○
説明員(
太宰博邦君)
只今議題になりました次の
臨時国会におきまする
補正予算、これの現在の
進行状況を御報告申上げます。
只今の
段階は、私のほうから
要求いたしまして、極めて事務的なものにつきまして
相談を進めておる
段階でございます。いわゆる
米価の問題というような大きなものはなお未
決定でございまして、これが
決定いたしますると、
厚生省の
予算につきましては、
病院、
療養所とか、或いは
各種の
保護施設などにおきまして、相当大きな狂いが出て来るかと存じますが、あらかじめその点御了解を得ておきます。で、そこに差上げました二十六
年度補正予算重要事項要求書と、まあ一応項目としてまとめて御報告申上げるようなものをここに出したのでございますが、先ず第一が
国民公園の
維持管理に必要な
経費千三百三十四万円
要求してございます。それから備考のほうを
ちよつと目を通して頂きますと、大体
新宿御苑、
皇居前の外苑、こういうものの
維持整備というものが主な
内容でございまして、大体
皇居前のほうを見ましても、
街燈がなお足りない。或いは松などは病虫害にかかつておりまして、これは
明年度まで捨て置きがたい。或いは
砂利などがもう
大分手を入れませんものでありまするから、
砂利をなお敷き直さなければいけない。
芝生な
ども苅らねばならん。こういうような問題がございます。
新宿御苑のほうにつきましても、
芝生の
手入れとか、或いは温室などが傷んでおりまするので、これも
手入れをしなければならんというようなことで、いろいろ御注意なり御
批判を頂いておりまするこういう
国民公園につきまして、まあそれが
国民の
公園たるにふさわしいものに少し
整備しなければならない。そのうち緊急捨ておきがたいものだけを計上いたした次第でございます。なおこれと同時に現在の
新宿御苑の入
苑料が、
大人が二十円、小供が十円に
なつておりますが、なおそれを若干値上げして、大体三十円ほどに
大人がなるかと存じますが、そういうふうなものが並行して話が進められてございます。
それから二番目の
世界保健機関加盟に伴う
経費八百九十二万三千円、
金額としては僅かでございますが、これはWHOに
日本が加盟いたしますと、これは先般前の
黒川厚生大臣が参りまして、正式に加盟いたしたのでございますが、それに伴いまして、
加盟国といたしまして、
向うのいろいろな書籍、図書をやはり購入しなければならない義理合いになります。同時にこちらからも
日本の国内の、例えば
法律というものはどんなものがあるとか、或いはどういう行政の成績を挙げているかというようなことにつきまして、こちらからそのデータ、資料を
向うに送るというような
義務も伴います。又
各種伝染病の
発生状況などをやはり定期的にその
発生のあるなしにかかわらず報告しなければならんというような
各種の
義務的なもの、乃至は附合いとして必要なものというような
経費がかかるものでございますから、さようなのを取りまとめまして、ここに
要求いたしたわけでございます。
それから三番目、これは少し長うございますが、
伝染病予防費、
結核予防費、
癩予防費、
精神衛生事業費補助に必要な
経費、この
只今申しました
四つのものは、いずれも
義務補助に
なつておりまして、
地方で以てかかりました
経費を査定いたしまして、それに
政府が一定の
法律できめられた
補助率を以てこの
清算をしなければならない
筋合のものばかりでございます。これを併せまして六億三千五百九十九万円ございます。内訳は右のほうをずつとお読み頂きまして、都道府県の
支出に対し
法律で
義務づけられている
補助費、(1)が
伝染病予防費、これは特に今
年度赤痢が非常に猖獗を極めて参りまして当初の
予算五億二千九百万円でございまするが、その中で予定しておりました
患者の員数に比較いたしまして、どうも
発生予想数が相当大幅に殖えておるような見込みでございますので、その点につきまして、一応
大蔵省のほうへこれを
要求したのでございます。その額が三億四千七百十六万四千円。それからその次の
結核予防費、これは一億四千九十二万四千円、これは今年の当初
予算の中に当然含まれておるのでございますが、その後の
物価騰貴に伴いまして、主として
結核の
予防のほうの
健康診断、それから
予防接種、そういう面におきまする薬品その他が
値上りのための
単価増、それに伴います
負担分でございます。それから三番目の
癩予防費、これが一千七十万円ほどでございます。これは
患者の増加と申しますのは、
私立癩療養所が大体その
実績によりまして、当初
予算におきまして、
ベツドの定数が二百三十
ベツドというので
