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1951-10-08 第11回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月八日(日曜日)    午後二時二十一分開会   —————————————   委員の異動 十月三日委員尾山三郎君は死去され た。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電力不足対策に関する件)  (電力割当に関する件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から電力問題に関する特別委員会を開会いたします。  会議に入るに先立ちまして、委員諸君に御報告をいたします。諸君も御承知と思われますが、当委員会尾山委員が久しく御病気のところ、本月三日に郷里の富山県において逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。  本日の調査題目電力不足対策に附する件及び電力割当に関する件であります。御承知のように電力問題は、いま日本全体の注視の的であり、日本国民生活に影響するところ非常に重大な関頭に立つていると考えます。前回委員会において渇水状況火力用炭状況制限状況等について調査をいたしたのでありますが、その後の状況台風期を過ぎた今日まで目ぼしい効もない、むしろ渇水は深刻化している状況なのでありますので、先ず関係当局から前回委員会以後の渇水状況及び電力制限状況火力用炭入手状況、その後にとられた措置について説明をお聞きしてから対策調査に入りたいと考えます。先ずその後の渇水電力制限及び石炭入手状況について、公益事業委員会側から御説明を願います。
  3. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) お手許資料を差上げてあると思いますので、その中の図表になつておりますものを御覧を頂きたいと思います。前回は九月前半までの状況について御報告申上げたのでありまするが、その後の出水状況を御報告致したいと思います。九月における日本全国における九カ年平均自然流量は、この図表のとこりに横に月別に書いてあります段でおわかりになりますように、おおむね三百八十万キロ弱になるのでありまするが、スケールは自然可能出量という段で御覧願いたいと思います。これに対しまして九月を通じましての出水成績はその鋸の歯のようになつております出水のカーブの九月のところで御覧になりますように非常に少いのでありまして、後半に入るに至りまして更にその状況が悪化して来ておるのであります。九月分の、九月の丁度中旬の平均は、この附近にちよつと雨もございましたので、それを合せますと八一%になつておるのでありまするが、下旬の平均は七五%に下つております。九月を通算しましての平均は七八%、こういうふうで九月における自然流量平均二割強、月を通算しましても二二%も下廻つたような実績を以て遂に推移したのであります。この二割の数量は、石炭に換算したしますると約五十万トン程度に概算当るのであります。御承知のよりに九月という月はおおむね台風が上旬とか中旬とかに、いわゆる二百十日前後に来るわけでありますが、本年度は珍らしく八月以降九月に亘つて、遂に台風らしいものは内地に上陸しないままで来たのでありまして、他の面においては非常によかつたのでありますが、電力の面におきましては、これが非常に深刻な事態を呈したのであります。なお十月に入りましての出水状況は、月初めにはちよつと御承知のように、東京辺りとかこういう海岸線には若干雨があつたのでありますが、山奥には殆んどこれが降らなかつたのであります。併しそれにしましても十月一日は少し水が出来まして全国平均が八九%に戻つたのでありますが、二日にはそれが七七%と下り、それからは殆んど直線に七三、六九、六八、だんだん下りまして八日現在におきましては六五%という非常に深刻な渇水状態になつておるのであります。  一方こういうふうでありまするので、大体水力発電というものは、御承知のように自然流量による流れ込み式の発電利用と、もう一つ貯水池利用なのでありますが、貯水地のほうも夏場から秋に掛けましての間に、雨の降るのを期待しながら無理をしてだんだん貯水を喰い込んだままでおつたところへ、台風が来ないものだからして、この減りました貯水池状態はそのままだんだん底を衝く方向に追込まれつつあるのでありますが、全国のそれぞれの貯水池における貯水状態というものは、現在では満水状態の、数字あとで申上げますが、大体満水状態の四割を下廻つておるような、四割よりもつと少い三分の一に近い状態になつているのであります。何とか雨が降りますと、これによつて相当調整能力も復元するのでありますか、現状におきましては、例えば中国の例をとつて見ましても、貯水池の大部分は殆んど底を衝いてしまいまして、わずかな流入量を時間的に調整をする能力がある程度に後退してしまつておるのであります。この貯水池減退による部分をば石炭に換算しますと、これも相当の大きな数字になるのでありまして、少し前の数字でありまするが、やはりこれが約五十万トンの石炭に当ることになつておるのであります。こういうふうで水力状態は、自然流量貯水池状態も非常に苦しい状態に、この二カ月に亘る渇水のために追込まれてしまつたのでありまして、一方石炭状況はどうでありまするかと申しますと、九月前半における状態までは前回の本委員会の席上で御説明申上げたのであります。その後の状態もなかなか苦しい状態を続けておるのでありまして、この曲線、図表の言上で波線で太く引いてありますのが貯炭状況の意味であります。九月の前回委員会で御報告しました二十万前後の状態がそのまま横這いを続けておるような状態でございます。石灰の消費計画数量実績はこの図表の下のところへ数字で書いてございますが、例えば九月におきまする消費計画が四十三万九千トンでありましたのが、実績が五十七万二千トン、約十五万トン上廻つて焚いておるのであります。それから九月末における貯炭実績はここにありまするように十八万九千トンという苦しい数字のままで来ておるのであります。受入れは、丁度四月以降の累計で申しますると、三百十三万トンの計画に対しまして、実績としては二百六十八万トンしか入つておらないというふうな状態であります。各月の状態はずつと横に御覧願いますとわかるのでありますが、併し消費累計を見ますると、丁度四月から九月までの計画消費量が二百十六万三千トンでありましたものが、実績といたしましては二百七十六万二千トン、丁度六十万トンほど、約三割近く上廻つて消費をいたしておるのであります。これは年初予想よりも需要がぐんぐんと伸びて来ましたための消費量のためと、それからその後における渇水というものが重なりまして供給力のほうで石炭量がこれだけ殖えて、それで凌いで来たわけでありますが、同時にこれは受入れ成績の不良と重なりまして、九月末の貯炭が依然として二十万トン前後という苦しい状態にあるわけであります。火力発電所のこの九月から十月にかけましての計画動員は約十五万キロワツト程度あるのでありまするが、その後の炭の入り状態が非常に悪くて貯炭が殆んどなくて入つたものをその日暮しに使つておるというような状態に近いものでありまするために一日で使つてしまつてあとは空にするわけには行かないというようないろいろな事情で、現在におきましては今申しましたように年初計画よりは全体としましては相当に上廻つた消費をしておるのでありまするけれども、炭質の低下と石炭の量の部分的な不足とが重なりまして、実際の供給力はそれより若干下廻つておるというふうな状態なのであります。  こういうふうでありまして、普通ならば九月の末には大体台風が来ることによつて貯水満水をし、それから川の水もおおむね平年前後を、場合によつて渇水をすることがあつても雨で戻つておる。大体平均年前後の量に動くのでありますが、そういうふうな異常な状態が続きましたために、これらを石炭に換算いたしますると自然流量だけでも相当大きな数字になりまするし、貯水池減退を合せますると実に大きな穴があいておるのでありまして、これは到底今のこの九月の火力能力だけではカバーし切れないのであります。  こういうふうな状態でございまするので、九月の六日以降今日まで一週間区切りで何とか水の出るのを期待しながら法的措置による制限段階を実施しておるのでありますが、この状態は先週までのところでは、この三日までの状態といたしましては九州、北海道、四国を除きました他の本州の地域に対しまして法的措置を、例えば特別大口に対しまして約三割程度法的制限を実施しておるのでありますが、現実状態は更に今申上げましたような出水状態の悪化、石炭入手の不円滑というふうなものが禍いたしまして、その法的措置よりもかなり又上廻つた制限を……、制限というよりはこれはいろいろとお願いをして、そうして自主的に需給を減して頂いておるというふうな形でありまするが、制限を実施しておるのでありまして、この状態相当地区とも深刻になつておるのでありまして、我々関係者といたしまして又非常に苦慮しておるところであります。この四日以降につきましては更に九州状態相当悪化して来ましたものでありまするからして、九州につきましても同じような法的措置をとることにして今日に及んでおる次第であります。  以上実情を御報告申上げたのでございまするが、更にこれに対しましてどういうふうな措置をとつておるかと申しますると、順序といたしましては只今のような法的措置を続けておるのでありまするが、これがこの十日を以て、あと二日ほどで日数が切れるのでございますが、そのあともやはり相当な大きな出水がない限りはこの状態の緩和も期待できないものでありまするから、取りあえずの処置としまして、従来の制限段階を若干更に強化をして、今関係方面打合せをしておるのであります。そういう方法によりまして、一応現実制限状態の混乱を一応法的に裏付けをすることによつてできるだけ防止をすると共に、石炭対策につきまして更に引続き各方面と折衝して善処しておるのであります。下期の石炭受入態勢につきましては、この書類がまだお手許に参つておりませんそうでございますので、後ほどお届け申上げることにいたしまして、口頭で概略の御説明をいたしたいと思います。下半期における電力用石炭所要量は大体四百二十万トンを受入れしたい、こういう見通しでございます。この四百二十万トンの所要量が、九月末現在における貯炭成績も思わしくないのでありまするから、そうした点をも考慮いたしまして、この受入れは第三四半期中にそのうちの二百五十万トン程度をば受入れをして置きたい。そうして第三四半期中の消費を差引いても十二月の末、いわゆる冬の本格的渇水段階になりまするまでに約八十万トンの貯炭を用意することによつて一—三月の最盛需要期に大きな穴のあかないようにするという方途を立てまして、この線に沿いまして先月の初め以来鋭意これが入手電気事業者をも督促し、又通産省、安定本部等へもいろいろと連絡をいたしまして骨を折つておるのでありまするが、現状におきましてはこの点につきまして特に担当官庁でありまするところの資源庁のほうで非常に御配慮を頂いておりまして、電気事業者石炭事業者との間に立つていろいろと斡旋を願つておるのであります。で、できるだけ従来大手筋のほうの受入れが少かつたのを、大手筋受入れをもできるだけ殖やして、結局おおむね半分くらいを大手のほうに期待するようにお願いしているのであります。又九州におきましても従来の数量よりはむしろ殖える目にお願いはするというような方法をとつているのであります。で、従来一部の消費者を通じました関係上、非常に受入れ等に苦労しました面につきましても、その後の経験に基きましていろいろとこの辺の改善の方策を講じておるのであります。そうして丁度第三四半期石炭の買付の契約が近くまとまる段階になつておるのでありますが、大手筋につきましては只今までに聞いておりますところでは、約八十三万トン程度大手筋のほうで契約が願えそうな様子に進みつつあるのであります。併しそれでも電気事業者の側といたしましてはなお足らないのでありまして、更にそれ以上をお願いすべく関係方面打合せをいたしておるわけでございます。九州のほうにつきましても、それぞれの炭鉱にお願いし、或いは消費者のほうにも御連絡を願うようにしまして、そうして今月下それぞれ個々に当つておるのでありますが、今資源庁のほうでもいろいろとこの面について内面的に御援助を願つておりまして、近く資源庁では中央だけではこうした方面には話が具体的にまとまらない面もあるので、九州のほうへも、現地に担当官がお出でになつて、そうして御斡旋を願うというところまでお話をやつておるのであります。こういうふうな関係で今第三四半期石炭の獲得、契約見通しを一日も早くはつきりとつけたいと思つてつているのでありますが、恐らく近いうちにはそれの大体の最終の見通しがつくものと思うのでありまして、その工合によりまして更に必要な措置について各関係方面お願いをしなければならないと思つております。  それから発電力増強の面につきましては、その後も電力会社のほうにそれぞれの問題について強くプツシユしておるのでありまして、本年度発電力水力におきまして約二十二万キロワツト水力約二十万キロワツト、それから火力のほうは新増設と、設備の復旧とを合せまして、やはり二十二万キロワツト程度、それからそのほかに自家用の水力及び火力が、水力が約五万キロワツト火力が約六万キロワツトが本年度中に完成いたすのでありまして、一部はすでにでき上つておるのでありますが、そういう面で新たな供給力は約五十万キロワツト余り殖えることになります。  ロス軽減の問題につきましても鋭意電気事業者のほうでこれの推進に当るように鞭撻をいたしておるのでありますが、何分にも供給力の新規の増強という面では今年度において今申上げましたより以上の大きな数字はなかなか期待できないのでありまするが、併し石炭の苦しい面の穴埋めの一つといたしましては重油を混焼し、或いは重油を燃焼する、そういう方法をもできるだけとり上げることにいたしまして、特にこれは関東、中部、近畿の三地区において推進を図つておるのであります。只今までに見通しのつきましたところでは、今年度分といたしまして重油の量にして約八万トン、石炭にいたしますると十五、六万トン程度のものになるのでありますが、これだけの消費計画は本年度中についての消費という見通しが立つておるのでありまして、更にこれ以上の増加について鋭意検討をいたしておる次第であります。又インド炭の輸入という問題につきましても具体的に資源庁のほう、乃至は消費者のほうといろいろ打合せをしまして、できるだけ入る方法はないかと目下検討いたしております。委員会といたしましても少くとも三十万トン程度を入れてもらいたいといつて方面に話を進めておる次第であります。こういうふうにいたしまして新規の設備増強、或いはロス軽減、或いは石炭の代替になるような燃料の受入れというような方法をとつておるのでありますが、それでも当面のこの非常な渇水状態から見まして、又それからもう一つは今年度の下期全体を通じての需給予想等から見ましても、どうしても絶対量において不足をするということが予想されるのでありまして、これはこの前資料に基きましていろいろ御説明申上げたと思つておるのでありまするが、お手許にありまする昭和二十六年度下期電力需給対照表にございまするように河の水が大体八カ年平水並出水があり、又これをば十分に使う貯水池も予定通りあり、又石炭下半期に四百二十万トンが確保できるものとして見ましても、下半期を通じまして毎月六乃至九%の不足をするというふうな数字予想されるのであります。これは年初以来の需要予想以上にぐんぐんと延びて来ましたのが、こういう面において数字となつて反映しておるものでありますが、その上に実際には渇水事態が加つて来ている。この見通し渇水が激しければ、それだけ石炭によつてこれを穴埋めでき得るならばよいのでありますが、できない場合にはそれだけどうしても供給力が低下するわけなんでありまして、又石炭のほうはこの下半期に四百二十万トンという線を確保するのも非常に容易でないという深刻な状態にありまするので、渇水が殖えましたからといつて、その部分をどの程度更に増加し得るかという点については、非常に困難な状態現実にあるのであります。  こういうふうな事情にありますので、下半期を通じての需給調整につきましては、どうしても計画性のある制限段階をあらかじめきめておきまして、そうしてこれをその段階を、例えば只今我々のほうで考えておりますのはおおむね五段階程度にして、そうしてその状態に応じて段階を或いはやわらげ、或いは切り詰めるというふうにて、特定の月になつて非常な破綻の起るということを極力避けるという方途に出たいと考えているのであります。この案につきましては実はもうきめたいとうところにあるのでありますが、いろいろな関係方面との打合せ等におきまして、話合としてもまだまとまつていない面が残つておりますので、今日におきましても委員会として最終決定をするところまで至つておらないのであります。おおむねの考え方制限段階を五段階に考えて、そうして一般産業と、或いは公共事業というような特殊産業等によつては、そういう業種によつて多少の取扱いの差等を設けて、そうして制限率段階に応じてきめる。これはキロワツトについても段階を作りそれから、キロワツト・アワーについても制限の目標の段階を作つて置いて、そうしてそれをあらかじめ需用家の皆様によく周知して置いて頂いて、そうしていつからはこの段階に入るというふうな扱い方で行きたいと思つておるのであります。又当然この禁止すべき、我々禁止需用という言葉を使つておるのでありますが、需用の種類に応じましては、こういう非常に苦しい段階においては、或いは使用をやめて頂くというふうなことも考えなくちやならないのであります。そういう面も考えております。それから時間的に使用を禁止し、或いは休電日を指定することによつて使用制限を加えるというふうな方法を併用いたすことを考えております。こういうふうにいたしまして、下半期制限をできるだけ均らして薄く済ましたいと思うのでありますが、石炭貯炭の僅か二十万トン足らずしかない段階状態であり、炭が現実に苦しいところへ、貯水池のほうもうんと減つてしまつておる、こういう今の段階において、渇水のほうが先へ参つておりまするため、に、調整能力となるべき面が非常に今申しましたように苦しいので、制限が非常に今深刻になつて来ておるのであります。これを何とかして一刻も早く何等かの方向へ持つて行きたいのでありますが、何分にも渇水による影響というものが、すでに今日では三割五分も渇水をしておるというふうな状態でありまして、三割五分の渇水というのは、一ケ月を通じまして石炭に換算いたしますと、実に大きな数字になるのでありまして、現在の火力設備ではどういたしましてもそうした数量は到底焚けないという事態のために、期の初めにおいて非常に深刻な渇水で、需用家の皆様に御迷惑をかけました。(「もつと簡單に」と呼ぶ者あり)  それから七—九の電力融通の問題でありますが、これは電力会社の間においては、大体この融通契約を結んでおるのでありますが、この契約通り守つてつたのでは、どうしてもこの地域間の制限程度が非常に差等が激しくなるのでありまして、委員会といたしましては、これをできるだけ運用を円滑にするように、各需用者に強く要望をしておるのでありまして、現にこの土曜日から委員会の強い斡旋によりまして関東、中部の両地域から電力を出しまして、そしてこれを東北、北陸、関西、中国、それからもう一つ九州からも出しまして、そして足りない地域との間に若干の融通調整を今までよりも強化するという措置もとつております。以上であります。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今平井技術長から依然として変らない平面的な対策について御説明がありました。(笑声)委員会としましてはそれだけではなかなか納得が行きかねますので、委員会から急遽東北地方に派遣いたしました栗山、小野、小川三委員東北地方電力需給状況調査の御報告を聞いて、この調査を進めたいと思います。
  5. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 これはその報告も非常に結構だと思いますが、どうせ各地区実情におけるそれぞれの議員から報告を兼ねたような質問などが相当展開されると予想されますから、総合的にこの対策に対する質疑を先にやつてもらうわけに行かないかどうか。……
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 実際の状況を調べて来られた委員が、委員会から派遣された委員でありますから、その報告を聞きましてせめて一つ地方でも的確な電力需給状況を把握して調査を進めたほうが委員長としては適当であろうと考えます。栗山君の発言の後に一つ質疑お願いいたします。
  7. 栗山良夫

