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河野(一)
政府委員 起債の
配分については、こまかいことを私は存じ上げないのでありますが、おつしやるような点がありますれば、これは是正した方がいいと思います。それから
藤田さんのおつしやいますように、今までの
財源の
配分が、
事務配分とは別個に、
事務配分のことを
考えずに、従来の
制度の上に、そのまま、
財源だけはそういう
考えでなしに
配分したという点が、私はずいぶんあるのじやないかと思うのであります。早い話が、
シヤウプ勧告にも、
教育なんか
市町村がやるべきだというような
議論もあ
つたかと思うのでありますが、依然として
俸給費の負担は
府県でやる。そうして
府県職員八十万のうちの六十万が
教育職員でありますから、
ベース・
アップによる圧迫を受けるのが
府県が一番大きか
つたのは、いなむべからざる事実であります。それから、今後
事務配分についてどう
考えて行くかということでありますが、これは結局
市町村の性格をどう判断し、
府県というものをどうあるものとして持
つて行くかということに結局は私は帰着するのではないかと思うのであります。
地方行政
調査委員会議から一応の勧告が出ておりますが、私は個人の
意見でありますが、率直に申し上げまして、あの
通りは理想ではありますけれ
ども、一時にそういうふうには参らないのじやないかというような、漠たる
感じを持
つております。これは個人の
意見でありますから何でありますが、やはり現在
府県というものが相当
市町村に対して補完的な仕事をしておるという事実は、認めざるを得ませんので、これを現在の小さい
市町村個々にならした場合に、はたして効果的であり、効率的な行政ができるかどうかという点もあると思うのであります。それから、何としても、これも私の個人の
考え方でありますが、
府県というものはやはり経済団体であり、それから
市町村というものは生活団体であるというふうな
考え方でおるのでありますが、つまりわれわれの公私の生活で申しますれば、われわれの公の生活が
府県の
立場であり、それから自分からのプライヴェートの生活が
市町村の
立場、そういう行政のわけ方ができないであろうか、つまり経済というものはだんだんと広域にわたるのでありますから、広域にわた
つて一本に施策しなければならぬようなところは、
府県の方が適当でないだろうかという
感じを持
つております。ただ日常のサービスであるとか、あるいは福祉であるとかいうようなものは、これはお互いに直接した問題でありますので、そういう点は
市町村にゆだねておく。但し能力のないものはやはり
府県へ持
つて行
つてやらせる。たとえば病院であるとか何とかいうような施設、現在
府県の施設と市の施設がどこでも相重
なつておるのでありますが、そういう点はほんとうを言えば適当でないので、いなかの
町村における病院であるとかいうようなものは、病院としては
町村では持てないから、結局
府県でや
つてやるというような方法ができはしないだろうか。現在これは非常に重複し合
つているので、その点
府県と
市町村の性格というものをどう判断するかによ
つてかわ
つて来るのではないか。これは非常におこがましいことを申すのでありますが、これには各省いろいろの御
意見もありますので、確定的なことを申し上げるわけには行かないのでありますが、
調査委員会議の勧告を原則的には尊重し、また
事態に合わないところについては、政府としてある
程度の調整を加えることに相なるであろう、こういうふうに
考えておるわけであります。