○
説明員(
平井寛一郎君)
夏季渇水期におきまする
供給につきましては、大体
自流式の
発電所では
渇水期は
豊水期に比べまして、おおむね三分の二乃至半分
程度まで下るのが普通なのであります。で、
電力会社はこの下りました
不足分を充足するためには
貯水池式の
発電所声
運転するのは勿論、
火力発電所も
相当程度にこの
夏季渇水期に対しても稼働することによ
つて需給の均衡を保つように努力しておるのであります。本
年度は
年度の当初以来、昨年末からの
需要の
増加の
傾向が一向に減退いたしませんので、
豊水期におきましても、
自流式の
発電所において
相当程度水も出ており、又その
利用率の
向上等も
相当図つたのではありまするが、にもかかわらず、更にこの
貯水池式の
発電所を
ば予定以上に
運転をし、又
火力発電も
相当予定以上に
石炭を焚くというように、総体的に
計画を上廻
つて発電せざるを得ないというふうな
状態にあ
つたのであります。更に
入りまして、幸い七月は水が
相当恵まれたのでございます。併し八月に
入りましてからは、
貯水状態は急激に下
つて参りまして、丁度
全国の
平均で申しますると、八月の上旬が
平均で
出水率九八%で、中旬は八九%に下り、順次下りまして、下旬におきましては、一、二回僅かばかりの
降雨はあ
つたのでありまするけれども、結局のところ下旬も、その
出水をも
平均しまして、なお且つ九四%で、八月通算の
月平均がやはり九四%しかなか
つたというふうな
状態であ
つたのであります。それがために
水力発電所の
利用率の
向上、それから
貯水池式発電の
フル運転を図
つた一方に、
需用家におきましても、自主的な
負荷の
抑制をかなり強度に、これは
需用家と
電気事業者との
話合によ
つて行な
つたのでありますが、
相当にこれを行わざるを得なか
つたのであります。併し大体において月を通じまして、そういうふうに
需給が非常に苦しか
つたものでありますから、周波数、
電圧等も甚だしく降下するような
状態でありまして、持に
関西におきましては、この下旬において
相当ひどい
状態が漸次起
つておるというような
状態であります。この
電力の
需要の
抑制はおおむね各
電力会社の自主的な
需用家との
話合による
抑制の
方法をと
つて、
法的措置による或いは
需用家が卒然として
緊急制限をするというふうなことはできるだけ避けるように努力したのでありまするが、それでもそういう
意味における自主的な
負荷抑制は、
東北地方のごときは
大口工場に対して四〇%を
お願いするというふうな
状態も現出するというふうで、
全国的に見ましても
電力需給上の影響はかなり大きいものが現われてお
つたのであります。九月に
入りましてからも、
気象台の
長期予報による九月の
予想は、八月の末においては、九月は例年より
相当水が多いというふうな
気象台の
予報が出てお
つたのでありまするが、実際は本日までの
状態から見まして、八月の末項以来、ずつと水は減る一方でありまして、現に本日の
自然流量が
全国で三百万キロワットでございます。
豊水の時には五百万キロワット
程度出るのでありまするが、三百万キロワットしか出ないというような
状態で、八月の一番低か
つた二百九十万キロワット余に殆んど近付いて来るというふうな
状態なのであります。そうして
台風の
予想等もおおむね中旬以降において漸やく出て来るのじやないかというふうな昨今の
気象台の観測であります。今日
気象台では、それまでの間のところでは、この五日頃に若干雷雨による雨が期待できるかとは思うが、その
降雨量は十ミリ
程度で多く期待できない。その
あとは今のところでは
台風の具体的な
見通しがないので、非常なよい天気が
予想されるというふうなことを申しておるような
状態でございます。こういうふうでございまして、この八月の末から九月に
入りまして、再び
電力の
需給の
逼迫が
相当激しくな
つておるのでありまして、今後において
降雨の期待及び
電力用石炭の大幅の
受入れがない限りにおきましては、この秋の水の出ますまでの乗切りが
相当窮屈であるというふうな
見通しにな
つておるのであります。お
手許に、これはちよつとほかの目的のために作りました
資料を持
つて来ましたのでございますが、こういう一枚
刷りの横文字と
日本字と両方書いた絵がございます。これを御覧頂きたいのでありまするが、これはこの
図表は春以来の水の
出方、
石炭の
貯炭状態等の
予想と実際とを
図表に現
わしたものでございまして、
数字は下の欄に書いてございますが、この
図表によ
つて只今申しましたことをもう少し補足して御
説明を申上げますると、この
