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1951-03-23 第10回国会 参議院 予算委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十三日(金曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員の異動 三月十九日委員若木勝藏君及び大島定 吉君辞任につき、その補欠として森崎 隆君及び古池信三君を議長において指 名した。 三月二十日委員長谷山行毅辞任につ き、その補欠として岡崎真一君を議長 において指名した。 本日委員松定吉辞任につき、その 補欠として木内キヤウ君を議長におい て指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○主査報告 ○小委員長報告 ○小委員長報告の取扱いに関する件   —————————————
  2. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それではこれより予算委員会を開きます。予算委員会分科会審査をやつておりましたが、第一、第二、第三、第四及び地方財政平衡交付金に関する小委員会から報告が出ております。そこで先ず各分科からの報告をお願いいたします。お断わりいたしますが、第一分科主査佐多君は、只今会議で税法に関する討論に加わつておりますので、報告を後廻しにいたしまして、第二分科からお願いすることにいたします。第二分科会主査一松君。
  3. 一松政二

    一松政二君 第二分科会における審査経過並びに結果を御報告いたします。  第二分科会審査を付託されました案件は、昭和二十六年度予算法務府、外務省文部省及び厚生省所管予算であります。本分科会は去る十九日並びに二十日の両日に亘り、各所管大臣及び政府委員より説明を聽取し、質疑を行いました。今その質疑応答の若干について申述べますれば、先ず法務府所管につきましては、特審局を拡充する計画があるかとの質疑に対し、大橋法務総裁より、特審局地方機構等まだ不十分な点はあるが、余り急激に拡張すると以前の特高警察的のものになる虞れがあるので、この上の拡充は目下考えていないとの答弁がありました。  次に、外務省所管につきましては我が国今後の対外関係は特に経済に重点を置く必要があると思うが、この点は外務省の二十六年度予算にどのように具体化されておるかとの質疑に対し、本省政務局通商利益増進保護に必要な経費として四百万円、在外事務所経費として四億九千万円、在外事務所における商品見本展示室運営に必要な経費として五千万円等が計上されておるとの答弁がありました。  次に、文部省所管につきましては、教育財政確立ということについて文部省如何なる具体的意見を持つておるかとの質疑に対し、天野文部大臣より、文教財政審議会というようなものを作つて文教財政確立を図つて行きたいと考えているとの答弁があり、又六三制建築費補助四十三億円では、人口増加に伴う学童の増加、火災による校舎の燒失、建築費値上り等によつて到底所要施設を整備し得ないと思うが、対策をどうするかとの質疑に対して、計画としては六十億円を要するので、四十三億円では不足するが、実際どの程度仕事が本年中に無理なくやれるかという見地から計画を十分に固めて、この予算でやつて行くよりほかはない。又値上りに伴う予算單価の引上げは、二十六年度予算全体としての解決を持つほかはないとの答弁があり、又地方財政窮乏甚だしく、教職員給與改訂も不可能な現状にあるが、この窮状を如何にして打開するつもりであるかとの質疑に対し、給與改訂、殊に級別推定表の実施がまだできていないところが多いのは事実であるが、二十六年度地方財政平衡交付金算定基礎になる基準税率の引上と、地方税自然増収等によつて財政需要額増加に引当てらるべき財源が約四百億見込まれるので、この中から教育費として百五十億程度確保できれば何とか賄つて行けるのではないかとの答弁がありました。  最後に、厚生省所管につきましては、生活保護費国庫から直接補助されているが、児童保護費地方財政平衡交付金に包含されているため、実際上支障が多い。これを是正する考えはないかとの質疑に対し、黒川厚生大臣より、兒童保護費は二十五年度から平衡交付金に吸收されたが、交付金が十分でないため支障が多いので、将来平衡交付金増額するか、又は国庫補助金に改めるか、いずれにしてもこれを確保するよう善処したいとの答弁があり、又今回の税制改正において、生命保險料については二千円の控除が認められているが、社会保險についてはこのような制度がないのは、社会保障見地から不都合ではないかとの質疑に対し、生命保險料控除制度は、主として資本蓄積という見地から創設されたものであり、又社会保險にこれを適用すると三十数億円の減收となるため、遺憾ながら実現を見なかつたが、できるだけ早い機会控除制度が認められるよう、更に努力を続けたいとの答弁がありました。  以上のほかそれぞれの所管につき、各般に亘る広汎な質疑が行われましたが、本予算委員会において論議せられたものも多いと認めまして、それは省略させて頂くことにいたします。かく質疑を終了し、討論及び採決はこれを行わないことに決定いたしました。  以上簡單ではございますが、御報告申上げます。   —————————————
  4. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 次に、第三分科会主査藤野君にお願いいたします。
