○
参考人(守田冨士秋君) では或いは
前回の
委員会において
調査されたことに一部重複の点があるかも知れません。或いは又先ほど
平井技術長より御
説明がありました部分に重複する点があるかも知れませんけれども、去る十日まで関西
電力の
石炭部長として直接
石炭業務を担当いたしておりましたという関係上、二十六
年度の四月以降について話の順序上一応
お話を申上げさせて頂くことを
お許し願います。
すでに御
承知のようにこの四月、五月、六月分の契約は、自発において締結されました毎月約十四万トンに相成
つております。関西
電力がスタートして、五月一日より專ら
石炭業務は、日本発送電において契約締結されたものを現実に入荷させるということにこれ努めたのであります。
従つてこの四月分の十四万トンの契約に対しましては、これは日発において入炭督促をさせた結果を現わしているのでありますが、十四万九千トンに対して五六%の入炭をいたしております。そこで五月一日、新関西
電力が出発いたしまして、是非ともこれを完納させたい。その契約
通り納炭させたいと懸命に
努力いたしました。
従つて各四十数社に上る業者を、会長、社長、関係部長は勿論、部員一体と
なつて業者に当り、是非ともこれの完納をお願いして参りました。併しそのときにお聞きしたいろいろのことがありましたが、入炭関係において主なることは、日発において十四万トン何がしや
つているけれども、これは実際契約はいたしていない。ただこういう
程度を関西
電力関係について日発から引継いだのだというようなことで、これは現実に関西
電力において契約、いわゆる見積を新らたに提出して契約を締結したものが
相当あります。それによ
つて一応証拠立てられますが、そういうこともありまして、これを完納させるということは容易ならざることをば発見したのであります。手前が
石炭部長を拜命したのは五月十六日ありました。
従つて現地に廻
つたのが二週間ほどかかりまして、そうするうちに五月が過ぎました。
従つてその五月は契約に対しまして入炭
実績は五五%を示しております。併し関西
電力として関係方面に納炭方をお願いいたしたそれの
効果は六月において現われるというような
程度でありまして、六月には勿論新会社として日発を引継いだので、或いは之の條件以外に
石炭欲しさにいろいろの手を打たなければならんということを上司とも諮りまして、ここにいろいろの手を打ちました結果、この六月には七六%に相成
つております。そこで新会社といたしましては、先ほど
平井技術長の
説明せられました
通りに、七月から初めて契約を締結したのであります。この契約の締結方につきましては、先ず関西
電力の特別の地区といたしまして、どうしてもカロリーのいいものを買わなければならん。
従つていい
石炭、良質のもの、こういうことに相成りますと、どうしても大手関係に相成ります。
従つて発送電関係のときに約二〇%の
大手筋契約をしたのでありますが、これをどういたしましても五〇%
程度は大手にお願いしなければいけん。特に日発時代のいろいろの
事情もあるだろうけれども、格別の
一つ大きな
数量も使うことではあるし、殊に関西
電力の特殊性をお認め願
つて、是非ともということを
大手筋さんにはお願いいたしたのであります。そうして約五〇%を六月中に七月の契約については是非ともお願いしたいということで懸命に、これもやはり文字
通り会長、社長以下一体と
なつて関係方面にお願いいたした。併し従来の
実績もあり、炭況もだんだんと逼迫し来る折柄、急にそういう増加はできないという結果に相成りました。実際七月から九月、毎月約十五万トン
程度の契約ができたのでありますが、うちやはり
大手筋でできたのは従来と同じ、約二二、三%
程度しかできんで終りました。その際
大手筋のほうで異口同音に話されたことは、九月終り十月初めになると
相当の増産もできる予定である。それで一遍に七月から増量するということはむずかしい、
従つて十月には御希望にも副い得るように相成るだろう。今回は止むを得ないというようなことで、結局二二、三%
程度で終
つた経過であります。
従つて関西
電力といたしましては、従来の日発より引継いだ中小商社に、好まざることであるけれども、これに頼らざるを得ないというのが
実情であります。
従つてこれは七―九の契約は大体二十一万から二十二万
程度を関係業者にお願いして見たのでありますけれども、実際にできたのはどうしても従来の
実績がものを言うのでありまして、特に炭況の関係がありまして、どうしても増加できず、結局契約数のできたのは十四万六、七千トンに終
つたのであります。併し今度の新会社としては、従来これは商習慣上、
石炭の契約はすでに皆様も御
承知の
通りよくて大体六、七〇%ぐらい契約数に対して納炭がある。それで手前どもも従来の商習慣もあるけれども、是非とも関西