    栗山良夫君 私あとで忘れるといけませんので、今報告申上げる前に……、平井技術長の御説明は、私がこの前の委員会公益委員会に要求をいたしましたのといささか筋違いの総花的であたりますので、この点はもう少しあとで、はつきりと松永委員長代理からでもおつしやつて頂くようにいたしたいと思うのであります。それはものの考え方でありまして、先ほどの御説明を問いおりますと、実にいろいろの手を打たれておるようでありますが、どれもこれも決定的な手はないように思うのであります。例えば炭にいたしましても、目下一生懸命に仲介斡旋に努力中であるということでありますが、今の段階ではそうあつてはいかんので、私どもは過日の委員会においては現在の法的枠内においてとられるところの強権をもつてでも、緊急に確保したということを御報告願いたい。更にできなければ、法的措置を講じてでもこれはやらざるを得ない。再統制も止むなしというような強い意思表示をして置いたのでありますが、今日の段階至つてもまだその点についての御決意のほども示されんということは非常に遺憾であります。  それから第二点は、相互融通の問題でありますが、今日電力不足をしておることは国民全部誰れも承知しておるのであります。そうして来年の三月まではうまく行かないということも大体承知をしており、そういう中で私は何とかならないかと考えておりますことは、ただ一点、全国的に何とか同じ制限を受けるならば、同じような率でやつてもらいたいということであります。そうして三日の週休電日を二日に、二日の週休電日を一日半なりに何とか切り下げたいというのが念願であります。従つてこの前の委員会におきましても、相互融通の問題はうまく行つていないから、公益事業委員会としては、これは真剣に而も強力な措置を考えてもらいたいということを私は言つたつもりであります。そういうことについて只今伺いますと、目下斡旋をして十月一日から若干相互融通をしたという御報告でありまして、これも私どもの考えておることとはいささかほど遠いのであります。  それから更に電力制限の問題でありますが、新らしい制限措置を講じて、段階的に順次制限をするようなことも考えたい。又禁止需用のことも考えたいとおつしやるのですが、これは只今石炭入手状況から申しましても、今日只今から一番強いところの措置をとらなければ、来年の三月までの安定した電力の送電はできないはずであります。それをまだ今日においても、いつからそういう時期が来ると御予想になつているかも知れませんけれども、結論を出しておられないばかりでなしに、強い決意のほどを示されんということは、私どもとしてこの前の委員会を何のために開いたのか全くわけのわからんことになるわけであります。この点はのちほど私は東北方面の視察の状況も御報告いたしますが、のちほどはつきりと一つ聞かして頂きたい。それが今日の委員会の最も重要な目的であろうと思います。ポイントをボカさんように一つお願いします。  ところで先ほど技術長は全国的な数字について御説明になつたのでありますが、これについて各ブロツクの間において非常な差があるということを報告をされていないのであります。只今のところ一番ひどいのは中国でありまして、十月三日の状況などを見ますと、九カ年平均の三六%くらい水力がないのでありますが、その次に甚しいのは東北、北陸でありますが、それで一番深刻であり、而も火力発電設備を全然持たない東北方面の要請によりまして、小野、小川委員と共に四日に出かけて今朝調査を終えて帰つたような次第ですが、その概況を申上げたいと思います。  先ず最初に五日には岩手県の松尾鉱業所、それから同じく岩手県庁の県の当事者と打合せをし、六日には太平鉱業の網倉鉱業所を視察をいたし、昨日七日には仙台の公会堂におきまして経済団体並びに公益委員会の支局、通産省の通産局等約五十名のかたがたの参集を願いまして懇談をいたして来たのであります。その不足状況につきましては、火力が全然ない、そうして水の出方も五〇%ということでありますから、その結果がどうなつておるかは、私が申上げるまでもないような状況でありますが、東北の人たちが一番最初に口を揃えて述べられましたることは、東北渇水がすでに今年の六月の下旬から発生をいたしまして、そのために八月の二十日には全国でどこにもなかつた現象でありますが、大口需用者に対しまして四割の使用制限の指令が発せられまして、二十一日から実施をされておる。そうして全国的に九月六日から公共事業令による三割の使用制限が告示されましたときには、東北地区はこの告示を超えまして四割の強度の制限が実施されて来た。この点に対して非常な不満を持つておるようであります。そうして而もこういうような状況でありましてなお且つ不足が回避できないために、すでに東北方面においては、他の地区においても現われておるようでありますが、緊急停電が頻繁に行われております。そうして東北の或る製紙業者の非常な悲痛な訴えによりますと、たまたま静岡の富士川沿線の製紙工場を見に行つたときには全然制限をしていなかつたのに、自分のほうではすでに四割の制限をしておつた。こういうようなことでは到底経営はできないという非常に痛烈な訴えがあつたわけであります。更にそういうような事情でありましたために、東北方面のいろいろな生産の減退は、他の関西、中国、北陸等とも同じであろうと思いますが、特に鉱業関係の生産だけを見ましても、七月の生産実績を一〇〇といたしますると、鉱山面を申上げますと、釜石鉱山においては九月には四六%に減退をいたしております。又網倉鉱山におきましては五一%に減退をいたしております。日曹の会津工場におきましては六八%、それからその他二、三の工場がございますが、いずれも最高四〇%台でありまして、中には大泉鉱山のごときは一三%に減産をいたしておるような実情にあるわけでございます。従いまして東北における仙台の懇談会におきましても一鉱業家のかたがたがわざわざ東京から首脳部が仙台まで出掛けられまして、多数の人が会合せられ、特に二十八名の多くの人が発言をせられたのでありまして、鉱業界としても実に今まで曾つてなかつたところの熱心振りであるというので、司会者その人が非常にその熱心に動かされておられたような実情であります。この席上におきまして極めて強い態度を以て具体的な要望がなされましたので、私はここでその一つ一つを申上げたいと思うのであります。  先ず第一に東北の人々が述べられましたことは、東京その他の地区からの融通電力量の増加による使用制限全国的な均一化を是非とも図つてもらいたいということが非常に強く要望せられました。そうしてその後自由討議に入りましたときには、もうこの段階においてはRBにおけるところの斡旋等をやつてつたのではとてもうまく行かない、公共事業令によるところの融通命令を即刻発動してもらいたいということが強く多くの人々から述べられたことを併せて申上げて置きます。  それから第二には、各産業の破局的な悪影響を極力防止するために、非生産的電力を極度に抑制をいたしまして、基礎的重要産業に対し生産の維持に支障を来さないような強行措置を即時とつてもらいたいということが、述べられたのであります。これは先ほど私が述べた点と同じような意味のことなのであります。  それから第三には、東北電力会社火力発電所を有せず、他の地方のために水火力調整金として年間九億円の巨額な負担を強行せしめられておる不利な現状に鑑み、当地区にも早急に火力発電所を建設するよう強力な手配をしてもらいたいということが要請されております。  それから第四番目は、電気事業は我が国産業界でも最も基礎的な重要産業でありますから、旺盛な企業精神の充実した活撥な活動を要望したいのである。独占企業の偸安に馴れて消極的に堕しておることは、我が国経済にとつて致命的な弱点といわなければならないから、電力会社の経営刷新を是非とも図つてもらいたいということが述べられておる。  第五には、電力供給の問題は、重要産業政策の一環として、責任ある行政官庁の能率的な行政運営によらなければならない。現在の行政機構は責任の所在が極めて不明確であるので、電力行政機構を抜本的に改革せられたい、こういう要望がございました。  更に二、三鉱山用の保安電力は、その特殊性に鑑みまして電力制限の枠の外に置かれたいという要望、或いは一定の枠内におきましてその工場が使用合理化をやつて節電に協力いたしました場合には、これは報奨の意味において合理化分だけは是非ともその工場に還元されたい、そうしなければ合理化というものが強く行い得ない段階にあるのではないか、こういうような現場に即した意見も述べられたのであります。  只今申上げましたことが太平鉱業の東北方面における経済界との懇談会において各発言者がそれぞれ一致して述べた強い意思でありまして、国会に向つて善処方を要望されたのであります。今申上げました事項は、私どもといたしましてもこの内容については殆んど異議のないところでありまして、この点について当委員会におきましても、東北方面実情並びにその他の地区実情と併せ考えられて善処あらんことをお願い申上げたいと思う次第であります。
  8. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 議事進行について……。只今栗山委員から東北地方調査の御報告がございまして、非常に栗山君ほか御出張頂きました各位に御苦労でございましたと御礼申上げますが、重ねて今も御説明の中に附加されましたが、中国地方並びに関西の労働組合電力対策共同闘争委員会のかたが今日お見えになつておりますから、東北地方の窮迫しておる事情に続いてそれぞれ御説明を伺いまして、その後に総括的な質疑をするように御取計らい願いたいと思います。
  9. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今椿君から議事進行に関して御発言がありましたが、本日陳情に見えておりますのは、関西の労働組合電力対策協議会ですか……だけでなく、中国側からも見えておりますようでありますから、ただ公報の取扱いが参考人として喚んでありませんので、懇談会をして委員諸君にお諮りをして、それから後に発言を許せばお見えになつておる皆さんに御発言を許したいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を初めて下さい。  それでは中国電力協議会幹事高橋洋次郎君に発言を許します。
  11. 高橋洋次郎

    ○参考人(高橋洋次郎君) 只今御指名頂きましたのでこの席を拝借いたしまして発言さして頂きます。中国地方は非常に東京から遠いところにございますが、この中国電力がほかの地区電力会社に比較いたしますと、非常によく発電に努めておられるというような両方の理由で今まで余りその苦しい事情が中央のほうには伝わつていなかつたように考えますのでございまするが、実際の実情数字が明らかに物語つておりますように、中国地方はいずれの点から見ましても全国で最も苦しい状態にございます。のみならず苦しくなりました期間も全国で最も早く八月の初めから引続き二カ月以上に亘りまして血の出るような苦しい状態を続ておるわけであります。本日陳情に参りました趣旨もこれ以上この状態が続きまするならば、火力発電所の余力もすでに使い盡しております。全然これ以上焚きます余力はないのでございます。おまけに水力発電所のほうがその後も雨が一つもございませんので、只今栗山さんのお話で十月三日現在三六%の渇水全国一であるというお話がございましたが、十月六日現在二八・八であります。四分の一の出力に下つておるわけでございます。これ以上このまま行きます場合には、火力発電所の補修不足のために大きな破局に突入いたしまして収集し得ない混乱を起す状態にまで参つておりますことを申上げたいのであります。私ども全国均等の制限率によつて均等な電力配給に預りたいことを勿論念願いたしておりますけれども、今日ここで参りますると、さような贅沢なお願いを申上げに参つたのではございませんので、今までの全国最高三割五分の制限率を維持して頂くために七十万キロワツト・アワー、一日七十万キロワツト・アワーの電力九州及び関西、東京、中部のほうから関西を経まして頂戴いたしたい、これがお願いの趣旨でございます。若し頂戴ができないようでございましたならば、電力融通命令を出してでもすぐ明日から頂戴できるように御配慮願いたいというのが陳情の趣旨でございます。  先ほど申上げましたように、中国地方は最も全国で苦しい状態にあるということを申上げ、なお電力会社としてもこれ以上の余力がないということを申上げましたが、これらの点につきましては只今中国地方電力危機の実相を訴え救援電力を懇願する」というプリントを差上げてございますので、そのプリントにつきまして簡単に御説明さして頂きたいと思います。  第一番に渇水状況が出ております。これは十月四日に発表になりました数字でございますが、これは先ほど来問題になつておりましたように中国は三五%、東北は四八%、北陸は四五%、関西は六七%の出水率でございます。中国の十月六日現在ではそれが二八・八%に更に低下しております。  その次に記載してございますのは、火力発電所の運転の状態でございます。地区内の設備は余つておりますが、地帶間融通電力におすがりするという、さような心得では本当の九ブロツクになりました趣旨が失われてしまうわけであります。その点につきましては中国のほうはその表が明らかに示しておりますように最も苦心をして最も余計発電をしておられるわけであります。その数学につきましてちよつと御説明申上げますと、火力発電状況比較一覧表と申します表がございますが、その最大出力と申しますのは大体各地区には一番左の欄にあります最大出力と申しますのは、各地区にはその程度の出力があるのであります。関西は百十六万キロございます。中国が二十六万キロございます。それが如何ように動いておるかと申しますと、八月現在は四十一万キロ動き、中国は十七万キロ、九月が二十九万キロに下り、中国は十七万四千キロを出しております。関西が下りましたのはその次の表にありますように石炭を使つて貯炭がなくなつたために落ちたのではなかろうかと推察いたしておるのでありますが、中国は九月は落ちておりません。これを公益事業委員会のほうで策定しておりますところの二十六年度の年間計画によります八月及び九月の火力の稼働最渇水のときに焚く稼働出力と比較いたして見ますと、関西はいずれも八月、九月とも五十万キロ出る予定になつております。中国は十九万一千キロ、九月は十七万キロ出す予定になつておりますが、予定と実際に出した出力を比べますと、最後の比率のところのB/A、C/A、B/D、B/Eという数字が書いてございますが、関西は八月に八三%出しておりますけれども、九月は五八%になつております。中国は八月は九四%、九月に一〇一%の発電をいたしております。これ以上の発電は到底できないというところまで発電をやつておるわけであります。  発電所の石炭につきましても同様のことがいえるのでございます。九月において中国は同じく公益事業委員会計画を立てておられました消費石炭量中国では五万九千三百トンでありますが、それに対しまして実際に焚きました九月分の石炭は十一万三千六百七十九トンで、この比率を求めますなら一・九一%、二倍近い石炭を焚いております。さような状態でありますのにかかわらず、一方二枚目を御覧頂きますと貯水池の水位が出ておりますが、貯水池はどういうふうになつておるかと申しますならば、毎日減水の一途を辿つておりまして、十月三日現在で出しました数字では、東京の猪苗代は一・七九メートルが満水ですが、それが四十七センチでございます。関西の三浦貯水池は四四・五五メートルが満水ですが、それが二九・八六メートルでございます。中国の高暮貯水池は三三・四三メートルに対して七・一四メートル、その比率を求めますと猪苗代は二六%、関西は六七%、中国は二二%、貯水池の水量から申しましても一番中国が食い込んでおるということがこれではつきり出て参るかと思うのであります。  その次に電力制限状況を一覧表に出してございます。先ほど申上げました日に七十万キロワツトの救援電力を是非お願い申上げたいと申しますその根拠は、その右側に小さく書いてございますように十月三日現在では水力百六十五万二千キロワツト・アワー、火力が三百二十九万三千キロワツト・アワー、融通がゼロでも四百九十四万五千キロワツト・アワー送つております。これが七百万キロワツト・アワーの大体三割減でありますが、今のまま火力を三百二十九万トン焚くことは実際これは不可能であります。もうあちこち補修を要するところが随所に出て来ておりますので、これは三百万以上は無理である。水力も先ほどの出水率にございましたようにその後もどんどん下つておりますので百二十万キロ以上は無理である、このようにいたしますと現在の制度を維持するためにもあと七十万キロの穴があくということになります。これは地区内でも如何に努力をいたしましても補修する途がございません。是非とも融通電力によつて穴を埋めるようにお願いいたしたい。これが本日の陳情の趣旨でございます。  その次に昭和二十六年の七月以降の電力抑制状況が書いてございます。これで見ますと八月の初めから十日間ずつに区切りまして制限の割合が出ております。九月下旬では中国がこれは勿論特殊需用電力を除いておりますが、公益委員会の御発表になりました数字から年間計画によります特殊需用、季節的な特殊需用を除きましたものでパーセンテイージを出しておりますが、それによりますと九月の下旬では勿論中国が七三%、それが一番低くなつておりますけれども、八月一日からの平均では関西が八七、中国が八八と僅かに中国がいいという数字が出ております。かような大幅な制限によりまして、それでは中国内の工場やら町の電燈は一体どういう状況になつておるかということをその次の五番目に書いてございます。これを御覧頂きますればわかりますように、もう大分前から夜は螢送電でございます。それからリレー送電よりも螢送電のほうが電気のほうから行きますと節約の量が大きくなりますので、螢送電でやつておりますけれども、これもだんだん最近ではすでに螢送電に馴れて来ましたので、電力の低い電球を買つてつけるというようなのが殖えて参りました。そういうような状況にまで来ております。それから工場のほうの影響も非常に深刻なものがあります。生産量から言いましてももう半減以下になつております。丁度関西のほうの鉄鋼の関係から関西地区の九月六日から四週間における関西鉄鋼関係十八社の電気の使用量と、これを七月の実績をお比べになりました資料を作つておられましたので、それと中国関係に六社ございますが、その六社の数字を比較いたしましたものがその表に出ております。関西では五九・二%が七月実績に比べまして六九二・%、大体四割減の電気を使つていらつしやいますが、中国はそれが四四・一%でありますから六割減に近い数字になつておりまして、その間、一割五分だけ関西のほうがまだ惠まれておるということが数字の上でははつきり申上げられるかと存ずるのでございます。かような状態でございますので、もうすでにゆつくりした方法手段では間に合いませんので、これに結論としてお願いいたしてありますように緊急対策といたしまして、是非とも電力融通命令を御発動願いまして中国地方には七十万キロワツトアワー、毎月七十万キロワツトアワーの救援電力を援助して頂きたいと思いますが、いろいろの関係でどうしてもそれが出せないということでありまするならばこれに二番目に謳つてありますように中央官庁の御斡旋によります石炭乃至は重油そういつたようなものを中国のほうに頂戴いたしました量とは別にこれを、関西若しくは九州の遊休火力中国の送電分として紐付きで出すようにして頂きたいということをお願いいたしておきます。  以上申上げましたように中国地方としましては最後の段階に来ておりますので、どうぞ皆さんのこの上とも御協力の下に、何とか破局に突入しないように、この危機を乗切れるような御配慮を願いたいと存じます。
  12. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 次は関西労働組合電力対策共同闘争委員田中市蔵君に発言を許します。田中市蔵君。
  13. 田中市蔵

