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1951-02-16 第10回国会 参議院 予算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十六日(金曜日)    午後二時十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○議員派遣延期の件 ○昭和二十六年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十六年度特別会計予算内閣  送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それではこれより予算委員会を開会いたします。  最初一つお諮りいたしたい点がございます。それは先般決定いたしました議員派遣の件でありますが、天候の都合で一週間延期いたしたいと思うのでありますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 御異議ないものと認めまして、さよう取計らいいたします。
  4. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 本日は国鉄、電気通信等につきましての当局側説明を求めて質疑に入りたいと思います。最初郵政大臣
  5. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) それでは私から、郵政事業経営の概要につきまして御説明申上げ、委員各位の御参考に供したいと存じます。  先ず最初郵便事業について申上げます。  施設面におきましては、郵便局舎戰災復旧に一応終り、毎年新設もいたしまして。現在では昭和十九年に比し、簡易郵便局も含め約一千二百局の増加なつております。併しながら戰災を受けた郵便局舎復旧は、大部分が文字通り応急の措置でありまして、極めて粗惡で、且つ手狭のものが多く。又幸いに戰災を免れました局舎のうちにも、すでに相当腐朽したもの、或いは事務量増加で狭くなり事務の能率的な処理を阻害しているものもかなりの数に上つておりまして、早急に新増築の必要に迫られている局舎は、普通郵便局だけでも、二百局以上に達しております。このうちで、差当り、特に急を要するもので、二十六年度工事を行うこととして予算に計上いたしました局数は、大体その四分の一に当る五十三局であります。その構造につきましては、大切な郵便物安全性を確保するためと、建物の終局の経済性を考えまして、その八割近くまで鉄筋コンクリート造りで建てる計画であります。なお、二十六年度ではこの外に、特定郵便局舎も、主として木造でありますが、五十五局新増築する計画予算に織り込んでございます。  次に、郵便事業取扱業務の範囲につきましては、国内郵便及び外国郵便とも大体戰前に復し、又郵便送達速度もほぼ戰前水準に回復したのであります。このように施設面及びサービス面におきまして相当復旧改善されたのでありまするが、收支面におきましては、御承知通り赤字の傾向が依然として続いているのでありまして、二十六年度予算案は、前年度同様、極力経費の圧縮を図ることとして編成に当つたのでありますが、何分人件費が全経費の六四%強を占めているこの会計においては、その余地がないばかりでなく、物件費においても、海外送料等増加を賄わなければならない等の事情がありまして、收入不足を来たし、歳入不足補填のため、一般会計から三十五億八千三百余円の繰入れを受けなければならないことと相成つておるのであります。赤字原因は、人件費増嵩等いろいろ考えられますが、最も大きい理由は二つありまして、一つは、郵便物数の少いこと、もう一つは、料金の点にあると考えられるのであります。赤字の一原因と考えられまする料金につきましては、コストの面から見て、又料金相互間の均衡から見て、適当な調整を行いたいと考えたのでありますが、政府といたしまして種々研究いたしました結果、政治的な考慮から、これを避けて、赤字補填一般会計から繰入れるということに相成つたのであります。かように、料金調整はここ当分困難でありますので、増收の途は、一に、終戰後急激減少しました郵便物数増加を図る以外にないのであります。即ち、昭和十七年度に比べて、昭和二十四年度は、通常郵便物数が三一%、本年度上半期は、通常郵便二八%、小包郵便一五%で未だ著しい減少を示している実情であります。かかる実情に鑑みまして、当省といたしましては、郵便利用の勧奨に、種々努力いたしているのでありまして、今国会におきましても郵便法の一部改正を御審議願い、事業経営上の要求利用者側要望を織り込みまして、現行制度に所要の改正を加え、事業整備充実し、サービス向上を図りたいと目下取運び中であります。  次に為替貯金事業について申上げます。  為替貯金事業におきましては、郵便貯金郵便為替及び郵便振替貯金並びに年金恩給の支給、その他国庫金の受拂に関する事務取扱つておりますが、郵便貯金は、国民生活の安定、経済復興に伴いまして、おおむね順調に増加し、一月末の現在高は、一千五百十六億円余に達しております。来年度からは、郵便貯金事業に関する会計郵政事業特別会計から切り離しまして、別の特別会計といたし、事業收支を明確にして、事業経理合理化を図るべく目下取運び中でありますので、いずれ本国会におきまして、関係法律案の御審議を願うはずであります。    〔委員長退席理事平岡市三委員長席に着く〕 この特別会計の運営は、郵便貯金として受け入れた資金を、今回予金部を改組して新たにできまする資金運用部に預託し、この預託金に対する利子收入で、郵便貯金利子支拂と、業務取扱経費を賄つて行く仕組となつております。かように、為替貯金事業独立採算で行く建前でありまするが、初年度の二十六年度におきましては、資金運用部から受け入れる利子收入だけでは、必要な経費を賄うことが困難でありまするので、その不足分は、一般会計から繰入れを受けるということになつております。その額は約十五億円であります。郵便貯金も、経済安定化が進むに伴いまして、大体増加の趨勢を辿つているのでありまするが、それで、戰前に比べまして、その間の経済状態の変化を考慮いたしますると、まだまだ比較的少いのでありまして、郵便貯金の現在額は、昭和十年当時の僅か四十六倍程度に過ぎないのであります。この点が赤字を生ずる大きい原因と考えられるのでありまして、本年度の三百五十億に対して来年度は四百億円の増加目標としている次第であります。  郵便貯金資金コストは、本年度は大体六分八厘六毛程度でありまして、本年度平均残高も一千八百四十億円程度となり、資金コストは、支拂利子が二分二厘四毛、事業取扱経費が四分九毛、合せまして六分三厘三毛と五厘程度改善される見込でありまするが、これでもなお資金利廻五分五厘に対し、八厘三毛の逆ざやでありまして、この分だけ收入不足となる勘定であります。  我々といたしましては、かような收支のアンバランスを克服して、一日も早く独立採算を確立すべく努力いたしますと共に、来年度横書式貯金通帳発行、戰時中疎開した貯金原簿の復元或いは庁舎の改善による貯金原簿等重要証拠書保全対策等事業整備充実サービス改善に努める所存であります。なお、外国郵政庁との間における郵便為替業務につきましては、一昨年末からアメリカと、又昨年末からはカナダとも業務を再開いたしまして、本年一月末までに約百三十五万ドル、毎月平均十数万ドルの本邦向け送金取扱い、外貨の獲得、及び国民福利増進に多大の貢献をいたしておりまするが、来年度からは、これらの業務内容を、現在の到着のみの片為替から、振出、到着取扱う両為替に拡張するほか、万国郵便連合條約に加盟しているその他の各国とも外国郵便為替交換業務を再開するように取運んでおる次第であります。  これら業務整備拡充及びサービス改善に伴う要員の点につきましては、成るべく現在の人員を以て賄い得るように、事業合理化について、一層の工夫を加え、改善の実を挙げることを期しておるのであります。  最後に簡易生命保險事業について申上げます。  簡易保險事業は本年十月で事業創始以来まる三十五年を迎えることになりまして、昨年末における契約金額は三千七百七十億円、その件数は五千四百九十八万件に達しております。この間終戰までは一路順調に発展して参つたのでありまするが、終戰以来事業費増嵩により事業経営は極度に難局に逢着いたしまして、二十二年度收入保險料に対する事業費の比率、即ち事業費率は七一%に上昇したのでありまするが、これが打解策といたしまして、小額契約を整理して、経営合理化を図ると共に、数回に亘つて保險最高額を引上げまして増收を図りました結果、事業費率は、二十四年度は四三%まで下り、本年度は更に低下して、三%程度まで改善される見込であります。  来年度においては、最近の募集状況を考慮して新規募集目標を第一回保險料額で表現しますると十億円ということとにいたしましたが、なお歳入予定額は約四百十八億円で、歳出予定額約二百十四億円を差引いて二百四億円の歳入超過となり、事業費率も二七%となつて、二十二年度の三分の一近くまで低下する見込でありまして、経済の安定、復興に伴いまして、事業の再建、復興に向つて着健実な歩みをいたしております。  以上で郵政関係説明を終ります。なお、細かい点について説明が必要でございましたら、政府委員をして説明いたさせます。  次に、電気通信省関係業務の大綱について御説明いたします。  先ず市内電話について御説明いたします。  加入電話について申上げますると、終戰五後カ年の努力によりましてほぼ戰前の数に達したことは、前国会において申上げましたが、昭和二十五年四月より十月末までの増加累計は約千二万八千でありまして、昨年同期の増加数七万四千六百に比べまして約七二%多く、戰前最高十八年度末の百四万五千七百六十四を八万九千越え、百十三万五千に達しております。  併しこれは、すべてが前の通り復旧したのではなく、戰災大都市復旧率は五〇乃至七〇%でしかなく、依然として多数の未開通加入者大都市に残つており、結局非戰災中小都市室施設利用によりまして、全国的に見て上述の数に達したものであります。  大都市における通話完了率向上につきましては、調査会を設けまして、重点的に諸施策を講じ漸次効果を挙げつつありますが、なお一層これが改善努力いたしたいと存じます。  次に公衆電話利用の現状につきましては、現在、全国の公衆電話数は約四千個であります。公衆電話の一日の平均利用度数が四十二程度なつておりまして、この料金收納率は五七%前後となつております。一般的に、この收納率は、都市自動式公衆電話の場合は惡く三三%、手動式の場合はよくて六三%になつております。当省といたしましては、公衆電話の本質に鑑み、これが整備にますます努力いたしたいと考えております。  市内電話障害数は、昭和十三年度と比べまして、平均約二倍になつております。そこで昨年七月より明確な統一ある而も迅速な処理を目的といたしました市内電話試験統制を各県庁所在地及び主要都市につき実施したのであります。  又昨年末におきましては、東京大阪、京都、神戸及び横浜各市電話局におきまして、一カ月四回以上の重複障害申告加入者に対し、申告を待たず積極的に点検し、完全修理する方法をとり、良好な結果を得ておりますので、今後におきましては一層この点に留意し、障害数の漸減を図りたいと存じます。  有料発信市外電話につきましては、逐月増加一途を辿つておりまして、二十五年十月中の有料発信市外通話度数は二千七百三十八万度となり、戰前最高であつた十八年度月平均に対しまして約一七%の三百八十八円程度超過いたしおります。  これを二十五年度上半期全体について見ますと、月平均二千四百万度に達し、二十四年度の同期に比較しますと三〇・七%増加しており、二十五年度におきましては戰前最高の実績を突破することと存じております。  又市外電話回線障害は逐次減少し、一月一回線当り障害時分は一一一、一分となりましたが、今後におきまして一層障害減少、品質の向上を図り、「大声や聞き直しのない市外通話」にたすよう改善施策を講じたいと存じます。  内国発信電報につきましては、二十五年度十月中の発信通数は七百七十一万八千通に達し、前年同月に比較いたしますと六・七%増加し、二十五年十月までの累計は四千七百三十一万通で、二十四年の同期と比較いたしますと七・一%増加しております。  電信サービス改善につきましては、不断に努力しているのでありますが、速度につきましては、すでに戰前水準に回復しようとしているにかかわらず、正確度については、遺憾ながらなお戰前状態に遥かに及ばないので、昨年来電信運用施策重点電報誤謬絶滅に集中し、各電報取扱局においても、これに呼応してあるゆる努力をして参つたのであります。  その結果、二十五年八月には一万字当り四十五字に短縮することができたのであります。併しながら戰前の一万字当り二十二字に比し、その半ぱを達成したに過ぎないので、引継き努力を継続して行くつもりであります。  次に、国際電気通信業務量飛躍的増加について申上げます。我が国の国際電気通信業務量は、その後においても、海外貿易の好転と相待つて激増の一途を辿つて十一月の電報取扱数戰前の一カ月最高二十三万三千余通を突破し、十二月にはクリスマス祝賀通信利用等もあつて、その取扱量は、実に三十万通を超える活況を呈したのであります。  二十五年一カ年間の国際電報通数は二百三十一万余通で、すでに戰前水準を上廻り、最高にいま一歩というところであります。  国際電話につきましても、戰前年間最高約五千度数程度でありましたが、最近は一カ月に五千余度数で、二十五年度の統計は六万三千七百度数の桁違いの数字を示しているのでありまして、このまま推移するとすれば、收入におきましても、昭和二十四年度十四億円に対しまして、昭和二十五年度は約三十余億円を予想されるのであります。  一方これらの輻湊する通信の円滑な疏通を図るために、対外連絡回線新設及び通信方式改善整備並びに従事員の量的、質的向上等に鋭意努力している次第であります。  なお、昭和二十六年度電気通信事業特別会計予算につきましては、政府委員より説明させることにいたしますが、設備建設改良予算といたしましては、預金部資金が百三十五億円と、借入その他の固定資産の償却による費用八十億円その他を合わせまして、総額二百二十六億円となつております。  次に、二十六年度予算における電信電話設備計画について申上げます。加入電話増設、話し中電話の解消、市外通話待合い時分短縮等電気通信事業に対する国民要望はますます熾烈となり、前国会におきましては、参議院において電話事業緊急復興に関する決議が可決せられ、政府の善処を要望せられておるのでありますが、電気通信事業整備拡充を阻害している第一の原因は、資金不足であります。当局といたしましてはこれが確保に鋭意努力したのでありますが、前述のごとく外部資金は百三十五億に削減せられたのであります。従いまして当局におきましては、止むを得ずこれを含めて総額二百二十六億の枠内におきまして予算編成し、設備計画を立てざるを得なくなつたのであります。 以下におきまして、予算上における電信電話設備計画策定方針及びその予算工程につき若干御説明いたしたいと存じます。戰争による事業設備の被災は累年の努力にもかかわりませず、予算その他の制約によりまして、なお戰前に復元せず、他面国内における産業経済復興整備に伴い通信需要は逐年増嵩一途を辿り、現有設備に対しまして、通信需要は著しい不均衡を来たしていることは御承知通りであります。従いましてこれが設備整備拡充は極めて緊要な施策として考慮せられなければならないと存じます。当局といたしましては二十六年度におきまして、当面の緊急な要求をできる限り充足しつつ、整備拡張の急速な実施によりまして、サービス改善を図るため大体左の方針により計画を策定しております。一、通話完了率向上施策を強力に推進し、大都市特に東京大阪向上を図ること、二、空施設等既設設備効率的活用を図ること、三、新規拡張はマルチ・ユニット局等基礎設備並びに大都市及び近郊都市重点を置くこと、四、市外回線重要長距離区間及び大都市近郊区間通話輻湊救済重点を置くこと、五、電信回線の再編成機械、化特に中継取扱機械化により経営合理化を推進すること。大体右の策定方針に基きまして、工程の主なものを申上げますると、加入電話増設は七万五千、分局開始は四局、改式十三局、市外電話回線増設が七万キロを計画しておるのであります。併しこれによりましては、二十五年度の申込積滞数は約三十万に対しても、漸くその四分の一を充足し得るに過ぎず、又市外通話待合せ時分も期待のごとき改善は極めて困難であります。従いまして予算の実行に当りましては、その効率的活用を十分考慮し、大都市における基礎設備整備拡充加入者増設及び通話完了率向上並びに市外通話待合せ時分短縮に一層重点を置き、通信サービス向上に努め、国民要望に応えたいと存じておる次第であります。  以上大体の説明終つたのでありまするが、御質問によりましてお答えすることにいたしたいと存じます。
  6. 平岡市三

