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太宰説明員 二十六
年度の
補正予算は、まだ決定いたしませんで、なお
大蔵省と
折衝の
段階にも実はまだ入
つておらないという
状況でございます。なおベース・アップその他今後数字がかわる点もあろうかと存じますが、
せつかくの機会でございますので、そのおもなものだけでもお耳に入れておきたい、かように存じておる次第でございます。
お手元に差上げました
書類の中で、二十六
年度補正予算重要事項要求書という三枚つづりのものがございます。そのうちの概略だけを申し上げまして、
あとのこまかい点につきましては、御
質問に応じまして各
局長さん方に御答弁をお願いしたいと思います。
最初に
国民公園の
維持管理に必要な
経費が約千三百三十四万円ほど出ております。これは大体
新宿御苑と
皇居外苑、それと
京都御苑、現在この三箇所ございますが、特に
新宿御苑と
皇居外苑につきましては、いろいろ不行届きの点がございまして、大方の御
期待にも沿
つておらないので、機会あるたびにそれを
整備して参りたいと
考えております。今度も大体その内容は、
病虫害で松などが枯れておりますが、そういうものの手当、それから
温室の
整備、それから
皇居前におきますと
街路燈、砂利、芝、こういうようなさしあた
つて緊急整備を要します分だけを、そこに掲げたような次第でございます。
それから二番目の
世界保健機関加盟に伴う
経費は、
金額はごく内輪で八百九十二万円でございますが、これは先般
WHOに加盟いたしましたので、それに伴いまして、今後
日本側におきまして
WHO関係のいろいろな
書類を購入してこちらの
資料にする、並びに今度は逆に
日本の
国内報を
向うの方に知らせてやるというようなことが必要にな
つて参ります。それから同時に、
日本の
国内における
伝染病というようなものの
発生状況を、今後定期的に、
発生のあるなしを問わず、
向うに通報するという
義務を負うことに相成
つておりますが、さような
経費が当初
予算に見積られておりませんでしたので、それをここに計上して
要求いたした次第でございます。
三番目は
伝染病予防費、
結核予防費、
癩予防費、
精神衛生事業費補助が必要な
経費として、一括してございますが、以上のものはいずれもいわゆる
義務補助の系統のものでございまして、今
年度の当初
予算に比較いたしまして、
年度内にどれくらいいるであろうかというような見積りを、さらに最近の
資料に徴していたしまして、結局それによ
つて足りない分を一応
補正予算でお願いしておくという
考えでございます。
大体
備考欄に(一)(二)(三)(四)と書いてございますが、まず(一)の
伝染病予防費は三億四千七百十六万四千円ほど
不足しております。これは大体二十六
年度において非常に
発生して参りました例の
赤痢の
関係で、当初
予算におきましては、約四万九千人ほど予定してお
つたのでございますが、その後の
資料に徴しますと、今年はおそらく十一万人を越えるのではないかと思われるような
状況でございますので、差引約六万七、八千人分を、そとに
不足分として
要求せざるを得ないような
状態に立ち至
つたのでございます。
伝染病の
予防は
赤痢対策が
中心でございます。
それから(二)の
結核予防費は一億四千九十二万四千円でございます。
結核対策のうちで、すでにこの春から始ま
つておりますのがいわゆる
健康診断、
予防接種でございまして、最近の物価高のために、ツベルクリンないし
間接撮影あるいはBCGといいますものの
単価が
改正に相なりましたので、
単価増に伴うところの
不足分がこれでございます。それから(三)の
癩予防費の方は一千七十四万四千円
要求にな
つておるのでありまするが、これは、
私立癩療養所におきまして、当初
予算では二百三十ベット予定しておりましたところが、その後それが五十床ほど
増床に相な
つておりまして、二百八十ベットにな
つております。それの
差額につきましてこちらが見なければならないということが
一つでございます。なおもう
一つは、そこに「
特殊治療費」とございますがこれは「
対症治療費」と御訂正ください。これは御承知の
通り癩の
療養所と申しますのは、
一つの
癩患者の
世界でありまして彼らにと
つてはそこ以外には出るところがないわけでございます。そこに住んでおりますれば、単に癩の病気にかかるばかりでなしに、かぜもひきますし、盲腸炎にもなり、
結核にもかかるということが起きて来るわけであります。そういう
方面の
予算がきわめて少くて、最近の
状況ではとてもまかない切れなくな
つておりますので、その
分等を合せまして、そこに一千万円ほど
要求しておる次第でございます。
それから(四)の
精神衛生対策事業費一億三千七百十五万九千円でございますが、これは、
精神衛生法が昨年の国会で
通りまして以来、急激にこの
方面の
対策を強化して参
つたのであります。ところがそれによりまして主として
不足を来しております分は、いわゆる
措置入院という面で、従来は
