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1951-11-14 第12回国会 衆議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十四日(水曜日)     午後一時四十分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 大上  司君 理事 田中不破三君    理事 三宅 則義君 理事 八百板 正君       高塩 三郎君    高橋 權六君       田中 角榮君    渕  通義君       船越  弘君    山口六郎次君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 佐藤 榮作君  出席政府委員         電気通信事務官         (経理局長)  肥爪 龜三君  委員外出席者         郵政事務次官  大野 勝三君         電気通信事務次         官       靱   勉君         電気通信技官         (施設局長)  吉田 五郎君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      山名酒喜男君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四  年度政府関係機関收支出決算     —————————————
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより決算委員会を開きます。  前会には、郵政省所管批難事項について審議行つたのでありますが、本日は郵政大臣並びに政務次官の御出席を得ましたので、郵政事業会計の全般に関して質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。三宅君。
  3. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま議題となつております郵政省関係の諸点について、大臣がお見えになつておりますからお伺いいたしたいと思うのでございます。  これは昭和二十四年度のことでありまして、過去のことでございますが、現内閣は直接関係があるわけでありますから、この郵政事業に関する最高責任地位におられまする佐藤郵政大臣から、その心構え並びに今後の対策等についてお伺いいたすことが、国民の代表として最も必要であろうと考えるのであります。一々案件を読みますことは、はなはだ煩に属しまするから、結論だけを先に申しまして、御答弁を得たいと思うのであります。  郵政事業は、御承知通り国民の零細なる資金を集めましたり、あるいは文化交流に貢献いたしまする事業を担当しておるのでありまして、これは銀行よりも郵便局——郵便局国家が経営いたし、国家責任を持つておるから、一番信用が高い、こういうことを信じておるのが国民の心理でございます。でありますが、本件をずつとやつてみますると、郵政関係におきましても、数十件に上りますいろいろな事件があるのでありまして、この前も委員会において委員より質問いたしたのをみますと、名古屋郵政局におきましても、帳簿価格百三十何万円という金額に達しまするものを、不用であるといつてわずか六万円で売却した、こういう事実があつたわけであります。普通の会社なり個人企業なりの私経済におきましては、そういうことはめつたにない。しかし公経済公企業になりますると、往々にいたしまして、これは国のものであるからどういうふうになつてもさしつかえない、国損はおかまいなしというような気持があるわけでありまして、こういう事柄は、日本民主国家になり、平和国家建設に邁進することになりました以上は、佐藤大臣は特に自由党の名幹事長としてその敏腕を振われた方でありまして、閣内におかれましても有力な発言をし得られる立場にあるわけでありますから、どうか国民の信をますますつなぎ、将来をおもんばかりまして、確固たる信念と指導力をもつて郵政事業にお当り願いたいと考えておりまするが、大臣の御構想を承りたいと存じます。
  4. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 決算委員会で、御熱心に各省の仕事のしぶり等について御検討をいただいておる御努力に対しまして、かねてから敬意を表している者であります。また本日は、ただいま三宅委員から私がおあずかりしております郵政電通両省につきまして、その仕事国民から預かつておる仕事であり、また国家として、役人として、特に公平で国損を生じないように努力すべきは当然ではないかというような御高見を拜聽いたした次第であります。お考えの通り、全然同様の考え方をもちまして、両省をあずかつているのであります。しかし、あえて弁解を申し上げるわけではありませんが、御指摘になりました事件は、敗戰直後の物資その他の不足の時期であり、また同時に混乱状態であつた、従いまして郵政省におきまして、事務遂行上必要な帳簿整理等も規格上必要だと考えられましたが、紙質のよいものを材料としてとりそろえがたいような状況にあつたのであります。その結果名古屋郵政局におきましては、二様のものを持つてつたわけでありまするが、その業務遂行から見まして、近くにあつたものでまかなうという見当がつきましたので、不用部分拂下げをいたした、かように伺つておるのであります。当時せんか紙は非常な高価なものでありましたので、本省から支給いたしましたものといたしましては、相当の高額になつておりましたが、これを不用品として拂い下げます場合において非常な低額のものになつた、そこに御指摘のような不都合な結果を生じたのであります。私は事務上の扱い方といたしましては、別に不都合があるとは思わないのでありますけれども、現実の問題といたしまして、業務遂行上、あるいは予算運用上等から見まして、そこに相当の損害を生じたという結果になつた。これは御指摘のごとく国の損であり、同時に国民が負担する、かように考えますれば、私どもといたしまして、事業遂行上につきまして、さらにさらに努力を要することは当然であります。三宅委員の御指摘のような考え方で、今後事業の運営に当つて参りまして、かような事柄の生じたいように、十分関係職員を督励して参りたい、かように考えております。
  5. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいまの郵政大臣の御答弁に対しまして、私は賛意を表します。ぜひ公共事業であり、公会計でありますから、十分に監督する必要があると思うのであります。  次に、ついででありますが、月島倉庫におきまして郵便切手等七十五万枚が窃取されたというような事件もあつたわけであります。郵便切手とか、はがきとかいうものにつきましては、国民信頼が非常に高い。また郵便貯金もその通りであります。さような問題を一々広げて言うわけではありませんが、これは監督を十分にしたならば、そういうことを予防し得られた点が相当つたと思う。もちろん、終戰直後であり、あるいは人心の不安、経済不安定等も手伝いまして、十分な監督ができなかつたとは存じますが、そういうようなわれわれの信頼の度の高いものがときどき窃取せられましたり、なくなつたり、郵便貯金等におきましても、いかがわしい問題が起るということは決して感心すべきことではない。でありますから、今郵政大臣お話になりました事柄は、どうか各部課等に至りまするまで、その通りのことを伝達せられまして、再びそういうようないかがわしい問題を繰返さないように、大臣は熱意を披瀝されておりますが、もう一度大臣決意を承りたいと存じます。
  6. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 多数の従業員を擁しており、同時に広汎な地域にわたり、また複雑な機構でありますために、御指摘のような事故を生じましたことは、はなはだ私ども残念に思つております。御趣旨の点につきましては、根本的にまつたく同感であります。こういう機会を得まして、一層監督指示等嚴重にいたしまして、事業遂行上万遺憾なきを期して参りたいと思います。
  7. 三宅則義

    三宅(則)委員 今郵政大臣から種々決意のほどを承つたのでありますが、今度は事務上のことを事務次官にお尋ねいたしたいと思います。広汎な範囲にわたりますから、一々列挙することも困難かと思いますが、物品会計金銭会計欠除のあることは、まことに不愉快であります。金銭会計だけでなく、物品会計についても、現業官庁といたしまして十分に監督し、また監査しなければならぬと思いまするが、実際に事務次官はどういうふうに監督しておられまするか、その辺を承りたいと存じます。
  8. 大野勝三

    大野説明員 御承知のように、われわれの郵政事業は、まつたく国が経営しておりますが、経営自体内容から見ますれば、これは一つ企業体とほぼ同じような内容を備えたものでございます。従いまして、それはひとしく事業の用に供せられます以上、現金であると物品であるとを問わず、やはり最も大切な資産として十分嚴重に注意して、その経理出納を取締つてまかなつて行かなければならないことは、申すまでもないところでございます。たまたま今回会計検査院からご批判をこうむりました事項に、非常に物品関係の間違いがある、あるいは適当でないという事柄が多かつたという点につきましては、私ども事務をあずかつております者の立場といたしましても、実に申訳ないことだと存じて、まことに恐縮いたしておるのでありますが、実質は先ほども申しましたごとく、物品といえども、直接事業の現場に使われておりますものは別といたしまして、貯蔵品としてストツクされておりますものは、すべてその価値を計算いたしまして資産に計上され、従つてその出入り保管等につきましては、まつたくお金と同様に扱いまして、それぞれ責任者を、物品会計官吏あるいは物品出納官吏というもので、十分間違いのないようにいたさせておる仕組みでございます。たまたま実際の監禁が不行届きでありますために、かような御批難を受けるようなことになりました点につきましては、今後十分に気をつけまして、再びかようなことのないように、この上とも取締りを嚴にいたして参りたいと存じておる次第であります。
  9. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま事務次官お話がございまして、私どもも、現業官庁として幾千幾万の人に対しまする取扱いでありまするから、なかなか監督の不十分な点もあつたことと思いますが、物品調達等につきまして、過大に購入したもの、あるいは購入の時期を失したもの、こういうことは、普通の私経済法人等においてはないことであります。官庁の方で、もちろん決裁を経なかつたということもありましようが、大体予算というものは組んでおきまするから、過当なる時期に、適当なものを購入させるということは——事務次官はもちろんのこと、各局長もそういうことは熱心に研究せられ、多年の経験を生かしてそういうことに活用せられることと思つておりますが、こういうことにつきましては——きまることが遅いという意味合いにおいて、時期を失したり、過大に購入することがときどきありましようが、そういうことは嚴に慣しまなければならぬと思いまするが、いかがでありましようか、承りたいと思います。
  10. 大野勝三

    大野説明員 その点につきましては、まつたく仰せの通りであります。現に物品調達につきましては、適量を適時に調達し、配給するということに努めるべきでありまして、そういうふうに心がけておる次第でございます。たまたまちようど批難を受けました年は、御承知のように終戰直後混乱がややおちつきをとりもどしまして、物品調達その他の面でも、物によりましては少し明るい見通しがつけられるというような関係のものもありました。それで、たとえば被服の例を一つつて参りますと、戰争中に無理に無理を重ねて参りまして、適当な期間貸与いたしまして当然新品にとりかえるべきものを、その貸与期間を無理に延ばしておつたというようなものもございます。そういうものも、もうこの分ならば普通の状態にもどしてもよかろうというので、調達計画をしてみたところが、いろいろな事情でまたそれを早急に正常に返すことができなかつたというようなことで、その辺に計画の齟齬があつたとか、ちようど過渡期でありましたために、まことに申言な、ような紀果なつておると思うのであります。  もう一つは、この年は、御承知のように逓信省郵政電通二つにわかれまして、これが年度の途中で、しかも急遽行われましたために、いろいろ資材などを二つにわける、資産をわける、そういうことでずいぶんごたごたいたしておりました。そういう関係で、若干調達量などに見通しの的確を十分期し得なかつた点もあるわけでございます。今後は十分、先ほどの三宅委員の御趣旨通りに考えますので、気をつけて参りたいと思います。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の事務次官の率直な答弁は了承いたします。どうか隠さずに話していただきたいと思いまする——がこれはあなたにのみ聞くことでありませんで、官庁一般会計に対しまする忠言でもあり、希望でもあるのですが、事務次官としてお答えを願いたいと存ずるのであります。普通の私企業等におきましては、金銭出入り小切手発行等につきましては、最高責任者がやつておる。たとえば銀行会社等におきましても、専務とか常務とか、あるいは社長みずからが最後の決裁をし、さらに小切手にもサインするというのが常識になつておる。ところが官庁会計に至りますると、書類上の決裁は、ずつと前に次官なり、あるいは局長がいたしまするが、実際の金銭出入り関係になりますと、属僚の、どちらかというと、二十二、三や、三十才ぐらいの若い未経驗者が担当いたしておりまして、それが自由に判を押しておる。こういうことがありまして——もちろん種類もたくさんありまするから、なかなか全部というわけには行きませんでしようが、そういうふうな金銭あるいは書類等につきまして、現物と照合しなかつたり、拂い出し等について、ややもいたしますると下僚まかせということがありまするが、そういうことははなはだおもしろくない。現に、御承知でありましようが、広島都便局におきましても、四百万円というものが不正行為なつておる。東京簡易保險局におきましても、二百万というものが欠損いたしておる。その額たるや、なかなか補填が困難である。こういうことも言われておるのでありまして、私は、むしろ官庁会計も、一般企業会計と同様に、最高地位責任者、たとえば本省なら、もちろん次官あるいは局長でありましようが、出張所にありましても、その出張所長とか次席とか、そういうようなものが直接担当いたしておりますならば、四百万円も、二百万円もというようなものが、一郵便局において窃取せられたり、あるいは不正行為が起るということはないはずであります。どういうところにその根拠がありますか、その辺を、監督上、事務次官として御答弁を願いたい。
  12. 大野勝三

    大野説明員 理想的に申しますれば、まさにただいまのお話通り責任者が直接一から十まで処理に当るというのがよろしいと思うのでざごいますけれども、御承知通り、概して官庁機構は、一般民間企業に比較いたしまして、非常に厖大かつ複雑でございますので、たとえば大臣あるいは局長の方々というようなところで、一から十まで、末の末まで目を届かせるということは、実際問題としてなかなか困難な事情がございます。そこで、これは民間企業会社などには例のないような、非常に嚴重会計法規、あるいは財政関係法規予算決算関係手続の規定などが非常にこまかくきめられておりましてそれぞれその法規制令等に基きます責任者が各段階に任命せられておりまして、その責任者はその一つのことを処理するにあたりましては、こまかい一々の規則合つた手続以外にはでき得ないという仕組み、そういう仕組みでもつて不正、非違などのないように、一応保証されておるわけであります。しかしこれが反面には、官庁のいろいろな会計的な手続行為が、民間企業に比べまして非常に敏活を欠き、複雑なために、時期を失したりするような弊害もありますけれども、間違いなくするという面で、やむを得ずこういうことにされておるものと考える次第であります。規則制度はそのようにできておりましても、さてこれが実際の運用となりますと、これはまた、かりに私ども仕事の方をとつて考えてみますれば、全国に一万五千にも近い郵便局、諸機関が散在をいたしておりまして、それに数十万の人がそれぞれ働いておつて、いろいろの仕事をするというわけで、十分に注意をいたしましても、どうしてもやはりそこに間違いを起す者も出て参るということは、ことは非常に残念でございますが、ある程度までやむを得ない事柄ではないかとも見られるかと思うのであります。そういうようなわけで、理想論はまさにおつしやる通りでありますが、官庁機構に付随した一つの避けがたい事実によりまして、さようにそれぞれ責任官吏仕事を分担してやつて行くということになつております。われわれといたしましては、それぞれのそういう分担をいたしております責任当局担当官が、間違いなくその仕事をやるように、しかも間違いなくだけでなく、さらにわれわれの方では、それが一層機宜に即し、また企業経済合理性立場からも適当であるような措置をするように、始終指導監督に苦心をいたしておるような次第であります。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の郵政事務次官の御説明によりまして、大体了承いたしましたが、私は希望を申し上げ、もう一点だけ御答弁をいただきたいと思うのであります。これと直接関係があるわけではありませんが、今度郵便料金が値上りになつたのでございます。こういうような文化的な施設につきましては、二十六年度もおそらく三十数億円というものを国庫から補助したわけであります。もちろん、郵政事業の問題は、山のてつぺんまで持つて行かなければならぬという事柄もありますから、一様には言えませんが、第一線に働きます者の意中を考慮いたしまして——過去におきましては、全逓とかいうようなものがございまして、非常に国民を悩ました問題がありましたが、今日ではそういう思想的背景を持ちましたものは、ほとんどないと思つております。しかし中にはあるかもしれませんから、こういうような問題につきましても、常に監督を嚴にしておられると思いますが、そういう問題があるかないか、今後全逓というようなものに対しまする構想があるかないかということをもう一ぺん承ると同時に将来も第一線に働く者が安心して働き得るように取扱いをしなければならぬのでありまして、それにはもちろん物品の給与もありましよう、あるいは給料の値上げ等もありましよう、あるいはその他の慰安等もございましようが、小くとも全国に散らばつております現業官庁のことでありますから、どうか安心をして十分に国民の要望にもこたえ、また自分自身生活し得られるように指導しなければならぬと思いまするが、事務次官は一体どういうふうに指導しておられまするか、もう一点お答えを願いたいと思います。
  14. 大野勝三

