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1951-10-24 第12回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十四日(水曜日)     午後一時二十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 田中不破三君    理事 渕  通義君 理事 三宅 則義君       大上  司君    高塩 三郎君       高橋 權六君    田中 角榮君       船越  弘君    畠山 重勇君       井之口政雄君  出席政府委員         総理府事務官         (特別調達庁財         務部長)    川田 三郎君         総理府技官         (特別調達庁次         長)      堀井 啓治君         総理府技官         (特別調達庁業         務部長)    池口  凌君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     小川 潤一君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局総務課         長)      小林 英三君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  松永  勇君         建設事務官         (管理局総務課         長)      高田 賢造君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      小峰 保栄君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四  年度政府関係機関收支出決算     —————————————
  2. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 これより本日の決算委員会を開会いたします。  委員長議院運営委員会の方に出席されましたので、理事の私が職務の代行の御委託を受けましたから委員長代理を行います。何とぞよろしくお願いいたします。  まず昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四年度政府関係機関收支出決算を議題とし、大蔵省所管中、前回残りました財務局関係の分を審議した上、引続き終戰処理費に移る予定でありますので、右御承知を願い、委員各位の御協力を望みます。  それでは報告書六十九ページ、報告番号三二九ないし三三一、特殊物件売渡代金徴收処置当を得ないもの三件について、当局より説明を願います。大蔵大臣官房会計課長小川政府委員
  3. 小川潤一

    小川政府委員 大蔵省小川会計課長でございますが、本問題に関しましては第一線——第一線というとちよつとなんでありますけれども建設省高田総務課長の方が、より詳しいので、ちようどここに見えておられますので、高田総務課長にやつていただきます。
  4. 高田賢造

    高田説明員 ただいま御指摘になりました特殊物件売渡代金徴收処置当を得ないもの、報告書の三二九号から三三一号までの案件につきまして、お答え申し上げたいと思います。  三二九号は、京都府の特殊物件に関するものでございます。京都府の増産協会放出物件売渡しを代行させたのでございますが、その部分売渡し代金国庫收納が遅れておりまして、御指摘なつておりますように、二十五年の九月に至りましても、いまだに徴收決定をいたしていないというような次第でございます。たいへんこの点は申訳ないと思いますが、当時京都府におきましては、増産協会当該事務を担当しておりました職員並びにその事務を監督いたしておりました職員責任ある者の転職あるいは退職等によりまして、ある期間、細部にわたりますところの計数整理をいたしますことが非常に困難になつたような事情があつたのでございます。この点建設省といたしましても、至急整理整頓をいたさせますように京都府に命じますとともに、特に本省からも出向きまして、知事にもそれを依頼するというようなことをいたしたのでございます。その後昭和二十六年の一月二十三日に、問題になつております額は全部徴收いたしまして、全額收納いたしております。さような次第でごいざますから、よろしく御了承いただきたいと思います。  その次の三三〇号でございますが、これは広島県の扱いました特殊物件に関するものであります。この三三〇号の案件は、播磨造船所呉ドツクにおいて船舶の清掃作業をいたしておつたのでございますが、その中にありますところの鉄くず等代金徴收に関するものでございます。これまた御指摘なつておりますように、広島県の方で非常に時期的に遅れておつたわけであります。この件は、実はこの上つております鉄くず等は、普通の特殊物件と多少趣を異にいたしまして、艦艇解撤作業に伴いまして出て参つたものでございますが、当時この種の艦艇解撤は、全部関係の運輸省なり、あるいは財務局の方の御監督で作業をしておつたのでございます。従つて、この鉄くず等を発見いたしましたのが、その艦艇解撤に伴いました関係で非常に遅れましたと同時に、また広島県の方でも、この種の鉄くずが出ておつたことがあとでわかつたというように、相互とも連絡が十分とれなかつたというようなこともございまして、そのために遅れたのであります。その後広島県におきまして綿密な検査をいたしました結果、二十五年の十二月に至りまして、そこに上つておりますところの数字を全額徴收いたしまして、二十六年の七月までには全部これを收納いたしたのでございます。  その次の三三一号でございますが、これまたやや同種のものでございまして、艦艇解撤作業をやります途中においての、その艦艇の中にありました鉄くず等のものでございます。いわゆるリストに上つておりませんものでございまして、この点も前と同様でございますが、作業を継続しておりますうちに、その鉄くず等がありましたことが、財務局の方で連絡があつてわかつた結果でございます。これまた同様に広島県において綿密な検査をいたしまして、今日すでに全部收納いたしております。三三〇号と三三一号は、いずれも県といたしましては直接その業務をやつておらなかつたという関係から、財務局の方の連絡があつて初めてわかつたというようなこともありましたので、その辺の作業が若干遅れておるようなわけでございます。いずれも今日におきましては全部收納いたしております。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
  5. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 次に、これに対する会計検査院当局説明を伺います。
  6. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 ただいま三二九号から三三一号までの特殊物件案件について、政府側から御説明がございましたが、この特殊物件は、終戰後二十三年度までの間に非常にたくさん問題がございまして、検査報告に掲げられていたのでございます。大体二十三年度で大きなものは片づきまして、ここに出ました三件は、前年度までに処理がつきませんで残された最後のもの、こういうふうにお考え願つていいのであります。三二九号は、かつて京都府の増産協会事件として、刑事問題になりまして相当世の中をにぎわした案件であります。刑事問題になりました関係で、書類などが一切検察庁に押收されまして、私どもの方でもなかなかこの整理が片づかなかつたのであります。それで、建設省でもこの代金がなかなかとれないということになつておりましたのが、最近になりましてようやく片づきまして、処理がついた、こういう次第であります。  三三〇、三三二は、これは今も御説明がありましたが、艦艇解撤に伴つて発生した特殊物件であります。これは広島県が一応その責任者なつておりますが、これを広島県で取扱うようにきまりましたのは、非常におそいのでありまして、財務局との連絡というようなことに欠けるところがあつたわけであります。しかし、結局最後広島県で金をとるというようになつたわけであります。三三〇号も、検査報告を書きました当時は、代金播磨造船所から入つておりませんでしたが、その後これも代金が入つたようであります。  大体そのくらいのところであります。
  7. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 以上に対する御質疑を願います。
  8. 井之口政雄

    井之口委員 三二九号の増産協会というのは、これは一体どんな協会ですか。それからこの放出された特殊物件はどういう内容のものでありますか。一千七百万円の額にも達している大分大きなものであつて、しかも五年間もこれが放置されていたという状態でありますが、この間どうしてこういうようなことが出て来たか、もう少し詳しく説明してもらいたいと思います。
  9. 高田賢造

    高田説明員 京都府の増産協会というのは、県の外部団体でございまして、当時県といたしまして、特殊物件処理いたします上においては、県みずから相当自主的に、自己の負担においてやつたものも多々あるわけでございます。しかしながら、当時相当多量のものを、しかもごく短期間に、司令部の方で期限付処分命令して来られたものがあつたのでございます。さような事態からいたしまして、当時ごく短期間に、特殊物件——これは旧軍物資でございますが、これは軍の命令でございまして、今日の事態からいたしますと、想像もできないくらい非常にきつい命令で、普通の行政事務といたしましては、とうてい不可能と思われるような期間におきましても、すぐこれを行うようにというきつい達しがあつたのでございます。これが守れぬ時には、当該責任者を罷免するというような強い意思表示もあつた例もございますが、さようなことからいたしまして、京都府におきましては増産協会という団体に、処分事務を扱わせたというのであります。相当遅れましたのは、増産協会相当者が、処分の上で——先ほど検査院局長さんからもお話がありましたが、一時疑惑を抱かれまして、その関係書類等が押收されるということがございまして、事実上整理が困難であつたというようなことがあつたのでございます。さようなわけで、時間的にはなはだずれましたのでございます。実はさような関係でありまして、私自身も京都府へ参りまして、検察庁、あるいは市警等に行きまして、書類返還方お願いして——もう事柄が済んでおるというものも大分ございましたけれども、黙つておりますとなかなか検察庁なり市警の方では書類お返しにならぬ。御用済みになりましても、黙つておるとお返しにならぬということもございますし、また府側といたしましても、従来のいろいろないきさつから、積極的に言えないというようなこともありましたので、実は検察庁に参りまして、私の方からお願いをし、市警当局にもお願いをして、あるいは済んだものについて連絡をとりまして、全部書類を返してもらうということをいたしたのであります。そういうようなことに努力をいたしまして、二十五年のうちには書類も返つて来る、そこで検察庁におきましては、関係職員も特に動員をしてもらいまして、相当期間居残り作業をするというようなこともやつてもらつたようなわけでございますが、さようなことがありまして、收納の時期が遅れたような次第でございます。たいへん遺憾でございますけれどもあとの始末といたしましては、極力督励をいたしまして、また県といたしましても、県の費用をみずからかけて整理をいたしております。さような次第でございますので、御了承願いたいと思います。
  10. 井之口政雄

    井之口委員 その増産協会で、何か刑事問題も起つたように今のお話でありますが、どういう人たち関係しておられたのでありますか。外郭団体というだけではよくわからないので、県知事なんかもこれに関係されておつたのでありますか、処分関係はどういうふうになつておりますか、お伺いします。  それからもう一つ、ついでに言つておきますが、一千七百万円のうち、七百万円という厖大な、ほとんど約半分にも達しようかというようなものが経費として差引かれております。これは三三〇号の方におきましても、播磨造船部分で大きな経費が、たとえば四千万円のうちの半分以上の二千五百万円というものが経費として差引かれております。三三一の方で見ますると、ここには何らそういう経費が差引かれておらぬというので、この経費算定が非常に過大になつているのじやなかろうかということを感ずるのでありますが、この算定についても、また価格の点についても、ひとつ会計検査院の方にお尋ねいたしたいと思います。
  11. 高田賢造

    高田説明員 井之口委員の御質問にお答えいたします。増産協会につきましては、先ほど申し上げましたように、一時たいへん疑惑を受けたのであります。刑事事件にもなりましていろいろ騒がれたのでございますが、最終審におきましては、いずれも判決は無罪なつております。たとい無罪になつたといたしましても、さような疑惑を招きましたことは、たいへん遺憾でございます。事件内容はさようなわけで、結果におきましては無罪であつたのでございます。多少そういう点が一般世間の誤解を招いたのでございまして、この点ひとつ御了解願いたいと存じます。  なお三三〇号の方のこととあわせて、経費の点について御質問があつたわけでありますが、特殊物件につきましては、御承知通り処分代金の中から諸経費を差引いたものを納付するということの方法が承認をせられておりまして、当時、先ほど申しましたよに、採算を度外いたしまして、短期間においても至急これを処理せよというような関係がございまして、今日から考えますと、経費の節約というようなことからいたしますと、非常にもつたいないという感じがいたすのでございますけれども、これは時間を争う、経費の問題でないというようなことからいたしまして、司令部の方、並びに現地部隊も特にそうでございますが、費用を度外しまして、短期間処理させたというようなことがございます。とにかく今日からながめますと、経費が不当に多いじやないかという感じがいたします。また処分代金も、今日のようになりますると、物価の値上りで、相当価格がするものもございますが、終戰時におきましては、公定価格というものもございましたし、また公定価格があつたばかりでなく、当時鉄くず等はほとんど値打がなかつたというようなことがありまして、いずれも今日から見ますと、非常に価格が低いという感じがいたします。また他方経費の方は、インフレーシヨンでございまして、いろいろなことに、たとえば人件費がとてもたくさんかさむというようなことで、経費処分代価から比べますと、非常に厖大なつていることは、これは事実でございまして、その点御質問ごもつともと思いますが、さような次第で、いずれも今日から見ますと、はなはだおかしいと思うのでございますが、その内容については、私どもとしても十分検討いたしまして、かかりました実費を差引くということにいたしておるのでございます。また処分上府県が要した費用につきましては、これは府県当局に対する経費でございまして、放出物件につきましては、特に一割の天引きをいたしております。そのほかに今申し上げましたような採算を度外して処理いたしましたようなものの実費を差引いているのでございます。この点は会計検査院等ともよく御相談申し上げて、処理をいたしておる次第であります。
  12. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 井之口さんの経費の御質問でありますが、この三二九の経費、三三〇の経費、これは実は性質が違うのでありまして、三二九の約七百万円というものは、取扱い者としての府県、これが今高田総務課長からもお話がありましたが、府県相当経費を見る、直接費とか間接費とかいろいろ名前をつけておりますが、相当経費を見る、こういう性質のものであります。これは今までの検査報告に、前年度までに載りました案件につきましても、全部この経費は見ているわけであります。ちよつと考えますと、ずいぶん経費が高いように見えますが、これは売拂いの方は、御承知のように当時のマル公であります。これは非常に安い、世の中にあまり行われないような安い値段であります。経費実費となりますから、どうしてもこれはかさんで参ります。この三二九の方の経費というものは、特殊物件としてはすべての処分について認めた経費でありまして、京都府に行つておるわけであります。三三〇、三三一は、その時の経費一文も見ていないのでありまして、これは先ほど申しましたように、広島県が担当するということがきまつたのは、ずつと遅いものでありますから、広島県は実は経費一文も使つていないわけであります。これにつきましては、特殊物件一般について認めたような、直接費とか間接費とかいうものは、一文も実は見ていないのであります。これは見ないのがほんとうでありますが、三三〇の終りから二行目にございます清掃に要した経費二千五百九十八万円、これは播磨浩船所が実際に使つた金であります。この鉄くずは、大きなドツクの中にほかのものと一緒にほうり込まれておつたものであります。進駐軍が参りまして、ブルトーザで、その辺にある焼けた物をざつと大きなドツクの中に押し込んでしまつたわけであります。このドツクを使うというわけで清掃したときに出た鉄くずなのであります。これは清掃するために、播磨造船所使つた経費でありまして、先ほどのように間に立つた府県に渡す経費というものとは性質が違うわけでございます。
  13. 井之口政雄

    井之口委員 この、拂い渡すときはマル公拂い渡して、経費の点は当時の時価でもつて算定して、非常に過大に算定される。しかもこれの代金をいよいよ納入するという場合には、五年も六年も後になつて、まるで貨幣価値が下落したときにこれを納入するというふうになつたらば、こうした特殊物件拂下げや、それからその他のいろいろな政府国有財産拂下げというものは、まるでただみたいなふうにしてくれたらということになると思います。三三〇に関連していわれる播磨造船所などは、先の通産大臣横尾さんが関係されておる。そうしてこんな厖大なものが、しかも清掃といえばドツク清掃であつて、何も鉄くずを運搬するためのみの費用でもなく、政府はそのドツク一切の清掃のために多大な負担を負うておるということになると思うのであります。そういう点は、これは明らかに不当ではなかろうか、こう思います。  なおまた、これは政府との間に契約が成立して、その契約従つて処分したものではなくて、何ら契約なしで、專断で、会社がこういうものを処分している。三三〇も三三一もそうであります。こうした場合には政府はその責任を彼らに追究すべきであつて、さきの会計検査院長答弁も、これは明らかに責任を負わなければならぬ性質のものであるというふうなことを言つておられたように記憶しておりますが、社長の横尾さんなんかに対しては、責任を追究されたものであるかどうか、こういうこともこの問題から当然出て来るわけであります。この点はどうでありますか。
  14. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 三二九の、代金納入が非常におそくなつたという点でありますが、これは先ほど政府からも、また私からも申し上げたように、いろいろな問題がありまして、早く処分することができなかつたのであります。それからマル公で売つて経費の方は実費で拂う、こういう点でございますが、これは政府終戰後売拂いというものの全部が、実はそうでありまして、これは政府やみはできないという建前で、マル公で全部売つたわけでありますが、どうもこれはやむを得ないのじやないかと思います。経費の方はこれはマル公がございませんし、実際にかかつただけはやはり見てやらなければいかぬのじやないだろうか、こういうふうに考えております。  それから三三〇、三三一に関連しての責任お話でありますが、これも会社がかつてにやつたわけでもないのでありまして、艦艇解撤は、御承知のように播磨造船所日立造船所艦艇解撤をやつております。それに付随してやつた仕事でありますから、そうかつてにやつたとも言いかねるのであります。艦艇解撤そのものではございませんがそれに付随している。ことに三三一号なんか解撤に先だちまして、中に積んであつた重油などを出して、それをたしか石油配給公団であつたかと思いますが、その公団に売つておるのであります。但しその整理担当官庁がはつきりしないという関係で遅れたのでありまして、これもそうひどく悪いというのではないように思うのであります。  それから会社の当事者に対しての責任問題、これは会計検査院としてタツチする限りではございませんので、その点については御了承願いたいと思います。
  15. 井之口政雄

