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1951-09-20 第11回国会 参議院 農林委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月二十日(木曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○農林政策に関する調査の件  (昭和二十六年産米価の件)  (砂糖配給統制の件)  (麦類統制の件)  (農林行政機構の件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。最初にお諮りしたいことがございますが、それは三好委員に代つて今度山崎さんが当委員会委員になられましたので、御紹介申上げます。なお民主党からは岩男さんが当委員会理事になつておられたわけでありますが、岩男さんの辞任に伴いまして、欠員となつておる理事の互選をいたしたいと思いますが、その方法は従来の例によつて委員長に御一任願つて異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは理事山崎恒君にお願いいたします。  本日の委員会開会の趣旨は、先にも御案内申上げた通りでありますが、御承知通りに、昭和二十六年産米価の件につきましては、最初決定といいますか政府の発表といささか事情を異にしたような様子も見受けられますので、先ずこの件に関して審議を続け、続いて麦類統制問題に関しましてもいろいろと事態が進展しておるようでありますので、この問題の所在を更に明らかにし、続いて御承知のように農林行政機構簡素化に関しまして当農林委員会関係の種々なる部門相当問題があるように考えられますのでその問題について御検討を煩わたいと思うわけであります。そういう意味で本日の委員会開会したのでありますので、御了承をお願いいたします。  先ず最初昭和二十六年産米価の問題から入りたいと思います。この件について三橋委員から発言をされることになつております。
  4. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 本年度米価生産者価格は、去る七月十八日の閣議におきまして九月末のパリテイ二五〇、特別加算率を五%といたしまして、石当り七千三十円と決定したのでございます。更にこれに基きまして八月の一日から消費者価格を改正いたしまして、予算的措置も一切完了したというようなことでございますが、その点如何でございますか。
  5. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) お尋ねの通りな線に沿いまして今度の二十六年度補正予算編成をいたしました。ただ補正予算を正式に国会に提出いたしまして御審議を経るまでにはなお若干問題はあろうかと思いますが、只今お話の線に沿いましてこの補正予算が成立するように努力したいと思つております。
  6. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 次の問題は、新聞の伝えるところによりますると、その後農林省におきまして暫定価格として石当り六千六円とあるのもありますし又六千百六円というのもありまするが、こういうように決定したと聞きますが、これが本当であるか、どうか、然りとすればその決定理由及び基礎はどういうようになつておりますか、お伺いしておきたいと思います。
  7. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 米価決定は、供出の始まる前にきめるのが本当でありますが、いろいろないきさつから、従来とも十月の末或いは十一月、ときによりますと十二月等にきまるような状況であります。併し供出のほうはその前からどんどん進行いたしておりまするので、仮払価格というものを従来とも作つております。この仮払価格は、従前は前年の米の三等でありましたか、四等でありましたかの価格をそのまま踏襲いたしておりました。その方針で以て参りますれば、今年の米につきましても昨年の米価の三等或いは四等の価格を仮払価格にきめることが一つの習慣になつておるわけであります。併し私どもといたしましては仮払価格でもできるだけ高くきめたいという意向を以ちまして、いろいろ検討いたしたのであります。パリテイ指数を幾らに見るかという問題になりますと、関係方面との交渉におきまして水掛論になつて収拾がつきませんので、結論といたしまして予算米価を使おう、これなら若干議論はあつても押切れるということで、結局予算米価をとつて払価格にいたしたわけであります。従つて、従来の方針のように、前年の三等なら三等の価格基準にいたした場合に比べますと石当り三百円程度高くなつておると存じます。まあそういうようないきさつで仮払価格をきめたのであります。御了承願いたいと思います。
  8. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 石当り七千三十円でありましても生産者といたしましては必ずしも満足すべきところではないのでございます。併し一応この線によつて底値は確保されたものと考えるのでございますが、併し若し今後パリテイ指数予定よりも下向きになつたというようなことがありますれば、特別加算額を増額することによりまして七千三十円の底値を確保せられるものと考えるのでありますが、この点につきましては政府の御意向は如何でございますか。
  9. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 米価決定方式といたしましてパリテイ計算方式による、それに今年の米については五%加算するというようなことが御承知のように本年の暫定米価、麦価の決定に伴いまする暫定米価をきめます際の状常にやかましい問題であつたのでありますが、結論はそういうことになつております。従つてパリテイ指数が二五〇という点を下廻るというようなことになりますれば、そのままの形で行けば七千三十円を割るという結果になると思います。併し大体生産者気持といたしましてはパリテイ指数というようなものよりも、七千三十円という価格決定をされたという非常に強い印象を持つておるわけであります。又供出状況からいたしましても、相当本年は供出について御努力を願わなければならん事情もございます。又物価の今後の趨勢を考えましても、必ずしも低い指数で行くということでもなく、若干尻上りの状況になるのではないかと思つております。その辺彼此考慮いたしますれば七千円台の米価というものはどうしても我々といたしては確保すべきであるというふうに存じます。これを実現するにつきましては相当問題はあろうかと思いますが、私どもといたしましては七千円台の米価是非実現をいたしたい、そういう線に沿うて努力をいたして行きたいというふうに存じております。
  10. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 この問題についてもう一遍念を押しておきますが、若し指数が下りまして七千円台を確保することができないというような計算が出て来た場合に、最初特別加算率五%というようなことであつたのでございますがパリテイ計算によつて七千円台を割るというようになつた場合におきましては、特別加算額を増しても又その他の方法によりましても、勿論そうして頂かなければいかんと思いますが、特別加算額一五%にいたしましても、七千円台を維持して頂くということになるわけでございますか。
  11. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) パリテイ指数が二五〇を相当下廻るということになりますれば七千円台の米価を実現するためには、只今お話のように、特別加算額の五%を従来のいきさつを一応御破算にいたしまして、一〇%でありますとか、一五%というような考え方をとりまして、その点を理論付けるということが一つ方法であると思います。なお又米価審議会専門委員会等におきまして、新らしい価格算定方式一つの答申を得ておりますので、その辺の算定方式を考慮するということも一つ方法であろうと思います。その辺はいろいろな方法を併せ講じまして七千円台の米価を実現いたしたいと思つております。