    大野説明員 たいへん御理解のあるお言葉を拜聴いたしまして、感謝いたしておる次第でございます。まつたくわれわれの郵政事業が、ほんとうにその使命にこたえるようなサービスをいたしますためには、何と申しましても、まず職員が安定した生活を保障されるということが、相当大きな基本條件一つであろうことは、御指摘通りでございます。戰後非常混乱時代には、生活の不安定あるいは社会情勢混乱等から、非常に急進的な全逓組合というようなものも、一時世間を騒がしたのでございましたけれども、その後国家公務員制度が確立されまして、その生活の保障というような面につきましても、これは徐々にではありますけれども、漸次改善されつつありまして今日におきましては、全逓組合も、名前は全逓というふうに同じでございますけれども、その内容におきましては、現在は急進的な分子はまつたく一掃されまして、きわめて着実に、その合法のわく内で生活條件改善労働條件改善というような面に行動をいたしておりますと同時に、事と次第によりましては、進んで管理者の側に協力をいたしまして、事業発展向上に相ともに力を盡すというような態度に、今日では相なつております。なお従業員生活安定という問題につきましては、厚生あるいは福祉施設方面におきましても、今日まだ十分とは申し上げかねますけれども、われわれといたしましても、でき得る限り遺憾のないように種々施策を講じて参つておりますので、まずまずかつて全逓といつたような、非常に急進的な、ただいたずらに世間を騒がすような気風は、今や郵政従業員の間からは一掃されたと申し上げてもさしつかえないかと存じます。
  15. 三宅則義

    三宅(則)委員 今までの郵政大臣並びに郵政事務次官の御答弁によりまして、これ以上追究いたしませんが、どうか再びこういうような不正の問題、あるいは検査院等から指摘されるような問題のないように、ひとつ根絶するように、今後とも鋭意これの改善努力されたい、こう思うのであります。国家公務員でもあり、また一面から見ますと、文化交流の礎ともなり、まその役を果しまする重大な任務でありますから、世間が何と言おうと、やはり国家の一員である、国家を興すには、文化建設に、やはり第一線に立つて全国津々浦々までこれを発展せしめておる、こういう大きい心を持つて一つ事柄を十分に達成するようにやつてもらいたい。今までお話になりました郵政大臣並びに事務次官の御答弁が、国会でこういうことがあつたという事柄が、末端に至るまで間違いなく浸透するように、第一線にまでこれを伝達していただきたいと思いますが、これに対する御答弁をいただきます。
  16. 大野勝三

    大野説明員 まつたく御指摘通りにいたしたいと思いますので、なおこの上ともひとつ御指導をいただきますようお願いいたします。
  17. 菅家喜六

    菅家委員長 他に質疑はありませんか。——以上で郵政省所管審議は終了いたしました。     —————————————
  18. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、電気通信省所管に移ります。  報告書一四八ページ、電気通信省電気通信事業特別会計予算経理報告番号五五六及び五五七、予算使用当を得ないもの、以上二件を一括して電通当局から説明を求めます。電通省経理局長肥爪政府委員
  19. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 ただいま問題になつております点につきましてお答え申し上げます。  まず五五六でございますが、これは電気通信省施設局施設部で、昭和二十二年度中に引揚げました古い軍用海底電線GP心線を活用いたしまして、再鎧裝して使用する計画を立てまして、六〇%の使用可能品を得る見込みのもとに、三百二十四万六千円で日本海底電線株式会社解体作業を行わせたのでございますが、結果は初めの予想と相違いたしまして、使用可能品はほとんど得られませずに、副生品を七十万余円で売り渡したにすぎなかつたのであります。これは事前解体試験をなすなどの調査が不十分でございましたからであります。その上、一旦予算不足で解約したものを、さらに十六キロ余を追加して再契約をしたのではないか、こういうふうなことでございますが、当時の事情といたしましては、戰時中海底線の受けた被害が非常に大きうございまして、障害が続出するという状態でございました。その補修のための資材の入手が、御承知のように困難でございましたので、資材確保のために、旧軍用不用海底電線を解体いたしまして、GPのよい心線をとりまして、再び鎧裝いたしまして使用することを計画して、あわせてその他の、たとえば鉛等資材回收を企図いたしたのでございます。しかしながら、検査報告にあります通り事前試験を行わなかつたために見込み違いの結果となつたことは、まことに遺憾に存ずるのでございます。また再契約のものにつきましては、他のものに比べまして、保管状態が比較的よろしゆうございましたので、よい心線が得られるものと思われましたので追加したものであつたのでありますが、検査報告にございます通り、はなはだ遺憾な状態でございまして、今後はかかることのないように十分注意いたしたいと存じます。なおこの副生品として鉛約五十四トン、当時の価格で約百三十五万円でございますが、これを回收いたしましてケーブル製造用資材として使用いたしたのであります。また関係責任者に対しては戒告等の処分をいたしました。  次の五五七号でございますが、これは関東電気通信局におきまして、昭和二十四年度中に、星野産業株式会社外一名から、特殊工事用箱番四個の名のもとに、百三万余円で事務所を新築いたしたものでございます。これは昭和二十四年六月一日、郵政と電気通信の二省分割の際に、地方資材部配給局制度が実施せられまして、関東管内におきましても八配給局が発足したのでございます。当時これらの所要の建物は、なるべく既設のものを利用する方針で、各関係方面にお願いいたしまして、倉庫は一応全部確保したのでございますが、事務所につきましては、東京、横浜、水戸の三局には既設で利用できるものが得られなかつたのでございます。また新営、買收、借入れ等も、発足早々のことでございまして、間に合いかねる状態となりましたので、やむを得ず箱番を購入いたしまして、事務室として業務運行に支障なきを得た次第でございます。箱番につきましては、過去二箇年間すでにおしかりをこうむつておるのでございますが、当時といたしましては、まことに万やむを得ず行つた措置でございまして、将来このようなことのないように嚴重注意をいたします。なお本件につきましては相当長期使用に耐える工作を施してありますので、このまま使用することといたしまして、昭和二十五年十月一日にそれぞれ固定資産に組みかえ処理をいたしたのでございます。また関係責任者に対しましては訓告の処分を行いました。なお本年十月、部内全般に対しまして、箱番の目的外使用禁止の通達をいたしまするとともに、購入使用上の注意を喚起いたしたのであります。
  20. 菅家喜六

    菅家委員長 右に関しまして、会計検査院当局より特に御意見があれば、この際御説明を求めます。
  21. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 ただいま二件が議題になつておりますが、経理局長からお話のありました通りでありまして、つけ加えて申し上げる事項はございません。
  22. 菅家喜六

    菅家委員長 質疑に移ります。高塩君。
  23. 高塩三郎

    ○高塩委員 報告番号第五五七号につきましてお伺いいたします。大体経理局長お話で了承しておるのでありまするが、幸いに靱事務次官がおいでになりますので、念のためにお伺いいたします。本件は物品である箱番の購入に名をかりて建物を新築したもので、予算の使用その当を得ないということで批難されておるのでありますが、本件とまつたく同様の事項は、二十二年度に札幌逓信局及び札幌電気通信工事局、また二十三年度には、東京外三逓信局及び長野外十電気通信工事局にもあつて、その都度本院においては不当と決議せられ、将来を嚴重に戒められ、政府側からは、常に本処置についてはまことに遺憾とするところである、今後予算的処置を講じて万全を期することとする。あるいはまた、報告通りで申訳ない、関係者についてはそれぞれ戒告または注意の処分を行い、将来かようなことのないように処置する。かような旨を、繰返して述べられておるのであります。それにもかかわらず、二十四年度においてまたまたまつたく同様の事項報告に上つておることは、当局の不誠意もまた、はなはだしいものといわなければならないのであります。過去においても同様の事例があつたかに記憶しておるのでありますが、国会及び会計検査院から不当と確認され、警告された不当事件が、最近三箇年間引続いて発生したということは、一体どういうわけであるか。政府当局は会計検査院批難、国会における決議の趣旨をまつたく没却し、再三の戒告を無視して非をあえてし、審議の席上では、形ばかりの口頭陳謝をもつてその場をとりつくろい、後日百再び非違を繰返してやまないならば、いずれの日か会計経理の改善向上が望まれよう。当局の無反省、不誠意はこのまま放置しがたいところであります。政府当局としては、これにつきいかなる言訳があるのであるか、また将来に対していかなる決意がおありになるか、本件建物に対するその後の処置がどうなつておるか、国有財産台帳には登録済みであるかどうか、責任者に対する処分の結果を見ると、多くは訓告であるけれども、従来も処分があまりに軽く、形式だけにとどまつたきらいがあるのではないか、かような非違が根絶されない理由もそこにあるのではないかと思われるのであります。将来の不当経理防止のためにも、責任者に対しては、深くその非を認めさせるような嚴重なる処分を必要とするのでありまするが、これらの問題につきましての当局の御意見を伺いたい。
  24. 靱勉

    ○靱説明員 お答えいたします。ただいま箱番の非違につきまして、高塩委員から非常にきつい御指示があつたのであります。この点、私どもつたく申訳なく存ずる次第であります。ただあやまつてばかりいて、三年間にわたつて改まつていないじやないかというお言葉もありました。私ども、まことにその通りでございまして、あえてここにお答えする言葉もない次第でございますが、実はこの批難事項は、検査院からお示しいただきましたときに、幹部一同集まりましてこの問題について相当深刻なる検討をいたしたのであります。一体三回にもわたつてこういうことがあつたということは、何としても申訳ないということで、この問題については非常に嚴格な批判をいたしたのでございます。その結果、ともかく私ども本省にもわからぬようなところでそういうようなことがやられておる、あとで批難が起つてから処分しているという形では、いつになつても絶えるぬ。そこでただいま政府委員から御答弁申し上げました通り、本年十月に、部内全般に対しまして一斉検査をいたしますとともに、そこの状態を徹底的に洗う。それで、もちろん固定資産に組みかえするものは組みかえするということにいたしますとともに、なぜこういうことが何回も注意しておるのに再びそういうことをしたかということにつきましても、十分なる答弁を聞きまして、その経緯いかんによつては、さらに過去のものにさかのぼつても嚴罰に処するという決心でやつておるのでございます。本件につきましては、訓告ということでございますがこれは先ほど政府委員から説明いたしました通りちようど両省分離の際でございまして、事務の遂行上、どうしても事務所として利用しなければならぬというような、非常に事務的な要求から出たことでありますし、むろんこれは弁解すべき余地はないのでありますが、当人に対しては一応この処分で処理いたしました。しかしながらただいま申したように、全般にわたりまして、ただ指摘されたところだけを処理するということでなしに、根こそぎ洗つてさらにその原因を追究し、一体だれがそういうものを認め、だれがそういうことをやつたか。その状況によりまして、非常に強い処分をいたそうということで、今後こういうことは絶対にないように、本省幹部全部集まりまして処分したような次第でございます。その点でおわび申し上げてもお許し願えないと思いますが、この問題につきましては、ほんとうに申訳なく存じた次第でございます。
  25. 菅家喜六

    菅家委員長 なお委員長からもお尋ねいたしておきます。批難事項の五五七に対して、高塩委員からのただいまの質疑でありますが、それに対して事務次官並びに肥爪政府委員から御答弁があつたのであります。しかし、この委員会の今までの経過から見ても、どうもただいまの答弁だけでは、納得の行かない点がある。その一つは、首脳部全部集まつて協議をして、徹底的にこれを洗つて、再びかくのごときことのないようにする。それはもうごもつともなことであり、また当然なことであるのであつて、この検査報告書にあります通り、二年にわたつてこういうことが検査院から批難をされ、また当委員会においても決議になつておるものを再びやつたということになりますれば——この処分報告書を見ると、単なる訓告にとどまつておる。まつたく先ほど高塩委員の述べられた通りであると思う。  そこでお二人の答弁で盡きない点は、どういう径路をたどつてこうなつたのであるか、三回にわたつて同様なことが行われた原因を、形式的でなく真相を発表してもらいたい。そういう調査が、今ごろになつてできておらないというならば、直劍に取組んだと、われわれ委員会では見ることはできない。すでに三回も続けてやつており、しかも二年前の年度にさかのぼるのであるから、だれがこういうことをやつたのであるか、どういう経路であるかという真相がはつきりしていなければならぬ。今後調査するなどというに至つては、ただいまの御両氏の答弁は形式一片であつて、ただ会計検査院の御批難はもつともである、まことに申訳ないと委員会に陳謝されただけでは、われわれは満足できない。そういうことであるならば、本委員会相当なる決意を持つて、この問題について強き態度で本会議の決議を求め、あるいは法規の要求するところによつて決議をふまなければならぬことになる。そういうことをわれわれは望んでいるのではない。われわれ委員会は、別に訴追委員会でもなければ、行政監察委員会でもないのであります。国家予算の区分を乱さずに、いかに適正に使われているかということに主眼を置いているのでありますから、一片の答弁書をそこで読むというような態度でなく臨んでいただきたい。それでなければ、意味をなしません。一体先ほど経理局長の読まれたのは、答弁書を棒読みに読まれたにすぎない。そういうことでは、誠意があるとは認められない。その真相をこの委員会に披瀝してもらいたい。その答弁を私は事務次官から求めます。
  26. 靱勉

