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説明員(松田太郎君) この
電気事業調整規則は、御承知のように
委員会が発足いたしました際には、従来の規定を一々その際に新らしく
委員会規則として公布いたします時間的に余裕もございませんでしたために、一応従来の規則をすべてそのまま踏襲するという
委員会規則を第一号として公布施行いたして参
つたのでありますが、その後三月のたしか十四日に従来の
調整規則を大体踏襲いたしました
電気需給調整規則を公布施行いたしたのであります。併しながらこれは先ほどの
会計規則と同じように九月の十四日を以ちまして施行いたしますので、この際需給
調整規則に或る
程度の
改訂を加えまして、今回
聴聞会にかけまして、九月十四日までには新しい
改正された規則として公布施行したい、かように考えておりまして、今月の十日に
電気需給調整規則の
改正を告示いたしまして、更に今月の三十日に
聴聞会を東京において開くということに相成
つておるのであります。今度の
改訂につきましてはいろいろ先ほど
お話のように経団連とか或いは日産協とか、その他
関係団体のほうにもいろいろ御
意見を徴し又積極的に御
要望を頂きましたところもございますし、それから又安本、通産省その他聞係官庁のいろいろ意向も聞き、又討論もいたしたのでございますが、根本の問題といたしましてはこの需給
調整規則というもの、言い換えればこの
電力の割当というものが、今日の電気の需給
関係からいたしまして、どうしてもやはりこの割当制度は存置せざるを得んじやないかというので先ず根本の問題としまして存置論を
決定したのであります。
それから第二の問題といたしまして、この
内容につきましてはいろいろの見解もあり、又見方もあるのでありまして、従
つてそういう意味では
相当内容的には
改正をしなければならん点もあるかとも存ずるのでありますが、併しながらこの問題と先ほど来
お話のような
料金問題とも密接な
関係を持
つておりますので、従
つてこの
改正の結果によ
つて再び直ちに又
料金の
改訂をせざるを得ないような結論になることは
現状としまして面白くございません。又そこまで
改訂をしなければならん必要も今日ないと考えまして、いろいろ事務局或いは
委員会といたしまして
検討を慎重に続けたのでありますが、結論におきましては従来の規則と実質的に殆んど新らしく加え或いは又新らしい見地で
改訂をいたしております
内容はないのであります。特に申上げて置く点といたしましては、この第三条に謳
つてある点でございますが、いわゆる
電力の割当につきましては
標準料金によりましての適用せられます
電力の割当量以外に、それ以上に使われた場合にいわゆる
追加料金として
火力料金制度によ
つて料金を頂戴するというこの制度がございましたわけです。この点についていささか
電気料金算定
基準の問題と、厳密に申しますというと、矛盾をするというような点がございますので、その点をこの際解釈上は或いは当然言えるかも知れませんけれども、その点を特に明らかにする意味におきまして、第三条に
火力料金というものを
電力料金としてとることができる、そうしてこの
電気需給調整規則というものが、その意味で算定
基準に対しては優先的な扱いをなし得ることができるのであるという明文を加えたのであります。
その外いろいろの問題の点といたしましては、例えば期の半ばにおいて特にこの水の出方が殖えたために
電力の割当を追加するというような
方法等をとることができないというようなことが、特に
産業界からは強く
要望として調われてお
つたのでありますが、この点につきましてもいろいろ事務局或いは
委員会といたしましても
検討を重ねたのでありますが、何分にも水の出方というものにつきましては、一応科学的な根拠によ
つて検討をしなければならんのであ
つて、ただ最近特に水が殖えたから又その次に水が必ず出るということも言えないのであります。従
つてその辺は過去数年の
実績によ
つて水量を考える。又各
水力発電所或いは
火力発電所の修理なり又その現在の運行状態等を考えて、いわゆる水の利用率をどう見るかというような点は
相当の過去の経験から推し、又最近の各
発電所の修理
状況と又修理
計画等も考えまして一応立てて参
つておりますので、従
つてそれをいたずらに水が出易いとか、或いは将来の渇水期等の問題を度外視して、この際
火力発電所をフルに動かしてしまわなければならんというような強引な手を打つこともできないのであります。そういうような点からして仮に月の前半は非常に豊水であ
つたからとい
つて直ちにそれを月の下期に対して
調整をする意味で
電力の追加割当をするということは、
技術的に見ましても又実際の
運営上から見ましても
相当疑問がございますので、そういう点はすべて先ほど申しましたような渇水準備金の制度によ
つて調整をして参るというような考えをと
つたのであります。
その外一、二細かな点につきましてはいろいろ
検討もいたしたのでありますが、いずれもその筋ともいろいろ
検討を遂げまして一応先ほど申しましたような
数字を明らかにした点を中心といたしまして、実態は殆んど従来と変らない案を
委員会としましては
聴聞会にかけることといたしております。勿論
聴聞会といたしましては、すでに六十数カ所からの
意見の陳述の御
要望が出ております。いろいろこの点につきましては各方面から御
要望があろうと思いますが、そういう点につきましては、
聴聞会を経た上におきまして十分
委員会としましても慎重に
検討し、
相談すべき筋にはそれぞれ
相談しまして最後の結論を出したいと思
つておりますが、現在一応
聴聞会にかけます点は、今申しましたような実質的に殆んど変
つておらない
現行の規則そのままと申してもいいようなものを
聴聞会にかけるようになりましたのであります。その経緯を
お話し申し上げましてなお細かな点につきましては需給
調整課長も参
つておりますので、必要ならば御
質問に対しましてお答え申上げることにいたします。