  12. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 パリテイ指数決定に当りまして、従来は公定価格というものが大部分にとられておつたのでありますが、最近は自由価格物資のものがたくさんあるのでありますが、この自由価格物資につきましてはどういう方法によつてこの指数計算しておるのか。米作農村で実際に購入する物資価格価格調査方法如何によりましてはその様相が甚だしく変つて来るものと思われるのでありますが、これらの事項につきましてはどういうようにお考えになつておりますか。
  13. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 自由価格のものにつきましては申告をとりまして、それを材料といたしまして取扱い計算いたします。
  14. 江田三郎

    江田三郎君 若しパリテイ指数予想より下廻るようなことがあつても七千円台の米価は何らかの方法で実現したいと、こう言われましたのですが、先だつて一部の新聞を見ますというと六千六百円というような価格も想定されると、そうしてその際にも消費者価格の一八%の値上げのほうはそのまま据置いて、従つて出て来るところの食管の余裕金一般財政のほうへ繰込むのだと、こういう意見が強力であるというようなことも一部の新聞に出ておるわけなんですが、そういうような意見もあるのかどうか。それから七千円台の米価ということは、そういうようにやつて行きたいということを言われますが、いつの場合でも農林省のやつて行きたいということは、最近は殆んどこれは外れておるのでありまして、ただ米価だけでなしに、或いは長期金融の問題にしても、或いは単作地帯助成金にしても、殆んどすべて外れて来ておるのですが、そういうことを言われるのは一体農林大臣も同じ意見なのか、大蔵省も同じ意見なのか、そういう点をはつきりしておかんと例によつて例のごとく、あなたのほうだけうまいことを言われまして、あとで外れてしまつては何にもならんもう少しはつきりして頂きたい。
  15. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) ちよつと速記をとめて下さい。
  16. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止
  17. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  18. 江田三郎

    江田三郎君 米価の問題だけでなしに最近いろいろの点を見ておりますと、特に農林関係というものは非常に軽視されておるように思うのでして、いずれあとから出て来るところの行政機構の再編成の問題についても、或いは今度の補正予算の点についても、従来から見まして、ここで急激に農林関係を軽視したところの政治が行われそうに思われるわけです。そういう点私は今七千円台の米価についての見解は承わりましたけれども、非常に不安を持つわけなんでして、これは一つ農林大臣も或いは長官もまさに職を賭するくらいの意気込みでやつてもらわなければとても解決できんのじやないかと思うのです。そういうことは六千六百円というようなああいうようなお答えというものは理論上出て来ると言つて理論上出て来ない場合があるのです。理論上出て来るとすれば消費者価格も出て来るわけで、そういうものと総合されて七千三十円というものは私はむしろあの七千三十円というものは五%の特別加算ということだけでなしに七千三十円というほうに重点があつたと思うのです。ほかの消費者価格その他との釣合いにおいて何%加算するということは要するにつけ足りであつて、七千三十円というところに重点をおかれて決定されておると思うのでして、それを今になつて更に下げるということは理論的に言つても大きな間違いであるし又これを第一歩として次々に農林関係予算面或いはその他の面において従来よりも非常に軽視される政策をとられるということになりますと我々農林行政に関心を持つ者としてこれは断じて承認できないのでありまして、我々だけでなしに、恐らく全国の農民として承認できないと思うのでありまして、この点は長官のほうとか、或いは大臣決意を聞きたいと思うのですけれども、おられませんから仕方がありませんが、よほど強い決意を以て当つて頂かんと相当困難ではないかと思います。それを希望として申述べておきます。
  19. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私もこの米価の点で過般の決定いきさつ一つお聞きしたいわけですが、今の五%というのは、パリテイ指数を二五〇と見てそれで計算した価格に五%を掛けた最後の絶対金額で話がついておるわけですか、或いは飽くまで五%という比率できまつておるかと言いまするのは政府の当初の案は、一〇・二%という政府の当初の案はそれを掛ければその絶対金額が大体前年度特別加算額と同じ金額になる、こういうことで最初の案が一〇・二%という結果的な比率が出たわけですが、そういう点から見て行くとやはりその一〇・二%がいろいろ交渉の結果五%になつたのもこれはやつぱりそれを掛けた絶対金額を私は言うておるのではないか。そうなりますればパリテイが下つて特別加算額のほうは、これは変りがないのであります。従つてその比率は或る程度上つて来ると思うのです。こういうふうにその当初の考え方からすればそういうふうに私は見ることができると思いますがその辺の決定の経緯をこの際お伺いしておきたいと思います。
  20. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 私ども七千三十円見当の米価ということでいろいろ交渉いたしまして、結論は一〇・二%の特別加算を五%に切つておるわけであります。勿論交渉経過、或いはそうした結論を得ようといたしました基礎としての各般の情勢、消費者価格でありますとか、或いは財政でありますとかいう方面との均衡、調整考えてそこへ持つて行きました。それがパリテイ指数に五%を加算するという形においてきまつたのでありますから内容的に又私どもの感じから申しますれば、七千三十円というものが一つの確定をした金額のような気持に我々はとれるのでありますが、併し結論としまして関係方面との最後の線はパリテイ指数に五%を加算した価格ということで米価がきまつておるのであります。そこに何と言いますか、スライデイング・コネクションを以て七千三十円は絶対価格である、従つてパリテイ指数が下れば特別加算を自動的に上げて七千三十円にすると、パリテイ指数が下ことに比例をして特別加算額の率は上るんだというような了解において決定はいたされておりません。
  21. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ちよつと私の質問と違つておるのですが、私は七千三十円を勿論主張いたしませんが、それと別に基本米価パリテイ米価は下つて特別加算額だけはこれは五%という率が基準であるか。当時の基本米価に五%を掛けた絶対額が結論であるかということであつて、七千三十円へ持つて行くまで逆算的に比率を上げるということは私ども一つ考えであるが、その内容一つとして特別加算額がこれが絶対金額であるか。五%という比率がこれが不可動のものであるかという点を実はお開きしているのです。
  22. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 五%という率はきまつておるのでございます。これは絶対金額でございます。
  23. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 米価の問題は各委員から大分御質問がございまして、私からお聞きすることもないのですが、私からお聞きしたいと思いますことは、今年も手持在庫関係早場米供出をやつてもらうべく計画されておるのでありますが、予算関係があるので、今まで二、三年やつて来ましたように予算金額に当てはめて供出する量を今までの実績と睨み合して各県に割当てておられるのか、お聞きしたいと思います。
  24. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) やはり予算に合せまして大体各県の供出予定数量というものを示しております。それにこれも御承知かと思いますが、六十億から三十億に減りました関係から去年は一期の早場米奨励金は千円でありましたものが五百円にいたしております。それから二期のほうは七百円でありましたものを四百円にいたしております。三期は去年は四百円でありましたものを百五十円にいたしております。それと供出予定数量とを掛けた金額を府県に内示をいたしまして六体そこで収まるように各町村間の供出調整もとつて参るということを指示いたしております。
