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1951-09-21 第11回国会 参議院 農林委員会 閉会後第4号 公式Web版

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  1. 農林政策に関する調査の件 (会議録情報)

    昭和二十六年九月二十一日(金曜日)    午前十時三十三分開会   —————————————   委員の異動 八月二十二日委員三好始君辞任につ き、その補欠として山崎恒君を議長に おいて指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (麦類統制の件)  (肥料需給調整制度の件)  (農林漁業資金融通法運用状況の  件)   —————————————
  2. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。本日の最初の日程は麦類統制に関する件でありますが、この件については昨日政府側説明を聞いたわけでありますが、本日は引続いてこの問題の質疑を行います。
  3. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 麦類統制に関しては、巷間でいろんな説が流布されておりまして、遠からず麦の播種期を控えて農家ではその処置に迷つているのでありますが、この際政府にその方針を明らかにして頂きまして、速かに本委員会としてもその態度を確立して、農家によらしむるところがあるようにしたいと考えるのでありますが、これに関して左記の四、五点について政府に伺いたいのであります。  その第一点は、本年産麦類供出並びに政府に対する販売状況が例年と比較してどういう状況になつておるか、これを伺いたいのであります。それからその次には、ガリオア資金による輸入廃止された後における外貨関係から見まして、主食輸入見通しとそれから麦の統制廃止による麦の作付転換についてどういう準備がなされておるか。それから主食に関する需給見通しと、先ずこの二項についての政府準備をお伺いしたいと思います。
  4. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 本年の麦の買入状況は、率で申しますと、昨年よりも同期間におきましては進捗いたしております。昨年よりも成績がいいということになつております。目標が割当数量は六百九十何万、約七百万であります。七百万を三十万ぐらい上廻つておるのであります。私どもは大体八百万石は政府買入する結果になるのではないかというふうに存じておりますが、只今状況は若干テンポがのろくなりましたので、ときによりますと八百万石の確保は困難かと思います。併し大体八百万石に近い政府買入数量は出ると思います。供出率から申しますと、昨年よりはよろしいという状況でございまして、絶対数量から申しますと、昨年は八百数十万石でありましたので、全体の数量から申しますれば——昨年よりは出るのじやなかろうか。その間に還元等がございまして、又昨年は五等麦等買入れましたので、そういうものは政府の手持にはならんという結果になつておるわけであります。それから外国の来年度の麦の買付見込のお尋ねでございますが、大体私ども本年度程度買付はできるという見通しを持つています。国として若干豊凶の差もあるようでありますが、大体作況といたしましては、只今ども聞いておりますところでは悪くはございません。物量といたしましては、本年の麦を買いました程度のものは大体買付けられるという見通しでございます。それに関連いたしまして、最後需給お話もございましたが、これはお手許に差しげておりまする資料で御説明申上げます。昭和二十六会計年度需給計画昭和二十七会計年度需給計画、この二表でございます。昭和二十六会計年度需給計画は、二十五年の四月から来年の三月までの計画でございます。供給高といたしましては、本年の四月一日に持越しましたものが三百三十三万六千トンでございます。これに対して買入高が米が四百三十四万トンを計上いたしておりますが、これは本年の割当その他の関係が未確定でありますので、大体前三カ年間の供出実績の平均をとつたのであります。それから大麦、裸麦、小麦の三つは八百万石を想定いたしまして、トン数に換算いたしたのであります。それから輸入要請高が二百九十三万一千トン、これは確実に入り得る見面しでございます。総計いたしまして、千百八十万七千トンの供給高でございます。需要主食用七百九十五万三千トン、業用に三十八万トン、ロス十七万一千トン、工場ランニング用三十万トンというものを計上いたしております。これは仮に麦の供出配給制度改まつた場合に、現在は麦につきましては、委託加工方式を採用いたしております。従いまして工場に在庫いたしてありますものも政府のものでございますので、政府所有高に入るのでございます。委託加工方式をやめたいと思います。買取方式にいたしたいと思つております。そういたしますと、工場在庫政府所有でなく工場所有に移ると思います。それを三十万トンと押えて工場ランニング用として計上いたしております。総計いたしまして、八百八十万三千トンの需要でございます。持越しが三百万四千トン、年度当初に比べますと、約三十万トンの持越し減になりますが、これは工場ランニング用というものが、従前でありますと政府所有持越しの中に計上されたのであります。以上申上げましたようなことで、政府所有でなくなりましたので、実体的には工場ランニング用持越高に含めて考えて然るべきものだと思います。そういたしますと、大体同じような程度で行きます。  その次の表が来年の四月一日から再来年の三月末までの需給見通しでございます。前表の尻を受けまして、供給高の二十七年四月一日の持越しが三百万四千トン、次に買入及び市場出廻、米につきましては供出制度前提として考えておりまするので、やはり前年と同様の買入をするという想定をして、四百三十四万トン計上いたしております。麦につきましては、仮に供出制度をやめました場合を想定いたしまして、買入並びに市場出廻というものを想定して、この数字を計上いたしております。それから輸入要請でありますが、これは来年度の分についても只今いろいろ検討いたしております。いろいろお話も、ございましたが、大体この数字は可能であるということで、ここに入れておるわけであります。総計して千百六十七万一千トン、それから主食用七百九十九万トン、需要につきましては、これは配給辞退数量等相当あるのでございます。需給計画上はやはりそれをまるまる見て、需要高に計上しないほうが需給計画としては安全であるという見方からいたしまして、配給辞退のほうは大体二割前後あるんであります。これは理論的にはじきました数字から八%程度の減を見まして、その程度数字を計上しております。それから工業用が若干殖えて、ロス、そういうようなものも計上して八百六十六万七千トンくらいの数字で、大体年度当初と同じ持越をすることができるというふうに考えておるわけであります。それから作付転換お話がございましたが、これはまあ農政方面と御相談をいたした上で御返答申上げます。
  5. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 次に政府は内麦を生産者から売渡し申込みによつて制限買入れるという大体昨日のお話でありますが、その買入価格、それから買入方法等をどういうふうになさるおつもりであるか、それを一つ……。
  6. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) この点はまだはつきりした案を得ておりませんけれども、大体の考え方といたしましては、価格は本年程度価格にするような心組みでおります。端的に申しますれば、対米価比は本年度程度を維持するという価格をきめたいと思つております。買入方法は結局一律に割当てられるということではなしに、政府としては受身で買入れることになりますので、協同組合等委託販売生産者の立場から言いますれば、協同組合を通じての委託販売というものが恐らく原則的になるのではなかろうか、勿論生産者から直接に政府への売渡しということもあり得ると思います。大筋は協同組合委託販売方式というものが支配的になるのではなかろうか、又将来の農産物の販売統制の面から言いましても、協同組合販売統制というものをできるだけ育成をして参る必要があろうと思います。そういう点を助長育成するような方式がいいのではないかというふうに考えております。
  7. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 若し麦の統制廃止すると仮定をすれば、そののちにおける麦によつて裏付けをされておつた農業手形は一体どういうふうにされるか。
  8. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 米の統制が存続をいたしますれば、いろいろ議論はあろうかと思いますけれども農業手形根本は覆えらんと申しますか、ゆるがないものだと思います。ただ麦の点において若干いろいろ問題があろうかと思います。これは金融措置といたしまして別途に処置をいたしたいと考えております。只今具体的に申上げることは差控えます。
  9. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 それから次には輸入麦についてでありますが、これは政府管理をするということでありますが、その輸入麦についての管理の具体的な方途はどういうふうに今お考えになり、且つ準備をされようとしておるか、その点を。……
  10. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 輸入麦管理と申しますのは、現在政府がやつておりますことを踏襲をいたしたいという意味でありまして、外麦は全部特別会計において買入れまして、政府所有といたすのでありまして、それを大体計画的に、又市況を見てこれを処分をして麦価の安定を図つて参りたいという考え方であります。管理とは政府で一手買入をいたしまして、一手売却をするという状態であります。
  11. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 麦類統制廃止をして、麦の消費者価格が非常に値上りをする、これは従来の「いも」の統制、雑穀の統制等においても見られたところでありますが、そういうことで、講和後の経済上一番懸念されておるインフレを助長するというようなことが起りはしないかということを懸念するわけでありますが、そういうことは政府の本来の政策に大きな矛盾を来たしはしないか、そういう観点に立つて考えますときに、政府は先に肥料統制廃止して、その後幾ばくもならずして、再び肥料需給調整の必要に迫られているのが現在の状況でありますが、そういう轍を麦類統制解除においても歩みはしないかと考えられますが、この点について政務次官なり或いは長官なりから見逃し並びに條件を……。
  12. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 麦類統制撤廃すると申しましても、現在の管理方式を変更するという意味でありまして、肥料と違いまして手放しにするということではございません。従つて肥料も御承知のように三分の二程度外麦に依存しております。それを政府が一手に掌握をいたしまして操作をするので、大体消費者価格は現在程度を維持することができるという前提統制方式の変更を考えているわけであります。その点は肥料とは違うと思つております。従つて肥料のように全部フリーにするという意味じやなくて、やはり統制やり方を変えるということでありまして、そういうやり方を変えましても、消費者価格については大体現在水準を維持することができるという考え方の下にあるわけであります。その点を申上げて置きます。
  13. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 統制を排除するということになると、先ほどのお話農業協同組合等団体組織を通じて依託販売その他の質取りをしたいというお話でありますが、こういうことになつて来ると、それの裏付けとしての金融的の措置が考えられておらなければ、只今状況では、協同組合法においては自力でなかなかこれを或る期間委託加工ということができないのは御承知通りでありますが、その他集荷業者であるとか、或いは加工販売等に関する政府金融についての準備なり、或いは措置はどういうふうに考えておられるのですか。
  14. 説明員(島村軍次君)(島村軍次)

    説明員島村軍次君) 金融に関する問題は、御趣旨は御尤もであると思うのでありまするが、只今長官説明申上げました通り、麦の統制撤廃と言えば直ちに全部の野放しでなくして、政府一定数量外麦については勿論管理をやりますし、内地の麦についても無制限買上げるということであり、食管会計は大体現状を継続することになりますれば、買入の場合に地域を通じて農林協同組合に流すことは現在と同様であります。従つて麦供出制度改正或いは配給制度改正でありまして、金融上については現在と何ら変らない。従つて農業協同組合においては、その金融上の措置は今直ちにせんでも、現在と同様な形がとり得るものだと、かように考えております。大体さように一つお含み願いたいと思います。
  15. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) 三好さんから委員外発言の要求がありますので、これを認めますので御了承を願います。
  16. 委員外議員(三好始君)(三好始)

    委員外議員三好始君) 先ほど長官或いは政務次官からも、麦の統制撤廃しても、それは野放しの撤廃ではなくして無制限政府買入は続けられるのだ、こういう御説明がありましたが、私は政府としてそういう方針がきまつておるかどうかについて疑問を持つているのであります。というのは、一方的に行政整理の立案が進められつつありますが、それによりますというと、食糧管理定員は七割削減というような案ができております。これは恐らく検査にしても買入にしても、食糧庁当局が考えておられるような形の政府買入を全然予定しておらない案だと思うのでありまして、その間には相当食違い感じられるのであります。行政整理方法では殆んど全面的な撤廃が考えられます。つまり政府買入を予定しておらないというふうに考えられます。一方食糧庁当局の立案しつつある面では、政府買入は無制限に行う、こういう点に今の段階では食違いがあると思うのであります。その辺の御説明を願いたいと思うのであります。
  17. 説明員(島村軍次君)(島村軍次)

