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1951-02-20 第10回国会 参議院 予算委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月二十日(火曜日) 午後一時四十九分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した
事件
○
昭和
二十六
年度
一般会計予算
(
内閣
送付
) ○
昭和
二十六
年度
特別会計予算
(
内閣
送付
) ○
昭和
二十六
年度
政府関係機関予算
(
内閣送付
) —————————————
東隆
1
○理事(
東隆
君) それではこれから
会議
を開きます。 今日は日程から申しますと、
文教
と
治安
でありますが、
文教関係
はまだ見えておりません。それで
治安関係
のはうで見えておりますので、
法務総裁
の
大橋武夫
君、それから
警察予備隊本部次長
の江口見
登留
君、それから
法務庁経理部長
の
岡原昌男
君、それで例によりまして
法務総裁
のほうから御
説明
を願います。
大橋武夫
2
○国務大臣(
大橋武夫
君)
治安関係
の問題につきまして大体の御
説明
申上げます。順序といたしまして先ず
法務府所管
の部分から申上げたいと思います。
法務
府の所管におきましては先ず
検務局
の
関係
でございまするが、
検察
に関しましては、勿論
検察
の
機能
を
整備
充実
し、且つその
運用
を機動的ならしめまして、いり如何なるときにおきましても、
事件
の
発生
に対処し得るようにいたしますることが肝要だと存ずるのであります。そのためには第一に
検察庁
の
職員
の員数を
充実
いたすということ。第二には
検察庁
の
物的施設
を
充実
いたすということ。第三には
検察庁
の全般的の
予算
を
充実
いたし、且つその
運用
をできるだけ機動的ならしむるというこの三つの事柄が必要だと存じたのであります。今回の
予算案
におきましては、このような
考え
の下に
立案
いたしたのでありまするが、もとより
財政
今般の
事情
もありまして、結果は十分とは申しがたいのでありまするが、足らざるところは
運用
の
工夫
によりまして対処いたしたいと存ずるのであります。先ず
人員
の
充実
につきましては、
消極面
の
対策
といたしましては直接
予算
と
関係
がないのでありまするが、戰後におきまする
検察庁
の手
不足
ということは顯著な
現象
でございまして、この原因は、
一つ
は
犯罪
の激増であり、他は
簡易裁判所
に対応いたしまするところの
区検察庁
というものが新たに設けられまして、
検察
の
機能
が
全国各地
の辺鄙な
地方
にまで分散をいたしたいということであります。
簡易裁判所
の新設は、以前の
警察官
による
違警罪即決
の弊害を除き、新憲法におきまして、身柄の拘束について
令状主義
をとりましたことに即応いたして行われたのでございまするが、その結果は必ずしも
検察官
一人前の仕事のない地域にも一人は
検察官
を配置しておかなければならない。そのために
検察
の力が分散いたし、且つ或る
意味
で無駄を生じたのであります。これは誠に勿体ないことでありまして、前の
臨時国会
におきまして御
審議
を
願つた裁判所法
の一部
改正
は、
簡易裁判所
、
従つて
区検察庁
の
管轄事件
の範囲を拡張し、一面
事件処理
の
簡易化
を図りますと共に、他面このような無駄を省き、両者を以て今般的な審理の促進を図ることを
目的
といたしたものであります。即ち限られた
人員
を最も有効に使うということでございまして、これが先に申上げました
人員拡充
の
消極面
の
対策
であります。 次に、
人員充実
の
積極面
の
対策
といたしましては、
増員
でございまするが、本
予算案
におきましては、副
検事
四十四名の
増加
をお願いいたしているのであります。ここで最近の
犯罪情勢
について一言申上げますると、
終戰後毎年
の
検察庁
において受理いたしまする
被疑者
の総
人員
は、
昭和
二十一年約七十万人でありましたのが、漸次
増加
して
昭和
二十五年には三倍の約二百十万人とな
つて
おり、戰前の例えば
昭和元年
から
昭和
十九年までの
平均
でありますが、約五十九万人に比較いたしますと、実に驚くべき
増加
であると存ずるのであります。尤も一般的の
犯罪
は昨年あたりから若干減少し、且つ強窃盗が減少し、その余分を以て
詐欺横領等
の
知能犯
の検挙が前より活溌に行われるという傾向を示しておるのであります。これは
終戰後
の異常な
状態
から次第に平常時の
犯罪
の構成に返りつつある徴候と見られるのでありまして、やはり
経済
の安定に伴い人心も又幾分なりとも落着いて参
つて
おると存ずるのであります。併しその半面御
承知
のように最近
共産党員
及びこれと同調する一部の
朝鮮人等
の策動が惡質化して参りまして、これらによる
暴力主義的犯罪
が多数
発生
を見るに至りまして、且つこの
状態
は今後も或る期間続くものと予想いたしております。これは
国家治安
の上から申しまして極めて重大なことでありまして、これらの事案に対しましては的確にこれを鎮圧処断することが最も大切でありますので、
警察力
の
充実
もさることながら、
検察庁
も又十分の体制を整えなければならないのであります。これが
検察庁
の
増員
を不可欠とする
理由
であります。そしてこの際
検察官
の中でも、
検事
の
増員
が望ましいのでありますが、給源の
関係
で
差当り
不可能でありますので、次善の策といたまして副
検事
四十四名を
増加
いたしたのであります。 第二に、
検察庁
の
庁舎
及び
物的施設
の
充実
につきまして申上げます。 さて以上申上げましたように
人員
の面で窮屈でありますので、この限られた
人員
で多くの
能率
を挙げますためには、どうしても
物的施設
の
整備
が必要と
考え
られるのであります。その主なものは四つありまして、第一が
庁舎
、第二が
通信施設
、第三が
運輸施設
、第四が簡易な
科学的捜査
の
施設
であります。先ず
庁舎関係
から申しますと、
検察庁
は新
憲法施行
と共に
裁判所
から分離いたしましたが、従来の
庁舎
新営費が極めて少額でありましたので、未だ
裁判所
より
名実共
に分離したとは言い得ない段階にあるのであります。
裁判所
と同居の
庁舎
にありましては、お互いに執務上狭隘を告げ、中には
裁判所
より立退きを迫られている所もあり、又
区検察庁
に
至つて
は未だ開設を見ずに民衆に多大の不便をかけている所もあるような始末であります。
庁舎
が
整備
せぬために
検察活動
にも支障を来たしている
実情
なので、取りあえず二十六
年度
におきましても若干の
庁舎整備
を続行いたす
考え
であります。 次に
通信施設
につきましては、幸いにも
昭和
二十二年以来毎
年度
各位
の御賛成を頂きまして、継続して参りました
法務專用電信
が
昭和
二十五
年度
中に各
地方検察庁本庁
と若干の
支部
に開通するに至りましたので、
昭和
二十六
年度
におきましては、とれを更に約十カ所の
支部
にも延長すべく計画し、その
予算
を計上いたしてあります。 次に
運輸施設
でありますが、これは主として
自動車
の問題であります。
自動車
は現在
全国地方検察庁
の本庁に
平均
二、三台と、二、三の大きに
支部
に一台
程度
の
配置状況
でありまして、
検察
の
機動力発揮
の
観点
よりすれば、誠に心細いものを感じておるのであります。例えば、
事件
が
発生
した
現場
へ
検察官
が出張いたしますのに、それが
新聞記者
の
現場到着
よりも本遥かに遅れるというような事例も従来稀ではないのであります。又、先般来ときどき
重大事犯
の
発生
を見ております
地方検察庁
の
支部
、例えば
福島検管内
の平
支部
のごときも
自動車
を全然持
つて
おらないのであります。そこで、
検察庁
にできる限り多くの
自動車
を配置いたしますことは今日の最も重要な問題の
一つ
と
考え
るのでありますが、物が物だけに多数を一気に入手しがたく、又相当に
経費
もかかりますので、重点的に逐次
整備
して行く
方針
をとりまして、
大蔵当局
とも
協議
の上、
昭和
二十六
年度
予算
中には
地方検察庁
に対し三十一台の
購入経費
を計上した次第であります。 次に、簡易な
科学的捜査施設
の点であります。御
承知
のごとく最近の
犯罪者
の中には、例えばいわゆる
黙秘権
の行使によりましてその氏名さえも判明しない者の数がますます多きを加えて行くように思われるのでありまして、かかる者に対して
犯罪
を
捜査
し、公訴を執行いたしますためには、
検察庁
におきましても写真撮影等簡易な
科学的捜査施設
の必要を感じておるわけであります。のみならず、すでにこの
種施設
を試験的に運営いたしました若干の
地方検察庁
におきましては、予想以上の成績を
收め
ているのであります。このような考慮から、一昨
年度
予算
以来の継続とも申上げられるのでありますが、
昭和
二十六
年度
におきましても若干の
科学的捜査施設
の
経費
を計上いたした次第であります。 第三に、
検察庁
のその他の
予算
について申上げます。その他の
予算
中
検察庁
の
活動
に極めて重要なものは
検察費
でありまして、
捜査活動
及び
公判立会
に要する
費用
はこの
項目
に含まれておるのであります。本
予算
におきまして、これは約四億円計上されており、これは二十五
年度
とほぼ同額であります。従いまして大体本
年度
と同
程度
の
活動
が可能と思うのでありまするが、本来これはその
性質
上予め予測することの困難な
経費
でありまして、若し不測の
事態
に立至り、
年度
の中途において
不足
を告げまする場合におきましては、
大蔵省
と
協議
の上
予備費
の
使用
の
承認
を受けて対処する
考え
でございます。 次に、これは
会計
の
技術面
に亘ることでございまするが、
検察費
は二十六
年度
予算案
におきましては、
部局
を分けることなく、すべて
声最高検察庁
の
部局
一本に統合いたし、
経費
の支出を機動的に
運用
し得るように配慮いたしたのであります。なお
検察関係
の
経費
につきまして二、三つけ加えて御
説明
すべき点がございまするが、それは第一は
密出入国
及び
密貿易関係
の
経費
、第二はいわゆる
マツカーサーライン違反
及び
麻薬事件関係
の
経費
、第三は
司法警察職員
の
指導
に要する
経費
でございます。御
承知
のごとく近年
密出入国
、
密貿易等外国人
が
関係
する
犯罪
が多くな
つて
おるわけであります。一方日本人により犯されまする
犯罪
の中にも或いは漁船の
マツカーサーライン侵犯
といい、或いは
麻薬事犯
といい、その
影響
するところが
国際的分野
に亘る新たなる
犯罪
の
発生
がますます多きを加えつつあり、
講和会議
を
目前
に控えましてこれらの
事犯
に対する
取締
の成否が極めて重要な
意味
を持つことは申上げるまでもございません。このような
観点
から、二十六
年度
予算案
中には
国際犯罪取締
に必要な
経費
及び
麻薬事犯取締
に必要な
経費
という名称の下にそれぞれ若干の
予算
を計上いたした次第であります。 次に、
司法警察職員指導訓練
の
経費
でございまするが、
検察官
といたしましては、
全国
の
司法警察職員
に対しまして第一次的な
指導教養訓練
の責任を負担いたしておるというわけではございませんが、併し
司法警察職員
の
捜査
の巧拙並びに当否は、それが
人権
に
影響
いたしまするところ大であることは勿論、
検察官
の
公訴維持
に極めて重要な
影響
を持つものでありまするが故に、昨
年度
と同様一
項目
を設けてこの
費用
を計上いたしたのであります。
最後
に、これは現在の
予算案
に直接
関係
ある話ではございませんが、
目下准行
中の
刑事関係法律
の
立案
又は
改正
と、それに要する
経費
につきまして多少御
説明
を申上げます。
刑事訴訟法
及び
少年法
は過去二年間の
運用
に鑑み多少
改正
を要すべき点を認められるに至りまして、前者については
目下
着々
改正
を準備中であり、後者についてはこの
国会
において御
審議
を受けたいとかように存じておるわけであります。なお過去二年間の経験に徴しますると、
刑事被告人中
には時に法廷において
裁判長
の
訴訟指揮権
に服従せず、
裁判所
を侮辱し、法廷の秩序を欄乱することを以て
得々たる者
も見らるるに至りましたので、
目下法務
府におきましては、
訴訟促進
と
裁判所
の
権威保持
のために英米の
裁判所侮辱制度
に類似する法制を
最高裁判所
と
協議
の上
立案
中でございます。これらの
法律改正
又は制定が行われました曉には、多少の
予質的措置
を必要とするかと
考え
まするが、
目下
のところそれらの
経費
は必ずしも多額に上るとも
考え
られませんので、
差当り
の
予算案
中には計上いたしておりません。将来
補正予算
、
予備費使用
、その他の方法により対処いたしたいと
考え
ておるわけであります。 次に
特別審査局関係
の事項について申上げます。
我が国
の自立を
目前
に控えまして、国民の
民主的覚醒
は高揚されつあるのでありまするが、現下の
国際情勢
の目まぐるしい変遷に伴いまして、直接間接その
影響
を受け、
極右極左分子
の蠢動を見ますことは、ようやく建設の緒に付きました
我が国
の
民主的再建
を阻害するものでありまして、
法務
府におきましては、
団体等規正令
及び
公職追放令
により嚴にこれが動向を査察いたしまするは勿論のこと、各般の
情報資料
を蒐集検討いたしまして、綿密な
調査
を遂げた上、迅速且つ適切な
措置
を講じなければならないのであります。これに関する来
年度
の
予算措置