  25. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は実は十六日の晩に日本で一番相対的に早場米供出は早いという石川県に単独で行つて見て参りましたが、今最も盛んに供出をされておりまして五カ町村を歩きまして激励をして参つたのでありますが、日本手持在庫の状態が思うようになつているならば今のお話のように非常に出ると思うのでありますが、若しそのように行かないで配給不円滑を来たすような虞れがあるとするならば、石川県のようなところは特にお考えになつて、今後早場の奨励のみにすることが最も日本の食糧上適当であり、そうあるべきだと実は感じて参つたわけであります。まあ村は小さいのですから大体一日二千俵から二千五百俵の供出だということでありますが、それで各農家は十分に多いほうで十俵か二十俵車に積んで十五台、二十台と引張つて来られるのであります。どんどんその一方から急行貨物の三十トンの貨車を停車場に並べて積んでおられるその恰好を見て参りました。そこで同じような考え方で一様に扱いますことは、非常に将来若し日本に是非必要な場合があるとするならば、前々からそういうことを予期して、見越して、ああいう県は特に奨励する必要があると思つて帰りましたが、今の割当数量は絶対のものではないと思います。そこで予算金額が三十億にきまつておりまするから、いよいよ窮屈になつてもそれよりはよこさん、それをどこまでも守る、こういう考えならこれは方法がつかんと思のでありますが、長官としてああいう県は特に考慮すべきことがあるとお考えになつておるかどうか、ちよつとお聞きしたい。
  26. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 石川県は昨年は相当作が悪かつたのであります。昨年の状況からいたしますと、もつとあそこに割当てした金額は相当減るはずのものであります。只今岡村さんのお話のような事情もございますし、前々年度実情等承知いたしておりますので、その点を加味いたして割当をいたしております。従つて昨年は、実は割当てましたものが返つて来た実情にあります。今年は手一ぱいに使うつもりでございます。それからお話の点が、三十億を超えた場合にどうするかという点でございますが、若干の措置は講じなければならんと存じます。併しこれを大きく殖やすということは、現在の予算の建前からいたしかねる実情にあります。従つて県当局はさように、やかましい意味において示達をいたしております。結論的に若干の調整を必要とするであろうことは私ども承知をいたしております。
  27. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 他にこの件に関して御発言はございませんか……引続いて麦類統制問題に入る予定でありましたが、公報で御案内の通り砂糖配給統制の問題について小林委員から御発言がありますので、その問題を先にいたします。
  28. 小林孝平

    小林孝平君 最近農林省では砂糖統制を一部緩和いたしまして、業務用砂糖については統制を撤廃して入札制にするという御意見のようでございまするけれども、どういう理由に基いて現在の統制を撤廃されるのか。私たちはまだ砂糖需給関係からいたしまして、今統制を撤廃するということは、いろいろ混乱を起すのではないかというように考えているのであります。そういうようになりました経過を御説明願いたいと思います。
  29. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 砂糖統制問題につきましては、私どももできるだけ早く輸入数量を確保いたしまして、現在のようなアロケーシヨ・システムをやめて参りたいという意向を持つてつたのであります。一方米価決定の問題に関連いたしまして、消費者価格はできるだけ下げる生産者価格はできるだけ上げる、その間の調整財政で以てやる以外にできるだけ特別会計の内部におきましても、財源を一つ作つてくれんかという話もございます。まあそういうような問題もございまして、砂糖については、漸次自由にいたす方向沿つて、それも一挙にやりますことは相当混乱を起す可能性考えられますので、差当り相当アロケーションシステムについて行き詰つておりまする業務用砂糖から手始めをして、これで以て時価を出して、その状況並びに輸入状況等考えて、一般のものもフリーにするという方向をとることが適当であろうという考えをいたしましてこの十月から砂糖、特に業務用砂糖につきまして入札売却を実行いたしたい、こういうふうに措置をいたしている次第であります。大体のいきさつはその通りであります。
  30. 小林孝平

    小林孝平君 今お話にもありましたように、今回の統制撤廃の大きい理由といたしましては、米価の問題に関連して、砂糖価格引上げて、財務上の見地からこの統制撤廃を行うというような御説明でありまするけれども、それならば売却価格を現在の統制制度の下において、売却価格を必要だけ引上げたほうがいいのではないか。入札制度にいたしまして、不安定な予想価格を出しまして、それで五十億なら五十億の経費を浮かせようというのは、その財政的見地から考えれば、むしろ不安定なやり方だと思うのでありますけれども、その点は如何お考えになりますがお聞きいたしたいと思います。
  31. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 財政上の問題がございますが、その背後にやはり砂糖は漸次自由にして行くという考え方財政上の、只今申上げましたような問題をきつかけといたしましてスタートしたということでございます。
  32. 小林孝平

    小林孝平君 私はその点まだ非常に問題があると思いますけれども、すでに相当な準備をなさつて、この第三四半期から砂糖入札売却制度をとられようとしておいでになるそうでございますけれども、その具体的な内容を御説明願いたいと思います。私たちが聞いておりま範囲では、いろいろなお問題があるのではないかと思いますので、具体的な内容をこの際お聞かせ願いたいと思います。
  33. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 砂糖入札することについていろいろな意見があつたのであります。例えば相当買占めが行われるであろう、或いは思惑の跳梁を許す結果になるのではなかろうか、弱小企業体が参つてしまうであろうというようないろいろ意見もありましたので、実施の面につきましてはできるだけそうしたことが行われないようにして参りたいということで検討を続けて来ておるのであります。第一に入札資格者は現在の制度におきまする元卸業者卸売業者というふうな登録をとりました業者、それから砂糖実需者というようなものに限定をいたしたいと考えております。これは全然関係のない者の思惑を許す余地をこれで抑えたいということであります。それから一品の数量は大体二百トンにいたしたいと思つております。ワン・ロツト二百トン、最高三口までの落札を認めるということにいたしたい。これは一個人、或いは一会社等取得数量が厖大に上つて、それが思惑されるということは需給上望ましくありませんので、数量を限定いたしたいと思つております。大体そうした方向でこれを実施いたしますならば、いろいろの御批判のある点も防ぎ得るのではなかろうかということで、只今計画いたしております。
  34. 小林孝平

    小林孝平君 今一口の数量は二百トンとおつしやいましたけれども、私は詳しいことはわかりませんけれども、この実需者資格者としてお考えになつておりますけれども、二百トンの入札をする実需者というものは極く僅かではないか。従つて部分実需者はこれに参加できないということになりましてその結果弱小、持に食品工業が打撃を受けまして、入札することができないということになるのではないかと思いまして、私はこの二百トンという数字は、少くとも五十トン程度に引下げる必要があるのではないか、こういうふうな一口二百トンということでは、非常に、却つていろいろの投機、思惑の原因になるのではないかと思つて、この口の数量を何故二百トンとおきめになつたかという点をお尋ねしたいと思います。
