○瀬戸山
委員 これは申し上げなくてもおわかりなんですけれども、やはり申し上げなければならない
ような
状態に
なつておる。こういう
状態では船や家を風から防ぐことはできません。そこで私はこの際せつかく新たに
建設大臣になられた、財政の方もお詳しい
大臣でありますから、これは日本の再建の上から、ひ
とつ最大の努力をしていただきたいと思うから申し上げるのであります。ただここに現われております、またわれわれが正式にあ
委員会で取上げる
ような土木
工事の復旧であるとか、
河川の改修、堰堤をつく
つたりあるいは港湾の保安をいたしたり、防潮防波堤をつく
つたり、それはほとんど
意味がないと思う、妙な言い方をいたしますけれども、そういう仕事をするのは日本の生産力を保護するのが目的であります。ですから保護しない
ようなこういう仕事を
あとから追つかけまわしても、これはぬす人に追銭というのが現在の
状況であります。これについては十五億をいじりまわしたり、さつき二十億の問題がありましたが、あわてて三十五億をいくらさわいで
かつぎまわ
つたところで、これだよ
つて災害復旧は全然できません。全然とうと言い過ぎるかと思いますが、ほとんど物の数にはなりません。物の数にならないばかりでなく、生産の増強にはほとんど価値がないと極言してもよろしいと私は思います。そこで日本で一番問題にされているのは生産力の増強—現在の
状態では日本の農業生産力はそう大して伸びない、これは言い過ぎかもしれませんけれども、大して伸びません。
従つて現在あるところの農業生産力を保護するということが、日本において最も大事なことで度ると私は思います。開拓であるとかいろいろな問題が重
なつておりますが、それもむだではありませんけれども、今日せつかくつく
つたものを、一挙にして一夜のうちに失う。今年は何十万石の米を失
つた、風で失
つた点は差引いてもよろしうございますが、そういうことをしてお
つたのでは、これは二百億三百億ばかりの問題ではないと思います。今度は必ず
補正予算が俘わなければ日本国民は納まらない。
建設大臣はそのつもりでおられることは私は承知いたしておりますが、それだけの金があるならば、なぜ今年の
補正予算にそれをおやりにならなか
つたか。責めるわけではありませんが、
ルース台風が来たからあわてて
補正予算を組むだけの金があるならば、
過年度の
災害で大きな穴が明いているのをなぜ早くふさがなか
つたか。それを早くふさいでお
つたならば、
ルース台風の
災害もある
程度減少してお
つたことは確実であります。それをしないで、それだけの余裕金をどこかに置いておいてそしてきずが大きく
なつてからあわてるのはまさに政治の貧困である。それだけの金があるならば、この
台風が起る前になぜきずをふさがなか
つたのか。先ほど西村委事貝から言われた
ように、きめてある金さえも使わずに—今日まであけつぱなしにしていたところをふさぐことが最大の急務である。それも今度の
補正予算に出ておりません。
災害復旧費が足らぬということは
説明するまでもない。余裕金があるのにそれをしないでおいてきずを大きくしてからそれをどうし
よう、こうし
ようということは、あえて私は
大臣を賃めるわけではありませんが、今日までそれを繰返して来ておりますから、ひ
とつ来
年度の
予算を—これから
建設大臣は真剣に
建設省関係について努力されると思いますけれども、国全体の財政
計画は
考えなければなりませんが、こういうところに重点を置いて、
閣議でも大いに奮闘していただきたい。私どもも御協力申し上げるつもわであります。どうかそういう
意味合いにおきまして、
大臣を責めるのではないが、日本の国の基礎は健全にしなければいけないと私どもは
考えております。すなわち治山治水ということを盛んに言
つております。わが自由党では治山治水ということをまつ先に取上げております が、その効果はあまり現われておらない。効果が現われておらないのではなくて、効果を現わす
ような仕事をしておらない。これだけを要望として申し上げておきます。