    ○靱説明員 先ほど御答弁申し上げた中におきまして、今後そういうことは絶対にないようにする、また全体にわたつてさらに徹底的な調査をすると申しましたのは、在来箱番というものにつきましては、幾たびか部内に対して注意をいたしておるのであります。しかしながら、結局これは注意だけでもつて、再びそれが起りまするならば、ただ注意したということだけで、弁解に相なりませんので、一つ一つこれは徹底的に洗つてみることが必要であるという意味合いで申し上げたのでありまして、決して今まで全然調査もしないでおいたのではない……。
  27. 菅家喜六

    菅家委員長 その調査の経過を聞きたいのだ。その洗つた結果がどういういきさつであるか。
  28. 靱勉

    ○靱説明員 それは箱番をつくりますことは、実際におきまして、工事の場合……。
  29. 菅家喜六

    菅家委員長 だれがそういうことを命令して、だれがどういう経路でやつたか、この案件に対する具体的な調査の事実が聞きたいのです。
  30. 靱勉

    ○靱説明員 その点は後ほど御説明申し上げますが、先ほど申しましたように、今になつて初めてそういうことがあつたということではございませんで、この際再びこういうことが現実に起らないようにという意味合いにおきまして、幹部全部が集まりまして、特にこの点は嚴重な……。
  31. 菅家喜六

    菅家委員長 それの具体的な調査の内容を聞きたいというのです。
  32. 靱勉

    ○靱説明員 本件につきましては、配給局の問題でございまして、これの監督者は関東電気通信資材部長でありまして、決定は同部の配給課長がやつたわけでございます実行者は東京電気通信資材配給局、それから横浜と水戸と、この三箇所のそれぞれの局長責任におきまして、先ほど御答弁申し上げました通り、どうしても事務所がないので箱番を利用したという形になつておるのであります。普通の箱番と申しますのは、工事をやります場合に、工事人が一時駐在しまして仕事をするため、普通の民間におきましてもいろいろと工事場において箱番つくる、あれとまつたく同じで、暫定的にやりまして、工事が済みますとすぐ撤去すべき性質のものでございますが、それの経費の……。
  33. 菅家喜六

    菅家委員長 そういう説明は、これを見ればわかることである。——そうすると、重ねてお尋ねするが、ここに処分書が出ておりますが、課長というのは齋藤忠ですね。
  34. 靱勉

    ○靱説明員 さようでございます。
  35. 菅家喜六

    菅家委員長 局長というのは……。
  36. 靱勉

    ○靱説明員 その下に書いてありまする東京電気通信資材配給局長の肥土常吉、横浜の北村一、水戸の川井宜二郎であります。
  37. 菅家喜六

    菅家委員長 これはいずれもこの処分で見ると訓告ですね。そういう程度のものは、役所では訓告で済むものですか。国会の最高機関で決議され、会計検査院から二年度にわたつて批難されたことを再び繰返したものが、訓告で済むというような事態がどこにありますか、これはまことに奇怪な事実だと思う。  これは会計検査院にお尋ねするのですけれども会計検査院は、こういう事態に対しては法的に要求ができるはずである。しかるに年々会計検査院検査して、同じことが二年も三年も繰返されているにもかかわらず、そのままになつておる。これでは会計検査院がいくらやつても、絶えることはないと思うのですが、会計検査院はいかがお考えになつておるか、会計検査院説明を求めます。
  38. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 五五七号の案件は、ただいまお話のありました通りでありまして、これは私の方といたしましては、いかなる措置がとられるかということについて、あとを見守つてつたのでありますが、訓告という、こういう全体的な整理といいますか、処分のきまりましたのが大分遅れておりましたので、ここに訓告という処分を知つたのでありますが、ただいまお話のありましたような事態でございまして、これは電気通信省の中央部における威令がなかなか下部に徹底しないという点においては、私は公務員法上のある程度の義務違背ではないかというふうに考えております。この施設を必要とする緊急性については、私も異存はない事態でありますが、ただ建物の初めからの構築という設計図になつているのに、箱番ということで、事実をしいてこういう予算的な運用の仕方をしたということでございまして、あるいは電気通信省においては、こういうことが腕があるということで、仕事をうまく取運んでおられるというようなお考えも、ある程度あるのじやないかと思いますが、私はまあさようなことで、これは威令が徹底しない点において相当事態を重視すべきものであると思いますし、また訓告で済むか済まないかという問題については、この問題が電気通信省の懲戒処分の決定が、大分遅れておりましたので、私どもといたしましては、この案件がかようなことになりましたことにつきまして、訓告の程度で済んでおることにつきましては、非常に遺憾に思つております。
  39. 靱勉

    ○靱説明員 この処分につきまして、私どもいろいろと検討いたしたのでございますが、当時両省分離、それから配給事務が円滑に行かないと、なかなか工事が促進できないというような事情のもとに、やむを得ず箱番の名においてこういう事務所をつくつたということで、これはもちろん悪いことでありますが、私どもの処分としまして、それを住居に使つたというのが過去の例でございまして、これは事務所に使つたのであるから、もちろん先ほど申したように理論上は悪いのでありますが、そういう点で若干軽くしたというような点は、これは率直に申し上げます。事務をよくするためにやつたというところを、若干情状を酌量したということでございます。もちろん先ほど委員長のおつしやるように、三度目のことについてそういう例がありやというようなことでございますが、これは相当徹底させて参つておるつもりであるのでありますけれども、なかなかこういう建物というものは、予算上できない、そうかといつて仕事に非常な支障を来しても困るというような点から、やむを得ずやつたものというような判定がつきまして、ある程度緩和した、こういうことでございまして、その他の例につきまして重ねてさようなことをする者に対しては、もちろんさようなしんしやくはしないという考えでございます。
  40. 菅家喜六

    菅家委員長 これは、なお当委員会において適当な機会によく各委員審議をして決定をしたいと思うのですが、動機が正しいからといつて予算の区分を乱してはならないのでございまして、どうしても必要なことであるならば、国会で予算処置を求めて、その予算の面においてなすべきものである。これは決して軽いことではないと私は思います。これは適当な機会において、全委員で協議の結果、この処分が正しいか正しくないかという最終決定をしたいと思います。  御質疑ございませんか——では次に移ります。  報告書百四十九ページ、工事、報告番号五五八ないし五六五、工事の施行時期当を得なかつたもの、不経済な支出となつたもの等、工事関係批難された事項八件を一括議題といたします。説明を願います。肥爪政府委員
  41. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 工事でございますが、電信電話工事並びに営繕工事におきまして、多額の繰越額を生じましたのはまことに遺憾に存ずるのであります。これにつきましては、逓信省が二十四年六月一日、機構改正によりまして郵政省電気通信省の二省に分割されまして、あらゆる面に非常な影響を及ぼしたことと、また年度当初は暫定予算によりましたために、使用計画の面におきましても、本予算成立後、司令部と数次の折衝を経ました上、年度中途におきまして実行計画が定まりました。その上、本年から実施せられました工事計画制度は、本省を初め各段階の事務ふなれによりまして、予算令達を一層遅延させまして、御指摘のような工事関係予算の六・七%が年度後半に令達される結果と相なつたのであります。かかることが工事の施行時期当を得ないとか、あるいは資材調達当を得ないとか、また関係部門間の連絡不十分のため、工事が跛行したというような、以下御説明申し上げますような結果を引越したのでありまして、今後は十分注意をいたしまして、かかることのないようにいたしたいと存ずるのであります。  工事の施行時期当を得なかつたため不経済な支出となつたものとしましての五五八号でありますが、これは北海道の岩見沢電気通信管理所で、昭和二十五年三月に施行いたしました幌向・奈井江間の市外線路碍子とりかえ工事が、二十四年十一月に本省から北海道電気通信局に指令があつたものでありまして、寒期の悪條件のもとで施工したために、適当な時期に施工した場合に比べまして七十二万円の多額な支出となつたということでございます。本線路は戰時中以来、人員経費の不足によりまして、破損碍子も数年間とりかえなかつたために、通信疏通上、並びに回線障害の一大がんとなつておつたのであります。     〔委員長退席、田中(不)委員長代理着席〕 このような状況のところ、一般保守費に充当する経費が二月中旬本省から増額の見通しがつきましたので、回線の復旧を早急に実施して、サービスの向上によりまする増收をはかれば、たとい冬の施行に伴う経費の増加はありましても、十分カバーし得るものと考えまして実施したのでありまして、冬期積雪地方におきましては、支線のとりかえとか、電柱の根継ぎとか、地下ケーブルの補強等の降雪下の作業は困難でありまするので、これらの工事は適当な時期に全力をあげて施行することといたして、冬期を避けたのではありまするが、天候の安定しているときは、十分できまするところの碍子のとりかえとか、掃除とか、あるいは線條の手入れ等を実施することが得策であると考えた等の事情もありまして、施行したものでありまして、かかる御指摘を受ける結果と相なつたのであります。今後は冬におきましては経費のかさむ無理な外線工事は、なるべく避けまして、適当な時期に工事を実施することといたしたいと存じます。なお関係責任者に対しましては、嚴重注意をいたしたのでございます。  次は、五五九号でございますが、これは北海道電気通信局で、昭和二十四年中、旭川・北見峠間市外電話線路工事の工事費といたしまして、四千三百十四万七千円を支出いたしましたが、これは設計予算が三千六百十五万一千円の工事でございまして、請負費以外は七月に令達されて、一番最初に着工いたしますべき請負部分の請負費が、十月末に示達になつたために、十一月から着工されて一番條件の悪い冬に施工する結果となりまして、多額の経費を要し、二十五年度に入つてから、六月までに二百五十二万六千余円、またさらに完成までに百二十万五千円を要する見込みでございまして、再用予定品を新品にした経費増を差引きましても、設計額に比較いたしまして五百六十二万円を多額に要したというのであります。これは工事施行の時期を失したためであるとの御批難であります。これにつきましては、御指摘通りで、工事請負予算の示達が遅れました理由は、公共事業認証額のわくの制約と、公共事業手続の遅延とによつて、第二・四半期の認証として示達したためでございます。請負予算を早期に示達いたしまして、よい季節に工事を行つたならば、相当額の経費を節約できましたもので、今後はできる限り早期に予算を示達いたしまして、適当な時期に施行するように努力いたします。なお関係責任者に対しましては、訓告の処分をいたしたのでございます。  次に、資材調達当を得ないため工事が著しく遅延したものという件でございます。その五六〇号につきましては、これは近畿電気通信局で、京都壬生電話局に千二百端子を増設することとしまして、昭和二十五年三月に大阪電工株式会社に局内基礎工事を請負わせましたが、官給材料の一部物品調達が適当な時期に行われなかつたために、わずか三%の工程を残しまして、三月末の期限を逐次延伸して、八月実地検査当時中止されていた状態であります。そのためにこれに関連する二工事も施行が遅れて、まだ完成されていなかつたということでございます。これは本工事用の主要物品は、昭和二十四年八月に準備手配をしたのでありまするが、メーカーの生産がはかばかしく行かなかつたために、契約は二十五年三月に締結されたのであります。ために工程の大部分は繰越されねばならない状態にありまして、工事担当の通信局といたしましては、本省準備品がなくても工事ができる基礎工事をまず請負に出しまして、主要機器の入手によりまして、逐次工事を進める予定でございましたが、関係部門間の連絡が不十分なために、早急に必要といたしまするA五号ヒユーズ等の準備調達が遅れまして、御指摘を受けたのでございますが、今後は関係部門間の連絡を密にいたしまして、このようなことを繰返さぬように十分注意をいたしたいと存じます。なお本工事は、物品の到着によりまして昭和二十五年十月十二日に完成をいたしました。また関連工事もそれぞれ十月十二日と十一月十六日に完成いたしたのであります。この関係責任者に対しましては、訓告等の処分を行つたのでございます。  五六一号は、長岡電気通信管理所で、昭和二十五年三月に直営で施行した塚山広田間の電柱建設撤去、裸線張りかえ等の市外電話施設工事——これは復旧でありますが、この市外電話施設工事は、二十四年四月当時の長岡工事局が受命いたしましたが、電柱百七十三本の未着のために、工事を延期しまして、二十五年二月その到着によりまして着工したために、冬季に施行しまして、適当なる時期に施行したときに比べまして、約七十万円多額に経費を支出したという点でございます。これは御承知のように二十四年六月に機構改正がございまして、工事用物品の管理配給機構が大幅に改正せられましたのと、また時期的にも田植えのときでありましたので、起工予定を九月と変更し、電柱もクレオソート注入杉柱として計画したのでございますが、この種の電柱は新潟配給局には三十七本しかございませんで、残余の電柱は九月末を納期として購入手配をいたしましたが、購買予算関係とか、注入場の注薬管の毀損等のために、納期も十二月二十三日に延期をされました。しかし本工事は復旧工事でございまして、急ぐ関係もございましたので、当初の計画を変更いたしまして、電柱の規格を変更充当して工事の進捗をはかつたものでございます。以上の事情によりまして、施工に時期を得なかつたという結果となつたのでありまして、まことに遺憾に存ずる次第であります。今後はかかることのないように、十分注意をいたします。なお関係責任者に対しましては、訓告処分をいたしたのでございます。  次は五六二号でございますが、工事が設計通り施行されていないものということでございます。これは昭和二十四年度本省建設部と北陸通信局建設部で施工いたしました麻生津富山間の市外電話ケーブル敷設工事を、大明電話工事株式会社外四社に請負わせましたが、その結果は仕様書によりますと、ケーブルの土かぶりが九十六センチ以上または九十四センチ以上なければならないのに掘鑿の結果は九十センチ以上あつたところはない状態でございまして、今かりに平均九十センチといたしまして計算すると、約五十四万円を多額に支出したというのでありまするが、本件工事は石のかどとか石のかたまり等によつて、敷設ケーブルを毀損しないように、掘鑿したみぞの底にこまかい土を適当に敷き詰めて平坦にしたのと、また施工地帶は土質が軟弱でございまして、大体地表面下約四十センチ程度で湧水するために、掘鑿後にケーブル埋設までに土砂が多少崩壊したり湧出したりいたしまして浅くなつた等の事情もございます。また路面復旧も、県に委託したものでございますが、第一回の補修を行つたばかりで、さらに第二次、第三次等の補修を行う等の事情もありました。しかし一面請負工事区間が長距離にわたつたのと、短期間に施工しなければならなかつた等の事情も、ございまして、局所、的に現場監督の適正を欠いた点もございまして、まことに遺憾に存ずるのであります。今後かかることのないように関係責任者に対しましては、戒告等の処分をいたしましたが、工事監督者全員に対しましても、工事現場におきまする監督を一層嚴密周到にするように注意を喚起いたしたのであります。なおまた最近通研においてこういう監督が適切にできるような機械の考案もいたしておりますので、将来はそういうものを使いまして、十分遺憾のないことを期しておる次第でございます。  次は五六三号でございますが、これは担当部門間の連絡不十分によりまして、工事施行が不経済支出となつたものでございます。本省建築部で昭和二十四年九月、池田建設株式会社に大津局床仕上げ工事を請負わせ、十二月完成したが、そのうちの電池、電力両室の床仕上げその他計三工程は施工不良であり、また当然設計中に含まれるべき温濕度調整裝置も、本省建設部が局内工事施行の際に設置するごとに変更になる等のため、越えて二十五年七月に至り、これらの基礎から掘り返して改修をやつて約九十万円の工費を徒費した。また清水建設株式会社が請負い施行いたしました新潟中継所新築工事でも、約三十万円の手もどり工事を実施している。これらは建築部と建設部の連絡が十分に行われなかつたためであるということであります。大津局の件につきましては、これらの工程は建築部におきまして設計いたしまして図面仕様書の通り施工したのでありまするが、電力、電池室の床仕上げ工事につきましては、後日温濕度調整裝置を附加する必要が判明いたしましたために、電力裝置の設計変更を行いまして、それに伴いまして各機器の設備位置の大幅配置がえを要するに至つたのが主因でございます。また地下油槽は、本工事施行後、周辺の整地等によります雨水浸入防止のため、また冷却水槽も右のほか保守上の便宜のために改修を加えたものでございます。この大津、新潟両局とも、いずれも建築部施行工事が、局内工事よりも相当先行いたしまして、その設計時期においては局内工事の詳細設計が行われていなかつたことと、また局内工事用の機器も、技術的な改良進歩によりまして、短期間にその種類寸法が変化して、そのために裝置の位置とか仕様に変更が生じた等の原因によるものでありまして、関係部門間の連絡が不十分であつた点はまことに申訳ない次第でございます。今後はかかることのないように、建築部施行と局内工事との時期を調整して、また関係部門間の連絡を密にするように適切なる措置をとることにいたします。なお関係責任者に対しましては、訓告の処分を行つたのでございます。  次は工事の進捗が跛行しまして、その完成が著しく遅延したものでございます。五六四号の豊中・姫路間の搬送電話施設は、昭和二十一年度におきまして、二十年度末までに完成することを目途として計画して、本省施設局と近畿電気通信局で分担着工いたしましたが、着工以来満四年余にわたつて施工して、検査当時まだ開通に至つていないばかりか、二十一、二十二年度に新築した箕谷中継所は未使用のまま放置していたので、腐朽はなはだしくなりまして、使用不能で、二十五年二月に三百十四万円をかけて全面的に改修工事を行つた。これは施行が跛行したためにこのような結果になつたものであつて、一連工事の同時完成をはかるべきであるというのでございます。これは御指摘通りで、工事の順序といたしましては、建築関係ができ上り、ただちに局内工事に着工し、局内工事が完成するころに同時に線路工事も完成、全部が竣工するようにしなければならないのでございますが、本工事は終戰直後でありまして、当時住宅、労働事情もやかましく、また予算的制約等もございまして、まず局舎官舎建築から施工することといたしまして、昭和二十一年度から実施段階に入つたのでありますが、予算の削減とか、また土地の買收がうまく行かぬ等のことで、箕谷の局官舎、姫路の官舎のみ完成したのであります。次いで二十二年度には認証の関係で豊中の敷地しか買收できず、二十三年度に至りましてやつと建築関係が大部分竣工したというような状態でございまして、建築関係が三年を要し、また線路、局内工事も、二十二、二十三両年度ともに、予算削減によりまして一部の機器を準備し得たにすぎませんで、二十四年度におきましては、年度当初暫定予算のために本予算成立まで見送らざるを得ないというようなことであつたのであります。また計画当初においきましては、本工事の完成によりまして、既設の裝荷ケーブルを撤去して、資材回收をはかることを目標としたものでございますが、このように長年月を経まして、資材の状況も好転したために、回線の増強に目標を切りかえたというようなことがございまして、遅延の一原因ともなつたのであります。このようなことが御指摘を受ける結果となつたものでありまして、関係部課におきまする計画上の齟齬も認められますので、この点遺憾に存ずる次第でございまして、今後はかかることのないように十分注意いたします。その後本工事は二十五年七月完成いたしましたので、御了承願いたいと存じます。  五六五号は、大阪和歌山間の市外電話ケーブル工事は本省建設部の手で昭和二十四年十月完成したが、その線端の和歌山電話局内の裝置工事が、一部の工事材料未着による未完成と、また当初計画上考慮していなかつた通話減衰耗のために、途中に中継器を設置しなければ通話不能であることによつて、未開通のまま遊休化しているということでございますが、工事材料品の一部到着遅延ににつきましては、機構改革並びに取扱い規定の改正等によりまして担当部課の事務手続の遅延及び準備要求計画の不備等もあり、一方当時メーカーの生産工程も思わしくなかつた等の理由によりまして、かかる結果になつたのはまことに遺憾に存ずるところであります。通話減衰耗につきましては、当初本工事計画は大阪から堺、浜寺、泉大津、岸和田、和歌山及びこれら相互間の回線を收容するために施設したものでございまして、これら各地相互間の直通通話用といたしましては、支障のない通話損でございます。またこれ以遠の回線につきましては、通話損が大きくなりますので、これらの回線には二十六年四月までに岸和田または和歌山電話局に中継器を設置いたしまして、二十六年の七月までに全部開通いたしたわけであります。  以上でございます。
  42. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 右に対して、検査院当局の御意見はありませんか。
  43. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 事業関係につきまして、私の方で工事に対する検査の気持は、工事についてむだ金を使わないように気をつけること、それから使つた金が生きていて、それがすぐ役に立つ、施設が生きて来なければいかぬという考え方検査しております。電気通信省管下において、部分部分に入つて見ますと、職場々々では一生懸命働いているのですが、全体的な、総合的な観点で見ると、ばらばらになつている。そして部分々々には一生懸命やつているが、どこかで居眠りして、総体的に動いておらぬ、こういう感じを多分に持ちましたので、ここにさような意味合いにおいての批難事項を列挙いたした次第でございます。将来も同様な観点において検査を続行して行きたいと思つております。
  44. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 質疑を許します。
  45. 船越弘

