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1951-09-03 第11回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月三日(月曜日)    午後一時五十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電力需給状況及び電源強化に関す  る件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今から電力特別委員会を開会いたします。  本日は電力需給状況及び電源強化見通しについて調査をいたしたいと考えます。本年の夏季は新会社発足以来初めての渇水期に当つております。又火力用炭供給面においても困難が伝えられていた際でありますから、我我としましては、夏季渇水期における需給状況及びこれが切拔けに対してとられた措置に関して詳細なる御説明お願いいたしたいと思います。  第一に、夏季渇水期につきましては、各地区の渇水期電力需給状況、地帯間の融通状況及び火力用炭受入消費及び貯炭の推移について御説明お願いいたします。
  3. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 夏季渇水期におきまする供給につきましては、大体自流式発電所では渇水期豊水期に比べまして、おおむね三分の二乃至半分程度まで下るのが普通なのであります。で、電力会社はこの下りました不足分を充足するためには貯水池式発電所声運転するのは勿論、火力発電所相当程度にこの夏季渇水期に対しても稼働することによつて需給の均衡を保つように努力しておるのであります。本年度年度の当初以来、昨年末からの需要増加傾向が一向に減退いたしませんので、豊水期におきましても、自流式発電所において相当程度水も出ており、又その利用率向上等相当図つたのではありまするが、にもかかわらず、更にこの貯水池式発電所ば予定以上に運転をし、又火力発電相当予定以上に石炭を焚くというように、総体的に計画を上廻つて発電せざるを得ないというふうな状態にあつたのであります。更に入りまして、幸い七月は水が相当恵まれたのでございます。併し八月に入りましてからは、貯水状態は急激に下つて参りまして、丁度全国平均で申しますると、八月の上旬が平均出水率九八%で、中旬は八九%に下り、順次下りまして、下旬におきましては、一、二回僅かばかりの降雨はあつたのでありまするけれども、結局のところ下旬も、その出水をも平均しまして、なお且つ九四%で、八月通算の月平均がやはり九四%しかなかつたというふうな状態であつたのであります。それがために水力発電所利用率の向上、それから貯水池式発電フル運転を図つた一方に、需用家におきましても、自主的な負荷の抑制をかなり強度に、これは需用家電気事業者との話合によつて行なつたのでありますが、相当にこれを行わざるを得なかつたのであります。併し大体において月を通じまして、そういうふうに需給が非常に苦しかつたものでありますから、周波数、電圧等も甚だしく降下するような状態でありまして、持に関西におきましては、この下旬において相当ひどい状態が漸次起つておるというような状態であります。この電力需要抑制はおおむね各電力会社の自主的な需用家との話合による抑制方法をとつて法的措置による或いは需用家が卒然として緊急制限をするというふうなことはできるだけ避けるように努力したのでありまするが、それでもそういう意味における自主的な負荷抑制は、東北地方のごときは大口工場に対して四〇%をお願いするというふうな状態も現出するというふうで、全国的に見ましても電力需給上の影響はかなり大きいものが現われておつたのであります。九月に入りましてからも、気象台長期予報による九月の予想は、八月の末においては、九月は例年より相当水が多いというふうな気象台の予報が出ておつたのでありまするが、実際は本日までの状態から見まして、八月の末項以来、ずつと水は減る一方でありまして、現に本日の自然流量全国で三百万キロワットでございます。豊水の時には五百万キロワット程度出るのでありまするが、三百万キロワットしか出ないというような状態で、八月の一番低かつた二百九十万キロワット余に殆んど近付いて来るというふうな状態なのであります。そうして台風予想等もおおむね中旬以降において漸やく出て来るのじやないかというふうな昨今の気象台の観測であります。今日気象台では、それまでの間のところでは、この五日頃に若干雷雨による雨が期待できるかとは思うが、その降雨量は十ミリ程度で多く期待できない。そのあとは今のところでは台風の具体的な見通しがないので、非常なよい天気が予想されるというふうなことを申しておるような状態でございます。こういうふうでございまして、この八月の末から九月に入りまして、再び電力需給逼迫相当激しくなつておるのでありまして、今後において降雨の期待及び電力用石炭の大幅の受入れがない限りにおきましては、この秋の水の出ますまでの乗切りが相当窮屈であるというふうな見通しになつておるのであります。お手許に、これはちよつとほかの目的のために作りました資料を持つて来ましたのでございますが、こういう一枚刷りの横文字と日本字と両方書いた絵がございます。これを御覧頂きたいのでありまするが、これはこの図表は春以来の水の出方石炭貯炭状態等予想と実際とを図表に現わしたものでございまして、数字は下の欄に書いてございますが、この図表によつて只今申しましたことをもう少し補足して御説明を申上げますると、この図表における下の横のスケールは四月から九月までの物指になつております。毎月の水の出工合は左のほうから「のこぎり」の刃のように一番上のほうで上つたり下つたりして出ておりますカーブがございますが、これが自然流量実績でございます。この自然流量予想は、それぞれの月に丁度その「のこぎり」の刃と噛み合いながら、横にプランと書いてある直線がございます。これがその月の六ヵ月間平均予想であつたのでございまして、例えば四月は予想よりは相当実績が上廻つております。五月について見ますと、月を通じましては若干予想より上廻つておりまするが、月の最初と終い頃においては、むしろ下廻るような状態を示しております。それから六月はむしろ予想よりは月の平均は下廻つております。七月は非常に豊水でございましたので、この月の月平均流量が四百四万一千と書いてございますが、これに対しまして、月の間には本数%の降水を示しておるのであります。こういう形で七月を終つたにもかかわりませず、八月に入りまして、その「のこぎり」の刃の先が八月の上旬、中旬、下旬は少し細かい曲線で書いてございますが、こういうふうに殆んど雨がなくて曲線的に下つてしまつたのでございます。八月の二十日過ぎ頃には、一応は三百万キロワットという自然流量の線を下廻るようなところまで落ちましてこの分では法的措置も或いは止むを得ないのじやないかと考えられて、その準備を進めるところまで行つたのでございますが、丁度そのところへ一雨降りまして、二十二日であつたと思いますが、二日ばかり雨が降りましたので、これで以て約七、八十万の水が出たのであります。ところがそれが降雨量余り多くないのと、非常にひでりが続いたあとの雨でありましたために、その持ち堪えはほんの二、三日ばかりでありまして、ぐんぐんと下つて参りまして、月の末に再び三百万キロを割るという日が出たのでございますが、この三十日から三十一日にかけまして、三十日でありましたか、又ちよいと雨が降りまして、一息したのでありますが、昨日、本日、現に本日は再び三百万キロワットという線にまで下つて来ておるというふうな状態でございまして、九月の平均流量は九月の欄の上のほうにございますように、三百七十九万六千キロワットというのが平均流量でありますのに、本日三百万キロワットしかないという状態で、なお先ほど申上げましたような天候予想によるというふうな事情にあります。この問石炭数字がここにいろいろ書いてあるのでありまするが、毎月の欄に斜に條を引いてございますのは、これは石炭受入消費計画実績とを比較して書いてあるのであります。受入はおおむね予想よりはどうにか上廻るところまでは実際ないのでありまするが、消費実績はこれで四月、五月、六月の三カ月間で予定より三十万トンを余分に焚くと、七月に入りまして月の初めの予想より少し下廻る程度にとどまつたのでありますが、八月に参りまして、渇水がひどくて再び非常に月初めの予想より上廻つて、まだ最後の指令はいたしておりませんが、月の初めの四十五万トンという予想に対して五十六、七戸トン程度になるのじやないかと考えられるような状態でございます。こういうふうで貯炭は年の初めのときにおきましては、太い実線が左の下のほうから右の一番上のほうに斜に上つておりますのが貯炭計画数字であります。例えば四月のところでは下の二十数万程度のところから、毎月順次消費より上廻るように受入れをすることによつて順次貯炭を上げて行つて、そうして七月、八月、九月の末には約百万トンに近い九十七万トンと書いてございますが、百万トンに近い貯炭計画したのであります。ところが石炭受入れがなかなか思うように参りまん。これは国内における石炭需給関係が丁度今年の一、二月頃を境としまして、非常に窮屈になつたのであります。いろいろの事情もあるのでありまするが、需要が何分殖えたこと、その他のいろいろな事情需要が非常に窮屈になる、それと昨年度におきましては、電力用炭は年間に約五百万トン消費したのでありますが、そのうちで新たに買付けをしましたものが、四百五十万トン足らずを買付けておるのであります。それに対しまして、今年度需要が非常に伸びるというので、年度計画としましては六百五十万トンの消費予定をいたしまして、従いましてそれと同じ炭を買付けるといたしましても、昨年よりは約二百万トンの増加買付をしなければならない、そういうふうな非常に需要増加予想されたわけであります。昨年度以来、いろいろと石炭買付けにつきましては、電気業者に対して、委員会としても何回となく注意をしてその善処方を要望しておつたのでありますが、結果は今年の上半期、四月、五月、六月の状態において、五月の中旬頃からぐんぐんと貯炭のほうが下つて来るような逆の傾向を現わしておるのでありまして、表におきまして太いこの点線と言いますか、太い波線で横側になつておりますのが貯炭実績でありまして、六月以降予定計画よりはずつと下廻つたような状態を続けております。でこの間いろいろと各方面に御協力を願うように骨を折つたのでありますが、丁度七月、八月、九月、いわゆる第二・四半期石炭買付計画をいたしまするときの電気業者として、七、八、九の三カ月間に買付を希望しました石炭が、全九会社を合せまして約二百十万トンほしいということを、各石炭事業のほうの関係に申入をしたのでありますが、そういう大きな数字でありますので、なかなか思うように任せず、大体約定ができましたのは、そのうちで最終的に約百六十万トン程度までは約定ができたので月に約五十万トンぐらいの炭が入ることが予想されたのであります。その最初の月の七月の初めに、その約定程度納炭成績を上げておるのでありますが、八月に入りまして、この成績が若干下廻つて来たのであります。特にその傾向の激しく出ましたのは中国関西なのでありまして、関西の場合のごときは約十五万トンの納炭予想して七月は大体十五万トン入つたのでありますが、八月におきましては、下旬に入りましてもまだ六万トンとか、八万トンという数字しか入らないという状態で、最も大きな原因は、丁度お盆休みで機帆船を利用する程度の高い関西とか、中国方面の炭の入り丁度配分関係で遅れたあとに、例のマージ台風九州の西の方に来て長いことあそこで停滞し京城に拔けたのでありますが、内海地方相当さざ波が絶えなかつたというふうな事情もありまして、十日ばかりの間炭入りが非常に悪い事態が起きたのであります。