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1951-03-02 第10回国会 参議院 予算委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二日(金曜日)    午後三時十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十六年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算  (内閣提出衆議院送付) ○分科会設置の件   —————————————
  2. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それではこれより予算委員会を開きます。  最初に今年度の物価政策につきまして、物価庁政務次官から一応説明を聞くことにいたします。
  3. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 物価動向なり、これからの考え方なりについて、一応大要を御説明申上げます。  物価動向は昨年上平期におきましては、一昨年に引続いておおむね横這い乃至下降傾向を示しておつたのでありまするが、朝鮮動乱勃発後は一部の物資、特に纎維品、鉄鋼非鉄金属等が顯著な値上りを示しますと共に、物価が全般的に上昇傾向に転じて参つたのであります。これを物価指数について見ますると、朝鮮動乱前の六月に対しまして、本年一月は日銀調査東京卸売物価指数におきまして二九・二%の値上りであり、生産財につきましては四三・八%、消費財については一三・七%の値上りを示しております。これら物価上昇を来たしました主要な原因は、申すまでもなく国際価格上昇という事実であります。即ち世界各国におきまする再軍備の進展に伴いまして、軍需資材、特に原料物資需給が逼迫することと相成つて参り、又民生物資につきましても、今後の需給の逼迫を見越しまして需要活撥と相成つております。かような動きは当然我が国にも影響を及ぼすところでございまして、一方においては綿糸布、スフ、人絹、鉄鋼製品などの輸出商品輸出価格が上り、これに伴いまして国内相場上昇いたしておるのでありまするし、他方において綿花、羊毛、ゴム、鉄鉱石、その他の輸入商品価格もかなりの高騰を示しているのであります。従いまして、かような一部の国際商品値上りは著しいのでありまするが、大部分物資、特に消費財については価格上昇は未ださして著しいとは申せないのであります。更に動乱前の状態考えますると、当時におきましては国内購買力が停滞いたしており、又輸出も伸び悩みの状態にありました結果として、前に述べましたように、一部の商品にありましては、過度の値下りをいたした面もあることを思い合せますると、この程度物価上昇は必ずしも先行きを著しく憂慮するには当らないかと存ずるのであります。勿論物価の安定、延いて国民生活の安定を図りますることは、極めて重要な事柄でありまするので、政府といたしましても物価動向には極めて愼重な考慮を払い、物価について煩わしい統制を行い、自主的な経済活動に制約を加えますることは努めて避けなければならないと考えております。即ち経済界の現状を眺めますると、現行価格統制の面におきましては、必ずしも合理的と考えられない諸点があるのであります。即ち商品によりましては、原料統制していながら製品が自由であり、又商品によりましては、製品統制していながら原料が自由になつているものがあります。更に同一商品につきましても、統制されている規格統制されていない規格とが必ずしも合理的な根拠なしに現在混つておるような状態であります。かくのごとく統制されておりまする分野と、統制されていない分野とでは、收益率にも相当不均衡な結果を来たしておるのであります。又最近の情勢から考えまして、一層の増産を要請されておりまする物資につきましては、マル公を外したほうが適当なものもあるのであります。その上輸入原材料価格値上りが今後も継続するものと予想される限り、従来の厳格な原価主義によりましては、或る期間中安定いたしました統制価格の算定が困難であるのであります。更に又商品によりましては、需給関係の好転により、又は原材料価格統制の解除によりましてマル公は存続する実益を失つたものもあるのであります。以上のような不合理な諸点に鑑みまして、この際更に一層の輸入の確保及び生産増強等に努力を傾けますると共に、内需の規制及び輸出の調整を行う等総合施策と並行いたしまして、次に申述べまするような方針に該当いたしますものは現行価格統制を廃止するのが適当だと考えております。即ち廃止によりまする値上り国民生活及び経済安定に及ぼす影響の少いもの又値上りが次の段階の業態によりまして吸收が可能であるもの、又若干の値上りをいたしましても値上りによる増産のほうが重要であるもの等であります。以上のごとく現在の価格統制を整理いたして参りまするならば、品目数にいたしまして五十乃至六十のマル公を外すことに相成ると思うのであります。今後におきまする物価動向としましては、以上のような観点に基いて現在の価格統制を整理いたしました結果、当該品目価格の或る程度上昇は不可避かと考えられまするが、今回の価格統制品目の整理によつて消費財価格水準及び生計費に直接及ぼします影響は必ずしも大と考える必要はないと思うのであります。併いながら他方におきましては輸入原材料或いは運賃値上り及びこれらに基く思惑等によりまして、今後一般物価水準は或る程度上井するものど予想されるのであります。かかる事態に対処いたしましては、不当に国民生活を圧迫し、或いは経済の安定を阻害することのありませんように、生産の増加、輸入の促進、国内需要規制等経済総合施策を活用いたしますことによりまして、全体の物価の安定を図ることといたしたいと考えております。更に今後におきましても特定の物資については、マル公は当然存続するのでありますし、又マル公を廃止しました物資につきましては、今後異常な値上り等を来します場合には、勧告価格基準価格等の適当な措置をとりまして、思惑を少くし不当な値上りをいたしますことのないように万全を期しておる次第であります。
  4. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 次に物価関係と関連して給与の問題についての政府側方針を聞きたいのですが、まだ人事院総裁が出席しておりませんので、便宜特別調達庁の長官にその方面政策についての大要を伺いたいと思います。
  5. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 特別調達庁において扱いまするところの一十六年度予算に関しまして概略を申上げたいと存じます。二十六年度予算といたしまして計上しました終戰処理費総額約千二十七億円でございまして、前年度の総額約千九十三億円に比較いたしまして約六十五億一千九百万円の減と相成つております。この一般会計予算総額に対しまする割合は約六分の一でありまするところの一五・六%となる次第であります。以上のうち主要な部分を占めまするところの調達関係の直接費でありますところの事業費予算は、昭和一十六年度分九百九十九億八千万円でございまして、前年度の千六十四億円に比較いたしまして六十五億円の減となつております。この経費の内容につきましては目下のところ総司令部よりは系統部隊別経費内示を受けておりませんので、昨年度申上げましたごとく、本年度は未だ部隊別予算を御説明できない次第でありまするが、近く何らかの内示があることと期待している次第でございます。特別調達庁におきましては只今申上げました事業費予算のほかに終戰処理業務費と、同附帯事務費及び総理府所管となつておりまする同事務費予算を主掌いたしておりまするが、右の事務費は十三億四千百方円でありまして、前年度の予算十一億八千四百万円に比しまして五千六百万円の増となつておりまするが、これは主として給与改訂によるものでございます。なおそのほかに終戰処理事務費約一億七千九百万円がございますが、これは他省所管となつております。又このほかに連合国軍人等住宅公社予算も当庁において所管いたすのでありまするが、昭和二十六年度はすでに所要の建設を殆んど終了いたしましたので、建設費新規計上はございません。ただ連合国軍人等住宅公社経費といだしまして收支約五億四千万円を計上しておりまするが、これはすでにでき上りましたところの二千三戸の住宅に対しまする家賃收入及びこれを以てするところの建設費元利償還経費であります。  以上大要について申上げた次第でございます。
  6. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 人事院総裁只今会議中らしくて暫らく遅れるようでありますから、物価問題並びに終戰処理費の問題についての質疑を行いたいと思います。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今物価関係の御説明を聞いたのですが、今の御説明のうちで非常にわからない点があるのですが、それはこの程度物価騰貴は著しく憂慮するに足らないと、こういう御説明があつたのです。これは私は非常に重要な点だと思いますので、その理由ですね、どういうわけで憂慮するに足らないか、その理由を先ずお伺いしたいのです。
  8. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 木村さんが今おつしやいましたのは消費財について主として申しました点だと思いますが、現在のところ消費財上り工合を見ておりますると、成るほど中で纎維についての値上りが一三・七%殖えました。その他の消費財については只今のところ非常に著しい上り方というふうにもなつておりませんので、これについて一方とにかく思惑によります買溜め等消費財について起つておりまするけれども輸入状況等考えて参りまして、今すぐ非常に心配するという状態ではない、併し恐らく先のことをだんだん考えて見ますると、いろいろな事態が起つて参ると思つております。併し今のところすぐそれぞれの物資について考えて見まして、先行きについて私どもはそれほど方法がないくらいに心配するほど差迫つてはいない、そういう工合考えております。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今の御答弁ですと、今の点は消費物資について言われたんですが生産財についてはどういうお考えですか。
  10. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 生産財につきまして輸入状況、それかも殊に輸入いたしますものについての運賃値上り、これらがかなり何と申しますか、動きが激しい状態になつております。それで国際価格に鞘寄せして参る。いわゆる正常な国際価格でありまする限りにおいては、国際価格への鞘寄せということは、殊に統制などを外して参ります場合にむしろ当然の傾向と存じます。今後注意をいたしますべき動向としては、日本に入つて参りまする品物等につきましての価格が必ずしも何と申しますか、落ちついた意味合での国際価格でなく、そこにいろいろな要素が入りました場合にはかなり注意をいたして参らなければならないと思つております。従いまして生産財につきましては消費財の場合よりも事柄は相当複雑であり、従つてその動向はかなり注意をいたさなければ相成らんと思つております。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今の御答弁では全体としての印象は今後の日本物価騰貴、又現在すでにそうなんですけれども、非常に甘く見ておられますし、対策の点をお伺いしてもこん対策でいいかどうかは疑問になつて来るんですが、これは見方の相違ということになるかも知れませんが、併し物価騰貴する場合には原因があるわけですから、この物価騰貴原因を突きつめて行けば、そんなに心配ないものであるか、或いは心配すべきものであるかがはつきりして来ると思います。只今消費財についてはそんなに上つておらないというお話ですが、衣料品安本調べたものでも、大体六月から十一月までに二〇%上つているということはこれは相当大きな値上りだと思う。それから光熱費住居費上つております。最近の味噌、醤油、それからこんにやくなんか、小さいのですけれども五割上つている。十円のこんにやくが十五円になつている。お豆腐は値段は違わないけれども、小さくなつて来ています。こういう甘に見えないようですけれども実質的には非常なもう値上りになつているのでして、これをそう簡單にお考えになることは私はどうかと思うのです。それから生産財上つて行けば消費財上つて来るのは当然なんです。あとからタイム・ラッグがありますから遅れては行きましようけれども卸売価格上つて行けば小売物価上つて行く、生産財上つて行けば消費財上つて行くと思うのです。それで私は今の日本物価騰貴のいろいろ原因があると思うのですが、一番大きな原因はどこにあるとお考えか、一番大きな原因……。