    ○参考人(田中市蔵君) 私は只今御紹介にありましたように関西地方の労働組合の電力問題の共同闘争委員会の組織を代表して本委員会に御要請申上げたいと思つております。  大体共闘委員会の構成といたしましては、神戸地方の労働組合の協議会、大阪地方の総評議会、京都地方の総評議会、それから尼崎鉄鋼三社共同闘争委員会、尼崎の労働組合の連絡協議会、鉄鋼労連の関西地方協議会、合成化学の関西地方の協議会、それから関西化学の労働組合連合会、一応この八つの労働組合の団体から構成されておりますが、我々はその組織代表者三十万を代表して昨日停電の関西を出発して本日参つたわけでございますが、私は電力の專門家でもございませんので、專門的な資料を携えて專門的な立場から御要請申上げる能力を持つておりませんが、労働者的な立場から純粋な表現として一言お願い申上げたいと思つております。関西の電力事情については、ここで申上げる必要もなく十分御承知と思いますが、水力において五十をすでに割り、火力において二十数万、約必要電力の半分が提供されておるという状態でございまして、先だつては三割制限、五割制限というような段階に入ります会社、工場、いろいろございますが、我々が組織しておるところの労働組合もいろいろな業種に分れておるわけでございますが、特に中小企業に至つては週に三日も四日も休んでおる、或いはひどいところになれば殆んど閉鎖状態であるというような実態であり、大企業といえどもやはり同じような、同率な制限を受けてやつておる。そのために生産がそれに伴つて低下しておる。生産低下は言うに及ばず私どもの立場から申上げればそうでなくても最低生活ぎりぎりの賃金で働いておつたものが、これによつて賃金が非常に切下げられておる。六割保証されておるところはまだいいほうでございまして、中小企業に至つてはその六割すら達しておらない。特に給與の大部分を能率給が占めておるその能率給は電力のこういう状態によつて非常に切下げられておる。こういうことによつて非常に生活が窮迫している。こういうことは言葉で申上げてもぴんと来ない面もあるかと思いますが、実態に触れて頂けば一番よくわかると思うのでありますが、非常に窮迫のどん底に追いやられておる。なおそういうことを耐え忍ぶとしても、産業の中枢地帶である関西地方においてこういう状態が続いたならば、麻痺どころか壊滅するであろうということを憂うるわけでございます。私どもとしては未だ曾つて労働組合の歴史で賃金切下げについてはゼネストを以て闘い、或いはいろいろな形のストライキ以て闘つて来たのでありますが、今日ほど大きな賃金切下げに対して何らそういう実力問題などは考えることなく、勿論そういつたものでないわけなんであつて、これはそういう考え方によつて解決すべきでない、我々の立場からも労資一体になつてこの問題の打開のために闘わなければならないという考えの下に、先般も関西電力会社に抗議に行き、或いは公益事業委員会の大阪支局に参つて要請をやつたわけでございますが、お話にならない状態である。まあ努力いたしますとか、鋭意検討中であるとか、こういうことを聞かされても我々の生活は取返しもつきませんし、産業の壊滅というものが救われるものではないわけでありまして、抜本的に中央において対策を考えて頂かなければならない。そういう段階に達したという考えに基いてやつて来たわけでございます。数字を挙げてあえて御説明するまでもなく十分御承知であろうと思いますが、関西には一部こういう状態が続いたならば特に電力料金が値上げされた直後のことでもあるし、九州においては電力料金の不拂運動まで起つておる。そういう声すら起つておる。電力関係者は何をしているのか。こういうことについては非常に不信である、不満であるという強い要望も起つております。併しそういうことによつて又解決するものでもなく、ここ暫らくお互いは歯を食いしばつて頑張つて、どうしたら石炭がたくさん焚かれ、どうしたらこの窮状が打開されるかということを考えなければならない時期であるという考え方に立ちまして、我々の同志である炭労の同志諸君にどうかこの関西の実情をよく考えてくれということで要請を行いまして、先般も炭労へ要請を行なつたのでありますが、そういう立場から協力してこの問題の打開に当つているわけでございます。本日もこちらへ参りましていろいろ検討いたしました結果、どうかこういう実情を十分御勘案願うと共に、こういう事態至つては、私どもの率直な考えとしては、電力の問題解決のために石炭の強制出荷措置、強制出荷の命令を出して頂くとか、そういう單なる話合いの段階ではなしに、強力なる手段によつて石炭確保の途を講じて頂かなければならないのではないか、そういうふうに卒直に考えるわけであります。  それからなお先ほど中国のかたも申され、傍聴の際に数字をお聞きしておつたのでございますが、どこの地方が悪いとかいいとかいう問題もあろうかと思いますが、併しこれは別といたしまして、雨の降つた翌日に比較すれば数字が変つても来ようし、一々会社の電力使用量を並べて比較したならば、どこが高いとかどこが低いとかということは出て来ようと思いますが、実態はよく專門の立場からお調べになればわかると思います。関西の労働者は卒直に全国的な立場からこういう問題を解決しなければならないということを考えるが故に、あえて関西とは申上げませんが、どうぞその辺のところを十分お考え願いたいと思つております。  それからなお融通電力の問題につきましても、いろいろ分割された際の経緯といたしまして、その査定が多少誤謬があつたのではなかろうかというような点が察せられます。特に新らしく起つて来たところの需用電力に対しての考察が十分なされておらなかつた。私どもが見てもそのような考え方が成立つのでございます。そういう面から言つて、現在の形においては融通電力の問題について、公平な立場から十分調整を願いたいと思うわけであります。それから更にもう一つ、先ほど冒頭に申述べましたように、私どもの働く者の窮状或いは中小企業、関西の産業の実態というものを中央において、成るほど机上の報告等でお聞きになつておるかと思いますが、実態に触れて十分おわかりになつておらない面があるのじやないか、決してこの委員会というわけではございませんが、関係者に、電力会社関係者或いは事業委員会のかたがたにそういう面が特に強いのじやなかろうかというような気がするわけでありますが、是非一つ関西の実態を現場に触れて、形式的な視察ではなしに、実態を見て頂きたい、そういうふうに考えておるわけであります。  以上具体的には三点を要望いたしまして、一言御要請申上げたいと思います。
  14. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これで参考人としての発言を終ります。これから質疑に入ります。その問題は、石炭確保対策について、或いは電力融通対策電力制限方法等についての質疑を今からいたします。
  15. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 各地における電力需給上の窮迫については、それぞれの地域において苦しい事情があるので、それぞれ数字でこれは公益事業委員会からお出しを願いたい。需給実情につきましては、今中国から関西との比較論をいろいろ聞きましたが、決して私はあれは間違つたとは言いませんが、適切なものであつたかどうかについて疑問を持つております。本日関西のほうからの通達によりますれば、現在の状態として、鉄鋼及び造船産業においては二割五分の生産実情しか上らない。繊維工業は引つくるめて四〇%乃至五〇%、中小企業は三、四割の実情である。三十分ごとに市松模様に点滅しておるという姿、停電に際会して強盗、窃盗の府下各地の横行というような治安上におきましても、何からかんから見ましても、重大な危機にあるというので、実は関西からも明日知事、市長、府会議長、市会議長、商工会議所会頭、全大阪四百五十万を代表して強硬に東京へ談判と言いますか、陳情に一来るという次第であります。であるからこれはその地区々々の熱、実情等によつて生ずる現象といたしましても、私はこの際前の委員会であれほどやかましく言つた問題が、公益事業委員会及び安本、通産等の関係当局がやつたであろうと思いますが、先ほど平井技術長からの恋々としたお話を聞きましたが、鋭意努力しておる、研究中であるという誠にしなやかな態度の御答弁であつて、到底満腹できない、口にも入らないような話ではないかと思いますることは、すでに平井技術長説明いたしておりまするような工合に、例えば石炭の問題についても、消費高の計画に比べて実績が四月、五月、六月、七月から急速度に相当多くなつて来ている、この実情をどのように見ておつたか、もとより心配しておつたが、徒らに心配しておつた程度に過ぎないかの感が深い。貯炭の模様についても、貯炭計画に上廻るこの実績消費実情というものは計画に比べて、実績の半分以下にも、或いは五分の一にも達しない実情が、七、八、九月と展開されておる。受入計画においても、その計画より遥かに下な実績しか上つておらん。こうしたような計画全般を通じて石炭対策があれほどやかましく我々の委員会で言われたにかかわらず、殆んどとられておらんではないか、或いは価格の高騰、大口、中小山の石炭業者に対する積極的な公益事業委員会及び関係当局の努力が殆んど投ぜられておらない。九分割された電力会社の首脳部は、まだ人事融和が落ちついておらないのと、やかましく言つた公益事業委員会に首を切られる、左遷をされる、腕がないという、こういうようなことを思われてか、全くやさしい陳情で真剣な態度をとつて、おるように見られない。私は一例を挙げますれば、今日こうした結果いろいろの方面石炭の買漁りと申しますか、或いは国鉄を要るだろうし、その他重要産業等もそれぞれこういう事態であるから、相当買漁つておる、或いは価格の吊上げ、そういうようなところへやはり採算感の強い九分割の首脳部が、値が高いから躊躇する、殊に注目すべきことは、平井技術長から折返し繰返し言つてつた通り、九月は台風時期であるから、雨さまが降るであろう、或いは水をひたすら期待しておつたというような、誠に謙虚な態度で、石炭手当がすべてに手遅れ、間違いが重なり合つてこういう数字が現われておるということは、こういう天の責任に帰すると共に、人為上の責任を回避して、全く何らとるべき措置をとつておらない。通産省にしても、安本にしても、石炭対策はもとより、日本の産業計画の根幹が、特に関西あたりの鉄鋼、造船が二割から三割の実情に陥つておるという実情に対してどういう考えを持つておるのか、見当が全くつかない羽目に追い込まれてしまつておるということは、私は今ここで責任問題を特に取上げてというわけじやないが、実に情ない。そんなことで大体石炭対策をやつたとかやらんとかよく言つたものだと私は非常に将来を按ずるのであります。それが先ず質問いたしたい第一点で、それらに対してもつと積極的な態度をどのようにとつたか、或いは将来どうとるつもりか、或いは石炭価格に対して政府補給金でも出して、当面する困難ないろいろな実情に対しても集荷方法を積極化する手段、輸送その他の問題につきましてどのような対策をとつておるか、又石炭需給調整上に関する強力措置というものは、今日の段階であるならば私はとるべきだと思うが、どうするつもりか、徒らにいろいろ石炭業者からも言い、或いは政府の主張する自由経済論もありますけれども、今日の段階ではこれでは救われない、当然強力な措置をとるべきだ、石炭需給対策は私は強力なものをとるべきだ、こうした考えについて、公益事業委員会或いは安本、通産当局はどう考えておるか、どう積極策をとらんとするのか、明確に答えてもらわなくては困るのであります。  それから第二点は融通命令のことであります。これは先月の十八、九日の委員会においても、私から宮原委員に折返し、三回、四回に亘つて、当然こうしたことに対して公益事業委員会が五十五條の適用によつて円満に話ができればなおよし、できない場合には当然この措置をとるべきことこそ公益事業委員会の当面する重大使命であるし、第一番にとるべき態度ではないか、これは石炭需給対策ももとよりであるが、総合的な電力全国的なこの需給操作を、五十五條の発動によつてやるべきであるということをあれほど強調して、考慮すると言われておりながら、最近において、或いは関東中部から余つたとは申さないが、余裕綽々たるうちから幾分の融通の内談はされた模様でありますが、かかる手段、措置では全国的なこうした大問題を収拾するには足りません。今日私は別に中国、関西と東京の実情というものを今比較しようとは思いませんが、これは公益事業委員会がよくわかつておるから、今日のこの席上、委員会においてもこうした資料は出すべきである。それを出しておらないということは、大体ようとらないから、突込まれたら痛いから出さないのか、そういう資料がないのか、全く僕は情ないことだと思うのであります。これらに対する積極策をとらない限り、この全国的な電力需給上に対する経済界、或いは社会的な不安、労働不安、こうしたようなものの牧拾は私はできない。絶対足らないものは足らないのでこれは仕方ないが、こうしたでこぼこな事情、或いは重点的なそういつた対策が殆んど講ぜられておらないのに等しい状態である。今後この融通命令をどのような工合で全国調整に強力に乗り出す用意があるのかないのか、やるのかやらんのか。もうそのやさしい愼ましやかなことを私は聞いておるのではない。抜本的にこれは全国総合的な解決策をとるべきだと思うのであります。先ずこの二点に対しそれぞれの責任者の答弁を求めます。
  16. 栗山良夫

    栗山良夫君 委員長、ちよつと議事進行……。只今岩木君の御質問は私も全く同感でありまして、先ほど私は松永委員長代理に責任ある答弁をやはり要求したわけでありますが、余り重要な問題でありますから、これは一つずつ議案にして、そうして各委員から質問がありましたならば明らかにいたしたい、そうして解決して行くようにいたしたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  17. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永委員長代理に答弁をさせるに先立ちまして、委員諸君に一言お詫び申上げます。さすが電力の鬼と言われた松永委員長代理も、この電力不足のためには頭を非常に痛められていると見えまして、今日は軽い脳貧血の気味だそうですから、坐つたまま答弁させますから、悪しからず御了承願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) それじやお許しを願いましてこのまま……。只今岩木さんの御質問の中に栗山さんから東北視察の御報告の前に公益委員会の考えを聞きたいということで、五、六カ條、細かく言うと八ケ條ばかりお話になつておるのであります。少し書き控えてはおりまするけれども、若しそれに漏れる点がありましたら、又栗山さんから更に追加御質問を願いたいと思います。
  19. 栗山良夫

    栗山良夫君 松永委員長代理にちよつとお願いしますが、非常に松永さんの御答弁はいつも長いですから、それを全部やられますと、なかなかうまい工合に結論がつきませんから、先ず一つづつやつて頂きたいと思います。(「その通り」「異議なし」と呼ぶ者あり)
  20. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは松永さん、一つ栗山君と岩木君との二人の質問が同じ質問ですから、先ず石炭の確保対策について公益事業委員会としては如何に考えられておるかという点を御答弁願います。
  21. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) それじやどちらも関連しまして、今委員長の仰せられた石炭対策のことについて概要申上げますが、数字そのほか平井君から又補足いたします。それから只今も事務総長は、資源庁そのほかと石炭の出荷について交渉に出ておるようで、その結果をもたらしてこちらに来るはずになつております。これが一番新らしい御報告になるかと思いますが、私の説明に多分補追してくれるであろうと思います。長く申すまでもなく、電力の最近の不足の原因は、御承知の通りに一方では非常な需用の増加があり、一方では非常な渇水状況があり、これに加うるに燃料とする石炭不足である。つまりまあ言い換えると、三つのものが三つ重なつて、それが相乗的に電力使用者に向つて悪い影響を與えておるのであります。その点から申しますと、第一に雨が降らないというのでおよそ台風時期を過したのでありますから、これに対して取りあえず消費方面相当抑圧しなけりやならん問題になりまするので、そのほうのことは別問題としまして、プラスの方面で行くことでは石炭を手当せんならんということ、この石炭の手当について各会社ごとに、関西、中部、東京もそうでありますが、最も大きなところは関西、この手当の方法がよかつたとか、悪かつたとかいうことは未だに相当問題となつております。これも最近は社内の人事も終え、相当つておられますようでありまするが、何分石炭の出荷が少い。少い上に出は非常に多いところもあるというような状況になつておるのであります。それで結局この方面石炭を持つて来る。それから東京方面も無論足りませんから、石炭を持つて来る。中部にも石炭を持つて来る。で、この持つて来て、そしてその焚く余裕がどのくらいあるか、ないかということが一つの問題でありまするから、これはあとで平井君に説明を願いたいと思います。例えば関西は石炭が足らんからでありまするが、仮に石炭が入つても、ボイラー、そのほかの余裕がどのくらいあるのであるか。それから……。
  22. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういうことは又平井さんに私お聞きいたしますが、一番……、そう長く答弁要求したわけでないので……。
  23. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) それは御注文通りに申しますので、何か……。
  24. 栗山良夫