こうしたものが加わつたのといろいろの事情で、持に関西の場合は月末までの炭の入りが非常に悪いという事態になつたのであります。そこへ先ほど申上げましたように、八月は月を通じまして非常な渇水に見まわれましたので、石炭消費量も当初の予定よりはまだ締めておりませんが、恐らく十万トン以上上廻つているというよう状態で、上下非常に応えて、貯炭は丁度七月が豊水期にあつたのでどうにか少し上つて全国貯炭量が三十万トンを上廻つて、この分では多少九月中の貯炭の当初計画に近ずき得るというふうな予想も一時あつたのでありますがそれでもこの程度じやなかなか所期の計画には行かないことは見えるのであります。八月に入りまして貯炭は再びぐんぐんと減りまして、月末の状態ではすでに二十万トンしかないというところになつているのでありまして、昨今では毎日二万トン程度の炭を焚いているというような状態が続いているのであります。  お手許に御参考に若干の資料をこの関係で差上げているのでありますが、先ず縦刷りの表で第一・四半期以降発受電状況という表がございます。この表で左の方に出水率と書いてあります欄の数字が慌てまして少しミスプリントがございますので大変恐縮でございまするが御訂正を願いたいと思います。暫定計画はそのままでありますが、実施計画の欄におきまして、一番最初の第一・四半期平均数字は一〇三・五%であります。それから七月の一〇〇はそのままでありまして、八月の一〇五と書いてありますのは一〇〇の誤りであります。九月も一〇〇であります。八月も九月も一〇〇と御訂正頂きたいのであります。それから二行ほどおきまして実績の八月の欄が一〇四となつております。これは九四の間違いでございます。御訂正お願いいたします。それから暫定計画実績の欄の八月のところは一〇四となつておりますのも、これも九四と御訂正を願いたいと思います。それから実施計画実績の八月の欄、一番下でありますが、やはり九四と御訂正を頂きたいのであります。四、五、六という月は、特に四月は豊水、五月も或る程度出水があるといわれましたが、ロードが重いためにこの表にもございます通りに、貯水式自流式相当によく出しているのであります。自流式の場合におきましては、当然こういう最豊水期になれば余剰力として利用し得ない出水があるのであります。その方も当初計画よりは相当にこれを利用し得えております。又停止という欄の所を御覧頂きますと、おおむね当初計画の半分ぐらい程度しか停止をしておりません。この点はやはり普通の水力発電所で特に水路とか取入とか、どうしても発電所を通じて作業しなければならない修理工事はおおむね冬場は避けまして、豊水期を狙つてやるのでございます。委員会の当初計画におきましても、昨年度の四、五、六の実際のそういう意味における作業停止実績を見まして、或る程度今年の実態に即するようにこれを圧縮して計画を立てたのでありますが、荷が重いものでありまするからして、豊水によつて水は多いにかかわらず、なお石炭消費が当初より四月も五月も六月も毎月十万トン前後ずつ多いという事情でございましたので、水力用発電所も或る程度これに耐え得るものは繰延べをするという方法をとつて発電に動員したのであります。これがその停止実績が半分程度に下つているという理由であります。こういうふうにしまして水力の面も相当発電を強化して参つたのであります。火力発電の面について見ましても、数字が先ほど申上げました点を裏付けるように、いろいろ出ております。受電の側もおおむね当初計画よりはいろいろ水力なみ火力の方も殖やしておりますので、実績面においてその辺の点が大きく出ているわけであります。  それから横刷の一枚の表で昭和二十六年第一・四半期以降の石炭状況という表がございますが、これは各電力会社別に第一・四半期及び第二・四半期における石炭受入消費貯炭実績をばここに集録したものでございます。八月の分は、これは一部推定を含めております。電力会社計を御覧になりますと、第一・四半期受入は百十六万トンに対しまして、消費は百二十八万九千トン。貯炭は十四万・当初二十万トンあつたものが十四万九千トンに下つております。この消費が四、五、六三カ月で約当初計画より三十万トンばかり上廻つておるわけなんであります。それから七月は受入が四十七万九千トン、これに対しまして消費は三十二万四千トンでありまして、この月は若干の貯炭をし得て、月末に約七千トン程度貯炭をなし得たわけなんであります。八月につきましては、受入が四十七万八千トン、消費は五十七万七千トンという一部推定なんであります。この月は月初めの八月の石炭消費の数より十数万トン上廻つておるわけであります。月末の貯炭が二十万一千トンという数字になつております。九月につきましてはこれは電力会社計画案数字をそのまま載せたのでありまして、これは実績ではないのでございますが、受入が七十四万六千トン、消費が五十一万四千トン、貯炭が七十五万六千トン。これは年度初めの数字でありますので、現在の実情でなおこういうものを予想しておるのではないのでありまして、受入は恐らく約定による九月分はおおむね五十万余りぐらいじやないかと覚えております。消費は当初の予定としましては四十三万トンが九月の年初の計画数字でありますが、これはもう少し実情から申しまして上廻るものと考えておるのであります。ただ今のような渇水状態が続きまして日に二万トン以上も焚いておることが長く続きますると、この数字は更に上廻るという危険があるのでありまして、そういうふうな点から見ますと只今状態において、九月において貯炭の改善が期待し得る数量は微々たるものなんであります。それから八月、この縦書の画の書いてあります線が何本も横に入つておるような図表がございますが、表題は八月中におけるピーク時のサイクル状況、これは八月が只今お話申上げましたように月初からぐんぐん減水をして、そうして中旬から下旬に亘つて相当ひどい渇水至つたのでありまして、八月の九ヶ年平均に対しまして、全国平均で約二割余り渇水をしたというふうな日もしばしば出たのでありまするが、特にこれは本州においてひどかつたのであります。北海道はおおむね水の状態はよく、それから四国も八月はおおむねよく、九州におきましては後半において大分よくなつた、下旬に入つてよくなつたというふうな程度なんでありまするが、そのサイクル低下状況の形でその辺の経緯をプロットしましたのがこの図表でございます。これは例えば東北東京中部、北陸、関西中国と御覧頂きますと、おおむね月の中旬から下旬にかけてそれぞれ若干の消長はあるのでありまするが、非常にサイクルが下りがちの状態を続けておるのであります。これについてはおおむね二、三サイクル以上は下らないようにということを強く要求しておるのでありまするけれども、現実には水の方は減るというので、需用家のほうにも御迷惑を成るべく、薄めようというので、現実にはこのように止むを得ずサイクルが非常に下つたというような状況になつておるのであります。それから月末から昨今に亘りましてこの需給逼迫は非常にひどくなつておるのでありまするが、特に関西においてそれが非常に強く、石炭事情の悪化の形を加えたために強く出ておるのであります。  ただこうした渇水の場合における地帶問と申しますか電力会社相互の間における電力融通につきましても、これはいつか当委員会の席上においても融通契約の運用の本旨等について説明申上げたことがあるのでありますが、そういうふうな線においてできるだけ電気事業者の自主的な運営によつてこれを活用してもらつておるわけなんでありますが、再編成後の当初においては何分いろいろな面において慣れない事情等もありまして、円滑を若干欠いておるというような面もありましたので、委員会も何回か耐乏を要請し、或いは注意を要請をするという方法をとりましたので、又、需用者のほうもそれぞれ実際問題にぶつかることによりましてよくわかつてくれましたので順次運用は円滑の方に行つたのでありまして、お手許にありますような八月のような非常な需給の苦しいときにおきましても、各地帶間事情の許す限り自主的に話合を進めてやつておるのであります。例えば八月の出水状況の下においては、甲の地域から乙の地域、例えば東京東北の場合を見ましても、八月の日量は大体平均にしまして関東から東北の方へ四十万キロワットアワー余りを送る程度契約が本になつておるのでありまするが、実際にはこれはその三倍、四倍、五、六倍、一番多いときには七倍程度日量を送つたというようなことで、それぞれの設備と日量の面においてやり繰りのつく限りはお互いに思い切つた相互援助をやつておるのであります。大阪の場合におきましても、大阪は特にこの下旬来の水の出方も悪いのでありますが、そこへ先ほど申しましたようなお盆以来の納炭成績の悪かつたことが加わりまして、非常に一時困つて来ておるわけなのでありますが、この際に例えば中国の方への送電は只今ではやめております。又これも話合でありますが……。それから北陸の方へも平年の契約によりますれば、相当電気を送ることになつておるのでありますが順次減しまして、最近ではその日量の三分の一以下にそれを滅しておるというところまで行つております。中部の方もこれは関西からの送りになつておるのでありますが、只今ではそれを打切つて丁度ゼロにいたしております。更に昨今は逆に中部から応援をしてもらおうというような話を進めておるのでありますが、昨日、今日その話合の最中において、持に中部地方出水状況が急激に又下つて来たというような事情でありましてまだ数字等はきまつておりません。が、この点は委員会といたしましても、いろいろと側面的に斡旋をしまして、その間の融通にできるだけ円満を期するような方途を講じさせておるわけであります。八月の末になりまして丁度二十九日でございましたが、関西貯炭が先ほど申しましたようないろいろな事情が重なりまして、とうとう一万八千トンまで減つた消費は大体毎日五、六千トンあるのでありますが、それに対しまして入炭が一時とまつた、殆んどなくなつた。或る程度は入つて来たのでありますが、なかなか遅れが取返せないというような状態で、貯炭は、関西は七月の末には九万トン以上の貯炭にまで戻つてつたのでありますが、一万八千トンまで中旬以降で急激に減つてしまつたのであります。そこでその中には約半数は炭質の非常に悪い炭で一本立ちで立てないものが混つておるのでありますが、炭の質が非常に悪いので関西といたしましても非常に苦慮いたしまして、その炭を、御承知のように関西火力が十三あるのでありますが、特に尼一、尼二、木津川、飾磨というような発電所に集中的に受入れしましてそうして焚いておるのであります。そういうところへまで落ちてしまいましたので資源庁安本方面へもいろいろとお願いをいたしまして、通産省側のほうが中心になつて頂きまして、この大阪石炭緊急事態に対してはできるだけ一つ応急措置をして頂くことになつておるのであります。それで現に資源庁のほうからは炭政課長委員会のほうからも総務課長が参りまして、本日、明日と大阪の現地においていろいろと石炭事業者のかたと、それから石炭を使われる事業家のかたと電力会社との間の三者の間に立つてお話合による斡旋をお願いをしておるような状態になつております。これは何とかしてこの大阪のそういう事態を善処して波乱に陥らない間に食い止めたいと思つて今一生懸命やつておる次第であります。大体以上であります。
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今までの技術長説明に対して御意見がありましたら逐次御発言を願います。
  5. 岡田信次