  12. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 一番大きな原因は私も初めの説明の中にちよつと申述べたように考えておりますけれども、結局輸入いたします輸入物資価格、又輸出価格が物によりましては相当値がよ過ぎると申しますか、というような価格で出ておる、結局そうした国際的な影響が一番強いと思つております。それから今お話になりました、安本数字をおつしやいましたが、これは木村さんがよく御存じだと思いまするけれども、どうも物価指数というものはいろいろ調査々々によつてまちまちでございまして、御承知の日銀卸売物価指数、それから安本調べておりまするもの、これは相場等が立ちます場合にその頭をずつととらえて出しております。従いましてこの調査がわり指数が高く上つておる。それから物価庁速報をとつておりますが、これは又品目が比較的少い。速報でありまするから近い事実はとらえられるが、比較的品目数が少いために私ども余り自分のところで速報をとつておりまするが、これを使つておりません。従いまして私は何と申しましても長い経験もございまするし、日銀卸売物価指数消費財で一三・七%上つた、これは決して軽視することはできない数字でありますけれども、先ずその程度上り方、恐らく一月から、又一月の調査ができますると上つておるでございましようけれども、その数をとつておりまする安本数字はやや大きい数字、これは決してその調べ方がどうと、それは無意味に大きくなつたというのじやございませんが、物価調べ方が、調査方法が違つているためにそういう指数の差ができているという工合考えております。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、只今の御説明では国際物価影響国際物価騰貴影響が一番大きい。こういう御説明ですが、それについてはもう各方面でこの国際物価日本物価に対する影響はそんなに安心すべきものでないということは警告が発せられておるわけです。総司令部のドクター・ファインが日米協会で講演したものにも、これはもう郡さん御存じだと思うのですが、こう言つております。最近の日本物価の問題、これは「今日のインフレ圧力は、全世界的経済情勢に起因するもので、如何に巧妙に企画された経済統制計画を以てしても容易に阻止し得られるものではありません。併し、それよりもつと重大な問題は我々がまだ全世界的インフレのほんの初期にあるのではないかと思われる節があることと、そのインフレ波及範囲が現段階では予測できないことであります。併し、自由世界軍事予算によつてインフレがより一層高進され、その結果として、不足物資の入手が次第に困難になり、物資獲得競争がますます激化されることは火を見るより明らかであります。」こういうふうに言つているのです。今後の國際物価値上りによる日本物価に対する影響を非常に厳しく見ているわけです。更に又非常に遺憾なことですが、日本人でこの日本物価の将来について警告を発しておる人がないのであつて、やはり同じくアメリカアッカーマン博士もこういうふうに言つております。「今後の日本物価騰貴については記録的な高値に上昇永久に下ることを知らないように見える。」と、その他物価騰貴原因について言つておりまするけれども日本物価の前途については非常に憂慮しております。そうして結局まあこのフアイン博士意見は早く選択的統制をやらなければ駄目だ。統制を早くやればやるほどその実害が後になつての弊害が小さくて済むのだ、こういうふうに言つております。それで自分統制を主張すると、日本の輿論は、これに反対しておるけれども、どうも意味がわからない。こういうことを言つておるのです。  このように非常に明らかなんです。もう今後の国際物価アメリカ予算を見ましても非常に騰貴するであろうということはもう明白なんです。にもかかわらず、その先ほどの御説明がなければよかつたんですけれども(笑声)先行き著しく憂慮するに足らんということは、全く現実を無視したお考え方で、こんなような考え方物価政策をやられたんではこの今度の予算にも非常に影響がありますが、こん考え方で一体いいのでありますかどうか、今後の国際商品値上り、こういうものをどういうふうにお考えになつておられるか、そんなに甘くていいのですか、やはりそんな憂慮するに足らないと、こういうふうにお考えかどうか。
  14. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 恐らく只今指摘の、軍に価格の面だけでなく、いろいろの点の問題を含んでおると思います。それは現行輸入方式等につきましても当然改善をいたさなければならん点もございまするし、輸入を確保いたしまして輸入についての不安を除去いたしまするような方策もとつて参らなければ相成らんとは存じまするけれども、問題を価格について考えて見まする場合に、私は価格についての統制をいたしますること、それは却つて逆の結果を生むように考えております、従いまして価格統制等につきましては当初に申述べましたような方針参つて、それが将来のために間違つているということはないと存じております。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この物価が一体今後そう上つて行つていいとお考えになるか、物価を安定させたいというお考えであるか、その点お伺いしたいと思うのです。
  16. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) これは物価がただ切離して……物価がこのままで安定して行つたほうがいいが、安定に越したことはございませんけれども、これが上つて参るという傾向木村さんの御指摘通り傾向だと思います。これが輸入状況なり、賃金その他なり均衡を保ちました物価上り方である場合には、これについてさしてその点だけを坂上げて心配する必要はないと思つております。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう物価上り方というものは一体あり得るかどうか、これは社会主義的な計画経済の下でなければそんなことはあり得ないんですが、そういう御答弁余りにも抽象論だと思うのでありますけれども……。で、私のお聞きしたいのは先ほどの御説明にあつたように海外物価影響が一番大きいんだ、将来も大きいんだそうしたならば海外物価影響遮断する方法について何かお考えになつておるかどうか、これを考えなければ如何に物価を安定させよう、或いは騰貴するのを防ごうたつて、これは防げないものだと思うのです。この海外物価騰貴遮断する方法、その影響国内余りはつきりしない方法について物価庁としてはどういうことを考えておるか。或いは又国際物価値上りするならば、それに連れて日本物価がどんどん上つてもいいと、国際物価に鞘寄せするのだから差支えないとお考えになつているのか。そうでなければ、これをどうして遮断するかということについて検討されたかどうか伺いたい。
  18. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 現在食糧について木村さんの言われるような国際物価遮断を一応いたしておりまするし、燐鉱石筆について種々検討はいたしております。併し一般的に国際物価遮断方法については、現在まだ坂上げておりません。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 坂上げないということは、国際物価値上りがそのまま国内物価影響して国内物価がどんどん上つてもいたし方ない、そういう政策を今後おとりになるのですか。
  20. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 木村さんは社会主義的な政策をとらなければそれはできんことだとおつしやいましたけれども、私どもは現在現政府のやつておりまする方策均衡のとれました価格の維持ということは私ども可能だと考えております。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私がさつき申上げたのは、物価とか賃金とかその他を均衡的に上げたり下げたりすることは計画経済でなければできないと申上げたので、今の資本主義経済の下でも国際物価遮断する方法はあるはずです。それをなぜお考えにならないのかということです。而もそれは非常に不均衡ではなくて均衡的にそういう遮断方法はあると思うのです。その点はこれは物価庁だけではないと思う。これは通産省その他方々でやはり考えらるべきだと思うのですが、なぜこの点をお考えにならないのか、又全然研究されておらないのですか。
  22. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) どういう点を考え、どういう点を更に中身として考えていらつしやるか存じませんが、輸入補給金の問題でありますとか、いろいろな問題はあろうと思います。併しこれは財政支出に及ぼします影響等考え、先ほども申しましたように、現在政府として、或いは物価当局として取上げる状態になつてはおりません。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでわかりましたが、国際物価の今後の見通しについては甘く見ておられるから、そういうふうな対策で糊塗できると忠つておられるのだと思いますが、為替相場をどうして調整されないか。為替相場を切上げれば、国内物価に対する影響遮断されるはずです。この点をなぜ検討されないのか。或いは検討されてもこれは発表できないのかどうかは知りませんが、その点は問題にならなかつたのですか。
  24. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 為替については考えておりません。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 おりませんというのは、今後もこのままで行かれると、そういう意味でございますか。
  26. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) さようであります。
  27. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでわかりました。それでは海外物価国内物価に対する影響遮断できない、海外物価が上るに連れて日本物価はどんどん上つてしまうと、これに対してはいろいろな技術的な統制では防ぐことができないということになると思うのです。これで、いいかどうかはこれは又非常に問題ですが……。それではその次に、これはまあ意見になりますからやめますが、先ほど配付して頂いたCPIですね。これは物価庁としてはどういうふうにお考えか。物価の(a)(b)(C)の中で(C)の消費者物価指数これで全都市が九月には一三〇・四が十月には一二八・〇に下つているのですね。それから東京都のも下つております。実際から行くとCPIが下るのはおかしいと思うのですが、どうして九月から十月にこのCPIが下つたのか。実際に物価が上つて行つているのです。上つて行つているのに、CPIだけどうして下つたのか、これはどういうふうにお考えですか。
  28. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 只今指摘の点は、この当時におきまする野菜、果物、それから闇米価格、こういう点がこのような数字に現われて来たものと見ております。
  29. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう御説明でよろしいのですか。九月と十月においてこの統計の調査の仕方を変えたのではないですか。それが大きな原因なのではないですか。
  30. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) おつしやるように、これは変えてはおります。おりますけれども、この表の製表の上からは、影響いたしました原因は、私が申述べた通りであります。或いはお許しを得まして、その調査方法は変えておりまするので、その影響等説明員から申上げさせましようか。
  31. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 物価庁調査課長説明員として来ておりますが、説明を許して差支えありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 狩谷亨一