図表における下の横のスケールは四月から九月までの物指にな
つております。毎月の水の
出工合は左のほうから「
のこぎり」の刃のように一番上のほうで上
つたり下
つたりして出ておりますカーブがございますが、これが
自然流量の
実績でございます。この
自然流量の
予想は、それぞれの月に丁度その「
のこぎり」の刃と噛み合いながら、横にプランと書いてある直線がございます。これがその月の六ヵ月
間平均の
予想であ
つたのでございまして、例えば四月は
予想よりは
相当実績が上廻
つております。五月について見ますと、月を通じましては若干
予想より上廻
つておりまするが、月の
最初と終い頃においては、むしろ下廻るような
状態を示しております。それから六月はむしろ
予想よりは月の
平均は下廻
つております。七月は非常に
豊水でございましたので、この月の
月平均流量が四百四万一千と書いてございますが、これに対しまして、月の間には本数%の降水を示しておるのであります。こういう形で七月を
終つたにもかかわりませず、八月に
入りまして、その「
のこぎり」の刃の先が八月の上旬、中旬、下旬は少し細かい曲線で書いてございますが、こういうふうに殆んど雨がなくて曲線的に下
つてしまつたのでございます。八月の二十日過ぎ頃には、一応は三百万キロワットという
自然流量の線を下廻るようなところまで落ちましてこの分では
法的措置も或いは止むを得ないのじやないかと考えられて、その準備を進めるところまで
行つたのでございますが、丁度そのところへ一雨降りまして、二十二日であ
つたと思いますが、二日ばかり雨が降りましたので、これで以て約七、八十万の水が出たのであります。ところがそれが
降雨量が
余り多くないのと、非常にひでりが続いた
あとの雨でありましたために、その持ち堪えはほんの二、三日ばかりでありまして、ぐんぐんと下
つて参りまして、月の末に再び三百万キロを割るという日が出たのでございますが、この三十日から三十一日にかけまして、三十日でありましたか、又ちよいと雨が降りまして、一息したのでありますが、昨日、本日、現に本日は再び三百万キロワットという線にまで下
つて来ておるというふうな
状態でございまして、九月の
平均流量は九月の欄の上のほうにございますように、三百七十九万六千キロワットというのが
平均流量でありますのに、本日三百万キロワットしかないという
状態で、なお先ほど申上げましたような
天候の
予想によるというふうな
事情にあります。この
問石炭の
数字がここにいろいろ書いてあるのでありまするが、毎月の欄に斜に條を引いてございますのは、これは
石炭の
受入、
消費の
計画と
実績とを比較して書いてあるのであります。
受入はおおむね
予想よりはどうにか上廻るところまでは実際ないのでありまするが、
消費実績はこれで四月、五月、六月の三カ月間で
予定より三十万トンを余分に焚くと、七月に
入りまして月の初めの
予想より少し下廻る
程度にとどま
つたのでありますが、八月に参りまして、
渇水がひどくて再び非常に
月初めの
予想より上廻
つて、まだ最後の指令はいたしておりませんが、月の初めの四十五万トンという
予想に対して五十六、
七戸トン程度になるのじやないかと考えられるような
状態でございます。こういうふうで
貯炭は年の初めのときにおきましては、太い実線が左の下のほうから右の一番上のほうに斜に
上つておりますのが
貯炭計画の
数字であります。例えば四月のところでは下の二十数万
程度のところから、毎月順次
消費より上廻るように
受入れをすることによ
つて順次
貯炭を上げて
行つて、そうして七月、八月、九月の末には約百万トンに近い九十七万トンと書いてございますが、百万トンに近い
貯炭を
計画したのであります。ところが
石炭の
受入れがなかなか思うように参りまん。これは国内における
石炭の
需給関係が丁度今年の一、二月頃を境としまして、非常に窮屈にな
つたのであります。いろいろの
事情もあるのでありまするが、
需要が何分殖えたこと、その他のいろいろな
事情で
需要が非常に窮屈になる、それと昨
年度におきましては、
電力用炭は年間に約五百万トン
消費したのでありますが、そのうちで新たに
買付けをしましたものが、四百五十万トン足らずを
買付けておるのであります。それに対しまして、今
年度は
需要が非常に伸びるというので、
年度計画としましては六百五十万トンの
消費予定をいたしまして、従いましてそれと同じ炭を
買付けるといたしましても、昨年よりは約二百万トンの
増加買付をしなければならない、そういうふうな非常に
需要の
増加を
予想されたわけであります。昨
年度以来、いろいろと
石炭の
買付けにつきましては、
電気業者に対して、
委員会としても何回となく