    理事平岡市三君) これより郵政省並びに電気通信省関係について質疑を行うことにいたします。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この電気通信事業特別会計のほうですが、損益及び建設勘定につきまして、二十六年度予算が示されていますが、この損益歳出三百九十四億何がし、建設歳出二百二十六億九千七百万円、このうち資材費はどのくらいで、それから人件費がどのくらいであるか、この内訳はわかりませんですか。
  8. 平井始

    説明員平井始君) 只今の御質問にお答えいたします。資材費とその他の経費との割合でございますが、これは建設勘定の分と、損益勘定の分と非常に違つておりまして、建設勘定におきましては、資材費が全体の経費の約六割、人件費工事費その他が四割、こんなような割合なつております。損益勘定につきましては、資材費は全体の一割見当、あと人件費その他と、こういうふうになつております。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つお伺いしたいのですが、この建設勘定歳入ですけれども、二十五年度には見返資金特別会計から百二十億受入れましたけれども、二十六年度は、これに代つて百三十五億円の公債收入を計上していると、こういうふうに予算説明書に書いいてありますが、これはどういう公債発行しまして、どこでこれを引受けるのか、それをお伺いしたいわけです。
  10. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) お答えいたします。本年度におきましては、見返資金を大体繰入れられることになりました関係で、そういうことになつておりますが、来年度におきましては、見返資金を頂くということがどうしてもできないというので、預金部資金から借入れるしかないという関係で、そのような工合に変つて参つたのであります。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういたしますと、預金部から借入れるということが、その公債收入という意味なんですか。
  12. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 預金部から我々のほうで、必要といたしまする資金公債借入れることになるのでありますが、預金部のほうでその公債引受けてくれる、こういうことでございます。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その公債條件はどういう條件ですか。発行條件です。
  14. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 公債は五分五厘の金利でございまして、償還期限は大体十五年でございます。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この預金部資金運用計画の中にこれは入つておるのですか。この金融債引受けその他とありますけれども、二十六年度預金部資金運用計画に百三十五億という公債引受けが入つているわけですか。これは大蔵省かな。
  16. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 当然預金部資金運用の合の中に入つておるけでございます。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 よろしうございます。
  18. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 大したことではないのですが、大臣説明の中に三……、御配付になつているプリントの三枚目ですが、戰前最高であつた十八年度予算に対して云々という御説明の中に、戰前という言葉が使われているわけなんですが、十八年度といいますと、昭和十八年度のことだと考えますが、いわゆる太平洋戰争のさ中であつて戰前ではないと思うのですが、これは終戰前意味ですか。これはここだけでなしに戰前に比べてという言葉を非常にお使いになつているのですが、全部を通じて、戰前というのは戰争中になるのですか、終戰前意味ですか。或いは戰争開始前、言葉通り戰前という意味ですか。田村大臣に伺います。
  19. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) これは終戰前の間違いであります。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどのに関連しまして……、先ほどのこの百三十五億円の建設勘定歳入でありますけれども、これは預金部資金運用計画の中に入つておるというお話ですが、予算説明書を見ますと成るほど入つております。百三十五億入つておりますが、これは特別会計等貸付なつておるわけですね、貸付公債引受とは非常に違うと思うのです。この中には預金部資金運用計画を見ますと、特別会計等貸付、それから国債肩代り地方債引受金融債引受、こういうふうになつておりまして、どうしてこの運用のほうで、この電気通信事業特別会計公債引受と、こういうふうになつていないのか。こつちでは貸付なつて、こつちでは公債ということになつておるのですが、これはこれでよいのですか。貸付公債引受とは非常に違うと思うのですが。
  21. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 御尤ものお尋ねでございますが、さような用語を使つておるのでありまするが、なおこの用語につきましては、大蔵省のほうに、なお私のほうから確かめてもよろしうございますか、お確かめ頂ければなお結構だと思います。つまり借入金には間違いないのでありますが、公債という用語を使うことが穏当なりや否やということについての御注意は御尤もと思いますので、内容はお察しの通り全く変りない。百三十五億を資金運用部から借りるわけです。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併しこれはですね、ただ用語の問題じやないのじやないですか。ドツジさんが来られて資金運用部というのを作られてから、そういう特別会計借入れる場合に債券みたようなものを発行して、それを預金部引受けるという形になるということになつたんだと思うのですが、その場合ですね、公債となりますと預金部がこれを日本銀行に持つて行つた場合、それは又一つインフレ要因なつて来るわけですが、貸付ならそういうわけに行かないと思うのです。そこで貸付公債と、どつちによるかは、これは單なる用語でなくて、どつちであるかということを、ここで性格をですね、その收入性格です。財源の性格をどつちにきめられるのか。その点をはつきりさして頂きたいわけなんです。
  23. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 電気通信省といたしましては、百三十五億を預金部から融通してもらうということは、はつきりわかつておるのでございますが、それに対して、あと処理の問題は大蔵省としてどういうふうに考えておられますかにつきましては、大蔵当局のほうにお尋ね頂いたら結構だと思います。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは電気通信省のほうとして伺いますが、予算説明書には公債收入なつておりますから、公債という形で借入れる。こういうふうにお考えになつておるのですか。
  25. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 用語公債という文字を使い、借入という文字を使つておりますようでありまするが、深くその点についての電気通信省といたしましては、そう考えないでやつております程度でありますので、その性質が又将来日銀から借入れるということになるならんという問題については、実は私どものほうとしては承知いたしておりません。ただ用語が或いは公債という文字を使うのが適当か、不適当かということについては、なお私どものほうで詮索いたしますが、内容については全くさつき申上げましたような内容でありますことをお答えいたします。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はまだよく納得できないのですが、大臣用語々々と言われますけれども、あなたは、資金借入れる場合、借入金で調達する場合と、公債で調達する場合と、非常に違うのである。借入金の場合は回收を要求されたときにはどうしますか、借入金だつたら先ほど政府委員から説明があつたような五分五厘で十五カ年ですか、こんな長期の借入は困難であろうと思う。公債であるなら五分五厘、十五カ年、そういうような調達も可能なんですけれども、この点はどうなんですか。
  27. 波多野鼎