  35. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) お話弱小実需者という観点からいたしますと、或いは五十トンでも多いのであります。本当弱小実需者から申しますれば五日分十日分ぐらいのものを買つて、それを売つて、又買うというようなことまでいたさなければ、弱小企業の直接参加は不可能だろうと思います。そうしたことは、実際問題といたしまして私としてはできない。そこはやはり健全な商業機構流通過程に任せるよりほかになかろう。国としては相当元のほうの調整をとることが大体限界であろうと思う。又そうすべきではなかろうかというように考えております。そういう意向から、二百トン程度考えましたが、勿論入札をいたした結果によりまして、このロツトをどの程度調整するかということは実行の上の状況を見まして変更する場合は勿論あると思います。それから実需者につきましては、実需者団体等の力によつて入札参加ということができるのでありまして、一々個人々々の実需者考えなくても、その点はやり得る途があるのではないかと考えております。
  36. 小林孝平

    小林孝平君 私は個々の業者をみんな入札参加させるというようなことは考えておらんのでありまして今長官のおつしやつたように、団体が入札参加するというようなふうにすればいいと、こう考えておるのでありますけれども、それでもなお月二百トンの量というものは、二百トンという数字は大き過ぎて1業者の団体にいたしましても、これに該当するものは極めて少いということになるのではないか。従つてここに実需者と折角挙げてありまするけれどもそれは名目上挙げられてあるだけであつて本当参加できるものは三・四の業者ということになるのではないかと思いましてこの点どういうふうになつておりますか、具体的にお伺いいたしたいと思うのであります。
  37. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 結局保証金その他の関係で、金融力がどの程度まで続くかという問題にからんで来るのでありまして只今のところ、どことどこ、どれくらいの数が実需者として入札参加するであろうかということは予想がつきません。やつて見ました結果を見まして、ロツトの点は又再考慮する機会もあろうかと思います。
  38. 小林孝平

    小林孝平君 私は、長官はやつて見ないとわからんとおつしやるのでありまするけれども、この砂糖実需者が、先ほどから申上げておるように、特に弱小食品工業に非常にこのやり方によつては打撃を与えるのではないか、それをやつて見なければわからんということで、試みにやられたのでは非常に困難な状態が来るのではないか。特に農業関係の農村工業などもこのために非常に打撃を受けるというふうに考えておるのであります。私はこの第三・四半期といえば、すでにあと十月からということになりますれば、僅かしか期間がないのでありまして、それでもなおこの目前に追つておるのに、実際の計画が余りよく立てられておらんということでは困るのであつて、むしろもつと慎重にこの二百トンという数字を、単に腰溜め的な二百トンということでなく、二百トンにすれば大体どれだけの実需者の差違ができる、五十トンにすればどれほどの実需者ができるかというふうな点を詳細御検討になつて、場合によれば、これを第四・四半期から実施するということにしても私は遅くないのではないか。やつて見て工合が悪いから又直す、或いは元に戻すということでは、最近の例を見ましても、肥料の統制解除を昨年やりましたのですけれども、その当時から非常に危惧されておつた、ところがやつて見たら直ちに混乱が来て需給調整という制度を新たに又やらなければならんというようなことになりましたのも一つの例でありまするが、私はこの機構を改めるには、相当慎重に、一カ月や、二カ月遅れても慎重にやるべきではないか。こういうふうに考えておるのでありまして、私たちも徒らに統制の継続を主張するものでないのでありまするけれども、どうもこういうふうな多数の弱小業者に不安を与えるような状態で統制を解除するというのには納得行きかねるのでありまするが、その点どういうふうにお考えになつておりますか。
  39. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 弱小の企業が直接入札参加する力を持たんから、団体の力で以て参加するという場合、又動きを見ておりますと、卸又は元卸と結びついて落札されるについての委託というと変でありますが、結びつきにおいて入手の径路をはつきりさせるという動きもございます。従つてこれは二百トンであれば非常に困るので、細分すればするほど参加の余地は出て来るかと思いますけれども参加をいたしましても、又必ずしも落札するものでございません。二百トンといたしまして一万五千トン月あるといたしますれば、一万五千の二百ですから、七十五ぐらいのロツトを作らなければならん。これは私どもとしては、特定いたす考えはない、特定配分でなく、ハエの仕切りをいたしまして、現品を精査いたしまして、そうしてそのロツトについて見た上に入札しようそのロツトについて幾らということで入札を実行しなければならん、そうしたことにいたしますと、七十五のロツトの我々のほうの現品の精査、並びに予定価格の作成等につきましても、相当の手数を必要といたします。従来のように、一括特定者に対する売却というわけには参りません。一つ一つについて吟味をした上でやらなければならん。その辺が月百とか二百とかいうロツトに相成りますれば、事務能力といたしましても限界を超える、その事情もございますし、弱小企業につきましては、先ほど申上げましたような措置もございまするので、そういう点を加味をいたしまして只今のような方針をとつておるわけでざごいます。併し砂糖の種類によりましては、一律に二百トンということでなく、物によりましては、百トンも一つのロツトにしようという場合も考えております。従つて概括的には二百トンと申上げましたけれども砂糖の種類によりましては、百トンを一ロツトにする場合もございます。この点で、相当只今お話のような点は救われるのではなかろうかと思います。なお又入札保証金の問題は大体一割程度考えておりますけれども、実際問題として引取りの際の金融の問題が相当実需者にとつては重要であろうかと思います。従つて、引取りの際については、分割引取も認めましてできるだけ多数の人が参加できるような措置を講じて参りたいというふうに考えております。
  40. 小林孝平

    小林孝平君 先ほどこの統制を解除いたします理由一つとして、財政的見地からおやりになることをお話しになつたのでありまするけれども、私は今農林省でお考えになつているように、五十億程度の金を浮かせるということになれば、落札価格というものは七割程度上るのじやないかというふうに、こういうふうに思つておるのでありますけれども、そういうことになりますと、菓子とか、そういうものは、この砂糖価格の値上げによつても成立つかも知れませんけれども、先ほどから申上げておるような弱小食品工業というようなものは、この七割も砂糖が値上げになりますと、非常に経営困難になるのではないか、こういうふうに思つておるのでありますが、この点この砂糖の値上りと関連いたしましてこの製品の、この食品工業が成立つかどうかという点についてはどういうふうにお考えになつておりますか、御意見を伺いたいと思います。
  41. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 従来のように、時価の半値である公定価格で以て割当を受けまして、経営をいたしておりますときから見ますれば、相当苦しくなることは私もさよう想定をいたしております。従つて弱小企業は今後どうなるかという問題は、ひとり砂糖を原料とするものだけの問題ではございませんで、砂糖について考えますれば、実際問題として利潤を相当食い込むということが起きて来る、それが堪えられなくなりますれば、消費者転嫁が行われる、或いは又甘味原料は砂糖だけに限りませんので、人工甘味或いは澱粉、飴等もございます。物によつて使用方法も違いますし、使用し得ない場合もあろうかと思いますが、その辺の調整を業界といたしましてはやつて参りまして、弱小企業がこの際、砂糖入札制なつたら一挙に参つてしまうということでなく、やはりそこに相当弾力性があつて、以上申上げましたようなことがからみ合つて、やはり相当経営が、従来のような非常に利潤が多かつたかどうかわかりませんが、そういう形でない形においてやはり存続して行くんじやないかというふうに考えております。お話のように、このたび一挙に弱小企業が倒壊してしまうということにはならんのじやないかというふうに思つております。
  42. 小林孝平

