運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-02-14 第10回国会 参議院 予算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十四日(水曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————   委員の異動 二月十三日委員工藤鐵男辞任につ き、その補欠として白波瀬米吉君を議 長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○議員派遣要求の件 ○昭和二十六年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十六年度特別会計予算内閣  送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それでは只今より予算委員会を開きます。  先ず最初に理事補欠互選の件をお諮りいたします。本日理事野田卯一君から理由を附して理事辞任を申出られております。許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 御異議ないものと認めます。次に欠員となりました理事互選を行いますが、互選は前例によりましてこれを省略して、委員長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 御異議ないものと認めます。それでは私から理事として平岡市三君を指命いたします。   —————————————
  5. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 次に議員派遣の件についてお諮りをいたします。先ほど委員長理事打合会を以て御承認願つたのでありますが、来る二月十七日土曜日及び十八日日曜日の二日間に亘りまして、公共事業費使用状況現地において調査するために、利根川流域の最も大きな堰堤工事と言われております群馬県の深山及び同じく群馬県の南郷、この両地に現地視察に参りたいと思うのでありまして、第一班は深山、第二班は南郷、こういたしまして各班五名ずつの予定であります。この議員派遣要求書議長宛に提出することに御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 異議ないものと認めます。なおこの手続及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) 御異議ないものと認め、さように取計らいます。この議員派遣に参加御希望の方はあらかじめ御申出を願いたいと思います。   —————————————
  8. 波多野鼎

    委員長波多野鼎君) それでは本日の予算審議は、今銀行局長が来ておりますから、金融問題につきまして銀行局長から先ず説明を聞いて質疑に入りたいと思います。
  9. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 最近の金融情勢につきましては、便宜若干の計数資料に取りまとめましてお手許にお配りしてあると存じます。これに基きまして主なる諸点を御説明申上げたいと思います。  先ず一般情勢を反映いたしまする日本銀行券発行状況につきましては、この最後から四枚目にございます二十四、二十五年度並びに二十六年の一月の月末発行高を記載いたしました。この下のほうの欄を御覧頂きますとわかりますように、昨年との発行の較差は去年の下半期におきまして漸次増加いたしております。即ち六月に百億程度でございましたものが、七月には二百四十四億、その他逐一増加いたしまして十二月には六百六十七億でございます。更に本年一月には七百七十四億というふうになつておるのでございます。この半面、裏を御覧願いますと、日本銀行貸出につきましては、前年との比較におきましては八、九月頃がピークでございまして、その後増加額は減つておるのでございます。これは要しますのに日本銀行貸出は殖えない、或いは殖え方は減つておるのでありますが、別途輸出貿易伸張等によりまして外国為替特別会計による政府資金撒布というものが強く働いておるためでございます。このようにいたしまして日本銀行貸出は或る程度で止つておりますが、市中相当資金が出廻つておる。そこでこの原因といたしまして、只今申しました外国為替貸付の現在高は次の紙にございますように二月十二日におきまして二千三百七十五億でございます。但しこれは日本銀行外為特別会計から外貨を買いまして、これを市中貸出しておる金額でありまして、二千三百七十五億のうちに、いわゆるユーザンスと言われておりまするうちに、船積書類が到着後本当の意味ユーザンス附手形と同じ作用をなしておる信用供與分は大体七百億見当と認めておるのでございます。従つてこれが日本銀行輸入貿手で賄われておりますならば、それだけ日本銀行手形割引金額が殖える訳合でありまして、日本銀行貸出額を考えるに当つて、この点を考慮しなければならないと考えるわけであります。このようにいたしまして市中には相当資金の出廻りがございます。  一方政府資金收支状況につきましては後刻理財局長から申上げることになつておりますが、この影響を受けまして銀行預金増加につきましては、十二日までのものは次の紙に書いてございます。曾つて説明申上げたのでありますが、昨年の四月から十二月までの昨年の増加額は、銀行、農協、無盡、信組、郵便局、その他の合計で二千八百八十六億円でございます。一昨年の同じものに当りまする三千百九十五億円に比べますると九〇%にしか及ばないという計数が出ておるのであります。この一月中の全国銀行預金増加状況だけについて見ますると、一月末現在において預金総額が一兆七百三十六億円でございまして、十二月三十日に比べまして二百五十一億円増加いたしております。それから貸出は同じく一月三十一日現在におきまして九千八百九十九億円でございまして、十二月三十日に比べまして四十八億円の減少を示しております。それから郵便貯金につきましては二月十二日現在におきまして千五百六十一億円でございまして、なお一月中の郵便貯金増加額は今年は五十二億円ばかり増加いたしております。昨年の一月の六十八億円の増加に比べますと、増加額は少いのでありますが、これは昨年後半以後初めて見る比較的顯著な増加額でございます。