    説明員島村軍次君) 委員会で取上げられた案はお話通りで、さようなことが発表になつたようでありますが、少なくとも政府ではまだ御承知通り決定をいたしているのではありませんし、且つ又目下研究中でありますが、農林省ではあの案を中心として早速行政管理庁長官とも連絡をとり、現在の管理法でこのまま継続するということを強く主張いたしておりますから、恐らく最後決定までには、相当の曲折はありましようが、併しこの考え方は現在の農林省考え方といたしましては、さようなことはやらない、つまり現在の管理方式を継続するものとしての考え方を強く堅持いたしたいと思います。
  18. 委員外議員(三好始君)(三好始)

    委員外議員三好始君) そういたしますと、行政管理庁中心に立案されつつある食糧管理定員が七割削減というようなべら棒な削減は絶対に起らないという確信を農林当局としては持つておられる、こういうふうに了解してよろしいわけでございますか。
  19. 説明員(島村軍次君)(島村軍次)

    説明員島村軍次君) その通りでございます。
  20. 片柳眞吉君(片柳眞吉)

    片柳眞吉君 麦の統制撤廃の問題は、本論に入りますれば、相当慎重にこれは審議しなければならんと思いますが、私は今日は本論に入ることは避けまして、その前提條件と言いますか、そういう点で政府当局に御質問をいたしたいのであります。この前の第十国会でああいう経過政府の案が不成立なつたわけでありますが、あの不成立になつてから半年を出でずして再び麦の統制撤廃の案を来たるべき国会提案をされたい、こういうわけでありまするが、あの当時われわれが反対いたしました点は詳しく申上げているわけでありますが、あの当時われわれが反対をいたしました各種の條件なり、或いは客観情勢相当好転したから、これを出すというのでありまするか、或いは客観情勢は大した変化はないけれども、前の案よりもよほど内容を変えて出すという趣旨であるかどうか。どうも半年も経たんのに……客観情勢変化は大した変化はない、むしろ外貨点等から見て行けば、あの当時よりもむしろ情勢は悪くなつて来ているというような感じをいたすわけでありますが、それにもかかわらず僅か半年も経たないのに再びこれを出されるということは、どういう点からお出しになるか、それを先ず承わりたいと思います。それからもう一つは、麦の統制撤廃不成立になつて統制は従来通り続けておるのでありまするが、併し私どもどうも近頃実態を見ていると、すでにもう麦の統制は半分崩壊しておる、こういうふうな私は実態だと思うのですが、例えば麦の横流れ或いは製品の横流れについても殆んど取締りはされておらない、こういう状況実態的には麦の統制は半分崩れておるという状況と思うのですが、取締当局も殆んど米については依然としてやつておるようでありますが、麦については全くこれはもう拱手傍観で、これは邪推的に見れば、政府はむしろ麦の統制を外したいという意図から、かような客観情勢を私は意識的に馴致をしたというようなことも言えるのではないか、少くとも取締当局に厳粛に取締つて欲しいという方針は何らないのであります。これは私はああいう経過できまつたものが、実際上そういうことであつては、我々の審議の結果もこれは全く意味がないわけであります。これは甚だ私は遺憾とするわけであります。そこで政府はこの際腰を締直してやはり統制を続ける以上は、やつぱりはつきりした態度で麦の横流し等、或いはもう時期は過ぎておるかも知れませんけれども、はつきりしたことでないと、我々の意思というものは実際上これは蹂躪されておるということも言えるのであります。この取締をもつとはつきりする意思がありますかどうか、私はまあこの提案をするそういう前提について承わりたいと思うわけであります。それからもう一つは、先ほどこの需給計画につきまして、飯島委員の御質問に対してお答えがありましたが、まだ詳しく検討をする暇はありませんが、例えば二十六年と二十七年の数量を比較をして見ますと、主食用数量が二十六年が七百九十五万二千トン、その次の二十七年が七百九十九万トンで僅か三万八千トンの増しかない。人口は百万人以上殖えておるにもかかわらず、僅か三万八千トンの需要増ということは、私はプランとしては極めて杜撰ではないかという印象を受けたわけですが、ともかくこの点は別といたしまして、非常にこの前のああいういきさつできまつたにもかかわらず、再び非常に僅かの期間をおいて再提案をせられるという、その辺の一つ政府考え方を承わりたいと思います。
  21. 説明員(島村軍次君)(島村軍次)

    説明員島村軍次君) 政府提案をいたしました当時にしばしば申上げまする通りに、現在の管理方式を変えまして供出制度買上制度に変え、而してフリークーポン制廃止する。こういう案は従来と何ら変つておらないのであります。たまたまああいう経過になりまして、両院協議会まで参つて不成立になりましたことは誠に遺憾に存じておるのでありますが、その後の客観情勢から申しますと、考え方の底には意見の相違があると思うのでありますが、例えば輸入の問題につきましても、我々は確保ができるという考え方を持ち、又一面配給実績を見まするというと、一月クーポン制をとつて以来、年間百万トンにも相当するような、これは制度が変りましたために辞退という言葉が適当であるかどうかは存じませんが、ともかくも府県の従来配給計画的にやつた申込み数量に対して、クーポンによる配給申込みは非常に差ができて来たということは、諸情勢にも相当変化が来たということが認めることができると思うのであります。つまり客観情勢は、提案当時よりは政府の当初考えておりました原案に漸次近付きつつある、こういうことを申上げることができると思うのであります。取締の点に対する御質疑の点については、御承知通りクーポン制になつておりまするので、申込みによつて配給をいたしておるような制度がとられておる以上、なかなか取締の点についても困難な情勢にもありますし、これらの詳細については長官からお話を申上げるといたしまして、私は取締を緩和し、その客観情勢政府みずから作つたというようなことは我々としては考えておりません。
  22. 片柳眞吉君(片柳眞吉)

    片柳眞吉君 今日は時間もありませんから、簡單に質問いたしますが、そこでいつも統制撤廃一つの理由として、配給辞退の多いということをしきりにいつも挙げられるわけでありますが、私はまあ配給辞退があることは承認いたしまするが、まあそのくらいであれば、貴重なる外貨使つて輸入をするわけでありまするから、真の配給辞退は或いは私はむしろこれは輸入数量を減らして、その外貨をもつと有効な方面に使うべきである。そういう点からも私は最小限度輸入数量で無駄なく食糧を国民が消費をする。こういうやはり計画配給必要性が、講和が来て日本が自立の道を歩むという点からも私は必要でないだろうか、余計なものを入れておいて配給辞退が起つて来る、それを前提として統制を外すということは、見方を変えれば貴重な外貨濫費濫費という言葉は当らんかも知れませんが、必要以上に使つて、その上で食糧配給を外すということは大きな点からも私は一つのやはり間違いではないかというふうに感じたのであります。本当配給辞退は、私はその分だけは輸入数量を減らして貴重な外貨をほかの方面に使うことのほうが私は正しいのじやないか、こういう実は感じを持つておるのでありますが、どうもいつも配給辞退を例に挙げて、こういう現象が巷で起きておるから、統制撤廃はもう時期が来ておるのだということは、大きな見地から見てちよつと理解ができないわけです。その辺どういうお考でありまするか。
  23. 説明員(島村軍次君)(島村軍次)

    説明員島村軍次君) 無制限買上をやるという前提に立ちますれば、当然只今お話のような問題が起つて来るのでありまして、今年の割当に対する供出の量から考えて、外麦相当輸入確保できるという前提はあるのでありまするが、政府の考をよく農民が納得し、且つ国内にできた数量政府の無制限買上に十分応じて頂けるということになりますれば、当然お話のように、私は国内経済から言つて外貨の節約は当然やらねばならんので、数量の睨み合いにおいて外国食糧輸入の軽減ということにまでなるものと考えております。
  24. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 ここでいろいろ論議をするのでありますが、私どうも近頃論議をすることがナンセンスみたいな気がするのでありまして、何ぼ論議して約束されたところで、結果を見るとまるで逆のほうのことばかり出て来て、例えば農林漁業資金の問題でも、広川農林大臣は六十億と六十億と加えて百二十億出すと、こう言つても六十億にしかならない。今度の根本さんになると、あと百億出す。本当かと思うと、はつきり約束しておつたのが、それが何か三十億になるかならんかということでやつておるわけであります。今も政務次官のほうから食管の七割人員減ということは絶対にしない、こう言われるのだけれども、併し一方において自由党のほうでは、党議として米の統制撤廃決定されておる。そして根本農林大臣は、政党内閣である以上は党議決定には服従しなければならんということを一方で言われる。今までの経過から見るというと、恐らく又そういうことになつてしまうのじやないかと思うのでして、政務次官にまあ責任を持つてもらつて、職をかけてというようなことを言つてもらつたところで政務次官もいつまで続くのかわからん。そういつたところで、どうもナンセンスみたいな気がするのでありますけれども、なお若干御質問して見たいと思いますことは、先ほどの需給計画を見ますと、二十六年と二十七年と比べると、消費面のことは今片柳さんのほうからお話がありましたが、供給面から見ますというと、麦の供給が百万石殖えることになつておりますが、一体農政局長はこういうことが可能だと思つていられるのかどうか。その点を農政局長からお伺いしたい。数字は間違いましたけれどもちよつと違うようでして、二十六年と二十七年と比べますというと、大麦の二百七十三が二百九十六になり、はだかの三百九十九が四百三十三になり、小麦の五百二十八が五百七十二になり……。
  25. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 私から申上げます。これはつまり生産が非常に飛躍的に伸びるということを予想して、今年は全量政府買制度をとつて、それで百二十万トンと抑えておる。来年は政府買入もしますが、又自由に流通をするということになりますと、全供出量のほかに若干の、従来闇に流れておりましたようなものが顕在化をするという意味において供給面にそれを見ておる、そういうふうになつております。
  26. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 そうすると、従つて需要面における数字というものも隠れたものが当然出なければならんということになると私は思うのですけれども、ただそれだけではちよつと答が出ないのじやないかと思うのです。やはり相当の増産というものを見込まなければ、こういうことにはならんと思うのです。今までの潜在的な需要にいたしましたところで、相場当大きなものがあるのでして、今ここに出ておるところの需給計画だけからいつても、ちよつと頷きかねるのでありますが、それは又あとで申上げます。ほかの問題について二、三お伺いしたいのは、先ほど政務次官のお答えでは、金融については農協あたりは現在と何ら変つたことはないと言われるのですが、そう簡單に言い切れるものかどうか。第一に農手の問題がはつきり変ると思うのですが、農手に代る別途の金融措置を考えるということは一体具体的にどういうことをお考えになつておるのか、その点明らかにして頂きたい。先だつて農林大臣は別途金融策として倉荷証券によるところの融資というようなことをちよつと言つておられるのですけれども、倉荷証券によるところの融資というものと、農手によるところの営農資金を先に出すということとは問題ははつきり別ですけれども、農手に代る別途金融措置というのは具体的にはどういうことを考えておられるのか、その輪郭をお知らせ願いたい。
  27. 説明員(島村軍次君)(島村軍次)