電力としては契約を履行するという建前にして、たとえ契約
数量は少くても、是非ともこれを完納してもらうという契約
数量の納炭、いわゆる履行については特にお願いして、関係業者も特にこれを了承せられて、懸命に七月においては納炭に努めて頂きました。非常に
努力して頂きました結果、先ほども
平井技術長の話にもありました
通り、殆んど完納という
状態であります。この契約の完納ということは日発十有余年の
石炭の契約がありますけれども、こういうよき成績は初めてであります。大体七月はこういう好成績に終りまして、
貯炭も約九万数千トン残したかと思うのでございます。
そこで八月は契約の十四万七、八千トンは勿論のこと、更にこの夏場に
貯炭をいたしたいということでスポツト的、いわゆる臨時的の
購入もありました。特に
はつきり覚えておるのは、中山製鋼さんのごときは
相当高い炭価でありましたけれども御融通願
つて八月度にすでに特別の中塊炭をお願いしたこともあります。そういうことで是非ともこの八月においては、
例年のように盆月の八月には納炭が少い。特に暑さのために労働力も低下する、特に盆というものがあるからということを大体肚に入れて、特別にこの八月度は初めから納炭の督促にこれ努めたわけであります。ところが如何にせん、これは
あとからわか
つたことでありますけれども、
石炭の
状態の逼迫しておるという関係上、他の
電力会社或いは他の業者にも、七月度は関西
電力を完納いたした関係上、他にも
相当御迷惑をかけておる。例えば特に中小に対して、これは
あとでわか
つたのでありますが、よそのほうに廻したという事実が現われたのでありますが、最初十日間ぐらいは比較的、これは元来上半月は関西では船を使う関係上、船積みの関係で納炭が少うございます。下半月はずつと納炭が多いのでございますが、八月十日頃まで比較的少なか
つたのですが、八月の初めより懸命に現地にも派遣し、現地とは九州方面でございますが、九州方面に特に山元を検収して、そうして八月の納炭を
記録いたしておりましたが、残念にもこの八月の上月は従来
通りやはり納炭が思わしくありませんで、更に平素三日間くらいの盆が三日間重
つて六日間、而も景気が非常に
炭鉱間においてはいいので、なかなか労務者が帰
つて来ないということで、それに加えて十七日から二十三日の頂上に若松では出炭が中止しました。これは全くマージ
台風のお蔭であります。ここで約十二、三日の穴ができたわけです。この関係で下半月は
相当多く入る予定のが、二十三日頃まで殆んど入炭がゼロという
状況です。この間特に我々関係者としては焦慮の念が強く、大阪、京阪神地区における鉄銅、紡績、そうい
つた各メーカーの
貯炭にも目を著け、又業者に特にお願いして、こちらに
関西地区向けの分は船を降ろす前に分けてくれとかい
つた、あらゆる急場を救うべく懸命に
努力いたしたのでありますが、何しろ二十三日頃までに船が止ま
つておることで、現地にも
貯炭在庫を持
つておる業者からもお願いできず、又業者として、大阪地区に着く船もなか
つたので、これも十二分の
効果を示し得ませんでした。二十四、五日頃から、実際始めたのは二十六、七日頃だ
つたと思いますが、予定量に五、六千トン或いは六、七千トン、船がずつと団子配船というくらいまでに着くことに
なつて、納炭がありました。その間御
承知のような危機に
貯炭の
状況は相成
つたのであります。そこで各関係業者には納炭につき特別の、会社全体一体と
なつてそれぞれ督促、納炭方をお願いしただけでなく、できればこの際九月分の契約量に対してもこの際繰上げ送炭してほしい。八月分の契約量をお納め願うのは勿論のこと、九月分もお納め願いたい。大体その当月分の契約量は翌月の三日乃至四日までくらいには当月分のがずれるということに相成
つております。
従つてこれは想像でございますが、炭況が非常に窮迫しておる関係上、できればこういう
状態であるから九月分の納炭については……或いは商社関係は安易な考えを持
つて、このまま行けば九月の分に廻して、或いは好景気を
予想するというような者が大分あ
つたやに後に
なつて聞きましたけれども、おおむねこの業者としては
協力して頂きまして、月末の二十六、七日頃から月初めの四、五日頃までには殆んど五、六千トン、或いは六、七千トンという
数字を納入して頂いております。これは業者の非常な
協力の現われ、御
協力を頂いた結果だと思うと同時に、半価関係官庁方面におかれても、特に
石炭危機に瀕しておることを憂いまして、業者にも種々涙ぐましき納入契約履行、或いは繰上げ、そういう関西
電力の
石炭危機を救うべくあらゆる中央においても或いは九州、或いは大阪の現地においてもして頂いたことと相待
つて、八月終り九月初めに至
つては
相当量の毎日の入換がありました。