このようにいたしまして今、二月上旬末におきましては、国庫短期運用金と申しますものが七百九十八億円、うち当座預金が六百四十八億円、それから市中金融機関に対する指定預金なつておりますものが百四十九億円、計七百九十八億円、なお見返資金につきまして、短期運用なつておりますものが八百八十五億円、預金部におきましては短期証券運用しておりますものが二百三十五億円等でございます。  次に資料の前のほうに戻りまして、昭和二十六年、二十六年度預金部資金計画を掲げておいたのでございます。二十五年度予算につきましては、予算書に計上せられておるものと同様でございます。預金増加が七百二十九億円に対しまして、回收は百五十五億円、二十六年度運用につきましては、国債が百七十億円、政府機関貸付金が百五十億円、地方債が四百億円、金融債が四百億円となつております。最近のこの預金部資金により金融債引受状況につきまして、昨年十二月に二十億円の金融債引受をいたしましたが、一月にはなお四十四億五千万円の引受をいたしました。その内訳は興業債券二十億円、勧業債券十七億円、農林債券四億円、商工債券八億五千万円でございます。それから二月三月の分につきましては、現在進行中でありますが、同じくこの金融債を百二十一億五千万円引受ける見込であります。このうち、十九億円は預金部市中金融機関の持つております既発興業債券を買取ることによりまして、そこに資金を供給するという方策をとりたいと考えております。これを金融機関の各別に申上げますと、興業債券はその既発債券買上げというものを含めまして興業債券六十一億円、勧業債券は四十億円、北海道拓殖債券は三億五千万円、農林債券が八億円、商工債券が九億円ということに相成るのでございます。  それから次に二十五年度預金部資金運用実績は、第四・四半期見込を含めまして、次の表にございます。特に御説明を申上げなければならんことはないかと存じますが、なお運用項目におきまして地方債引受は本年度三百七十億円を予定しておりますが、二月五日現在におきましては、    〔委員長退席理事伊達源一郎委員長席に着く〕 地方団体に対する前貸の形、将来地方債に振替える前貸の形といたしまして二百二十九億千六百万円の現在高になつております。それから短期運用項目に入りまして、調整融資とございますのは、地方団体に対しまする年度内のその財政を調整するための融資でございまして、二月五日現在におきましては百十七億八千五百万円でありますが、これは年度内に全部引揚げるという性質の金でございます。なおジエーン台風その他の緊急災害融資といたしまして、同じく二月五日現在において二十四億五千三百万円出ております。金融情勢一般についての計数は極く主だつたものに限りましたが、大要以上の通りでございまして、なおその他の点につきましては御質問によりましてお答え申上げたいと存じます。
  10. 伊達源一郎

    理事伊達源一郎君) それでは次に大蔵省理財局長伊原さんに御説明をお願いいたします。
  11. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 大蔵省理財局長でございますが、お手許にございます見返資金資料につきまして。本日は主として御説明を申上げたいと思います。一般的の情勢につきましては今銀行局長からもお話がございましたし、それから国庫收支の全体につきましては、最後の日に御説明を申上げることになつておりますので、その節に譲りまして、今日は主として見返資金現況について御説明申上げたいと思います。ただ先ほど銀行局長からお話がありましたように、昭和二十五年度におきます国庫收支撒布超過、これはいろいろな数字がありますが、大体七百億程度と考えているのであります。二十五年度におきましては、資金計画で或いは安本からお話があるかも知れませんが、見返資金といたしましては、二十五年度経済からの引揚げは八百七十五億程度いたしましたし、それから預金部からも預金部といたしましても四百億円程度引揚超過をいたしましたし、それから貿易特別会計から二百五十億程度の金を日銀に返しまして、大きな要因といたしまして昭和二十五年度には千五百億円程度の主な政府関係引揚超過をいたしたのでありますけれども、今申しましたように、ユーザンス制度開始以来外国為替特別会計におきまして非常な撒布超過が行われましたために、その金額二千八百四十二億というふうな撒布超過が行われましたために二十五年度全体といたしましては、約七百億円程度の広い意味財政からの撒布超過という結果に終るのではないかと思うのであります。そのうち見返資金につきまして紬かい御説明を申上げたいと思います。お手許にございます見返資金資料、見返資金收支実績表という一枚紙と、それから二十六年度運用計画の大綱というのが二つございますが、そのうち見返資金收支実績表について申上げたいと思います。  先ず收入部面でございますが、三段目を御覧になりますと、昭和二十五年度という欄がございますが、收入につきましては、二月十日までに入りました金額はここにございますように千三百三十七億五千八百万円の收入があつたのでありますが、なお明日あたり六十五億円の收入があることになつておりまするし、本年度内には大体の見通しといたしまして、收入は、第一の貿易会計又は援助物資会計からの繰入という欄の千百七十七億九千六百万円というのが千三百七十億乃至九十億入るのではないかというふうに考えております。なお運用利殖金等というところが百五十九億に相成つておりますが、これが本年度中には三百十五億二千五百万円程度になるというふうに見込んでおります。これは預金部に鉄道とそれから逓信の出資を振替えてもらいますので、二百七十億円入るというためにこの科目が三百十五億二千五百万円ということになるのであります。  收入部面は大体そういう見込でございますが、支出部面につきまして申上げますと、先ず公企業でございますが、公企業につきましては第一の電通只今まで百十三億出しておりますが、予算では百二十億になつております。電通支出につきましては、残額七億が近く解除申請をいたしまして予定いたします百二十億、近いうちに出る予定でございます。その次の国有林野の三十億、これが予算通り三十億出し切つているわけでございます。それから国鉄の四十億、これも予算通り国鉄に四十億出し終つております。