    井之口委員 このマル公が決定されておりながら、かえつて法律に従つて不当が行われている。しかもそれが国民負担をかけるという結果に実際は立ち至つておるのであります。あの当時の統制経済なるものは、やはり共産党が主張していた通りに、どうしてもこれは資本主義害悪を一掃し得るものじやなく、かえつて資本主義から来るところの大きな害悪を助成するにすぎないというふうな主張は、こういう事実の上にも明白に現われていると思うのであります。一方は、資本家にとつていい場合にはマル公をとる、損をする場合にはマル公をとらないで、それをのがれたところの自由価格やみ価格というものをとつて、もうけほうだいにもうける。長い終戰後のあの困難な国民の生活の中で、こうして大きな資本蓄積がやられて、そうして今日はさらに逆に、自由党の自由経済によつて、大きな資本蓄積というものをやる。政治権力をもつて、こうした資本蓄積ということをやられるならば、国民負担というものは、実に大きなものとなつて来ると思うのであります。こういう場合でも、これを是正するために、今からでもこうした過大な利得を受けている者に対して、何らかの手段で、これを追徴するというふうな方法なり、または手段なりがあるものですか。
  16. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 今の御質問ちよつと会計検査院としてはお答えできないような御質問だと思うのでありますが、今の制度ではこれを追徴するという方法はございません。それだけ申し上げておきます。
  17. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに質疑はありませんか——それでは次に移ります。  次に報告番号三三二号であります。物納財産売渡代金徴收処置当を得ないものの件につき、管財局より説明を願います。  その前に委員長からちよと皆さんに御了承を得ておきます。実は内田管財局長出席されて、親しく答弁あるいは説明に当られるはずであつたのでありますが、連合国財産補償法案審議がただいま審議中でありまして、そちらの方に出席のため、やむを得ず当委員会出席ができないという旨を先ほどこちらにわざわざお見えになりまして、お断りになつて出かけられました。残念ながら内田管財局長から親しく御説明を聞き得ない点について、委員各位の御了承を得ておきます。管財局国有財産第一課長松永説明員
  18. 松永勇

    松永説明員 物納財産は買受け資力のない勤労者が使用しているものが大部分でありまして、そういものにできるだけ買受けしてもらうということで、いろいろな延納措置等を講じておるのでございますが、その延納措置に伴いまして、同時にこの不動産の委託業者に対して、売拂委託をしておるのでございます。その委託業者買受人から一度に金が取立てられないために、買受人としては少しずつでも分納させてもらいたいという希望に応じまして、少しずつの分納をしたものを委託業者が預かつてつた。その預かつてつたのがいわゆる予納金としてここに摘発されておる事案でございます。こういう状態はまことに遺憾なことでございまして、この予納金金額が五千一百何万円かになつておりますが、この予納金整理につきましては、私の方としましても最大限の努力拂つて現にやつております。二十六年九月末現在では、この金額が三千万円ちよつとくらいの数字に漸減して来ておりまして、さらにこの予納金整理を今年度中に何とか解決したい、こういうふうに考えております。なお一方におきましては、今後新たに発生するこういう予納金というものが発生しないように、あらゆる部面において措置いたしておりまして、その措置の具体的な現われとしましては、受託業者が、いかなる名目にしろ、国の売拂代金を受領するということは、会計法規に違反することでございますので、これは一切巖禁するということをはつきりさせた。もう一つは、従来委託業者がこういう代金を受取つていいのだというような誤解が、一般買受人にあつたようでございますので、この際そういう国との委託契約売拂委託契約内容を、現金はとれないのだということをはつきりさせまして、すなわちそれが仲立ち契約であるということをはつきりさせました。それから一方では、国の方でそういう現金を受取る必要がある場合には、直接金を受取るように、従来出納官吏の置かれていなかつたところにも、そういう受取る必要がある場合には、全部出納官吏を設置して、成規の手続で代金を受取るようにしました。もう一つは買受人が従来代金を一時に納めることができないために、毎月でも少しずつでも、納めたいという希望に沿いますように、分割納入の方法を新たに認めました。もう一つは延納の制度を大幅に活用するようにした。延期の制度と関連しまして、いわゆる月賦、割賦拂いという割賦約款付の売拂い制度を設けました。なお延納を認める場合におきましても、従来はおおむね一年に一回納めるという——三年間延納することにしましても、一年々々に一回にその一年分は納めるというふうにしておりましたのを、買受人の希望によつて、毎月ずつでも納めることができるようにいたしました。その他即納金額を低くするとかいうことによつて買受人自身が従来予納金の発生しそうな、状態にあたつことを、できるだけ除去するような措置を講じて参りました。なおこのほかに、受託業者がこういうことをしておつたこと自体が、契約違反と申しますか、当初こういうことを予想していなかつたことでございますので、今後は委託業者がこういうことをとらないようにということで、指導監督を嚴にして行くということで措置して参つておるのでございます。先ほど申しましたように、ただいまのところ約三千万円の予納金が残つておりますが、これもできるだけ早急に徴收して、全部の処理を終りたい、こういうふうに考えております。
  19. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 会計検査院側に御意見がありますか。
  20. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 ただいまの物納財産案件でありますが、物納財産につきましては、実はずいぶんいろいろなうわさもありますし、いろいろな問題もございます。検査報告にも、二十三年度の四四七号といたしまして、業者売拂委託制度——この委託販売手数料が非常に大き過ぎる、ものによつて、小さいものになりますと財産をただでやつてしまう、こういうふうな事態もあつたもので、検査報告にそれを載せたわけでありますが、さらに代金委託を受けた業者が、国に納めないで保管しているというものが非常に多いので、実は驚いたのでありますが、それがここに載つている七千万円、こういうものであります。これは業者が国に納めないで、かつてに使つているわけでありまして、その後こういうことをやらせるということはまことにどうもおかしいのでありますが、これは相当長い間やつていたわけであります。それでこういうような扱いをしておりますので、この一部が業者に横領されたというような案件も出て参りました。これは二十五年度の検査報告として御報告するつもりでありますが、大阪それから福岡でございましたか、一部横領されたのも出ております。当局も、その後はこれをできるだけ少くするようにという——本来一文もあつてはいかぬことですが、減す方に極力盡力はされておりますが、昭和二十六年三月末現在で、まだ五千四百九十万円ございます。これは急には調査がなかなかむずかしいと見えまして、ぽこぽこと新しいのが飛び出して来るのでありまして、二十六年三月になつて、二月より急にふえたという事態もございます。実は七千万円という金額も、これは当局に調査していただいた金額でありますが、今から考えると、ぽこぽこと新顔がふえて参りますと、当時は七千万円というよりも、実際はもう少しあつたのではないかということも、これは想像でありますが、感ぜられる次第であります。
  21. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 次に質疑を許します。——質疑に際しまして、委員長からちよつとお願いいたしておきます。  先般の本委員会のときにも審議が遅れておりますし、また本日も開会劈頭の予定としましては、本日は終戰処理費まで審議を終了したいという希望でありまするので、質疑にあたりましては、できるだけ簡潔を旨として御質疑を願いたい。そして予定通り審議が進みまするように、委員各位の御協力をお願いいたしておきます。
  22. 井之口政雄

    井之口委員 この国有財産売拂いの取扱いにつきましては、非常に重大でありまして、これは国民疑惑の点になつておるところであります。第一、この物納財産売拂いを取扱つておるところの都不動産株式会社外二十六名というものに、二十五年の三月末までに一体どれくらいの金額のものを委託しているか、概算どれくらいになつておるか。そしておそらく七千万円以上のものを收入しておきながら、政府に納入していなかつたのだろうというふうな、今会計検査院のお答えでありましたが、直接売拂いを受けた人が政府に直接納入するというような方法はとれないものであろうか。また現在はこうした弊害を一掃するために何か適当な方法がとられておるのか、この点をお尋ねいたします。
  23. 松永勇

    松永説明員 御質問の第一点、不動産会社に対して、どの程度売拂いを委託しているかという御質問でございますが、昭和二十五年度で、不動産会社に対して委託した実績が出ております。但し、これは近畿財務局と南九州財務局を除く八財務局の集計でございますが、件数にしまして、土地が一万三千二百五十五件で、坪数は百六十四万九千五百十四坪となつております。その売拂金額は四億三千五百五十一万四千円何がしになつております。ただいまのは土地でございます。建物は件数で二千四百三十三件、坪数は三万六千三百四十四坪で、その売拂金額は六千百五十二万四千円何がしになつております。これは二十五年度の実績でございます。  なお御質問の第二点の売揃い方法につきまして、直接国から売るというふうな方法はないものかという御質問でございますが、現在におきましても、物納財産は不動産会社委託する方法と、それから財務局あるいは財務部において直接売拂方法と、二つの方法をとつております。限られた人員でやつておりますので、できるだけやさしい、直接に売拂いができるものにつきましては、国で直接売り拂うという方法をとつておりますが、非常に件数が多くて、人手がまわらないというようなものにつきましては、ただいま申しましたような委託方法をとつております。特に委託方法をとつておりますのは、関東財務局、それから近畿財務局、北九州財務局及び名古屋財務局で、それ以外の財務局はおおむね直接の売揃いをやつておりますし、ただいま申し上げました関東財務局以下の財務局につきましても、役人としてやる仕事に比較的やさしいようなもの、あるいは大きな件数のもの、そういうものは直接役所で売り拂うというふうにしております。
  24. 井之口政雄

    井之口委員 その委託売拂いは、すぐ現金をとられるのでありますか。今四億の売拂代金と言つておられましたが、それがあるいは完全な委託であつたならば、その人がこの不動産会社からさらに一般に売つた場合に、金の納入は、政府はどうせ登記も管理されるのでしようが、そういう場合に引きかえというぐあいに行かないのですか。政府委託会社が売つたか売らないかもわからぬというふうな状態になるのでありますか。
  25. 松永勇

    松永説明員 委託会社を使いまして売ります場合には、委託会社が買う相手方を見つけて来ることを委託されておるのでございます。甲という人間がこの家を買いたい、あるいは買つてくれということを申し出ます。甲の人がそれを買いたいと言つた場合には、それを財務局あるいは財務部に申し出て来まして、そこで甲の人間と財務局長もしくは財務部長契約書をつくるのでございます。契約書をつくる人間は、あくまでも国と買受人と直接になつております。もし契約が成立いたしましたならば、国はこれに対して納入告知書を発行する。なおその契約をする場合に、物納不動産につきましては、五年以内の延納が認められることになつております。契約ができました場合には、納入告知書を国から発行して、直接買受人が日本銀行代理店に拂つていただく組織になつておるのでございますが、先ほど申しましたように、なかなか買受人も金がすぐ入らないというので、延び延びになることが多いのでございます。そうしますと、それを督促に参るのでございますが、その場合に、この委託業者は、この金が完納にならないと手数料がもらえないものでございますから、手数料をもらうために自分が督促してまわるということが、今までよくなされておりました。督促に参りましたときに、約束の金額は今拂えない、そのうちの一割なら現にここに金があるから、これだけ一応預かつてもらえないかということで、一部を委託業者に渡す。その委託業者はそれを預かつて銀行に預金をした。その預金をする場合に、その買受人の名義で預金する場合と、委託業者の名前で預金する場合と二つあるのでございます。いずれにしろ両方を称してわれわれは予納金と称しておるのでございますが、そういうところからこういう予納金が発生したのであります。まことに遺憾なことでありまして、この整理努力しておるような次第であります。
  26. 井之口政雄

    井之口委員 今のお話を承つておりますと、まるでこれは法律に沿わないやり方をやつて委託業者が途中で横領しておるようなふうに聞えるのでありますが、現在もやはりそうした予約金制度のようなものを許しておられるのでありますか。
  27. 松永勇

    松永説明員 先ほどこれの防止のためにとつた措置で申し上げましたように、今は金をとることは一切禁止しております。
  28. 井之口政雄

    井之口委員 これは処罰しましたか。
  29. 松永勇

    松永説明員 委託業者の処罰ということでなしに、その委託業者が現在金を受取つておりますから、その金を国に対して全部吸い上げるというか、代金徴收することの措置を現在とつておるのであります。
  30. 船越弘

    ○船越委員 この委託業者の手数料ですが、これはどのくらいにきめてあるのですか。
  31. 松永勇

    松永説明員 売拂い手数料は、その売拂価格の五分というのが基準手数料でございます。五分のほかに、実は物納の財産は非常にこまかいものが多うございまして、しか現もにその家に他の人が入つておるとか、入つたままでそれを売らなければならない、あるいは入つておる人にそれを買い取つてもらう、そういう関係で非常に手数を食うものでございますから、金額の小さいものにつきましては、特別手数料を今の五分のほかに出しております。特別手数料は売拂金額が一万円以下のものについては一〇%、一万円から三万円のものについては七%、三万円から五万円までのものについては五%で、五万円を越えるものについては特別手数料を出さない、こういうことになつておるのでございます。
  32. 田中角榮

    田中(角)委員 簡單に私の意見だけを申し上げておきます。国有財産拂下げ問題に対しましては、当委員会として、前の吉田管財局長当時から、相当警告を発しておつたわけであります。しかも、この三三二に対しては、適切なる処置が講ぜられておるようでありますが、実際表面に出る事件に対して、適切な処置がとられておるということではなく、私の申し上げたいのは、一般的物納財産を含む国有財産拂下げという問題に対する実際的な処置に対して、意見を申し述べたいと思うのであります。それはただいまの物納財産の問題に対しては、法規の関係上、実際は国が直接やらなければならないという建前で、実際の金銭授受も国が行うということでありますが、私たちが現実に考えて、これは不可能な例が非常に多い。物納財産につきまして、現在の居住者とそれの買受人が違うという場合もありますし、非常に安い価格でもつて物納したものに対して、その数倍の価格をもつて国が拂下げを行おうというようなことで、なかなか一致しない点がありますので、そういうものを徴税の苦情処理をやるような状態において、財務部が全部これを行うということは不可能である。その意味において、あなた方がただしやくし定規に会計法規の建前から、委託業者に対しては、ただ仲介の労をとらせるだけであつて、実際の授受も契約も国が行う、こういうことを言いますが、実際はそれはできないのであつて、私たちは民間のかかる施設を大いに利用してもらつてけつこうだ。但し利用することによつて起る弊害は完全に除去してもらわなければならぬということを、前から申し上げておるのであります。それは物納財産に対しましては、非常に少い例でありますが、現在あいておる土地の問題であります。この問題に対しては、戰後物納しながら、地主はまた他の者に対して地上権を徴收してこれを転売しておるということがあります。これは財務局としては大きな問題で、たくさんの事例があるわけであります。転売をしておる。但し戰後の借地借家等の規則によりまして、強制疎開地や爆撃を受けた戰災地等は、これは何年でありましたか、昭和二十二年でありましたかまでに申出があつた場合は、優先的に前の借地人にこれを売り渡すということがあるわけでありまして、紛争を続けておるものがたくさんあるわけであります。こういう問題は、現実的にどういうふうにして解決をするか、そういう問題に対しては、法律の命ずるところ、法律の決定する拂下者に渡すということを原則にせられるのか、もしくは国有財産拂下げの原則は、公示入札によつて高いものにやるというような原則にするか、いずれかに原則をきめなければならぬのですが、財務局の方々は全然こういう問題にはタツチせられない。ほとんどこの間の希望者の間のあつせんは委託せられておる業者がやつておる。委託せられておるために非常に取引は不明朗だ。甲、乙両者の希望ある土地の拂下げに対しても、公示入札も行わず、公聽会もやらず、希望條件も聞かず、一方的に拂下げを行つて、しかも当然拂下げをしなければならないような人たちの損害を無視しても行つておるような事例がたくさんあります。こういう問題に対して、大蔵省はどういう処置をとらなければならないかということは、私があらためて申さなくても、これは十分考えておかなければならない問題であります。この前の会計検査報告に対しても、かかる事例があつたので、時の管財局長吉田さんには、私から意見を申し上げて、以後そのようなことは断じていたしませんと言つてつたのですが、いまだに私の見聞するところでも相当たくさんあります。この問題を原則的に解決しないと、こういうふうな一つの批難の問題に対して適切なる処置をとつておりますということだけでは納得できない、こういうふうに考えるわけでありまして、まあ税の苦情処理と同じことで、物納の土地家屋等にはいろいろな民法上の問題がからんでおりまして、法律的な裁決を受けなければどうにもならないというような問題を、この仲介業者がうやむやにやつておる。これに対して、国有財産拂下げそのものが非常に不明朗じやないか、こういうことを言われておるのですが、こういうことのないように、やはりそういう陳情を受けたり、またそういうふうな、特に物議をかもしやすい問題に対しては、少くとも財務部そのものがその衝に当つて、はつきりした一つの原則を打立てて、この原則に従つて仲介業者も話をする、こういうようにやつていただくと非常にいいのではないか。ただ私はここに出た字句の面に現われる徴收方法をしなかつたとか、それからあとから徴收をいたしましたとか、これから直接取引を禁止いたしますとか、こういうしやくし定規的なことを言つておられると、物納財産整理はできません。あなた方が直接小さなものに対しても全部收納し、五箇年の分納を認めるということで、国有財産拂下げを行おうとしたならば、国有財産に対して五箇年分納める人は断じてありません。そういう問題に対して、私はこの批難事項に現われた文面から言うのではなくて、こういうものにぶつかつたときには、掘下げて問題を解決する、こういうふうに希望を申し述べておいたのですが、いまだに解決いたしておらないようであります。この処分書には、私たちが考えておつたよりも、もつとしやくし定規に、売拂代金徴收することを一切禁止し何々、こういうふうになつておるのですが、もう一歩進めて国有財産拂下げに当を得るような処置を講ずる御意思があるかどうかということを、ひとつお伺いしたいと思います。
  33. 小林英三

