を
予算に計上して、今までよりもスピードを早めて、三箇年間でこれが
工事を終るように話も進めておるのである、こういう明確な
答弁を
建設大臣その他からされたのであります。
れは従来の災実
復旧の
状態から考えまして、一歩前進した、
時宜に適したし
処置であると考えられますので、当
委員会及び
事務当局あるいは
政府当局においても、ぜひともこの
最小限度の線は確保してもらいたいと
要望するものであります。
さらに
災害復旧の
基本的態度として、第三点を申し上げますならば、心ある
事務当局あるいは良心的な
技術を榮える
技術当局においても、実地を視察し、あるいは今までの
やり方を反省されまして、今までのような
やり方では、それこそ
復旧はさいの
川原式結果にな
つてだめである、この際根本的な方針を検討しなければならぬということで、今までは単なる
復旧のみの
予算であつたけれ
ども、これからは改良を含む
災害の
予算の
処置をすべきであるという
意見を相当持
つておられるようであるし、われわれもこれが絶対必要であるという
観点から、
予算委員会において
政府に
質疑を試みたところ、その線に
沿つて努力するという明確な御
意見であ
つたのであります。但し
財政当局においては、その必要を認めるし、ある程度は考慮するけれ
ども、そういうことに便乗していろいろなことをやられては困るという見地から、最後的明確な
答弁を
大蔵大臣はしていない。そこで私
どもが
要望したいことは、
委員会あるいは
国会の総意によ
つて、あるいはまた良心的な
事務当局の真剣な
協力によ
つて、
財政当局をしてこれが了解を得る
処置を今後と
つてもらいたい、こういうことを私考えるのであります。
次に今までの
法案に
上つて最高度の活用をするという一面、そういうような
法案では
時宜に適しないというものもあるわけでありますから、たとえば
災害特別助成法というような
特別立法を試みて、この際拔本的な
処置をとるということが、過去の
災害対策にかんがみて絶対に必要である、私はこういうふうに考えますので、この線をさらに一歩突き進んで各
方面の
協力を得たいものだと考える次第であります。ことに
海岸堤防のごときは、これは市町村の
負担にな
つているものが多い。それでは
工事も
予算その他の
関係で十分に行かない、こういうわけでありますから、これな
ども国庫補助の対象にするような特別の
処置を講ずる必要がある、こういうふうに、私
ども考えるのであります。その他基本的な
態度としてはほかに多々あります。あるいはまた
所管事務以外についても多々ありますけれ
ども、私は以上基本的な問題を申し上げまして、先ほどから要請しております
通り、この線に
沿つて今後の
委員会の運営をぜひともお願いをしたい、こういうふうに考えますので、まず前提として
要望事項を申し上げておきます。
次に
小澤建設交通局長に私は事務的な問題について少しくただしてみたいのであります。私
ども国会としては、
予算のぶんどりをやるべきものではないということは十二分に
承知をいたしております。しかし今度の
災害で最も急を要する問題は、
つなぎ資金の問題である。この
つなぎ資金の問題についての第一回目の十億二千五百万円を配分する
処置が私は妥当を欠いていると思うのであります。この問題については
予算委員会においても、私は
当局の
意見を求めたのでありまするが、これに対して
当局は是正をするということを確約いたしたので、私はあえて追究するのではありませんが、これは今後のすべての
予算処置その他にこういう感覚でいると影響があるから、私はこの際
事務当局の考え方を是正したいという意味で申し上げるわけであります。これは
建設大臣ほか
各省の
政務次官諸君も
現地を見られたので、どこがどの程度の
被害を受けたということは十分認識していることと思うのでありますから、單に私の危惧にすぎないかもしれませんけれ
ども、この
つなぎ資金の配分の
状態を見てここに気になりますので一言申し上げるわけであります。
まず今まで集まつたところの最近の情報によりますと、
鹿児島県が三百三十二億何千万円、
宮崎県が百三十九億何千万円、
大分県が八十六億何千万円、
福岡県が三十七億何千万円、熊本県が三十二億何千万円、長崎県が二十三億何千万円、佐賀県が二十一億何千万円、これに
山口、
広島、愛媛等を加えますと、補助の対象にならないものを含めておそらく一千億円を超過するであろう、こういうふうな
被害額でありますが、私
どもがふしぎに思いますのは、ある県のごときがわずか二日間のうちに莫大な累増を見せまして、三百何十億円というような厖大な
被害額の申告をしている。今まで
調査ができなかつたものが、わずか二日間くらいにしてそんなにも累増をするものであろうかというふうに、私
ども国政を担当するものとして一つの疑問を持
つております。そういうようなことを基礎にいたしましてこの
つなぎ資金の配分を行
つたのでありますが、それから考えて私
どもはまことにどういう基礎に基いたかわかりませんけれ
どもふしぎでならない。場合によ
つては当
委員会が
現地に行
つてさらに比較検討することも一方法ではなかろうかと同僚議員諸君とわれわれは協議をしているところであります。こういう
意味合いにおいてこれが将来の問題と
関係があるのでありますから、これらの配分について完全を期することはできないとしても、目安としてでもわかる程度の問題でありますので、私はこれが急速なる是正を
予算委員会において提唱したのでありますが、
政府においてもこれはすみやかに是正をするということでありましたので、あえてこれは先ほどから申し上げた
通り追究するのではありません。その
意味合いにおいてどういう基礎でやつたか、あるいはどういうふうに今後
処置をせられる方針であるか、この点を伺
つておきたいのであります。