    小林孝平君 最後にお尋ねいたしたいのは、一般の家庭用の砂糖についても明年から、いつから今後統制を解除されるか、一般のものはずつと今の通り統制を続けて行かれるのかどうか、その点と、それからこの落札価格が非常に高くなつて参りまして、予定通り五十億円の経費が出ることになれば、それでいいと思いまするけれども、若しそれが予定通り行かなくて五十億円の金が浮かないということになれば、一般家庭用の砂糖価格をお上げになるのかどうか、その二点をお伺いいたしたい。
  43. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 私ども五十億という数字にそれほど拘泥いたしておりません。従つて五十億が出ないから一般用を値上げするということは全然考えておりません。それから適正な時価を出したいということであります。財源の五十億というものに余りかかわらんで考えております。御了承を願います。それから一般用のやつは、大体只今のところでは来年の四月以降配給制度をやめて、やはりその他の市場もだんだんできて参ろうかと思います。やはり国といたしましては入札等によつて処分をいたしまして、それが家庭に流れて行くというふうなやり方に切換えて参りたいと思います。大体私は四月くらいだと想定をいたしております。
  44. 山崎恒

    山崎恒君 砂糖の問題が出ましたので、これと関連いたしまして二、三質問申上げたいと思います。業務用砂糖統制を撤廃して価格は従来と変らないかどうか、どういう見通しを持つているかどうかという問題でありますが、一つお尋ねいたしたいのであります。それと、輸入は今後どういう見通しを考えておられるかどうか。次に只今小林委員から再三質問されました払下単位の問題でありますが、これは一部新企業への思惑になる虞れはないかどうか、この点を一つ先ずお聞きいたしたいと思います。それと関連いたしまして、私は農林省と最も関連あるところの製飴事業、飴の問題と砂糖の問題は、これは切離せない問題であつて、現在いもが統制撤廃後におけるところのいもの価格は、我々が非常に心配しておりましたに反しまして、いもは非常に値がいいというのはどこに問題があるかということを推察いたしますというと、これはもう日本のいもの加工される大部分が飴とアルコール方面に潰されておるという現状なんであります。昨年の七月あたりの澱粉は政府の手持が恐らく一千二百万貫ぐらいあつたかと思いますが、ランニングストツクを合せましても千五百万貫ぐらいあつたと推定されるのでありますが、今年度の澱粉事情政府は全く手持がない。これは勿論朝鮮の事変の現状等が無論働いておりましようが、澱粉は非常に値上りしておる。昨年もとにかく三千二百円くらいまで上つておる。その後最盛期になつて二千五百円を押しましたが、再び昨今は三千二百円台を唱えておる。かような状況であつて、この三千二百円台の澱粉は何に使用されるかというと殆んど飴であります。この飴が甘味材として、或いは加工されていろいろ昨今はあらゆる方面に使用されるのでありますが、この砂糖の撤廃と飴の加工との関連性がどのように農林省では考えておられるか、この点を一つどもは非常に心配しておる問題である。特にこの次に私どもは問題として考えなければならん問題は、いもが只今五十円、一貫目五十円乃至五十五円で産地で売られておる、それを澱粉に摺つてなお多少の余裕があるから澱粉は三千二百円乃至は三千三百円もしておる。現在一貫目五十円のいもを摺つても十二貫の一俵当りで六十円乃至八十円の利益を挙げるというような状況なんであります。これはまあ生産農家といたしましては、製飴業者がかように勃興して参りましたのでいもの値段が下らない而も澱粉業者としても相当利潤を得ておる。これはもうこうした三位一体の関連性ある事業でありますが故に、いもの値段を持続させますのには、やはりこの製飴業者、或いは澱粉業者を潰すことはできない。それには砂糖の問題が非常に関連性があります。さような点から考えて、砂糖統制撤廃と、或いは輸入の問題と関連して、この農林省の直接傘下にあるところのいもの生産者の、基本的のこの企業というものをどういう工合に見ておられるか、この点を一つ大ざつぱでありますが、お伺いいたしたいと思います。
  45. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) ビツドにした場合に何割程度の値上げになるかということは、落札価格がどれくらいになるかということであつて、これはさあやつて見なければわからんのでありますが先ず常識的に申しますれば、闇と公定との真中ということになりますので、五割程度ということになろうか、現在の公定の五割上げということになるのじやないかと思います。若干地方によつて、或いは物により、或いはロットによりまして三割物もありましようし、七割くらいになるものもあるかも知れません。大体真中ぐらい見るのが常識的な見方じやないかと思つております。それから輸入の問題はまあ四十万トン程度現在は入つております。この程度は確保できると存じます。これが六十万、八十万というようなことは日本の現状からいたしまして、砂糖だけを考えますれば望ましいことでありまするが、これはまあむずかしいのではないか。まあ大体常識的にやはり四十万トン前後のものは確保されるという前提で考えてよかろうというように考えます。  それから澱粉との関係でございますが、私どもは澱粉並びにその背景をなしますいもの生産者にとつては、この入札制は好制度であるというような見方をいたしております。
  46. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 砂糖の問題で、私も二三の質問をしたいのです。今度の業務日用砂糖入札一つはまあ近く統制を外して行きたいというその先駆であるということと、もう一つ財政上の理由から外すということでありますが、そこで私の第一の質問入札制で相当収入が上つて来るということでありますが、もう一つ従来私が耳にしておりますのは、砂糖の消費税を上げるというような意見が又これと別に出ておりますが、そうすると食管会計で入札制で相当の利益を挙げて、且つ近く法律改正をして相当の消費税を挙げることがあるかどうか。そうなると、食管会計でも相当の歳入を得て、今度は別に砂糖の消費税でも取ることになると、相当の税金が実質上かかつて来る、こういうふうになりまするが、この入札制と併行して砂糖の消費税を上げる方針であるかどうか、これを一つ先ず聞きしたい。  それから、その次は来年の四月から家庭用の配給もやめて参りたいという、そうなれば砂糖統制は全体的撤廃をされることでありますが、ただ仄聞いたしますると、さような方針であるにもかかわらず、砂糖はやはり食管会計が一応これを買入れる、こういうような方針にも実は仄聞をしておるわけでありますがそうすると統制を外しながらやはり政府がこれを買うということでは、何かどうも自由経済を非常に主張されまする現内閣としても、何か平仄が合わないような感じがするわけであります。これをやるということでありますれば、更に砂糖で来年度も儲けて行きたいというような、非常に卑近な言葉でありまするが、砂糖で儲けて行きたいという実は方針が潜在するのではないか。実は私も過去の例を辿つて見ると、砂糖とか、或いは大豆はまだ統制撤廃は早いということで、大豆についても統制を主張したものでありますが、結果においては大豆の統制政府買入はおやめになつて現在では主要食糧以外においては、砂糖だけを食管会計が買入をしておる。そうすると、主要食糧の消費者価格引上げの場合に、砂糖だけが非常に財源に使われる。こういうことで砂糖が非常に虐待されておるという、実は結果論になりはせんか。そういう点から果して配給統制はやつてもなお政府が買うということが、これは来年度予算の問題にもなつておるから、すでに問題は恐らくきまつておると思うが、果してそういう方針であるかどうか。そうすると或いは輸入価格をプールするということであれば、これは或る程度の合一性はあると思いますが、どうも今のやり方から見て行くというと、やはりこれを入札制によつて食管会計が、卑近な言葉で言いますれば儲けて、それで食管会計のやり繰りに使われるということは、砂糖を食管会計が買うという本旨を私は外れておるんじやないかという感じがするのでありまして、その点を第二点にお聞きをいたしたいのであります。  それから第三点は、輸入見込が四十万トンというお答えでありましたが最近の外貨、特にドル不足の現状から果して四十万トンが確保できるかどうか。これは私はやはり入札制にする場合においては、今後砂糖の輸入見込がどれくらいであるかどうかという大体のことを示しませんで、真つ暗闇の中で入札制を布くのでは、やはり公正な価格は生れて来ない。従つて輸入見込が四十万トンであるか或いは三十万トンであるかということは、これは入札価格の合一性を期待する点から、私は非常に重大な影響を持つものと思います。そこで果して現在の外貨の状況から四十万トンが確保できるかどうかを重ねて念を押して聞きたいと思います。  最後の点は、業務用を取りあえず入札制にするわけでありますが、その場合に例えば主として輸出に出るような輸出品を作るに必要な砂糖まで、非常に高い値になつて輸出の関係で障害が起らんかどうかの問題。それからもう一つは、これはわからんのでありますが、例えば乳幼児のミルクとか、ああいうようなものにつきましても、これはやはり業務用という範疇の中に入つておるかどうか。以上の点につきましてお答えを願います。