注意をしてその
善処方を要望してお
つたのでありますが、結果は今年の上半期、四月、五月、六月の
状態において、五月の中旬頃からぐんぐんと
貯炭のほうが下
つて来るような逆の
傾向を現
わしておるのでありまして、表におきまして太いこの点線と言いますか、太い波線で
横側にな
つておりますのが
貯炭の
実績でありまして、六月以降
予定計画よりはずつと下廻
つたような
状態を続けております。でこの間いろいろと各
方面に御協力を願うように骨を
折つたのでありますが、丁度七月、八月、九月、いわゆる第二・
四半期の
石炭の
買付計画をいたしまするときの
電気業者として、七、八、九の三カ月間に
買付を希望しました
石炭が、全九
会社を合せまして約二百十万トンほしいということを、各
石炭の
事業のほうの
関係に申入をしたのでありますが、そういう大きな
数字でありますので、なかなか思うように任せず、大体
約定ができましたのは、そのうちで最終的に約百六十万トン
程度までは
約定ができたので月に約五十万トンぐらいの炭が入ることが
予想されたのであります。その
最初の月の七月の初めに、その
約定の
程度の
納炭成績を上げておるのでありますが、八月に
入りまして、この
成績が若干下廻
つて来たのであります。特にその
傾向の激しく出ましたのは
中国と
関西なのでありまして、
関西の場合のごときは約十五万トンの
納炭を
予想して七月は大体十五万トン入
つたのでありますが、八月におきましては、下旬に
入りましてもまだ六万トンとか、八万トンという
数字しか入らないという
状態で、最も大きな原因は、丁度
お盆休みで機帆船を利用する
程度の高い
関西とか、
中国方面の炭の
入りが
丁度配分の
関係で遅れた
あとに、例の
マージ台風が
九州の西の方に来て長いことあそこで停滞し
京城に拔けたのでありますが、
内海地方が
相当さざ波が絶えなか
つたというふうな
事情もありまして、十日ばかりの
間炭の
入りが非常に悪い
事態が起きたのであります。こうしたものが加わ
つたのといろいろの
事情で、持に
関西の場合は月末までの炭の
入りが非常に悪いという
事態にな
つたのであります。そこへ先ほど申上げましたように、八月は月を通じまして非常な
渇水に見まわれましたので、
石炭の
消費量も当初の
予定よりはまだ締めておりませんが、恐らく十万トン以上上廻
つているというよう
状態で、上下非常に応えて、
貯炭は丁度七月が
豊水期にあ
つたのでどうにか少し
上つて、
全国で
貯炭量が三十万トンを上廻
つて、この分では多少九月中の
貯炭の当初
計画に近ずき得るというふうな
予想も一時あ
つたのでありますがそれでもこの
程度じやなかなか所期の
計画には行かないことは見えるのであります。八月に
入りまして
貯炭は再びぐんぐんと減りまして、月末の
状態ではすでに二十万トンしかないというところにな
つているのでありまして、昨今では毎日二万トン
程度の炭を焚いているというような
状態が続いているのであります。
お
手許に御参考に若干の
資料をこの
関係で差上げているのでありますが、先ず
縦刷りの表で第一・
四半期以降
発受電状況という表がございます。この表で左の方に
出水率と書いてあります欄の
数字が慌てまして少しミスプリントがございますので大変恐縮でございまするが御
訂正を願いたいと思います。
暫定計画はそのままでありますが、
実施計画の欄におきまして、一番
最初の第一・
四半期の
平均の
数字は一〇三・五%であります。それから七月の一〇〇はそのままでありまして、八月の一〇五と書いてありますのは一〇〇の誤りであります。九月も一〇〇であります。八月も九月も一〇〇と御
訂正頂きたいのであります。それから二行ほどおきまして
実績の八月の欄が一〇四とな
つております。これは九四の間違いでございます。御
訂正を
お願いいたします。それから
暫定計画対
実績の欄の八月のところは一〇四とな
つておりますのも、これも九四と御
訂正を願いたいと思います。それから
実施計画対
実績の八月の欄、一番下でありますが、やはり九四と御
訂正を頂きたいのであります。四、五、六という月は、特に四月は
豊水、五月も或る
程度出水があるといわれましたが、ロードが重いためにこの表にもございます通りに、
貯水式も
自流式も
相当によく出しているのであります。
自流式の場合におきましては、当然こういう最
豊水期になれば
余剰力として利用し得ない
出水があるのであります。その方も当初
計画よりは
相当にこれを利用し得えております。又
停止という欄の所を御覧頂きますと、おおむね当初
計画の半分ぐらい
程度しか
停止をしておりません。この点はやはり普通の
水力発電所で特に水路とか取入とか、どうしても