    栗山良夫君 石炭を確保いたすには、今行われている方法ではなかなかうまく行きそうにないので、ここで相当思い切つた行政措置、どうしてもいけない場合には再統制までも断行しなければならんと思いますが、そういうような決意の下に仕事を具体化されつつあるのかどうか、そういうお気持があるのかどうかということを明らかにして頂きたいのが私の質問なんです。従いまして公益事業委員会だけで御答弁ができなければ岩武産業局次長も御出席でありますし、通省産業省からも来てもらいましてそういう点をはつきりいたしたい、こういうことを申しておるわけです。
  25. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私が栗山君の質問を要約して言いますが、先ず第一点は公益事業委員会石炭入手を現在の取引の状態のままで入手をするという方面で努力をされておるのか、これが一つ。でなかつた場合は臨時物資需給調整法を適用することを安本或いは資源庁に御相談なさつたことがあるかないかということ。もう一つは、それでもいかんから石炭を再統制する線まで安本なり資源庁なりは行つてくれという御相談をなさつたことがあるのかどうか。この三つのうちのどの方法公益事業委員会石炭対策として考えられておるかということを御答弁して頂きたい。
  26. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) よくわかりました。ともかく設備に余裕があるかないかというのが第一の問題でありますが、(「あることははつきりしている」と呼ぶ者あり)それで、あるところにどのくらいのものを持つて行かなければならんかということに対して、一番今のところで余裕があるところが中部と関西、殊に関西に重点をおかなければならん。そのほうの石炭の出廻りが悪い。それで今委員長の簡明に要約された意味におきまして、その業者が十分努力をしてもなお且つ法的処置を願わなければ到底出荷は結論として間に合わないだろうということは、もう殆んど一週間も前から明らかになつておりまするために、これは私どもの力で及ばない一つの物調法の命令発動というようなことでありまするので、たびたび安本並びに通産省、殊に資源庁の当局と殆んど毎日のごとく会議をしてその問題を最も始終交渉に参つております者は平井君と事務総長松田君、事務総長は多分只今もそれで帰られたと思います。それを是非発動してもらいたいということを希望し、たびたびやつておりましたが、まだなかなかそこまでの御決心がつかんので、我々も困つておる次第でありましたが、それがどういうふうになつておりますか、差支えがなければその点だけ松田総長から御返事さしたら如何でございましようか。
  27. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 事務総長、あなたがお答えになることは、石炭確保対策について安本並びに資源庁と如何なる話をして来られたか、公益事業委員会考え方はどうか……。
  28. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 命令でも出してもらうようになりつつあるかどうか……
  29. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 大変遅参をいたしまして誠に申訳ございませんが、今の石炭入手状況につきまして、或いはすでに平井技術長からお話があつたと思いますが、今日関西電力関係について特に委員会としまして、又資源庁、安本といたしましても力を注いでおりますことは御想像の通りであります。只今のところ大体第三四半期におきまして、委員会としては全国に対して二百五十万トンの炭を要求いたしておるのでありますが、それに対して只今大手筋関係だけで第三四半期に炭のつき得るという見通しのつきましたものが約八十四万トンついておるのであります。これに対して更に相当量の追加かたを又大手筋のほうとしては別途お願いをすることにいたしまして、これがどうしてもやはり我々の希望通りに参りますためには、四十万トン近くを追加願わなくちやいかんと思います。残された半分でありますが、これを中小炭鉱のほうにお願いをしようというので、実は今日ということになつておりましたけれども、或いはいろいろ関係で一両日遅れるかと思いますが、資源庁の岡田次長も現地に、特に九州に行つてもらいまして、これがそれぞれ各炭鉱ごとの契約量を現地できめてもらうということに相成つておるのであります。それで先ほど来のお話の出荷命令のことでございますが、これについては再三委員会といたしましても、実は資源庁、安本のほうには強く要望いたしておりまして、先ず第一ステップといたしましては、関西地区における石炭入手の問題について、例えば関西地区における他の需用家石炭入手状況或いは貯炭状況と睨み合せて、必要があれば関西における通商産業局長が大臣の権限の委任を受けまして、出荷命令或いは譲渡命令をし得るところにまで行つておるのであります。これを全国的にいわゆる山からそういう措置を講じてもらわなければどうも最近の情勢からして心許ないということは、私どもも強くその点は述べておるのでありまして、今日もその点はいろいろ資源庁のほうとも話をして参つておりますが、その点については、資源庁のほうとしても今打つておる状況をもう少し見てもらつた上でないと、最後のいわゆる伝家の宝刀というものを抜くというところにまでは今日としてはまだきまつていないと申しますか、発動するところにまでは至つていないという状況であります。いずれにいたしましても、私どもとしては今後の入炭状況というものを絶えず調べて、その都度安本、通産省のほうとは絶えず緊密な連絡をとつて只今申しましたようなあらゆる措置を講じて、入炭の確保かたに努力をして参りたい、かように考えております。
  30. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 中島炭政局長、資源庁考え方一つつて下さい。
  31. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 只今公益事業委員会からいろいろお話がありましたが、私どものほうのわかります点をもう少し具体的な点だけ申上げます。資源庁といたしまして現在の電力用炭の確保につきましては、特に全般の問題もございますけれども、関西の電力用炭の確保ということに全力を注ぐ方針で当つておりますが、その方法といたしましては、特に関西に対します出炭を中小並びに大手に確約して頂くという根本方針の下に、それぞれ率を立てまして、お願いをいたしております。その率につきましては、なおまだ最後的に我々の満足するところまで行つておりませんけれども、差当り今明日の関西に対しまする石炭の入着を如何に改善するかということに重点をおきまして、只今まで具体化いたしましたところは、十月中に大手十八社といたしましては、七月から九月までの三カ月間に関西電力に納炭いたしました実績を十月中に納めて、その数量は八万三千トン余りでございますが、これを少くもそのうち三万トンは十月に納める、こういうふうなことに了解がつきまして、一両日前から実施に移つておるはずでございます。十一月、十二月に対します数量はまだ決定いたしておりませんけれども、差当りこの数量を確実に実行して頂きまして、現在非常に悪化いたしております関西方面石炭の入着を幾らかでも改善いたしたい、こういうわけでありますが、今月に入りましてから石炭の関西方面に対する入着は極めて月初めに悪かつたわけでありますが、この二、三日来多少好転いたしまして一時千七、八百トン台まで下りましたのが、昨日、一昨日四千トンを超えておりますが、貯炭は二方四千トン余りになつておりますが、勿論我々はこの数字が十分であるとは決して考えておりませんので、こういうふうに逐次改善されております数字を見ましてなお且つ入着なり乃至は貯炭状況が十分満足すべきところまで行かないということであれば、これは当然更に強力な措置を打たなければならんということになるわけであります。そこで措置の内容でございますが、現在行なつておりますのは、現地で、例えば大阪に入着します炭のうちで、電力用炭でない予定のものを応急の措置として電力用に廻すというふうなことを、現地の通産局と電力並びに需用関係のかたがたと協議いたしまして、強力にそういうふうなことをやることについて御了解を願うというふうな趣旨で、大体現地で毎日やつておるわけであります。で、このために本省といたしましては、現地におきましてそういうふうな非常措置がとりやすいように、各需用会社に対しましてこの趣旨を、了解を求める文書を出してございますが、大体現状を切拔けるためには、各需用家とも或る程度までこういうようなことを御了解を願えることと思います。  次にこういうような非常措置をやりましてなお且つ十分でない場合に、次に考えられるような実際上の措置といたしましては、積出地におきまして各山乃至は炭鉱から電力用炭を関西に向けて送つて頂く、こういうことをお願いしなければならんと思うのであります。これは大手方面関係只今申しましたように一応十月中に或る程度了解はついておりますが、更に中小関係はこれは東京では十分事情はわかりませんので、実際に現地に参りましてできるだけ山別にそういう点をお願いするということで、先ほど事務総長の申しましたように、資源庁の次長が九州に急行することになつております。こういうような行政上の応急措置をとりまして、改善されればいいわけでありますが、なお且つ改善されない場合には勿論法的措置をとらなければならん。この点につきましては、先週の閣僚懇談会にこういうふうな趣旨を御了解願うように提出いたしまして、説明して頂いたわけでありますが、第一段階といたしましては、出荷統制の命令を物調法に基いて出す。で特にこれは重点産業でありますけれども、現在といたしましては、電力用炭、殊に関西電力の炭の確保ということにつきまして出荷指示を出す、こういうこともいたすつもりでございます。更にこういうことをやりますというと、延いては全般の統制にも及び、又石炭以外の統制にも波及するということも当然考えなければなりませんが、一旦命令を出す場合にはそこまでの覚悟をして出すというふうな決意は私どもつておるわけであります。ただできるだけそういうことをやらないで済めば結構であります。又命令を出すことによつて事態が改善されればいいのでありますけれども、出し方が悪いというとむしろ却つて効果がないということが考えられますので、出します以上は十分に自信のある、且つ十分に効果の上るような方法で以て命令を出さなければならん、こう考えておりますので、事実上できるだけの措置をとりまして、どうしてもいかん場合にこういうふうにして出すということを御了解願いたいと思います。
  32. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 総合官庁である安本の意見を聞きます。岩武産業局次長。
  33. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 石炭不足に対しまして実はこれはという極め手はないと思います。これは私は事務的な方面のあれでありますが、あの手この手を併せ用いて効果を発するのではないかと思つております。まあいろいろ先ほど技術長のほうから現在とつております措置の平面的なお話がありましたが、あのうちで一番効果があるのは、今資源庁の炭政局長が申しました積出し地及び到着地で実際の炭繰りを調整するということが一番早途だと思つております。なぜかと言いますと、現在大体工場貯炭全国で百七、八十万トン、約半月分の貯炭になつております。そのうちで、電力用炭だけが足りないということは、逆に言いますと、比較的ほかの産業のほうには手持ちがややあつて、むしろ電力が足りないために貯炭が若干殖えるのではないか、このバランスを調整するのが緊急だろうと思いますので、又片つ方から言いますと、現在一カ月間の京阪神地方に入ります石炭が約六十万トン乃至七十万トンありますが、仮にその半分程度電力会社へ廻しますれば、一応尼崎発電所が息をつけるということになります。従つてむしろ現場で、到着地において或る程度需用家と了解の土で荷先を変える或いは発送地におきまして、契約上のもの或いは他産業に対する契約上のものを遅らせて電力用炭に向けるという事実上の炭繰り措置が一番手つ取り早い効果だと思つております。  石炭統制の問題につきましては、いろいろ公益事業委員会から要請を受けておりますが、ただ出荷統制をやれば万事解決するものではありませんで、これにはいろいろやり方の問題があると思います。例えばほかの方の産業向けの契約のあるものをこちらへ廻せば当然補給問題も起ります。それから又、こういう措置を長く続けますと今度はほかの産業の影響も大きくなりますから、むしろ臨時緊急の措置というふうに考えております。そういたしますれば、むしろ現在事実上の措置で、資源庁の出先の方でやつております措置の方がよほど早い効果を挙げ得るのではないか、而も法律上の面倒な問題も起さないで済むのじやないか、ただ今後いろいろ冬場を控えまして、いろいろな事故の起ることも考えられますし、そういう場合には或いは止むを得ないかと思つておりますが、今直ちにこれを発動するということは、表面如何にも派手でありますが、効果は却つて少いのじやないか、むしろ現在やつております措置をもう少し強化してやつた方がいいのじやないかと思つております。再統制につきましてはまだ考えておりませんし、又石炭のような銘柄の多い多量の物資を再統制することにつきましては、過去の経験から言いましても、いろいろ日本石炭会社時代のあの長い統制の基盤がありましたから初めてできたと思いますが、現在のような機構で果してできますかどうか相当疑問に思つておりますが、余り研究はしておりません。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 もう一点、公益事業委員会、それから通商産業省並びに安定本部にもお尋ねするのですが、先ほど中国から出された資料の中で火力発電所の表を見ますと、関西は九月の最大稼働出力と二十六年度の年間計画による出力とを比較いたしますと〇・五八、いわゆる五八%になつております。ほかの地区は東京、中部中国九州とも一〇〇%或いはそれ以上、従いまして、ここに問題があると思いますが、今あなたがたが述べられた石炭、関西の石炭計画というものは、この五八%程度を確保するために努力をされておるのか、或いはこれを更に上げまして八地区並の一〇〇%まで火力を動かして、そうして発電力増強するための努力が入つておるのかどうか、この点を第一点にお伺いいたします。  それから五八%の現状程度で持続をして行くということでありますならば、これは火力発電所設備発電に耐えられないのか、どういう理由によつてそこまで絞つておられるのか、この点を明らかにして頂きたい。
  35. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 御指摘のように関西は、現実には動員予定の火力発電設備が一ぱいには動いておりません。これは石炭現実貯炭量が殆んど皆無に近かつた。それから毎日の入炭量がこちらの思う通り入つておりません。それらを総合いたしまして、九月の間はおおむね日常五千トン程度ぐらいで焚くようにして最初済んだのでありますが、だんだん重くなりましてそれを三千トン或いは更に二千五百トンにするという事態にまで追込まれたのであります。併しながら関西での必要な数は、先ほど全国的な数字として第三・四半期に二百五十万トン受入れたいという線に沿うた関西の需用量は月二十五万トンになり、是非確保したいという線で努力しているのでありまして、稼働率六〇%とか五〇%はそうしたものを目標としているのでは決してございません。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこが非常に重要な点でしてね。余りぼやかしてもらつては困りますが、今各当局が述べられたのは、私の耳に強く印象付けられたのは、とにかく五八%ラインの確保に精一ぱい努力しても落着くのではないか、こういうような印象を私は非常に強く受けた。それは二百五十万トンと言われたが、大手筋が二百八十万トンの契約ができていない。中小炭鉱についてはこれから一生懸命斡旋をやるということであります。恐らく関西向に幾ら努力しましてもこれが一〇〇%になろうとは、今述べられた程度の熱心さでは期待できないので、従つて我々がなぜ行政的な強力な措置を緊急に断行しなければならんかというのは、五八%のこの程度を持続するために言つているのではないのでありまして、関西の発電所が発電に堪えないということならば別でありますけれども発電に堪えるというならば、この五八%を一〇〇%に殖やすことによつて関西の節電を大いに柔らげることができるわけであります。従つてそういうことをやるために、石炭の強力な行政措置が必要だということを叫んでいるわけで、この点は今述べられた程度のことでは私は承服いたしかねる。重ねて一つお伺いいたします。
  37. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 只今栗山委員の御発言の通り我々は考えているのであります。そういう線に沿つて我々は資源庁のほうにもお願いしているのであります。
  38. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今二百五十万トンの石炭の第三・四半期の確保のときの関西の場合の二十五万トン、その月二十五万トンはパーセントから言つて何十パーセント増ということになりますか。
  39. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 二百五十万トンの中で、関西七十五万トン、月二十五万トンというのは月別の目標でございます。この中で第三・四半期になりますならば、渇水状態によつて前後いたしますが、大体四十五万トン乃至五十万トンを予定しているわけでありまして、月平均といたしますと十五万トンを確保しております。従いまして平均しまして一日五、六千トン、或いは焚く石炭はもう少し大きくなるわけでありますが……焚くのがそれだけであります。これは御承知のように一応の目標でありまして、渇水がひどければ受け入れた数量あとの分を繰上げてでもその月に焚くということは或る程度しなければならんと思います。又一日平均五千トン程度では、渇水がべたにずつと続くということになりますと違うわけでありますが、普通には出入りいたすのでありますから、その平均の五千トンは当然上廻ることであります。
  40. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私のお伺いしておるのは、日に五千トンでは月の発電総量はどのくらいになるかということであります。
  41. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それは一日平均五千トンの目標に対応して用意しておりますのは、火力は五十万キロワツトであります。これだけであります。
  42. 西田隆男

    委員長西田隆男君) そうすると百五十万キロワツト時の火力設備を持つておりながら五十万キロワツトしか発電せぬということでありますか。
  43. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 御承知のように日本火力発電所は、年中を通じて常時運転するような設計になつておりませんので、冬場に一ぱいに焚きまして、それを春から秋にかけまして計画的に補修して、再び稼働できるように態勢を整えるのであります。そういう意味におきましてボイラーの定期点検とか、或いは手入れということを計画的にいたしておるのでありまして、その計画に基いて関西がこの九月、十月以降に動員するように予定しております火力は五十万キロワツト、この数字は実際に出し得るものであります。関西の百万キロというのは関西の設備能力でありまして、五十万キロワツトという実際の実動数字に対応すべく、冬の最大の一、二月の候において七十三万キロワツトを予定しておるわけであります。それに対して五十万キロワツトが用意されておるということを申上げるわけであります。
  44. 栗山良夫

    栗山良夫君 それならば日本発電所が、関西の発電所がそうであるとするならば、その他の発電所もそれよりも悪い條件であると思いますが、従つて東京、中部中国九州あたりの内容をつぶさに御説明を願いたいと思います。その方面は全部一〇〇%実施に入つておるのですが、この一〇〇%というものは一体設備からいえばどの程度のものを現わしておるのですか、それを明らかにして頂きたい。
  45. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それは青本の百五ページに詳しく出ておりますので、その点を御覧願いたいと思いますが、只今の御質問に沿つて申上げますと、東京の場合は大体九月には十六万二千キロワツト、十月が十九万七千キロワツト、十一月が二十二万五千キロワツト、十二月以降において二十三万九千キロワツトを本年度は予定しておるのであります。中部の場合には七月が十万キロワツト、九月が十五万四千キロワツト、十月が十八万一千キロワツトを予定しております。これで以ておおむね整備ができるのであります。中部の場合は十一月以降は十八万四千キロワツト発電し得る予定になつております。関西の場合には九月、十月は五十万キロワツトを予定しておるのでありまして、順次殖えまして、そうして一月以降において七十万キロワツト以上の数字を出すことになつておるのであります。中国の場合には、これは中国と申しまするのは火力相当半常備的な性格を持つておりまするのが多い関係もありまして、例えば年間で一番少いのは七月で十二万三千キロワツトでありまして、それから順次膨れまして、九月は十七万キロワツト、十月はこれよりちよつと減つておりまするが、計画は十六万五千キロワツトであります。それから十一月においては逆に二十万五千キロワツト中国は最渇水期の十一月、十二月の候に少くなりまして、この候において一ぱい出るようになつて一、二、三としましてもやはり二十万キロワツトを維持するような計画になつております。九州の場合は、これは更に常備的な性格の強い火力でありまするし、又そういう設計になつておりまするので、年間を通じまして大体期の初めから三十万キロワツト以上の出力をおおむね維持して、十月においても三十四万六千キロワツトでありますが、これは港の増設もございまするので十二月以降においては四十一万キロワツト、それから四十六万キロワツトというふうに膨れておるわけであります。
  46. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 只今平井さんのお話では関西は五十万出すのが目標であるということでありますが、この関西電力は、これは火力ですが、一日の実績を申しますと、十五万二千六百キロ、三日で十八万キロしか出ていないのであります。一日に所要いたしました石炭の量が一千四百五十一トンであります。三日十八万キロを出しますのに二千七百六十七トン、こういうことになつて、先ほど御説明のように大体最近の入荷は四千五百トンから九百トンくらいのところを前後いたしておりますが、公益事業委員会のこの当初に計画されました出力と、最近の石炭の入荷状況を比較いたしますと非常にこれは遠いものであります。殊に関西電力ではこの四千四、五百トンの入荷が十日頃までは大体見込がついておりますが、それ以後についての自信がないというので、四千トン以上入つておりますものを二千トンそこそこしか今日消費していないのであります。一体この十日以後の石炭入荷の見込及びいろいろ御斡旋を願つておるようでありますが、行政指導によつて果して当初公益事業委員会火力の出力を想定されましたような程度発電ができるのは、一体いつ頃今の石炭入荷の行政指導によつてはできるのでありましようか。この点を一つ詳細にお聞かせ願いたいと思います。
  47. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 只今の点につきましては、この前お話を申上げたかと思いますが、今の二百五十万トンの炭を焚きます場合に、この二百五十万トンの石炭が予定通りに入る、それから水の問題につきましては、いわゆる過去九カ年間の平均の水が出るということにいたしましても、なおこの需要の増の関係から行きまして六九%というものが需要に対して供給が追付かないというたしかお話を資料によつて申上げたと思うのでありますが、今日の状態は御承知のように渇水関係が非常に悪いのでありまして、現在でも大体昨日から本日にかけましては本年に入つて最も悪い日と言つていいと思いますが、大体七〇%を切つてるくらいの六八・九%というような、今日は六五になつておるそうでありますが、水の状況になつておるのであります。従いまして今申上げました六九%を仮に維持しようと思えば今の二百五十万トン計画で行つても追付かないという、こういう状況になつておるのであります。それで先ほど来平井技術長から話して置きました日に大体三千トンを消費するという計画は、水の方も大体平水が出るということで参りました場合に、日に五千トン焚きますならば、需要に対して六・七%の減で大体青本の計画というものがほぼ維持できるのじやないか、こういう意味の説明であつたのであります。それで只今の御質問の点につきましては、今日の石炭見通し等からしまして、ここ十日以後の石炭入手関係はどういう、見通しであるかというお話でありますが、御参考に最近の入手状況を申しますというと、十月の一日が関西におきましては三千九百六十九トン、それから二日が三千三百十五トン、三日が四千九トン、四日が七千七百七十五トン、五日が五千五百八十七トン、六日が四千九百三十四トン、七日が四千三百七十五トン、こういう状況になつておるのであります。従つて電力会社の方としてもこの程度の炭の入り工合であれば本格的な渇水期に対処する意味で何とかこの際貯炭を少しでも日に日に作つて置きたいというような意向もありまして、消費の量は先ほどどなたかお話になりましたように、一日、二日頃は千四百五十一トン、二千五百十一トンというような消費でありましたが、六日頃から三千九百三十九トン、それから七日は三千六百四十五トンというようなことで、七日現在において一二千四百三十四トンというような貯炭になつてあるのであります。恐らく今後といたしましても、今申しましたような五千トン前後の入炭は、これは主として大手筋関係でありますので、先ほど申述べられたような点で、この程度の炭は入ると私は思うのでありますが、併しこれでは何分にも先ほど来お話のように月二十五万トンの炭を入れて、そうして関西においては第三・四半期末に約三十数万トンの貯炭をして参るという線に乗るわけであります。従つて小さい中小炭鉱の関係もございますが、大手関係におきましても、先ほど来委員会の方で申述べております線に乗るためには、どうしても速かに法的な強い措置を講じてもらわないというと、なかなかこれから一月、二月、三月、になつて参りますというと天候の関係も非常に悪化して参りますので、従つ仮に炭が山元にはありましても、それを運ぶということが非常に困難になつて参ります。そうなつて来るというと非常な本格的な渇水期に対処して重大な問題を生ずる、現に生じつつあるわけでありますが、これ以上の重大問題を起してはいかんのであります。そういう意味で我々といたしましては安本或いは通産省、政府全体としてのいろいろな立場もありになると思いますが、又先ほど来お話のような、そういう法的措置は逆効果を来たすのではないかという懸念もおありになると思いますが、今日の客観事態はそこまであれやこれやと考えておる時期ではないのではないかという意味で、私どもとしては是非この事態に対して早く契約量というものの確保についてはつきりきめることが第一である、それからそれを確保するための法的措置を講じて頂く時期ではないか、かように考えておるのであります。
  48. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 先月十八、九両日の当委員会であつたと思うのでありまするが、暫らく石炭の入荷の状態については本月一ぱい、九月一ぱい会社側の自発的な努力を見て、十月に入つてまだ好転しないようであれば法的な措置をとつてもらうようにしたいという公益事業委員会のお話がございました。その際山川委員からも御発言がありまして、安本が中心になつて山元と大きな需要家との間に了解を得て電力用炭として振り向けることのできるように総合的な計画をして先ず行政指導を行なつて参りたい。先ほど来、不十分でありますけれども大体そういう努力をされておるようでございまするが、今の公益事業委員会の関西の火力出力の御計画では大体五十万キロを出したい。それが九月には二十九万キロ出ておるということでございましたが、ただ私申しますように、十月の三日では十八万キロしか出ていないのであります。これは二十九万キロに出るといたしまして当初委員会が策定されました五十万キロに比べますと五八%、それが十万キロ割つて十八万キロしか出ていないのであります。従つてこの状態になつてなお私はその行政指導によつてその効果を期待されるという態度では、関西といたしまして得心ができないのであります。すでに御承知頂いておることと思いますハンガー・ストライキまで中小企業者の代表者たちがやりまして関西では知事以下商工会議所の会頭が明日こちらにお願いに上がるはずでありますが、この状態で私は未だに法的な措置をとつて頂くことができないというようなことでありますならば、すでに先月お願いをして置きましたことが漸く二、三日前に政府の方で閣議の問題になつたという程度でありまして、今お約束になりましてもこれは半月も一カ月も先きでないとその効果は期待できないような気がいたすのであります。関西の事情はそう悠長にのんびりして皆さんの御努力に期待しておるわけには参りませんので、どうか今松田事務総長がお話になりましたようなことを政府のほうに伝えて頂きまして、急速にその措置を講じて頂きませんと容易ならん事態が私は起つて来るような心配がなされるのであります。各位の善処を一つお願いいたします。
  49. 山川良一

