○平林太一君 これはテレビジヨンに
関係しまして
只今鈴木君の御
質問もありますので、まあ私と併せて答弁をして頂きまして、完成を図るように発言をするわけでありますが、御
承知のようにテレビジヨンの
放送については、戦争中及び戦後の我が国の空白
状態に
なつております間に、欧米諸国においては非常に長足の進展をいたしておる。そこですでに我が国といたしましては、もはや今日の場合はこの問題は極めて切迫した問題である。先刻私は
講和会議においてテレビジヨンの受信及び発信の
設備があつたらばということを申上げましたことは、勿論この
サンフランシスコから我が国に対しまするテレビジヨンのこの連絡距離と申しますか、こういうものにつきましては甚だ専門でないのでわかりませんが、常識上こちらに受信機があれば中継によつてこれがつながれるというのでありますれば、太平洋のうちはそれぞれ完備した飛行場等の
施設を通じまして、その中継の
施設はできるわけである、恐らくこちらに用意があればできたではないかと思います。又国内におきましてもできておりましたならば、あの全権が出発時代の動静及び出発の羽田空港等におけるときの
状況等は、これ
はつぶさに全国に周知せしめることができたということをしみじみ感ずるのであります。でありますから、むしろこの問題は今日まですでにこのテレビジヨンの実施に対しますることに対しては、甚だ我々
国会の者といたしましても、迂闊であつた、非常に責任の痛感さえ、私はいたしておる次第であります。それで御
承知のように、これに対しましては早速いたさなければならないのでありまするから、電波監理
委員会といたしましては、この際左顧右眄し、躊躇逡巡の態度があつてはならない。正を踏んで恐れざる態度を以てこれに対する迅速なる処理をいたすべきである。この問題に対しまして
只今委員長は極めて自重的なお答えをされました。当時者といたされましては誠にさることでありまして、御心中もひそかに拝察もできるのでありまするが、この
委員会の性格につきましてたまたまそれに関連し思うのでありますが、私は先般の
委員会におきましても我が国におきまして、この
委員会制度というものがことごとくこの
一つの新
機構のできるときに必ず出て来るということは、もはや反省の時期に
なつておる。例えば
電話を
公共企業体にするについて、第一に
委員会というものが先ずその
機構の中に挙げられておる。かようなものは要らない。そのようなことは必要ないということを申上げたのでありますが、これはたまたまそういうことを言
つたのでありますが、それはいわゆる玉石混淆で、
委員会中におきまする玉でありまするものは、残すどころではない、ますその
委員会の使命を強調しなければならないのであります。不必要、無用なる
委員会はどしどし整理する。電波監理
委員会のごときは私は今日までの現況を見まして思いますれば、玉どころではない、ダイヤモンドか金にも匹敵するような大きな役割、使命を果しております。でありまするから、この
委員会のごときは当然存続するどころではない、ますますこの使命の拡大、強化を図らなければならないということであります。どうか委員長及び
委員会の長官初め
関係諸君としましては、この問題につきましては御安心いたしまして、
一つそのために士気の沮喪を来たすことのないように、十分にいたしたい。その点御心配になるようでありますが、私はその面を強く申上げて置きたいと思います。でありまするから、私は必要なる、国家有用な
委員会として存在いたしておるのでありますから、その
委員会のいたすことがいやしくも自己保身に汲々とせず、時期をいやしくも失せず、過般の商業
放送の開始等に当りましても、私はもつと、この委員長は多年
通信界における非常な経験達識の人でありますので、その達識経験を生かしまして、これだと思つたことに対しましては、断乎として御決意をなさり……、商業
放送等を見ましても、その感誠に深いのでありまするが、今回のいわゆるテレビジヨンの問題は、どうかそういう感覚をこの際強く喚起せられまして、急速に
一つこれが処理に当られたい。
只今お話の中の、鈴木君の
お話がありましたが、私又それと相匹敵して、一方に
考えますことは、御
承知の
公共企業体としての
日本放送協会がすでにその
施設とそれからいわゆる技術、持つておりまする人的な要素というものを以ちまして、むしろ戦争中からこれは試験をいたしておるのではないか。先般もNHKの砧の研究所等を見たのでありまするが、相当にこれは苦心をいたしておる
状況がよく見えております。それから資金の問題でありまするが、
只今鈴木君の
お話で申しますと、外国資本というものが非常に入つておるという、それも
一つの企業
計画、この外国資本の入つておるということに対しましては、鈴木君の御心中は、その外国資本が入つておることだから、それに大いに敬意を表して、その方向に進むという御意中であるか、或いは外国資本が入つておるから、それはよほど