  5. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 御報告いたします。第三分科会審議を付託せられました件は、昭和二十六年度一般会計予算昭和二十六年度特別会計予算及び昭和二十六年度政府関係機関予算中、農林通商産業建設及び経済安定本部各省所管予算に関するものであります。これら付託されました予算説明は省略させて頂き、直ちに分科会における主なる質疑応答を御報告申上げます。  最初に、農林省所管について申上ぐることにいたします。先ず蚕糸業関係では、朝鮮事変以来糸価高騰は顯著なものがあり、政府もこれが増産を呼称しているが、養蚕農家は将来を考え不安を抱いている、この際糸価高騰事情を述べ、農民をして安心して増産に向わしめる意向はないかとの質問に対し、政府側より、現在の糸価景気朝鮮事変を転機としたものであるが、将来についてはアメリカ側の業者の意向を打診したところ、糸価が安定し、他の繊維品との均衡が保たれるならば、アメリカだけでも月一万俵の消費は確実であるとさえ言われておる実情から推して、生糸の将来性は悲観を要しないと考え蚕糸業自立経済の一環として、既定の五カ年計画を推進せしめる考えであるとの答弁があり、次に、木材の需給関係については、経済自立計画を見ても二十六年度需給バランスはとれていない、統制は必至と考えられるが、政府意向はどうかとの質問に対し、政府としても需給バランスが破れておることは認めるが、その不足材についての対策上しては、民有林野の植林や奥地林に林道を開設する等の開発に努め、新たに生産増加し、又他方消費部面において利用合理化に善処して、成るべく統制はやらないで行きたいとの答弁があり、更に懸案林産試験場善後策についての見通しに対する質問には、見返資金から投貸を予定されるうちから、一部を公企業に振向けてもらうべく折衝を続け、その予算額は二億三千万円程度大蔵省交渉中にて、その見込は明るいとの答弁があり、水産関係以西底曳網整理に伴う犠牲者保護に関する質問に対しては、水産資源枯渇防止法農林大臣が許可したものに対しては救済の方法が考えられるが、その他のものについては困難であるとの答弁がありました。次に、食糧増産目標達成対策秋落対策等質疑に対しては、それぞれ政府具体策答弁され、農業協同組合再建整備及び農業共済組合連合会事業不足金処理等については、目下大蔵省交渉中にて近く決定するとの明るい見通し答弁があり、又公共事業費中にある土地改良等資金は、予算的には幾分増加しても、物価値上り等考えるときは却つて減少しておるではないかとの質問に対しては、資金不足して予定事業遂行ができないとの答弁があり、更に畜産奨励上最も必要であり、又多年の懸案である家畜伝染病予防法改正及び飼料対策についての質問に対しては、家畜伝染病予防法は近く議員提案として提出せられる予定であり、飼料対策については適切なる措置を講じているとの答弁がありました。  次に、通商産業省所管の分について申上げます。先ず二十六年度予算編成以来、最近において新たなる事態が生じていると思うが、その間の事情説明されたいとの質疑に対しては、予算編成以後、経済情勢の急変があり、特に最近世間で論議の的となつている日米経済力の問題が近く現われて来る態勢にある、尤も司令部から正式に何らの通知に接していないが、予想として各方面に急激な変化が展開されるという想定の下に通産省としては調査を進めている。今すぐ予算を変更する考えはないが、近く補正予算を必要とする事態が来るのではないかと思うとの説明があり、又最近の報道によれば、政府側派遣代表団米国に派遣して国際物資割当会議に出席させる模様であるが、その真相について承知したいとの質疑に対しては、未だ司令部から正式に言われたわけではないが政府としてはそういう事態をも考慮に入れ、その想定の下に準備を進めている、若しそのようなことになれば、重要商品国際割当会議に臨むと同時に、日本消費量設備能力等について政府から報告されることとなる。同会議は、これを基礎として割当を決定するものと考えられるとの答弁がありました。次に、地下資源開発に関する質疑に対しては、補正予算のときに考慮する旨、又賠償工場復元工場についての質問に対しては、適当に処理できるよう努力するとそれぞれ答弁があり、中小企業者が組織している企業組合育成強化についての質疑については、育成強化に努めるとの答弁があり、繊維についての質問に対しては、原綿価格上つた生産量は増すから、現在では闇値は(公)の二倍ぐらいであるが、(公)の六割ぐらの値上りで自由に入手できるから消費者利益となるとの答弁があり、日米経済協力に当り、技術協力如何との質問に対しては、日本学術会議技術を交換する考えである。又試験研究工業化することが日本では遅れているではないかとの質問については、工業化試験費を補助して工業化を図つているとの答弁がありました。  第三に、建設省関係について申上げます。二十五年度予算公共事業費には見返資金から支出があり、それを使つてダム建設等が始められたものがある。これらはいずれも継続してやる必要があると思うが、政府はこれをどうする考えがあるかとの質疑に対しては、公共事業費河川改修費から十三億五千万円をダム工事用に廻して、継続して工事を進め、予定通り完了せしむる意向であるとの答弁があり、又住宅問題についての質問に対しては、来年度は四十三億九千万円で二万八千五百戸を建築する予定であるが、物価高のため一割五分くらいは減ずるかも知れない。又従来は十坪くらいの家であつたのを、八坪に引下げて家賃を安くする方針であるとの答弁があり、更に道路問題について国道と県道との区分の根拠、道路資金財源ガソリン税のごときものを設けることの可否、国道経費負担舗装計画見通し等質疑に対してもそれぞれ政府から答弁がなされました。  最後経済安定本部所管について申上げます。予算編成根本方針インフレ防止国民負担軽減であると思うが如何との質疑に対しては、物価上昇のみがインフレとはならない、食糧、肥料、衣料確保が重大であるか、これらについての施策検討中である。又負担軽減資本蓄積についても考慮中であるという答弁がありました。次に生活水準低下の問題に関して国民生活食糧と同様大切な衣料は、近く相当多量に出廻るようになることは結構であるが、その価格輸出価格基準にして売出されるのでは、消費者生活水準低下を免れない、価格を引下げない措置はないかとの質疑に対しては、今までの(公)が少し低すぎたので、原綿手当のコストが上つて来ているのでいたしかたないと考える、政府としては量の確保が大切と思うとの答弁がありました。なお公共企業体独立採算制をとれば、辺境の地帯は取残されることになるが、政府はどう考えているかとの質疑に対しては、ときには政府財政負担をすべきであろうとの答弁がありました。  以上を以て質疑を終了し討論及び採決は行わないことを決定いたしました。右御報告申上げます。   —————————————
  6. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 次は第四分科の、主査櫻内君の報告を求めます。
  7. 櫻内義雄