    波多野鼎君 ちよつと関連しますが、今の問題は何じやないですか、電気通信省のほうでは、公債発行ということにはつきりきまつているのじやないですか、公債発行してそれを預金部引受けてもらうという方針はつきりしているのじやないかと思いますけれども、それを用語の問題とか、何とか言われるから混乱して来るのであつて、電通省のほうでは公債発行して、そしてこれを預金部引受けてもらうという方針はつきりしていると思うのですが。
  28. 肥爪龜三

    政府委員肥爪龜三君) 電通省としては公債であることに間違いございません。そのようになつております。
  29. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それならはつきりしたんですが、そうなるとこれは相当問題があると思うのです。これは大蔵大臣あたりにあとで聞きたいと思うのですが、これまで公債発行しない建前であつたと思うのです。それで勿論公債発行しても日銀引受でなければインフレーシヨンになりません。ならないけれどもここで又新らしくこういう公債発行政策をとる、電気通信事業においてもとる、或いは今度国鉄においてもやるようになるかも知れない。そういう端緒を一つ開くことになるかどうか、そういう公債発行政策をとるようになるかどうか、そういう観点から私は非常に重要視しているわけなんです。大臣大蔵省とそういう点について何ら話さなかつたですか、この公債政策というような観点からですね。
  30. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) その点につきましては、大蔵省からお答えしてもらうほうがよろしいと思います。
  31. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私お尋ねしたいことは、さつきの木村委員の質問に関連するのでありますが、大体政府関係機関なり、特別会計で一番資材をお使いになりますのは、国有鉄道と電気通信特別会計じやなかろうか、こう思うのでありますが、電気通信関係のお仕事の中には、非常に材料が最近騰貴して参つておるはずでございます。特にお使いになるものは価格が騰貴しておるという関係でありますが、従いまして、現在どの程度資材をお使いになるか、主要資材の内訳、そうしてそれに対する予算上見積りと申しますか、予算に見積られました單価及び朝鮮事変前と、現在現に購入なさつておる單価というものが、どういうふうになつておるか、そういう点を先ず事務当局から一応御説明願います。
  32. 平井始

    説明員平井始君) 只今の御質問にお答えいたします。先ほど木村委員から御質問ございました前の回答で、ちよつと間違えておりましたので、その点訂正させて頂きます。先ほど物品費の割合建設勘定六割と申しましたが、これは正しい数字でございますが、損益勘定が約一割と申しましたが、これは私の思い違いでございまして、約二割七分ほどが資材費なつております。損益勘定におきましてこれを御訂正願いたいと思います。  只今の御質問でございますが、私どもが使います主要な資材は、銅とか、鉛とか或いは錫、ニッケルというような、いわゆる戰略物資と称せられるものでございまして、これが特に朝鮮事変以後国際価格の騰貴等もございまして、日本国内において非常な値上りをいたしております。私どもここに国会に提出いたしまして、予算を組みましたときには、作成いたしましたのは大体八月でございまして、そのときに一応の予測をつけまして、大体二十五年度予算価格に比べまして、三〇%増しということで以て、この予算を組んでございます。併し現在の情勢を申上げますと、それよりもう少し上るじやなかろうか、こういうふうな感じがいたしまして、現在買つております品物もそれより上廻つておるようでございます。正確な数字ははつきり申上げられませんが、現在の情勢、及び将来を見通しまして、二十六年度予算におきまして、私どもの見積りました三〇%よりも更に一〇%とか、一五%ぐらい上廻るじやなかろうか、こういうふうに存じます。
  33. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今事務当局のほうから二十五年度予算に比べて三〇%だというお話があつたのでありますが、銅とか、鉛だとか、錫だとか、ニッケルというものは二十五年度の価格に比べまして、三〇%程度の値上りでないことは、これはもう誰も知つておることだと思うのであります。現在もすでに物によりましては、七〇%ぐらい上つておるはずであります。でありますから、その材料の内訳は單価は現在予算見込まれました單価と、現在買つておられます場合においての單価というものの比較表だけは是非あとから頂戴いたしたいと思います。  この際、大臣にお聞きするのでありますが、先ほど電気通信事業につきまして、大臣はいろいろな御抱負を持つておられる、我々といたしましても、この御方針内容につきまして、まだ詳しく批判しなければならんと思いますが、先ずこの程度も実際は予算執行に当つてはおできにならないだろう。原材料の価格の程度から見まして、この品物は多く国際物価高も影響しておりますし、我が国としても今の政府の輸入につきましての処置が時期を失したために、高いものを買わなければならなくなつたという点も、私はあると思うのであります。ともかく大臣が今説明になりました程度の何割かを削減なさらなければ、この予算においては執行ができない、こういうふうに私は考えるのでありますが、その点につきまして、大臣はどうお考えになつておりましようか。
  34. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 現在六割を占める物資が非常に値上りの趨向にあるのであるから、これで以つて予算しておるだけの仕事がやれないじやないかというような御心配のようであります。御尤ものことでありまするが、物価の見通しというものも、将来はつきりとつけることも非常に困難でありますから、一応ここに予算を立てまして、昨年度の三割増し程度で以てやるということで予算を立てました次第でありまするが、尚いろいろ検討いたしまして、資材の値上り等において、こういうふうな工事量ができないというようなことにならないように、できるだけ合理化をいたしまして、仮に若干の値上り等がありましても、これを完遂するように努力する、こういう考えを持つておりますので、現在におきましては、申上げました数字通り工事量は必ずやり遂げられるという考えでおります。
  35. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私は、郵政大臣は実業家だと思うのであります。先行きまあ現在は何だとおつしやいますが、これから物価が上るとお思いになりますか、上らんとお思いになりますか、先ずこの点が今のところわからない、それは結果でなければわからないという意味なら、わからないのであります。併しながら経済人としてお考えになつたときに、そういう御答弁はあり得ないだろうう。殊に、この予算を御執行になる上において、そういう点については十分な知識経験をお持ちになつているはずだと、こう私は思うのであります。だから先ず第一にお聞きいたしますが、今後物価は上らさないというお考えを、一般経済政策として内閣におとらせになるなら別でありますが、そうでなかつたならば、殊に自由主義の経済を基調になすつていらつしやるかたとして、今後なお上らないとお思いになりますか、どうでありますか、この一点。それから第二点は、まあこれは予算さえ通せばいいというので、合理化をしたりいろいろして、大体この程度のことはしますと、これはまあおつしやるだろうと思うのでありますが、一体そういう合理化ということを簡單にお言いになりますが、それでは現在の予算でなお且つ合理化の余地ありとお思いになるのは、どの点でありましようか。そこからどれだけの経費が捻出できるでありましようか、予算の審議としてはかく考えざるを得ないと、こう考えます。
  36. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) これから先、物価が上ると思うのだが、お前はどう考えておるかということでございます。おつしやる通りに、現在においては私どもから考えて行き過ぎに上つているものもあると思います。かなりこれは大幅に上つております。併し今後の見通しをどうはつきりつけるかという問題になりまするというと、国際情勢が非常に影響が深いのでありますから、そういう関係もありまして、果してこの物価は今のような、上るという考えをそのまま持つて行くか、或いは或る時期に反動が来て、どうなるかというような点につきまして、私としてはまだ見通しを申上げるあれを持つておりません。又さようなことは軽々に私として申上げるべきでもないと考えておりまするが、申上げる意味は二様の意味でありまして、行き過ぎたものは或る程度修正されるだろうから、一応昨年度予算に対して三割増加という予算を立てた。なお若干の狂いが資材面にあるようなことがあつても、合理化、いろいろな方面において検討を進めまして、若干のものならばそれをコンペンセーシヨンすることができるだろうと、そういうふうに考えている意味でありますので、かよう御承知を願いたいと思います。
  37. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 第二段の御答弁を願います、合理化による捻出の……。
  38. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今具体的にどういう制度ができると、こういうことになりますると、これはまあ予算を出しますときに、こういう合理化によつてこういうことをする、従つて金もこのくらいにすると、こう申上げなければならないのでありまするが、これは今お前も実業人じやないかというお話で、私もそういう建前からこれもかような場合についてはできるだけ工夫をいたしましてするという、例えばこれは必ずしも合理化のみで根本的な問題の解決になるわけではありませんけれども、先ほど申上げましたように、或いは空施設の利用方法を考えるとか、又工事のやり方について考えて見るとか、そういうことについて目下詳細に検討いたしております。若し若干の資材の値上り等によつて公企業が影響を受けるようなことがあつては困る。こういう意味において折角検討努力いたしておりまするが、今どういう面と、どういう点の合理化ということについては、全般に亘つて合理化を検討いたしておりますということを申上げる次第であります。
  39. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 余りくどく申上げるのも、こちらも嫌なんでありますが、若干若干と如何にも軽視されたようなことを言うのでありますが、私は若干なら聞かないのであります。誰が考えたつて銅だとか、鉛だとか、ゴムとか、被覆線でありますとか、電柱でありますとか、その他のもの、郵政省でお使いになるものが、若干、二十五年度と比べて若干だなんとおつしやる程度のものではございません。三〇%の、まあ本当を言えば事務的にここへ資料を私持つてつてお聞きしてもいいのでありますが、そんな程度ではないと思います。それから国際情勢から見て、まあいろいろお考えもあるようですが、国際情勢と言えばもうこれは世界的な軍拡でありまして、殊に先ほど事務当局が言われました戰略物資的なものは、これはもう非常に上つている。而も国内においては国際物価を上廻つて、上つているものすらあるのでありますが、併しその点につきましては私数字で以て別な機会にこの予算を批判いたしたいと思いますから、一応これでこの問題に関しては質疑を取りやめたいと思います。併し大臣としては十分この点についてお考え願わなければ、若干だとか、或いは国際情勢の状況から、上るかも知れませんということをお考えになる程度では、絶対にあり得ない。折角御工夫の点を今から御準備願いたい、こういうふうに考えております。  もう一つ大臣の御所管の仕事におきましては、非常に多数の人間を擁している事業でありまして、これも非常に特徴のある事業だと思うのでありますが、現に先ほど郵便関係の仕事で人人件費が非常に多いというふうなことで、節約の余地がなかなかない、こういうふうなお話でありますが、従事員の給與待遇については過般の補正予算の際に、大体千円、ベース・アップというような情勢になつたのでありますが、現在におきまして実際はどういうふうになつておりましようか、この点について事務当局のほうから御説明を願したいと思います。
  40. 楠瀬熊彦