そこでそういうような関係筋の御
協力を得たにかかわらず、八月分としての納炭は約八万七、八千トン、約九万トンに終
つたかと記憶いたしております。そこで
大手筋初め中小、いわゆる業者関係に、特に九月五日より十五日までに九月分をお納め願
つた分に対しては、一トンにつき三百五十円の加算金を加えるという特別
措置として、これは單価の引上げとか、釣上げとかということに影響するかも知れませんけれども、特に関西
電力についてはああい
つた危機であり、特に繰上げということになると船繰り、その他種々の経費が要るので、少くともこの
程度ということで、或いは炭況からいたしまして大した
数字ではなか
つたかも知れませんけれども、そういうことにいたして、そうしてお願いした。併し一方
大手筋のほうにおいては、すでに
相当五日に手を打つ前に、九月分の契約については全部十五日に納炭するということで、そういう緊急
措置が打たれてからでなくて、その以前に
お話を承わり、そうして御納入願
つたわけであります。その結果は五日より十五日までに約六万数千トン納めて頂くことに
大手筋を初め
中小炭鉱にお願いいたすことができました。それはおおむね予定
通りこの十五日には入りました。そういうことで特に八月度の
石炭逼迫は
只今申上げましたような
実情であります。今日までの経過は
只今申上げましたようなあらましでありますが、今後の
石炭対策につきましてはこの十六日以降、これはすでに九月から十二月、第四
四半期の分につきましては、従平の御納入御契約願
つておる業者四十六、七社は勿論のこと、その他の業者にも特に御
協力を願うことといたしまして、現在いずれにしても
大手筋のみに頼るとか、或いは中小に頼るのは危いという、そういうことを拔きにして、一トンでも多く
確保したいという考えから、四十六社
程度の従来の契約の業者の数に対して七十四、五社、関係方面、業者にお願いしております。まだ折角その見積りをお願いしているところで、まだその結果は
はつきりしておりません。で、この大手さんは十五日までに九月分を全部御納入して頂きました。十月分の御契約願う分を一部繰上げして頂くとか、或いは特別のスポツト的になりますところをこの際何がしかの御納入をお願いして頂くとかい
つたようなことで、今十六日の九月分の繰上げ送炭に対する
あとの不足分に対しては、特に大手さんに対しては格別の御配慮を願いたいと思
つております。まだ中小のほうに対しましては
相当八月、九月分の繰上送炭の残数があるので、それを是非お願いする。併してこれは九月十五日までにとりました特別緊急
措置をそのまま、炭価の、言い換えれば加算金ということはそのまま九月末日まで適用するということにいたして、何とかこの九月の空白に
なつているのを補おうということに努めております。それから十月から十二月までには、先ほど技術長から
お話がありました二百五十万トンといううちに、勿論関西
電力も
相当大きい
数字をお願いしておりますが、これもこの二百五十万トン分のうちの
相当部分を占めていると思いますが、各契約を
要請して行きます、業者にお願いしているのは十、十一、十二月、毎月三十万トン、即ち九十万トンをこの第三
四半期にお願いし、少くともそのうちの七十六万五千トンは契約をお願いいたしたい、こういうことにな
つたのであります。で、
只今申上げました七十数社の多くの業者全部一致して
協力して、そうしてこういう
石炭状況逼迫の折から、幾らかずつでも多くの業者に充て、一トンでも多くを
確保いたしたいという行き方で、多くの業者にそれぞれ御
協力願
つておるという
実情で、できるだけ多くの
数量の契約をお願いいたしたいということで、会社挙げてお願いいたしている
実情であります。それからこういう内地産の絶対量において需要に対して不足している折から、台湾炭の輸入について懸命に関係方面にもいろいろ
努力いたして見ましたけれども、これとい
つて実際納入できるいい炭があるというような確報は得ておりません。
従つて手前どもの観測では、台湾炭に依存するということは極めて可能性がない、こういう結論に達しております。それでもう
一つこの
石炭不足を補充するために、関西
電力といたしまして、関係方面にもお願いいたしまして重油を使用する。大体一、二、三月約一万トン
程度の重油を使う。これは御
承知のように一万トンの重油は大体二倍、
石炭六万トンに
相当するのでありますが、特にこういう
石炭逼迫の折から日も早くこの設備を終
つて、早く重油を焚きたいということで、一、二、三月に使うことに
なつておりますけれども、これを早めて十二月より五千トンぐらい重油を使い得るような
状態に進めたいと関係者懸命にこれを急いでおります。
以上関西
電力としての
石炭入手
状況及び今後の三
四半期に対する
石炭の
実情を
報告して私の
説明を終ります。