○
江田三郎君 私
どもの班は、
青森県と
山形県において
農業協同組合及び
共済関係の
視察調査をやりに
行つたのであります。先ず
青森に参りましたが、
青森は、御承知のように
農協が、全国的な見地から見ても非常に弱い
ところでありましてその弱いということにはいろいろ
原因がありまして、
青森は一
町村に三・七の
組合があ
つて、多い
ところは一
町村に八
組合あると、こういうようなことで、非常に小
組合ばかりで、殆んど資力から見ましても、何から見ましても問題にならん
組合が多いわけなんです。これを如何にして
再建整備して行くかということが問題になるわけでありますけれ
ども、大体それには
単協におきましても各
連合会におきましても
増資の
計画を持
つておりますけれ
ども、その
増資計画というものが本当に
増資をすればどれだけの
事業量が殖えて、どれだけの
赤字を解消し、収入が殖えるというような、そういう目当てなしに
ただ再建整備の
基準に載せなければならんから
増資をするというような、
行当りばつたりな
計画のように思えるのでありまして、成るほど紙の上では一応の
計画は立
つておりますけれ
ども、
単協なり
連合会なりでその
事業の内容を検討して見るというと、
増資をして見た
ところで又
赤字を繰返すに過ぎないというような感じを強く受けるわけです。そうしてそういうことでありますから
農民自体としても
余り増資に対して積極的でない、まあ併しながら
単協のやつだけは何とかしなければならんというので、大体二十五
年産米麦の
バツク・ペイをこれに当てようという
考え方を、各
単協あたりではしてお
つたようでありますけれ
ども、そうな
つて来るというと、
バツク・ペイを当てるということになると、否応なしに
増資はできましようが、併しこうなると
経済ベースの上に立
つた組合でなくして、何か上からの押し付け、古い
農業会とは違いますけれ
ども、やはり封建的な
一つの組織というような点が出て参るわけでありまして、そういう点十分に検討されなければならんということを強く感じたわけです。特に
青森におきましては、将来の
農協の問題としまして、何にいたしましても「
りんご」の
生産高が年間百億円、米が四十億に対して「
りんご」が百億円、その「
りんご」を
農協で扱
つているのが僅かに一割でありまして、
あとは
商売人に自由にさせておる、この形ではどうや
つて見た
ところもあるわけでありますが、それにはいで、
農協の
再建ということはあり得ないわけであります。その点につきましても、地元の
関係者の
要望としては、どうしても現在の
農手制度のようなものを「
りんご」にも適用してもらいたい、現在の
制度をそのまま適用するということは或いは困難とすれば、
北海道の例のように、
農業手形共済基金制度を採用してや
つたらどうかというようなことが言われておりますし、同時に「
りんご」の
出荷材料或いは
肥料資金等につきまして、当面の急に処するために、
農林中金から若干金が出ておりますけれ
ども、これを殖やしてもらわなければどうにもならんということでありまして、先ず大観いたしまして、
青森の
農協というものは、そういう「
りんご」の
資金の面について何らかの手が打たれん以上は、とてもあれは
バツク・ペイの金を持
つてい
つて見た
ところで、何をして見た
ところで
再建はできない、こういうことを強く感ずるわけです。で一
町村三・七
組合平均というものの
整理統合は若干進んでいるようでありますけれ
ども、これも遅々として、いわばまあ
農民としまして
農協というものに熱意を失
つておるという
状態ではないかと思います。そういう点はお隣りの
山形県は大分違いまして、
山形県はまあ
青森県よりは大分進んでおれますけれ
ども、ただ
山形県につきましても、例えば
庄内と
山形とに二つの
連合会が、それぞれ
販連にいたしましても、購連にいたしましてもあるわけでありますが、それにはいろいろ歴史的な
事情、その他を
説明を受けましたけれ
ども、我々といたしましては余り納得できなか
つたわけでして、やはり一番問題は、
庄内のほうの
販連は昔の
本間さんの
倉庫をこれを只で使
つておる、そういうような非常な
経済的な要因以外の大きな
プラスがあるものでありまして、そういう
ところから特殊な