    説明員狩谷亨一君) 只今次官から御説明いたしました点につきまして、私当時の九月及び十月の調査資料を持合せておりませんのではつきりしたことは申上げかねますが記憶いたしておりますところでは、九月と十月と、新方法と旧方法と両方法併用いたしまして調査いたしまして、いずれの方法によりましても、今御指摘のありましたような十月の指数が若干下つておるとそれは野菜とか主食の闇米関係等で下つて来たと、さように記憶しておる次第であります。
  33. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今のに関連しまして、その御説明ではおかしいので、その次の下の(d)を見ますと、日銀調消費財闇物価指数は、十一月、十二月はむしろ上つているのですね。それからあなたがた自身がお調べなつ物価庁調消費財配給物価指数では、やはり十一月は上つているのですね。そういう資料を見れば、むしろ上つておる。季節的な変動等々の問題ではなくて、CPIの技術的な問題として御説明にならなければ説明にならんのではないですか。
  34. 狩谷亨一

    説明員狩谷亨一君) 只今指摘がありましたように、ほかの指数につきましては、大体その前後に上つております。上つておりますが、これはもう御承知のごとく、各指数につきましては、ウエイトの取り方その他によりまして差異が出て参りますので、CPIの場合は比較的ほかの指数に比べまして主食のウエイトが高いように記憶いたしております。かような影響からその数字が強く出て来たので、僅かながらも下落したのだと心得ております。
  35. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは資料として御提出願いたいのですが、従来通りのCPの作成方法によつて九、十、十一、十二月、もつと最近が明らかになりましたらその指数を御提出願いたいのですが、十月だけですと、これが余り違わないということじやわからないと思う。それが一つと、それからどうして九、十月に変えられたか。生計費騰貴が問題になつて来てから急に調査方法をなぜ特に変えられたか。
  36. 狩谷亨一

    説明員狩谷亨一君) 只今の御要求の件につきましてはこれは総理府の統計局で実施いたしておりますから、そちらと相談いたしました上で十一月以降の旧指数全部出るかどうか、出ますようでしたらこちらに御提出するように取計らいたいと思います。改正の理由につきましては、私も十分研究いたしておりませんが、従来のCPSにつきましては、勤労者につきまして、收入の面と支出の面との、收入面をFISで調べておりますが、FISとCPIとの結付きがついておりません点を、勤労者の世帶につきましては結付きをつけるように改正したものと存じております。
  37. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私も木村委員と同様に、政務次官がこの程度先行き心配する必要がないとおつしやつたことを違つた角度からお聞きしたいと思う。政策的な議論はいずれ本審議のときにいたしたい、こう考えますが、私物価庁安本の一外局だと承知いたしているのですが、安本の中でお出しになるものが物価庁とは別なんだとおつしやることもわからないのですが併し細かい数字は別にいたしまして、私は政務次官、さつきのお話を承わつていると、やはり一月より二月は高くなつているだろうということをおつしやるくらいですから、その後の物価についても相当敏感に御承知なんだろう、こう考えるのであります。安本のお出しになつております経済月報によりますと、「昭和二十五年の生産財騰貴率三七%は、戰後インフレの最高潮期である昭和二十一年の四三%に匹敵する。」こう書いてあるのです。三七%でこのくらいの警告をしているのでありますが、実際には生産財は四五%近く騰貴している。そうするとこれでもさして御心配にならないということについては、どうしてもただ單純な、心配にならないという御説明はつかないのじやなかろうか。それから先ほど日銀物価指数消費財大体一三%七とおつしやつているのですが、実は二〇%以上になつているのです。先ほど木村委員の言われるように、生産財も上りましたが、遅れながら消費財も自然に六月に比すると二割以上上つている。この点についてどうも何と申しますか、生産財においては四割以上、消費財において一割以上半年の間に上るということはこれは非常な変化だと思う。これを今度の予算に引当てて、それぞれの施策を批判して見ますと、実は大蔵大臣の諸施策は大抵これは物価騰貴で飛んでしまうのです。それは併し別の機会に譲りますがともかくもそのくらいの物価高が果してさしたることがないだろうか。それからもう一点お聞きいたします。実は朝鮮事変以来日本物価騰貴率はイギリスやアメリカに比べまして遥か上廻つておる。私ここに手許に持つておりませんが、物価庁は当然おち持になつておられると思う。アメリカに対しましてはともかく更に物価が上廻ること一〇%以上、少くとも一三、四%にはなつたと私は記憶いたしております。イギリスに対しましては約八%くらいは上廻つて物価上つておるはずであります。国際物価国際物価とおつしやるのですが、先ず第一に物価面からお考えになることは国際物価に鞘寄せされる、そうして国際物価上つて行くのは止むを得んという、こういう立場をとられるにいたしましても、それより上廻つておるということは、日本だけ上廻つておるこの物価に対してなお且つこのままの姿でお放りになつて置かれるのか。そういうお考え物価政策をおやりになつておるかどうか。この二点を先ずお聞きいたします。
  38. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 今の第一点で確かに物価上つており、又今後も上る傾向だろうということは、先ほど来皆さんにも申上げたところでありまして、ただ又重ねて調査についてのお話でございますけれども、何も物価庁安本の外局でありながら安本のことは別だと私一遍も申したことはありません。ただ調査ということは方法のやり方が違いますから、その結果物価指数と申しましてもその結果違つた数字が出て来ると申上げただけでありまして、従つてどももそれらの方法によりますればあのような数字が出ますことは勿論当然のことだと存じております。それから米英の物価上り方につきましてお話がありましたが、確かに米英の物価上り方よりも日本物価上り方のほうが率が多うございます。但しアメリカにおきましても最近の十二月末から一月にかけましてのこの毎週の上り方がかなり顯著であり、従いましてさような意味合で世界的に上つて来ておるが、先ほどもちよつと申しましたように、日本の国が現在いたしております輸入の方式等がとかく高いものを買わざるを得ない状態に相成つておる、それらの点から日本物価がとかく上り気味であり、それらの点につきましては直して行かなければならん点が多々あると存じております。
  39. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 統計のとり方によつていろいろ変つて来るくらいのことは私もよく存じておるのですが、そうするともう少し端的に今度は政務次官のお話を類推して来ますと、大体今のあなたがたのお考え昭和二十二年当時のインラレーシヨンが起ることは止むを得ない、こういう数字になつて来るのですが、そのまま御承認になりますかどうか。
  40. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 只今状態で、おつしやるような、昭和二十一年当時のようなインフレーシヨーンが起ることは考えられないというお答えを申上げます。
  41. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 ただ起らないとおつしやるより数字がそう示しているのですから……半年において生産財が大体五割近く上つて来た、そうすると大体一年では倍にはなる、こういうふうな程度にお考えになつているのか、又その程度は止むを得ないとお考えになつているのか、なつていないのか、その点なんです。数字を無視して、幾らこつちの実際の物価上つてもそうはなりませんとおつしやるならばそれは別なんですが、物価庁としてはそうは行くまい、こう私は考えるのですが、如何でしよう。
  42. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 昭和一十二年と比べまして全く格段に生産上つておりまするし、輸入も当時とは状況を異にしております。又財政の基礎も確実になつておりまする際に、お話のような懸念はないと存じております。
  43. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 その輸入の、どうなつて来るかということについて、物価庁と議論を始めますと、私は又総合的な物価対策をやつておられることを、いろいろ拾い上げなければならんから、物価について特に申上げているのですが、経済的な基礎は違つてつても、併しあの時分に世界的軍拡がどこに起つていましたか。そういうふうな世界的軍拡を前提にして而もその影響日本が受けている。日本としてはその軍拡の影響にミートして時期に間に合して行つたならば、それは確かにあなたも先ほど輸入原材料が促進されれば物価は上がらなかつたろうとおつしやるように、又輸入原材料の促進が今後の物価騰貴に対して非常に大切であるということをおつしやるように、いろいろ考えられることはあるのであります。ただ過去の実績から今の現に国際物価を上廻つて国内物価が相当上昇率が高いということは、確かに金融の面及び輸出入の均衡の面及び主要原材料輸入をもつと早く時期に間に合つてつたならばといういろいろな問題があります。併し過去においてやつて参りましたことが実行的な手が打たれないとすると、そのまま従来の、過去の実績を引き延ばさなければならなくなり、それを引き延ばさないためには今後こういう政策をするから物価は前のようなことは繰返さないだろうということを御説明にならなければ実際の説明にはならない。そういう点について何らかの御確信があるのならその点を御説明願いたい。ただ観念的に机の上、或いは作文から物価問題は解決しない。実際に打たれた手が実効が挙つて来なければ困るのでありまして、どういう手がどれだけの実効があるから今後従来の趨勢は続けないだろう、こういう御説明がなければならないと私は考えるのですがその点如何でしよう。
  44. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 価格の面から私当初に申上げましたようなマル公のあるものは勿論でございますし、それ以外のものでもマル公を外しました自由価格によるものについてはこれえはトレースは十分いたして参つておりますが、それ以上、従つてトレースいたして参つておりますときにいたしまする措置は従来もとつて来ておりますと同じような措置はとることにいたしますが、それ以外について価格の面で新らしい措置をいたすことは考えておりません。なお他の政府委員から一詳しい点は申上げます。
  45. 熊田克郎

