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田中(角)委員 前段の
批難事項は、非常に不愉快なものでありましたが、後段の
批難事項は、建設行政を扱う方方と、
会計法規の違法性をつこうとする
会計検査院の
意見が対立するなどということは、当然あることでありまして、こういう問題は現在の公共事業の予算の執行にあた
つては、たくさん残されておるわけであります。
災害の
原形復旧ということは、前国会でようやく目鼻がついた。しかしこの細部の認定ということになりますと、まだまだ異論がたくさんあるのでございまして、こういうことをまず
会計検査院も
批難せられ、非常に
金額は小さいようでありますが、技術的な面までタツチをせられておりますことは、敬意を払
つております。しかし
建設省自体も、なるべく
批難をせられない方がいいから、御
意見もあるでありましようが、私は第三者として率直に申すと、前段のようなひどい
批難事項もあるのですから、この程度の
批難をせられたときには、
建設省はあまり
意見を言わないで、これは第三者に認定をまかす方が正しいと私は思います。それからもう一歩進めると、いろいろと議論もありますし、難点もあるのでありますが、
災害復旧の
工事と府県
負担の
工事とが、同一の比率でも
つて補助せられるという場合だ
つたら、問題はないのですが、三分の一、二分の一であるというところに問題があります。しかもわれわれ建設委員としては、いつも言
つておるのでありますが、
工事量をふやしたい、ところが総予算のうち二十億の過
年度災害に対しても、ま
つたく血道を上げて闘争を続けておるような
状態でありますので、国が
負担をしなければならない場合はもちろんでありますが、こういうように三分の二を二分のにしても、実際は府県が
補助で
工事を行うということであれば、なるべく
分担して
工事量をふやす方がいいということが、
災害復旧及び公共事業費に対する定義でなければならぬ。だから
会計検査院と
建設省との
意見の対立などという問題は、あまり問題ではなく、これは根本的なものさしではからなければならぬ。私の言うのは、こういうことが実際は続けられておるのです。なぜならば、
改良工事は
年度予算に入らないものですから、
災害で片づけてしまうということは、これは通例でありますが、このままにしておくわけにも行かない。しかしこれをやめてしま
つて、
原形復旧という完全なる定義をつく
つたならば、完全な
災害復旧ができないうちに、また流されるでありましよう。この限界が非常にむずかしいのであ
つて、建設委員会の
議題などにしても、ただいまの六二一などは、優秀なる
議題だと思
つております。私自身もこういう問題に対してはや
つておるのですが、ただ総括酌にいろいろな無理も含み、しかも非常にむずかしい予算執行を行わなければならないのでありますから、いろいろ非難せられることがありますが、これに対して
決算委員として私が考えるのは、非難せられるということよりも、これに対して普通の人の感覚では考えられないような非常なマイナス面が出て来ることをおそれる。
一般的な各省官房
会計課長の所管事項であ
つて、金銭出納に違法性があ
つたというような問題は、直せば直るのですが、こういう問題は直すだけではなく、今のままの感覚で第三者がぴちぴちと締めて行くと、公共事業はできなく
なつてしまう。先ほどの稻村君の発言などは、私は少し片寄
つた方面からだと思
つてお
つたのですが、私の考えでは、こういうことをずつと続けて
行つて、しかもそのものさしというものをはつきりきめないでいると、対立のままで
批難せられて行く、こういうものがたくさんあると、公共事業費そのものに対して、いろいろな議論が出て来るのであります。現在政府部内でも、いろいろな
事件が起きております。経済安定本部では公共事業法をつくろう、公共事業費監察法をつくろうと言
つておる。私はそれに対して反対の
態度をと
つて来たのでありますが、前段の話だと、公共事業費監察法をつく
つた方がよろしいという議論も成り立つわけであります。だから、今までは経済安定本部の認証を必要とし、大蔵省の認証を必要とし、しかも本省からも監督を受け、
会計検査院からも監督を受けなければならぬのに、なおこのような
状態を続けておるというところに問題があるのであります。だからこれ以上たくさん機構をつく
つて締めつけたら、公共事業というものは非常にむずかしくなりますし、公共事業の計画もなかなかむずかしくなる。私は今の
状態では、日本の国費支弁の焦点は、公共事業費にありとい
つても過言ではないと思う。ま
つたく限られた国土に、八千三百万人の人間が生きなければならぬのでありますから、これは国土の効率利用以外には何ものもありません。そういう
意味で、私は国土開発保全というような立場から、公共事業費の増額を大いに言
つておるのですが、どうもこういうはつきり
会計法規上にも疑点があるような現在のままで行くということは、非常に損な立場にある。だから、私自身も専門的な立場から申し上げますと、いろいろな
建設省の今のこういう非難を直すべき手は知
つております。知
つてはおりますが、その前に、
建設省自体が、いわゆる公共事業をいかに効率的に行うか、その施行の
方法、機構等に対しては、旧
内務省の流れをくむものであるという長い
伝統を誇るだけではなく、新しい一つの
態度をも
つて研究をされたい。そしてその研究の結論を得るときには、こういう非難が私はなくなるという自信を申し上げたいのであります。そういう
意味では、私がときどき申し上げておる技術的な問題などにも、今までは認証が多か
つた、
検査が多か
つたので、
検査も少くしよう、認証も簡単にしようと言
つておるのですが、防災
課長が言われたように、防災
工事費ではできないから、やはり今のままで
災害費でやらなければならぬ。もしそれをやらなければ、
原形復旧したところで、
堤防はつながらないというような
事態がたくさんありますので、根本的な問題をひとつ解決せられるように努力を払
つていただきたい。技術的な問題な
ども、私が申すまでもなく、予算の大わくが決定してから示達を受けて、それから正式設計書を本省に提示し、これに対して認可を受ける。その
工事施行の途中において設計変更が出た場合は、もう一度認可をとらなければならない。こういうふうでありますと、
年度も十二月に繰上げる以外にないのであります。実際雪国などは、ほとんど今ごろから
工事が発注せられるのです。だから、今ごろから発注せられるとして、一箇月ぐらいすれば雪が降るのですが、一体それでどうして三月三十一日までに
工事を仕上げ得るのか。しかも繰越しは非常にむずかしい認証手続をと
つておるようであります。今
年度からは繰越し手続が認められておるのでいいのですが、これを合法化そうとするところに無理があるのであ
つて、十二月初めから
工事をすれば、雪の中でやらなければ
工事ができなくなる。それをできたようにしなければ違法であるというところにも無理がありますし、またこれをできたようにしなければならないというところにも無理があります。とい
つて、日本の国土を保全開発しなければならぬという大
原則をかえるわけには行かない問題でありますので、私は特に今日は大臣、次官がおいでにならないので、あらためて御
質問も申し上げ、
意見も申し述べますが、これはただに
建設省の問題だけではなく、日本全体の問題であり、非常に大きな問題でありますので、特にその責任の衝に当
つておられる技術官の諸君等は、今まで自分の教わ
つて来た
伝統はこうであるというような覊絆を脱して、抜本的な、飛躍的な公共事業の施行、いわゆる国費の執行面を研究せられたいということだけ一言申し述べておきます。