    説明員島村軍次君) 恐らく農林大臣の発表は、米の統制撤廃する場合におけるいろいろな金融上の措置を研究するということのうちの倉荷証券とか、或いは農業手形お話であつたと思うのです。今回の麦の統制撤廃は直接関係ないように思います。
  28. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 そういうことじやないのです。農事に代る別途金融措置を講ずるということを先ほど長官が言われたわけなんですが、その別途金融措置の構想というのはどういうものか、少くとも麦の統制撤廃しようというのなら、この構想というものは相当はつきりしていなくちやならんと思うわけでして、それはあとから考える、麦のほうだけ統制撤廃するということだけでは迷惑千万な話なんでして、その構想はどういうことなのかということです。
  29. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 農業手形制度は全然麦に関係がないとは私は申上げません。非常に大きいウエイトを持ちます米の問題でありますが、米の問題と関連して今検討をいたしております、こういうことであります。麦につきましては、農手も若干相当関係はあると思いますけれども、主として販売資金の問題がある、販売資金については政府が無制限買入をするという方式をとりますれば、これは相当解決するのじやないかという考えを持つております。
  30. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 最近の農家の金詰りの現状から見まして、問題は販売資金ではなしに、営農資金ということが非常に窮迫しておるわけなんでして少くとも麦だけについてもそういう農手制度というものが変つて来れば、これは大問題なんでして、そういうものが出なければ、従つて青売ということが必然起るわけなんです。その点において余り簡単に考えられ過ぎておるのじやないか、それでもいいんですか。
  31. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 簡單に考えておるわけじやありませんが、それは農業手形の根底をゆるがす問題にはならないので、その点いろいろ問題も絶無とは私は申上げません。その点については先ほど申上げましたように、別途検討いたします。麦の統制方式をやめても、農業手形制度根本的に覆えるということにはならないと思います。
  32. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 これは少くも今度の国会に麦の統制撤廃ということを提案されるならば、それと並行的にそれまでにはこの輪郭をはつきりして頂きたいと思うのでして、我々憂慮するのは大きく見まして、今農村の資金というものは非常に枯渇しておる、而も農業協同組合等の資金にしましても、おいおいいわゆる日米経済協力というような面に動員されるのじやないか、そういうきざしが見えるように思うのです。今後ただ販売資金だけじやなくして、営農資金の面から考えても、よほど慎重に考えないというと、十万トンの供給増加というようなことは夢になつてしまう、この点は一つ必ず今度統制撤廃のことを国会に出すならば、そのときまでにはこの輪郭をはつきりしてもらいたいということをお約束できるかどうか。
  33. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 正式に御審議を願うときまでには結論を出したいと思つております。
  34. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 それからその次に価格決定の問題でありますが、価格の問題については大体現在の対米価比率を以てやられるということでありますが、将来は物価の足取りがどういうことになるかということは将来の問題でありますから、これはわかりませんけれども、仮に今後もこの物価というものが上昇経過をとる場合には、依然としてバツク・ペイという制度が続けられるか、どうか、政府買上げたものについてはバツク・ペイをなさるかどうか。
  35. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 供出制度がなくなりますれば、バツク・ペイという制度ちよつと考えられません
  36. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 そうしますと、物価が仮に上昇した場合には、バツク・ペイがなくなるということは、それだけ新らして制度によつて農家としましては非常な損失を受けるということになりますが、これは物価が上らなければよろしい、併し上る場合にはそういうことが当然考えられるわけでありまして、その点に対するところの補償というものはお考えにならないか、或いはそういうことも織込んで現在の価格決定の基準よりも別な基準で行かれるのか、その点はどういうことなんでございます。
  37. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 一定価格のきめ方によりますけれども、それをきめましたならば、将来物価変動が相当多い場合には、政府に売りましたものについてバツク・ペイをするかしないかということについては、この点については私も制度としては考えておりません。
  38. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 将来その点について別な考え方を新らしく検討せられるかどうか、或いは検討しないで、そういうときには農民が損を自由にしたらよろしい、こういうお考えに落着かれるのかどうか、その点を一つ
  39. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) この場合には、将来においての農産物価格の変動というものを、組合なり、生産者の団体において判断をして、政府に売る義務がないのでございますので、その辺は自由裁量の上で政府に売るか、或いは一般に売るかという自由の余地が残されております。そうした場合にはバツク・ペイということは考えられないということでございます。
  40. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 それはちよつと大分長官の議論は飛躍しておると思うのでありまして、もう少し検討して見て下さい。そういうような簡單な問題ではなくて自由に売ること、自由に売ることができるという制度なつただけであつて、資金の面その他の面から、或いは収容する倉庫の面からいつて、果してその自由が現実に可能な自由かどうかということです。ただ制度として、そういうことはいつ売つても勝手だということで、それは自由というものを観念的にいつているだけでありまして、そういう客観的條件はないと思います。先ほど農業協同組合の販売資金の問題については何ら差支えないように政務次官は言われますけれども、なかなかそんなものではない。これは今日はこの問題が正式に提案されてないのでありますから、そこまでしつこく申しませんけれども、これは十分検討してもらいたい。それからその次に御質問したいのは、加配米は麦の統制撤廃されるときはどうなりますか。
  41. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 加配米というのは生産者に対する加配米……。
  42. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 労務の……。
  43. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 労務加配は続けて参りたいと思つております。米については……。
  44. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 麦で労務加配を出されておつた分についてはどうされますか。
  45. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 麦については配給制度を自由にするということになれば、加配は解消すると思います。
  46. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 統制撤廃になるというと、我々は我々の考え方を持つておりますけれども政府が今まで言われたところによると、或る程度値段が上がるであろうということなんですが、そうするというと、そういうことになると、現在の労働者の立場から言うと、高いものを買わなければならんということになつて、労働者にとつて一つの新らしい負担になるということはお考えになりますか。
  47. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 麦の統制方式を変えましても、現行の消費水準は上がらんという見通しで、又上がらんようにやつて行きたいと思います。
  48. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 上がらないということになると、それはもう少し詳しく言つて頂きたいので、先だつて農林大臣の言われたのは、生産者価格を上げる、併しながら中間経費は少くなるから消費者価格は上がらないということを言われましたが、果してこの中間経費というものは、統制撤廃したときに少くなるのかどうか、その点はどうお考えになつておりますか。
  49. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 結局統制をやめまして、変更いたしまして、現行消費者価格水準がちよつと上がる、上がるということを見るということであれば、これは統制方法を今変更することが適当じやないと考えております。何遍も申しますけれども、何と申しますか、麦につきましては、全体の所要量の三分の二プラス内麦のアルファというものが、政府一つの独占になるわけであります。それだけの物量を以て三分の一或いは三分の一を切る程度の内麦の価格価格の高騰を防ぐことはできるという考え方をいたしております。従つて現行価格水準というものは余り動かないようにやつて行ける、こういう考え方をしております。
  50. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 これは長官の答弁大分ごまかしておられると思います。輸入食であろうと、何であろうと、或いは国内麦であろうと、一定の生産原価というものがある、そうして中間経費があり、それで消費者価格は出て来る、その中間価格統制中と統制後において変つて来る。若し統制撤廃後において農林大臣の言われるように、中間経費が縮減されるならば、この消費者価格というものは押え得るかも知れんけれども、我々の見るところによるというと、或いは今日までの統計資料によるというと、明らかに統制撤廃後において中間経費というものが殖えるわけであります。そういう点大部その場逃れの答弁をしておられると思いますが、これもよろしい、この問題が今日の正式提案でないから、その程度にしておきます。聞くだけお尋ねしておきます。その次にお尋ねしたいのは、麦の統制撤廃された場合に、米だけ配給になると思いますが、米だけの配給を全国一律におやりになるのかどうか、或いはそういうような時期的にも、場所的にも同じように配給をするのに、今現在の機構からして、技術的にそれが可能であるかどうか。
  51. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 全国一律の率の配給をいたすということは、これはできなかろうと思います。大体現在の米食率を若干是正する程度だと思います。そういう前提で考えております。
  52. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 米の闇相場というものがどういうことになるかわかりませんが、併しいずれにしましたところで、全国一律でないということになれば、これは少くとも妙なとこになると思うのですが、同じ納税者に対して同じようなことを保障しないということは、これはちよつとうなずけないのですが、これは技術的に不可能だからやらないのですか、そうする必要がないというお考えなのか、どういう理由です。
  53. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) その点は端的に申しますというと、麦というものでカムフラージしておりますから、今日その議論が表面化しないだけでありまして、私は実態的には同じだと思います。現在でも産地における米食率と消費地における米食率は違う、それを麦というもので、二合七勺の枠内において麦を入れて、それを整えておる。実際論から申しますれば、現在も同じじやないかと考えております。
  54. 江田三郎君(江田三郎)