    政府委員(熊田克郎君) 先ほど対外価格より非常に日本上つているという点がありましたが、この問題につきましては対外価格が事変前にどうであつたか、それから日本物価動向がそれ以前にはどうであつたか、という点を少しく振返つて見ますと、対外価格のほうはアメリカはそれ以前に相当騰貴をいたしております。日本は下つております。従つて相互間の開きが大きいという点もございますので、ちよつと補足して申上げたいと思います。それから今後インフレになるのではないか、こういう憂慮すべきものがあるのではないかというような質問でありましたが、将来国際物価がどうなるかということは別といたしましても今日のところ価格騰貴をこの水準だけから見ますと相場は上つておりますが、その場合に輸入価格が上り、同時に輸出価格上つておるというような点を考えますと、いろいろインフレ影響というようなことについて、個別的にどこに問題があるかということは、更に研究して見なければならん問題であると思うのでありまして、單に上つたから、こう申してその通りインフレであると申せるかどうか。即ち憂慮すべきインフレであるかどうかという点について問題があろうかと存じます。今後のどうしたらいいかというような問題につきましては輸入を増進する、それから生産を増強する、それから多少輸出が出過ぎるものについてはそれの調整を図るというようなことが考えられておるわけでありまして、輸人につきましては御承知のようにいろいろな輸入為替を附与する制度を強力に行いなして、それがなかなか効果を現わしませんでしたが、十一月以降只今はつきりした数字は出ておりませんが、相当輸入増加になつておるように思います。尤もその間に国際価格上つておるのであるから、輸入数字が増加しているが、それほどには殖えておらんのではないかという点が問題になろうかと思いますけれども、十二月頃に入るまでは既契約のものなどは安い物がありますし、又最近の国際物価騰貴率、或いは船賃の騰貴率ほどは上つておりませんでしたので、金額の増加が或る程度量の増加を反映しておるものと考えられます。例えば綿花、羊毛のごとき相当の輸入があつたことは御承知の通りで、契約があり、船の調達もできておることは御承知の通りでありますが更に輸入の増加を背景といたしまして生産を増強する。御承知のように昨年来生産は非常に殖えまして、安本生産活動の統計によりますと、昭和七年——十一年を基準といたしました数字は、二十四年度九六二十五年度が大体一一六、今年度におきまして一二八というふうに考えられておりますが、この一一八がその通り達成し得るかは別といたしまして、相当これに近いところまで達成し得るものである。従つて相当輸入を増進いたしましても、国内の供給も十分上つて行く、こう考えられるわけでありまして、更に輸入以外の価格統制撤廃いたしまして、国内の或る種の商品の例えば鉄鉱石であるとか、硫黄、硫化鉱というようなものの増産を図ることを目途といたしておるわけでありまして、なお先ほどちよつと輸出につきましてこの余り出過ぎるために国内の供給が十分でないと従つて思惑の乗ずるところとなるというようなものにつきましては多少の調整を行う必要があるということを考えて、そういう施策がとられるものと考えます。    〔委員長退席、理事藤野繁雄君委員長席に着く〕  従つて全般的に、要するに価格の点でなく価格統制だけで事を処理しない、実際に需給の面を調整することによつて、今のマル公に比較しますと騰貴はするかも知れませんが、全体の実効価格において上げない。尤もその場合において国際価格の変動とか或る程度影響を、相当影響することは勿論でありますが、実効価格を不当に上がらないようにする、需給面においてこれを調整するというふうに考えておるわけであります。ところで国際物価の問題はどうなるかということであります。これは大きな変動原因であろうと考えます。同時に船舶の問題も大きな原因であり、輸入の確保が困難ではなかろうかというようなことから思惑が起つておるということも考えられるのでありますが、世界の物価が大きな軍拡を背景としておる以上将来強気であることは勿論でありましようが、直ちにどんどん今までと同じ速度で上るということもどうかと思いますし、又最近の価格騰貴原因であるところの船運賃というものが十二月から一月にかけて相当上りましたけれども、それがその通り上がるということは考えられませんし、最近は多少の騰貴率の緩和を見ておりますので、どんどん上ることを考えるのはどうかと、こういうふうに考えます。
  46. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 実はその輸入原材料の問題だとか、或いは金融関係であるという面とかそういうことは、今生産価格の施策とか、そういうことは私不敏だけれども今御説明なつ程度のことは知つている。むしろ私はそういうことに入つて参りますと、物価庁のかたがたとお話するのが却つて岐路に入ると思いますから、物価の面だけについて申上げたのでありますが今のお話を承わつていると、結局輸入原材料の促進でありますとか、或いは生産の増強でありますとか、もう一つおつしやいませんでしたが金融面の適切な処置ですとか、そういう面から需給面を調節することだけでなくて、物価庁自身が御担当になつている物価政策そのものからは価格を抑制なさらないのだというふうに考えざるを得ないのですが、そういう考えでよろしいか、或いは物価庁物価政策だけという面からもこの点だけはしなくちやならないという点があるのか、その点だけを端的にお伺いして私は質問を打切りたいと思います。
  47. 熊田克郎

    政府委員(熊田克郎君) 少しく答弁が先ほど岐路に入つたことは申訳なかつたのであります。只今の御質問に対して先ほども次官から申上げたように、重要なる国民生活影響のあるもの、及び経済安定に関係のあるものというようなものにつきまして、或いは更に独占的なものにつきましては依然としてマル公を存続しまして、或る程度これを騰貴を抑える、その他不当なる……よく事態の推移を見まして国際的ないろいろな基準から不当なる騰貴をする、或いは思惑があるというようなものにつきましては、勧告或いは基準価格等を設定しまして、暴利、不当高価の発生を阻止する、同時に或いはマル公を撤廃したものにつきましても業者が少数で以て、そうしで而もそれの影響が大きい、従つてそれを何とかせんならんという場合には行政的に指導するというようなことを考えておるわけであります。
  48. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 どうも大臣が話しても私ども必ず追及しなければならんことを事務当局からただ観念的におつしやるのは困るのですが、もう少し実態に即しておつしやつて頂きたいと思います。折角あなた方は具体的な物知りなんですから、昨日や今日大臣になつた人とはよほど違うのだろうと思う。それにただ観念的な方針だけ伺つても困る廃止によつて値上り国民生活に及ぼすものが大きい、どういうものがそういうふうに考えておるか、或いは今おつしやつたようないろいろな原則に従つて、どういうものとどういうものだけは、どうしてもこういう程度価格政策をして行きたいのだ、こういうことをはつきりおつしやつて頂きたい。それを心配しますのは最近三月一日から大豆初め雑穀その他を統制撤廃なさつた。ところが大豆の当時の価格というものは大した価格つた。これはここで申上げなくてもいいだろう。それくらいの勇敢さだから、我々はきつと勇敢さからその程度先行き値上りは大したことはないだろうという感覚でものをおつしやつておるのではないかとこう思うのですから、もうこれで私は二度と質問しませんから、具体的にはつきりおつしやつて頂きたい。
  49. 熊田克郎

    政府委員(熊田克郎君) 只今基準価格としては、人絹、スフ及び羊毛というようなものについてこれを適用しておりますが、最近生糸について基準価格というものを設けたのであります。今後におきましては基準価格を何に設定するかというようなことは今統制から外されておる品物というようなものにつきましても、又もつと動向を見る必要がある。それから今後マル公を廃止するというようなものにつきましては、まだマル公廃止の具体的な措置に入つておりませんので、実際の動向もはつきりいたしませんから、何をするかということを今申上けることもできないのでありますが、先ほど申しましたような基準によりまして、不当に動くものについては基準価格をきめ、或いは更に行政的指導をするというふうに考えておるだけであります。
  50. 内村清次

    ○内村清次君 議事進行、私は今日の質問者といたしまして、実はトップに大臣を要求したわけです。大臣はあなたのほうで呼びに行かれたのか、或いは又どういうふうなことで欠席をしておられるのか、その点を明らかにしてもらいたい。今日までの各基礎的な調査と申しますか、いわゆるこれは一つの予算委員会といたしましてプランをきめられたのか。実は参議院のほうの予備審査の場合に終了するのが二日間余つたということだけは了承いたしました。併しながら衆議院はすでに通過して予算の本審査に入つておる。勿論そこでそういう時期におきまして、ただ前の予備審査のような考え方政府がおつてもらつては困る。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこで先ほどまで理事会のほうでは漏れ承わると、吉田総理大臣のこの委員会に対しましての木村委員に対するところのああいうう不遜な態度、いわゆる国会軽視的な態度、こういう態度に対しましてこの開会が遅れておるやに認めますが、それを飽くまで追及されるということにつきましてこの委員会の権威を高める上におきまして……時間の遅れて来ることはこれは了承いたします。併し当然これは一つやつてもらわなくちやならん。事委員会が開会いたしましたならば、やはり所管大臣というものはここに来てもらわなくちやいけない。で人事院のはうの総裁もまだお見えでない。こういうようなときに我々委員といたしまして、而も又先ほどからの質疑の内容を聞きましても、物足りないことはこれはもう各位皆様方のお気持だろうと思う。やはり所管大臣はこの重要な二十六年度予算に対しまして、これは編成上の、重要な物価の問題は権威でありまするから、こういう点に対しましてやはりはつきりしたところの問題を聞かなくては、あとで政策的にこれを政治的に聞くというようなことではこれはいけない。やはり予算委員会におきましてはそういう立案者の気持、今後の見通し、そういう点につきまして、はつきりと把握した態度で進まなくちやいけないと私どもは思う。そういう見地からいたしまして、一つ強く委員長のほうでは要求して頂きたい。そうでないと毎日々々こうやつてつておりましても、大臣は見えておらない、と言つて時間をこうやつて延ばしておることもどうかと思うのですが、一つあなたのほうから強く要求して頂きたいと私は思います。
  51. 藤野繁雄

    ○理事(藤野繁雄君) 要求してはおりますけれども、まだ見えないということなんです。(「何をしているんだ」「何をしているんだ」「衆議院のほうはもう済んだはずだ」「散会々々」「何をしているかが問題だ」と呼ぶ者あり)
  52. 藤野繁雄