予算を組んでおるのでございますが、最近の
状況を見ますと、いろいろ
療養所のほうで工夫いたしまして、
現実に二百八十
ベツドほど維持しておりますのがわかりましたので、それの
差引不足分をどうしてもこれは今
年度で見てやらねばいけない、それが
一つでございます。もう
一つは、
ちよつとそこに誤植がございまして、
特殊治療費とございますが、
対症治療費でございます。これは何かと申しますと、この
療養所は御
承知の
通り癩患者の
人々の居住の
世界でございまして、そこに生活せられております限りは、単に癩の病気に苦しめられるばかりでなしに、その他我々と
同様風邪をひく人もございますし、
結核にかかることもあり、又盲腸炎になるというような
各種の疾病がやはり伴つて
発生するのであります。それに対しまして、従来の
予算では極めて僅かなものしか見ておりません。これはどうしてもその他のやりくりでは済まされないというようなことに
なつて参りました。而も来
年度の
予算を待つことができないほど窮迫しておりますので、その
対症治療費というようなものを含めまして、そこに
要求いたした次第であります。それから四番目の
精神衛生対策事業費一億三千七百十五万九千円、この二十五
年度の
不足分と申しますのは、約三千六百万円ほどございますが、これはすでに過去の
年度に
支出が終りまして、決算の
段階に入つておるわけであります。それの
不足分の
清算でございます。それから二十六
年度の
不足分と申しますのは、例の
措置入院をいたします
関係の
経費が約一億ほど不足してございます。これはやはり一点
単価の問題が当初十円三十銭、ほかの
療養所と同様に
全国平均十円三十銭で組んでございますが、
現実に
精神関係の
療養所は場所がきまつておりますので、
現実に個々のものを取上げて計算して見ますると、やはりこれが十円三十銭の
全国平均ではいけない。十円五十銭になるんだというものが、細かいことになりますが、さような
実績を
現実にとりました結果、当初のあれを改訂せられたような
関係もございます。又
完全給食という問題が起つておりますので、一日の
入院の点数を二十七点でありますものを二十八点と、一点殖やさなければならないというような問題もございます。又この
実費を
本人で負担できます場合は
本人に負担させるというその
実費の
徴収率が、従来の
実績から見ますと、当初
予算の比率では非常に低いというようなことも出ております。さようなものを引つくるめまして、二十六
年度では一億円ほど不足するであろうということで、これを出しておるわけでございます。尤もこの
四つの中には先ほど申上げましたように、いわゆる
清算補助の
筋合でございまするから、あながち
只今直ちにこの
予算に計上せられておかねばならないという
筋合のものでもないものもございます。従いまして、この点はなお
向うとこの際直ちにきめておかなくとも、一応こういう
要求があるということを
向うに話をしておく必要もあるという意味も含めて
要求しておるのでございます。
それから次の4、
検疫所の運営に必要な
経費一億二千三百万三千円、これは先般
司令部のほうから、
日本におきまする現在の
外国船が入り得ることができます港、当然そういう所に
検疫所が附設されておりますが、それが十七ヵ所でございましたか、現在あるわけでございますが、その港を
一つ殖やしてもらいたいという
要望が
日本政府にございまして、通産省と
厚生省、それから
大蔵省というようなところが主となりまして、
相談をいたしたのでございます。ここにございまするのは十カ所、
向うから大体殖やしてくれという所が十カ所ほど来ておりまするので、それをもし全部開くといたしますれば、これだけかかるだろうというので
要求しておるのでございます。大体
只今の
お話の模様では十カ所全部は無理であるというので、取りあえず五カ所ぐらいに
一つとどめておこうではないかというような大体
話合いに現在は相成つております。
それから五番目の
国立療養所の
災害復旧に必要な
経費二千六百八十八万九千円、これは先般、この春の
災害、それから前
年度の
災害等によりまして、
国立療養所が、又西の方が主として被害をこうむりまして、ただでさえ傷んでおりまする
療養所でございまするので、捨て置きがたく、今年のうちにこれを
整備する必要があるというので
要求しておる
筋合いでございます。
只今の
進行状況では、これはほかのいろいろな
災害の
経費が嵩んでおりまするので、なおそういうものと睨み合わせて
相談をしようという
段階にしかまだ入つておりません。
それから六番目の
ララ救援物資の処理に必要な