    ○小林説明員 ただいま田中委員から、国有財産、特に物納財産拂下げの問題について、方針的なものがはつきりしないので、いろんな物議をかもしておるところがあるじやないか、これに対する措置あるいは考え方をはつきりしろ、こういうようなことでございます。私の方といたしましても、今指摘されたような事例を私相当聞いておるのでございます。この物納財産につきましては、現在希望者の方に売る。しかもいろいろな、御指摘のあつたような地上権の問題なり、あるいは借地権の問題なりありまして、非常にむずかしいのでございます。できるだけ希望に沿うようにやつておるのでございますが、御指摘のありましたような点も、今後もあるいは出て来るのじやないか、こう思いますが、これも出ないように、実は毎四半期に財務局のその関係の者を集めましていろいろ注意しておるのであります。今後におきましても、方針を明確にいたしまして、そういうものがないように心がけて行きたい、こういうふうに考えております。
  34. 田中角榮

    田中(角)委員 簡單に申し上げておきますが、これは以後なるべく意思に沿うようにということではなくて、これは今御答弁になりましたように、実際財務局の所属課長に話をしているのですが、こういう問題は大体逃げを打つのです。紛争があつて直接解決をしなければならないようなものほど、委託業者からお話をください、こういうことを言つております。私は例はたくさんあげられるのですが、そういう特定なものではなく、こういうものに対しては、国有財産拂下げというものを明朗にする、原則を動かさない、大衆の支持を得るようにというためには、紛争のあるものには、進んで法務局へ移すようにというくらいな通達は早急にお出しになつていただきたい。私たちは今の立場からいつて、あなた方のところへ直接行つて、こういう事件があるから、こういう問題は解決しなさいということをいうことは簡單です。しかし私はそういうような特定な問題を言うのではなく、非常に問題があるというのは、坪当り六百円か七百円でもつて收納したものを、大体仲介業者は五千円くらい、こう言つて来るのです。今買つたら一万円するじやないですか、こういう物の売り方をしておつたならば、これは確実に紛争を起すのであります。私は国有財産拂下げに対しては、当然公示入札を行つて、一銭でも高い方に売るということを私自身も考えておるのでありますが、それは事情によるのであつて、いろいろの條件がついておつて、非常に売拂いのむずかしいものは短期に売拂つて回收する、そうして売拂いを受けた人たちも納得するというような方法でやつてください。私はいつかここで国有財産拂下げに対しては、もつと原則的な話をしました。こんなことをするなら、ただでやつておるような軍用施設のごとき大口な拂下げや、それから国有林の拂下げ等は、はつきり公示入札を行つて高いものに売りなさい。それがもし事務上できなかつたなら、各府県委託して売り拂うならば、国庫に收納する金額は十倍にふえるであろう、こういうことを言つたのですが、大きなところは適当なる拂下げを行い、小さなところから坪当り五百円のものを五千円にふつかけるというような政治は妥当な政治じやない、こういうことを私は申し上げておつたのです。もつと事例をあげてはつきり言えばいいのですが、私はただいじめるために申し上げておるのではない。ですから、そういうことは、少くとも決算委員会において発言があつた場合には、早急にあなた方が通達を出していただきたいと思います。一週間に一ぺんの会合において、こういうことは注意なさいといえば済むのですから、こういうものを例をあげて申さなくとも、私はやつていただきたい。こういう問題を、例をあげて行政監察特別委員会等に移してやつた場合は、私は事件になるものもたくさんあると思うのです。私の見聞したものの中にも、そういうものがあると私は思つている。私たちは、そういう一つのものをただ掘り下げてやるのでなく、ここにはそういう中から單に一つだけ出ておりまして、批難されておりますが、この裏に隠れておるものを何とかして除去してもらいたい、こういうふうに希望いたします。
  35. 小林英三

    ○小林説明員 ただいまわれわれとして当然なさなければならぬような点につきまして御意見がありましたが、私の方でも研究いたしまして、問題になつていると申しますか、非常な紛争のあるようなものについては、その問題をはつきりさせて、そうして指示するというような措置をとりまして、紛争の絶滅に努力いたしたいと思います。
  36. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 それでは本件についての質疑はこれで終りまして、次に移ります。  次に報告書七十ページ、報告番号三三三ないし三三八、国有財産売渡しに関し処置等を得ないもの及び国有財産の管理当を得ないもの、以上六件を一括して当局説明を求めます。管財局総務課長小林説明員。
  37. 小林英三

    ○小林説明員 三三三号につきましては、この案件会計検査院の方の報告書にございますように、財団法人の聖十字学院というものが、その仕事のために国有財産の方を売り拂つてくれ、こういうような問題がありまして、公益事業をやるというので、随意契約によりまして土地建物を売つたわけでございます。この国有財産の方の、そういうような随意契約をやる場合におきましては、どういう目的に使うかということで、目的外に使つてはならぬという條件を付しまして、いわゆるわれわれが用途指定ということでやつたわけでございますが、この聖十字学院におきましては、用途指定を受けた建物をほかに転売したということで、この條件の違反として契約を解除すべきじやないかというように、検査院の方から指摘を受けた案件でございます。私の方といたしましても、確かにこれは條件違反として、当然に契約を解除すべきものというように考えましたので、買受人であります聖十字学院に対しまして、こうしたほかの用途に使つた、すなわち転売したものにつきまして、遅ればせながら契約を解除したわけでございます。で解除しまして、そのうち今まで売り拂つたといいますか、そういう相手先であります日本通運等に対しまして、直接売拂いという形をとつたわけでございまして、そのうちの日本通運に対しましては、昭和二十六年六月十一日に売り拂いいたしまして、その代金は七月十日に入れたわけでございます。なおそのほか丸福商会その他たくさん件数がありましたが、そのうちの二件、土地が約三十七坪ばかりのものでございますが、それを除きまして八月の下旬から九月の上旬までにかけまして売拂いを決定いたしまして、そして代金も近く入るということになつております。そういう契約を当然解除すべきにもかかわらずしなかつたという点は、申訳なかつたと思います。
  38. 田中角榮

    田中(角)委員 議事進行について決算委員会の在来のやり方といたしましては、所管省のこれに対する経過報告を求め、その次に会計検査院のこれに対する補足的意見の開陳を求めて質疑に入つておるのでありますが、大体時間的に考えても、この二冊の本にあることを繰返し申し述べておるようでありますので、議事進行上少くともこういう同じようなものに対しては、特別に本委員会において説明しておきたいということだけ御発言願つて、特に会計検査院に対しては、批難事項にはそう書いてありますが、この事項を整理するまでに実際はこういうふうにむずかしいこともあつたのだ、こういうとつておきの話をひとつつていただくようにお願いしたい。そうでないと、事件の解明にもならず、いわゆる前車のくつがえるをもつて後車の戒めとはならないのです。われわれ三年前の事件を追究してものにしようという検察官ではないのでありますから、そこをひとつお間違いないように願いたい。
  39. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 委員長から会計検査院の方々にお願いをしておきます。田中角榮君のただいまの発言、至当でございまして、重複された説明は御説明になる必要はありませんが、特に調書なりあるいは政府説明員の説明以外に、御注意のありますようなこと、お気づきの点についての御発言が望ましいと思います。これだけお願いをしておきます。  これに対して会計検査院で格別な御意見がありますか。
  40. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 田中さんから、とつておきというお話でございますが、とつておきの話はないのですから、どうぞ御了承願います。  三三三でありますが、これは先ほど説明があつた通りであります。ちよつとここに日本通運という言葉が出ておりまして、日本通運はこの検査報告書の方に載つておりませんから申し上げておきますが、太洋自動車株式会社というのは、日本通運の傍系会社であります。この検査報告をつくる当時には、この太洋自動車株式会社が使つておりましたので、私どもは日本通運とは書かなかつたわけであります。それからこの事態は非常に悪い事悪なのでありますが、悪さは先ほど御説明がありましたので御了承いただいたと思います。  それから三三四から三三八でありますが、これは国有財産を借りておる人間が、かつてに地中に埋没されているケーブルとか、そういうものを掘り出して持つてつてしまつた。それを当局がお気づきにならなかつた、監督がよろしくない、こういう意味であります。  三三八でありますが、これもちよつと珍しいのであります。これだけの大きな財産を会計検査院が偶然見つけたのであります。ちよつと近所まで参りまして、あそこにあるのは何かというような話からわかつたのでありまして、国有財産の台帳にも載つておりませんし、私どもが要求する調書にももちろん出て来ない、そういう案件でありまして、ちよつとこれだけの財産が登記漏れになつていて、終戰直後からずつと使われておつたのは、国有財産の管理から行きましてちよつと珍しいと思います。
  41. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ただいまから質疑を許します。
  42. 田中角榮

    田中(角)委員 これも私が前から申し上げておるのですが、私はその国有財産拂下げという問題に対して、ひとつ拔本的なことが大蔵省当局において立案せられないだろうかということを、申し上げておる次第であります。公共的な、社会的な施設に対しては、無條件で拂い下げておる、こういうことがもちろんあるのでありますが、特に軍用施設等大きなものは、学校、学園等に拂い下げておつたのであります。その事情は了といたしましても、終戰後そのような特定的な拂下げを受けたり、無償貸與を受けた学校やそういうものが、今はまつたく四苦八苦の状態であつて、ここに批難せられておるような状態で、転売しなければならないような状態なつております。今日までも経済の見通しをつけ、そして国有財産拂下げをし、無償で貸興するというような條件は、きめられないことはわかりますが、国有財産拂下げ、貸與というものに対しては、一つの太い線を入れなければならないのじやないか、こういうことを私は考えておる。これは明治政府以来ずつと続けておるのです。何かしら国有財産拂下げ国有財産の貸與等に対しては、暗い影がつきまとつておる。こういうことを一切拂拭したいと思うのです。しかも乏しい財政の中から、とにかく積雪寒冷地に対する全農民の要望が七十億というのに、二十億に削らなければいかぬ、こういうふうに支出の節減をやつているときに、私はこういう国有財産拂下げに処置当を得た場合は、そういうものは簡單だろうと思います。私も吉田内閣の與党でありますが、吉田内閣総理大臣が第二次吉田内閣成立のときに、不要なる国有財産拂下げを強行する、こう言つたのでありますが、與党の私たちもそういう考えを持つておりますし、なお政府の最高方針でも決定しておるのに、事務当局が動かないのじやないかというようなことも、私としては深刻に考えておるわけなんです。これは與党議員として深刻な発言でありますから、皆様もひとつ十分考えていただきたい。講和條約批准後は、われわれの力でわれわれの予算を組んでやらなければならぬということになるのですが、貧乏会社整理するときには、倉庫の中に放置せられておつた品物まで、もう一ぺんほこりをたたいてみて、これを売り拂つて、その金額を集めて何らか再建のための資金にしたいということを考えておるのです。日本も戰争に負けたりといえども、スクラツプになるような物件はたくさんあるのであります。しかもそこらに放置せられておる大きな物件というのは、ほとんど国有財産です。これをなぜ換金しないのだろうということは、私もこれは本会議で一発ぶつてやろうということを考えておるわけですが、相当あなた方の自信のほどもたたき、実際の数字をつかまえないと、ただがなりたてるだけではいけないというので、われわれも研究しながら、遂に今日まで遷延して参つたのでありますが、もうあと半年後には、自分の力で自分で予算を組まなければならない。行政整理を行つてその対象になる人に配置転換をし、やめなければならぬ人は、五箇月といわず、六箇月といわず、十箇月も、まつたく共産党のいうように、一生でも食わせてやりたいのです。ところが、いかんせん金がない、こういうことでもつて與党はいじめられておるのですが、こういうことを見ておりますと、これが早く入つて来ると、われわれ政府與党も、あれほど共産党にいじめられなくても済むのだがということを考えるのですが、これは非常に深刻な話なんです。私はそういう意味で、国有財産をとにかく拂い下げるという問題に対しては、第一線におられるあなた方は、今日は局長がおいでにならないのでなおいいと思つております。また大蔵大臣をいじめたりなんかすることは、閣議で決定すればいいのであつて、こんなことは簡單ですが、第一線のあなた方が、実際その衝に当つておられる方が、一体どれだけの拂下げができるだろう、このままで行つたら、十年、十五年と徴收が遷延して行くものを、われわれが徴收した場合、徴收当を得て早く入つた場合、もしわれわれが行政整理で首を切られた場合、その金はわれわれがもらえるのだというような感覚でそろばんをはじいた場合に、どれくらい国有財産の評価額があるかという、ひとつ数字的な御答弁を願いたいという問題と、年々歳々拂い下げられる額は、一体どれだけか。私は今のような状態から行きますと、拂下額イコール経費はゼロ、こういうふうに考えておるのです。ゼロの場合に非常に国有財産拂下げというものに対して、人気の悪いものがあります。ゼロというよりも、赤字が出ておるものもあります。国有林野の拂下げに対しては、ある年度においては赤字が計上せられております。このようなことがあろうはずがない、これはもう徹底的に解明しなければならない問題であります。しかし長い歴史と伝統を持ちながら、しかも理想的な拂下げをして行こう、こういうのですから、なかなかむずかしいのです。ただ日本は貧乏国として立ち上るためには、一切の甲乙はつけない、学校であろうが何であろうが、一切つけない、そうして国有財産は一つのスケールにおいてはかられる。そうして公示入札を行うという場合の回收は、莫大な数量と思いますが、私は悲しいかなその文字を今つかみ合せておらぬのであります。できるならば、あなた方が戰後五箇年間の拂下げは一体どの程度に上るだろう、それに対して所要経費は一体幾らであろう、現在拂下げの対象になるもの、貸與されておるものをもし拂い下げたとしたならば、その総額は一体時価に見積つて幾らか。これは二十七年度予算編成にあたつては、一番大きな問題であつて、これが来年度一ぱいに五千億とれるという御発言があるならば、私たちは本日から非常に楽な気持で予算の編成に当れるわけであります。これをひとつ答弁いただければ幸甚だと存じます。
  43. 小林英三

