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政府委員(近藤止文君) 纖維に関しまして通産省として今後とりたいと思
つております方針、これを纖維の主な品目につきましての需給
関係を御
説明申上げまして、併せて将来の方針を申上げたいと存じます。
纎維につきましては、終戰後非常に一時
生産が落ちてお
つたのでございますが、一昨年の後半期以降逐次急激に
生産が
増加いたして参りまして、特に纖維は
輸入原料に待つものが非常に多いのでございますが、その後
原料の
輸入も
相当順調にな
つて参りまして、本
年度におきましては、終戰後第一の
生産を上げるものと予想されております。従いまして統制
関係につきましても経戰後におきましては、殆んど全般の纖維につきまして
相当嚴格な
生産配給の統制を続けて参
つたのでございますが、一昨年の六月以降逐次統制を解除いたしまして、現在は綿につきましての部分的な統制が残されておるだけでございまして、他の纖維につきましては全く統制のない自由な状態にな
つておるのでございます。
最初に、主な纖維の需給
関係につきまして概略御
説明を申上げます。
第一に纖維の中心をなしております綿でございますが、この綿の本
年度の需給の予想につきまして概略御
説明を申し上げまして、それからこれに伴いまして今後綿の統制の問題をどういうように持
つて行くかということにつきまして、通産省の
考えておりますところを御
説明申上げます。綿は終戰後におきまして非常に欠乏いたしてお
つたのでございますが、一昨年から逐次
アメリカの
援助によりまして綿花の
輸入が
増加いたして参りまして、昨年本年と
相当大幅に
原料の
輸入が増大いたしております。同時に紡績の
設備につきましても、昨年四百万錘の枠が撤廃されまして、現在約四百五十万錘の錘数にまで
増加いたしておりますが、
設備的にも
相当増産の可能な
程度に達しておるわけであります。需給
関係を概略申上げますと、
原綿につきまして昨年の十二月末現在におきまして
国内で手持いたしております在庫量は四十二万八千俵でございます。このうち三十一万二千俵という数字が
アメリカの綿でございまして、そのほかにメキシコ、パキスタン、インド、そういつた地区の綿が入
つております。この四十二万八千俵を以ちまして昨年の暮に本年に持ち越したわけでありますが、それでは本年どのくらいに綿花の
輸入が予想されるかと申しますと、昨年のうちにすでに
買付の
契約をいたしまして、そして本年に入りましてから入
つて参りますもの、これがかなりの量に
上つておりまして、米綿につきましては三月までに三十万二千俵、四月から六月の間に十八万三千俵の入荷が予定されておりまして、四十八万五千俵、パキスタンの綿が十四万七千俵、これは七月以降に多少かかりますが、七月中ぐらいに全部入荷完了の
見込でございます。それからメキシコの綿が十六万五千俵、これも七月に三千俵持ち越されますが、七月中には入荷する
見込でございます。そのほかにエジプト或いはインドのベンゴール、それからトルコ、ウガンダ、そういつた地区の綿花、それからブラジルの綿がございますが、これが十八万九千俵という数字になりまして、九十八万六千俵という数字が現有
買付が済んでおりまして、一月以降に逐次入
つて参るものでございます。そのほかに新たに入
つて参ります数字が一月—三月で米綿につきましては十七万俵の割当がございましたが、そのほかに多少四月以降の割当を予想できますのと、それからもう
一つ、すでに
契約が完了いたしておるのでございますが、
輸出許可書がまだ発行されませんので残
つております分の十一万六千俵、こういうものが依然としてございますので、そういつた数字を合計いたしまして、それにこの八月に
アメリカの新編が出廻るのでございますが、その新綿が本年中に
日本に到着し得るもり、これを最低限度二十二万俵と
見込みますと、百九十六万四千俵という数字が出て参るのでございます。この百九十六万四千俵という数字は、
只今までの
既契約の分と、もう
一つアメリカの新綿が一体どのくらい来るかという
見込の分が入
つておるのでございますが、昨年の
アメリカの新綿が昨年中に入りました数字は四十四万俵でございまして、この計算では二十二万俵つまり半数を
見込んでおりますので、大体百九十六万四千俵という年間の数字はほぼ確実なものと見てよろしいと
考えるのでございます。この場合に
国内の綿製品の需給
関係がどうなるかという問題でございますが、これは
