○
政府委員(
平田敬一郎君)
租税收入につきまして御
説明申上げたいと思います。ただ
租税收入の二十六
年度の
予算の
見積りにつきましては、先般すでに相当詳細に御
説明申上げた次第でございまするし、なおその
内容は更に一層詳しい書類といたしましてお
手許に提出いたしておりますので、この
内容につきまして詳しく申上げる必要はないかと
考えますから、
簡單にいたしたいと
考える次第であります。
租税收入と
印紙收入につきましては皆さん御
承知と思いますが、
昭和二十六
年度租税及び
印紙收入予算の
説明といたしまして二月五日に提出いたしております。その
内容はすでに
説明しました
通りでありまして、
細目の点につきましては、むしろ御
質問に応じましてお答えいたしましたほうが、今の
段階といたしましては妥当と
考えられますので、詳細の
説明は省略さして頂きます。なおそのほかに最近の
租税收入の
実績でございますが、そのことを少し申上げて置きたいと思います。
二十五
年度の一月までの
收入の
実績でございますが、これはたしか
資料といたしまして御提出いたしたかと思いますが、その要領を若干申上げて御
参考にいたしたいと思います。
所得税のほうは
源泉所得税、
申告所得税両方ございますが、
源泉所得税のほうは
收入の
状況が比較的良好のように見受けられます。
昭和二十五
年度の
予算額千百八十三億一千六百万円に対しまして、一番新らしいのは二月上旬までのものでございまして、それを申上げます。千百八十三億、二月十日現在ですでに千三十六億七千七百万円ほど入
つております。即ち八割七分六厘の
收入でございます。昨年は相当惡く、尤も九割一分八厘入
つておりますが、昨年は或る
程度の
自然増收が出ましたのでこのようなことになると思うのであります。本年におきましては八割七分六厘でございまして、今の
状況におきますと、或いは
予算を若干超過するような
成績を挙げるのではないかというふうに見受けられるのであります。
それから
申告所得税のほうは、これに反しまして実は
成績が非常にと
言つていいくらい
惡いのでございまして、
予算額千百七十一億八百万円に対しまして二月の十日現在で五百四十億八千百万円、即ち四割六分二厘という
收入であります。まだ
総体の半分入
つていないという
状況でございます。ただ昨年は五割五分八厘で、昨年よりも
惡いという
状況であります。ただ
申告所得税につきましては、御
承知の
通り本年
暫定措置法で
申告期限を一月延長いたしました。昨年は一月末でございましたのを、本年は二月末までにいたしております。従いましてその
関係がございますので、少し
惡いところはございますが、それにいたしましてもなお
年度末までに六百二十余徳の
徴收不足がある、徴收すべき
税額が残るということに相成
つているわけでございまして
申告所得税の
歳入の
成績は一番
惡いものの
一つでございます。
所得税全体としましては
予算額二千三百五十四億二千四百万に対しまして千五百七十七億五千八百万、六割七分の
收入でございます。次に
法人税でございます。
法人税は当初
予算に対しましてその後の
状況で相当な
自然増高を
見込みまして
補正予算には五百七十二億七千八百万円の
歳入を
見込んだのでございますが、最近の
成績は非常に良好でございまして、二月十日現在ですでに六百十九億八千二百
方円とい万
数字を挙げております。即ちすでに
予算を約四十億円
程度超過する
成績を挙げているようでございます。これは主としまして
朝鮮動乱以後の
生産企業の活況によるものと
考えている次第でございます。それから
相続税のほうは大体問題ないと思いますが、三十一億一千四百万に対しまして十九億七千百万円、六割三分の
收入を挙げています。これは
年度末までに或いは若干の
不足を生ずるかも知れませんが、大体
予定通りではあるまいかと見ています。それから再
評価税におきましては、
補正予算で少し減額いたしまして六十二億二千五百万円の
收入見込にいたしているのでございますが、二月十日現在で四十七億九千三百万、即ち七割七分の
收入を挙げております。これはどちらかと申しますと、余り
成績のいいほうではないと思いますが、まだ若干期間もありますので、大体それに近いところまで行くのではあるまいかと、若干へこむかも知れない、こういう
情勢でございます。
酒税につきましては
補正予算で千四十六億六千八百万円
見込んでおるのでございますが、それに対しまして二月の十日現在で八百十九億六千万、即ち七割八分三厘の
收入であります。これはまだ値下げ後における売れ行の
増加の
收入が十分入
つておりません。十二月の分の
收入が入
つて参りますと相当な
成績になるのではないかと、むしろ最近の
状況からしますと、若干上廻つた