    ○小林説明員 大分むずかしい御質問でございます。まず国有財産の方の拂下げにつきまして、いろいろ暗い影と申しますか、現われておるような点もあるのじやないか、こういうような点が第一点と思いますが、私の方もそういううわさを聞くのであります。特に軍用財産の拂下げにつきまして、いろいろな詐欺のようなことも中に入つて、いろいろなことをやつているというようなうわさも聞いているのでございますが、そうした場合におきましては、そういうものは決してそうじやないのだということを、あらゆる機会に申しますし、またそういうことのないように努めておるわけであります。今後またそういうことのないようにいたしたいと思つております。なお今問題の不用財産の拂下げを早くやれというような第二の問題がございましたが、現在不用財産の問題について、一番大きな問題は、例の旧軍用財産の問題でございます。この旧軍用財産につきましは、賠償指定施設になつているものが大部分でございまして、解除されたものにつきましては、どんどん売拂いをやつておりますし、また賠償指定を早く解除してもらうということにつきましても、やつておるわけであります。現在は、これを転活用という面から見まして、一時使用という形で貸しておるわけでありますが、この賠償指定の解除が済みますれば、これを売り拂うということの準備も、今進めておるわけであります。しからばどの程度そうした財産があるかということでございますが、実は御承知通り国有財産につきましては、台帳でやつておりまして、現在の時価に直しておらないのであります。これも来年の三月三十一日現在で、時価に直すことにしておりますので、そのとき大体の時価がはつきりするかと思いますので、それまでお待ち願うというように御承知おきを願いたいと思います。  なお来年度の見通しでございますが、実は昭和二十六年度、すなわち本年度におきましては、土地、建物、機械関係、スクラツプも入れまして、大体三十四億ないし四十億程度の財産売拂高になるのじやないかというような見通しを立てて、その売拂いに努力しています。これは財産税等特別会計の分は除きますが、来年度は賠償指定の解除もあり、いろいろな延納の問題等もあるので、現金は大体六十億程度入ると考えています。いろいろ努力しているのでございますが、なかなか相手との話合いとかなんとかで、時間もずれたりなんかするという関係で、進まない点もあると思いますが、できるだけ努力して大いに歳入を上げたいと思つております。
  44. 井之口政雄

    井之口委員 ちよつとお聞きいたしますが、今度講和條約が批准されて、賠償指定工場はすぐ直接どうなるのか。それから大蔵大臣は、役務賠償で行くというふうなことも言つているようですが、これらの指定工場というものは、すぐ政府でもつて売り拂うというふうなこともやるのでしようか、その辺はどういう方針を政府では決定しておりますか。
  45. 小林英三

    ○小林説明員 この問題については、私の方から答えるより、あるいは外務省の方の折衝の問題として、その方からお答え願つたらいいのじやないかと思つております。なお指定が解除されるならば、もちろんどんどん売り拂うということにしたいと思つております。
  46. 井之口政雄

    井之口委員 三三三ですが、この場合、黒崎某外三十一名の人たちは、すでに店舗としてこれを買うている。それから自動車会社はこれも買うています。それはすでに代金も聖十字学園の方に拂つていると思うのですが、そういうものは無効になつたのか。これはどういうふうにして処分されたのでしようか。
  47. 小林英三

    ○小林説明員 契約が解除されたということになりまするので、私の方としては、その契約の解除をして、まだ金をもらつていない分については、もちろん返すということになるかと思つておりますが、これはまだ代金延納なつておりますので、返納という問題は実は起らなかつたわけであります。それからここにございますような、黒崎某外という方面からは直接的に金をとつた従つて黒崎某外は、聖十字学園に対して金の返還を求めるということで処理した、こういうふうに考えております。
  48. 井之口政雄

    井之口委員 その政府の売り渡した価格ども、さきに聖十字学園がやつておる価格と同じような価格になさつたのですか。それが一つ。それからこういう場合に、売渡すには、どうせ登記もするでしようし、あるいはまた三三八の、こんな大きな工場が税務署でもつて発見されなかつたというふうなこともないだろうと思うのですが、そういうふうな連絡があれば、このような不始末も起らないで済むのじやないか。ただこれはたまたま広島の徳山市のソーダ工場というものが発見されたからよかつたようなものの、発見されないようなものが、まだたくさんあると思うのですが、その点について……。
  49. 小林英三

    ○小林説明員 三三三の価格の問題でございますが、この聖十字学園に売つたのは、昭和二十四年でございますけれども契約を解除しまして売つたというのが、先ほど申し上げましたように、今年度に売つたものもあるわけであります。そういう売つた時期の時価で売るということになるわけでありまして、その学校に売つた値段そのものではない。私の方では時価主義ということでやつておるわけであります。
  50. 井之口政雄

    井之口委員 どのくらい違つておりますか。
  51. 小林英三

    ○小林説明員 実は金額は調べておりませんが、もし御必要ならば、あとから御報告申し上げたいと思います。  それから三三八に関連いたしまして、こうした台帳漏れの財産がまだあるのではないか、こういうような御指摘でございますが、実は相当あるのじやないかということで考えております。大きな問題としましては、脱落財産とわれわれが申しておりますが、いわゆる縄延びの関係で実測できなかつたものがありまして、それが台帳に載つている。しかし実測すれば、さらに相当実測量が大きいというような問題と、ここにありますような、旧軍の時代に使つてつたものが国有財産の台帳に載せずにあつたというようなものでございますが、これにつきましてもできるだけ集めておるわけです。たとえばこの間ありましたのは、伊豆の大島に誘発管みたいなものがあつた。そこの近所の人に聞きましたところ、だれも民間のものではない。われわれの方としては財産台帳に載つていないけれども、これは旧軍のものであるから国有財産である、こういうように認定いたしまして、できるだけそういう記載漏れのあるのを、わかり次第載せるようにしているわけであります。
  52. 井之口政雄

    井之口委員 税務署との間の関係はないのですか。
  53. 小林英三

    ○小林説明員 三三三に関連いたしまして、こういうような転売とか、何かの関係を税務署の関係を通して連絡したならば、よくわかるのじやないかというようなお話でございますが、ごもつともの点でございます。ただできるだけ税務署の方にもいろいろ聞くわけでありますが、系統が別になつておりまして、非常にやりにくいのでございますが、今後も連絡できる限り連絡してやりたい。こういうふうに考えております。
  54. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 本件に関しては、質疑はこの程度にいたしまして、次に移ります。  次に報告書七十二ページ、報告番号三三九ないし三六〇、社寺国有境内地の管理当を得ないもの、二十二件を一括して御説明を願います。
  55. 松永勇

    松永説明員 三三九から三六〇の、社寺国有境内地の管理当を得ないものは、会計検査院からそこに指摘されておる通りでありまして、まことに申訳ないのでございます。これがその後の処置について簡單に説明申し上げます。  御承知のように、社寺に無償で貸し付けている国有財産処理に関する法律によつて、こういう土地を讓與するかしないかということを、大蔵大臣が決定して参つておるのでございますが、この表に掲げてございますもののうち、熱田神宮以下十三社につきましては、すでにこういう状態であるので讓與しないことに決定しまして、これにつきましては、その目的外使用地を売り拂いするわけでございますが、そのうち、すでに売拂い済みになつたものが四件、目下売拂い中のものが九件でございます。なおこういうものにつきましては、その間の使用料は弁償金として、売り拂いの際一括徴收することにいたしております。なおこのうち讓與することに決定しまして、すでに讓與したものが一件ございます。それは福岡市の櫛田神社でございますが、これはここに書いてございますような使用目的に使つてつたことは事実でございますが、その後神社においてこれを全部撤去させまして、現在は尊巖維持に適当な用地となつておりますので、ただいま申しました法律に照して適当と認めて讓與した次第であります。なおそのほかの八件は、現在処分の決定はしていないのでございますが、そのうち四件については、現在の状況から見て、検査院指摘通り讓與しない予定で進んでおります。それは湊川神社、三宮神社、射び兵主神社、日前国懸神社の四社になつております。それから今後讓與予定のものといたしましては、高知県の須崎町にございます八幡宮でございます。これは南海の大地震の際に、応急の收容場所として、ここに住宅地がつくられたのでございますが、現在他の地にこれを移転することになりまして、町長以下非常に熱意を持つてその仕事を進められておりまして、約八割方他の地区に移転されまして、大体原状に復しておりますので、その見通しを持つてわれわれは讓與いたしたいと考えております。なおその他三件につきまして現在処分方法について目下考究中でございます。それは福岡市の聖福寺と、佐賀市の佐嘉神社及び松原神社のこの三件であります。
  56. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 検査院側において特に御意見はございませんか。
  57. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 ありません。
  58. 田中角榮

    田中(角)委員 一つだけ聞いておきます。ここに批難せられておるものではありませんが、戰争が終つてから、社寺仏閣の境内は一応国有財産になつた、こういう問題ですが、これは私たちの考えでは、一応昔に返還する方がいい、無償返還ということを考えておるのですが、これは大蔵省当局としては、どういうふうに考えておられますか。現在までは小さな無格社であつても、一応は国有財産なつて、木でも切る場合には、一応無償拂下げを受けるということになつておつたようでありますが、こういうものは、ある時期においては、もう條約も批准になり、独立国家になるのでありますから、日本人的な感覚で、返すべきものは返すというふうに考える方が至当だと思うのですが、実際の事務当局のお考えはどうですか。
  59. 松永勇

    松永説明員 ただいまの御質問通り、われわれもこれをお返しすべきが至当だと考えておりまして、現在の法律もその趣旨でできております。すでに九八%くらいをお返ししたわけで、あと若干残つておりますが、これも本年度中には全部お返しすることができるだろう、こういうふうに思つております。
  60. 田中不破三

    田中(不)委員長 御質疑がありませんようですから、次に移ります。  報告書七十六ページ、不正行為、報告番号三八八ないし三九二の五件を一括して説明を願います。
  61. 小林英三

    ○小林説明員 三八八から三九二まで、これについて説明申し上げます。  三八八は、保管中の古鉛を、警備員である小泉某が無断搬出、売拂いをしたものでございますが、その物件は現在すべて回收いたしまして、連合軍の命令によつて引渡しを完了しております。なおこの犯人であります小泉につきましては、すでに解雇いたしまして処分が済みましたわけでございます。  それから三八九の案件は、賠償指定を受けております陸軍造兵廠宇治製造所の監守に当つておりました古川某が、数回にわたつて積算電力計を無断で搬出いたして売つたわけであります。これについては監督不十分でありまするが、犯人は目下服役中であります。これに対しまして政府として損害賠償をとろうというふうに考えておりますが、しかし現在無資力であるために、急速にこの賠償をとることができないという状態でございます。  それから三九〇は、岩瀬某外七名の者が、単独または共謀の上で国有物件を領得いたしまして、それぞれ売つたわけであります。検察庁の評価価格といたしましては四十七万八千円ばかりでございますが、このうち十三万二千円余につきましては、これを知りつつ買つた故買者から返還を受けましたが、残額につきましては当人たちに求償をしておるわけであります。しかしこれも無資力のために、回收困難な実情にあるわけであります。  それから三九一の問題でございますが、この物件は、元海軍航空基地に所属したものでありまして、軍用財産が大蔵省の方に引継がれたわけであります。その際に台帳が燃されてしまつておりまして、そうした財産がはつきりわからなかつたということ、この財産が地下に埋没されておつたということで、実ははつきりわかつておらなかつたわけであります。ところがこういうケーブルがあるというので、日本食糧産業株式会社がそういうケーブルを売つてくれとこういうふうに言つて来たわけであります。それで私の方としては、そういう話があるけれども、実はよくその内容がわからぬ、どんなものがどこにあるのかわからぬということで、そういう申出がありましたけれども、ただちに契約をしないで、発掘させて、どの程度どうあるかということを確かめてから契約しようということにしておつたわけであります。ところが実際掘つてみますると、通信用ケーブルが三千三百メートルあつたわけであります。このうち、この日本食糧産業株式会社の方でほしいという電力用ケーブルとしましては、約五百メートルしかなかつたわけであります。それでこの五百メートルのケーブルについては日本食糧産業株式会社の方に売つたわけでございまして、残りのものについては、これはもういらないという関係になるわけでありますが、この日本食糧産業株式会社の方では、残りのケーブル——これは通信用ケーブルでございますが、これをほかに約五十万円で売つたのでございます。それでこれをうまく財務部の方に話を進める、しかも値段も安い値段にしてもらおうというようなことを考えましてここにございます広島——これは担当官でございますが、これに贈賄したということになつたわけでございますが、この両者とも、すなわち役所側の広島某、それから会社側の日本食糧産業株式会社関係者が起訴されたのでございます。それでその後、私の方といたしましては、どこに売つたかというその先も調査しました結果、物件の現在量とか、あるいは規格というようなものがはつきりわかりましたので、昭和二十五年十月ごろに損害額をはつきり見積りましたところ、五十二万六千余円ということになりましたので、これを現在求償手続をしております。しかし、この日本食糧産業の方は現在金がないということで、早期にこの金額を回收することが困難な状態にあるような次第でございます。  それから三九二の案件につきましては、この財産は元陸軍部隊の所属であつたのでありますが、この財産を先ほどと同じように、大蔵省で引継ぎを受ける機会に、やはりこれが台帳に記載されておらなかつたのでございます。記載をされておらないということがわかつてつたものですから、これらの者がこの財産を売り拂つてしまつたという事件でございます。申訳ないことでございます。これについては検察当局の方で取調べ中でございますが、私の方といたしましては、公判の終了を待ちまして、やはり損害賠償の請求をするような手続をいたしたいと思います。  以上五件につきまして、こうした職員によりまして不正が行われたということについては、はなはだ申訳なかつたと思つております。現にこれらの警備員その他につきましては、実は旧陸海軍時代から引継いだ人間が多いのでありまして、私どもとしても嚴重な監督をしておつたわけでございますが、往々こうした過渡期、混乱期に乘じまして、いろいろなものが出たわけでございます。今後ともこうした者が出ないように、私どもとしても努力といいますか、嚴重に監督をして行きたい、こういうふうに思つております。
  62. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 これに対して会計検査院側において特に御意見がございますか。——それでは質疑を許します。
  63. 田中角榮

    田中(角)委員 簡單に会計検査院の意見を聞きたいのですが、三八八及び三九二の前に、三六一及び三八七の同種の不正行為事件があるのでありますが、特に例をあげてお聞きするのではなく、こういう中で一体どのくらい刑事訴追を受けておるのかということをひとつお聞きしたいという問題と、もちろん不法行為をやつた者は刑事訴追を受けるのでありますが、刑事訴追を受けた場合、国庫に收納せらるる額が、大体においてどの程度のパーセンテージで納まるか。特に三六一等はわずか三名の不正公務員によつて、国庫に收納すべき金額の中から、不正に流用せられたものが一千万円、こういうのであります。私はなぜこういうことを聞きますかというと、新聞に実におもしろいことが出ております。大衆が納得しないことが出ておるのであります。公団の金を数千万円使い込んで、それで刑事訴追を受けた若い経理課員がおる。そうして刑事訴追を受けながら、公金を持たせられておる。そうして保釈金千数十万円を積んでゆうゆうと保釈されておる。これは新しい刑事訴訟法によりますと、保釈をしなければならぬ、こういうのでありますから、当然保釈をしております。六千円ベース、七千円ベースでもつてつて行けないといつて、口を開けば吉田反動政府打倒、首切り絶対反対というような要求を標傍しておる国家の職員が、これだけの大きなことをやりながら、しかも数十万円の保釈金をぽんと積んで、出ればすぐ新しい家をつくつておる。こういう事態に対して、法律的なむずかしさは私よくわかつております。わかつてはおりますが、これに対して処置ができないということはない。法律的にできなければ、国会に対して法律の改正を要求すればいいのであるし、われわれ自体もそういう処置をしなければならぬ。ただそれは直接その衝に当つておられるところの会計検査院に、それを全部取上げられるというふうな名案があるかないか、そこまでお考えになつたことがあつたかどうか。この間の求刑では十五年だそうでありますが、七、八年、うまく行けば五年くらいで済む。二十五、六の連中が五年くらい入つて出て来るとちようどいい年ごろであります。五年間に四、五千万円以上積んでおけるということであつたならば、ますますこういう不正行為がふえるのでありますが、会計検査院のお知恵があつたら承りたい。お知恵がなかつたら、ひとつ御相談申し上げたい、こう思つております。
  64. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 三六一から三八七までは、すでに前国会において審議済みでありまして、今三八八以下でありますが、ここにあげましたもののうち、刑事訴追を受けたのはどれだけか、こういう御質問であります。会計検査院が不正行為として検査報告に掲げますものは、全部刑事問題になつたものだけであります。少くとも起訴されたものであります。従いまして、逆にここに上つておるものは、全部刑事訴追を受けたものだけであります。刑事訴追を受けませんものは、不正行為という中に入れていないのであります。單なる不当支出とか、收入、徴收の処置が悪いとか、そういう程度に扱つております。  それから回收がどうか、こういうお話であります。公団の例をお引きになりましてのお話つたのですが、公団は私実は検査しておりませんので、私からお答えするのは適当ではないのでありますが、ああいうふうに裁判になりましたものは、大体追徴金として裁判所の方の処置があるわけでありまして、会計検査院ちよつとそこまでは手が出ないのであります。どうぞその辺を御了承願いたいと思います。
  65. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに御質疑はありませんですか。——質疑はないものと認めます。  引続き終戰処理関係審議に移ります。報告書七十七ページ、工事、報告番号三九三、工事の設計施行に当り処置当を得ないもの、報告番号三九四、カーテン取付工事費の精算に当り処置当を得ないもの、及び報告番号三九五並びに三九六、工事費の積算に当り処置当を得ないもの、以上四件は同種類でありますので、便宜上一括して特別調達庁より御説明を願います。特調財務部長川田政府委員。
  66. 川田三郎