    櫻内義雄君 第四分科に付託されましたのは運輸、郵政電通及び労働の四省所管昭和二十六年度予算でありますが、内容説明は省略し、分科における審査経過並びに結果を御報告いたします。  分科は十九日及び二十日の二日間に亘つて開きまして、最初に一通り各省ごと説明を聞いたのち、順次質疑に入つたのであります。以下質疑応答の主なるものを申上げます。  先ず労働省所管については、失業対策費中の資材費は五億では少すぎるではないかとの質疑に対し、資材費はこれだけで十分とは思つていないので、不足分はできるだけ起債の枠の拡大に努力して賄いたいということでありました。又失業対策事業には、就業規則をしつかり作つてやらぬと惰民の養成になるが、この点どうなつているかとの質疑に対し就業規則事業主体たる府県市町村作つて監督している、その主なるものを挙げて見ると、労働者を煽動して默つて職場を離れた者には賃金を半分しか拂わない、陳情のため平穏裡に現場を離れる場合には人数を制限して許可する、悪質な煽動者には一週間の就業禁止の処置を取る等であるとの答弁がありました。又基準法違反の問題は全国的に見てどうなつているかとの質疑に対し、昭和二十二年から始めているが、初めは啓蒙宣伝が主で、実質的な仕事としては二十四年と二十五年である、傾向としては形式犯が減り、実質犯がふえているが、全体としては数は減つているとの答弁でありました。  次に電通省所管について申上げます。最近物価上昇が激しいので、予算編成当時の物価と非常に差ができて、予算通り計画遂行は困難と思うが、工事関係で材料の価格予算編成当時より何%上昇しているか、その結果として計画の何%が遂行不能かとの質疑に対し、編成当時より最近は非常に価格上昇して来て、計画が齟齬して来ていることは事実であるから、今後の状況を見きわめて必要により補正予算を要求する考えである、又昭和二十六年度建設工事には前年度又は当該年度で撤去して使用する物品及び前年度値上り前の価格で購入した貯蔵品を使用するので、現在ある二十六年度予算としては、二十五年度予算基準なつた二十四年の單価基準として三〇%の上昇を予想して組んであるので、貯蔵品使用額を含めた旧価格九十一億円は百十八億円となる、又新規購入使用分値上り率は、    〔委員長退席理事平岡市三委員長席に著く〕  二十六年二月現在で平均五四%の上昇であるので、値上りに伴う所要予算総額は百二十六億一千万円となり、差引八億一千万円の不足を来たすが、これに対しては設計の一部変更、節約等によりできるだけ国会提出計画遂行したいという答弁でありました。又給與体系については一般公務員とは別に予算の多少の増減にかかわらず、郵政郵政電通電通に即した現業の給與体系が必要と思うがどうかとの質疑に対し、両省より給與頭打ち等により能率低下していることは事実であるから鋭意関係方面折衝中である、又能率給についても考えている旨の答弁がありましたが、更に委員よりこれに対しては一段と真劍に努力されたいとの要望がなされました。又電話関係施設進駐軍の使つている割合及び事業量はどのくらいかとの質疑に対し、全国の二割見当で、收入四百億円中四十六億円を進駐軍からもらつているとの答弁がありました。  次に郵政省所管について申上げます。郵政事業赤字黒字にできないかとの質疑に対し、郵政事業黒字にするには根本的に考え直す必要がある、はがき一枚であつても山奥まで配達しなければならない事情を見てもわかる通り、又給與も上げねばならん等の事情があつて独立採算努力はするが、独立採算制にせねばならんということははつきりとはいい切れないということでありました。又日曜配達の中止、料金の値上げ等に関する所見を質したのに対し、前者については費用の節約従業員の休養という面から目下検討中であり、後者については只今ところ値上は考えていないということでありました。  次は運輸省所管について申出げます。質疑に入るに先立ち大臣から予算審議の重要時期に病気のため欠席して申訳ない旨の発言がありました。質疑に入つて人員は又だんだんに減る状況にあるように思われるが、それで国鉄の任務が果せるかとの質疑に対し、合理化は人を増さねばならん場合もある、人員整理を目的とした合理化はやらないことを方針としているとの答弁がありましだ。又二十六年度新線建設として三億二千六百万円しか組んでないが、新線建設国鉄文化的使命の上からも是非必要であるのに、ただ独立採算制赤字の出ないようにというような考えでは、いつまでたつても実現されないが、新線建設独立採算及び国鉄予算との関係並びにこれに対する大臣努力はどうかと質したのに対し、大臣は気持においては、あなたと変りはないが、日本においては只今日本国有鉄道法が嚴存しておりこれによつて今動いておるのであるが、どんな山間僻地をも開発して住まねばならんような乏しい資源日本においては、どうしても国民要望に反することが多い、米国のごとく資源豊富な国とは違う、私も政治家としての意見を述べるならば、どんな山間僻地へでも鉄道を引けるように国有鉄道法というものができているのだから、この下で努力して行くべきだと思うという答弁がありました。又日本現状では、外航船腹不足が最大の問題であるから、国際社会復帰も近い今日、国際競争に堪え得るように、潤沢な資金、安い金利、楽な償還期限考え船舶金融の問題を解決してやる必要がある、又定期航路を開くには、航路や運賃の同盟に入らなければならないが、その際における信用等考えて今後十分な準備努力を願いたいと要望したのに対し、貴重な御意見に感謝する、能う限りの努力をする旨の答弁がありました。又国鉄電化の問題で米原、浜松聞及び高崎大宮間の進行状況はどうかとの質疑に対し、高崎大宮間は二十六年度中に完成の予定米原、浜松間は三カ年計画の一部に着手するという答弁がありました。  主なる質疑応答は以上の通りでありますが、このほか種々の重要事項亘つて委員政府側との間に熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、ここには省略いたします。  最後内村委員より総括的意見としては、予算編成の骨格としての物件費計画当時の物価とその後の物価高騰との差が著しいので、各省年間事業計画遂行不可能である、又物価高騰従つて人件費改善をなすべきである、特に各省別要望事項としては  一、運輸省関係 (イ)予算総則第十一條予算流用規定禁止事項削除、同十一條給與総額増額、同十三條の年末手当の項の全文削除 (口)新線建設費増額をなし、財源一般会計からの繰入、公債発行及び借入金によること (ハ)電化設置費増額及び東海道幹線電化費増額 (ニ)予算定員増加 (ホ)輸送要請に対する動力車及び客貨車新造費増額  二、労働省関係 (イ)緊急失業対策農増額 (ロ)労災保險事務費国庫負担  三、電通省関係   電信電話設置需要に対する増加 以上の事項要望事項として述べられました。かく質疑を終局し討論及び採決は行わないことに決定いたした次第であります。以上御報告いたします。   —————————————
  8. 平岡市三