    説明員(楠瀬熊彦君) お答え申上げます。電通省の全従事員は只今約十四万人でございますが、御承知のように一月一日以降べースを千円繰り上げたところでございますが、実はここで職別の全国平均の計数を申上げる時期に至つておりません。集計ができておりませんので……、まとまり次第お手許に資料として差上げたいと思います。
  41. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 それでは、その資料もついでにお出し願いたいと思います。ただ大臣に一言ここでお聞きして置きたいと思いますことは、大体何と申しますか、この種の事業につきましては他の一般の国家公務員とはよほど趣を異にするところがあると思います。と同時に、その一つの点と、もう一つは今日成るほど生産資料のほうが遥かに上廻つて、物価は上つたのであますが、最近の情勢では消費財方面におきましても或る程度の高騰を来たして参つている、こういうふうになつて参りますというと、二十六年度予算について従事員の給與待遇についてはどう考えになるか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
  42. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 電気通信及び郵政の従事員は非常に数が多いのでありまするがその給與待遇というものは一般の公務員と相当変つた形で行くべきじやないかという御意見でございますが、その点至極私も同感なんでございます。現在のところは止むを得ず或る特殊の問題を除いては一般公務員並みになつております。なつておりますが、何とかこれについて考えるようにいたしたいというので、目下努力いたしております次第でございます。
  43. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 大臣非常に何でございますが、二十六年度予算でどういうことを御考慮になつておりますか。或いは予算にございませんが、現在考えておられることであつて、今後予算の補正をしても考えようというような点は、どういうことでありましようか。
  44. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 現在の予算におきましては、先般千円の、ベース・アップをいたしましたものを以て予算を作つております。将来はどうかというこういうことでございますが、これは私は一般的の議論でございますけれども、当然單に生産資材の値上りだけでなしに、CPSが相当上つて来て、公務員としても困難であるというような場合が来れば、当然そういう場合には又考えて上げるべきであると考えます。ただ今の予算におきましては、現在のベースによつて予算を作りましたということを申上げる次第でございます。
  45. 波多野鼎

    波多野鼎君 只今の質問に関連してちよつと私からも申上げて置きたいと思います。先ほど来資材の問題でいろいろ問題になつておりますが、これは非常に重要な問題でありますので、相当詳しい資料を一つ出して頂きたいと思うのです。と申しますのは特に金属及び金属製品の値上りというものは相当顯著なものがある。恐らく二十六年度予算編成された場合の基礎となつておる物価は、二十五年の八月から十月あたり、あのあたりの物価であろうと思います。ところが、その当時の物価をその前年、二十四年の八月一十月見当に比べますと、すでに五〇%ぐらい上つている。金属製品などにつきましては、これは日本銀行の調べによつてはつきり出ておる。それから昨年の八月から十一月に至る間にもうすでに三〇%くらい上つておる。そういつたような状況でございますので、電気通信省事業計画されておる事業量というものを、そのまま予算に現れておるだけの事業量を遂行して行く上においては、相当困難な事情が現に起きておると思います。今後起きるだろうというのではなくて、現在すでに起きておると思います。そこでそういう点を批判するための資料としてこういう資料を是非提供して頂きたいと思うのです。計画されておる事業を遂行する上において必要な、例えば電線類、これは何トン必要であるかその電線類の予算編成当時における価格を一トン幾らに見ておるか。そういうふうに主要資材別に必要な資材の必要量と価格、これの数字を詳しく出して頂きたい。これは資料の要求として申上げて置きたいのであります。委員長において一つお取計らい願います。
  46. 平岡市三

    理事平岡市三君) 如何ですか今の……。
  47. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 承知しました。
  48. 東隆

    ○東隆君 大臣がお見えになつておりますから、この際お聞きしたいのですが、郵政事業関係、それから電気通信事業関係ですが、これの民営の問題、民営にするか、しないかというような問題が大分問題になつておる。且つそれについては本会議でもお話がありましたが、この際、もう一度はつきりと一つ御心境を伺いたい。
  49. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) この間本会議で油井議員から御質問のございましたのは電話事業についての御質問であつたと思うのであります。現在のところでは郵政関係のものについての私どもの考えも、又一般の考えも、これの民営移行についての意見はないわけでございます。問題は電話の問題でありまして、電話が現在のような非常に熾烈な要求を持つているにかかわらず、充足することのできない状態というのは、現在の機構自体において検討すべきものがあるのではないかということ、又民営にいたした場合には、あらゆる事業が極めて敏速にやられている諸外国の例等から考えて、どうかというような点が問題でございますので、私どもも先般国会においてはこれを公共企業体に移すこと然るべしというお考えもありますので、実は公共企業体について検討を進めておつたのでありますが、関係方面から暫らく公共企業体の問題は待てということで、そのままに相成つております。それで一歩進めて民営という問題を考えて見たらどうかという問題があるわけであります。目下実はそういうことによります利害得失、それから実行の方法等について検討はいたしております。いたしておりますが、何分この問題は御承知のように明治初年以来官としてやつて来た仕事でありますので、これが移行等の問題は関係するところ非常に大きな問題でもありまするので、簡單に結論を得ることは困難であります。従いまして現在のところはまだそれが民営然るべし、或いは現在のまま然るべしというようなことについての結論を得ておりません。おりませんが検討は進めているのであります。その場合に無論民営企業に対するも然り又公共企業体の問題につきましても併せて検討いたしているのであります。併しこの間、本会議で申上げたのでありますが、民営の長所はできるだけ取入れることを、仮に現在の機構の上においてもやれるだけいたしたい、こういう考えを持つているのであります。これは必ずしも民営と近いという問題でもありませんけれども、目下今日までの終戰後の趨向といたしましては、電話事業はすべて国の金でだけ仕事をするようになつて来ているのであります。例えば電話を申込む人に対しましても、現在では僅かな屋内引込をいたしまする工事の消耗品の代金だけでも千五百円の費用しか頂かない。これは今度四千円に上げて頂くのでありますがその実費消耗品の実費だけしかもらわないというような状態で、すべて国家の收入でやつているのであります。併しこういうことでなかなか国家の財政上の都合もありますしそう十分に電話の開設はできないという点もありますので、もう少し民力を使う、或いは受益者から金を出してもらうということを考えてよろしいのじやないかと思つて、それについても今検討を進めているのであります。
  50. 東隆

    ○東隆君 私は、現在でも実はこの仕事を進めて行くために、おとりになる中心的な考え方は、独立採算制の考えだと、どうしてもそれに近い考え方をおとりになるのじやないか、こう考えるわけでありますが、そういうふうにいたしました場合に、私は相当利益の上るところを考え、費用のかかるようなところにはこれは殆んど拡張はできんと思います。そういうような点が非常に懸念をされますが、民営の長所をよく取入れる、こういうようなことになりますると、なお更そういう問題がむずかしくなります。そこで私は地方の非常に不便なところ、そういうようなところではどういうふうにして拡張して行くか、新設をして行くか、文化的な施設を伸ばして行くことができるか、こういう点についてお伺いいたしたい。
  51. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 御尤もなお考えでありますが、企業が純然たる私企業に移つて純然たる資本主義の下に仕事が行われる、こういうような場合には今御指摘のような問題が当然起ると思いますが、今日ではそういう問題も今検討中でございまするが、目下国がいたしておりまする電話事業といたしましては、御指摘のような点が十分に考えられて、單にここだけは儲かるからやるとか、ここは儲からないからやらんとかいうようなふうに行くべきものではない。できるだけかような文化施設は全国的に広く分布することを希望しておる次第であります。そういう意味でありますので、ただそうかといつて非常に莫大な費用を要して、而も企業採算の上に余り著しい赤字を出すようなことについては問題が出る。それで今度の改正を考えております点は、さような非常に不備で、工費が莫大にかかつて電話が一本か二本しかない、收入としては殆んど問題にならない、かような場合には或る程度までさような所では実費を負担して頂く。貸金の形で負担してもらう。これはどちらにいたしますか、そういう点も今度便宜を図るように改正をいたしたい、そういうように考えております。
  52. 東隆

    ○東隆君 実は具体的な問題で、北海道でラヂオの共同聽取ということをやつておるわけであります。これは電話のない非常に辺鄙な農村の各農家に、丁度この部屋にある拡声器のようなものを各戸に皆配置をして、そして中央からラヂオも聽いておりますし、それから告知をする事項がありますときに、これを村で以て放送をしておるわけであります。で、非常に便利で大変好都合なんでありますが、これが必要に応じては聽取をした者が返事をすることができる施設もできるのであります。こういうものが北海道では相当普及をいたしまして、非常に不便なところで助かつておりますが、これに実は電気通信省のほうから、返事をすれば、これは何か法律に違反をするとかいうような意味で、大分恐慌を感じておるわけであります。これは殆ど全部民間のものが金を出し合つて、そして施設をこしらえておるわけであります。そういうことをやつて、そして自分で以てやつておるわけでありますが、これに対して非常に不便を感じておるのですが、この問題について、私は国はこの際そういうような施設に対しては却つて補助を與えるべきではないか、監督をして、そういうようなことをやらせないようにするというのではなくして、逆に大きく助成をして、そういうような方法を講ずべきではないか、こういう積極的な考え方を私は持つておるのですが、大臣はどういうふうにお考えになるか。
  53. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今の北海道で行われております有線放送共同聽取の問題でありますが、省といたしましては、そういうものが伸びて来ることをチエツクするというような考え方には無論なりたくないのであります。ないのでありまするが、御承知のように通信事業は国家の独占の形になつておりまするので、やはり或る程度のこれに対する取締りとか、或る程度の手続等は当然なされることがよろしい。と申しまするのは、今の地方的に共同聽取に引かれております線が、例えば單線を引かれておりますために非常に強力な電気でありまして、強力になりますと、その附近にあります電話障害を起す。事実さような状況にあるのであります。さような点もございまするので、成るべく或る程度の自由を許して上げたいのでありますが、併し全然そういうことについてそのままに放置するということになりますると、今申上げたような弊害も起つて来る、又こういうことが観念的に広まりまして、すべての人が或る程度応答までできる電話を使うということになりまして、それをやるということになりますと、いわゆる通信事業の根幹を覆すことにもなるわけであります。さような意味におきまして、できるだけ今起つておる国民の声をただ圧服するというような態度に立つてでなく、できるだけそういうものも活かせる限りにおいてこれを活かしたい。併し或る程度の規整等については受入れるべきものだ、こういうふうに考えております。現在それに対する立法を考究中であるのであります。併し御趣旨の意味は私ども十分了解できる点でありますので、成るべくさように地方的に、而も非常に辺鄙なところで、そういうものを使われることを、ただ芽を摘んでしまうようなことにならないようにという考え方で、立法を進めて曲る次第であります。
  54. 東隆

