○久下
説明員
会計課長の御
説明から落ちております問題について、
概略私より御
説明思し上げたいと思います。
まず第一に申し上げたいと思いますことは、
医療行政に関しますもののうち、医師法、歯科医師法、あるいは
医療法の施行等に
関係のあります
予算で、これは
先ほど来
会計課長から申し上げましたほかは、従来や
つておりますようなことを、そのまま続けてや
つて参りたいと思
つておるのであります。たとえば、医師、歯科医師の国家試験でございますとか、あるいは予備試験でございますとか、そういうものにつきましては、従来の
通り受験者の数も予想いたしまして、それに応じた
経費の計上をするようにお願いをしておるのであります。また
病院管理研修所でございますとか、あるいは死因調査でございますとか、あんま、はり、きゆうの問題でありますとか、いずれも昨年来や
つておりますことを、そのまま踏襲したいと思
つておるのであります。
ただ特異な点は、こまかい問題ではありますが、
病院管理研修所の問題につきましては、短期、長期の講習会を、
予算に基きまして本年も
実施いたしておりますが、来
年度は、これは非常に希望者が多くて好評を博しておりますので、付設してございます
国立東京第一
病院の敷地内に焼けビルがありますので、それを改修いたして教室宿舎等に充てたいと思いまして、そういうような
予算を若干増額して
要求をいたしたのであります。
それからあんま、はり、きゆうにつきましては、かねて
国会の
関係の方々からの要望もございましたので、それらの既得権者につきましての再教育の
費用を、
要求いたしております。これは昨年も
要求いたしましたけれ
ども、財政の都合上削減をせられたのでありますが、本年も重ねて
要求をいたしておるのであります。それから
国会の御提案で可決せられました診療エックス線技師法につきましては、さしあたり来
年度必要になるものは、既得権者の特別試験だけでございます。これの
実施に支障のないように
予算の
要求をいたしてございます。
次に、歯科衛生についてでございますが、歯科衛生士の養成その他は大体昨年のものを引継ぎますとともに、歯科衛生士の養成の問題につきましては、さらに若干の場所をふやしまして、漸次この仕事を進めて参りたいという
要求をいたしております。そのほか歯科衛生につきましては、少し大きく
予算といたしましては二千七百万円の
新規要求をいたしておりますが、これは学齢期に入ります前の乳幼児につきまして、歯牙の検診をいたしまして、主として虫歯の早期発見をする。そうして早期
治療をして、大きく
なつてから、成人の歯にかわります場合に、健全な歯が生れ出ますようにいたしたい。このことは歯科衛生の点から申しますと、非常に根本的な
対策でありますので、この仕事をやりまして、検診をいたしました
あと、それぞれ保護者に注意をするような印刷物でも配
つて、
治療の必要なものは
治療をさせるようにしたいというような措置をとりましたので、検診の
費用として二千七百万円の
新規要求をいたしておるのであります。
次は保健婦、助産婦看護婦の
関係でございますが、これの再教育につきましては、従前の
通りに続けて参りたいと思
つております。保健婦、助産婦及び看護婦の数の上から、需給
関係が非常に見通しが悪うございますので、すでに本
年度、保健婦につきましては、六箇所であつたと思います。正確な数字を記憶いたしませんが、各都道府県に
新設の
補助金を出しまして、養成所の設置を奨励いたしておるのでございます。来
年度はこれをさらにもう十箇所ふやしますとともに、助産婦、看護婦につきましても、各都道府県に
補助金を出しまして、養成
施設をつくるように奨励をして行きたいと思
つております。その所要
経費を
要求いたしております。助産婦につきまして五箇所看護婦につきましては十箇所の養成所の奨励
補助金を出したいというふうに
要求をいたしておる次第でございます。
その次は、
国立病院療養所に関する問題でありますが、まず
一般会計に属します
国立療養所につきまして、おもな点を御
説明申し上げておきたいと思います。
結核の増床及び癩の増床につきましては、ただいま
会計課長から御
説明申し上げましたが、その他の点につきまして御
説明申し上げたいと思います。
金額の上から相当大きな部分を占めますものは、看護婦の養成費でございます。来
年度は、現在
国立結核、癩
療養所に二箇所の甲種看護婦の養我所がございます。これを続けて参り、また乙種看護婦養成所が二十箇所ございますが、これも従前
通りあと一箇年続けたいと思
つております。そのほかに新しく法律の改正によ
つて生れました準看護婦の養成所を、
国立結核療養所に五十箇所設置いたしたいと思いまして、相当金額の大きい――五十箇所に一千名を収容いたしまして、準看護婦を養成いたしたいと思います。これの
新設関係の
費用並びに計上費を
要求いたしておる次第であります。
それから
療養所の経営で、大きく
予算に響いて参りますものは、いわゆる食糧、薪炭費の諸単価の問題でございます。これを申し上げたいと思います。
結核、癩、精神、脊髄、それぞれの
療養所につきまして、まず薪炭費であります。石炭や電燈代や、そういうふうなものでございます。これは患者一人当り一日二十五円でありましたのを、来
年度は四十円の
要求をいたしておる次第であります。それからもう
一つは、日々の患者のまかない費でございますが、今
年度の当初
予算では
結核が七十七円、癩が七十五円、精神
療養所が七十五円、脊髄