    岡田信次君 貯炭量の算定の基礎はどういうのです。
  6. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 普通の産業でありますと、おおむね毎月の石炭需要量というものは余り変動はないのであります。従いまして炭の入り止つたとか天候だとかというようないろいろな不測の事態を考えまして、そうしたものに耐えられるだけの貯炭を持てばおおむね運転に支障がないのでありますが、電気事業の場合においてはおおむね水力を主として発電をいたしまして、渇水のときに水力が減つた部分及び季節的な需要増加した部分をば火力で賄うという建前になつております。例えば今年度におきましても年間の発電量の約十数パーセント程度火力によつて賄うことになつております。それも季節的に片寄つております。電気事業といたしましてはそういう関係もございますのでその消費の月に要るだけを買うという形が許されればそういうこともできるのでありますけれども、何分にも日本の石炭の生産量の十数%を電気事業だけで喰いますので、輸送面、生産面その他の関連から見ますと、どうしても年間を通じての計画貯炭というのを持たざるを得ないのであります。それで極く常識的に申しますと春先から順次、春から九月までの上半期の間には消費量より若干上廻つた受入をいたしまして、毎月だんだん積重ねて九月乃至十月頃までには冬場の受入より消費が上廻つて来る季節に拂い出して焚くという行き方をしているのであります。そういう意味におきまして、今年度は年間六百五十万トン程度消費予想し、その上に立つて考えまして、九月末に九十万乃至百万トンの貯炭予想するのが、丁度炭の入り方が毎月おおむね均分的になるというような意味合もありまして必要であろうという建前をとつたのであります。ところが実情は先ほど申上げましたように四、五、六と三カ月で当初計画より三十万トン、八月に更に十万トン、それで丁度今日までに四十万トン以上も超過消費をしておるのであります。そこへ持つて来て石炭のほうはそういうような事情もありまして、一方入炭もいろいろな事情から当初のように思うように入らないというような点が重りまして、八月末現在でまだ二十万トンというふうな貯炭というところまで行きかねるという少い数字状態であります。実は非常に苦慮しておるのでありまして、これは丁度大体十二月とか一月というような頃になりますと、八、九十万トンは月に消費するのでありまして、その時期にならないうちに何とかして貯炭をできるだけ殖やすということを更に一段の努力をしなければならないと思つておりまして、電気事業者のほうでもその面を非常に苦慮して、第三・四半期石炭買付の面においても是非その面の立遅れを取戻すような方向に骨身折らなければならないと考えておるわけであります。
  7. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大体八月末までに非常に電力事情が悪化していることは承知しておりまして、大体報告を聞いて了承したわけでありますが、九月以降から来年の渇水期を乗切るまでの間の見通しについて、もう少し詳しく知りたいというのがたしか目的になつてつたと思いますが、そちらのほうの説明余りないようでありますので、二、三伺いたいと思います。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) この次にこの問題を取上げたいと思います。今まで承わつたことに対する質疑を受けて、その後九月から先の問題を取上げたいと思います。
  9. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 わかりました。
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 他に御発言ございませんか……御発言もないようでありますから次の問題に移ります。  只今平井技術長の御説明を聞きますと今後の電力需給対策は非常に重要な問題であります。従つて公益事業委員会として本当の渇水期を目標に水火力供給をどんなふうに増強してやるか、或いは増強ができないとするならば、その使用の方法についてどういうふうな対策を持つておられるかということについて一つ詳しく御説明願いたいと思います。
  11. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その前にもう一つ伺つておきたい。八月末において猪苗代湖或いは中部の三浦その他の貯水池の貯水状況、これはどんな程度に減つているか、それからその減つておる分が例年の通りに九月、十月頃に大体満水できるのかどうか、その程度に減つておるのかどうか、又四国、中国その他にも貯水池が若干あると思いますが、全国的のことがわかれば結構ですが……。
  12. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) この個々の貯水池の貯水状況を若し御入用ならば、後で数字資料を提出させて頂いて結構だと思います。大体かいつまんで申しますと、この四、五、六月の間に大体貯水池はやはり石炭貯炭と同じような構想でもつて豊水の間に成るべく冬場の減つた水位を戻して、そうしておおむね秋口までに満水に持つていくというような構想なのであります。それは貯水池のポケットの大きさがそれに流込む水の量に比べ大きいか小さいかによつてそれを何回も繰返して使えるものと、年間に一回入れたものを精一ぱい年に一度か一度半ぐらいしか使えないものとは多少違うのでありますが、いずれにしても今のような方法でやつておるのであります。本年の六月から七月までの様子から見ますと、全般的に見まして、特に東のほう五十サイクル方面の貯水池は貯溜ができておらないのであります。これは四、五月持に六月等は水が思うように出なかつたものでありますから、火力予定を上廻つて焚いておるので、これ以上石炭で凌ぐわけにいかないので、しぶしぶながら当初の貯溜計画より上廻つて使つてしまつたというような形で、止むを得ず水位は或る程度下廻つております。七月には相当水が出たのでありますが、その水も持に猪苗代湖とか東方北面の田沢、十和田等の貯水池には一向に雨としての成果を挙げておらないのであります。若干でも降りますればそれだけ溜るわけですが、結果的には七月は豊水であつたにかかわらず、その恩典にこれらの地域は浴くしておらないのであります。残るところは九月の台風期にかけて何とかあの辺に大雨が降つてくれればと思うわけでありますが、台風もなかなか都合のいいところを通つてくれない場合があるのであります。(笑声)只今のところ全体的に貯水の状態は非常に心配しておる状態です。
  13. 西田隆男