として次の諸点を申述べておきたいと存じます。 御
承知
のごとくこの両法令に関する
事務
は、その
性質
上政治、
経済
、
文化等社会各般
に亘り極めて複雑広範囲でありまするばかりでなく、対象となる団体及び個人は
全国各地
方に分布し、中には秘密潜行するものも少からぬ
状況
にありますので、
職員
を常時
全国各地
に配置し、
随時随所
に出張せしめることが必要であります。これがため昨年八月
同局
の
職員
を
定員
五百三十八名より千百四十五名に
増加
いたしたのでありまするが、来
年度
におきましても、この
定員
を承継いたし、
機構
を
整備
してその
事務
の遂行を期しておるのでありまするが、その後今日までの
国家内外情勢
の激変によりまして、本
事務
の万全を期するためには、近き将来更に
同局
に所要の
増員
をしなければならないように存ずる次第であります。 又
特別審査局
の発足は御
承知
のように
昭和
二十一年でありまして、日極めて浅く、且つ
終戰後
の
国家財政逼迫
の
実情
に鑑み、これまで
最低予算
を以て処理し来
つたの
でありまするから、
調査
の
機動的科学的設備
や
旅費
が極めて
不備不足
でありました。この点本
予算
におきましても十分計上することができなか
つたの
は遺憾であります。早急にこれらの
施設
の
繁備及び旅費
の増額を図り、
能率
の向上を期するととが必要と存ずるのであります。 次は、
都道府県知事
に対しまして
右法令
に基き登録及び
調査事務
の一部を委任いたしておるのでありますが、これらに要する
費用
といたしまして、国より交付する
補助金
につきましては、
国家財政緊縮
の折柄止むを得ず大体前
年度
予算
を踏襲いたしておるのでありますが、
全国
各
都道府県
、
市町村側
からは切実な増題の
要求
を寄せられており、更に
予算編成
時以後におきまする
事務量
の急激な
増加
に鑑みまして、
明年度
はこの
予算
により果して賄い得るや否や疑いなきを得ない
実情
にありますので、
事情
によりましては、将来所要の
追加措置
を講じなければならないのではないかと存ずる次第であります。 なおここに附加えて申上げなければなりません点は、
特別審査局
におきましては、
法務
府
設置法所定
の
所管事務
のほか
連合国最高司令官
の直接の命令にかかる
特殊事務
、例えば
特定機関紙
の
発行停止処分
のごとき專務を担当いたしておるのでありますが、この
事務
については
予算編成
当時全く予想し得ないものであります。而してこれらの
費用
は結局既定の
経費
で賄なわなければならない
事情
にありますので、この点に
同局
の
予算運用
上特に御注意を煩わしたいと存ずる点であります。 第三に、
矯正保護局関係
について申上げますと、本年一月末日における
刑務所收容者
は九万五千五百十九名でございまして、本
年度工事完了
のものを見込みましても、
收容定員
はようやく七万二千六百二十五名に過ぎず、なお可なりの過剩拘禁の
状態
であります。
明年度刑務所関係
の
官庁営繕費
によりまして二千四百五十八名分の増設を見る
予定
でございますが、今後とも
各位
の御協力を得まして、この過剩
状態
の
改善緩和
に努力いたしたいと存じておる次第であります。 昨年来目立
つて
参りました
現象
として、
集団示威
、
炭鉱争議
、
占領目的違反
、
完全就労
、
官庁占拠
、
生活保護
、レツド・パージ、平和の
声解散
というような
事件
によりまして、
全国
的にこれらの
集団事犯
の
関係者
を收容いたしておることであります。これらの
收容者
中には
行刑施設内部
におきまする秩序の撹乱を図る者があり、又
同調者
が外部から妨害するということもございまして、誠に容易ならざる時機に際会いたしておるのでありますが、各
刑務所
におきましては
非番職員
を動員いたし、又
関係官庁
の協力を得てその鎭圧に努めつある次第でありまして、こうした
事態
の推移を考慮いたしまして、
昭和
二十六
年度
予算案編成
に当
つて
これに対する
要求
をいたしましたところ、その一部といたしまして、重
警備刑務所設置
のための
工事費
四千万円、
職員
十八名及び
警備機具整備費
八百三十七万円について一応
大蔵当局
の予解を得た次第であります。なお
法務
府といたしましては、今後更に一層その
措置拡充
の必要を痛感いたしておる次第であります。
施設
の
充実
は
刑務所治安
の
重要條件
ではありますが、
予算
の制約もございまするので、更にこれに従事する
職員
の数とその質の両面が相待
つて
初めてその完璧を期し得る次第であります。
明年度予算編成
におきましては、
大蔵省
と折衝の結果二百三十五名の
増員
の
承認
を得たのでありますが、現下の情勢から見て、これだけでは決して十分とは申し得ませんので、将来においても更にその
増員
を考慮いたさなければならんと
考え
ております。これと同時にその
素質向上
に努め、数の
不足
を補うという必要を感じますので、中央及び
地方
の
保護研修所
におきまする
養成訓練
を更に一層
充実
いたすことにいたしておる次第であります。 次に、
少年法
の
対象少年
は、その年齢を十八歳未満から二十歳未満に引上げることにつきましては、昨年来
国会
に対する固いお約束もありまして、いよいよ本年一月一日よりこれを断行いたした次第であります。その実施に当りましては、
大蔵当局
の理解あるお取計らいによりまして、
少年院
の教官その他四百六十人名の
増員
が認められましたが、
受入態勢
はなお決して十分とは申し得ないのであります。一面
少年犯罪
の最近の惡質化の
状況
をも考慮いたしまして、
少年刑務所
内に
特別少年院
を併置し得る
措置
をなお二カ年間延長いたしますると共に、十八歳以上の
少年
に
限つて
いわゆる
検事先議
の処置を講じまして、
施設人員
の不備による不便を補ない、且つは
治安
の万全を期て参りたいと
考え
ておる次第であります。 次に
国家地方警察
に関する
予算
について
そり大要
を申上げます。
要求予算
の総額は百二十一億五千八百万円でありまして、前
年度
に比較いたしますと、十一億一千九百万円の増と相成
つて
おるのであります。何分
警察予算
はその約半分が
人件費
でございますので、この
増加額
の大半は
政府職員
の一
般給與改善
に伴うものでありますが、これを別といたしまして、政府において特に重点を置きました点は次の諸点と相成
つて
おります。第一は新
事態
に応じます
警察
の
能率
を高めて参るために緊急の
施設
といたしまして、
通信施設
並びに
機動力
を強化いたしたいといろ点でございます。
警察通信
は
警察
の
神経系統
とも申すべきものでありまして、在来の
有線電話施設
の外に一応
本部
と
管区本部
、各
府県相互
の間に
短波無線電信
を設備した次第でありまするが、今後の
治安状況
からみまして、各
県本部
と各
地区警察署
の間、及び各
地区警察署
と
警邏自動車
の間に超
短波
を装置することによりまして、常時
本部
と
通信連絡
を保ちつつ警邏いたしまするほか、
犯罪現場
に急行いたし直ちに
本部
との
通信
を確保すをことのできまするよう、又予想されるところの有線の故障とか妨害に備えることにいたしたいので、今
年度
実施いたしました四府県に引続き
明年度
においては十県に超
短波
を設置いたすことといたしたのであります。 次に、
通信
と
並び警察活動
に欠くことのできないところの
機動力
につきましては、
明年度
は
輸送車
百三十七輌を中心といたしまして三百八十八輌を購入することとし、第一線の
老朽車
を変えて車輌の
整備
をいたしたいと存じておるのであります。第二には
鑑識施設
の強化であります。
犯罪捜査
の
科学化
と申しますか、
人権
を尊重しつつ
犯罪
を撲絶いたしますためには是非とも
犯罪鑑識施設
を強化いたさなければならんと存じまして、指紋、手口、写真、
法医
、理化の方面に亘ります
施設器材
の強化を図りたいと存じまして、これに三億五千万円の
経費
の計上をいたした次第であります。第三は
捜査
並びに
取締活動
の
活撥化
でございますが、
旅費
、
捜査費等
を中心といたしまして、
警察官
が
取締
及び
捜査
の実地の
活動
をいたしまするために九億八千三百万円を計上いたしました。第四は、
警察官教養
の拡充でございますが、何と申しましても、権力を行使いたします
警察官
が人格、技能にしつかりした
教養
を身に付けなければならんということは当然でございますが、
警察大学
の
幹部教養
と相並びまして、
管区警察学校
及び
府県警察学校
におきまする
新任巡査
の教育並びに
現任警察官
の教育には十分力を注ぎたいと存じまして、これに五億六千五百万円を計上いたしたのであります。以上のごとく重点的な
予算
を組んだのでありますが、
差迫つた事態
につきまして
考え
ますると、なお十分とは申し得ないのでありますが、併し一方におきまして
財政
上の制約を免れぬわけでございますから、この
予算
をお認め願いました上は、これが
使用
に当り一段と
工夫
を重ねまして、有効に活用いたしたい、かように存じておる次第であります。
最後
に
警察予備隊
の概況について申し上げたいと存じます。昨年八月中旬、
隊員
の
募集
の開始と同時に
全国
において異常な反響を呼び、選抜に関しまして
応募者総数
約三十八万人を超えるに
至つたの
であります。これらの
応募者
に対しまして
選抜試験
を実施いたし、その
合格者
を昨年八月二十三日を第一回とし、
隊次国家地方警察
の各
管区警察学校
に入隊せしめ、十月十二日の第十一回の入隊を
以つて
七万四千余名の入隊を
終つたの
であります。その後病気その他の
理由
による
退職者
が
相当数
に達しましたので 昨年十二月中旬、右の
補欠員
の中から
補欠募集
を行い、約五百名を追加いたしました。これらの
一般隊員
は
警察学校
より
全国
の
予備隊訓練キャンプ
に隊次移転いたし、仮
編成
を行いまして各種の
訓練
を実施中であります。
一般隊員
の年齢といたしましては、十八才より三十五才までであり、このうち
中等学校
以上の学歴を有しまする者が総員の約半数でありまする三万六千各、又従軍の経歴のありまするものも約半数の三万八千各ということに相成
つて
おりますります。 次に、
幹部隊員
の
充員
につきましては、二等
警察士
以上約五千人を
予定
いたし、そのうち
上級幹部
約二百はその職責に鑑み、
特別選考
により
募集
し、
中級幹部
のうち約八百は
一般隊員
と
同様一般募集
を行い、
選抜試験
による
合格者
のうちより任用いたし、残余約四千の
幹部
はすでに
一般隊員
として入隊いたしておりまする者の中から、資格のある者に対して
予備隊
において
昇任試験
を実施して任用する
方針
の下に手続を進め、現在各
階級別
に見まするというと、これは一月十九日の現在でございまするが、二等
警察士
以上が約三千五百名、こういう
幹部
の
充員
の
状況
でございます。現在なお
任用手続
といたしましては続行中でありまして、三月末を目途として、
階級別
の
充員
を一応完了いたす
予定
と相成
つて
おります。特に現在なお
部隊外
から
募集
をいたしております者は、先般特に
追放解除
になりました若い
海軍兵学校
及び
陸軍士官学校卒業者
のうちで、
希望者
は特に
ニカ月間
の
訓練
をいたしました後に
幹部
に任用いたしたいと、これが
募集
を
目下
や
つて
おるところでございます。
警察予備隊
の
編成
の大綱を申上げますると、
部隊
の
編成
といたしましては、総隊、これは七万五千の
部隊
全体を
一つ
の
部隊
と見まして、これを総隊と名付けています。そのうちには
管理補給隊
があり、これは物資の
補給管理
というような特別の任務を持つたところの特別の
部隊
でございます。それから
管区隊
、
連隊
、
大隊
、中隊、小隊、分隊、こういうことに相成
つて
おります。
全国
に四
管区
が配置せられまして、その
管区総監部
は札幌、東京、伊丹、福岡四ヶ所に置く
予定
でございます。各
管区隊
は、
普通科連隊
三
連隊
、
特科連隊
一
連隊
、及び
特科大隊
二
大隊
、これを以て
編成
いたし、
部隊
におきまする
最高
の
警察官
でありまする総
隊総監
は、
本部長官
の統轄の下に全
部隊
を統率するという仕組に相成
つて
おるのであります。なお各
総監部
の
機構
は、
一般幕僚機関
として人事、
調査
、
訓練
及び管理の四部と、
特別幕僚機関
として十余りの科を設置いたし、おのおの職務を分担途行いたすことに相成
つて
おるのであります。
編成機構
の概要はこの通りでございますが、現在の
キャンプ
の配置は、一部を除いては
收容施設
の
不足
いたしておりまする
関係
から、止むを得ず暫定的の配置と相成
つて
おるのであります。即ち現在は
予備隊
本部
及び総嫁
総監部
は深川越中島に設置され、第一
管区隊
所属の
キャンプ
といたしまして七カ所、第二
管区隊
所属の
キャンプ
六カ所、第三
管区隊
所属の
キャンプ
十カ所、第四
管区隊
所属の
キャンプ
七カ所、合計三十カ所の
キャンプ
が置かれておるのでありまするが、なお警備防衞の
観点
から恒久配置がすべて決定されるに至りますまでは、若干の営舎の新築或いは修築を行いまして、漸次配置転換を行わなければならないという
状況
でございます。 次に
訓練
の現況について申上げますると、
予備隊
はその設置の当初におきまして、正式
編成機構
の決定及び
幹部
任用に先だちまして、
一般隊員
を早急に
募集
採用いたしました
関係
上、従来各
キャンプ
におきましては、米軍将校数名の
指導
によ
つて
仮
幹部
が任命され、中隊長、小隊長が置かれ、中隊
編成
として
訓練
いたして参
つたの
であります。昨年十二月初旬、各そのキヤンフの