    ○理事(藤野繁雄君) 今確かめますから……。
  53. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私まだ質問が残つているのですが、只今内村氏からの発言は御尤もですから、先ほども質問していますけれども、責任のあるはつきりした御答弁が願えません。ただその場凌ぎのような御答弁では困りますから、私は質問がまだありますけれども保留しまして大臣が来てからやりたいと思います。殊に安本長官が参りましたら……。
  54. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それじや物価問題の事務的な問題をちよつと聞いて置きたいのですが、さつき消費財については余り心配していないのだ、若干上昇するだろうがとおつしやつたが若干というのはどれくらいの数字を申されておるのか。それから余り心配しないかとおつしやつたが、それは心配しないどころか相当憂慮すべきものじやないかという意見もあつたのですが、特に最近になつて、この、二カ月になつて、むしろ物価上昇の重点と言つちやおかしいが、物価上昇の相当なウエイトが消費財のほうに加わつて来ておる。これは一月、二月の数字を御検討になればはつきりわかることだと思うのです。ですから更に先ほどは次官のほうでは、單に卸売物価数字だけをお挙げになつたようでありますが、闇価格その他を上げれば、決して次官がおつしやつているように、上昇の率から言つても生やさしいものでないということも、数字的にはつきりしていると思うのですが、それらのことを勘案しながら、今後一カ年の間に若干上るとおつしやつたが、その若干というのは具体的にはどれくらいと踏んでおられるのか。これは事務当局のほうでもいいんです。少し計数的に、具体的に事務的にお答えを願いたい。
  55. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 中身を見てみますとおつしやるようにお手許にも極く簡單な資料を差損しましたように実効価格或いは闇価格におきまして、それぞれ上昇いたしております。それから生活費その他のほうでも大体纎維、生活費で申しますと、住居費光熱費、こうしたものについては相当近頃張れております。    〔理事藤野繁雄君退席、委員長着席〕 ただ十二月—一月の値上り工合というものと似たような経過を二月もとるのではないだろうか。これは速報等によつて見ておりましても、そのような感じを持つております。併しながらこれから相当長い先のことにつきましては、私は俄かに同じようなカーブをとる。勿論同じようなカーブをとつては大変なんでありますが、とるようには考えておりませんが、この一月—二月というのが一つの似たような経過をとるのではないかというように考えております。又詳しい点は他の政府委員から申上げます。
  56. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の更に具体的に……。一年間に今のお話ではスロー・アップするだろう。一年間全体を見れば大したことはないというお話でありますがそういう感覚でいいのか。それならば若干とおつしやるのは、どの程度数字上昇をお考えになつているのか。(「どうした、どうした」と呼ぶ者あり)
  57. 熊田克郎

    政府委員(熊田克郎君) 最近消費財につきましては綿関係或いは毛糸関係、それから油等のものが上りまして、なお石鹸等も騰貴を見ておりますが、いずれもその背後におきましては、原料輸入が困難になつたというようなことが根本となり、売惜しみというようなこともあるように思いますが、全体として生計指数にどのくらいの影響を及ぼすかという点と、或いは一月の指数が三%上つておるとか、二月が三%とかいうことはちよつと只今申上げるほどの資料を持つておりませんし、が、或る程度上る、こういうふうには考えております。その後につきましてはどうかというのでありますが毎年この辺は季節的にも上る状態にありますので、今後一—二の上り方がそのまま伸びると、こういうふうには考えられないように思つております。
  58. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そのまま伸びなければ、伸びないでいいのだから、若干というそれは数字的にどれくらいと予測しておられるのか。我々が今審議する必要はむしろ今までの実績なり、或いは一—三月の実情というよりか直接対象は来年度の四月から翌年の三月までの上昇割合がどれくらいになるのか、それと照合して、今の予算の問題が、或いは給与の問題が適正なりや否やということを判断したいから、それをもう少し事務当局に正しく計数的に数字を合わして御説明を願いたい。或いは今準備がなければ又後ほどそういう問題を審議しなければなりませんから、若干の余裕を坂つて至急にそういう調査なり資料を御提出を願いたい。  それから次の問題は食糧の問題でございますが、第輸入食糧の価格がこの予算説明の四十七頁にずつと單価が出ているのですが、この單価がこれを編成された以後にどういうふうに推移したか。更に今後一年間の間にどういうふうに推移すると見通されるか。従つて価格調整費の算出がどういうふうに違つて来るかという点を一つこの方式に従つて、この予算説明の方式に従つて詳しく御説明を願いたいのが第一点、それと関連して主食は今後特に消費者価格はこの一月の引上げ以外に、来年度中に引上げる必要がないとお考えになつているかどうかという点、それから更には麦の統制を外されるとか何とか言つておられるが、そうなつても麦の価格についても変化をお考えになつていないかどうか。更には雑穀の統制を外されたようでありますが、これらのものの値上りも見込まないでいいのかどうか。若し値上りが必然だとすればどの程度にお考えになつているのか。それらの点を御説明願いたいと思います。
  59. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 来年度の輸入食糧の單価につきましては小麦について申上げますると、七四ドルということで考えておつたのでございまするが、現在のところ一〇五ドルに上昇をしております。これは主として運賃値上りに基くものでございまして、将来それがどの程度値上りするだろうかという点につきましては、まだはつきりした数字は求められておらないのでございまするが、大体一〇五ドル前後ではないかというふうに考えております。若しそういう状況で続くということにいたしますると、来年度土百二十万トンの輸入数量があるということを前提にいたしますると、百億以上の輸入補給金が不足をするという結果になろう。こういうふうに考えます。ただ御承知のように、輸入補給金の算定の基礎といたしましては、内地の食糧と輸入価格との差額を補給金として支給するという建前になつておりますので、若し将来内地のパリティ指数上昇いたしまして、内地の価格が上るということになりますれば、それだけは輸入食糧の補給金は少くなるというふうに考えていいというふうに思いまするし、その辺の見通しはもう少しの時間を余裕を見た上でいろいろ検討をして見たいというふうに考えております。なお現在の消費者価格は来会計年度中に再び改訂することはないかというお尋ねでございまするが、この点につきましても目下のところ将來の価格水準がどの程度に上りまするかという点につきまして指数的に、数字的に計算を試みますことが非常に困難なる情勢にありますので今消費者価格を改訂するかしないかということを申上げる時期でないというふうに思つております。それから第二点の雑穀の統制撤廃後の価格状況でこぎいまするが、これは昨日統制が撤廃された現在でございますので的確なる資料は未だ持合せておりませんけれども、大体において生産価格において二倍近いような相場が成立つておるように聞いております。但し東京におきまする卸売価格につきましては、それほどの開きもないようでありまして、大体五割程度の見込でございます。更に第四の御質問の麦の統制撤廃後の価格を如何に考えるかという点でございまするが、本年の麦につきましては、今のところ従来のような供出制度をやめまして、自由販売制度がとられる。併しながら政府は一定の価格でこれを買上げる。こういうふうな考え方でおるのでございましてその場合の価格につきましては只今予算書にありますように現在のところ、いわゆる米の価格に対しまして大体六四の比率を持ちます価格においてきめたいというふうに考えておる次第でございます。
  60. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その輸入食糧の価格の問題ですが、非常に大ざつぱに小麦が例えば一〇五ドルしておるというふうなお話ですが、この点は私たち予算審議において最も重要な問題になるので、私先ほど申上げましたように、四十七頁に出ておる例えばアメリカの小麦、米船で輸送した場合、日本船で輸送した場合、或いはオーストラリア、パキスタン、アルゼンチン、カナダ等等の買付けの予定も出ておるし、それにそのおのおのに照応する予定価額が出ておる。これを一つ詳細にこれに合して、若し今あれがなければ資料として御提出を願いたい。現在すでに一〇五ドルになつておるので、現在の單価で計算して見ても、今おつしやつた百ドル以上の調整費を必要とするという数字になるのならばその通り、更に今後一ヵ年間の間の年度中の価格推移を見れば更に幾ら追加するという大体の予想、そういうものを一つお出し願いたい。その場合に勿論今おつしやつたように、内地の生産価格との関連の問題がありましようが、これも大体において一年間の物価上昇のお見通しがあるはずだから、それに関連して、若し上げないとすればどうなるし、或いは今後パリテイ指数が上るので、それに応じてどれぐらい上るということになれば補給金はこれくらいは少くなるというような、それらの見通しを一つはつきりお出し願いたい。そうでなければこの問題については、予算をお作りになつて、この説明書をお出しになつた当時と非常に事情が変つておるので、それをはつきりお出し願えなければ、この経費でいいのかどうかという判断ができませんので、是非一つ詳しくお出し願いたい。
  61. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) できるだけ御希望に副うような資料を作りまして、提出するようにいたします。    〔岩間正男君発言の許可を求む〕
  62. 波多野鼎

    ○つ委員長波多野鼎君) 関連質問ですか。
  63. 岩間正男

    ○岩間正男君 関連じやないけれども、先に譲つたのです。終戰処理費のことについて簡單にこれは質問申上げたいと思うのです。実は終戰処理費の問題は非常に重要な項目を含んでおるにかかわらず、やはりこの問題がいろいろの観点から論議されていないと思いますので、特に又この問題は日本の今後の問題とも深く連関して来る講和を控えまして大きな関連を持つ問題と思いますので質問申上げるわけであります。併しまあ事務的な点について今日はお伺いしたいと思うのであります。先ず第一に伺いたいのでありますが、この昨年度の終戰処理費の支払状況はどうなつておるか。これについては毎月の支払状況というようなものが私は資料として欲しいと思うのでありますけれども、今回いたいのは第一四半期、第二四半期、第三四半期、第四四半期、まあ第四はわからないかと思いますが、第三四半期あたりまでどういうふうな支払状況になつておるか、この点から伺いたいと思います。計数の点につきまして……。
  64. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 昨年度でございますか、一十五年度でございますか。
  65. 岩間正男

    ○岩間正男君 二従五年度ですね。本年度……。
  66. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 二十五年度の終戰処理全体の、いわゆる終戰処理費総額につきましての資料只今ここにございませんので、御質問の御要点は終戰処理の事業費のことと拝承いたしますが、事業費資料でも差支えございませんですか。
  67. 岩間正男