    ○川田政府委員 三九三から三九六までにつきまして、一括的に御説明申し上げます。  三九三は、当初の設計が悪かつたために手直し工事を必要とするような事態を引起したものであります。設計の不十分ということが原因であります関係上、十分今後そうしたことの起らぬように戒飭をいたしまして、その後の工事につきましても愼重を期した次第でございます。  また三九四につきましては、これは事態といたしましては、私どもも今回御報告になりましたもののうちで、最も大きな不当事項であるとみずから考え、大いに戒めておる次第でございます。これは検收の誤り、物の受取り方の齟齬でございまして、そのためにカーテンの数量、カーテン、金具の品質の見誤り、そういうものが結局契約金額の精算額を過大ならしめたという事態でございます。この点について、重要でございますから説明をさらに附加しますと、現在の段階といたしましては、すでに契約そのものは形の上では確定いたしたのでありますが、精算自体に誤りがあつたということで、会社とも交渉をいたしまして、現在七百四十六万円余の減額をかけておりますが、会社側も、当時軍から正当な調達受領書が発給されておるという点もございまして、なかなかこの減額に応じません。結論としましては、その債務を確認してもらうためには、司法手続によりまして、民事訴訟によつて解決しなければならぬかと思つております。これは私ども会計検査院の御所見が正しいという論点に立脚いたしまして、業者の側においてどうしてもその減額に服することができないという場合は、双方の主張がお互いに正しいと信じておるわけでありますから、第三者たる司法機関によつて解決しなければならぬ、好むところではないのでありますが、そこまで行かなければならぬ事態なつております。この事態を引起しました関係職員に対しましては、單なる訓戒では不十分と考えられますので、懲戒処分まで行うことになりまして、すでに処分済みでございます。  また三九五、三九六は、積算の不当ということでございます。これも、検査院の御所見の通りにわれわれは考えます。従つて、こうした過誤を今後起さぬように十分職員を戒飭いたしまして、今後の改善を期する所存でございます。この点については、私ども検査院に、それぞれ担当者といたしましては、相当弁明の筋もあつたわけではありますが、その弁明はわれわれといたしましても不十分である、検査院の見られる通りであると考える次第でございます。
  67. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 これに対して、会計検査院当局に特に御意見がありますか。
  68. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 終戰処理費の批難事項について御審議が始まりますが、その前に終戰処理費全体、これは非常に大きなものでありますが、これにつきましての検査の結果を総括して簡單に御報告しておきます。  大蔵省所管終戰処理費は、二十四年度は九百七十九億、ざつと千億であります。百三十二億円を翌年度に繰越しまして、百二十六億円を不用額といたしたのであります。そのほとんどが終戰処理事業費でありますが、事業費の支出額は九百六十三億円であります。この終戰処理費につきましては、毎年検査ができませんで、未確認という取扱いをするものが、従来非常に多かつたのでありますが、本年度はこれが減りまして、約二十一億余万円こういうことになつております。二十一億円ばかりが検査できなかつたのであります。これは会計検査院の照会に対する回答が来なかつたり、回答が不十分と認めてなお審査する、こういうような事案が残つたわけであります。従来は概算拂いの精算未済、このための未確認が非常に多かつたのでありますが、概算拂い付の随意契約というのは、ほとんど影をひそめまして、現在では入札という方向に転換いたした関係から、従つてこの未確認も減つたわけであります。二十四年度の検査にあたりましては、特に維持管理工事費、役務費、それから連合国軍の使用人に対する給與、こういうものに重点を置きまして、特別検査と言つておりますが、特に丁重な検査を行つた次第でありますが、その結果検査報告に掲げました非難事項は五十二件、こういうことになつております。従来より数も減りましたし、また当局の取扱いぶりも目に見えてよくなつているのであります。終戰処理は、従来あまりに悪過ぎたのでありますが、二十四年度には相当改善の跡が見えるようであります。個々の案件につきましては、先ほど政府側から御説明がありましたので、省略いたしますが、特に三九四号のカーテン取付工事費、これについて一言参考に申し上げておきます。  これは、先ほど政府側からも、特別に質の悪い安件という御紹介がありましたが、まさにその通りでありまして、終戰処理費の五十数件という非難事項の中で、実はこれが一番私も質の悪い事案だ、こう思つております。ちよとおわかりにくい面もございますので、簡單に御説明いたしますと、窓のカーテンあるいは金具、こういうものに金を拂いますときに、二戸建、三戸建という建物、それは当然長屋でありますから、間に窓がないのであります。それを一戸建の二倍あるいは三倍ということで拂つてしまつたのであります。二戸建にいたしますと、一戸建の場合よりも窓が二つ少くなるのは明らかであります。ですから一戸建の二倍、三倍より減るわけでありますが、それを二倍、三倍こういうことで金を拂つたという案件であります。これは検收をするときに、当然数を勘定すべき性質のものでありますが、それをやらないで、業者の言いなりに拂つてしまつた、こういうことなので、子供の計算みたいな感じがするのでありますが、質としてはおもしろくない、金額相当大きいわけであります。このあと処理につきましては、先ほど政府側から民事訴訟というふうなお話がございましたが、これは当事者との間に話合いがついたと私は伺つておりまして、一部はもうすでに、二十万円ばかりですか、回收されたというふうに伺つておりましたが、その点も御説明を願えたら御参考になるからと思います。  それから責任者処分でありますが、これも昨日でございましたか、一昨日でございましたか、処分がございまして、重い人は戒告ということになつております。会計検査院では、実は会計検査院法を発動いたしまして、懲戒要求をしようということにしていたのでありますが、当局の方で処分されるという話を伺いまして、この会計検査院の懲戒要求の発動は実は差控えた次第であります。数日前にこれは懲戒になつております。
  69. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 政府側になお説明の補足はありませんか。
  70. 川田三郎

    ○川田政府委員 ただいまの協定と訴訟との関係について一言御説明を申し上げます。  これは検査院局長の言われました通り、私どもと業者との間に協定が成立いたしまして、三箇年にわたつて、最初十万円、その次が二十万円、その次が三十万円と毎月納める。なぜ最初が少いかと申しますと、国税の納税がある、同じ政府の歳入でありますので、国税の納税の関係上最初を少くして、納税が済みましてからあとを多くということで協定はできたのでありますが、現在までに二十万円の協定決算の履行があつただけでありまして、これでは徴收上困るというので、その債権債務の関係を確定いたしたいということになつて、その交渉をいたしました。また担保の提供を要求いたしましたが、これに応じて参りません。このままで参りますと、実際の納入が協定通り行われないというのには、いわゆる債務名義をとらなければならぬ。そのためには、あらためて現在協定になつておる債務を相手方に確認してもらわなければならぬ。そういう段階から、相手がどうしてもそれだけの債務について、いわゆる強制徴收までされるのではいやだということになりますと、私の方は債務確認の訴えを起さなければならぬということで、好ましくないことでありますから、なるべく今後も実際の協定実行という線をふんで行きたいとは存じますが、一面徴收を確保する面で、あるいは訴訟手続によらなければならない。これもできることなら訴訟外の和解という方法をとりたいとは思つております。
  71. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 数点ありまするから、まず一点ずつ伺つて行くことにいたします。  過日来、田中委員より、政府に対しまする嚴重なる戒告あるいは警告がありました。私もこれを了承したのであります。私は毎回言うことでありまするが、予算と決算とは同一に重大であるということを考えている。予算の方では、大臣次官が来ないときには必ずやらぬ、こういう原則でありますが、決算の方になりますと、ややもするとそれが課長級になる、もつてのほかである。こういう意味合いにおきまして、そういうような当局者がいないときには流会、こういう原則を立てたいというわけで、前委員会において発言したのでありますが、やむを得ないときにはある程度まで了承するという委員長の警告があつたわけでありまするが、私は、今日のように特別調達庁というような問題は、きわめて重大な問題であり、世間の疑惑もまた、公団と特別調達庁にあるとこう言われておる。これを一掃する意味におきましても、長官なり次長なりが出て来まして、大胆率直に事実を認め、もしくは戒告するということが当然であると思うのであります。——本日は次長がおいでになつたそうでありますから、次長にお伺いいたします。  今度の問題になつております終戰処理費、特別調達庁関係におきましては、不当として報告せられておるのが五十数件あると、今小峰局長も言つておりましたが、国庫に及ぼす損害は一億数千万円——もつとあると私は思つておりますが、そういうことに考えられておるのでありまして、この土木建築の関係、請負代金の支拂い、または購入物品等に対しまして、不注意あるいは検査の粗漏、職員の犯罪行為等々がたくさんあるわけでありまして、これに対する政府説明はおおむね会計検査院の御報告の通りでありますといつて頭を下げておりますが、頭を下げればそれで済むというように感ずることは、これは間違いでありまして、これが私経済、法人組合あるいは私企業等におきましては、当然会社の社長なり專務なりは、辞職あるいは賠償、こういうことが行われなければなりませんにかかわりませず、政府事業になりますと、ややもすると責任者がかわつちやつたというわけで、いつも逃げておるわけであります。こういうことに対しては、はなはだ国費を濫費する、こういうことになるのでありますから、私どもは、この職務執行にあたりましては、犯罪の起り来りたる原因等を十分調査をいたしまして、これに対して、政府当局はもちろんのこと、司法の力を借りましても、これを退治いたしまして、国損を少くするということがきわめて大切なことであると考えておるのであります。従来自己の怠慢や重大な過失等に関しましては、国に損害を與えた場合におきましては、一片の戒告、まあ注意ということでありましようが、くつの上からかくようなもので、はなはだ効果が少い、こういう形式が行われておつたのであります。私も大蔵委員の一人といたしまして、先年予算執行職員等の責任に関する法律を審議したのでありますが、その後どういうふうに運用せられておるかということを、私は大蔵委員会でもお尋ねをいたしたわけでありまして、この決算委員会におきましても、大蔵当局なりあるいは会計検査院当局なりが、いかなる方法をもつてこれをやつておるか、この際ひとつつて、しかる後に徐々に質問を展開いたしたい、かように考えます。政府当局答弁を求めます。
  72. 堀井啓治

    ○堀井政府委員 二十四年度の決算報告によりまして、批難事項として五十二件の事案をあげられましたことにつきましては、私どもまことに遺憾に存じておる次第であります。各事案につきましては、それぞれ当時の状況として、占領下にありまして、まことに残念であるというような事案も数あるのでございまして、その点は状況として御了承を願わなければならないというふうに感じております。但し、職員の戒飭につきましては、人事院等と打合せをいたしまして、十分なる戒告をいたし、将来に禍根を残さないように努力いたしておるつもりでございます。幸い、二十三年度におきましては、実は八十四件の批難事項がございましたが、二十四年度におきましては五十二件に減少をいたしまして、その点私ども努力いたしました点につきましては、先ほど小峰局長からもお認めを願つたような次第でもありますが、何分混乱時代でありまして多数の批難事項に該当する事案を生みましたことは、まことに私どもとして遺憾に存ずる次第であります。
  73. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 それでは会計検査院当局小峰局長が来ておられますから、大胆にお答えを願いたいと思います。  予算執行職員等の責任に関する法律というものを、かつて大蔵委員会審議いたしまして、衆議院、参議院を通つて、法律になつたわけでありますが、現在処理した件数が、会計検査院としてどのくらいあるというふうにお認めになつていらつしやるかということを、ひとつ承りたい。また会計検査院といたしまして、この法律施行上にあたつて、なお不備な点があるのじやないか。たとえばそれを取扱う人が、そのすぐ上の一部分事務官等に限られておつたのでは、これではまだ改善が足らない、かようにも感ずるわけでありまして、私どもの観点からいたしますならば、その上長長官、少くとも総裁、長官あるいは次長というような最高責任者まで責任をとる制度をとるということが、一番穏当であろうと思うのでありますが、会計検査院といたしましてはどういうふうに考えておりまするか。例を申し上げますならば、私経済においては、係長のやつたことは、專務もしくは重役が全責任をもつてこれを賠償する、こういう制度があるわけでありますが、国の方になりますと、わずかに属官、今では事務官もしくは雇、こういうような、年齢においても、経験においても、きわめて弱少な、貧弱なる官吏が、わずかに戒告という名前で首切られて済むというようなことでは、はなはだおもしろくないと思います。今会計検査院といたしましては、もつと強化してやる必要があるとお考えになつておりますか、会計検査院並びに政府当局の御答弁を求めます。
  74. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 予算執行職員責任に関する法律は、御承知通り昨年の五月から施行されておりまして、私ども検査は、概略的に申し上げますと、大体一年ずつ遅れて行くのが普通でございます。現在大体二十五年度分をまとめつつあるわけでございます。国会へお出しする検査報告としての批難事項と、個人の責任というものを並行して考えなければいけないのでありまして、現在この批難事項をまとめつつあると同時に、予算執行職員個人の責任についても、調査しているわけであります。検査報告が出ますと、間もなく、これについては具体的な案件が出るはずでありますが、現在までのところ、まだ何件この法律によつて適用したかという点については、お答えができないのであります。大体検査報告に掲げられるものが、予算執行職員としての責任を追究される事案でありまして、こちらがきまりませんと、必ずしも予算執行職員責任もきまらない、こういうのが実情であります。  それから現在の法律では不備ではないか、長官にまで責任を及ぼすべきではないか、こういう御意見として伺つたわけでありますが、会計検査院としては、今のところそれに対するお答えはいたしかねるのでありまして、現在の法律といたしましては、予算執行職員その人の責任を追究する、こういうことになつておることは御承知通りであります。
  75. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 大蔵当局がおりませんから、来るときまで質問を留保いたしまして、次の機会にやりまするから、そのときには大蔵省主計局長あるいはその他の係官を呼んでいただきまして、それに対する質疑を続行いたしますことをお許し願います。  次に、事務局になりますが、三九三、検査報告によりますと「完成後いくばくもなく多額の工事費を投じて改造工事を行うのやむなきに至つたのはその処理当を得ない」というふうに言われております。改造工事を請負わせた者は何という者か、だれであるかということも、ひとつ承りたいと存じます。なお請負工事が引渡し一年以内の瑕疵、ついては、請負人は一年以内においては修繕または損害賠償の請求に応じなければならないということが、民法六百二十四條にあると考えておりますが、当局はこれに対してどういうふうに考えておりますか。間組ほか数組に対しまして、そういう請求をいたしましたかどうか。会計検査院答弁を求めまするが、会計検査院といたしましては、この瑕疵ということについてはどういうふうにお答えになつておりますか。政府と両方から御説明か伺いたいと思います。
  76. 池口凌