部隊
長及び副
部隊
長が正式に任命され、ここに各
部隊
の責任者が確定し、この
部隊
長の指揮の下に、
目下
日本人の
幹部
の手によ
つて
訓練
その他各般の
整備
が推進されておる次第でございます。
訓練
の内容につきましては、
一般隊員
に対しましては、各
キャンプ
において十三週間の基礎
訓練
計画に基く各個教練及び密集教練、カービン銃の取扱及び射撃
訓練
、徒歩行進、暴動鎭圧、戰闘体形、体育、救急法等の
訓練
が行われたのであります。この
訓練
はできるだけ理論的なことを避け、実地
訓練
が主とな
つて
おるのでありまして、チーム・ワークと協力の重要なることが強調され、毎朝午前八時から午後五時までを原則として日課の
訓練
を実施したのでありますが、この
訓練
は大体昨年末を以て終了し、
隊員
個々の基本
訓練
は一応完成いたしましたので、第二期の
訓練
といたしまして、今年一月十五日より十八週間の
訓練
を実施中でございます。この
訓練
は
大隊
以下の小
部隊
の
訓練
を中心とし、これに医科及び工科の特科
訓練
を加えたものであります。以上のほか
警察
次長級の
幹部
級及び
部隊
の維持管理に必要な各種特科の
訓練
を並行して実施いたしております。なお
訓練
は実地
訓練
に重点を置いておるために、
幹部
に必要な部数のみ教材を配布いたしたのであります。
訓練
用教材につきましては、従来
使用
されておりまするものの中には適切を欠くものが多いのであります。従いまして二十六
年度
においては更に検討を加えて修正統一をいたしまして、各
隊員
に行き渡るようにいたしたい、かように存じておるのであります。
警察予備隊
はその性格上
部隊
編成
をとり、常時団体
訓練
を行い、その任務遂行に当
つて
は統一ある団体行動をとらなければならないのであります。このような組織におきましては、規律、風紀の維持ということが何にも増して重要であることは言をまたないのでございまして、ただこの場合に注意しなければならん点は、旧軍隊におけるような、
隊員
各自の人間性を無視しがちな封建的な規律、專ら権威主義に基くところの支配隷属
関係
を再現することにな
つて
はならない、かような点であると存ずるのであります。新らしい
警察予備隊
におきまする規律は、
予備隊
の性格と任務を理解いたし、団体組織と階級制による秩序を尊重し、自主的に職務を遂行し、責任を盡すというところの
隊員
各自の自覚を基盤とするものでなければならないと
考え
るのであります。 このような自覚ある
隊員
を育成し、それによ
つて
規律を維持することは、制服を着てただ指示のみを待ついわゆる盲従的な兵隊を
編成
することに比べますというと、遥かに困難であると存ずるのでありまするが、この困難を克服して初めて民主主義のために、即ち正義と自由のための
警察予備隊
ができ上がる、こういうふうに
考え
ておる次第であります。
予備隊
における具体的な規律、風紀の
状況
といたしましては、現在概して良好であると判断をいたしております。昨年九、十月頃の
編成
当初におきましては、給與の未拂による不満或いは不安を主との、階級の定
つて
いないこと、
幹部
の手
不足
、絶えざる宿舎の移動というようなことのために、必ずしも満足すべき規律を維持していたとは言えないのでありまするが、その後このような問題が逐時解決をいたし、一応の
編成
を終り、新らしい
幹部
によりまして本格的の
訓練
を開始いたしておりまする現在におきましては、一部の偶発的な非行
事件
を除きましては、概して良好な風紀を保つように相成
つて
参
つたの
であります。非行
事件
につきましては、その都度規定に照して処断をいたし、諸般の
編成
が漸次
整備
して参りまする今後におきましては、隊における規律、風紀は一層振粛されるものと確信をいたしておる次第であります。現在まで非行によ
つて
懲戒処分を受けた者は約三十数件、五十名ばかりと相成
つて
おります。
予備隊
の武器の現状といたしましては、カービン銃及び機銃若干が米軍側から貸與されておるのであります。
通信
装備の計画といたしましては、先ず
通信
幹線網の
整備
に重点を置いて、これらに要する機材の購入契約をできるだけ早く完了したい
考え
であります。なおこの幹線網と並行いたしまして、
訓練
用の機材、小型携帯無線電信機等の無線電信機等の
整備
を行いたいと
考え
ておるのであります。そしてこれらの
通信
機材はできるだけ国産品で充当する
予定
でありまするが、性能その他の
関係
で国産品で賄えないときは輸入に待つ
方針
であります。車輌の
整備
状況
でありますが、すでに購入契約済の数は乗用車十一輌、トラツク百輌でありまするが、なお今
年度
中三月までに更に約千五百輌の乗用車、四輪
自動車
、トラツクを含めまして購入いたす
予定
に相成
つて
おります。特殊規格の車輌につきましては、
目下
種々施策を実施中であります。
最後
に経理
状況
でありまするが、
昭和
二十五
年度
の
経費
は、一般
会計
における国債費の中から二百億を移用することに相成
つて
おり、二十五
年度
においては
隊員
の宿舎、被服装備等に多額の初度的
経費
を要し、なお今後三月まで要するものと思われるものでありますが、
昭和
二十六
年度
の
予算
は百六十億といたし、前
年度
に比して四十億減少いたしておるわけでありますが、この減少の
理由
は装備、機材、宿舎の設備というような初度的な
経費
を君しく減少するその結果であるわけでございます。以上簡單でございまするが、
治安関係
の
予算
について一応御
説明
を申上げた次第でございます。
東隆
3
○理事(
東隆
君) ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、只今見えておりますのは、先ほど申上げました
法務総裁
、それから
予備隊
本部
次長の江口美
登留
君、それから
法務庁経理部長
の
岡原昌男
君、それから今追加いたしますが、
特別審査局
長の吉河光貞君、
国家地方警察
本部
会計
課長の三輪良雄君、海上保安庁次序柳澤米吉君、
法務
府
検務局
長高橋一郎君、これだけ見えております。詳細な御報告があつたわけでありますから、なお詳細に亘
つて
若し聞く必要がありましたら、
予備隊
その他について聞きますか、お諮りしますがどういたしましよう。直ちに質疑に入りましようか。
波多野鼎
4
○波多野鼎君 質疑に入つたらどうですか。
東隆
5
○理事(
東隆
君) 質疑に入つたほうがいいというお話でありますから、直ちにこれから質疑に入ろうと思います。御質問のかたはどうぞ。それから国警
本部
の次長が参
つて
おられます。
波多野鼎
6
○波多野鼎君 只今共産党の
幹部
に対する逮捕状が出てお
つて
、まだ解決していないのですが、この問題につきまして従来の経過並びに総裁のへ後の見通しについて伺いたいと思います。
大橋武夫
7
○国務大臣(
大橋武夫
君) 共産党の
幹部
に対しまする逮捕状は、すでに昨年の夏発せられまして、その後九名のうち春日正一一名逮捕せられたのであります。これは
団体等規正令
違反といたしまして、起訴いたしまして第一審の判決を終つた次第でございますが、他の八名につきましても引続き特審局、
検察庁
、
警察
当局相
協力
して
捜査
を継続いたしておる次第でありますが、只今のところ、いつ逮捕になるかということについて見込を申上げる段階にな
つて
おらないのであります。
波多野鼎
8
○波多野鼎君 先般総理が演説をされた中に、国内
治安
の問題については何ら心配することは要らんというようなととを繰返し言
つて
おられましたけれども、国が逮捕状を出した人を、今に至るも逮捕し得ないということは、すでに
治安
が非常に弛んでいるというのか、
治安状況
が惡いということの証拠じやないかと思うのですが、その点どうなんです。
大橋武夫
9
○国務大臣(
大橋武夫
君) 逮捕状が出まして、その
被疑者
の逮捕できないということは、他にもときどきあることでございます。先般総理が
治安
については安心できる
状態
である、かような趣旨を申上げておりましたのは、いわゆる国内
治安
の撹乱をいたしまして、国内におきまする集団暴力的な行為、或いは騒擾
事件
的な行為、こういつた
性質
のいわゆる社会の
治安
を撹乱いたしまする個人的な
犯罪
のほかに、こうした集団的な暴力的な
犯罪
、例えば騒擾とか或いは集団暴力であるとか、こういうような
犯罪
の鎮圧ということについては万全の体制が整
つて
いる、従いましてこういうような面について特に現在心配すべき
状態
は、
治安
上全くない、こういう趣旨を申上げた次第であると存じます。
山田節男
10
○山田節男君 今の波多野委員の質問に関連してでありますが、この八名の
共産党員
の逮捕ができない、これはもう
検察庁
或いほ
警察
のほうで全力を盡しておられることは十分わかるのでありますが、併しすでにもう半歳を経てなお今日跡方もわからないというような、こういつた
法務
府の管下にある
警察
網を以てしてということは、吉田総理が曾
つて
参議院の本
会議
において
治安
において心配することはないということと全然違う そこでさつき
法務総裁
から言われた
地方
警察
職員
の
教養
訓練
ということに対して二千万円計上しておりますが、非常に今の
法務
府管下にある
検察
、
警察
の間に、若しそういつたような非常な労力と金をかけながら、今日に至るまで跡方もわからないこの醜態の原因は、やはり
法務
庁の中に、それを
能率
的に
捜査
し逮捕し得るような人ということについて欠けているのじやないか、もつと具体的に言えば、民間産業公企業等においてもすでにレツド・パーヂが続々行われている。特審局のある
法務
府においてそういつたことが末端に至るまで徹底しないからこの醜態を演じているのじやないかと、こう思うのですが、今の総裁の答弁によ
つて
発見できないとおつしやるが、その隘路がどこにあるのか、国警と自治
警察
との横の連絡が惡いのか、金がないのか、或いは
科学的捜査
をするための金が足りぬのか、この点をはつきりお答え願いたいと思います。国務大臣(
大橋武夫
君) お説の通り特審局の人的
機構
という点につきましては、必ずしも今日とれを以て万全であると
考え
るものではございません。
終戰後
の特に共産党の
関係
の
対策
の
機構
といたしましては、従来戰時中或いほ戰前におきまして、この方面の特別の仕事を担当いたしておりましたるいわゆる各
警察
における特高
警察
の
関係者
というものは、これはいわゆる公職追放の取扱を受けておりまして、特審局において
使用
ずることができないのであります。従いましてこの特審局の今日の
人員
といたしましても、この仕事についての執練者、エキスパートというような人たちは殆んど現在はまだないのであります。少くとも従来からのエキスパートではない、特審局と共にこの仕事に入り、そうしてこの仕事の今後熟練の途中にあるという人たちばかりであります。従いまして一部の説といたしましては、従来特高
警察
において
相当
訓練
を積んだところの昔の特高
警察
職員
を
相当
この中へ取入れてはどうか。そういう説もあるわけでありまして、成るほどこれらの人々を
使用
することによりまして、或る
程度
の効果は
差当り
期待できるかも知れませんが、併しながらこれとても今日と戰時中或いは戰前とは
共産党員
の数というものが全く違
つて
おりまして、その多数の人たちの庇護の下に、いわゆる潜行運動をいたしておる、これらの中から的確な情報をとり、そうしてこの足跡をつかむということは従来の特高のエキスパートを連れて来ても今日の共産党に対処いたしましては、余り効果は期待できないのではないか、かようにも
考え
られるわけでありまして、かたがたいろいろな
関係
から特審局の
方針
といたしましては、新らしい将来伸び得る人たちをこの新らしい
機構
に取入れ、これに対しまして今日の
実情
に適合したような基礎的な
訓練
を施して、真にこういつた特別
捜査
任務の熟練者を作り上げて参りたい、こういう
方針
でや
つて
おるような次第でございます。従いまして、かような
方針
の下におきまして、現在
充員
をいたしておるのでございまするから、これらの人が特高の経歴がないという点は、私は必らずしも特審局の欠陷と目すべきものではない、特審局のこうした行き方にもそれだけの
理由
は十分にあるものと
考え
ておるのであります。結局どこにそれでは欠陷があるかということになりますると、要は
終戰後
非常に大きくなりました共産党というものに対する
機構
としては、特審局の
機構
というものが必ずしも今日
人員
の点においても
経費
の点においても十分でないのではないか、この点があると思うのであります。ただ併し今も申上げました通り、特審局というものはこれは特殊の仕事に従事せしむるのでございまするから、
職員
の
訓練
に
相当
の期間を要するわけでございます。一時に多額の
定員
をとり、又
経費
を作りましても、これが急に膨脹いたしましたからそれに即応して十分に
活動
ができるかと申しますると、この点は必ずしもそうは行かない。やはり徐々にその規模を拡大し、徐々に
充員
をし、そうして
相当
年数をかけて
機構
全体の
充実
を図
つて
行く。こういう行き方でなければにわかごしらえに大膨脹をやりましたところで必ずしも効果はなかろうと、こういうふうに
考え
ておる次第でございます。
山田節男
11
○山田節男君 今の私の質問の重要な点を回答願えないのですが、私のポイントとして質問したことは、成るほどこの特審局のほうにおいてエキスパートがない。これは私了解し得るのでありますが、今日こういつたような我々が
法務
府の
機能
を信頼できないというような、むしろ醜態を演じなくちやならんという根本的な問題として、
法務
府管下或いは
警察
等において共産党のやはり細胞というものがあ
つて
、党員はいなくても
同調者