    江田三郎君 もう一つお伺いしたいのは、一体将来の輸入食糧の問題ですが、これは物量のほうから言うと問題はないように言われましたが、買付資金の問題については一体どういうような計画を持つておられるのでありますか。これはもう一つ突つ込んで言うと、これも若し現在憂慮されておるように、国際情勢が悪化をした場合に一体どういうことになるのか、どこの船が日本に運んでくれて、どこの船が、どこの軍艦なり、飛行機がそれを護衛するのか、そこまで一体考えておるのかどうか、一方において国際情勢が非常に緊迫したとか、再軍備が必要だとか言つておいて、こういうように麦の統制撤廃をしておつて、又「いも」の蔓を食わそうなんて余り残酷だと思うのですが、一体どういうような統制をするのか、なお一点伺いたいと思います。
  55. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 輸入見通しは又いずれ詳しく申上げる機会があると思いますが、大体主食について三億ドル程度、この程度に、貿易計画としましては輸出が十六、七億、或いはそれくらいまで行かないかも知れませんが、併し三割程度のものは獲得できると考えております。それから輸送船を全部いろいろ無理をしなければ運べんというような事態を前提としては、これは考えておりません。大体現在のような状況で推移するという前提で考えております。
  56. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 片柳委員からお話があつたように、第十国会で麦の統制撤廃のために口角泡を飛ばして議論をしてまだ半歳にならないのでありますが、それを又今度の臨時国会に出そうという御意思があるようでありまして、いろいろ御指摘がなされているのでありますが、前々からそういうことを主張いたしておりまして、今更にそれを言う必要はないと思いますが、全く我々は遺憾に堪えんのであります。これは生産者農家の立場から言つておるわけではないのでありまして、八千三百万同胞のために議論をいたしておりますが、政府のほうは一向に目がさめないで、まだそれをどんどんお進めになろうというお考えのようであります。そこで我々はもう常に頭から離れておりませんことは、日本の島国は現在どこかわかりませんが、潜水艦で日本を二廻り半廻して攻略するだけの船を持つておるところがあるそうであります。現にそういうことを棚に上げて何にもお考えにならないで、そうして食糧統制を解こうとすることは、我々は政府であればやめればよし、役人であればやめればよし、我々国会議員は任期があるうちはやめることはできませんから、その責任は我々にあるのであります。かりそめにこれを軽々しく取扱うことは非常に遺憾と思うのでありますが、先ず以て自給計画をお立てになりませんと、非常に少ないドルを以て輸入するわけでありますが、麦を自由にして政府のほうでは幾らでも無制限に買うのだ、こういう態勢でお進みになるという話であります。そこで麦の現在の価格が非常に高くて喜ぶような価格であれば、これも又多少考えられんわけでもないと思います。併しながら非常に安い価格で絶対に生産者の引合わん価格であります。それを野放しにして申出があれば買うという態勢では、どうして一体自給計画が立つだろうか、それを先ずお聞きしたい。
  57. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) やはり輸入につきましては、従来の市場出廻り、供出制度になりましてからは供出数量供出制度のない前にはやはり市場出廻数量というものがあつたのであります。価格等から申しますれば、当時は対米比価というものは相当低く、相当出廻数量というものはあつた。その辺の状況を勘案いたしまして、出廻数量というものを私どもは想定して参りたいと、こう思つております。
  58. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 現在のままで今まで統制をされておりましたことを土台にして自給計画をお立てになるというお考えなら以てのほかだと思います。そこでデンマークのように作つた麦を豚に食わせて、牛には食わせない、その麦を食わせた豚の肉は非常にいいもので、日本の肉など比べものにならない、そうして巷間に売出すというような政策であります。その他にいろいろ麦を使うことを考えるならば、何とかして人口も多いし、何か仕事をしたい人がたくさんおりますが、統制されておるので考えても駄目だからじつとしている、そうなると闇をすることを考える。そうなると、計画は何をつかんで一体立てるのか、麦がなくてもいいのだ、それで足らんで輸入しております食糧が全部が全部私は本当の日本の米に代るというような頼りにはならないと思つております。例えば外米をもらいましても、このようなものは食えん、こういうことでとらんくらいですから、そういう考えでなしに、次の国会にお出しになるときには、もう少し真剣に、本当に職を賭して、政務次官に聞いてもそう長くもないのですから、あなたはまだおやめにならないだろうから、職を賭してお考えになりませんと、長官おやめになつて外国においでになれば別ですが、若し国内におられますと、我々は結局その人を憎まず、その職を憎むことになると思います。そういうお考えでもう少し真剣に、一体人間生きておるものは何が一番大事であろうか、教育よりも文化よりも何が一体大切だろうということを先ず念頭におかないで、ただ現内閣が自分の任期のあるうち、うまくやろうということに引縋られておつたのでは食糧管理長官という職名が泣くと思いますから、八千三百万の国民は食糧管理長官の腕に信頼して安心しておるのであるが、それがそうでないとすれば、誠に不安である。そういうことでなしに、真剣に八千三百万の国民のための食糧を職を賭して考えてもらうことをお願い申上げる。次に国会に何が出るかわからないが、そういうつもりでお出しにならないように、我々は終始一貫、その責任上叫ぶのでありますから、決して自由党が何といつてもそれを変える意思はありませんことを、この際申上げておきます。
  59. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 只今の潜在需要がどうなるかということでありますが、はつきりは覚えておりませんが、自由時代には四十万トンもあつたのですが、現在の自給計画では十万トンまで圧縮しております。これが相当顕在化して来るという問題が私ども一番心配の点であります。そうしたものの全部が現在圧縮されておるのでなくして、やはりそのうちの相当部分が闇の存在によつて賄われておるという見方をいたしております。これが全部ではありません。どの程度闇で賄われて、どの程度だけが本当の実需として出て来るかという点が一つ大きな問題だと思います。この点は計数的にも私どもいろいろ檢討いたしておりますが、いずれ詳しく申上げる機会があると思いますが、その辺は大体戰前の個有用途の需要が市場出廻りをすることによつて闇のものが顕在化する。或いは出廻数量が各般の事情から殖えるということによつて相当数現われるというような見方をしております。自給計画を組んだ大体の基準だけを申上げまして、いずれ数字等につきまして、又さような判断をした基礎等につきましては、機会を見て御説明申上げます。
  60. 小林孝平君(小林孝平)

    ○小林孝平君 先ほど江田君の質問いたしました中に、米食率につきまして、長官は麦の統制撤廃したのちも現在の米食率を大体基準として配給するというように御答弁になつて、この問題は現在でも麦によつてカムフラージユされておると、こういうふうにお話なつたのでありまするけれども、私は現在は麦を配給しておるから、その点は問題にならんであつて、麦によつてカムフラージユされておるという御答弁は当らないと思うのであります。それでこれは麦の統制撤廃いたしましたのちに、米食率を一律にせよという要求は相当強く起つて来ると思うのでありまして、どういう根拠に基いてその米食率を一律にせよという要求を拒絶されますか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  61. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) 一律にすることが非常に筋の通つた、すつきりした議論だと私は思います。小林さんのお国のほうを考えられても、新潟は現在米食率が七十くらいになつておる。東京がまあ五十であります。一律というふうになりますれば、新潟の米食率を七十を五十五とか五十六と切下げるというような問題になる。それは理論としちや正しいけれども、現実の情勢としては非常に私は困難じやないかと思う、というような考え方からいたしまして、一律にするということを申上げかねておるのであります。
  62. 小林孝平君(小林孝平)

    ○小林孝平君 私はそういうことがありますから、なおこの麦類統制撤廃するということがいろいろ不都合が出て来る、こういうふうに考えておるのであります。一律にすることは不合理であるからしないとおつしやいますけれども、そういう要求は当然私は相当強く起きて来ると思うのです。又そういうふうに今後向つて参りますれば、今長官がおつしやつたように、新潟県のごときは米食率は非常にそのために低くなる、こういうことが考えられますので、私は単作地帯の農民の立場からいたしましても、この麦類統制撤廃というものは非常に不合理である、統制撤廃するなら米と一緒に外すべきである、こういう考え方を持つておるのでありますので、そういう要求が本当に出て来たとき、どういうことを根拠にしてこれを拒否されるかという点をお尋ねしたいと思います。
  63. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) この問題は供出の問題ともからんで参るのでございまして、産地における米食率をいじりますことは供出の面に相当な影響が起きますので、ということは、結局消費地の米食率の維持ということについての問題も引起すのであります。麦の統制方式を変更するにつきましては、やはり実体的に現在の米食率というものを大体維持をするということで考えなければ、消費地における米食率維持も相当困難さを増して来るのじやないかというようなことで御了解を願わざるを得ないのではないかと思います。まあそれに関連いたしまして、産地においても七十なら七十のほかの三十は現在麦でやつておる。これは今後において割高に見込むということになりますと、この点は問題があろうかと思います。その点からいたしまして、統制を変更いたしましても、米の産地等に対しまする麦の政府予想ということは考えて措置をいたしたいと思います。
  64. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 麦の御質問がないようですが、私は麦は……。昨日お聞きするところを落してしまつたのでありますが、砂糖の配給方法が変りますが、輸入の砂糖は政府輸入をして、管理をするということですが、北海道の甜菜等はどういうふうにされるお見込みか、お聞きしたいと思います。
  65. 説明員(安孫子藤吉君)(安孫子藤吉)

    説明員安孫子藤吉君) これも政府が買取つてやつたらというふうに思つております。詳しくは少し調査して……。
  66. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 これは御承知通り、どうするかが問題、大問題なんですから、国家で買取りされるということは、従来と変りはないということと思うのですが、それならいいのですが、そうでないと、会社のほうも今後の金策その他について毎年七億から八億と金を借りていると思う。で、そうでないと、非常に不十分であるから、どうぞ早くお調べになつて頂きたいと私は思います。
  67. 飯島連次郎君(飯島連次郎)

    飯島連次郎君 麦の統制をめぐつて論議が活溌になされたが、私はこれは生産者農家の立場からも、或いは八千万に余る消費者の立場からいたしましても、極めて重要な問題でありますので、冒頭私は御質問のときにも申上げましたように、これについても当委員会としては、先にそういう例がございますが、この問題を一つ中心にして統制方式を変えるについての小委員会、そういつたものを設けて、閉会中ももう少し練る必要があるかと思いますので、お諮り願いたいと思います。
  68. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) 只今の飯島さんの御発言については後刻懇談の際に御相談に入れたいと思いますが、御了承願います。安孫子長官にお願いして置きますが、今飯島さんの御発言に、これは農業再生産を守るという意味農家のためにも重要であり、且つ又その消費者の立場においても我々は考慮しなければならない非常に重要な問題でありますが、特に農民の立場から言うと、先ほど江田さんその他の皆さんから御発言があつたように、例えば、統制供出制度がなくなつた場合にはバツク・ペイも当然なくなつて行くという問題、金融措置をどうするかという問題、この一連の農業再生産を確保する措置がどのようにとられるかということが、この問題を論議する場合に非常に重要な問題になると思いますので、次の国会には何かコンクリートの形で出て来る場合には、そういうことは併せて審議の対象になり得るように一つ御考慮をお願いしたいと思います。それだけでよろしうございますか……。それでは麦の統制撤廃に関する問題はこの程度で打切ります。   —————————————
  69. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) 次にまだ午前中時間が若干ございますので、この前肥料需給調整法案がやはり次の国会に出るという見通しで、政府から一応説明を聞いたわけでありますが、その後各方面状況は漸次明らかになつて参りまして、賛否両論なかなかやかましい問題になつて来たようでありますが、簡単にその後の状況政府から聴取いたしまして、参考にしたいと思うのであります。取りあえず政府からその後の状況を聞くことにいたしたいと思います。
  70. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) それでは先般の委員会後のいろいろの情勢について簡単に御報告を申上げます。  政府としては、肥料需給調整法案というものにつきまして、まだ最後の実は決定をいたしておりませんので、今日までまだ農政局長の試案ということで各方面の意見を聞いておる段階でございます。先ずこれにつきまする予算の折衝でございまするけれども、一応事務当局のほうといたしまして、一応特別会計に出します場合の持越のいわゆるインヴエントリー・フアイナンスというものにつきましては、財政のほうからの繰入というものが要りますので、その折衝をいたしておりますが、内々二十五億程度の範囲内で、これをどういうように運用するかというようなことにつきまして、まだ最後決定に至つていない段階でございます。給調整の点につきましては、この前申上げました点以上の考え方変化只今のところ、ございません。これにつきましての各方面の意見は日本硫安工業協会、それから石灰窒素工業協会、燐酸肥料協会、全国肥料商工業協同組合連合会等から、いわゆる反対意見書というものを我々のほうに頂いております。又衆議院の方面、参議院の通商委員会等でも正式な反対意見の開陳がありましたことを承知いたしております。その意見の大要につきましては、農林委員会のほうで印刷されました需給調整制度についての中に詳細印刷してございますので、その意見と御了承願いたいと思います。農民団体、主として全購連の御意見は実は最後の御意見を聞いておりませんが、我々が内々いろいろ御意見を聞いておる一番問題になります点は、只今全購連が予約註文というものを基盤にいたしまして、計画購買というものをいたしております。農林省といたしましても、これの金融等につきましては、只今のところ最高三十億ということでこれを助長いたすべく努力をいたしておるのでありますが、その計画購買というものと政府需要期におきます購買というものが完全にうまく行くかどうかという問題について一抹の不安があるようでございます。そのことにつきまして、我々といたしましては、計画購買というものにつきましては、これをますます助長して行くということは協同組合の発展上当然でありますので、その計画購買制というものを前提にして、需給特別会計政府の財政資金を運用するということについては何ら異議はないのであります。その点の了解に目下協力しておるのでありまして、その方面決定を我々といたしましては待つております。近く御意見を拝聴し得るというように実は考えております。我々といたしましては、各方面の反対意見書というものも十分実は承知いたしておるのでありますけれども、問題は要するに理窟の問題になつて参るのでありまして、肥料につきまして公団が廃止以後、農林省といたしましては輸出の増加という一つの苦心がございますけれども、そのほかは何らの施策がないのであります。昨年公団が廃止せられました以後、相当量のストツクがあり、これの操作というものは必ずしも円滑に参らなかつたのでありますけれども、そのこと自体が春肥の需要等に対しまして、若干の効果があつたということは認めざるを得ないと思います。今日何らの保有というものがない場合におきまして、一方生産の増加ということを図りつつも、なお且つ農家肥料消費の安定感を與えるということが根本的に大事であるし、思惑的な需要そのものが起りまして、肥料が徒らに上つたり、或いは肥料の輸出力が減つたりいたしますこと自体が、資源のない、電力の少い日本としてはどうしても耐えられないことでありますということの確信を以ちまして、需給調整法案の政府決定せられますことを農林省といたしましては努力をいたしておる次第であります。まだ最後決定に達しませんことは甚だ遺憾でありますけれども、今度の臨時国会提案するべく、農政局長としては又努力を続けておる次第であります。
  71. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) ちよつとここで速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  72. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  73. 片柳眞吉君(片柳眞吉)

