○片岡文重君
官房長官一つお急ぎのようですからその前に原さんと同じように、私も又吉田首相がお出にならないことは極めて強い不満の意を表明するものです。民主的な
労働組合の育成を念願するというようなことをしばしばおつしや
つておられるのですが、私
どもはそういうお言葉を少しも聞きたいとは思わない、むしろ事実の上に行動の面において現わして頂きたい。で今までの、余談のようですけれ
ども政治家というものは、や
つておることと反対に、どうそれを美しくごまかして行くことができるか。そういうことのできる者が立派な政治家だとして受容れられてお
つたようでありますが、今日の
日本のこの事態においては、そういう古い政治家のタイプではなくして、大臣も、議員も、
労働者も、総理大臣も完全に肚と肚をぶちまけて、私は与党だろうと野党だろうがそんなことにはかまわずに、政治をや
つて行くという態勢に盛りたてて行かなければならんのです。そういうことのできる政治家が本当の政治家であり、今日
日本の
要求しておる政治家だと私は
考える。労働問題について見ましても、いろいろなことが美しく言われておりますけれ
ども、結局は特に先だ
つて官房長官は保守的という言葉には甘んじても、封建的という言葉には
承知できないとおつしや
つた。そのお
考えについては全く私も敬意を表しますけれ
ども、遺憾ながらおやりに
なつておる現
政府のやり方というものは、封建的な一言に尽きるのではないかと私思う。殊に、皇居前であるから
労働者に使わせることができないということは、どんなに言葉を立派にしてや
つてもこれは覆うことができないと思うのです。そこでこういう点を言葉を以てごまかすのではなくして、ごまかすという言葉が若しお気に障るならば、まとめてまるめて行くということではなしに、真実肚と肚をぶちまけて
一つ私たちを納得させ、
労働者を納得させて行くということができるような行動をと
つて頂くように、是非
官房長官から首相にお伝えして頂きたいと思うのです。
その次に、先ほど
労働大臣は
労働関係法規の改廃は現実に即してという言葉を使
つて、これ又極めて巧妙に御
答弁をされたのですが、この現実に即してという言葉の中に包含されている
意味が又極めて微妙なものがあろうと私思うので、
一つ官房長官からお聞きをして置きたいことは、少し事は古いようですが、この国際自由労連の第三回の執行
委員会がブラツセルで開かれましたときに、
日本労働代表から提案された各議題に対して、慎重審議の結果
一つの決議がなされております。その決議のうちの一節に、
労働関係の分野においてICFTUは
日本政府が
労働組合の自由を尊重して、公務員の団体交渉権の上に加えられた現行の制限を撤廃することを
要求する、ということが言われております。先ほど国際勢力を借りて云々というお言葉の中に、これも又含まれるというのであるならば、何をかいわんやですが、少くとも自由にして民主的な
労働組合の世界的な組織であるこの国際自由労連の正式執行機関において、各国の六十何カ国の代表諸君が集
つて討議をされ、且つ
決定をされた。この決議に対して、今後改廃を試みる場合にどういう態度を以て臨まれるのであるか。これを
一つ明確にお聞かせ頂きたいと思う。