それから住宅公庫の三十六億四千万円、これは御存じのように予算におきましては住宅公庫は百億でございますが、公庫貸付につきましては、当初の予定に比べまして若干遅れておりますので、一般会計から五十億支出をいたしましたほかは見返資金からここにございますような三十六億交付済でございまして、多分今日二十億加えたと思うのでありますが、全体といたしまして本年度内に出しますのが百億のうち八十二億程度出るのではないかと見込んでおります。即ち十八億程度は来年度繰越すようになるというふうに私ども見込を立てておるわけであります。それからなお公共事業費につきましては、予算は百十五億でございますが、只今まで現実に出ております金は五十九億二千八百万円、ここにある数字でございますけれども大蔵省といたしましては、これは全部支出承認司令部から受けまして、各省の、例えば農林省とか建設省の委任支出官に対して百十五億の金額は全部配付済なつております。現実には五十九億二千八百万円しか出ておりませんが、各省には金額として配付をしております。私ども国庫收支見通しとしては本年度内には九十二億程度、やはり十八億程度は来年度なつてから出るのではないかというふうに見込を立てておるわけであります。従いまして公企業全体といたしましては、只今申上げましたように、大体住宅公庫公共事業に十八億程度ずつくらい余りまして年度を渡るのでありますが、おおむね順調に出ると思います。  次に私企業でありますが、私企業の先ず第一に電力電力につきましては、ここにありますように、五十六億二千五百万円と支出がありますが、予算は過般の改定計画によりまして、百億ということになつております。この百億につきましては、今月中にあと二十億、それからあとのは三月中に出しまして、百億は今年度中に出し切るという予定なつております。それから海運につきましては、あとで二十六年度と一緒に申上げたいと思います。その他という科目が三十一億五千万円出ておりますが、これは御存じのように当初の計画が四十三億であつたのがドツジ氏が参りまして六十億に増加をいたした科目でございます。これにつきましても只今まで三十一億五千万円くらい支出がありまして、あと残額につきましては、司令部に提出中のものも十億足らずございます。大体年度内六十億の金を何とかして使い切るという方角で話を進めております。次に中小企業、これも詳しく申上げたいのでちよつと省略いたしまして、優先株式の五十二億、これは御存じ通り予定通り優先株式支出済でございます。その次の経済再建及安定費というのが七十五億三千八百万円ございますが、連合軍住宅住宅公社に対する支出、これが六十五億ありますが、二千三戸の連合軍住宅の建設でありまして、本年度内にまだあと五億程度支出する見込なつております。特定教育事業、これはCIE関係の図書館とか教育事業教育映画等でありますが、一億一千万円、予算では二億五千万円になつております。まだあと一億四千万円程度支出が行われる。脱脂ミルクにつきましては、八億四千五百万円でございますが、年度内に十三億五千万円まで支出をいたす考えでございます。かくいたしまして余裕金という欄に八百八十二億千万円、これは二月十日現在におきまして見返資金は八百八十二億一千万円くらい余裕金を用意いたしておりまして、そのうち食糧証券に投資いたしておりますのが四百六十五億、残余の四百十六億につきましては現金でこれを持つております。食糧証券は余りありませんので預金部が成るべくたくさん持ちまして、見返資金といたしましては、その残り引受けているのでありますから四百十六億という多額の現金が残つているという状態でございます。なお輸出金庫に二十五億の支出年度内にいたすということはこれは既定の方針でございます。
  12. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 どこからですか。
  13. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 経済再建費の中からでございます。  それから中小企業につきましてちよつと或る程度詳しく申上げたいと思うのでありますが、御存じ通り中小企業融資につきましては二月十日現在で十億一千二百万円しか出ておらないのでありますが、これは昨年の初めから始められた制度で、毎月一億ずつということであつたのが、ドツジさんが参りまして十月から一月三億ずつ殖えたにかかわらず、まだ十億一千二百万円ありますから二月の残りと三月中にあと十四億六千四百万円ですか、十四億近い金がまだ浮いているという状態でございます。見返資金貸付につきましては、その制度開始以来一月三十一日までの累計千八十七件の貸付承認を行いました。その業種別を申上げますと、輸出産業系統のものが三百八十八件、関連産業系統のものが四百四十四件、生活必需物資産業が二百五十五件、合計千八十七件という貸付状況でございます。この制度開始をいたしましたときには申込が非常に多くありまして、昭和二十五年度の——三月には三百八十件、四億六千二百万円という申込があり、四月から六月にかけましては五百七十件、六億八千九百万円という申込がございまして、いつも割当額の三億を上廻つて翌期へ繰越をいたしておつたわけでございます。従いまして見返資金中小企業融資というものは遅いし、申込んでもなかなか駄目だというふうな印象が相当多く世の中に流布されておつたのでありますが、従つて七月から九月になりますと、ずつと案件も減りまして百五十件、一億六千五百万円の申込に止まつたわけであります。然るに枠の拡大を十月からいたしまして九億にいたしたのでありますが、その後十月—十二月の実績を見ますと、相当り宣伝をいたしましたにかかわらず百三十九件、一億六千四百万円の申込に過ぎないのでございます。十月—十二月は繰越の分と合せて三億三千七百万円を消化いたしましたけれども、十月—十二月自体の申込といたしましては、一億六千四百万円に過ぎなかつたわけであります。その後本年に入りましても現在一月までの申込が四十八件、六千五百万円というわけでありまして、非常に減少いたしております。二月十日現在の貸付額累計はここにございますように十三億一千万円でございまして第三四半期分の九億円、四億九千八百万円残しておりますから、第四四半期のものを入れますと十三億九千八百万円の金が残つておるという状態でございます。これはまあいろいろの点を改善しなければらない点があるのでありますが、先ず貸付銀行でやつておりますけれども、これを無盡に拡げようということで司令部と折衝いたしておりまして、この無盡に拡げことにつきましては、正式のメモはまだもらいませんけれども、すでに了解を得ております。