    片柳眞吉君 ちよつと伺いますが、メーカーが相当反対をしているという情勢でありますが、法律が通つた場合、メーカーとして結束して売らんという、その場合ですね、それを入札に参加する方法はないわけですか。
  74. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 我々の伺いますところにおきましては、肥料の購買が季節的に非常に片寄つている。協同組合自体の計画等も量的に行きますとまだまだ非常に量が少い。輸出量の決定は年間の需要量というものを勘案いたしまして、その需要量の算定に若干の意見の食違いがございますのでありますが、同意をするということになりますと、どうしてもそこに、仮に窒素肥料で参りますと、三、四十万トンのストツクができる。そのストツクができること自体も今日の金融その他の情勢から言いますると、いわゆる思惑的な、貯蔵的な金融というものの要請がありましても、それがなかなか期せられないという前提に立ちますと、仮に売らないという一つの感情的な問題は別といたしまして、経済的にはそこにやはり政府が合理的な価格、適正な価格というものをきめました場合においては、経済的には買い得るのではないかというふうに実は考えておるのであります。又ストツクというものの中で、いわゆる実需期に対するストツクというものと、絶対量の余剰、いわゆる輸出に向けていい量というものをどうするかという問題になりますと、もう肥料自体も非常に需要の弾力性がありますので、そういうこと自体につきましては、我々といたしましては、そういうストツクを仮に政府が買いましても、その後肥料需要も安定し、価格も安定した場合におきましては、これは輸出用に振戻すという條件をいたしますれば、生産業者のほうもこの不安なしに政府に売つて頂けるのではないかというように実は考えておる次第であります。
  75. 片柳眞吉君(片柳眞吉)

    片柳眞吉君 法律上強制と申しますか、買い得る途はないですか。それは全然お考えはないわけですか。
  76. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 農政局で立案いたしたものにつきましては、一切の強制権はございません。
  77. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) 他にこの肥料問題で御発言は、ございませんか。
  78. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 これは局長にお尋ねというよりは、むしろそうしたらどうかというような気持を申上げたいと思うのでありますが、御計画になつておることは、あながち悪いとばかりは断定ができないのでありますが、非常に八方からこれに対して小言が出て、そこで最初のお話は大分大きな金でおやりになるようだつたように記憶いたしておりますが、その後だんだん減つて来ておるようでございますが、強制権もない農家に円滑に肥料を余り高価でなく配給したいという趣旨にほかならないのでありますが、むしろ指定業者に金融の面を協力してやらすことが無難に行きはしないかという気持が非常に働くのですが、この点どうですか。
  79. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 我々只今計画は決して規模を縮小していないのでございます。ただインヴエントリー・フアイナンスというものは結局物の持越量でありまして、七月以降に持越す量がどの程度であるかという一つの問題であります。先般実は農林省といたしましては、七十五億というインヴエントリーの案を持つておつたのでございますが、その案の中にはいわゆる三月に売つたものを四月以後に売掛けにする、売掛代金というものはどうしても三月末に取上げなければ行かん。現実には四月延びる、こういうものにつきましては、やはり財政で繰入れをして行かないと不安じやないかというので立案をいたしたのでありますけれども、大蔵事務当局といろいろ折衝の結果、政府の一時借入金の三月に来たもの、四月に入つたものを前年度の収入と見てよろしいという特別会計法を立案するから、その点はインヴエントリーでなくてもよろしいということになりましたので、物だけの繰越ということになりますと、それほどの財政繰入れはやらないということになつたのでありますけれども、資金全体の枠といたしましての借入金というものにつきましては、それだけ殖えるわけであります。全体の数量につきましては、やはり既定方針で参りたいというように実は考えております。それから金融の問題につきましては、各方面からも十分御意見を拝聴いたしておるのでありますけれども肥料需給調整根本はやはり一つ価格政策でございます。従いまして金融で以て問題になりますのはストツクという問題でございます。ストツク的金融というものがなかなか商業金融ベースには乗らないという点が一つであります。同時に金融だけではなかなか価格政策的な考えが入つて来ない。徒らに購買力が殖えますことは却つて値上げになるのであります。或いは果して末端の農家までどういう形で金融するか、買うものの裏打ちをそういう財政でやれるかどうかというような点につきましては、まだ若干の疑問がございますので、やはり価格の安定というものにつきましては、何らかの機関で物というものを貯蔵いたしましてその物と価格というものの関係において操作をすることが必要じやないかというので、我々といたしましては事業特別会計というもので行かざるを得ないのじやないかというように、実は考えをまだ直していない点でございます。
  80. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 ずつと最初からのお考えでそのまま来ておるようでありますが、これは何も悪いと申上げるのではないのです。併しながら随分八方から小言を聞くのでありますが、その小言を言う、その反対をする人の意思が実はつかめないのです。そこで勘で反対をされておるのでは困る。書いてあることを見ましても、それが真実かどうかわからないのです。そこで金融面の心配を政府がするなら、非常な費用をかけ、強制権のないことをしなくても、ストツクはどこでもできるから、そうしたほうが監督さえすればよいから、そのほうが小言がなくてスムーズに行き、政府の言うように私はやれると思う。だから法律を据えて非常に反対になる議論をしてやる必要はないので、完全な金融面さえ心配すれば、それでストツクもできれば配給もでき、スムーズにできるから、そういうことはそうしたほうがいいと考えておりますから、今までのように政府がやらなければいかんというなら、何かそこに権力でもあればよいが、そうでもないようですから、これは一つ十分お考えになつて、これを一つ農家にも迷惑をかけないし、そうして値段も上げないし、操作がうまく行き、反対も受けない。そういうようにするには法律を拵えて、いろいろなことをしないほうがよいのじやないかということを実は考えておるのであります。だからどうしても需給調整で法律を拵えなければ駄目だという根拠が実は非常に薄弱だと思う。そこでもう一遍お考えになつたらどうだろうか、ちよつとお伺いいたします。
  81. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 前の委員会でも岡村さんの御意見を十分拝聴したのでありますが、例えば現在の全購連その他の計画購買についても単なるストツクという、いわゆる貯蔵の金融というものが今の商業的金融においては付きません。従いまして、やはり農家の予約という一つの安定した需要というものの上に三十億の計画購買の金融が付いておるように思われます。九十億というものは最近は従来の常識よりは若干下つておりますけれども、或る時期に必ずそういう市場在庫、貯蔵ができるという現象ができる。その市場在庫が容易でなくなるという場合には、これは思惑的な値上り予想のための貯蔵が多い。そういうことであつては同じ貯蔵であつても、これは農民のためにならないのでありますから、農民のためにこれをどういう機関で持つかということになりますと、ここにどうしても財政的な資金というものが必要じやないか。いわゆる財政的資金というものをどういう機関に補給して、いわゆる九十億のストツクを立てるかということになりますと、独占禁止法その他のいろいろな制度の下においては私はいかんとは思いませんけれども、遺憾ながら事業特別会計に行かざるを得ないのであります。そのこと自体は決して商業的金融を邪魔するものではなく、商業的金融の上に財政が乗つておる、こういうふうに実は考えて、なかなか私のほうの試案を改める気持にはならないのでございます。
  82. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 今度は本音を申上げますが、その後変りましたら別ですが、前に局長のお話を承わつたときには、価格が地域的に別々だというお話でありました。そこでそのときからのお考えを察しますと、東北、北海道は非常に高い肥料を使うということになると私は思つております。そこでそうでなくてやらせてみれば容易に安い肥料を使う方法がある。これは現にやつて来たから間違いない。だからそういうことをすることが東北、北海道のためになつて、こつちのほうはこんなことはしなくてもやれる。前のお話のように地域的に全国一律でなしに、遠いところは遠いところなみの運賃をかけてやるということになると、それだけ損をする。そういうことを考えてみると北海道は反対をしておる。これは無理な話なんで、そういうことにならんように何か需給調整をやつてよいならやつて、東北、北海道が高率にならないようにすることがよいと思う。そういうお考えはありませんか。
  83. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 需給調整ができたために、どの地域においても却つて農民に高い肥料を売る結果になるということであれば、我々はこういう案を立案もいたしませんし、又提案する勿論根拠を失うのであります。ただ北海道等におきましては、地域的に非常に離れておりますし、又肥料の種類によつては生産工場の非常に能力等がない場合もございます。そういうものをいろいろ考えまして、一般の自由市場或いは協同組合による購入というもののほうに政府が或る肥料をストツクするのでありまして、その肥料が北海道のその当時における自由市場における市価以上にこれを高くするということは、どうしてもあり得ないんじやないか、それに仮にこの制度がない場合において北海道が自給いたしますれば、その不需要期において北海道に入るだけの肥料をストツクする、つまりそれが商業ベースであれば、こういう制度はそこに発動いたさないことになり、北海道における地域的な価格というものの枠内におきまして、この制度は決して矛盾して来ないんじやないかというように実は考えておる次第でございます。
  84. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 前のお話のように、全国を一律でなくて地域別に価格をおきめになるというわけでありまして、それは運賃の関係でそうなると私は考えておつた。そこで今のお話はそういうふうにならんようなお話ですけれども、或いはこれは私の考えが間違つておるかも知れないが、前のお話の運賃は遠いところは高い、近いものは安い、そういうことになるかならんかお伺いいたします。
  85. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 全国一本の関係で北海道を操作するということはなかなかむずかしいと思います。北海道において仮に実需期における価格と比べまして、市価そのものより高い肥料農家に売るために、実需期に高騰するというような運用は決していたしません。
  86. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 北海道の肥料の事情が歴年、即ち十二月までに北海道に殆んど全部運ぶことが自由経済当時の建前であつて、それはなぜかと申しますと、関西から運ぶのでありますが、一月になると時化で非常に船がうまく行かない、そのために十二月までに全部遊ぶ、今は船が運賃の関係で高くなつておりますが、これも幾らか変つて来ると思いますが、汽車ばかりで運んでもいかんのでありますから、即ち不需要期に内地のお使いにならん時分に頂くんですから、自由経済当時は、最初は統制してない前は日本で一番高い肥料使つておりましたが、全国一律に安い肥料を北国の地で使つて来たものですから、これから運賃だけ高く付くということは商品取引上の常道なんで、何も不思議じやありませんが、而もそうせないでやれる方法があるんですから、政府がそれをやらすことが遠い北海道の農業のためになるんじやないか、こういうことを考えておるのでありますから、これを一つ……。
  87. 説明員(東畑四郎君)(東畑四郎)