    ○山川良一君 只今椿委員からのお話もありましたので、今日は松永委員長代理も見えておりますので、この前発言しましたことを要約しまして、もう一つ私努力を要請したいと思います。実は先ほどからいろいろ御説明がありましたが、石炭入手について政府側では私のこの前お話したことも相当考慮に入れて研究されたように考えるのであります。併し公益委員側は余り問題にしていられないのじやないか、こういうふうに考えるのであります。で松永さんがお見えになつておりますから、この前私が申上げたことを要約して申しますと、石炭業者は、実は常識的に言うと石炭を持たんのであります、法律的ではありません。と申上げるのは、この前申しましたように、ずつと前から政府の生産計画等を考え併せて石炭の供給をやつておるのであります。でそのために現在の石炭不足ではありながら、今の関西電力以外の電力業者を併せまして、石炭が足りないからどうだという声は起つていないと思います。ただあるのは、一部にもつと自分の仕事を拡張したいためにいろいろの要請がありますけれども、実質的にはそう大して問題ないと思います。それでそれはなぜ又そういうふうに関西がなつたかというと、一つは、これは卒直に申しますと、ほかの電力会社相当火力発電を持つておられる、ところがそれほどの問題がないのはこれは努力の相違だと思います。そこで我々は努力の相違だと今更言つている場合でもないので、その一番初めに、努力が足りないために計画量もなかなか入手に困つておられる、それに初めの政府の産業計画に合わせて大体石炭の供給をやつておるより以上にこの電力用炭が非常に多量に要るようになつたというのをどう調整するかという点であります。でこのことは、先ほど劈頭に申しました常識的に石炭を我々が持たないのだということを併せて考えて行かなくちやならないのでありますが、非常に簡單に公益委員のほうでは行政措置を云々されておりますけれども、そのことは、この前申しましたようにすでに各消費者に渡すことに約束をし、そうして消費者の方ではその石炭消費することによつて消費される工場等の計画を織込み、それによつてそこに働いておる相当の人が何とか見通しをつけてやつておるのであります。それを行政措置で取上げるということになるとどういうことになるかということはおわかりだと思います。ですから自分たちの方で私は努力が足りなかつたと申します。それを行政措置でやつて強力に巻き上げて、ほかの電力会社に渡して、そうして迷惑をこうむる工場のことはほつたらかしにするというような考えに見えます。強権措置を発動するとすれば、そういうことではいけないのです。やはり今の皆さんが必要な石炭電力の方に必要な石炭を取ることは、それによつて迷惑をこうむるたくさんの工場がある。然るにこの前申上げた結論は、これは中小工業にしわ寄せになるということを私は申上げて置きました。ですからそういうことを考えて、ただ軽々しく強権発動なんということは考えられんがいいと思います。私は又努力すれば、石炭業者は、この前申しますように、いろいろな話合いがつきさえすればそれだけ差上げますとかいうことを言つております。私は実際の例を申上げますと、某有力電力会社の最高幹部の人が見えまして、そうして石炭のことの相談がありました。ところがそのときに私は今の石炭事情はこうなんだ、だから電力の方で今のいろいろ石炭を取られることになれば、我々はほかの工場が迷惑されることをどうして最小限度に食いとめるかということを考えながら供給しているのだ、それも約束以外のものを差上げることに努力しているのだ、それにはおのずから限度があるので、政府の産業計画等を更に現在の電力事情等に鑑みて組直して、そうして更に消費者にそういうことをわからして頂ければ我々は簡単に行けるのだということを申しました。ところが、いや、そういふことは初めて聞いたというわけです。ところが私が只今申上げるようなことをもつと詳しく申上げたのは二十日前であります。ところが宮原委員もおられたのでありますが、そういうことが有力電力会社の幹部には伝つておらないのであります。そういうことはただ政府に要請するだけで、一体石炭業者のほうはどこかに石炭を持つて行きさえすればいいのですから、むしろ大したことはないわけです。むしろ石炭消費者の側のほうが迷惑されるのであります。ですから今どうも石炭業者がなかなか言うことを聞かずに石炭を持つて行かないようなふうに聞えるような話ばかりでありますが、我々はただ日本の産業が機構変化するととにならんように石炭を届けることが実際の責任だと思つてつておるのであります、ですからただ石炭を幾ら持つて行けと言つても、どこの石炭を一体持つて来るか、そいつはそう簡單には行かないのであります。それをあんまり突つ込んでやれないのは、この前申しました事業者団体法というのがありますので、この前私は安本あたりが中心になつてそういう相談をされたらと申しましたけれども、実は役所はなかなかそういうことをやるのはむずかしいのでありまして、実際面は公益委員あたりが中心になつて各産業に呼びかけてやるべきだと思うのです。ところが先ほど申しますようにこういう電力会社の最高幹部がそういうことを初めて聞いたというような程度では私はなかなか解決せんと思います。強権を発動されるならそれから又来る混乱は相当なものだと思うのであります。ですから私はこの前申上げたことはそう簡単に申上げているのじやないので、石炭の業界の情勢を見ながらいろいろなことを考えて申上げたのですから、公益委員のほうももう少し私が申上げたことを真劔に考えて頂きたい。それでそういうことを申上げます。重ねてそれを考えに入れて石炭入手がどうなるかもう一遍承わりたいと思います。
  50. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 答弁が要りますか。
  51. 山川良一

    ○山川良一君 もう一遍今のようなことできるのかできんのか。
  52. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) その点につきましては、電力会社のほうとしても或いはそういうお話のような点があつたかも知れません、私は聞いておりませんですけれども。併しこの問題は先ほどから申しておりますように、今のようなあらゆる経済影響というものについて、私といたしましてもその点を勿論慮らんことはないのであります。併しながら過去におけるやり方がまずかつたかうまかつたかということをいろいろ検索いたしまして、それに対して今それが悪かつたからこういうこともできないとか、ああいうこともできないと言つている実はそういう時期じやないのじやないか。従つてそういう意味で従来の電力会社のまずかつたことについては、電力会社としても十分それは責任を感じておりますし、又委員会といたしましても、その点については各方面にこういうお話をします場合にシヤツポをぬいでおるのであります。問題は今日のこの状況を如何にして救うか、それについては何と申しましてもやはり電力関係が一番産業の中心にもなるわけでありますから、結局他のほうに石炭が着きましても肝心の電力が廻らなければ本当の産業が動かんのじやないか、考えようによれば我田引水のようにお聞きになれるかも知れませんけれども従つてそういう点からいたしまして、この際あらゆる手を講じてこの電力に対する石炭の供給を確保するということが今の日本にとつて最も大事なことじやないかというので、今お話のようにいろいろ他の産業に対する影響とか、そういうような点につきましては安定本部のほうでもいろいろ検討を願つておるわけでありますが、併しながらその検討にもやはり時期の問題がありまして、余り検討検討で長引いてしまうと、いざという場合に物が欲しくても輸送の関係その他からも、又時期的にも間に合わなくなるのじやないかというので我々は一番心配しておるのであります。先ほども申上げましたように、少くともこの第一ステツプとしては、関西地区における通産省の責任者においてそういつた譲渡命令その他の権限を講ずることはできるようになつておるのでありますが、併しながら何と申しましてももとはやはり山元からそういう方法を講じて頂かないというと、今日の状況でこのまま推移するというと、やはりそこには冬炭鉱とせられましても従来のいろんな取引の関係もおありになりましようし、何と申しましても根抵は自由主義経済になつておるのでありますから、そこに相当のお苦しい点もあると思います。又電力会社としても、今後幾ら逆立をして努力いたしましても、そこにはおのずから私はこの基盤というものについて考慮しない限りは、或る程度のやはり限度があると思うのであります。従つてこれを何もこの際自由経済主義を統制経済主義に変えて来るとか何とかいうことを我々は申すのではなくて、この際の緊急措置として、そういう点についてやはり考えて頂かないというと、今後我々としては非常な遺憾な問題が生ずるのじやないか。何かそういうことを申しますというと、今の安本なり通産省のほうにのみ責任をおぶせておるようにお取りになるかもしれませんけれども電力会社としても、今我々としては相当努力を続けておるのであります。そういう意味で私申上げたのでございます。
  53. 山川良一

    ○山川良一君 ちよつと今のは私は違いますので、今の、私は過去のまずかつた点を責めているわけでありませんので、石炭入手するのに、石炭消費者等とよく懇談をすることが必要だと、そこで一つ実例を申しますと、数日前に資源庁の次長が、まあ石炭業者に話をして今の問題が出たのであります。そのとき、いろいろ話したときに、岡田次長と、まあ鉄のほうは多少減してもよかろうという話があつたので、実はそういうのを織込んで又考えております。ですからこれは岡田次長が鉄の業界に了解を得たかどうか知りませんけれども、一応責任ある立場の者が言つたので、一応まあそれがよかろうということにしております。そういうように具体的にどこのを減したらよかろうということをまあ政府で言うということは非常にいいと思います。そうして頂きたいと言つたのでありますから。ところがそれが先ほど私ども電力会社のことを申したのは、電力会社が非常に石炭に困つておるから、あなたのほうに送るのを少し減しますよと言つたときに、電力会社がもつと何かすれば、石炭をそう使わなければ送らなくてもいいじやないかというような話も出ますので、そういうことをこの電力会社以外の消費者のかたに御相談するときに、やはりこの電力会社があれほどやつて石炭が足らんので困つているのだからというふうになると非常にいいのであります。併しそうなかなかならないのです。そこに問題があるのであります。私はそうあつてもやはり電力会社自体がやらんならば、あなたがたの立場からでも大口の石炭消費者によく懇談なさつて、まあ幾らかよろしいということになれば、私はもうその石炭炭をどこかの電力会社に送るのはあえてやぶさかではないのであります。それはこの前も、実行できることだ、できるだけの協力をするということを申上げておるのであつて、私の申上げることは、ほかの石炭業者に対して電力会社がやるということでなしに、こういう議院として働きかけてはどうですかということを申上げたのです。もう答弁はいいです。
  54. 宮原清

    説明員(宮原清君) 只今山川委員からお話のことは、あの当時私承わつて、こういう際でありますから、大勢の者が一堂に集つてという措置はいたしませんでしたが、その都度少くとも関西の人にははつきりそういうお話をいたしました。或いは不徹底であつたかも知れません。そういうことについての困難が他のものに及ぶことを想像して、どなたかから、なぜ強権を発動しないかという御質問がありましたのに対して、そう簡單に参りませんということを申上げたのも、そういう趣旨で申したわけでありますから、電力会社自身が皆相率いてそこまでの相談をしておらなかつたかも知れません。その間の行き違いということで、お話の向を伝えませんでしたことを一応申上げて、なお一層御盡力頂きたいと思います。
  55. 栗山良夫

    栗山良夫君 私どもが今耳にしておるところによりますと中国、四国、関西等は、九州ももとよりでありましようが、石炭入手に非常な努力を業者は傾けておられるわけであります。ところが私は驚くべき事実を聞いておるのでありますが、東京電力とか中部電力等におきましては、石炭の価格は大体カロリー一銭から一銭五厘程度、これは大手筋だそうであります。それから中小炭鉱では一銭五厘程度契約ができておると聞いております。然るに中国、四国、関西等におきましては、カロリー一円二十銭、それでそれだけでは買えなくて、更に賞與金まで附けまして百五十円、二百五十円、三百五十円というようなプレミアムまでも支拂つてつておられるということであります。このことにつきまして、こういう事実があるということを公益委員会並びに炭政局長は承知せられておるかどうかということを伺いたいことが第一点。それからこういうようなことが起きましたのは、電力業者が悪いのか石炭業者が悪いのか、その点をはつきり答弁を願いたい。それから若しこれが石炭難者がそういう価格を要求されるということでありますならば、これは言葉が悪いですけれども、自由経済時代におけるところのこれは闇売りであると私は言わざるを得ないと思う。而もそういうことが重つて参りました時分には、統制時代の闇売りは生産数量の一部のものについて行われるのでありますが、これは全生産量について行われるわけでありますから、非常な影響を業者に與える、そうして恐らく中国、四国、関西等の電気経理というものは、石炭の非常に高い値段のために更に困窮に私は陥るであろう。逆に申しますならば、将来の電気料金の値上げの時期を早め、その値幅を上げて来ることに原因することになるんじやないかと思つて心配をいたしておるのであります。従いましてそういう事実を認められ、そうしてその原因の所在を明らかにせられた場合には、これに対して政府当局としてどういう態度をとられようとしているのか、それを伺いたい。
  56. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 栗山君に御注意申上げますが、今あなたのおつしやつた計数は非常な間違いだと思います。それは中国とか中部とかが何ですか、カロリー一銭何厘ということを言われました、これは間違いであります。百倍も二百倍も違いはしませんか。
  57. 栗山良夫

    栗山良夫君 カロリー一円です。だから六千カロリーとして一円二十銭で七千二百円、そういうことなんです。
  58. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それならいいのですが、カロリー一銭五厘とかいうふうに言われましたから……。
  59. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは訂正いたします。
  60. 中島征帆

    説明員(中島征帆君) 現在常識といたしまして石炭が一カロリー一円は上廻つておるということは聞いております。ただ具体的に契約の内容が一円二十銭或は五十銭のものがあるかどうかということは私ども承知いたしておりませんが、更に一円五十銭乃至六十銭というふうな高値を呼んだ場合に、この炭価対策としてどうするかという点につきましては、これは実は今ここでお答えすることができないのでありますが、これを若し判断するには、大体炭価は何円であるべきかというところから出発しなければいけませんので、やはり物価庁の問題になると思うのであります。私どもといたしましては、勿論これは一般的に炭価が高くなることは、この際差控えてもらいたいということは、これはいろんなチヤンスで言つておるのでありますけれども、それではどの程度で抑えるかということは、実は具体的に示し得ないのであります。
  61. 栗山良夫

    栗山良夫君 公益委員会のほうでは、こういう事実を御承知になつておるのかどうか。
  62. 中川哲郎

    説明員(中川哲郎君) 石炭の値段がカロリー一円を上廻つておるというのは、我々報告として聞いております。それが将来の電気料金コストに影響するかどうかという点については、その値段の推移が相当継続するかどうかということとからむわけでございまするが、現在のところ次期の電気料金の改正ということはまだ未検討でございますので将来の料金にそれがそのまま織込まれるかどうかはお答えする時期ではございませんが、値段としては相当電力用炭が、全体の石炭値格に値上りの影響を示しているということは事実であろうと思います。
  63. 栗山良夫