    ○船越委員 ただいま会計検査院の方から、末端の部分々々においては一生懸命働いておつても、総体的に見ると、非常にばらばらになつて統一がない、こういう話がございましたが、どういうところに原因があるのか、政府当局の御答弁を求めます。
  46. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 ただいま末端におきましては、それぞれの部門ではやつているのでございますが、先ほど申し上げました通り関係部課の連絡が、完全な連絡関係を欠いているということであります。つきましては、こういう問題をどのようにして改善するかという問題でございますが、関係部課に、こういうふうな欠陥があることをよく注意いたしまし七、起りがちでありまするこういうふうな連絡不十分ということの欠陥を除去いたしたいと存ずるのであります。また幹部といたしましても、将来におきましては、こういうふうな連絡を欠きがちであるということに注意をいたしまして、しよつちゆうこういうような方面のチエツクをして行くというようなことが、必要ではなかろうかと考えるのでございまして、この点検査院の御指摘通りでございます。今後はそういうふうな点を注意いたします。なお企業的に物をやるという点からいいまして、御指摘なつたようなことは、非常に重要な問題と電気通信省では考えておりまして、結局こういう点をトツプ・マネージメントに置きまして、十分注意をいたしまして、関係の部課、ことに資材建設、建築というような関係の間におきまして、計画に齟齬を来さないようにやつて行きたいと存じておる次第でございます。
  47. 船越弘

    ○船越委員 経理局長の御答弁は、どうも私が頭が悪いためか、はつきりわからないのでございます。結局部あるいは課の横の連絡を密にして、今後はできるだけそういう批難事項のないようにやつて行く、こういう御趣旨のように思いますが、しからばそういうことをどういう方法をもつておやりになるのか、具体的にひとつ御説明が願いたい。
  48. 靱勉

    ○靱説明員 お答え申し上げます。在来電気通信省機構と申しますのは、逓信省としまして郵便事業と一緒になつておりました当時は、ちようど転換期でありまして、電気通信省が新たに設けられるという点におきまして、いろいろと事務上の連絡の不完全な点があらゆる面に出て参りました。また実際の仕事の完成を見ましても、機構の大改革がありましたときには、十分の準備をしてやりますれば、それほどの障害はなかつたかと思いますが、大改造をあまり準備なくしてやつたために、本省から末端までうまくずつと一本に通つて仕事が生きて行くという結果が、どうしても得られないで、能率の低下というものが現実に現われておつたのでございますそこでこの各事項につきましての会計検査院の御指摘は、私ども電気通信省としまして、企業的にこれを経営するために、工事を例にあげますれば、それが計画と実行にまつたく齟齬なく、ほんとうに流れ作業のごとく行くということを、私どもとしてはぜひ期待して行きたいのでありまして、そういう点で非常に誤つた例を御指摘なつておることは、私どもまことに遺憾に存じておるのでございます。電気通信省といたしまして、その後機構といたしては、現在非常に複雑がございますが一方におきましては、これらの大きな仕事をやる場合に、科学的なマネージメントと申しますか、そういう意味合いにおきまして、アメリカの電話会社等の例により、ラインによりまして区分するという、ライン、ラインがおのおのそれに与えられたる仕事について十分なる責任を持つて、しかもライン間の調整というものはトップ・マネージメントによつて行われるというようなことと、仕事のやり方の順序というものが、あるセクシヨンでやつたのがその次のセクシヨンへ移るという——標準実施方法と私ども申しておりますが、それがすつかり整備いたしますと、仕事というものがその間間隙がなく、また責任の所在というものがはつきりして運用できて行けるので、その理想を持つてども努力いたしておるのであります。しかし実際上におきまして、アメリカと條件の違つておる点もございますし、私どもは現在の機構自体について、むしろまた再検討をしなければならぬというような問題に当面いたしておりますが、少くとも電気通信省昭和二十四年六月に発足して、そのときはきわめて準備不十分で発足したと思つておりますが、それが、ようやくおちつきまして現在動いておりますので、その後のライン間の連絡とか、あるいは仕事が流れ作業的に行くという点につきましては、かなり私ども改善されて参つたと思つております。特に先ほど例にありましたように、二年も三年も計画が実現していなかつた。その間に中には腐つてしまつたものもあるという事態は、最も遺憾な事態で、ございまして、ただ当時相当予算というものが不安定であつた。せつかく計画しても、現場には一つ仕事が流れて行かないという事態もあり得たような次第でありまして、初め、ともかく仕事を流す、そのうちに計画が変更になる、あるいは中継裝置をしなくてもいい予定であつたのが、使わなければならぬというように、いろいろ計画の変更があつたために、実行部面は一生懸命やつてつても、全体として動きがとれなかつたそれにはまず計画が正確に行われ、それに資材予算というものがぴつたりついて現場に流されて行く、それが早期に行われて、時期を逸しないという点に非常に努力いたしております。まだまだ十分でないのでございますが、そういう方向で改善いたして行きたいと考えております。
  49. 船越弘

    ○船越委員 つまり当時は機構の大改革がございまして、それがためにこういう会計検査院からの批難事項が非常に多かつた、こういうことは一応は了解できるのであります。従つてこれから以後、逐次機構の整備ができ上りまして、二十五年、二十六年においては、今、次官が申されるように、次第に整備して行つた、こういうふうな仰せであります。先ほども経理局長説明なさつたように、今後はこういう批難事項はできるだけないようにする、こういうふうに仰せになつておられますが、二十五年、二十六年につきましては、次官は責任を持つて、こういう会計検査院批難事項のようなものを極力少くし得る見通しがあるかどうか、どういうお考えでございますか。
  50. 靱勉

    ○靱説明員 二十四年六月に機構が改革になりまして——これは率直に申し上げまして、機構がおちつくまでに相当時間がかかつております。その年のうちには、なかなか整備がつかなかつた。正直に申しまして、それぞれのところでやる仕事の範囲というものも、はつきりきまらぬやうな状態でスタートをしておつた。それで在来のやり方をできるだけ踏襲するというようなことで移りかわりをやつたわけでございますが、その後現場機構につきましても、昨年度でございますか、また改正があつた。実は終戰後、機構の改革がほとんど毎年行われているような状態であつたのでございますが、しかし大きな改革というのはこの改革でございます。その後また二十五、二十六年度に、現場機関についても手当をいたしております。そういう関係で、私ども会計検査院がお考えになつた考えで、事業、工事の成績等を見ているのでございますが、遺憾ながら繰越しが多いとかいうような点がまだ改善されていない。これらについては、われわれとしても非常に嚴格な批判をいたしまして、これも率直に申し上げますれば、各現場から工事の計画票をとることに変更いたしたのでございます。それには詳細な工事の計画票が出て参り、それを本省で審査しまして、予算とつき合せ、物品を用意しまして、今度は下へ流す、この計画が在来におきましては、四月から会計年度が始まるとしましても、ほんとうにそれが軌道に乗つて来ますのは九月、十月で、それから工事が始まるものですから、どうしても繰延べが多い、あるいはまた夏の非常に働きやすい、能率の上るときに仕事ができない、こういうような結果になつて来る。そこで計画を早く決定することと、予算が早く決定されると同時に、予算の認証が急速にされるようなことにならないと、ほんとうの企業的と申しますか、仕事ができないということで、ただいまの御質問に対しまして、非常にまわりくどく回答してはなはだ恐縮でございますが、私どもは誠心誠意、何とかこういうような不合理がないように努めて参つておりますが、今言つたような諸條件を考えますと、こういうような不経済的なことが絶無であるということを、責任を持つて次官が答弁しろとおつしやられても、どうも私ども今なおいろいろ監査いたしておりまして、遺憾な点もあるような次第でございます。ただおくみとりを願いたいのは、私ども常にそういうことで改善しておりまして、少くとも来年度予算は四月、五月早々にでも着手したい、こういうことで——年度自体も、これは予算が通つた上で、実はある方面から徹底的にその実行計画を手入れされたということで、五月、六月はそのまま過ぎ去つたという過去の事例もあるのであります。そういうようなことが重なつておりますので、電通省になつてから、ただちにりつばになつたかと言われますと、その精神で一生懸命やつておりますが、まだそこに具体的に申しますといろいろ條件があるということを、遺憾ながら申し上げなければなりません。
  51. 船越弘