はいるかも知れない。こういつた
意味
の
法務
府自体の粛正が徹底的にできていないところに非常なる私は大きな何があるのではないか。過日
法務総裁
は関西に行かれたときに、車中で共産党は近く非合法化するということを
説明
された。併し今日に至るまで何らその処置をとられない。これはいろいろ国際的な考慮もあるだろうと思うけれども、
法務総裁
がそれほどの覚悟をして、而もこれを車中談として世間に発表しながら何らその後の処置をとらない。こういつたようなところに私は今
法務
府があれはど名も売れ、顔も売れておると共産党の
幹部
を半歳以上かか
つて
もなお逮捕し得ない、それは熟練者がないということは大きな原因であるかも知れませんけれども、私はもつと根本問題は
法務
府の中にそういつた細胞がお
つて
自由自在に活躍し得るような余地があるから、
法務
府の折角の努力が水泡に終
つて
おるのではないか。この粛正が
法務総裁
としてあなたの管下の
警察
の末端に至るまでこれが十分粛正ができておるということの席上で断言できるかどうか、こういうことをお答え願いたいと思います。
大橋武夫
12
○国務大臣(
大橋武夫
君)
法務
府といたしましては、昨年の春におきまして
法務
府の中に入り込んでおりました共産党の細胞を探知いたしましたので、これを全員退職せしめました。従いまして今日におきましては
法務
府管下の各官庁を通じまして、
全国
において党員はおらないと、こういうふうに確信をいたしております。
波多野鼎
13
○波多野鼎君 この
法務
府の
予算
を我々が
考え
る場合に一番問題となる点は、こういう
予算
を
法務
府に與えても、今問題にな
つて
おる共産党の
幹部
の問題とか、或いは又
地方
へ行きますと、非常にボスの勢力が強くて
警察力
なんかまるであ
つて
ないようなものなんです。事実そういうのがたくさんある。つまり日本全体を見渡して見て
警察力
の及ばん世界が二つあると思のです。いわゆる極左の世界と極右の世界なんです。これだけは及ばないのです、暗黒の世界なんです。そうしていわゆる善良な国民を以て構成されている世界だけが及ぶかも知れない。而も無用に及んでおるのです。無用に及んでいる部面が非常に多い。そうして一番大事な極左の世界と極右の世界には
警察力
を及ばない。こういつたような馬鹿げた
機構
では
治安
が確保されているとか、いや集団的な暴動行為はないのだとか何とかそういうことを言
つて
おることがおかしいのです。実際おかしいのです。
警察力
さえ及ばないような世界が右と左に二つあるということ、そういう
事情
の下ではいつどんなことが起きるかも知れやしないのです。そこで
法務総裁
に聞きたいのは、こういう
予算
を
要求
されておりますが、
治安
の問題についてどういう確信を持
つて
おられるのかということなんです。今山田委員から問題になつた例えば特審局の問題にしましても、特審局の中はエキスパートがいないのだから、先ず五年か六年かか
つて
養成して行きましようといつたようなことに聞えるのです。そんなことをや
つて
お
つて
いいのかどうか。そんな悠長なことを育
つて
お
つて
いいのかどうか。どういう確信を持
つて
この司法行政をや
つて
行こうとしておられるかということをお聞きしたい。
大橋武夫
14
○国務大臣(
大橋武夫
君) 私どもといたしましては、この
治安関係
につきましては、特審局、
検察庁
又このほかに
警察
もあるわけでございます。これらの
関係
機関におきまして従来最も伴い易い弊害といたしましては縄張争い、いわゆる
協力
の不完全という点であるわけでございまして、これがいろいろな面におきましてそれぞれの
能率
を十分に発揮することを妨げるという
事態
が従来往々にしてあつたわけでございます。私はこの
治安
問題におきましては、かような各種の
関係
機関というものが同じ
治安
のための
協力
すべき職分を持
つて
おるという自覚に基きまして、できるだけ一体として動き得るような、
協力
の実を挙げるという面の
指導
が必要であるとかように
考え
まして、今日その面において力を入れておるわけでございます。従いまして、かような
協力
が完成いたしまするならば、これは必ずや現在の
治安関係
の
機構
なり、或いは
人員
を
以つて
いたしましても従来以上の成績を挙げ得るというふうに確信をいたしますが故に、今後ともかような各機関の連絡調整、
協力
の実を挙げるようにいたしたいとかように
考え
るのであります。而して
治安
の点につきましては、特に最近におきまする各種の
犯罪
の
状況
から
考え
まして、諜報機関というものが非常に必要でありまして、
犯罪
に関しまする各種の情報をできるだけ十分にとり、又これを的確に判断をいたす、こういうことが必要でございますので、この点につきましても重点を置いてやらなければならないかように存ずるのであります。なお今後の問題といたしましては、
警察
制度の
改正
、或いは又
警察官
の
人員
の
増加
といつたよな
機構
の力を全般的に量的に増大させるという面も必要かと存じまするが、これらを取り合せて十分に
能率
を挙げるように努めたいとかように
考え
ておる次第であります。
木村禧八郎
15
○木村禧八郎君 ちよつとお伺いしますが、先はど我々に参考資料を配付されましたがそれを見ますと、
法務総裁
の
説明
にもありましたが、
犯罪
が非常に殖えておる。
昭和
二十一年に約七十万、二十五年約二百十万に殖えている。これは大変な激増なわけでありますが、この内容につきまして、
犯罪
別な資料があつたらお出し願いたいと思います。それから原因につきましても、どうして
犯罪
がこのように殖えたか。この配付された資料によりますと、最近
共産党員
及びこれと同調する一部
朝鮮人等
の策動が惡質化し、
暴力主義的犯罪
が多数
発生
するに至つたと、これが主たる原因のように受取られるのですけれども、それにしても余りに
犯罪
数が非常に多いと思うのです。我々にやはりこういう
犯罪
の全部と言ませんが、多くの原因が
経済
的な生活の上にあると思うのです。生活の面から来る
犯罪
が
相当
あると思うのです。ですから我々としては、
政府
の
経済
政策のやり方の間違
つて
いるような点から起
つて
いる、激増している
犯罪
も
相当
あると思うのです。そういう
意味
でその判断は我々がやるのですけれども、その資料としたいために
犯罪
別の統計を欲しいと思うのです。それから原因につきましては、
法務総裁
はどういうようにお
考え
か、五答弁願えれば御答弁願います。
大橋武夫
16
○国務大臣(
大橋武夫
君) 資料の点につきましては、至急提出いたしたいと思います。
犯罪
増加
の原因でございまするが、
終戰後
におきまして、社会的にも又
経済
的にも非常な激変を蒙りました
我が国
の社会といたしましては、自然
経済
的生活苦もございまするし、又社会不安もございまするし、殊に青
少年
に対しましては、国家の前途ということに対する光明を失つたような気持と申しまするか、いわゆる自暴自棄的な気持、かような精神的な面も
相当
あると存じまして、これらの各種の原因が相競合いたしまして、
相当
犯罪
の
増加
を醸成いたしたものと
考え
ておるのであります。而してこれらの一般的の
犯罪
につきましては、最近インフレが漸次安定いたしまするに伴いまして、
経済
も多少安定に向つたというようなことともございまするので、その
発生
というものも従来から見ますると。最近におきましては少し減
つて
来ておるような
状態
であります。大体これは昨年あたりからさような傾向を示しておるのであります。一面におきまして、共産主義者並びに
同調者
によりまする集団暴行
事件
、その他特殊の
犯罪
につきましては、朝鮮事変以後において特に著しい激増を見ておるというような次第でございます。
木村禧八郎
17
○木村禧八郎君 次にお伺いしたいのですが、
予算
参照書を見ますと、二十六
年度
の
警察予備隊
費は計上されていますが、二十五
年度
の
予備隊
費は零にな
つて
いるのですが、これはどういうわけなんですか。
江口見登留
18
○
政府
委員(江口見
登留
君) 二十五
年度
の
予算
が零にな
つて
いるというのは、何を御覧にな
つて
いるのか存じませんが、二十五
年度
は御
承知
の通り二百億の
予算
を
目下
支出中でございまして、二月十六日現在で百十一億円を支出いたしております。
木村禧八郎
19
○木村禧八郎君 我々に配付されました
昭和
二十六
年度
一般会計予算
、その
予算
参照書というのです。この二百十七ページ、この総理府
所管
の項を見ましてもこれが零にな
つて
おります。何か二十五
年度
の
警察予備隊
費は特別の扱いをしているのかどうか、その点を伺います。
東條猛猪
20
○
政府
委員(東條猛猪君)
予算
の
編成
の技術的の問題でございますから、便宜私からお答えさせて頂きます。この
予算
参照書の前
年度
の
予算
額の欄は
国会
において議決して頂きました本
予算
と
補正予算
を合せました金額を計上いたしております次第でございます。只今江口次長が申上げましたように、二百億の
予算
は木村委員御
承知
のように
予算
実行上の移用の
措置
によりまして支出いたしましたので、前
年度
の
予算
額は便宜只今申上げましたように
国会
において議決頂いたものを比較対照の上で計上いたした次第でございまして、若し
予算
実行をも合せまして、前
年度
幾ら、本
年度
幾らというお話でございますれば、この
予算
参照書の作り方を変えまして、予備金の支出でありますとか、或いは移用、流用の結果を合せましたものを織込みまして、前
年度
予算
額に計上いたすことになるのでありますが、従来ともこの
予算
参照書の上におきましては、前
年度
予算
額はこういう
予算
実行上のいろいろなことは入れないで、
国会
において議決を頂きましたものと
補正予算
を合せたものを計上いたしております。かように御了承頂きたいのであります。
木村禧八郎
21
○木村禧八郎君 そうしますと決算書にはそういうふうに出て来るけれども、
予算
としてはその
項目
は債務償還費のうちにあるわけですか。
東條猛猪
22
○
政府
委員(東條猛猪君) 仰せの通りでございまして、決算書にはいわゆる
予算
決定後のいろいろ実行上の変化をも織込みましたものが上るのであります。決算書におきましては今仰せの通りでありまして、
予算
書におきましては、私の今申上げた通りであります。こういうふうに御了承願います。
木村禧八郎
23
○木村禧八郎君 わかりました。
国会
の
承認
を得なかつたから、こういうふうにな
つて
おる。こういう
意味
だと思いますが、次にお伺いいたしたいのは、
警察予備隊
の人数でございます。七万五千人とな
つて
おりますが、先ほど
幹部
の話があ
つて
約五千人と言われたが、これは七万五千人の中に入
つて
おりますか、それ以外ですか。
大橋武夫
24
○国務大臣(
大橋武夫
君)
警察予備隊
の官制上の
定員
は正確に申上げますると七万五千百とな
つて
おります。この百名は
部隊
の
隊員
即ち制服を着た人たちでなく、
管理
に当ります行政
事務
の
職員
でございます。これは
警察予備隊
本部
と称します官庁に所属いたしておりまする
職員
で、これは
本部長官
以下百名でございます。その他に
部隊
七万五千が官制上の
定員
ということにな
つて
おりまして、このうちには総監以下すべての
幹部
を包含いたしております。
木村禧八郎
25
○木村禧八郎君 もう
一つ
お伺いしたいのですが、最近
警察予備隊
の増強ということがいろいろ問題にな
つて
おりますが、これは講和後において問題になるのか、講和前において問題になるのですか、講和の
一つ
の前提として問題にな
つて
おるものか、或いは更につき詰めますと、
昭和
二十六年にはそういうことが起る公算があるかどうか、 この点をお伺いしたい。
大橋武夫
26
○国務大臣(
大橋武夫
君)
警察予備隊
の増強と申しまする言葉の中には先ず二つの
意味
がございます。
一つ
はこの
警察予備隊
の各種の装備、即ち武器及び
機動力
、
通信
、かような面を増強いたすことによりまして、現在の七万五千の人たちによるところの
警察力
を実質上それ以上にして行く、いわゆる機械化の問題でございます。もう
一つ
は七万五千の
定員
を
増加
するという問題であります。現在
政府
といたしましては、七万五千の
人員
を
増加
するという点につきましては、何ら
考え
ておりませんのです。專ら
警察予備隊
の増強ということはますます機会化を進めて行くということ、並びに
訓練
を
充実
するということによりまして、七万五千の
定員
のままでその力をできるだけ増強いたしたい、こういうことを
考え
ておるわけであります。従いまして、
政府
といたしまして
考え
ております点は、
人員
の
増加
ではなく、その実力の増強という面でございます。これは
講和会議
までの間の
措置
といたしましては、当然日本
政府
が本来自主的に作つたと申しますばかりでなく、これは
最高
司令官の指令によりまして創設いたしたものでございますが、当時の指令が七万五千ということでございましたから、現在はその数を動かすということは
政府
としては今日
考え
ておらない点であります。
木村禧八郎
27
○木村禧八郎君 そうしますと、
予算
関係
から行きますと、今お話のような人数の
増加
でなく、機械化その他の装備ですか、そういうようなものの
充実
によるというお話ですが、
予算
関係
では二十六
年度
予算
には大体そういうものは含まれておるのか、或いは今後そういう
費用
の追加が出て来るものと見てよろしいのかどうか。
大橋武夫
28
○国務大臣(
大橋武夫
君) 実は本
年度
予備隊
が創設せられましたのは八月からでございまして、八カ月の間に二百億という
経費
を
使用
する
予定
にな
つて