    ○岩間正男君 事業費だけじやなくその他業務費とかいろいろあると思いますが全体の支払状況ですね。主には事業費になると思いますが……。
  68. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 全体の費用でございますと一日御猶予を頂きまして資料として提出することにいたします。
  69. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじや全体も欲しいのですが、先ず事業費ですね。これらの大部分の項目をこれは占めておりますからね。この点について簡單に御説明願いたい。資料は頂きますが今取りあえずお聞きした程度ぐらいのところで結構です。
  70. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 終戰処理事業費昭和二十五年度の支出状況を申上げます。事業費の支出状況が現在判明しておりますのは昭和二十五年十二月末までの分でございます。第一四半期累計額で申上げますが、第一四半期までの累計額は百十九億でございます。百十九億円。それが第二四半期に至りまして三百五十七億円になつております。
  71. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それは累計ですか。
  72. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 累計でございます。第三四半期末、即ち昭和二十五年十二月末の支出済額の累計が六百四十九億、かようになる次第であります。
  73. 岩間正男

    ○岩間正男君 わかりました。詳細な業務費並びにそういうものについてはあとで資料として頂きますが今お伺いしたのですが、これは第一四半期と比べますと第二四半期におきましては二倍以上も殖えておる。これは六月……。
  74. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 期出に言わなければ……。
  75. 岩間正男

    ○岩間正男君 期別に言つておるのでしよう。これは四半期ことに分けた……。
  76. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 只今それぞれの時期の累計を申上げましたので恐縮でありますが、六百四十九億の第三四半期末から一言五十七億の第二四半期末を引きますと……。
  77. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると第二四半期は幾らになりますか。
  78. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 冬期別に申して下さい。
  79. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 期別に言つて最後に累計を…。
  80. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 期別の数字は今ここで暗算でなければ出ませんので……暗算でやりまして只今のところで申しますと……。
  81. 岩間正男

    ○岩間正男君 わかりました。こちらから申上げましよう。第一四半期は百十九億、第二四半期が二百三十九億、第三四半期は二百九十八億とこう殖えておるわけですね。そうしますとこれは非常に第二四半期、第三四半期というふうに非常に多く額が殖えておるのですが、この殖えて行つたところに何か原因があるのですか。丁度七月という境は朝鮮事変を境とするわけなのですが、こうしたものとの関係はないのですか、この点は如何ですか。
  82. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) これは昨年の、即ち昭和二十四年度の支出をしておりました数字、これを特別調達庁といたしましては、自分所管がいわゆる特別調達局と申しております関係の分だけ一十四年度の支出がわかつております。これと二十五年度の分とを比較いたしますと、昨年の六、七月頃の各調達局における支出状況を金額で比較して見ますと殆んど同じ程度であります。同じ程度というのは余り抽象的でございますが、恐縮ですが、金額で申上げます。お書きとめ願いたいと思います。月別でございませんと只今の御質問のお答えになりにくいと思いますので、今度は期別でなく月別で申上げます。月別の累計額で、お聴き取り願いたいと思います。
  83. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間の節約の点から考えましてその資料はそれじやあとでお出しを頂きたいと思います。その資料によりましてもう一度伺うことにいたしまして、その点はそれでは支払状況、支出状況につきましては保留いたしまして第一の問題を伺いたいのでありますが、先ほど長官の御説明では今年度の、二十六年度予算におきまして事業費についてはお話があつたと思います。九百九十九億八千万円、こういうふうにお話があつたのでありますが、この業務費のほうですね。これはりどのくらいになりますか。本年度は……。(「早く言わんか、早く」と呼ぶ者あり)
  84. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) ちよつとなんですが、私只今眼を惡くしておりますので細かい数字が読めないのであります。(「眼で見えなければ口で言つたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)五億四千六百万円でございます。
  85. 岩間正男

    ○岩間正男君 この業務費の傾向を各年別に見て参りますと、非常に事業費と比べてこれは減つておると思うのですね。事業費のほうは二十年度が百十七億、それから二十一年度が二百三十七億、それから二十二年度五百八十、以下九百九十八、九百六十四、千二百一と、こういうふうに非常に殖えておるわけです。然るに業務費のほうが非常に減つておる。これは二億、八億、四十六億、二十二年度が一番多くて全体のこれは七・五%、こういうような数字が出ておると思うのでありますが、これが二十三年度に参りまして六億、それから千億、四億とこう減つて、今の今年度においてもこれは事業費に比べて非常に減少しておる。こういうふうに見えるのでありますが、併し業務費のほうが非常に大体性格的に見たら終戰処理というような点から考えたならば、非常に業務費の中に終戰処理的な性格なものは非常に多い。こういうふうに考えられるのですが、これは予算面に現われましたものから見ましてどういう状況になつておるのですか。つまり終戰処理事業というものはどういう傾向を現在辿つておるか。こういうことについてどのようにおつかみになつておるか、その点をお伺いしたい。
  86. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 今のお尋ねのうちいろいろの経費の内訳を申上げなければわからんと思いますが、むしろ数字を見ますより大略を申上げたほうがいいだろうと思います。事業費と申しまするのは直接に特別調達面に使われるお金であります。それに又業務費と申しますのは、私承知いたしておりますのは、そのほかに労務関係の事業を扱つておるほうに廻わすべき金、これが二十四年度には五億でありまして、二十六年度五億四千万大体計上したように見ておりまするが、それがなぜ殖えたかということになりますと、これは労務者の数の増減によりまして……。(「違う違う」と呼ぶ者あり)
  87. 高良とみ

    ○高良とみ君 議事進行について……。先ほどから私は関連して質問を申上げておるのでありますが、突然終戰処理のほうに行つてしまつて、然も終戰処理費関係のほうは用意がなくおいでのようでありますが、調達庁は又明日来るというわけに行きませんから、その点関連質問のほうを先にやつて頂きたいと思いますが、どうでしよう。
  88. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 岩間君了解して置きますか。
  89. 岩間正男

    ○岩間正男君 関連質問をあとにやつて頂きたいと思います。私はやはり質問を継続しておりますので、その点御了承願います。どうも今の説明ははつきりしないのですが、どういうことになるのですか。この業務費を見ますと、この業務費というやつは大体今まで兵器処理費とか、それから戰犯の裁判費とか、こういうようなものが含まれておると思う。而もこういうところに終戰処理的な性格がむしろ濃厚だ。ところがその点が二十三年度以降においては非常に減少しておる。従つて終戰処理の事業というものはどういう傾向にあると、こういうふうにお伺いしておるのでありまして、この点についてこれは率直な御返答を願いたいと思います。
  90. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 只今私誤解いたしまして、ほかの種類の経費と存じましたが、今の業務費と申しますものは、大体において補償その他の経費でございます。
  91. 岩間正男

    ○岩間正男君 それはどうなんですか、終戰処理の何は……なぜこういうことを私はお伺いしておるかと言いますとこれは米国の第八十一議会におきまして下院歳出委員会においてヴオルヒーズ前陸軍次官がゲーリー議員の質問に対しての答弁がある。この答弁によりますると、日本に駐屯しておる軍隊は食糧の集荷や租税徴收などのことをする軍政官は大部分廃止する。日本における軍部隊は目下戰時体制にあり、軍事訓練をやつておる。こういうような証言があるのでありまして、この点から考えまして、大体日本の終戰処理事務というようなものは相当大幅にこれはもう終了状態に陷つておるのではないか、そういうところが業務費の縮小面に現われておると、こういうように見られるのでありまして、こういう点はどうなんでありますか。
  92. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 終戰処理費の全体の傾向といたしまして、どういう傾向を辿つておるかという御質問でございますが、大体当つて見まするに二十二年度におきましては総予算に対しまして事業費といたしまして約一七%になつております。二十三年度においては二二%だつたところ、その後一七%、一六%と大体減じて参りまして、二十六年度の事業費と総予算とを比べて見ますと、十五%に相成つて漸次減少の経路を辿つております。
  93. 岩間正男