発電所を通じて作業しなければならない
修理工事はおおむね冬場は避けまして、
豊水期を狙
つてやるのでございます。
委員会の当初
計画におきましても、昨
年度の四、五、六の実際のそういう
意味における
作業停止の
実績を見まして、或る
程度今年の実態に即するようにこれを圧縮して
計画を立てたのでありますが、荷が重いものでありまするからして、
豊水によ
つて水は多いにかかわらず、なお
石炭の
消費が当初より四月も五月も六月も毎月十万トン前後ずつ多いという
事情でございましたので、
水力用の
発電所も或る
程度これに耐え得るものは繰延べをするという
方法をと
つて、
発電に動員したのであります。これがその
停止の
実績が半分
程度に下
つているという理由であります。こういうふうにしまして
水力の面も
相当の
発電を強化して参
つたのであります。
火力発電の面について見ましても、
数字が先ほど申上げました点を裏付けるように、いろいろ出ております。
受電の側もおおむね当初
計画よりはいろいろ
水力なみに
火力の方も殖やしておりますので、
実績面においてその辺の点が大きく出ているわけであります。
それから
横刷の一枚の表で
昭和二十六年第一・
四半期以降の
石炭状況という表がございますが、これは各
電力会社別に第一・
四半期及び第二・
四半期における
石炭の
受入、
消費、
貯炭の
実績をばここに集録したものでございます。八月の分は、これは一部推定を含めております。
電力会社計を御覧になりますと、第一・
四半期の
受入は百十六万トンに対しまして、
消費は百二十八万九千トン。
貯炭は十四万・当初二十万トンあ
つたものが十四万九千トンに下
つております。この
消費が四、五、六三カ月で約当初
計画より三十万トンばかり上廻
つておるわけなんであります。それから七月は
受入が四十七万九千トン、これに対しまして
消費は三十二万四千トンでありまして、この月は若干の
貯炭をし得て、月末に約七千トン
程度の
貯炭をなし得たわけなんであります。八月につきましては、
受入が四十七万八千トン、
消費は五十七万七千トンという一部推定なんであります。この月は
月初めの八月の
石炭の
消費の数より十数万トン上廻
つておるわけであります。月末の
貯炭が二十万一千トンという
数字にな
つております。九月につきましてはこれは
電力会社の
計画案の
数字をそのまま載せたのでありまして、これは
実績ではないのでございますが、
受入が七十四万六千トン、
消費が五十一万四千トン、
貯炭が七十五万六千トン。これは
年度初めの
数字でありますので、現在の
実情でなおこういうものを
予想しておるのではないのでありまして、
受入は恐らく
約定による九月分はおおむね五十万
余りぐらいじやないかと覚えております。
消費は当初の
予定としましては四十三万トンが九月の年初の
計画の
数字でありますが、これはもう少し
実情から申しまして上廻るものと考えておるのであります。ただ今のような
渇水の
状態が続きまして日に二万トン以上も焚いておることが長く続きますると、この
数字は更に上廻るという危険があるのでありまして、そういうふうな点から見ますと
只今の
状態において、九月において
貯炭の改善が期待し得る数量は微々たるものなんであります。それから八月、この
縦書の画の書いてあります線が何本も横に入
つておるような
図表がございますが、表題は八月中におけるピーク時の
サイクル状況、これは八月が
只今お話申上げましたように
月初からぐんぐん減水をして、そうして中旬から下旬に
亘つて相当ひどい
渇水に
至つたのでありまして、八月の九ヶ年
平均に対しまして、
全国平均で約二割
余り渇水をしたというふうな日もしばしば出たのでありまするが、特にこれは本州においてひどか
つたのであります。北海道はおおむね水の
状態はよく、それから四国も八月はおおむねよく、
九州におきましては後半において大分よく
なつた、下旬に入
つてよく
なつたというふうな
程度なんでありまするが、その
サイクルの
低下状況の形でその辺の経緯をプロットしましたのがこの
図表でございます。これは例えば
東北、
東京、
中部、
北陸、
関西、
中国と御覧頂きますと、おおむね月の中旬から下旬にかけてそれぞれ若干の消長はあるのでありまするが、非常に
サイクルが下りがちの
状態を続けておるのであります。これについてはおおむね二、三
サイクル以上は下らないようにということを強く要求しておるのでありまするけれども、
現実には水の方は減るというので、
需用家のほうにも御迷惑を成るべく、薄めようというので、
現実にはこのように止むを得ず
サイクルが非常に下
つたというような
状況にな
