○国務
大臣(池田勇人君)
地方財政の
状況は皆さん同じようにお
考えになると思うのでありまするが、なかなかつかみにくいのであります。今の表につきましても、猜疑という言葉が使われましたが、我々は昨年の六、七月頃からこの
地方財政の
実情を知るべく非常な
努力をいたしたのでありまするが、
努力の結果をお出ししても、こん
なつまらん表は
意味をなさんじやないか、こういう非難を受けるような状態であるのであります。
大蔵大臣として十分なる監督権がございません。
資料を出さんと言
つて、ぐずぐずすれば何としても取るわけにいかん、又自分としては昔から
地方財政に携わ
つておりましたので、できるだけの
資料を取り、
大蔵大臣としても公正な判断のできるようにいたしたいという気持は十分持
つておるのでありまするが、何分にも数も多いことでありますし、又非協力的な態度をとられるところもございますし、又協力するのだけれ
ども、都合の悪いところは言わないというところもありますし、なかなか困難なのであります。そこで昔のように、昔の内務
大臣、
大蔵大臣が強い監督権を持
つておるような時代にこれは返すわけに行きませんが、とにかく国も
地方も同じものだというふうな気持で、
一つ協力を得て立派な政治のできるような材料が欲しいと思うのであります。而して今の年末
手当の問題なんかも、国のほうでも、お聞き及びでございましようが、できるだけ
給与をよくする、賞与も出したいというので昨年の四月、年度の始ますときから欠員不補充の原則とか、或いは物件費を五%
節約しろとかいろいろな手を使
つて、我々としては
各省に呼びかけて
節約をして頂いておるのであります。でこの表を御覧になりましてもおわかりのように、この都道
府県幾ら幾ら、こうありましても、六大都市が相当の大
部分を占めております。又東京都の
支給状況なんかも多分御存知だろうと思いまするが、こういう統計ではなかなかわかりにくい、で私は皆さんと一緒にこれならば納得できるような統計が欲しいと思うのでありますが、できないのであります。そこで
既定経費をどこの市町村がどういうところからどれだけや
つてきめたか、或いは又今もありますように、半カ年分の
給与も出せないというふうな市町村はどういうような
財政状態かということがはつきりわかりません。誠に遺憾なことだと思うのでありますが、制度の改廃後日なお浅くて私はこういう結果にな
つておると思うのであります。できるだけ早い機会に十分
資料を整え、国の
財政を把握できるように、
地方財政の皆さんが十分頭に入れられるような方向に持
つて行きたいと
努力いたしておるのであります。いずれにいたしましても、先ほど
西郷委員に申上げましたように、数の多い中でありますからでこぼこの点もありましよう。例えば私は
地方財政にいたしましても、市町村よりも
府県のほうがお困りであろう、こういう
考え、これに対して対策をどうするか、それから市町村の中におきましてもかなりの違いがあると思います。こんなことを申上げてはどうか知らんですが、
昭和二十五年度におきましてもかなり有福な町村もあるのであります。併し非常に苦しい
府県があることは認めざるを得ません。そういう問題を私が十分把握してでないと、ただすぐ
平衡交付金を殖やそうということに行きますと、
平衡交付金の
財源をどこから持
つて来るか、こういう問題があります。外為特別会計の五百億円を減らしたらという話もありますが、貿易の
状況によりましても、まだこれは足らんじやないかという議論もあります。なかなかその点が厄介なのでありますが、国のことに関しましては大体
資料が集
つておりますからはつきりお答えできるのであります。
地方財政のほうにつきましては今申上げましたように、本当に折角
努力して御覧に入れた表でもなかなかわかりにくい、これも私は数回
主計局長名を以て、或いは
大臣名を以てして
府県の市町村に協力を求め、又
大蔵省管下の財務局をどんどん督励して出したのがこういう
資料であるのであります。で
平衡交付金につきましてはできるだけの
努力をいたしまするが、
地方財政自体におきましも、
地方間の問題その他について十分我々検討して行かなければならんし、又
地方のほうといたしましても、こういう
地方財政委員会或いは
地方自治庁、或いは
大蔵省のほうにも御協力を得て、はつきりした
資料を出したいと思うのであります。従いまして御
質問の
既定経費の賄いでや
つて行かれていなというような
お話でございますが、全体として私はや
つて行けると思います。又
小学校の
教職員のかたにつきましても、多分二十四年度は
小学校一
学級一・三五十したかと思いますが、二十五年度は一・五くらいに出したのではないかと
思つております。徐々に私はやはり改善して行かなければならんという気持で進んでおるのであります。