    ○理事(平岡市三君) 次に平衡交付金委員会の小委員長波多野君の御報告をお願いいたします。
  9. 波多野鼎

    波多野鼎君 地方財政平衡交付金に関する小委員会経過並びに結果を御報告いたします。  この予算委員会の決議によりまして設置されました本小委員会は、昨二十二日、池田大蔵大臣天野文部大臣黒川厚生大臣及び青木地方財政委員会委員並びにその他関係政府委員の出席を求めまして、地方財政平衡交付金に関する質疑を行なつたのでありますが、その審議経過を通じて確認されました主要な事項を要約して申上げますと大体次の通りであります。  一、教職員を含む地方公務員給與改善に必要な経費即ち年末手当支給に要する経費給與ベース改訂による増及び教職員給與級別格付基準改訂による増に対する大蔵省査定額は、地方財政委員会勧告額に比しそれぞれ五十億円、十七億円及び九億円の削減となつておりますが、この大蔵省査定額では事業の繰延その他重大な支障なしには手当支給給與改訂もできないのであります。  二、失業対策事業費に伴う地方負担額増加に対する大蔵省査定額は、地方財政委員会勧告額に比し二十四億円の削減になつておりますが、労働省側説明では予定雇用人員十六万七千人の数は減らないが、事業内容は変らざるを得ないということであつて、仮に雇用量変化なしといたしましても、国庫から資材費を補給して失業対策事業質的向上を図るという既定方針は実現できないのであります。  三、厚生施設費補助その他国の施策に伴う地方負担額増加に対する大蔵省査定額は、地方財政委員会勧告額に比し十七億円の削減となつておりますが、このうち厚生省関係のものが十二億円を占めており、黒川厚生大臣国家財政上止むを得ないことを認めつつ同時に平衡交付金増額についても努力しておるとの言明をいたしました。  四、地方財政委員会勧告額が最も大幅に削減されたのは、最初述べました文部省関係経費でありますが、天野文部大臣も又一旦閣議できまつたことはいたし方なしとしながら機会があれば増額方努力をするとのことでありました。  五、平衡交付金に関する地方財政委員会の案は最近における物価騰貴を織込んだものでないことは言うまでもありません。これについて青木地方財政委員会委員総額千二百九億円を認めてもらう必要があるばかりでなく、予算補正の場合には更にその上に物価騰貴に伴う増額を認められなければ、地方財政窮乏は非常は非常なものとなり重大なる結果を来すだろう。勿論地方団体としても更に節約努力する必要ありと思うが、併し独力でこの窮乏を切抜けることは困難だといつております。  六、平衡交付金増額乃至は二十六年度予算補正については、池田大蔵大臣は今後の情勢を十分見きわめる必要があるとし、情勢によつては適当な措置をとる必要があるということは予想されると述べましたが、補正予算に際し、先ず第一に平衡交付金をふやすか、どうかは約束できない、又起債の枠については相当彈力性があるが、これも年度経過を見てからのことで金額等只今は申上げかねるとのことでありました。  七、総じて地方財政に関する資料は各関係官庁とも極めて不備でありまして、正確にして且つ十分な資料を欠き、従つて地方財政の実態を十分に把握していないのであります。査定に当つた大蔵大臣自身地方財政に関する資料不足とその收集の困難さを訴えていたような次第でありますが、而も昭和二十五年度の年末手当支給状況を木完全ながら調べていたのは大蔵省のみであつて地方財政委員会文部省もなんらわかつていなかつたのであります。又厚生省労働省においても資料を整備し実情を十分に認識しておるものとは到底見受けられなかつたのであります。  八、なお審議の途中におきまして、文部委員長より同委員会を代表して本小委員会に対し、地方財政平衡交付金増額方につき適当な措置をとられたく強く要望するとの申入がありました。  以上が審議を通じて明らかになつた事実の大要でありますが、これらの事案に立脚して本小委員会は次のごとき結論に到達したのであります。即ち  一、昭和二十六年度地方財政平衡交付金総額については、地方財政委員会勧告額千二百九億七千五百万円を妥当と認める。  二、これはもとより最善のものではないが差当り必要な最小限度の額であつて、内閣決定額に対しては百九億七千五百万円を増額することが必要である。  三、なかんずく年末手当支給に要する経費給與ベース改訂による増及び教職員給與の級別格付規準改訂による増等については、特に地方財政委員会勧告額を下らない増額が必要で、大蔵省査定は不当である。  四、地方債の増額地方財政委員会の勧告通り二百七十五億円とすべきである。  こういう結論に到達したのであります。以上御報告申上げます。   —————————————