    委員長西田隆男君) これは後で資出料を出させますか。
  14. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 先ほど質問したのは済んだことの説明でなくて、来年の春までの説明をよく聞きたいと思つたのですが、資料が何もないものですから実は質問したのです。だから本当はそういう意味でもう少しこれからのことを詳しく伺いたいと思います。
  15. 富田弘平

    説明員(富田弘平君) それではちよつと全国の貯水池の貯溜状況を読上げさせて頂きます。先ず北海道の貯溜でございますけれども、本日九・三二メートル、これは殆んど、計画をやや上廻つている程度です。それから十和田でございますけれども、これは本日入りませんで昨日でございましたが、昨日が一・〇二メートル、これはかなり下つておりまして、計画の三分の二ぐらいの水位だと思います。それから田沢でございますけれども、これは本日三・九二メートル、これは殆んどミニマムまで行つているような形でございます。それから猪苗代も四カ所ばかり貯水池があるのでございますけれども、それを全部引括めまして〇・七九メートル、これは五分の四ぐらいまで下つております、計画に対しまして。それから三浦でございますけれども、三浦が二九・七八メートル、これはこういう水位でございましてこれは変動が非常に激しいもので余りつている、上つているというように言えないような状態でございます。四国の長沢でございますけれども、これは五一・二四メートル、これは計画に殆んど合つております。そういう状態でございます。
  16. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは引続いて今冬の渇水期対策を一つ平井技術長から伺うことにします。
  17. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 本年度電力需給計画を年初に立てました、いわゆる青本、これは青本という言葉で省略させて頂きますが、青本の計画を立てました当時におきましては、川の水が大体九カ年平均程度あり、又石炭も六百五十万トン程度を焚くならば、それから又その数字の上に立つてアロケーション、電力の割当をあの青本の程度に副つて実施するならば、おおむねの月におきましてはどうにか乗切れるのではあるまいか、ただその條件としましてはどうしてもピークが足りませんものですから、負荷の日曜と週日のところの問の移行とか、或いは晝間負荷を深夜にできるだけ移行させるというような、そういうふうな努力を最大限度にやらなければならない。そうするならば大体の月についてはどうにか甚だしい混乱なく乗切れるのではないか、併しながら最渇水の月におきましては、若干どうしても制限は避けられないのではないか、各場において若干の制限は或いは避けられないのではないかと思うのでありますが、大体そういう予想を持つて出発したのであります。その後の変化でありまするが、需用はそういうふうにアロケーションその他の方法によつて野放しでないように事実は或る程度抑えると申しますか調節しておるのでありますが、にもかかわりませず実際にかかつて参りまする負荷は年初の予想よりも更に上廻つておるのであります。これは特別大口のみならず一般の大口、小口、その他の業務用電力に亘りますまで、いずれもが上廻つておるという傾向にあるのであります。それだけやはりこの冬場は年初よりは需用面の圧迫が加重しておるわけなのであります。これに対しまして、若しこれを補わんとするならば、もう水力計画は全部一ぱいに織込んでありまするので。これ以上は石炭による以外に方法がないのでありまするが、丁度この六、七月の候に亘りまして、特にこれはその筋からの御注意もありまして、どれだけの炭が必要であるかということをいろいろ計算したことがあるのでありまして、その数字によりますと、どうしても毎年初の六百五十万という数字は七百万トンを若干上廻るところまでどうしても行くというような数字になるのであります。ところが石炭の裏の事情はなかなかそういうふうな電力面からの要請に対して非常に困難な事情にあるのでありますが、これは後ほど改めて述べることにいたしまして、そのほかの電源増強の側においてはどういうことがあるかと申しますると、お手許に、これはあらかじめ御注意もございましたので、刷物にして差上げてございますが、工事中の水力発電所及び補修中の火力発電所による今冬季出力増加予定、地点等を大体書上げてございます。詳細は第二ページ以下の表で御覧頂くとわかるのでありますが、大体ここにありますように、水力発電所が約二十万八千キロワット殖えるのであります。それから火力発電所は、これは事業用だけについて申しますると、補修ということは、実際はこれは改良、補修、復旧というような意味でありますが、それによる増加が約十二万キロワット、そのほかに工事中の火力発電所の新増設の約十二万キロワットですから火力が約二十四万キロワットと、水力の二十万八千キロワットが予定せられておるのであります。それからちよつと途中飛ばしまして、自家用の発電所においての数字は、これは委員会のほうでは詳細にはわからないのでありますが、これはここにありますように、水力約五万キロワット、この水力は鉄道省の発電所であります。それから火力の六万キロワットというものがこのほかに殖えることになつております。この出力の増加は、電気の需用面に期待し得るものにつきましては、年度初めからこれはわかつておることでありまするので、いわゆる青本計画には織込んであるわけなんです。今後の工事の完成程度によつて、或いは一月とか、若干の早くなつたり、或いは遅れるのは余りないようでありますが、前後はあるかと思いますが、おおむねこの青本には織込み済なのであります。ただここで一番我々が今後の冬場の計画見通しをつけます上において苦労いたしますのは石炭の問題であります。委員会としましては、年度初めでは六百五十万トンというものを予定をして計画を組んだのでありまするが、そうしてそれが更に七百万トン以上にもなるような見通しもつくような状態でありまするようでありまするが、実際にはなかなかそうした数量は現実にどうも期待しにくいのではないかと思われるような状態になつております。この点につきましては、委員会といたしましては安本や通産省のほうにたびたびお願いをして、そうして又見通しがあるかないかというような点について、特にいろいろと御相談を願つておるのでありまするが、まだはつきりとこれだけはできる、これ以上はできないというようなことは、何分自由取引の現状でありまするので、誰も言えないような状態にあるのであります。一面電気事業者も新会社の設立早々でもありました関係上、いろいろな面においてなお努力をなすべき面もあると言うふうに考えられますので、できるだけ一つ骨折つてみようといつて非常に馬力をかけて、各方面お願いをしておつたのが、特にこの第二・四半期の場合であつたのでありますが、当初の要望に対してなかなか思うような数字が入らないというような結果に終つております。近く第三・四半期の折衝に入るのでありますが、これもなかなか困難ではないかと思うのであります。そこで冬場の炭の見通しなくして今後これ以上需用の当面の問題に応じ得るという面だけを以て石炭を使つて参りますると、石炭が本当に予定量より下廻つた量しか期待できなかつた場合に、その不足分の穴が最渇水期の十二、一・二月頃において集中的に出て来るということになるのでありまして、これはどうしても避けなければならないと考えております。で、そういう意味におきまして今更になお何とかして電気事業で欲しい、必要と考えられるような炭の量の確保については最後の努力をいたし、又続けて行くのでありますけれども、その見通しの段階に応じて石炭の今後の消費についても、或る程度穴が集中的に来ないように、分散的に需要抑制することによつて、成るべく生産の面にも、或いは一般家庭の方へも迷惑がひどくかからないようにする方法を講じなくてはならないということも予想しなければならないのであります。委員会といたしましては、本日はまだその点につきましての数字的な御説明をなし得るところまで至つておらないのでありますが、一応の考えといたしましては、そういうふうな方向で幾つかの段階を予想し、そうして早くその辺の見通しを立てて、冬場に対処して今からかかるという意味で、制限の方法計画的に実施しなければならないと考えておるわけであります。この点につきましては先般来安本その他の方面とも寄々打合せをしながら進めておるのでありまして、まだ十分お話をし得るところまで固まつておらないのでありますが、極く大ざつぱな考え方として申上げますと、当然その段階によつてはピークのキロワットが足らないという時期と、キロワットだけではなくてむしろキロワット・アワーが足らないという時期といろいろあるのでありますから、今後はできるならばキロワット及びキロワット・アワーのおのおのについて段階を幾つか設けて、そうして使用の抑制の目途を立てなければならないのじやないか。そうして石炭事情さえ十分であるならば、それは殆んど使わないで済むのでありますが、悪いというような場合に、大体先ほどのような計画的なそうした段階節約と申しますか、段階抑制と申しますか、そういうふうな方法を順次やつて行くという方法をとつて行く、その間電力会社の相互の間の融通等についても万全を期するよう指導をして行くという行き方をとらざるを得ないのじやないかと考えておるのであります。その辺の実情等をも判断します上において、石炭需給の面についてはなお安本、通産省方面ともいろいろと話をしておるのでありますが、又仮にやる場合の実施面の方法につきましても、ここ数日中に電力事業関係、九電の責任者に集つてもらいまして、その辺についての業者の実態をよく把握するような機会を設けることになつております。又そうしたいろんなものから一つの、この下半期に対する石炭が足らないというような場合、或いは又石炭はあつて渇水予想外に出る場合、当然同じような現象が起るのでありますから、その両方の面の場合の対策について計画的な見通しをできるだけ早く立てようと目下努力しておるというのが実情でございます。  もう一言申し落しましたが、石炭の窮屈な際になりますと、やはり炭質がどうしても下りがちになるのでありまして、この点もできるだけ防止すべく、電気事業者石炭業者の間で骨折つて頂いておるのでありますが、どうしても炭質が下りますと予定した火力の発電力量というようなものも下廻ることになるのであります。その点はできるだけ防止はしますが、又そうしたごとも織込まざるを得ないというようなことも併せて考えて計画を立てたいと思つております。
  18. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今平井技術長から今冬期の渇水対策について御説明ありましたが、余り頼りにならんような御説明ですから、何か御質疑がありましたらどうぞ。
  19. 山川良一