    説明員(東畑四郎君) 自由主義時代に実際におやりになつておりました岡村さんの御意見、十分お聞きいたしたいのでありますが、我々として何遍も繰返すようでありますが、北海道時代の組織を利用いたしまして、不需要期等に安い肥料をお買いになり、実需期にそれの操作をされまして、全体としての肥料価格政府需給制度によらなくてもいいという結論に今日の金融財政上から言つてなるかどうかということについて若干私は疑問を持つておりますけれども、若しそういうことの立証ができますれば、操作自体に需給調整のストツクの操作をすることは無意味になつて来る、我々としては全体を眺めまして、なかなか地域的な季節的な需給というものは円滑には参りませんし、価格そのものも非常に不安定であるというだけに、こういう制度の必要を実は感じておるような次第であります。
  88. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 まあいいでしよう。   —————————————
  89. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) それでは肥料の問題はこの程度にいたしまして、次に農林漁業の資金融通法の運用の状況を聞きたいと思うのでありますが、この件に関しては運用上いろいろな意見があり、又この枠を拡大することについて、先ほどどなたからも御発言があつたように、最初の予定と幾らか狂つておるようでありますので、それらのことについて、取りあえず政府から説明を求めて、それから次に入りたいと思います。
  90. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) この前の会議の席上で、補正予算百億要求いたしましたことまでお答え申上げましたが、その後大蔵省から三十億という査定の内示がございました。それに対しまして、三十億では到底話にならんということで、八十億までの復活要求をいたしたのであります。只今のところ決定はいたしておりませんが、私どもといたしましては、八十億に、或いは八十億に近い数字というものは必ず確保できるという確心を持つておるわけでございます。八十億とれました場合に、この資金の配分をどういうふうにいたすかという問題につきましては、只今まだ案ができておりません。その理由は、御承知の單作地帶に対します土地改良事業、これは補助事業でございますが、この補助事業に対しまして、融資額が單作に対しまする補助金の額と睨み合せてきめなければなりませんので、私どもの予算が仮に八十億とれましても、すぐそのうちからどういうふうに配分するかということに参りませんので、單作に対します別途の補助金の額と睨み合せた上で配分をきめるということになるのであります。併し大綱から申しますと、先般お配りいたしました百億の補正予算の要求額、あれに大体近い数字というものが各業種に対して配分できるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。それからその後の運用状況でございますが、本日お手許に資料を四部差上げました。特別会計が事業開始をいたしまして以来、本日までの貸付の実行が行われました日本の各貸付対象別の表でございます。これは村々の何々協同組合にどういうものを貸したという結果が一々付いてございます。それから同じく表を各月別にまとめました月末残金の額が差上げてございます。それからもう一つここへ一番新らしい九月二十日、昨日現在でございますが、九月二十日現在の貸付の報告、これをお手許に差上げてございます。その外にもう一つ農林金融情報と申しまして、私どもの課で編集いたしまして、月に二回発行いたしておりますが、これを御参考にお手許に差上げました。貸付の実行、これは組合別に書いてございますが、これもすべて農林金融情報に毎号掲載いたします。私どもといたしましては、参議院の農林委員会、衆議院の農林委員会と各委員のかたがたにお手許に届きますように発送はいたしておつたのでございますが、どういう手違いか参議院には届いておりませんので、甚だ申訳ないことをしたのでありますが、今後必ずお手許に着くように心がけます。そこで一番新らしい九月二十日現在の貸付報告を御覧願いますと、一番上の農林中央金庫、地方銀行扱いの総計額が書いてございます。その表の一番右の端から二つ目の欄を御覧願いますと、本日までにおける貸付決定累計の中で貸付決定金額というのがございます。その一番下に合計額が出ておりますが、三十三億八千二百万円という貸付が行なわれたわけでございます。これに対しまして、銀行から貸付実行報告が上つた分、これはどういうことかと申しますと、政府が銀行に対しまして貸付を決定をいたしまして、それに対しまして銀行から申請者に借用証書をとりまして、その借用証書を引換えで金を渡したという通知が政府に参るわけでございますが、合計が十九億六千九百万円という数字が出ております。大体政府決定いたしましてから報告で上げて参りますまでに、借用証を作りますとか、そういう手続がございますために、一カ月程度遅れるようでございます。そこでその内訳でございますが、農林中央金庫扱いと市中銀行扱いはそこに書いてある通りでございます。現在まで市中銀行がその資金の取扱いをするといつて申込みになり、政府と契約いたしましたのは全部で五十五行でございます。従いまして農林中央金庫を加えますと、全国の金融機関のうち五十六行がこの資金を取扱つておる、こういうことになつているわけでございます。大体今日までの状況は以上の通りでございます。
  91. 宮本邦彦君(宮本邦彦)

    ○宮本邦彦君 二、三手続その他について御質問申上げたいと思います。この農業漁業の貸付けに対して各県に枠というものがあるそうですが、そういうものは農林省決定して、その枠内で以て申請させるようにいたしているのかどうか、これを承わりたいと思います。
  92. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) 府県別の枠を現在作つておりますのは土地改良事業だけについてやつております。その理由といたしましては、七月末現在におきまする土地改良事業の申請が、これは各金融機関の窓口に参りますので、正確な数字はつかめませんが、大体農林中央金庫系統の窓口までお申込みになりました金額は五十億を突破いたしました。御存じのように当初予算で五十億を土地改良事業に投入しているのが、三十九億しかない、それに五十億もお申込みがございましたので、今後申請なさつたかたはいつ金が受けられるかわからないというような心配がございますので、これはおもしろくないので府県別の枠を作りまして、この枠の作り方は、各県から報告のございました要土地改良面積というものがございます。これに基きまして土地改良面積を出しまして、それに応じまして、更に現在その当時における申請金額がございますから、その金額と要土地改良面積との双方を勘案いたしまして、府県別の枠をきめたわけでございます。更に第三四半期、第四四半期の枠もきめることになつておりますが、これも予め申請書を、その枠にかかわらず、おし出願いまして、その枠の申請が多ければ、その分だけはその県の枠が多く行くというようなきめ方をいたしております。具体的な取扱いはその枠の中で府県庁に申請のあつたうちから順位を付けて頂きまして、その順位通り決定をいたすということにいたしております。それ以外の理由につきましては、現在補正予算と睨み合せまして、年間の枠をそれほどオーバーするというものではありませんから、特別の枠は作つておりません。水産関係のほうでは製氷、冷凍施設は特別な取扱いをいたすつもりでおります。
  93. 宮本邦彦君(宮本邦彦)

    ○宮本邦彦君 ついでに御希望だけ申上げて枠の問題はやめたいと思います。実は東京都を聞きましたら、東京都は枠が余つているそうです。土地改良の非常に盛んな茨城やあつちのほうでは、枠がないからお前のほうは駄目だというので、県で皆断わつているそうです。片方では枠の余つているものがあり、片方では困つている、そういうことを私聞いてから一カ月以上経つのです。こういうものの措置を早くして頂くことは、この資金の運用を活機にするので、私非常に希望したいと思います。どうぞその点御協力願いたいと思います。それから枠の問題はそれだけにいたしまして、次に承わりたいのは、この貸付に対する審査でございますが、この審査は、決定農林省でなされるということは知つておりますけれども、銀行がやはり同様に審査されるわけであります。実質的に審査の決定権といいますか、実質的なものは農林省にありますか、銀行にありますか、そうしてその目標をどういうところに主眼点があるか、それを承わりたいと思うのであります。
  94. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) これは法律を御審議願います際に御説明いたしました通り政府といたしましては、受託金融機関が貸付けて間違いないという意見を具申して、更に所轄の県庁から行政上貸付を適当とするという意見の両方合うものだけにつきまして決定をする、従いまして、どちらか一方が貸付を不適当という意見等がございますれば、政府として貸付いたしません。さようなわけで、実賃上の審査と申しますか、金を貸して大丈夫回収できるというような判定は全部受託金融機関のほうにお願いいたしております。
  95. 宮本邦彦君(宮本邦彦)