療養所が七十三円でありました。これは御承知の
通り最近の米価の値上りもございましたので、それに関連をして本
年度の
補正予算の
要求をいたしたのでございますが、私
ども承知しておりますところでは、大体
補正予算には、
結核で例を申し上げますならば、七十七円を八十二円余に査定をされ、認められるようでございます。来
年度はさらに諸
物価の値上り等もございまして、これに若干加えて八十七円くらいはしていただきたいということを
要求しております。その他の
療養所につきましては、いずれも一日患者一人当りのまかない材料費を八十五円に値上げをするように
要求をしております。同じく
予算総額に大きく響きますものは
医療費でございます。薬品や消耗的な
医療資材を買います
費用でありますが、本
年度は
結核は入院患者につきましては三十七円、外来患者は三十五円でございます。これを来
年度は入院患者四十八円、外来患者四十四円に値上げを行いたいということを
要求いたしております。癩、精神、脊髄、それぞれそれに準じました
医療費の値上げを
要求いたしておる次第でございます。
それから常々問題に
なつておりまする癩
療養所の
関係では、患者の慰安謝金と称するもの、あるいはまた作業をいたしますために作業賞与金を出しておるのでありますが、これが単価が低いために入所患者から陳情が絶えないのでございます。来
年度は慰安謝金につきましては、今
年度は患者一人当り一箇月四百円でありますが、これを生活保護法の
通り四百五十円まで上げる予定にいたしております。それから作業賞与金につきましては、作業の種類に、応じまして甲乙丙とわけて本
年度の
予算単価は最高が十二円三十二銭、最低が七円三十三銭ということに
なつておりますが、これを来
年度は一人当り最高は三十円、乙が二十五円、丙が十五円、この程度までは増額をしてもらいたいということを
要求いたしております。新しいこととしては癩患者の文化費を若干出していただきたいという
要求をいたしております。
もう
一つ結核関係で申しておきたいと思いますことは、
先ほど九千床の
国立結核療養所の増床の御
説明を申し上げましたが、私
ども今腹案と
なつておりますのは、九千床のうち四箇所くらいは
新設で参りたいと思
つております。これはいろいろ従来の
関係もありますし、
全国的に見ますと、
結核療養所の非常に稀薄な地域がございます。これの典型的なひどいところにつきまして、四箇所だけはぜひ
新設して百四十床くらいのものをと
つて参りたいと思
つております。その他の八千四百床は既存の
国立結核療養所にそれぞれの規模に応じまして増床して参りたいという計画でございます。そのほか申し上げまするとこまごまして参りますので、また御質問でもございましたらお答え申し上げることにいたしたいと思います。
最後に、
国立病院の
特別会計につきまして御
説明を申し上げておきたいと思います。
国立病院特別会計は、本
年度は歳入歳出ともに四十四億二千七百六十一万四千円でございます。来
年度は
結核療養所で申しましたと同様に、患者
医療費、患者のまかない費あるいは燃料費等の単価の値上りがあり、また入院患者、外来患者は逐次増加しておりますので、来
年度は、入院外来、ともに二万六千人になるであろうという計画のもとに、ただいま申しました単価の値上りと合せまして、
予算を
要求いたしておるのでございます。さらにそのほか大きな部分を占めますものは、
国立病院の建物の
整備をいたさなければならぬという
費用でございます。これは私から申し上げるまでもなく、戦時中の、バラツク建てのものが、依然としてそのまま使用されておるようなものが相当ございますので、それらに手を加えて、患者の
医療に支障のないよういたさなければなりません。それらを加えて増額をして参りますと、来
年度の
国立病院の
特別会計の総額は、私
どもの計算では歳入歳出六十億八千万円となる予定でございます。すなわち本
年度の総
予算に比較いたしますると、約十六億の増額でございます。もつとも、これは
療養所の場合に申しましたと同様に、また先般御
説明申し上げましたと同様に、
国立病院につきましては、本
年度補正予算を五億近く
要求いたしております。これを加えますると、二十六
年度予算額は四十四億でありますから、四十九億になると存じます。従
つて総額におきましては、来
年度は十億少しの増額ということに相なるわけでございます。
内訳についておもな点を申し上げますと、
先ほど患者の総数は二万六千ということを申と上げましたが、これに伴
つてやはり大きく響きます問題は、
医療費、燃料費及びまかない費の単価の値上りでございます。まず
医療費につきましては、今
年度は入院患者五十円、外来患者が三十五円でございますが、本
年度はこれを六十五円と五十円ぐらいに増額してもらいたいというふうに
要求しておる次第であります。それから薪炭、衣類これはこの中には燃料費と光熱、水料を含んでおりますが、本
年度は二十五円の単価でございます。これを来
年度は三十五円にしてもらいたいという
要求をいたしております。患者のまかない費は一人一日当り本
年度は七十二円でございます。これを八十円程度まで増額してもらいたいという
要求をいたしておる次第であります。これらのものが重なりまして、
職員のベース・アップ等を考慮いたしますと、歳入歳出総額におきまして、
先ほど申し上げた約十六億余の
予算増になる次第であります。
はなはだ簡単でございましたけれ
ども、おもな点だけを御
説明申し上げた次第であります。