    ○山川良一君 今契約されておる月平均契約高ですね、そのうちで入手の確実なのがどれくらいあるか、不確実なのがどれくらいあるか、そういう数字はわかつていますか。
  20. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 需給課長から説明をいたします。
  21. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 第二・四半期石炭契約につきまして、委員会から電気事業者のほうに相当強くプツシユいたしますと共に、石炭のほうにも優先的に契約に応じて頂くようにというお願いをいたしまして、電気事業者のほうにおきましては、九月末の貯炭を九十万トン程度は是非持つて行きたい、勿論これに到達することは困難でありまして、せめて七十万トンくらいのところまで持つて行けないかという気持からいたしまして、二百十万トンの要請を石炭業者のかたにお願いいたしたわけでございます。二百十万トンの要請に対しまして、百五十万トンの契約が一応できまして、更に石炭のほうにいろいろお願いをいたしましたところ、百六十万トンまで三ヵ月で契約をすることができたわけでございます。百六十万トンの契約の中におきまして、大手のほうに契約が成立いたしましたものが約三分の一の六十万トンというのがちよつと切れますけれども、約六十万トンというのが大手のほうにお願いできたのでございまして、大手のほうの六十万トンにつきましては、これは第一・四半期実績を見ましても、契約より納入実績のほうは繰上げその他もあつたのでございますが、大体一〇〇%以上の納炭をして頂いておるという状況でございます。然らばこの残りの百万トンがいわゆる中小商社にお願いをしておる数字でございまして、これに対しましてどの程度まで確実に入つて来るかということにつきましては、各社によりまして多少の差異はございますけれども、大体八〇%は絶対にこれに対しまして下廻らない、大体九〇%くらいの納入の実績を確保し得るのではないかという計画で第二四半期に突入をいたしたのございます。従いましてこの七月の数字等を見ましても、大体におきまして先ほどお配りいたしました表にもございますように、実際の四、五、六月の受入れは約百二十万トン、強粘を入れまして百二十万トン程度でございますが、このときの契約は、三ヵ月におきまして毎月四十万トンから四十五万トンの契約数字でございましたのが、七月に入りまして受入れは四十八万七千トン、約五十万トン、これが七月におきましての実績でございまして、八月におきます数字は、ここで受入れで五十万トンでございますが、この状況からいたしまして一応の数字は、関西におきまして若干悪いのでございますが、五十万トンの受入れ、百六十万トンの契約に対しまして各月五十万トンの受入実績は大体動かないのではないか、百六十万トンの契約に対しまして百五十万トンの実績を確保いたしたい、こういうようなつもりで参つたのでございますが、先ほど技術長からも説明申しましたように、八月におきましてはお盆のために荷役が若干遅れましたことと、台風の影響によりまして中国九州のほうが若干これに対しまして下廻りましたために、百六十万トンの契約に対しまして百五十万トンという線は若干危まれる状況でございますが、これは九月におきまして十分八月の遅れは取返したいというふうな入炭の見通しを持つております。
  22. 山川良一

    ○山川良一君 関西が非常に現在困つておるのは、入手の非常に見込み薄の商社相手の契約があつてつておるような話を聞くのですが、そういうのは関西以外は余りないというふうに考えていいわけですね。
  23. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) この関西契約は大体におきまして十五万トンを各月目標にいたしておるのでございます。それに対しまして関西の七月の入炭は十四万トンという入炭でございまして、この十四万トンは、先ほど説明申しましたように非常に炭質が劣つておりましてこういう炭質では所期の成果が、出力が出ないというようなことが、七月の石炭需給状況が多少見通しが明るいというような点からいたしまして、この際いい炭を確保したい、こういうふうな関西電力のほうの意図も若干あつたのではないか、たまたま朝鮮動乱その他のほうにおきましても、石炭事情に多少の明るい見通しを持つたのではないかというふうなことが最近判明いたしたのでございます。これがどういうふうになりましたか、多少石炭業界に今まで非常に御協力を願つておりました中小炭鉱、商社のほうに対しまして非常な苛酷な條件を提出しておるというふうにとられたために、この八月におきましてはそういう関西電力と中小の商社との間に若干の気持の上におきまして十分な協力を得られなかつたというような状況があるやに最近仄聞しておりますので、これらの点につきましては根本的に両者の上におきまして了解を遂げるように、今回の非常な協力をお願いする機会に是非根本的な了解点に到達するよう斡旋をいたしたい、こういうことで通産省のほうと委員会のほうでは、それぞれ大阪並びに九州におきまして話合いをいたす予定でございますので、これは少くとも七月、或いは七月以上の成績は九月以降においては必ず中小に対しましても期待できるのではないか、是非期待しなければならないというふうに考えておるわけでございます。
  24. 山川良一

    ○山川良一君 それから先ほどキロワットとキロワット・アワーの問題があるというお話者ありましたが、キロワットのほうで普通に一番よく電気の使われる晝間から宵の口にかけて、平均のキロワットは時間当りはどのくらいになつているか、その割合、ピークはどういうふうになつておりますか、大体平均のところとピークの関係は……。
  25. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 実際はどの程度に下りますかということにつきましては予測は立たないのでございますが、渇水期におきまして三百万、全国でございますが三百万を割りまして二百七十万、或いは二百八十方というところまで下ることは当然予想しなければならないかと思うのでございますが、それに対しまして火力のほうが約二百万ございますので、仮に水力のほうの時流が二百五十万或いは六十万に下りました際に、火力が二百万入るわけでございます。そういたしますと四百五・六十万という数一字になりまして、更にこれに対しまして貯水池、調整池によります百万乃至百二十万のピーク時の出力を期待する、これが大体の今冬におきますピーク時におきますキロワットの状況と推測しております。
  26. 山川良一

    ○山川良一君 それについて消費のほうはどうなりますか、消費のほうの状態……。
  27. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 消費のほうでございますが、消費は昨年の一月末、二月にちよつと異常な状態を呈したのでございますが、六百四十万或いは上六百万、どういたしましても六百万、六百万キロワットというのは、これは今冬におきます最低の数字ではなかろうかというふうに考えますので、そこに四、五十万キロワットという数字の不足が出て参るのではないか、これがロード・シフトその他需用家の御協力によりまして、どの程度まで耐えられるか、その際に若し需用がそれ以上に伸びましたとか、或いは需用家の御協力が十分に得られないという場合におきましては、現在の需給計画に対しまして、これを若干下廻るようなところで法的の裏付を必要とするのではないか。非常に御協力を得られる事態が出て参りますならば、これは法的に制限を発動しなくても、出水その他によつて渡れる期間もあるのではないかというふうに考えております。
  28. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御発言ありませんか。……私から一つ二つお尋ねいたします。石炭の問題が出たのですが、貯水池の水の問題は、雨が降らなければ当てにならん、台風様々で平井技術長お待ちになつているのでありますが、結局冬の渇水期電力の対策としては、今までのお話を聞いておりすまと、良質石炭の入手を急速に進めねばならん、これが第一のように考えられます。竹田需給課長のお話を聞いても、パンフレットを読んで見ましても、昨年五千七百五十カロリーあつたのが今年は五千カロリししかない、だから火力をフルに焚いたつて足りぬだろう、誠に情ないことが書いてあるのでありますが、大体五千カロリーしかないという理由は一体どんな理由ですか。竹田さんのお話ですと大手筋から三分の一、中小から三分の二の買炭契約ができておる、大手筋の石炭は、恐らく契約カロリーを下廻るようなカロリーの石炭は渡していないと思うのでありますが、中小炭鉱の石炭が悪い石炭が入つても来ている、そういうことなんですか。それとも炭鉱から買つている石炭はいいが、炭鉱以外の仲買とか、或いはその他の人が斡旋したことによつて買付をしている石炭の品質がぐつと悪くて、一本では焚けないというような実際の状態になつているのか、そのいずれか、一つ御説明を願いたいと思います。これはこの前私が公益事業委員会に出まして、平井さんも御承知のように石炭の問題についてはくれぐれも相談したわけでありますが、その後の電力会社買付の方針は余ほど変つて、いい石炭を買われるような方向に向つておるように、聞いておりますが、なお且つ実際の炭鉱経営をしていない者、いわゆる生産者自身との契約でなく、仲買、特に常識上から言つて普通一般のいい仲買と言われる仲買でないような者、もつと極言すればボタ穴を掘つて石炭を出しておるそれを買付けておるというような、いわゆるブローカーというようなものから買付けておられる数量は相当数量に達しておるので、そのために石炭の品質が五千カロリーに落ちると、私は解釈しておるのですが、そういう事実がその後ありましようかどうか。
  29. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 只今委員長からお話がございました通りに、実は今年度石炭買付につきましては、特にこの第二四半期以降につきましては、委員会といたしましても只今委員長のお話にありましたように、同じような線においてできるだけ日本人の大体生産量の占める割合等から見ましても、できるだけ大口のほうから、大手筋のほうで契約をします。又中小につきましても直接に話をするように、ブローカーを通ずることはできるだけ避けるようにということを、実は委員会としても言つておるのですが、現実はなかなか電気事業者も一生懸命やつておる、その線で努力しておる。にもかかわらずなかなか思うような買付ができないのが実情であるようでありまして、中小につきましても山と直接話をしておるのではなくて、やはり商社を通じておるものが現実には相当あるような状態でございます。炭質の低下の原因がどこにあるかということも、私どももここにちよつとはつきり申上げ得ないのでありますが、やはり結果的には中小、特に商社を通じておる、そういう面があるのではないかという気がするのであります。炭質の下りました現実の事例を、そういう点でいろいろ私も報告を受けておるのでありますが、例えばこれは七月の丁度その問題の最中のときでありましたが、すでにもうその頃電気事業者入ります炭の実際受入れております平均熱量というものは、低下の傾向になつておるのであります。例えば九州の或る発電所の記録を、これは現実に入つた炭を見本に持つて来ておりましたが、これは一年でありますが、それで見ましても昨年の十二月にその発電所の出しましたキロワット・アワーと、今年の六月にその発電所の出しましたキロワット・アワーとは二桁まで同じようなキロワットを出しております。にもかかわらず、その発電所入ります炭が急激に悪くなつたために、使つております炭の量は殆んど二倍になつておる。これは最もその激しい事例であつたのであります。それがために九州会社では最もそれが激しい事例でございますけれども、それではどうにもならんというので、相当悪い炭を断るようにしました。勿論契約の面においてもできるだけそういうことの不安のないような契約をするように、切替えに努力をしておると同時に、現実入ります炭のひどく悪いものは断るような方法を取つております。数字は、四月から六月までの分で貨車四百七十輌分をその会社はお断りしたという事実の報告がありました。関西の場合にも又中国の場合にも数字は違つておりますが、やはりお断りしたものが相当あるようであります。そういうふうで炭質の低下につきましては、いろいろ防止に骨を折つておるのでありますが、どうしても結果的にだんだん下るという傾向にある。これを是非防止したい。いい炭を燃さないと、同じ炭でも焚いて下るので何にもならないのですから、勿論電気事業者はその点で努力をしておるようでありますが、なかなか思うように成果は挙つておりません。で、関西の最近の焚いておる炭が、一時は六千カロリー行つたものが、この八月の頃の報告によりますと、この頃は平均五千カロリーを割ることもあるような状態だということを申しておりました。非常に実は憂慮いたしてあります。是非炭質のいい炭を確実に得られる方向に切替えをしたいというので、事業者も努力します。我々もたびたび口をすつぱくして、そういう努力をさしておるのでありますが、現実の結果はなかなか急速に成果は挙つて来ないので、非帶に苦慮いたしております。
  30. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今のお話を聞くと、誠に奇怪千万なことで、日本全体の石炭は四千四百万トンまで出せるであろうと思われておるが、石炭平均カロリーが六千二百カロリー以上になつておるという現在、電力会社だけの石炭が悪い石炭で、五千カロリーにしかならないというのは、我々には常識的に考えられない。従つて電力会社石炭買付方というものは全く無軌道な買付方をやつておるとしか思われません。公益事業委員会としては各電力会社買付けておる石炭契約内容等については、十分に御検討されておることだろうと思いますから、当委員会の明日委員会がありますから、できれば明日までに、できなければあとでも結構でありますが、各電力会社別、各発電所納炭者、契約代金、それからそれを焚いたあとの、どの発電所がどうなつておるか、小さな納炭者はわかりませんが、たくさん納めておるところは大体わかると思いますから、そういう点を詳細に調査されて、委員会資料として出してもらいたい。  これは由々しい問題でありますが、電力料金に関係があるのですから、仮に焚けないような石炭でも相当な値段を出して買つておる、それが電力消費者の電力料金に転嫁されておるということを考えますと、これは看過できないと思います。是非その資料を急速に当委員会に御提出願いた、
  31. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 只今御要求の数字でございますが、明日までにはちよつと間に合いかねますので、若干の日数を頂きたいと思います。もう一つお願いしたいと思いますのは、特にそれぞれの会社の名前、いろいろな契約金額とかいうような詳細な商取引の秘密に属する事項もございますので、取扱方につきましては私どもとしても非常に愼重を期せざるを得ないのであります。それでできるだけ御期待に沿うような線で、調書として委員長手許にはお目にかけることにいたしたいと思いますが、その取扱につきましてはやはり会社自身の商業上の信用もございますので、特にいろいろと格別に御配慮を頂きたいと思います。
  32. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 別に私は、当委員会で商取引の問題をどうとか、こうとかということは言いませんが、鉄道のほうの契約炭は六千七百五十平均カロリーで入手されておる。石炭も大差ない石炭が入つて来ておる。鉄道も公共的な企業である。電力会社はなお一層公共的な企業である。その公共的な石炭買付がこれと大差ない石炭であるならばこれは許せない。各会社買付価格のいい悪いの問題は別として、若し炭鉱業者であつて、坑内から出しておる炭が電力会社にも焚けないような炭を出しておるというそんな炭鉱は一つもありません。若し生産者が溜めておるとするならば一つ反省してもらわなければならん。仮に純粋な仲買が中間的な口銭を稼ぐためにべらぼうなことをやつておるならば、これは取締つてもらわなければならん。事実上火力を焚くことによつて電力料金の負担をしてもらうという建前でなければいかんと思う。而もこういう渇水期に入る、入らなければ、火力を焚かなければ、折角ボイラーに金をかけて焚く書発電所がだんだん減つて行くという状態では、これは参議院の当委員会として無視するわけに行かない。別に個人を攻撃してどうこうということではありません。一応その資料委員長手許までで結構ですから詳しい資料を出して下さい。
  33. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) そういう含みで是非御覧を頂きたいと思います。
  34. 西田隆男