    栗山良夫君 私の伺つておるのはそうでなくて、電力用炭が二円の相場であつたならば二円でかまわんと思うのであります。ただ問題は、割合に電力事情のいい地区のほうが石炭が安く買える、一円から一円三銭ぐらいで買える。電力事情の非常に困つておる中国とか四国とか関西が一円二十銭、更にプレミアムを出さなければ買えないと、而もそういう地区石炭消費量は非常に多いのであります。そういう状態が、如何に自由経済とは言え、いいのかどうか。そういうデイフアレンスの問題をあなたは承知しておられるかということを私は質問しておるわけです。
  64. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 私から今の問題を答えてもよかろうかと思いますが、石炭九州なら九州はオン・レールで、汽車運賃だけでいいが、関西まで来ますと船運賃がかかる、これが非常に高くなるので、一円二十銭或いは一円三十銭になる場合が運賃諸掛りによつてなりますので、これはまあ石炭業者が関西電力九州電力との間に値差をつけて売つておるというわけにはならないので、石炭業者は全部オン・レールで売つておる。皆高くなつておるのは、諸掛りと運賃で高くなつておる、私はさように了解しております。
  65. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はそれが九州と関西の場合なら了承いたします。東京、中部がカロリー一円三銭、中小炭鉱で一円五銭で買えておるのに、中国、四国、関西がどうして一円二十銭にプレミアムを出さなければならないか、その点がどうしてもわからないわけです。
  66. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 中川経理長、そういうことになつておりますか。
  67. 中川哲郎

    説明員(中川哲郎君) 今のところ聞いております値段は、いろいろ契約上の交渉の値段として聞いておりますので、正確にはそれらの実績報告書として求めました結果において申上げたいと思います。現在のところいろいろ聞いておる点は、まだ果して関西等が一般的にほかの地区より運賃値増しのほかにそれが高いかどうかという点は、もう少し実数を見ましてお答えいたしたいと思います。
  68. 山川良一

    ○山川良一君 今のは僕が発言する問題ではないかも知れんけれども、東京は常磐を控えておるので、常磐から東京までの運賃、諸係りが非常に安いので、それが相当東京の平均炭価に響いているのじやないか、私はこう思うのです。これは答弁というとおかしいけれども、幾らかわかられるかも知れん。
  69. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はこれ以上細かく申上げませんけれども、いろいろ聞いた事情は、もつと詳しく承知をいたしております。そうして私の述べたことも間違いでないことも私ははつきりしている。そこで今公益委員会なり炭政局でそういうことをお知りにならないようでありますが、石炭をこれだけ一生懸命になつて心配せられ、それなのに一番大事な点をちつともお知りにならんなどということは、誠に奇怪至極であると言わなければならんのでありまして、これは早速そういうような取引の裏に隠れた問題があることを一つ了承せられて、善処をせられるように要望しておきます。
  70. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私はこれは今の炭価の問題は、公然の事実と申しますか、我我素人でもそんなことはとうの昔に知つておるわけですから、公益事業委員会及び通産省や安本や物価庁が知らんはずはない。こういう事態が起るし、又先ほど松田事務総長から現状状態であるならばどうにか切拔けられるようなことを言われておりましたが、これはなかなか容易ならざることでありまして、将来かような石炭の出荷実情及び将来の配電の実情等から考えますれば、現状石炭対策では、価格価におきましても或いは需給の操作の上におきましても、相当問題は深刻であろうと思いますので、どうしてもこの際私は山川委員のごとく、よそのものを取上げてまで他産業を深刻につき落すまで追込むような非常措置をとれとは言つておりませんが、おのずからこれらに対しましての適切の、例えば電力重点主義的な石炭の集荷方法はあろうと思います。その方法を物調法に準じた、或いは物調法の適切な運営によつてこれをとる、とらなければ統制方式を採用する、これも暫定的な統制方式を採択するというようなことで、当面する問題の拔本的な解決を図らない限り、いつまでこの問題は追いかけても同じようなことになつて、言いわけやら突つ込みやらばかりで終始するものと私は思うのでありますから、公益事業委員会及び関係当局としては、価格の面と需給操作、あらゆる総合点から見まして、但し他産業に深刻なる影響を與えない範囲内における配慮の下にこの統制方式をとるといえ決心をつけべきだと私は思うのですが、この決心をつけないのか。現在の彌縫策と申しますか、現在の雨待ち対策で荏苒日を経過しておるのであるか、その点をもう少し具体的にしておいてもらいたいと思います。これは松永委員長代理から是非。
  71. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) この問題につきまして、私並びに宮原両委員の考えは、松田事務総長が先刻申しました通りでありまして、到底この際に躊躇逡巡して話合いをするとか、或いは寄合をするとかいう時期はもはや遅れておると思います。若しこれを遅らかすということになりますと、冬の渇水対策もたたるし、又中国あたりはもう焚く力を持ちません。やはり大阪で焚いて多少中国等は助けてやらんならん立場にあります。どうしても出荷命令と申しますか、何か知りませんが、その官庁の強権の御発動をお願いするほかにないと思うのでありまして、いずれその点について御当局並びに交渉いたしておりまする松田君の御活動等の問題もありまするが、私どもの考はそうであります。
  72. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今石炭の話が中心ですけれども、問題は石炭や或いは雨が欲しいのじやなくて、電気が欲しいのだと思うのであります。それで若し石炭に今出荷命令を出したらいいかどうかという問題がありますが、公益事業委員会として大体見当がついているはずだと思いますが、今年の今度の冬場は、現在よりもよくなるのか悪くなるのか、或いはどれだけの見当でおられるか、ちよつとその見当を知らせて頂きたいと思います。特に関西及び中国それから東北、北陸等の今非常にひどい場所が今年の冬場今くらいなところなのか、もつと悪くなるのか、その辺の見当はどうですか。勘でいいですよ、見当ですから。
  73. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) これは現在の渇水状態が先ほど申しましたように、七〇%から六五%という状態がずつと長く続いておりますが、このまま一年中続くということは、下半期までずつと通つて行くということは、今のところはまだそこまでは考えなくてもいいのではないかと思います。一面石炭の入り工合というものに対するはつきりした見通し最終的に立つておりませんものですから、そうした両方の面から申しますると、若干その出水状態渇水が戻るか戻らんか、或いは石炭が入るか入らんかによつて出入りはありまするが、このままの状態がそのままずつと続くまでにはならないのじやないかと考えております。
  74. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これは技術的に答えてもらつたら困るので、長い間日本の電気をいじくつておられましたから、松永さんはよく御存じと思います。見当は、今の話どうですか。先ほど石炭をどうしたら、こうしたらという話、雨が降つたらどうしたら、こうしたらという話がありますけれども、雨が降るか降らんかというのは、この一カ月の話です。十月の話で、十一月以降は三月頃までは雨とは大した関係はない。石炭の問題を考えて見ましても、出荷命令を出すかどうか、山川さんに聞いて見れば大体見当がつくと思う、電力用炭としては。従つて電気の出方は大体わかる。この見当をつけて下さらなければ公益事業委員会としても運営できんと思う大体どう見通しておられるか、承わりたい。
  75. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 簡單に申上げますが、どうも一二月頃までに例年の例によりましても、貯水池相当水を溜めておく必要のある所は、関東並びに東北方面を潤す猪苗代の水が相当程度貯水しなければ困るのであります。それから中部、関西に影響を最も及ぼします三浦貯水池相当量水が溜らなければ困るのであります。それから石炭の計算は、見通し十二月に参りましたら全国で八十万トンばかりの貯炭を持つことを大体必要と考えております。それで八十万トンの貯炭を満たし得ないその割合、それから猪苗代、三浦貯水池等が不十分にあるその状態におきまして、一月二月の渇水期には先刻松田総長も申したように、今日或いは今日以上の電力界の混雑を起し、且つ産業並びに生産に多大な迷惑をかけることを最も恐れておりますがために、今日いろいろ石炭業者にも御事情がありましようし、官庁もいろいろお困りの点もありましようが、できるだけ石炭を余計出して頂く、そうしてこの秋の末でも雨が降つたやつをできるだけ猪苗代、並びに三浦貯水池に水を溜め、そうしてなお余る石炭を大阪、中部そのほかに相当備え付けをして、一月以後の渇水、これはもう毎年の渇水でありまして、殆んど我々電気事業始まつて五十年の統計で雨は殆んどないのであります。これに対するやはり準備をしておくことを必要としますが、併しそういう八十万トンの石炭を貯え、猪苗代、三浦に満水することができるや否や、できなくともできるだけそれに近い方策をとるがためには、官民共に御盡力を願い、且つ電力制限もして行きたいと思います。これが私のお答えです。
  76. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これは今松永さんが、こう官民共に云々と言われましたけれども、そうでなくはつきり言つておられることは、先ほど山川さんは会社のほうのやり方でもつと何とかなるという感じもなきにしもあらずでしたし、今官民共に云々と言われましたけれども、要するに見通しはこれくらいのところ、ただ今より悪くなるかどうかは別として、これよりそんなによくならんだろうという見当を大体付けておられるだろうと思う。少なくとも電気関係者として……、そうしますというと、この重大なる結果が出るか出ないかということではなくて、現在出つつあると思うのですから、私電力用炭を確保するとか、その他の問題もあるが、それと併行的に公益事業委員会として政府に体当りをされ、そうして体当りをやつて、電気をこれくらいそれで殖やせればいいけれども、殖やせなかつた場合、どういう状態が出るからということを、政府とは別の対策を立てられなければならん。例えば中小企業に対しましても、或いは労働者に対しましても、その他生産計画が完全に齢臨を来たすわけですから、そういう面を私努力が殆んどやられていないと思いますから、それは是非見当が付いておるはずでありますから、政府に向つて強力にやられることを強く要望します。それから二番目に、今のような話がありまして、大体見当は付いたということらしいのですが、殊に中国からの話がありましたし、関西からも話がありますけれども、大体そういう見通しが付きますならば、制限率というものは大体全国一律にするための手段を取られるつもりか、取られんつもりか、石炭問題より融通問題になりますけれども、そういう一律にするような手段を公益事業委員会として取られるつもりであるか、取られんつもりであるか、それをお尋ねいたしたいと思います。
  77. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えいたします。融通電力の問題につきまして早急に足らないところへ、多少でも余裕、余裕はありませんけれども、例えばパーセンテージで八〇あるところ、一方では五五しかない。而も融通すればできるというならば、これをできるだけ均等して、そうして割当制度によつて起る、つまり最小限度、ミニマムの起つた場合は、殆んどその地方の操業に害を及ぼすことを考慮しまして、できるだけ融通をすることにして、最近もその融通方法は、一応とつてありますが、更にそれを強化し、できなければ無論融通命令を出してでも強化するよりほかないと考えております。
  78. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それは大体いつ頃までに全国均等の制限率にされるのですか。
  79. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 只今のころで一通り融通状態を、昨日と今日、明日までですか、明日の実績を見ておりますが、更に三日間の融通契約後の情勢によりまして再びそれを強化する。或いはどの程度にあるかということを検討するはずでありますが、若しお差支えなければ平井君から最近融通をとつております実績についてお話してもいいと思います。
  80. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その必要はありません。今御承知のように関東中部というのと、ほかの地区——島は別です、融通できませんから——との制限率の相違は、これはとてもひどいものなんですよ、御承知の通り……。ですから今融通調整をして見たからどうの、こうのというわけではないと思います。均等な制限率にするつもりならば今日からでもやれば一遍にできます。これはやられるつもりか、やられないつもりかというのです。やられるならばいつ頃からか。
  81. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 言葉に別にこだわるわけじやありませんが、二進が一十というようなかちつとした均等というものは、技術的にも実際的にも非常に困難でございます。それでできるだけ各省の寄合いで三日間、足らざる所に多少余つた所、力のある所から今実行しております。それで今のままの状態で命令を出さなくてもいいか、或いは出さなければならんかということを今検討しております。併しそれにしましても均等ということは技術的にも、地方の情勢で或いは命令だけでは行きにくいかも知れない。若し命令が行かずに多少の誤差があつた場合に、それは法律上の問題となるという虞れもありまするので、その均等というような意味を法律化するということが非常に困難であります。検討しております。
  82. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私も電気を知つておりますから、そんなにきちんと定規で計つたようなことを言つているのではないのであります。これまで、従来の恰好では大体均等な制限率があつたはずであります、島を除きましては……。従つて技術的に可能な均等率というものは当然あるはずであります。それが技術的に可能なことを前提に私は言つているのであります。三日間というのはいつからいつまでですか、従つていつからその均等が実施されるか、はつきりと言つて頂きたい。
  83. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 三日間はそれでおしまいだと思います。実行して、それで明日でも話合いして、或いはそれを直ちに命令に移しますか、或いはもう一二日やつて見まして、その模様で融通命令、法律何とかというのでやりまするか、適切に考えております。
  84. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 命令で出されましようが、話合いで出されましようが、それはどつちでも構わんと思います。問題は要するに、そうすると二三日のうちに本州は大体技術的に可能な一率な制限率になるというふうに考えてよろしうございますか。
  85. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) さようでございます。
  86. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうしますと次に質問しますが、先ほどの要請にありましたところの中国からの七十万キロワツトアワー、大体これが中国に廻らないというと、均等な制限率にならんと思いますが、これはそういうふうになりますか。
  87. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 中国は、只今状態では大阪に非常に石炭が……。
  88. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ちよつと発言中ですが、原因というか、操作のほうは私知つておりますからよろしうございます。結論として今の恰好が出るか出ないかをお答え願いたい。
  89. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 結論は、関西から廻す力は両三日中に見通し付きません。やはり九州から四国を助けるつもりでおります。
  90. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 関西から行こうが、九州から行こうが構いませんが、そうすると要するに二、三日中に大体東北から恐らく繋がりますから、九州を含めてもいいと思いますが、特にそのうちで工合が悪いところの東北、北陸、関西、中国、これが関東中部並の制限率になると、こういうふうに公益事業委員長代理として発言されたというふうに伺つてよろしうございますか。大体そういうふうに伺つてよろしうございますか。
  91. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えをしますが、あなたの伺う通りにやつてもいいと思つております。
  92. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 やつてもいいのじやなしに、そういうふうになるというふうに公益事業委員長代理として認められたということでよろしうございますか。
  93. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) そうです。
  94. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それから、もう一つ……。今の問題は確認いたしました。二番目に大体冬の電気の出方については見当付けておられるということでありましたし、私どもも見当付けておるだろうと思います。従いまして、いろいろなもう希望的な條件を述べずに、今年の冬の見通しについてはつきりと公益事業委員会として需用者のほうに、大体冬の電気はどうなる、この冬に我々はこうしようと思つておるけれども、それも当てにならない。大体電気の見通しはこうだということを公示される意図はありませんか。
  95. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 公示する意図はありません。もう少し研究上して行きたいと思つております。
  96. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今一番困つている問題は、電気が来なければ来ないで別のことを考えてもいいかも知れない。問題は来るのか来ないのか、消えたり点いたり、これで全然仕事ができないで困つておると思います。従いまして私は関西その他の需用地に行つて見たのですけれども、而も何か会社向けに通達か何かがあつたらしくて、大体制限をこういうふうにして、今日はこうなる、明日はこうなるということはできないのだという話でしたけれども公益事業委員会でそれを御存じでありますか。制限見通し、明日、明後日は大体これくらいだということを言えないのだというふうに、実は会社の人々から聞いたのですけれども、事業者が工場を運転するために聞きに行つたところ、そこをはつきり言うことができんという話でありましたそうです。特別の事情があつてそういうことがあつたのか、それを御存じでしようか。
  97. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 率直に申しまして、或いは又私の足りんところは技術長から補足してもらつてもいいのですが、率直に申しまして今日の規制は、実際の各地区において、需用者側のほうと電力会社のほうでお話合いをしておられるところの規制よりも緩い。言い換れば法的制限措置でやつております以上に、特に関西、中国、或いは北陸、東北といつた方面は強い抑制を願つておるわけであります。従つて各場合に電力会社のほうとしましても、必ず明日はこうなる、明後日はこうなるということを成るべく申上げるようには努めておるとは思いますけれども何分にもその日その日の事情が非常に窮迫して、従つて法的制限措置以上のことをやつておりますために、今佐々木さんが御心配になつておるようなことが私は実際はあり得るのじやないかと思います。その点は、私はそのほうの專門家でございませんが、あり得るのじやないかと思います。なおそういう点について関係方面から御答弁するほうがよければ平井技術長に答弁してもらいたいと思います。私はそう思います。
  98. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 実はその問題はそうじやないのです。つまり供給力があるとかないとか、供給力見通しが付かないから大体の制限率を今日の制限率、明日の制限率を公表なり、或いは内示をしたらいけないということではなさそうなのであります。私の聞いたところではそうではなくて、制限が非常に大き過ぎるから社会に不安を與えるとか、そういう社会的な事情に基いて言われるのだという話を私は聞いておりますけれども、そういうことがないならないと、はつきり言つて置いてもらいたい。そういたしますと、私どもとして一応供給力を見合いまして、そうして見当も付けまするし、会社に対しても需用家向けに言わせることができるのです。併しながら別な事情からこういうことがカツトされておるなら、これは重大問題です。別な問題になるのです。その辺をはつきりと伺いたいのです。
  99. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 今御議論のような、こういうことを発表すると、非常に世間をお騒がせするような問題が出るために、そういうことをとどめているということは、私はないと思います。
  100. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうすると、それは公益事業委員会として例えば当局、或いは日本の政府全部引つくるめまして、そういうことはないと、こういうことですね。
  101. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 私はそう思つております。
  102. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ちよつと待つて下さい、そいつははつきりしてもらわんと困るのです。あとで迷惑がかかつたら困るから……、とにかく全然そういうことはないという御感じですね。そこでもう一遍繰返して申しますが、それであればともかくも大体は見当が付くのだから、今年の冬の供給の見通しを公示せられたいと思いますが、その意図はありませんか。
  103. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) どうも冬というと何ですが、一月からは実際の冬ですから……。
  104. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 一月でも結構です。
  105. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) それを十一月、十二月、六十日間を見通して雨という大きなフアクターを無視して、今ここで世間を何か心配させるような非常な消極的なことを公示したり何かするということは、公益委員会側が少し出過ぎているのではないかと思いますが、そこで他の政府のほうがそういうことをおやりになる、例えば安本がおやりになるとかということについては、私らはそれにかれこれ政治的に立入りませんけれども公益委員会だけとしてはさような見通しを公示するとか、或いは新聞に書くとかいう只今考えはありません。
  106. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それならば逆に会社が努力すれば、或いは政府も努力しておるから、今年の冬は何とかなるだろうという、そういう楽観説はやめられますか。
  107. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 別にやめません。
  108. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 公益事業委員会としは、私はともかくも電気を扱つておれば見当が付くはずなのですが、需用者に対して……大体需用者も悪いのです、素人で知らんのです。それに対して生産計画も立てなければいかんし、いろいろな問題があるにもかかわらず楽観説一点張りを振廻しておつて、そうして見当を全然付けさせないということは、私はこれは公益を非常に害することだと思うのです。従いまして私は十分に考えてもらいたいと思いますが、特に考えられる予定がありませんか。
  109. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 私は公益事業委員会は各事業者を監督、奨励する立場に立つておりまするから、公衆をしてむやみに畏怖心を抱かしめて、そうしてここに人心の不安を来たすのもよくないと思いまするし、又さようなことをしてしまえば事業者というものが幾らか安心して努力して頂けんと思います。やはり二カ月も先のことならば何とかしてやるんだという考えを以て、例えば石炭が出荷命令が出て、も、事業者は安心せずになお闇といわれても仕方ありませんから、七重の膝を八重に折つても出して下さいと言わなけば……命令だけで石炭がそう出て来ないということも事業者は知つておると思います。そうしてこれから二カ月間の努力で、無から有はできませんけれども、或る程度のパーセンテージ、何割というものはよくすることも考えます。それは雨もあります。そういう事情であるにもかかわらず今日もう駄目だという見通しで、悲観的なことを産業家に言うてよろしいということを、事業者のほうと一緒になつてやる気はありませんが、同時に楽観してよろしいということも絶対今日戒めなければならんと思います。
  110. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 私はこれで質問をやめますが、何も公益事業委員会は電気会社の監督をしておるのじやないのです。電気業者を監督するのは公益事業委員会だけの義務じやないのです。公益事業委員会は公益を護るために仕事をしておるのです。公益を護るための仕事をするには力一ぱい電気を出させるとか、電気を使わせるほうには力一ぱい電気を使わせる。すべてにそれをはつきりして置かなければならん。従いましてそれをこういう今の雨だの……、雨というものは十月だけですよ、十一月になつてしまえばとまつてしまうのです。三月まで出はせん。それを未だにこの責任を天気に帰するような言い方をし、そうして一遍に出て消えてなくなるがごときことを責任者として吐かれることは、非常に重大な問題だと思いますがね、もつと私は深刻にこの問題を考えられ、そして一番先に言いましたように、努力すれば或る程度お考えになつても結構ですし、力一ぱい努力してもらいたいと思いますが、最悪の事態を考えるならば、電気だけでなくて中小企業に対して別な対策も立てなければならないし、労働者に対しても別な対策を立てなければならない。日本の全体の生産計画に対しましても別な政策を立てなければならん重大な段階で、若し電気がこのまま続くとするならば、従いまして力一ぱいの努力をされましても、而もこういう悪い條件が分るかも知れない率が例えば五〇%以上あるとするならば、五〇%以上の部分を埋めるための並行的な対策も政府に対して追従もしなければならないだろうし、需用者に対しても追従しなければならない。それだけの努力を少くともこの冬は最大限にはつきりしてもらいたい。石炭一トン採ることも結構ですが、又採つてもらわなければいけないし、今申しましたような対策を力一ぱい取つて頂きたい。それから先ほど特にお願いしておきましたけれども、数日中に当局も大体技術上可能な制限率全国一本になるということですから、その線に沿つて善処されたいと思います。
  111. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私の言いたいことを佐々木君が殆んど言つたと思うのですが、私は九分断になる時に心配したことが今日早くも現われたと思うのです。なぜ我々が九分断に反対したかというと、融通性がうまく行かないという点を心配して、各ブロツクごとの電力のこういう災害が平均されないことによつて日本の産業面が非常に混乱するという点から反対していたんですが、公益委員松永さんはその時に、融通は心配ない、うまく行くとはつきりおつしやつたと思うのです。それで私たち、は、松永さんのことだからうまくやるだろうと思つて安心していたのですが、早速こういう結果が現われた。而も今日佐々木君の追及に当つて、ここ数日中にちやんとするという御答弁ですが、今二カ月の間それを放つておいたというときは、公益委員として責任重大であると思います。先ほど関西の事情を椿君からおつしやいましたが、全く関西の事情は深刻です。私たちが中小企業のハンガー・ストライキをやつている現場に参りまして、尋ねますと、もう全く深刻そのものです。自分たちは工員に拂う賃金もない。だから工員に飯も食わすことのできない我々が、ただ安閑と家で飯を食つていることができるか。だから我々はここにやつて来て、飯を食わんストライキをやつているんだという話です。なおこの三日付で新潟の市長から私たちの上村進君に、追放された上村進君にこういう電報が来ております。「無軌道停電により全産業は壊滅に瀕し、供米不能、市民の不安増大し、重大社会問題激発の虞れあり。至憲電力事情打開のため特別の御配慮を請う」という電報が新潟の市長さんから来ております。これは関西のみでない。全国的にこういう不安があるということをはつきり示しておると思うのです。今日皆さんのいろいろ意見を伺つておりますと、どうも私は聞いておつて満足の行く返事がないように思うのです。恐らく委員会の皆さんがたの答弁を、今日苦しんでおる中小企業の人たちが聞いたら腹を立てるだろうと思うのです。大体関西で、公益委員のかたは月二十五万トンの石炭を確保すると、そういう答弁です。それが果して自信があるのかどうか伺いたい。自信があるならば二十五万トンなら、一日に平均七、八千トンの石炭が焚けるじやないか。而も来年の本当の渇水期に備えるために三千トンから四千トンぐらいの石炭を焚いて貯えておるという答弁である。石炭渇水期に貯えられた頃には関西の中小企業は倒れてしまつておるんです。大企業はこれはちよつとぐらい打撃を受けましても又起ち上ることができる。ところが中小企業は一旦打撃を受けたならば、再び起ち上ることができないのです。今日関西の中小企業家は全くそういう土壇場に追込まれておる。明日の問題ではなく、今日の問題だ。只今の問題だ。だから石炭が入つたときに五千トンでも、七千トンでも、八千トンでもいいから焚いてもらいたい。焚く能力があるのだからそれを全部焚いてもらいたい。そうして自分たちに配給してもらいたい。そうしてもらわなければ自分たちはもうやつて行けないのだというのが、関西中小企業家の偽らざる叫びであります。その叫びに対してあなたたちはどういうふうに応えようとするか。それでも三千トン、四千トン石炭を焚いてこの苦しい状態を来年度まで続けて、そうして関西の中小企業家を全部倒してしまおうとするのか。そうして労働者を餓死の状態に追込もうとするのか。その点責任ある御返事を頂きたいと思います。
  112. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) その点につきましては、おつしやること誠に無理もないことであり、又今日も関西、特に大阪、神戸地区の人々が大勢見えまして、そういうお話も非常に強く承わつておるのであります。ただ問題は結局一つはやはり程度の問題を考えなくちやいかんと思うのです。やはり今日非常に問題になつておりますのは、貯炭が余りに少な過ぎるという点が、一つの今後の関西の電力状況を考える上に、非常に必要な問題でありまして、(「貯炭の必要ないよ」と呼ぶ者あり)従つて今の二十五万トンという数字も、先ほど平井君から申されましたように、将来の貯炭を考えました数字でありまして、二十五万トンのうち恐らく二十万トン或いはその前後というものを、十月なら十月に焚いてしまう、こういう計画になつておるのであります。従つて今日現に四千トン乃至五千トン程度の炭が入つておりますが、それを毎日々々そのまま焚いてしまうならば、如何なるときどきの急変等もございますというと、結局元がすつかり枯れてしまつて、非常な御迷惑を関西なら関西の産業界全部に及ぼすということになつても、これは又一大事なのでありまして、従つてそこは炭の入り方と、今後の炭の入手見通しというものと考え併せまして、やはり或る程度貯炭というものは積んで行くという考え方を、私はしなくちやうまく行かんじやないかと、こう考えております。
  113. 山川良一