全部の無毒会社ではありませんので、何と言いますか三分の一程度の無盡会社にこの中小企業の見返融資を扱つてもらうということにいたすつもりであります。それからなお資本金規模とか人数とか貸付額とい点にいろいろな制限がございますので、たびたび申上げておりますように貸付規模をもつと殖やすとか、それから人数をもつと大きなものにしてもらいたいという点につきましても、只今交渉中でありまして、近く結論を得るものと考えておるわけであります。なお海運につきましては非常に混み入つておるのでありますけれども御存じのように昭和二十五年度海運はここに書いてございますように百三十五億円の予算でありまして、それに対しまして只今まで百四億出ておるのでありますが、この百二十五億の予算のうち前年度昭和二十四年度から着工いたしました工事に要する金額は約七十億、六十九億六千九百万円でございまして、昭和二十五年度着工工事は、いわゆる第六次船計画はこのうち六十五億三千万円でございます。現在まで出ました金額はここにありますように百四億でありますが、そのうち昭和二十四年の継続工事に対しまする分が五十三億程度でございまして、少し混み入つておりますが、七十億のうち五十三億貸しております。それから二十五年度に着工いたします経費に充てられる六十五億三千万円のうち、現在まで約五十一億の貸付をいたしておるわけであります。本年度は百三十五億円ということで終るわけでございます。来年度につきましては百十五億の見返資金海運に認められておるのでありますが、これを最大限度に使うという意味におきまして百十五億円のうち本年着工いたしました船の継続工事に要する分は五十三億二千二百万円でございますので、それを差引きました六十一億七千八百万というものを昭和二十五年度に着工したい。そのうち主なるものはいわゆる第七次船の問題でございまして、第七次船その他改造船等にこの金額を使いたいと考えておるわけであります。従つて本年度四月早々着工いたしますと、見返資金といたしましては、七十億程度の金が海運に足りなくなるわけでありますが、これにつきましては司令部としてこれだけ増額をしてくれるということの大体の了解をすでに得ております。従つて船が百十五億というように来年度なつておりますけれども、それに約七十億程度追加が認められるという予定でございます。なお二十六年度につきましては、特に申上げることもございませんので細かい点につきましては、この計画につきましては只今安定本部審議をいたしておる最中でございます。ここにございますように大筋で申上げますと、電力一五 ○、海運一一五、これに対して今申上げましたように海運相当額追加がある。中小企業四〇その他四五ということで運用いたしておるわけであります。極めて数字が細かくなりましたのでおわかりにくかつたと思いますが、応の御説明を終りたいと思います。
  14. 伊達源一郎

    理事伊達源一郎君) 次に中小企業庁長官小笠君に御説明を願います。
  15. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) お手許中小企業金融対策現況資料をお配りいたしておると思うのでございますが、それに従いまして簡單に現在の中小企業金融状況を御説明申上げたいと思います。  中小企業金融に対しまするいろいろな施設の中で、先ず第一に市中銀行から中小企業へ流れておる金の状況が第一頁を書いてあるのでございます。一応三百万円以下の貸付中小企業として見ます場合は、約三二%、総額が二千七百六十二億円というふうな状況が昨年九月末現在でございます。一般的に市中銀行から出しておりまする額は、大体そういうことでありまするが、昨年四月からいわゆる中小企業專門店舖というものが十一大銀行に作られておるのであります。六十四カ所作られておるのが第二頁に書いてあります。これの活動の跡は真中頃に書いてありますが、四月の二十日から十二月末日までの貸出累計は四万九千二十三件でありまして、金額といたしましては百十二億七千百万円というような数字に相成つておるのでございます。全体に中小企業金融專門店舖でやつております処理状況、又貸出拒絶理由というようなものにつきましては、次の頁に書いてあるのでございます。この貸出專門店舖から受けられなかつた一番大きな理由は、パーセンテージとしましては、企業信用不足というものが、件数として一番大きく、千七百四十一件というような数字なつておるわけであります。ここで中小企業金融におきまする信用力の弱さをどう保護するかということが考えられるわけであります。業種別貸出状況はその次であります。これが一般銀行から中小企業に対して出ておりまする金融の大体の状況でありますが、第二の、四頁の第二のところへ参りまして中小企業專門的金融機関の問題でありまするが、それにはここに一つが商工組合中央金庫、それから信用協同組合、その他国民金融公庫というふうに書いてあるわけでありますが、商工組合中央金庫につきましては、現在出資金が、民間出資が五億、見返資金からの融資額が五億で十億でありまするが、その出資金を以ちまして現在どういうふうにやつておるかということを、資金の関係、借入金の関係、貸出状況というふうに分けて書いてあるのであります。大ざつばに申しますと、商工中金は一昨年の暮の貸出残高が二十八億余、こういうのが昨年の十二月末には約百千億ちよつと切れておりますが、百十億まで伸びて参つておるのであります。昨年一月におきまして、いわゆる協同組合組織を通じて中小企業へ金が相当この金庫から流れておるということが考えられるのであります。この商工中金から流れておりまする金の使途につきましては、八頁のところに書いてありますように、主として運転資金に金が出ておるのであります。即ち百十億の貸出残高について、百億が運転資金で設備資金は十億ということに大体なつておるのであります。この資金がどういう業態において使われておるかということを業種別貸出状況を見てみますと、一番大きいのが何と申しましても製造工業の関係であります、六十三億という数字が出ております。