    委員長西田隆男君) なおこのことは、あなたがお帰りになつてから公益事業委員会のかたあたりにもよく話して、各社に伝達を出して頂きたい。如何に自由な売買契約であるとは言いながら、そう日本人の中に腐つた人間ばかりおらんと思う。これは納めたほうも腐つておるが、買つてるほうも腐つておる、これは事実そうであるとするならば、これは本当に大事な問題だと思います。そういう意味委員長は要求するのでありますから、詳細に御説明を一つ……。ほかに御発言ありませんか。
  35. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 ちよつと関連して……、先ほど炭の質が悪いので返したと言われましたね、その貨車の個数は幾らですか。六百貨車……。
  36. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 九州の場合には四百七十。
  37. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 四百七十貨車……。
  38. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 四百七十輌であります。
  39. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 あれは大きい小さいがありますね、十三トンと九トンと……。
  40. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 大体十五トンですね。
  41. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 十五トンを四百七十ですね。どうも有難うございまとた。
  42. 西田隆男

    委員長西田隆男君) ほかに御発言ありませんか。
  43. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 ちよつと伺いますが、この工事中の水力発電所及び補修中の水力発電所による帰属変更等の書類を頂いたのですが、これがちよつと見ただけありますが、いろいろその帰属についてまだ皆それぞれの希望が達成されておりませんが、ともかく多少の入れ替えされたということは、これは皆世論に聞かれて相当会社の間に協定ができたものと考えまして、先ず一歩を進めたものと言うことができます。然るにここに極く小さいものでありますけれども、最後の関西電力というほうへ帰属になつ北陸電力のほうの彌太蔵線というのがありますが、電圧十キロですか、これで送電線も余り長いものでありませんが、これらがどういうわけで関西行つておるのでありましようか。彌太蔵線というのは私の承知するところによると、通称宇奈月という温泉場のあの眉間場にあるようなもので、黒部の対岸にある余り大きくない小さい電源であります。これは黒部川の電力が、つまり自分の電車を運転するために取急いで造つた自家用の送電だろうと思います。これをどうして殊更に関西へ持つて行かれたか。ほかに伺いたいこともありますが、先ずとにかく目に映つたところだけを申上げておきたいと思います。それから今ちよつと伺つたのですが、すり違いになつております北陸電力のほうへ関西から来ておる中で、神通川水系のほうがありますが、このほかにかねて黒部川の愛本発電所のほうが北陸のほうに帰属してもらいたいということになつておるのですが、これがまだそこに移つておらない。いずれこういう問題は更にいろいろ議論が捲き起るだろうと思いますが、取りあえず彌太蔵線というのは、余りにも接近しておる線をよそへ持つてつたというように考えられますが、ちよつとその点を……。
  44. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の石坂君の御質問は最後に取上げることにしておりますから、最後のときにお願いしたいと思います。  それでは次に電源開発資金の融資状況、並びに前年度からの継続工事の進捗状態、本年度新規拡充工事の予定等について詳細に御説明願いたい。と同時に、先般公益事業委員会とOCIとの間で、只見川、熊野川の電源開発の調査契約が締結されておりますが、その内容について又そういうことをしたことの狙いはどこにあるかというような点について御説明お願いします。平井技術長
  45. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 電源開発工事資金につきましては、新会社の設立の際に各社が立てました需要想定に基きまして、これは大体初年度が一三%、それから順次減つて七%程度までの年増加予想したものでありますが、これに対応して発電計画を立てたのであります。その経緯は、資料を以前に当委員会にも御提出申上げ、又御説明申上げておりますので、省略いたしますが、現実には、本年度の拡充計画といたしましては、その事業者の意図する全貌が資金面その他の制約からしまして、到底期待できませんので、二十六年度実施計画といたしましては、お手許にございますような、大体従来の継続工事、これが約四十数万キロワット残つておるわけでございますが、それとそれから今年度の新規着工計画を入力まして、新規着工は、そこにございます例えば水力で十八カ地点、火力十カ地点であります。そういうようなものを入れまして、計画電力、水火力合せまして、新規着工と継続と全部で百三十八万キロ、それが第一頁目の総計の欄で水力が三十七・火力十五地点、その右にキロワツト数がございますが、これだけの計画を二十六年度の設備計画として、関係方面と打合せを了したのであります。ところがこの資金が本年度において約三百五十億円要りますが、継続工事につきましては、年初の予定で大体百五十億円程度要ることになつておりまして、これは昨年度に引続きまして大体百五十億円出るという見通しがはつきりしたのであります。その分の資金は今日までに例えば四、五分、六、七、八分というようにして、第二・四半期までで以て、約九十五億円はすでに放出されております。今後残りの額が引続いて出ることになると思うのであります。そういうふうで、昨年度以来の継続工事につきましては、おおむね支障なく工事を進めておるのであります。ただこれにもその後の物価の値上りが、今年度約四十五億円ばかりあるのでありますが、その辺の点は今後のまだ打合せに残つております。それから今年度の新規着工予定の工事につきましては、今年度所要資金が大体年初において二百億円要るといたしまして、その半数の百億円を見返資金に仰ぎ、残りの百億円を自己調達資金で以て賄うという意図を以て進んでおるのでありまするが、その見返資金につきましては、まだ見通しがはつきりしておらないのでありまして、関西方面といろいろ打合せを進めておるのでありますが、まだはつきりきまつたというところまで行かないのでありまして、もう少ししないとはつきりしないのじやないかと思つております。それから自己調達資金の百億円の問題でございまするが、この面につきましても、年初には電気業者相当電気料金の値上げをも予想しでおりましてその上に立つていろいろ社債の発行その他の見通を立てておつたのでありまするが、電気料金も御承知のような線で決定いたしまして、さて現実に社債その他についていろいろと努力をいたしておりまするけれども、まだ当初の意図したところへはなかなか行きかねるというので、非常に苦慮いたしておるような状態でございます。これらの点に上つきましては、すでに請負をきめて、とにかく何とか自己資金で繋ぎながら見返資金の早く出るのを待つというような行き方をして、すでに本工事にかかつておるものもございますし、又いろいろな調査及び準備を方々に手を張つて、そうしてその決定を待つて本格的な仕事をしようとしておるものもあるのでありますが、そういうふうで、この見返資金の残りの百億円が未だきまらないというところを中心としまして、新規着工の分につきましては滑り出しがまだ思わしくないというような状態にございます。  それからアメリカの海外調査団との電源開発の調査に関する契約をいたしました点について御説明をいたします。日本の水力の開発におきまして、特に大きな河川であり又重要なる開発地点を持つておりまするような地点で、まだその開発方法等についての最も日本の実情に印した開発様式等についての最終的な方針のきまつておらないものが相当あるのであります。これらの河川、そのうちの特に只見川、熊野川その価数河川に対しまして、これはどうしても日本の政府としても或る程度の基礎調査の費用を出して、そうして早急にその日本経済の現状に即した開発様式の基本的なものをきめることが必要であろうという見地からいたしましてこの冬の議会にいろいろな予算を、その当時の通産省のほうで出したのでございます。その折衝の結果、実際には取りあえず本年度の予算としましては、只見川と熊野川の調査に限つて金額も一億円を認めるということで、議会を通過したのであります。そこでその一億円を基といたしまして、特にその一億円の調査につきましては、外国の有力な調査機関の調査をしてもらうということも、大蔵省との話合いでもあつたのでございますが、その予算の範囲内において只見川と熊野川の調査方針を確立すべくいろいろと愼重検討いたしました結果、アメリカの海外調査団、OCIと普通我々申しておるのでありますが、そのOCIとの間にようやくこの七月の末に契約を締結することになつたのであります。その契約書の内容はお手許に差上げてあると思うのでありまするから、一々読むことは省略させて頂きたいと思うのでありますが、例えば只見川について申上げますると、只見川は下流のほうにつきましては相当発電所がすでにできておるのでありますが、あの只見川の本流については殆んど未開発の状態にあるのであります。そうして開発の方法については、百五十万キロワット前後の開発が予想されるのでありますが、これにつきましてやはりいろいろの考え方が従来あるのであります。本流案と普通申しておりますが、本流にダムを作つて、上流に貯水池を作つて、そこから流すという本流案、それからその途中から信濃川のほうに分流させるいわゆる分流案、こういう構想。それから一番上の尾瀬原のところに大きなダムを作つて、利根川の水も一部あすこに汲み上げて、そうして湯水期に流す、そういうふうな構想による考え方。それからもう一ついわゆる野口研究所で発表しております非常に雄大なあの地域の開発計画というようなものがいろいろ出ておるのであります。これらの資料を十分に総合的に、比較検討してもらつて、日本の今の経済の状態において最も合理的な開発はどういうふうな方針でやつたのがいいのかというリコンメンデーシヨンをOCIのほうからもらうということにしたのであります。同じようなことが熊野川についてもいえるのでありますが、そうしてこれによつて委員会としましては只見川、熊野川両河川の開発についてのOCIの権威のあるリコンメンデーシヨンを得たいと思うのであります。契約としましては、おおむね来年の春までにそれの結論を出してもらうようにということにいたしてございます。このOCIの調査団はすでに七月の末以来こちらに参つておりまして、契約締結後早急に諸般の調書を総合的に集めて検討しつつあるのでありますが、契約書の中には、現実にOCIものは只今三人参つております。一時は五人参つておりました。若干人数はまだ殖えると思うのでありますが、その調査をさせまするにつきましては、当然手足が要るのであります。これについては委員会としましては、その契約の中に、電源開発調査会にいろいろとそうした調査の下手伝いをさせることにする。電源開発調査会というものは一これは全国の九つの電力会社からこの趣旨によつてつておりまする社団法人なのでありまして、日本の電力の開発についての権威のある調査をするために作つた機関でございますが、現実にはその電源開発調査会が窓口になりまして、更に只見川の場合には東京及び東北電力会社、熊野川の場合とは主として関西におけるそれぞれの電力会社という側からいろいろとバツクアップするという形において、調査資料等についての協力をするということになつておるのでございます。これらを併せまして今年度中にはその一億円の全部は使わないのでございまして、約五%というものの五百万円だけは日本の予算の関係で削られることになつておりますから、九千五百万円でありますが、更にそのうちの約一千万円程度は、二十七年度に若干すべり出して使われることと予想されます。そういう形でOCTとの間に契約を結びまして、これによつて今後外資導入等の場合においての、やはり有力なる一助といたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  46. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 只今の御説明に関連しまして、二三伺つて見たいと思うのでありますが、第一番目は只今お話のありましたOCIとか或いは電源開発調査会が只見、熊野の開発についていろいろこれから調査をされるようでありますが、この開発方式、或いは発電所をどういうふうにして具体的に作るかという最終決定をするのは、公益事業委員会、こういうものその他の関係からどこになるのでありますか。そういうことを一つお尋ねいたします。
  47. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) OCIに依頼しましたのは、一つの河川の開発の系列をどういうふうな組合せ、どういうふうな様式でやるかという基本的な、基礎的な調査についての意見を求めることでありまして、それは何ら最終決定とは我々考えておりません。併しこれは非常に有力な参考意見として我々は取上げる必要があると思います。でそうしたものを得ましたならば、実際の計画をきめまするのは、当然その地点の開発をなすべき電力会社が、まあ会社がその具体的な実施計画を立てて、そうしてこれを委員会に申請することになつております。で委員会の認可を経てそれがきまることになる、そういうふうになつております。
  48. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 それではこのOCIとか電源開発調査会とかがいろいろ調査して、これが公益事業委員会調査の結果を報告、勧告し、それを公益事業委員会がまあ参考として、将来その地点開発の電力会社が申請して来る開発具体計画に対してまあ認可を與えると、こういうふうに解釈して置いてよろしいのでございますか。
  49. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それで結構であります。当然レコンメンデーシヨンを得ました場合には、これは国家の予算によるものでございますから、それぞれの方面には報告いたしまするし、又報告書は利用するであろう面には、有効にこれを参考資料として利用してもらうようにするつもりでございます。
  50. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 そうすると、もう一点念のために、只見川の開発を具体的にやる会社はどこであるかということを技術長からこの際伺つて置きたいと思います。
  51. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) これは将来のことに亘りまするので、どういう会社の名前においてということは、只今のところははつきりは申上げかねると思いますが、当然東北電力及びその一部については東京電力というふうなものが、その計画の次第によつてはそれ自身でありますか、或いは関連を持ちますか、当然そういうふうに考えられると思うのであります。それ以上のことはまだ私どもとしても何とも将来のことでございますので……。
  52. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 将来その特殊開発会社ができるとかどうとか、それは別問題として、電気事業再編成令によつてまあ九つの会社ができたわけでありますが、現状においてはあの只見川はどこが主管してどこが開発の具体的計画を立てることになつておるか、公益事業委員会はどういうふうに考えておられますか。
  53. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 只見川のなんにつきましては、現在実はあそこでずつと以前に水利権を得まして、その既許可の水利権につきましては東京電力がその水利権を承継しております。それからあの河川全体に関するその後のいろいろな新らしい考え方に基く調査につきましては、その調査費用はこれは東北電力が譲り受けております。従いまして只今のところその河川の開発は誰が引受けておるかということにつきましては、そういう事情にあると申上げたいと思います。
  54. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 これは只見川の開発ということはもう日本的の大きな問題であり、極論すればアメリカその他の世界が注目しておるところであろうと思う。又地元地方としては東北の最大関心事になりておるわけですね。それがどうも只今技術長のお答えでは、どこが責任ある会社になつておるのかどうかわからんというような御答弁では、まあ現実がそうであれば至急公益事業委員会として何か検討してもらわなければならないと思つておりますが、非常に心細いと思う。これはなお明日も電力委員会があることでありますから公益事業委員とよくお打合せ願つて、その程度のお答えしかできないかどうか明日委員がお見えになりましたならば、委員からこの点を私はお聞きしたいと思うのでありますが。お打合せ願い、又こういう問題があつたということを御報告置き願いたいと思います。  それからなお続いて電源開発調査会の問題でありますが、只今ざつとちよつとお話があつたので大体のことはわかつたのでありますが、これは電源開発調査会の目的なり目標というものは、これは一つの独立の何か権限を持つておる機関でありまするか。それとも単なる社団法人でいわゆる普通の文字通りの調査会であるのかどうか。そこらについて……。
  55. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 電源開発調査会には独立の権限という御質問のような意味のものはございません。これはそれぞれの電力会社の協力機関として作られる、いわゆるコンサルティング・エンジニアの性格と同じであろうと予想されるいろいろの調査団であります。
  56. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 そうしますと、調査会のいろいろの意見というようなものがちよこちよこ発表されるのでありますが、調査会の意見というものが調査会によつて構成しておるメンバーがたくさんあるようでありますが、調査会の意見として発表する場合には、何か理事会を開くとか、或いは技術者の総会を開くとか、顧問の総会を開くとか、何かそういう方法をして調査会の意見というものを発表するのであるか。それとも思い思いに勝手に発表しておるのであるか、そこらを……。
  57. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) お尋ねまでもなく会として発表します場合には当然正式の機関の、内部の機関の決定を以て初めて出るのでありまして、これは正式の発表であります。ただ現在には、調査会員の特定の人がいろいろ発言する場合に、新聞等でそれを若干敷衍して取上げる場合もあるのじやないかと思いますが、その点は内部的にははつきりしております。
  58. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 調査会が正式に決定する意見というのは如何なる方法によつて決定されるのか、それは調査会の規則か何かに定つておりますか。
  59. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それでは別途に調査会の会則とか御参考になるような資料を後ほど別途に御提出いたしましよう。
  60. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 その会則その他の資料は別途に頂きたいと思うのでありますが、その会則その他に調査会の意見の決定方法は如何にしてきめるかというようなことは定つておりますかどうか。
  61. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 調査会の定款には、たしか私の記憶では会として発表する場合には理事会の議を経てきめるというふうになつておると記憶しております。
  62. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 実はやや具体的な問題としては、先般電源開発調査会の数個の人がずつと只見のほうを見て電源開発調査会の案なるものを現地で発表しておりますが、これは東北地方のまあ重大関心事の問題に対して一つの意見が発表されたというわけで、東北方面の感情を非常に刺戟しておるわけでありますが、何か電源開発調査会において只見川の開発方式について今日まで何らかの会としての意見を立てられたことがあるのかないのか。これを技術長からはつきり…
  63. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 実は先般電源開発調査会の一行がたしか五月の末でしたか、六月の初めでしたか、OCIが来る前にあらかじめ現地を調査したいという意向の下に、調査会員だけで参りまして現地の調査をいたしました。その際地方の新聞に電源開発調査会としては流域変更も指示するのだという新聞記事が出まして建設省或いは経済安定本部等から問合せがございました。早速調査方面にこういう新聞記事があつたかどうかという事実を問合せましたところ、そういうような発表をした覚えはないという返事を得ましたので、委員会としましてはそれは新聞記者が作り上げたものだというふうに考えております。
  64. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 只今の答弁は非常に重大なことだと思いまするので、明日公益事業委員がお見えになつたら公益事業委員からそのことをもう一回承わります。若しおいでにならないならば、公益事業委員の代理として打合せの結果こういう答弁をするということを明日なおもう一回ここで御発言を願いたいと思います。  それから昨日、今日あたりの新聞に電源開発の問題についていろいろの新聞記事が出ておるのでありまして、殊に講和後の長期経済政策と関連して今後二十八年か九年までにこれだけの電源を開発したい。それには外資がどれくらい要るとか、いろいろなことが出ておるのでありますが、これは安本で計画を立てるのかどうかわかりませんが、公益事業委員会におかれてもこういう研究をいろいろされておることと思うのであります。我々電力局時代には割合にいろいろの詳しい研究なり、調査というものをもらつてつたのでありますが、事業委員会になつてからどうもぺらつとした資料がときどきちよつと出されるだけで、或いは又資料も何にもなしに口頭で説明されるだけで、我々委員として勉強するにもなかなか拠りどころがなくて勉強できない。それでいろいろ関係を持つおられるかたはそういう方面から資料を得たりして研究ができると思うのでありますが、こういうものがないものはここで頂く資料なり、説明より以外に分けには方法がないわけでありして、もう少し我々に公益事業委員会としていろいろ計画されたり調査されておるものを提供してもらいたいと思うのでありまして殊に講和後の長期経済政策に関連した電源開発の計画などということは非常に重要なことであろうと思うし、我々新聞を見て初めていろいろなことを知るというようなことでは誠に残念でありまして、そういうものを持つておられるならばどんどんと出してもらう。それからなければこれは大いに検討してもらわなければならんと思うのでありますが、どういふ状況でありますか。
  65. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 電源の開発につきましては皆さんの重大な関心事でございますだけに、只今のお言葉誠に御尤もと思います。従いまして我々のちよつと不注意資料等について不備の点もしばしばあつたのでありますが、今後十分に注意しまして、委員会で案を立てましたものにつきましては、今それぞれ関係官庁と打合せを了しましたものはできるだけ御覧に入れるように努力いたしたいと思います。ただ御質問の昨日、今日の新聞に出ましたものにつきましては、まだこれは委員会でもそうした決定もございませんし、又そういうようなことにつきましては漸くいろいろな打合せがぼつぼつ行われておる程度でございまして、まだ何もきまつたものは私どもとしては存じておりません。
  66. 結城安次