    ○東隆君 私は今のような場合にも技術面ですね、そういうような方面にも一つ広く国から応援をする、それから又そういうような施設に対して相当な助成をする、そういうことについて或る程度の監督をする。こういうふうな形が私は穏当なやり方ではないか、こう思うわけであります。私は、国が十分に辺鄙な所まで手を伸ばして施設をするならば、これは問題はないと思いますけれども、そつちのほうは一つもやりませんので、止むを得ず自力で以てやつて行く、そういうような形だと思いますので、これについては一つ新らしい法律等にも、今申上げましたようなことを、十分一つ御考慮の上でお考えを願いたい。こう考えます。
  55. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 郵政省のことについてお尋ねいたしたいのでありますが、郵便貯金の現在高は千五百億以上あるわけであります。又簡易保險につきましても相当莫大な額を数えることができると思うのでありますが、簡易保險や郵便貯金の本質からいたしまして、その預金者或いは保險加入者というものは、大体におきましていわゆる庶民階級の人たちなのであります。でありまするから、それが社会正義の関係からいたしまするというと、預金者であるところの人たちの使うことに、即ち預金者にそれが還元されなければならんということが非常に重要なことだと思うのでありますが、そういう考えについて大臣は、郵政大臣としてどうお考えになるかということを先ず承わりたいのでありますが、これについての御返事と共に、それと関連して、それは大蔵省預金部のほうの仕事である、だから大蔵省に聞いてくれというような、先ほどのお尋ね中にありましたような御答弁もこの際あるかと思いますが、大蔵省預金部の金の使途については、もとより我々大蔵省予算について申す機会があると思うのでありますが、併しながら郵政省のそうした庶民階級から預金、保險料を吸上げるところの立場にいらつしやるかたと、私は多少違つたものの見方においてそれが行われなければならんと思いますので、大蔵省預金部の状況については、これは大蔵省から出している統計もありますから、大体数字的にはわかつておりますけれども、そうした階級的な建前と申しますか、階級構成的な見地から、恐らくは預金を庶民階級から吸い上げると言うと、言葉は惡いのですが、又は受入れられるときに、その顧客であるところの、そうした中産階級以下の人たちに対して、あなたたちがこんなに預金を、保險を強いられるが、皆さんたちにはこういうようにいいことをした、こういうようなことに使つておるのだというように、はつきりさせて置くということは極めて必要なことだと思いますが、そういう私が申上げたようなことについての数字的な、階級構成的な見地からの、その金の使途についてのはつきりするような、まあ御返事がこの際伺えれば、先の御答弁と相関連して伺いたいし、又数字的に今日すぐに答えることができないというようなことであれば、他日そういう観点からの大蔵省預金部資金使途という数字的統計以外の、私の趣旨に副うような一つ資料を出して頂きたいと思います。御答弁をお願いいたします。
  56. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 今お話の郵便貯金と、それから簡易保險のことでありますが、簡易保險は御承知のように、在来この簡易保險の保險料の剩余金は、積立金はこれを地方に還元する意味におきまして地方債、無論国債もございますけれども、そういうものに投資をするようになつておつたのでございます。戰時中、御承知のようにすべてが統制下にありましたので、全部剩余金は一時大蔵省に預け入れるということになつておつたのでありまするが、終戰後におきまして両議院でも御決議がございまして、それは郵政省の本然の姿に還えすべきじやないかということで、簡易保險の積立金の再開については運用を郵政省に返えすというように御決議を願いまして、その意味におきまして大蔵省側とも折衝を重ね、大体両省の間においても事務的の話合いはついておつたのであります。たまたま昨年ドツジ氏が来朝されまして、この問題につきまして、何よりもかような、今御指摘のございましたような細民と申しますか、庶民階級によつて貯蓄され、保險されるようなこの金は、第一に一番安全な方法によつてこれが管理、運用されることが必要なことであるという、こういうような前書の下に、ドツジ氏から大蔵省に対して書簡によつて、一度これを大蔵省資金運用部においてこれを取扱うということに相成つたのでありまするが、今お話がございましたように、單に保險の金だけと申しませず、郵便貯金におきましても、郵便局員が全国各地におきまして各地から細かい金が集つて参りまする金でもありまするので、この金が運用されるに当りまして、全然郵政省としてはこういうものに関係なしで、ただ大蔵省に任して置けばよい、こういう筋のものでもないと考えておりますので、こういう点につきまして、目下これの法案の提出に当りまして、両省において協議を進めておる次第でございます。やはりこういうものには郵政省としても非常な関心を持ち、又場合によつてはこれを監視をするということが預金者に代つて必要なものである。こういうふうに考えておりまするので、その辺を立法の際に取入れるように、目下事務当局の間で話合いを進めております次第であります。なお、そういう資金を現在どう細かく運用しておるかの問題でありますが、現在は皆大蔵省において運用いたしておりまする関係上、そういう資料は無論国会に提出されておるものもあるでありましようし、なお、そういう細かい点につきましての資料の提出等は大蔵省においてされることと考えておるのであります。
  57. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 私は、第九国会において述べて置いた電信柱等の敷地の使用料についてお尋ねいたしたいと思うのであります。これは目下検討中であるから次の二十六年度予算には計上する予定だというようなことを大臣から聞いておつたのでありますが、幾らの單価で、そのくらいの金額を予算に計上してあるか。これをお尋ねしたいと思うのであります。
  58. 山下知二郎

    政府委員(山下知二郎君) 只今の御指摘の点は、目下十分に研究中でございますが、予算上には、現在提出いたしておりまする予算にはまだ載つておりません。併しこれは電気通信営業法というものを近く御審議願うように取運んでおります、その線の上に必ず出て来る問題でございますから、それを実施しますときには、それだけの支拂というものは必ずやる考えで、実施の面でこれを考える方針でおります。
  59. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 只今の御説明通りであるといたしましたならば、現在の予算には組んでないのでありますから、補正予算にこれを出されるお考えであるかどうか。この点をお尋ねしたいと思います。
  60. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) ちよつと通信監の話と違うのでありますが、九千何百万円か組んでおります。予算に入つております。九千六百万円入れてございますが、この料金は大体二十円くらいまで上げられようかと思つておりますが、もう少し実際の調査によつて額が本数等の上で上げられれば上げるというような考えでおります。
  61. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 大臣は就任以来いろいろと郵便事業電信事業改善努力しておられるということは喜びに堪えないのであります。又今日の御説明によつてでも、サービス向上を図つていろいろの便宜を與えよう、こういうふうにお示しを得たということは喜びに堪えないのでありますが、全国には郵便物の配達が非常に不便であつて、何とか改善しなければできないという希望を持つておる地方が非常に多いのであります、而して現在の郵便局の設置なるものは、十数年前に決定したものをそのまま採用して、交通機関その他の変化を顧みないというような現在の状況であるのであります。こういうふうなことは、文化の土台である通信事業が面白く行かないという結果で、地方の文化の向上にも、産業の開発にも非常に支障を来たすと考えるのであります。今私がお尋ねしたいのは、全国で無集配の郵便局であつて、集配局にしてもらいたいという希望があるところの郵便局がどのくらいあるか。その中のどことどことを二十六年度予算で集配局にされる考えであるかどうか。これをお尋ねしたいと思います。
  62. 大野勝三

    政府委員(大野勝三君) 只今お尋ねのございました郵便機関を今日の交通その他の事情に即して配置すべきであるが、具体的に無集配の郵便局を集配にするものについて、現在どのくらいの要望があり、どのくらいを集配局にするかということについてのお話でございます。御承知のように、郵便局は年々その数が増加して参つておりますのでありますけれども、従いまして交通機関の変遷発達に伴いまして、漸次その配置の状況を補正して参つてはおりますが、併し今日においてそれが非常に理想的な状態なつておるかということになりますと、勿論只今御指摘にありました通り、まだ我々はこれで満足いたしておるものではございません。成るべくこれを普及して参りたいのでございますが、遺憾ながら御承知のように、いろいろと最近におきましては郵政財政の面からも種々の惡條件がございますので、人の面からも或いはその他の面からも、諸事意に任せない点が多々ございます。併しながらとにもかくにも年々幾らかの局は、これを新設をいたして参りますと同時に、既設の郵便局につきましても、お話のありましたような無集配の局に集配を開始するというようなことをいたしております。ただこれは今日、何と申しますか、無集配の局でも、これはまあ当然の話ではございますが、いずれかの集配局の区内になつておりますので、必ずしも具体的のケースを見て参りますと、無集配の局に集配の仕事を始めることが果して一層利便を増すゆえんであるかないかという点につきましては、相当問題のあるような箇所もございます。全部がそうというわけではございませんが。そこでこれは一つ具体的に検討いたして参りまして、予算の都合のつきます限り、地方の要望にも応え、又事業本来の趣旨にも副うように善処して行きたいというのが、私どもの当面の心構えでございます。無集配の局をどれだけ集配を開始したいという希望があるかということにつきましては、実はいろいろと次々に始終お話がございまして、只今のところ的確に、何局ございまして、そのうち何局をどうということをお答えは私いたしかねるのでありますが、お尋ねになりました御趣旨はよくわかりておりますので、我々といたしましてもできるだけ本当に郵便機関が全体に普及をして、サービス向上になるように善処したいと思つておりますので、これを以てお答えに代えさせて頂きたいと思います。
  63. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 若し無集配の郵便局を集配の郵便局にするというようなことであつたならば、郵政省の人員の増加というような法律的手続をとらなくちやできないようになるのであるかどうか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
  64. 大野勝三

    政府委員(大野勝三君) 理窟の上から申しまして、まさに御指摘の通りの結果になります。併し実際問題といたしましては、結局只今申しましたように、現在の無集配の局はいずれかの集配局の区内であるのが原則でございますので、結局その集配の仕事を分けるというような関係になる場合もかなりございます。そういう場合に或る程度人の融通をつけることによつて何とか定員法の枠の中での措置ということも可能な場合はございますけれども、これはどちらかと言いますと、非常に窮屈なやり方でございます。本当の行き方は、やはり只今のお話の通りで、これは当然それだけ仕事を別にいたしますと、人も殖えて参ります。殖えて参りますものは、今日では法律で似て定員の枠がきめてございますので、これは場合によつては必要があれば定員法を改正して行くということが必要になつて参るわけでございます。
  65. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 重ねてお尋ねしますが、そういたしますと、定員法を改正してでもやるという考えがあられるかどうか。私の考えとしては、今日においては郵便物の配達ということをできるだけ迅速にやらなくちやできないというようなことになつて、サービス向上を図るということであれば、定員法は改正してでもやらなくちやできない、こういうふうに考えるのでありますが、更にこの点重ねてお尋ねしたいと思うのであります。
  66. 大野勝三

    政府委員(大野勝三君) 差向きのところは、現在の定員の枠の中で差繰りのつきます限り、御趣旨のような線に滑つて集配事務の開始を必要に応じてやつて行くという考えでありますので、来年度におきましても定員法改正ということは実は考えておらないのでございます。なお、ついでに附け加えますのでございますが、郵便機関の普及という問題につきましては、定員法によらないで、いわゆる窓口機関に関する問題でございますけれども、先年国会を通過いたしました簡易郵便局法に基きます簡易郵便局というものは、これは契約によつて、委託によつて窓口事務をいたすものでございますから、定員法には関係ございません。併しこれは窓口機関の普及という問題でございますので、只今お話にありました集配事務を開始するという問題とは直接関係がございませんが、関連がございますので、ちよつと附け加えて置きます。
  67. 平岡市三