  10. 一松政二

    一松政二君 私は小委員の一人でありまして、いささか意見を異にしておりまするから、本委員会において私は小委員会の(「議事進行」と呼ぶ者あり)討論をいたしたいと思います
  11. 平岡市三

    ○理事(平岡市三君) ちよつと待つて下さい。発言中ですから(「発言をしていないじやないか」「済んだじやないか」と呼ぶものあり)
  12. 内村清次

    ○内村清次君 発言中ですけれども、議事進行……。
  13. 平岡市三

    ○理事(平岡市三君) ちよつとお待ち下さい。まだ第一分科会主査報告が済んでおりませんから、その後に一つお願いいたしたいと思います。第一分科会主査報告を副主査の山本君にお願いいたします。
  14. 山本米治

    ○山本米治君 予算委員会第一分科会に付議せられました案件は、昭和二十六年度一般会計予算特別会計予算政府関係機関予算中、皇室所管、国会所管、裁判所所管、会計検査院所管、内閣所管、総理府所管大蔵省所管及び他分科所管事項に属するものであります。    〔理事平岡市三君退席、委員長着席〕  これら付託せられました予算説明は省略さして頂きまして、直ちに分科会における審議経過を御報告いたします。  本分科会は去る十九、二十の両日に亘り各関係当局よりその所管予算説明を聞き、これに対し委員側より宮廷費中の皇室文化財の維持管理に必要な経費の使途内容、戰災によつて失われたる裁判所庁舎の復旧状況、会計検査院の検査計画方針内容、専売輸入塩の輸入状況、内地製塩の補助政策、新規計画中の開発銀行の性格、機能構成、警察予備隊経費の支出内容、非現業員共済組合の赤字内容、外国為替資金特別会計の見通し、その他重要事項について質疑があり、これに対し各関係当局より懇切なる答弁がありました。  かくして質疑を打切つたのでありますが、討論採決は本分科会所管地方財政委員会所属の平衡交付金について特に設けられました小委員会審議も終了しないことでありますので、これを行わざることといたしまして、二十日午後五時本分科会を閉じたのであります。右御報告申上げます。
  15. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 別に御発言もなければ暫く休憩いたします。    午前十一時二十五分休憩    —————・—————     午前十一時三十九分開会
  16. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それでは休憩前に引続いて予算委員会を再開いたします。
  17. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 先ほど地方財政平衡交付金に関する小委員長の本予算委員会報告された報告は、小委員会で満場一致決定報告されたものでありますので、本予算委員会で採択されることの動議を提出いたします。
  18. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 只今矢嶋委員から、地方財政平衡交付金に関する小委員会報告を本委員会で採択するという動議が出ております。御意見のおありのかたはどうぞ。
  19. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 この動議につきましては、この委員会においてちよつと決議をするという……我々のほうの会派の出席も少なく、いずれこれは非常に予算全般に対する大きな問題でありますから、会派の意見もまだまとめておりませんので、この動議の決定は一つ即時行わないことにして頂きたいと思います。
  20. 内村清次