その次は商業金融として卸、小売業に対する短期金融というものに約三十七億という数字が出ているのでありますが、商工中金はここでも農業であるとか或いは林業とか狩猟業というようなもの、或いはサービス業とかいうような項目が入つておりますように、中小企業等協同組合法が非常に広い範囲において、中小の規模であれは業態が商工業でなくても組織し得るというふうに改められておりますので、商工中金から組合金融として出資される農業、林業、狩猟というような原始産業に近いところまで相当出ておるということが昨年来一つの顕著な動きに相成つておるわけであります。商工中金の問題といたしましては、ここで本年度の特に問題になりますのは、資金源等から考えまして短期な運転資金資金面をどう集めて行くかという問題が今年度の一つの大きな問題になると考えておるわけであります。  それから九頁に信用協同組合状況を書いてございますが、現在組合総数が六百三十三というようなことに相成つております。これは一昨年の法律改正によりまして、市街地信用組合が協同組合に改組されたものが非常に多いのであります。この信用協同組合の行なつておりまする現在のいわゆる金融事情というのは十頁に書いてありますような状況でありまして、現在相当な二百五十六億というような貸付金が行われているわけであります。貯金の積金といたしましても百億近い数字金額を持つております。  中小企業金融の專門機関の一つと見られます無盡会社につきましては、その次に書いてありますように現在五十九の無盡会社がございますが、無盡会社の活動状況というのはその次に書いてあるのでありまして、貸付金といたしましてもすでに二百六十一億というような大きな金額なつておるわけであります。  それからやはりいわゆる庶民金庫と恩給金庫との合体によりまして、小さな事業金融を行うことを中心的な目的といたします国民金融公庫の活動状況をその次の十一頁から十二頁に書いてございますが、国民金融公庫は現在前の臨時国会で増資になりまして、現在四十億というような出資金に相成つております。更に二十六年度予算におきまして二十億の出資をして、大体六十億の出資を以て小口金融に当つているのであります。この活動状況につきましては、二つのいわゆる普通の零細企業を中心とした小規模企業に対する事業資金貸付の問題と、いわゆる引揚者、戰災者等に対する更生資金貸付との二つになるわけでありますが、第一の一般中小企業金融といたしましては、普通小口貸付なつておりますが、これは大体二十二億八千三百万円という昨年十一年末現在の貸付状況に相成つておるのであります。この国民金融公庫の果しておりまする、特に零細企業に対する金融として、この公庫の果しておりまする役割は非常に顕著なものがありまして、この金額が全額政府出資でありますし、経費も予算のみで行うというような制度でございますので、非常に大きな効果を挙げているのであります。その申込状況貸付状況等が次の頁に書いてあるのでございますが、全般的に大ざつぱに申上げますと、現在希望者に対しまして二割見当しか資金の関係から貸付ができておらないというような状況であるわけでございます。一方この貸付は御承知の通り個人に対しましては最高十万円、実際は平均が五、六万円の実績なつておりますが、法人でありますと、十人の連帶を認めまして百万円まで貸し得ることになつておるのであります。これを月賦償還でありますので、この回收率も非常にいいようでありまして殆んどいわゆるロスが出ないというような状況に相成つておるのであります。で、零細企業金融におきまする公庫の活動は非常に高く評価していいのでありまして、更に今後この組織の拡張改善という問題が非常に大切なのではないかと考えております。 それから中小企業のいわゆる特に設備資金の供給といたしまして先ほど理財局長からお話がありました、対日援助見返資金状況が十五頁に書いてございますが、大体先ほどのお話通りであります。特にどういうような貸付をしておるか、十六頁で貸付の條件というものを一応過去の実績から調べてどの程度の企業にこの資金が出ておるかということを書いてございます。  それから短期な運転資金としての大きな供給面であります。日本銀行中小企業向の別枠資金のことを十七頁以後に書いてありますが、現在四十二億の貸出残高を以ちまして、興銀、勧銀、商工中金、北拓の四行を通じて中小企業の運転資金、主として運転資金に供給されておるのであります。これは当初四億五千万円の資金で始めたのでありまするが、現在四十二億ということに相成つておるのであります。そのほかに十九頁に書いてありますように、一昨年の暮の預金部資金の百億の預託の問題、昨年三月におきます国庫余裕金金融機関への預託はそういうものを通じてのいわゆる中小企業への金融の疏通を図つておるということにつきましては十九頁に書いてある通りであります。以上は現在中小企業金融としてのどういうような機関で、どういうふうな程度金が中小企業へ流れているかということに対するその資料でございまするが、中小企業金融におきまする一つの問題は、信用力が比較的薄弱である。従いまして金融機関その他からなかなか金が流れにくい、そこに中小企業といたしまして金融を円滑にいたしますためには何らかの信用力を補強するという必要がございますので、そういう補強的な補助的な政策としての、現在やられております成果が二十頁、二十一頁に書いてありますように、信用保証協会の制度と、中小企業信用保險制度でございます。信用保証協会はここに書いてございます通りに四十八ありまして、保証の承諾総額はすでに百七十二億八千七百万円ということになつておるのであります。而もその間におきまして現在は順次これは返済されまして、八十六億というふうなものが各四十八の保証協会の保証の現在高であります。而もこの間におきまして、代位弁済をいたしまして、保証協会の負担になつたものが二億六千百万円というふうな僅かな数字で、信用保証というふうな信用力に若干の外部の公の力によつて、つつかい棒をするということによつて中小企業金融に案外ロスが少いということがこれから言えるのではないかと思うのであります。第二の中小企業信用保險制度でございますが、これは昨年の第九臨時国会で協賛せられまして施行になつたのでありますが、これは本年に入りましてから順次整つて施行になつておるというようなので、まだ施行後日が浅いので、その実績をはつきり申上げにくいのでありますが、法律によりまして一—三月のこの保險を附して貸付け得る貸付金の総額が三十六億円ということに相成つております。これを二十二頁にその状況を書いてありますが、これを金融機関と契約を結びまして施行に移つておるわけであります。