プラスがあるものでありますから、なかなか統合できないのじやないかと思うのであります。併しこういう形で行
つているというのは、非常に不健全なわけでありまして、旧
本間の
倉庫を使いました
ところで、それに対して然らば
減価償却はしているのかというと、全然
減価償却はしないで、要するに只で借りているのだから、別に費用は見る必要はないという基礎の上にこの
販連が成立
つているわけでありますからして、普通の
減価償却を見たり、或いはその他の
倉庫に対する普通の支払を、
経費を見て
行つたならば、とてもあれは黒字にならんと思うのでありますが、そういうような上に立
つている
農協というものも、これもいわゆる
経済べースの上に載
つているものではないと思うのであります。私は今度の
視察を通じまして、ただこの
農協の
再建整備は、今のような一定の
基準を
作つて増資をしさえすればいいという問題でなしに、もつと根本的な問題があるように思うのでありまして、そういう点はただ東北の
単作地帯だけの問題でなしに、全国的にいろいろな資料を以
つて検討して見なければならんと思うのであります。これは私は
青森、
山形を済ませまして、
北海道のほうへ個人という資格で参
つたわけでありますが、
北海道のような非常に
協力な
農協の
ところにいたしましても、例えば乳製品にいたしましても、或いは
甜菜にいたしましても、或いは麻にいたしました
ところで、殆んどそれは
商業資本に握られてしま
つておるしいうこと、あれだけの
北海道の
一つの
単協が、
ところによると二千万以上の
自己出資を持
つておるという
ところでさえも、或る
程度進んだ
農産加工にな
つて来ると、自分ではやれないで、
商業資本に取られて行くというような
ところに、これはよほど
考えて行かんと、今のような形では、何か
連合会は
単協を食い、
単協は
農民を食
つておるというような点があるのじやないかと思うのであります。例えば
一つの
農機具なら
農機具というものの流れ方を見ました
ところで、むしろ末端へ行くと、
商売人から買うほうが安いというようなことが出ておるようであります。そういう点、これはゆつくり又適当なときに本
委員会で十分に検討して頂きたいと思うのであります。
共済関係につきましては、これはもうどこでも同じでありまして、皆
赤字を出しておるわけでありまして、これに対してどうしたらいいかという
要望につきましては、先般の
共産関係の
全国大会でもきま
つておるようでありまして、ここで新しく附加える必要はないと思うのであります。
時間がございませんから、それだけにいたしますが、ただ、私、これは
視察の問題ではございませんが、
北海道農業を見ますときに、今年の第十
国会のときに本
委員会のほうへ
請願の形で出ておりました
ところの
甜菜糖に対する
ところの
補助助成の問題について、強く要請を受けたわけでありますが、この点は
畜産局長もおられますけれ
ども、
畜産という面からいたしましても、この
北海道農業を根本的に地方を培養するという面から見ましても、
甜菜糖の問題はなかなか重大であ
つて、この際砂糖の
価格の
改訂があるならば、この問題については、先般の
請願は一応お座なりに取上げておられるようでありますけれ
ども、もう一遍深く検討して見る必要があると思うのであります、なお
北海道における
共産農協、
家屋及び
生命のほうの
共産農協の実情を見ましたが、これは
北海道においては一応確立しておるわけでありまして、
青森等におきましては、
共産連のほうで
家屋、
生命のほうの
仕事をや
つておりますけれ
ども、この点はまだ
軌道に乗
つてはおりません。これは今、法の
改正問題が前
国会からして起きておりますけれ
ども、この点につきましては、本当に
共済農協で行くがいいか、或いは現在の
共産連のほうでこれを取扱うがいいかということは、よほど慎重にや
つて行かなければならんと思うのでありまして、少くとも
北海道に関する限りは、これを共済連の
仕事にしないで、別個の
共済農協の形でやるということで、たしかに
軌道に乗
つており、又これによ
つて農協としましても、
保険金のほうの相当の金が定期として
農協へ残るわけでありまして、
農協の
資金のやり繰りから見ましても、この点は大きな
プラスであるように思います。簡単でございますが、時間がありませんから、これだけにいたします。