收入を挙げることができはしないかということを
考えております。それから
砂糖消費税のほうは大した問題ではございませんので
説明を省略いたします。
揮発油税も大体
予算の
見込の
收入が挙るのではないかと見ております。
物品税につきましても大体同様でございまして、若干へこむのではないかというような
成績でございます。大体
予算額百六十二億六千七百万円に対しまして、百二十一億六千九百万円、即ち七割五分
程度の
成績でございます。その他全部合わせまして
租税收入全体から申しますると、四千四百五十億六千五百万円に対しまして三千三百六十六億一千四百万円の
歳入でございます。七割五分の
收入でございます。前
年度は八割の
收入であ
つたのでございますが、それは先ほ
ども申上げましたように、主として
申告所得税の
納期を一月延長したことによる
影響と
考えているのでございます。全体といたしましては、まあ今のところ大体
予算額全部の
收入が期待できるのではないかという概況でございます。以上で最近の
租税の
状況を申上げた次第でございます。
申告所得税を
中心といたしまする
納税の
確保等につきましては、目下
国税庁を
中心に現地を督励いたしまして、鋭意努力をいたしておるのでございまして、その
方面の
説明は、必要でございますれば更に別途の
機会に
国税庁から
説明するようにいたしたいと存じます。
それからなおもう
一つ非常に関心の深いのは
滞納の
状況だろうと思いますが、
滞納の
状況につきましては、これも
資料としまして先般お配りいたしておりますので、それを御覧願いますればよくわかるかと思いまするが、
資料のわかりにくい点もございましようから、若干この際申上げて御
参考にいたしたいと思います。
昭和二十四
年度末の
繰越滞納額の
処理状況調というのと、それから
昭和二十五
年度において
新期に発生した
滞納額の
処理状況調、この二表をお
手許に
簡單な二枚の表でございまするが、
衆議院予算委員会からの要求としまして、こちらにも同時に提出いたしているのでございますが、その
資料を御覧願いますれば詳細わかりまするけれ
ども、
ちよつと申上げて見たいと思います。即ち
昭和二十四
年度末にございましたところの
滞納税額の
総額は千三百五十八億三千六百万円あ
つたのでございます。それがその後どういうふうに処理されたかということでございますが、
現金で入りましたのが三百四十六億五千二百万、それから
訂正で減りましたのが二百八十二億四千六百万、それから
課税を
訂正する原困はないが、どうにも納まらなくて、
不能欠損、
行方不明等になりまして
不能欠損いたしましたのが十五億一千三百万円、合わせまして処理いたしました
税額の
総額が六百四十四億一千百万円に
なつております。従いまして十二月末現在で二十四
年度以前の
滞納税額がなお六百十四億二千五百万円ほど残
つておることに
なつております。そのうちで最も注目すべきものは
申告所得税でございまして、
申告所得税は
昭和二十四
年度末で繰越しましたのが八百八十三億四千三百万ほどあ
つたのでございますが、その後
現金收入が二百三億九千九百万、その他
処理済のものを加えまして四百六十三億七千四百万円を処理いたしまして、十二月末現在においてなお四百十九億六千九百万円
程度二十四
年度以前の
申告所得税の
滞納が残
つておる。従いまして六百十四億二千五百万円の
滞納総
税額のうち、
申告所得税が大体三分の二
程度を占める、こういう
状況に
なつておる次第であります。
それから
昭和二十五
年度において発生しましたところの
滞納につきましては、これは別途に別の紙に出しておりまするが、
滞納としまして一応
納期までに納まらなかつたものは
滞納になるのものでございまするが、発生しましたのが八百七十三億九千七百万円、それに対しまして
現金の
收入が四百四十億六千百万円、
誤謬訂正が五十一億二千八百万円、
不能欠損が僅か二百万、合わせまして四百九十一億九百万円を処理いたしまして、十二月末現在におきましてなお三百八十二億六百万円
程度なお二十五
年度分の
滞納が残
つておる、こういう
状況でございます。而もなおこの中におきましても、
申告所得税の
滞納は相当多いのでございまして、約百六十八億二千二百万というものが、この二十五
年度の中における税の
滞納総額の中で
申告所得税ということに相成
つておるのでございます。両者を通じましては
申告所得税の
納税の
状況が一番よくないということを申上げることができるかと思うのでございます。なおその他
細目でございますと、いろいろ申上げることもあろうかと思いますから、むしろ
お尋ね等によ
つていたしましたほうがよいかと存じますので、一応その
程度にいたしまして、
質疑でお答えすることにいたしたいと思います。