    ○山川良一君 今の話と多少似ておるのですが、私は少し公益委員の皆さんの考え方石炭に対しては甘過ぎると思うのです。それは今の須藤委員のお話と一緒みたいなことでありますけれども、私は今の石炭事情で八十万トン、実際に一カ月分の貯炭を持つように石炭の手配をしようというのは、今の石炭事情を無視した主張と思います。石炭業者としては今の全貯炭に対して、せめて百万トンくらい何とかして殖やして、そうして電力を含めた全消費者のために円滑なる供給を図りたい、多少不足してもときどきの非常対策に百万トンでも用意したいというので一生懸命やつております。それを電力だけが八十万トンやつて、自分たちは困らぬようにしたい、それだけの石炭を一般の消費者から集めたいということになると思います。私は今須藤委員が申しましたようにせめて現在の不足する石炭だけでも何とかして一般消費者から分けてもらえないかということで主張をさるべきだと思います。そういう、主張をされなければ私は石炭は集まらんと思います。それでそのことを一つ要請すると同時に、もう一つ先ほどの強権発動のことを松永委員長代理が言われましたが、その場合に我々は消費者には関係なしに強制出荷命令を受けたとしました場合に、消費者に対して成るべく迷惑のかからんようにやりますけれども、結局迷惑のかかつたときに、その何か補償とか何とかいうことのないように話を付けてやりましようが、万一消費者のほうで契約を履行できない場合に、どうこうということが起つた場合には、電力会社にそれを負担させるということになるかどうか、それを政府が思い切つてやらないのは、消費者のこうむる犠牲を誰が持つかということを躊躇されてと思います。その点を公益委員としてはどうお考えになるか、その点を伺います。
  114. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 只今の第一の点につきましては、私もこの点は程度の問題という言葉をたしか使つたつもりでありますが結局この冬場、特に輸送の非常に悪化して参りますときを考えますならば、勿論こういうときでありますから石炭入手状況その他からいたしまして、不必要に余計な考を貯えることは、これは必要ないと思いますけれども、どうしても或る程度の炭は貯炭するような計画をとつて参りませんというと、いよいよ一月、二月、三月等になりまして、炭は絶対に入らんというような、海の荒れ工合等を考えました場合には、やつぱり予想して考えなくちやならんと思つております。それから第二のお話のこの石炭相当つて参ります場合に、電力会社としてその点に対してどういう考えを持つか、又消費者側に対してもこの需給状況からして、どういうような責任を取るかというようなお話だと考えるのでありますが、私は電力会社としてはこの石炭入手のためには、あらゆる犠牲を忍んでもという言葉をあえて使つていいと思うのでありますが、そういう意味でこの石炭入手については努力しなければいかんと思つております。先ほどいろいろお話の炭価の問題等もあると思いますが、そういう点についても勿論産業全体の炭を非常に上げるというようなことは、お互にこれは考えなくちやならんと思いますけれども、やはり今日のような状態になつている以上は、或る程度の炭価が上りましても、これは私は止むを得んじやないかと、こう考えております、それから又消費者のかたがたに非常な御迷惑をかけております点について、これに対して先般衆議院のほうでも国として何らかこの点について後の善後措置を考えておるのかというような御質問もあつたのでありまするが、これは私どもがここでどうあるべきである、こうあるべきであるということを申上げる筋ではないと思いますけれども、今後の行き方としまして、一つにはやはりそういう場合に対する割引き等の措置も、これは相当私は強化して行かなければならんと思つております。それから又同時にそういつた具体的のケースにつきましては、電力会社として果して石炭入手の問題でありますとか、或いは電力を発生いたします上においての努力について、どれだけのことをやつておるか。それに対して少くとも過失というようなものがあるかないかというようなことが、やはり具体的のケースとして、そういう損害賠償とかいうような問題が起つて来るときに、自然私は問題になつて来ると思いますが、今ここでそれに対して国がどういう工合に消費者のかたがたに御迷惑をかけたことに対して、考えておるかということについては、私から何も申上げる節はないと思います。
  115. 小野義夫

    ○小野義夫君 私二、三質問並びに希望を申上げたいと思いますが、本委員会において本日我々は非常な委員会の成果と言いますか、得るところがあつたことは、第一点は全国のこの融通を法律の力によらず、公益事業委員会の責任において必ず全国同一の制限率にするという一点であります。これは勿論佐々木君が言われたごとく技術的に可能な範囲においてやられたということでありますから、これは即刻御実行になるように希望する次第でありますが、石炭問題に関しまして私はこれを石炭業者と、それから電力会社というような営利会社の団体の、私は自由なデスカツシヨンに一任すべきでなく、公益事業委員はその職権の如何にかかわらず、これには十分お立会いになつて、両者が血の出るような論議を重ねて、結論を発見すべきであると思うのであります。然るにこの挙に出でずして、徒らに法律によつて、法の力によつて統制をするとか、或いは強制するとかいうような論議がありますけれども日本人がかくのごとく立法手段にのみ訴える習慣があるならば、これは民主主義なんていうものを根本的にぶち破るものでありまして、むしろこれらは諸君の利害関係者が一団となつて非常に論議すべき問題ではないかと思います。つきましてはこの石炭対策委員というようなものを、公的なものでなくても、公益事業委員会が率先してその道の有力者を集めて、そうして智慧を搾つてやるならば、私はおのずからそこに立派な結論が生れるということを信ずるものであります。この点につきましてかような組織を早急に作つてやる意思ありや否やということを、一点お伺いしたいのであります。  それから第二点であります。全国を均一にやるということになりまして、然る後に又これを各業に対して均一にやる。例えば実績に基礎をおくとか、或いは現勢に基礎をおくとかいうような算術的の衡平論についてはいささか考えて頂きたいのでありまして、関連産業の今日のごとき如何なる手を打つて不足は依然として不足なんです。かかる場合におきましては国家民生に重要性のあるところの種類を、大体かくのごとき仕事は安本において特にやるべきであると信ずるのでありますが、かかる産業の段階的の制限というものについて、第一にはこの程度制限する、第二にはこの種の業種をこの通り制限するというような一つのプログラムを作つてやるべきであると思うのです。これは勿論地区によりましておのおのその軽重の差はあろうと思う。従いまして東北における軽重の差は、必ずしも関西における軽重の差とはならんかも知れんが、いずれにしましてもその地区々々におきまして産業の重要度と制限の割合についての一定の方式をとつて、これを民間と協力するというような、これ又一つの組織によつてやらなければならんと思うのですが、かかる研究若しくは調査の機関を作るの意思ありや否や。それから今日は損害のなすり合いと言いますか、いやこれは電力会社が持つべきである、いやこれは業者が負担すべきであるというような、或いは国家が持てとか、いろいろな損害のぬり合いをするような現状になつておるのであります。又労働者と経営者の間におきましても、労働の賃金問題について非常な問題を起しておると思うのであります。ここにおきまして今日産業界が渇水によつて毎日々々受けておる全日本の損害高というものについての調査をやつたかどうか。これは私の信ずるところによりますと、数百億若しくは一千億以上にもなんなんとする形勢にあると信じます。よく電力の資金がない、或いは電力をやることはできないというて非常に電力に対する資金の面は貧弱であります。而してこの結果として起るところの国民経済の損失は何千億にもなんなんとするような形勢にあるのでありますから、よくその実態を損害の白書と称せられるごときものを発表せられて毎日の損害がこの程度のときはかく起る。従つてこの二月三月に至るところの間に起ると予想すべき損害の総額は幾らになるのである。これを軽減するところの方途如何ということになりますと、突貫工事、緊急工事等が我々は考えられるところであります。この突貫工事、緊急工事というものも、これは金を出さなければ……、深夜業も辞せず、晝夜兼行、いわゆる大閤普請をやるという気になればできんことはないと思う。然るに今日のごとき資金の貧弱なることにおいては到底その突貫工事は望み得べくもないのであります。故に損害はかくのごとく大になるのだということのはつきりした数字が出れば、国家は何をおいても、例えば他の道路とか、港湾であるとか、その他の公益事業を差しおいても先ず以てこの突貫工事に向つてそれに傾倒すべきである。かかる認識が、大蔵省その他関係官庁諸君は熱意に燃えておるかどうか。又こういうことを公表することが可能性があるのかどうか、この点、以上三点を御質問申上げます。
  116. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 第一点、第二点については松永委員長代理から御答弁を願います。第三点については安本の岩武次長から御答弁を願います。
  117. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 小野さんの今のお話について、公益委員会としてそういう政府関係者一つのボテイを作つて、そこで話を打合せて、そうして強力にしちやどうかという御注意であつたかと思つておりますが、一でしたか二でしたか、その点については別に考えておりません。というのはその必要がないというよりは、今そういうこと以上に安本も通産省も公益委員会と御協力願い、或いはむしろ通産省のほうは自分のほうの産業に非常に重大な関係が起つておりますが、通産省の自分の管理しておられる自家用発電、或いは又自家用じやなくとも、石炭をもつておる方面、その方面についても随分御苦労を願つておる。又私のほうからあの石炭はこれに廻して下さることはできないか、どうも通産省が中に入つてもらうほうがいいというようなことは通産省にお願いしておる。安本にお願いすることは安本にお願いし、かなり毎日のように、或いはときとして夜遅くまで実際の事務当局が連絡してやつておるわけです。でこの上に一つの会をこしらえることも名案かもしれませんが、必要あれば無論相談して作りますが、只今は今のお話をもう少し強化して、例えば法律命令が出れば、その法律はやはり受けたいというのが考えでありまして、一応それもやつて法律も出してもらい、なお今の話合いができなければ、今度は大蔵当局も入つてまあ一つの会を作るということにまでもなるかも知れませんが、私の只今の考えているところじやそういう会を作るというより、やはりこれは結局業者の努力なんです。業者がやはり石炭を余計に出し、又事業家の要望のあるところとは連絡をして、そうしてできるだけ有用な方面に廻すというような業者の努力、それから我我が所管庁と連絡してそれを助けて行くというのが一番必要じやないかと思うておりますので、そういう会を今作るという考えは持つておりません。まあ第一も第二もそれに関連しておると思うのでありまするが、それでよろしうございますか。
  118. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 只今電力制限の損失白書のお話でありますが、突然の御提案で、実は私まとまつた御返事ができないと思つております。と申しますのはどういう形で損害を想定するのか、單に或る程度生産が落ちた、或いは稼働時間が落ちた。それに伴う損失云々という形で行きますのかどうか、実は私突然のお話でまとまつた御返事はできません。ただ簡単に申上げますれば、簡單な方法で出るものならば甚だ結構でありますからやりたいと思いますが、それにはいろいろな人手を食い、調査を食い時間を食う。むしろそんなことよりも時間があれば石炭入手を熱心にやつたほうがいいと思つております、率直に申しまして……。  それから公共事業その他を集中的に電源開発等に廻したらどうだろうかというようなお尋ねであつたと考えておりますが、御尤もだと思つております。そういうような方向公共事業費が配分されることを期待しております。  それから第二点に今松永委員長代理から御返事をなさつたようでありますが、安定本部としましては、制限を或る程度事業の特殊性を考えて差異を設けるということは、主義においては賛成であります。ただ重要でない産業というものは実は私余りないだろうと思つております。禁止需用等はこれは成るほど余り重要でないと思つておりますが、いやしくも或る程度大口の割当を受けておるという産業におきましては、重要でない産業は私はないと思つております。ただ制限を受ける対象によりましていろいろな影響を受ける対象に度が産業で違うだろう。従いまして現在考えておりますように、今伺つておりますようにいろいろな交通機関、通信機関というふうな公共事業、或いは炭鉱、鉱山等の保安電力といつたものは、これは余り制限を加えないほうがいいだろうというふうな考えを持つております。又場合によりましては、石炭の生産というようなものにつきましては、これは電力とは卵と鶏の関係になりますので、これはむしろ保安電力を超えて、操業用の電力も場合によつて制限を緩和したらどうかということも考えております。その他の産業につきましてはいずれも重要でないものはないと考えておりますので、まだ具体的に制限の差を付けるというようなことまで考えておりません。ただ一般的に見まして産業の方面、殊に大口産業が全国を通じまして相当四割、五割というふうな制限を受けておりますが、非産業用と思われますような大口電燈或いは業務用といつたものは比較的制限が軽いように思つております。  それから小口動力等は中小企業の点から御反対があるかもしれませんが、少くとも一応の制限率からいいますと、大口産業から比べれば軽い。家庭用等は一向制限を受けておりません。ただこれは法律的の根拠はないのでありますが、ときどき電燈会社が切つておるという状況でありますので、私はむしろ産業、特に主力産業が相当地域におきましては制限をこうむつておりますのと均衡を保つて、非産業用或いは国民生活のほうも或る程度、同じ程度とは申しませんが、或る程度はやはり制限の負担を受けるのが本当じやないかと思つております。そうしませんといたずらに産業方面のみが制限が過重されまして、その結果は單に経済問題だけでありませんで、先ほど佐々木さんから、お話がありましたように社会問題になつて来るわけであります。或る程度非産業用のほうも制限を加えたほうがいいだろうと思つておりますが、現在のようにただ緊急遮断と称してばちぱちと切りまくつておるのでは困りますので、何か秩序ある制限方法公益事業委員会のほうでお話願つて電力会社を中心に調整するのが本当だと思います。
  119. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 議員中川以良君から委員外議員の発言を求められております。これを許します。
  120. 中川以良