おります。これに対しまして、来
年度
は十二ヵ月でありながら百六十億ということで、本
年度
より逆に減
つて
おるのでありますが、この減
つて
おりまする原因は、先ほども申述べましたる通り、当初
予算
におきましては先ず宿舎を新規に造る。これは進駐軍の兵舎を借りたものも多いのでございますが、その足らざる部分といたしましては、新らしく従来遊休の建物を隊のために
使用
することとし、これを修繕、或いは一部改修いたしまするために
相当
の
費用
を使
つて
おります。それから何しろ何もないところへこれができましたものでございますから、車輌とか、或いは又
通信
機関、こういうようなものは全然今
年度
においては初度調弁として調達して行かなければならない。それから
隊員
の
使用
いたしまするいろいろな被服とか或いは物件、こういうようなものの新らしい購入、これらは主として今
年度
において行うことにいたしておりまするが、来
年度
におきましても、若干は
自動車
を追加する、
通信
の器具、器材を追加するという
経費
も見込んでおるのであります。特に武器の点でございまするが、武器は今後におきましても引続きこれを
強化
するような
措置
を只今講じつあるのでありまするが、これらはいずれも連合軍から貸與されるまでの
実情
でございまするし、今後におきましても当分の間はそういう方法によるものという見込によりまして、
予算
を
編成
いたした次第でございます。
木村禧八郎
29
○木村禧八郎君 私のお聞きしたいのは、ダレス氏が見えまして、講和の問題が
相当
論議されて、大体明らかになつたことは、直ぐ再軍備という問題は起らない、その前に国内的な、対内的な
治安
ですか、それに対応するためには
警察予備隊
の増強ということが
中心
にな
つて
行くというように見られておりますが、
昭和
二十六
年度
に講和がだんだん具体化して行くという場合に、この
程度
の
予算
で、百六十億なら百六十億で済むりかどうか、そういう点なのです。これは
経済
全体としての問題と無論関連して来るのでありまして、今後の
経済
を見る上にそういろ
費用
が多くなるということは、インフレの問題その他でいろいろ関連して来ますので、そういうものが
予算
上どの
程度
の比重を持
つて
来るものと
考え
ていいのか、池田大蔵大臣はそういうものが起
つて
来ても、国民所得の大体四%
程度
であるから大したことはない、こういうようなことを言
つて
いたようでありますけれども、四%にしてもこれは
相当
の金額と思うのですが、そういう角度から質問しているのでありまして、二十六
年度
は百六十億ここに出ているから、これで済むとそう簡單に
考え
ていいかどうか。只今武器などは貸與されると言われましたけども、先ほどのお話ですと一人数を増すのではなく、機械化その他によ
つて
実力を非常に
強化
するというお話ですが、そういうような今後のことも、そう先のことまでわかりつこないので、御質問しても無理なのですけれども、二十六
年度
においてそういう
追加措置
みたいなことが出て来ないだろうか、こういう点なのです。それからずつと講和前まで七戸五千、この現状でや
つて
行かれるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
大橋武夫
30
○国務大臣(
大橋武夫
君) 只今のところ
政府
といたしましては、これを
増加
するという
予定
はございません。従いまして当分のうち七万五千でや
つて
行くということになると
考え
るのであります。
山田節男
31
○山田節男君
警察予備隊
の問題ですが、先ほど総裁が
警察予備隊
の
隊員
の
訓練
ということについては、各自が自覚ある、いわゆる社会奉仕といいますか、奉仕の念に燃える自覚ある
隊員
を目がけて養成しておる、こういうお話でございましたが、一体こういう
警察予備隊
の使命から言
つて
も、ただ單に社会奉仕の自覚を高めるというだけでは、これは私は戰闘的な
部隊
にならないと思うのです。やはりその裏にはイデオロギーがなくちやいけない、愛国の観念であるとか、或いはそういう公共的な
治安
維持のために自分の生命を賭して奉仕するという観念がなくちやいけない、ですからそういつたようなことから
考え
て見て、現在の
警察予備隊
員の
訓練
、殊に精神
訓練
上どういつたようなイデオロギーの下に、又どういう方法で、例えばどういう教材でや
つて
おられるかということを具体的に
一つ
お伺いしたい。 それからもう
一つ
、こういう規律を保たなくちやならん
性質
のものでありますれば、命令ということが大きな問題になると思う。私は丁度終戰直後北ボルネオで、濠洲第九師団の軍事裁判の主任弁護士を四ヵ月ばかりやつた経験があります。その間私が痛感しましたことは、従来の日本の殊に陸軍における命令という観念、これは陸軍刑法並びに軍隊内務令等にきめられた命令、殊に直属上司の命令というものが非常に嚴格なもので、
英米
法の陸軍刑法等を調べて見まするというと、
英米
法の陸軍刑法による軍隊の命令は、たとえ直属上司の命令であ
つて
も、その命令が不当であり、又不道徳であつた場合にはこれに従わなくてもよいということがはつきり法文上訓
つて
ある。然るに日本の陸軍刑法の確か三十五條だつたと思いますが、それによると、例えば戰場において直属上司の命令を聞かない場合には死刑に処すということによ
つて
、こういつたような
部隊
内における上司の命令というものを絶対的のものにしておる。これがために、例えば南方において多数の戰犯者を出しておるということは、上司の命令によ
つて
強姦し、上司の命令によ
つて
掠奪したことによ
つて
戰犯者にな
つて
おる者が多々あるのであります。こういうよろなことから見て、今日の
憲法
の精神から見ましても、この従来の日本の世界に類を見ないような命令の本質を持たすということは非常に危險だと思う。これは申すまでもなく、
法務総裁
並びに
警察予備隊
の当面の
最高
責任者は十分自党しておられるだろうし、又自覚していなければならんものであると思うのですが、こういろ
訓練
紀律を保つための命令の定義、即ちデフイニシヨンというものをどういうふうに見ておられるか、この二点をお伺いしたいと思います。
大橋武夫
32
○国務大臣(
大橋武夫
君)
予備隊
員の精神
訓練
と申しますか、或いは精神
指導
と申しますか、これにつきましては、特別の学科或いは特別の課業を設けまして、そうしてそういつた点を
指導
するというようなことはなさずに、各種の
訓練
を通じまして、
予備隊
員に
予備隊
員としての必要なる精神的
訓練
を施すというやり方を用いておるのであります。そうしてその内容といたしまして
考え
ておりまするところは、この
警察予備隊
の本来の性格から
考え
まして、文化国家、平和国家、民主国家としての日本の
治安
を全力を盡し、全責任を以て確保するという点を主眼といたしておるのでありまして、同胞に対しまするところの国民としての感情、又この祖国に対しまするところの熱烈なる愛国心というものを基礎といたしまして、飽くまでもこの国を平和と文化、民主主義の国としてどこまでも守る、こういう点を眼目といたしまして精神的な
指導
をいたしておる次第でございます。 第二点の命令の
性質
という御質問の点でございまするが、この命令というものにつきましては、旧軍隊におきまするがごとき特別な
性質
を付したものとは
考え
ておりません。これは公務員の上下の間において行われまするところの通常の命令と同様な
性質
を持つものであります。ただそれが
部隊
組織の中において行われまするが故に、それに即応いたしました
相当
な重みを持つたものとしては
考え
られると思いますが、特に旧軍隊におきまして行われましたような特別な命令とは
考え
ておりません。
山田節男
33
○山田節男君
最後
にお伺いしたいことは、現在まで、又将来も今の総裁の答弁によるとそうであるように見られるのでありますが、今
予備隊
員が
使用
している武器ですね。武器が今日まで貸與の形式にな
つて
おる。将来も貸與であろうというお話でありますが、これは最も肝腎な武器を貸與されておる、国のものでない、よそからの物を借りておるということは、換言すれば日本の
警察予備隊
は單なる傭兵に過ぎない。これは私が先ほど来やかましく言
つて
おる
予備隊
の精神的
訓練
においても、余ほど大きな負担になるだろうと思う。この貸與ということは、金がかかるから貸與を受けて、而もこれを無償で貸與されておるのか。或いは日本の
警察予備隊
というものが、或いは又日本全体が武器の所有権を持たせるというのは安心ならんという信頼がないために貸與の形式をと
つて
おるのか、この点を
一つ
明らかにして頂きたい。
大橋武夫
34
○国務大臣(
大橋武夫
君) 武器が現在米軍から貸與されておりまするのは、日本の負担の点から
考え
まして、今日好意的に貸與されておるものと私どもは
考え
ております。
佐多忠隆
35
○佐多忠隆君 今の問題に関連いたしますが、
警察予備隊
の装備、特に武器の
経費
は先ほど頂いた資料によりますと、物品費二十五
年度
百十一億という数字がありますが、この中から賄われているのかどうか、或いはそのほかの費目で賄われているのかどうかという点お伺いしたいと思います。
大橋武夫
36
○国務大臣(
大橋武夫
君) 武器に対しましては、只今申上げましたるごとく、すべての武器及び弾薬はことごとく貸與を受けておるという
実情
でございまするので、
予算
の中には一円も入れてございません。
佐多忠隆
37
○佐多忠隆君 それでは、そのアメリカから貸與されておる武器を日本の金に換算して、
経費
としてどれくらいのものを貸與されて
使用
しておるのか。
大橋武夫
38
○国務大臣(
大橋武夫
君) 誠に申訳ない次第でございまするが、その点を今まで計算いたして見たことはございません。
佐多忠隆
39
○佐多忠隆君 その点をどれと対比すればよいかよくわからないのですが、二百億に対比すべきか、或いは物品費百十一億に対比すればいいのか、その辺がよくわかませんので、第一にその質問をいたしたのですが、どれに対比するかは別問題として、
一つ
今貸與されておる武器を換算したらどれぐらいになるかという資料を早急に御提出を願いたいと思います。
岩間正男
40
○岩間正男君 そうしますと、只今の資料に関しまして、同時に貸與されておる武器の種類、それから彈薬の数量、こういうものを一緒に頂きたいと思います。
大橋武夫
41
○国務大臣(
大橋武夫
君) この中で彈薬の数量のごときものは果してお示しができるかどうかわかりませんが、よく
関係
当局と相談いたしまして、公表できるものだけは至急提出いたしたいと思います。
佐多忠隆
42
○佐多忠隆君 それから先ほども
警察予備隊
の今
年度
二百億の金につきまして、初度的な
経費
があるので
相当
殖えておるというようなお話でありましたが、それにしても
相当
多過ぎたのではないかと思いますし、
従つて
今
年度
中には使い切らないのじやないか。そこで今大体今年中に使い切るだろうという契約その他も含めて結構でございますが、今
年度
一応
使用
済みになるものを大体今のところどのくらいと
予定
せられているか、その点を伺いたい。
大橋武夫
43
○国務大臣(
大橋武夫
君) この二百億の中に初度的な
経費
といたしまして、
相当
多額の物品を購入いたす
予定
に相成
つて
おります。勿論これらの多数の物品の中には今
年度
内に納入をいたし、今
年度
内にこの代金の決済をすることは事実上できないというものも
相当
あると思います。併しながらこの二百億の
経費
につきましては、これが根拠とな
つて
おりまするポツダム政令におきまして、今
年度
中に契約が取結ばれました場合におきましては、その支拂いのために必要なる
経費
は来
年度
に繰越
使用
することを免許せられておるのでございまして、この方法によりまして来
年度
に繰越
使用
される分をも加算いたしまするというと、二百億は殆んど全額消費することと思うのであります。
佐多忠隆
44
○佐多忠隆君 それからもう一点、この間対日理事会で、日本の非武装化の問題が論議されたときにいろいろ議論があつたと思うのですが、その中に、特にイギリス代表が
警察予備隊
の装備、武装化の問題に対しては
相当
問題があるので、問題を残して更に検討をしたいというような留保を付けたように新聞で報ぜられているのですが、対日理事会は恐らく公開だと思いまするが、そのときの
審議
の
状況
、特にイギリス側の発言の内容等について、少し詳しく御
説明
を願いたいと思います。
大橋武夫
45
○国務大臣(
大橋武夫
君) 実は外国
関係
の事柄でございまするので、私どもから申上げかねるのであります。その面のかたにお聞き頂いたら仕合せでございます。
佐多忠隆
46
○佐多忠隆君 外国
関係
のものでその面と言いますと、どこでしようか。
大橋武夫
47
○国務大臣(
大橋武夫
君) 外務省か或いは終戰連絡
事務
局か、そちらのほうにお聞き願いたいと思います。
佐多忠隆
48
○佐多忠隆君 併しこれは渉外的な問題というよりか、一般に公開しているわけですから、もう
所管
の所でも、そういう問題が問題になるとすれば、必ずどなたか聞きに行
つて
おられるはずです。そういう
意味
で
法務総裁
のほうでお答えあ
つて
然るべぎだと思うのですが、どうでございましよう。
大橋武夫
49
○国務大臣(
大橋武夫
君) 対日理事会につきましては、
法務
府といたしましても、
警察予備隊
といたしましても、聞きに行つたことはございません。
佐多忠隆
50
○佐多忠隆君 併し非常に重要な問題として、
警察予備隊
の武装の問題等々が論ぜられておるので、そうだとすれば一般の人でも行くのだから、然るべくそういうものはちやんと傍聴なり何なりして、その返の
状況
をはつきりお調べにな
つて
いて然るべきだと思いますが、その点どうお
考え
になりますか。
大橋武夫