現在までにすでにこの保險制度を利用して正式の保險契約の通知が参つておりまするのが四、五件ございまするが、順次この制度が周知されるに従いましてこの制度の利用が活濃化するのではないかというふうに考えておるので、特に地方の銀行或いは信用協同組合、無盡会社、商工中金、農林中金というふうな中小企業に比較的密接な従来の関連を持つておりまする金融機関におきましては、これを非常に歓迎して利用するであろうということを期待いたしておるのであります。  最後にこの中小企業に対しまする金融指導といたしまして、特に受入態勢の整備というようなことから簡易帳簿制度、いわゆる帳簿の整理というようなことにつきましては関係各方面が努力いたしておる。いわゆる金融の企業としての受入態勢をできるだけ整備させるということを一方においで努めておるということを書いてあるのでございます。  以上が現在中小企業金融として行なつておりまするあらましでございまするが、冒頭の二、三行にも書いてございますように、朝鮮動乱以後特需その他景気の基調が変つてつておりまするが、なお中小企業全体といたしましては相当金詰りの傾向というものがあるように見受けられるのであります。で特に地域的な関係、いわゆる業種或いは地域におきまする凹凸の問題がまだ相当あると思うのでございます。それで中小企業の基本的な一つの向上を図るために、特に工業面におきまする設備の改善、更新というようなところから、これの推進に必要な長期資金の調達の問題につきましてはなお今日十分に参つておりませんので、できるだけこれを推進する必要があるというふうに考えておるわけであります。  以上簡單でありまするが、資料に基きまして御説明申上げた次第であります。
  16. 伊達源一郎

    理事伊達源一郎君) これで説明は一通り終りましたからこれから質疑に入りたいと思います。
  17. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 先ほど銀行局長からいろいろな金融情勢を伺いしましたが、そのうちで日本銀行券発行準備についての資料ですね。発行準備がどうなつておるか。そういう資料があつたら御提出願したいのですが……。
  18. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 調査いたしまして提出いたします。
  19. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それはやはり二十四年度あたりからお願いしたいのです。それからいわゆる政府余裕金が今どのくらいになつておるか。
  20. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 先ほど読上げましたのでありまするが、資料といたしましようか。繰返しましようか。
  21. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そうですね。お願いいたします。
  22. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 国庫余裕金と申しますか、短期に運用をしてあるものを含めまして、二月十日現在の数字でありますが、国庫余裕金では、当座預金に六百四十八億円、市中金融機関に対する指定預金が百四十九億円合計七百九十八億円であります。見返資金におきましては、先ほどの理財局長説明数字とは日が違いますので若干違いますが、二月十日末では預金として四百十六億円、短期証券として四百六十九億円計八百八十五億円であります。預金部では短期証券運用しておりますものが二百三十五億円、その他復金で四億円、閉鎖機関で百三十四億円等でございます。
  23. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それから先ほどの見返資金の特別会計の二十六年度予算についてお伺いしたいのですが、二十五年度においての債務償還費五百億は、二十六年度の前年度剩余金繰入五百二十七億の中に入つているのですかどうか。
  24. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) お手許資料の中に入つてございません。繰越して使いますものでございますから、その中には入つてございません。
  25. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それからもう一つ、国鉄回收金でしたかね、二百七十億ですか、これは入つておりますか。
  26. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 国鉄電通の二百七十億は、二十五年度中に肩替りをいたしますので、二十五年度收入の中に入つております。さつき三百十五億くらいの見込と申上げました中に入つております。二十五年度の中に肩替りいたしますので二百七十億のものを持つております。それを預金部に入れますと、見返資金に二百七十億のが入るのでございまして、それを二十五年度收入の中に入れてございます。
  27. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 只今申上げました復金の余裕金は四十七億の誤りでありますので訂正いたします。
  28. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それで合計しますとどのくらいになるのですか。
  29. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 合計は二千百億円ばかりであります。
  30. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それからこれはまあ、広い意味余裕金と言つていいのかどうか知りませんが、いわゆる政府の蓄積資金というようなものですね、これはどのくらいになるか。例えば見返資金において二十六年度経済再建費として七百五十四億何がし計上されておりますが、これが例えば二十七年度繰越される、そういう場合、そうしますと又二十五年度の債務償還費五百億が二十六年度繰越されると、それもまあ財政上の余裕になるわけですが、それだけで千二百五十億になるのですか。そのほかに、例えばインベントリー・ファイナンス五百億を二十五年度にやりますと、それは一応そういう一つの蓄積資金みたいになりますが、そういうような財政上のいわゆる彈力性となる金はどれくらい見積られておるか。