輸出にどれだけのものを充てるかということが第一の要件でございます。現在
相当輸出契約が進捗いたしておりまして、昨年以上に今年は綿製品の
輸出が伸びるものと
考えられますが、それを一応
綿布が十四億ヤール
程度出るという計算にいたしまして、百五万七千俵というものが
輸出に向けられるべき綿花の量というものに一応想定いたしますと、その残りといたしまして六十三万俵の綿花が
国内向けのものとして充てられまして、そしてなお二十一万七千俵の持ち越しを以ちまして翌年に繰越されるということになるのであります。この六十三万俵という数字は大体平均いたしまして月に五万二、三千俵の数字になるのでございますが、一月二月が比較的
生産の上昇が遅れておりまして、三月から四月以降にかけまして急速に
増加することになりますので、四月以降におきましては大体毎月
国内向けといたしまして五万五千梱ぐらいの数字を予定することができるのでございます。こういうことで、綿につきましての
原料の手当は極めて順調に進捗いたしておりまして、なお同時に、この輸送の問題でございますが、綿或いは羊毛につきましてもそうでございますが、これは鉄鉱石、石炭等の輸送と違いまして、非常に
値段の高い品物をきまつたベールによりまして輸送するということから、船を獲得することが比較的容易でありまして、この一月二月に入荷いたしました綿花も、毎月二十万俵を下らない数字にな
つておりますので、輸送の問題でこれらのものが入荷できないということはないと
考えるのでございますが、将来相場の変動等が……
アメリカの新綿がどの
程度できるかということによりまして、今年の下半期におきましての綿花の
価格の変動が
相当あると思われます。その場合にすでに約了いたしましたものが無事に来るかどうかということが唯一の問題でございますが、
只今の
見通しではこの
程度の数字はほぼ確実に入
つて来るのじやないかというように
考えておるのでございます。そこでこういつた
見通しの下に、綿につきまして今後統制の問題がどういうふうに持
つて行かれるかという点でございますが、現在綿につきましては
輸出向は全く自由にな
つておるのでございますが、
国内向のものにつきまして綿糸につきましての配給統制と
綿布の一部分、つまり
綿布で
生産資材に充てられますものにつきまして配給統制が行われておるのでございます。
一般の
消費者を対象といたします
衣料切符制度或いはその小売までの段階に持
つて参ります製造、卸、小売という段階規制、こういうものは現在停止にな
つておりまして、昨年の四月以降約一年間眠
つておる形にな
つておるのでございますが、
只今申上げましたような綿の需給
関係から申しますと、この統制の問題につきましても、もう少し簡素と申しますか、場合によりましては
相当大幅に統制を排除して行けるじやないかという
見通しがあるのでございますが、この点は
只今申上げましたような
生産計画で参りますと、三月四月以降に増産されますので、そういつた増産されます時期を対象にいたしまして統制の方式の変更の問題を検討いたしておるわけでありまして、
只今経済安定本部のほうにおきまして案を練
つておりますが、最後的にどうするというところまで決定をしておりません。
なお、綿の
価格の問題でございますが、これは
国内向の綿製品の
価格につきましては、
国内向に充てられます綿の
原料は従来全部
政府の手持の綿でございまして、いろいろ
買付けの
値段はまちまちでございますが拂下をいたしますときにはこれを
一般のプール
価格にいたしまして出しておつたわけであります。従いましてその拂下
価格を基準にいたしまして、
原価計算式の積上げのマル公を設定いたしておるのでございますが、これが実は三月の末になりますと、
政府の手持の綿花が全然なくなりまして、それ以降におきましては民間の業者が
買付けました綿花を以ちまして
国内用の綿を
確保するということになるのでございます。この場合におきましてそれぞれの業者の
買付けました
原綿の
価格は非常にまちまちでございまして、四十セント
程度のものもございますし、高いのは七十セントを超えるようなものもあるわけでございます。
原価計算的なことをきめて参りますことは非常に困難でございます。然らばこれをマル公を外すかどうかという問題でございますが、この点は綿の
国内の需給
関係がやはり
相当程度緩和されまして
余り極端な窮屈さがないということになりませんと、非常に問題でございます。現在
物価庁におきましていろいろ作業をいたしておりますが、結局従来や
つておりますような