    ○船越委員 次官の誠意を了解いたしまして、一つずつ批難事項について御質問申し上げたいと思います。  五五八号についてお伺いいたします。本省からの指令が電気通信局に到達したのが、二十四年十一月であつて、岩見沢電気通信管理所にその通信局から指令が届いたのが、翌二十五年の二月末である。こういうことになつておりますが、先ほどの経理局長の御説明のときに、私ちよつと聞き漏らしたのでございますが、どうしてこういうふうに遅れて指令が行くのでございますか、その点についてお伺いしたいと思います。
  52. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 本省予算経理をやつて、たまたま最初ここへ出すこれだけの金が出なかつたのでございますが、その後いろいろやつておりまして、十一月ごろになりまして、何とかこれだけのお金が捻出できるという見込みが立ちましたので、現場の要望も非常に盛んでございましたし、それでこの経費を令達したのでございます。根本的に言いますと、もつと早くどうしてわからなかつたかということが問題でございましようが、一応ずつと計画いたしましたところが、出なかつた。しかし何百億という予算ですから、だんだんやつておるうちに、これくらいの金が出るということになり、しかし出ても、この時分にはもうたいへんだから、来年まで延ばして——サービスもさることながら、金がかかるから、延ばしてといいましても、現在予算年度がございますので、三月三十一日までに使わなければならぬ。そこで本省から十一月に渡したわけでございます。それから北海道で管理所に二月に渡した、その間相当時期がたつておりますが、北海道におきましては、十一月、十二月という時期よりも、むしろ三月という方が、工事の時期におきましては比較的ベターであるというような関係からいたしまして、二月に現場へ出したということでございます。  ちよつと脱線かもしれませんが、こういうこともございますので、私どもの方は、経費の有効使用ということを考えまして、今度もしわれわれの方が公共企業体になるというようなときには、損益勘定におきましては、事業とともに金を使う。そこで四月一日から三月三十一日までの間に、経費を数字的にきめて、鉄のわくをはめないで、自由に使わせていただいて、結果は決算で御判読いただくというようなことを考えまして、目下関係方面に御説明申し上げておる次第でございますが、今の予算制度と、それから、あるいはわれわれの努力不足かもしれませんが、そういうようなことから、こういうことになつたわけでございます
  53. 船越弘

    ○船越委員 ただいまの御答弁によりますと、つまり年度末の三月までに使用しないと、また翌年度予算獲得のときに非常に不便があつて仕事ができないということが間々あるから、北海道のような寒冷地においても、寒冷地であるということはわかつておりながら、できるだけ工事を実施せしめるように仕向けた、こういう御意思がお言葉の中に含まつているように私は思うのでございます。そういうことはなかつたのですか。
  54. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 そういふうにお聞きでございましたら、私の言葉が多少足りなかつたかと存じます。実は、ほんとはもつと早く年度初めに、すつかり一銭一厘の間違いのないような計画ができますれば、もちろんその年度でも早く行つたのでありますが、それが思うように行かなかつた。それで十一月になつたわけでありますが、たまたまここの施設状態が非常に不良でございまして、そうしてどうしても早くやつた方が——繰越しができないということも一つの條件でございますが、しかしそれもさることながら、この不良で故障がちな施設をこのまま放置しておくよりも、多少高くても工事をした方が、電気通信事業としてはとるべき方法であつたというぐあいに考えましたので、工事をやつたのであります。しかし私どもがおわび申し上げまするのは、もつと早く計画を慎重にやらなかつたかという点につきまして、おわびを申し上げておく次第でございます。
  55. 船越弘

    ○船越委員 もつと早く予算の措置をとり、あるいは計画をやらなかつたところに遺憾な点がある、こういうふうな御答弁でございますが、この五五八号についての関係責任者に対しては嚴に注意しておいた、こういうふうな御説明が書いてございます。関係責任者とはだれを指すのですか。
  56. 靱勉

    ○靱説明員 これはただいま政府委員から御説明申し上げた通り、ともかく一応予算がないというので、うつちやつておいた。その後都合がついたから、時期は悪いが、サービスの改善もあるし、やりたいということで、一応、無理に予算をとつたという形になりますが、本省としましては差繰りがつきましたので——これは責任者と申しますのは、保全部の市外線路課長でございますが、それじや予算を差繰ろうという形になりまし——一これは北海道の通信局の保全部の者が主管になるわけでありますが、その実行は管理所がするという形になるわけであります。そこで実は管理所、通信局、それから本省というものが三つ責任でありますが、根本的に申しますれば、予算の令達が遅かつたということに原因があるのではないか。それから片一方から、これは率直に申し上げれば、北海道はそういう時期の悪いときに、無理やりに——これは同じ役所でも、予算の取り合いというものがあるのでございまして、ぜひ自分の方のこういう工事をやりたいという要求は、各通信局、また通信局館内でも、いろいろ管理所で要求があるわけでありまして、本省に折衝してようやく持つて来たという形になつたわけでございます。これは、いろいろ検討しました結果、結局いくら要求があつても、そういう時期にやるのでは不経済だということがわかつれたら、本省がそれを出さないのがほんとうだつたのだというような議論から、本省の者に、今後こういうことのないように十分注意をいたしますと同時に、通信局、管理所等におきましても、こういう不経済な工事は避けなければならぬという旨を注意申し上げた、こういう次第でございます。
  57. 船越弘

    ○船越委員 五五八号、五五九号、同様な問題と思いますが、今次官の御答弁によりまして、私も納得いたしたのでございますが、関係者というような、第一線におるところの岩見沢電気通信管理所、あるいは北海道電気通信局、こういうところだけをおしかりなさつたのでは、私は意味をなさないと思う。先ほどいろいろ御当弁を聞いておりますと、やはり本省におきましても、重大な責任を考えなければならないものが、非常にたくさんあると思うのです。今の次官のお言葉では、本省あるいは出先の二箇所について注意しておいたというお話でございましたので、私も了解いたしました。  次に五六五号でございますが、この裝置工事が一部工事材料の未着のために工事不能になつたということでございますが、この材料の未着というのは、やはり機構改革のために材料の到着が遅れた、こういうことでございますか。
  58. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 材料が遅れましたのは、今お話通り機構改革等がございまして、仕事のやり方が大分かわりまして、これは先ほど次官からも御説明申し上げましたように、アメリカの一番進歩した方法でやることになつたのでありますが、何さままだ十分習熟しておりませんでしたので、その間にこういう疎漏があつたのと、もう一つは、当時メーカー側に、製造につきまして多小隘路があつたというようなこと等が重なりまして、一部未着になつたような次第であります。それからちよつとつけ加えますが、この五六八号の問題で、むしろ通信局、管理所よりも、本省ではなかろうかという御指摘でございますが、その通りでございまして、私どもの方もいろいろな問題につきまして、本省の方に注意をして、本省の者がもう少ししつかりやるようにということで、戒めたような次第でございます。
  59. 船越弘

    ○船越委員 同じく五六五号の通話減衰損、これはどういうものか私にはよくわかりませんが、この「通話減衰損のため線路途中に中継器を設置しなければ通話不能であることにより」——こういうふうに会計検査院の方は御報告されておりますが、中継器を設置しなければ不能であるということは、当初わからなかつたのでございますか。わかつてつて、手落ちのために計画を立てておられなかつたのか、その点についてお伺いしたい。
  60. 吉田五郎

    ○吉田説明員 お答えいたします。この通話減衰損と申しますのは、ケーブル線を何十キロメートル張りますと、途中で非常に小さくなります。その声の小さくなる割合を言つておるのでありまして、その割合を損失と称しております。通話減衰損と言つておるのです。この区間の問題は、〇・九ミリメートルのケーブルを張つたわけでございますが、最初の計画ではちようど大阪・和歌山間に使うつもりでやりましたので、中継器はその最初の計画には入つておらないのでございます。大阪・和歌山間には中継器は使わずともよろしいのでございます。将来この回線が遠く田辺の方に延びますと、どうしてもいるわけであります。従いまして、初期におきましては、この回線を大阪・和歌山間に使う計画で、いらなかつたわけであります。この問題につきましては、計画として翌年度から次の工事としてやるような計画になるのであります。そこに私どもの大きな目からいいますと、もつと大きな長期計画を立てて、その一環としてやるべきじやないかという御議論があると思います。当時の事情としましては、中継器を入れずに、とりあえず大阪・和歌山間をやる、こういう計画つたものでございます。同時にこの間にはもつと太いケーブルもございまして、その方は通話損がなしに、中継器を入れずに、そのまま遠くべ延びるゲーブルもあるわけであります。
  61. 船越弘

    ○船越委員 当初の計画では、中継器を入れなくても大丈夫だ、こういう御計画のもとに工事をやられた、ところがこの会計検査院の方の文書を見ますると、「中継器を設置しなければ通話不能であることにより、未開通のまま遊体化している」——こういうふうに批難してあります。会計検査院の方といたしましては、この中継器を入れないことが原因であるという批難でございますか、どういうお気持でなされたのですか。
  62. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 ただいまの減衰損のお話でありますが、大阪と和歌山の間は、なるほどこれで通話ができますが、大阪の市内の加入者がぶら下つておるし、和歌山の市内の加入者がぶら下つておる。そうすると大阪と和歌山だけの間の通話のデシベルは大丈夫だけれども、その先ちよつと市外で遠いということになると、もう聞えなくなるということになれば、大阪・和歌山間だけ通じて大阪局、和歌山局べ行つて話をするなら、これは聞える。しかし自宅からそれぞれかけるということになると、声が低くてかからぬということでは、これは電通省のサービスということからいうと、今の大阪、和歌山の加入者状態では、局まで電話をかけにおいでなさいということは無理じやないか。ただそういう程度のことは、当然初めから勘定に入れておくべきじやないか。これを初めから考慮されぬで、結局私どものような考え方で開通したのが二十六年三月三十一日ということになつておるわけであります。やはり当初からこのものは入れるということが、お客に対するサービスのゆえんであります、そういう考え方であります。
  63. 船越弘

    ○船越委員 経理局長は、先ほど、公共企業体になれば云々というようなお言葉がありましたが、少くとも電気通信省は、国民一般大衆のためにサービスをなさるということを、根本的にお考えくださらなければならない。しからば、今会計検査院の方で御指摘のように、局と局との間では十分通話ができるが、自宅からかけようとすれば、どうしても通話が困難になる、こういうことはあなた方専門家の間ではおわかりのはずだと思うのです。そうすれば、当初計画に大阪・和歌山の間はこうごうだと言われても、こういう中継器は設置されるように計画をなさるのが至当ではないかと考えるのでありますが、いかがでございますか。
  64. 吉田五郎

    ○吉田説明員 ただいまの通話損の話ですが、実はこの通話損が大きくてだめだと申しますのは、和歌山の加入者と大阪の加入者ではございませんで、大阪から見まして、和歌山を通り越しまして、田辺というもつと先べ延びましたときに、通話損が大きくてだめだ、こういう御指摘なのでございまして、大阪と和歌山だけの加入者につきましては、私どもが中継器を入れないでさしつかえないと申しますのは、もちろん加入者同士の通話を考えてでございます。その点は問題ないと存じております。ただ大阪から和歌山だけではなしに、もつと和歌山県の先に延びる需要がございましたので、将来計画なつておるわけであります。すでに今日工事をやつております。そういう場合を考えると、もつと長期的に考えて、不十分ではないか、こういうことを会計検査院が御指摘なつたんだと存じております。
  65. 船越弘

    ○船越委員 私の聞き間違いでございますか。今会計検査院の方のお話は、市内の通話者の宅からかけるときに減衰損が起きる、こういうふうに私聞きましたが、いかがでございますか。
  66. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 私の方の出しました案は、まさにさようでございまして、ここで和歌山と大阪の加入者間の損失を計算いたしますと、線路実線による損失が十五デシベル、それから局内裝置の損失、市内連結損失を考慮すると三十六・二デシベルとなるので、本来百キロ以内の近い電話線路における通話損失の現在の許容範囲が三十デシベルで、六・二デシベルだけ超過することになりまして、和歌山以遠の通話はもちろん不能になるということで、許容されておりまするデシベルを越えておりはしないかということでありまして、声は小さくても聞えるということになれば、また話は別でございます。
  67. 船越弘

    ○船越委員 どうも会計検査院電通省との間に、意見の食い違いがあるのでございますが、できることならば、電気通信省は、すべての国民にサービスをするところの官庁である、こういう性格を持つていただきたいと思う。聞えさえすればいいじやないか、こういうことでは、文化の発展も経済の興隆も絶対にないと思う。もう一度政府当局の答弁をお願いしたいと思います。
  68. 靱勉