    ○結城安次君 只今石原委員の御質問で大体わかつたのですが、社団法人電源開発調査会と、それから公益事業委員会関係をお伺いしたいのですが、実は私も或る所へ行つたところが、開発調査会の数氏が見えてここはああするのだ、こうするのだと言つて、いよいよ電源開発期成会を作るからというようなことで大騒ぎをしておるところにぶつかつた。如何にも公益事業委員会の別働隊のごとくに見える、ちよつと見ると……。どういう関係でしよう。
  67. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 電源開発調査会は、委員会の監督下にある一つの社団法人と考えられます。公益事業委員会の別働隊という意味では決してございません。そういうふうに御了解願いたいと思います。
  68. 結城安次

    ○結城安次君 そうすると監督してさせるということになると、その経費は公益事業委員会が分担するのですか。
  69. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 公益事業委員会はその経費は全然持つておりません。社団法人でございますし、当然その法人たる実際には九つのそれぞれの電力会社が会員になつております。そのほうからの経費で成り立つておるものと御了解願います。
  70. 結城安次

    ○結城安次君 そうすると今只見川とか、大井川、天龍なんかをやつておるようですけれども、これは公益事業委員会でおやりになつておるんですか。向うが自発的に動いておるんですか。
  71. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 最近電源開発調査会が大井川、天龍川等に、或いは極く最近は九州の上椎葉にもありましたけれども、これらはすべてその地区の電力会社調査会に依頼いたしまして、調査会に要請いたしまして、会社の希望によりまして現地の視察をし、技術的な意見を求めるという意味で現地に参つております。直接公益事業委員会とは関係ございません。
  72. 結城安次

    ○結城安次君 いずれ明日又法的の御説明はあるでしようが、OCIとの契約の分、これは單に調査だけを依頼したと承わつてつたのだが、この第一ベージの下から三行目のところにOCIは委員会の希望する云々と、最後に第二節に「詳述の土木工事を引受ける。」という字がありますが。これは工事そのものもこれでさせるのですか。これはどういう意味なんでしよう。
  73. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 「下記第二節」というところに、これは翻訳が少し不適当なところがございまして、誤解を受けたかと思いますが、要するに調査に必要な資料、或いは実地調査資料でございますね。そういうことをOCIに提供するというのが内容でございます。OCIが結論を出すために必要な資料の提供並びにそれに必要な調査、地質調査、或いは測量調査というようなものについて委員会並びに調査会その他の委員会が指定する会社等からそういう資料なり、作業なりを提供させるということが内容でございます。
  74. 結城安次

    ○結城安次君 どうもそういうふうじやないかと思うのだが、この書き方を見ると、土木工事というのは翻訳が間違なら何んですが。
  75. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) ちよつと今原文と照し合せますからお待ち下さい。
  76. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 その間に、OCIと電源開発調査会との関係は、先ほど平井さんの説明では、OCIのための下働きを電源開発調査会へさせるということだつたのですか。
  77. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 政府の予算による調査をOCIに委託いたしまして、その委託されたOCIが頼んだものについては下働きと申しますか、そういう関係が生ずると思いますが、電源開発調査会自体は、これはゲン立した社団法人で、ほかの仕事を別途に持つているというわけでございます。
  78. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 それでは只見なり熊野川の開発方式については、この勧告案を出すのはOCIであつて、電源開発調査会というものはそういう意見なり勧告を出すということは、この問題に限つてはないと考えておいていいのでありますか。
  79. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) この契約に基いて委託する限りにおいて、それはOCIだけでございます。
  80. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 この契約はね。
  81. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) OCIから回答を受けるのでありまして、又OCIは自分の必要とする調査の下働きを調査会に頼むわけです。こういう関係になります。
  82. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 公益事業委員会はOCIにこういう調査を委託しておる以外に、電源開発調査会にも只見、熊野の開発方式について調査を委嘱しておりますか、どうですか。
  83. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) そういう調査は委託しておりません。
  84. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 いない……。
  85. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 只今のところはございません。ただOCIに頼みます前に、OCIに頼むようになるかどうかわからない段階において、いろいろな下準備はしてもらつたことがございます。
  86. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 この点まあ明日公益委員なり或いは委員の代理として、はつきりもう一度お答えを願いたいと思います。
  87. 結城安次

    ○結城安次君 これを見ますと、この契約は八月七日現在で締結することになつておりますね。それから先ほど開発課長ですかの御説明には、いろいろ地質或いはそれに要する土木工事の調査を向うにさせるんだというお話でしたが、この書き方は、OCIは土木工事を引受けるのですね。OCIが引受けるのですね、これは。後でもいいのですが。
  88. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 先ほどの私の申上げたことは少し誤りがございまして、今原文を照合いたしましたところ、この土木工事というのは、原文にはエンジニアリング・ワークと書いてございます。この日本語の土木工事という飜訳は少し妥当を欠いておることと思われます。要するに技術的な仕事をOCIが引受けるんだと、この二節には全部で六項に亘りまして細かく技術的な調査の内容が書いてございますが、これをOCIが引受けるという意味にお解し願います。
  89. 結城安次

    ○結城安次君 わかりました。
  90. 岡田信次

    岡田信次君 このOCIとの契約を見ますと、大体来年の三月三十一日にでき上るというふうになつておりますね。ところがこの熊野川なり只見川の問題は非常に古い問題で、多年日本でも非常に研究しておつたやつを、僅か半年ちよつとの間にこれだけの調査ができるお見込ですか。
  91. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 大体OCIの意見では、九カ月かかるというふうに一応の予定は立てております。併しながら実際の作業の進行状態によつては、更に二カ月延びるのではないかという見込でございますので、先ほど技術長から予算の御説明のときに、一千万円が繰越されてあるというのはその意味でございます。その意味で一千万円分は来年度に二ヵ月ぐらいは繰越されても用意があるというわけでございます。
  92. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると大体いずれにしても九カ月乃至十カ月で以て只見川の大計画が結論が得られるというお見込ですね。
  93. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) この契約書にございます通り、個々の地点の詳しい技術設計ではないのでございまして、開発方式並に発電所、ダム、水路等の位置、形式、そういうものをきめるのがOCIの調査の目的でございます。それで在来から相当調査資料がございますので、そういうものを全部動員し、更に必要な調査を加えまして、又OCIが昨年日発の要請に基きまして半年ばかり只見川を調べた経験がございます。そういうわけで、OCIとしては九カ月或は更に二カ月を加えれば結論が出るというふうに考えておるものと考えられます。
  94. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つほかの問題ですが、先ほど技術長のお話では、なかなか見返資金或は自己資金が思うように入らないので、継続工事も新工事もなかなか進渉せぬというお話でしたが、一つこの自家用発電所に対してどういうお考を持つておられますか。自家用発電所を造りたいということに対してはどういう考えを持つておられますか。
  95. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 只今の岡田さんのお話の中で、継続工事が進まないというふうなことがありましたが、これはそういう意味ではなかつたのでありまして、昨年以来、或いは一昨年末以来継続工事につきましては若干値上り等の問題があるので、更に少し資金の問題は残つておりますけれども、工事は順調に進んでおります。新規着工、本年度やる予定でおりました新たな分につきましては、まだ見返資金もきまつておりませんし、自己調達資金も予想ほども行かないので、まだ若干予定より遅れたり、或いは滑り出したものの先の見通しが十分立たないという状態にあることを申上げておきます。  それから自家用の発電所のことにつきましては、これは公益事業委員会関係としましては、ただ水利使用の許可の問題だけをタッチしておりますので、委員会の一つの方針という形ではちよつと申上げかねるかと思うのでございますが、ただこういうふうな希望を持つております電力を、今日本の産業の、又国民経済の面からいつて、最も電力を必要とする際でもございますので、たとえ自家用或いは県営というふうなもので、委員会関係でないものでも、或いは自然関係等はあるかもわかりませんが、資金の目途が立つて、又そのやろうとする関係者が非常に熱意を持つてつておるものは、現に工事中のものが相当ございます。そりしたものについてはできるだけそれぞれの関係方面の力を得て、少しでも早くできるならば、それはやはり電力の面に直接、間接プラスになるのでございますので、そういうことはそうあればよいという気持を持つておるということを申上げます。
  96. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 公益事業委員会がアメリカのOCIと契約して、日本の諸河川について水力電気の開発についての広汎な調査をなさつておられますので、先ほどお話を承わりましたが、アメリカのOCIからエキスパートのかたが四、五人来ておられて、そうしてその作業には電源開発調査会が当るのだという御説明でございましたが、電源開発につきまして、私は他産業との関係、殊に下流の農業関係につきましてはこれは重大な関連があるのでございますが、そういう面について従来電力開発の面から余り考慮を拂われていなかつたのでありますが、そのために下流の農業が非常に困つている事実がほうぼうに実はあるのでございます。今でもピークの問題には、これが相当に下流の取入状態等に変化がございまして、農民のほうでは非常に困つているのであります。そういうことはやることになつているが、なかなか逆調整池というようなものをこしらえることまでには行つていない。  先日新聞にも出ておりましたが、信濃川の第三発電所も完成になり、そのすぐ下から、新潟県の灌漑用水の大動脈の信濃川の左岸の取入用水というのがございますが、そこの水位にも直ちに影響して来るのじやないか。二尺ぐらい下つて来るのじやないかという不安を地元の農民は非常に持つております。これはどうしようもないのであります。やつてくれということを言つてもなかなかやつてくれない。天龍川の下流の静岡におきましても、天龍川のダムができた場合には一尺ぐらいのピークができて来る、灌漑用水が非常に困るということを農民が集まると話し、非常に困つております。今度差当り問題になつております只見川。熊野川におきましても、これは新聞等でも拝見しておりますが、非常に巨大な計画がなされておりますが、その計画をなされるについて、只見川の流域の系列の開発の計画として水路の形式やダムの位置等をOCIのかたや、或いはその作業に当る電源開発調査会のかたがたがやられることになつておりますが、そういうかたのうちに農業の専門的な技術的な知識を持つている人は従来の経験からいつて余りないのじやないかと思うのであります。若しそういうことが考慮されずにその計画ができますると、その計画の内容についてあとから非常に大きな問題が出て来るのじやないか、そういうものについては十分に専門の技術者を入れて間違いのない計画を立てて頂きたいと思います。  ピークの問題は今までよく言われておりましたが灌漑用水の灌漑水温という問題については、これは今まで恐らく水力電気のほうは余り考えたこともないのじやないか。一番大きな問題で世間でよく言われておりますが、黒部川の発電所の水温低下、六千町歩の灌漑水田は、殆んど青立ちになつてしまつたのでございます。今その改良工事をやろうとすると五億万円ぐらいの経費を農民が負担してやるということになつておりますが、忠別川もやはり六千町歩ぐらいの灌漑用水が忠別川の発電のために二度ぐらい下る。これもやはり二億万円ぐらい出して水温上昇の設備をやつておりますが、そのほかに貯水位調整対策ということはいろいろありますが、水温ということについてはこれは殆ど今まで考慮されなかつたのじやないか。私の最近の調べによりまして、水力電気で取入口と放水品における永温の差は、大体八月の上旬の豊頃二度ぐらい下つているのであります。非常に大きな問題であるのであります。灌漑用水の濃度は一度でも二度でも高ければいいのだ、そうして二十五度ぐらいの温度以下になるともう減収が出て来るのだ、二十度ぐらいになると青立ちになるのだということが実はあるのでございますが、そういうことや何かについて気温や何かについてはいろいろ電気の現場でやつておりますが、水温が何度かということは今までほうぼうで聞いていますが、どこへ行つてもそういう観測をしたことはないのであります。私は最近北海道に行つて、あそこに五十億ぐらいで大きなダムをこしらえているところがありますが、そこでは取入れの計画をどういうふうにしているのだということを質問いたしたのでありますが、それは満水面から二十メートルぐらいのところにプレツシユアトンネルを通したのだ、満水面上の水温が二十四、五度あるのが、二十メートルぐらい下の水温は必ず十四度というのだ、十四度というのは、先ほど申しました通り、これは青立ち以外に根も草も皆枯れてしまう温度なのだ。その水が二十キロのトンネルを通つて五千町歩の水田の頭に流れ、忠別川の二の舞のようなことを平気で工事を始められている。是非私は計画を変えて、温水工事をやつてもらいたいということを齢願いして来たのであります。  なお十日ばかり前の新聞にも出ておりましたが、只見川の一つの支流で沼久沼といいますが今工事をやつている。これは豊水期の水を揚水して、そうして渇水期にもそれを利用して、模範的な立派な工事だというので、写真まで新聞に出て実は宣伝していたのであります。私はどうもその計画が実はおかしいのじやないか。どうもはつきりした調べはわかりませんが、大体これも冬の渇水期、八月ぐらいの渇水期に三十メートルぐらいのプレツシユアトンネルから出している。これは十度ぐらいの温度しか出ない。その下流にあります灌漑用の水は非常に冷くなつてしまう。電気を起したためにそこの被害が非常に大きしくなる結果、私は現在発電水力が大体平均しても一万キロ起せばどのくらい減收になるかという統計も今集めております。実にこれは非常に新らしい問題でありますが、今までは殆どお気付になつていない。今度そういう工事をやるならば、そういう重大な問題があるということを是非これは御考慮になつて頂いて、そうして基本的な計画ができる場合にピークの問題はどうするか、そうして水温を上昇させる施設をどうするか、トンネルを只見川でも数十キロ持つて行くのであります。二十キロぐらいのトンネルで持つて行けば二度ぐらい温度が下つてしまう。そういうことも是非考慮になつて、間違いないように初めから計画をお立てになるように今から善処して頂きたい。そういう点について委員会のお考えをお伺いいたしたいと思います。
  97. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 開発課長よりお答えいたします。
  98. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 只今お尋ねのOCI、或いは電力開発調査会では農業専門の技術者がいないのではないかということでございましたが、OCIには確かにおりません。ただ調査会のほうではたしか私の記憶では専門のかたが委員の一名に加わつたというふうに記憶しておりますが、余り確かではございません。  只今のピークの問題と農地用水温の低下の問題、これは昔からしばしば問題になりまして、非常にそこを、例えば木曾川におきましては、今渡のダムというのを、当時の大同電力と東邦電力が合同の会社を作りまして、あそこに今渡のダムを作つて、木曾川下流の濃尾平野の灌漑用水に支障のないようにしたという例もございます。一般的にこの農業用水の問題は、水利権の許可権を持つております府県が十分地元の意見、実情調査して、許可の場合に條件として、電力会社に出すのが普通でございまして、勿論会社としましても十分灌漑用水の出水口、或いは水温低下の問題を研究の上既往の水利権に支障のないようにやつておりますし、又監督する我々のほうでも、地元の意向なり実情を十分考えました上で許可するようにいたしております。併しながら実際にはいろいろ問題もございまして、或いは御指摘のようになお水温低下等の問題が実際あると思いますけれども、この点はなお十分実情を調べまして、若し水温低下のために実際に実害があるという事実が明らかな場合には、或いは県当局との協議の上で別な手を打つ必要があると考えております。先ほどのお話の中に北海道の忠別川のお話が出ましたが、これは私の記憶では当時の日発が数百万円の金を出しまして、あそこに温水池を設けるという計画の下に金を出して池を作つたというふうに聞いておりますが、或いはその池の設計なり施工なりが不十分で所期の目的を達しなかつたのではないかというふうに考えておりますが、とにかく全然電力会社の負担なしに地元民、すべての地元民の負担によつて忠別川の水温の問題を解決しておるというように私は記憶しておりません。なおいろいろ、将来の熊野川、只見川の問題等につきましても、両河川は経済安定本部の河川総合開発協議会に取上げられまして、総合開発の立場からこれを開発するという方針で一応案ができております。その際には建設省、農林省等の関係者が入つておりまして、十分そういうかたがたの意見を聞いております。従つて今度OCIがこれを計画をきめる際にも十分安本に参りまして、総合開発的な、電力以外の御希望なり、計画なりを十分今のうちにOCIに提供するから、安本として若し御意見があれば今のうちに聞かしてもらいたいという希望は私どものほうから経済安定本部の交通建設局のほうに申出ております。
  99. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 先ほどの忠別川のお話がありましたが、約二億一千万円の金でこれをやつておりましたが、日発は二十二年の六月頃までに直二十万円の半額だけを出しただけであります。それ以外は道営であとはやつておるのであります。それからなお審議会等があるので、そこで十分に審査をする建前に実はなつておるのでありますが、審査会というものは、一応原案が出まして、大体その通りに通つて行つてしまうのではないか。北海道の問題でも私はどういうかたがたが審査したのかという書類を実は頂いたのです、五、六十人のかたがそれに関係をして審査しておられるのです。原案ができたのは、大体そのままでわからんうちに通つてしまうということがあるのですから、私は基本的な観念で下流における農業等の関係については十分に初めから注意をして、その原案に間違いないようなものをこしらえるという心構えでやつて頂きたいということをお願いいたしたいのであります。
  100. 市浦繁