    ○宮本邦彦君 これは非常に表面的な御説明で私もこれ以上繰返しません。実はどこかに、金融機関にあるのか農林省にあるのか、これは必ずしも農林漁業金融だけの問題でないのでございますけれども、非常に杓子定規というか、そういう貸付の仕方があるのじやないかという気がしてしようがないのであります。これは御存じのように今日の日本としては、土地改良だとか、そういつた増産面の事業には、一粒でも余計米をとりたいというような希望が国民全体にもあるし、又国としてもなければならんと思うのであります。ところが金融については一般銀行の考え方で以て考える、農林省計画その他を見て、そうしてその線に則れば貸してもいいのだということだけで以て、それ以上突込んでおられないように思うのであります。実はここで私具体的に一つの例を申上げます。十カ年間くらいの国営事業が、現に施行中のものがあるのであります。それが昨年までの地元分担金が、これはいろいろな金を借りて来て工面している、これの借替えはいけないけれども、新規のものはよろしいというような扱いでお断わりになつておらるるそうであります。とすれば、これはむしろ借替えて、過年度の債券を借替えておくということが何より大事なことじやないか、組合としてはそういう場合は新規のものに貸すけれども、よそから借りて来て過年度で苦労しているものには借さないのだという扱いをして、これは非常に組合に対して気の毒な態度ではないか、これは是非お考えおき願いたい。それからもう一つは、現在工事が二カ年事業で以て工事が進行している。ところが農林省のほうの補助金はこれこれだ、けれどもちよつとポンプ設備か何かを急いでおけば、来年の作付に楽に間に合うというような工事なんです。ところが農林省の認定しているその年度の範囲内の地元負担分しか借さない、翌年度分は当然継続事業としてやられるべき筋合のものであるから、少くとも地元負担分ぐらい借してもらえば、この工事は来年の作付に間に合うというように、実は具体的なことを申しますと、農林省へ行つて折衝しているのですが、実はこれもお断わりになつているのです。こういうことは、農林漁業の特別資金の性格から言つてちよつと杓子定規の考え方じやないか、ここらについて農林省としては、もう少し本当の事業のあり方を一般銀行ならば必ずそれは貸すのでございます。市中銀行なら……。そのほうが金融は確実に成果を挙げ得るのであります。そして事業の目的をより効果的に達成できるのですが、ところが官庁金融であるために、それができないということは私ちよつと杓子定規だ、こういうふうに申上げたわけなのです。こういう点について今まではいけなくても、今後何らかの途を開いて頂けるかどうか、そういうことを承わりたい。
  96. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) 杓子定規というお話でございましたが、よく私どもも反省いたします。いたしますが、今までの杓子の基準を申し上げますと、実はこういう考えを持つておるのでございます。今お話のございましたような補助事業の繰上工事、これを例えばポンプ一台据えればできるということは確かにその通りでございます。ただ来年度必ず補助金が出るという、これは予算との関係もございますから、必ずしも確言はできませんが、大体見当は付くわけでございまして、そういうものにつきましては、市中銀行でも自己資金での繋ぎができるはずでございます。現に今年の春銀行のほうにお願いいたしまして、三十五億円だけ二十六年度の事業の繰上工事をやりました。そういうわけでございますから、補助金の分までこちらが繰上げてお貸ししますと、本来なら市中銀行の金を動員して努力なされはできるはずである。それをこの特別会計の金まで食込まれますと、本来全然補助金のないような非補助事業だとか、そういうふうな資金需要も要るのでございますから、そこまで食込むのは少しほかのほうにお気の毒じやないか、こういうつもりでやつておりますが、なおよく反省いたして考えて参ります。それから借替の点でございますが、これも又やはり資金量との見合でございまして、新規に向つての事業効果を狙つているので、つまり事業をやりたくてしようがないが、金がない。金がないために手が付かんというのを重点的に考え、無論将来この資金が潤沢になつて来れば、これは十分考えることができる。今のところは遺憾ながら金がないために新規に向つての事業だけを重点的に考えている、かようなわけでございます。
  97. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 この特別融資の金は非常に重要な金で、各県各農家が非常に期待をしている金でありますが、如何せん金の枠は非常に少いのでなかなか思うように参らんわけで、あります。肝心な融資方針の対象になるものは大してありませんが、今まで割当になつて来たその申込を受ける、やり方がこれではいかん。何らかこれから変えなければならんと思つておられるか、おられんか。
  98. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) 私ども政府の機関が面接窓口でやつておりませんので、すべて金融機関の窓口を通しておりますために、そういう申請者からの直接の苦情というものはまだわからんのでございます。
  99. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 課長はよく知つているのですが、枠がないのに申込みは非常に殺到して、これではどうもならんというので、各県に一応金額、人名を書いて、そうして順位を受けろ、こういうことになつておる。順位によつてやるより方法がないという。ところがその順位たるや非常に不可解なものであつて、これでは非常にいかんと思つております。それは金融の枠が今のところ非常に少いのですから、少いように扱わなければならんと思うのです。ところがそうでない。県の順位をまつすぐに受けるとそういうことにならんのであります。そこで県によりましても一様には言われんと思います。なかなか簡單には考えられない。そういうことですから、今までのような、同じような申込窓口ではないと課長はおつしやる。窓口は窓口だが、最高の決定はあなたのほうでおやりになる。そこでいろいろな方針はそこでお示しにならないと相も変らんことになる。又いろいろな文句が来ると思う。僕の北海道なんか、これを見ると全くばかげた話です。まだ何とかやつてるそうだが、これを一遍知事の名前で来たものを、これは間違つておりましたなんて、そういうことになつたんではうまくない。これを見ると実にどうにもならん書き方です。全然これは違うことです。だからそういうことになつたんではいかん。道庁におる連中も人間です。最初に土地改良課なら改良課と、事業についての相談はちやんと済んで来ておる。それで農林省でも貸すことは貸すのですから、決定がしてあればよいが、この工事が適当か適当でないかということを見ればそれでいいと思う。こういうような決定を見たりすることは非常にまずい。これから改めるということでないと、とても足りない。迷惑するのはこつちばかりだ。だからそういうことでなしに、農林省からそういう順位を今度から変えてやる方針はないものかどうか。
  100. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) 貸付決定報告で御覧のように、すでに一千件オーバーしておるような申請がございますので、その個々につきまして、誰が適当であるか適当でないか、或いは事業の緩急の順序というものは農林省で一々見ることはなかなかむずかしいと思うのでございます。そこで一番事業を知つていると思われる県庁にお願いしたのですが、それに若し弊害があるようなら又やり方を考えなければならん。一番公平なやり方は、住宅金融公庫のように抽せん機でも廻すのでございますが、土地改良というようなものには緩急の順序がおのずからあるのではないか。抽せん機を廻すのも余り芸のない話だと、今のような制度を設けたのですが、若し弊害があり、更によい方法があるならば、いつでも改めないと思つております。
  101. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 私はこういうふうな取扱いでは駄目だと思うのです。今の状態では復興金庫と同じになつてしまう。それから中小企業庁が金を貸し出したりすれば同じになる。こういうことを心配する。というのは、北海道はしよつぱなに大体これの半分と思う四千七百万円の金を融資した。その人が今度又四千三百万円筆頭に書いてある。だからこの金がないのに枠がどんどん殖えて……、余れば別ですよ。そうでないのに、非常に他の県もお困りになつている。北海道も困つている。そのときに一つのものに対して九千万円も貸さなくてもいい。私はこの金は貸して欲しいと思うが、こういう際はやるべきではない。金がもう少し順調になれば、そういうものに貸しても結構ですけれども……。金庫が二割も損失を補償してやらなければならん。そこで金庫自体から見れば事業主体が堅実であるという保証がついてさえおれば、貸付主体を先ず考えなければならん。そうすると、一夜作りに作つたような団体を相手にして、一体金を貸したらどうだろうか、私は今も金庫へ行つて、今朝別のことで話をして参りました。そういうことでなしに、やつぱり金を貸す以上は償還というものを考えねばならん。そこをよく考えてもらわんと非常に今度の金の貸し方には不満を持つておる、遺憾な点がありますから、お聞きしようといたしたわけなんですが、現在申込を受けて今やつておる姿、私はこれはいかんと思う、と申しますことは、日時を切つて何月何日までに申込をせよ、そのまま一つに縮めておいて、そうして一遍にずつとする、そうせんと、到着順序の形では、到着順序の内容を調べて見ると、内容にミスがあつたり、偉い人がいろいろなことを言つたりして到着順序にならないように思われる、表面ではやはり到着の順序になつているが内容はそうなつてなく、非常に不自然なんです。そうでなしに全部日にちを切つてそのときに処理する、こうなればいいと思う。これは窓口ではなくて、農林省のほうでそういうことをちやんとお示しにならんとできんと思うのですが、そういう形にならなければいかんと思う。今後若しおやりになれば、又一年同じことになる。この決定報告を見ますると、非常に県によつてまちまちなんです。いろいろな部面について見れば見るほど非常にミスがあつたり、穴があつたりしていかんと思う。これは大事な金ですから、念にも念を入れて吟味して払つてもらわなければならんのですから、そのつもりでやらなければいかんと思うのですが、金庫は一体どうなんですか、この償還ができると思つておるのですか。一例を挙げましようか、一例は雄武の小水力など償還ができると思つて、ああいう一夜作りのものに貸しておるのかどうか。これは私のそばなんですが、非常に政治力でやられたことは事実らしい。だから課長は知らんかどうかわからんか、中央金庫と農林省に圧力をかけて、そうしてやつたという話であります。それはどうかわかりませんが、そう思われる。だからあの八千百何ぼですか、まだ金が行つておらんのか工事が始まらんでおるが、三百五十や三百の組合を一夜作りで作つて、三百万円くらいの出資をしたものに対して償還できると思つて貸しているのかどうか。とにかく八千百何ぼですから、一億以上の工事でなければ八割にならんと思う。そうすると、五百キロワット時以下の小水力になつているにもかかわらず、そんな高い、工事費がどこに要るか。非常に架設の距離が長いということを聞きました。ところが現在物が高くなりましても、恐らく六里ぐらいで見ればいいと思う、六里の高圧電流線を引張つた架設でも一千万円あればちやんとできる。だからそういうことをどこまでやるか、一応貸付をする肝心な窓口におる融資部長はどう考えておられるか、それをお開きしたい。
  102. 参考人(富田武一君)(富田武一)

    ○参考人(富田武一君) 岡村さんのおつしやいました雄武の点でありますが、これはおつしやる通り非常に大きな金であります。小水力の年間の枠がたしか一億四千万ぐらい、そこへ持つて来て北海道から約三億余りの申込が出ておると思うのです。それで北海道の分はどれを見ましても、非常に大きな金額ばかりなんです。六千三百万円くらいのものが大部分として、そうしてその中に雄武というものがあつたのですが、今政治力その他で押されてやつたのじやないかというようなお話なんですけれども、これは私どものほうとしましては、これはああいう技術的なことは私にはよくわからない、だからそこで念には念を入れるために私のほうから特別の調査をする人をやりまして、調査いたさしたのです。それから又なお北海道庁の御意見は勿論、北海道開発庁の御意見、それから政府の農業改良局の御意見、皆さんがたの御意見を篤と伺いまして、それで政府のほうと十分御連絡をとつて、それで一応あれを決定いたしたのです。ところが私のほうは決定いたしたので、政府のほうへそれを申請いたしまして、政府のほうでは更になお工事が順調にできるかできないか、もう一遍審査しなければ金を出さんというようなことになつておりまして、それは御尤もだと思うのです。それでなお今から更に北海道庁か、或いは場合によつてはこつちの資源庁のほうから人が行つて頂くというようなことで、我々は万全を期してできるという見通しが技術的にもその他を見ましても、確実ということでなければ、現実に金が入るということはないと考えております。
  103. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 人間は勘というものがある、これは実に大事なものです。そこでそういう一夜作りのもののそういう申出を、勘でなくとも通産省に聞くのも結構だし、資源に聞くのも結構です。それで今の電気小水力の最高の工事費一キロ当り十五万円と見れば、それは最高の工事費です。どんなものでもそれはでき上るということになる。ところがそれをやつても、自家電力でなくて商売に使わなければ償還ができんと思う。それが満足に償還ができるかできないことはすぐわかると思う。若し八千万円の二割入らなければ一千六百万円損する、前以て勘でちやんと知つておかなければならない。そんな貸し方はない。北海道は大きなものですから、私は全国を歩いて見ると、今小水力で許可した決定というものが十五ある。ところが我々のほうでは今の雄武が一番大きいので、あとは三千万円ほどでありますが、みんな大きくないのです。今の雄武の小水力については、幾ら考えて見ても復興金庫とどうも妙なことになりそうです。これじや我々が折角骨を折つて、そうして金庫も八億の融資ができておりますが、どうもこんなことをやられたのではかなわん、そう思つておりますから、嚴重に言つているのですが、ここで言わなくてもいいですが、やはりここで言わないと、どうもピンと来ない、これは改めてくれないと重大なことになるので、農林省のほうで窓口のしつかりしたところを持つているのだから、金庫がいいと言えば貸す、こうおつしやるが、そうではない、ぼくはそうではないと言い切る。それはいろいろの事情があると思う。非常に複雑な世の中ですから、妙なものに捲き込まれて、そうして思うようなことをされますと、非常に申訳がない、我々が悪いことになる、だからそうならん前に大いに注意をするのですが、金銭のことですから公平にやつてもらわんといかん。私は書類を余り詳しい見ていないのですが、これだけはよく見ている。昨日もらつてからすつかり読んでいる。だから九州に何ぼ払つた、九州ががやや言うても、福岡が一番多い。自分が金融をやつている関係もあるし、責任もあるのですから、ずつとこれを見ているのです。これを有効に、やろうとするには、全く公平無私にやらなければいかんと思う。一番困つたことは、現業といいますか、土地改良なら土地改良のほうで貸して行くか行かんかということは御免こうむらなければいかん。その事業は適当か適当でないか、これは見てもらわんといかんが、あとの貸して行くやり方は金庫のほうでやるべきだと思うのです。それを現業のほうで抑えたんでは、これはどうにもならない。一体どうするのか。最初のうちはずつと貸して、全体で十二、三億、十四、五億になるまでは、酸性土壌であろうと、小水力であろうと貸して来たんです。それをここらへ来てから酸性土壌、小水力ではいけないというのです。それは現業の仕事なんですから、恐らく中央金庫でも農林省のほうでもそういうことはお考えになつておらんと思うのです。それを最初おやりになつておることを行わないということは、借りるほうでは不公平だと思うのです。金がたくさんになれば、それは出るでしようが、これからは我々は仕方がないからうんと資金の面を大きくして、そうして全面的に便宜を與えるようにして農産物を増産しなければならんと考えておるのですが、今のような貸し方ではいけないと思うのです。それからもう一つお聞きしますが、八木農場にはどうすべきか、私は八木農場には貸すべきだという意見を持つております。これは個人ではやつておるが、国家の土地改良事業としてやるんだから、日本全国であれだけの土地改良事業をやつておるものはありません。併しながら八木農場に九千万も出すことは今は適当でないと考えているが、どう考えておるか。
  104. 参考人(富田武一君)(富田武一)