考えて、そういうことも十分に公平な見地で、いわゆる自主的な我が国の
テレビジヨン放送を開始するということか、いずれかは私も
只今の御発言の
内容では拝察をすることができませんが、私の見解から申しますと、もはや今日
講和が成立いたしまして、我が国は全く虚心坦懐を以て、いわゆる我が国の再建
復興することは、取りも直さず世界平和が再建
復興することである。だから我が国の再建
復興するために最も妥当なる、いわゆるそのところを得たところの方向に対しましては、豈それ外国資本に対しましても一応の敬意は表するのでありますが、でき得れば我が国力、我が
国民の自力によりまして、殊にこのテレビジヨンの構想のごときはこれをいたしたいということが私
ども国民の念願とするところであります。勿論諸外国からの文化を
テレビジヨン放送が我が国の自主的なものを持つて設立いたしました場合に、できるだけこれらから教えを受け、これら外国
方面のそれらの
テレビジヨン放送に対しまするところの種々なる協力を率直に従順に受けることにやぶさかでない。併し根抵が外国資本によりましてこれが出ておりますが、大部分出ておりますると、いわゆる
一つの企業であり、経営であるにおきましては、豈それいわゆる廂を貸して母屋を取られるというような結果が、如何に将来の我が
国民の自主的な、いわゆる民主主義的な我が国の方向に種々障害を来たして来るかということをひそかに心配するのであります。この場合
政府におきましては
公共企業体に対しましてはそれぞれ例えば債券の発行とか、そういう処置がとれるはずであります。或いは預金部の低利資金であるとかというのが相当ありますので、決して二十億、三十億は臆するに足らない。そういうような
政府の処置に対しまして、そのような新たなる法規によりまして処置できるのでありますから、これを非常にその
委員会におきましては過大にお
考えに
なつて、一日も早く……怠慢をいたしておるということは、
委員会の私はとるべき態度ではないと思います。又そういうことをするときにおいて多少の非難はあつても、いわゆる
委員会の、存続しておる
委員会としての大きな性格をここに顕現するわけでありますから、この点
一つ十分にお
考えになられまして
只今申請があるとないとにかかわらず、若し申請があり得るような問題でありますれば、進んで積極的にこれらを督促いたしまして申請に対しまする……、ただ申請が来たからするというようなことでなく、特にこれらのものと協力いたしまして、とにかく早急にでき得る最も可能な条件に恵まれた
計画に対しまして早急な処置をとるということを要望いたして置く次第であります。
なお、申し添えて置きたいと思いますことは、先刻長官長谷君から、実は今回の
講和の問題について、電気
通信方面に対しまして私が発言いたしたことに対して御
意見の御開陳がありましたが、御尤もの次第でありまして、私
どもといたしましては、実は
人員整理の
関係を考慮いたしまして、特に電波
関係のことは、電気
通信関係の質疑が終りましてのちに別にいたすということに相成つておりますので、改めて電波
関係の質疑の時間に、今回の
講和会議に対しまして電波監理
委員会及び電波
施設を通じまして大きな力、役割をいたされたということを深くこれを称賛いたしたいと存じたものであります。NHKにおきましては淺沼、前田、森川ほか二君等が参りましだが、あちらへ参りましてつぶさに今回現地におきまして
放送をいたしております。非常にこれは私
ども全
国民の老幼婦女子までよくその実態を把握いたした次第でありまして、これが先刻申上げたように、我が国の将来に大きな発展の礎石を、目に見えないがいたしておるということは、特に今回の
電波行政の当局の措置よろしきを得たためであるということを深く痛感いたしまして、ここに稿を改めまして、これら電波監理
関係の当局の諸君に対しましてむしろ敬意さえ現わしたい気持であります。
以上の私の見解を……、このテレビジヨンに対しまする促進を寸刻も早くいたしたい。御
承知のようにこれは
講和後の我が国の文化の興隆ということが非常に
考えられておりますが、テレビジヨンの開始ができますれば、地方の教育
施設に対しまして、いわゆる聴覚であるとか視覚、見て覚える、それから聞いて覚えるということが如何に大きく展開するかということを思うと、胸躍る感さえあるのでございます。又ややもすれば我が国の文化が中央に偏する、その中央に偏する中央文化をあまねく地方文化に均霑滲透せしめるという上におきまして、テレビジヨンの持つ使命は誠に大きなものがあると思いますから、ひたすらこれが実現の一日も早からんことを熱望する次第であります。監理委員長が私のこれに対しましての
一つの見解、御明示を頂くことを深く要望して置く次第であります。