原価計算式な算定はむずかしいことになると思いますので、結綿といたしましては綿製品の
輸出の
価格というものが基準になると思うのでございますが、それを具体的にどういう線で引き、どういう形の
価格をきめるかということにつきましては、目下
物価庁で案をこしらえております。最後的の結論には達しておりませんが、今月の半ば頃にはその点につきましての方式がきまることになると存じております。いずれにいたしましても、若し今年の
アメリカの新綿の
生産が予想されますように千六百万俵というようなことになりまして、そうして
国内におきましての紡績の
生産の
増加が
計画通りに参りますならば、この秋におきましては大体綿糸の
生産が月に十六万梱ぐらいに上る予定でございまして、そうなりますと、
輸出に
相当量出しましても、
国内にかなり潤沢な供給、戰前の約六割
程度の供給が
確保されるという形になると存ずるわけであります。
それから次に羊毛の
関係につきまして、概略御
説明を申上げますと、羊毛は御
承知のように昨年の一月に全部統制を撤廃いたしました。現在残
つておりますのは、アルゼンチンとオーストラリアから
買付けます場合の為替資金の割当が残
つておるだけであります。あと
生産、配給
価格につきまして一切統制がございません。羊毛の本年の
計画を申上げますと、昨年の、二十五年の末におきまして持越しました羊毛の
数量は六万八千俵でございます。この六万八千俵に、今後どれだけのものが入
つて参るかという数字でございますが、これは昨年中に外貨の割当を受けまして
買付けをいたしたもので、一月以降に入
つて参ります予想のものが十四万六千九百三十俵、それから一—三月の為替によりまして
買付けをいたしておりますのが十九万八千四百八十俵、四—六月で一応確定いたしました数学が一万五千俵で、合計いたしますと三十六万四百十俵という数字になるのでございます。これに羊毛が御
承知のように八月からオーストラリアにおきましてオークシヨンが始まりまして、新らしい羊毛の売出しがあるわけでありますが、それを内輪に見まして、年内に十万俵
買付けると計算いたしますと、四十六万俵という数字が出て参るわけであります。大体本
年度の羊毛の
消費の予定は三万二千五百俵を毎月使
つて行くという計算でございますので、この四十六万俵という数字がございますと、大体或る
程度特殊の
需要が出て参りましても年末におきまして二月分の持越しの手持ができるという計算になるのでございまして、これは昨年一ヵ年間に使いました羊毛の数字が三十一万五千俵という数字にな
つておりますが、これに比べますと大体三割五分
程度の、数子としては増産の割合になる
見込であります。この原毛の
買付けにつきましても現在大体もう
買付けが済んでおりまして、あとはオーストラリアからこちらに運んで参ります輸送の問題が一月頃には
相当に困難であ
つたのでございますが、その後非常に好転いたしまして、二月には六が俵の
輸入を一ヵ月間にするというようなところにな
つて参りました。現在のところでは輸送の困難ということは殆んどないのでございます。この
計画で参りまして一体羊毛がどのくらいできるかという数字でございますけれ
ども、これはいろいろ混紡の割合なり、或いは梳毛と紡毛の工合によりましても数字が違うのでございますが、概略申上げまして一億ポンドの
生産が本
年度は
見込み得るのでございます。この数字は本年の数字と比べて見ますと、約三割の
増加ということになるのでございまして、大体
増加いたします割合は二割五分の比率で現在は殖えるのでございます。その混紛の割合が昨年よりは今年が一層、毛が余計使われるという
見込でございますので、大体数字としての
増加は三割ということでございます。その
程度の
増加を
見込んでおるわけであります。この羊毛の点につきまして、将来統制の問題なり、或いはその他特別の
需要の問題なりはどういうことになるかという点でございますが、この
程度の
買付を
確保してございますと、大体非常に不確実な新毛の
買付の数字を除きましても、本年の十一月末まで工場におきましては操業するに差支えないことになるのでございまして、新毛は不確実とは申せ、幾らかの数字は必ず入るのでございますので、そういつた点からは先ず
生産の落ちる虞れもございませんし、それから又いわゆる特需の
関係或いは警察予備隊等の
需要でございますが、これは
相当多量に
見込みましても大体二万俵から三万俵
程度でございますので、そういうものを優先
確保する措置を場合によりましてはとらなければならんと思いますけれ
ども、大体におきましてそれらの