  47. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 特別消費税との関係でありますが、ビッドによつて値上りをいたすということと、特別消費税とは相当かち合いますのでその間の調整をして、ビツドすれば当分特別消費税は見合せるというようなことでやつて行きたいということを本年度考えております。来年度の問題といたしてはいろいろ大蔵省のほうにも意見があります。これは端的に申しますと食管特別会計において砂糖を買うということとの関連においていろいろ問題がありますので、来年度の問題といたしましては、まだ結論を得ておりません。結局実需者方面から見まして、特別消費税と入札等による価格の高騰の調整を行なつて、ダブらないようにやつて行きたいと考えております。若干大蔵省では来年度から特別消費税という形で処理しようという意向もあるようでございますが、まだその点は日がきまつておりません。  それから食管特別会計は買う必要がないのじやないかという点でございますが、これは大体大きな点を申上げますと、大豆についても御意見がございましたが、大豆の輸入を財政或いは相当強い金融の背景なくしてやりました結果が、御承知のような一—三月の大豆輸入の状況であります。それが産業に及ぼした影響は相当大きかつたのであります。これは日本のような資力の少い、又資本の蓄積のないところにおきましては、やはり財政的なバツクを必要とする。それが結局物の輸入を円滑にし、又国内における価格の安定を得させるものである。こういう点においてやはり砂糖というものは、大豆のような二の舞を踏まないように、特別会計の裏付によりまして輸入を確保するということが絶対に必要だという考え方をいたしております。特別会計において儲けるためにこれを入れるという考えではありませんので、そういう点で了解をして頂きたいと考えております。それから又これを自由にいたしますれば外国商社の進出は私ども明瞭だと思つております。この点も日本の貿易の今後の振興の上からも必要であるという考え方を持つております。端的に申しますれば大豆にしろそうした措置を講ずるのが適当であると思つております。又大豆、砂糖等を食管特別会計においてやることが適当であろうかどうかということも問題であろうと思います。そういう意味においての別途の特別会計ということも考えれば、併せて考えられると思います。併しそうした制度がございませんし、従来の経過もございますから、砂糖はやはりそういう意味において来年度特別会計において扱う。でき得べくんば大豆もそうした措置を講ずるほうが民生の安定上いいのではないかという考え方をいたしておる次第であります。  それから四十万トンの輸入は確実かどうか、殊に外貨の点から懸念があるのじやないか。外貨の事情は必ずしもいいとは思いませんが、これも見込みでございますので、何とも申上げかねますけれども、私どもとしては四十万トン程度砂糖は資金的にも先ず先ず措置ができるであろうという前提で考えております。それから輸出用のものについてのお話がございましたが、これは別途随意契約、或いは指名契約……、随意契約等の措置も併せて考えようかと思つております。数量の点につきましては割当をいたしまして、輸出が非常に伸びないで困る、輸出ができなくて困るというようなことをできるだけ救つて頂きたいという例外な措置考えております。  乳幼児用のミルクと申しますのは、自由なやつのことだろうと思いますが、製飴、酪農との関係等がございまして、ビツドにされることは非常に困るというお話がございます。これはやはり時価というものが入札によつて出まして、その結論を見ましてその点は考究をいたして参りたいと、こう考えております。
  48. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 大体わかりました。ただ私の感じが最近の動向から見て行くと、食管会計が本来の性格から離れて、財政上の歳入を挙げる道具に使われているというような色彩が非常に強くなつて来ているのじやないか。これはどうも私は食管会計の本質から見て非常に遺憾に思います。そこで現状は入札制にして相当の歳入があるといたしますれば、今お話の来年度のことはまだきまつておらんようでありますが、食管会計で稼ぎ、又別に砂糖の特別消費税で挙げるということは更にその度を強くするものである。今長官から極めて楽観的なお話がございましたが、どうも私は楽観はできないのじやないかということを感じまして、重ねてその点を申上げて置きます。  それから今の食管会計が来年度砂糖を買うという筋はわかりましたが、併しそういうふうにいつになつて入札制でやれば、又結果においては儲かつて来るという結論が出るのじやないか。そうすると、やはり私の言うように幸か不幸か、主食と併せて食管会計で買うという関係で、財政上の歳入の道具にやはりされるという結果になるのではなかろうかというので、重ねて  その点を御注意を願いたいと思います。それからむしろ最近の大豆等の輸入で民間の業者が資力がなくて、又国際変動の関係で相当の波瀾を起したわけでありますが、そうなると砂糖のほうはまだそれほどのこともないので、砂糖をやるというのであれば、私はそれ以上に味噌、醤油等の原料である大豆について民貿ではなかなかこれは危険度が多いということは、最近の事例からもはつきり言えることであります。そうなつて来ると、砂糖をやるくらいであれば当然にそれ以上に大豆の政府買入れをするということのほうが、私は適当ではないかということの考えを実は持つておりますが、そのお考えもあるようでありますが、可能性がないものであるかどうか、重ねてその点をお伺いいたします。
  49. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 最後の点は、実は昨年予算編成いたしますときに、大豆の輸入の政府買入れに併せまして国内産の大豆も併せてしばしば折衝いたしたのでありますが、遂に私ども破れまして大豆については今年のように手を付けないような状況になつております。その結果が御承知のような大豆の輸入、並びに輸入に関連してのいろいろな波瀾が起きているのでございますが、この点は昨年の予算編成いたします際に懸念を持つたのでありますけれども、承認された以上は……。本年度実情を申しますと、そういうようなことでありますが、本年は大豆の輸入については政府買入を是非実現させたいという趣意で、只今年度予算編成にからんで、大蔵省と折衝中であるということで、是非実現をしたいものと考えております。なお、前二点につきましては注意をいたしたいと思います。
  50. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次いで麦類統制の件に関してでありますが、その後御承知のような行政整理等の問題に入りたいと思うのでありますが、大臣の都合が、何か二時から閣僚懇談会が……、今日我々がここで検討しようという問題についての閣僚懇談会であるようでありますので、午後の時間が非常に制約されますので、午前中取りあえず多分次の臨時国会に提出されるだろう麦類統制に関する諸法令が予定されますので、これについてあらかじめ政府意見を聞いて置きまして午後時間を正確に始めまして、若しそれまでに農林大臣が出席されましたら劈頭から質疑に入つて頂くことにいたしまして、取りあえず午前中、午前中といつても時間が過ぎましたが、政府説明を聞いておこうと思いますので、御了承願います。
  51. 安孫子藤吉