    ○池口政府委員 この件につきましては、今の間組ほか一件だけが、この批難事項にあげられておりますけれども、この当時の模様は、成増に千二百戸ばかりの住宅建設がありまして、これはほとんど世界に類例を見ない程度の大規模な集団住宅地域に対しまして、水平に非常に広いところに中央暖房をやるような計画でありました。そういうふうに世界に類例を見ない程度の非常に大きな中央暖房計画でありまして、日本側におきましても、この計画を見ましたときに、非常にこれは困難な事情がある。また日本のように雨が多く、地質が特にしめりやすい、こういうところにおきまして、このような計画をすることは非常に困難であるというような点をかなり軍側にも交渉をいたしておるのでありますけれども、設計は全部軍の方でいたしまして、その責任は日本側にはないから、ぜひこの工事をやるようにということであつたのでありまして、一番問題でありますところは、あの広大な地域にあたりまして、整地を徹底的にやりまして、排水をよくする、こういうことをしなければならぬのであります。またところどころにマンホールがありまして、そういうところにも雨の入らないような計画を十分にしなければならないのでありますが、そういうことは十分計画上でき得ないまま無理に工事をやらなければならぬ、こういう情勢に相なつたのであります。設計通りに施工はされておつたのでありますが、遺憾ながら、これにつきまして十分な機能を果し得ない事態に立ち至つたのであります。豪雨が降りますと、どうしてもこの排水口に浸水をいたしまして、暖房の機能を十分に発揮し得ない、そういうような設計上から、かなり機能がむずかしくなつたというような状態が大きい原因であります。特にこの工事につきましては、直接の施工者は、ここに書き上げられております間組その他でありますけれども、材料はほとんど大部分官給材を用いたのであります。全国に調達庁なり、また軍なりが持つておりましたところの事前に購入してありましたところの材料を急遽成増に集合させたのでありまして、その材料によつてこの工事をやつたのであります。特に一番問題であります蒸気のトラツプというものがあります。これは非常に機能的には困難なものでありますが、温水と蒸気とを関門を使いわける非常に精巧なものでありますが、一万六千ばかりここに使われておるのであります。そのスチーム・トラツプというものが、何しろ終戰直後につくりましたので、製品が何といいましてもあまり上等のものでなかつたのでありまして、この機能が発揮されませんと、蒸気の暖房の能率というものが非常に阻害されるのであります。そういう点をアメリカの上級のトラツプと同等のように苦心されたようなそういう設計でありましたから、はたして完成後におきましても十分の効果が発揮せられなかつた。かたがた今のように浸水その他のことがございまして、ますます暖房効率が上りませんものですから、石炭をたくことが多くなるのでありまして、そういう点を見比べまして、この修理工事が行われたのでございます。
  77. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 三九三号、これについての瑕疵担保の問題でありますが、この案件は、実は請負人だけが責任を負うべき性質のものではないのであります。検査報告にも書いてありますように、七十七ページの終りの方に「実地検査の際調査すると、雨水排水計画が粗ろうなため」——こういうところは当然計画が悪いのであります。設計計画がまず第一に悪い。それから請負人にもこれは責任がないとはいえないのであります。ここにも書いてありますが「鉄筋が露出したり、コンクリートのつき固め不十分のため空げきを生じたものがあるなど」——こういうのは、施工が悪いのであります。同時に監督が悪いのであります。三者三すくみのような状態になりまして、これは請負人だけに責任を負わす、瑕疵担保の責任を追究するということは、実際問題としてできなかつたのでありまして、これはアメリカ側も認めて手直しのPDを出したような次第であります。
  78. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は過日、七月でありましたが、決算委員といたしまして、ここにおられる井之口委員とともに、九州地方を視察いたしました。ことに福岡の特別調達庁に参りましたが、やはりその検査の結果、報告にも記載しておりますが、職員等におきましていろいろな間違いが起つた点があるわけであります。幸い特別調達庁の次長がおいででありますので、私はこれが根本であり、国を思うの念あまりに切なるものがありますから申し上げます。私どもの観点からいたしますと、進駐軍の命により早急に工事を急げということについては、了承いたします。ところが、一般の業者の心理は、早急であると同時に、もうけたいという心理が多少あるわけであります。はなはだしきに至りましては、半分は先にとつてしまつて、そして不当と申しますか不準備と申しますか、計画なしにこれを消費いたしまして、あとなつて音をあげるというようなことがあるわけであります。こういうのは、社会の情勢も悪いわけでありますが、政府の監督もしくは支拂い等につきましても、よほど考える余地がありはしないかと思うのであります。ことに成増のごとき大問題については、もう少し監督を嚴にする必要があつたであろうと思いますが、これに対する次長の責任ある御答弁を求めます。
  79. 堀井啓治

    ○堀井政府委員 成増の実情につきましては、この委員であります田中委員も御存じと思いますが、当時の監督状態——どもはもちろん監督の責を負わされますけれども、さらに米軍の監督将校がおりまして、しかもその手足として、こちらの監督以上の人数を擁しまして、事実上そういう両者で監督するという立場になるわけです。勢い業者といたしましては、米軍の指揮を重んずるという傾向を生じまして、監督の混乱をするという面が多分に生じたのであります。その後におきましては、米軍側の指揮は日本側の監督を通じて行うということを再三申入れをしたのでありますが、他の現場等におきましてはこれが実行されないで、混乱を起したということが間々起りましたことは、遺憾に存じておる次第であります。なお設計等につきましても、先ほど池口業務部長から申しました通り、日本におきましては、日本の国情に適した、従来研究された設計なり施工方法があるのでありますが、やはり占領者という立場から、あえて言うならば圧迫もありまして、われわれの意見が入れられませんで、実情に合わない設計を押しつけられるままに施工に移すということについては、われわれも責任感じますけれどね、われわれとしていかんともしようがなかつた事情を、御了承願いたいと思います。
  80. 田中角榮

    田中(角)委員 関連事項で、ちよつと会計検査院に伺いたいのですが、同じ答弁を堀井さんのところで、できましたらお伺いしたいと思います。これを見ますと、三九三の当時の所管者は戰災復興院の大橋武夫君のようであります。三九四は東京都長官の安井誠一郎、こういうことになつております。この工事は、私が申し上げるまでもなく、終戰直後は終連が所管しておつたのですけれども、その次に戰災復興院、その次に特別調達庁、こうなつております。私ども自体が専門的に考えても非常に複雑な、特に占領軍の治下にあつて、日本政府と占領軍との中間に、まつたくあいのこのような立場におつて、むずかしい條件を要求せられているところの、この種工事所管者の苦しさというものは十分わかつているのですが、終連当時の批難事項というものは、非常にたくさんあつたわけであります。それが先ほど三宅君の言われたように、煙の立つところは公団と特別調達庁だという大衆感覚を生んだわけでありますが、それではいかぬというので戰災復興院に統一せられ、それでもなおいかぬというので、まつたく占領軍の申し子のごとき特別調達庁が生れて現在に至つているわけであります。それで会計検査をやられておるところの会計検査院の立場として、終連当時、戰災復興院当時及び現在の特別調達庁関係に移管して来た経済によつて、どの程度批難事項が減つておるか。私の考えでは、二十五年度からは、機構上からいつてもぐんと減つておるだろう、こう思つておるでありますし、特に昭和二十年よりも二十一年、二十二年よりも三年と、こういうふうに減つて来ておりますが、二十五年度等は大体どういうものであるかということを、ひとつ伺いたい。それは各省の批難せられる額は非常に小さいのでありますが、特別調達庁は何千万円、場合によると何億、こう言うから、人は驚くわけであります。しかしその所管する工事量そのものは千億をオーヴアーする金額で、総公共事業費を上まわるような金額を使用し、しかも非常に短かい間に特殊な工事を要求されておるのでありますから、その間の事情は十分承知をするのでありますが、このようなことをずつと続けて行くということは、たいへんな問題である。こういうことによつても、私たちが今考えておる行政機構の改革、簡素化という大旗を掲げておるわけであります。そういう意味におきまして、終連よりは戰災復興院、戰災復興院よりも特別調達庁が減つておるということであれば、行政機構の再編という場合に、相当な資料として役立つものであつて小峰さんの答弁は、その辺に対して自由党を大いに勇気づけることでありますので、ひとつ真実を申していただきたい。先ほど二十四年度の決算報告の中で、最も悪質である三九四でありますかに対しても、そういうふうなお話もありましたが、その所管者は東京都であります。私たちは当時からこの問題は十分問題にしておつたのです。それから二十三年度の決算を見ましても、官給材の代金未納に終つているものとか、それから過拂金の徴收当を得ないものとか——二十三年、二十二年のものは、ほとんど終連、戰災復興院の当時、いわゆる各府県知事に委管されたものでありますが、このときの各府県の渉外部というものの立場というものは、非常に微妙でありまして、私たちもその間の事情はよくわかるのでありますが、一歩つつ込んでみるときには、いわゆる官給材支給金額がいまだに納まらないという問題もあるのです。それは私は会計検査院によくお話を申し上げておきたいのだが、当時そういう問題を起した物件が、国有財産に返納できなかつたのです。清算が完了しておられない、こういうのが千百億もあつたわけです。最後には、本委員会の力によつて、とにかく承認を與えてもらわなければ、どうにもならないというような状態まで至つたのであります。あの当時の問題は、二年、三年前の問題ではありますが、非常にいろいろな條件を内蔵しておるわけでありまして、今会計検査院指摘をせられるところでは、ただ批難事項として、徴收すべきものである、返納を要求すべきものであるというようなことを言つておりますが、これは一部において民事裁判等にゆだねた場合には、逆に国庫から損害をとれるような工事もたくさんあつたのであります。それは会計検査院がよく御調査になつてみるとわかるのですが、全然日本人の監督は有名無実である。向うの言う通りに白いペンキを全部塗つた。ところが、悪いというので、また青いペンキを塗つた。そうすると、黒いペンキを全部塗れというのであつて、実際一万坪しかないものが四万坪にも五万坪にもなるというものがあつたのでありますが、そういうものと一列に三九四あたりが非難されている。小峰さんはこれは一番悪質だと言われたのです、そういうようなときの事情に便乘して三九四ができているのだと私は思つております。当時の状況も、私は幾らか事情を承知はしておりますが、このときの所管官庁が東京都であつたということに対しては、こういう問題こそ、行政機構の改革に対して研究しなければならぬものであると思つておりますので、過去五、六年間にわたる、どの程度減つているか、ふえているかという問題を、簡單でけつこうですから、御答弁願いたい。
  81. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 田中さんの御質問にお答えいたします。終戰処理質の経理は、御承知のように何段階かの変遷を経ております。現在の段階になるまでには、各都道府県というものが相当大きなものを握つていたわけです。この時代が非常に悪かつたのであります。それで検査報告も、年々御審議を得ておりますが、二十三年度までは都道府県が主としてやつてつた案件が多かつたのであります。二十四年度から、特別調達庁が主としてやるものがふえて来たわけであります。悪質なもの、それからスケールの大きなもの、これは大体都道府県がやつてつた時代の名残りなのでありまして、今御指摘になりました成増の工事というようなものもそれであります。この三九四のカーテンの支拂いは、特別調達庁でやつておりますが、検收は東京都時代にやつておるのであります。都道府県がやつておりましたころは、中央の統制というようなものも非常に微力でありまして、同じことをやるのに、違つた方針で、てんでんかつてにやるというような傾向が非常に強い。それからアメリカ側の現地の発言も、非常に強かつたのであります。その後だんだんこの方も中央にまとめられて参りまして、現地の出先がかつてなことを注文つけて、いろいろなことをやらせるというようなことが、非常に減つて来たわけであります。それで二十二年度、二十三年度というものが、終戰処理費の批難事項としても峠だつたのであります。二十四年度のこの検査報告の時代になりますと、スケールは非常に小さく、数が五十二件というのは、決して少い数ではありませんが、前年度は八十数件、しかも八十数件の中には、たとえば代々木のガス代金を、メーターもつけないで支拂つてしまつて、一億も過拂いなつておる、こういうような非常に情ない大きな案件があつたわけであります。それから二十二年度ごろも、五千万円の工事をやつて、使わないでおいたら、大水で流れてしまつた、こんな案件もあります。二十四年度になりますと、数も減つたばかりでなく、そういうスケールのむやみに大きい、何千万損したとか、何億損したというものは影をひそめておるのであります。二十五年度は、現在検査をしておりますが大体私どもの方で今まとめつつある件数は、昨年より一割五分ぐらい減つております。検査報告の数にいたしますと、はたして何割減るか——あるいはふえるかもしれませんが、一件々々こまかく分析して扱つておりますが、その数で申しますと、昨年よりもさらに一割五分ぐらい減つておる。こう申しますと、はなはだ何でございますが、検査の方が行き届いて来て、逐年深みへ入つて来ております。従つて、今までだと見つからないようなものも、相当見つかつておる。二十四年度の検査報告と二十三年度と比べますと、私の方は少し深み入つて来たということを感ずるのでありますが、反面むしろ件数は減つております。大ざつぱな検査をしておつてたくさんあつたのが、こまかい検査をしても、数はふえないで、かえつて減るというのが実情でありまして、特別調達庁は非常に伏魔殿扱いを受けておりますが、私ども検査をいたしておる者の身になりますと、非常によくなつた。都道府県時代に扱つていた終戰処理費、これの時代から見ますと、相当よくなつておる。これは相当強く実は感じておるのであります。
  82. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ただいま小峰局長も言いましたが、先般私と井之口君と九州地方をまわつたときにも感じたことでありますが、過拂いというものがあります。二重拂いとか、たとえば五十万円も印刷屋によけい拂い過ぎて、今お話のように、都道府県の側と特別調達庁の方からとつておる。一向平気でこれを二重取りしているということがありまして、過拂いを返済していない。こういうのがあるわけであります。この三九四につきましても、過拂い相当あるのでありますが、回收状況等は、はなはだ遅々として進まざる現状であろうか、それとも完済しているかどうか。九州の例によりますと、まことに遅々として進まぬ。これもおそらく国損になりはしないかといつて、非常に心配しているわけでありますが、この三九四に対します説明と、その後の状況について次長並びに局長から御説明を承りたいと存じます。
  83. 川田三郎

    ○川田政府委員 三九四の回收状況は、現在ようやく向うの債務額の調定ができたわけでありまして、二十万円だけであります。これは相手方が、自分はそんなものを拂う義務はないと言つておりまして、民事の関係でありますから、税金のように簡單によこせというわけに行かないので、今せつかく努力しております。それでこれは訴訟までやらなければ治まりがつかないのであります。
  84. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は先年北海道並びに東北地方をまわつて、三沢の事件を調査いたしましたので、参考に申し上げますが、三沢におきましては整地する——土地を整備するためでありまするが、一反歩に相当大きな木があるという計算でありましたが、実際は二本か三本しかない。それを数百本あるというふうに計算して、これを都道府県が過拂いしておつたということもあるわけです。およそ検收検査、こういうものについては、会計検査院ももちろんでありますが、特別調達庁がもつと親切に、熱心に、また忠実にこれを検査する必要があると思います。業者の言うことのみを過信して、みずからの本質を没却するようなおそれはないかどうか、特に次長に承りたいと思います。
  85. 堀井啓治

    ○堀井政府委員 ただいま御指摘のような点につきましては、特に促進及び監督を担当いたします部局がございまして、工事については、ほとんどそういう事案は今日ではないと確信いたしております。
  86. 田中角榮