    ○岩間正男君 少しピントを合して頂きまして、御答弁頂かないとどうも平行線になると困るのですが、今御説明のような……その御説明に少し問題がありますけれども、それは大体この点は細かい数字は触れないとしまして、そういう漸次縮少の傾向にあるとこれはどういう状態になつておるかということ、終戰処理事業というものがどういふうになつておるとお考えになつていられるか、この点お聴きしたい。数字ではありません。
  94. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) どうも今の御質問の趣旨がわかりませんので、終戰処理費中のいろいろのそれぞれの経費がどう変つて来るかということになると、ちよつとここで御説明申上げにくいのでありまするが、只今申された五億数千万円の金の問題につきましては、これは軍の駐屯その他とは直接の関係がございませんので、そういうものについては余り増減というものがない。場合によつては後に至りますと、補償等の経費となりますと却つて殖えて来るということがあるのです。
  95. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうも私の御質問にはやはりお答えがないようでありますが、それでは事業費のほうですね。これは昨年あたりの予算審議では、これはたしか款項目までですか、示されたとこういうように思うのでありますが、今年度はこの資料を頂けますか。今年度殊に講和を控えましてこれはどうなるか。この点は非常に大きな関心を持つておるわけであります。従いましてこの終戰処理費の性格というものは、又本年度の予算審議におきましては、一種又違つた性格を持つて来ておると、こう我々は考えるのであります。こういう点から是非こういうような資料はいわゆる審議に間に合して頂きたいと、こいうふうに思うのですが、これは如何でしようか。
  96. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) この点につきましては、先刻ちよつと触れて置きましたが、昨年度は部隊別各系統によつて数字を申上げ得たのでありますが、本年度はまだ司令部よりそれが部隊系統別の経費内示がございませんので、申しかねる状況にあります。
  97. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは昨年度はやはり何ですか、こちらから国会の審議は重要なんですから、是非こういうような資料を頂きたい、そういう努力があつてこれはなされたものと思うのですが、これは特別調達庁は当然そういうような御努力はさるべきでありますから、本年度もこの性格は今申しましたように、もつと講和を控えまして重要な、又一方におきましてはもう一つ申上げますとこれは朝鮮事変後の連関で終戰処理はどうなつておるかという点については、相当これはいろいろの巷間の風評があるわけですこういう点から言いますれば、ますますこういう問題が明確にされなけばならないのではないかと、こういうふうに考えるのでありますがそうしますと特別調達庁としまして、これは司令部のほうに懇請しまして、こういう資料を一日も早く出される、こういうような御努力があつて然るべきだと思うのですが、この点長官の御努力の如何を伺います。
  98. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 我々といたしましては、折に触れまして速かにその各部隊別の予算内示があるように懇請しております。今後もそういたすつもりであります。
  99. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはいつ頃の見通しでございますか。
  100. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) ちよつと向うから来るまでは申上げられません。
  101. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうもそういうことではこれは私はまずいのじやないかと思うのです。なぜかと言いますると、池田蔵相は衆議院の予算委員会におきまして、終戰処理費はこれは政府の自主性でやつておると多分答えられておると思うわけです。そうしますと、私は今の御答弁と照し合せて考えると、どうも疑問なきを得ない。自主性を持つてつておられるなら、当然これは日本政府が組んで向うさんの意向を聞いて、そうしてその必要によつてこれは当然組まなくちやならない。然るに国会の審議に間に合わないので、その資料が吊されないのだということは、これは許されないことになるのであります。そうすると池田蔵相のこれは答弁が嘘なんである。自主性を持つてつておると断言した例の池田式な、相当自信たつぶりな、何を持つてやられておるのです。そうしますと、特調の長官から答弁を聞きますと、これは甚だ心細い御答弁なんであります。この点はどうなんでありますか。これは政府からもそういうような当然特庁に対して督促があつたと思うのでありますが、その点はどうなんですか。
  102. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 終戰処理費の枠と申しまするのは、大体におきまして日本政府円いたしまして、過去の実績によりまして大体の数字を作るわけであります。その実績は特別調達庁において、これを前年度までの実績及びその年度中の予算編成時期までにわかつておりまする傾向を合せまして、一応出しておるわけであります。これを大蔵省のほうに差出しまして大蔵省においてGHQ側と折衝をいたすわけであります。私の承知いたしておりまするのは、その場合にただ軍の言う通りにやることでは勿論ございませんで、日本政府の財政事情によつて出し得る限度について、いろいろと御苦心の折衝のあつたことと存じております。その結果は先刻申上げましたような大きな数字なつたわけであります。又その内訳につきましては、我々としてまあ細かく申上げられませんが、大体想像いたしまするときに、日本側の各省別或いは関係別の実行予算とでも称すべきであろうかと思いますが、それがいろいろな関係で目下検討中であるので、まだその事務を担当する我々に内示がない、こういう状況であると私は存じます。
  103. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは大蔵大臣には又改めて聞きますが、調達庁としてこれに全然そういうような内容に関しないというようなことはまあないだろうと思いまして、その点からお伺いしておるのであります。でどうも今の御説明では、どうも我々は予算審議にこれは差支えると思うのであります。先ほどのお話によりますというと、国家予算の一五・六%、こういうような大きな比重を占めるところの終戰処理費であります。これについてやはりもつと我我はこれを審議することが重要じやないか、こういうふうに考えるのであります。で甚だそういう点は遺憾に思うのでありますが、それでは大体昨年度のこの項目がありますが、こういうものについては御承知なんでありますか。例えば兵器物資とそれから技術物資、補給物資、それから運輸物資それから雑労務費、こういうようなものが大部分この事業費の内容におきましては非常に大きなウエイトを占めておると思うのであります。そうしますと、こういうものについて大体の見当はお立てになつておられるのですか。如何なんですか。これは御答弁願えますか。
  104. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 先刻申上げました通り、本年度は我々として数字を申上げるわけに行かんのであります。
  105. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると何ですか予算審議までにはこれは間に合わないのですか。今年度はということで、これは衆議院はすでに通過を見て、参議院はあと一月足らずなんですけれども、それまでにはこれは我々は審議をする資料を持たないわけなんですか。これはどうなんですか。この点もつと努力願わなければこれは我々としては非常に困る。これはどうなんです。
  106. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 終戰処理費予算の編成の方法でありますが、終戰処理費の編成につきましては、一応特別調達庁のほうから過去の実績、その他をとりまして、これに対しで今後の見通し、大蔵省又は政府としての見通しを或る程度立てましてそれに物価関係等を調整いたしまして一応の案を関係方面提出いたしたわけです。そこにおきまして、関係方面といろいろ折衝をいたしまして、大体の額はきまるのでありますが、大体その内容につきましてはいろいろと御意見のあつた点があります。まあ総額についてはいいといたしまして、いろいろと意見がある点がございまして、まあ総額はそれでいいとしてもいろいろと調整を要するというようなところで、なかなか具体的な内容としてはなかなかきまりににくいといつたような点があつたのであります。併し九百九十九億という事業費がその結果動くわけではないのでありまして、大体のところを申上げますならば、従来の状況で申しまするならば、大体労務費の三百億程度、或いは交通運輸費が百五六十億程度、それから作業費というようなものが百七八十億程度、それから……まあそういつたような程度のものでありましてこれが大きくかかるわけではないのであります。建設関係の経費というものは明年度は恐らく殆んど少ない額になるであろうというふうに考えております。過去における終戰処理費状況を見ますと昭和二十一年度は三百六十億、それから六百四十億、それから千億、千二百五十億、千九十億というような多少ずつと金額は上り又下つて来ておりますが、これは物価関係等によるものでありまして、将来の傾向としては余り殖えないであろう、大体建設経費が一段落をいたしておりますので、そういうことはあるまいというふうに考えておる次第であります。
  107. 高良とみ

    ○高良とみ君 ちよつと議事進行についてでありますが、もう時間も遅くなりまして、明日は安本長官その他本日進行しなかつたものについての責任ある御出席を得て、更に進行することを提案いたしたいと思います。
  108. 内村清次

    ○内村清次君 関連して、先ほど私はしよつぱなに委員長所管大臣の出席を要求したのですが、その後どうなりつたわけですか。
  109. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 安本長官の出席を要求されましたので連絡いたしました。ところがあの頃は官邸で閣議を開いております。暫らく待つてくれというお話であります。それで待つておりましたところ、その後日銀総裁との会議があるというようなわけで、今日は何時頃までに出て来れるかということを言いましたところ、ちよつと見込が立たんということであります。
  110. 内村清次

    ○内村清次君 今日は人事院総裁会議という、安本長官も会議中、こういうような会議中、勿論これは国務として行政の任に当つておる人ですから、必要なことは私たちは認めますが、併し国会のこういうような本審査をやつておる時期におきまして、所管の大臣も御出席にならんと、ただ自分の行政的な責任を遂行するための所用だけに重点を置いてやつておられるが、国務に対する議院の大事な審議に対しまして出席がない。これでよいものでありましようか。この審議状態において委員長はこれでいいものでありましようか。この点一つ御意見を承わりたいと思うのであります。
  111. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) この予算の予備審査を始めました頃から理事会をたびたび開きまして、約二カ月間予備審査を含めて約二カ月間これをどういうふうにやつて行くかということを理事諸君とたびたび協議いたしました。その協議の結果予備審査中のプログラムを作りまして、これは主として政治的な問題はあと廻しにして、事務的な計数的な問題について徹底的に調査しようという方針で各省別にずつとやつてつたのであります。それが衆議院がまだ本院に回付しないうちにそれを終ろうと思つておりましたところ、いろいろ御質問等輻湊いたしまして予定が遂行できなかつた。その間に衆議院から本予算が回付されて参りまして、いといと本審査ぼ段階に入つたわけなのでありますが、その際に今後どういうふうにやろうかということを又改めて理事会で相談いたしまして、残つておる、つまり事務的な或いは計数的な調査事項としてまだやれなかつた、残つている部分を、本審査に入つたのだが三日くらい坂つてその間にやろう、併しすでに本審査に入つておるのだからこの三日間の日程においては各省の主管大臣に必ず出席してもらうということで、プログラムを政府側にも勿論渡しておりましてそういう手続はこちらはとつてつたのであります。併し今日御覧のようなことになつております。私としては非常に遺憾と思つております。今日も各大臣には初めから予定通りやるからという通告はしております。併し向うは出て来ないという状態なのであります。
  112. 内村清次

    ○内村清次君 日程につきましては本審査に入りました後において二つの日程があるどいうことにつきましては十分了承いたします。併しながら本予算の性格からいたしまして、相当私たちといたしましても、これは真劍に討議しなければならないというような考えもありまして、実はこれは補正予算の時期でもありましたが、そういう経緯からいたしまして、どうも質問の機会がなかなかやつて来ない、だからしてやはりこれは各議員のかたがたもひとしくそういうようなお考えであろうと思いまするので、普遍的に議員に質問の時間を与え、又その時間を有効にして審議をしたいという御気持につきましては、これは私のみではないと存じますが、そういう機会に先ほど折角委員長及び理事のかたがスムースに行くような予定を作られても、所管大臣がこういうようなことでおいでにならないというようなことでは、これはひとり総理大臣のこの委員会におきまするいわゆる当初のああいう軽視の態度、各議員に対するところの質問の答弁に見られるような態度、こういうような態度から考えまして、内閣の一貫した考え方ではないかということをも私たちは考え及ばざるを得ないのです。こういう点を考えますると、どうも理事会におきまして、今日も三時半頃までやつておりましたが、そういうようなことは、確聞いたしまして、吉田総理のいわゆる委員会軽視の問題、或いは議員の発言に対するところの親切なる答弁の問題、こういう問題はただ理事会だけで御進行にならずに、そういう経過その他につきましてもひとしく一つ委員会にもどういう経過であるというようなことも御報告を願いまして、そうして委員がひとしく思つておりますような、国政に対する考え方、こういう点も一つ御聽取になつて、そうして各委員が考えておりまする審議権に対する熱意に対して応えてもらいたいということをも私は実は考えておる次第でありまするが、同時に先ほど高良委員からも申されましたように、こういうような政府委員の御答弁におきましては、やはり聞きたいことは所管責任大臣の答弁でありまして、所管大臣も見えておらないというこの段階におきましては、一つこの委員会は今日はこれで散会をせられまして、明日所管大臣を揃えてお開きになりますように、私も賛成をいたします。
  113. 高良とみ