    ○内村清次君 今動議提出者の矢嶋君の発言の中におきましては、この小委員会におきましては満場一致でこの問題は決議されたということを報告されておるようであります。この小委員会の性格といたしましては、すでに各党からいわゆる委員会の承認をも求め、同時に又理事会の運用承認をも求めて委員が提出されておるのでありまして、その委員が而も満場一致で決定したということに相成りましたならば、これは当然委員会の性格といたしましても、小委員会の満場一致を尊重いたしまして、採決によらずとも当然委員会においてこれは承認さるべき性格のものではなかろうかと私は思いまして、これを更に又会派に諮つて態度を表明するというがごときことはどうかと私は考えまするが、この点につきまして、委員長におきましても、他の委員のかたがたに性格につきましての御意見を一つ聞いて頂きたいと思います。
  21. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今内村君の御意見でありまするが、私もこれに対して先ほどから小委員長報告を聞いたばかりです。少しも会派のほうに紹介も何にもしておりません。それで我々もまあここへ来ておるこの場合において、咄嗟にこれを決定するということは穏やかでないと思います。これは我々会派の従来からの伝統でありますから、それでも予算委員会そのものと又小委員との関係のことは今内村さんのおつしやつた通りでありますが、(「違う違う」と呼ぶ者あり)それぞれの会派の意見をまとめて決定するということが慣例になつておりますから、只今即決するということだけは避けて頂きたい。
  22. 一松政二

    一松政二君 私は小委員の一人といたしまして、先ほど小委員長の御報告がありましたが、具体的数字を挙げて、ああいう結論の報告をするということに対して決をとつていないと思います。ただ一応話合はありましたけれども、それを採決するがごときことを私小委員として、私がいない間に若しやつたとすれば、私はそれに対して全会一致という……私のいない場合における全会一致であつて、私がいた場合においては私はああいう具体的なここの報告に対しては、その採決をしてはいないと思います。でありますから、その全会一致という言葉に対しましては、或いはそういう議論に対しましては、私は異議を差挾みたいと思います。私は元来この予算委員会における議論を聞いても、小委員会における議論を聞いても、私は常に一種の不満をも感じております。私は国民の一人として、又参議院議員として、政府に対する要望ということは、私は議院の本質から考えて、むしろ政府に我々はもつと高所大所からものを、むしろ議院としてもう少し高い立場から議論をされたいと常々に考えております。平衡交付金の問題にいたしましても、私は地方財政が果してそれだけ節約節約を重ね、極く合理的にやつて果して足らないかどうか、無駄はないか、私は大いに疑問なきを得ないのです。各都道府県から殆んど東京に事務所を設ける……。
  23. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 内容に入らないで下さい。その扱い方について動議が出ておるのですから。その内容には入らないで下さい。
  24. 一松政二

    一松政二君 それでは内容のことは一応留保いたして置きます。私は今のごとき若しそれが全会一致であるというならば、私はその報告内容を整えて、そうしてそれをお諮り願いたかりたわけであります。でありますから、私が出席しておる限りにおいては私はその御報告を満場一致とは考えません。私がいないときにそういうことが行われてあるとすれば、私はそれに対しては責任を持つわけに参りません。
  25. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) ちよつと委員長から説明いたします。この小委員長報告につきましては、昨日小委員会散会後、小委員が集りまして、どういう内容報告をするかということを打合せたのであります。そうして大体の話がきまりましたので、それではその趣旨の報告書を作成して本日の午前九時五十分から小委員会を再会して、その小委員会においてその報告書の草案の承認を求める、然るのちにこの委員会報告するということにきめておつた。そこで今日九時五十分に来ておりましたが、まだそのときには定足数が足り喜んで、だんだん待つておりまして、丁度十時二分過ぎだつたと記憶しておりますが、二分過ぎぐらいに小委員会をここで開きまして、先ほど私が報告したものを小委員会で読み上げまして、小委員会の各位の御意見を伺つたのでありますが、どなたも御異議なかつたものですから、それで委員会にまあ報告したわけなんです。いわゆる決をとつたとかいうことはありません。併しどなたも御異議がなかつたということは事実であります。
  26. 一松政二