    ○靱説明員 お説の通りでございまして、会計検査院と若干意見が違つているようにお耳に入つたと思いますが、私どもお答えといたしましては、やはりケーブルというものは当然以遠まで行かなければならぬ。でありますから、ここに中継器を入れるということを当初から計画しておるのが一番いい計画であつたと考えます。その点は大阪・和歌山間の通話が聞える聞えない以外の問題においても、一番いい計画つたと思います。  次に、ただいまおつしやられました通り、かりに大阪和歌山間であつても、できるだけ質のいいサービスを提供する、これは電通省の使命であります。ことに、こういうケーブルがそこにとまるということはないのでありますから——かりに、とまつてつても、他のはだか線を通じまして、和歌山以外から和歌山を中継して大阪へ入つて来るということも考え得るのでありますから、できるだけ質をよくするという意味合いにおきまして、当初から中継器を計画に入れておくことが最善であつたという点につきましては、私ども率直に認めまして、今後そういうことのないように注意いたしたい、こういう考えであります。
  69. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに質疑はありませんか。——なければ、次に報告書百五十六ページ、物件、報告番号五六六ないし五七〇、物品を高価に購入したもの等、物件関係批難された事項五件を、便宜一括して説明を求めます。  なお肥爪君にお願いしておきますが、報告説明につきましては、時間の関係がありますので、報告書に記載の分との重複を避けて、特に説明を要する事項がありましたら、それについて御説明を願う、こういうふうにお願いしたいと思います。
  70. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 五六六号でございますが、本件につきましては、御指摘通りでございます。札幌逓信病院といたしましては、契約事務に勘能な者も乏しゆうございます。また東芝の販売会社日本医療株式会社との取引も一度もなく、その存在を知らなかつたために、購入先を誤つたことは、まことに遺憾と存ずるのであります。このために深部治療用のレントゲン裝置の購入にあたりましては、三友物産株式会社ほか有力医療器機商の三社から見積り合せをいたしまして最も安かつた三友物産株式会社契約購入をいたしたのであります。また価格の点につきましても、カタログ等も戰前のように完備されておるものがございませんで、大学病院等に聞きまして、今なら百二、三十万円くらいだろうというようなことによりまして決定いたしたものでございます。その後、一般市価に比しまして非常に高価であることがわかりましたので、さつそく交渉の結果マルチウスイオニメーター、二十九万五千円のものを付属品として八月に納入させたのであります、右の次第でありまして、関係責任者に対しましては戒告等の処分をいたしましたから、御了承をお願いいたしたいと存ずるのであります。  次は五六七号でございますが、これは米軍拂下げの古繊維を甲として、廃物となりました自動車の古タイヤを底として一縫いつけ地下たびを作製購入する計画を、二十四年の二月に立てた上、材料の準備とか物価庁の価格裁定等の手続を経まして、三月に至りまして契約したものでございます。たまたま当時に至りまして、本省から地下たびの送付を受けましたために、在庫量が増大する結果となつたのであります。次に本品の価格は、当時のマル公の張りつけ地下たびの卸売価格より五十二円、またマル公の縫いつけ地下たびの卸売価格より三十六円安く、物価庁の裁定を受けて購入したのでありますが、価格の点からいいまして、本省準備品と比較いたしまして粗悪な品物でございまして、需品調達について当を失しましたのはまことに遺憾でございます。今後かようなことのないように十分注意いたします。なお在庫品につきましては、ほとんど全部交付済みでございまして、関係責任者に対しましては戒告処分をいたしたのであります。  次は五六八号でございますが、これは当時資材部におきまして、電池部門の担当者が痛気欠勤いたしまして、後任者と交代の際に、前任者が二十三年度計画簿に保管転換の仮登記をしたまま引継ぎましたために、二十四年度計画簿に転記漏れになつており、後任者はそのことを知らずに、新たに購入手配をいたしましたものでありまして、まことに申訳ない次第であります。なお本物品は容量の小さい電池四組に組みかえて、昭和二十六年九月十八日までに三石、京都、加茂、福山、美の郷、各電話中継所の工事に使用いたしたのであります。この関係責任者に対しましては、訓告の処分をいたしたのでございます。  次は五六九号でございますが、これは鑚孔紙類の二級品と申しましても、その用途は一級品と何ら異なるところはなく、また製作工程途上におきましても、一巻について二、三箇所のぬい目があるものを不良品として扱うのではもつたいないので、使用上におきましても多少の手数をかければよいものでありますから、二級品といたしまして値引きの上購入したものでございます。従いまして、需給計画上におきましては、同一品目として取扱つておるのでありますが、九州資材部におきましては、一級品のみ現場に拂い出し使用させましたために、二級品の退蔵という結果になつたものでございまして、今後は、二級品を混合いたしまして、退蔵二級品の一掃に努力いたしますとともに、本品の新規購入にあたりましては、漸次二級品の購入を廃止するように取運び中でございます。この関係責任者に対しましては、注意処分をいたしたのであります。  次は五七〇号でございますが、これらの物品面につきましては、戰災によります書類の喪失とか、あるいは戰後の悪條件によります物品処理の不十分とか、あるいは二省分割に伴う機構改革の際の物品引継ぎの不十分等の事情によりまして、現品と帳簿の不符合を来したのでありまして、現品と帳簿の完全なる突合せ、たなおろしの必要を痛感いたしまして、二十五年度二回貯蔵品のたなおろしを断行いたしましたが、職員の未経験と工事の忙しい時に実施いたしました等の事情によりまして、十分目的を達することができなかつたために、本年度もさらにたなおろしを実施いたしたのであります。将来はかようなことのないように十分注意をいたします。なお責任者に対しましては、嚴重注意いたしました。
  71. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 会計検査院に御意見がありますか。
  72. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 以上の物件に関しましては、政府委員から御説明通りでございまして、つけ加えて申し上げることはありません。
  73. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 質疑を許します。
  74. 船越弘

    ○船越委員 五六六号について政府にお伺いいたしますが、見積書をおとりになつて、レントゲン裝置をお買いになつたというお話でございまするが、見積書は何箇所ぐらいおとりになつて、そのときに市価はどうなつておるかということを、御調査なさつたかどうか、お伺いしたい。
  75. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 見積合せにつきましては、三箇所からとつております。ただその当時、関係者があまり市価に通じませんものですから、この三者の見積合せのうちで、一番安いもので、これでいいと思つたのであります。その点がまつたく未熟でございまして、あとであれは高過ぎたということがわかりましたので、三十万円近いものを、付属品として納入させたというのでございます。
  76. 船越弘

    ○船越委員 三箇所から見積書をおとりになつたその相手の三箇所の商店は、従来から電通省べ出入りをしておつた商人であつたのか、あるいはまた適当にお選びになつたのか、どういう方法でこの三箇所を御選定なさつたのか、その点についてお伺いしたい。
  77. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 先ほど三箇所と申しましたのは、少し間違つておりまして、四箇所でございます。病院長が東京へ参りまして、一箇所は従来から電通省に出入りしておつたものでございますが、ほかの三箇所は新しい業者であつたのであります。
  78. 船越弘

    ○船越委員 その四箇所をどういう方法で御選定なさつたか。つまり有力なるメーカーとか、有力なる商店であるとか、何か基準を置いて御選定なさつたのではないか、その点をお伺いしたい。
  79. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 その点がまことに当務者がなれませんで、お説のように買いまするときには、相当いろいろな経済常識を働かせまして選定しなければならなかつたのでありまするが、この選定は、一社だけが従来から入つてつたのであります。そのほかにつきましては、たとえば東芝の販売会社などを入れておればよろしかつたのでありまするが、その辺の知識が不十分でございまして、まことに選定を誤つたと存ずるのであります。
  80. 船越弘

    ○船越委員 少くとも百三十八万円というものをお買いになる、そういうときに、こういう品物はどこで製造しておるか、こういうことをまず考えるのが、一般観念としてこれは常識である。いかに未熟の官吏であつても、これはもう常識でありまして、こういうことについて、ただ未熟であるとだけでは、私は済まされないと思う。従来取引のあつたのがこの三友物産会社でございますか、どうございますか。
  81. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 これは実は本省準備品と申しまして、重要なものにつきましては本省調達いたして交付するのでありますが、本品はたまたまあやまちをいたしまして、地方で購入するというようなことでございましたために、かような不始末をいたしたのでありまするが、もちろん本省におきましては十分各般の情勢をにらみまして、どういうところから買うのが、一番適当であるかということは、常に検討をいたしております。そして大体どういう品物につきましてはどういう商社がいいかということは、常に検討いたしておりまして、相当のリスト等も持つておるわけでございます。本件はきわめて例外的な、ミスでございまして、この点まことに申訳ないのでございます。一般には十分いたしておる次第であります。
  82. 靱勉

    ○靱説明員 今御質問にお答えなつていないので、お答えいたしますが、三友物産というのは、私もよく知りませんが、前から出入りしていた医療器械の商社のように聞いております。それからそれ以外のでは、専門店で、いわし屋というのがかなり有名な器械のメーカーかと聞いております。あと二つあるのでございますが、やはりこの病院長というのはお医者さんで、こういう医療器械について、もちろん東京にはどういう店があるかということは承知いたしておつたようでございますし、東京へ出で来ましてこの見積りをとり、契約をした場合におきまして、相当有名店を集めたように調査の結果はなつておるのでございます。
  83. 船越弘

    ○船越委員 会計検査院の側にお尋ねいたしますが、結局市価より非常に高価に買つた、こういう御批難でございますが、当時市価はどのくらいで、どのくらい高く買われたのでありますか。
  84. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 本件を私の方で出しましたのは、少しお気の毒なんですが、カタログに基いて買われたのですが、カタログの中に東芝の札幌営業所があるのでございます。従つてカタログのある東芝の札幌営業所にカタログに基いて電話をかけてみると、大体八十六、六万円で買えるという見当であつた。それで当時厚生省の国立病院で買いましたが、やはり八十六万円で買つております。従いまして、これは病院の会計を担当しております人がこういうものがほしいということに対して、すわつたままで、出入りの業者がこの程度の値段ですということでそのまま買つた。実はこの品物を、私の方で見積りの経過を見ますと、間に立つている業者が、もつとうんと高い値段で入れているので、どうも一ぱい食わされたのじやないかというのが、真相ではないかという気がするわけであります。そこで私の方で出しました意味は、この程度の高い品物を買うときには、じつとすわつていながら、ブローカーが持つて来るのを、うん、そうかというような買いは方いかぬ、少くともカタログに基いて、製造元なり販売所に幾らで売れるのだということは、通信を出せば市中値段はわかるわけでありますから、それを照会した上で買つたらどうか。またわからなければ、東京の方のそれぞれの資材を担当する部局の方に、どれくらいの値段か調べて見てくれないかということで、出入りのブローカーの言う値段がはたして妥当かどうかというような点を審査した上で買うべきじやないかそれを病院の会計を担当する人間が、すわつたままで買つている、見ると非常に高いということで批難しておるのであります。
  85. 船越弘

    ○船越委員 少くとも東芝の販売店が札幌にあるということは、病院の院長さんくらいの人ならば、たいていおわかりになると思います。ところがこういう買い方をしておるといくところに、私は業者との間に談合が行われているのじやないか。その談合の行われた結果は、包み金でも行つておるのじやないか、こういうふうにまで想像がつくのでありますが、今会計検査院お話通りに、八十五、六万円で買えるものを百三十八円ということになると、少くとも六十万円時価より高く買われたことになる。ところがこれに対して二十九万五千円程度の価格のものを、あとから納入せしめた、こういうことで事終れりとお考えになるようでは、国民は税金を拂うのが非常にいやになる。この程度で事は済んだとお考えになり、また関係責任者に対しましては、調査中ということになつておりますが、すでに二十四年度の問題であるにかかわらず、調査中ということはどういう意味でございますか。
  86. 靱勉

    ○靱説明員 ただいまの御質問では、二十九万何がしのものを入れたから、事終れりと思つているのはいかぬとおつしやられましたが、この点につきましては、私も決してそれでもつて埋め合せがついたといつてお答えいたしておるわけではないのでありまして、この事件は、先ほど検査院の方からお話がありました通りに、一ぱいひつかけられたという形と私ども考えておるのでありますが、ブローカーとしては、そこに中間的にいろいろとるということもあり得ますから、一応契約面から見れば、その通りに実行せざるを得ない、こういうことになるかと思います。そこでこういうような非常に不当なひつかけをやつたような業者は、その後一切出入を禁止する、こういうような処置も私どもとしてとりますし、病院長に対しましては、取運び中と書きましたのは、どの処分にすべきかということについて、ずいぶん迷いました。実は今船越委員も御指摘通り、あるいはその間に何かあるのじやないかというような点もありましたので、いろいろと調査してみたのでありますが、結局この病院長は相当ふなれであつたということ、それについている事務当局も、非常にふなれであつたということで、病院長の処分は、結局戒告にするということにようやく決定いたしまして、すでに処分はいたしたのでございますそういう結果になつております。
  87. 船越弘

    ○船越委員 どうも私は満足行かぬのでありますが、このくらいにして、五六七号についてちよつとお伺いいたします。消費組合ですでに購入計画を立てておつたもので、その品を消費組合で現品を見ると非常に粗悪品である。これはひとつ省の方へ買つてもらつた方がよかろう、こういうことによつて、この粗悪品ということがわかつておるにもかかわらず、電通省の方でその粗悪品をお買取りになつたのじやございませんか。
  88. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 本件につきましては、船越委員のおつしやいますように、計画をいたしておつたのであります。そこでそれを厚生施設の方として買うよりも、実は役所としても必要だということになりまして、こちらで買うことになつたのでありますが、その点買い方につきまして、非常に高価に買つておるというような点がございまして、まことに遺憾に存じておる次第でございます。
  89. 船越弘

    ○船越委員 役所の方としても必要なものであるから買つたとおつしやいますが、この報告書によりますと「在庫品は約一箇年分の必要量をまかなう程度を保有していた」——こういうことになつております。それほどたくさんな必要量を持つておりながら、なおこういう粗悪品を必要であるからというてお買いになつたのですか。そういうこどでお買いになつたならば、私は非常に不都合だと思いますが、いかがですか。
  90. 靱勉

    ○靱説明員 これは状況を調べてみましたところ、実は相当前から計画されておつたのであります。御承知のように、当時はなかなか地下たびの官給も十分にいかぬ。それから省内の規定といたしまして年に何足というようにきまつているわけですが、実際におきましては、工事現場等においてはやはりそれ以上必要だということで、別に消費組合等から現場の人たちに配つてつたということもあつたわけであります。それでこれができ上つたころ十は、大体地下たびの需給はよくなつたのでありますが、終戰後これは相当貴重な品物でありますし、私ども事業としては、工事現場その他電報の配達等からいつて、非常に貴重なものでありました。そこでこの事件を調べてみますと、そういうところに増配したいという気持が工事部門にあつて、たまたま消費組合でその話があつたものですから、個人持ちではなかなか買えないということで、これは役所の方で買つてもらつて官給にしたらどうかというような動機から出発したようでありますが、それがだんだんと遅れて来ました結果、結果的には非常に粗悪品を、十分あるところにまた入れたじやないかということになつた。結果はもちろんその通りでありまして、本件はやり方として非常にまずかつた。こういう点で私どもその責任を追究しまして、それぞれ処分いたしておるわけであります。
  91. 船越弘