    説明員安孫子藤吉君) 只今お話の前に、実は御了承を是非お願いいたしたいと思いますことが一つございますので、先にこの点をお話し申上げたいと思います。この前の国会で、政府の、米についての買入の手続法案がいろいろな事情から不成立になりました。麦につきましては政令を以てこの手続を規定いたしたのでございます。その際、米については内閣に法律を提案をいたしました事情もございますので、是非法律で以て御審議の上に実行をいたしたいというふうに考えておつたのでありますが、国会の開会関係、又食糧の供出事情、時期等の関係もございまして、私ども止むを得ず政令を以てその措置を講ぜざるを得ないような事情に相成りまして、只今お手許に配付いたしておりまするが、そういう内容の政令で以て、今回の米の買入の手続を進めて参りたいと存じておるのであります。甚だ法律の御審議を得なかつた点遺憾でございますが、事情を御了察下さいまして、この点の御了解を是非お願いいたしたいというふうに存じます。それから麦の統制撤廃と申しますか、私どもから申しますと、これは統制撤廃、自由という意味でございませんので、只今のような直接統制方式を間接統制方式に変えたいというのが内容でございます。その問題を今度の臨時国会には提案をいたしまして、是非御審議を得た上に御了解願いたいというふうに考えておるのであります。その前提になりまする需給状況は、詳細は別の機会に申上げたいと存じますけれども、提出をしておりまする昭和二十六年度需給計画、並びに昭和二十七会計年度需給計画という二表がございます。この前提で大体麦は直接統制方式を間接統制方式に改めてもよかろう、特に麦の実効価格配給辞退の傾向等を考慮いたしましたならば、大抵いいんじやないかというふうに考えておるのであります。又消費者の立場から申しましても、大体現行価格の水準が維持されるということでありますれば、競争の余地も出て参りまして、品質がいよいよ多様化する、又どうしても足りない人は現行で抑えられております以上に食べられますし、又現在でも余つておるという者は少しで済むということで、消費者の利便となるだろうというような観点から、やはり麦の統制方式はこの際改めてもよかろうという考え方をいたしておるのであります。大体各方面の御意見もお聞きをいたしまして只今成案を急いでおりますけれども、概要を申上げれば、内麦につきましては生産者から売渡し申込がございますれば、定価格を以て政府は制限なしに売りに応じて買取る。こういう制度を是非作りたいと思つております。この際の価格は、よく俗に価格政策と言われておりますような、そういう考え方よりも、日本は食糧の半永久的な輸入国であります。どうしても国内で増産をして参らなければならない。従つて価格面において増産を刺戟するような一定価格というもので以て、生産者からの売りに応じて買取るという仕方で行くべきであろうというふうに考えております。他の外国の立法例にありまするように、一定価格から下に一割とか二割とかいうもので買うということじやなく、その点は日本の食糧の全体の実情からいたしまして、増産面に対する刺戟というものも考えて、この価格はきめるべきものであるという考え方をいたしております。それから外麦は全部政府が買取る。従つて今なおそれに関連して内麦との価格差につきましては価格差補給金を是非出したいという方針考えているわけであります。だから基本は生産者に対しましては一定価格による売渡上申込に応ずることによつて生産者の利便を図る。消費者に対しましては内麦と併せて外麦、外麦は全所要量の大体三分の二でございます。日本の金所要量の三分の一が内麦でありまして、三分の二が外麦、外麦は全部政府が管理することによりまして、価格の高騰を実物の上で以て阻止して参るということにいたしますれば、消費者の価格安定の上においても我々としては大体自信を持てるという考え方、この二大支柱の下に麦の現在のような直接統制方式を改変いたしたいという内容で以て、この問題を御審議をお願いいたしたい心組みでおります。若干話がそれますけれども、勿論これについては今後日本政府の内部といたしましてもう少し固める余地はございますが、是非以上申上げましたような内容を持つた法案を御審議を願うことにいたしたいというつもりでおるわけでございます。非常に雑駁で簡単でありますが概要を申上げました。
  52. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 午後再開の際に詳細質疑を願うことにしまして、暫時休憩をいたしたいと思います。    午後零時九分休憩    —————・—————    午後二時七分開会
  53. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは午前に引続いて委員会開会いたします。  先ほど休憩の際に御懇談申上げたように農林行政の簡素化に関して当委員会で一応の成案ができましたので、幸い只今農林大臣も出席されたのでこれを農林大臣に報告して善処方を要望したいと思います。残念なことには大臣時間がありませんので、これを一応朗読して、あと若干御発言があるかと思いますが、それで大臣が退席されるかと思いますけれども、一応御了承をお願いいたします。  それでは休憩中にまとまりました農林行政簡素化に関する申入れを朗読いたしますので、大臣、よくお聞き取り願いたいと思います。
  54. 安樂城敏男

    ○専門員(安樂城敏男君) 朗読いたします。   農林行政簡素化に関する申入(案)   行政を簡素化して、一は以て国費の支出を節約し、他は以て行政の能率を向上することの必要なことは論を俟たない。   然るに、今回政府が企図している行政機構の簡素化に関して、政令諮問委員会、或は行政簡素化本部において考慮せられているものとして伝えられるところによれば、農林行政の簡素化計画は甚だしく当を失し、これを強行するにおいては、農林行政に重大な欠陥を来たすこととなり、農業生産の確保と農家経済の安定を期するため看過することが許されない。   よつて政府の善処を促すため、当農林委員会の総意を以て別記の通り申入れする。   昭和二十六年九月二十日         参議院農林委員会   内閣総理大臣 吉田  茂殿  行政管理庁長官 橋本 龍伍殿     大蔵大臣 池田 勇人殿     農林大臣 根本龍太郎殿     記   農林業の健全な発達を図ることは経済自立の基本要件である。然るに、わが国農林業の現況を見るに、内外諸般の事情から、情勢甚だ非なるものがあつて、今や我が国の農業問題はひとり経済問題たるにとどまらず、社会問題としても重大な危局に直面し、今日においてその対策を確立しなければこれが将来は誠とに憂慮に堪えないものがある。   我が国の農業は極めて零細であつて、その性格は他の産業と異なつて自主性を欠いているから、これが維持発展を図るためには国家行政による保護助長が絶対不可欠である。   従つて農業に関する中央行政機構は、他のものに比べて規模において大きく、組織において複雑になることは止むを得ないことであり、又当然なことと言わなければならない。   かかる実情と本質とを弁えることなく、単に行政簡素化というような理念にとらわれて、徒らに機構を変革し又職員の減員を行うことは妥当を欠くも甚だしいものと認められるから、農林省機構の簡素化に関しては、農村事情に精通する者の意見をつぶさに聞き、いやしくも観念的に取扱われることのないよう、十分注意し、特に次の事項について遺憾なからしめること。  (1) 食糧管理事務及び人員を大体現状とすること。    講和後における日本経済自立のためには国民食糧の確保が最重要な要件であつて、これがためには食糧の国内生産の増強に最大の努力が払われなければならないことは勿論であるが、更に一方外国食糧の輸入促進並びに国内における食糧の需給調整及び価格の適正安定に万善の措置が講ぜられなければならない。    而して社会及び経済の現状において、今後における食糧の供給を従来の経過になぞらえることにはそもそも問題があるところであつて、主食の統制をこの際緩和或は廃止うることについては慎重な検討が加えられなければならない。  (2) 主食の統制問題こそ、我が国が当面する最重要な問題である。   かかる重要政策を未解決のまますでに統制が廃止せられるかのように機構を縮小し人員を削減するがごときは失当も甚だしいものと云わなければならない。   農林統計調査事業はむしろこれを改善拡張し、これに必要な人員(作物報告農作物調査を含む)はこれを確保すること。    あらゆる政策は正確な統計及び調査基礎の上に立てられ実施されねばならない。然るに我国においては従来統計及び調査が軽視せられ、これが我国国政上の重大な欠陥であつた。    