    委員外議員(中川以良君) 私は特に本日本委員会に出まして発言をいたしますゆえんのものは、過日中国のほうを廻つて参りまして、余りにも中国関係電力が惨めなのに実は驚き入つたのでありまして、これは是非この機会に皆様方にも申上げて、公益事業委員会においてももつと認識を高めて頂きたいと思うのであります。  今日このように国会において煌々と電力を照してやつておりますことすら、私は良心的に考えまして、これは我々国会議員としては考えなければならんと実は痛感するのであります。中国は御承知の通り、先ほど来中国電力の協議会のかたから陳情があつたようでございますが、七十万キロワツト・アワーはどうしてももらわなければならんという実情でございます。これはすでに今詳しく私が数字を申上げないでも、公益事業委員会その他御承知のことでございますが、これに対して松永委員長は過般来お話のございましたごとく、一昨日から三日になりまするか、たしか八日までだと思いますが、中国融通をされましたのは僅か十八万キロ、これは九州から七万、それから関西から十一万でありまして、このくらいの程度融通では到底中国のほうはどうにもならんという実情であります。これは大企業は勿論のこと、中小企業には全部の被害を受けまして、行つてみますると、毎日螢停電又真暗になる。殊に中小企業の例えて申しまするならば印刷業とか或いは製材業といつたものは全く仕事にならん、そのためにいろんな支障を起し、又いろんな建築方面にも今日大きな影響をすでに来たしておるような事情であります。  そこで一体この各地帯の融通をなさるのに、先ほど来もお話を聞いておりますると、公共事業令の第五十五條によるところの電力融通命令はお出しにならんであろう、できるだけ話合いでやつて行こうという御趣旨でありまするが、実に今のお話では全国一律に制限をするというので、これはまあ一つの進歩と存じまするが、話合いでいたすにいたしましても、一体地帯融通の決定の根拠というものはどこにおいておやりになるか。この点につきまして私は本日公益事業委員会のお考えを承わりたいのでありまするが、ただ漠然としてこの融通量を御決定になるのか、この三日間の試験によつてこれをお定めになるのか、この点でありまするが、私は少くともこれについては融通契約予定量を先ず検討すべきであります。これはもうすでに定められておるのでございまするので、この問題と、それから電力会社の企業努力、これに対しましてやはりそれぞれの会社に対するところの企業努力を更に正確に把握なさる必要があるのじやないか、又電力割当制限の割合とそれから制限の期間の問題、これは従来やつておりました点について、これはそれぞれの地区によつて十分にこれは比較検討を要すべきでございましよう。それから更に需用の構成でありまするが、各いろんな産業がございまして、その需用の構成、これらのフアクターをそれぞれ御検討になつて初めて正確なる私は融通量というものが出て参るのだと思います。こういう点を考えますると、中国では地帶融通予定量というものは、御承知のごとく公益事業委員会できめられておりまするのが十月においては百十四万キロワツト・アワーになつております。これが僅か十八万しかもう来ない、これは非常に大きな差異を生じております。それから電力会社の企業努力というようなものは、これは又検討いたしますには相当至難な問題でございまするけれども、まあ大体出水率とそれから火力発電の稼動状態、こういうようなものを対照して見れば明らかと存じまするが、中国においては御承知のごとく出水率は全国で最下位にございますることはもはや明瞭なる事実でございます。それから火力発電所の稼動率と申しまする点につきましては、これは中国は最もよく動いておりまして、全国の最上位にございます。こういう点から考えましても中国に対しては特にやはり考慮を要すると私は信ずるのであります。それから電力制限割合と制限期間というものは、これは中国地区が現在最もひどい制限を受けておるのでございまして、而も八月以降二カ月以上に亘るところの平均制限率においてはこれ又他に例を見ない酷な扱いを受けております。特に一つの例を申しまするならば、鉄鋼業についてこれを見ましても、関西と中国とを比較いたしますると、電力制限率というものは関西は五九・二%に対しまして中国は四四・一%で、その間に一五・一%の相違があるという状態であります。こういう点も十分考慮さるべきじやないか。それから需用の構成につきましては、これは中国地区におきましては特殊電力が殆んどございません。御承知のごとく特殊大口の需用比率というものは、東北が五一、それから北陸が六六、関西が三三、中国は僅かに二七であるのであります。こういう点を考えましても、中国はもう直ちに電燈とかその他一般電力に大きな影響を及ぼしておるのでありまして、こういう点も十分にやはりお考えを頂かなければならんのじやないかと思つております。こういうことを考えまするときに公益事業委員会といたしましては、一つこれらのフアクターに対して一体どういう基準で以てこの融通量をきめるかという根拠を私は一つはつきりして頂きたい。  それから現地に対しまして一つ調査をもつと詳しくして頂いて御認識を進めて頂きたい。例えて申しまするならば、先ほどのお話では関西からは中国にはもはややれないという委員長のお話であつたのでありまするが、私は関東或いは中部から関西に廻し、それから更に中国にそれを廻す。九州だけからそれを求めましてもこれは到底不可能であります。そういう点までもお考えを頂けるものかどうか。ただ関西は成るほど重要産業もございまして、私は排他的のことは決して申しませんが、全国全体に考えまして、やはり関西からもう中国に廻せないというような御言明を委員長がなさることは、中国においては非常にこれは問題化すると思います。やはり関東なり中部なりから関西に廻して、それを更に中国に廻すというような措置がとれるかどうか、こういう点につきましても特段の御考慮を頂きたいと思いますので、これらの点について一応委員長の御意見を私は承わりたいのであります。
  121. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 中川さんのお話のいろいろなフアクターについてのお話はあと平井技術長から申上げることにしておきます。けれども大体その三日間融通しました現実、その実情に即してどういうふうに融通してやつてもらいたかつたか、どういう考えで各社にお願いしたかというのは、その電力の七月に比べまして、各関係会社で出しておつたものを一〇〇といたしますと、一番少いところ、これに第一廻さなければならんというのが融通の話の根本となりまして、これを廻すために東北が一番少いのでございまして、東北は七月の一〇〇に対して八五%しか事実供給をしていないというような状態、その次が北陸であります。北陸は七月に比べて六七%になつております。これはどういうことから起るかというのは、主に東北は東京に依頼しておつたのが、東京が減つたものですから東北のほうが従つてつておるというようなこと、それから北陸は関西から助けられてこれまで来ておりますが、その関西が非常に落ちまして、関西の産業としては減すことのできないような状態になつて、自然北陸に影響を及ぼしておる。これは同じく中国にも影響を及ぼしているのですが、中国のお話でありますから中国を申上げますと、中国は七月に一〇〇の供給に対して七一%の供給をしております。そうして中国はこれまで九州電力を多いときは三万キロ、五万キロという供給をしておつたのでありまするが、最近はもう殆んど供給をしておりません。おらずになお且七一%というものは要するに中国の持つておる力がもう火力を使い切り、水力渇水状態なつたという結果でありますから、然らばこれを関西から融通するかと申しますと、関西は私の持つておる表においては当時七六%しか七月に比べて使つておりませんから、もはや中国に供給する余裕はないと思います。併しそれでもできるだけ一つ石炭を焚いてやつてくれということを頼む、九州中国から受け前であつたのをさかさまに九州石炭を余計に焚いて、そうして中国にこれを送るようにしてもらいたいというので、先刻中川さんがお話になつたように関西からと言つても、この三日間の融通において、七一%という三日前の割合より無論向上していることと信じております。従いまして中国だけお話すれば、(「簡單」と呼ぶ者あり)中国だけお話すれば、関西は石炭事情がよほど好転せない限り、或いは東京方面の雨が降るとか、石炭が入る事情が好転しない限りは、関西自身荷が重いものですから、やはり将来の、将来といつても長いこともありませんが、十日でも二十日でも融通命令を出す場合は、やはり九州から出してくれということを言わざるを得んような実情であります。尤も東京方面の余裕があれば、関西を通じ中国をお助けすることもできます。関西も中国もそう余り違わない。十月一日、二日の状況では関西が七六%の力を持ち、中国は七一%の力を持つているというような表に出ている。なお申しますが、関係のその筋では、自分のところを減らしてよそを助けるいうより、自分のところをもう少し殖やして、自分のほうを成るべく一〇〇にせよ、どこもそのつもりで、融通するよりはむしろ自分の力を助けよというような御意向もあつたのでありますけれども、私も参りまして、よく了解を求めて、今そうい石炭入手困難なときに、それを言うてみても、実際東北方面のごとき、もうどのくらい制限しても自前で機械の動かんようになる。まあ何と言つても東京がその当時一〇〇に対して九五使つておりました。で東京から融通をしてもらいたい。中部がそのとき九五でありましたから、これを以て関西に融通をするというような建前をとつてこの三日間実行しております。将来融通命令を出しましても、特に石炭入手するか、関西でたくさんできる、中部でできる、或いは雨が降るとかいうことがない限りはやはりこのスケジユールの形を追つて行くよりほかにないのじやないかと常識的に考えておりますが、併し技術的のこと、そのほかのことでまだ十分検討が足りませんし、又これを実行する上については、この三日間のものも関係筋に行つて二日がかりで漸く御了解を得たような相当むずかしい点も残つております。私どもは先刻佐々木君の御質問もありましたように、技術的又実際的に許す限りは成るべくどこの苦しいことも助け合つて行けるようにお話合いはしておまりすが、更にそれで行けない場合は命令を出すということも覚悟はいたしております。併しその命令を出すにつけましても、やはり安本そのほかとお話合いをし、なお関係先の御了解を得ないとなかなかむずかしいことでございます。お答えいたします。    〔委員外議員(中川以良君)発言の許可を求む〕
  122. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これ以上の答弁はできなかろうと思いますが。
  123. 中川以良

    委員外議員(中川以良君) もう一点。今のお話で御意思はわかつたのでありますが、融通命令を止むを得なければお出しになるということで、十分それは慎重にお考えになつてお出しになると存じますが、その前に、例えば石炭とか重油を割当をいたしまして、それを組附にして、一方のほうに電力を送るというようなことはお考えになつておられるのでしようか、どうですか。
  124. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 紐附のことはいろいろ、例えば関西におきましても、自分たちの持つておる石炭を供給するという話も国鉄関係から出ております。  それから東京におきましては、国鉄が水力を六万キロばかり信濃川に持つております。どうも近来だんだんと東京電力にくれるのが減つております。それは石炭が足りないために……、国鉄が石炭で補充しておる北海道方面事情がよくなれば、北海道で電力融通をよく業者にして、つまり石炭業者にして、石炭業者がそれは有難い、この分だけはそれでは余分に出してやろうという場合は、その北海道の石炭を国鉄に頂いて、水力でもらうとか、種々雑多なことをやつておりますが、これは根気よくやれば相当効果はあると思います。併しみな話合いでありますから、なかなか急にまとまりません。そうしてそれから何にいたしましても、石油を輸入しなければ間に合わんことは明らかですから、石油の輸入を八万トンだけ確保しまして、それで石炭に対して十六万トンの確保ができた。なお外国炭を三十二万トンばかり交渉しております。これはまだ話が成り立ちません。石油のほうは成り立つて、近く入手して大阪、名古屋、東京の三カ所に石炭代りに着きますから、石炭の今の入手の問題以外の電力ができます。できた分は、今度大阪にできれば従つて中国に廻せる、東京にできれば、東北に廻せることになります。何しろ元を少し稼がなければ、分けるほうの話はなかなか困難でもありますが、さよう、御承知を願います。
  125. 小川久義

    ○小川久義君 私はいろいろ熱心な質疑応答を聞いておりましたが、責任の所在がどうもはつきりしない。この電気の問題を誰が責任を背負うのか、これはもつと明確にしてもらいたい。今朝東北から帰つて来たのですが、東北電力の副社長の言うのでは、お上のままであつて、我々は村上の言うままに廻しておるだけだと言つてここに来ると努力しておるが、努力をした実績が少しも見当らない、何の努力である、石炭の問題にしてもその他いろいろの問題がいつの委員会でも繰返されておるが、一つも前進しない。明るくならない。私は関係各位の努力が足らんと断ぜざるを得ない。特に地方実情公益委員会がよく知つていないことが熱心になれん根本ではなかろうか。東北に行きましても、松尾鉱業所では、保安電力千三百五十キロに対して八百キロの電力しか当てがつていない。保安電力さえ事欠いている。單に数字を並べて、これでいかん、これ以上雨が降らなければどうにもならない、石炭は努力してあるがどうもうまく行かない。これは何のためにあらゆる機関が存在しておるか、僕は甚だ疑問に思う。もつと真劍におやりを願いたい。地方実情をよく知つてもらいたい。先ほどから聞いておると、全国一律にしたいという話だが、その実情をつまびらかにつかんでいない者にこの正宗の名刀を持たせることは善人を傷ける虞がある。この点に対しても十分調査研究の上公平なる実施をお願いしたいと思う。又農業電力に対してはある程度割当はしてある。ところが最近の東北における様子では、早場米の出荷ができない状態である。脱穀調整に事欠いておる。僕は富山県ですが、富山県からもさつき三人連れて来て、すぐに米を出せ……、これは八千三百万国民の生活に影響する、他の産業にも当然影響することは重大ですが、食わずに生きているわけには行かない。かかる状態公益事業委員会が御存じであるかないか。今日の新聞を見ても、穀倉の富山県で早場米の割当が九四%しか出ておらん。いつもの年は一一〇%、一二〇%と出る米が、電力不足によつて九四%しか出ておらん。かような実態を十分把握して責任の所在を明らかにし、全国一律にされることは当然であると思うが、その際にもつと真劍におやりを願いたいと思う。明日も委員会を継続される予定でありますので、いろいろ具体的の問題は明日に譲りたいと思いますが、根本的に電気の実情をその責任者である公益事業委員会が余りにも知らない。この委員会へ出て来るときには数字だけ並べて、こうなつておるのだ、ところが違う、行つてみると、三〇%の制限、四〇%の制限といつておるが、生産に使う電力一つも送られておらん。かようなことでこの我々の委員会でその場逃れの答弁をしないように、明日は実体をつかんで、もつと真劍にこの問題打開に対して努力をするせめて誠意くらいは示さるべきである。どうも私は遺憾に思つて半日黙つてつたのだ。発言しないでおこうと思つて委員長に発言の取消しをしておいたのですが、この様子は毎日毎日繰返されて、国民は一日々々不安のどん底へ沈んで行く、来国会におきましても、僕は私個人の希望でありますが、この委員会を続けて、国民のために公正なる電力の配給に努力したいと思いますが、根本的にその責任を明らかにして、善処をお願いしたいと思います。
  126. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 本日の委員会はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            石原幹市郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            佐々木良作君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            岡田 信次君            小野 義夫君            清澤 俊英君            島   清君            椿  繁夫君            加賀  操君            山川 良一君            岩木 哲夫君            小川 久義君            境野 清雄君            須藤 五郎君   委員外議員            中川 以良君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       渡辺 一郎君   説明員    公益事業委員会    委員     松永安左エ門君    公益事業委員会    委員      宮原  清君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君    資源庁炭政局長 中島 征帆君    経済安定本部産    業局次長    岩武 照彦君   参考人    中国電力協議会    幹事      高橋洋次郎君    関西労働組合電    力対策共同鬪争    委員      田中 市蔵君