    一松政二君 私が差支えのためにその小委員会に出ていないために、私はこれを知ることができなかつたのであります。従つて、その出席のかたがたの中には皆さん御一致であつたでしようが、私が若し出席しておりましたならば、それには、そこまでの具体的数字を挙げての報告には私は賛成しかねると考えておつた一人であります。従つてその委員会の全会一致の中には自由党の代表者は一人もいなかつたということをお認め頂きたいと思います。    〔岩間正男君発言の許可を求む〕
  27. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) ちよつと待つて下さい。私から説明します。先ほど十時二分過ぎと申しましたが、事務からの注意で、十時八分から十時十六分、この間に私は小委員会報告の承認を求めたのです。そのときの出席者は自由党からは安井君が出ておりました。安井君、佐多君、西郷君、菊田君、矢嶋君、岩間君、それと私とそれだけ出ておりました。では岩間君。
  28. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ、それで問題は明快になつたので、御報告申上げる必要はないと思いますが、形式的に申しましたならば、小委員会の決定が本委員会で変り得ることもあり得る。併し私たちは問題にしたいのは政治道徳の問題であります。お互いが責任を持つて、そうして昨日のごときは朝の十時から夜の六時半に至るまで討論し、その間に懇談を重ね、そうして今日報告された報告書の内容を見ますというと、殆んど昨日決定された線で網羅されておりまして、何らそこから逸脱していない。こういう点は確認は先ほどの報告によつて私らはむしろ立派にできておると、こういうふうに感じた次第であります。従つて責任ある参加をされた小委員のかたが満場一致を以て決定され、而も今委員長から報告され、正式な手続によつてこれが成立しておる。それが又本委員会におきまして大きな問題になつて来るということは、私は形式上の問題よりも政治道徳の問題であると思うのでありますが、この点これは当然小委員会の決定は内村委員が話された通りこれは尊重さるべきものである。そうして当然そういう意味では満場一致を以て可決されるべき性格のものであるということを私は申上げたいと思います。    〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
  29. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 只今この小委員会できまつたことの取扱についていろいろ論議されておりますが、これは私徒らに時間を取るばかりであつて只今事務局のほうから聞きますと、委員会の性質上そこに出ておる人が一致すれば、それを全会一致と認めるのは委員会の通則なんです。ですから出ておらないということは、これは一つの棄権したものと認められる。我々大蔵委員会でもしばしば自分は反対であるけれども、自分は出ていなかつたけれども、全会一致できまりますと、俺は出ていなかつた、私は反対であつたというようなことは言いません。それはやはり自分が出席できなかつたことは自分の責任であつて、従つてそれは出られなかつたかたが責任をおとりになることであつて、それをここの委員会においてどうこうと言われることは筋違いであると思うのです。事の性質は明らかでありますので、こういうことについて徒らに論議されるということは、いろいろ委員会の運用上非常に支障を来たすと思うのです。明らかなことは明らかなことといたしまして、そうして議事を進めて頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  30. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 動議提出者として再び発言いたします。昨日の小委員会並びに本日の小委員長報告は何ら手続に手落ちがないということは、速記を御覽になればはつきりしておる点であります。従つて委員長報告を本委員会が採択するかどうかということが問題でありまして、すでに定足数もあることであります。採択の件についての決定を本予算委員会において取上げられますよう、改めて私は主張いたす次第であります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  31. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 矢嶋君の動議に御異議ございませんですね    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 それは先ほど申しました通り、これを認める認めんというのじやない。これは小委員報告を我々はこの座で聞いただけです。一応これを会派へ報告してこれを認めるかどうか、会派の意見を聞いた上できめてくれと、こう申すのです。然るに無理にこの場で即決するということは我々は今まで予算の問題に対する取扱の異例であるから反対する。これに賛成するものでありません。
  33. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 自由党のかたの発言も一応はわかりますけれども、予算委員会経過のスケジユールはちやんとプリントにして配付されております。今日は分科会並びに小委員会報告ということになつておりまするから、それを如何予算委員会が処理するかということは当然予想されるところでありまして、これまでの予算委員会の決定というものを自由党の代表のかたから自由党に対しても報告さるべきである。そして今朝その態度を決定してここにおいでになるのが正道ではないか。こういうことを私は考えるのでありますが、これに対して自由党はどういうふうにお考えでございましようか。
  34. 伊達源一郎

    ○伊達源一郎君 ちよつとお尋ねしますが、今の会議の形式の進行方でありますが、この小委員会の決議をこの委員会で採択するかどうかという段階に入つておるのですか。
  35. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) そうです。その問題です。
  36. 伊達源一郎

