○林(百)
委員 これに関連して、
上林議員のご発言を、われわれも
立場は違いますが、絶対支持したいと思います。それで私の方からもやはり二十九度以南の
諸島の主権が、完全に
日本にすみやかに復帰するようにしてもらいたいという
請願がたしか出ておると思いますが、できるならば、この場合あわせて御答弁願いたいと思う。参議院の條約
委員会の速記録を読んでみますと、沖縄では戦争当時は満十五才以上の人は全部徴発された、小さい十七、八才の少女までが出かけた、この少女の
人たちが軍隊の看護婦として第一線に立
つて、手を焼かれ、胸を突かれて死んだ、そのなきがらを集めて今ひめ ゆりの塔というものをつく
つて、当時の
人たちの霊を慰めている。また小学校の小さな生徒
たちが先生に引率されて、手榴弾を持
つて敵のまん中に飛び込んで全部散華してしまつた。最後は小学校の生徒であつたのです。小学校の生徒までがこの郷土を守りたいということで戦
つて、大きな犠牲を払
つておるにもかかわらず、今これらの領土が、カイロ宣言あるいはポツダム宣言で見ましても、当然
日本の完全な主権が守らるべき国であるにもかかわらず、沖縄の新聞を見ますと、この婦女の
人たちが外国の軍隊から言いようのないはずかしめまで受けておるというような記事が乗
つておるのでありまして、このことを
考えますと、西南
諸島の島民の皆様の心持というものは、言い知れぬものがあると思うのであります。しかも本年度の国家予算を見ますと、こういう西南
諸島の学生で
日本に来て勉強している人が、留学という形にな
つて、留学費として特別の費用を組んでおるのであります。われわれは今までまさかそれほどまでに
行つてお るとは思わないにもかかわらず、すでに
奄美大島、沖縄から
日本に来て勉強することが留学であ
つて、特別の予算を
日本の国の予算に組まなければならないという
状態、またこちらから
奄美大島に行くことすら、
政府の許可がなければ外国の領土に行くのと同じ、あるいはそれ以上の制限を受けておる。それから沖縄
あたりでは言語までが、最近では
日本語ではなくして、沖縄の言語と英語をまぜたような
言葉が使われておるというようなことになると、口では
政府は主権は
日本にあるといいますが、事実上は外国の領土であ
つて、
日本の領土ではないと思う。しかもこれは国際的な諸協定からい
つても、何一つこういうことを正当づける理由がないにもかかわらず、
日本政府がこういうことを許すということは、これは
日本の領土の一部を外国に売ることになると思うわけです。私は党派を越えてこの問題については闘
つて行きたいと思いますが、どうか
政府も単に一片の口先の言訳だけでなくて、この島民の皆さんが断食までして、知事が先頭に立
つて、
日本復帰運動をしているということをよくかみしめて、死力を尽して、この主権を完全に
日本に、復帰するように努力していただきたいと思うわけでございます。このことについては私の方でもたしか
請願が出ておると思いますが、本日どういうわけですか、私
どもの
請願は御討議にならないようでありますので、いずれその際また見解を申し上げたいと思いますが、あらためて
政府に私
たち共産党としても、
日本人である限り
希望しておきたいと思います。