而も特に農業に関しては、その性格からしてこれに関する統計は国の事業として国みずから行うことによつて初めて達し得られるところであつて、終戦後この事業が漸く軌道に乗ることとなり、その成果が大いに期待せられている今日、これが事業及び機構を縮小又は改変せんとするかのごときは逆転も甚だしい。    今後我が国の農業は、国内農業生産の拡充、海外食糧の適正な輸入、農業経営の改善、農家所得の増進、或いは農産物価格の支持等の重要政策樹立のため、正確な農業統計を益々必要とするのであり、更に林業漁業についても全く同様である。従つて農林漁業統計調査機構はむしろ一層充実拡大すべきである。    なおこの種事業を地方公共団体に移管せんとする意図もあるようであるが、それは国の統計の正確さを失い而も地方財政は到底これを受容れることが不可能であるから、これは結局廃止を意味することになり、かような措置は絶対に避くべきである。    更に附言を要することは、農林漁業統計調査の中、農作物調査は主食供出の附帯事務のように考えている向があるが、これは全く誤つた考えであつて調査の結果は主食供出の実施に利用はされているが、農作物調査供出事務とは全く別個のものとして取扱われるべきものである。  (3) 農業改良普及事務及び人員を縮減しないこと。    農業の改良はかかつて普及指導に待たなければならない。    従つて指導機関はむしろますます拡大すべく努力を払うことが常道というべきであつて、これを縮減するがごときは思いもよらぬことである。  (4) 農産物検査事務及び人員は現状を維持すること。    現行農産物検査は第十回国会において衆議院議員の提案によつて成立した農産物検査法に基いて行われているものであつて、これが必要性はその際の提案の理由及び審議経過に尽きている。    而して、本法が本年四月施行せられてから僅かに半歳、これを廃止し或は機構の根本的改革を行わんとするがごときは現行制度実施の経緯に鑑み妥当を欠くものというべきである。  (5) 肥料及び農薬等の取締事務及び人員は少くも現状を持続すること。肥料及び農薬等の生産及び流通の現状においては、一方においては農業及び農業者の擁護のため、他方においては公正な業者を保護するため、現行制度は絶対に必要である。  (6) 農地の拡張改良に関する国の指導事務及び人員を確保すること。    農地に恵まれない我が国情においては農地の拡張及び改良こそ最喫緊の要務であつて、而してこれが効率的実行は全国的な企画調整と最高水準の技術を以つて初めて達成し得られるところであるから、これに関する中央行政機構は確保せられなければならない。  (7) 林野庁は従来通り農林省に所属せしめること。    現在の林野行政を農林省から分離して国土省のごときものに併合せんとする計画があるようであるが、これは農林行政の本質について本末を顛倒した考に基くものであつて、かような措置は絶対に避くべきである。以上。
  55. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 農林大臣から御発言がありますから……。
  56. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 只今参議院農林委員会において非常に研究の結果、農林行政簡素化に関する申入れがございました。十分これを検討、尊重いたしまして善処いたしたいと思つております。只今のところまでは、政令諮問委員会のほうからは答申案が出ておりまするが、内閣としては未だ何も示しておりません。本日の二時からでございますが、行政簡素化本部において草案とも言うべきか、その草案の土台となるものでございましよう。それが示されて、これについて閣僚懇談会をいたすことになつておりますので、趣意は十分に通ずるように取計らいたいと考えております。有難うございました。
  57. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  58. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。
  59. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 只今大臣の答弁がありましたが、恐らく全農民と申しますか、漁民と申しますか、新大臣農林行政に最も関係のある学を修め、そうしてこれに熱心であるというようなことから、非常な期待を持つておることは御承知通りであります。政府の行政整理の途上にあることは、いわゆる健全財政樹立の上からは当然であると思いますが、若し期待するような農林行政関係におきますところの機構においてこれが機構の一大改革を行われるといたしましたならば、いわゆる玉石混淆の嫌いなしと言わざるを得ないのであります。国民一般の食糧を通じての生活安定に対して、未だこれが供出その他の事務の途上にあることは大臣つている通りでございます。従つて検査を厳密に行なつて、品質の向上と増産をますます図つて行かなければならないということも又お知りの通りであります。若しこれが地方に事務が移ることと相成りまするならば、検査は不徹底になるのみならず、仮に平衡交付金を増しましてこれが事務に当らせるといたしましても、地方都道府県が現在財政難に行詰つており、これ又行政整理を断行しなければならない途上にある際において、果してこれらの検査事務、統計事務の遂行が万全を期せられるかどうかということを疑わざるを得ない時代にあるのであります。従つて今申上げたような問題は、今後農林行政を行う上において非常なる我が国の基本的農業政策の実現でございまして我々は大臣にこの行政整理機構に対しては至上決意を持つて、主管大臣として農林行政のスムースに行くように、又食糧問題を通じまして、今後におけるところの国民生活の安定をどこまでも実現するように強く要望いたしまして、私の質問を打切ることにいたします。
  60. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは午前中政府から説明を聞きました麦類統制に関する問題に入るわけでありますが、丁度安孫子食糧庁長官が何か止むを得ない事情で欠席をいたしますので、他の政府委員から代つて答えてもらうことにいたします。それではこの問題に入ります。
  61. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 ちよつとその前に三分ばかり……。
  62. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それからもう一つちよつと私失念をいたしておりましたが、この麦の問題に入る前に行政管理庁管理部第二課長の土屋さんがここに列席されておるわけでありますが、他日又日を改めてそういうことに触れることがあるかも知れませんけれども、本日は只今の申入れをお手許に差上げておりますので、それに基いて御検討を願いたい、こういうことにいたしたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  63. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。それじやどうでしよう、御相談でありますが、食糧庁関係が丁度企画課長もどつかへ行かれたのですが、この際予定を変更して予算説明を聞きたいと思いますが、向うの出席ができるまで空けて置いても勿体ないですから……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それからもう一つ御相談して置きますが、どういたしますか、予算説明速記を付けますか。
  65. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 付けないほうがいいでしよう。
  66. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それじや一時速記をとめます。速記をとめて下さい。    午後二時二十六分速記中止    —————・—————    午後三時二十五分速記開始
  67. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            溝口 三郎君            鈴木 強平君            三浦 辰雄君   国務大臣    農 林 大 臣 根本龍太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    食糧庁長官   安孫子藤吉