    田中(角)委員 先ほどの続きを一、二質問したいと思います。こういうふうにして大きな批難事項がたくさん出ておりますと、どうも特別調達庁は、会計検査院の発言があつても、まだ相当大きな過拂いをやつておるのではないかということも考えられておるようであります。私はいろいろな面から見て、あまりにこういうふうにしてたくさん批難せられたので、今度は拂うべき金さえも拂えないというような状態であつて小峰さんの発言で、非常によくなつたということはよくわかつているのですが、ただ私は、こういう問題から掘り下げてみましてあなた方に御意見を聞いておきたいし、これは特別調達庁だけでもつて解決ができない場合は、国有財産に編入するときにも、当委員会の力を借りなければならないというような事情があつたように、私はもう一つ国会が相当の力になつても解決しなければならぬ問題が起きて来るのではないかということを考えておりますので、以下簡單な質問をしたいと思います。  それは、終戰当時は、もちろんどさくさでありましたので、こういう発注方法をとつたのでありまして、工事さえできればよいのだというので、実際の支出というものは、要求された額だけ拂わなければならぬ。これを正常に復した時代において、新しい尺度からはかつた場合には、過拂いも出て来たし、またいろいろな事件が起つて来たということもわかる。これを除去するために、なるべく統一したいというので、戰災復興院となり、これでもだめだというので現在の特別調達庁となり、それでもなお軍の要請にこたえられないとか、占領軍治下の日本政府としては、まだまだ要求に応じられないというような意味で、現在の機構に切りかわつたくらいでありますが、現在の機構では、きゆうくつすぎるくらいきゆうくつで、実際もらうべき金ももらわないで困つている人がある。だから批難される事項は、逆な面から、政府が民事訴訟でもつて、かえつて補償金を支拂わなければならないという場合が起きて来ますので、私自身はそういうことはあまり考えておらないのですが、ただ現在のような非常に嚴重な機構になる前の批難事項がたくさんこれに載つておるわけです。そういう意味で、まず第一番目の質問としては、現在POが出なければ全然支拂いの権限を有しないというのは、期日は一体いつか。大体二十五年かと思うのでありますが、これは二十四年であるか、二十三年であるか、この期日はお互いに明示しておく必要がある。それともこの問題は全部いわゆる占領軍の支拂方法によつてやるのでありますから、こういう問題は文句はない。批難せられることがあるとすれば、連合軍側が批難されるのである。これは日米合同委員会にでもかければいい話であつて、これは後に残される問題だと思つております。ただ日本政府の権限内で支拂いを行つた時期というものは、明示しておかなければならないし、またその時期前のものは何とかして日本人の間でもつて解決しなければならない。こういう問題があるわけですから、ここに批難されておるようなものは、特に三九四は、どういうオーダーによつて拂われたものであるか。特に川田さんの言われたように、民事裁判を行うようなことであつても、現在のような状態契約をされたものであれば、民事裁判を行つても国庫に收納はできない、こういう結論になるのであります。この三九四のような状態は、結論は、いわゆる期日後においてやつたものはどれだけ責任を負わなければならないのか、業者の発言というものはどの程度要求せられるのかという問題を第二番目に伺いたい。  第三点は、それによつて必然的に起るであろうところの二十三年度までに批難をせられたものであつて、今三宅君が言つたような過拂いなつておるもの——ところが、これも私は全部強硬に取立てるということになると、全部民事裁判になるので、それは現在の尺度をもつてはかつた場合には、数百万円の過拂いがあるといつて——それはこういうような問題がある。カーテンを百箇所とりつけた。しかしそのカーテンが全部気に入らない、廃棄を命じた。別なカーテンをつけさせた。そういうものがある。(「そんなものはできないと言つたらいいじやないか。」と呼ぶ者あり)だからそれは、占領軍が命じておるのだから、共産党が突つつくにはいいことなんだ。——そういう問題があるわけです。そういう問題が起ると、非常にむずかしい法律的な問題が起ると思います。千百億円に上るところの国有財産の決定が非常にむずかしかつたというような問題も、今まで批難されたもの一切に対しては相当強い処置をしなければ、どこまでも徴收不可能で残るものと思う。ある時期には私はこれに対しては政治的解決をしなければならぬ、こういうことを考えておるのですが、そういう問題に対する見通しはどうか。これはただ会計検査院が今平常な状態において、一つのものさしではかつて批難された場合には、当然民事裁判をすれば勝つというのが一般の常識ですが、当時の状況からいうと、逆に補償金を支拂わなければならないというような問題が二十一年、二十二年にはたくさんあるのです。それもみな手続をし、返納を要求中でありますという言葉だけ解決せられておるのであつて、この問題は政治問題として相当残ると思いますので、特に以上三点だけを質しておきたいと思います。
  87. 川田三郎

    ○川田政府委員 ただいまの田中委員の質問に対し、三点にわけてお答えいたします。  第一点のPOがなければ支拂いができないというのは、いつからかということ、これは今プロキユアメント・オーダー——調達命令がなければ契約として成立たないということになりましたのは、昭和二十三年の七月にきまりましたスキヤツプインの一八七九で、それがもとでずつと尾を引いておりまして、調達の根拠がなければそのスキヤツプインに出ましたのは二十三年の三月でありますが、整理期間が七月で、これはわれわれ調達庁といたしましては、一つの調達の基礎命令ではございます。ただそれだけによつてやるのではなくて、軍と大いに折衝いたしまして、このPOの発出を受けるという要請があると存じます。これをやらないのはいかぬ。やつてうまく行かないのは、その人間の微力でありまして、ただ限界といたしましては、昭和二十三年の覚書によつて契約をし得る権限の基礎になる軍側の要求があるのでなければ、設計変更であるとか増築であるとか、そういうものが認め得ないまことにきゆうくつな制度でございます。  第二点でありますが、三九四の支拂いは、しからばどういう根拠で行うか、これは調達要求のPDが出まして、それによつていたしましたものに調達受領書、すなわち近ごろはレシービング・レポート、プロキユアメント・レシート、このPRなるものが出て、それによつて軍側はこうしておるのであります。自分たちがPRで受領したものは、特調ではもう手形と同じに考えてそのまま拂へ、しかし今日の会計制度から申しますと、これを数量において認定いたさなければなりませんが、価格についてはかつては百七十一号でいう法律のブレークダウンが必要であります。現在におきましても正当価格で積算されておるかどうかということ、それから受領書の金額とにらみ合せてやる。また軍の調達規定も、まず受領書とそれに付属しております内訳書、インボイスと比較しまして、どちらでも少い方に、たとえばインボイスで百と出ましても、受領書が九十と出れば九十でやる。この根拠に基きまして、これは当時PRによつて一つの金額を見——むろんその通りに拂つたかどうか今明らかでありません。おそらく内容的に査定をしたものと存じます。しかしその査定の仕方において、検收の書類が十分でなかつた、こういうわけであります。  第三に移ります。第三点は過拂いの取立てについて今後どういう方針になるか、実際私どもの方といたしましては、過拂い金となつておるものは、そのままでおくわけに行きませんので、訴訟と申しましても、訴訟で争うというのでなく、きめられておる過拂い金を税金と同じ資格まで引上げる、強制執行も何もできませんで、それも相手方が裁判所に出ても、債務ありとされるように裁判所で認定してもらう、それも争いの形でなく、和解の形によりまして、自分はこれだけの債務がある。こちらもその債権があるということで、和解調書によりまして、あといつでも拂わない場合には強制執行もできる。実際やらなくても、そこまで行けば拂つてくださると思うのです。しかし一面今度の三九四のように、債務額に争いがあつた場合、それを争うということになりますと、しからばこの問題は裁判所がきめたからこれだけの債務ありということに承服するか、特調としてもクレームとして要求しているものがある。これも争おうではないかということになりまして、現在次第にその訴訟案件がふえて参つております。私どもは本来訴訟法を勉強しておりませんので、国民を相手に訴訟行為をやれば、おそらく下手で負け通しになるのではないかと思います。そういうことはなるべくやらずに、特調と申しましても、これは一つの民法の上に立脚した国民と相対で——別に監督、被監督の関係でなく、平たくいえば商事をやる役所でございまして、なるべくそういう権限的なことはやりたくないと存じております。しかし現在の段階から申しますれば、一応取立てについては、相手方が資力があるのにどうも納めてくれぬという場合には、強制執行ができるように行かなければならない職責もあると存じます。またクレームについて、軍の考えられるところと私どもの考えるところとの違い、またしかし軍の命令を聞かなければならぬ場合には、これを行政の範囲でなく、一つの司法の範囲まで持つて行きまして解決するという道もあろうかと存じます。現在予算の面から申しましても、訴訟に負けたならば支出できるという予算が約一億ございます。しかしこれは訴訟に負けなければ支出できないという制約がございます。軍もどうしても解決できない問題は、訴訟によつて解決するより仕方がない、軍自体も内部の規定に縛られて、われわれに都合のいい指示をすることができないのです。いささか大きな組織を動かす関係上、軍としても規定のために、ときにはきゆうくつになつておるのでありまして、やたらに無理を言つているとばかりも考えられないのであります。今後過拂いなりクレームなりについては、やはり訴訟事項が起るのではないかという見通しでございます。
  88. 田中角榮

    田中(角)委員 三点に対して大体解明されたのでありまして、それによりますと、三九四は現在の組織になるちよつと前のものであるというふうに考えられたわけでございまして、そういう場合からいうと、特別調達庁も三九四に対しては、勝てる自信があるというふうにも見えるのでありますが、私は実際から見ると、軍が最後検査をして引取つたのでありますから、今になつてはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。こういう第三者から見ても悪意なものが幾らかあるのではないか。いわば詐欺的な行為でもないが、非常にぶつかけ精算をやつているのである。忙しいときになりますと、先ほど申されたように、状況は非常に悪い状況において行われた大工事でありますので、そういうものにつけ入つてつたのではないかという、われわれから見るとこれは相当強く、裁判にゆだねても解決し、出さすべきものは出させなければならない、こういう考えであるようであります。ただ昭和二十一年、二十二年、終戰当時の精算上過拂になつておるものも、これと同一の方式でもつて、場合によつたら裁判をするでしよう。その裁判もふえております。もう一つは裁判というよりも、税金式なものまで引上げたい、こういう考えには私は反対なんです。なぜかといいますと、当時特別調達業務を行つてつたあなた方自体の責任も権限も明確にせられないときに、一つの質と量とを要求せられてやつた場合に、実際相当な赤字を出しておるものが、その中で一部過拂いで批難をせられておるようなものがあります。それは私の言う昭和二十一年当時の——この二十四年度の批難にも出ておりますが、受託工事等におきまする官給材の代金がいまだに納まらない。こういうものの中にこういう例があります。官給材は、当時あなた方が直接——官庁はみなやつておりましたので、東京都でも問題になりましたし、建設省でもいろいろなことがいわれておつたのですが、当時全部官給しておりまして、その倉庫の残を戰災復興院に引継ぐときに、材木が一万石あつたものが五千石しかなかつたあとの五千石は一体どうした。二千石は目減りで、あとの三千石は工事にぶつかけてしまつたというような精算方式がとられておつたのです。しかし業者は非常に弱いし、批難せられればふるえ上つてしまうというような状態で、今までずるずるべつたりになつておるようなものもあるのですが、その場合の責任を解明しなければならない。これは業者と特別調達庁と軍との間にいわゆる建設協力会のようなもの、戰時中軍と国民の間につくつたと同じようなものをつくつて、その連中が飲んだり食つたりした分まで工事にぶつかけた、こういうことになると、私は非常な問題になると思う。だから、私は少くともそういう法的な措置によるよりも、特殊な状況において起つたものは、特殊な方法をもつて解決する意思はないか、こういうふうに考えております。特に戰時中軍から支拂いを受けたものは、戰後戰時補償税として徴收せられた。小さなものはみな納めておるが、大きな業者は一銭も納めておりません。特にこれは大蔵省を前にして私は一日やつたことがあるのですが、民事裁判をもつてやらなければならない。いわゆるいずれかその負担区分の明確にならないものを、法律の力をもつて、少くとも国民から強制徴收を行える租税徴收と同じ方法徴收をするという方法はとるべきでない。もちろん憲法上私は絶対にこの方法は不可だ、こう思つております。戰時補償税に対しては、そういう処置がとられまして、実際国民はよく文句を言わないものだ、こう思つておるような状態でありまして、特にそういう事例がありますので、今、川田君が言われましたが、とるべきものは絶対にとるし、拂うべきものは拂う、こういうふうにやらなければ、国家の権力を行使になつておられるあなた方としては、やはりそこはおのずから分明にしておかなければならぬ、さように考えております。私ども決算委員会として、この問題は必ず自分の手にかけて解決をしなければならないのではないかと思つて、私は昭和二十一年、二十二年、二十三年の決算報告が提出せられたときに、常にこの問題は注目しておつたわけです。こういう問題は大きな政治問題でありますので、あなた方がただ一片のものさしをもつて解決するということではなく、ほんとうにきちつとしたものは強制徴收でやるのでありますが、このようないろいろな問題のあるものに対しては、あなた方も新らしい方策をお立てになつておやりになるように希望しておきます。
  89. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 田中角榮君、ただいまの御質疑に対して当局答弁はいりませんか。
  90. 田中角榮

    田中(角)委員 いりません。
  91. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 それでは井之口君。
  92. 井之口政雄

    井之口委員 三九三号は、これは大橋法務総裁が責任者であつた時分のことなんです。これが約二億からの工事をやつて、そうしてそれがこわれてしまつて一億六千万円も修復しなければならなかつた、こんな厖大な浪費をやつておるわけであります。おそらくこの内容から見ますと、セメントがこわれたとかいろいろ工事が粗漏であつた、水が漏つたというふうなことが書いてありますから、一億六千万円のこうした改修をやつても、現在まだこれは次から次とどんどんこわれて来るのではなかろうかと思いますが、現在の状態はどうなつておりますか、この点。  それからすでに会計検査院指摘をまつまでもなく、そういう改修費を支出しなければならなくなつたときに、もう工事の不正というものはわかつていなければならぬはずですが、この工事の間組その他に対する、監督者に対する処置はどういうふうになされたか、これが一つ。  それからもう一つは、先ほどの御答弁によりますと、占領軍からのいろいろな命令が朝令暮改され、そうして不当なものが出て来たために、なかなかやりにくくてやれなかつたというようなことがありましたが、どんなむちやなことを向うから言つて来たか、そういうふうな実例もひとつ示してもらいたい。それに対して法務総裁は責任者として合理的な解決をされたかどうか、この点であります。
  93. 池口凌

    ○池口政府委員 この二億円ばかりを投じた厖大な暖房関係の工事でありますが、成増におきましては二十数億円かけて全体の住宅工事ができておるうちの、暖房関係の工事であります。これは先ほども申し上げましたように、設計そのものが相当無理があつたということであります。これが非常に広いあの地域内の暖房を、一箇所のボイラー・プラントから蒸気を送る、これが大体非常に無理なのでありますが、それをやむなくやつた。これに対して三箇所なり五箇所なり、数箇所にボイラーの中心をわけてやれば、非常に楽な方法があるのですが、一長一短でありまして、そういうふうに何箇所にもわけますと、その後ボイラーのダクトその他がたくさんいる、こういうので非常に管理がしにくいという点がある。そういうふうに設計が最初無理であつたということ、それから整地そのものが不十分であつた、そういうことで問題があつたのでありますが、一応お尋ねの中心であります一億六千万円をかけてその後修理をしたわけであります。こまかい数字ちよつと覚えておりませんけれども、この一億六千万円をかけまして、石炭の消費量は約三〇%程度減少したということを聞いております。その後大した修理は——もちろんもう二年余りたちますから、毎年多少の修理はいたしておりますけれども、その後そう大きな出費はほとんどありません。普通の維持管理程度の費用しか使つておらないので、石炭を減少し得たまま現在に至つておるのであります。この一億六千万円をかけたということによりまして、冬などになりますと、一日に三百トンばかりの石炭を使うと思いますが、それの三割近いものが儉約できるという状態なつて現在に至つておるのであります。現在ではそのまま別に問題なくずつと調子よく運転はいたしております。
  94. 井之口政雄

    井之口委員 それでアメリカから無理なことを言われたというが、どんなことか、どんなことが無理なのか。
  95. 池口凌

    ○池口政府委員 無理と申しますのは、今のように一箇所でやるというよりも、二箇所ぐらいでやつた方でいいのではないか、それから多少整地にでこぼこがありまして、それを水が入らないような設計に直したいというようなのがありますけれども、とにかく短期間にどうしてもやらなければならぬということで、完全な設計、理想的な設計ということにならないで施工を命ぜられたということが一番難点であります。これだけ大きな工事でありますと、相当工事期間がかかります。一箇所に八十ぐらいの請負業者があの地域に入つて、建築をやつたり、いろいろなものをやつたのですが、そういうふうに非常な混乱状態になつたということであります。これをゆつくりやりますと、出合帳場はそれほどにならないで、現場監督にも十分な人員を配置してうまくできたのであります。東京都がやつたのでありますが、多数の業者が短期間に突貫工事をやつたということで、非常な混乱状態でありまして、結果的には完全な工事もできにくいというところがあつたと思うのであります。
  96. 井之口政雄