経費六千三百二十四万八千円でございます。これは
ララ物資が今年の六月一杯で
内容に変更がございまして、と申しまするのは、それ以後は若し欲しいならば、その欲しい国の
政府が
アメリカからの
海上運賃を負担してもらいたいと、こういうことに相成つたのでございます。それで私
どものほうでいろいろ
相談いたしました結果、今直ちにこれをやめるというようなことが是か非かというようなことをいろいろ
考えたのでございまするが、大体
只今のところは一応今
年度は
海上運賃を
日本政府が負担しても、
計画だけのもの……、もうすでに
向うとしても手筈のきまつたものを、これを入れるということにしようではないかというような
段階にまで来てございまして、大体三百五十トン分のものが、今年なおそういうような手続きで入るというような
考慮から、その分の
海上輸送賃をそれに、まあ大体もう少し下廻ると思いまするが、見ようじやないかというようなところまで事務的には話が行つてございます。
それから七番目の
児童保護補助金に必要な
経費九億八千七百四十七万八千円、これはもう申上げるまでもなく、前々からいろいろ御鞭撻頂いております例の
児童保護費が
平衡交付金に入つておりますために非常に遺憾な点が多いので、これを是非この
補助金に戻してもらいたいという私
どもの
希望の現われでございまして、これは当初
予算の際にもいろいろ御支援を頂いたにもかかわりませず、遂に力及ばず実現しなかつたのでございます。
なおこのたび
補正予算が組まれるというので、或いはそこで
平衡交付金が殖えまするならば、
一つその
機会に更に一段と努力して見たいという
気持で、ここに
要求しておるようなことでございます。
只今までの
進行状況は事務的な問題といたしましては、どうも壁にぶつつけたような
段階でございます。
それから八番目の
引揚者住宅整備に必要な
経費二億九千九百七十七万五千円、これは御
承知の
引揚者が非常にどつと帰つて参りましたために、十分なる手当ができぬままに、旧軍の兵舎であるとかというようなところに押込めまして、そのまま今日に至つておる。で、なかなかこれの
整備というようなものが思うように行かないような
段階でございますが、最近
大蔵省とも
話合いが付きまして逐次その
方向に歩を進めてございますが、これも現在の
段階におきましては、まあ大体
補正のほうではなしに、いわゆる流用と申しますか、
政府部内だけの
話合わせで相当大幅な
費用を認めて、ここ一両年の間にこの
引揚者の住宅問題を何とかして解決したいという
方向に話が進んでおるようなことで、これは相当明るい見通しを持つております。
金額も或いは五億前後にまで行くのじやないかと、まあ私の感じでございますが、そういうふうに
考えております。
それから最後の
更生資金貸付に必要な
経費三億二千八百余万円、これは上と並べまして、
引揚者を
中心にいたしまして、その他の未亡人、
生活困窮者の
人々に
生業資金を貸付けまして、その
自力更生を助けるという
経費でございます。そこに書いておりまするように、
各種の
地方の
要望を取りまとめまして、どうしてもこれだけ要るのじやないかと思われるのが九億八千八百万円、それから現在までに手当できました分六億六千万円を引きますと、三億二千八百万円が足りない。こういうような問題が出ておりますので、これを
要求いたしたのでありまするが、これは昨年の例から見ましても、やはりこの
補正予算で非常に実現が困難な問題でありまして、私
どももこれは或いはむずかしいのじやないかというような危惧の念を抱くわけでございます。大体
一般予算につきまして、主なものを申上げますると、さようなわけであります。合わせまして二十四億八千六百九万円ほどでございます。
なお
特別会計、これは刷つて差上げてございませんが、
内容は大体極めて事務的なものでございまして、
保険のほうはこのカードの書換えの
費用とかいうような非常に事務的なものでございます。それからもう
一つ病院特別会計がございますが、これは
最初に
ちよつと申上げましたように、主として
米価の
値上りというようなことを
中心にいたしまして
病院におきまする
患者費というものの
不足分の
要求でございます。それからこの
病院特別会計が前年に二億一千万円ほどいわゆる
剰余金というものを出して
積立金に編入せられておりまするので、
病院のこのぽろぽろのやつをそのうちから一部でも出して、
一つ整備したいというようなものでございますが、こういうような大きな問題はまだ
決定と申しますか、
相談の余地が多分に残つておるような始末でございます。
簡単でございましたが、現在の
状況を御報告申上げました。