    ○高良とみ君 つきましては明日は土曜日でありますから、午後に亙らないように午前十時から委員会を開いて、本日できなかつたところを補足してやつて頂かないと進行上あとへ又溜つて来るのではないかと思いますので、明日十時からなさる、これを私は提案いたします。
  114. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今のお二人の提案の御趣旨は誠にその通りでそうだと思いますが、といつて今ここで丁度岩間君が質問を継続しつおるときにこれを打切れということは意味がないと思うので、若干野に続けられたい意向もあると思いますので、これだけは一つ続けてそれを済まして終えることにしたいと思います。
  115. 岩間正男

    ○岩間正男君 私もまあ時間が、皆さんの御要望があるから余り長くやりませんけれども、これは今やりかけのところだけ御了承頂きたいと思います。それからもう一つは、先はどの理事会の中間報告ですね、総理問題、この点は是非やはりそういう御要望があると思いますので、是非やつて頂きたいと思うのであります。この際これは明確にして頂きたいと思います。
  116. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それでは今この程度で今日の予算委員会を打切ろうという動議が出ておりましたけれども佐多君から又今進行中の質問だけをして打切ろうという動議が出ておりますが、どうですか、岩間君の質問はそう……、長いかどうか知りませんが、余り長くないという話ですが、この質問だけ継続することに賛成しで頂けませんでしようか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  117. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それでは岩間君。
  118. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 明日は終戰処理費はやらんでしよう。
  119. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) あればやります。
  120. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間をできるだけ節約いたしまして質問を継続さして頂きたいと思います。そうしますと大蔵省の今主計局長の御説明によりますと、大体昨年度来のいろいろな項目を言われたわけですが、そうして額も大体昨年度くらいの額に落ちつくそうだ、こういうふうに見ていいのですか。
  121. 河野一之

    政府委員(河野一之君) たしか終戰処理費は二十五年度は千六十数億明年度が九百九十六億数千万、約六十五億減つておると思います。従つて金額的にも減つておりますし、それから給与水準が二十六年度は上つております。それから家賃とか地代とかいうものが例の地方税の関係から二倍半ということになつておると思います。そういう関係もありまして、金額も減つておる上に事業分量はより以上減つておる、こういうふうに御了承頂きたいと思います。
  122. 岩間正男

    ○岩間正男君 こういう分は、そうすると今度は一般の普通の予算單価なんかとは違う組み方をしているのですか。終戰処理費は、一般説明のときには今のように、例えば公共事業の事業量なんかの場合は御説明がない。家賃なんかは二倍半に上つておる、そういうような点については、予算單価はどういうふうになつておりますか。
  123. 河野一之

    政府委員(河野一之君) これは別に一般予算予算單価が違つておるわけではないのであります。終戰処理関係の労務者は岩間さんよく御存じ通りPWのものでも或いは事務職員につきましてはおのおのの従来の実績がございます。それに公務員の給与ベースが上りました関係で、それによる調整を加えております。年末手当も新たに計上いたしております。家賃その他のものにつきまして、これは接收家屋約一万戸ばかりの問題でありますが、これは家賃地代について地方税の関係において先般約二倍半程度に大体統制価格上つております。それに関連いたしまして上つたものでありまして、一般会計の一般予算につきましても同様のものであります。
  124. 岩間正男

    ○岩間正男君 二十五年度の実行状況は、当初の予算が大体その通り実施せられておりますか。それともそれに対する相当の変更が加えられておりますか。その点について……。
  125. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 大体そう大して狂いなく実行せられております。先ほど財務部夏からお話があつたのでありますが、最近における支出状況は大体八十五、六億程度であります。朝鮮事変以前と非常に大きく変つておるというふうにも見られます。ただ物価が多少上つておりますから、同一分量を調達いたしますとすれば、その点における増加はあろうと思います。十二月におきましては、これは年末手当が御承知のように出ると思われましたので、百十億程度でありますが、少し殖えておりますが、そういつた関係であります。大体予算考えております程度にそう大して狂いなく実行せられておると私は承知しております。
  126. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしますと、第三四半期までの実行状況はこういうような事業費日別でこれはもらえますか。これは是非欲しいと思います。資料として大体先のは集算したやつだけで、そういう額だけですが、今度は費目別に大体できると思うのですが、そういう点、頂けますか。我々もその点検討して見たいと思います。
  127. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 岩間さんのおつしやるのは労務費がどうであるとか、或いは作業費がどうであるとか、そういうような意味合でございますか。
  128. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうです。
  129. 河野一之

    政府委員(河野一之君) これは御承知のように、二十五年度から部隊別と申しますか、或いは兵器部、それから軍医部とかいろいろの補給部隊、部隊別にたしか予算ができておると思います。明年度はこれをいろんな状況から考えまして、そういうような分け方でなくいたしたいと思いますが、そういうような項ごとの支出はできると思いますが、その中がどういうふうに労務費は幾ら、作業費は幾らとちよつと調整と言いますか、時間を要するのではないかと調達庁の御意見であります。
  130. 岩間正男

    ○岩間正男君 それを成るべく早い機会に第三四半期までで結構ですから、これを出して頂きたいと思います。時間が余りありませんので、もう資料をお願いしまして、私の質問を打切りたいと思います。PD工場の過去一カ年の契約と二十六年度の見込み、この点について一つ資料を頂きたいと思います。それからLR関係の労務者の人員、給与、向け先、これを頂きたいと思います。それから新規建設工事の内容、これは大分今年は減つておりますが、全然ないわけはないと思います。農漁場補償これもやつておりますがこの点漁場補償、土地取上げ、こういうような資料を頂きたいと思います。
  131. 河野一之

    政府委員(河野一之君) その通り参るかどうかいろんな複雑な帳簿でありますので、確信を持つてお引受けしかねますが、でき得るものはできみだけ早急に提出いたしたいと思います。
  132. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじや今の資料を頂きまして、私は終戰処理費につきましていろいろな点から御質問申上げたかつたのでありますが、いずれこれはあとに譲つて私の質問は打切りたいと思います。
  133. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) ちよつと御報告申上げたいことと、御相談願いたいことがございます。先ほどから御意見がありました問題ですが、つまり去る二月二十二日の本委員会におきまする総理の態度の問題であります。木村委員の質問に対しまして吉田総理の答弁の態度について当日この委員会で内村委員から発言がありましたので、大体それに対して総理がどのような答弁をしたかということはもう御承知の通りであります。ところが翌二十三日の本委員会におきまして矢嶋委員から前日の総理の態度は甚だ遺憾に思う。で、委員会として何らかの意思表示をする必要があるという旨の発言がありました。そこで委員長はその趣旨を諒といたしまして、取扱方を理事会において相談するととにいたしたのであります。その後四回に亙りましてこの問題について理事会を開き、政府側との交渉もいろいろいたしまして審議をして参つたのでありますが、今日に至るまでまだ結論を得るに至つておりません。本日の理事会に出席いたしました岡崎官房長官はできるだけ早く政府のほうのこの問題についての態度をきめて了解を得る途を開きたい。こういうふうに約束して帰つたのであります。事は参議院の審議権に関係する問題でありますから、理事会としましては最善の解決策を見出したいと考えておるのであります。先ほど申しました岡崎官房長官の言にも一応の信頼を置きまして、もう二三日お待ちを願いたいと思います。その間にははつきりした委員会としての態度をきめる段階に来るであろうと思つております。以上中間報告でありますが、御報告申上げて御了承を得たいと思います。  それから次にこの分科会の件でありますが予算審議の便宜上分科を設けたいと思いますがこの点御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 御異議ないものと認めます。  次に分科の数は四分科といたしまして、その所管は第一分科が皇室、国会、裁判所会計検査院内閣総理府大蔵省及び他分科所属外の事項」それから第二分科が法務府、外務省、文部省及び厚生省。第三分科が農林省、通商産業省、建設省及び経済安定本部。第四分科が運輸省、郵政省、電気通信省及び労働省といたすことに御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 御異議ないものと認めて、さように決定いたします。なお各分科の担当委員につきましては、お手許に配付いたしました表によりまして、委員各位の希望を参酌いたして後日決定いたしたいと存じます。各会派におかれましても早急に委員各位の希望を取りまとめの上、委員長の手許までお申出でをお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            石坂 豊一君            佐多 忠隆君            伊達源一郎君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員            泉山 三六君            長谷山行毅君            安井  謙君            岩崎正三郎君            内村 清次君            加藤シヅエ君            山田 節男君            若木 勝藏君            高良 とみ君            西郷吉之助君            菊田 七平君            一松 定吉君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    特別調達庁長官 根道 廣吉君    特別調達庁長官    官房会計課長  大石 孝章君    特別調達庁長官    官房財務部長  川田 三郎君    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    大蔵省主計局給    与課長     磯田 好祐君    物価政務次官  郡  祐一君    物価庁次長   熊田 克郎君    物価庁第一部長 渡邊 逸龜君    物価庁第三部長 長谷川 清君    物価庁第三部長 川上 為治君    物価庁第四部    長      今井田研二郎君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   説明員    物価庁第一部調査    課長      狩谷 亨一君