    井之口委員 ただ嚴重なる注意というだけで、内容はわかりませんが、こうした場合にどういうふうに責任をとつてもらつたのでありましようか。
  97. 池口凌

    ○池口政府委員 三九三につきましては、今のように現状におきまして非常に困難がありますし、むずかしい点があつて、私どもも占領軍の意を体しまして十分その意を伝え、日本の実情に沿うような設計、また規格等につきまして、折衝はかなりいたしておりますけれども、納得の行くところまで十分な交渉ができ得なかつたということが一番難点でありまして、その点につきましては、強力に軍等とも納得の行くまで話をするように注意をいたしまして、その後におきましては、東京都が現場監督をいたしております時代よりも、軍との交渉その他につきましては、非常に熱心に強力に申入れを行つて協調いたしておる状態であります。
  98. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 委員長から申し上げます。非常に御熱心な質疑応答で、予定よりも大分遅れております。しかももう大分時間が経過しております。しかしもう一奮発して、次の案件を一挙に片づけていただきたいとお願いする次第であります。  そこで報告書八十一ページ、報告番号三九七以下、報告書八十六ページ、報告番号四一五まで十九件を一括して審議をいたしたいと存じます。ごく簡明に質疑応答をお願いいたします。井之口君。
  99. 井之口政雄

    井之口委員 総括的なのを簡明にひとつ質問したいと思います。今度の講和條約が調印されまして、吉田総理大臣とアチソン国務長官との間に往復された文書がありますが、その文書によると、日本の今の占領軍に対しての支出は、單に占領行政だけに限らず、朝鮮事件のためにもいろいろな支出——施設並びに労務が供給されたということが明らかになつております。吉田総理大臣がこれを確認しております。そういう関係から考えてみますと、特別調達庁のこうしたいろいろ出て来ているものの中に、朝鮮事件に関するものは一つもないように思われるのですが、そうした朝鮮事件のためにやられたところの施設並びに役務に対して日本から與えられたものに、どういうふうなものがあるか、当然これは特別調達庁を通じてなされたものと思うのですけれども、この点はいかがですか。
  100. 田中角榮

    田中(角)委員 議事進行について——ただいまの井之口委員の発言に、特別調達庁の所管もしくは特別調達庁が支出をしておる国費の中から、朝鮮事件関係費用が支出せられたということを吉田総理大臣が確認をしておられるという発言がありましたが、吉田総理大臣はかかる確認はしておらないと私は思つております。これがもし確認しておるということになると、事は重大な問題であります。朝鮮事件に対しては米軍の費用自体で拂つておるのでございまして、特別調達庁からは拂つておらないはずでありますが、ただいまの井之口君の発言を再確認願いたい。
  101. 井之口政雄

    井之口委員 今の発言は田中さんの誤解であります。私が申し上げたのは、アチソン国務長官と吉田総理大臣の往復文書を問題にしておるのであります。この文書によれば、朝鮮事件に対して施設並びに役務を日本から供給したということは、これは出されておりまして、吉田総理大臣がこれを確認しております。しかるに進駐軍用のいろいろな用件を勤めている役所としては、まず特別調達庁も一つの大きな役割を演じている。だから特別調達庁の中にも、これが出て来なければならぬはずだと思うがどうかという質問をやつている。もしやつていないということをおつしやれば、後になつてそれが出て来たら官庁は虚偽の報告をしたということになるのでありますから、しているかしていないか、もしやつているとすれば、どういうふうな費目が出るのかということを聞いているわけです。
  102. 田中角榮

    田中(角)委員 議事進行について——井之口君は非常にうまい表現を使つておりますが、速記録をお調べになればわかる通り、両またをかけた発言をしております。アチソン国務長官と吉田総理大臣との間に往復文書があり、しかもその往復文書には、朝鮮事件にも金が使われておると書いてある。しかも吉田総理大臣はそれを確認しておるというのでありますから、朝鮮事件費用が使われたということを吉田総理大臣は確認しておるということを井之口君は言うのか、もしくは二人の間に文書が往復したということを確認しておるのか、いずれかを確かめてもらいたい。
  103. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 井之口君、別に発言はありませんか。
  104. 井之口政雄

    井之口委員 往復文書の中に、明確に吉田総理大臣もそれを確認されているのであります。アチソン氏から言われておるものはそうでありますということを確認している。だから、それが特別調達庁関係においてはどうなつておるかということを質問しておるのでありまして、私の言うのは正しいことであり、歪曲も何も何もないのであります、あたりまえのことであります。もし、していなければ、していないということを返事されればいい。後になつてしているということが明らかになつて、いろいろの文書に現われたり報告の中に出て来る場合には、政府はこの委員会において虚偽の発表をされたということになるのでありますから、正しいことを聞きたい、こういうわけであります。
  105. 川田三郎

    ○川田政府委員 それでは井之口委員お話に、答弁になるかならぬかはわかりませんが、特別庁調達の職分から申しますと、特別調達庁は何ら自分から計画いたしまして調達いたしません。PDすなわち調達要求書が出れば、その要求書通り動くのでありまして、それが朝鮮事変のものであるかどうかという内容の判断はしておりませんので、ただ調達要求書によつて調達をしておる、これだけの範囲でございます。
  106. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 それではただいまの案件につきまして政府委員の説明お願いいたします。
  107. 川田三郎

    ○川田政府委員 三九七から四一五までにわたりまして概括的に説明をいたします。  三九七ないし四一〇は、全体を通じて申しますれば、調達に関する経費の積算の不当事項でございまして、この点は清算がその結果として過大になつたという事実がございます。この点は私ども検査院の所見の通り認めなければならぬと存じております。  また四一一、四一二は、徴收上の問題でございますが、これは單に徴收が遅れたという結果だけの不当ではなく、その原因となるところに精算そのものが遅れた結果、過拂い金の徴收をする機を逸したという面で、広く経理事務として考えますれば、不十分でございましたわけであります。  四一三、四一四、四一五は官給資材の面でございます。これは当時官給材をもつて工事を行いまして、その後の資材の不足についての拂い下げ処理等について、十分な処置がなされないために、いまだ回收をせない分もあるかと存じますが、この官給材につきましての回收について相当の遅延があつたという案件でございまして、今後この処理につきましては、まだ未決のものもございますので、その返納等につき現在努力中のものでございます。
  108. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 これに対して会計検査院の御意見が特にありますか。
  109. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 政府から今御説明がございましたし、報告にも書いてある通りで、別に申し上げることはございませんが、政府側検査院の見解に同意されております。それだけ申し上げておきます。
  110. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 四〇八にあります、問題を簡單に質問いたします。横浜特別調達局の関係でありますが、過拂い額は、検査院の報告によりますと、二百二万四千余円となつておりますのに、政府説明では七十万三千余円でありまして、著しい差があるように思いますが、会計検査院政府説明通りに考えていますか、どういうふうに考えていますか。過拂いは回收を完了しておるかどうか、それについて承りたいと存じます。
  111. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 これは実費を調査いたしますと、会計検査院がここに掲げた金額になるのであります。ところがマル公以下のものがございます。マル公までは拂つてもよかろうということになりますと、七十万円になるわけでありまして、そこで食い違いが出て来たわけであります。
  112. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の御説明は、苦しい説明のように考えるわけですが、もう少しくはつきり説明をしていただけませんでしようか。
  113. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 簡單に申し上げて恐縮でございましがた、実費を調査いたしますと、たとえばマル公が百円のものを七十円で買つているというものがございます。七十円として実費をずつと集積して参りますと、差額が二百何万円になるわけであります。御承知と思いますが、法律百七十一号というのがございまして、マル公までは拂つてよろしいという建前になつているわけであります。そういたしますと、実際に七十円で買つたものを、百円までは支拂わざるを得ないことになるわけでございます。それで百円をずつと集積して参りますと、先ほどの七十万円になるわけであります。あるいはそこ程度までしかとれないのかもしれませんが、過拂いは、実費ということを標準にして行きますと、あくまで検査院がここに書きました二百二万円となるわけでありますが、現在それを回收するということになりますと、七十万円しかとれないのであります。
  114. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 回收したかどうかお伺いいたします。
  115. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 七十万円全部回收済みになつております。
  116. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 四〇九について簡單に質問いたします。この問題は材料購入にあたりまして、工事の現場附近の採掘場から砂利、砂等を運搬したものを、貨車の乘渡しとして計算してある会社の提出した請求書によつて精査しないで、漫然支拂つたというものが拂つたというものが材料費で約四百四十四万円、また実際に支拂つた分以上に多額の技能手当等を計算して請求書によつて支拂つたために、労務費等で約八十八万円も過大に支拂つたというのでありますがこれらの問題は、昭和二十二年法律第百七十一号、政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律との関係はどうなつておるか。本件過拂いに対します善後の措置はどういうふうにしておるか、これらについて説明を求めます。
  117. 川田三郎

    ○川田政府委員 四〇九の案件につきましては、会計検査院の御指摘もありましたので、この精算による過大の御指摘額合計五百三十二万円について返納交渉をいたしました。しかし実際上横浜調達局の認めておる実情から申しますると、やはり工事現場付近でとつたのではなく、衣笠地区というところからとつたものということになつております。しかしそれを立証する書類は何もないのでありまして、当委員会においてそういう事情であるということを申開きをするものがないのでありますが、会社との交渉となりますと、実際問題として工事現場以外からとつておるという実情が一つあります関係で、会社がなかなかこの再精算と申すますか、精算を改めて減額する交渉に応じてくれないのでありまして、こちらも明らかに会社側が実際かかつていない費用を請求しておるという立証もできませんので、一旦こうして契約をとりきめました以上、これをあとからまた減額するということをやりましても、特別調達庁に対する業者というものは、今後安心して概算契約ができないということになり、ひいてはこれが調達に悪影響を及ぼすと考えますので、現在この回收は不可能ということになつております。
  118. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の財務部長お話に対しましては、はなはだ納得しかねる点が多いと思うのであります。この法律上の不正手段によつて支拂つたものについてはとり得ると私どもは思うのであります。それを漫然ほつたらかしておくということは、あまりに無責任のように考えるのです。少し言葉が悪いようですが、そういう点については、商売人の方が頭がよすぎて、むしろ官吏の方が、してやられるということになりはしないかと思いますが、これに対する見解を求めます。
  119. 池口凌

    ○池口政府委員 今の材料その他の点につきましては、徹底的に調べてみたのであります。全般といたしましては、会計検査院のおつしやるように、多少甘い点がありまして、今後十分注意しなければならぬのでありますけれども、個々の問題になりますと、多少弁明がましいことを言わせていただきたいという点が、徹底的に調べてみてわかつたのであります。これも非常に金額が大きいのでありますが、たとえば砂利、砂にいたしますと、三浦半島では砂利、砂はとれないのであります、実際は相模川の方からとつて来るのであります。それから砕石のようなものにいたしましても、やはり三浦半島にはいい石がないのでありまして、根府川あたりの砕石場のものをとつて来ておるのであります。そういう実情がよくわかつて来たので、そういう点を私どもは十分調査いたしまして、近所からとつたものならば、なるほどマル公が何であろうが、もつと査定を嚴重にして実費で拂うようにやるべきであつたとは思うのでありますが、すぐ近所ではなくて、相模川、根府川というように多少離れておりまして、運賃がかなりかかるところでありますから、そういう点も実費的にこまかく調査いたしてみたのであります。  それから法律百七十一号のことでありますけれども砂利、砂のようなものについて、マル公通り拂つておりましても、ちようどその期間中にマル公が改正になつたことがあります。そこで百七十一号の法律によりますと、マル公が改正になつたときのその費用をどれから適用するか。値が上つたものについては上げてやるということになるわけでありますが、それは現場に持つて来た時から新しい価格をかけてよろしいということになつております。業者はそれよりも多少前に砕石場で買つておるものがありましても、現場に持つて来るまでの間、いつその砕石場から買つたかどうかということも、われわれなかなか調べかねて、現場へ持つて来て、現場で検收してそこで納入したときが幾らかということで日にちを切りまして、新しいマル公で見てやるということになります。そういう点は現場の者としましては、すでに先に買つてつたものだから、マル公をそのまま見てやらないで、もつと査定すべきだつたかと思いますけれども、そういう点につきまして、現場におる者が、持つて来たときの数量、たとえば今日なら今日からの分を新しくマル公にして行く。実際には早く先に買つてつたのですから、業者は負けたと思うのでありますが、そういう点につきましては不十分な点があつたと思います。それから輸送費の点につきましては、これは汽車で輸送した以外に、トラツクで運んだものがかなりあるのでありまして、そういう点も調べができておりますが、そういういろいろの点につきまして、この四百四十四万については、もつと割引できるところはあつたと思いますけれども、百七十一号の法律的には、そう過失はないのではないかと見ておるわけであります。
  120. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 もう一点だけ伺います。四一二号の福岡県の板付飛行場に関する件でありますが、これについて未回收の問題があるわけですが、現在具体的にどういうふうに努力拂つておられるかということを伺いたい。たとえば昭和二十二年二月に工事が完成したのに対しまして、一年半経つた二十三年八月になつて初めて精算を終つている。これではあまり緩慢過ぎはしないかと思うのですが、政府というものはそういうように一年も一年半もたつてから初めて完了したということを検査するのかどうか。今後もう少し早くやつた方がいいのではないかと思うのですが、特別調達庁はどういう方針でおられますか。なるべく忘れたころに検査するのでありますか承りたい。
  121. 川田三郎

    ○川田政府委員 工事の精算が遅れましたことは、申訳ありません。しかし当時としては、何か軍のレシートの発給が遅れたというような事情もあることと存じます。しかしそういうものは行政的に大いに促進すべきでありまして、その点はまことに不手ぎわであつたと存じます。また現在この回收が行われていない点につきましては、国税の課税とからみ合せまして、それだけの減額があるならば、かつての精算額によつて国税の方はレシートの額で課税いたします。それがレシートから減らされるならば税金をまけろ、税金を返してくれなければこれは返さぬ、同じ国に対する債権債務であるという、まことに向うとしてはもつともな申し分でありまして、今の税金の方の解決が済みますと、これは納まるだろうと思います。
  122. 船越弘

    ○船越委員 四二三、四一四でございますが、これは一年あるいは二年たつてもまだ現品の返納がないということでありますね。それで木材あたりは二年くらいたちますと、すでに使用できないようになりはしないかと思うのです。それから、「フエルト外七品目」ということが書いてありますが、すでに商品価値がなくなつたものを返して来るような場合があるのではないか、こう思うのでございますがそうなつた場合には、どういう御処置をおとりになるおつもりでございます。
  123. 川田三郎

    ○川田政府委員 四一三の方は、現在残材の数量につきまして当事者間に争いがございまして、その数量の争いを解決いたしませんと、返納というところまで参らないのでありますが、御指摘の点は、古くなれば品物が悪くなるではないかということであります。この点につきましては、いよいよ返納すべき数量が決定いたしました際、当初ございましたものと数量品質において同じものがない場合は賠償を要求いたし、賠償額を金でとるという考えであります。  それから四一四の方は、現在八社のうち、收納済みになりましたものは三十三万八百八十一円でございます。あと日産土木、日本復興、留岡建設、この分が約七万円ほど残金が未納になつてございます。この点も今督促中であります。
  124. 小峰保栄

    小峰会計検査院説明員 四〇九号に関連いたしまして、一言御了承願いたいと思います。先ほど局長説明がるるございまして、本件については、実地検査当時、現場附近から砂利をとつた、こういうことでこまかく説明がありましたが、それから実費を返すにつきまして、これは実は精査しているのであります。そういたしますと、いろいろ妙な金も入つている。そうして請求した額との間に相当大きな差があるというので、この案を批難したわけでございます。どうぞ御了承願います。
  125. 田中不破三

    田中(不)委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——質疑なきものと認めます。  時間も大分経過いたしましたので、本日はこの程度で議事を打切ることにいたします。次会は二十六日金曜日午後一時に開会いたしまして、引続き終戰処理費関係について審議をいたします。  これにて散会いたします。     午後五時五分散会