    理事平岡市三君) 郵政省並びに電気通信省関係についてほかに御質問がなければ、運輸省の政府委員のかたが来ておりますから、説明を聞くことにいたしますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 私から昭和二十六年度運輸省所管予算の大綱につきまして、御説明を申上げますが、時間の点もあり、詳細についてはお手許に配付いたしました資料を御覧願いたいと存じます。私からは極く簡單に御説明申上げたいと思います。  先ず歳入予算でありまするが、二十六年度歳入予算額は十億七千三百二十二万六千円でありまして、これを前年度に比較いたしますと千八百十四万八千円増加することになりますが、これは海上保安庁実施の特別掃海に対する收入が二十五年度限りとして減少いたしましたに対し、海没鉄屑等の売拂等新規の歳入見込まれました等のためであります。  次に、歳出予算について申上げます。二十六年度の予定経費要求額は百二十六億百三十九万四千円でありまして、これを前年度に比較いたしますると、三千五百十六万二千円の増加となりますが、これは全船舶の船主返還に伴いまして、商船管理委員会に対する補助金が大幅に減少いたしましたものの、他方におきましては、海上保安隊の増強のための経費の増、及び日本国有鉄道貸付金を新規計上いたしましたこと等が主なる理由であります。右要求の各経費につきましては予算参照書に部局別、事項ごとに要求事由、及び前年度に比較いたしまして、特に増減の著しいものにつきましては、その増減事由を記載してございますが、今その中の重要な事項につきまして、御説明申上げます。  先ず商船管理委員会についての経費でありまするが、九四五年十月九日附連合軍の指令に基きまして、同委員会に日本商船の管理を行なわせるため、その経費として四千四百八十万八千円、シベリア、満洲及びその他の地区からの引揚者を輸送する経費といたしまして三億五千八百二十八万三千円を補助金として計上いたしました。なお、前年度に比較いたしまして同委員会に対する補助金が約三十四億減少いたしましたのは、前にも申上げました通り、前年度は同委員会において五千総トン以上の般船舶を傭船し貨物輸送を行うため、その事業費不足を補助いたすために所要額を計上いたしましたが、二十五年三月の連合軍総司令部の指令によりまして、帰還輸送船を除き、全船舶が民営に還元されましたため、前述の補助の必要がなくたつたためであります。  なお、次に日本国有鉄道の工事財源を補うために、日本国有鉄道に貸付金といたしまして二十億円を要求いたしました。  次に、港湾に関する公共事業施行に必要な経費でありますが、これは内地の港湾施設の修築及び災害復旧に必要な人件費及び事務費といたしまして、四億三千七百六十四万四千円を計上いたしました。  次に、気象官署に関する経費でありますが、気象観測並びに通報業務の完全を期するための事業運営費といたしまして、十三億八千七百十三万千円、連合軍の指令によります洋上気象観測業務の維持運営に必要な終戰処理費といたしまして、三千百三万一千円を計上いたしました。  次に、海上保安庁に必要な経費でありますが、これは不法入国の監視、密貿易の取締、航路標識の維持運営、その他海上保安業務の運営費といたしまして四十四億六千八百二十五万円、沿岸警備力を増強するために巡視船九隻を初め、浮標作業船、水路測量艇等合計二十二隻の建造費といたしまして十億七千七百五十八万八千円、合計五十五億四千五百八十三万八千円を計上いたしました。なお、これを昨年十月海上保安庁増強のための国債費からの移用額を含めまして、前年度予算額八十五億九千八万五千円と比較いたしますと約三十億円減少いたしますが、これは主に船舶建造費が減少したからでございます。  次に、航空庁に関する経費でありますが、国内航空運送事業経費といたしまして二千四百十万円、連合軍の要求により航空保安施設の維持運営等の経費といたしまして一億千九百六十五万六千円を計上いたしました次第であります。  以上が、運輸省所管一般会計予算の概要でございます。  次に、昭和二十六年度日本国有鉄道予算の概要について御説明を申上げます。と、民生安定の基盤に資するため施設車両の整備増強と保安の昂上を計り以て輸送力を強化し、サービス改善を図る目途を以て計画を樹立して参つたのであります。  工事計画は施設の維持及び取替補充に留意する共に必要なる輸送力の強化に力を注いでおります。その主なるものは、車両関係としては貨車及び電気機関車、電車、客車等の新造のほか、客貨車の改造等でありまして、二十六年度收入確保と滞貨一掃に重点を置いたのであります。  次いで、経営合理化の大宗である電化設備については東海道線米原、浜松間の電化に着手することとし、このほか高崎線上野、高崎間は本年度中に完成する予定であります。その他前年度より継続の信濃川山辺発電所建設工事等が計上されております。  特に本年度においては、戰後初めての新線建設に手をそめ津軽、赤穂、窪川の三線を計上いたしております。  なお、その他の新設につきましても目下国会において立案検討中の建設審議会の設置と相応しまして、予算的措置を講ずべく、当局関係方面と目下折衝中でございますが、この実現については格段の努力を拂う所存であります。  以上の諸計画を織り込みました予算総額は、歳入歳出共に二千三百二十一億円でありまして、この中には工事勘定における財源として、損益勘定より受け入れる百九十二億円と六百十七億円の貯蔵品購入費即ち各勘定の物品費と振替えとなる重複分、これら八百九億円が計上されていますので、差引きますと千五百十二億円となります。  工事経費総額で三百十二億円でその主なるものは車両費と電化設備費等でありまして、そのあらましは先に工事計画のところで述べました通りであります。  経常費について見まするに、人件費関係では本年一月よりの給與ベース改訂及びこれに伴う諸手当の増加によりまして、五百十億円に上り、物件費関係といたしましては石炭費、電力費の増加等によりまして六百三十九億円となり経常費の総額は一千百四十九億円となるのであります。  このほかに減価償却費、特別補充取替費利子及び予備費等を計上し経費総額が千五百十二億円となるのであります。  これに対する財源といたしまして、運輸收入が千三百七十四億円、このほか工事勘定の財源として大蔵省資金運用部より借入金百億円及び一般会計より政府貸金二十億円、雑收入その他で総額千五百十二億円となるのであります。  最後に日本国有鉄道の財政につき、今後の見通しを申上げますと、朝鮮動乱を契機としまして日本経済の様相は変化を来たし、基礎資材は漸次値上り傾向にあるのでありますが、幸い收入増加に転じつありますので、公共企業体として能率の向上を計り、サービス向上に努めますと共に、経営合理化を行い経費節減に努力いたすよう指導監督いたしたい所存でございます。  以上昭和二十六年度日本国有鉄道予算の大綱につき御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上御承認あらんことを切望いたします。
  69. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私日本国有鉄道のほうで二点だけお聞きしたいと思うのであります。先ず事務当局にお尋ねいたしますのは、戰争中各方面の線路を撤去されましたが、その復旧の状況及びそのままの状況等お聞きいたしたいのであります。
  70. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 戰争中に線路を撤去いたしました線は約三十三線ございますが、たしか五、六線を除きまして大体復旧いたしております。
  71. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今のおつしやいましたのは国有鉄道の分だけでありますか。或いは地方鉄道の分を含めてでございますか。
  72. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 三十三線は国有鉄道の分だけでございます。
  73. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今その資料はお手許にございませんかございませんでしたらあとでその表を参考上お出しを願いたいと思います。  政務次官にお聞きいたしますのは、今度三線を新線追加なさる予定であり、それから先ほどおつしやいました話だと、なおその他何とか審議会ができますと、新線について審議を経て、そうして二十六年度中にも御追加になるというふうな御計画のように承わつたのでありますが、その点についてどの程度のお考えがございますか。先ず第一に具体的にお聞きをいたしておきます。
  74. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 只今この予算に計上いたしておりますのは、三線の三億二千六百万でありまするが、なおその他に工事勘定の中からできる限りの新線を建設いたしたいと思いまして、現在その筋と折衝中であります。今そのほうの折衝が終りませんことには、十分に判明いたさないような状態であります。
  75. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 関係筋と御折衝中だということになりますると、恐らく具体的にいろいろなことがあるでありましようが、それらについて無論決定によつて変化を見ると、いうことは考えられますが、現に持つておられます腹案はどの程度でございましようか。大体のお話を承わつたらどうか、こう考えております。それからもう一つ、それではついでにお聞きいたしますが、その財源についてはどういうふうにお考えになつておるのですか。その点を併せてお聞きいたしたいと思います。
  76. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 新線建設につきましては、当初別に予算を組みまして、いろいろ要求をしたいと考えておつたのでございますが、その後いろいろな折衝の経過を経まして、現在のお手許に差上げてあります工事財源の予算に落ち着いたわけでございますが、予算国会に提出いたします時日の関係もありまして、折衝が十分にならずして、お手許に差上げた形としつて、一応現在のところ三線は確定したままに予算がお手許に差上げてあるわけでございますが、我々といたしましては、なお現在お手許にあります工事財源の中から経費を捻出して、そうして新線の建設に充当いたしたいということで、目下なお関係方面といろいろ交渉いたし、努力を続けておる次第でございますが、なお、その内容につきましては、まだはつきり申上げる程度にまで実は成功いたしていないわけであります。
  77. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 関係方面ともお話になつておるような具体的なことが、この委員会ではお話になれないというのでございましようか。この点更にお聞きいたします。
  78. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) そういう意味で申上げたのではないのでありまして、なかなか新線の建設ということのアイテムについて、向うに我々の考え方なり主張を呑み込んでもらうことに非常に困難をいたしておるわけでありまして、まだそれについて先方に具体的な数字を示して、そうして更に折衝を重ねて行くという段階に実は至つていないのでありまして、目下それらの点について先方といろいろ交渉を重ねておる、こういうわけでございます。
  79. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 余りこの問題、私だけでやりますのはどうかと思いますが、簡單にこの問題についての質疑を続けようと思いますが、ともかくも先ほど政務次官がお読みになりました、お話になりましたと申しますか、御説明になりました二十六年度予算におきましては、新線を御追加になるということをはつきり御説明されておるのであります。この三線のほかに新線を計上するつもりである、この点については十分協力してくれ、こういうふうなことまでお言いになつておる。それについて今のような御答弁では先ほど御説明なつたことと、我々の協力を要請せられる程度とが非常に不均衡で釣合わない、こう言わざるを得ないのであります。協力しろとおつしやるならば関係筋にどの程度の線を出し、それに対して財源はどの程度充てるのだ、どこから持つて来るのだというお話がなくちやならない。併しその点につきましては、なおよく御善処を願いたい、予算を審議する上から御善処を願いたい、こう私は考えます。場合によりましては、委員長から御要求つても然るべき問題じやなかろうか、こういうふうに考えます。もう一つ、他の観点からこの問題を取上げて見ますと、事務当局のほうから撤去線の状況について資料の御提出がありませんから、詳しくは申上げかねるのでありますが、すでに線路ができて汽車が動いていたわけです。そういう線が復旧しないときに新線のほうを先にお取上げになることは、本当の国利民福から前後緩急はどつちだろうという点について、政務次官はどういうふうにお考えになつておりますか。その点についてお考えをお述べ願いたい。
  80. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 私たちは戰時中に撤去いたしました線路を、これを運営…、何と申しまするか、線路を再び敷いて運行すると言いまするか、これも新線の中に入れて考えて置いたわけでございます。
  81. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 それじやその点が予算にどういうふうに計上になつておるか、一つ説明を願いたいと思うのであります。  それからもう一つ、これは郵政省の関係でもお尋ねいたしましたのですが、今の政府関係機関、或いは特別会計の機関で最も多く資材を使うのは郵政関係と鉄道関係だとこう思うのでありますが、その資材の価額につきまして、この予算編成されるときにお見込になりましたものが、その後現在においてどういうふうな状況になつておるか。主要資材につきまして、この予算に組まれました戰価と、それ以後の物価騰貴の状況、並びにその所要数量というようなものについて、事務当局のほうから御説明を願いたいと思います。
  82. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 初めに、先ほど御質問がありました撤去線のことでございますが、ちよつと間違えましたので、訂正をさして頂きたいと思います。戰時中に営業休止をいたしまして撤去した線を含めて約二十線でございますが、そのうちで現在八線復活いたさないで、十二線復活いたしております。それから今の資材の値上りの関係でございますが、現在お手元にあります予算では鋼材、それから鋼材の第二次製品等につきまして、大体鋼材とか銑鉄、或いはそれらの第二次製品につきまして相当値上りが多いようでございますが、鉄道で使います資材は非常に今お話のように量も多く、又千差万別でございますので、それらの値上りの影響につきましては、現在十分にいろいろと検討中でございまして、まだそれのはつきりした数字をここでちよつと御説明を申上げられない。まだ申上げる程度のものを私は今手元に持つておりませんので、大変遺憾でございますが、この程度の御返答をいたして置きたいと思います。
  83. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 どうも大変事務当局から不親切な御答弁ですが、併しこれはもう事業会計を執行して行く上においては、資材の値上りというものは全体の経営上非常に影響のあることは明らかであります。事務当局にお願いいたしますことは、何もこれを特別にお考えになる必要はありませんので、現在あなたがたに将来の予想まで頂戴しようとは思いません。できましたらなおいいのですが……。併しともかくも予算にお見込みになつたものと、現に今買つておられる値段というものの差は、十分お考えになつて頂かなければならない、その表をここ二、三日のうちに是非提出して頂きたい。政務次官にお聞きするのでありますが、私どもは、資材をたくさん使いますところの会計におきましては、非常な値上りを来たしておる、殊に主要資材について、鉄道で言いますれば、先ほど例に挙げられました鋼材なり、鋼材の第二次製品というものについては非常に上つてつ来ておる。端的に申上げますが、この予算にお見込みになつ程度では物価の値上りから見て非常に財政は苦しくなり、赤字となるのだ。これで辻褄を合せるには赤字なつて来ることは目に見えておる。そうすればどうするかというと、事業の規模を縮小するか、或いは人員整理をするか、人間をたくさんお使いになつておるのですか、最近の物価情勢から見れば、消費財の方面でも相当上つて来る。人員の節約、給與待遇についても考えなければならんことになつておる。併しそうすると、又人員整理をするとか、或いはその事業の規模を縮小する、或いは他に財源を求める。尤も大蔵省は非常にたくさんの金を抱えておられる、幾らでも出せば出し得ると私は思いますが、ともかくもそういうふうなことに相成るのです。率直に申上げますと、損益勘定……工業勘定でございますか、鉄道で云えばこの工事のほうに何か余裕があるようなことをおつしやるのでありますが、工事勘定のほうの財源はむしろ窮屈になつて来る、これは明らかなんです。鉄道の予算としては、私は余り講釈的に申上げるのは失礼ですから申上げませんが、ともかくもこれはむしろ財源不足になる。で、鉄道ではそれを收支とんとんに或る程度運費を上げるか、他から財源を持つて来なければこの財源は出て参らない。ところが、なお先ほどから他の工事勘定で以て何か余裕があつて、幾らでも新線も建設できる、いろいろおやりになることができるというふうな感じを受けるような御説明があつたのでありますが、政務次官はそれについてどういうふうにお考えになりますか。そうして実際に先ほど、事業を更になさろうとすれば、どういうところから財源を持つて来るか、運賃値上げにするか、他から、大蔵省のそういう財源、預金部なりその他の資金をお借りになつておやりになるのか、そういう点について御説明を願いたい。
  84. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 收入の面におきましても、予算以上の増收があるという見通し、勿論こういうふうな物価騰貴になります半面、そういうふうなことも見込んでおりまするし、殊に又何と申しまするか、その上足りません場合には規模を縮小するほかに方法はない、かように考えております。
  85. 平岡市三