    ○船越委員 消費組合の方で買い入れて、組合員に個々に配る資金がないために、お役所の方で肩がわりして買つてもらうことにした。そうしてお役所でそれを工事現場の方にお渡しになればこういうことはないのでございましようが、すでにお役所の方では一箇年分の在庫品を持つておる。持つておるからこの粗悪品は次第に手渡しすることが困難になつて来た。こういう事案であると私は思うのです。つまり消費組合の方で、粗悪品であるかどうか、すでに承知しておられた問題ではないか。また私の記憶では、この地下たび等が非常に貴重品であつたのは二十二年、二十三年当時であつて、二十四年には相当出まわつておるのです。  これは調査なさればわかると思いますが、にもかかわらず、二十四年にこういう粗悪品をお買取になつたということは、私は非常に問題であると思うのであります。会計検査院の方の御意見をお伺いしてみたいと思います。
  92. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 本件は二十四年の二月ころ、地下たびの貸与を受ける人間が一年に四足では不十分だというので、米軍拂下げ被服を背中に、タイヤを底にするということで、二十二年の四月ごろ計画を立てたのでありまして、ただいまお話がございましたように、二十五年三月のあれになるとどうだというようなことになりますが、とにかく組合責任において発足したのが、指定生産資材組合の割当証明を受けられないというので、そこで官に肩がわりした。そしていよいよできたものが非常に悪いということになつて、経済的な負担が宮にかかつて来た。発足した立案の責任組合ということになれば、これが割当制度の上で組合に割付けすることが困難だということで、官に名前をかりたということであつても、経済的な一切の損益利害は、計画した組合に帰属すべきが筋合いではないか。それを官が割当制度関係で便宜引受けたものを、経済的な負担まで背負い込むということは、国としてはまずいじやないか。いわんやいよいよ引取ろうという腹をきめたときには、それぞれの規格に合つた地下たびもうんとあるということになりますると、明瞭化した経済的な負担を背負い込むということは筋違いだということで、批難したわけです。
  93. 船越弘

    ○船越委員 私は会計検査院の御意見の方が正しいと思います。  次にこの五七〇号でございますが、これは機構改革によつて、あるいは担当しておる職員のふなれのためにこういう結果になつたという御説明でございました。しかし過剰品が四千五百万円、不足品が八千百万円に達しておる。普通在庫品は不足するのが通例でございますが、非常にたくさん品物が余つておるというようになつております。どうしてこういうふうなことになつたのでございますか。また、たなおろしは嚴重におやりになつた、こういうことでございますが現在ではこういう不始末は起きていないのかどうか。この二点についてお伺いしたい。
  94. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 私どもの方はいろいろ大きな工事をやりております。工事が済みました場合にそれを全部帳面にもどしましてつけておきますればよろしいのでありますが、帳面につけておきますと、今度使いますときに、一々帳面から拂い出すという手続をしなければならぬというようなことで、現場の工事をし、品物を使うものにおきましては、それが非常に煩瑣だということで、その煩瑣を避けてスムースに仕事をやりたいという念願から、これだけの工事にこれだけいると拂い出しまして、余りましたものを、いわゆる帳簿外品としておくような傾向が従来あつたのであります。そういうふうなことが、非常に物がたくさん出て来るという原因でございまして、そういうふうなことは、工事上の便宜はとにかくといたしまして、非常にいけないことである。また工事をやります上におきましては、私どもは今月から原価計算をやりかけておりますが、そういう戸籍のない品物をただ扱いましては、ほんとうの原価計算が出ないという関係もございます。そういうようなこと等からいたしましても、嚴重帳簿に登記をいたしまして、将来におきましては、こういう不始末のないようにいたすという固い決心でありまして、それができると深く信じております。
  95. 船越弘

    ○船越委員 固い決心をお聞きいたすのではなくして、現在帳簿にきつちり全部載つてつてこういう不始末は今後起らないように、ただいまのところでできておるかどうかという事実だけをお尋ねいたしたい。
  96. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 ただいまもできております。将来もその通りやる予定であります。
  97. 高塩三郎

    ○高塩委員 報告書の第五六八号についてお伺いいたします。これは資材の二重交付の問題でありますが、この報告書によりますと、大阪資材配給局からこの物品を保管転換によつてすでに充当済みのところへ、さらに準備品として保有しておつたものを交付したのであるかどうか、その点をひとつ……。
  98. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 本件は大阪から保管転換によりまして、もう現場に着いておつたのであります。保管転換でその配給が済んだという記録が実は鉛筆で仮登記してある。それが前任者が病気というようなことで、後任者が早々にかわりまして、それをあやまちましてさらに買付をやつたということであります。
  99. 高塩三郎

    ○高塩委員 ただいまの御説明によると手続の誤りのようでありまするが、二組を購入したというのは、これはわけらないはずはないと思うのであります。これがどういう複雑な関係——その必要はないとわれわれは思うのであります。まあふなれなためにわからなかつたというようなお話でありまするが、簡單にこういうことはわかるものであると私は思うのであります。これはそんなに複雑なものでありますかどうか。
  100. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 高塩委員のおつしやいます通りわかるはずでございますし、現にわかるようにできておるのであります。それが後任者がかわつて早々とはいえ、非常にそこつな扱いで十分にそれを確かめることをしなかつたというところに、この欠陷ができたのでございます常時こういうことはあるわけではございませんで、そういうふうな本人の不注意によりまして、たまたま起つた事故でございます。
  101. 高塩三郎

    ○高塩委員 そうすると、もう一組は保管してあつたのか、また適当にそれは使用しておるのかどうか、その点をお伺いします。
  102. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 新しく買いましたものは、すでにほかの中継所におきまして、現在においては使用いたしておるのでございます。
  103. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに質疑はありませんか。——質疑はないものと認めます。  次に報告書百五十九ページ財務諸表、報告番号五七一ないし五七三、経費の支弁勘定科目及び固定資産の計理当を得ないもの、報告番号五七四、五七五、経費の年度区分に関する経理当を得ないもの、以上五件を一括して説明を求めます。肥爪政府委員
  104. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 五七一号につきましては、これは当時通信研究所は五反田、神奈川県の辻堂、それから都下の神代村三の箇所に分散しておりまして、研究業務の能率上あるいは経済上、また庁舎が木造であるため、火災によりまする貴重な研究資料の焼失のおそれ等を考慮いたしまして、一箇所へ集結することが多年の懸案でございましたが、たまたま武野高女が購入できましたので二十四、五両年度にわたりまして改修工事を計画いたしたのであります。この経費の支弁科目は、御指摘通り工事内容から見まして建設勘定をもつて支弁すべきでありましたが、種々の努力にかかわりませず、遂に予算を十分獲得できませんところへ、学園の関係等から神代分室を早急に引渡さなければならぬ状況になりまして、本庁舎完成のために経費の一部を損益勘定によりまして差繰り使用いたしたのでございます。本件につきましては固定資産の増といたしまして二十六年三月三十一日処理済みでございます。今後はかかるこことのないように十分注意をいたします。なお関係責任者に対しましては、訓告以下の処分を行つたのでございます。  五七二号でございますが、本件につきましては、御趣旨通りでございまして、当然固定資産の増として処理すべきはずでございましたが、いずれも二十五年度第三・四半期におきまして、丙種固定資産として処理いたしたのでございます。今後このようなことのないようように十分注意をいたします。  五七三号でございますが、これは検査院の仰せの通りでございまして、まことに遺憾に存じます。なお関係責任者に対しましては、嚴重注意をいたしました。  次は五七四号でございますが、これにつきましては、御承知のように終戰後は繊維事情がきわめて悪く、当初の被服貸与方法につきましても、被服規程に定める貸与期間を経過しても、なお着用不能になるまでは、継続して着用する等の非常措置をとつてつたのでありますが、その後繊維事情の緩和とともに、二十四年五月になりまして、一部の被服に対しましては、この非常措置を廃したのであります。さらに二十五年の二月には、全般的に規定通りにもどしたのであります。たまたま業務部門からの要望もありまして、二十四年度決算費の残額をもつて、従来の貸与期間経過の被服類の補充交付を一時に行おうとしたのでございますが、会計年度区分を乱る結果となりましたことは、まことに遺憾でございまして、今後はかかることのないように十分注意いたします。  次は五七五号でございます。これは武野庁舎に関するものでございまして、契約当初におきましては、予定通り取運ばれておつたのでありまして、年度内に全部完成するものと予定して、おつたのでありますが、その後対内、対外的諸種の事情から遅延のやむなきに至りまして、年度内の完了は不可能となつたのであります。しかし遅れましても大して遅れることはないと予想されましたので、会計上違法ではありますが、年度内の支出として処理いたしましたととろ、その後さらに所内事情によりまして、八、九月まで遅延する結果となつたのであります。請負業者に対する支拂いにあたつては、すべて公定に基いて支拂いを行つたものであります。今後はかかることのないように十分注意をいたします。関係責任者値対しましては、訓告等の処分をいたしたのであります。
  105. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 会計検査院に、特に御意見がありますか。
  106. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 財務諸表は、これはテクニツクの問題でありまして、私どもの番悪いと思いますのは、五七五号の完了前に金を支拂ういうことは、経理が事実に合致しないということで、そこにいろいろな事故が誘発されますので、それを取上げております。
  107. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 質疑を許します。
  108. 高塩三郎

    ○高塩委員 報告番号五七三号について質問をいたします。会計検査院報告によりますと、本件は保守用品である物件を購入支出したのであつて、損益勘定による買受け予算がないために宅内電話裝置工事を実施いたしたように処置して、建設勘定で支弁したものでありますが、政府の説明によれば、担当者の手違いから保守用品と誤認したものであつて、故意に出たものか、単なる手違いであつたか、過失であるのか、その事実がはつきりしないのでありますが、詳細なる説明をお願いしたいと思います。
  109. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 これはまつたくこの当務省の方の考え違いでございまして、保守で支弁すべきものを建設の方でやつたというのでございまして、まことに申訳ないのでございます。
  110. 高塩三郎

    ○高塩委員 なお政府の説明書によりますと、その後ただちに工事命令の通りとりかえ補修をしたといつておるのでありますが、その工事は建設または改良の工事であつたものか、それとも維持修理の工事であつたものか、また本件物品購入時期及び工事着手並びに完了の月日をあわせて御答弁願いたい。
  111. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 これは建設勘定にございます整備工事で、施設が非常に弱点のありますのを全然やりかえるというのでありますと、とりかえ補修になるのでありますが、それほどまでになつておらぬ設備を完全な状態に強化するという意味の工事を、整備工事と称しております。この整備工事としてやつた一部分でございます。
  112. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 この工事は二十五年の二月に起工いたしまして、二十五年の三月三十一日に竣工いたしております。それで政府答弁の「その後直ちに工事命令のとおり昭和二十五年五月から八月の間において取替補修をした」というくだりは、その後訂正なさつて削りとられたと承つております。
  113. 高塩三郎

    ○高塩委員 電通省としても、ただいまの会計検査院説明でよろしゆうございますか。
  114. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 これは二十五年の三月十五日に物品のみ交付いたしました。その後命令通り施工いたしまして、二十五年の五月一日に電話器七十五個——そういうことでございまして、検査院のおつしやる通りでございます。
  115. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 なしと認めます。  次に報告書百六十一ページ不正行為報告番号五七六に関して電気通信省当局の説明を求めます。
  117. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 五七六号は、関東電気通信局管内の川口電報電話局で、昭和二十四年五月から九月までの間に、電気通信事務官四分一某によりまして、電話收入金四十三万八千九百四十円を横領されたものであります。これは同人が同局の開始以来電話料金の係に勤務しまして、電話料金納入告知書の作成とか、徴收事務に従事しておりましたのを利用いたしまして、四十二万余円を着服横領いたしましたもので、浦和地方裁判所におきまして二十五年七月三十一日に懲役一年六箇月の判決がありまして、目下服役中であります。また損害額に対しましては、本人は無資力でありまして、すえ置貸編入願いによりまして、二十五年の十二月十三日すえ置貸しに編入処理をいたしたのであります。なお本人は懲戒免職に付しまして、監督者に対しましてはそれぞれ戒告、訓告の処分をいたしたのであります。
  118. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 検査院当局に補足説明がありますか。
  119. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 本件は、この通りでございまして、格別追加して申し上げることはありません。
  120. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 質疑がありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 なしと認めます。  次に報告書百六十二ページ、その他、報告番号五七七、五七八、路面復旧費の支出当を得ないもの、及び報告番号五七九、電話番号簿の印刷に当り処置当を得ないもの、右三件を一括して説明を願います。
  122. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 五七七号につきましては、目下詳細調査中でありまして、会計検査院報告通り、路面復旧面積を水増しいたし多額に支拂つてつたのは事実でありますが、さらに検査の結果、これに関連いたしまして不正事実が発見されたのであります。つきましては、さらに嚴重に調査中でありまして、事実判明の上は、関係責任者に対しまして嚴重措置いたす所存でございますから、御了承願いたいと存じます。  次は五七八号でございますが、本件工事は着工前に神奈川県庁と町三、再四協議いたしましたが、県側では、復旧面積についてはブロツク鋪裝を一部破砕すれば、その一枚分の復旧費をとるという点で譲歩しなかつたために、この県側の申出を承認しなければ、予定通り着工できない状態にありましたので、やむを得ず承認して施工した次第であります。なお施工に際しましては、予定面積以外は損傷しないよう努力いたしまして、工事竣工後県側の関係官と立ち会つた際、再度復旧面積の減少方を申し出たのでありますが、当方の申出は入れられなかつたという事情でありまして、交渉技術に欠けるところがあつたのはまことに遺憾であります。関係責任者に対しましては、嚴重注意をいたしたのであります。  五七九でございまするが、連合軍関係加入者七千二百名を加えて算定いたしましたのは、まつたく気づかずに行つたことでありまして、まことに申訳なかつたのでありますしかし二十四年の加入者開通予定は、予定より多数できましたために、大部分消化できる見込でありましたが、加入者中不用となりましたものが八千九百五十四名、また機械撤去等によりまして配付不能となりましたものが約二千五百名ありまして、かかる結果になつたのでありますが、今後は持込み配給等によりまして、かかることのないように十分注意をいたします。なお関係責任者に対しましては、訓告等の処分を行つたのでございます。
  123. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 会計検査院側に、特別の御発言がありますか。
  124. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 政府委員の御説明通りでありまして、付加する事項はございません。
  125. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 質疑を許します。
  126. 高塩三郎