    ○伊達源一郎君 そうであるとしますれば、私はそれに反対であるということを特に表明するわけじやありませんけれども、詳しくまだその小委員会報告なるものの数字を検討しておりませんが、ちよつとあれを読まれたのを聞いて感じたところでは、結局予算に修正を加えなければならんということになると思いますので、そこまでになると事が少し重大でありますから、軽軽に賛否を決することができないから、私も緑風会の会議を開いてそれをどう決定するかということにしたいのでありまして、その余裕を頂きたいのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  37. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 只今の伊達君の御発言でありますが、結論をもう一遍申上げますと、こういうことになつております。小委員会の結論でありますが、四点に分れておりまして、第一点は昭和二十六年度地方財政平衡交付金総額については、地方財政委員会勧告額千二百九億七千五百万円を妥当と認める。第二、これはもとより最善のものではないが、差当り必要な最小限度の額であつて内閣決定額に対しては、百九億七千五百万円を増額することが必要である。平衡交付金増額なんです。第三、なかんずく年末手当支給に要する経費給與ベース改訂による増及び教職員給與級別格付基準改訂による増等については、特に地方財政委員会勧告額を下らない増額が必要で、大蔵省査定は不当である。第四、地方債の増額地方財政委員会の勧告通り二百七十五億円とすべきである。この四点が小委員会の結論として出ております。この結論から申しまして、今伊達委員から言われた平衡交付金増額ということがありますので、予算に対する一つの修正案でありますという意味は含んでおります。
  38. 小野義夫

    ○小野義夫君 そういうことになりますというと、この委員会がこれを承認するかどうかということは、予算の修正を意味する予算委員会としますと、仮に本日そういうものを御採択になるということは少し早計ではないかと考えます。従いましてそういう重大問題をきめるならば、成るべく各委員の出席を促して、明日でもやつて遅くないと思います。従いまして、今そういう問題をこれは小委員会報告をそのままこの予算委員会で承認するということは穏かでないのじやないかと思います。つきましては、今休憩に入りまして、理事のかたがたがよく御懇談して、本日やつてしまうということであれば又これは考えなければならんと思いますが……。
  39. 内村清次

    ○内村清次君 今の御発言の中には非常に矛盾した点があるようでありまして、大体この小委員会を作つた目的は、やはりこの予算検討いたしまして、各分科的な責任あるところの各省の予算検討するばかりでなくして、予算の中で特に大事であるところの平衡交付金の問題、こういう問題をこの小委員会を以てそうして而もこれを能率的に運用してよく検討して頂く、そのためには各派がいわゆる了解の上におきまして、その代表的な委員がそこに参加をしておるというようなことにおきましての先ほどの小委員長報告がなされたわけであります。報告もやはり委員会に対する当然なる義務である。それで報告されたのだと思います。その正式な報告に対しまして、委員会は何もこれを承認するかしないか、そういうようなことまでも考えなくてよろしい、その問題についてはただ小委員会を設けてそこで結論を付けさえすればよろしい、而も及そういうような重大な決定は今日きめるのはおかしいじやないかというような、こういうような論議というものは、私はこの重大な時期におきましての、特に又一日も二日も熱心に御討議せられたところの小委員会を作られた意味を全く沒却したところの御発言であると私は断定せざるを得ない。而も又これは国民が、この平衡交付金につきましてはやはり地方自治体といたしましても非常な要望を持つて地方財政委員会の勧告を要望いたしておる現段階におきましては、当然委員会としてはそれを承認するか、私は先ほど申上げましたように、いわゆる委員会の性格として、小委員会の又性格としても、当然にこれを承認するということを、これを円滑にすべきであるという結論を持つておるのでありまするが、その採決の時期につきましては、承認の時期につきましては、或いはここにおきましてはどうも委員の出席が不足であるからして、まあ暫く一つ待つてもらつてはどうかというような、ただそういうお考えの発言ならば了承するのでありますが、どうも小委員会の結論をそのまましつぱなしにして置けというような意味を言外に含んだ御発言につきましては、私は全く国民要望を無視したところの態度であると思わざるを得ないのであります。
  40. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今の内村君の御趣旨は至極この問題に対する御意見としては私ども傾聽いたします。私どもはこの内容についてどうこうというのではないので、ただかように小委員会報告を聞いたばかりで、我々の委員のものが直接これを即決するということはいかん。これは相当の手続をして、これは重大な問題なんで、これは平衡交付金増額するか、このまま認めるかということになると、委員会でこの小委員会報告を認めて行けば、勢い修正案を提出して行くというように順序上なつて行く重大な問題でありますから、我々会派へ諮つて、会派の意見を皆まとめた上でしてくれというので、決してこれを引つこめろというのではなくして、ただ私は結論の即決の時期が適当でない、かように言う次第であります。
  41. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 先ほど今朝小委員会でこの草案が認められました直後に、この全文をガリ版にして予算委員、それから地方行政委員、それから文部委員ですか、それらのかたに配付するという手続をとつたんですが、ところがまだガリ版ができておりません。そういうような次第でありますので、この取扱につきまして一応理事会にお任せ願えないでしようか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  42. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 理事会にお任せ願うことにしまして、本日はこれで散会いたします。    午後零時五分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            石坂 豊一君            平岡 市三君            佐多 忠隆君            伊達源一郎君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員            小野 義夫君            古池 信三君            白波瀬米吉君            野田 卯一君            一松 政二君            安井  謙君            山本 米治君            岩崎正三郎君            内村 清次君            下條 恭兵君            山田 節男君            高良 とみ君            西郷吉之助君            新谷寅三郎君            竹下 豐次君            菊田 七平君            木内キヤウ君            深川タマヱ君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君