    理事平岡市三君) 木村君。
  86. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 委員長、私の物価騰貴に対する、物価の趨勢に対する御答弁がないと思われるのですが、如何でしようか。
  87. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 物価は、勿論現在の状態として値上りをいたしておりまするので、その結果止むを得ず事業の規模を縮小するというような結果が起きて来るものと考えます。
  88. 東隆

    ○東隆君 先ほど堀木さんの質問に、次官は撤去線は新線と認めるのだ、こういうお話でありますが、計上されております新線は、優先をして勿論やつて頂けるものだと、こう考えてよろしうございますか。
  89. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 勿論現在計上いたしておりますものは、急速に実施いたしたいと考えております。
  90. 東隆

    ○東隆君 そうではなくて、新線ではなくて、撤去した分です。撤去した分はこれは新線とお考えになる、こういう先ほどお答えがありましたが、大変安心しているのでありますが、新線よりも撤去したものを先に考えられるのではないか、こう御質問したわけです。
  91. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) これも何といいますか、審議会で検討いたしました上でいろいろその他と睨み合せまして、審議会で決定いたしたいと存じております。
  92. 東隆

    ○東隆君 撤去されたものが二十カ所で、そのうち十二線復活をしている。残つた八線、これは私は残つた理由はいろいろあるだろうと思いますが、先ほど堀木委員がいわれたように、資料ですが、そこに理由を一つはつきりと明記しておいて頂きたい。そういう調書を頂きたいと思います。
  93. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 簡單に二つお尋ねしたいのですが、その一つは先ほど政務次官が堀木委員の質問に対してお答えになつたのですが、若し財源が足りなかつたならば事業量を縮小するよりしようがないということですが、それと同時にその人員も縮小するということがその中に含まれるかどうか。この点について先ずお尋ねします。
  94. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 予算、資材は重点的にこれを使用いたしまして、その規模を縮小すると申上げたのでありますが、人員の点はその中に含まれておりません。
  95. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この私たちに配付されました昭和二十六年度日本国有鉄道予算参考資料ですが、この一番最後の二十六年度予算定員は四十六万八千八百六十五人、二十五年度に比べて二万三千八百八十五人減少なつているのですが、これはどういう事情でこう減少になるのか、お伺いしたいのです。
  96. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 自然減少だけはこれは補充しない、新らしく採用しない、こういうふうな考えであります。
  97. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは先ほどの日本国有鉄道予算説明書の中にありましたが、経営合理化を行い、経費節減に努力するというふうにいわれておりますが、人員については全く自然減少による、人員を補充しないために生ずる自然の減員、それだけと解釈してよろしいですか。経営合理化というものは、そういう人員整理というものは含まれておらない、そういうふうに解釈していいのですか
  98. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 自然減少以外はないと思います。
  99. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つお伺いしたいのですが、これは簡單な問題なんですが、併し重要な問題なんです。地方財政のほうで国有鉄道に対する固定資産税ですが、こういうものを考えているやにも聞くのでありますが、国鉄としてこういうものが課せられた場合、国鉄の現状として負担し得るか、又負担するとして、例えばそれは運賃値上げをすればできると思いますが、運賃値上げを伴わずして今の国鉄の経営においてできるかどうかの問題、先ずそういう場合に運賃値上げということが考えられて来るかどうか、この点についてお伺いいたします。
  100. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 現在のところ、この固定資産税はかけないことに決定いたしております。
  101. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはかけないととに決定したというのは政府のほうですか、地方財政委員会でですか。
  102. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 大蔵省のほうでかけないととに決定をいたしております。
  103. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 私、海のほうで少し資料を要求さして頂きたいと思うのですが、或いはお手許に資料があるかどうかわかりませんが、海上輸送が現在どんな状況にあるかどうかという御説明がなかつたように思うのですが、或いはちよつと中坐しておりましたからどうかと思いますが、現在の輸送力、そうして現在どれだけのものを、どういう所からどういうふうに運んでおるかという問題が一つ、それがわかります資料を一つ。それからもう一つは、第七次造船までできましたときの、これが完成予定年度別の輸送力の増加状況、それによつてどの程度のものが運ばれたか。こういう資料が頂戴いたしたいと思うのでありますが、或いは事務当局から一応の御説明を伺いたいと思いますが、如何ですか。
  104. 荒木茂久二