  31. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) これは数字の出し方によつて御存知の通りいろいろになるのでありますが、例えば先ず第一に考えますのは、現金余裕金のようなものは大ざつぱに計算しまして二十五年度の見返資金だけでも千億以上持つておる。それから貴金属特別会計の金、銀というようなものが七十四億程度、それからこれはダブルかも知れませんが、大臣からお話になりました外貨五億二千万ドルというようなものも、これはキヤツシユに換算しますと千八百億程度のものになります。見返資金の投資の部分をやり切れになつておる部分でないものを拾いまして、いろいろ拾い方はありますが、七百億程度投資みたいなものがあるのではないかと思います。それからいろいろ考えますと、復金の貸出、これは非常に優良な資産でありますので、毎年返つて来るもの以外、財政に組入れておりますけれども、まだ返つて来ない金額、これが七、八億程度あるのではないかと思います。政府出資が三百六十億、外為への出資、貿特への出資、食管へのインベントリー・ファイナンス、これらを一々拾えばわかるのでありますが、六、七百億程度になるのではないかと思います。いろいろの観点から、見方によつて違いますけれども、これはキヤツシユとして持つておるもの、投資、出資というようなもの、外貨というものを考えれば考え得る数字だと思います。
  32. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 次に伺いたいのですが、政府対民間の收支の関係で二十六年度においては外為関係だけでどのくらいの撒布超過になる予想ですか。
  33. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 政府出資については資金計画と一緒に或いは安本からお話があるのではないかと思います。が、これも御存じのように輸出入の計画計画通り行くかどうかというようなことで数字が変りますけれども只今の私ども見通しでは昭和二十六年度における外為の收支というものはむしろ資金計画としては撒布超過ではありますが、二百三十億とこう見込んでおります。然るに方五百億のインベントリー・ファイナンスがございますから、逆に五百億から二百三十億を引いた金額が日銀に返つて信用の收縮になるというように考えております。但しこれは予算書にございます通りの輸出入になつたというふうな場合においてであります。
  34. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 これはオープン・アカウントとキヤツシユ・アカウント両方含めているわけです。オープン・アカウントだけの場合はどうですか。
  35. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) これは技術的に非常に面倒な……お示しの通りオープン・アカウントとキヤツシユ・アカウントとは、オープンの場合には外為会計を使つて日銀に円が返つたりいたしまして、非常にややこしいことになるわけですが、私ども国庫收支として見ますときは、オープン・アカウントのときも外為に円が入つたり、出たりするという実質的の意味におきまして見ております。オープンを除いて考えますと、如何にも撒超になる、非常に撒超になる、数字になるのですが、オープン・アカウントも調整いたしまして、実質的に外為を通つて出入りをすると考えておりますので、実際に実質的の国庫收支として見ております。
  36. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 このユーザンスにつきまして、これまで日銀が市中銀行に為替を貸付けて、それで返すときは市中銀行が外為から外貨を買つてそうして日銀に返したわけですね。そういうやり方をやめて、今度は市中銀行がじかに円で日銀に返す、こういうように変えるようにするという話を聞いたのですが、そういうようなふうに変えることになるのですか、どうですか。その点ちよつと伺いたい。
  37. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) すでに私からお答え申上げましたユーザンス制度全体につきましては、今あらゆる角度から研究中でございます。従いまして只今制度は外貨を外為から日銀に売りまして、日銀が外国為替銀行に外貨貸付を行うということになつておるのですが、これを或いは一つの考え方としては、外国為替特別会計から外国為替銀行へ売る、日銀を通さないで外国為替銀行へ売るということも一つの考慮の中には入つております。それから又しばしば申上げておりますように、ユーザンスの期限そのものを短くするとか、ものによつては延ばすとか、そういう方角のことも考えております。いろいろな方面から検討いたしておりますが、未だ確定的な考え方はぎまつておりません。
  38. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 このユーザンスについての期限ですが、今短くするとか或いは長くする、こういうようなお話がありましたが、従来伝えられているところによれば、それを長くするという方針であるとか言われたのですが、短くするということは、今度は輸入金融からすれば、それが窮屈になるわけですが、その点はこれまでの期限を長くして輸入金融を円滑にして、やりやすくするという方針とちよつと違うように思うのですが、その点はどういうことから短くしなければならないような考えが出て来たのですかね。
  39. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) 短くすると申しましたのは、一般的に短くするか、個々のものについて短くするかというふうなことも研究の対象でありますが、只今考えておりますところでは、例えばバナナというようなものが入つて来ました場合に、これは早く売れるのでありまして、青いうちに入つて来るとなかなか売れないかも知れませんが、バナナは売れるには三ヵ月もかからないうちに売れる。要するに現在のユーザンスの期限を一律に考えて置く必要はございませんので、要は輸入金融を円滑にするという点にありますので、それ以上のことが行われているようなものにつきましては検討を加えて行く、こういう趣旨でございます。
