○
田中(織)
委員 その前に、これは本
国会が召集された
憲法五十三条の後段に関する問題でありますが、われわれはこの
国会は、われわれが
憲法五十三条の後段の
規定に
従つて要求した臨時
国会の召集だということを公報によ
つても承知しております。先般の本
国会前の議院
運営委員会においても、その点は
政府の方にもやや不明確な点がありましたけれども、認められたのであります。しかるに昨日吉田
内閣総理大臣のわが党の淺沼
議員の
質問に対する
答弁を伺
つておりますと、われわれの
憲法の
規定によるところの臨時
国会の召集は、今回は全然取上げておらぬ。ただ
内閣が
全権委員任命等の必要だけで臨時
国会を召集したのだということを明快に表明しておるのであります。これは
岡崎官房長官の本
委員会における
答弁とも食い違うばかりでなく、臨時
国会召集に関する
憲法五十三条の蹂躙である。こういう
総理大臣の
答弁に対し、
官房長官にこの一点だけはぜひたださなければならぬということで先ほど
質問継続を希望したのでありますが、これも
動議によ
つて打切られた。これはただ単に現
内閣だけの問題ではなくして、将来の
国会運営上きわめて重要な問題だと思うのであります。現実にわれわれの
要求が出された以上、
政府が次の
国会を召集するまでの間において、これに対する
態度を決定しなければならぬということは
憲法五十三条に明確である。それをわれわれはやられたということを公報でも承知していたのでありますが、
総理大臣がそういうことは全然ないということを明確にするにおいては
憲法無視もはなはだしいと思う。この点は
総理大臣の独断によ
つて憲法を蹂躙したようなことを、私は
議長は默
つて見ておるべきではないと思う。本
委員会としても、この問題ははなはだ重大であると思う。ことに臨時
国会においてはわれわれは内政問題で、今地方財政に関する問題について
緊急質問を
要求したのでありますが、これも多数で
委員会まわしとして保留された。私は内政問題について、いろいろ
政府が補正予算等準備しておるが、この短かい会期の現在の瞬間まで提案に至らなかつたから、臨時
国会召集の目的は次に持ち越したという事実を認めるにやぶさかでないのでありますが、少くとも
憲法五十三条の後段によ
つて四分の一以上の
要求があれば臨時
国会を開くという、
憲法で認めた
国会議員の
要求権を蹂躙した昨日の
総理大臣の
答弁は承服できない。これは特に議論するまでもなく、何らかの形においてこの
憲法の
規定を尊重する明確な—昨日の
答弁の取消しないしは訂正を、私は
議長から当然
総理大臣に
要求すべきだと思う。議論を抜きにして、
議長においてさようにとりはからわれんことを私は求めます。