需要も現在におきまして割合に順調に調弁されておりますので、特に羊毛の問題につきまして今後統制を強化するというような問題は起らないと思うのであります。ただ問題は、大変に濠州の原毛の
価格が
値上りいたしておりまして、昨年の一月に比べますと現在二倍半から、品種によりましては三倍くらいの
値上りにな
つているのでありまして、この点でやはり
国内における毛製品の
価格が最近も
相当著しく騰貴いたしているのでございます。ただ現在の
国内価格は大体これらの
値上りを
相当程度すでに織込み済でございまして、
一般国民の購買力の
問題等と
考え合せますと、もう今後におきましてはそう大きな
値上りというものは期待できませんし、又大体現在の市場
価格によりまして、
値上りした原毛の
価格が
相当部分、大体八割
程度は織込み済であるというように
考えられるわけでございます。
それから次に、化学纖維
関係につままして概略御
説明を申上げます。人絹スフの
関係につきましては終戰当時は
生産が非常に少か
つたのでございまして、僅かに二千五、六百万ポンドの
生産が年間にあつた
程度でございます。昨年におきましてはその
生産が二億五千二百万ポンドに
上つております。本年におきましてはこの数字が大体三億九千万ポンドの線まで上り得ると予想いたしているのでありまして、そうなりますと昨年の供給に比べまして大体五割増の数字になるのでございます。この化学纖維を
生産いたします場合の従来の大きな隘路は、人絹パルプが非常に
輸入しにくいという点もあ
つたのでございますが、これは現在におきましては国産人絹パルプが
相当急速に増産いたしまして、本年は人絹パルプの
需要量を大体二十万五千トンと見ているのでございますが、このうち十四万五千トン
程度は国産の人絹パルプで賄いまして、
輸入のほうを六万トンくらいのところで行こうという
計画に一応な
つているのであります。これは実は
輸入の人絹パルプの手当につきましては長期の為替資金をもら
つて、長い期間、一年間を通じまして改革をするということに現在な
つているのでございますが、この制度が認められましたのが非常に遅くなりまして結局
買付をする時期を失しまして、現在カナダ、
アメリカ、ノルウエー、スエーデン、こういつた人絹パルプの
生産国におきまして売り意欲が非常に欠乏いたしておりまして、なかなか入手しにくい。最近に至りまして又幾らかずつ又新らしい約定があるのでございますが、予想いたしましたような八万五千トンの
輸入というようなことはかなり困難があると思われるのでありまして、現在一応六万トン以内という
程度で線を引きまして、それ以外の分は国産の人絹パルプで賄
つて行きたい、かように存じているのであります。この人絹スフの
関係が大体五割増産いたしますが、最近におきましては同時に
輸出がかなり旺盛にな
つて参りまして、従来は
生産のうちの一割乃至一割五分が
輸出に向いてお
つたのでございますが、極く最近の数字で申しますと約三割から四割近くの
輸出が毎月あるようにな
つているのであります。これは
一つはイタリーの人絹の
生産が
余り伸びませんので、新らしく
輸出する余力がなくな
つて来ているという点もございまして、イタリーの代りに
日本の人絹糸を今後は
買付けるというようなこと、そういつた現象もございまして殖えておるのでございますが、全般的に見まして人絹織物の
輸出は非常に順調に伸びておりまして、これは今後におきましても
相当大幅に伸びて行くものと
考えられるのであります。従
つて輸出のほうに或る
程度出て参りますので、
国内に供給されます
数量は人絹、スフ合計いたしまして昨年の大体三割増という
程度になるかと
考えております。この人絹、スフの
関係につきましては毛と同じように、現在統制は全くございません。特に最近の増産の趨勢が顯著でございますので、今後統制と申しますか、調整と申しますか、そういつた処置をする必要は全然ないように
考えておるのであります。ただ最近
輸出の
事情が非常に急激に好転いたしまして、売手市場ということになりまして
輸出価格も急速に
上つておりますので、
国内の
価格もそれにつれて
上つておるような状態でございますが、併し
国内におきましては最終の、末端におきます
需要は
余り急速には伸びておりません。現在人絹の平織なり、スフのモスリンの例をと
つて見ましても、現在きめられておりますいわゆる
輸出をベースにいたしました基準
価格から計算いたしますと、織物の工賃はマル公で認められておりますものよりは、多少下廻るというような状態でございまして、これ以上そう大きな