51
○国務大臣(
大橋武夫
君) 只今のところ私どものほうで一々調べておりませんです。
佐多忠隆
52
○佐多忠隆君 じや恐らく速記録その他何かあると思いますし、当時の新聞でも報ぜられていることでありますので、渉外
関係
のことを通じるまでもなく、
法務総裁
のほうで適当な
調査
をして
一つ
御報告を願いたいと思います。
大橋武夫
53
○国務大臣(
大橋武夫
君) 早速取調べまして、わかります限り御報告いたします。
若木勝藏
54
○若木勝藏君 ちよつとお伺いしますが、現在
警察予備隊
が
使用
しております建物はどういうものを使
つて
おられますか。
江口見登留
55
○
政府
委員(江口見
登留
君)
警察予備隊
の設立は非常に急ぎました
関係
上、当初は米軍が使
つて
おります
キャンプ
を使つたものもございます。或いは旧日本の軍
関係
の建物を使
つて
おるものもございます。或いは全然新らしい民間の会社の建物を借受けまして、修繕を加えて使つたものもございます。
若木勝藏
56
○若木勝藏君 そうしますと、現在においては学校の建物等を
使用
に充てておるという事例はありませんか。
江口見登留
57
○
政府
委員(江口見
登留
君) 従来の
教育
関係
の方面におきまして
使用
しておりました建物を、
予備隊
のほうで引継いだものもございます。併しその際は
教育
関係
当局とも十分懇談を重ねまして、その後円満に
使用
している
状態
でございます。
若木勝藏
58
○若木勝藏君 そういう
関係
の建物がどういう数に上
つて
おりますか。
江口見登留
59
○
政府
委員(江口見
登留
君) 只今従前
教育
関係
方面で使
つて
おりました建物をどのくらい使
つて
おるかということは、まだ調べておりません。何なら資料として後ほど提出いたします。
若木勝藏
60
○若木勝藏君 資料をお願いいたします。
堀木鎌三
61
○堀木鎌三君 折角
法務総裁
が来ておられるのですから、
一つ
法務総裁
にお伺いしたいと思います。 どうもこの
警察予備隊
といろものがこの紙二枚で
審議
することに非常に無理がある。殊にこの前昨年は国債費のはうからマツカーサーの書簡によ
つて
急速にできましたもので、我々としては前
年度
から今
年度
にかけて、実際の内容的のものがどういうふうにな
つて
おるのかということを細かく
調査
しなければならんと思いますが、ここでは特に
法務総裁
にお聞きいたしたいと思いますことは、ともかくも現在の国警なり
地方
警なりのほかに七万五千人なりというものが国内
治安
上必要とするということは、どういう根拠で、どういう
考え
でできて来ておるものか。この問題がはつきりしないのでございます。ただ国内
治安
だ
治安
だとおつしやるのだが、
治安
に対して七万五千人というものがどうして出て来ておるのか。こういう点について
実情
に即して
法務総裁
から御
説明
を願いたいのです。私ちよつと遅れて参りましたので、或いは御
説明
があ
つて
、重ねて御質問するようにな
つて
は惡いと思いますが、併しともかくその点について認識が本当ははつきり誰にもできておらない。何しろ七万五千人だということなんですが、この七万五千人がそれらに対応して国内
治安
に照してそれだけが要るのだという何らかの
事情
がはつきりあると違いないのです。その点をあえて御
説明
願いたいと思います。細かいことはあとで
事務
当局に伺います。それからもう
一つ
は、さつき武器は全部アメリカから受けておる。こう言
つて
、今も今後もそうだろう。こういうようなことをお話になりましたのですが、御
承知
の通りに講和が近いとすれば、日本が独立して以後もこの武器貸與を受けて参るのか、卒直に申しますと、講和の時期をいつに見込むかによ
つて
予算
問題との関連も出て参るわけでありますから、ともかくも時期はわからないとしても、総理大臣も大体の見当は話しておられる、そうすると今からこの問題に対する
措置
をどうするとか、それに対して
予算
的にどう
考え
るとかということは、お
考え
のうちにもうまとめられても早過ぎはしない、遅いと思うのであります。もう
一つ
この点について御
説明
を願いたいと思うのは、先ほども他の議員から質問がありましたが、一体武器貸與をいつまでも受けて、これに伴
つて
の
使用
方法なり、そうして或いはそれに伴
つて
の
訓練
なり
指導
をいつまで受けて行くつもりか、そうな
つて
行くと武器貸與というものが單純な武器貸與でなくな
つて
来る。日本の独立、日本の主権回復といろ点から見ますと、この問題は十分
考え
られなければならない問題でなかろうかと、こう
考え
るのでありますが、
法務総裁
は如何にお
考え
になりますか。 それから第三段にお聞きいたしますことは、ともかくも今卒直に言いますと、この七万五千人があるのでどれだけ
治安
が確保されているかという問題になりますと、現在殆んどないと思います。
訓練
中だということも言い得るのだと思うのですが、併し独立を回復いたしましたあとのこの
警察予備隊
につきましてどうお
考え
になるか、少くとも現在の
状況
は非常に、卒直に申しますと、アメリカ軍というものが
相当
駐屯している、そうしてその権力と申しますか、権威というものが
一つ
の肯景にな
つて
相当
治安
が保たれていると、こう言えば言えるのであります。独立後真空
状態
になるのを避けて、そうしてアメリカが駐屯するというお話は、大体もう総理大臣もそうなるのだと言
つて
おられるのですが、そのときにこの
警察予備隊
というものをどうお取扱いになるか、この問題も今からお
考え
にな
つて
決して早くない。少くとも講和が本年中にはできるお見込みも持
つて
おられるだろうと思うのですが、今この
予算
を
審議
しているときには、この問題について十分なお
考え
があるはずだと思うのでありますが、以上三つの点について
法務総裁
からお答えを願いたいと思います。
大橋武夫
62
○国務大臣(
大橋武夫
君) なぜ
警察予備隊
は七万五千人にな
つて
おるかという第一の点でございますが、これは昨年
警察予備隊
創設の際のマツカーサー元帥の指令に七万五千、こういうことにな
つて
おりまして、
政府
といたしましては、それに
従つて
七万五千入を
定員
といたしておるのであります。 それから第二点の武器の貸與がいつまでも続くか、又将来
講和会議
後になつたらばどうなるかという御質問でございますが、この点は
講和会議
におきまして、或いは
講和会議
後の
状況
によ
つて
定まるわけでありまして、只今におきましてはこれに対しまして、先ずそれまでは武器が引続き貸與されるというふうに
考え
ておるのでございます。その後も恐らく引続き貸與されるのではないかという期待の下に、今
年度
においては武器の購入の
経費
は入れてございません。併しこれが講和條約或いは又その際に必要となりますると、安全保障に関連しまするいろいろな條約の結果によりまして、その後武器が果して貸與されるものやら、或いは又有償で提供されるのやら、それらの事柄が確定されると思いますので、その点は確定いたしました曉において十分に考慮をいたしたいと
考え
るのであります。 それから独立回復後においては
予備隊
はどうなるかという第三点の御質問でございますが、これもその際のいろいろな
実情
を基礎といたしまして適切な計画を立てたい、こういうふうに
考え
ております。
堀木鎌三
63
○堀木鎌三君 どうも重ねて御質問せざるを得ないので、御迷惑だと思いますが、もう一度今の御答弁について御質問いたしますが、七万五千はマツカーサーの指令によ
つて
できたことは私も知
つて
いるのであります。併しこの七万五千が、マツカーサーが七万五千と言われたから
法務総裁
はもう七万五千は何にも根拠はわからないのだ、ともかく書面だけで七万五千だとおつしやる必要はないのじやないか、少くともこの問題について、
法務総裁
としてはこの七万五千をどう
考え
て、どういうふうな
状態
で
訓練
している、この
目的
がなくちや私は七万五千ときま
つて
来ないのであ
つて
、その点については
法務総裁
としては、マツカーサーの命令だとおつしや
つて
、内容的なものをおつしやらないということはどうか。又おつしやるべき責任もおありだと私は思うのであります。それからどうもお話を承
つて
いるとみな受動的で、自分でどうだというお
考え
よりは、こういう話だつたからこうだというふうなお答えに聞えるのでありますが、無論先ほどの殊にお話承わ
つて
不思議に思いましことは、
講和会議
の内容によ
つて
きまる、或いは
講和会議
と申しますか、或いはアメリカその他の防衞に関するところの保障によ
つて
きまると、こうおつしやるのでありますが、これは国内
治安
の
警察
であ
つて
軍備じやないということは、
内閣
としてしばしばおつや
つて
おるのだと私は思うのであります。そういう観念でこれができていると思うのであります。そうすると、これは全く国内の
治安
のために作るるだから、その点については講和條約によ
つて
規定さるべきものじやなかろうか、若しも講和條約によ
つて
規定されるべきものならば、それは
警察予備隊
でなくて軍隊なんだというふうにならざるを得ないんじやなかろうか、その点につきまして、
法務総裁
の御意向を聞いていると、どうもお話を承わ
つて
いると、非常にこれが対外的な問題として、日本の戰力と申しますか、そういうものとみなされるというふうな
観点
でお話にな
つて
いるように思うのでありますが、その点につきまして、私は吉田
内閣
で、吉田総理が言
つて
おられる、又あなたがふだんから言
つて
おられる形ならば、この問題は講和條約の問題にはなり得なくて、日本が自主的にきめ得る問題である。こういうふうに
考え
るのでありますが、この点についてどうお
考え
になりますか。
大橋武夫
64
○国務大臣(
大橋武夫
君) 講和條約或いはその際にいろいろな取きめによ
つて
きまると申し上げておりまするのは、武器が将来とも引続き現在同様貸與されるものであるか、或いはそうでなく、独立後はもはや貸與は許されない、こちらで購入しなければならんということになるか、或いは又国内において製造できるというようなことになるか、その辺のところは、今日のところではまだ確定した見通しを立て得ないという趣旨を申上げた次第であります。
岩間正男
65
○岩間正男君 私も前の諸君の質問と関連して二、三点お伺いしておきます。それは武器の貸與を受けたのですが、そのとき何らの條件もなか
つたの
か、こういう点であります。この点について何の話合もなか
つたの
か。その点先ず伺います。
大橋武夫
66
○国務大臣(
大橋武夫
君) これは事実上無條件に貸與を受けております。
岩間正男
67
○岩間正男君 その点について話合、つまり無條件であるかどうかという、これも
一つ
の無條件という條件なんですが、そういう形で向うから提案されて来ておるのでありますか。それとも何んら話合なしにこの武器貸與を受けたのでありますか。その点伺います。
大橋武夫
68
○国務大臣(
大橋武夫
君) これは話合というものはなく、事実行為といたしまして、
隊員
を收容いたしておりまする
キャンプ
に武器が送られ、これを
訓練
しろと、こういうふうに言われまして、事実使
つて
おるわけであります。
岩間正男
69
○岩間正男君 どうもおかしい形ですな。我々ちよつと了解できないのですが、そうすると、いつの間にかこれは一方的に送られて来た。このとき大体
法務総裁
並びに
予備隊
の人たちは疑問を起さなかつたですか。日本の
憲法
はやはり
一つ
の武器……武器の種類によりますけれども、これはあとでお聞きしますが、武器を持つというのですからね、それがやはり日本の軍備、こういうものと
関係
がないと言
つて
も出て来る。そうしますときにポツダム宣言の精神とか、日本
憲法
との精神においてそこに何らかのおかしい問題が起る。こういうことは当然日本の
憲法
治下において行政をや
つて
おる当局者として頭に上るべきだ。上らないとすればこれは甚だおかしいのです。当然この問題について何らか向うに問い質されるとか、そういうことがあつたというふうに
考え
ますれども、
憲法
護持の立場と、それから今のような甚だ珍妙な形で武器が知らん間にこれは向うさんから
キャンプ
に持ち込まれたと、こういう形についてこれはどういう
措置
がされたかどうか。この点伺
つて
おきたいと思います。
大橋武夫
70
○国務大臣(
大橋武夫
君) これは口頭を以て武器についてほ自分のほうで一切心配するということを言われ、そうしてその後そういう形で貸與されておるのでありまして、その外には何らの條件というものはございません。そうして私どもほ
警察予備隊
の性格というものから
考え
、又現在貸興せられておりまする武器の
機能
の
程度
から
考え
まして、これは
憲法
上文はポツダム宣言の受諾をいたしたる立場から申しまして、何ら差支えないものであると、かように確信をいたしてそのまま貸與を受けておる次第であります。
岩間正男
71
○岩間正男君 そうすると、現在
予備隊
で使われておる武器の種類というのはどういうふうになりますか。それからもう一点伺いたいのは、先ほど
予備隊
を増強しなくちやならない。当方面の
方針
としては数の増強ということは
考え
ていないが、
予備隊
員の質的な増強、つまり非常に武器や装備を増強する、並びに
訓練
を
強化
する、こういう話がなされたのでありますが、そうしますと、それをも含めてどういう武器が現在
予備隊
に渡り、又この増強と見合してどういうふうな種類の武器が與えられる、こういうふうに
考え
ておられるのでありますか。
大橋武夫
72
○国務大臣(
大橋武夫
君) 現在におきまして武器として貸與を受けておりまするものは、小型の小銃並びに軽機関銃でございます。そうして将来におきましては現在よりも更に
相当数
の機関銃を
増加
されるものと予想いたしております。特に増強といたしましては、軽機関銃を現在以上に