    説明員(市浦繁君) 只今の御趣旨にできるだけ副うように、最初から農業等の計画を十分取入れるようにしたいと考えております。
  101. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 最後に先般再編成令別表第三の前書による電源帰属の変更が関係事業者間において協議が成立をして、公益事業委員会の認可を得たということが新聞紙上に報道されておりましたが、その内容及びこれが地区別需給に及ぼす影響等について御説明を願います。なお今回の措置は前段に関する措置でありますが、後段、即ち委員会が帰属変更を命令することについても公益事業委員会としてはお考えになつておるのかどうか。この点も御答弁願いたいと存じます。石坂君の先だつての質問に対する答弁を先にお願いいたします。
  102. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 電源の帰属の変更の問題につきましては、お手許の工事中の発電所の裏のほうに一緒に刷り込んでございまして先般新聞にも出ておりました通り、又ここに大体の内容が書いてありますような経過を見まして、昭和二十六年八月二十五日付を以て電気事業者間の協定の申請を認可いたした次第であります。でその部分につきましての内訳は別紙の通りでありまして、特に先ほど石坂さんから御質問になりました彌太蔵線の問題につきましても、これはやはり北陸電力関西電力話合いによつてこういうふうに変更したのでありますが、その間の事情等につきましてては、後ほど技術課長から御説明をお聞き願いたいと思います。又ここにございますものにつきましては、再編成令の別表第三の前書の第一項の規定によつてなされたものでありまするが、このほかに当然次の四カ月間において、当事者間において話合いが整わなくて、そして委員会のほうに申請がありました場合に、委員会としてそれをどう処理するかをきめなければならない問題があるわけであります。現にそういう意味合において委員会のほうに申入れをしておる面も若干あることはございます。これにつきましては、委員会としましては十分検討の上できめたいと思つております。
  103. 佐伯定雄

    説明員(佐伯定雄君) 先ほど御質問ありました彌太蔵線について御説明申上げます。彌太蔵線はあの地方にございます富山地方電気鉄道の経営いたしております彌太蔵発電所から関西電力が経営いたしております柳河原発電所に至つて、その間を接続する送電線でございますが、彌太蔵発電所はこれは小さい発電所でございますが、その一部を富山地方電気鉄道が自家用に利用いたしまして、その大部分を柳河原発電所におきまして従来電気事業者供給しております。今回柳河原発電所は再編成令によりまして関西電力に帰属になりましたものですから、なお又この彌太蔵で発生いたしました電気は、この送電線を通じまして柳河原発電所入りまして、柳河原発電所の変圧器を通しまして十五万ボルトの系統に上りまして、それで大きい電力と一括いたしまして関西方面なり、或いは一部北陸にも落ちますが、十五万ボルトのあの幹線に上るのであります。この彌太蔵線が残つておりましたが、北陸電力になつておりますと、今度は、北陸電力から又関西電力供給するというような、僅かの電気のために複雑な需給関係が生じまするので、今回当事表間が打合せいたしまして、北陸電力から関西電力に帰属を変更したものであります。
  104. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 一応この御承認になつた点について了承いたしますが、ただ私は積極的に地方の要求及び工業の消長から見まして、どうしても北陸のほうは自分の区域に起つておるところの電力をやはり欲しがる。而して如何にも理窟張つたやり方になつて、目の先にある電力を引いて他の区域へ持つて行くというようなことで、よほど地方ではそれをやかましく叫んでおる。その際において、この小さな電力の区域を変更されたということは、よほどの事情がなくてはならんと思うて先ほど伺つたのです。ところが今伺つてみると、やはり目の先関西送電線があるのですから、それと連結するために帰属を変えられたことと私は考えますが、この点は了解いたしました。併しこれと共にこの電源の開発された沿革もよほど今後考えて頂かんければ、この彌太蔵というのは、黒部電力という黒部電車が黒部川開発のために必要とあつて起した、そのときの電車を運転するために取りあえず作つた発電所であります。であるからして、元を言うならば、筋を言うならば、黒部電力に、これを黒部川の電車の会社に帰属せしむるのが当然のことと思うのですけれど、そういう自家用はそれぞれ処分されて自家用は認められていない、ところが一面大きな国有鉄道などはやはり自家用を持つておる。現に新潟県の山辺がやはり国有鉄道として日本の電源の数には入れてありますけれども、それには全部国有鉄道が自家用として作つている。かように私は考えておりますから、大きなものだけはそうしておるけれども、小さなものだけは取上げて、そうして勝手にどこへでも帰属せしむるというように皆考えられるのです。今後これらの帰属については、どうか更に再編成せらるる時期もあるであろうと思いますから、よく考慮に入れて置いて頂きたい、かように考えております。
  105. 佐伯定雄

    説明員(佐伯定雄君) 只今のにつきまして補足して御説明申上げますが、彌太蔵発電所は富山地方電気鉄道のものでございまして、これは別段今回帰属が変更になるものではございませんで、自分で発生電力は自由に使うわけであります。その残つた電気を送ります線がこの彌太蔵線でございます。これは本来残りました電気をただ電気事業者に売るそのための線でございます。念のため、…。
  106. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 明日は公益委員はお見えになりますか。
  107. 西田隆男

    委員長西田隆男君) お見えになります。御発言ありませんか……。御発言もないようですから、本日の委員会はこれにて散会いたします。    午後四時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            石原幹市郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            水橋 藤作君    委員            石坂 豊一君            岡田 信次君            小野 義夫君            島   清君            椿  繁夫君            奥 むめお君            溝口 三郎君            山川 良一君            境野 清雄君            須藤 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君   説明員    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    需給課長    竹田 達夫君    総理府技官    (公益事業委員   会需給課勤務)  富田 弘平君    公益事業委員会    開発課長    市浦  繁君    公益事業委員会    技術課長    佐伯 定雄君