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説明員(
天坊裕彦君) 非常に御理解のある
お話でありまして、ただ私
どもの
説明が余り上手でもなか
つたのでおわかりできないことは甚だ残念でございますが、
先ほど申しました
通り、一番初め
三木君からも申しました
通り、私
ども昨
年度もそうでありますが、非常に
公共企業体になりましてから今までのお役所式の
予算分捕主義を捨てまして、できるだけ私
ども良心的に
予算を組んで、
大蔵省としてもそれを又素直に認めるというような
恰好で
折衝をいたしております。今期も若干の見込の違いはありますが、私
どもとしては原案というか、一番
最初の案を是非通したい、非常に山をかけた言い方ではないのだ、こういうようなことで出しておりますので、
大蔵省とも原案の
折衝という
先ほど経理局長から申しましたような
態度を捨て切れないわけであります。その点甚だこの点だけは困るというアクセントをつけて言えなか
つた点でありますので、御了承願いたいと思います。結局二百四十億近くの
工事勘定を
要求いたしまして、五十億というようなことになりますと、全く
先ほども話がございましたように危険な所も何とか直す、辛うじてそれを維持するというような程度だけでありまして、折角この
年度初めから手がけております
仕事を始めました
工事というようなものも、途中で暫らくして中止をさせて手待ちで遊ばせなければならない、こういうような大きな損害も出て来るわけであります。更にもう少し
車輛なり或いはそれと並行した施設の増強、
輸送力の
増加に対応する施策、施設ということもやりたいというものを併せての話でありまして、それが今の話の五十億になりますと、殆んどやれない、辛うじて安全の点だけが確保できるかどうかというような点になるわけであります。
更に私
どもとしてはこれは国会方面を通じまして、昨年あたりから非常に御意見もございました例えば
新線の問題、或いは電化の問題、こういう問題につきましても、少しずつでも何とかこれをや
つて参りたいという気持は多分に持
つているのでありますが、そうした点、これは政治的に御考慮願わなければならん点も多いのでありますが、そうした部分が
先ほどの
お話のように新らしい問題はできないということになりますと、全部これが入らないという
恰好にもなるわけであります。最小限度、私
どもとしては二百四十億が大きいということになりましても百五十億近くのものは是非何とか確保するようにいたしたいというふうに
考えております。
更に
損益勘定の部分につきましても、
物価の点が問題にな
つておりますが、
現実に
先ほども話が出ました下期の
石炭というようなものは、
相当な
石炭業者の強腰でありまして、
予算に組んでおります上期に対して八百円増というようなことではとても収まりそうもないという情勢であります。そういう点を
考えますれば、とにかく
石炭がなくて汽車が走れないのだというような現象を起しては甚だ申訳ないのでありまして、何とか汽車も動き、
従つてそれによ
つて石炭の増産もできるというような方向へ持
つて行きたいものだ、こういうふうに
考えておるわけであります。その最小限度の
物価の
値上り、
現実の問題としては私
どもこの点はそういうふうにできるような姿にしなければならんということを望んでおります。
それから給與問題でありますが、これも折角この
調停委員会で
調停を願いました線が出ておるのでありまして、この線がまるまる四月からという線でなくても、何とかこの
調停が有効に生きたのだというような線を是非出して頂きたい。これは
公共企業体になりました
国鉄と
国鉄労働組合という実力行為を認められない労働組合に対する平和的な解決、平和的な処理を大きく狙
つた新らしい制度でありまして、この
調停委員会の
調停というものに権威を持たし、何とかこれによ
つて労働組合も満足した姿で十分今後の能率増進ということに協力してもらえるような
恰好に是非いたしてもらいたい、この前労働
委員会で私申上げたのでありますが、いろいろ毎日の
仕事をや
つておりながら生活上の不安というようなものを持
つておるということは、一般の公務員の場合には能率の低下という
恰好で現われるのでありましようが、
鉄道の
仕事におきましては、それが直接に旅客なり、公衆なり、或いは本人自身なりの安全というような問題にまで直接影響があるのでありまして、何とか二千四百円の
調停の線が生きるように、その点は是非とも確保したいというふうに
考えております。具体的に申しますると、それの財源としては結局
運賃の
値上げが
貨物三割以上、旅客三割以上という線をどうしても守
つて、少くとも三割以上という線を守るような
恰好にして頂きたい、こういうのが具体的な答えであります。