増加
をいたすという点と、それから
通信
、或いは
機動力
という面におきまする機械力の
使用
を
増加
するという点を
考え
ておるわけであります。
岩間正男
73
○岩間正男君 まあ対戰車砲とか迫撃砲、こういうようなものについては話がないようでありますが、そういう
相当
な軍装備、中装備、そういうような装備についてしばしば我々は耳にするのでありますが、そういうものは全然事実無根でありますか。
大橋武夫
74
○国務大臣(
大橋武夫
君) 一時そういう話とか申しますか、これは一般の風評としてそういうことを聞いたこともありますが、現在の
警察予備隊
として正式に貸與を受けておりますのは、先ほど申しました通りカーバイソ並びに軽機関銃でございます。
岩間正男
75
○岩間正男君 正式というお話ですけれども、正式でないのはあるのですか。そういうことじやないでしような。
大橋武夫
76
○国務大臣(
大橋武夫
君) それ以上の話は
承知
いたしておりません。
岩間正男
77
○岩間正男君 まあこの問題は又保留して我々もこれは明らかにしなくちやならんと思
つて
おるのですが、そこでさつきの問題に戻りますが、無償だ、それでいつの間にかそういう貸與を受けた、こういうふうになるのですが、こういうことにな
つて
実は私どももこれはどうも一般の常識でも非常に、やはり先に行
つて
どうもこれは気味惡いというような感じがするのですが、無償で武器を借りた、貸與を受けた、それで以て
訓練
をする、こういう形で、先にこれは全く不明瞭なあいまいなことが生じて来ないという保証をどういうふうに大橋総裁は持
つて
おられますか。これは非常に場合によ
つて
はこの無償というやつは恐いです。これは下世話に言うのですが、いつでもただもらうというやつぐらい恐いことはない。この代償は案外恐い。こういう問題について少くとも
政府
として、これから日本の民族の将来の重大問題に関連する問題でありますから、これらは当然
政府
でも
考え
ておられることだろうと思いますが、当面の責任者である
法務総裁
においては当然この問題が頭に上
つて
来る、こういうふうに我々は
考え
ます。そう信頼する。そういう
意味
において私はお聞きしておるのでありますが、これはどういろ保証があるのですか。つまり絶対無償で安全であるという保証です。この点伺いたい。
大橋武夫
78
○国務大臣(
大橋武夫
君)
警察予備隊
は日本
政府
が
管理
をいたしておるのであります。借受けたる武器は日本
政府
におきましてこれは
警察予備隊
において
使用
いたして差支えない、かような判断の下に
使用
せしめておるのでございます。借りることは無償で借りておりますが、借りたのは日本
政府
が借りた、この借りた武器を日本
政府
が
隊員
に
使用
せしめる、こういうような次第でございまして、
政府
におきましては常に如何なる武器が
使用
されておるかということは
政府
の責任によ
つて
決定されておるわけでございます。
岩間正男
79
○岩間正男君 私が聞いておるのは、先のそういう
事態
が少くとも起ることは望ましくないことなのですが、それに対する保証はお持ちかということです。
政府
は責任を持
つて
おやりになるのでしようと思うのですが……。
大橋武夫
80
○国務大臣(
大橋武夫
君)
政府
といたしましては、
隊員
が
使用
する武器というものは如何なる武器であるかということは
政府
が決定をいたしておるのであります。ただ
政府
が決定をして
使用
せしめる武器を貸興するについて、
予備隊
員に
使用
せしめるについて事実上米軍から無償を以て貸與を受けてこれを
使用
せしめておる、こういうわけであります。
岩間正男
81
○岩間正男君 そうすると、将来どんな條件もこれはお
考え
にならないわけですね。その確信を持
つて
おられるわけですね。例えばこれは私の
一つ
の推量に過ぎないのでありますが、とにかく今まで武器を貸したのだ。それで
一つ
のそういう装備をしたので、その見合として当然こつちにそういう
警察予備隊
を提供して欲しい、こういう要請が事実ないとは言えないのであります。そういうときは断乎としてこれは断わられる肚がなければ、今のような御答弁はないと思うのでありますが、そういう点についてはどういうふうにお
考え
ですか。
大橋武夫
82
○国務大臣(
大橋武夫
君) 強いて條件と申しまする條件を
考え
て見まするというと、この武器は
警察予備隊
に
使用
せしめる以外には用いるべきでないとい條件は、これは当然この武器が提供されておりまするいきさつから見て
考え
られるところであります。それ以外に條件というものはないわけであります。従いまして、この日本
政府
がこれは
予備隊
において
使用
せしめるということを決定いたしまして、その武器を借受けているわけであります。これを無償で借受けたということは、これによりまして
警察予備隊
にこれを
使用
せしめ、そして
警察予備隊
をして国内
治安
の確保に当らしめる上から言
つて
できるだげこれを有効に活用するという以外には、何らの條件は
考え
得られないところであります。
岩間正男
83
○岩間正男君 私はそういう
事態
の起つた場合の
法務総裁
の肚を聞いているのであります そんなことを聞きたくないのですが、実はもつと大きくこれを信頼したいのですが、どうもこれは借りるとき黙
つて
無條件でいつの間にか
キャンプ
に来ているというふうな借り方で借りている。これでは又
事態
が
発生
してどうしてもそういうのつぴきならないところにこれは追い込まれた場合に、又同じようなことをこれは無條件で承諾すると、うことが、残念ながらどうもそういう
事態
が起こらざるを得ないのじやないか、
法務総裁
は少くとも決断を持
つて
おられるだろうと思いますから、先ほどからの御答弁と連関して、そういろ
事態
が起つたときは断乎として、やはり軍備的な少くとも兵力的なものにかり立てられるということについては断乎として、それを拒否するということをここで明言して頂きたい、当然そうだと思いますが……。
大橋武夫
84
○国務大臣(
大橋武夫
君) この無償で貸與を受けておりまする武器につきまして、ただより恐いものはないと、こういうふうなお
考え
でございますが、私どもはこの
警察予備隊
は、
警察予備隊
本来の使命にのみ出動ずるのでございまして、それ以外の場合においては絶対に
活動
するものではないとこういう確信を持
つて
おりますから、私どものこれからの武器を無償で借り受けましても、別に恐いとは
考え
ておりません。
藤野繁雄
85
○藤野繁雄君
政府
では
警察
制度を改めようとしておられるようでありますが、若し国家
警察
と自治体
警察
とを或る
程度
変更せられるというようなことであれば、それに対する
予算
はどういうふうにお
考え
にな
つて
おるのであるか。又
警察力
を
強化
するために
人員
の
増加
を計画しておられるようでありますが、そういうふうなものは二十六
年度
の
予算
に計上されてあるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
大橋武夫
86
○国務大臣(
大橋武夫
君)
政府
といたしましては、
警察
制度の改善ということにつきまして現に研究をいたし、又
関係
方面と話合を進行中でございます。これがいよいよ
方針
が定まりまして
実施
をいたすということになりますると、これを本
年度
内に実行いたします場合におきましては、お話のごとく自治体
警察
の返上の問題、或いは
増員
の問題というような点におきましては、当然本
年度
内において
経費
の
要求
をしなければならんことになるのでございますが、只今まだそこまで決定をいたすところにな
つて
おらないわけであります。いずれ案がきまり次第
政府
といたしまして、
財政
的な面はどうするかということを
考え
て、それによ
つて
この法案をいつから
実施
すべきであるかというような点を決定したい、こう
考え
るわけであります。
藤野繁雄
87
○藤野繁雄君 次に私は海上保安庁のことでお尋ねしたいと思うのでありますが、この間材料を頂戴したのによ
つて
見るというと、拿捕せられた漁船がソ連
関係
で九十五隻、中国
関係
で四十六隻、韓国
関係
で四十一隻計百人十二隻というようなものが拿捕されておるのでありますが、これは海上保安隊が十分な
活動
ができない結果ではなかろうかと
考え
るのであります。而して運輸大臣の
説明
によ
つて
見ると、二十六
年度
ではいろいろと強力な施策を講じておられるのでありますが、これだけの計画で密貿易であるとか、或いは不当の入出国であるとか、その他あらゆる海上の保安ができるお
考え
であるかどうか、この点お尋ねしたいのであります。
柳澤米吉
88
○
政府
委員(柳澤米吉君) 近来拿捕船も各所において起
つて
おります。これに対しまして、海上保安庁といたしましては、二十五
年度
におきまして二十九隻の新造船を現在作りつつあるのであります。そのほか昨年のマ書簡によりまして、
補正予算
といたしまして約八十隻の新造船の計画をこれに追加しておるのであります。現在海上保安庁の就艇
状況
は巡視船といたしまして六十隻を見ておる次第であります。そのほかに救難曳船といたしまして二隻、港内艇といたしまして百五隻、その他掃海艇或いは測量艇、燈台業務船等合せて三百二十九隻でございます。主として巡視に当りますのは、最初に申上げました現在保有いたしております六十隻で当
つて
おりますが、非常に手薄でございます。この点は誠に申訳ない次第でございますが、指定を頂きました二十五
年度
予算
の二十九隻ができ、或いは今年十月にはマ書簡による約八十隻の船艇が
整備
いたしますれば、或る
程度
御期待に副い得るかとかように
考え
る次第であります。
藤野繁雄
89
○藤野繁雄君 戰時中に敷設せられたいろいろの機雷あたりがときどき浮上
つて
非常な損害を與えておるような現在の
状況
であるのでありますが、こういうふうなものを全部なくしてしまうような時期が、どういうふうにいつ頃までのうちに機雷のようなものをなくしてしまうような繰作ができるのであるか、若しそういうふうな具体的計画があつたらお尋ねしたいと思うのであります。
柳澤米吉
90
○
政府
委員(柳澤米吉君) 海上保安庁といたしまして、現在掃海艇を用いまして機雷の処理に当
つて
おるわけであります。その隻数は現在七十三隻をも
つて
掃海に当
つて
おります。瀬戸内その他に現在におきましても戰時の残りの機雷が多少残
つて
おります。これらに対しましての掃海は、主要港湾に対する航路及び瀬戸内を巡航いたしまする航路の掃海はすでに終
つて
おる次第であります。併しながら海面全体に亘る完全な掃海完了ということは
相当
時日を要するものとかように
考え
る次第であります。なお日本近海における主要港湾は殆んどこれに対する航路の掃海というものは大体において完了しておるものと
考え
ております。
東隆
91
○理事(
東隆
君) 私ここから甚だ何ですが、先ほどお話がありましたときに、
検事
になる者がないから副
検事
を殖やそうとしておるというお話があ
つたの
ですが、私は
検事
のような仕事を希望しないで弁護士のような仕事はこれは希望する、職業
関係
、そういうような
関係
で何か
検事
に対する待遇その他の方面においていろいろ問題が起るのじやないかと、こう
考え
るのですが、如何ように
考え
ますか。
大橋武夫
92
○国務大臣(
大橋武夫
君) 実は新
憲法
の際におきまして裁判官の待遇が改善せられましたが、従来判
検事
は同一待遇を以て遇せられておりましたものが判事のほうが多少待遇がよくな
つて
おる、こういうような
関係
上、最近におきましては
検事
の志願者よりも判事の志願者のほうが多い、従いまして毎年
検事
のほうの欠員の補充ということが円滑を欠いておつた次第でございます。併しながらこの点につきましては漸次若い人たちとしましても、
検事
という職務の重要性が認識せられるに至りまして、最近におきましては一両年前に比べますと、比較的
検事
志願者も殖えつあると存ずるのであります。かような次第を以ちまして、
検事
の志願者も多少
増加
いたしておりますが、その
増加
は現在
検察庁
といたして補充をいたしまするところの欠員の全部を直ちに補充し得るというだけの十分の志願者ではないわけであります。従いまして、
検事
を
増員
いたしましてもこれを充足するととが事実上できないで、来
年度
におきましては副
検事
だけを
増員
するということを
考え
た次第であります。お話のごとく
検事
の待遇という問題はいろいろな点から十分
考え
なければならん問題である、かように
考え
まして、当局といたしましてもいろいろと研究を進めておつたわけではございますが、只今のところはさような
実情
でございます。
東隆
93
○理事(
東隆
君) それではその次に、私は実は末端のほうの
警察
関係
、これのやはり
充実
といいますか、量より質の
充実
をやらんければ私は
治安
の
関係
は非常に困難ではないか、こう
考え
るのであります。そういうことを
考え
て参りますと、今の
警察力
の何といいますか、質的な
向上
を図るために、実際のことを申しますと 上のほうの
関係
の人はこれは
相当
な質的な人がおられるのでありますが、下級のほうはこれは非常に惡いのじやないか、昔のような役得とかそんなようなものもないので、いろいろな面で弊害を起しておる向きもたくさんあります。私は講和後において武装をすることのできない日本においては
警察予備隊
と、それから一般の
警察官
、これによ
つて
治安
を維持して行かなければならん、こう
考え
ますので、その
意味
において下級の
警察官
その他に対する待遇上について今のままではちよつといけないのじやないか、こういう点……というのは大体このままで推移して行きますと、私は大衆に接するところの警官が却