値上りをするということは将来においては
余りないのじやないかというように
考えられるわけでございます。
それから次に、麻の
関係を極く
簡單に申上げます。麻は御
承知のように非常に種類がたくさんございまして、而も
輸入いたします先がまちまちでございますので、非常に円滑に行
つております面と、
余り円滑に参らない面とあるのでございます。亜麻につきまして申上げますと、これは国産が
相当ございますわけでございまして、その国産の足りませんところを
輸入によりまして賄
つておるのでございますが、これは現在ではベルギーから亜麻の
買付をいたしております。これはすでに
相当多量の
契約をいたしまして、現在その
契約で逐次
輸入されつあるのでございますが、結局亜麻の年間におきましての
生産でございますが、これは大体千三百六十五万ポンドの
生産を今年は行いたいと、かように存じておるわけでございます。この亜麻の
生産数量は昨年の
生産数量と大体同じでございます。この亜麻につきましては特に
需要面として新らしいものはございません。昨年統制を全然撤廃したのでございますが、需給
関係もこれは大体均衡を保ちまして、
余り極端な
値上りもございません。むしろ値下りをしたような
状況でございますので、本年も大体同じような
生産をいたしたい、かように存じております。国産の足りませんところはベルギーから手当をいたしております。これは大体
契約は済みまして、あとは残りを……
契約を履行してもらうという段階に来ておるのであります。
それから次に苧麻でございますが、これは実は非常に
計画も立てにくいものでございまして、これは主に支那から
原料は入
つて参るのでございますが、御
承知のように、支那から直接来るという例は現在ではございません。また香港から現在でも
相当申込もございますし、
契約がすでにできておりまして、その履行されつあるものもあるわけでありますが、この点が非常に不確定でございまして、苧麻につきましての需給
計画を立てますことは
余り確実性がないのでございますが、私
どもといたしましては大体昨年と同じように四百四十万ポンド
程度の
生産を本年も
見込んでおるわけであります。
それから次にジュートであります。これはパキスタンから入
つて参りますのが大体主でございますが、これは非常に順調に入荷いたしまして、特に朝鮮の特需の
関係がございまするので、
司令部関係でも非常な
援助をしてもらいましたので、
相当多量の
輸入がございます。大体
生産は五千四百万ポンドの
生産の予定でございまして、これは昨年に比べますと三割
程度の増ということに相成りますが、同時に
輸出及び特需の
関係が
増加いたしておりますので、
国内関係につきましては、昨年と大体同じような需給
関係にな
つております。
それから次にマニラ麻の
関係でございますが、これは現在マニラから麻を
買付けますことが非常に困難でございまして、
日本とフイリピンの貿易協定によりまして、或る
程度の
数量は入ることにな
つておるのであります。現在では織物が非常に欠乏いたしまして、非常に困難をいたしております。ただ幸い従来
政府で
買付けをいたしましたサイザルが
相当量残
つておりまして、これをマニラ麻の代りに代用できますので、これを使
つて参りますと、本
年度の
生産といたしましては、大体昨年とほぼ同様の
生産を上げ得ることにな
つておるのでございます。ただ問題は、今後
相当マニラからこの麻を
買付けをいたしませんと、来
年度の需給
関係にかなり
影響して来るのではないかと、かように思われるわけでございます。この麻の
関係につきましては毛或いは化纖よりも一足先に一昨年の秋に統制を撤廃いたしまして、爾来統制を行わずに経過いたしておるのでございますが、
只今考えております
程度の
生産計画が途行できますれば、特に統制その他の手段をとる必要はないというように
考えておるのでございます。なお、こういつた
状況でございますので、現在通産省におきまして一番問題にな
つておりますのは、綿の今後の増乃至は需給の
関係及びこれに伴いましての統制の問題をどういうように解決するかということでございますが、この点はまだ
経済安定本部、
物価庁関係等と協議中でございまして、
生産の上りますのは三月末、四月ということになりますので、まだ今日のところでは決定するに至
つておりません。いずれ一、二ヵ月のうちにははつきりしたことがきまるものと
考えております。
大変
簡單でございますが、纖維の需給
関係と統制とにつきましての
見通しの問題について御
説明いたしました。