    ○高塩委員 五七七号について質問いたします。この御成線及び津島線につきましては、昭和二十五年十一月、会計検査院が実地検査したところが、掘鑿幅はおおむね竣工図面の通りで、他の路線に比べて特別に幅広く路面を復旧したものとは認められないというのであります。もしこれが事実とすると、名古屋市は実際に必要とした以上に復旧費の支出を受け、不当に利得しているようにとられるのでありますが、この点会計検査院はどうお考えになつておりますか。
  127. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 本件は名古屋市の所管している道路でございまして、これは金をくれぬとやらないといつて、名古屋市の道路管理者の職権濫用にわたる横車を押されてやむを得ず拂つたようなかつこうに事実関係はなるのでございます。なおまた、その間に関係者の犯罪もあるというようなお話でございまして、私の方といたしましては、たとい相手方がそう言いましても、事実関係に基いて、真実に基いてそれを主張する勇気と必要な努力を拂い、また相手が下級の人であるならば、市長に合つてこちらの正しい真実の姿で努力を最後まで重ねて行つて、経費の支出をできるだけ事実に合致するようにする努力が欠けていたではないかということで出したわけでありまして、掘りました幅は、私どもの実地検査の立会官の心証に基いて出したわけであります。先方もその点は了承しておられますが、今のようにいろいろな折衝事項があり、またその間犯罪関係もあるというお話であります。
  128. 高塩三郎

    ○高塩委員 なお政府当局にお伺いいたしますが、政府の説明によりますと、市当局で同意しないのでやむを得ず精算額の通り支拂いしたというのでありますが、復旧の程度はどのくらいであつたか、事実を御説明願いたい。
  129. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 この点は検査院の仰せの通りでございます。そういうようなことから、水増しというようなぐあいになつておるようでございまして、その間に不正が介在しておるということが大体わかつておりますが、これはさらに調査するということでございます。
  130. 高塩三郎

    ○高塩委員 もう一点お伺いいたしますが、もし相手方の要求が過大であつて、容易に協議がまとまらないというような場合、国が復旧工事を直営するのが有利だと考えるのでありますが、現状回復を直営で施行する御意思があるかどうか。
  131. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 こういう問題は、非常にむずかしい問題でございまして、道路の管理者は、昔の内務省系統にございます。そこで以前におきましては、内務省との間にいろいろそういう場合の協定をいたしておりまして、それに基いて第一線で交渉いたしますのに交渉がまとまりやすいようにしておつたのでありますが、その後いろいろ機構もかわりまして、それがなかなか徹底せぬというようなことで、こちらで直営するといいましても、これは向うが管理しておる道路でございますので、なかなかこちらの思う通りにもなりかねるわけであります。そういう問題がございますので、最近私どもの方におきましては、関係の向き、地方自治庁等ともよく連絡をいたしまして、この道路の使用関係がもう少しスムースに、合理的に行きますように協議いたしたいというので、そういう委員会も設けて、近くこういう面の合理化に乗り出そうとしている次第でございます。
  132. 高塩三郎

    ○高塩委員 次に進みまして、報告番号第五七八号について質問いたします。これは、路面復旧補償費の算出上、復旧面積を掘鑿面積の約四倍平均として計算されておるのでありますが、会計検査院の調査では、他の部局所の例によつても、おおむね二割増程度で足りる、本件の場合特に実測上五割増の部分が二、三見受けられるから、かりに全線路について五割増して復旧するものとしても約六百十九万余円で足りる計算となるということであります。工事実施の結果、全体について見れば、平均どのようになつておるのであるか、仮定でなく事実を明らかに説明願いたい。  もう一つ、県側で譲歩しないというのは、実樹上主張するのであるか、あるいは本件のような場合、実際の調査が困難なために、推定の上で折衝なさつて決定したものであるか、政府当局の御説明を願いたいと思います。
  133. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 先ほども言いましたように、県側との交渉によつてきめなければならぬ問題でございます。私どもの方で見ましても、検査院の御指摘のような点が十分認められる。従いまして、もう少し合理的に行きますように折衝をしまして、何とか割安にというよりも、合理的な値段におちつきますように交渉すべきであつたと思うのですが、その点、十分な交渉に欠けておる点を認めておりますので、嚴重に注意をいたしたのであります。なおこういう問題は、先ほども申しましたように、第一線を督励いたしますと同時に、また中央部の方を固めるという必要がございますので、先ほど申しましたような措置をいたしたのでございます。
  134. 船越弘

    ○船越委員 靱次官にお伺いいたします。電通省には非常に批難事項が多い。そうしてこの説明書によりますと、その関係責任者に対しては、措置方取運び中であるというのが大部分、こつちの関係者の措置状況調書というのには、訓告あるいは注意、こういうのが非常に多くて、なお調査中というのがまだ相当に残つております。それで私は、こういう批難事項がどんどん出て来ておる場合には、信賞必罰主義で、調査をどんどんやつていただいて、徹底的に懲罰を与えていただきたい、そうすることによつて綱紀の粛正が行われるものである、こういうふうに考えておるわけでございます。どうかすみやかに調査を終了されまして、注意なり訓告なり戒告なり、徹底せるところの注意を与えていただきたいとお願いするわけであります。  いま一つ、これはいわゆる電話のブローカーのことでございますが、何か不可能地域であるとか、照会地域とか、あるいは可能地域とかいうような、三つぐらいにわかれておつて一般の人が普通の窓口で、電話の開通を申込んでもなかなかうまく行かない。ところがブローカーの手を経ますと、電話がただちに取付けられる、こういうことが、私も現実に知つておりますし、うわさもたくさん聞いております。こういうブローカーの暗躍をする余地を末端に与えておるということは、非常に大きな善題であると思います。いろいろ聞くところによりますと、工事の現場の方に酒を持つて行くとか、あるいは窓口の方へどうするとか、こういううわさをたびたび耳にいたすのでありますが、そういう末端の職員について、従来どういうふうな方法をとつておられたか、またそういううわさを耳にしておられるとすれば、今後どういう処置をおとりになろうとするのか、この二点についてお伺いしたい。
  135. 靱勉

    ○靱説明員 お答えいたします。まず第一点でございますが、これは御指摘のまだ調査中というのに対しましては、まことに申訳ないのでございますが、実はお手元にごらんに入れております印刷物以外に謄写版でお配りしてございます通り、処分はその後大分片づけたのであります。実際を申しますと、会計検査院から御指摘がありますと、それぞれ所管の部課にまわしまして、それに対する意見を求める。会計検査院の方にも、また事情をあらためて説明するというような場合もありますし、また最後に、その非違事項を認めた場合に、責任者あるいは関係者を処分する場合におきましても、だれがそれをやつたかどうかということも詳細調べなければならぬ。一つの工事につきましては、相当の人員が関係しておりますし、それから資材などが遅れるというような場合も、どういう径路をとつてだれが責任者であるかというようなことも調査しなければならぬということで、最後に処分案として人事部でそれをまとめまして、それが省の幹部の懲戒の委員会にかかるわけであります。これは省議に関係する局長を中心として形成されておるのでありますが、それに出て来るまでに、かなりの時間がかかるのでございます。もちろんわれわれも、それぞれ監督者の立場として、こういう問題につきまして、最終的決定を見るまでにいろいろ調査もし、その間において注意もしているわけでありますが、正式の処分として決定されるまでには、非常に時間がかかるのであります。それを検討します場合におきましても、これは一々関係者全部を懲戒委員会に呼び出しまして徹底的にやりますと、なお適正な処分もできるわけでございますが、何分にも書面審理であるという点に、最後的決定をする場合に少し鈍る場合がある。ともかく人格権の問題でございますから、処分はあくまで慎重にしなければならぬと思うのでありますし、そういうような点を今で十分認識しておりますが、相当前の事件でございますから、一刻も早く整理しなければならぬという点につきましては、今後さらに十分徹底してやつて行きたいと考えております。と同時に、おつしやられました信賞必罰の点につきましては、問題によりまして、あるいは軽いなというような御非難があるかもしれませんが、一方におきまして、うやむやにしないで嚴重に処分するということで、ほかからも、相当ひどく処分するじやないかというようなうわさを聞いたような次第で、私ども決して、事件ある以上、ただ表面に出たものだけを形式的に処分するということでなく、検査院から注意された事件につきましては、ほかにもそういうことはないかということを、むしろ探しまして、嚴重な処分をするような方針でございますので、その点御了解願いたいと思います。御趣旨通り信賞必罰を嚴重にやりまして、あまり軽いために再び同じような犯罪が発生しないように、それは従業員のためでもございますので、そういう精神でやつて行きたいと思つております。  第二に、電話の問題でございますが、これはもう電話ブローカーの問題は、私ども非常に手を焼いておるのでございます。そこで直接電話局の窓口へ来ていただきますれば、最近の状態におきましては、かなり営業部門の実際上の仕事のやり方も、サービス本位にかえましたので、決して昔のようにお役所式な窓口でないようにいたしておるつもりであります。もちろん、まだ完全な状態ではございませんが、想像されておるがごとき非常に事務的な窓口ではないようにいたしておるのであります。しかしながら、電話をつけられる方は、必ずしも自分でそこへ出かけて行くというような時間の余裕もないし、まあだれかやつてくれる人があればそれに頼んでおこうというようなことで、やはりあつせんする人が絶えないようであります。そこで私どもできるだけ直接電話局の窓口へということを、一方においては宣伝いたしておりますとともに、かりに仲介人あるいは代理人等が来ましても、とかくのうわさの起らないようにというので、在来いろいろの点で注意して参つたのでありますが、遺憾ながら評判がまだ若干ある。中には、電話局員は関係ないのですけれども、ブローカー同士でやつておることが、いかにも電話局に関係があるごとく思われた事例もございます。もとより、また電話局の人が関係して、処分しなければならぬというような問題もありますが、そういうようないろいろうわさの立つたことは事実でありまして、昨年来異動通知票という制度——これはアメリカの制度でございまして、サービス・オーダーとも申しておりますが、電話につきましては、申込をする、そういたしますと、それぞれ電話を架設するのに関係する部門につきまして、五通か六通のコピーをつくりまして、それを発送する、そうしてそれぞれ順々に、まずこの場所は可能地域か不能地域かという点をはつきりさせます、そうしていつどういう順序につけて行くかというのが、また元の窓口へ全部もどつて来るように、その間みな共謀しない限りは、途中でごまかしができないような制度をしいたのでございますけれども、御承知のように可能地域でありましても非常に申込者が多い場合におきましては、ここに優先受理という制度があるわけでありまして、具体的に申しますれば、料理飲食店と貿易の会社事務所と、どつちを先にするかという問題で、これは現在優先順位の基準というものをつくりまして、大体申込みが多かつた場合におきましては、申込み優先基準の順序によつてきめるということで、そこでその決定にあたりましては、優先受理をどういうふうにきめるかということに、一つの問題があるかと思います。と同時に、今度は工事を施行する場合におきまして、いよいよこれはやれるときまつたものにつきまして、その先後があるいは起り得るというような点で、若干の抜け道がないともいえません。そこで最近におきましての方針といたしましては、やつたものを一つひとつ監察するという制度を、やむを得ずとつておるのであります。そうしますと、どうしてこれがついたのかというかとが徹底的に洗われますので、なかなか現場の人もその間にいかなる抜け道を探しても、これは徹底的に批判される、一方におきましては、そのために今度は非常に電話のつけ方が遅くなつたという非難も、私どもの耳に入つて来ますが、遅くなつてもなんでも、とにかく信用維持の方が大事だというわけで、先ほど申しましたサービス・オーダーで、その通りずつとうまく行きますれば、絶対に途中で物をやつたから早くついたということにはならぬはずであります。黙つてつてもそうなるわけであります。それからもう一つつたことは、今まで不能地域であつたところに、ケーブル線ができて、一挙にそこが可能地域になる。そうすると、それを電話局に公示しますから、すぐそれを見て、幾らか金を出せば電話局へ頼んでやるということで、その人が持つて来ても当然新たにつけますというのを、この中間の者がその公示を早く見て、そこらへ出て行つて、新たにつけるようにしてやるというようなことを言うと、何か電話局と結託してやつたというように、それに頼んだから早くついたというふうに誤認される場合もある。あるいはちようど線路が一本だけ余つてつて、移転ならできるというふうな場合、普通に申し込んでなかなかつかなかつたのが、ブローカーに頼むとそのブローカーは何か調べて、そこに回線が一本あいておるということがわかつてつた。そのために非常に連絡がよくて、その間金が電話局員へ行つたのではないかというふうにすぐ疑われる。現実にそういう事態もありますから、私ども決して大きい口はきけないのでありまして、現実に出て来たものは全部徴戒処分にして首を切つておりますが、結局窓口事務を一人でもつて、かつてにできないように、途中でごまかしもできないように現在いたしております。ですから、あとで、どうしてこれが先についたかということが、必ず監察されるようになつておりますので、今後そういううわさというものは、少くとも私どもの範囲においては——絶対にないかというと、これは人間のことですから毎日々々監視しておるわけにも行きませんが、あとで必ず発覚はするというような方法でやつております。なお信用挽回につきましては、手をゆるめずに徴底的にやつておる、こういう考えでおるのでございます。
  136. 船越弘

    ○船越委員 次官は御多忙でございまするので、実際に電話局の窓口へお出ましたなつたり、あるいは工事場の方へお出かけになつたりすることは少いと思いますが、国民全般は、電話局の窓口へ行きまして非常に不快な感じを持つ人が多いのであります。相当改善はされましたが、いまなおございます。それから私は不正行為のあつた事実も一、二知つておりまするが、なお今後より一層こういう方面の改善に御努力を願いたいこういう希望を申し上げまして、私の質問を終ります。
  137. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに質疑ありませんか。——質疑はないものと認めます。  時間も大分経過いたしましたので、本日はこの程度といたし、次会は来る十六日(金曜日)午後一時から、建設省及び専売公社所管について審議の予定であります。  これにて散会いたします。     午後四時五十一分散会