つて
治安
の
関係
の場合にマイナスの形を起したりするようなことが起るのじやないかということを心配するのですが、その点どうお
考え
か、お聞きしたいと思います。
大橋武夫
94
○国務大臣(
大橋武夫
君)
警察官
の待遇という問題は、
警察官
の質的な
向上
の上から申しまして非常に重要な点であることは申すまでもないことと存ずるのでございます。
政府
といたしましては、
警察官
につきましては特にさような点を
考え
まして、新
警察
制度の発足の際におきましては、
国家地方警察
の
警察官
につきまして、特に一般官吏に比較いたしまして特別の給與制度を設けまして、三号乃至五号くらい高い、いわゆる特別号俸というものを定めまして、これによりまして、一般官吏より
警察官
吏の待遇を比較的高い水準に置くことにいたしたわけであります。昨年暮に
実施
いたしましたるところのいわゆる賃金ベース、給與ベースの改訂に際しましては、この特別の給與を制定いたしましたる当時に比較いたしまして、一般官吏の勤務時間が延長いたしておるということを主たる
理由
といたしまして、
警察官
につきましては、一般の官吏の給與ベースの改善の率に比べましてやや低い率で引上げることに相成
つたの
であります。この結果から心配しておりましたところの一般公務員とこの
警察官
との給與の差額というものが非常に幅が狭められるということにな
つたの
でありますが、幸いにこの度の給與法におきましては、昇給という点が従来と比べまして非常に條件が緩和せられておりまするので、当局といたしましてはできるだげ昇給を進めて行くということによりまして、できるだけ従来と同様の給與の幅を事実上保ち得るようにいたしたい、かような
方針
を立てておるような次第でありまして、
差当り
の
措置
といたしましては、かような
措置
によ
つて
できるだけ従来からの
警察官
の給與の高い、その高さを維持するように努めたい、こういうふうに
考え
ておるのであります。併しながら根本的の問題といたしましては、下級
警察官
の勤務が最近におきまして、特に警邏制度の採用によりまして非常に勤務が激しくなり、又いろいろ時局の
関係
その他から
考え
ましても危險の度か高くなつた、こうした特殊の勤務の
性質
を十分に
考え
まして、将来におきましてはできるだけこれが改善に努力いたしたい、かように存じておるような次第であります。
岩崎正三郎
95
○岩崎正三郎君 先ほど
警察
制度の改善について、その筋といろいろ交渉しておられるというようなお話があつたが、勿論交渉するにはこちらでもいろいろ腹案を持
つて
進めておられると思います。特に
地方
自治
警察
の問題は小さな所ではいろいろ問題を起しておるけれども、又これは
地方
予算
にも関連する問題でございまして、成るべく早くその構想を完全なものではなくても知
つて
おくことは、国民としても期待しておると思うのです。でき得べくんば、どんな構想を持
つて
御考慮しておるか、お伺いしたいと思います。
大橋武夫
96
○国務大臣(
大橋武夫
君)
警察
制度の
改正
につきまして、主要なる点といたしましては、第一は現在の
国家地方警察
の
定員
は只今三万ということで法律がきま
つて
おるのでございまするが、最近におきまするいろいろな
事情
等を
考え
合せまするというと、自治体
警察
に対しまして、要請に応じて応援をしなければならないという
国家地方警察
の
予備隊
的な性格等から
考え
合せまして、もう少し十分の
警察力
の必要がありはしないか、これも二万
程度
増員
してはどうかという点が第一の点でございます。 それから第二の点といたしましては、現在
国家地方警察
と自治体
警察
というものは、それぞれ管轄を、区域をはつきり区別いたしておりまして、
国家地方警察
は自治体
警察
の要請がなければ自治体
警察
の区域内に入りまして、
警察
権を行使することは全然ないという建前にな
つて
おるのであります。併しながら最近におきまする国家的な
犯罪
、主として国の
治安
であるとか、或いは外患であるとか、或いは外交というようなことに関連いたしましたところの特別の
犯罪
につきましては、これは利害の関するところは国家全体であり、而も自治体の利害ということを越えておりますので、力のない自治体
警察
といたしましては、これに対して十分なる
活動
をするところの熱意もないし、文事実力もないという場合が多いのであります。而もこれの
活動
に対する熱意のない結果といたしまして、当然
国家地方警察
の応援を要請すべき場合であるにもかかわらず事実上応援の要請をしないこの結果何ごともこの自治体
警察
の区域内において行われまするこの種の
犯罪
について
警察力
を行使できないということ自体もございますので、さような特別の限られたる
犯罪
に対しましては、
国家地方警察
が自治体
警察
の要請を待たずに応援という形でなく、自分の仕事としてその区域に入
つて
活動
するというような
関係
も
考え
る必要があるのではないか、これが第二点であります。つまり
国家地方警察
が自治体
警察
の区域について或る特殊の限られたる
治安
については、
警察力
を行使し得るような権限を持つということ、 それから第三点といたしましては、現在自治体
警察
の
定員
は法律によりまして
全国
を通じて九万五千ということに相成
つて
おるのでありまして、そうしてこれは同じく法律によりまして将来自治体の
財政
が確立いたした場合におきましては、自治体の任意に定めるところによると、こういう趣旨に相成
つて
おるのであります。この
警察
制度が布かれましてすでに三年に相成りまするし、又
地方
財政
というものも或る
程度
の目安というものも立
つて
おる今日でございますから、この九万五千という制限は撤廃いたしまして、各自治体
警察
において持つところの
警察官
の
定員
は自主的に定めるところにしては如何かと、これが第三点であります。 第四点をいたしましては、自治体
警察
が発足いたしまして以来の
実情
等を
考え
ますというと、特に小さな自治体の
警察
というものは、平常は必要以上の
警察官
がおりながら、何か
事件
が起るというと到底これは足りないというようなことが実際でございまして、この際そのような自治体
警察
というものは不
経済
でもあるし、又微力でもあるし、それが国家の
警察力
全体を眺めました場合におきまして、
警察力
の盲点となるという慮れもありますので、これらを
考え
まして、若し自治体の住民が希望いたしまする場合におきましては、これが廃止を認めるととにいたしては如何か、その廃止になりました際には、これは
国家地方警察
の管轄にして行く、又
地方
の住民が重ねて希望する場合においては、さような自治体
警察
を改めて作るということも認める、こういうふうにしてはどうであろうか。これは市についてはかようなことは
差当り
考え
るところまで行
つて
おりませんが、少くとも町村の自治体
警察
についてはそういうことをしてはどうであろうか、これが第四点であります。 第五点といたしましては、
犯罪
の情報につきまして、自治体
警察
から
国家地方警察
に情報を入れる、又
国家地方警察
から必要な情報を自治体
警察
に入れる、この相互の情報の交換を義務的な制度として認めるととにいたしたい。 それから第六点といたしましては、今日自治体
警察
が
警察力
の
不足
いたしまする際におきましては、
国家地方警察
に対して応援を要請することにな
つて
おります。この場合におきまして、
国家地方警察
が自分の
警察官
以外に、他の自治体に重ねて依頼をいたして、その自治体の
警察官
を応援を求めた自治体に廻す、そういう応援の方法が許されているかいないか、これは法律上いさかいがありますが、事実はさような場合が実際したくさんありますし、これを法律上明確に許すということが適当であると思いますので、さようにしてはどうか。 そうして又第七点といたしまして、これらの場合における応援の
経費
、これは小さな自治体につきましては非常に大きな負担になりますから、国家の負担ということにすることが適当であろう。 又第八点といたしましては、現在においては公安委員は、従来において職業的公務員であつた人はすべて排斥されることにな
つて
おります。併しながらいろいろな
関係
上この適格條項を嚴格に適用いたしますというと、小さな自治体におきましては適当なろ公安委員を得ることは困難でございますから、この資格の制限を多少緩和してはどうであろうか。少くとも最近十年以上職業的公務員でなかつたもの、或いは過去において
警察官
としての公務員の経歴を持つたことのないものというような、そういつた或る税度年限を緩和して、
警察官
以外の公務員であつたものは認めるようにしてはどうか。例えば公立小学校の教
職員
をしたかたがたであるとか、或いは公立病院の医官をした人であるとか、こういつた
警察
に
関係
のない、又一般の役場の吏員とか、そういつた
警察
に
関係
のない公務員は、十年ぐらい昔の経歴のあるものを欠格條項と
考え
ないで見てもいいのじやないか、こういうような点が主として
改正
の必要な重点と
考え
まして、只今
関係
当局と打合せをいたしておる次第であります。この他にも
実施
に際しましては、数点
事務
的な
改正
をいたしたいと思いますが、主要な点は只今申上げました各点でございます。
岩崎正三郎
97
○岩崎正三郎君 公安委員の点でございますが、特に
地方
自治体の、小さな町村自治体の公安委員というものは、やはり市町村長の任命で市町村議会の
承認
を得てされておるようですが、これにはいろいろ弊害があると思うのでございますが、或る場合にほこういうものを一般公選で公安委員を選ぶというような
考え
はございませんか。
大橋武夫
98
○国務大臣(
大橋武夫
君) 只今のところ選任方法につきましては、法はこの機会に
改正
したいという意向は持
つて
おりません。
岩崎正三郎
99
○岩崎正三郎君 保安庁のほうにこの際ついでに伺いたいことは、先ほども拿捕船が
相当
あつたということですが、これにはそれぞれの
理由
があつたと思いますが、なかなかこの
理由
も遠い海上で行われておることでわからないこともあるだろうし、又いつかの新聞で見ますと、中共地区で拿捕された船が又返してもらつたというお話もありますが、かようなたくさんの船が拿捕されているのに対して、勿論その原因についてはできるだけ
調査
をしておられると思いますが、かような
調査
の上に立
つて
又不当な拿捕もあるやと思いますので、そういうものに対してこれを返還をお願いしておるようなことがありますか。又そらして返還してもらつたことがありますか。この点を……。
柳澤米吉
100
○
政府
委員(柳澤米吉君) 拿捕舶に関しましては、拿捕船の起ります区域は東支那海方面、或いは北海道方面というふうにな
つて
おります。北海道方面で拿捕されましたものは、これは漁業
関係
のものが非常に多いのでございます。東支那海におきましても主として漁業
関係
のものでございます。これが拿捕されましても、大体北海道
関係
のものはそのまま抑留されて、三カ月その他の懲役或いは罰金というもので、大体その後に帰
つて
参るのが多いのであります。東支那海
関係
におきましては、拿捕されまして、身柄は大体帰還しておりますが、船自体は帰還する率ほ割合少いということにな
つて
おります。
岩崎正三郎
101
○岩崎正三郎君 それに対しては、その努力はしないのですか、返してもらうような。
柳澤米吉
102
○
政府
委員(柳澤米吉君) 海上保安庁といたしましては、出入国
管理
庁、外務省等と連絡いたしまして、これに対します
措置
を講じておりますが、同時に監視船その他によりましてこれが拿捕の起きないようにという警戒を行な
つて
おります。なお主として漁船でございますので、漁船に対しましては、拿捕される個所、或いは多く起る個所に出漁します際、そういう事故の起らんように注意事項を書渡しまして、徹底を期してそれを戒めている次第であります。
岩崎正三郎
103
○岩崎正三郎君 話がはんぱになつたが、こちらが返還をお願いして返還してもらつたことがありますか。
柳澤米吉
104
○
政府
委員(柳澤米吉君) こちらがお願いいたしまして、返還して頂いたことがあるかという御質問でございますが、我々のほうで努力いたしました結果かどうかはつきりは存じませんですが、我々が努力した結果、努力しているうちに帰
つて
来た船が
相当
ございます。
東隆
105
○理事(
東隆
君) お諮りしますが、今日ほこれくらいで閉会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
東隆
106
○理事(
東隆
君) それでは今日はこれで会を閉じます。 明日の日程について申しますが、明日は午前十時から開会をして、そうして総理大臣が出席をされます。ちよつと附加えておきます。 午後四時二十五分散会 出席者は左の通り。 委員長 波多野 鼎君 理事 石坂 豊一君 佐多 忠隆君 伊達源一郎君 藤野 繁雄君 櫻内 義雄君 東 隆君 木村禧八郎君 岩間 正男君 委員 池田宇右衞門君 泉山 三六君 野田 卯一君 一松 政二君 岩崎正三郎君 下條 恭兵君 永井純一郎君 山田 節男君 原 虎一君 若木 勝藏君 高橋龍太郎君 前田 穰君 菊田 七平君 堀木 鎌三君 矢嶋 三義君 国務大臣 法 務 総 裁 大橋 武夫君
政府
委員
警察予備隊
本部
次長 江口見
登留
君
警察予備隊
本部
経理局長 窪谷 直光君
国家地方警察
本 部次長 溝淵 増已君
国家地方警察
本 部総務部
会計
課 長 三輪 良雄君
法務総裁
官房経 理部長 岡原 昌男君
法務
府
検務局
長 高橋 一郎君
法務
府矯正保護 局長 古橋浦四郎君
法務
府特別審査 局長 吉河 光貞君
大蔵省
主計局次 長 東條 猛猪君 海上保安庁次長 柳澤 米吉君
事務
局側 常任委員会專門 員 野津高次郎君 常任委員会專門 員 長谷川喜作君