  40. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 その点は、最初は一般的にユーザンスの期限を長くするつもりでいたけれども、外為を通ずる、そうしてユーザンスを通ずるインフレといいますか、通貨膨脹、そういうものが相当著しくなつたので、これを調整する意味でそういうことをお考えになつたのではないのですか。そういう考えではないのですか。
  41. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) ユーザンスを始めましたのは、輸入は喫緊の要務でありますので、国府金融が輸入を円滑にしたい要素を取除き、むしろ国内金融をうまくつけて輸入金融をやるというところにありました。施行後いろいろ日がたつて参りますと批評すべき点も出て参りますので、殊に輸入そのものの促進とは関係のない信用膨脹の部分、今申上げましたバナナが一つの例でありますが、その一律に何も三ヵ月のユーザンスを與える必要のないものもありますので、それらについては十分検討したい、なおものによりましては三ヵ月で無理なものにつきましては、只今例外的に四ヵ月認めておりますので、長くするものも勿論認めなければならない。要は輸入を促進いたしますために必要にして十分なる資金を供給したい、つこういう考えであります。
  42. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それから先ほど外為については結局五百億インベントリーをやれば二百七十億の引揚超過になる、それが一のデフレを、通貨の上で言つてデフレの要因になる、こういうように解釈していいのですか。そういう政府対民間との收支が通貨のほうに、日銀券にどういうふうに影響して行くのか、この二百七十億というものをデフレ要因と見ていいかどうかということですね。
  43. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) これはお尋ねの通り非常に專門的なあれでございますが、国庫收支全体を眺めて見なければならない問題になるのでありまして只今申上げましたように、来年度資金計画全体を考えまするに、財政全体といたしましてはこれは計算の仕ようでありますが、大体二十二億程度引揚超過というふうに考えておるのであります。そのうち、これは安本から詳しく申上げる筋だと思いますが、一般会計が来年度は八百九十億程度引揚超過、見返資金が三百二十六億程度引揚超過、預金部は二百三十六億の撒布超過外国為替特別会計が二百三十億の撒布超過、それから債務償還とかその他のものを調整いたしまして二十二億程度の引揚、即ち大体中立的な財政は、予算一般会計特別会計、見返資金預金部全体引つくるめまして引揚でもないし、撒布超過でもないという状態に予想いたしております。そのうち只今お尋ねのございました外国為替特別会計だけをとつて見ますと、二百三億の撮り布超過に相成つておるのでありますが、その内容を分析いたしまするに、一般会計から五百億もらつておる、そうして三百三十億の撒布超過になることはつじつまを合せますと、金額ちよつと忘れましたが、二百億以上のものが日本銀行に返つて行くという計算をいたしておるのであります。今年は御存じのように二千八百四十二億の外国為替特別会計撒布超過でございます。その内容も例えば二千八百四十二億が全部一般会計から入つておる金であれば、これ自体は撤布超過でありましても、全体としては通貨に響かない、日本銀行に外貨を売りまして得た金でございますので、日銀のソースから入つて来た金が大部分であるために、通貨が国庫全体としては七百億の撒布超過なつておる。こういう経過でございます。
  44. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 まあ大体わかりましたが、実は国庫と民間收支については安本の資料をもらうことになつておりましたが、まだもらつていないので、只今お話国庫と民間收支一般会計、特別会計、資金運用部政府機関を引つくるめて二十二億の引揚超過になると、その場合に最後の二十二億というものはそれは通貨のほうとどういう関係になるのか、それはデフレ要因になると、そういうふうに見ておられるのですか。
  45. 伊原隆

    政府委員伊原隆君) さようでございますが、今の二十二億の引揚超過というのは通貨との関係において二十二億の引揚超過ということになるのでございます。今年度撒布超過の七百億というのは通貨との関係において七百億程度撒布超過ということでございます。
  46. 伊達源一郎

    理事伊達源一郎君) ちよつとお諮りいたしますが、本会議が始まりましたので、散会しては如何かと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 伊達源一郎

    理事伊達源一郎君) それではこれを以て散会いたします。    午後三時二分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            平岡 市三君            佐多 忠隆君            伊達源一郎君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員           池田宇右衞門君            泉山 三六君            大島 定吉君            小野 義夫君            白波瀬米吉君            山本 米治君            岩崎正三郎君            加藤シヅエ君            山田 節男君            飯島連次郎君            前田  穰君            菊田 七平君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    大蔵省理財局長 伊原  隆君    大蔵省銀行局長 舟山 正吉君    中小企業庁長官 小笠 公韶君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君