    ○参考人(富田武一君) 八木農場といいますのは、岡村さん一番よく御存じなんですが、あれは本当はまあ農協と言いましても、個人的の色彩が非常に強い農協なんです。併しまあ特殊の事例で、噴火湾の沿岸の一部であれだけの農場を新設するというその仕事の熱意なり、今までおやりになつた結果を見まして、私どもはこの特融資金というものが出る前から、あの八木農協というものには自己資金で以て若干応援して参つたんです。ところが今度特融資金が出て来るということになつて来たときに、丁度あの仕事も差当り土地改良ということで該当いたします。ところがまあ仰せの通り非常に金額が大きいのです。従つてこれをどうするかということについては、あの分については特に初めから農地局ともよく御連絡をとりまして、そうして第一回の分だけは四千何百万でしたか、北海道庁の意見、それから又私どものほうはただ北海道庁の御意見を聞いておるだけではなくて、更に農業協同組合の連合会の信連の御意見も承わつておるわけです。その信連の御意見もございますものですから、その点でまあ第一回の分はやつたわけです。あとの分は農地局からも調査においでになつておるし、私どものほうからも係を派遣いたしまして、そのほか札幌支所で相談いたしました結果、一応札幌支所としては更に念を入れて北海道大学の教授まで使つて実情を調査いたして、その結果が私どもの手許には来ております。併しまだ採用決定をする段階ではないから、決定はしないで待つてつてくれというので、あとからなお念を入れて調査をしなければならんという回答でございますから、保留いたしてございます。
  105. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) 一言申上げておきたいのでございますが、現在の受託金融機関が二割の損失補償をしておる。その二割という限度については、これは疑問があると思います。当初は私ども全然経験がないものですから二割見当でスタートして見たが、余り受託金融機関の負担を重くしますと、折角借入希望があつても審査が非常に嚴重になつて、そうなると資金がありながら金が出ないということになる心配がある。将来共同施設、それから今ございましたような事例、こういうものにつきましては、現在の二割という受託金融機関の責任限度を引上げるということが審査の公平を期するのに一番いいのではないか。ただ年度途中においてこれを変えますと、折角申請した或いはすでに審査したものが非常に混乱を起すので、年度途中からこういう基準を変えますことは差控えて、明年度からの問題にいたしたいと、すでに現在よりこの心構えで今準備を進めております。それからとにかく府県別のこの枠は、申請に比べまして非常に少いものでございます。それに対しまして数倍のものが殺到するわけで、何か選択の基準がなければならん。私どもといたしましては、地元の県庁が一番それをよく知つているという考えでやつたのでありますが、若し今御指摘のような懸念があるということになりますれば、この方法も更に考え直さなければいかんと、かように考えております。
  106. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 融資部長のお話のように、私どものほうでもちやんとこれを調べております。ところが八雲の八木農場と石狩の花畔農場の造田は、最初から何とかしなければならんというので、金庫のほうから意見を求めて参りまして、そこで私は貸すべきだという意見を出して融資してもらつた。それだからどうしてもこれはしなければならんと思つておつた。もうしよつぱなに八木農場も、それから花畔農場も借りて、両方とも四千万円以上なんです。ところが又追つかけてそれを貸してくれるとは今は考えておりません。それで私どものほうの審査したものはおおむね意見はついております。これは意見を見て下さい。それから八木農場の四千三百万円の申請は、函館の塵芥をとつておりますが、その塵芥をとるところの処理、三千万円からの鉄筋コンクリートのものがあるのです。それを今土地改良の名義で借りなければ、もう借りられなくなるということを八木さんは言つております。私は八木さんにはつきり言いました。今はその金は駄目だと、あなたが何ぼそういうことを言われても、前に四千七百万円借りているのだかろ、四千七百万円の金は八木協同組合とは言いながら三十五人の血族組合なんで、何も大きなものではない、そう貸したのでは困ると思うし、金がないから次にしなければ駄目だということを言つておきました。金庫には頼んでやらんということを、これははつきり言つておきました。金を貸してはいけないということは言わんが、今は駄目だと、それで課長のおつしやる通り、北海道庁のやつておるものを主体に考えておる。道庁の名義で土地改良をやつておる。土地改良というものは、ばかに大きいものよりも細かいものをたくさんやるほうが土地改良の効果が非常に挙りやすい。大きなものも結構ですが、そのために一遍に八千万も一億も出すということは非常に脇にも影響があるから、徐々に緩急を図つて金融すべきであると思うから、それを申上げておるのです。それから八木農場につきましても、融資部長がお考えになつても、一億円近い融資をしてやつて年々償還をして行くには、やはり一千万円以上の金利償還になると、そういう金利を付けて償還することはできんと思う。八木農場の農業の収入で一千万円以上の利益金を挙げて払つて行くということは非常に困難である。そういうものを貸したがために困つておるものが何ぼでもありますから、そこは貸すほうで考えなければいかんと思う。だから大いに注意をして、北海道庁の連中を信用してお貸しになるというなら、あとからでもどんどん追及して行くべきだと思う。岡村さんそういうことを言うが、北海道庁のことなんで、北海道庁のやつていることがいかんというなら、北海道庁のやつている連中がいかんから駄目なんだと……、そういう順位なんというものは現業のほうで見なければ駄目なんです。適当か不適当かということは、工事のことをお聞きになることは結構だが、それからあとは貸すほうの側でおきめにならなければ、そんなものを聞いても何にもならない。そこが違うのです。土地改良課に行つたところが、盛んにいろいろなことを言うておりました。それは土地改良ということについての技術的な面は、専門家ですから、研究も必要だし、やらなければならんと思う。ところが金を貸すか貸さんかは別問題なんです。それは金融機関でしつかりしてやらなければならん。そうでなければ金融機関は駄目なんで、只今課長のお話のように、二割という損失負担がなくなれば政府の損なんで、これは何とも言えんでしようが、それでも私は又復金と同じようになつたのでは国家が損をするから、これは非常に大事な金ですから、金が余つて困るようになるまでは、厳密に不公平にならないように日本全国に與えることが一番よいということを考えているのですから、そのつもりでやつてもらいたいと思うのですが、駄目かどうか、一つお伺いしたい。
  107. 説明員(富谷彰介君)(富谷彰介)

    説明員(富谷彰介君) 岡村さんは少し誤解がおありじやないかと思いますが、こういうことなんでございます。金融して悪いものは一切駄目なんでございます。申請が十ございまして、その中で受託金融機関が審査をして、これは当然危いというものははねます。仮にはねたものに対しては県庁がこれを貸していいと言つて参りましても、私どもは貸しません。私ども受託金融機関が審査して先ずふるいにかけて、ふるいにかかつて残つたものだけが県庁の方に参るわけでございます。それでございますから、さつき申上げましたように、何とか選択の基準がなければいかん。その選択の基準として、土地改良事業のごときは金融機関が金額の少いものから、或いは受益者が多いものから選択をやるよりは、県庁が一番よく知つているのではなかろうか、こういう一応の考えで、いろいろこれに意見がございましたから、私なおもつとよく研究をいたしたいと思いますが、今まではそういうつもりでやつたわけでございます。それから受託金融機関の二割と申上げましたのは、二割の金融を低くするのではなくて高くする。その受託金融の五〇%の補償を、見て、或るものについては一〇〇%見て、このように二〇%の補償でどんどん申請するのでございますから、もう少し上げて行つて金融の公正を期するという時期がもう来ているのではないか、かように考えるのでございます。
  108. 岡村文四郎君(岡村文四郎)

    ○岡村文四郎君 ちよつと誤解があるからいけない。北海道庁の書類を見ればわかるのです。同意を主にして申請されては、それでは困るんです。同意を主にして申請するというものはないんです。それだから同意を主にしてはいけないと、それを僕は言つておるんです。そういうのなら初めから同意を主にして申請すればいい。そうではなく、北海道庁とよく審議してよろしいのから申請して出して行かなければならん。それにもかかわらず同意を主にすると考えていることは、二割と書いてあるが、そういうのでは困るんで、そうでなしに申請して金融機関でやつてもらいたい。
  109. 委員長(羽生三七君)(羽生三七)

    委員長羽生三七君) この問題はこの程度にいたしたいと思いますが、この農林漁業資金融通については、最初の百億の要求に対して変更があつたようでありますが、今お話の八〇%程度確保については一つ十分御努力を希望いたします。  本日はこの程度で散会いたします。    午後一時三分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            溝口 三郎君            三浦 辰雄君   委員外議員            三好  始君   事務局側    常任委員会專門     員       安樂城敏男君   説明員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省大臣官房    農林金融課長  富谷 彰介君    農林省農政局長 東畑 四郎君    食糧長官   安孫子藤吉君   参考人    農林中央金庫特    別融資部長   富田 武一君