つておるのであります。それから月末から昨今に亘りましてこの
需給の
逼迫は非常にひどくな
つておるのでありまするが、特に
関西においてそれが非常に強く、
石炭事情の悪化の形を加えたために強く出ておるのであります。
ただこうした
渇水の場合における
地帶問と申しますか
電力会社相互の間における
電力の
融通につきましても、これはいつか当
委員会の席上においても
融通契約の
運用の
本旨等について
説明申上げたことがあるのでありますが、そういうふうな線においてできるだけ
電気事業者の自主的な運営によ
つてこれを活用してもら
つておるわけなんでありますが、再編成後の当初においては何分いろいろな面において慣れない
事情等もありまして、円滑を若干欠いておるというような面もありましたので、
委員会も何回か耐乏を要請し、或いは
注意を要請をするという
方法をとりましたので、又、
需用者のほうもそれぞれ実際問題にぶつかることによりましてよくわか
つてくれましたので順次
運用は円滑の方に
行つたのでありまして、お
手許にありますような八月のような非常な
需給の苦しいときにおきましても、
各地帶間は
事情の許す限り自主的に
話合を進めてや
つておるのであります。例えば八月の
出水状況の下においては、甲の
地域から乙の
地域、例えば
東京と
東北の場合を見ましても、八月の
日量は大体
平均にしまして関東から
東北の方へ四十万キロワット
アワー余りを送る
程度の
契約が本にな
つておるのでありまするが、実際にはこれはその三倍、四倍、五、六倍、一番多いときには七倍
程度の
日量を送
つたというようなことで、それぞれの設備と
日量の面においてやり繰りのつく限りはお互いに思い切
つた相互援助をや
つておるのであります。
大阪の場合におきましても、
大阪は特にこの下旬来の水の
出方も悪いのでありますが、そこへ先ほど申しましたような
お盆以来の
納炭成績の悪か
つたことが加わりまして、非常に一時困
つて来ておるわけなのでありますが、この際に例えば
中国の方への送電は
只今ではやめております。又これも
話合でありますが……。それから
北陸の方へも平年の
契約によりますれば、
相当の
電気を送ることにな
つておるのでありますが順次減しまして、最近ではその
日量の三分の一以下にそれを滅しておるというところまで
行つております。
中部の方もこれは
関西からの送りにな
つておるのでありますが、
只今ではそれを打切
つて丁度ゼロにいたしております。更に昨今は逆に
中部から応援をしてもらおうというような話を進めておるのでありますが、昨日、今日その
話合の最中において、持に
中部地方の
出水状況が急激に又下
つて来たというような
事情でありましてまだ
数字等はきま
つておりません。が、この点は
委員会といたしましても、いろいろと側面的に
斡旋をしまして、その間の
融通にできるだけ円満を期するような方途を講じさせておるわけであります。八月の末になりまして丁度二十九日でございましたが、
関西の
貯炭が先ほど申しましたようないろいろな
事情が重なりまして、とうとう一万八千トンまで減
つた。
消費は大体毎日五、六千トンあるのでありますが、それに対しまして入炭が一時とま
つた、殆んどなく
なつた。或る
程度は入
つて来たのでありますが、なかなか遅れが取返せないというような
状態で、
貯炭は、
関西は七月の末には九万トン以上の
貯炭にまで戻
つてお
つたのでありますが、一万八千トンまで中旬以降で急激に
減つてしまつたのであります。そこでその中には約半数は炭質の非常に悪い炭で一本立ちで立てないものが混
つておるのでありますが、炭の質が非常に悪いので
関西といたしましても非常に苦慮いたしまして、その炭を、御承知のように
関西は
火力が十三あるのでありますが、特に尼一、尼二、木津川、飾磨というような
発電所に集中的に
受入れしましてそうして焚いておるのであります。そういうところへまで落ちてしまいましたので
資源庁、
安本方面へもいろいろと
お願いをいたしまして、
通産省側のほうが中心にな
つて頂きまして、この
大阪の
石炭の
緊急事態に対してはできるだけ
一つ応急の
措置をして頂くことにな
つておるのであります。それで現に
資源庁のほうからは
炭政課長、
委員会のほうからも
総務課長が参りまして、本日、明日と
大阪の現地においていろいろと
石炭事業者のかたと、それから
石炭を使われる
事業家のかたと
電力会社との間の三者の間に立
つてお話合による
斡旋を
お願いをしておるような
状態にな
つております。これは何とかしてこの
大阪のそういう
事態を善処して波乱に陥らない間に食い止めたいと
思つて今一生懸命や
つておる次第であります。大体以上であります。