    政府委員(荒木茂久二君) 正確な数字を丁度持ち合せておりませんので、年度別その他正確な数字を作りまして、近日中に提出いたしたいと思います。
  105. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 簡單なことを二、三点お尋ねいたします。戰時中撤去した二十線のうち十二線が回復して、残り八線があるということがはつきりしたのですが、土工工事の完了した三線を本年度新らしい工事対象とされておるようでありますが、戰時中土工工事が終つてなお完成していない線が幾つあるか。この戰時中に土工工事をしてそのままになつておる線は、戰争末期において産業振興というような立場から計画された路線でこれは国の経済興隆のために寄與する産業線が多いと思うが、何線残つており、それを今後どういう計画で完成されるかということを伺いたい、それが第一。  次に第二点は、戰後国内の人口が非常に多くなつたという関係もありましようし、なお最近バス路線が非常に発達したことと相関通いたしまして、鉄道の踏切り、特に都市内とか都市の郊外あたりの鉄道踏切りで、随分と事故が多くなつておるわけでありますが、ああいう踏切りですね、これを地下にするとか、或いは橋にするとか、そういうような点についてはどういう計画を立てられておるかということと、最後に極く簡單なことでありますが、老朽駅本屋の改築というのがこの項目に出ておりますが、やはり人口の多くなつたことと、それから戰災などに会つた関係上、非常に戰後膨脹した都市で、駅本屋その他非常に狭隘を極めているような所があるのですが、そういう侠隘駅舎についての改築あたりはどういうふうにお考えになつているか。計画がございましたら、概要でようございますから、お答え願いたいと思います。
  106. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 只今の御質問にお答えいたしたいと思います。戰争中に一旦建設に着手いたしまして、その工事を全部中止をいたしました路線は、先ほどちよつと数字を間違えたのでありますが、全部で三十三線、約五百十数キロでございまして、これは殆んど路面が完成をしておるものが大部分でございます。なお、これらにつきましては今後それらの線路建設を復活をいたして、継続して参るかどうかという問題については、今後愼重に検討いたして参りたい、こう考えておるわけでございます。  それから第二の、この踏切りの事故が非常に多いが、これに対する具体的な対策ありやという御質問だと思うのでありますが、誠に踏切り事故が非常にたくさんございまして、私たち鉄道の関係者としては非常に痛心の種でございまして、いろいろ相戒めて手段も講じておるわけでございますが、なおお話のようにこれらの設備について十分に研究を要する点がたくさんございますので、昨年来運輸省及び警察、或いは建設関係のところで集まりまして、踏切りの施設についての今後の基準を定め、或いはこの問題を如何にすべきかということについていろいろ検討いたしておる次第でございます。  それからなお、最後の老朽した駅舎、或いは非常に狭隘な駅舎について具体的な案はどういうものがあるか、こういうお話でございますが、非常に全国にそうした駅舎もたくさんございますのですが、これにつきましてはなかなか全部どんどんこれを建直して行くというほどには参りかねるのでありまして、できるだけこの必要の程度の高いものから順次これに着手いたして参りたい、こういうふうに考えているわけであります。
  107. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 昭和二十六年政府関係機関予算予算総則の第十三條によつて見ますというと、「日本国有鉄道の役員及び職員に対しては年末手当は支給しない。」政府機関は十二あるのでありますが、こういうふうに役職員に対して年末手当を支給しないと書いてあるのは、日本国有鉄道のみであるのでありますが、日本国有鉄道に限つて役職員に年末手当を出されないところの理由がどこにあるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  108. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 昨年度のときにもその点が問題になつたのでございますが、国有鉄道の職員と、それから一般公務員とは給與体系も違いますので、昨年度の場合にも公務員には年末手当を支給するという問題が出ました場合にも、給與体系も違うというので、おのずからそれに対する考え方も違うというので、支給をいたさなかつたのでございますが、大体その同じ考え方で予算総則にそういうふうに載つているわけでございます。ただ併し或いは職員自体のこの努力、企業経営上の努力等によりまして、或いは新規予算に余裕を生じました場合には、これを以て或いはこの褒賞制度といつたものを考えるというふうなことは、これはおのずからそれとは別個である、こういうふうに考えている次第でございます。
  109. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 同じく総則の十一條でありますが、国鉄は予算の執行上必要を生じたときは運輸大臣の承認を受ければ歳出予算の各項の金額をかれこれ流用することができる、或る程度の制限はあるのでありますが、こういうふうに予算に対して各項のかれこれ流用をすることができるというようなことであつたらば、ただ單に運輸大臣の承認だけでできるということだつたならば、殆んど予算というものがあつてなきがごとしというようなことになりはせないか、というふうに考えられるのでありますが、歳出予算の各項の金額をかれこれ流用することができるということを、特に鉄道について書かれたところの理由を承わりたいと思うのであります。
  110. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 従来の鉄道の予算と今年度の鉄道の予算とは少し違いまして、項の点について細かく細分をされておるのでございますが、それは従来と同様の運用をいたすという建前で、そういう表現になつておるのでありますが、これは事業経営上どうしても必要止むを得ぬものについて、そういう場合も生じますので、殊に流用について一定の制限の下にこれを流用する、こういうふうな必要からその表現になつておるのであります。
  111. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 更に十二條を拝見して見まするというと、昭和二十六年度において国鉄の役職員に対して支給する給與総額がきまつておるのであります。五百二十四億九千余万円であります。一応こうきまつておるのでありますが、運輸大臣の承認を受ければ変更することができる、こういうふうなことであれば、この役職員に対する給與総額というものも、自由自在は変えられるということになつて来るのじやなかろうか。そう考えますというと、これ又予算を作つても国鉄は自由自在に運営ができるのだ、こういうふうになつて来るのじやなかろうかと思うのでありますが、一方のほうにおいて給與総額をきめ、一方のほうにおいて運輸大臣の承認を受ければ、自由に変更ができるということを、特に国鉄において書かなくちやできないところの理由は、どこにあるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  112. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) これは、十二條のこの但書を読んで頂きますれば、最後に、この予算に基き作成した給與準則を実施するため必要を生じた場合に、この前條の規定によつて給與総額の変更について、運輸大臣の承認を受ければ変えられる、こういうふうになつておるのでありまして、給與準則と、それからこの総額との関係がここに示されておるわけであります。給與準則を変えまして、そうしてこの総額に影響のある場合、それから又この給與準則を変えないで、或いは人員の増加があり、或いは業務量増加があり、その他等々の理由によりまして、この総額に変更のある場合とは、この但書を読んで頂きますれば、おのずから取扱いに違いがあるということが御了解頂けると思うのでありまして、この但書によつて給與準則を自由に変えられる、こうふうなことにはならないのでございますので、その点御了承頂きたいと思います。
  113. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 そうしますと、「この予算に基き作成した給與準則を実施するため必要を生じた場合」というのは、如何なる場合であるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  114. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 例えばこの給與準則はそのままでございましても、或いは家族の構成が殖えておるような場合には、或いは家族手当が増加する場合もありましようし、或いは非常に仕事が繁忙でございまして、その超過勤務手当をこの給與準則によつて予想以上に支給しなければならん。つまり業務量が非常に殖える、そういう場合がありますれば、そういう場合にもこの給與準則に従つて支給するために、総額に変更があれば運輸大臣の承認を求めて総額を変更する。こういう場合などを御想像頂きたいと、こう思う次第でございます。
  115. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 繰返してお尋ねいたしますが、そういたしますというと、鉄道のほうは收入が増して来たならば、その收入が増した範囲内においては運輸大臣の許しを得たならば流用し又増額もすることができると、こういうふうに解釈して差支えないかどうか、お尋ねしたいと思います。
  116. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) その点は、この予算総則の第十條に、收入増加業務量増加に伴います場合において、予備費の使用によつて支弁することができない場合は、その收入の一部を業務のため直接に必要とする経費に充てることができるという、いわゆる彈力條項と呼んでおるのでございますが、それによつて業務上の必要と、それから経費との関係の調和を図つておる、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  117. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次は、電力設備についてお尋ねしたいと思うのでありますが、二十六年度予算には東北線及び東海道線等の電化設備として予算が計上されてあるのであります。東北線及び東海道線等と言えば、東北線及び東海道線以外にどこの線を電化せられる予定であるか、これを承わりたいと思うのであります。
  118. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) それは只今政務次官から説明を申上げました区間のほかに、既電化区間及び発電所の改良などもございますので、等という字で表わしてあるのでございます。
  119. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次は発電設備でありますがこれも信濃川発電設備等に必要だと、こう書いてあるのでありますが、信濃川以外の発電設備をやられるということは、今お話の通りの発電設備であるかどうか、お尋ねしたいのであります。又別に、新たに計画があるとしたならば、どこの計画があるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  120. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) それは大部分信濃川発電所の経費でございますが、現在電化の使用電力は上越本線から配電をいたしておりますが、それを完成いたしましたあと自営化するために多少の工事がございますとか、或いは東京駅のケーブルの暗渠の工事がございますとか、いろいろそういう小さな工事がございますので、等という字で表わしてあるわけでございます。
  121. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次は、今日我が国で石炭を最も多く使用しているところのものは鉄道であります。一カ年の使用総トン数が、六百万トンと言われておるのであります。石炭の総使用量の五分の一にこれは当るのであります。これだけの石炭を以て発電いたしましたならば、石炭でやるよりも電力でやつたほうが輸送能力は非常に大である、こういうようなことを石山賢吉という人が数字を挙げて説明をしているのであります。この石山氏の説の通りであるとしたならば、私どもは石炭を直接に鉄道に使用せずして、発電設備をやつて、然る後にその電力によつて鉄道の電化をすべきものであると信ずるのでありますが、これに対する政府のお考えを承わりたいと思うのであります。
  122. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 鉄道の電化につきましては、只今御説明にありましたように、電化をいたしますことが、運転の面で非常に有利になるという点が、電化を主張されておる非常に有力な原因一つでございます。なおいろいろほかにも原因があるのでございますが、そうした意味で我々といたしましては、この電化というものを相当重く考えて、是非これを推進して行きたいと、こう考えておるわけでございます。ただ現実の問題といたしまして、電化を急速に、或いは促進せしめられないようなことがありますのは、電化につきましては、非常に電化します場合にたくさん一時に経費を投ずる、固定資本に経費を投ずる点など、非常にそういう問題がございます。或いは現在あります車輌を電気機関車に切換える場合に、その車輌の使用方法等についても、一概に全部これを廃車にしてしまうわけに参りませんし、いろいろ検討いたさなければならない点があるわけでございます。或いは電源との関係もいろいろ考慮しなければならん点があるのでありまして、いろいろそうしたたくさんの事情を併せて考慮いたします場合に、簡單に電化したあとの運転費が安くなるという点だけで、どんどん電化を進めて行くというわけにも参りかねている事情もございまして、計画を立ててできるだけ順を追つて少しずつやつて参りたい。その程度につきましては、或いはそのときの資材、予算の状況と睨み合せて、そういう方針一つ実現して参りたいと、こういうふうに考えているわけであります。
  123. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 将来の鉄道の電化については水力電化のみならず、火力によるところの電化もされる計画であるかどうか、更にお尋ねいたしたいと思います。
  124. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) これは、実は恐らく水力を主にしてやるということが考え方かと私は考えます。現在におきましても、国有鉄道は火力の発電所を二カ所持つておりますが、これは現在の電化区間の電力を非常にたくさん使うピーク時に対する補助或いは水力が足らん場合の補助に大体使うというふうな使い方をいたしておりまして、やはり電化をいたします場合に、水力による電化ということが大体として一番中心になるであろう、こう考えております。
  125. 平岡市三

    理事平岡市三君) 本日は、この程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 平岡市三

    理事平岡市三君) 本日はこれで散会いたします。    午後四時四十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            石坂 豊一君            平岡 市三君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員           池田宇右衞門君            泉山 三六君            白波瀬米吉君            長谷山行毅君            一松 政二君            山縣 勝見君            岩崎正三郎君            加藤シヅエ君            永井純一郎君            山田 節男君            吉川末次郎君            前田  穰君            菊田 七平君            一松 定吉君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  田村 文吉君   政府委員    運輸政務次官  關谷 勝利君    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    運輸省船員局長 山口  傳君    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    運輸省鉄道監督    局長      足羽 則之君    運輸省自動車局    長       牛島 辰彌君    (経理局長事務    取扱)    郵政事務次官  大野 勝三君    郵政省監察局長 成松  馨君    郵政省貯金局長 白根 玉喜君    郵政省簡易保險    局長      金丸 徳重君    電気通信省電気    通信監     山下知二郎君    電気通信省経理    局長      肥爪 龜三君    航空庁長官   松尾 靜磨君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   説明員    電気通信省大臣    官房人事部長  楠瀬 熊彦君    電気通信省施設    局施設部長   平井  始君