私宅監置をや
つておりましたが、
私宅監置を許されなくなりましたので、それに伴いまして
措置入院を強化しなければならない、こういう
方面の
不足分と、それから
公立病院におきましても、その実費の
徴収率のわれわれが当初予定しておりました五〇%ほどが、その後実情を調べてみますとなかなかとれないというので、これを一五%に滅らさざるを得なく
なつた。従いまして、その
差額の分だけはやはり公の面でこれを見てやらなければならないというようなこと、並びに
単価が少し
改正になりましたので、さような点で二十六
年度分が
不足して参つたということと、なお二十五
年度分につきまして精算の結果、少し赤字が出ておりますので、その分の
補助と合せまして一億三千七百十五万九千円を計上いたしました次第であります。以上
義務支出の分を合せまして六億三千五百九十九万一千円というものが
要求されておる次第でございます。
四の
検疫所の
運営に必要な
経費一億二千三百万三千円でございますが、これは先般
司令部の方から、
日本におきまするいわゆる
外国船の入る港を広げるようにということでございまして要望は十箇所参
つておるのでございます。これは
大蔵省並びに
関係方面との
話合いも一応つきまして、このうち本
年度は大体五箇所を開き、残りは来
年度さらに検討しようということに相な
つております。港で申しますと、室蘭、釜石、舞鶴、下津、
山口県の
下松の近辺、本
年度は大体この五箇所を開く予定でございます。それを開きますに必要な
維持運営費が一億二千三百万三千円。
五の
国立療養所の
災害復旧に必要な
経費二千六百八十八万九千円、これは昨
年度の
風水害並びに本年春の
風水害によりまして、
国立療養所は、ただでさえよたよたな建物が、さらにまた危険な
状態に陥りましたものがございますので、そのうち四十七箇所を早急に
整備する必要があるというので
要求したのでございます。それの
修繕整備というような
費用がそれでございます。
六の
ララ救援物資の
処理に必要な
経費——ララ物資につきましてまは、本年の六月一ぱいでかわりがございました。と申しますのは、七月以降は
海上運賃を、受けるところの
政府が負担してもらいたいという希望がございまして、これにつきましては、いろいろ問題があると思うのでありますが、受けまする
物資に対しまして
海上運賃の分が約五千四百万円ほど必要なのでございまして、この点につきまして今後見込まれまする分が約三百五十トン余りとい
つておりますが、それの
海上運賃をこちらが負担するために必要な
経費でございます。それが七月以降の三百五十トンの分六千三百二十四万二千円。
七の
児童保護補助金に必要な
経費九億八千七百四十七万八千円。これは前から非常な御激励を
ちようだいしております
児童保護費を、
平衡交付金から
補助金に
引きもどすという問題でございます。前の方のいきさつはすでに御案内のように、いろいろ政治的な観点から、
平衡交付金の増額がむずかしいので、これを
補助金にとりもどさねばならぬ。それがわか
つていながらなかなかできないという現状でございます。今後もし
補正予算において
平衡交付金でもふえますようなことがございますれば、かねての
話合いに基きまして、
下半期分でもとりもどしたいとい、う
意味から、半箇年分をここに計上している次第であります。
八の
引揚者住宅整備に必要な
経費二億九千九百七十七万五千円。これは
引揚者を、例の
集団住宅と申しますか、もとの兵舎その他に応急に入れて今日まで来ておるのでありますが、それが非常に荒れて参
つておりまして、今後の
対策上もおもしろくないというので、昨年来これをなるべく疎開させまして、分散させるという計画を立てておるのでありますが、このたびの
補正予算におきましても、今
年度十五万人帰ると予定しております分が非常に少くなる見込でもございますので、それによりまして浮きました分を何とかしてこちらの方に振り向けてみたいというような
気持で、これを
要求しておるのであります。
その次の
更生資金貸付に必要な
経費三億二千八百四万四千円。これも同じような
性質でございまして、
引揚者並びに未亡人その他
生活困窮者が非常にこれは熱望せられ、また喜ばれておる
性質のものでございますが、それがやはり思うようにこちらの財政が許しませんので、
期待に沿うだけの
金額を計上できないのでありますが、このたびやはり
引揚げ関係の他の
方面が浮くといたしますならば、その一部でもこちらの方へ強化してやりたいという
気持からそこに計上いたした次第で、二十六
年度貸付所要額九億八千八百四万四千円のうちから、すでに見込まれました分を
引きまして、三億二千八百四万円というものを新たに計上いたした次第であります。
以上、大体
補正予算でこれと思われます分を申し上げた次第であります。合せまして二十四億、
あといろいろ小さな雑件が若干ございますが、この方はあるいは
補正にまわらないで流用とかいうようなことで解決するのではないかという
考えもございます。簡単でございますが、一応二十六
年度の
補正予算について申し上げました。